3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 00:15:35.92 ID:HTcxHH+q0
船旅の途中船が遭難したアカギは無人島にいた

アカギ(……うっ、ここは?)

アカギ(無人島……)

アカギ(食べられそうなものは何も無いな……ん?)

ハム太郎「ここはどこなのだ?ボクは船に乗ってる途中嵐に巻き込まれて……」

アカギ「ハムスター……」

ハム太郎「あ、人がいるのだ」

アカギ「ククク…食料確保だ」

ハム太郎「やっやめるのだ!」  



とっとこハム太郎 (小学館ワンダーランドブックス)
河井 リツ子
小学館
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6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 00:21:24.29 ID:HTcxHH+q0
アカギ「ん?こいつほっぺたが……」

ハム太郎「ひっ、ひまわりの種が落ちるのだ!」

アカギ「ククク…なるほどそんなところに食料を隠してたってわけか」

ハム太郎「かっ!返すのだ!」

アカギ「ひまわりの種か、まぁ食えないことはないか……」

ハム太郎「それはボクのなのだ!」

アカギ「ん?なんだ……返せって言ってるのか……?」

ハム太郎「返さないとひどいのだ!」

アカギ「そうか……お前の大事な食料だもんな……」

ハム太郎「返してほしいのだ……!」

アカギ「なら、ギャンブルだ」

ハム太郎(……なにを言ってるのだ?)
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 00:25:57.51 ID:HTcxHH+q0
アカギ「よく聞けハムスター、非常時だ、食料は平等に分けなきゃいけない」

ハム(……?)

アカギ「このひまわりの種を勝負して取り合おう」

ハム(よくわからないけど勝負するようなのだ……)

アカギ「ここにカップが二つある、このどちらかにひまわりの種を入れる」

ハム(なんとなく言ってることがわかるのだ……)

アカギ「お前はどちらにひまわりの種が入ってるか当てる、当てたらお前の勝ちだ」

ハム(カップの中を当てればいいようなのだ)
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 00:28:52.20 ID:HTcxHH+q0
アカギ「ククク、まずは第一試合だ」

ハム(ひまわりの種をカップに入れたのだ)

アカギ「よし、いいぜ、選べ」

ハム「こんなの簡単なのだ、ひまわりの種は匂いでわかるのだ」

アカギ「そっちでいいのか?」

ハム「確認を取っているのだ、もちろんこっちでいいのだ」

アカギ「じゃあ、カップオープン……」

ハム「見るまでもないのだ、ボクの勝ちなのだ」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 00:31:47.84 ID:HTcxHH+q0
アカギ「正解は……こっちだ」

ハム「なっ……!そんなバカななのだっ……!」 ぐにゃ~

アカギ「ククク…残念だったな、第一戦目はオレの勝ちだ」

ハム「おかしいのだ……確かにこっちから匂いがしたのだ」

アカギ「さて、第二戦目だ」

ハム「今度は慎重にやるのだ……」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 00:34:37.69 ID:HTcxHH+q0
ハム「くんくん……」

アカギ(ククク……やはり獣……匂いで当てに来たか)

ハム「こっちなのだ!」

アカギ「そっちでいいのか、じゃあオープンだ」

ハム「………っ!?」

アカギ「ククク、ハズレだ……ハム吉」

ハム(ぐっ……!)

 ハム太郎痛恨の2連敗っ……!
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 00:38:27.15 ID:HTcxHH+q0
ハム「おかしいのだ……こんなバカなことが連続で続くなんて変なのだ……」

   ハム太郎に違和感……

   しかしこの時ハム太郎は気づかない……

   アカギが罠をしかけたことを……

アカギ「さて、三回戦といこうか」

ハム(そうなのだ、次は匂いのないほうを選んでみるのだ)

アカギ「さぁ、選べハム吉」

ハム(もう騙されないのだ……今度は逆を選ぶのだ、次こそボクの勝ちなのだ……)   
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 00:41:29.60 ID:HTcxHH+q0
ハム「こっちなのだ!」

アカギ(ククク……)

ハム(なんなのだ……この笑いは……)

アカギ「そっちでいいのか?」

ハム(まさか、裏の裏をかいて今度は匂いがあるほうが正解……いや、そんなことはないのだ)

アカギ「じゃあオープ……」

ハム「ま、待つのだ!」

アカギ「……?なんだ、変えるつもりか……」

ハム(ど、どうすればいいのだ……ここは変えるべきか……そのままで行くか迷うのだ)
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 00:46:05.99 ID:HTcxHH+q0
アカギ(ククク……迷走しているなハム吉)

ハム(ぐぐっ……)

アカギ(お前が迷えば迷うほど……オレの術中……お前はもう抜けられない、この罠から) 

ハム「やっぱりそのまま匂いのない方にするのだ!」

アカギ「そっちでいいのか、じゃあ……開けるぜ」

ハム(匂いなしのほうなのだ……今度は絶対に……)

    カップオープン!

