1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/05(金) 20:35:12.80 ID:ZOQ17wWk0
佐天「いやいやいや、ないってー。白井さんかっつーの」

佐天「そもそもそんなんじゃないんだから、あたしはさ」

佐天「……」

佐天「……あー、どうしちゃったんだろあたし……」



美琴「あれ?佐天さんじゃない、今帰り?」

佐天「ふえ!?み、美琴さん!?」

美琴「美琴?」

佐天「あ」

引用元: 佐天「……美琴さんって呼んでも良いですか?」 

 

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/05(金) 20:49:09.29 ID:ZOQ17wWk0
佐天「いや、あのー、違うんですよ?」

美琴「……」

佐天「なんて言うか急に呼ばれてびっくりしちゃったていうか……」

美琴「……うん、美琴さんか良いわね……」

佐天「そうそう、美琴さんて良いよねって――――」

佐天「え?」

美琴「ん?いやだから良いんじゃない美琴さんって」

佐天「えっと、良いんですか?美琴さんて呼んでも」

美琴「うん、良いわよ。いやーなんか下の名前で呼ばれるなんてあんまないからさ」

佐天「(ああ)」

美琴「それに佐天さんとは友達でしょ?」

佐天「(そんなこと言うから)」

美琴「なんか良いなあ。ね?もう一回呼んでみてよ?」

佐天「えっと……美琴…さん…」

佐天「(惹かれちゃうんですよ)」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/05(金) 21:25:44.31 ID:ZOQ17wWk0
美琴「うん、やっぱ良いわね。ところで佐天さんは帰りなの?」

佐天「はい。初春は風紀委員で……」

美琴「初春さんもかー、黒子もなのよね」

佐天「そうなんですか?なんだか羨ましいなあ」

美琴「どうして?」

佐天「んー、前は風紀委員なんてめんどくさそうだなって思ってたんですけど
    実際に自分の持ってる能力を生かせるってすてきだなって……」

美琴「……そっか」

佐天「なんだかしんみりさせちゃいましたね、すいません」

美琴「良いよ」

佐天「え?」

美琴「だからさ、もっと佐天さんが抱えてること言っちゃって良いんじゃないかな?」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/05(金) 21:32:53.97 ID:ZOQ17wWk0
佐天「……」

美琴「私さ、佐天さんに出会う前は無能力者のことを心のどこかで見下してた」

佐天「……」

美琴「でもね、佐天さんに会って、レベルアッパーのことがあって考え変わったの」

佐天「そんな、あたしなんて……」

美琴「そんなことないよ、佐天さんと知り合えて本当に良かった」

佐天「美琴さん……」

美琴「もっと佐天さんのことたくさん聞かせて欲しいな」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/05(金) 21:42:41.05 ID:ZOQ17wWk0
次の日

佐天「…………………………」

『なんか良いなあ。ね?もう一回呼んでみてよ?』

初春「佐天さん?」

佐天「…………………………」

『良いよ』

初春「おーい、佐天さーん」

佐天「…………………………」

初春「……おいコラ佐天」

佐天「…………………………」

初春「一体全体どうしちゃったんでしょう?」

『もっと佐天さんのことたくさん聞かせて欲しいな』

佐天「く~~!」バシン

初春「……また変なものに手を出しちゃったんでしょうか……」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/05(金) 21:49:38.02 ID:ZOQ17wWk0
佐天「ね、初春」

初春「うおっと、なんですか?」

佐天「あたしの話っておもしろいかな?」

初春「はい?佐天さんは芸人にでもなるんですか?」

佐天「ちーがーうー。これだから初春はー」

初春「……なんでしょうこの悔しさは」

佐天「ところでさ、初春は今日も風紀委員なの?」

初春「はい、そうですよ」

佐天「そっかー、それは残念」

佐天「(今日も美琴さんに会えるかな……)」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/05(金) 22:12:47.16 ID:ZOQ17wWk0
放課後

佐天「まあ、そんなうまいこと会えるわけないよね」

佐天「……ていうかあの人っていっつも放課後何してるんだろう?」

佐天「よくよく考えるとあの人のこと良く知らないな……」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/05(金) 23:43:16.05 ID:ZOQ17wWk0
常盤台の寮

ゲコターーゲコターーゲコゲコター

美琴「ん?メール?」

送信者:佐天涙子
受信者:御坂美琴

件名:今度の日曜

あいてますか?
良かったら買い物に付き合ってほしいんですけど…

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/05(金) 23:57:51.64 ID:ZOQ17wWk0
送信者:御坂美琴
受信者:佐天涙子
件名:Re:今度の日曜
空いてるよー(´∀`*)
でも黒子たちは風紀委員だけど良いの?


送信者:佐天涙子
受信者:御坂美琴
件名:全然
問題ないです( ´∀`)
それじゃあ、お昼にいつものファミレスでいいですか?


