1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/11(土) 22:59:50.73 ID:Ggya6W8v0
【やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。】の安価SSです
原作7巻までのネタバレあり
話は基本安価で進める
主人公は総選挙で決定し、上位3名の各視点で物語は進行
物語に一区切りがついたら主人公が切り替わります
総選挙については>>2を参照
前々スレ 【安価】そうして比企谷八幡は安価で行動を始める
前スレ 【安価】比企谷「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」雪ノ下「その2ね」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1368280790
原作7巻までのネタバレあり
話は基本安価で進める
主人公は総選挙で決定し、上位3名の各視点で物語は進行
物語に一区切りがついたら主人公が切り替わります
総選挙については>>2を参照
前々スレ 【安価】そうして比企谷八幡は安価で行動を始める
前スレ 【安価】比企谷「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」雪ノ下「その2ね」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1368280790
引用元: ・【安価】比企谷「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」由比ヶ浜「その3!」
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 第1巻(初回限定版)(渡 航書き下ろし文庫小説・サントラCD同梱) [Blu-ray]
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2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/11(土) 23:00:09.19 ID:Ggya6W8v0
【第三回 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。真の主人公選抜総選挙】
《候補者一覧》
・比企谷八幡 ・雪ノ下雪乃 ・由比ヶ浜結衣 ・戸塚彩加 ・材木座義輝 ・比企谷小町
・葉山隼人 ・三浦優美子 ・海老名姫菜 ・戸部翔
・川崎沙希 ・相模南 ・城廻めぐり
・鶴見留美 ・川崎大志 ・雪ノ下陽乃 ・平塚静
《ルールと投票上の注意点》
・この書き込みから↓10までが有効票となります
・有権者は総選挙で当選させたいキャラを3名まで選択し、下記のように書き込んでください
1 比企谷八幡 2 雪ノ下雪乃 3 由比ヶ浜結衣
・上記は数字が小さい順にそれぞれ3ポイント獲得、2ポイント獲得、1ポイント獲得、という意味です
・その結果、総獲得ポイントが多い上位3名が順番に主人公となります
・同率一位(二位、三位)の場合はその同票者同士で再選挙となります(その際のルールは基本同じです)
・キャラ名無記入の場合は無効票となります
・個人の連続コメントは禁止です
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/12(日) 00:15:15.54 ID:nDUnQcQH0
《結果発表》
第1位 雪ノ下雪乃 16ポイント 【前々回 第1位 前回 第1位】
雪ノ下「私に勝てる人はいないのかしら」
第2位 比企谷八幡 13ポイント 【前々回 第3位(同票) 前回 第2位】
比企谷「……おいなんだこれ、選挙する意味あんのか?」
第3位 由比ヶ浜結衣 12ポイント 【前々回 ランク外 前回 第3位(同票)】
由比ヶ浜「ゆきのんってやっぱりすごいなぁ……」
第4位 雪ノ下陽乃 7ポイント 【前々回 ランク外 前回 第5位(同票)】
陽乃「流石は雪乃ちゃんだなぁ、三連覇なんてわたし惚れ惚れしちゃうよ♪」
第5位(同票) 川崎沙希 4ポイント 【前々回 ランク外 前回 第3位(同票)】
川崎「雪ノ下のやつ人気すぎじゃないの?」
第5位(同票) 鶴見留美 4ポイント 【前々回 ランク外 前回 ランク外】
鶴見「八幡、負けてばっかじゃん。かっこわる」
第5位(同票) 平塚静 4ポイント 【前々回 第4位 前回 第5位(同票)】
平塚「……せ、整形に手を出すときが来てしまったようだな……っ」
蓋を開ければゆきのん三連覇。……もうこれ選挙する意味なくね?
得票数が数え間違っていなければこれであってるはずです。
とりあえずルミルミのセリフが書けて私は満足。
というわけで3スレ目です。今後もよろしくお願い致します。
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/12(日) 00:28:35.24 ID:nDUnQcQH0
今日はもう夜遅いので、今回は主人公を選択して続きはまた朝にやりたいと思います。
誰を主人公にする? 以下より多数決
①雪ノ下雪乃
②比企谷八幡
③由比ヶ浜結衣
先に5票集まった選択肢で主人公を決定し、前スレの続きを始めます。
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 00:29:17.64 ID:m+xWAg8A0
1
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 00:30:44.03 ID:yzMyugL9o
3
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 00:30:51.51 ID:lYPleZ9po
2
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 00:34:39.07 ID:gco4KUzNO
1
26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 00:38:22.30 ID:a8fUXmjzo
3
27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 00:41:54.35 ID:6hGkpYeLP
1だけど3位から順に視点変更して行ってもいい気がする
28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 00:42:20.81 ID:9y1kgji70
3
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 00:46:27.24 ID:z87qLE800
1
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 00:48:17.39 ID:EKuK2MPXo
1で
43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/12(日) 12:15:55.93 ID:nDUnQcQH0
雪ノ下「……っ」
握っていたシャーペンを机の上に転がし、私は軽く伸びをする。
結局目が覚めた後、私は現在まで勉強をしていた。
凝り固まった肩をほぐすように腕を回しながら、部屋のカーテンを開いて外の景色を眺める。
太陽は既に水平線から顔を出し、新都心のビル群を暁光が曙色に染め上げている。
そして視線を部屋の時計に移して時刻を確認すると、時計は6時10分を示していた。
……さて、何をしようかしら。
雪乃は何をする? 以下より多数決
①朝食を済ませる
②外の空気を吸いに行く
先に3票集まった選択肢で先に進みます
44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 12:17:06.66 ID:3q1UMs/i0
2
45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 12:22:16.70 ID:gco4KUzNO
1
46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 12:25:37.52 ID:L1K5aBkQ0
2
47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 12:26:01.56 ID:xdG0Bl/p0
2
49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/12(日) 12:45:40.00 ID:nDUnQcQH0
雪ノ下「(……少し、外の空気でも吸いに行こうかしら)」
私はパジャマを脱ぎ、クローゼットからスニーカーソックスにハーフパンツ、七分丈のTシャツを取り出しそれに着替える。
そして机の上に置いてあった携帯をポケットに仕舞い、マンションの鍵を掴んで玄関へと向かう。
シューズボックスからスニーカー取り出し、それを履いて家を出る。
雪ノ下「(マンションの周囲を散歩して、戻ってきたら朝食にしましょう)」
扉の鍵を閉じ、私はエレベーターを利用して地上15階から1階へ降り、エントランスを通ってマンションの外へ足を運んだ。
雪乃が散歩中に誰かと遭遇した? 以下より多数決
①雪ノ下陽乃 ②葉山隼人 ③平塚静 ④城廻めぐり ⑤遭遇しなかった
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 12:46:11.30 ID:jrE0n1xao
3
51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 12:47:32.91 ID:gco4KUzNO
3
52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 12:50:38.96 ID:hV+y0Wvh0
1
53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 12:51:20.91 ID:3q1UMs/i0
3
54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/12(日) 13:33:51.24 ID:nDUnQcQH0
木々が整然と立ち並ぶ道を、枝葉の隙間から差し込む朝日を浴びながら歩く。
私は道なりに沿ってしばらく歩いていると、前方から歩み寄ってくる人影に見覚えがあった。
平塚「おや、雪ノ下じゃないか。おはよう」
雪ノ下「平塚先生、おはようございます」
その人影は奉仕部顧問の平塚先生だ。
平塚先生は普段のスーツ姿ではなく、黒のジャージ姿だった。
普段は何も手を加えていない長髪も、今日は後ろで一括りに纏め上げられている。
額に浮かぶ水滴から推測するに、どこかで身体を動かしてきたのだろうか。
平塚「……ふむ、雪ノ下。君はどうしたのかね、こんな早朝に」
雪ノ下「勉強の息抜きに散歩をしています」
平塚「勉強の息抜き……ということは、君はこんな朝早くから勉強をしているのか?」
雪ノ下「いえ、普段はそうではないです。今朝は偶然目が早く覚めてしまったので、その時間を有効に活用する為に勉強を選択しました」
平塚「ほう……、その意気やよし。だがあまり根を詰め過ぎると、先日の文化祭みたいに体調を崩す事になりかねん。あまり無理はするんじゃないぞ」
雪ノ下「……、はい」
雪乃はどうする? 以下より多数決
①平塚先生がなぜここにいるのかを訊ねる
②適当に挨拶をして自宅へ戻る
③平塚先生の背後に見慣れた人物を発見する(選択された際に再安価で人物を決定)
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 13:35:12.20 ID:3q1UMs/i0
1
56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 13:35:27.93 ID:FpCrPD/O0
1
57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 13:36:44.36 ID:hV+y0Wvh0
3
58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 13:37:03.27 ID:m+xWAg8A0
1
61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/12(日) 14:27:49.75 ID:nDUnQcQH0
雪ノ下「……ところで、平塚先生は何故こんな時間帯にジャージ姿でいるのでしょうか?」
雪ノ下「もし差し支えなければ教えていただきたいのですが」
平塚「……っ、……う、うむ。実はだな……」
渋面を浮かべながら平塚先生は私へそっと耳打ちをする。
どうやらあまり人の耳には入れたくない話のようね。
……なんとなく予想はついてしまうのだけれど。
平塚「……昨日陽乃と飲んだあと、自宅に帰って風呂上りに体重計に乗ったらだな……。……その、…………た、体重が……ふ、……増え…………くぅっ!」
雪ノ下「……平塚先生、食生活は十分気をつけなければ、肥満化だけでなく生活習慣病などの症状を併発する恐れがあります」
雪ノ下「さらに酒飲は胃の粘膜を荒らす原因です。胃の粘膜は歳を重ねる度に萎縮していくので、胃癌に罹る可能性も高くなります」
雪ノ下「僭越な申し出になりますが、平塚先生は現在の食生活の改善に務めたほうがよろしいと思われます」
雪ノ下「先生の年齢を鑑みて、あまり無理を重ねるのは身体への負荷が大き過ぎると判断出来るのですが……」
平塚「がふっ!」
雪ノ下「ひ、平塚先生?」
平塚「…………ゆ、雪ノ下。……き、君は……もう少し、……お、オブラートに包むことを、覚えた方が、いいぞ……っ」
雪ノ下「は、はぁ……」
その後、平塚先生は覚束ない足取りで背中から哀愁を漂わせながら去って行った。
……啜り泣く声が聞こえたのは気のせいだと信じたいわね……。
このあと雪乃はどうする? 以下より多数決
①自宅に帰って朝食の準備をする
②散歩を続ける(誰かと遭遇する。人物は選択された際に再安価で決定)
62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 14:28:05.52 ID:3q1UMs/i0
1
63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 14:28:27.20 ID:hV+y0Wvh0
2
64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 14:32:35.50 ID:gco4KUzNO
1
65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 14:36:45.86 ID:HaaIthZJo
2
67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 15:05:42.74 ID:9YpH7QQAO
2
69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/12(日) 15:15:01.64 ID:nDUnQcQH0
誰と遭遇した? 以下より多数決
①雪ノ下陽乃 ②葉山隼人 ③城廻めぐり ④海老名姫菜
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
①雪ノ下陽乃 ②葉山隼人 ③城廻めぐり ④海老名姫菜
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 15:26:36.53 ID:hV+y0Wvh0
1
73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 15:42:19.22 ID:/Wo5M8Kc0
3
74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 16:03:41.66 ID:xdG0Bl/p0
1
75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 16:05:32.95 ID:zH1MynOTo
2
76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 16:06:34.17 ID:yzMyugL9o
1
77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/12(日) 16:25:47.73 ID:nDUnQcQH0
平塚先生の背中を見送りながら、私は携帯で時間を確認する。
時刻は6時35分。あともう少し歩いたら、自宅に戻って朝食と今日の昼食を作ろうかしらね。
今後の予定を頭の中で練りながら、私は再び歩を進める。
しばらく歩いてそろそろマンションへ戻ろうとした所で、不意に背後から声がかけられた。
陽乃「あれ~? 雪乃ちゃんだ! おっはよー雪乃ちゃん♪」
雪ノ下「……、」
↓3 雪乃はどうする?
80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 17:00:41.43 ID:hT8OBizh0
逃走を諦めて、陽乃の絡みに応答する
81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/12(日) 17:17:24.42 ID:nDUnQcQH0
雪ノ下「あら、おはよう姉さん。……それで、なんの御用かしら?」
陽乃「おやおや? なんだか雪乃ちゃん不機嫌そうだねぇ。……もしかして、昨日あのあと比企谷くんと喧嘩でもしちゃったのかな?」
雪ノ下「見当違いもいい所ね……、姉さんの目は節穴なのかしら」
陽乃「むっ、雪乃ちゃんそんなこと言ったらダメでしょ? ちゃんとお姉ちゃんの目は付いてるし、この両眼は可愛い雪乃ちゃんのことをずっと見てるんだからね♪」
雪ノ下「やめて頂戴姉さん、たとえ冗談でも虫酸が走るわ」
陽乃「えー、冗談なんかじゃないってば。本当にわたしは雪乃ちゃんのことをずっと温かい目で見守ってきたんだよ?」
雪ノ下「そう、姉さんは嘘をつくのが上手ね。けれど、私はそんな嘘に騙されてあげるほどお人好しではないの」
雪ノ下「……私が不機嫌なのは目の前に姉さんがいるからよ。それ以外の理由なんてないわ」
↓3 雪乃はどうする? (陽乃でも可)
84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 17:43:42.61 ID:hV+y0Wvh0
陽乃がそんなこと言わないでと朝食に誘う。
88: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/12(日) 20:28:55.56 ID:nDUnQcQH0
陽乃「そ、そんなつれないこと言わないでよ雪乃ちゃん。傷つくなぁ、もう」
雪ノ下「……、」
陽乃「……あ、そうだ雪乃ちゃん、これから朝食食べに行こ! 雪乃ちゃんまだ朝食食べてないでしょ?」
雪ノ下「嫌よ。……仮に、私がまだ朝食を摂っていないとしても、なぜ姉さんと一緒に食事をしなければいけないのかしら」
雪ノ下「私が姉さんと食事をして、何かメリットがあるのなら考え直さないこともないけれど」
陽乃「うーん、メリットかぁ。……そうだね、わたしはほら交友関係はすごく広くて人生経験も豊富だから、いま雪乃ちゃんが抱えている悩みに対して的確なアドバイスが出来るよ♪」
雪ノ下「……っ、」
姉さんの口から飛び出した発言に、思わず息が詰まる。
目の前に立つ姉は、昔から容易く私の思考や心を見透かし見抜いてくる。
私が何かをやろうとすれば必ず姉さんはその前に立ち塞がり、勝手に先へ先へと進んでいく。
そんな私が唯一出来ることは、そんな姉さんの残した軌跡を辿るだけ。
姉の生み出した幻影を、ただ機械的に追い駆けるだけの単調な作業。
私のしていることは、完璧な姉の模倣だ。
いつしか私は、そうすることでしか自分の存在を確かめられなくなっていた。
母は私に関心を一切向ける事なく、期待もしていない。
父は私に期待をするものの、常に姉と比較してくる。
姉さんは私に期待や関心を向けているように感じるが、その確かな証拠は確認できていない。
ただ姉さんだけは、家族の中で私のことをよく見ていたと思う。
よく見ていなければ、私の考えを見透かすことなんて出来ないはずだから。
だから今までの私は姉さんの背中をずっと追い続けていた。
私の存在理由を示してくれる姉を、先の見えない世界を照らしてくれる姉の背中を、ただ無心で追い求めた。
……けれど、そんな私に彼は「そのままでいい」と言って、私の手を掴んで引き留めてくれた。
――家族以外で初めて私の存在を認めてくれた。
その時の幸福は筆舌に尽くし難く、ただただ嬉しかった。
そしてそれと同時に胸の奥底に芽生えた感情が、私の心を惑わし深く悩ませる。
おかげで彼の前では色々と小恥ずかしいことを口走ったものね。……特にここ数日は。
陽乃「……雪乃ちゃん?」
姉さんが心配そうに眉を顰めて首を横に傾げる。
けれど、その本心では何を考えているのかが私にはまったく読めない。
そんな人間に打ち明ける悩みなどありはしない。
実の妹に対しても、外面を付けたままの人間に話すことなどなにもない。
雪ノ下「……姉さん、そのお誘いは丁重にお断りさせてもらうわ。どうやら姉さんの提案は、私のメリットになりそうにないから」
私は踵を返して姉さんと決別するように背を向け、元来た道を引き返す。
陽乃「……そっか。残念だなぁ」
背後から姉さんの非常に珍しい弱々しい声音が聞こえたけれど、私は後ろを振り返ることなく帰路についた。
90: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/12(日) 20:48:30.16 ID:nDUnQcQH0
それからマンションへ戻った私は、私服から制服に着替えてキッチンへ向かった。
エプロンを付け、冷蔵庫の中から食材を取り出し朝食を作りながら昼食も同時に作る。
そして閑散とした室内で静かに朝食を食べ終え、食器を洗いソファに腰を掛けて一息つく。
ふと時計に視線を移すと時刻は7時20分だった。
……さて、どうしようかしら。
雪乃はどうする? 以下より多数決
①誰かにメールする(送信相手は再安価で決定)
②学校へ向かう
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
91: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:49:16.57 ID:hV+y0Wvh0
2
92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:52:08.30 ID:FpCrPD/O0
1
93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:55:03.67 ID:zH1MynOTo
2
94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 20:56:14.93 ID:3q1UMs/i0
2
95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/12(日) 21:18:26.28 ID:nDUnQcQH0
雪ノ下「(このまま家の中で時間を無駄にするのも考え物だから、ひとまず学校へ向かうのがよさそうね)」
私は作ったお弁当を掴んで自室へと向かった。
お弁当を机の上に置いてあった勉強道具一式と共に鞄の中に仕舞い、物が飛び出さないようにファスナーを閉じる。
鞄の紐を右肩に引っ掛けて、ハンカチとティッシュをブレザーのポケットに収める。
携帯と自宅の鍵を掴んで部屋を出て、キッチンへ向かいガスの元栓が閉まっているかを確認したあと玄関へ。
ローファーを履いて家の外へ出て、「いってきます」と告げて玄関の鍵を閉じて私は最寄り駅へと足を運んだ。
学校へ向かう途中で誰かと遭遇した? 以下より多数決
①葉山隼人 ②海老名姫菜 ③城廻めぐり ④遭遇しなかった
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:19:32.38 ID:hV+y0Wvh0
4
97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:19:37.76 ID:gco4KUzNO
4
98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:20:41.64 ID:FpCrPD/O0
4
99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:21:54.67 ID:HaaIthZJo
2
100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:22:28.12 ID:EnYVRbA9o
3
101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:25:20.78 ID:02cF2dAq0
4
102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/12(日) 21:41:20.38 ID:nDUnQcQH0
最寄り駅に着いたあと、私は改札を通ってタイミング良く停車していた電車へ乗り込んだ。
昨日ほど混雑していない電車の中でしばらく待っていると、電車は総武高校の最寄り駅に到着する。
それから改札を抜けて、私は総武高校へと向かって歩き出す。
通学路では知人ともクラスメイトとも遭遇することなくJ組の教室へ辿り着き、自分の席に鞄をそっと置いた。
雪ノ下「(朝のSHRまでまだ時間があるわね。……なにをしようかしら)」
雪乃はどうする? 以下より多数決
①誰かにメールする(送信相手は再安価で決定)
②2年F組の教室へ向かう
③読書に耽る
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:42:11.36 ID:gco4KUzNO
3で
104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:43:20.80 ID:FpCrPD/O0
1だな
105: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:43:23.82 ID:hV+y0Wvh0
2
106: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:45:51.56 ID:3q1UMs/i0
2
107: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:45:58.00 ID:FgbShvxAo
1ですな
108: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:46:49.97 ID:HtA5/f1r0
3
109: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 21:47:33.97 ID:xdG0Bl/p0
3
112: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/12(日) 22:11:29.03 ID:nDUnQcQH0
雪ノ下「(……読書、でいいかしらね)」
私は鞄の中から本を取り出し、大量の文字列を黙々と追った。
ページを繰る度に教室内の人が増えてくるが、私はそれを気にかけることなく読書を続ける。
そして次のページを捲ろうとした所で無機質なチャイムが鳴り響き、教室に担任が入ってくる。
教壇の上に立った担任は一日の連絡事項を伝え終わると、担任は早足で教室から出て行った。
雪ノ下「(1時限目は何の授業だったかしら。確か……、世界史?)」
壁に掲示されている時間割表を見ると、1時限目は『世界史』と書かれていた。
私は机の中から世界史の教科書と資料集、板書用のノートを取り出して授業の準備を整える。
そして私は午前中の授業に挑んだ。
――そして4時限目の授業の終了を告げるチャイムが鳴り、昼休みになった。
このあとはどうする? 以下より多数決
①奉仕部の部室へと向かう
②2年F組の教室へ向かう
③八幡に視点を切り替える
④結衣に視点を切り替える
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
(※③と④を選択した場合、視点が切り替わると同時に時間が朝まで巻き戻ります)
113: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 22:12:09.28 ID:m+xWAg8A0
2
114: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 22:12:45.05 ID:rN2puJ57P
2
115: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 22:13:20.79 ID:BelyVtnqo
2
116: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 22:16:41.56 ID:FpCrPD/O0
3
117: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 22:22:09.64 ID:HtA5/f1r0
2
120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/12(日) 22:50:24.36 ID:nDUnQcQH0
私は勉強道具を机の中に仕舞って椅子から立ち上がり、廊下へ出て2年F組の教室へと向かった。
そして廊下まで響く賑やかな声が溢れる教室の中へ足を一歩踏み込むと、そこには――
雪乃が目にした光景は? 以下より選択
①席に着いている八幡を囲む結衣と川崎
②カースト上位陣と一緒にいる結衣 (八幡の姿はない)
③戸塚と会話をしている八幡 (結衣の姿はない)
④足を踏み込んだ直後、八幡or結衣とぶつかる (直下判定で変化)
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 22:52:07.94 ID:HaaIthZJo
3
122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 22:53:07.80 ID:m+xWAg8A0
3
123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 22:53:09.47 ID:hV+y0Wvh0
1
124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 22:57:56.72 ID:FpCrPD/O0
3
125: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/12(日) 22:59:17.88 ID:f1NFnVli0
3
126: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/13(月) 22:48:14.82 ID:Y1ey9saf0
教室後ろ側、その入口付近の机に座った比企谷くんと、彼の目の前に立つ戸塚くんが会話をしていた。
戸塚「八幡、これからぼくと一緒にお昼ごはん食べない?」
比企谷「あー、すまん戸塚。今日はちっと先約があってだな……」
戸塚「そ、そっか。それなら仕方ないね」
比企谷「悪いな戸塚、また今度誘ってくれ。次は必ず一緒に食べるからよ」
戸塚「うん、わかった」
比企谷くんは戸塚くんの誘いを断ると椅子から立ち上がり、こちら側に向かって歩いてくる。
↓3 雪乃はどうする?