ハム「……なっ!?」

アカギ「ククッ!」

ハム「また……負けたのだ……」

アカギ「ヘタに考えたのが……お前の敗因だ」

ハム(この人間……悪魔じみてるのだ)
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 00:51:18.90 ID:HTcxHH+q0
ハム(おかしいのだ……まるでこちらの意図を読まれているかのようなのだ)

アカギ「四回戦だ、さぁ選べハム吉」

ハム「もう、負けるわけにはいかないのだ……」


   ハム太郎三度の苦渋を舐めさせられ真剣に挑むっ……!


ハム「こっちなのだ!」

アカギ「残念だったな」

ハム「そんなっ……またハズレたのだ!」


   ハム太郎っ……!再び煮え湯を飲まされるっ……!
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 00:56:53.98 ID:HTcxHH+q0
アカギ(こんな簡単なトリックにひっかかるかね……)

ハム「ぐぅぅ……くやしいのだ……」

アカギ「ククク……まぁ今までのは冗談だ」

ハム「……?」

アカギ「返してやるよ……ひまわりの種」

ハム「なんなのだ?返してくれるようなのだ……」

アカギ「悪いが今までちょっとだけイカサマをさせてもらった」

ハム「……?」

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 01:00:03.06 ID:HTcxHH+q0
アカギ「お前が選んだほうのカップ、開けてやる」

ハム「……っ!?」

   そのときハム太郎に電流走るっ!

ハム「入っていたのだ……!こっちのカップにもっ……!」

アカギ「ククク……まぁ……そういうことだ」

ハム(選んでないほうだけを開けてそっちに種があれば……必然逆には入ってないと思い込むのだ……!)

アカギ「ようやく気づいたか……?」

ハム(ボクは……遊ばれてただけなのだ……)

アカギ「ククッ……ハハハハッ!」
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 01:03:13.03 ID:HTcxHH+q0
アカギ「まぁ……冗談はこのへんにして……」

ハム「………ひどい人間なのだ」

アカギ「次はいよいよ真剣勝負といこうか」

ハム(……また勝負するようなのだ)

アカギ「心配するな、次はちゃんとやってやるよ」

ハム「この人間……すごい自信たっぷりなのだ……」

アカギ「じゃあ行くぜ、次はがんばって当ててみろ」

ハム(今度は大丈夫なのだ、二者択一なら半分は勝つのだ)
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 01:10:03.90 ID:HTcxHH+q0
アカギ「オープン」

ハム「また負けたのだ……12連敗なのだ……」

アカギ「ククッ、まったくツイてないなハム吉」

ハム「まるでこちらの考えを読まれているようなのだ…」

アカギ「さて、今日はもう眠くなった、続きは明日にしよう」

ハム(この人間寝る気なのだ……)

アカギ「それじゃまた明日な……(ゴロ」

ハム(眠ったようなのだ……これはもしかして……)

   ハム太郎、アカギの眠りを確信するっ……!

   ハム太郎に訪れた絶好のチャンス!垂涎の好機っ……!
119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 01:18:29.51 ID:HTcxHH+q0
ハム「今なら、ひまわりの種を取り返せるのだ……」

アカギ「Zzzzz…」

ハム「眠ってる間に種を奪い……あとは隠せばこっちのものなのだ」


    ハム太郎、アカギが眠りについた隙をついて

    種の奪還に挑むっ……!


ハム「んっ……?見つからないのだ……匂いもしないのだ…」


    ハム太郎……アカギの体を物色するも発見できないっ……!


ハム「そんな……おかしいのだ……」


   しばらく考えた末、ある異変に気づくっ……!
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 01:25:25.59 ID:HTcxHH+q0
ハム「こ、これは………」


  ざわ……  


ハム「ここ……土を掘った跡があるのだ……」


   そう、アカギはひまわりの種を土に埋めていたのだっ……!


ハム「こちらがやろうとしたこを先にやられたのだ……」


    ハム太郎の戦略、あっけなく轟沈!

