1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/13(水) 19:45:06.77 ID:/9XevzHTo
P2「そんなふわふわしたやり方で業界を生き残れると思ってんのか」

P1「ふわふわって……フルートのあの娘とかどうよ? 清楚でかわいいだろ」

P2「あの娘はいいよな。俺が見つけるべきだった……」

P3「まーた始まった」

P2「例えば、スカウトの話だ」

P1「ふむ」

P2「一体、どこをどうしたら牧場からアイドルを連れてくるやつがいるんだ」

P3「あー! 及川のことか?」

P2「そう、あの……でっかいの」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1363171506

引用元: P2「お前らのアイドル選びはおかしい」P1「え?」P3「あ?」 

 

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/13(水) 19:46:09.35 ID:/9XevzHTo
P3「仕方ないだろー、ちょっとうっかり移動中に電車を乗り過ごしちゃってさー」ハハハ

P1「いやお前」

P3「でも、いい拾い物だったじゃん。でかいし」

P2「お前は胸しか見とらんのか……?」

P3「失敬な! バスケが得意とかキャッツが好きとか、いろいろ見てるわい」

P3「いやー、すごいよな。WBC」

P2「……」

P1「そういや、警官を連れてきたこともあったな」

P3「あー! 早苗さんのことか?」

P1「そう、あの……おっきい人」

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/13(水) 19:47:11.50 ID:/9XevzHTo
P3「あれは、そーだな。アイドルを迎えに行ってる時にだな」


早苗『こらこらー、ここは駐禁になっちゃうぞ』

P3『あ、すんませーん。ちょっと人待ちで』

早苗『だーめ、出入りの業者があるから、文句来ちゃうんだよ?』

P3『はあ……えっ!?』

P3(なんだこの人、めっちゃかわいい!)

P3『お姉さん』

早苗『ん? なーに?』

P3『俺、芸能事務所の者なんだけど、ちょっと事務所まで来てもらえませんか』

早苗『……は?』


P1「おかしいよな」

P3「いやー、逆に署まで誘われちゃったよ」

P1「道理であの日は戻りが遅いと思ったんだよ」

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/13(水) 19:48:47.37 ID:/9XevzHTo
P3「おいおい、それを言うならお前だって、道着姿で連れてきた子がいたじゃん」

P1「ああ。通ってる道場で見つけたからな」

P2「なんで道場に通ってんだ」

P1「そりゃあ、プロデューサーたるもの、アイドルを守れるために強くならなくちゃな」

P3「なるほどー」

P2「……これではっきりしたな。偶然に頼ったスカウトをしていることが」

P3「っていうけど、結果的にアイドルとして大成すればよくね?」

P1「だよな」

P2「カーッ!」

二人 ビクッ

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/13(水) 19:52:50.96 ID:/9XevzHTo
P2「そんなことだからアイドルの方向性がおかしくなるのだ!」

P2「俺は当初のコンセプトから大体の路線で外していない!」

P1「じゃあ、あの眼鏡の娘が、眼鏡のことしか喋らなくなったのは……」

P2「アレは俺のせいじゃない」

P3「外れてんじゃねーか!」

P2「まあ落ち着け。それに、そんなことを言ったら、お前のところのはドーナツのことしか喋らないだろ」

P1「最近はチョコドーナツも作れるようになったぞ」

P2「そういうことを言ってるんじゃあない!」

7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/13(水) 19:55:14.89 ID:/9XevzHTo
P1「いやー、そうは言うけどよ」

P3「あ、だったら、俺も気になってることがあったんだけど」

P2「なんだ」

P3「お前、オーディションの時、変な子選び過ぎだよな?」

P2「……?」

P3「例えばほら、あの、なんか、独特な言葉遣いをする」

P2「蘭子か」

P3「そーそー!」

P1「確かにな。なんだ? お前もあの手のやつに興味があったのか?」

P2「何を言っているんだ。アレはかっこいいじゃないか」

二人『……』

P2「お前らには分からんのか?」

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/13(水) 19:58:48.40 ID:/9XevzHTo
――某日、オーディション会場。

P1『では、次の方、お願いします』

蘭子『こほん。我が名は蘭子! この地上に舞い降りし最後の「力」の持ち主よ!』

蘭子『光指す舞台でこの「力」を見せるために、大いなる導きを受けてここへやってきたわ!』

P1『え、あ、はい』

P3(おい、なんかすげーの来ちゃったな)

P1(どうする? お帰りいただく?)

P2『採用』

二人『ええーッ!?』


P1「いや、全然わからないよ」

P3「ああ、まったくだぜ」

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/13(水) 20:00:44.22 ID:/9XevzHTo
P1「ああー、そういえば、他にもいたな。なんだっけ、ほらあの剣道の」

P3「ああ、いたな」

P2「珠美か」


――某日、オーディション会場。

P1『それでは、次の方、お願いします』

珠美『し、失礼します! 拙者、姓は脇山、名は珠美! 可憐な女子になるため、参上しました!』

P3『そう~、ちっちゃいねー、君』

珠美『ち、ちっちゃくなどありません!』

P3(どうする? 採用する?)

