1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/04(土) 23:56:47.35 ID:AHI6YFGl0


雪乃「私は、比企谷くんにチョコレートを渡したい」


陽乃「え……?」


雪乃「渡したい」


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引用元: 陽乃「雪乃ちゃんはいったいどうしたいの?」 

 

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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/05(日) 00:00:09.39 ID:AHI6YFGl0


(しばしの沈黙)


陽乃(あれ、なんか想像してた回答と違う)


陽乃「へ、へえ……雪乃ちゃんってば大胆なんだねー? 比企谷くんも、雪乃ちゃんから愛されてるんだね」ニヤニヤ


八幡「雪ノ下、チョコもらうよ」


陽乃(あ、あれー? 比企谷くんそんなキャラだったっけ? 違うよね? もっといけすかない感じで受け取らないよね? なんで受け取っちゃうかなー、それ違うなー)

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/05(日) 00:01:03.49 ID:Vp+6DikG0


結衣「うん、ゆきのん。チョコあげなよ!」


陽乃(ガハマちゃんもなんで応援しちゃってんの? 比企谷くんのこと好きだよね? あれ、違う? もしかして私の勘違い?)


八幡「作ってくれたんだろ? 義理でもなんでも、俺のためによ」


雪ノ下「比企谷くん……」


陽乃(やばい……なんか置いてかれてる。違う、私の望んだ展開はこんな雰囲気じゃない!)


4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/05(日) 00:02:25.10 ID:Vp+6DikG0


陽乃「雪乃ちゃん、そうやってまた誰かに依存しちゃうの?」



(しばし沈黙)


陽乃(……決定打をここで使うことになるとはね。ま、面白いから言いんだけど)


雪乃「姉さん。私、依存はやめないわ」


雪乃「絶対、やめない」


陽乃(なんですごい自信満々に言ってるの……この子。それ全然胸張って誇れないよ? ……でも、やっぱりなんにも成長してないわね。やっぱり私が――)


5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/05(日) 00:03:31.75 ID:Vp+6DikG0


八幡「ああ、依存してくれて構わない」


陽乃(うん、この子は違う方向に成長しちゃってるわね)


結衣「あたしも……いいかな?」


八幡「ああ、任せとけ」


陽乃(あれー? ガハマちゃんもかー。そっかー、そうなっちゃうかー。でもみんなすごい直球だね、うん。最近なんかあった? お姉さん、最近の若者の動向についていけない!)


6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/05(日) 00:04:00.77 ID:Vp+6DikG0


雪乃「由比ヶ浜さん……」


結衣「ゆきのん、あたしもヒッキーのこと好きなの」


雪乃「ええ……知ってたわ。私たち、同じことをずっと考えてたのね」ホホエミ


陽乃(ええ……本人いるのにカミングアウトしちゃうの……。あ、比企谷くんどんな反応するのかしら)


7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/05(日) 00:04:50.64 ID:Vp+6DikG0


陽乃「……」チラッ


八幡「うぐ……ひぐ」ボロボロ


陽乃(えええええええ!? 泣いてるよ! この子泣いちゃってるよ! いや、え、ガチ泣き?)


八幡「俺……そんなこと言ってもらえるとか……思ってなくて……」


陽乃(素直すぎるでしょ……。え、なにこれまでの比企谷くんってなんだったの)


8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/05(日) 00:05:28.98 ID:Vp+6DikG0


雪乃「比企谷くん、大丈夫?」


結衣「ヒッキー……」


八幡「すまん……」




(しばし沈黙)


陽乃(えー、なに、この雰囲気。ダメよ陽乃、向こうのペースに巻き込まれちゃ)

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/05(日) 00:06:21.73 ID:Vp+6DikG0


陽乃「……そ、それが君の言う本物?」


八幡「…………」


陽乃(おー、効いてる効いてる。よし、このままこっちのペースに引き込めば……)


雪乃「……比企谷くん、これ」


陽乃(ふーん、それで雪乃ちゃんは無視しちゃうわけね。相変わらずだなあ)


10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/05(日) 00:08:38.70 ID:Vp+6DikG0


陽乃「そのチョコよく出来てるねー雪乃ちゃん。比企谷くんのために作った、本命チョコ」


陽乃(ふふ、さーてどんな反応するかしら?)


雪乃「……受け取ってもらえるかしら」


八幡「ああ……。なあ雪ノ下、俺と付き合ってくれないか」


雪乃「比企谷くん、嬉しいわ」


陽乃「」コメカミオサエー


陽乃(違う……何かが違う。絶対おかしい。いやおかしくない? おかしいのは私? 青春的にはアリなの……かな? ……いやいや、違う! なんか丸め込まれちゃってる! こんなのは絶対違うから! 陽乃騙されないで! そろそろガハマちゃんあたりが不満漏れ出すから! それが正しいから!)


11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/05(日) 00:09:26.48 ID:Vp+6DikG0


結衣「でもヒッキー、あたしもヒッキーのこと好きなんだけど」ホッペフクラマシー


陽乃(OKOK! そうそう、それそれ! それ待ってた! すごい待ってた! ナイスガハマちゃん! 略してナハマちゃん! 百万回のグッジョブをあげちゃう!)


八幡「……そうだな、そうなると難しいな」


陽乃「比企谷くん、モテモテだねー? でも、一人しか選べないんだよー? どうするのー?」


陽乃(……ふふ、これでチェックメイト――)


13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/05(日) 00:10:18.56 ID:Vp+6DikG0


八幡「なら卒業後にカナダに住むか」


雪乃「カナダなら、重婚は認められているものね」


結衣「やったー! 海外で挙式とかなんかすごいかっこいい!」




(そう言うと、三人は楽しげに去っていった)

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/05(日) 00:11:20.77 ID:Vp+6DikG0


陽乃「…………」



雪ノ下陽乃は、校門の前で一人立ち尽くし空を仰ぐ。


そして、一つの結論に至る。


――カナダってすごい。


そう世界は広かった。

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/05(日) 00:11:44.58 ID:Vp+6DikG0


――――
――



陽乃「……嫌な夢を見ちゃったわね」


その日、雪ノ下陽乃は雪乃への執拗な絡みをやめた。

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/05(日) 00:12:25.37 ID:Vp+6DikG0


おわり。