ハム「ぐっ……くやしいのだ……(ボロ…ボロ…」
140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 01:30:57.68 ID:HTcxHH+q0
アカギ「朝か……」

ハム「くぅ……(ボロ……」

アカギ「腹減ったな……」

ハム「ボロ…ボロ…」

アカギ「ひまわりの種でも食べるか……」

ハム(あっ!ボクの種が食べられるのだっ!)

アカギ「うし……うし……」

ハム(ああああっ…!?)

アカギ(むしゃ……くちゃ……)

ハム(ひ、ひどいのだ……)

アカギ「ククク……けっこううまいもんだな」

ハム「うぅ……うぅ……(ボロ……」
151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 01:34:30.18 ID:HTcxHH+q0
ハム「ずるいのだ!ボクにも食べさせるのだ!」

アカギ「……?」

ハム「さっさと出すのだ!ひまわりの種っ!」

アカギ「なんだお前も食べたいのか……?」

ハム「食べたいのだっ!」

アカギ「まぁ……本来ならくれてやりたいとこだが……」

ハム「……?」

アカギ「種は、自分の力で手に入れろよ」

ハム(ダメなのだ、とてもくれる気がなさそうなのだ……サービス……サービスしてほしいだ!)

アカギ「さて、今日はまた別のギャンブルでもしてみるか……」
159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 01:38:56.08 ID:HTcxHH+q0
アカギ「実はここに麻雀牌がある……」

ハム「なんなのだ……大きな箱を取り出したのだ……」

アカギ「まぁ……ハム吉にはさすがに麻雀はできないだろうから……」

ハム「………なにをするつもりなのだ?」

アカギ「9(ナイン)で勝負だ」

ハム(よくわからないけどあれを使って勝負するようなのだ)
170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 01:43:14.11 ID:HTcxHH+q0
アカギ「ククク……今までは種1個の取り合いだったが次はそうはいかない」

ハム「……なにをするきなのだ?」

アカギ「9(ナイン)で稼いだ点数分種を獲得するってのはどうだ?」

ハム(なにか危険な予感がするのだ……)

アカギ「そうか、オッケーか、それでこそ男だ」

ハム(なにか勝手に話しが進んでるようなのだ……)

アカギ「9(ナイン)のルールは簡単だ、1~9までの牌を一つ選び数字の大きいほうが勝ち」

ハム(……?)

アカギ「9で8に勝てば一気に17個の種をゲットできる、わかったか?」

ハム(よくわからないけど勝負には負けられないのだ……)
178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 01:46:49.08 ID:HTcxHH+q0
アカギ「じゃあ軽く模擬戦をやってみるか」

ハム(この1~9のどれかを選べばいいようなのだ)

アカギ「じゃあオレはこれだ」

ハム(数字の大きいこれにするのだ)

アカギ「決まったようだな……じゃあオープンだ」


  ハム太郎
  __
 │九│
 │萬│を選択
 ━━━


   対してアカギ……


184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 01:49:42.39 ID:HTcxHH+q0

   アカギの選んだ配は……

  __
 │一│
 │萬│
 ━━━

アカギ「やるな、お前の勝ちだ」

ハム「勝った……のだ?」

アカギ「本来ならこれで1+9で10個種を手に入れられる」

ハム(よくわからないけどこの勝負ならイケそうなのだ!)

192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 01:55:07.73 ID:HTcxHH+q0
アカギ「じゃあ本番だ……」スッ

  アカギ牌を1枚選ぶ

  対してハム太郎も選ぶっ……!

ハム「ここはハムの『八』なのだっ……!」

アカギ「決まったようだな、じゃあ……オープン」


   アカギが選んだ牌は……

       __
      │九│
      │萬│
      ━━━

   アカギ9で8を刺す、完璧な勝利!

203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 02:02:22.22 ID:HTcxHH+q0
アカギ「まずは17個だ……」

ハム(どうやら負けたようなのだ)

アカギ「種は残り53個だ」

ハム(心配いらないのだ、このゲーム……どうやら最低1回は勝てるようになってるのだ)

アカギ「じゃあ二回戦だ」

ハム(これなのだ、この9なら絶対に勝てるのだ)

アカギ「決まったようだな、オープンだ」

   アカギの牌は1萬……!

アカギ「ククク……お前の勝ちだ、もってけ10個だ」

ハム「やったのだ!遂に……遂に手に入れたのだ!」
218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 02:06:45.90 ID:HTcxHH+q0
ハム(うれしいっ……!念願の……ひまわりの種っ……!)


   ハム太郎の脳内をかけめぐるっ……!

   ドーパミン……βエンドルフィン……!チロシン……!

   エンケファリン……!セロトニン……!ノルアドレナリン……!