送信者:御坂美琴
受信者:佐天涙子
件名:了解
そういえば二人で買い物は初めてだね!
楽しみだo(*^▽^*)o

それじゃ日曜ね(*^-゚)/


送信者:佐天涙子
受信者:御坂美琴

件名:Re:了解
そうですね、私も楽しみです(●´ω`●)ゞ

それじゃおやすみなさいヾ(●´▽`●)ノ

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 00:06:34.45 ID:VvgY6GvL0
佐天「……やってしまった……」

ボフン 

佐天「あ~~~、どうしよう、あたし絶対今変な顔しちゃってる」

佐天「美琴さん楽しみだって」バシンバシン

佐天「買い物以外にも回っても大丈夫だよね……」

佐天「そーだ、服もどうしよっかな」

佐天「いやいや(ry」




佐天「早く日曜にならないかな……」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 00:29:32.36 ID:VvgY6GvL0
日曜

美琴「ごめーん、待った?」

佐天「いや全然ですよ」

美琴「そ、もう頼んだの?」

佐天「いや、まだです」

美琴「うっし、それじゃちゃっちゃと頼んじゃいましょ」

佐天「おー、じゃあたしはこの特製―――」





佐天「辛い……」グス

美琴「はいはいお水どーぞ」

佐天「アリガトウゴザイマス」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 00:41:52.91 ID:VvgY6GvL0
美琴「それでどこ行く?買い物ならセブンスミストかな?」

佐天「そうですね、とりあえずそこ行きましょう」

美琴「オッケー、ところで何買うの?」

佐天「え?えーと、そう!服を!服をみたいなーって、アハハ」

美琴「服か、良いよねー。私らなんか基本ずっと制服だからつまんないよ」

佐天「えー?そうですか?常盤台の制服なんて良いじゃないですか
    初春なんて常盤台の制服なら寝る時でも着てそうですよー」

美琴「ふふ、そうかもね」

佐天「……でも」

美琴「ん?」

佐天「美琴さんならどんな服でも似合いますよ」

美琴「そう?ありがと」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 00:53:26.46 ID:VvgY6GvL0
美琴「でも佐天さんも何でも似合うよね」

佐天「そうですか?」

美琴「うん、年下とは思えぬスタイルだし……」ジー

佐天「どこを見てるんですかどこを。立派なセクハラですよー」

美琴「あらあら、反抗期かしら?お姉さん悲しいわ……」

佐天「なんなんですかそのキャラは?」

美琴「ノリ悪いなー、そういう娘はお姉さん嫌いよ」

佐天「はいはい行きますよー」

美琴「ちょっとー」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 01:11:07.97 ID:VvgY6GvL0
美琴「ね、ねえこれかわいいかな?」

佐天「……ノーコメントで」

(ああ)

美琴「この短パンはだめね……」

佐天「違いとかあるんですね……」

(やっぱり)

佐天「うわー、やっぱり似合いますよ。さっすがあたしの審美眼」

美琴「そ、そうかな……」

(この人のこと……)

美琴「ね?プリクラ撮らない?」

佐天「良いですよ、行きましょう」




(好きなんだ……)

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 01:22:25.77 ID:VvgY6GvL0
送信者:佐天涙子
受信者:御坂美琴

件名:今日は

ありがとうございました。
また一緒に行きましょうね(*´∇`*)

でも正直あのぬいぐるみはないと思います……


送信者:御坂美琴
受信者:佐天涙子

件名:Re:今日は

うん、また行こうね。

ゲコ太の良さがわからないとはまだまだ子どもだね佐天さんも……


送信者:佐天涙子
受信者:御坂美琴

件名:えー?

いやそれは否定します!
どう考えても美琴さんの方が子どもでしょ?

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 01:28:19.76 ID:VvgY6GvL0
送信者:御坂美琴
受信者:佐天涙子

件名:ふふふ

ゲコ太は大人の女性の嗜みなのだよ涙子君( ̄ー ̄)

そいじゃー、もう遅いしおやすみー。


送信者:佐天涙子
受信者:御坂美琴

件名:Re:ふふふ

おやす



美琴「おやす?途中で送っちゃったのかな?」


佐天「……涙子君か……ふふ」

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 18:06:28.89 ID:VvgY6GvL0
佐天「うー、最悪」

佐天「流石にこのテストの点はまずいなあ」

佐天「……ま、いっか!」






美琴「良くないでしょ!」

佐天「ふえっ!?美琴さん?」

144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 18:10:46.79 ID:VvgY6GvL0
美琴「なーんかどんよりした空気出してると思ったら……」

佐天「うう……」

美琴「何点?」

佐天「え?」

美琴「テストは何点だったの?」

佐天「……笑わいません?」

美琴「笑わないわよ」

佐天「……怒らりません?」

美琴「怒らないわよ」

佐天「本当に?」

美琴「本当だって、言ってごらんなさい」

佐天「……てん」

美琴「え?」

佐天「16点です……」

美琴「……oh……」

147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 18:21:59.45 ID:VvgY6GvL0
――――――――――――

―――――――

―――

美琴「いや、だからごめんってば」

佐天「ふん、もう良いですよー」

美琴「ね?じゃあ、勉強教えてあげるから許してよ」

佐天「勉強?」

美琴「そ、これでも勉強はできるんだからさ」

佐天「いいんですか?」

美琴「もちろん!じゃあ近いしうちの寮でしましょうか」

佐天「――!、よっしじゃあいっちょやりますか」

「「おー!」」

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 18:35:51.39 ID:VvgY6GvL0
佐天「(……よくよく考えたら、二人っきりで勉強?)」

佐天「(うあー、どうしよう?ちゃんとやれるかな?)」

佐天「(……)」

佐天「(いや待てよ……)」

ガチャ

美琴「ただいまー」

黒子「おかえりなさいませお姉様……と佐天さん」

佐天「ですよねー」

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 18:40:43.28 ID:VvgY6GvL0
黒子「まあまあ、珍しいですわね。お姉様が勉強を教えるだなんて」

美琴「そう?別にそんなつもりはないけど……」

黒子「まあしかし、この点数は……」

佐天「……うう」

美琴「はいはい、落ち込んでたって点数は上がらないわよ?