128: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 22:57:15.95 ID:NjdaaWZcO
先約?について聞く。
130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/13(月) 23:33:30.79 ID:Y1ey9saf0
猫背の状態で視線を床へ落としながら入口へと歩み寄ってくる比企谷くん。
雪ノ下「(……視線が落ちているせいか、どうやら私の存在にまだ気がついていないようね)」
私はそんな比企谷くんの進路を妨げるように立ち塞がると、彼は繰り出す足を止めてゆっくりと顔を上げた。
すると自然とお互いの視線が交錯し、数瞬の沈黙が流れる。
雪ノ下「……、こんにちは比企谷くん」
比企谷「……、おう」
普段なら心地よさすら感じる沈黙も、この周囲の喧騒の影響で幾らか息苦しく感じる。
私はそれを取り除こうと新鮮な空気を肺に吸い込んで、すぐに言葉と共に吐き出した。
雪ノ下「比企谷くん、今から私の為に少し時間を割いてもらえるかしら」
比企谷「あー、今からか。……すまん雪乃、それは無理。ちょっと先約があんだよ」
雪ノ下「先約……? 比企谷くん、それは一体どういうことかしら」
比企谷「先約は先約だ。相手が俺を来るのを待ってんだよ」
雪ノ下「……比企谷くん、その相手とは一体誰のことなのか、是非私に教えてもらえないかしら?」
比企谷「お、おう」
比企谷「(……なんか妙に殺気立ってるのは気のせいだよな……?)」
八幡を待っているのは誰? 以下より多数決
①由比ヶ浜結衣 ②川崎沙希 ③平塚静 ④城廻めぐり
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
131: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 23:34:40.85 ID:zdkF6J410
4
132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 23:35:34.13 ID:yI+P+XBko
3
133: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 23:35:51.50 ID:JYFEFyiw0
3
134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 23:38:03.48 ID:SNBbHQTB0
4
135: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 23:38:28.97 ID:PGYwkstF0
3
136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 23:38:43.44 ID:qgzyEGVV0
4
137: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 23:39:31.38 ID:OF1tbG68o
1
138: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/13(月) 23:39:31.64 ID:cabDx57oP
4
139: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/14(火) 00:02:41.32 ID:X8EeQyxl0
比企谷「俺を呼び出したのはめぐり先輩だよ」
雪ノ下「……、……めぐり先輩? ……へぇ、そう。比企谷くんはもう城廻先輩のことを名前で呼ぶようになるほど親交を深めていたのね」
比企谷「は? ……おい雪乃、なに勘違いっつーか早合点してるか知らねぇが、別に俺はめぐり先輩と交友なんて深めてねぇよ」
比企谷「俺が呼び出されたのはだな、この間の文化祭の報告書に不備があったみたいでそれのやり直しの為だっての。それ以外の理由なんてねぇよ」
雪ノ下「……、」
比企谷「……おい、なんだその訝しげな視線は」
雪ノ下「いえ、別になんでもないわ」
比企谷「絶対疑ってんだろお前……」
雪ノ下「……、」
↓3 雪乃はどうする?
142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 00:07:30.81 ID:nIjdjRGa0
雪ノ下「比企谷くん、しっかり仕事をしなさい。・・・それとも、サボらないように監視が必要かしら」
と言ってついていく
と言ってついていく
145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/14(火) 00:55:51.48 ID:X8EeQyxl0
雪ノ下「比企谷くん、しっかり仕事をしなさい。……それとも、サボらないように監視が必要かしら」
比企谷「おい、なんか俺それと似たようなこと文化祭の時にも言われたんだが……。……っていうか、俺ちゃんと文化祭の期間中は仕事やってただろ」
雪ノ下「ええ、そうね。確かに比企谷くんは馬車馬のごとくよく働いていたと思うわ。……まあ、私ほどではないけれどね」
比企谷「最後の一言が余計だ、それ言わなきゃ良かったのに……」
比企谷「あとそれに加えて妙に勝ち誇ったような顔すんな。んなことしなくてもわかってるから、お前が頑張ってたのは俺がよくわかってるから」
雪ノ下「っ、」
……ふ、不意打ちで褒めるのはやめて頂戴。
比企谷「……っておいおい、俺こんなことしてる場合じゃねぇよ。急がねぇと予定の時間に間に合わなくなっちまう」
比企谷くんはそう呟いて教室を出て行こうとするが、私は彼の袖を掴んでその動きを引き留める。
雪ノ下「待ちなさい比企谷くん」
比企谷「あん?」
雪ノ下「私もついていくわ。私は文化祭実行委員会の副委員長だったし、報告書の訂正を手伝えると思うから」
雪ノ下「(……それに、城廻先輩に相談したいこともあるから)」
私の突然の申し出に比企谷くんは逡巡するが、彼はすぐに決断を下したのか首を縦に小さく動かした。
比企谷「……、じゃあ頼むわ」
雪ノ下「ええ、任せなさい」
そうして私は比企谷くんと一緒に生徒会室へと向かった。
155: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/15(水) 21:25:18.53 ID:w+WJOkAX0
比企谷「……変わらなくていいだろ。そのままで」
お久しぶりです。
昨日は鯖落ちしててびっくりしたんですが、今回はすぐ復活してくれてありがたいような、ありがたくないような……。
まあ中間テストは5教科なんで、去年の8教科に比べれば……まぁなんとかなるはずです。
さて、とりあえず視点はゆきのん希望が多いようなのでゆきのんのままでいきますね。
八幡さんは「俺ぼっち」の方で活躍されてるので、もしよければそちらで彼の勇姿(?)をご覧になってください。
ところでガハマさんはどこにいったんでしょうね(すっとぼけ)
156: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/15(水) 22:51:46.71 ID:w+WJOkAX0
生徒会室に向かう途中に会話はあった? 以下より多数決
①昨日借りたハンカチの件
②八幡がこの用事が済んだあとの予定について
③なかった
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
157: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 22:52:59.78 ID:JiWhYedro
1
158: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 22:54:07.96 ID:pe3ZLJG3O
2、それにしても最近俺ガイルのssが増えてきたな。支部でも130個いってたし
159: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 22:54:21.34 ID:XbwGm2NDo
2
160: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 22:55:16.41 ID:8R9rEmtK0
2
162: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/15(水) 23:06:13.45 ID:w+WJOkAX0
私は比企谷くんの三歩後ろを歩きながら、ズボンのポケットに手を入れて前へ前へと進む彼の背中に声をかける。
雪ノ下「比企谷くん」
比企谷「ん?」
雪ノ下「比企谷くんはこの件が済んだあとはどうするつもりなのかしら?」
比企谷「このあと? ……このあとどうするもなにも、普通に昼メシ食ってそれから適当に時間つぶして、そんで5、6時限目に挑んで部活だろ」
雪ノ下「そう。ということは、今から行う報告書の訂正が終われば、比企谷くんの今後の予定は完全なる白紙なのね」
比企谷「おいそこ、人を暇人みたいに言うな。まぁ実際は暇人だけどよ……」
雪ノ下「……、」
↓4 雪乃はどうする?
206: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/17(金) 03:28:26.55 ID:IZpAlEum0
雪ノ下「そう。なら比企谷くん、報告書の訂正が終わったあと、一緒に昼食を食べましょう」
雪ノ下「……少し、あなたと話をしたいから」
比企谷「……。……ん、わかった」
それから私と比企谷くんは散発な会話を繰り返しながら生徒会室前へ到着した。
比企谷「……、」
比企谷くんは扉を二回ノックして中から声がかかるのを待つ。
……比企谷くん、お手洗い以外で扉をノックをする時の回数は、三回以上にするのが礼儀なのだけれど……。
城廻「はーい、どうぞー」
数瞬の間があって、扉越しから城廻先輩の声が聞こえてくる。
それを確認すると、比企谷くんは扉を開いて室内に足を踏み入れた。
比企谷「失礼します」
雪ノ下「失礼致します」
城廻「うん、いらっしゃい。……ってあれ? 雪ノ下さん?」
生徒会室では城廻先輩と生徒会の面々が、それぞれに割り振られた座席で文化祭の書類整理をしていた。
室内の最奥、窓際の席に座る城廻先輩は私の突然の来訪に目を丸くするが、それも一瞬のこと。
城廻先輩は椅子から立ち上がると、私達の元へ歩み寄ってきた。
城廻「こんにちは」
彼女の内面をそのまま引き出したかのような柔らかな微笑みを浮かべて、城廻先輩は私達に挨拶をする。
比企谷くんは隣で「……こ、こんちわ」とボソボソと呟いていたけれど、私は無言のまま首を縦に動かし言葉を続ける。
雪ノ下「城廻先輩、先日の文化祭では大変お世話になりました」
城廻「え? あ、ううん。こちらこそ、大変お世話になりました」
城廻「今年は雪ノ下さんの尽力があったから、去年と同じかそれ以上に盛り上がることが出来たよ。高校生活最後の文化祭、とっても楽しかったなぁ」
つい先日行われたばかりなのに、寂寥感を漂わせながら過去を懐かしむように瞳を閉じる城廻先輩。
去年と同じかそれ以上……、ね。
姉さんが有志でバンドをした当時の文化祭との比較も気になるけれど、それはいま訊ねることではないわね。
雪ノ下「……少し、あなたと話をしたいから」
比企谷「……。……ん、わかった」
それから私と比企谷くんは散発な会話を繰り返しながら生徒会室前へ到着した。
比企谷「……、」
比企谷くんは扉を二回ノックして中から声がかかるのを待つ。
……比企谷くん、お手洗い以外で扉をノックをする時の回数は、三回以上にするのが礼儀なのだけれど……。
城廻「はーい、どうぞー」
数瞬の間があって、扉越しから城廻先輩の声が聞こえてくる。
それを確認すると、比企谷くんは扉を開いて室内に足を踏み入れた。
比企谷「失礼します」
雪ノ下「失礼致します」
城廻「うん、いらっしゃい。……ってあれ? 雪ノ下さん?」
生徒会室では城廻先輩と生徒会の面々が、それぞれに割り振られた座席で文化祭の書類整理をしていた。
室内の最奥、窓際の席に座る城廻先輩は私の突然の来訪に目を丸くするが、それも一瞬のこと。
城廻先輩は椅子から立ち上がると、私達の元へ歩み寄ってきた。
城廻「こんにちは」
彼女の内面をそのまま引き出したかのような柔らかな微笑みを浮かべて、城廻先輩は私達に挨拶をする。
比企谷くんは隣で「……こ、こんちわ」とボソボソと呟いていたけれど、私は無言のまま首を縦に動かし言葉を続ける。
雪ノ下「城廻先輩、先日の文化祭では大変お世話になりました」
城廻「え? あ、ううん。こちらこそ、大変お世話になりました」
城廻「今年は雪ノ下さんの尽力があったから、去年と同じかそれ以上に盛り上がることが出来たよ。高校生活最後の文化祭、とっても楽しかったなぁ」
つい先日行われたばかりなのに、寂寥感を漂わせながら過去を懐かしむように瞳を閉じる城廻先輩。
去年と同じかそれ以上……、ね。
姉さんが有志でバンドをした当時の文化祭との比較も気になるけれど、それはいま訊ねることではないわね。
207: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/18(土) 20:26:52.08 ID:4nlLdNEu0
そのあと城廻先輩の指示を受けて、比企谷くんは報告書の不備を訂正していく。
私は城廻先輩に報告書の訂正を手伝うと申し出たのだけれど、先日の文化祭での相模さんの一件を踏まえてか、それは許可されなかった。
割り振られた仕事はその仕事を割り振られた人間が最後まで責任を持って遂行しなければいけないらしい。
これは至極当然のことなのだけれど、そうなってしまうと今の私は手持ち無沙汰。何もすることがない。
なので私は室内の壁に背中を預け、比企谷くんの訂正作業を見守ることにした。
城廻「えっとね、ここが集客数の計算ミスがあって、そこがスケジュールの一部が記入洩れしてたの」
比企谷「げっ……、すみません。……なんでこんな単純なミスしてんだ俺……っ」
城廻「あ、あと議事録の一部に「進捗は別紙参照」って書いてあったんだけど、その参照にする別紙が見当たらないんだよね」
城廻「それでその誘導文を書いたのが誰か確認したら君だったんだ。その別紙はどこにあるのかな?」
比企谷「……っ、」
城廻「もしかして、自宅に間違って持って帰っちゃったのかな?」
比企谷「……え、えーっとですね。それは……」
城廻「うんうん、それは?」
比企谷「……、」
城廻「?」
比企谷「…………すみません、明日持ってきます」
城廻「そっか、うん、わかった。ちゃんと忘れずに持ってきてね」
比企谷「……うっす」
それから訂正作業が継続すること数十分。
昼休みが残り半分になった所で、比企谷くんはようやくその作業から解放された。
比企谷「終わった……っ」
城廻「はい、お疲れ様。それじゃあ明日、別紙をちゃんと忘れずに持ってきてね」
比企谷「……わかりました。それじゃあ失礼します」
城廻先輩の優しそうな微笑みに比企谷くんはそう小さく呟いて、バツが悪そうに後頭部を掻きながら生徒会室から出て行った。
私は城廻先輩に相談したいことがあったけれど、いま訊くのは業務の邪魔になりそうだからまた日を改めることにしましょう。
そう判断を下し、私は生徒会役員に会釈をして比企谷くんの背中を追った。
209: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/18(土) 21:46:19.67 ID:4nlLdNEu0
生徒会室を出て廊下の角を右折すると、そこで比企谷くんは壁に背中を預けて立っていた。
私が比企谷くんの前まで歩み寄ると、比企谷くんは壁から背中を離して私を先導するように歩き始めた。
その後ろ姿を、私は三歩ほど離れた位置から追従する。
比企谷「すまんな雪乃、なんか無駄足を踏ませちまったみたいで」
雪ノ下「別に、構わないわ」
雪ノ下「それより比企谷くん、あなたの訂正作業が思いのほか時間がかかって昼休みがあと半分しかないのよ。だからはやく昼食にしましょう」
比企谷「……は? おい嘘だろ、さっきの訂正作業ってそんなに時間かかってたのかよ」
雪ノ下「ええ、あなたが何度も計算ミスを繰り返すものだから、時間はいたずらに浪費されていったわ」
比企谷「ぐっ……、し、仕方ねぇだろ。俺は数学は得意じゃねぇんだよ」
雪ノ下「比企谷くん、三桁の足し算は数学には分類されないわ、それは算数よ。……まぁ広義的に解釈すれば算数も数学と称することも可能だけれど、それでも三桁の足し算は小学生が習う学習内容よ」
雪ノ下「それも満足に出来ないなんて、あなたの計算処理能力は小学生以下ということになるのだけれど?」
比企谷「……で、電卓があれば計算する必要なんてねぇし……(震え声)」
雪ノ下「その電卓が故障した場合はどうするの?」
比企谷「……か、紙に書けば三桁の足し算くら」
雪ノ下「紙も筆記用具もない場合は?」
比企谷「……、」
雪ノ下「……比企谷くん、あなたの進路希望である私立文系も最近は数学を受験科目にしている大学が多いわ。いつまでも弱点を放置していると、いつか手痛い目に遭うことになるわよ?」
比企谷「……はっ、残念だったな雪乃。俺は手痛い目に遭うのは昔からで慣れてるし、それに大学に合格しなくても俺の最終目標は専業主夫だ」
比企谷「専業主夫になるには特別な資格も必要ねぇし学歴も関係ねぇ、だから計算はしなくても問題ねぇんだよ」
雪ノ下「専業主夫なら家計簿をつける必要があるのではないのかしら」
比企谷「いや、そうでもねぇよ。家計簿ってのは一般的に収入以上の買い物をしないようにして、家計を健全に保つために用いられるからな」
比企谷「つまり家計簿をつける必要がないくらいの金持ちと結婚すれば、収入について日々頭を悩ませる必要がない! 金持ち万歳!」
雪ノ下「また腐った目でそんなことを……」
↓4 廊下で誰かと遭遇した? (『しなかった』でも可、人物は総武高校関係者のみ)
213: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 21:56:17.78 ID:swkNvl3KO
相模の取り巻きA
216: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/19(日) 00:35:58.08 ID:BYP3i9yu0
比企谷くんの妄言に相槌を打ちながら廊下を進んでいると、1人の女子生徒とすれ違った。
遥「あれー? もしかしなくても雪ノ下サンじゃん」
彼女はたしか……、相模さんと一緒に奉仕部へやって来た実行委員だったわね。
端から比企谷くんには関心がないのか、彼女は私の前にいる比企谷くんを無視して話しかけてきた。
……いえ、違うわね。彼女の無視は、意図的な無視。
時折瞳を横に移動させて、嘲り、侮り、蔑みを含んだ非常に不愉快な視線を彼に向けている。
雪ノ下「……、」
それを私は会釈をすることもなく、ただ無言で見返す。
遥「どうしたのこんなところで? なんか雪ノ下サンっていつも昼休みは1人でどこか行っちゃうらしいけど、今日は1人じゃないんだねー」
珍しい物事に好奇の目を輝かせ、厳然たる嘲笑を顔に貼り付けて彼女は会話を続ける。
その隣にいる比企谷くんは、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべて瞼を閉じていた。
まるで同じ過ちを繰り返してしまった事を悔いるかのように、彼の拳は固く握り締められている。
雪ノ下「……それがなにか? 私が昼休みを誰と一緒に過ごそうが、あなたには一切関係のないことだと思うのだけれど」
そんな彼の姿を見たからなのか、私の声音は普段より格段に冷めていた。
そのせいか、目の前の彼女は怯えるように全身を震わせると、突然両手を忙しなく動かし始めた。
遥「……っ、だ、だよねー、なんかごめんね雪ノ下サン」
遥「あ、そ、そういえばあたしバスケ部の先輩に呼ばれてたんだったー。そ、それじゃあね雪ノ下サン」
火を見るよりも明らかな嘘を残して、彼女はこの場から逃げるように去って行った。
このあとはどうする? 以下より多数決
①一度教室に戻り、弁当を持って八幡と共に奉仕部の部室へ
②「……すまん雪乃、やっぱ昼食はパスするわ」
③「あー! ヒッキーいた! ゆきのんも!」
④「フハハハ八幡! ここで会ったが千年目! さあ、我と共に無限の螺旋(インフィニティスパイラル)を駆け巡ろうではないかッ!」
⑤「……ちょっとあんた、勝手に教室からいなくならないでくんない?」
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
217: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 00:37:54.38 ID:6KGciuBv0
1
218: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 00:37:54.41 ID:zdV064wqo
5
219: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 00:40:33.85 ID:p7szYYrAo
敢えて原作っぽい? 2
220: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 00:41:26.35 ID:RB6mPDJ/0
1
221: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 00:42:39.22 ID:XBFAo4530
5が誰かわからん 安価は1
230: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/19(日) 18:51:56.86 ID:BYP3i9yu0
それから私達は一度自分の教室に戻り、お弁当を持って再び合流して共に奉仕部の部室へと向かう。
比企谷「……、」
雪ノ下「……、」
部室までの道程は互いに無言だった。
背後から聞こえる喧騒もどこか遠々しく感じられ、周囲に流れる空気も重苦しい。
彼の小刻みに震える右拳を傍目に見ながら、私達は奉仕部の部室へと辿り着いた。
奉仕部の部室内に誰かいた? 以下より多数決
①平塚先生と由比ヶ浜 ②誰もいない
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
231: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 18:54:31.71 ID:WLeuLLNd0
1
232: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 18:55:18.24 ID:ru8T/tNAO
1
233: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 18:56:41.33 ID:tjDlCRtxo
1
234: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 18:57:58.84 ID:RB6mPDJ/0
2
235: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 19:00:31.66 ID:SGNlo6h10
2
236: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 19:01:26.10 ID:oJ656yKeP
2
237: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 19:02:16.63 ID:/hM89lGn0
1
246: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/20(月) 00:35:07.57 ID:i+0iJGTY0
比企谷くんが扉を開くと、部室の中では平塚先生と由比ヶ浜さんが椅子に腰掛けて静坐していた。
平塚「来るのが遅いぞ比企谷、……たるんどる!」
比企谷「どこのテニスの皇帝ですか……。ってか、なんで先生がここにいるんですか」
比企谷くんはいつもの定位置に腰を落ち着けると、平塚先生を半目になって睨みつける。
私もそれに倣うように普段の席に座ると、そこで由比ヶ浜さんと目が遭った。
由比ヶ浜さんは普段と変わらない、明るく、眩しい笑顔を私に向けてにこやかに微笑む。
私はそれを無言の会釈で返した。
雪ノ下「(……おそらく由比ヶ浜さんは、今この場で話し合いをするつもりなのね)」
その考えに対する明確な根拠は無いが、私の直感はそうなるであることを静かに告げている。
なので私はヘタな動きをせずに、大人しく由比ヶ浜さんの出方を伺うことにした。
平塚「その点については由比ヶ浜から訊いてくれ。私はただ彼女からここに来るように頼まれただけだからな」
比企谷「さいですか。……んじゃ由比ヶ浜、なんで先生を呼んだんだ?」
由比ヶ浜「あ、うん、それはね。……やー、なんて言うの? 平塚先生には見送り人……じゃなくて、おくりびと? みたいな感じの役をやってもらいたくて」
比企谷「……ほうほう、それで死化粧されてあの世へ送られる人間は俺ですか。なにお前、そんなに俺のこと嫌いだったの?」
由比ヶ浜「はぁ? ヒッキーなに言ってんの? 超意味わかんないんですけど」
比企谷「奇遇だな、俺もお前の言ってることがさっぱり分からねぇ」
平塚「話が脱線しているぞ君達……」
雪ノ下「……、」
↓4 雪ノ下は彼らになんと言う?
