1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 01:25:48 ID:6aSx5RIw
女騎士の家──
オーク「よう!」
女騎士「オークか、なんの用だ?」
オーク「いい大根が手に入ったから、持ってきたんだ」
女騎士「おお、それはありがたい! 入ってくれ!」
オーク「よう!」
女騎士「オークか、なんの用だ?」
オーク「いい大根が手に入ったから、持ってきたんだ」
女騎士「おお、それはありがたい! 入ってくれ!」
引用元: ・オーク「大根を持ってきたぜ」女騎士「くっ、おろせ!」
女騎士さまは屈しない! (IDコミックス REXコミックス)
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志真
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2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 01:28:17 ID:6aSx5RIw
女騎士「ほぉう、これはいい大根ではないか!」
女騎士「この色、この手触り、この太さ……どれをとっても素晴らしい」スリスリ…
オーク「へへっ、大根足さんは大根が好きかい?」
女騎士「失敬な!」
オーク「ジョークだ、ジョーク。キレイな足してるぜ、アンタはよ」
女騎士「バ、バカッ……! 褒めてもなにも出ないぞ!」
女騎士「この色、この手触り、この太さ……どれをとっても素晴らしい」スリスリ…
オーク「へへっ、大根足さんは大根が好きかい?」
女騎士「失敬な!」
オーク「ジョークだ、ジョーク。キレイな足してるぜ、アンタはよ」
女騎士「バ、バカッ……! 褒めてもなにも出ないぞ!」
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 01:31:29 ID:6aSx5RIw
オーク「さぁて、なにを作るか……」
オーク「ふろふき大根もいいし、味噌汁にするのも悪くない……」
女騎士「うむ、どちらも好物だ」ジュルリ…
オーク「だが、手っ取り早く大根を味わいたいし……」
オーク「ここはあえて、大根おろしにしたいと思う!」
女騎士「おおっ!」
オーク「もちろん道具も持ってきてあるぜ」ガチャガチャ…
オーク「ふろふき大根もいいし、味噌汁にするのも悪くない……」
女騎士「うむ、どちらも好物だ」ジュルリ…
オーク「だが、手っ取り早く大根を味わいたいし……」
オーク「ここはあえて、大根おろしにしたいと思う!」
女騎士「おおっ!」
オーク「もちろん道具も持ってきてあるぜ」ガチャガチャ…
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 01:34:20 ID:6aSx5RIw
オーク「大根おろしのポイントはいくつかあるが──」
オーク「そのうちの一つは、大根のどの部分をおろすのか、だ」
女騎士「どの部分をおろすかだと?」
女騎士「あまり意識したことはなかったが、部分によってそんなに味が違うのか?」
オーク「大違いさ」
オーク「そのうちの一つは、大根のどの部分をおろすのか、だ」
女騎士「どの部分をおろすかだと?」
女騎士「あまり意識したことはなかったが、部分によってそんなに味が違うのか?」
オーク「大違いさ」
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 01:36:28 ID:6aSx5RIw
オーク「一般的に、大根の葉に近い部分は辛みが少なく、硬さがある」
オーク「逆に先っちょの方は辛みが強く、味噌汁の具や漬物にすることが多い」
オーク「んで、真ん中は甘みが強く、一番おいしい部位ともいわれる」
オーク「今回は、葉に近い部分を使おう」
女騎士「うむ」
オーク「逆に先っちょの方は辛みが強く、味噌汁の具や漬物にすることが多い」
オーク「んで、真ん中は甘みが強く、一番おいしい部位ともいわれる」
オーク「今回は、葉に近い部分を使おう」
女騎士「うむ」
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 01:39:34 ID:6aSx5RIw
オーク「んじゃ、大根を切って、と」ザクッ
オーク「さてと、さっそくおろすか」
女騎士「……」
オーク「やってみるか? 女騎士」
女騎士「やらせてくれ!」ワクワク…
オーク「じゃ、ほら」
オーク「さてと、さっそくおろすか」
女騎士「……」
オーク「やってみるか? 女騎士」
女騎士「やらせてくれ!」ワクワク…
オーク「じゃ、ほら」