黒子「そうですわ佐天さん!お姉様に勉強を教えてもらうなんて――」

黒子「はっ!?ひょっとすると黒子も点数が悪ければお姉様と……」

黒子「しかしそれでは風紀委員としてのメンツが……」

美琴「いやあんたに教えるなんて誰も言ってないでしょ?」

佐天「ははは……」

160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 18:58:31.35 ID:VvgY6GvL0
佐天「(仲いいなあ)」

黒子「ささ、お姉様お帰りのキスを」

美琴「……しないわよ、っつーかいっつもしてるみたいに言うな」

佐天「(良いなあ)」

黒子「もう、せっかくお姉様がお帰りになられるまで待っていたというのに……」

美琴「はいはい、気持ちだけもらっておくわよ」

佐天「(私もあんな風になれるかな……)」

黒子「では、わたくしはでかけますのでごゆるりと」

美琴「うん、わかった」

佐天「……え?」

162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 19:06:17.94 ID:VvgY6GvL0
佐天「白井さんでかけるんですか?」

黒子「ええ、風紀委員の仕事がありまして」

美琴「あんたも大変よねー」

黒子「まあ、この忙しさも風紀委員の醍醐味といったところですわ」

佐天「(ちょっと待って……)」

黒子「では行って参ります、佐天さんもしっかり勉学に励むのですよ?」

佐天「う、うん。いってらっしゃい」

美琴「頑張ってねー」

佐天「(それってつまり……)」


バタン


美琴「じゃ、始めましょうか」

佐天「(二人っきりってことですか?)」

165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 19:18:42.84 ID:VvgY6GvL0
美琴「ここでそう、そうすれば解けるでしょ?」

佐天「あー、なるほど。こうですね」

美琴「そ、わかれば難しくはないでしょ?」

佐天「はい、美琴さんの解説はわかりやすいですな」

美琴「ほめたって何も出ないわよ?」

佐天「もー、そんなんじゃないですよー」

美琴「ふふ、それじゃちょっと休憩しよっか?」

佐天「さんせー、流石にこんなに勉強したのは久しぶりで……」

美琴「……まずは意識と習慣を変える必要がありそうね」

佐天「あははー、お手柔らかに……」

美琴「全く……」

167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 19:28:24.10 ID:VvgY6GvL0
佐天「そういえば仲いいですよね」

美琴「ん?誰が?」

佐天「美琴さんと白井さんですよー、なんかあうんの呼吸って感じで」

美琴「そう?まあルームメイトだし接する機会は多いわね」

佐天「そうですよね……」

佐天「(やっぱりあたしなんかじゃ……)」

美琴「……まあでも佐天さんや初春さんとも仲いいでしょ?」

佐天「え?」

美琴「あれ?違ったかな?私としては結構仲良くなれてると思ったんだけどな……」

佐天「ち、違わないです!」

169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 19:46:53.60 ID:VvgY6GvL0
佐天「あたしは美琴さんのこと本当に好きだし、もっと仲良くなりたいって思ってます!」

美琴「そ、そう?」

佐天「はい!」

佐天「(って、あたし何言っちゃってんの?)」

美琴「そっか……うん、ありがとう、うれしいな」ニコ

佐天「――!、いえ……」

美琴「いやー、私実は友達って言える人あんまりいなくてさー」

佐天「そうですか?あんなに人気もあるのに?」

佐天「(友達……か)」

美琴「自惚れるわけじゃないけど対等の立場でしゃべってくれる人ってそんなにいないんだよね」

佐天「(でも……今はそれでも)」

美琴「だからこれからも仲良くしてね?」

佐天「(こんなに嬉しくなっちゃう……」

佐天「もちろんですよ、美琴さん」

170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 19:55:28.72 ID:VvgY6GvL0
――――――――――――

―――――――

―――

佐天「おーい」

美琴「スースー」

佐天「全く、人に問題やらせといて寝ちゃうなんてこの人は……」

佐天「……」

佐天「寝てる顔も綺麗だなー……」

172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 20:06:51.90 ID:VvgY6GvL0
「ねえ、美琴さん」

「あたしあなたのことが好きなんです」

「ごめんなさい、友達でいて欲しかったのに……」

「本当は最初はただのレベル5への憧れだったんです」

「それとちょっとの嫉妬」

「でも今はそんなの関係ないです」

173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 20:09:54.13 ID:VvgY6GvL0
「美琴さんの全部が好きです

 常盤台のお嬢様な美琴さん
 
 ゲコ太が好きな子どもっぽい美琴さん
 
 白井さんとじゃれる美琴さん
 
 後輩の勉強を見てくれるお姉さんな美琴さん
 
 友達の前で見せる無防備な寝顔のみことさん

 全部大好きです」

「起きたらいつもの美琴さんの友達の佐天涙子に戻りますから」

「今だけはわがままになっても良いですか?」

「………」

「……」

「…」


「」

178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 20:39:38.87 ID:VvgY6GvL0
美琴「何で起こしてくれなかったのよ?」

佐天「いやー、なんかあまりにも気持ちよさそうに寝てたんで」

美琴「全く……寝てるとき何かした?」

佐天「しませんよー、写メ撮ったぐらいです」

美琴「してんじゃないの」

佐天「ふっふー、油断する方が悪いんです」

179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 20:48:05.33 ID:VvgY6GvL0
美琴「もう、他の人には見せないでよ?」

佐天「わかってますよ、あたしだけで独り占めします」

美琴「そ、なら良いんだけどね。そろそろ遅いし送るね」

佐天「いいんですか?勉強だけでも悪いのに……」

美琴「女子中学生を夜道に一人で歩かせるわけにはいかないでしょ?」

184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 20:53:49.40 ID:VvgY6GvL0
佐天「美琴さんは?」