251: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/20(月) 00:46:14.92 ID:FsgqTu9e0
「ここに平塚先生がいる理由はわかったわ。 由比ヶ浜さんがいて欲しいなら私は構わないけれど私達の話し合いに比企谷君が立ち会うのは勘弁して欲しいのだけれど・・・」
252: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/20(月) 02:28:01.17 ID:i+0iJGTY0
雪ノ下「(……このまま口を挟まないでいると、昼休みが終わってしまうわね)」
私は小さく咳払いをして居住まいを正す。
そしてその音に反応して、三人は私に視線を向けた。
雪ノ下「比企谷くん、由比ヶ浜さん。少し落ち着きなさい」
雪ノ下「さっきまでの由比ヶ浜さんの話を元から推測するに、ここに平塚先生がいる理由はわかったわ」
雪ノ下「由比ヶ浜さん、あなたが言いたいのは『おくりびと』ではなく『見届け人』のことでしょう?」
由比ヶ浜「え? あ、うん。それだ……と思う」
比企谷「なんで自信なさげなんだよ……」
由比ヶ浜「だ、だってあたし難しい言葉とかよくわかんないし……」
比企谷「……お前、よくそんなんでウチに受かったな」
由比ヶ浜「るさいっ! こ、高校受験の時のあたしは1日7時間は勉強してたんだもん! だからここに受かったの! 合格したのがわかったらやんなくなっちゃったけど……」
比企谷「……なんでそこで勉強すんのあきらめたんだよ。そのまま継続してりゃ今のお前みたいな残念な子にはならなかったのかもしれねぇのに」
由比ヶ浜「むかっ、数学9点のヒッキーに言われたくないし」
比企谷「う、うっせ。他の教科はお前より上だからいいんだよ別に」
平塚「……もしも由比ヶ浜が勉強を続けていた場合、この学校に成績優秀な由比ヶ浜がいたかもしれないのか……」
平塚「……ふむ、こう言っては教師としてはあれだが、皆目想像がつかんな」
比企谷「ホントに教師としてどうかと思いますよその発言……」
雪ノ下「…………話、続けてもいいかしら」
253: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/20(月) 02:30:04.05 ID:i+0iJGTY0
閑話休題。
雪ノ下「……それで、【由比ヶ浜さんは昨日私と約束した話し合いを円滑に進める為に、中立的な判断を下せる『見届け人』――より正確に言うならば『立会人』の役割を平塚先生にお願いした】ということでいいのよね?」
由比ヶ浜「うん。一応ゆきのんと二人っきりで話し合いをしようって考えてはいたんだけど、それだとなんか変に緊張しちゃって上手く話せそうになくて……」
由比ヶ浜「だからその場に他の人がいれば、その緊張もほぐれてくれるかなぁ……なんて」
雪ノ下「……そう。それを由比ヶ浜さんが望むのであれば私は別に構わないわ」
由比ヶ浜「……そっか、ありがとゆきのん」
由比ヶ浜「え、えっと……、それじゃあそろそろ始める?」
雪ノ下「ええ、あまり時間も残されていないようだし、手短にいきましょう」
雪ノ下「でもその前に由比ヶ浜さん、1つ確認しておきたいことがあるの」
由比ヶ浜「?」
雪ノ下「由比ヶ浜さんがいて欲しいなら私は構わないのだけれど、私達の話し合いに比企谷くんが立ち会うのは……その……」
由比ヶ浜「え? あー、……そっか、そうだよね」
由比ヶ浜「で、でもこの話し合いはヒッキーに関係のあることだし、いずれヒッキーにも話さないといけないと思うから……」
由比ヶ浜「……だから、……その、…………あ、あたしはちゃんと、この場で全部聞いてもらいたい……かな」
雪ノ下「……、」
雪ノ下「……。そうね、由比ヶ浜さんの言う通りね」
私は由比ヶ浜さんの考えに同意を示すように小さく頷く。
もうすでに私は彼の前で色々と宣言をしているのだ、いまさら気後れをしてどうするというのか。
私は対角線上の位置に座る比企谷くんを視界に捉える。
彼は居心地が悪そうに、視線を上下左右に彷徨わせていた。
雪ノ下「(……ごめんなさい比企谷くん、私の身勝手な行動のせいであなたにまで心苦しい思いをさせてしまって)」
心の中で彼に謝罪をして、私は由比ヶ浜さんと向かい合った。
257: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/21(火) 20:45:17.75 ID:fOODYWuh0
雪ノ下「それでは由比ヶ浜さん、そろそろ始めましょうか」
由比ヶ浜「うん」
雪ノ下「……まずはえっと、……昨日の夜、あなたの前から逃げ出してしまってごめんなさい」
口火を切るのは私の謝罪。
深々と頭を下げて、由比ヶ浜さんに昨日の非礼を詫びる。
他人との関係が希薄である私には、こういった場面ではどのような行動をするのが最良なのかが判断出来ない。
他人との干渉を拒み続けた代償が今こうして多額の負債となり、大きく渦を巻きながら押し寄せてきている。
けれど、その濁流にただ流されるだけではいけない。
なので私は自らの持つ僅かな手札の内で、唯一有効と思える昨日の件の謝罪を選択した。
逆説的に言えば、それしか切れる手札がないほどに追い込まれていた。
新たな手札は、この話し合いと並行しながら獲得していかなければならなかった。
由比ヶ浜「……ゆきのん、そんな頭下げるとかしなくていいよ。だから、顔をあげて?」
雪ノ下「……、けれど」
由比ヶ浜「あたしがいいって言ってるからいいの。……だから、顔をあげて」
雪ノ下「……。……本当に、ごめんなさい……」
由比ヶ浜さんに強く促され、私は小さな謝罪を呟きながら彼女へ再び向き直る。
由比ヶ浜「えっと、……うん、昨日のアレはびっくりしたなぁ」
由比ヶ浜「ゆきのんとヒッキーが私服姿で一緒にいたのもびっくりだし、そのあとのゆきのんの行動も」
由比ヶ浜「あまりにも突然のことで、あたし全然反応できなかったよ」
雪ノ下「……、」
由比ヶ浜「……でも、ゆきのんにも何か考えがあったんだよね?」
由比ヶ浜「だってゆきのんは、いつもなんの理由もなく行動なんてしないもん」
由比ヶ浜「だから昨日の行動も、なにか理由があったんだよね?」
雪ノ下「それは……、」
↓4 雪乃の昨日の行動の理由は? (流れに沿うようにお願いします)
258: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 20:52:38.28 ID:fql9S2xr0
八幡を由比ヶ浜にとられてしまうのが怖かったから
264: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/21(火) 22:56:04.46 ID:fOODYWuh0
雪ノ下「それは……、あなたに比企谷くんがとられてしまうと思って……」
由比ヶ浜「……、」
平塚「……、」
比企谷「……っ、」
部室内に沈黙が降り、誰かが固唾を呑む音が聞こえる。
私はその静寂を破るように、由比ヶ浜さんと視線を交錯させながら言葉を続ける。
雪ノ下「由比ヶ浜さんもご存知の通り、私は比企谷くんのことを…………その、異性として好意を抱いている……のよ」
雪ノ下「それで昨日の夜、あなた達と会話をしている比企谷くんの姿を見たら、こう、うまく説明が出来なくてもどかしいのだけれど……、胸の奥底が焦げるような痛みに襲われたの」
雪ノ下「そして気が付いたら、比企谷くんの手を引いてあなたから逃げていたわ」
雪ノ下「ごめんなさい、あなたの気持ちを知っていながらあんな行動をしてしまって……」
膝の上に乗せられた両手でスカートを固く握り締める。
視線もいつの間にか下がっていて、視界には皺の寄った布が映っている。
由比ヶ浜「……、ゆきのん」
雪ノ下「……なにかしら、由比ヶ浜さん」
由比ヶ浜「……謝るの、禁止。ゆきのんが謝ったら、そこで会話が終わっちゃう」
雪ノ下「……、」
由比ヶ浜「……、」
由比ヶ浜「……ねぇゆきのん。ゆきのんは、いつからヒッキーの事が好きになったの?」
由比ヶ浜「あたしはね、ヒッキーがうちのサブレを助けてくれたあの時から、あたしはヒッキーの事が気になるようになったの」
由比ヶ浜「でもね、それはただヒッキーを知るきっかけに過ぎなくてさ、ヒッキーのことをちゃんと『好き』って自覚するようになったのはその後からなんだ」
由比ヶ浜「あたしはさ、ひとりぼっちになりたくないから、いつも周りに合わせてたんだ」
由比ヶ浜「たいして面白くもない話も笑顔を浮かべて聞いて、嫌いな人の話も心の中では聞きたくないと思ってても、話す人に合わせて『あー、あたしも嫌いー』とか言ってさ」
由比ヶ浜「それで家に帰っていざ1人になると、『あたしはなにやってんだろ』って考えるようになって。もう自分が何が好きで何が嫌いなのか、自分は何なのかがわかんなくなってた」
由比ヶ浜「でもその頃、ぐうぜん学校で1人でいるヒッキーを見かけたの」
由比ヶ浜「誰とも会話しないで、1人で黙って過ごしてるヒッキーを見たの」
由比ヶ浜「最初は事故のせいで新しい友達が出来なかったんだと思ったんだけど、ヒッキーはちがった」
由比ヶ浜「その事故を話すきっかけにしてヒッキーに話しかける人は何人かいた。けど、ヒッキーはそれをなんか適当な理由を言って断ってた」
由比ヶ浜「それがね、あたしにはなんだかすごくかっこ良く見えたの」
由比ヶ浜「それがなんでかは上手く言葉に出来ないけど、……とにかく、すごくかっこ良かった」
由比ヶ浜「それから、あたしはヒッキーのことを好きになったの」
由比ヶ浜「廊下とかでヒッキーとすれ違ったら、その姿を目で追ってた。声を掛けたかったけど、1年生の頃はさがみん達と一緒にいたから、そういうのはあんまし出来なかった」
由比ヶ浜「だから2年生になったらがんばろうって思って、平塚先生に相談してみたの。そしたら先生から奉仕部を勧められて、そこに行ったらゆきのんとヒッキーがいて……」
由比ヶ浜「それからは三人で一緒にクッキー作ったり、テニスやったり、テスト勉強一緒にしたり、川崎さんの説得しに行ったり、大富豪したり、誕生日祝ってもらったり、カラオケやゲーセンに行ったり、ボランティアで千葉村に行ったり、花火を見たり、文化祭やったり、その打ち上げやったり……たくさん、たくさん思い出が出来た」
由比ヶ浜「それでゆきのんとも親友になれたし、小町ちゃんやさいちゃんとか中二とか川崎さんとか平塚先生、優美子や姫菜、隼人くんにとべっち、大和くんに大岡くんとも仲良くなれた。…………そして、ヒッキーのことがもっともっと好きになった」
由比ヶ浜「あたしはヒッキーのことが好き。たぶんゆきのんが、ヒッキーのことを好きになるずっと前から」
由比ヶ浜「……だから、この気持ちは譲れないの。たとえゆきのんが相手でも、それは変わらない」
278: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/22(水) 21:54:07.54 ID:cmWyiBj+0
由比ヶ浜さんがずっと胸の内に秘めていたであろう感情が私の耳を伝い、心の奥底に突き刺さる。
雪ノ下「……、」
由比ヶ浜さんは、比企谷くんのことが好き。
それも私が彼のことを好きになるずっと前から。
由比ヶ浜さんが初めて奉仕部へ訪れた時の依頼である「手作りクッキーを食べてもらいたい相手」とは、比企谷くんのことだったのね。
一年半前の入学式の朝、比企谷くんは身を挺してハイヤーに轢かれそうになった犬を助けた。
その犬の飼い主は由比ヶ浜さん。
そして私は折悪しく犬を轢きそうになったハイヤーに同乗していた。
その結果、比企谷くんは犬を庇って車と衝突して怪我を負い、入学早々全治三週間の入院。
退院後の彼は、周囲と馴染まず馴れ合わず、進級して奉仕部に入部するまでは私と同じように独りで過ごしてきたのだろう。
――比企谷くんと由比ヶ浜さんは、等しく被害者。
もし彼が事故に遭わなければ、彼は孤独にならずに済んだのかもしれない。
もし彼女が事故に巻き込まれなければ、彼女は彼と出会うことはなかったのかもしれない。
そして彼らが加害者である私とも、知り合うことはなかったのかもしれない。
けれど、事故は実際に過去に起きた事であり、その厳然たる事実を覆すことなど出来はしない。
過ぎ去った日々をいくら悔やんだとしても、あの日の出来事は不変を貫き続ける。
過去を変えることなど不可能で、変えることが可能なのは未来だけ。
それも自らの意志で心から変わりたいと願わなければ、変革は訪れない。
由比ヶ浜「……って、あわわっ!? ま、また夢中になって話してたし……」
その驚愕混じりの声に反応して顔を上げると、由比ヶ浜さんは顔を朱色に染めながらあわてふためいていた。
どうやら由比ヶ浜さんは無意識の内に言葉を並べ立てていたようね。
そして無意識ということは、先程の言葉はすべて嘘偽りない由比ヶ浜さんの本心。
ならば私も、嘘偽りのない飾らない言葉で返すのが礼儀というもの。
決意を固めた雪乃 その時――
①平塚静の鶴の一声
②比企谷八幡の苦悩の呟き
③特に何も起こらない
※ストーリの分岐点です
先に5票集まった選択肢で先に進みます。
280: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:56:25.20 ID:aPg5JIW2O
2
281: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:57:19.64 ID:i3vqthlao
2
282: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:57:39.33 ID:6svGCGPmO
1
283: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:58:21.90 ID:e4eqlzGm0
2
284: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:59:22.77 ID:JTeKGrNIo
1
285: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 21:59:44.40 ID:MdM6kAs3o
1
286: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 22:00:31.96 ID:Q9UXpXjAO
1
287: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/22(水) 22:01:07.74 ID:OW9EH8Xho
1
291: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/23(木) 22:52:08.81 ID:NyC2GsYh0
そう私が決意を固めた矢先のことだった。
由比ヶ浜さんの隣の席に座っていた平塚先生が軽く咳払いをすると、先生は腕を組んで鷹揚に頷く。
平塚「……ふむ、『恋は盲目』とはよく言ったものだな」
平塚「人間は恋をすると大きく変わる存在であることを強く思い知らされる」
平塚先生はパイプ椅子から腰を上げると、私と由比ヶ浜さんの中間の位置へ移動する。
そして先生は艶然とした笑みを浮かべてこう告げた。
平塚「どうかね二人とも。ここは一つ、私の依頼を引き受けてくれないか?」
由比ヶ浜「ひ、平塚先生からの依頼……ですか?」
平塚「うむ、そうだ。……まぁ二人に依頼とは言っても、これは雪ノ下にはすでに依頼していることなのだがな」
平塚先生はそう言って年甲斐も無くウインクを私に飛ばしてくる。
私はそれを拒絶するように瞼を閉じて、先生の発言の意味を探る。
そしてそれを瞬時に理解した。
平塚先生の依頼とは、私と比企谷くんが初めて対面したあの日、まだ奉仕部に私しかいなかった時に受けた依頼のことだ。
『人との付き合い方を学ばせてやれば少しはまともになるだろう。こいつをおいてやってくれるか。彼の捻くれた孤独体質の更生が私の依頼だ』
雪ノ下「……、なるほど」
由比ヶ浜「え? 何がなるほどなのゆきのん?」
平塚「なに、簡単なことだよ由比ヶ浜。君は比企谷の孤独体質の更生をすればいいんだ」
由比ヶ浜「ヒッキーの孤独体質のこうせい……? えっと……?」
平塚「あー……うむ、つまりだな。簡単に言えば、比企谷に人付き合いの素晴らしさというものを教えてあげてくれ」
平塚「半年前に比べればだいぶ改善されてきてはいるが、それでもまだまだ更生の余地がたっぶりでな。今はようやく及第点といったところなんだ」
平塚先生の視線は、先生の正面に座る比企谷くんに向けられている。
比企谷「……っ、」
そして現在進行形で進む出来事に、彼は困惑混じりの渋面を浮かべていた。
292: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/23(木) 23:15:03.83 ID:NyC2GsYh0
このあとはどうする? 以下より多数決
①平塚先生にこの依頼の意図を訊ねる
②八幡が抗議の声をあげる
③昼休みを終えるチャイムが鳴り響く
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
293: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/23(木) 23:15:35.94 ID:JmqWaoDxo
1
294: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/23(木) 23:17:36.25 ID:2L9tsNiqO
2
295: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/23(木) 23:17:38.88 ID:YQeWK0xx0
3
296: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/23(木) 23:18:59.58 ID:M2iWJ/azo
3
297: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/23(木) 23:20:21.83 ID:QLkpGIaAO
1
298: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/23(木) 23:21:28.53 ID:o6CxxIe4o
2
299: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/23(木) 23:22:28.00 ID:S+waqiQN0
3
300: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/24(金) 02:12:26.86 ID:a6FsXbP70
私はそんな彼に声を掛けようとしたが、その直前に設置されているスピーカーからチャイムが鳴り響いた。
どうやら昼休みが終わったようね。…………昼休みが終わった?