   まさにっ……桃源郷っ……!至福の……極みっ……!


アカギ「ククク……三回戦だ」

ハム太郎(今のボクなら……全然負ける気がしないのだ!)

アカギ「オープン……」
224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 02:13:18.65 ID:HTcxHH+q0
    勝負結果

回戦  アカギ  ハム
1     ○9    ×8
2     ×1    ○9
3     ○6    ×5 
4     ○2    ×1
5     ○3    ×2
6     ○4    ×3
7     ○7    ×6
8     ○8    ×7
9     ○5    ×4

総合得点

アカギ  80点

ハム   10点

233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 02:16:14.88 ID:HTcxHH+q0
アカギ「80対10か、なかなか良い勝負だったなハム吉」

ハム(負けたようなのだ……でも10個手に入ったからいいのだ」

アカギ「しかし……」

ハム(ん?なにかよくない予感がするのだ……)

アカギ「さっき言ったようにひまわりの種は全部で70個しかない」

ハム「なにか数字を言ってるようだけどよくわからないのだ……」

アカギ「90個あればお前にも10個あげられるが……」

ハム「なんだ……なにを言っているのだ……?」

    ざわ…

       ざわ…
240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 02:19:03.62 ID:HTcxHH+q0
アカギ「ここはやはり勝ち分を差し引くしかないな……」

ハム「よくわからないけど早く勝ち分をよこすのだ」

アカギ「80-10=70」

ハム「……?」

アカギ「つまり……オレが70個、お前の取り分はゼロだ」

ハム「あっ!ひまわりの種がっ……!」

アカギ「ククク、悪く思うなよ……」

ハム(なぜだっ……!なぜボクばかりがこんな目に合うのだ……!)ぐにゃ~~~
257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 02:26:44.76 ID:HTcxHH+q0
   一週間後……

アカギ「ふぅ、なかなか助けがこないなハム吉」

ハム「あばばばば………おびょびょびょびょ……」

アカギ「お前も大分消耗してきたようだな」

ハム(なにも食べずに1週間が経ったのだ……)

アカギ「まぁ、お互いがんばろうぜ」

ハム(この人間が種を奪ったのが原因なのだ……)

アカギ「うし……うし……くちゃ……むしゃ……」

ハム(また種をうまそに食べてるのだ……憎いのだ……こうなったら……)

    ハム太郎にある決意が芽生えるっ……!

     それは決意というより……殺意!

     ハム太郎意を決してアカギに飛びかかるっ……!

262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 02:30:27.55 ID:HTcxHH+q0
アカギ「ハハッ、じゃれるなよハム吉」

ハム(こいつの腕を食いちぎってやるのだ!)

アカギ「ハハハッ、くすぐったいぞハム吉」

ハム「カリカリカリカリ!」

アカギ「ん?なんだ……?そんなに噛みついてどうした?」

ハム「カリカリカリカリ!!」

アカギ「ククク……そうか、そういうことか……」

ハム「カリカリカリカリ!!!」

アカギ「オレと腕一本賭けて勝負がしたいっていうわけか……良い覚悟だハム吉」

ハム(ゾク…ゾク……なにかいけないスイッチを踏んだ気がするのだ……)

   ざわ……

       ざわ……
284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 02:43:51.82 ID:HTcxHH+q0
アカギ「さてギャンブルの方法だが……」

ハム(またなにか勝負になったようなのだ)

アカギ「たまたまここにルーレットを持ってきている」

ハム(なにかでかいのが出てきたのだ)

アカギ「ククク、まぁそんな不安そうな顔をするな、ルールは簡単だ」

ハム(一体なにをするつもりなのだ……)

アカギ「これを回して玉を転がし玉の落ちたルーレットの目を当てる、それだけだ」

ハム(なにを言ってるのかさっぱりなのだ)

アカギ「もしオレが負けたら腕一本くれてやろう……」

ハム(……?)

アカギ「ただし、お前が負けたら……お前をまるごと食う、いいな?」

ハム(うっ……なにか命にかかわることをしようとしてるのだ……)

   ざわ……


294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 02:48:09.50 ID:HTcxHH+q0
アカギ「賭けるのは二択だ、赤か、黒か」

ハム(シート状のものがあるのだ……きっとここに乗るってことなのだ…)

アカギ「ハム吉は赤か、じゃあオレは黒だ」

ハム(この勝負……勝たなくちゃ……まずい気がするのだ……)

アカギ「じゃあ、回すぜ?」

ハム「おおっ!すごいのだ!丸いものが回ってるのだ!」

アカギ(ククク……)


301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 02:53:12.07 ID:HTcxHH+q0
アカギ(ハム吉、悪いがこの勝負……すでにオレの意のままにある……)

   カラ……
   
      カラカラ……

アカギ(オレが狙った目は……既に決まっている)

    アカギが安堵に浸っていたそのときっ……!