美琴「私は良いの、レベル5なめんな」

佐天「あーひどーい、いじめだー」

美琴「はいはい、じゃあやめとくね?」

佐天「ごめんなさい」

美琴「ん、よろしい」

187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 20:58:39.13 ID:VvgY6GvL0
佐天「……雲で星が見えないですね」

美琴「そうね、明日は雨かしら」

佐天「ヤダなー、雨だと出かけられないし」

美琴「まあ、こればっかりはどうにもできないわね」

佐天「でも美琴さんの能力なら雨雲も操れそうですよね」

美琴「……ノーコメントで」

189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 21:14:38.40 ID:VvgY6GvL0
佐天「……」

美琴「……」

佐天「……」

美琴「……」

佐天「……」 スッ

ギュ

佐天「えへへ」

美琴「あらあら、今日の佐天さんはなんだか甘えん坊さんね」

佐天「いいじゃないですか、手ぐらいつないだって」

美琴「はいはい」

206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 22:17:12.84 ID:VvgY6GvL0
美琴「――――でねー、黒子ったら」

佐天「はは、白井さんらしいや」

(ずっと……)

佐天「でも初春の頭の花ははなー」

美琴「えー、良いじゃない」

(こうしてられたらいいのに)

美琴「だからゲコ太は――」

佐天「はいはい、よーく分かりました」

美琴「……この娘は――」






美琴「――あっ」

上条「げっ」

佐天「?」

211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 22:27:20.24 ID:VvgY6GvL0
美琴「……なんでアンタがここにいるのよ」

上条「いや、俺は夜道を歩くことすら許されないんですか?」

美琴「まあ別に良いけどね……」

上条「んでそのおとなりのかわいい娘はどなたなんですか?」

佐天「えっと、美琴さんの友達の佐天涙子って言います」

上条「あ、どうも御丁寧に。俺は上条当麻って言って……なあ御坂俺たちってどんな関係だ?」

美琴「んなっ?そんなのえっと……」

佐天「……」

214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 22:35:52.22 ID:VvgY6GvL0
上条「まあ、とにかくこいつとは腐れ縁というか一方的に絡まれてるんです」

美琴「ちょっと、それじゃ私がまるで攻撃しかけてるみたいじゃない」

上条「いや、だからそうではないかと……」

美琴「……悪かったわね」

上条「あのー、そんな風におとなしくされると俺が悪いみたいなんですけど」

215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 22:42:26.21 ID:VvgY6GvL0
美琴「うっさい、佐天さん行こ」

佐天「あ、はい」

上条「おい、なんなら送ってくぞ」

美琴「良いわよ、それとも私がやられるとでも?」

上条「それもそうだわな、気をつけて帰れよ」

佐天「……」ペコ

美琴「ふん」

218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 22:47:16.84 ID:VvgY6GvL0
美琴「……」

佐天「……」

佐天「えっと、今の方はお知り合いなんですか?」

美琴「んー、まあ知り合いっていうかなんていうか」

佐天「……仲良さそうですね」

美琴「ふえ!?そんなことないわよ」

美琴「だいたい、いっつも勝負しても最終的には逃げるだけだし」

佐天「……」

美琴「何か知らないけどたくさんの女の子と仲いいみたいだし」

佐天「……」

美琴「そりゃあ、確かに良いところもちょっとはあるけどさ……」

219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 22:53:38.55 ID:VvgY6GvL0
佐天「……優しそうな人ですよね」

美琴「優しいっていうかお人好しなのよ、アイツは」

美琴「困ってる人を見ると頼んでもないのに首つっこんできちゃって」

美琴「そんで自分のことは後回しにしちゃってさ」

美琴「私も実はちょっとだけ助けてもらったことがあってね……」

佐天「そうなんですか」

美琴「そ、まあ悪いヤツじゃないわね」

佐天「そっか……」

佐天「好きなんですか?」

232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 23:07:25.24 ID:VvgY6GvL0
美琴「え?」

佐天「だってそうでしょー、あんなに美琴さんに気さくに話す男の人なんて見たことないですよ」

美琴「な……」

佐天「それに女の人と仲いいってことは男の人にもにんきでしょ」

美琴「まあ、たしかに友達は多そうだけど……」

佐天「年上で、気さくで、誰にも優しくて人気者で、困ったときに助けてくれるなんて」

(ああ、そっか)

佐天「好きになっちゃうじゃないですか」

(あたしと同じなんだ……)

美琴「……」

235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 23:17:45.83 ID:VvgY6GvL0
美琴「ち、ちが――」

佐天「違うんですか?じゃあ、あたし狙っちゃおうかなー。年上の彼氏なんてかっこいいし」

美琴「それはだめ!」

佐天「……」

美琴「……」

238: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 23:25:28.90 ID:VvgY6GvL0
佐天「やっぱり、好きなんですね?」

美琴「……………………………」コクリ

(そっか……そうだよね)

佐天「よーし、それじゃあたしが応援してあげましょう」

美琴「え?」

佐天「だーかーらー、恋のキューピット佐天さんですよー」

(良いんだ)

美琴「ほんとに?」

佐天「もちろん、大船に乗ったつもりでいてください」





この人の笑顔が見られれば……

249: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 23:38:38.60 ID:VvgY6GvL0
件名:いや~
今日はなんだか色んな美琴さんが見れて嬉しかったです。
でもだめですよ~、上条さんの前であんな風な態度とっちゃったら(-。-;)

件名:Re:いや~
そうかな?私としてはいつもと同じ感じだったんだけど……

件名:ダメです!
もっと女の子らしくしないと……
せっかく綺麗なんだからそれを利用しない手はありませんよ?