目前の机の上には、巾着袋に包まれたお弁当が置いてある。
それは奉仕部の部室で昼食を摂る為に教室から持ってきた物だ。
けれどここでは食事ではなく唐突に話し合いが開始されてしまったため、私は昼食を摂る暇などなかった。
なのでこのお弁当は一口も手につけていない。
そしてそれは比企谷くんも同じこと。
彼の目の前の机上にも、紙パックのコーヒー牛乳と焼きそばパンを隙間から覗くことが出来るレジ袋が置かれている。
比企谷「……」
彼は茫然と口を小さく開き、虚ろな目で虚空を眺めていた。
平塚「さて、続きはまた放課後だな。それでは私は授業があるので先に戻らせてもらうぞ」
白衣を翻しながら平塚先生はそう言い残して部室を後にした。
由比ヶ浜「あ、えっと……。それじゃあゆきのん、また放課後ね」
雪ノ下「……ええ。由比ヶ浜さん、またあとで」
そして由比ヶ浜さんもそれに倣うように部室から出て行った。
私も授業に遅れるわけにはいかないので、比企谷くんに声を掛けて教室へ戻ろうとする。
雪ノ下「比企谷くん、私達も戻りましょう」
比企谷「……、」
雪ノ下「……比企谷くん?」
比企谷「……ん? あ、ああ。そうだな」
歯切れの悪い返事と共に比企谷くんは椅子から立ち上がる。
どこか上の空の彼を気にかけながら、私達はそれぞれの教室へと戻った。
307: ◆5m18GD4M5g 2013/05/24(金) 07:25:05.31 ID:BRWB6QSU0
とりあえず安価を出しときますね
誰の視点で話を続ける? 以下より多数決
?雪ノ下雪乃
?比企谷八幡
?由比ヶ浜結衣
先に4票集まった選択肢で先に進みます
309: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/24(金) 07:29:44.01 ID:YM6YVg6TO
3
310: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/24(金) 07:34:23.45 ID:+fknvvrso
2
311: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/24(金) 07:39:56.51 ID:GUvPZq+Y0
2
312: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/24(金) 07:48:04.91 ID:WW9hnTIF0
2
313: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/24(金) 07:53:54.30 ID:/5yJQsywo
2
320: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/24(金) 22:32:04.93 ID:a6FsXbP70
逃げても逃げても追いかけてくるものなーんだ。
平塚「比企谷。部活の時間だ」
結婚願望の強いアラサー女教師。
あのあと空腹に耐えながら午後の授業をやり過ごし、無味乾燥なホームルームを終えて教室から出た俺を待ち構えていたのは平塚先生だった。
平塚「行くぞ」
先生は顎で部室のある方角を指し示すと、預けていた壁から背中を離して歩き始めた。
だが俺はその背中を見送るだけで足は動かさない。なんなら逆方向に歩き出すまである。
抜き足差し足忍び足。自慢のステルス性能を駆使して戦線離脱を図ろうとしたが、不意に背後からむんずと首根っこを押さえつけられた。
平塚「比企谷、部室はそっちではないぞ?」
ギリギリと万力の様に首元が締められ息苦しくなる。
それに降参の意志を示すために先生の手をタップをすると、一度キツく締められたのちに解放される。
なんでトドメ刺そうとしたんだよこの人……。
軽く咳き込みながら振り返れば奴がいる。
俺史上類を見ないレベルの残念無双っぷりを発揮する魅惑の大人の女性、平塚静。
……魅惑っつーより困惑の表現のほうがしっくりくるけどな。
そんなトラブルレディである先生に反論するために、俺は口を開いた。
比企谷はなんと言う? 以下より多数決
①「いや、実は両親がアレでして……」
②「数学の先生に呼び出されてるんで……」
③「俺まだ昼メシ食ってないんで今から食ってきたいんですけど……」
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
321: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/24(金) 22:33:03.31 ID:0ohCYx7ko
1
322: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/24(金) 22:35:20.17 ID:EsLUbzG20
3
323: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/24(金) 22:36:24.00 ID:KZ3j+M+X0
3
324: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/24(金) 22:40:08.58 ID:99CLu2oQ0
3
326: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/24(金) 23:57:50.07 ID:a6FsXbP70
比企谷「俺まだ昼メシ食ってないんで今から食ってきたいんですけど……」
お腹を軽くさすりながら、俺は平塚先生に抗議の声をあげる。
昼休みが終わる直前に水道水をがぶ飲みして空腹は紛らわせたけど、流石にそれも限界。
それに水飲み過ぎてトイレ行きてぇし……。
平塚「食事なら部室でも出来るじゃないか」
比企谷「いや、部室は奉仕部が今から使いますし。それに今は1人で食べたい気分なんで」
平塚「む、そうか……」
比企谷「……、」
平塚「……ふむ、弱ったな……」
腕を組んで首を傾げる平塚先生。
おそらく先生がここにいるのは、俺が奉仕部から逃げ出すことを懸念しているのだろう。
なぜならつい先程の昼休み、先生は超弩級の爆弾を投下したからだ。
『簡単に言えば、比企谷に人付き合いの素晴らしさというものを教えてあげてくれ』
……由比ヶ浜のあの台詞のあとで人付き合いとか、それもう『彼氏彼女としての人付き合い』しか連想出来ねぇじゃん。
だがそもそも、俺はそんな浮ついた事を教わるためにわざわざご足労するような人間ではない。
むしろ過去の経験を最大限生かして全力で回避する人間だ。
そしてそんな考えがあるからこそ、先生はこうやって俺を部室へと連れて行こうとしているのだろう。
俺が逃げ出してしまわないように。
――けれど俺は、何があろうとも現状維持を望んだのだ。
誰かと付き合うつもりは毛頭ない。
雪乃や由比ヶ浜達からは逃げないし、俺自身も変わらない。
ぼっちで結構。孤独で上等。孤高であって何が悪い。
だからそんな気遣いやお節介は無用だ。
それに先生は他人の心配する前に自分のことを気にかけるべきだろ。
比企谷「……メシ食い終わったら部活にはちゃんと顔出すんで、少し時間ください」
俺はそう呟いて、平塚先生の返事も聞かずに奉仕部の部室とは逆方向へと歩き出した。
八幡はどこへ向かう? 以下より多数決
①屋上
②図書室
③男子トイレ
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
327: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 00:00:16.54 ID:yna9f8Te0
2
328: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 00:02:54.44 ID:AjgYpN3e0
1
329: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 00:02:56.03 ID:zszaB957o
1
330: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 00:06:47.59 ID:dJKl9vXWo
1
331: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 00:08:44.78 ID:vDXMktk3O
1
350: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/26(日) 01:19:57.87 ID:LFzRT+hc0
【屋上】
つい先週駆け上った階段を、俺は肩からずり落ちてくる鞄の紐を掛け直しながら一段ずつ登っていく。
この前は文化祭の荷物置き場になっていて窮屈に感じた階段も、今は何も置かれておらず広々としていた。
そしてやがて終点、開けた踊り場に出た。
南京錠がぶら下がったサビの浮いた扉は少しだけ隙間が開いていて、どうやら屋上には先客がいるようだ。
比企谷「(……戻るのも面倒だし、別にいいか)」
俺は隙間に指を差し込んで扉を開く。
するとそこには――
屋上にいたのは誰? 以下より多数決
①川崎沙希
②相模南
③材木座義輝
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
351: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 01:20:43.04 ID:u2QFerxmo
2
352: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 01:21:16.82 ID:7KUlctkjo
1 岡崎さん
353: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 01:21:49.57 ID:+wxmrrng0
2
354: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 01:25:10.25 ID:VRbsN6djo
1
355: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 01:26:14.18 ID:60kVjo4C0
1
357: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/26(日) 02:39:51.52 ID:LFzRT+hc0
するとそこには、川崎が立っていた。
川崎「……、」
俺が屋上に足を踏み入れると風が吹き抜け、川崎の長く背中まで垂れた青みがかった黒髪が靡く。
そしてそれと同時に、彼女のタータンチェック柄のスカートがめくれ上がる。
……が、吹いた風は微風だったせいか、スカートがふわっと浮かび上がる程度だった。
おい、バカ今の風なんでそこで諦めちゃうんだよ、もっと強く吹けよ!
どこぞの元プロテニスプレイヤーみたいな感じで風を叱咤するも、この程度で自然を自在に操作出来るはずもない。
むしろ声を荒げた途端に風が止むまである。俺にこんな特殊能力が秘められていたとは……。
そんな馬鹿丸出しの考えは木端微塵に粉砕して空気に溶かすことにした。
風を操るとか痛々しい厨二能力は材木座で間に合ってるしな。
川崎は転落防止用のフェンスに指先を掛けながら、地上をぼんやりと眺めていた。
八幡はどうする? 以下より多数決
①川崎に話し掛ける
②話しかけずに給水塔の側に移動
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
358: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 02:40:30.26 ID:1oY+iBZG0
2
359: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 03:01:19.05 ID:FMzsReie0
1
360: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 03:08:16.86 ID:xEPK83sAO
1
361: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 03:13:48.58 ID:fQF62wLm0
1
363: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/26(日) 11:21:31.95 ID:LFzRT+hc0
比企谷「(……川崎は見知った間柄だし、ここは軽く声でも掛けておくか)」
俺は川崎の隣まで歩み寄って、地上を見下ろしながら声を掛けた。
比企谷「よう」
川崎「……っ、どうも」
川崎は突然話しかけられたことに驚いたのか、一瞬息を詰まらせながらもいつもの気怠げな声で返事を返す。
横目で川崎の様子をちらと見ると、倦怠感の漂っていた声とは裏腹になんか妙にあたふたしていた。
そして心なしか、顔が赤い。
…………。
俺は視線を下方に戻し、グラウンドでバットを肩に担いで歩く野球部やコートラインを引くサッカー部の様子を眺める。
川崎「……、あんたがここに来るなんて珍しいね」
比企谷「そうだな。……お前はいつもここにいるのか?」
川崎「あたしは……まぁ、その日の気分次第。今日のあんたはどうしたの?」
比企谷「俺は静かにメシを食える場所を求めてここに来ただけだ。他に理由なんてねぇよ」
川崎「メシ……? まだ夕飯には早いと思うんだけど」
比企谷「夕飯じゃなくて昼飯だ。今日は諸事情で昼休みが潰れてメシ食う暇がなかったんだよ」
川崎「……ふぅん、あっそ」
川崎は気怠げにそう呟くと、踵を返して扉へと向かっていく。
比企谷「? どうした川崎」
川崎「静かに食事したいんだったら、あたしここにいない方がいいでしょ?」
比企谷「……、」
八幡はどう返す? 以下より多数決
①「……気を遣わせちまって悪いな」
②「別に構わねぇよ。俺は後から来た身だし、ゆっくりしてけばいいじゃねぇか」
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
364: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 11:23:48.37 ID:J9FqEJ+U0
②
365: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 11:25:36.45 ID:fZfQPVVRO
2
366: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 11:28:12.44 ID:7KUlctkjo
2
369: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/26(日) 13:47:42.64 ID:LFzRT+hc0
比企谷「別に構わねぇよ。俺は後から来た身だし、ゆっくりしてけばいいじゃねぇか」
川崎「……、いいの?」
比企谷「なんで俺に許可求めてんだよ。……決めるのはお前だ、好きにしろよ」
川崎「……。……じゃ、じゃあ残る」
そう言って川崎は再び踵を返して俺の隣まで戻ってくる。
俺はそれを見ながら背中をフェンスに預けて、鞄からコーヒー牛乳と焼きそばパンを取り出す。
包装を破いて焼きそばパンに齧りつく。
ソースの香ばしい匂いが鼻孔をくすぐる。
冷めてても美味いけど、やっぱ焼きそばは熱いほうが好きだな。
そんな感想を胸中で洩らしながら焼きそばパンを半分ほど食べ終えた所で、紙パックのコーヒー牛乳の飲み口にストローを差し込み啜り上げる。
そんな俺を見て、川崎は怪訝そうな目を向けて話しかけてきた。
川崎「……あんた、それで昼食足りてんの?」
比企谷「いや、全然足りてねぇけど。でも昼食代って結構バカにならねぇから節約しねぇとダメなんだよ」
川崎「ふぅん、それなら自分で弁当作ってくれば? そっちのほうが安いと思うけど」
比企谷「はっ、貴重な睡眠時間を削ってまで弁当作る気とかさらさらねぇよ。『パンがなければ寝ればいいじゃない』ってのが俺の掲げる座右の銘だ」
川崎「食欲より睡眠欲の方が強いとかあんた……」
川崎は呆れたように深い溜め息をつく。
……仕方ねぇだろ、比企谷家の人間は寝るのが大好きなんだから。
睡眠こそ至高。休日の二度寝は至福。しかし叩き起こされると烈火の如く激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム。睡眠を妨げる者は死をもって償うべし。
371: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/26(日) 16:18:15.77 ID:LFzRT+hc0
比企谷「そう言うお前はどうなんだよ。コンビニ弁当か?」
川崎「違う。あたしは自分で作って持ってきてる」
比企谷「ふーん、すげぇな」
川崎「別に、たいしたことないから。中身だって前日の夕食の残りだし、足りない分は朝食の余り物を詰めるだけ」
川崎「中学までは給食だったから弁当を作る必要なんてなかったんだけどね。高校では給食なくなったから」
比企谷「給食のありがたみって高校に入ってから気が付くよな。約250円であれだけの量食えんだぜ? しかも毎日メニューが違うとか、うちなんか1週間に1回はカレーだぞ」
川崎「いいじゃんカレー、あたしは好きだよ。カレーって作るの楽だし、日持ちもいいから」
比企谷「なんか主婦みてぇなこと言うなお前……」
川崎「そう? ……言われてみればそうかもね。うち両親共働きで家に帰ってくるの遅いし、自宅の家事はほとんどあたしがやってるからかな」
比企谷「学校に家事のダブルワークとかだいぶハードだなおい」
川崎「案外そうでもないよ。バイトと違って気を張る必要もないから慣れれば平気」
川崎「それに最近は妹が家事を率先して手伝うようになってきたし、すごく助かってる」
川崎「でもまだ刃物とかは危ないから台所には立たせてないんだけどね」
比企谷「そうか」
俺はそう言って会話を打ち切り、残りの焼きそばパンを一気に貪り尽くした。
空になった包装を鞄の中に仕舞い、コーヒー牛乳で喉を潤して空を見上げる。
澄み切った蒼穹に一筋の飛行機雲が浮かび、彼方の空の彼方まで伸びている。
尾を引く彗星のように進む飛行機を、ただ茫然と眺める。
比企谷「……そんじゃ、俺そろそろ行くわ。邪魔したな」
背中をフェンスから離し、俺は扉に向かって歩を進める。
川崎「……ちょ、ちょっと待ってあんた」
扉に手を掛けたところで、背後から川崎に呼び止められる。
その声に反応して振り返ると、川崎が下手で円筒状の物体を投げてくる。
山なりの放物線を描いて飛来する物体を両手で受け取る。
それは山吹色と黒色のコントラストが鮮やかな甘美なる一品、俺が常日頃から愛してやまないMAXコーヒーだった。
川崎「…………そ、それ、……あげる」
比企谷「……。どーも」
俺は川崎にギリギリ聞こえるぐらいの声量で、MAXコーヒーを掴んだ片手をひらひらと挙げて礼を告げる。
そして俺は屋上を後にした。
八幡はこのあとどこへ向かう? 以下より多数決
①奉仕部の部室
②テニスコート
③男子トイレ
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
372: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 16:22:06.38 ID:7KUlctkjo
2 八幡的には戸塚で癒されるところ?
373: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 16:48:00.37 ID:ev17FO0e0
1
374: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 16:54:38.54 ID:jDOLWr/Xo
2
375: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 16:57:09.16 ID:fZfQPVVRO
1、行かなきゃシェルブリット食らうだろ
376: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 17:04:06.03 ID:k6XUIODp0
2
377: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 17:09:05.33 ID:7ogEYfoM0
2、戸塚の可愛さに負けたぜ・・
384: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/27(月) 01:04:36.74 ID:XMMbnpRN0
【テニスコート】
まだ奉仕部の部室に向かう気にはなれなかったので、俺は戸塚がいるであろうテニスコートへと向かった。
制服姿の男子がテニスコートを眺めるのは如何なものかと考えたのだが、野郎を見る分には問題ねぇよな。
テニスコートは全部で3面。1面を男子テニス部、残り2面は女子テニス部が練習をしていた。
戸塚「次、ストローク!」
「「「ハイッ!」」」
戸塚の号令で少人数のテニス部員が動き、コートの四隅に移動する。
戸塚がネットを挟んだ左斜めの位置にいるひょろ長い部員にサーブを打つと、そいつは正面の小柄な部員に迫り来るボールを打ち返す。
小柄な部員が今度は戸塚の正面の位置にいる短髪の部員に流し打つと、そいつは戸塚にボールを打ち出してボールは戸塚の元へと戻ってくる。
そしてその動きを何度か繰り返して15分くらい経過しただろうか、戸塚が部員に水分補給をするように促した。
戸塚もベンチ側に置いてある水筒に手を伸ばし、控えめに主張する喉仏を上下させながら水分を補給する。
そして水筒の飲み口から戸塚の口が離れる。
戸塚の小さな唇が濡れていて、なぜかイケナイ感情が胸の奥底からせり上がってくる。
……ごくりっ。
――思いがけず生唾を呑み込んだその直後、俺の背中に悪寒が走る。
俺は勢い良く振り返るとそこには
八幡が振り返った先にいたのは? 以下より多数決
①海老名姫菜
②誰もいない
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
385: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 01:08:01.88 ID:r1q206ACo
111111111111111111111111111111
386: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 01:08:36.55 ID:TpP51Ksto
1
387: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 01:08:52.22 ID:yHZ0Lwejo
1
389: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/27(月) 02:11:36.46 ID:XMMbnpRN0
俺は勢い良く振り返ると、そこには海老名さんがいた。
肩まで伸びた黒髪に赤いフレームの眼鏡を掛けた、どこか身体の随所が小さな印象を受ける三浦の取り巻きその2。ちなみにその1は由比ヶ浜な。
海老名「はろはろ~。やぁやぁヒキタニくん、隣いいかな?」
比企谷「え、あ、……どうぞ」
にこやかに微笑む海老名さんに話しかけられ、軽くキョドった俺は思わず敬語で返事をしてしまう。
海老名さんはテニスコート付近に立ち並ぶ木々に寄り掛かっていた俺の隣に膝を屈んでちょこんと座る。
なんか距離が近い近い近い。え、俺いつの間に海老名さんとフラグ建てたっけ?
おかしいな、そういった類のフラグは全てへし折ってきたハズなんだが……。
唐突に降って湧いた疑問の解を探し出そうとしたが、それは隣からほのかに香る石鹸の匂いで妨害された。
……ねぇ、なんで女子ってこんないい匂いすんの? 歩く芳香剤なの? そのうち修造とCMで共演とかしちゃうの? それは消臭剤だろ、てへっ。
そんないつも通りのセルフノリツッコミを脳内で繰り広げていると、腰下辺りから海老名さんに声を掛けられた。
海老名「ヒキタニくんはこんな所でなにしてるの?」
比企谷「俺は……その、戸塚の部活動風景を眺めに」
海老名「ほうほう、球遊びに精を出す戸塚くんの姿が気になったと……」
神妙な声でうんうんと頷く海老名さん。
……なぜだろう、海老名さんがそういう言い回しをするともうソッチの意味でしか捉えられない。
中身腐りすぎだろこの人……。
395: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/27(月) 17:05:42.12 ID:XMMbnpRN0
俺はあえて海老名さんの発言を指摘せずに疑問を投げ掛ける。
比企谷「……え、海老名さんはなんでここにいるんだ?」
海老名「私? 私は同人誌のネタを求めて放浪中。冬コミに向けて色々と準備してるの」
海老名「最近のBLはネタが豊富で取捨選択が大変でね? 今日もいま話題の男子バレー部とか男子バスケ部を見てきたんだけどあまりピンとこなくて……」
比企谷「へ、へぇ……」
あれか、バレーとかバスケってあれだろ。ジャンプで大きなお姉さんに大人気なあの二作品だよな?
ちなみに俺はその二作品で潔子さんとアレックスが好きだ。
それで潔子さんの「……が、がんばれ」のシーンは俺史の漫画ベストシーンの第3位にランクインしてる。なにあれ戸塚には劣るけどスゲー可愛かった。
実際にあんな人がいたら俺は入部して速攻告白して速攻振られてる。……振られちゃうのかよ、そのまま気まずくなって退部するまである。
海老名「やっぱり二次元を三次元に求めるのは酷なのかなぁ。影山×日向とか赤司×黒子みたいな関係ってやっぱり無理が……」
近くに落ちていた枝を握って地面にガリガリと文字を刻んでいく海老名さん。
その前の発言がなかったら後ろから優しく声を掛けている場面だが、生憎俺には腐った船に乗船するという酔狂な真似をするつもりは毛頭ない。
海老名「……でも、私的には近い将来に葉山×ヒキタニが絶対に来ると思ってるんだよね。最初から三次元ならまだ可能性が……ぐ腐腐」
というより、乗船する前に船は腐海へ沈没しかけてた。
おいもう救いようがねぇぞ海老名さん。あまりの腐力の強大さに俺まで引きずり込まれそうなんだが?
↓4 八幡はどうする?(海老名さんでも可)
397: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 17:13:30.28 ID:Cd6GplXto
一緒にいるところを材木座に見られる
(あとで奉仕部で暴露されて修羅場)
(あとで奉仕部で暴露されて修羅場)
405: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/27(月) 18:13:43.43 ID:XMMbnpRN0
比企谷「落ち着け海老名さん、そんな未来は永劫やってこねぇから……」
海老名「そんなことないよ! ヒキタニくんならきっと素晴らしい家庭が築けるはずだから! その他の追随を許さない圧倒的な受けオーラがあれば誰でもカモンゲイでしょ!?」
比企谷「俺にソッチの趣味はねぇよ……っ!」
もうやだ海老名さん、ただ一緒にいるだけなのに俺の精神がどんどん削られてく。
それに反比例するかのように海老名さんのテンションは跳ね上がっていくし、なにこの吸引力ダイソンなの? 海老名さんって実はロボット?
