1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 01:45:16 ID:.i7wyPhQ
男「あ~あ、ラクして金儲けできる方法ないかなぁ」
女「そうねえ」
男「自分は動かず、勝手に金を恵んでもらえるような仕事ってないかなぁ」
女「そんなの、募金ぐらいじゃないの?」
男「!」ハッ
男「そう、それだよ!」
女「そうねえ」
男「自分は動かず、勝手に金を恵んでもらえるような仕事ってないかなぁ」
女「そんなの、募金ぐらいじゃないの?」
男「!」ハッ
男「そう、それだよ!」
引用元: ・男「病気のフリして募金で金集めようぜ」女「面白そうね」
こんな募金箱に寄付してはいけない (青春新書インテリジェンス)
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2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 01:47:00 ID:.i7wyPhQ
男「たまに、子供の治療費のためだとかいって、寄付を募ってる団体あるじゃん?」
女「駅前にいたりするわね」
男「俺たちもあれやろうぜ!」
女「でもあたしたち、子供なんかいないわよ」
男「俺たちが病気ってことにすりゃいいのさ!」
女「あたしたち、健康だけど」
男「なぁに、病気のフリすりゃいいのさ!」
男「そうすりゃきっと、俺たちに同情したバカどもが次々金を恵んでくれるぜ!」
女「面白そうね、やりましょう!」
女「駅前にいたりするわね」
男「俺たちもあれやろうぜ!」
女「でもあたしたち、子供なんかいないわよ」
男「俺たちが病気ってことにすりゃいいのさ!」
女「あたしたち、健康だけど」
男「なぁに、病気のフリすりゃいいのさ!」
男「そうすりゃきっと、俺たちに同情したバカどもが次々金を恵んでくれるぜ!」
女「面白そうね、やりましょう!」
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 01:49:11 ID:.i7wyPhQ
男「ゴッホ、ゴッホ、ゴッホ……」
女「ゲッホ、ゲッホ、ゲッホ……」
男「俺たち、病気です!」
女「病気です!」
男「しかも、保険がきかない病気なので、多額の治療費が必要です!」
女「だけど、あたしたちにはとてもそんなお金はありません!」
男「どうか、寄付をお願いします!」
女「ゲッホ、ゲッホ、ゲッホ……」
男「俺たち、病気です!」
女「病気です!」
男「しかも、保険がきかない病気なので、多額の治療費が必要です!」
女「だけど、あたしたちにはとてもそんなお金はありません!」
男「どうか、寄付をお願いします!」
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 01:51:19 ID:.i7wyPhQ
「へぇ、可哀想に……」
「少しだけど……」
「はい、100円」
チャリン… チャリーン… チャリン…
男(おほっ! さっそく!)
女(すごいわ!)
「少しだけど……」
「はい、100円」
チャリン… チャリーン… チャリン…
男(おほっ! さっそく!)
女(すごいわ!)
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 01:53:11 ID:.i7wyPhQ
チャリン… チャリーン… チャリン… チャリ… チャリン…
男(マジかよ! 通りがかる人がみんな金を入れてくれるぞ!)
女(まさか、こんなに効果があるなんて思わなかったわ!)
男(マジかよ! 通りがかる人がみんな金を入れてくれるぞ!)
女(まさか、こんなに効果があるなんて思わなかったわ!)
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 01:56:05 ID:.i7wyPhQ
ジャラジャラ… ジャラジャラ…
男「いやぁ~、ビックリしたな!」
男「今日だけで軽く10万円は稼げちまったぞ!」
女「ええ、世の中って善人……もといバカばっかりなのね~」
男「まったくだ!」
男「こりゃ今日だけで終わらす手はないな! 明日も続けていこう!」
女「そうね!」
男「いやぁ~、ビックリしたな!」
男「今日だけで軽く10万円は稼げちまったぞ!」
女「ええ、世の中って善人……もといバカばっかりなのね~」
男「まったくだ!」
男「こりゃ今日だけで終わらす手はないな! 明日も続けていこう!」
女「そうね!」
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 01:59:06 ID:.i7wyPhQ
チャリン… チャリーン… ジャラッ… チャリン… チャリーン…
男(あれから毎日のように、募金活動を続けてるが──)
女(お金を入れる人は決して途絶えることがないわ)
男(明らかに俺らより貧しいだろってヤツも入れてくれるしな)
男(こんなにラクな金稼ぎ方法があるとは、夢にも思わなかったぜ!)