件名:う~ん
今更女の子らしくしてもねえ……
絶対笑われちゃうよ(-_-)

件名:それは
ないです!
男の人っていうのは女の子のギャップにグッとくるんです(>▽<)
だから今度会ったらもっと女の子らしくいくんですよ?良いですね?

件名:うん
やってみるよ……
それとこのことは誰にも言っちゃだめだからね?

251: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/06(土) 23:48:48.52 ID:VvgY6GvL0
件名:わかってます
誰にも言いませんよ、あたしと美琴さんだけの秘密ですから……

件名:ありがとう
そっか、それじゃこれからも相談するね。

それじゃあ、おやすみ(*´∇`*)

件名:Re:ありがとう
はい、あたしで良ければじゃんじゃん相談してください!

おやすみなさい(゚∇^*)


パタン

ポフ

佐天「おやすみなさい、美琴さん……」

352: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 19:04:50.45 ID:UBDoXmnY0
佐天「で、どうでした?」

美琴「……え?」

佐天「上条さんですよ、なにかあったんでしょ?」

美琴「な、なんで?」

佐天「そんな嬉しそうな顔してたらわかりますよ~」

美琴「……むう」

佐天「……どうだったんですか?」

357: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 19:10:58.32 ID:UBDoXmnY0
美琴「んっとね、なんかちょっと意外そうな顔してた……」

佐天「……そうですか」

美琴「うん、なんかいつもと違うなって……そういうのもいいかなって」

佐天「……」

美琴「でもね……」

佐天「え?」

美琴「……いつものお前も良いけどなだって……ふふっ」

佐天「……ふーん、なんだかいい感じじゃないですか」

359: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 19:17:50.52 ID:UBDoXmnY0
佐天「なーんか良いなあ、うらやましい」

美琴「そうかな……」

美琴「ね、そういえば佐天さんは好きな人とかいないの?」

佐天「え?」

美琴「だって私は教えたのにそっちは教えないなんてずるくないかしら?」

佐天「……いやー、あたしは良いですよー」

362: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 19:25:38.65 ID:UBDoXmnY0
美琴「そんなこと言わないでさ、誰にも言わないし」

美琴「私じゃあ役に立たないかもしれないけどさ……」

佐天「……」

美琴「佐天さんの気持ちを聞くぐらいは出来るよ?」

佐天「あたしは……」



佐天「……そういう人はいないんですよ」

365: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 19:36:32.42 ID:UBDoXmnY0
美琴「そうなの?」

佐天「ええ、なんていうか恋に恋するお年頃で……」

佐天「あんまり特定の人が好きってないんですよー」

美琴「……ふーん、そっか」

美琴「ね、でもさ……」

佐天「……」

美琴「もし好きな人ができたら教えてね?」

佐天「……はい、一番最初に教えますよ」

美琴「約束よ?」

佐天「ええ、絶対です」

美琴「あー、それにしても佐天さんが好きなるような人ってどんな感じの人なのかなー」

368: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 19:46:13.60 ID:UBDoXmnY0
佐天「んー、どうでしょうね」

美琴「ね、好きなタイプとかってのもないの?」

佐天「そんなタイプなんて言う年でもないでしょうが……」

美琴「まあ、確かにそうね」

佐天「そんなことよりも美琴さんの方が大事です、そもそも話を脱線させないでください」

美琴「……うう」

佐天「そんじゃ、『嬉し恥ずかし美琴さん恋する乙女作戦』の会議をはじめます」

美琴「おー、って何よその名前は!?ダメっ!却下です」

佐天「えー」

374: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 20:10:49.37 ID:UBDoXmnY0
佐天「上条さんってすごいですね」

美琴「え?」

佐天「こんなに美琴さんに色んな表情をさせるなんて……」

美琴「そう、かな……?」

「なんだか嫉妬しちゃいます、美琴さんがとられちゃった感じがして……」

美琴「……」

佐天「何言ってるんでしょうね……」

美琴「……大丈夫」

佐天「え?」

美琴「私はずうっと佐天さんと友達よ?」

佐天「そうですね、ずっと友達です」

「ふふっ」

「えへへ」

377: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 20:19:48.75 ID:UBDoXmnY0
「本当に優しい人……」

「でも本当に優しいから」

「あたしはこんなに苦しくなっちゃう……」

「ずっと友達でいてくれますか?」

「ずっと友達のままですか?」

「あたしの好きな人はあなたなんですよ?」

「どうしてそんなに……」

384: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 21:03:52.69 ID:UBDoXmnY0
美琴「――佐天さん?」

佐天「え?えっとなんですか?」

美琴「もー、ちゃんと聞いててよ」

佐天「ごめんなさい、ぼーっとしてて……で、何でしたっけ?」

美琴「……その、だからバレンタインの……」

佐天「んー、やはりそこは手作りでしょう……」

美琴「……やっぱり?」

佐天「ええ、なんなら今度材料買いに行きましょうよ」

美琴「ほんと?ありがとう」

佐天「いえいえ」

390: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 21:38:05.56 ID:UBDoXmnY0
美琴「――今日はありがとね買い物付き合ってくれて……」

佐天「良いんですよー、うまくいくと良いですね……」

美琴「うん」

佐天「……」

美琴「ねえ」

佐天「はい?」

美琴「これあげる」

佐天「……えっとチョコですか?」

美琴「うん、実は練習で作ったんだけど良かったら今日のお礼も兼ねて……」

佐天「……ありがとうございます」

美琴「ううん」

美琴「あ、ねえまたプリクラ撮らない?」

佐天「良いですね行きましょう」

392: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 21:44:12.39 ID:UBDoXmnY0
美琴「そういえばさ……」