比企谷「はぁ……」
あまりの絶望に思わず深い溜め息が漏れてしまう。
このままでは腐海溜め息になりそうな勢い。なにそれスゴイ臭そう。
俺は木から背中を離して海老名さんから逃げるように校舎の方へと歩いて行く。
そんな俺に背後からさらなる追い打ちが飛んでくる。
海老名「あれ? ヒキタニくん、サッカー部の部室はそっちじゃないよ?」
比企谷「いやいやいや、俺さっきソッチの趣味は否定したばっかだよね? 海老名さん話聞いてた?」
海老名「……はっ! まさかヒキタニくんは隼人くんの脱いだ上履きを堪能しにいくつもりなの!? 脱ぎたてではないところを狙うとはなんて玄人な真似を……」
海老名「そんなヒキタニくんにはえっと…………あ、あった。私が昨日描き上げた葉山×ヒキタニのくんずほぐれつなラ腐画をあげる! 受け取って!?」
比企谷「断固拒否する!」
海老名さんの鞄の中から出現した悪魔の紙片を受け取ることなく、俺は全速力で校舎内へと逃げ帰った。
その途中で材木座とすれ違ったが、なんか表情が俺以上に絶望色に染め上がっていたので無視した。
……もうこんな学校嫌だ、早く家に帰りたい。
八幡はどこへ向かう? 以下より多数決
①奉仕部の部室
②図書室
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
406: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 18:16:49.90 ID:yyN42kzfO
1
407: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 18:18:24.85 ID:OiOi7644o
1
408: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 18:18:37.46 ID:ZJ0Pgs560
1
411: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/27(月) 18:44:46.10 ID:XMMbnpRN0
俺は目尻に浮かんだ雫を袖口でそっと拭って奉仕部の部室へと向かう。
その途中で色々あって忘れてたトイレに行って用を足し、手を入念に洗ってトイレを後にする。
特別棟の階段を登り、喧騒から切り離された静寂へと足を踏み込む。
そして奉仕部の部室がある4階に到着して、俺は違和感に気が付く。
比企谷「(……なんか妙に静かだな……?)」
元々静かな場所ではあるが、それでもこの静けさは今までに体験したことがない。
話し声どころか物音ひとつしない完全なる無音。
まるで廃墟にでも紛れ込んでしまったかのような錯覚に陥る。
廊下を進み、奉仕部の部室前まで辿り着く。
扉に手を掛けて横に動かすとそこには――
八幡が見た光景は? 以下より多数決
①静かに寝息をたてて眠る雪ノ下
②机に突っ伏して眠る由比ヶ浜
③誰もいない
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
412: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 18:45:42.25 ID:ZJ0Pgs560
1
414: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 18:50:58.84 ID:Ns22SsTe0
1
415: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 18:56:48.02 ID:QEzQYQncO
1
416: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 19:02:14.63 ID:KWzc0vw9o
あえての3
417: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 19:05:27.57 ID:8tYJfyhAO
1
419: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/27(月) 21:16:51.95 ID:XMMbnpRN0
斜陽を背中に浴びて、いつもの席で静かに寝息をたてて眠る雪乃がいた。
部室の窓が少しだけ開いていて、そこから入り込んだ風が艶やかな黒髪を優しく撫でる。
閉じられた瞼から伸びる長い睫毛、雪の化身のような純白の肌、仄かに朱色に染まる頬、形のいい桜色の唇。
――不覚にも見惚れてしまった。
俺は呼吸をすることも忘れ、網膜にこの絵画じみた光景を焼き付ける。
あまりの美麗さに身動きが取れず茫然と入口で立ち尽くしていると、不意に雪乃の唇がわずかに動いた。
雪ノ下「……あら、随分と遅かったわね比企谷くん」
比企谷「……。すまん、遅くなった。由比ヶ浜と平塚先生は?」
雪ノ下「由比ヶ浜さんと平塚先生は近くのお店へ買い出しに行ったわ。私は奉仕部の部長だからお留守番よ」
比企谷「そうか」
俺はいつもの席に腰を落ち着かせて、肩に掛けていた鞄を床に置いた。
八幡はどうする? 以下より多数決
①昨日借りたハンカチを返す
②自分がいない間に何があったか訊ねる
③由比ヶ浜と平塚先生が戻ってくる
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
420: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 21:20:45.02 ID:8tYJfyhAO
1
421: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 21:21:30.83 ID:yHZ0Lwejo
1
422: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 21:26:03.83 ID:U84rITu30
1
423: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/27(月) 21:26:31.34 ID:zVDQc2z30
1
434: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/28(火) 21:37:04.73 ID:2SXOywlk0
比企谷「(……そういや、昨日雪乃から借りたハンカチまだ返してなかったな)」
椅子に座って一息ついたあと、俺は昨日借りたハンカチの存在を思い出した。
家に帰って速攻洗濯して干して、朝早く起きてアイロン掛けて鞄の中に仕舞ったんだっけか。
俺は鞄の外側のジッパーを開いて、綺麗に折りたたまれたハンカチを取り出す。
それを持って椅子から立ち上がり、雪乃が座っている側まで移動する。
比企谷「雪乃」
雪ノ下「なにかしら比企谷くん」
比企谷「これ。昨日借りたハンカチ、返すわ」
俺が目の前にハンカチを差し出すと、雪乃はそれを受け取ってしげしげと見つめる。
……んだよ、汗は拭いたが他には何も汚してなんかいねぇしちゃんと選択したぞ。
一通り見分をし終えた雪乃はそのハンカチをブレザーのポケットに仕舞うと、「はぁ……」というやや呆れた感じの溜め息をついた。
雪ノ下「わざわざアイロンまでかけたのね。別にそこまでしなくてもよかったのに」
比企谷「別にいいだろ。俺は物の貸し借りはキッチリ清算しねぇと気が済まねぇんだよ」
雪ノ下「……あなた、普段はとことんずぼらでものぐさだというのに、変な所で几帳面なのね」
比企谷「全部ずぼらでものぐさじゃないだけマシだろ。俺だってやる時はやる男だぞ」
雪ノ下「やる時にやらなければいつやるというのよ……」
比企谷「今でしょ!」
雪ノ下「……は?」
比企谷「……あ、や、…………な、なんでもねぇ」
雪ノ下「……、そう」
……いかんな、なんか変なテンションで寒いボケをかましてしまった。
さっきの滑った俺のギャグに対して向ける雪乃の冷めた瞳がすげぇ怖かったです、まる。
このあとはどうする? 以下より多数決
①自分がいない間に何があったか訊ねる
②由比ヶ浜と平塚先生が戻ってくる
③トントンと扉を叩く音が響く
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
435: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 21:38:48.53 ID:MHDIEa99o
1
436: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 21:39:00.65 ID:A0ip43Kh0
1
437: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 21:39:52.49 ID:RRqggZBAO
1
438: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 21:40:33.83 ID:u+2iIiRw0
1
441: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/28(火) 22:30:34.99 ID:2SXOywlk0
嫌な雰囲気を変えるべく、俺は雪乃に自分がいない間に何があったのかを訊ねることにした。
比企谷「……えっと、なぁ雪乃。俺が部室に来るまでの間になにかあったか?」
雪ノ下「いえ、特になにも」
雪ノ下「話し合いはあなたがいなければ始まらないもの。だからあなたがここに来るまでの間、依頼人が来ることもなくこの部室では閑古鳥が鳴いていたわ」
比企谷「そうか……。由比ヶ浜と平塚先生が買い出しに行った理由は?」
雪ノ下「それは由比ヶ浜さんが『昼休みの話し合いはちょっと堅苦しかったから、放課後の話し合いは少し和やかにやりたいなぁ……。で、でも内容はもちろん真面目にやるから!』と、突然言い出したのよ」
雪ノ下「そしてその提案に平塚先生が賛同して、二人は買い出しに行ったわ。私は別にお菓子に必要性を感じなかったのだけれどね」
比企谷「……なんつーか、由比ヶ浜らしい提案と言えば由比ヶ浜らしいな」
雪ノ下「ええ、彼女なりに気を利かせたのでしょうね」
比企谷「……、」
このあとはどうする? 以下より多数決
①由比ヶ浜と平塚先生が戻ってくる
②トントンと扉を叩く音が響く
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
442: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 22:32:15.01 ID:MHDIEa99o
2
443: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 22:33:00.59 ID:EW5oIVq10
2
444: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 22:33:34.15 ID:LTn+flP60
2
447: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/28(火) 22:46:40.69 ID:2SXOywlk0
ひとまず状況を把握することが出来たので、俺は自分の定位置へと戻った。
開いたままの鞄のジッパーを閉じると、トントンと控えめに扉を叩く音が部室内に響く。
雪ノ下「どうぞ」
奉仕部の部長である雪乃がそのノックに返事を返すと、ゆっくりと扉が開かれる。
そこには――
そこにいたのは誰? 以下より多数決
①海老名姫菜
②材木座義輝
③川崎沙希
④雪ノ下陽乃&城廻めぐり
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
448: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 22:47:34.07 ID:oItXfxRuO
2
449: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 22:47:52.72 ID:MHDIEa99o
2
450: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 22:48:53.84 ID:LTn+flP60
2
453: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/29(水) 00:02:57.69 ID:J2k4foMJ0
そこにはコートを羽織って指貫グローブを装着した材木座がいた。
材木座「頼もう」
比企谷「いや、別にお前に頼まれる筋合いとかねぇから。帰れ」
そんな俺の辛辣な言葉など聞く耳持たず。
材木座は部室に堂々を足を踏み入れると、室内をキョロキョロと見渡し始めた。
材木座「ふむ、平塚教諭はおらぬのか……。まぁよい」
比企谷「なにがいいんだよ。てか何しに来たんだお前、用がないならさっさと帰れ」
ちなみに雪乃は絶対零度に匹敵するレベルの冷徹な瞳で材木座を見ていた。
材木座はその視線を受けて額から脂汗が滝のように流れ出ている。
早く出てかねぇと凍え死ぬか脱水症状で死ぬぞお前……。
材木座「……は、八幡よ。貴様つい先刻、庭球場付近にて女子生徒と逢引をしておったであろう」
比企谷「……は? なに言ってんだお前。ついに症状が悪化して幻覚が見えるようになったのか?」
俺は逢引なんてしたことねぇよ。
そもそも人と待ち合わせた回数すら両手の指で足りるくらいの経験しかないというのに。
なにお前、馬鹿なの死ぬの?
材木座「否、我は至って正常だ。そして我の『地獄耳(ヘルイヤー)』が同時に貴様の言質を掌握している」
材木座「『そんなことないよ! ヒキタニくんならきっと素晴らしい家庭が築けるはずだから!(裏声)』――と、貴様は女子生徒から迫られていたはずだ!」
比企谷「裏声使って喋んな、キモい。あとキモい。そしてキモい」
てかその女子生徒って海老名さんじゃねぇか。
こいつあの現場見てやがったのかよ……。
材木座「何度キモいと言うのだ貴様は!? わ、我はちゃんとこの目で見たのだぞ!? よしてる、ウソ、つかない!」
比企谷「設定なぞってキャラ演じて、己を偽ってるお前がそれを言うか……」
↓4 八幡はどうする? (雪乃でも可)
455: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 00:05:17.55 ID:qG5DkXQ/o
ゆきのん、ゴゴゴゴみたいな効果音が聞こえてきそうな雰囲気で問い詰める。
462: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/29(水) 21:36:10.46 ID:J2k4foMJ0
比企谷「はぁ……」
全身に怖気が走るほどキモい材木座に対して俺は深い溜め息をついた。
そしてどうやって部室から材木座を叩き出そうか頭を悩ませていると、突然雪乃が椅子から立ち上がり俺の方へ歩み寄ってくる。
雪ノ下「……、」ゴゴゴゴゴ……!
……いかんな、俺も材木座の病気が感染したのかどうかは知らんが、なんか雪乃の背後に『ゴゴゴゴ』みたいな効果音が見えるんだが。
彼我の距離を詰める雪乃が浮かべるは太陽の如く温かみのある優しい微笑み。
しかしその背後には万物を凍てつかせる勢いで猛烈な吹雪が吹き荒れている。
雪ノ下「比企谷くん。あなたが今日の放課後この部室に来るまでに起きたことを、全て包み隠さず可及的速やかに白状しなさい」
腕を組んで俺を見下ろしながら、にっこりと目の笑っていない笑顔を浮かべる雪乃。
俺はこの状況を生み出した材木座をせめて道連れにしようと、雪乃の矛先を向けさせる為に材木座を睨んだ。
……睨んだのだが、さっきまでいた場所に材木座の姿はすでになかった。
あんの野郎、逃げやがったな……っ!
雪ノ下「特にテニスコート付近での件は詳細に説明すること。ちなみにこれは部長命令であり、ただの部員であるあなたに拒否権はないわ」
雪ノ下「そしてこの命令に関しては異論反論抗議質問口応えは一切受け付けない……って、比企谷くん? ちゃんと私の話を聞いているのかしら?」
比企谷「……、聞いてるよ」
雪ノ下「そう。なら早く説明しなさい」
雪乃に急かされて、俺は再び大きな溜め息をついて今までの経緯を説明した。
そしてすべて説明し終えると、雪乃は簡潔に「そう」と呟いて自分の定位置へと戻っていった。
このあとはどうする? 以下より多数決
①由比ヶ浜と平塚先生が戻ってくる
②トントンと扉を叩く音が響く
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
463: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 21:37:32.49 ID:TJqW+8wF0
2
464: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 21:38:04.62 ID:Ll01n2qro
1
465: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 21:38:31.91 ID:6qCnNxpc0
1
466: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 21:40:11.20 ID:RWA3VIl10
1
471: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/29(水) 22:39:12.83 ID:J2k4foMJ0
そのあとしばらくして、由比ヶ浜と平塚先生が両手にレジ袋を掴んで部室へ戻ってきた。
由比ヶ浜「たっだいまー♪」
平塚「すまない、遅くなったな」
二人はレジ袋をテーブルの上に置くと、すぐに中身を取り出し始める。
きのこの山にたけのこの里を筆頭に、たべっ子どうぶつ、じゃがりこ、チョコパイ、メントス、サイダー、ピーチティ、紅茶、コーヒー……エトセトラエトセトラ。
そしてあっという間にテーブルの上はお菓子や飲み物の大群に占拠されてしまった。
パーティーでも始めるつもりかよ……。
空になったビニール袋を由比ヶ浜が小さく折りたたんでいると、由比ヶ浜が不意にこちらを向き、ようやく俺が部室にいることに気が付く。
由比ヶ浜「あ、ヒッキー来んの遅いし! 今までどこ行ってたの?」
比企谷「……ま、まぁ、色々とな」
雪ノ下「由比ヶ浜さん。比企谷くんは部室に来る前に川崎さんや海老名さんと密会をしていたのだそうよ」
比企谷「おいこらそこ、確かにそれは事実だが誤解を招くような言い方はすんな。そもそも二人がいたのはただの偶然だっての」
由比ヶ浜「ふーん、そっか。ヒッキーが川崎さんや姫菜と……ね」
比企谷「ゆ、由比ヶ浜……?」
いつになく落ち着いた由比ヶ浜の声音に、俺の背中を得も言われぬ寒気が駆け抜けていく。
由比ヶ浜「……ねぇ、ヒッキー」
比企谷「な、なんだ?」
由比ヶ浜「…………み、密会って、なに? 『ハチミツを舐め合う会』の略?」
訂正。いつものアホな子ガハマちゃんでした。
むしろなんでその考えに辿り着いたんだよ、逆にすげぇな。
平塚「……由比ヶ浜、密会というのは『男女がひそかに会うこと』という意味だ。『ハチミツを舐め合う会』という酔狂な集団を表現する言葉の略語ではないよ」
平塚先生はやれやれと行った具合に首を左右に振って、頭の中身がふわふわしている(抽象的表現)由比ヶ浜に言葉の意味を説明する。
それを聞いて由比ヶ浜は「ああ、なるほど」と柏手を打った。
由比ヶ浜「って、ヒッキーそんなことしてたの!?」
比企谷「うおっ!? きゅ、急に大きな声出すんじゃねぇよ……」
由比ヶ浜「あぅ、……ご、ごめん」
比企谷「……。……別に、俺から会いに行ったわけじゃねぇよ。ただ偶然同じ場所にいただけだっての」
由比ヶ浜「そ、そっか……」
比企谷「ああ、そうだ」
俺が真相を告げると、由比ヶ浜はほっと小さな息を洩らした。
↓4 このあとはどうする?
475: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 22:55:17.02 ID:PpFlxxcAO
機嫌を直すためにゆきのんの頭を撫でる
479: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/30(木) 22:11:43.84 ID:gBzyq8l/0
それから由比ヶ浜はいつもの席に座ってピーチティに手を伸ばす。
ちなみに平塚先生はすでにパイプ椅子に足を組んで座り、サイダーを片手にスルメを貪っていた。おいまだ勤務中。
雪ノ下「……、」
雪乃は両手を膝の上に乗せてその光景を怪訝そうな目で眺めていた。
そして同じく先生達の行動を傍観していた俺と目が遭うと、雪乃はすぐさま視線を明後日の方向に逸らす。
どうやらご機嫌斜めのご様子である。怒りのランクで表すとおこ。けど激おこぷんぷん丸には程遠いな。
……だがそうも不機嫌顔でいられると、なんだかこっちまで嫌な気分になるからやめて頂きたい。
なので俺は椅子から立ち上がり、雪乃の近くまで移動する。
雪ノ下「……、なにかしら」
雪乃は隣に立った俺に下から鋭い眼差しを向けてくるが、残念ながら下からだと自然と視線は上目づかいになるのであまり迫力はない。
迫力が半減していることなど知る由もない雪乃の頭上に軽く手を置いて、優しく髪を撫でながら俺は応じる。
比企谷「いや、なんつーかお前が無愛想な顔してるのが気になって仕方ねぇから、やめてくれるとありがたいんだが」
雪ノ下「……っ、……な、ならあなたもその腐った目をするのをやめてもらえるかしら」
比企谷「はっ、残念だがそいつは無理な相談だな。俺だって好き好んでこんな目をしてるわけじゃねぇんだよ」
雪ノ下「そう、だったら私が直々にその目を矯正してあげてもいいのだけれど」
比企谷「あー無駄無駄、そんな簡単に改善出来たら苦労しねぇっての」
雪ノ下「あら、それはやってみなければ分からないじゃない」
比企谷「まぁそうだな。でも骨折り損のくたびれ儲けにしかならねぇと思うぜ?」
雪ノ下「そうかしら」
比企谷「そうだろ」
由比ヶ浜「むぅ……」
おっと、今度はガハマさんが不機嫌になりつつあるな。
なにこれ面倒くさい。もう俺がいなくなれば丸く解決じゃね?
八幡はどうする? 以下より多数決
①雪乃の髪を撫でるのをやめて自分の席に戻る
②由比ヶ浜にも同じことをする
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
480: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:13:46.37 ID:eWzMq9FH0
2
481: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:13:53.96 ID:9wKGBrwAO
1
482: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:14:20.17 ID:Zc3gw/950
1
483: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:15:38.49 ID:wBjLqVSwO
2
484: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:15:58.63 ID:+TJncsPx0
1
487: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/30(木) 23:03:44.39 ID:gBzyq8l/0
そんな考えが頭をよぎったが、それを実行したところでなにも変わりはしない。
それはただの問題の先延ばしだ。問題は解決か解消のどちらかを選択して対処しなければならない。
なので俺は雪乃の髪から手を離して自分の席へと戻ることにした。
椅子に座って、目の前に広がるお菓子の山に手を伸ばす。
比企谷「なぁ由比ヶ浜、俺もこのお菓子食っていいのか?」
由比ヶ浜「うん、いいよ。あ、あとそのコーヒーはヒッキーのだから」
比企谷「そうか、サンキュな」
由比ヶ浜「え、えへへ。……ど、どういたしまして」
てれてれと気恥ずかしそうに頬を掻く由比ヶ浜。
ただ礼を言っただけなのに顔赤らめんなよ……。
平塚「ちなみにこれはほとんど私の奢りだ。だから君達は気にすることなく思う存分食べたまえ」
比企谷「……、やっぱり食べるのやめるか」
平塚「おや、どうしたのかね比企谷? 君は私のお菓子が食べられないとでも言うつもりか?」
比企谷「なんで酔っ払った職場の上司みたいな口振りなんですか……」
平塚「ええい、つべこべ言わずに食べろ!」
比企谷「ちょ、先生無理矢理はだ――むぐっ!」
椅子から勢いよく立ち上がった平塚先生にするめを口の中へ突っ込まれる。
てかそれお菓子じゃねぇし、つまみじゃねぇか。
……まぁ食うけど。するめ好きだから別にいいけど。
このあとはどうする? 以下より多数決
①そろそろ話し合いを始める
②まだまだ続く放課後ティータイム
③トントンと扉を叩く音が響く
先に4票集まった選択肢で話を進めます。
488: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 23:05:29.71 ID:sM/7R61yo
1
489: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 23:08:51.43 ID:uKbzpcQVP
3
490: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 23:18:11.05 ID:v3WayDkR0
1
491: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 23:18:27.50 ID:m+xgZRal0
3
492: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 23:19:04.01 ID:/F1hknHm0
3
493: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 23:20:02.97 ID:YjbjdAYAO
3
495: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/30(木) 23:34:03.85 ID:gBzyq8l/0
奥歯を使ってごりごりとスルメを噛み潰していると、再び扉が叩かれる音が部室内に反響する。
雪ノ下「……、」
雪乃が目で『どうすればいいのかしら?』と訴えてきたので、俺はそれを首を横に傾げて応じる。
奉仕部の部長はお前なんだからお前が判断しろよ。
そんな俺の思考を察したのか、雪乃は小さく溜め息をついて「どうぞ」と言って招き入れる。
さっきの材木座の件があるから警戒でもしてんのかね……。
扉が開かれるとそこには――
そこにいたのは誰? 以下より多数決
①海老名姫菜
②川崎沙希
③雪ノ下陽乃&城廻めぐり
④戸塚彩加
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
496: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 23:35:01.44 ID:OAiS0K14o
圧倒的に1
497: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 23:37:48.79 ID:m+xgZRal0
3
500: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 23:44:16.01 ID:fLH0zrpfo
3
501: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 23:44:49.26 ID:31MXWmr3o
3
502: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/31(金) 01:04:14.81 ID:MA9/vQuK0
陽乃「やっはろー♪」
城廻「お邪魔します」
扉が開かれるとそこには陽乃さんとめぐり先輩が立っていた。
……って、は? なんで陽乃さんが学校にいんの?