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 01:43:10 ID:6aSx5RIw
女騎士「くっ……!」ゴリゴリ…
女騎士「ぐぐっ……!?」ゴリゴリ…
オーク「お、おいおい、あぶねえよ!」
オーク「そんな手つきじゃ、自分の指までおろしちまうよ!」
女騎士「くっ、おろせ!」サッ
オーク「ったく、しょうがねぇな。剣は一流なのになぁ」
女騎士「面目ない……」
女騎士「ぐぐっ……!?」ゴリゴリ…
オーク「お、おいおい、あぶねえよ!」
オーク「そんな手つきじゃ、自分の指までおろしちまうよ!」
女騎士「くっ、おろせ!」サッ
オーク「ったく、しょうがねぇな。剣は一流なのになぁ」
女騎士「面目ない……」
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 01:46:13 ID:6aSx5RIw
オーク「さてと、このおろし方も重要なポイントなんだ」
オーク「上下におろすと、繊維が保たれて、ピリリと仕上がる」
オーク「逆に円を描くようにすれば、水気が増えて辛みが弱くなる」
オーク「どっちにする?」
女騎士「辛みがある方が、好みだな」
オーク「オーケイ!」
オーク「上下におろすと、繊維が保たれて、ピリリと仕上がる」
オーク「逆に円を描くようにすれば、水気が増えて辛みが弱くなる」
オーク「どっちにする?」
女騎士「辛みがある方が、好みだな」
オーク「オーケイ!」
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 01:49:20 ID:6aSx5RIw
オーク「……」ジョリジョリ…
女騎士「おお、すごい!」
オーク「……」ジョリジョリ…
女騎士「次々に大根がおろされていく!」
オーク「……」ジョリジョリ…
女騎士「さすがオーク! 料理の達人だな!」
オーク(そんなベタ褒めされるほどのもんじゃないんだけどな……)ジョリジョリ…
女騎士「おお、すごい!」
オーク「……」ジョリジョリ…
女騎士「次々に大根がおろされていく!」
オーク「……」ジョリジョリ…
女騎士「さすがオーク! 料理の達人だな!」
オーク(そんなベタ褒めされるほどのもんじゃないんだけどな……)ジョリジョリ…
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 01:52:12 ID:6aSx5RIw
オーク「さて、完成だ!」
女騎士「おおお……キレイだ!」
女騎士「まるで、小さな雪山が出来上がったかのようだ!」
オーク「ハハハ、なかなか詩人じゃねえか」
女騎士「昔はよく、剣の稽古をしながらポエムを詠んだものだ」
オーク「すげえ光景だな、それ……」
女騎士「おおお……キレイだ!」
女騎士「まるで、小さな雪山が出来上がったかのようだ!」
オーク「ハハハ、なかなか詩人じゃねえか」
女騎士「昔はよく、剣の稽古をしながらポエムを詠んだものだ」
オーク「すげえ光景だな、それ……」
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 01:55:18 ID:6aSx5RIw
女騎士「いただきます」パクッ
女騎士「……」モグッ…
女騎士「くぅ~、舌の上でピリリとくる! 大根の風味がよく出ている!」
女騎士「たまらんな!」パクッ パクッ
女騎士「しかし……こうなると、オカズも欲しくなるな」
オーク「安心しな」ニヤッ
オーク「ちゃんと大根おろしにあう食いもんを持ってきてあるぜ!」
女騎士「……」モグッ…
女騎士「くぅ~、舌の上でピリリとくる! 大根の風味がよく出ている!」
女騎士「たまらんな!」パクッ パクッ
女騎士「しかし……こうなると、オカズも欲しくなるな」
オーク「安心しな」ニヤッ
オーク「ちゃんと大根おろしにあう食いもんを持ってきてあるぜ!」
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 01:59:09 ID:6aSx5RIw
オーク「ほれ、出し巻き卵だ」
女騎士「おおっ、かたじけない!」
女騎士「では出し巻き卵と、大根おろしを……口に放り込む」パクッ
女騎士「!!!」ビビビッ
女騎士「くぅ~、たまらん!」
女騎士「大根おろしの辛さが、卵の甘さを引き立てる!」
女騎士「ニワトリに感謝!」ヒョイパクッ
オーク(あ、俺の分まで……)
女騎士「おおっ、かたじけない!」
女騎士「では出し巻き卵と、大根おろしを……口に放り込む」パクッ
女騎士「!!!」ビビビッ
女騎士「くぅ~、たまらん!」
女騎士「大根おろしの辛さが、卵の甘さを引き立てる!」
女騎士「ニワトリに感謝!」ヒョイパクッ
オーク(あ、俺の分まで……)