男(あれから毎日のように、募金活動を続けてるが──)
女(お金を入れる人は決して途絶えることがないわ)
男(明らかに俺らより貧しいだろってヤツも入れてくれるしな)
男(こんなにラクな金稼ぎ方法があるとは、夢にも思わなかったぜ!)
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 02:01:07 ID:.i7wyPhQ
俳優「これ、少しだけど……」パサッ…
社長「早くよくなるといいね」パサッ…
政治家「ほんのわずかであるが……」パサッ…
男「うひゃ~、万札かよ!」
女「すごいわ!」
男「やっぱり有名人ともなると、寄付金もちがうよなぁ」
社長「早くよくなるといいね」パサッ…
政治家「ほんのわずかであるが……」パサッ…
男「うひゃ~、万札かよ!」
女「すごいわ!」
男「やっぱり有名人ともなると、寄付金もちがうよなぁ」
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 02:03:21 ID:.i7wyPhQ
猫「ニャーニャー」チャリン…
犬「ワンワン」チャリン…
ハト「ポッポー」チャリン…
カラス「カー、カー!」チャリン…
男「動物たちまで! どっかからお金を拾ったり、貴金属を持ってきたりしてるんだな」
女「いい子たちねえ……」ジーン…
犬「ワンワン」チャリン…
ハト「ポッポー」チャリン…
カラス「カー、カー!」チャリン…
男「動物たちまで! どっかからお金を拾ったり、貴金属を持ってきたりしてるんだな」
女「いい子たちねえ……」ジーン…
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 02:07:28 ID:.i7wyPhQ
ジャラジャラジャラ…
男「うひょ~! こりゃすげえ! もう軽く一千万は越えたぞ!」ジャラジャラ…
女「……」
女「ねえ、あのさ」
男「うん?」
女「もう……この辺にしといた方がいいんじゃない?」
女「だんだん大騒ぎになってきたしさ」
女「こないだなんて、マスコミの取材まで来ちゃったじゃない」
男「なにいってんだよ!」
男「うひょ~! こりゃすげえ! もう軽く一千万は越えたぞ!」ジャラジャラ…
女「……」
女「ねえ、あのさ」
男「うん?」
女「もう……この辺にしといた方がいいんじゃない?」
女「だんだん大騒ぎになってきたしさ」
女「こないだなんて、マスコミの取材まで来ちゃったじゃない」
男「なにいってんだよ!」
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 02:11:48 ID:.i7wyPhQ
男「まだ一千万だぞ? これっぽっち、ちょっと贅沢したらすぐなくなっちゃうよ!」
女「まあねえ」
女「でも、この短期間でこれだけ集まるのは、いくらなんでもおかしくない?」
男「きっと、これは……神様が恵まれない俺たちにパワーを与えてくれたにちがいない」
女「神様かぁ……たしかにそうかも」
男「だとしたら、とことん利用しなきゃ損だ!」
男「なあに、いざとなったら金持って逃げりゃいいさ」
女「それもそうね!」
女「まあねえ」
女「でも、この短期間でこれだけ集まるのは、いくらなんでもおかしくない?」
男「きっと、これは……神様が恵まれない俺たちにパワーを与えてくれたにちがいない」
女「神様かぁ……たしかにそうかも」
男「だとしたら、とことん利用しなきゃ損だ!」
男「なあに、いざとなったら金持って逃げりゃいいさ」
女「それもそうね!」
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 02:14:52 ID:.i7wyPhQ
チャリン… チャリーン… ジャリッ… パサッ… チャリン…
男(それからも、金は次々に集まり続け──)
女(ついには──)
男(それからも、金は次々に集まり続け──)