雪ノ下「……、」
由比ヶ浜「は、陽乃さんと城廻先輩?」
無言で陽乃さんを睨みつける雪乃と、何の前触れもなく登場した二人に目を丸くする由比ヶ浜。
陽乃「やぁやぁ雪乃ちゃんにガハマちゃん、来ちゃった♪」
陽乃さんはにこにこと人当たりの良い笑みを浮かべて可愛らしく舌を出す。うわぁ、あざとい。
平塚「……『来ちゃった♪』、じゃないだろう。何故ここに来た陽乃」
威圧する様に低い声音で平塚先生が陽乃さんに問い掛ける。
だが陽乃さんは微塵も臆することなく、朗らかな笑顔を顔に貼り付けて淡々と質問に答え始めた。
陽乃「んー? なんか無性に校内探索したくなっちゃってね。それでめぐりに案内を頼んだの」
陽乃「でもあんまり変わってなかったから、特に案内はいらなかったんだけどね」
城廻「ちょっとはるさん、その言い方はあんまりですよ……」
陽乃「あはは。ごめんごめん」
平塚「……陽乃、城廻は受験生なんだ。学習時間を削るような真似は」
陽乃「大丈夫だよ静ちゃん。ちゃんとこれが終わったら、わたしが責任を持ってめぐりの勉強をみてあげるから」
平塚「む……、」
陽乃さんは雪乃と同等かそれ以上に頭脳明晰で、県内の国立理工系に進学している。
めぐり先輩は確か進路が文系志望らしいが、学生時代はなんでも1番だった陽乃さんならどの教科も難なく教えることが出来るのだろう。
城廻「本当は1ヶ月後に行われる体育祭の打ち合わせではるさんを呼んだんですけど、打ち合わせの進行と監督を兼ねる厚木先生が急な出張で不在になってしまって……」
平塚「……なるほどな。そういえば今日は地域住民参加型競技に関する会議があったんだったな」
つまり陽乃さんは会議にお呼ばれして学校に足を運んだけれど、厚木がいなくて会議の進行が不可能になったと。
そして暇を持て余した陽乃さんが校内探索を始めて、訪れたのがこの部室ってわけか。なんで大人しく帰らねぇかなぁ……。
このあとはどうする? 以下より多数決
①可及的速やかにお帰り願う
②帰らせようとする前に陽乃が八幡にちょっかいを出す
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
503: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 01:05:30.63 ID:SBxjXANK0
2
504: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 01:06:05.87 ID:82rmFKPjo
2
505: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 01:06:13.76 ID:dLtm2MM/0
1
506: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 01:07:08.70 ID:C2ighlRcO
2
507: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 01:09:34.84 ID:KUYhKFdZo
2
510: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/05/31(金) 22:18:10.50 ID:MA9/vQuK0
陽乃「そういうこと。わたしだってもう立派な大人だよ? なんの理由もなく学校に来たりしないよ」
平塚「ふん、どうだかな」
平塚先生はほんの一瞬だけ雪乃に視線を向ける。
だが雪乃はそれに気が付くことなく、陽乃さんの動きを警戒するように睨めつけていた。
陽乃さんは陽乃さんで、にこにこと自然過ぎる完璧な笑顔を浮かべている。
……いかんな、なんだか空気が妙にギスギスしてきたぞ。
陽乃さんがこのままいても場が余計混乱するだけだし、ここはなんとかして帰ってもらわねぇと……。
密かに決意を固め、俺は陽乃さんに声をかける。
比企谷「……あの陽乃さん、ちょっといいですか?」
陽乃「ん? あれー、比企谷くんいたんだ? うわぁ、ぜんっぜん気が付かなかったよ」
比企谷「最初っからいましたよ。……ってか、入口から一番近い席に座る人間に気が付かないってどういうことですか」
陽乃「あー、ごめんね比企谷くん。あまりにも君の存在が矮小すぎて視界にすら入ってなかったの。ほんとにごめんね?」
比企谷「陽乃さん、謝ることが逆に相手を苦しめることになるのを知らないんですか? それ以上言うと俺ここから紐なしバンジーに挑戦するハメになるんですけど」
陽乃「こら比企谷くん、そんな簡単に自分の命を粗末にしちゃダメでしょ? たとえ比企谷くんの容姿がどんなに醜くても、性根がどんなに腐ってても、性格がどんなにねじ曲がっていても親不孝はダメだよ」
比企谷「……、」
おいなんだこの過剰迎撃。
俺が軽口を叩いただけなのに、陽乃さんは重火器フル装備で俺の鋼鉄の障壁を粉砕しようとしてきてるんだが?
↓4 八幡はどうする?
514: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 22:25:40.60 ID:82rmFKPjo
雪ノ下と協力しておかえり願う
519: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/01(土) 00:01:04.86 ID:IFCpJd4q0
陽乃「そもそも比企谷くんは全身から滲み出ているオーラがマイナスに振り切れてて、覇気が微塵も感じられないんだよね」
陽乃「それに加えて猫背で迫力に欠けるし、目は腐ってるし、運動不足で貧弱そうだし、瞳は腐敗してるし、感情表現乏しいし、眼球は腐乱しちゃってるし……」
ちょっと、なんで俺の目のことを三回もわざわざ言い換えてまで指摘するんですか。
いい加減その波状攻撃を止めて差し上げろ。でないと泣くぞ。わんわん泣くぞ。わおーん(働きたくないでござる!)。
だがいくら胸中で陽乃さんに訴えかけてもそれが届くはずがなく、無限バンダナを装備した陽乃さんに為す術なくウォール・ハチマンは突破された。
このまま陽乃さんに奉仕部の面々の精神が蹂躙され、お菓子やら何やらを戦利品として持っていかれるまでを妄想したところで、背後から冷然とした声音が耳朶を打つ。
雪ノ下「……姉さん、いい加減にして」
雪乃は椅子から立ち上がって陽乃さんの目の前まで移動すると、腕を組んで凛然たる態度を示す。
陽乃「おや? どうしたの雪乃ちゃん、そんな怖い顔して」
対する陽乃さんはきょとんと可愛らしく首を傾げてとぼけてみせる。
その反応に苛立ちを覚えたのか、雪乃は短い溜め息をこぼして陽乃さんを鋭く睨む。
そんな雪乃の様子を見て、陽乃さんの隣に立つめぐり先輩はおろおろあわあわしていた。
雪ノ下「どうしたもなにも、私は部員を馬鹿にされて黙って見過ごせるほど出来た人間ではないの」
雪ノ下「だから悪いけれど、出て行ってもらえるかしら?」
↓4 どうやって陽乃を帰らせる? (内容にそぐわないものは別の安価を採用します)
523: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 00:09:28.98 ID:NBeqdeyZ0
奉仕部部員と顧問の見事な連係プレイでなんとかお引き取り願う
529: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/01(土) 12:42:42.64 ID:IFCpJd4q0
由比ヶ浜「そ、そうです! た、たしかにヒッキーは見た目とかふいんきとか色々残念ですけど、……い、いい所だってたくさんあるんですから!」
雪乃の冷酷な宣告に追従するように、由比ヶ浜が椅子から立ち上がって声を上げる。
でも最初の部分は同意しなくてもよかったんじゃねぇの? 同意でも人が傷つくことを察してくれよ。
なんなら他人から話しかけられただけで傷つくまである。
もう誰にも干渉されることのない密室に閉じ篭ることを検討し始めるレベルの繊細さ。
将来は自宅警備員になるのもありかもしれない。
陽乃「あらら、ガハマちゃんまでそんな怖い顔するかぁ……」
平塚「陽乃、どうやら君はあまり歓迎されていないようだぞ。だから今日は大人しく帰ったらどうかね、君はもう立派な大人なのだろう?」
陽乃「んー……、そうだね。でも、大人になっても子供心まで忘れたつもりはないよ。静ちゃんだって大人になっても遊んだりするでしょ?」
陽乃「誰かと遊ぶにはまず会話をしないとダメだからね。自分の要望を相手に伝えて、相手が承諾すればそれでよし。承諾しなかったら相手の意見を伺って妥協点を見つける。そうやって」
雪ノ下「……姉さん、論点をずらさないで頂戴。今はそんな話をしている暇なんてないわ、戯言なら大学のお友達とでもしていなさい」
陽乃「そ、そんなに邪険にしないでよ雪乃ちゃん。傷つくなぁ、もう。お姉ちゃんだってみんなとお話したいんだよ?」
雪ノ下「私は姉さんに話すことなんて一切ないわ」
陽乃「そんなこと言わないでさ」
雪ノ下「絶対に嫌」
陽乃「……、」
雪ノ下「……、」
城廻「……は、はるさん、ここは」
陽乃「みなまで言わなくていいよめぐり」
陽乃「……まったく、しょうがないなぁもう。雪乃ちゃんがどうしても嫌って駄々こねるから、今日は帰るね」
雪ノ下「私は駄々なんてこねていないわ。ただ姉さんを拒絶しているだけよ」
陽乃「そう。……でもね雪乃ちゃん、この世の中はそんな甘い考えが罷り通るほど単純じゃないからね」
陽乃「好きなものを好きと言えるのは学生の間だけだよ。大人になったら嫌いなものでも好きと言わなきゃいけない時期が遅かれ早かれやってくる」
陽乃「雪乃ちゃんのその愚かしいまでにまっすぐな素直さ、わたしは嫌いだな」
陽乃「じゃ、またね」
城廻「お、お邪魔しました」
雪乃の奮闘と由比ヶ浜と先生の後方支援により、陽乃さんはめぐり先輩と共に部室から去っていった。
このあとはどうする? 以下より多数決
①話し合いを始める
②スピーカーから完全下校を告げるチャイムが鳴り響く
先に4票集まった選択肢で話を進めます。
530: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 12:47:30.45 ID:Gi7MiHer0
1
531: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 12:48:57.66 ID:tzyGeBkDO
1
532: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 12:50:08.88 ID:iqJmOA3H0
1
533: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 12:50:26.57 ID:uiiBWtoto
1
534: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/01(土) 14:11:31.05 ID:IFCpJd4q0
雪ノ下「……さて、由比ヶ浜さん。そろそろ話し合いを始めたいと思うのだけれど」
陽乃さん達が部室を出て行ったあと、扉の鍵を内側から閉めた雪乃は席に戻ると由比ヶ浜にそう提案した。
由比ヶ浜「うん、そうだね。そろそろいいかも」
雪乃に話しかけられてお菓子に手を伸ばしかけていた由比ヶ浜は手を引っ込めると、喉を潤す為かピーチティをストローで啜った。
平塚「陽乃の奴に思いのほか時間を割かれてしまったからな、そろそろ頃合いだろう」
平塚先生は口の端にするめの足を咥えながらその提案に同意する。
比企谷「……話し合いっつっても、なんかやることあんのか?」
俺が机に頬杖をつきながらそう呟くと、雪乃にジト目を向けられた。え、俺なんかマズイこと言った?
雪ノ下「あるに決まってるじゃない」
由比ヶ浜「そうだよヒッキー、話し合わなきゃいけないことはたくさんあるんだよ?」
比企谷「じゃあなにについて話し合うんだよ……」
由比ヶ浜「え? うん、えっとね、まずは」
↓4 何について話し合う? (内容にそぐわないものは別の安価を採用します)
538: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 14:25:59.76 ID:JbugyHFSo
八幡について
540: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/01(土) 15:19:37.43 ID:IFCpJd4q0
由比ヶ浜「まずはヒッキーについて話し合うの」
比企谷「……ふぅん? なるほど、そんでアレか。白熱する議論の末に俺の弱点を導き出して、そこを執拗に攻め立てるわけか」
由比ヶ浜「ぜんぜん違うからっ!? ヒッキーについて話し合うってのは、ヒッキーの好きな食べ物とか……こ、好みのタイプとか色々あたしらが聞いて、それを元にゆきのんと色々話し合うって意味!」
雪ノ下「だから私はさっき『話し合いはあなたがいないと始まらない』と言ったのよ」
雪ノ下「質問があってもその問いかけに対する回答者がいなければ、問答は成り立たないでしょう?」
比企谷「……なるほどな」
それで得た情報を駆使して俺の孤独体質の改善を図るわけか。……別に俺は改善を望んでるわけじゃねぇんだがな。
↓4 このあとはどうする?
544: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 15:45:29.43 ID:0+MsdD510
八幡が自分の本心を話す
546: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/02(日) 02:15:52.62 ID:FdcqKxhY0
比企谷「……でもな、こう言っちゃなんだが、俺は別に改善なんて求めてねぇぞ?」
比企谷「この孤独体質でも特に不満はねぇし、それにこうしている方が気楽だ」
比企谷「俺は誰かに束縛されんのは嫌いなんだよ。もし仮に俺が誰かと付き合ってて、その相手から夜中に泣きながら電話がかかってきたらその時点で別れる自信があるぞ」
由比ヶ浜「ヒッキー……」
雪ノ下「……、」
平塚「……、」
比企谷「だいたい時間ってのは自分の為にあるもんだろ? なんで他人の為に不平等な限られたリソースを消費しなきゃならねぇんだよ」
比企谷「孤独万歳、ぼっち最高。人生を楽しむには独り身が最適なんだよ」
比企谷「1人なら黙々と趣味に打ち込んだり出来るし、それに隠居生活を始める老人は大半が独り身じゃねぇか」
比企谷「つまり俺は世代を越えて時代の先を行く次世代のぼっち。周囲の人間が俺に追いついてこれていないだけなので、俺は改善を必要としない。変わるなら周りの人間が変わるべきだな」
↓5 八幡が吐露した本音。 彼女らはどう動く? (雪ノ下、由比ヶ浜、平塚の三人の内の誰かが主語で行動指定)
551: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 03:10:48.16 ID:7118lMBAO
ゆきのんが自分と居るとメリットがあることをアピール
恋人的な意味で
恋人的な意味で
554: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/02(日) 12:10:16.36 ID:FdcqKxhY0
雪ノ下「……そうね。比企谷くん、私もあなたの考えには同意見よ」
由比ヶ浜「ゆきのんまで……っ」
雪乃は瞑想でもするように静かに目を閉じて小さく頷く。
ぼっちの思考を理解出来るのはぼっちのみ。
俺に匹敵するレベルで孤独を極めた雪乃とは対照的に、今まで他人との間に流れる空気を読んで同調してきた由比ヶ浜は唇を噛み締めて眉尻を下げていた。
雪ノ下「私も1人で読書をしている時が一番心が安らぐわ。ただ黙々と文字の配列を追い、文面から景色を想像して、筆者の心情を読み解きながらページを繰る。誰にも干渉されない時間というのは、それはそれでとても素晴らしいものよね」
閉じられていた瞼がゆっくりと開き、真っ直ぐで澄んだ淀みのない瞳が俺に向けられる。
雪ノ下「けれど私は最近になって、1人ではない時間も本当は素晴らしいものではないのかと考えるようになったわ」
そして雪乃は視線を由比ヶ浜、平塚先生の順に向けて再び目を閉じる。
雪ノ下「そう考えるようになったのは、きっとあなた達がそばにいたからだと思うのよ」
雪ノ下「私はこんな性格だから、今まで何度も何度も他人と衝突を繰り返して相手を傷つけてきたわ」
雪ノ下「そして気がつけば、周囲には誰もいなくなっていた」
自嘲気味に小さく鼻を鳴らして、悲痛な微笑みを浮かべる雪乃。
違う、やめろ。なんでお前がそんなことを言い始めるんだ。
今はそんな話は関係ないだろ。なんで引かないんだ。なんで距離を詰めようとするんだ。
雪ノ下「だから高校でもきっと同じ事が起こるものと想定していたわ。……けれど、現実は私の予想を大きく裏切った」
雪ノ下「あの日が初めてだったわ。私の正論に真っ向から歯向かって、捻くれた言葉を投げ返してきた男の人は」
雪ノ下「あの日が初めてだったわ。私の辛辣な言葉に対して、尊敬するような眼差しを向けてきた女の人は」
やめろ。そんな優しげな笑顔を俺に向けるな。
またその表情に浮かれて勝手に勘違いして、結局は心に傷を負うのは目に見えている。
だから、やめろ。やめてくれ。
雪ノ下「私はね、比企谷くん。あなた達と出逢えて本当に良かったと思っているわ」
雪ノ下「でもその反面、いろいろと苦心することは多かった。馴れない人付き合いで、授業中にも関わらず苦悩することも少なくなかった」
雪ノ下「人との触れ合いというのは複雑怪奇で、避けたくなる気持ちも理解できる」
雪ノ下「けれど、逃げてばかりではなにも変わりはしない。それは問題の先延ばしであって問題を解消しているだけよ。根本的な解決には至っていない」
雪ノ下「比企谷くん、1人で問題が解決出来ないのであれば、私があなたへ助言を呈してあげる。救いの手を差し伸べてあげる」
雪ノ下「自分で言うのは少し気が引けるのだけれど、私は体力がないという欠点を除けば基本高スペックよ。あなたの要望はすべて叶えられると自負しているわ」
やめろ。お願いだから。これ以上踏み込んでくるな。頼むから。
雪ノ下「主観ではわからなかったことも、客観的な意見を取り入れることで見えてくるものがあると思うの。…………だから」
比企谷「……っ」
八幡はどうする? 以下より多数決
①わざとコーヒーを零して部室から出て行く
②「……考えとく。後ろ向きにだがな」と呟いて沈黙
先に5票集まった選択肢で話を進めます。
由比ヶ浜「ゆきのんまで……っ」
雪乃は瞑想でもするように静かに目を閉じて小さく頷く。
ぼっちの思考を理解出来るのはぼっちのみ。
俺に匹敵するレベルで孤独を極めた雪乃とは対照的に、今まで他人との間に流れる空気を読んで同調してきた由比ヶ浜は唇を噛み締めて眉尻を下げていた。
雪ノ下「私も1人で読書をしている時が一番心が安らぐわ。ただ黙々と文字の配列を追い、文面から景色を想像して、筆者の心情を読み解きながらページを繰る。誰にも干渉されない時間というのは、それはそれでとても素晴らしいものよね」
閉じられていた瞼がゆっくりと開き、真っ直ぐで澄んだ淀みのない瞳が俺に向けられる。
雪ノ下「けれど私は最近になって、1人ではない時間も本当は素晴らしいものではないのかと考えるようになったわ」
そして雪乃は視線を由比ヶ浜、平塚先生の順に向けて再び目を閉じる。
雪ノ下「そう考えるようになったのは、きっとあなた達がそばにいたからだと思うのよ」
雪ノ下「私はこんな性格だから、今まで何度も何度も他人と衝突を繰り返して相手を傷つけてきたわ」
雪ノ下「そして気がつけば、周囲には誰もいなくなっていた」
自嘲気味に小さく鼻を鳴らして、悲痛な微笑みを浮かべる雪乃。
違う、やめろ。なんでお前がそんなことを言い始めるんだ。
今はそんな話は関係ないだろ。なんで引かないんだ。なんで距離を詰めようとするんだ。
雪ノ下「だから高校でもきっと同じ事が起こるものと想定していたわ。……けれど、現実は私の予想を大きく裏切った」
雪ノ下「あの日が初めてだったわ。私の正論に真っ向から歯向かって、捻くれた言葉を投げ返してきた男の人は」
雪ノ下「あの日が初めてだったわ。私の辛辣な言葉に対して、尊敬するような眼差しを向けてきた女の人は」
やめろ。そんな優しげな笑顔を俺に向けるな。
またその表情に浮かれて勝手に勘違いして、結局は心に傷を負うのは目に見えている。
だから、やめろ。やめてくれ。
雪ノ下「私はね、比企谷くん。あなた達と出逢えて本当に良かったと思っているわ」
雪ノ下「でもその反面、いろいろと苦心することは多かった。馴れない人付き合いで、授業中にも関わらず苦悩することも少なくなかった」
雪ノ下「人との触れ合いというのは複雑怪奇で、避けたくなる気持ちも理解できる」
雪ノ下「けれど、逃げてばかりではなにも変わりはしない。それは問題の先延ばしであって問題を解消しているだけよ。根本的な解決には至っていない」
雪ノ下「比企谷くん、1人で問題が解決出来ないのであれば、私があなたへ助言を呈してあげる。救いの手を差し伸べてあげる」
雪ノ下「自分で言うのは少し気が引けるのだけれど、私は体力がないという欠点を除けば基本高スペックよ。あなたの要望はすべて叶えられると自負しているわ」
やめろ。お願いだから。これ以上踏み込んでくるな。頼むから。
雪ノ下「主観ではわからなかったことも、客観的な意見を取り入れることで見えてくるものがあると思うの。…………だから」
比企谷「……っ」
八幡はどうする? 以下より多数決
①わざとコーヒーを零して部室から出て行く
②「……考えとく。後ろ向きにだがな」と呟いて沈黙
先に5票集まった選択肢で話を進めます。
555: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 12:12:41.40 ID:KrVCe5DDO
2
556: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 12:14:42.49 ID:qiCvg2zAo
1
557: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 12:20:00.28 ID:agYpE98vO
2
558: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 12:20:08.83 ID:c+l/Y3E7O
2
559: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 12:20:41.38 ID:VvH7g/5ho
1
560: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 12:30:11.20 ID:Hqi7eWdT0
2
561: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 12:31:08.00 ID:FDnVlro3P
1の方が動揺してる感がある気がするので1
562: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 12:32:09.56 ID:cB7NZq6/o
1
564: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 13:01:51.38 ID:FoNc4Zswo
1 これって連投ありだっけ?
