1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 21:47:45.26 ID:G4PPjYmp0
響「(私は艦娘として、この世に第二の生を受けた)」
響「(元は駆逐艦、人間ではない、艦だ)」
響「(あの頃は戦争の兵器として、戦うことしかわからなかった)」
響「(見たものは波止場、そして海ばかり)」
響「(今は人間と同じ体を持ち、そして人間と同じように生活ができる)」
響「(今は深海棲艦との戦争が続いているが)」
響「(それでも平和な日々を過ごすことができていた)」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1431262055
響「(元は駆逐艦、人間ではない、艦だ)」
響「(あの頃は戦争の兵器として、戦うことしかわからなかった)」
響「(見たものは波止場、そして海ばかり)」
響「(今は人間と同じ体を持ち、そして人間と同じように生活ができる)」
響「(今は深海棲艦との戦争が続いているが)」
響「(それでも平和な日々を過ごすことができていた)」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1431262055
引用元: ・響「親子ってなんだろう?」
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3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 21:53:19.34 ID:G4PPjYmp0
雷「はいあなた、あーん」スッ
提督「あむ」パク
暁「もぅ! そうやって雷はいつも司令官を甘やかすんだから!」
電「まぁまぁ、仲が良くて良いことなのです」
響「・・・・・・」
提督「あむ」パク
暁「もぅ! そうやって雷はいつも司令官を甘やかすんだから!」
電「まぁまぁ、仲が良くて良いことなのです」
響「・・・・・・」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 21:59:07.65 ID:G4PPjYmp0
響「(最近、ふと気になることがある)」
響「(私には暁、雷、電と、家族がいる)」
響「(みんな大切な姉妹だ)」
響「(しかし、両親はいない)」
響「(艦だった頃では、人間の手によって私は作られた)」
響「(艦娘になった私は、工廠で建造されて生まれた)」
響「(では、私の両親は資材なのか?)」
響「(そうは・・・思いたくない)」
響「(私には暁、雷、電と、家族がいる)」
響「(みんな大切な姉妹だ)」
響「(しかし、両親はいない)」
響「(艦だった頃では、人間の手によって私は作られた)」
響「(艦娘になった私は、工廠で建造されて生まれた)」
響「(では、私の両親は資材なのか?)」
響「(そうは・・・思いたくない)」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 22:02:03.75 ID:G4PPjYmp0
響「(では、司令官が私の親なのか?)」
響「(父親? いや、司令官は司令官だ)」
響「(私達を勝利に導いてくれる、優秀な指揮官だ)」
響「・・・・・・」
響「(私には姉妹はいる)」
響「(しかし、両親がいない)」
響「(親子とは、どんなものなのだろうか?)」
響「(父親? いや、司令官は司令官だ)」
響「(私達を勝利に導いてくれる、優秀な指揮官だ)」
響「・・・・・・」
響「(私には姉妹はいる)」
響「(しかし、両親がいない)」
響「(親子とは、どんなものなのだろうか?)」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 22:06:39.98 ID:G4PPjYmp0
響「」ペラ
本『』
響「・・・・・・」
響「(・・・中々難しい内容だ)」
響「(文として説明されたとしても、いまいちよくわからない)」
響「(血が繋がっていれば親子なのか、そうでなくても親子なのか)」
響「・・・・・・」
本『』
響「・・・・・・」
響「(・・・中々難しい内容だ)」
響「(文として説明されたとしても、いまいちよくわからない)」
響「(血が繋がっていれば親子なのか、そうでなくても親子なのか)」
響「・・・・・・」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 22:11:38.41 ID:G4PPjYmp0
響「(さらに興味深いのが)」
響「(人間は母親から生まれてくるらしい)」
響「(母親が妊娠し、胎内で子供が成長し、やがて出産する)」
響「(そして、これが誕生するということらしい)」
響「(胎内・・・お腹の中のことか)」
響「(そこはどんなところなのだろうか?)」
響「(一体そこでどんなことを感じて、何をして過ごすのだろうか?)」
響「(本だけではわからない)」
響「(わからない)」
響「(わからない・・・)」
響「(人間は母親から生まれてくるらしい)」
響「(母親が妊娠し、胎内で子供が成長し、やがて出産する)」
響「(そして、これが誕生するということらしい)」
響「(胎内・・・お腹の中のことか)」
響「(そこはどんなところなのだろうか?)」
響「(一体そこでどんなことを感じて、何をして過ごすのだろうか?)」
響「(本だけではわからない)」
響「(わからない)」
響「(わからない・・・)」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 22:13:27.70 ID:G4PPjYmp0
提督「」カキカキ
響「」カキカキ
提督「おっと・・・ここは・・・」カキカキ