佐天「?」

美琴「初めて二人で買い物行った時も撮ったね」

佐天「……そうでしたねー」

美琴「……正直さ」

佐天「……」

美琴「こんなに佐天さんと仲良くなれるなんて思わなかったな……」

佐天「……」

美琴「なんかすごく嬉しくなっちゃう」

佐天「あたしも、ですよ」

396: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 21:56:30.78 ID:UBDoXmnY0
美琴「ほんと?」

佐天「ええ、ほんとです」

佐天「美琴さんはあたしの自慢の先輩であり、友達であり……」

佐天「とっても、大好きな人です」

美琴「ん、照れるわね」

佐天「言ってるこっちの方が恥ずかしいですけどね」

美琴「ふふ、そっかありがと」

佐天「えへへ」

400: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 22:06:53.67 ID:UBDoXmnY0
「……とっても、大好きな人……か」

「ねえ美琴さん、あたし本当のこと言いましたよ?」

「すごく勇気が要りましたよ?」



パク

佐天「……甘い」

佐天「……美琴さん」

402: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 22:15:44.36 ID:UBDoXmnY0
――――――――――――

―――――――

―――

佐天「もうチョコ渡したかな?」

佐天「昨日は夜遅くまで寝られなかったみたいだし……」

佐天「……きっとうまくいくよね」

佐天「なんてったって美琴さんだもん」

佐天「あの人に告白されて落ちない男なんているわけないっしょ」

佐天「……きっとうまくいっちゃうよ……」

ブーン ブーン

佐天「ん?って美琴さん?」

408: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 22:35:43.63 ID:UBDoXmnY0
ピッ

佐天「はい!もしもし」

美琴「あー、佐天さん?いやごめんね急に電話しちゃってさ」

佐天「いえ、大丈夫です」

美琴「そう、なんかさー急に佐天さんと話したくなっちゃったたのよね」

佐天「あn」

美琴「ねえ、今平気かな?」

佐天「え?」

美琴「なんかさ、佐天さんの顔が見たくなっちゃった」

416: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 22:47:44.91 ID:UBDoXmnY0
美琴「うーん、なんて言うかなー」

佐天「……」

美琴「ダメだった、たはは」

佐天「……」

美琴「いやー、なんか泣く気にもなれないや」

佐天「……」

美琴「ごめんね、せっかく色々相談にも乗ってくれたのに」

佐天「……いえ」

美琴「……そっち行っても良いかな?」

429: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 23:27:37.81 ID:UBDoXmnY0
佐天「はい、だいじょうぶ、です」

美琴「うん、じゃあ、お邪魔するね」

佐天「……はい」

美琴「……」

佐天「……」

美琴「……ありがとね」

佐天「え?」

美琴「……私のために、泣いてくれてるんでしょ」

佐天「っ!……そん、なこと」

432: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 23:35:25.03 ID:UBDoXmnY0
「そんなことないんです」

「だってあたし嬉しいって思ったんですから」

「美琴さんが悲しいのにあたしは嬉しいって思っちゃったんですよ?」

「今泣いてるのだってそんな自分がイヤだから……」

「こんな醜い自分がイヤだから……」

「美琴さんはあたしのこんな気持を知ってもありがとうなんて言ってくれるんですか?」

「本当はあたしはひどい人間なんです……」

438: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 23:45:51.53 ID:UBDoXmnY0
美琴「結局さー、他に良い人がいたってことなのよね」

佐天「はあ」

美琴「大体、そんなんならあっちこっちで女の子口説いてんじゃねーっつーの!」

美琴「そうでしょ?佐天さん?」

佐天「ええ、まあ」

美琴「あー、なんかフラれたって実感湧いてきたらむかついてきた」

佐天「あの、電気はここではやめてくださいよ?」

美琴「しないわよー、当たり前じゃない」

佐天「……なんだろうとっても不安だ」

440: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 23:52:27.27 ID:UBDoXmnY0
美琴「でも、さ」

佐天「……」

美琴「好きになっちゃったんだよね」

佐天「……」

美琴「好きで、好きで、苦しく、なっちゃって」

佐天「……」

美琴「どうしようも……なくなっちゃってさ」

佐天「……」

美琴「こんなに……辛いなら……最初から……」

443: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/07(日) 23:57:46.79 ID:UBDoXmnY0
ギュ

美琴「佐天……さん?」

佐天「……」

美琴「何も、言わないのね」

佐天「何も、言えませんから」

佐天「こうして抱きしめるぐらいしか」

ギュ

美琴「優しいね」

佐天「そんなことないです、あたしはひどい人間です」

452: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:04:30.59 ID:UBDoXmnY0
美琴「優しいよ……佐天さんは」

佐天「……」

美琴「あーあ、佐天さんみたいな人を好きになれば良かったのに」

佐天「……」

美琴「ね、もうちょっとこうしててくれる?」

佐天「はい、良いですよ」

美琴「………………う……ひっく……」

佐天「……」

458: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:14:41.90 ID:VmVlxSgW0
佐天「おーい」

美琴「……スースー」

佐天「泣くだけ泣いて寝るってあなたは子どもですか?」

佐天「……えいっ」プニ

美琴「ふみゅ……んー……スースー」

佐天「えへへ」

佐天「……」

『あーあ、佐天さんみたいな人を好きになれば良かったのに』

佐天「そういうこと言うから……」

466: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:23:06.83 ID:VmVlxSgW0
佐天「……好きになっちゃうんでしょ」

美琴「スースー」

佐天「でももう好きになっちゃうってよりは……」

佐天「ただただ辛いだけなんですけどね……」ス ファサ

美琴「んん……スースー」

佐天「ふふ、良く寝るなー。昨日はひょっとして眠らなかったのかな?」

佐天「……」

468: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:26:49.03 ID:VmVlxSgW0
「ねえ、美琴さん」