女(ついには──)
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 02:16:22 ID:.i7wyPhQ
大統領「これ、少ないけれど、ワタシのマネーデース!」
女王「わたくしからのせめてもの気持ちです」
国家主席「これで、病気治して欲しいアル」
法王「あなた方に神の祝福があらんことを……」
男「ははーっ!」
女「ありがとうございます!」
女王「わたくしからのせめてもの気持ちです」
国家主席「これで、病気治して欲しいアル」
法王「あなた方に神の祝福があらんことを……」
男「ははーっ!」
女「ありがとうございます!」
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 02:18:14 ID:.i7wyPhQ
……
……
……
チャリン… チャリン… チャリーン… チャリン… チャリン…
チャリーン… チャリ… チャリン… ジャラッ… チャリーン…
男「……」
女「……どうしたの?」
男「お金、もうどのぐらい貯まったかな?」
女「さぁ……いつからか、数えるのもめんどくさくなっちゃったもん」
男「だよな……」
……
……
チャリン… チャリン… チャリーン… チャリン… チャリン…
チャリーン… チャリ… チャリン… ジャラッ… チャリーン…
男「……」
女「……どうしたの?」
男「お金、もうどのぐらい貯まったかな?」
女「さぁ……いつからか、数えるのもめんどくさくなっちゃったもん」
男「だよな……」
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 02:20:36 ID:.i7wyPhQ
男「あのさ……」
女「なに?」
男「いや、なんつうかさ……さすがの俺もだんだん心が痛んできたよ」
女「!」
男「人の善意につけ込んで、金を恵んでもらおう、だなんてさ」
男「俺、決めたよ! とりあえず集めた金は、できる限り返却するなり」
男「あるいはちゃんとした団体に改めて寄付しよう!」
女「うん!」
男「そして俺たちは……やっぱりマジメに働こう!」
女「そうね! それが一番よね!」
女「なに?」
男「いや、なんつうかさ……さすがの俺もだんだん心が痛んできたよ」
女「!」
男「人の善意につけ込んで、金を恵んでもらおう、だなんてさ」
男「俺、決めたよ! とりあえず集めた金は、できる限り返却するなり」
男「あるいはちゃんとした団体に改めて寄付しよう!」
女「うん!」
男「そして俺たちは……やっぱりマジメに働こう!」
女「そうね! それが一番よね!」
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/19(金) 02:23:08 ID:.i7wyPhQ
その頃──
宇宙人A「発射したか?」
宇宙人B「おう、バッチリよ!」
宇宙人B「大部分は地球とかいう星に突入する時に燃え尽きちまうだろうが」
宇宙人B「いくらかは二人にダイレクトに届く計算になってる」
宇宙人B「だけどあの二人、うまくキャッチできるかな?」
宇宙人A「遠く離れた我々を動かすほどの強烈な思念を放てる二人組だ」
宇宙人A「黄金の隕石くらい、わけなくキャッチできるだろうさ」
宇宙人B「そりゃそうだな」
END
宇宙人A「発射したか?」
宇宙人B「おう、バッチリよ!」
宇宙人B「大部分は地球とかいう星に突入する時に燃え尽きちまうだろうが」
宇宙人B「いくらかは二人にダイレクトに届く計算になってる」
宇宙人B「だけどあの二人、うまくキャッチできるかな?」
宇宙人A「遠く離れた我々を動かすほどの強烈な思念を放てる二人組だ」
宇宙人A「黄金の隕石くらい、わけなくキャッチできるだろうさ」
宇宙人B「そりゃそうだな」
END
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