響「」カキカキ
響「・・・・・・」
響「」カキカキ
提督「おっと・・・ここは・・・」カキカキ
響「」カキカキ
響「・・・・・・」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 22:15:58.94 ID:G4PPjYmp0
響「・・・司令官」
提督「ん? なんだ?」
響「親子って・・・どんなものなのかな?」
提督「え? 親子? いきなりどうしたんだ?」
響「いや・・・私には父親と母親というものがいないから」
響「どんなものなのかな・・・と」
提督「うーん・・・親子ねぇ・・・」
響「・・・・・・」
提督「ん? なんだ?」
響「親子って・・・どんなものなのかな?」
提督「え? 親子? いきなりどうしたんだ?」
響「いや・・・私には父親と母親というものがいないから」
響「どんなものなのかな・・・と」
提督「うーん・・・親子ねぇ・・・」
響「・・・・・・」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 22:20:53.13 ID:G4PPjYmp0
提督「そうだねぇ・・・強い絆で結ばれている」
提督「始まりから終わりまで、ずっと一緒にいる存在・・・かな?」
響「・・・? よく意味がわからないんだが・・・」
提督「すまんな、上手く伝えられないな」
提督「まぁ、大切な人であることは変わりないよ」
提督「俺のことを生んで、今まで大切に育ててきてくれた存在だからな」
響「ふーん・・・」
提督「傍から見れば、俺と響は親子に見られるかもしれないな」
響「そうなのかい?」
提督「顔は似ていないけどな、ははは!」
響「・・・・・・」
提督「始まりから終わりまで、ずっと一緒にいる存在・・・かな?」
響「・・・? よく意味がわからないんだが・・・」
提督「すまんな、上手く伝えられないな」
提督「まぁ、大切な人であることは変わりないよ」
提督「俺のことを生んで、今まで大切に育ててきてくれた存在だからな」
響「ふーん・・・」
提督「傍から見れば、俺と響は親子に見られるかもしれないな」
響「そうなのかい?」
提督「顔は似ていないけどな、ははは!」
響「・・・・・・」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 22:26:18.53 ID:G4PPjYmp0
響「(私を育ててくれる存在・・・それが親なのか?)」
響「(では、今まで私の面倒を見てきてくれた司令官こそが)」
響「(私の親なのだろうか?)」
響「(でも血は繋がっていない、それどころか)」
響「(司令官は人間で、私は艦娘だ)」
響「(母親は? そもそも親というのは)」
響「(父親と母親が揃っていなければいけないのだろうか?)」
響「(・・・・・・)」

響「(では、今まで私の面倒を見てきてくれた司令官こそが)」
響「(私の親なのだろうか?)」
響「(でも血は繋がっていない、それどころか)」
響「(司令官は人間で、私は艦娘だ)」
響「(母親は? そもそも親というのは)」
響「(父親と母親が揃っていなければいけないのだろうか?)」
響「(・・・・・・)」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 22:30:42.26 ID:G4PPjYmp0
響「(私は人間として、この世に生まれてきてはいない)」
響「(だからわからない)」
響「(一体何が親子なのか)」
響「(親子は必ず仲が良いものなのか)」
響「(絶対に守るべき、大切な存在なのか)」
響「(どんなことを感じ、どんなことをして)」
響「(そしてどんな過程で育ち、私は成長していくのか)」
響「(わからない)」
響「(わからない)」
響「(わからない・・・)」
響「(・・・・・・)」
響「(だからわからない)」
響「(一体何が親子なのか)」
響「(親子は必ず仲が良いものなのか)」
響「(絶対に守るべき、大切な存在なのか)」
響「(どんなことを感じ、どんなことをして)」
響「(そしてどんな過程で育ち、私は成長していくのか)」
響「(わからない)」
響「(わからない)」
響「(わからない・・・)」
響「(・・・・・・)」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 22:36:51.92 ID:G4PPjYmp0
暁「響?」
響「?」
暁「大丈夫? 最近、なんだか難しい顔をしていることが多いけど」
響「あぁ・・・大丈夫だよ」
響「ちょっと気になることがあるだけだよ」
暁「そう・・・本当に大丈夫?」
響「うん、平気だよ」
暁「なら良いんだけど・・・」
響「暁は優しいね、私に気を遣ってくれて」
暁「あ、当り前よ! 暁はみんなのお姉さんなんだから!///」
響「ふふ・・・」ニコ
響「(・・・・・・)」
響「?」
暁「大丈夫? 最近、なんだか難しい顔をしていることが多いけど」
響「あぁ・・・大丈夫だよ」
響「ちょっと気になることがあるだけだよ」
暁「そう・・・本当に大丈夫?」
響「うん、平気だよ」
暁「なら良いんだけど・・・」
響「暁は優しいね、私に気を遣ってくれて」
暁「あ、当り前よ! 暁はみんなのお姉さんなんだから!///」
響「ふふ・・・」ニコ
響「(・・・・・・)」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 22:40:30.42 ID:G4PPjYmp0
響「(気になる)」
響「(気になる)」
響「(どうしても気になってしまう)」
響「(段々自分がわからなくなってきた)」
響「(私は一体何者なのだろうか?)」
響「(艦娘はどうやって生まれるのだろうか?)」