「いっぱい泣いて、いっぱい寝て、また起きたら、いつもの佐天涙子に会えるから……」

「だから……寝てる今だけはいつもと違うあたしでもいいよね?」

「またちょっとだけわがままになっても良いですか?」

「………」

「……」

「…」


「」






「佐天……さん……?」

「え?」

471: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 00:38:40.71 ID:VmVlxSgW0
おやすみなさい

555: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 18:49:55.79 ID:VmVlxSgW0
初春「でもすごいじゃないですか佐天さん、そんなに点数が上がるなんて」

佐天「ふっふー、あたしがちょっと本気を出せばこんなものなのだよ」

黒子「常日頃からその本気を出してればこんなことにはならなっかのではなくて」

佐天「うう……」

美琴「まあ、あたしも勉強を見てあげた甲斐があるわね」

初春「ええ?佐天さん御坂さんに勉強を見てもらってたんですか?」

佐天「うん、まあねー」

558: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 18:57:20.77 ID:VmVlxSgW0
初春「ずるいですよー。御坂さん、ぜひ私にもご教授を!」

黒子「……初春は別にそれほどに成績がまずくはないでしょうに……」

初春「ああ、私も佐天さんみたいだったら……」

佐天「ちょっとそれどういう意味よ?」

美琴「まあ、ちょっと宿題手伝ったりとかはしてあげるわよ」

初春「ホントですか?」

美琴「ええ」

初春「やったー、御坂さんに勉強を教えてもらえるなんて……」

佐天「よかったねー初春」

佐天「御坂さんの勉強の教え方は上手だから」

561: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:05:04.54 ID:VmVlxSgW0
美琴「あら、そう?」

佐天「はい、おかげでこんなに点も上がりましたしね」

初春「じゃあ、佐天さんも一緒にまた教えてもらいましょうよ」

佐天「んー……あたしはいいや」

初春「えー、勿体無いですよ」

美琴「……」

562: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:09:41.23 ID:VmVlxSgW0
佐天「……やっぱあたしには勉強向いてないんだって」

黒子「そんなんだからダメなのでしょうに……」

初春「そうです、そんなこと言ってたらまた成績悪くなっちゃいますからね!」

佐天「はいはい、気をつけますって」

美琴「……まあ、また見て欲しくなったらいつでも言ってよ」

佐天「……はい、ありがとうございます」

564: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:19:11.75 ID:VmVlxSgW0
美琴『……あの』

佐天『……』ビク

美琴『……』

佐天『……ごめんな、さい……』

美琴『……』

568: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:26:02.50 ID:VmVlxSgW0
美琴『いやー、悪かったわね』

佐天『え?』

美琴『起こそうとしてくれたんでしょ?』

佐天『……あ、あーそうなんですよ。もう夜も遅いですし』

美琴『でもあんな至近距離から声かけようしなくたっていいじゃない』

美琴『おかげでちょっとびっくりしちゃった』

佐天『……えへへ、ごめんなさい』

佐天『あんまりその……御坂さんが気持ちよさそうに寝てたんで……』

美琴『……そう』

佐天『……ええ』

571: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:34:30.99 ID:VmVlxSgW0
美琴『……なんかもう遅いしそろそろ帰るね』

佐天『あ、そうです……ね』

美琴『今日はありがとね……」

佐天『いえ……そんなことないです』

美琴『そう……それじゃまたね』

佐天『はい、また』

パタン

『……』

『……』

577: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:43:38.41 ID:VmVlxSgW0
――――――――――――

―――――――

―――

初春「――なんか最近変ですねえ」

佐天「ん?何が?」

初春「佐天さんですよ、どうかしたんですか?」

佐天「べっつにー、いつもどおりだよ」

初春「そうですか、なら良いんですけど……」

初春「あ、御坂さん」

美琴「あれふたりとも今帰り?」

佐天「……」

578: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:50:20.66 ID:VmVlxSgW0
初春「はい、御坂さんもですか?」

美琴「そうそう、ねえちょっとそのへんでお茶でもしない?」

初春「良いですね」

佐天「……」

佐天「んー、あたしはちょっと……」

初春「え?だめなんですか?」

美琴「……」

580: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 19:57:43.59 ID:VmVlxSgW0
佐天「うん、ちょっちねー」

初春「そうですか……」

佐天「うん、それじゃごめんね初春、御坂さん、また」

初春「はい」

美琴「うん、また」

582: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 20:04:56.63 ID:VmVlxSgW0
初春「……なんだか最近の佐天さんは変ですね」

美琴「そう、かな?」

初春「はい、なんかいっつもぼーっとしてるというか」

美琴「……」

初春「前からぼーっとすることはありましたけど……今はなんか……」

美琴「……」

初春「……辛そうです」

美琴「……」

585: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 20:09:36.72 ID:VmVlxSgW0
「どうして逃げるんだろう」

「あの人は普通にしてくれてるのに……」

「でもこのままだと…」

「辛いから……」

588: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 20:18:04.71 ID:VmVlxSgW0
美琴「……」

美琴「……」

美琴「……」

黒子「どうかなさいまして?」

美琴「黒子……」

黒子「そんな顔をなさっては幸福も逃げてしまいますわよ?」

美琴「……そうかもね」

591: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 20:29:00.08 ID:VmVlxSgW0
黒子「……」

黒子「先月も……」

美琴「え?」

黒子「先月も、いえバレンタインの前も似てましたわね」

美琴「……」

592: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 20:36:02.86 ID:VmVlxSgW0
黒子「お姉様に何があって、何を悩んでいるのかはわかりませんが」