567: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/02(日) 13:37:09.44 ID:FdcqKxhY0
雪ノ下「…………だから」
やめろ。それ以上しゃべるな。聞きたくねぇんだよその先は。
雪ノ下「…………だから、比企谷く」
比企谷「……考えとく。後ろ向きにだがな」
雪ノ下「――っ、……そう」
比企谷「……っ」
奥歯を強く噛み締める。
拳を固く握り締める。
この場から逃げ出したい気持ちを必死に堪えて、俺は雪乃の言葉を被せて断ち切った。
ここで話は終わりだ。だからもう会話を続ける必要はない。
もし誰かが会話を続けようとしても、俺が相槌を打つことはない。
誰かに質問を投げかけられても、回答してやるつもりもない。
――けれどそれは、さっきの雪乃の言う通り問題の先延ばしだ。
俺は逃げているのだ。現状の変化から。
先の見えない未来へ進むことを頑なに拒絶している。
自身が変わってしまえば、それまで『比企谷八幡』という一個人が積み上げてきた経験則は通用しなくなる。
常に孤独と向き合い、時に衆目に醜態を晒されながら、刻みつけられた数多の心の傷と共に得た酷く汚れた経験値。
獲得したステータスはすべて防御に注ぎ込んだ。
誰にも干渉されないように、強固で強靭な心の防壁を作り上げた。
だがその壁も、いまや貫通寸前まで追い込まれている。
実際、何度か貫通しかけていた。
それを必死に益体もない言葉で取り繕って、なんとか補強してここまでやってきた。
だがそれももう限界。壁を補強する為の道具が底を尽き始めている。
――もう諦めてもいいだろ。
そんな考えが頭を過ることは今までに何度もあった。
しかし、現状からの変化と引き換えに築き上げたものを喪失してしまったは『俺』は、果たして『俺』と呼べるのだろうか。
575: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/02(日) 14:00:33.51 ID:FdcqKxhY0
よし、困ったときの安価です。
以下より多数決
①>>554の続きを1
②>>567をそのまま継続
③まあ待て、ガハマさんがゆきのんの言動をただ指を咥えて見ているわけがないだろう(>>554から別の選択肢という意味です)
先に4票集まった選択肢で話を進めます。
576: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 14:01:53.79 ID:agYpE98vO
3
577: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 14:03:32.05 ID:VUNchI9AO
3
578: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 14:03:42.62 ID:bl51N8X8O
1
579: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 14:04:58.06 ID:FoNc4Zswo
3
580: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 14:06:03.22 ID:yuDDGd8c0
3
581: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/02(日) 14:16:18.26 ID:FdcqKxhY0
主語が八幡という制限がなくなったので、選択肢としてあげられるのは4つです
どうする? 以下より多数決
①八幡がわざとコーヒーを零して部室から出て行く
②由比ヶ浜が雪乃の台詞に言葉を被せる
③平塚先生が詰め寄りすぎている雪乃を窘める
④完全下校を告げるチャイムが鳴り響く
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
582: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 14:17:02.27 ID:FoNc4Zswo
2
583: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 14:18:00.65 ID:bl51N8X8O
2
584: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 14:18:19.10 ID:1vURh+FF0
2
585: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 14:18:23.82 ID:TO20AzZ/0
1
586: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 14:19:11.66 ID:mhjy+1+/o
1
587: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 14:19:45.27 ID:yuDDGd8c0
2
593: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/02(日) 22:43:07.43 ID:FdcqKxhY0
雪ノ下「…………だから」
やめろ。それ以上しゃべるな。聞きたくねぇんだよその先は。
雪ノ下「…………だから、比企谷く」
由比ヶ浜「ゆきのんストップ! 抜け駆け禁止っ!」
逃げ出したい気持ちを必死に抑えつけていた俺の耳朶を打ったその声は、今まで聞いた由比ヶ浜の声の中で一番大きな声だった。
雪ノ下「――っ、……え? …………あ」
その声で我を取り戻した雪乃は、ようやく自分が俺に詰め寄り過ぎていたことに気がついた。
由比ヶ浜「落ち着いてゆきのん。ヒッキーもたぶん、困ってるから」
雪ノ下「……っ。……ごめんなさい由比ヶ浜さん、比企谷くん。私……」
顔を俯かせ、自らの言動を悔いる雪乃。
由比ヶ浜はそんな雪乃のそばへ近づいて行き、片膝を地面について雪乃の両手を優しく包み込む。
由比ヶ浜「謝るのはあとで聞くから、今は深呼吸して落ち着いてゆきのん」
優しく子供を諭す母親のような声音で、雪乃をなんとか落ち着かせようとする由比ヶ浜。
それに促されるまま、雪乃は何度か深呼吸を繰り返す。
そんな二人を見ていた平塚先生はテーブルの上に置いてあった紅茶を掴むと、開け口を開いてストローを差し込んだ。
平塚「雪ノ下、これでも飲んで落ち着きたまえ。話し合いはそれからだ」
平塚先生は紅茶を雪乃に差し出すと、雪乃はそれを受け取って少しだけ口に含んだ。
↓4 このあとはどうする? (内容にそぐわないものは別の安価を採用します)
597: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:53:32.30 ID:QK2GYy3h0
ガハマさんが周りに合わせてたからある意味ぼっちだった的なことをいってはちまん説得
600: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/03(月) 00:46:06.52 ID:Y5jU1lus0
それからしばらくして、ようやく雪乃は落ち着きを取り戻した。
しかしその表情は暗く沈痛な面持ちで、とてもじゃないがずっと見ていられるものではない。
だから俺は目を逸らしてしまった。
知人の悲しみに満ちた顔をずっと眺めていられるほど、俺の心は強く出来ていない。
由比ヶ浜「ゆきのん、落ち着いた?」
雪ノ下「……ええ、もう大丈夫よ。心配をかけてごめんなさい」
由比ヶ浜「うん、いいよ。許してあげる。……でも、今後はああいうのなしね」
雪ノ下「……そうね、善処するわ」
由比ヶ浜「約束だからね」
雪ノ下「……約束……」
由比ヶ浜「そう、約束。ねぇゆきのん、小指出して」
雪ノ下「? 小指?」
由比ヶ浜「うん、指切りするの。ちゃんとゆきのんと約束を守る為にね」
由比ヶ浜「指切りげんまん、嘘ついたらヒッキーもーらう、――指切ったっ!」
比企谷「ちょっと待て由比ヶ浜、なにお前勝手に決めちゃってんの?」
だが今の由比ヶ浜の言葉には聞き捨てならなかった。
なにさらっと俺の所有権を保持してんのこの子、油断も隙もねぇじゃねぇか。
由比ヶ浜「いいじゃん別に、減るもんじゃないって」
比企谷「いやいやいや、俺の確固たる尊厳とか保障された人権とかが急激な勢いで減退してるんだが?なに俺奴隷なの?」
由比ヶ浜「そんなわけないじゃん、ヒッキーはヒッキーでしょ?」
比企谷「いや、そりゃそうなんだが……」
いかん、アホの子の対応は色々と面倒だ。なんか話が微妙に噛み合わねぇ。
頭の中でどう説明したもんかとあれこれ考えてみるが、なかなかうまくいかない。
601: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/03(月) 00:57:11.49 ID:Y5jU1lus0
由比ヶ浜「……。ヒッキーはさ、あたしやゆきのんといるのはつまんない?」
脳内を知恵熱で温めていると、さきほどの大声とは打って変わり弱々しい声が俺の耳に届く。
比企谷「……な、なんだよ急に」
由比ヶ浜「だ、だって、さっきのヒッキー『人生を楽しむには独り身が最適』とかなんとか言ってたから、あたしらはヒッキーにとって邪魔なんじゃないのかなって思って……」
比企谷「それは……」
――邪魔じゃない。という言葉を口には出さずに飲み込む。
それを口にするのは覚悟を決めた時だけだ。
今までの自分を全てかなぐり捨てる覚悟が決まった時に、この二人の存在を認めることが出来る。
だから俺は無言の返事をした。
これが問題の先延ばしであることを自覚しながら、俺は固く口を閉ざした。
由比ヶ浜「……いやさ、あたしもヒッキーの言いたいことはなんとなくはわかるんだ」
由比ヶ浜「あたしってほら、今まで周りに合わせて生きてきたから、ゆきのんと親友になるまでちゃんと心の底から友達って呼べる存在はいなかったの」
由比ヶ浜「中学の頃の友達も今じゃ全然会わないし、連絡もとってない。メールを送っても何人かはアドレス変えちゃってたりしてメール出来なかったりするし……。あたしが友達だと思ってた子は、友達じゃなかったみたい」
乾いた笑い声を洩らしながら、無理矢理顔に笑みを貼り付けて気丈に振舞おうとする由比ヶ浜。
……そうか、こいつも。
由比ヶ浜「だから独り身のつらさも……痛いほどよく知ってる」
――俺や雪乃と同類なのか。
由比ヶ浜の言葉を聞いた八幡は? 以下より多数決
①「……そうか」と呟いて由比ヶ浜に近づいて頭に手を置く
②「……甘いな由比ヶ浜。友達と思える相手がいた時点でお前は孤独なんかじゃねぇんだぞ」と言って道化を演じる
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
602: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 00:58:47.45 ID:JR3/D3xBo
1
603: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 00:59:56.95 ID:jCHbn9Rl0
1
604: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 01:00:34.32 ID:BAnEP0t60
2
606: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 01:01:28.45 ID:b19+BHJAo
1
607: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 01:02:34.34 ID:eEhMaS3+0
1
628: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/03(月) 23:27:22.23 ID:Y5jU1lus0
比企谷「……そうか」
肩を小刻みに震わせて今にも泣き出しそうな雰囲気の由比ヶ浜に、俺は素っ気ない相槌を打った。
由比ヶ浜も俺や雪乃と同じ心の痛みを抱える者。
ただ由比ヶ浜の心の痛みが発症した原因は、俺達とは根本的な部分で異なっていた。
俺や雪乃は孤独になった原因は自分ではなく、周囲の人間やこの世界そのものが原因だと考えていた。
自分は正しいことをしているはずなのに、周囲の人間はそれを欺瞞だなんだと口汚く批難する。
自分はただ普通に過ごしているだけなのに、世界はそれを勝手に優秀だなんだと持ち上げて知らぬ間に目の敵にされる。
しかし由比ヶ浜は孤独になった原因を他人ではなく、周囲に迎合出来ない自分自身だと考えたのだ。
自分が相手を満足させることが出来なかったから、相手は友達になってくれなかった。
自分が余計なことを口走ったせいで、相手は自分から離れていってしまった。
もちろんそんな証拠は一切ないはずなのだが、由比ヶ浜は自分でそう結論づけて行動に移してしまった。
自己を押し殺して他人に合わせるという選択肢を。
アイデンティティを自ら放棄するような行為を、由比ヶ浜は選んでしまったのだ。
由比ヶ浜「……、」
俺の淡白な言葉を聞いた由比ヶ浜は顔を俯かせて沈黙する。
雪ノ下「由比ヶ浜さん……」
そんな由比ヶ浜を見て、雪乃は戸惑いの表情を浮かべながら右手を宙に彷徨わせていた。
由比ヶ浜に触れようか触れまいか、急に告げられた事実に困惑して距離間を掴みかねている。
そしてどうにも踏ん切りがつかない雪乃は俺へ視線を向けた。
縋るような瞳で見詰められ、俺は返答の代わりに椅子から立ち上がって二人の元へ近づいて行く。
静謐な空間を裂くように、規則的な音が踏み鳴らされる。
それに反応するように、スピーカーからノイズが鳴り出す。
完全下校を告げるチャイムの前兆だ。
この部室で幾度となく聞いた、一日の終焉を告げる鐘の音。
――俺も、今の『自分』へ終焉を告げるべきなのだろうか。
そんな益体もないことを考えながら、俯く少女の頭に手を置くと同時に無機質な音色が鳴り響いた。
629: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/03(月) 23:36:08.45 ID:Y5jU1lus0
このあとはどうする? 以下より多数決
①それぞれの自宅へ帰宅する
②奉仕部の3人で寄り道をして帰る
③平塚先生にラーメン屋へ強制連行される八幡
先に5票集まった選択肢で先に進みます。
630: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 23:37:46.52 ID:/rmJNRhw0
1
631: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 23:39:15.96 ID:FGJ+BuwQO
2
632: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 23:39:33.15 ID:JR3/D3xBo
2
633: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 23:40:21.12 ID:jCHbn9Rl0
2
634: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 23:41:40.95 ID:8Ssog6fAo
1
635: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 23:42:43.71 ID:QZ8dsFAB0
2
636: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 23:43:12.08 ID:uwBwOT0r0
2
641: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/04(火) 22:57:52.77 ID:htGVb1R60
チャイムが鳴ると平塚先生はテーブルの上に広がるお菓子をビニール袋に詰め始めた。
平塚「さて、今日はもう鐘が鳴ったから帰りたまえ。このお菓子は君達で適当に分けるといい」
平塚先生は俺に袋を押し付けて早々と部室を後にした。
かつかつという床を叩く硬質な音が徐々に遠ざかって行く。
……さて、どうしたもんかな。
由比ヶ浜はいまだに顔を俯かせていた。
雪乃は様々な感情が込められた瞳で俺と由比ヶ浜を交互に見ている。
本音を言えばさっさとうちに帰ってごろごろしたいのだが、流石の俺もこの場でそんなふざけたことを言うほど浅慮ではない。
だから本音を押し殺す。俺の大嫌いな欺瞞で本心を偽る。
比企谷「……、」
雪ノ下「……、」
由比ヶ浜「……、」
そして訪れる沈黙は重く、苦しく、息が詰まる。
音の死んだ世界では、誰も言葉を告げようとしない。
静寂だけがこの場を支配する。
由比ヶ浜「…………あ、あのさ」
しかしそんな無音の束縛から逃れるように、小さな反抗の意志を秘めた声が鼓膜を揺らす。
由比ヶ浜「……二人とも、今からちょっと付き合ってくんない?」
その声に、俺と雪乃は互いに顔を見合わせて首を縦に振った。
由比ヶ浜はどこへ向かおうとしている? 以下より多数決
①由比ヶ浜の自宅
②学校近くの公園
③駅前のカラオケ
先に5票集まった選択肢で先に進みます。
642: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 22:59:45.72 ID:BuhjGJ4p0
1
643: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 23:03:40.19 ID:PwwSXUoMo
1
644: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 23:05:14.98 ID:MNEJO9WI0
2
645: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 23:09:54.79 ID:1rchTDoV0
1
646: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 23:10:34.86 ID:tatiLVO5O
2
647: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 23:11:06.80 ID:InThP3UM0
2
648: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 23:11:15.73 ID:XjWz0YSto
2
650: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 23:13:43.38 ID:ojxgj4xbo
3
651: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 23:15:27.42 ID:wFXxuRLl0
1
652: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 23:18:13.16 ID:A11Wv1qL0
2
655: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/05(水) 23:01:23.13 ID:xXjfs+l60
由比ヶ浜に先導されて向かった先は学校近くの公園だった。
園内にはブランコと砂場、その付近にベンチがあり、それに寄り添うように街灯が立っている。
このご時世に日没まで外で遊ぶ子供はいないらしく、公園には俺達以外誰もいない。
俺は押していた自転車のスタンドを立て、街頭に背中を預ける。
由比ヶ浜はブランコに座り、少々耳障りな金属音を響かせる。
雪乃はブランコの前に設置されているベンチに腰掛ける。
そして暫しの沈黙のあと、由比ヶ浜が口を開いた。
由比ヶ浜「……え、えっと、さっきはごめん。なんかあたし同情誘うようなこと言っちゃって……」
薄闇が広がる中でも街頭の明かりで見えるはずの由比ヶ浜の表情がどんどん暗くなっていく。
おいおいやめてくれ、自分から場の空気を悪くして一体何になるってんだよ。
……。
比企谷「……同情? ばっかお前、そんなんでぼっちマイスターである俺の気が引けると思ったら大間違いだぞ」
比企谷「俺は中学時代の友達に会わないどころかまずいないから会えねぇ」
比企谷「アドレスを教えてもらっても、数日後にはメーラー・ダエモンさんとかいう名の外国人がご丁寧にハッキングして、相手のアドレスを書き換えてメールを送ってくるからメールもロクに出来なかった」
比企谷「だいたいさ、友達と思える相手がいた時点でお前は孤独なんかじゃねぇんだ。独り身のつらさもお前の思い込み、錯覚だ」
比企谷「由比ヶ浜、世の中には『お友達制度』なるものが存在してだな、相手に月3万を払って友人役を演じてもらってまで繋がりを求めようとする人間だっているんだぞ? お前はそんな奴らの気持ちを考えたことがあんのか」
由比ヶ浜「……え? ちょ、ヒッキーいきなりなに言ってんの……?」
雪ノ下「由比ヶ浜さん、比企谷くんは遠回しにあなたを励まそうとしているのよ。察してあげて」
比企谷「ちょっと待て雪乃、違うから。これはぼっちがにわかぼっち対して勘違いを指摘してやってるだけだから。そこんとこ意味を履き違えんな」
雪ノ下「そう、なら私が意味を履き違えたのは捻くれたあなたに原因がありそうね。比企谷くんはこの件に対してどう落とし前をつけてくれるのかしら」
比企谷「……ふっ、残念だったな。我が社は当社の製品に対して一切の責任を負わねぇんだよ」
雪ノ下「それはもはや会社として成立していないじゃない……」
比企谷「そうだな、闇市に出回っている品に憲法は通用しねぇ。――つまり、出品者である俺がルールだ!」
雪ノ下「……なるほどね。けれど、規則も認知されなければただの文字の羅列よね。あなたの存在をちゃんと認識してくれる人が、私達以外にいるのかしら」
比企谷「……っ、……い、いるに決まってんだろ」
雪ノ下「そう、なら参考までに誰がいるのか聞かせてもらえるかしら」
比企谷「……」
八幡をちゃんと認識してくれているのは? 以下より多数決
①平塚静
②川崎沙希
③戸塚彩加
④雪ノ下陽乃
⑤やっぱりいない
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
656: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 23:02:41.16 ID:fdFmRvsao
1
真面目に
真面目に
657: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 23:03:21.53 ID:1BahBZbgO
1と4で迷うなあ……
4で
4で
658: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 23:05:09.81 ID:8kkksMnQ0
4
659: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 23:06:43.00 ID:mznQyKjx0
3
660: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 23:09:21.61 ID:td7kSVn7o
1
661: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 23:10:53.41 ID:4DayH2wR0
3
663: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 23:12:15.09 ID:L7fvUmy3o
1
664: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/05(水) 23:12:46.28 ID:nM+m9/7Go
1だ
667: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/06(木) 00:04:24.20 ID:0ORlsI9E0
由比ヶ浜「あ、あたしも気になる……かな」
雪ノ下「さあ比企谷くん、由比ヶ浜さんもこう言っているわ。大人しく白状しなさい」
雪ノ下「そして返事の内容如何によっては、それ相応の報いを受けることになるから気をつけるように」
雪乃は腕を組み、瞳に冷酷さを灯して鋭利な視線を俺へ向けた。
その眼光に思わず背後を冷たいものが走るのを自覚しながら、雪乃の問い掛けに答える。
比企谷「…………ひ、……平塚先生」
雪ノ下「……、そう。確かに平塚先生ならあなたの存在をちゃんと認識してくれているでしょうね」
雪ノ下「平塚先生は奉仕部の顧問だもの。顧問が部員の事を認識しているのは当たり前のことよね」
由比ヶ浜「そっか、よかったぁ。……もしもヒッキーがさいちゃんとか川崎さんの名前を出したらどうしようかと思った……」
言えない、選択肢として浮かんでいたなんて口が裂けても言えない。
このあとはどうする? 以下より多数決
①平塚先生から託されたお菓子を分けあって食べる
②近くの店に入る
③それぞれの家へ帰宅する
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
668: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/06(木) 00:07:46.94 ID:7L+p7gCK0
2
669: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/06(木) 00:08:24.96 ID:VDIHw3HH0
2
670: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/06(木) 00:09:05.99 ID:Kl+UNaS30
3
671: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/06(木) 00:10:14.97 ID:9Wzxm36Ao
3
672: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/06(木) 00:10:29.80 ID:4NAiHgom0
2
673: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/06(木) 00:12:39.85 ID:M++zXRxoO
2
678: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/07(金) 03:33:16.24 ID:p0zkEcOH0
そのあと雪乃は「他には? もしいるなら正直に話をした方が身のためよ?」という意味を込めた瞳を向けて来たが、徹底的にスルーを決め込んだ。
ヘタに喋って傷口広げて、墓穴を掘らねぇようにしないとな。自制自重自戒、口は災いの元だし。
それから散発な会話を何度か繰り返していると、突然由比ヶ浜がブランコの椅子の部分に立ち、夜空に向かって手を差し伸ばす。
なに、星でも降ってくるのか? スターダストシェイクハンドとかやめろよな、俺が何度もタイムリープするハメになっちゃうだろ。
由比ヶ浜「ねぇねぇ二人とも、今から近くの店にごはん食べに行こうよ」
というくだらない事を想像したが、実際はただ発言の為に挙手をしただけだった。
先程の沈痛な面持ちはどこへやら、由比ヶ浜は楽しそうな声音と共にそんなことを言う。
しかし俺の財布の中身は現在500円ほど。昨日雪乃にメシを奢ったから元々少ない財政事情がさらに圧迫されている。
ワンコインしかない場合、近くのファミレスに入ってもドリンクバーを頼むかサイドメニューを頼んでお終いだ。
そろそろバイトしねぇとダメか……? 小金の錬金術師にも限界が見えてきたし。……でも働きたくねぇなぁ。
比企谷「いや、すまん由比ヶ浜。俺ちょっと今手持ちがな」
由比ヶ浜「大丈夫だよヒッキー、あたしがおごってあげるから」
比企谷「最後の『い』ぐらい言わせろよ……」
俺にしては珍しく明確な理由を述べて誘いを断ろうとしたのだが、由比ヶ浜にきっぱりと拒否された。
由比ヶ浜「ヒッキーにはなんだかんだでお世話になってるし、たまには……その、さ」
由比ヶ浜「……やー、なんかこういうのって日頃のお礼って言うの? そういうの、一度やってみたかったんだよね」
そう言って由比ヶ浜はブランコから颯爽とジャンプして地面に着地すると、体操選手のように両手をYの字にあげた。
だが俺と雪乃が称賛の拍手を送るはずもなく、場には嫌に冷たい空気が流れ出す。俗に言うスベリだ。
そのせいか、由比ヶ浜はしばらくそのまま硬直して動かなくなる。
比企谷「……? おい、どうした由比ヶ浜」
だがあまりにも微動だにしないので、堪らず由比ヶ浜に声をかけた。
すると由比ヶ浜はまるで錆び付いたロボットのような動作で首をこちら側に回すと、
由比ヶ浜「…………足、ひねっちゃった」
弱々しい声で、そう力無く呟いた。
足首をひねった由比ヶ浜、八幡はどうする?