P1(そうだなー、ただ武道系もちっちゃい子もいるんだよな……)

P2『君、時代小説とか読むの?』

珠美『は、はい! 「剣客商売」の三冬殿が好きで……』

P2『採用』

二人『ええーッ!?』

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/13(水) 20:03:42.85 ID:/9XevzHTo

P2「かっこいいじゃないか」

P1「いやいや落ち着け。ちょっと待て」

P3「かわいいけどさ、かっこいいか?」

P2「ああ。竹刀を持つ姿も、小柄ながら堂に入っているが、マイクに持ち替えても十分通用する」

P1「いや、お前がそう思うならいいんだろうけどさ」

P2「オーディションのことなら、俺も言いたいことがある」

P1「え、俺?」

P2「そうだ! なんだ、あの、やる気のないやつを採用した理由はなんだ!」

P1「いやー、あいつ、結構歌がうまいんだよね」

P1「餌やれば動いてくれるし、いい子じゃん?」

P3「お前、世話焼きだもんなぁ」

P1「お前らが世話焼かなすぎなんだよ」

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/13(水) 20:11:46.26 ID:/9XevzHTo
――某日、オーディション会場。

P1『次の方、どうぞ』

杏『あの~、帰って寝てもいいですか~? ていうか、ここどこ……?』

P2 イラッ

P3『よーし待て待て。落ち着け兄弟』

P1『……ここはアイドル候補生を探すオーディション会場だよ』

杏『アイドルぅ~?』

P1『歌って踊ってみんなを幸せにするお仕事だよ』

杏『し、仕事っ!? いやー! そういうことかっ』

P1『え~と、分かった分かった。じゃあ、一曲歌ったら飴ちゃんをあげよう』

P1『そしたら帰ってもいいよ』

杏『飴くれるのっ?』

P1(お、食いついてきた)

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/13(水) 20:16:42.01 ID:/9XevzHTo
P2「で、その後、採用を決定したと」

P1「ああ。って、お前もパフォーマンスを見て納得したろ」

P2「……まったく、事務所は託児所じゃないんだぞ」

P1「あいつは17歳だが?」

P3「はっはっは、ま、実際売れてるしな」

P2「とはいえ、そんな介護みたいなことをしないといけないような、プロ意識のないやつらばかりでどうする!」

P1「なんだかんだで仕事はするんだがなぁ」

P3「お前は意識ばっかり高いやつらを採用し過ぎじゃないの?」

P2「やかましいわ!」

P1「第一印象で決め過ぎだよな」

P3「な」

P2「ぐぬぬ……」

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/13(水) 20:20:37.63 ID:/9XevzHTo
P2「お、お前だって、第一印象で決めすぎているだろう」

P3「俺がぁ?」

P1「『はっぴはっぴ☆』」

P3「ぶっ」

P2「『ボンバーッ!』」

P3「わはははっ!」

二人『笑ってんじゃねーよ』

P3「似てる似てる」

P1「ワンフレーズで分かっちゃう娘って逆にどうかと思うわー」

P3「いやあ、個性が大事じゃん? 後、見ていて明るくなるような娘がいいよね」

P2「何を言う、芯の強い娘がいいに決まっているだろう」

P3「第一印象だけじゃないぞ。ちゃんと、胸の大きさもチェックしている」

P1「え、じゃあ、あのゆるふわの……」

P2「や・め・ろ」

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/13(水) 20:25:26.07 ID:/9XevzHTo
P1「俺さ、もう少し気になっていることがあるんだけど」

P2「なんだ?」

P1「あの、衣装コンテストで来てもらう娘いるじゃん?」

P3「ああ、あれ。仕事で取ってくるのけっこう大変なんだよな」

P1「あれのミスティックサイバー……」

P2「ああ、俺がデザインを頼んだ」

P3「お前かよ!」

P1「やっぱりか。なんていうか、あのひとを前提に衣装作ったんじゃないかってレベルだよね」

P1「……でもあの人、時々何もないところを見つめてて怖いんだよね」

P2「かっこいいだろう」

P3「はいはい」

18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/13(水) 20:26:36.19 ID:/9XevzHTo
P2「大体、衣装コンの優勝者は、元からプロ意識のある娘たちだからな」

P2「モデルだったり、歌手だったり……」

P3「芸人だったり」

P1「O・MA・KA・SE☆」

P2「だからっ! お前らの選出はおかしいのだっ!」

P1「ええー? そうかなぁ。それに、衣装コンだと、俺の腕を見込んで事務所に来てくれた娘もいたんだぜ」

P1「むしろ向こうから選んでくれたんだからさ」

P1「赤が好きだって言うし、ピッタリだって俺も思ってたんだけどねー」

P2「あ、ああ……」

P3「せやな……」

19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/13(水) 20:31:52.46 ID:/9XevzHTo
ちひろ「……プロデューサーさん? そろそろ営業に行きませんか?」

三人『あ、はいっ!』

P2「……いいか、今度こそしっかりした娘を選べよ」

P3「だから、具体的にはどんなのだよ」

P1「引退したいとかやめたいって言わない娘かな……」

P2「うぐっ」

P3「わははは! お前もダメージ受けてんじゃねーか!」

P1「俺はオタ知識がありそうな娘でユニット作りたいなー。需要あるだろ?」

P2「なら、映画出演とかはどうだ? ホラーとか」

P3「影響されてるされてる」

P2「やかましい!……」

P3「じゃあ、俺は五輪応援でレスラーガールを……」

P1「やめとけ、そんなもん……」

おしまい。