美琴「……」

黒子「そんな悩んでいるのはお姉様らしくありませんわよ?」

美琴「ん、ありがと」

黒子「今の発言のどこに感謝されるところがあったのかはわかりませんが」

黒子「ありがたく受け取っておきます」

美琴「……うん」

593: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 20:44:14.34 ID:VmVlxSgW0
黒子「そういえばもうすぐホワイトデーですがこの間のお返しはなさるのですか?」

美琴「そりゃみんなからもらったんだし。黒子にもあるわよ?」

黒子「まあまあ、それは期待しておきますわ」

美琴「そう?」

黒子「ええ、ではおやすみなさい」メクリ モゾ

美琴「……」

黒子「……」

595: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 20:53:00.79 ID:VmVlxSgW0
「かわいい娘……」

「コロコロしてて、明るくて」

「それにとっても優しくて」

「だから……」

「そんなに辛そうな顔しないで……」

596: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 20:56:08.21 ID:VmVlxSgW0
佐天「はー、3月なのにまだ寒いなあ」

佐天「そういや今日はホワイトデーなんだっけ」

佐天「……」

佐天「ま、あたしには関係のない日なんですけどね」

佐天「……」

ピンポーン

佐天「……誰だろ」

ガチャ

佐天「あ」

美琴「……や」

佐天「御坂……さん」

599: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 21:05:46.16 ID:VmVlxSgW0
佐天「……」

美琴「ごめんね、急に来たりして……」

佐天「……いえ」

美琴「……」

佐天「……」

美琴「……ね、あがっても平気かな?」

佐天「はい、どうぞ」

美琴「おじゃまします」

602: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 21:15:45.24 ID:VmVlxSgW0
佐天「……」

美琴「ごめんね、急に来たりして……」

佐天「……いえ」

美琴「……」

佐天「……」

美琴「……ね、あがっても平気かな?」

佐天「はい、どうぞ」

美琴「おじゃまします」

610: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 21:41:44.02 ID:VmVlxSgW0
佐天「何か飲みますか?いれますよ」

美琴「ううん、大丈夫だから」

佐天「そう、ですか……」

美琴「……」

佐天「……」

美琴「ね、最近どうしたの?」

佐天「……」

美琴「なんだか元気ないじゃない」

佐天「……いやー、そんなつもりはないんですけどねー」

612: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 21:44:46.18 ID:VmVlxSgW0
美琴「そうなんだ」

佐天「……はい」

美琴「……」

佐天「……」

美琴「ね、じゃあどうして私のこと避けるの?」

佐天「そんなつもりは……ないです」

美琴「そう?私の勘違いだったかな?」

佐天「……はい」

美琴「なら、さ」

佐天「……」

美琴「二人の時は、名前で呼んでほしいな……」

615: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 21:59:14.19 ID:VmVlxSgW0
佐天「……」

美琴「……」

佐天「……それ、は……」

美琴「……」

佐天「無理……です」

美琴「……」

佐天「名前を……呼んじゃったら……」

美琴「……」

佐天「もう……抑えられないから……」

美琴「……」

佐天「辛い、から……苦しい、から……」

ポロ ポロ

「あなたを……好きだって気持ちが」

616: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 22:04:29.45 ID:VmVlxSgW0
美琴「……ごめんね」

佐天「なん、で……っく……謝るん、ですか」

美琴「……ごめん」

佐天「……っ……」

ギュ

佐天「え?」

美琴「私傷つけちゃったね、佐天さんのこと」

佐天「……」

美琴「ごめんね……気づいてあげられなくて」

佐天「……」

佐天「……うっ……っ……くっ」

美琴「……ごめんね」

619: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 22:09:21.38 ID:VmVlxSgW0
美琴「……」

佐天「……」

美琴「……ね?今日何の日かわかる?」

佐天「……ホワイトデー、ですか?」

美琴「そ、だからこれはこの間のお返し」

佐天「……ふふ、そうですか」ギュ

美琴「……」

佐天「……」

美琴「……でもまだお返ししきれてないわね」

佐天「え?」







「ね、目をつむって……」

622: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 22:11:39.22 ID:VmVlxSgW0
「………………はい」

「ん、良い子ね……」

「………」

「……」

「…」


「」

623: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 22:12:20.64 ID:VmVlxSgW0
「……やっぱり起きてたんですね」

「うん、ごめん」

「良いです、お返しいただけましたし」

「……」

625: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 22:16:58.70 ID:VmVlxSgW0
佐天「……」

美琴「私まだわからないの……」

佐天「……」

美琴「佐天さんの気持ちにどう応えれば良いのか……」

佐天「……」

美琴「でもね……」

佐天「……」

美琴「あなたには笑っていてほしいの」

631: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 22:22:13.43 ID:VmVlxSgW0
佐天「……はい」

美琴「うん、やっぱりそっちのほうが可愛い!」ギュ

佐天「く、苦しいです……」

美琴「ああ、ごめんごめん」

佐天「もう……」

美琴「……」

佐天「いいです」

美琴「え?」

佐天「あたしの気持ちさえ知っててくれれば……」

美琴「……」

634: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 22:27:51.71 ID:VmVlxSgW0
佐天「あー、でも時々甘えさせてくれると嬉しいです……」

美琴「……うん」

佐天「それと……」

美琴「ん?」

佐天「……えっと」

美琴「何?」

佐天「やっぱり……美琴さんって呼んでも……良いですか?」

美琴「……ええ、もちろん」

佐天「えへへ」

美琴「ふふ」



「大好きです、美琴さん」

636: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/08(月) 22:29:05.64 ID:VmVlxSgW0
おわれ