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 02:02:17 ID:6aSx5RIw
オーク「お次は和風ハンバーグだ」
女騎士「おほっ!」
オーク(おほっ、て……)
女騎士「いただきます……」モグッ…
女騎士「んまいっ!」パァァ…
女騎士「ハンバーグの豪快な味を、大根おろしの鋭利さが引き締める!」
女騎士「まるで、筋肉質な魔物と女性の戦士が手を組んだかのようだ!」
オーク「なんか、どこかで聞いたことあるような組み合わせだな、それ」
女騎士「おほっ!」
オーク(おほっ、て……)
女騎士「いただきます……」モグッ…
女騎士「んまいっ!」パァァ…
女騎士「ハンバーグの豪快な味を、大根おろしの鋭利さが引き締める!」
女騎士「まるで、筋肉質な魔物と女性の戦士が手を組んだかのようだ!」
オーク「なんか、どこかで聞いたことあるような組み合わせだな、それ」
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 02:04:37 ID:6aSx5RIw
オーク「メインはやっぱり……サンマの塩焼き! 切り身だがイケるはずだぜ!」
女騎士「おおっ、すばらしい!」
女騎士「サンマと大根おろし! もはや説明不要のコラボレーション!」
女騎士「たとえるなら……えぇと、たとえるなら……」
オーク「無理すんなって」
女騎士「おおっ、すばらしい!」
女騎士「サンマと大根おろし! もはや説明不要のコラボレーション!」
女騎士「たとえるなら……えぇと、たとえるなら……」
オーク「無理すんなって」
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 02:07:13 ID:6aSx5RIw
女騎士「いただきます」パクッ
オーク「いただきます」モグッ
女騎士「う、ま、いっ!!!」
オーク「!?」ビクッ
女騎士「サンマが大根おろしを、大根おろしがサンマを、高みへといざなう!」
女騎士「おおお、私には見える……」
女騎士「大根おろしに乗ったサンマが……空の彼方に飛翔する姿が!」
オーク「……そいつぁすげえや」
オーク「いただきます」モグッ
女騎士「う、ま、いっ!!!」
オーク「!?」ビクッ
女騎士「サンマが大根おろしを、大根おろしがサンマを、高みへといざなう!」
女騎士「おおお、私には見える……」
女騎士「大根おろしに乗ったサンマが……空の彼方に飛翔する姿が!」
オーク「……そいつぁすげえや」
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 02:10:22 ID:6aSx5RIw
女騎士「いやぁ~、実においしかった!」
女騎士「ありがとう、オーク!」
オーク「どういたしまして」
オーク「俺も、わざわざ大根を持ってきたかいがあるってもんよ」
女騎士「ありがとう、オーク!」
オーク「どういたしまして」
オーク「俺も、わざわざ大根を持ってきたかいがあるってもんよ」
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 02:14:01 ID:6aSx5RIw
女騎士「ところで……」
オーク「ん?」
女騎士「できたら、もう一品ぐらい大根でなにか作ってくれないか?」
オーク「え、もう十分食ったろ? 出し巻き卵、ハンバーグ、サンマ……」
女騎士「あ、いや……近頃忙しくて、自分で料理するヒマもないから」
女騎士「もう一品ぐらい作っておいて欲しいな、と思ってな」
オーク「おお、そういうことか。かまわねえよ。じゃあ──」
オーク「ん?」
女騎士「できたら、もう一品ぐらい大根でなにか作ってくれないか?」
オーク「え、もう十分食ったろ? 出し巻き卵、ハンバーグ、サンマ……」
女騎士「あ、いや……近頃忙しくて、自分で料理するヒマもないから」
女騎士「もう一品ぐらい作っておいて欲しいな、と思ってな」
オーク「おお、そういうことか。かまわねえよ。じゃあ──」
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/06/22(月) 02:16:29 ID:6aSx5RIw
女騎士「!」グゥ~…
オーク「……」
女騎士「……」
オーク「こぉ~の大根役者が。まだ食べたいのなら食べたい、って素直にいえっての」
女騎士「ごめんなさい」
~ おしまい ~
オーク「……」
女騎士「……」
オーク「こぉ~の大根役者が。まだ食べたいのなら食べたい、って素直にいえっての」
女騎士「ごめんなさい」
~ おしまい ~
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