    アカギの予想を超える事態は起きたっ……!

ハム「回っていて楽しそうなのだ!」

アカギ「なっ……!?」

ハム「ボクはハムスターだから回るものを見るとっ……!走りたくなるのだっ……!」

アカギ「……とっとこ走ってる……ハム吉がっ……!?」


   アカギハム太郎の意外な行動に茫然自失っ……!
314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 02:57:20.68 ID:HTcxHH+q0
ハム「うはぁぁぁぁああああ!」

   走るハム太郎っ……!

      正しいっ……走り方っ……!

ハム「ほぉぉぉぉおおおお!!!」

アカギ(まさか……こんな手があるとは……)

   ざわ……

       ざわ……

アカギ「ククク……良いだろう……もし赤が来たら……そのときは……くれてやるっ!オレの腕っ!」

ハム「ふぉぉぉぉおおお!!!」


   とっとこ走るっ……ハム太郎っ……!

    まさにっ……圧倒的走りっ……!
326 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 03:01:27.07 ID:HTcxHH+q0
   そして遂に……ルーレットの目が出るっ……!

     玉の落ちた先は…………「00」

     どちらも負けっ……!

     つまりは引き分けっ……!


アカギ「なっ………」

ハム「ふぅ楽しかったのだ……」

アカギ「ククク……」

ハム「……?」

アカギ「ハハハハッ!!」

ハム「……なんなのだ?」

アカギ「ハハハハッ!やるなハム吉!」

ハム「…?……??」
334 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 03:07:17.36 ID:HTcxHH+q0
アカギ「気に入ったぜ、ハム吉……」

ハム「なっ、離すのだ!」

アカギ「これは褒美だ、とっておけ」

ハム「なんなのだ?ひまわりの種……なぜ渡すのだ?」

アカギ「いや、褒美というよりは……そうだな友情の証ってとこだな」

ハム「なんだかよくわからないけど……ひまわりの種をもらえたのだ!やったのだ!」

アカギ「そんなにうれしいか」

ハム「いただきますなのだ!カリカリカリカリ」

アカギ「ククク、もっと欲しければくれてやる……」
341 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 03:11:55.21 ID:HTcxHH+q0
   さらに一週間後……


アカギ「救援が来ないな……」

ハム「種が完全になくなったのだ……おなかすいたのだ」

アカギ「さすがに腹減ったな……」

ハム「もうダメなのだ……」

アカギ「このままここでくたばるのかもな……」

  アカギが死を覚悟したその時……

  遂に……救援の船が来たっ……! 

  僥倖っ!まさに僥倖っ!

船「ボ~~~~」
349 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 03:16:26.26 ID:HTcxHH+q0
ヒロ子「ハム太郎!」

ハム「ロコちゃん!助けに来てくれたのだ!」

ヒロ子「よかった、まだ生きてた!」

  春名一家の船旅に連れて来られたハム太郎……

  アカギも乗っていたその船が転覆……

  春名家はなんかうまく救出されて2週間ハム太郎を捜索していた

  なんかそんな設定っ……!まさに圧倒的こじつけっ……!

  
369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 03:25:07.45 ID:HTcxHH+q0
アカギ「助けが来たか……」

ヒロ子「大丈夫ですか?」

アカギ「ああ……なんとかな」

ヒロ子「あなたがハム太郎を守ってくれたんですね……本当にありがとうございました!」

ハム「途中いじわるもされたけど仲良くなったのだ」

アカギ「ククク……お前ハム太郎って言うのか」

ヒロ子「はい、ハム太郎がお世話になりました」


  こうしてアカギとハム太郎無事本土にたどり着いた……
378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/24(木) 03:32:19.51 ID:HTcxHH+q0
ヒロ子「それではさようならアカギさん」

アカギ「ん?ああ……これ少ないけど」

ヒロ子「えっ……封筒?」

アカギ「これでハム太郎にひまわりの種でも買ってやってくれ」

ヒロ子「あ、はい……」

ハム「ひまわりの種って聞こえたのだ……お腹いっぱい食べたいのだ!」




      ククク……じゃあなハム吉……


      とっとこ走れハム吉っ……!



   アカギ「ククク……お前ハム太郎って言うのか」

                         おわり