響「(わからない・・・記憶がない・・・)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・頭が痛くなってきた)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・・・・・・・)」
響「(気になる)」
響「(どうしても気になってしまう)」
響「(段々自分がわからなくなってきた)」
響「(私は一体何者なのだろうか?)」
響「(艦娘はどうやって生まれるのだろうか?)」
響「(わからない・・・記憶がない・・・)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・頭が痛くなってきた)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・・・・・・・)」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 22:58:00.55 ID:G4PPjYmp0
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 23:00:51.29 ID:G4PPjYmp0
響「(あぁ・・・私は沈んでしまったんだ・・・)」
響「(結局、気になっていたこともわからないまま)」
響「(沈んでしまった・・・)」
響「(暁、雷、電、司令官・・・)」
響「(もう・・・会えないんだね・・・)」
響「(さようなら・・・)」
響「(・・・・・・)」
響「(結局、気になっていたこともわからないまま)」
響「(沈んでしまった・・・)」
響「(暁、雷、電、司令官・・・)」
響「(もう・・・会えないんだね・・・)」
響「(さようなら・・・)」
響「(・・・・・・)」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 23:03:16.44 ID:G4PPjYmp0
響「(このまま私は)」
響「(暗く、そして冷たい海の底へ)」
響「(沈んでいくのだろうか・・・?)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・?)」
響「(確かに・・・暗い)」
響「(でも、何故か悪くない)」
響「(とても落ち着く)」
響「(暗く、そして冷たい海の底へ)」
響「(沈んでいくのだろうか・・・?)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・?)」
響「(確かに・・・暗い)」
響「(でも、何故か悪くない)」
響「(とても落ち着く)」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/10(日) 23:22:13.84 ID:G4PPjYmp0
響「(冷たい・・・? いや、冷たくない)」
響「(寧ろ温かい)」
響「(とても心地が良い・・・)」
響「(どうしてだろうか?)」
響「(私はこれから沈む・・・人間で言えば)」
響「(死ぬというのに・・・)」
響「(どうしてこんなに冷静でいられるのか)」
響「(どうしてこんなに落ち着くのか・・・)」
響「(なんだろう・・・)」
響「(この・・・全身が優しい何かで包み込まれるような感覚は・・・)」
響「(こんな感覚・・・初めてだ・・・)」
響「(あぁ・・・あぁ・・・良い・・・良い・・・とても気持ちが良い・・・)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・・・・・・・)」
響「(・・・・・・そうか)」
響「(やっとわかった・・・)」
響「(これがお腹の中なんだ・・・)」
響「(心地よい温かさの羊水に包み込まれ)」
響「(不思議にも落ち着く暗さの中に)」
響「(私はいるんだ・・・)」
響「(私は・・・これから生まれる・・・?)」
響「(何に生まれ変わるのだろうか・・・?)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・・・・・・・)」
響「(この青く、広い海は・・・)」
ヒビキ「(私の母だったんだ・・・・・・)」

『Abyssal Fleet ( 深海棲艦 ) END : 母なる海』
響「(寧ろ温かい)」
響「(とても心地が良い・・・)」
響「(どうしてだろうか?)」
響「(私はこれから沈む・・・人間で言えば)」
響「(死ぬというのに・・・)」
響「(どうしてこんなに冷静でいられるのか)」
響「(どうしてこんなに落ち着くのか・・・)」
響「(なんだろう・・・)」
響「(この・・・全身が優しい何かで包み込まれるような感覚は・・・)」
響「(こんな感覚・・・初めてだ・・・)」
響「(あぁ・・・あぁ・・・良い・・・良い・・・とても気持ちが良い・・・)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・・・・・・・)」
響「(・・・・・・そうか)」
響「(やっとわかった・・・)」
響「(これがお腹の中なんだ・・・)」
響「(心地よい温かさの羊水に包み込まれ)」
響「(不思議にも落ち着く暗さの中に)」
響「(私はいるんだ・・・)」
響「(私は・・・これから生まれる・・・?)」
響「(何に生まれ変わるのだろうか・・・?)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・・・・・・・)」
響「(この青く、広い海は・・・)」
ヒビキ「(私の母だったんだ・・・・・・)」

『Abyssal Fleet ( 深海棲艦 ) END : 母なる海』
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