①近くの自販機で冷たい飲み物を買ってきて捻挫した部分を冷やす
②由比ヶ浜を自転車の荷台に乗せて自宅まで送り届ける
③平塚先生に助けを求める
先に5票集まった選択肢で先に進みます。
679: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 03:38:57.07 ID:NCztnY+Q0
2
680: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 03:43:17.54 ID:+XtTi6uAO
2
681: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 03:45:27.78 ID:qU2JPAi00
2
682: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 03:56:57.54 ID:7Qoe4L6So
2
683: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 04:37:26.16 ID:LVJHYcpH0
2
686: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/08(土) 09:15:55.84 ID:I3RTI+6A0
比企谷「……は? マジで?」
おいおい嘘だろ、あの程度のジャンプで足ひねるとか運動神経低すぎじゃないですかガハマさん。
由比ヶ浜「……超いたい……」
MN5(マジで泣き出す5秒前)な由比ヶ浜は蚊の鳴くような小声を洩らす。
どの程度のひねり具合なのか確認したかったのだが、現在の由比ヶ浜の服装は制服(ミニスカ)である。
加えて負傷した箇所は足首、その部位を診察するには必然的に屈まなければならない。
女子の前で屈むという行為はスカートの中を覗く行為と同義である。
そりゃ健全なる男子高校生は暗幕の内側に隠された禁断のデルタ地帯に興味がないと言えば嘘になるが、やはり知人の絶対不可侵領域を侵そうとするのははたして許される行為なのだろうか、いや治療する為には仕方がないこと
雪ノ下「由比ヶ浜さん、少し診させてもらうわね」
……みたいな馬鹿な想像をしていたら雪乃が素早く診断を開始した。
雪乃は屈んで由比ヶ浜の足首に触れて症状を確認する。
その手が触れる度に由比ヶ浜の身体が小刻みに震える。
そしてドクター雪乃が下した診察結果は軽度の捻挫だった。
いわく、湿布を貼って大人しくしていれば翌日には治るとのこと。
由比ヶ浜「……あ、ありがとゆきのん」
雪ノ下「どういたしまして」
屈んで皺の寄ったスカートを直しながら雪乃は立ち上がると、くるりと向きを変えて視線を俺に向ける
雪ノ下「比企谷くん、由比ヶ浜さんを自転車の荷台に乗せて彼女の自宅まで送り届けてあげなさい」
由比ヶ浜「え、ちょっ、ゆきのん!?」
雪ノ下「たとえ軽度の捻挫でも歩く行為は足にかかる負担が大きいの。症状が悪化するのを避けるにはそれが得策よ」
由比ヶ浜「そんな、いいって! あたしの家は学校から近いから、そこま――っ、……」
負傷した箇所が痛むのか、痛みで顔を歪める由比ヶ浜。
そんな由比ヶ浜を見て雪乃は少し呆れたように小さな溜め息をつくと、逡巡するように目を伏せる。
雪ノ下「……。比企谷くん、お願い」
問題。
Q.とある女の子が負傷してその友人が女の子を助けるように頼んできました。あなたはどうする?
A.断る理由などないので要望に応える。
比企谷「わかった。でもお前はどうすんだ?」
雪ノ下「私は……」
雪乃はどうする? 以下より多数決
①一緒についていく
②帰宅する
先に4票集まった選択肢で先に進みます
687: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 09:19:00.94 ID:toiaK9Syo
2
688: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 09:31:06.64 ID:/mNv0rNto
1
689: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 09:35:57.55 ID:usBkpHaIo
1
690: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 09:37:55.77 ID:8B13ig6BO
1
691: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 09:39:11.70 ID:Jk39xh140
①で
692: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/08(土) 11:03:58.41 ID:I3RTI+6A0
雪ノ下「私もついていくわ」
比企谷「そうか」
こいつに夜道を一人で歩かれるのは心配だし、それに一人で由比ヶ浜を送り届けるのは気恥ずかしいから助かる。
由比ヶ浜「ちょっ、ちょっと二人ともあたしの話聞いて!?」
比企谷「うるせぇ、怪我人が口答えすんな」
雪ノ下「そうよ由比ヶ浜さん、大人しく聞き入れなさい」
由比ヶ浜「うぅ……」
俺と雪乃に強く出られ、可愛らしい唸り声をあげながら渋々引き下がる由比ヶ浜。
それを尻目に見ながら街灯から背中を離した俺は自転車のスタンドを立て、ハンドルを握って由比ヶ浜の目の前まで移動する。
比企谷「ほら、行くぞ由比ヶ浜。さっさと荷台に乗れ」
由比ヶ浜「う、うん……」
おずおずと由比ヶ浜は自転車の荷台へ横向きに座った。
掴んでいたハンドルが急に重みを増し、適度な重厚感が全身を駆け巡る。
由比ヶ浜と小町は身長はそんなに変わらねぇのにこうも感覚が違うのはアレか、アレだな、アレだよな。
……。
雪ノ下「由比ヶ浜さん、リュックを」
由比ヶ浜「え? で、でも」
雪ノ下「大丈夫よ。そこで煩悩を周囲に垂れ流している男に重しとして背負わせるから」
背後からビシバシ伝わる極北のブリザード。
だからなんでお前は俺の考えてることが分かんだよ。なにお前エスパー?
雪乃から冷酷な眼差しと共に手渡された由比ヶ浜のリュックを背負い、俺はサドルに跨らずに自転車を押し始めた。
693: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/08(土) 11:38:23.20 ID:I3RTI+6A0
静かな街中に空回りするチェーンの音と二人分の足音が刻まれる。
こうして歩いていると、夏休みの終盤にあった花火大会の帰り道を思い出す。
陽乃さんと別れた後に偶然歩くことになったこの道を、まさか再び踏み締めることになるとは思いもしなかった。
数週間前の出来事は、今でも克明に思い出すことが出来る。
『そしたら、ヒッキーがまたああやってくっだらないバカな斜め下すぎる解決法だしてさ。助けてもらうんだ、きっと。それでさ、』
『それで、きっと……』
あの時は偶然由比ヶ浜の母親から着信があったから話を逸らせた。
もしもあの時着信がなかったら、俺はどうしていたのだろうか。
……。
……ただ、いまさらそんなことを考えても意味がないことはわかっている。
過ぎ去った時間は永遠に戻って来ない。
時の流れは一方通行、後戻りなんて出来やしない。
だからあの日の選択が正解でも誤解でもすでに解は出ている。
修正が出来ないのなら、その求められた解をそのまま受け入れるしかない。
由比ヶ浜「……ッキー、……ヒッキー!」
沈み込んでいた意識を引き上げるように、背後の由比ヶ浜から名前を呼ばれる。
振り返ると、由比ヶ浜は左側にあるコンビニを指さしていた。
由比ヶ浜「そこのコンビニ行こうよ。ファミレスは行けなくなっちゃったけど、ファミチキくらいならおごれるからさ」
比企谷「いや、そんな気を遣わなくてもいいんだが……」
由比ヶ浜「いいからいいから。ほら、ゆきのんも行こうよ!」
雪ノ下「……そうね。コンビニなら湿布を取り扱っているかもしれないし、由比ヶ浜さんの怪我の悪化を防ぐ手段が見つかるかもしれないわね」
由比ヶ浜「ほらヒッキー、ゆきのんもこう言ってるんだし行こうよー」
比企谷「行くっつってもお前の行動権は俺が握ってんの忘れてんだろ……」
ぶつくさ文句を垂れながら、俺はハンドルの向きを左に傾けた。
ふらりと立ち寄ったコンビニ そこに知人はいた?
①戸塚彩加
②材木座義輝
③三浦優美子
④誰もいない
先に3票集まった選択肢で先に進みます
694: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 11:39:26.36 ID:8B13ig6BO
4
695: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 11:40:58.30 ID:cI/fVisz0
3
696: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 11:41:32.61 ID:yfP4/J6c0
3
697: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 11:42:12.06 ID:WbTpEd4o0
3
701: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/08(土) 14:13:06.69 ID:I3RTI+6A0
雪ノ下「まず私がコンビニの中で湿布を見つけて購入してくるわね。それまで由比ヶ浜さんはそこで大人しくしていなさい」
由比ヶ浜の捻挫に響かないよう慎重にスタンドを立てて自転車を停めると、雪乃は俺達にそう告げ一人で自動ドアへと歩いていった。
雪乃が自動ドアの前に立つと扉が開き、店内から女性店員の声が飛んでくる。
三浦「っらっしゃいませー」
……おい、なんかめっちゃ聞き覚えのある声がしたんだが?
あの声は、あの妙に高圧的な声音は、スクールカーストで最高位に君臨している炎の女王のそれだ。
比企谷「……なぁ由比ヶ浜」
由比ヶ浜「ん? どしたのヒッキー」
比企谷「ここのコンビニってお前の知り合いが働いてたりすんのか?」
由比ヶ浜「うーん……、たしか働いてなかった気がするけど」
比企谷「そ、そうか」
由比ヶ浜「なんで急にそんなこと聞くの?」
比企谷「いや、だってよ……」
チラッと店内の様子を確認する。
レジの裏側には金髪縦ロールの女王が佇んでいた。
どっからどう見ても、我らが2年F組の女王こと三浦優美子である。
コンビニで店員の制服を着てなにしてんだよ。……いや、バイトなんだろうけどさ。
比企谷「……三浦のやつが、レジの裏で仕事してるんだが」
由比ヶ浜「え? ウソ優美子いるの!?」
比企谷「っ、耳元で騒ぐなうるせーから」
由比ヶ浜「あ、ご、ごめん……」
比企谷「……。……で、どうする? どう考えても雪乃と三浦が鉢合わせしたら険悪なムードになること請け合いなんだが」
由比ヶ浜「ど、どうするって言われてもあたしは動けないし……」
比企谷「ちなみに俺はごめんだぞ。あいつらの間に飛び込んだら火傷と凍傷を同時に負うハメになるからな」
由比ヶ浜「じゃあどうしようもないじゃん!?」
比企谷「そうだな、流れに任せるしかねぇな」
由比ヶ浜「だったらなんで話を振ったんだし……」
やれやれと言った具合に深い溜息をつく由比ヶ浜。
いや、だって黙って由比ヶ浜と二人っきりで待つとか耐えられねぇし。なんなら気恥ずかしくなって逃げ出すまである。
なにかどうでもいい話を振らないと間が持たねぇ、はやく帰ってきてくれ雪乃。
702: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/08(土) 15:22:08.47 ID:I3RTI+6A0
それから他愛の無い事を由比ヶ浜と話していると、自動ドアが左右に開かれ雪乃が戻ってきた。
雪乃の手にはレジ袋が握られていたのだが、表情はどことなく不機嫌そうな印象を受ける。……なんか三浦とやらかしたなお前。
雪ノ下「ごめんなさい由比ヶ浜さん、この店では湿布を取り扱っていなかったわ。その代わりにロックアイスと小袋を買ってきたから、これを患部に当てて冷やして頂戴」
レジ袋からロックアイスと小袋、加えてミネラルウォータを取り出した雪乃は手早く簡単な氷嚢を作って由比ヶ浜に差し出した。
由比ヶ浜は受け取った氷嚢をくるぶしに当てて雪乃へ感謝の言葉を述べる。
由比ヶ浜「わざわざごめんねゆきのん、ありがと。ゆきのんにも今度なにかおごるからね」
雪ノ下「私は大丈夫よ由比ヶ浜さん。気持ちだけ受け取っておくわね」
由比ヶ浜「だーめ、それだとあたしの気が済まないもん」
雪ノ下「私はただ怪我をしているあなたを助けようと行動したまでよ。それに見返りなんて求めていないわ」
由比ヶ浜「むぅ……。……じゃ、じゃあさ、今度の日曜日に三人でどっか遊びに行こ。その時にあたしがなにかおごるから!」
雪ノ下「あくまで由比ヶ浜さんは奢りたいのね……。あなたは散財するのが趣味なのかしら?」
由比ヶ浜「違うよ!? あ、あたしだってもっと他にいい方法があればいいとは思ってるんだけど、そういうのよくわかんないし……」
……。
比企谷「……由比ヶ浜、そんな悩めるお前にありがたい言葉を教えてやろう」
由比ヶ浜「え?」
比企谷「『金の切れ目が縁の切れ目』だ。お金の力は絶大だが、その反面は非常に脆く脆弱だ。世の中を上手く渡っていくにはお金は重要なアイテムだが、不可欠ってわけじゃない。むしろ必須なのはお前みたいな八方美人な性格だ」
由比ヶ浜「っ! び、びびび美人とかヒッキー、急にほめないでよっ!?」
雪ノ下「由比ヶ浜さん落ち着いて、別に褒められているわけではないわ」
比企谷「つーかこんなくだりは前に一度やったんだがな……」
ルミルミにぼっちのありがたいご高説を垂れてる時にやったんだが、由比ヶ浜は覚えてねぇのか……?
雪ノ下「まあ比企谷くんの言うこともあながち間違いではないわね。今の世の中は資本主義社会だから、潤沢な資金を盾にして我が物顔で世界を闊歩する人間が掃いて捨てるほどいるわ」
雪ノ下「パーティーや式典でも綺羅びやかな宝石類で自身を着飾る大人をよく見かけるのだけれど、それで近づいてくる人間はお零れにあやかろうとする醜いハイエナなのだけれどね」
雪ノ下「そういうお金に這い寄る人間は、自身が瀬戸際に立たされたときには手を差し伸べてくれないの。ただ遠くから物珍しそうに眺めているか、より窮地に追い込もうとするかのどちらかよ。だから何事も無闇にお金で解決しようとしては駄目よ由比ヶ浜さん」
由比ヶ浜「え、えっと……う、うん。わかった」
比企谷「なんかその話、実感こもっててすげぇ怖いんだが……」
雪ノ下「だってそのソースは私だもの」
比企谷「実体験かよ……」
またいらぬ地雷を踏み抜いてしまった。 怖い、俺のトラウマなんかより数百倍怖いわ。
このあとはどうする? 以下より多数決
①コンビニで明日の昼飯を買ってくる
②由比ヶ浜の家に向かう
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
703: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 15:24:48.30 ID:9QePIuaE0
1
704: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 15:28:17.45 ID:yfP4/J6c0
1
705: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 15:28:47.17 ID:cI/fVisz0
2
706: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 15:30:23.13 ID:eUNBaxb70
2
707: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 15:32:29.82 ID:cQaO0XuU0
2
709: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/08(土) 21:21:51.60 ID:I3RTI+6A0
由比ヶ浜「そ、そろそろ行こっか。あんまり遅くなると二人とも帰るの遅くなっちゃうし」
雪ノ下「そうね、では行きましょう」
不穏な空気を感じ取った由比ヶ浜がそう提案すると、雪乃は広げた商品をレジ袋に仕舞って自転車の前カゴに置いた。……っておいこら。
比企谷「おい待て雪乃」
雪ノ下「なにかしら比企谷くん」
比企谷「氷、さらっと前カゴに入れんな。バランス取りにくくなんだろ」
雪ノ下「これも試練よ、耐えなさい」
比企谷「なんの試練だなんの」
雪ノ下「貧弱な比企谷くんが一般男性並の筋力を身につける為の試練よ。非常事態に備えて腕力は鍛えておいて損はないと思うのだけれど」
比企谷「非常事態ってなんだよ……」
恨めしく呟くが、雪乃は素知らぬ顔を浮かべて明後日の方向を向いてしまう。……こいつ、取り合う気さらさらねぇな?
比企谷「……ったく」
不満をスタンドにぶつけるように少し荒っぽく金具を蹴り上げる。
由比ヶ浜「うわわっ!?」
比企谷「――っ、」
しまった、由比ヶ浜が座ってんのをすっかり忘れてた。
後輪が地面に着地した衝撃で荷台に座った由比ヶ浜の上体が揺れ、安定を求めるように伸ばされた手が俺の右肩に伸びる。
細い五本の指が俺の制服を固く握り締めると、由比ヶ浜は顔を真っ赤にして非難の声をあげる。
由比ヶ浜「……も、もう気をつけてよ! あぶないじゃん!?」
比企谷「す、すまん」
由比ヶ浜「まったくもう……」
頬をハムスターの様に膨らませてそっぽを向く由比ヶ浜。
だが、掴んでいる手は離れようとはしない。
逃げ出さないように、離れてしまわないように、遠くへ行ってしまわないように。
そんな意図が含まれているんじゃないかと想像してしまうほど、俺より一回り小さな手はしっかりと繋ぎ止めていた。
由比ヶ浜「次やったら本気で怒るからね」
比企谷「……ああ、気をつけるわ」
拗ねた子供みたいに口を尖らせながらそう言う由比ヶ浜に、なんだが合わせる顔がなく俺は首を横に向けた。
そして逸らした視線の先には、レジに立ちながら目元を擦り上げている三浦の姿があった。……おい、本当に何をした雪乃。
雪乃と三浦の間にあの短時間で何があったのか無性に気になるところだったが、その気持ちを抑えてハンドルを前へと押し進めた。
710: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/08(土) 23:04:25.61 ID:I3RTI+6A0
そしてしばらく歩いて、あの日の夜に由比ヶ浜と別れた道へ差し掛かった。
由比ヶ浜「ヒッキー、そろそろ着くからもう大丈夫だよ」
荷台に座る由比ヶ浜はそう言うと今まで掴んでいた俺の肩から手を離す。
制服越しに伝わっていた熱が急速に冷めていく。
雪ノ下「由比ヶ浜さんの自宅はこの辺りなのかしら」
由比ヶ浜「うん、あそこのマンションの三階」
由比ヶ浜が示す指先には七階建てのマンションがあった。
カーテンで閉じられた部屋が多く、その大半は暖色で照らし出されている。
この時間は一家揃って夕食なのだろうか、多くの窓に映しだされた複数の影がせわしなく動いていた。
比企谷「部屋が三階ならそこまで行くの大変だろ」
由比ヶ浜「ううん、平気だよ。部屋はエレベーターに乗ってすぐ近くだし」
比企谷「そうか」
自転車を停めると、由比ヶ浜はゆっくりと荷台から地面へ降りた。
俺の背中からリュックを取ると自身の右肩に紐を掛け、痛めた足を少し引きずりながら歩き出す。
由比ヶ浜「……じゃ、二人とも、また明日ね」
振り返り、小さく手を振られる。
俺はあの時と同じように軽く手を挙げて応える。
隣に立つ雪乃は胸元へ遠慮がちに手を挙げている。
由比ヶ浜はそれを見て柔らかな微笑みを浮かべると、俺達に背中を向けて帰路へ着く。
そんな由比ヶ浜に俺は――
八幡はどうした? 以下より多数決
①「ああ、また明日」と告げる
②「……待て由比ヶ浜、やっぱり最後まで送っていく」と告げてリュックを背負う
先に5票集まった選択肢で先に進みます。
711: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 23:06:27.45 ID:B3GvX9KFO
1
712: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 23:06:59.43 ID:evohMZZa0
1
713: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 23:10:18.37 ID:yfP4/J6c0
2
714: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 23:12:19.92 ID:eUNBaxb70
2
715: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 23:16:26.73 ID:cQaO0XuU0
1
716: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 23:18:10.02 ID:Q8KJhmEY0
1
717: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 23:18:12.70 ID:2XhI2Pl00
2
718: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 23:20:29.25 ID:QGBCzY0V0
2
719: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 23:21:11.16 ID:yVc7pKCAO
1
722: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/09(日) 00:00:16.36 ID:bnO26ILE0
比企谷「ああ、また明日」
そう告げて、俺は自転車の向きを反転させ元来た道へと引き返した。
遠ざかって行く足音。付いて来る足音。空回る錆びついたチェーンの音が、静謐な街中へ溶けていく。
振り返りはしない、呼び止めることもない。
ただ後方で一瞬だけ止んだ足音が、明瞭に歴然と鼓膜を揺らす。
確実に聴いたのに、明確に耳朶を打ったのに、俺は。
俺は、それを、聞こえないフリをするようにベルを鳴らした。
駅前まで雪乃を見送ってから、俺は繁華街を抜けて帰宅の途に着いた。
夜風が頬を撫で、髪を乱雑に梳かしながら後方へと流れて行く。
漕ぐ足を止めて振り返ってもその風はどこにもいない。
周囲の空気と混ざり合ってどこか遠くへ消えてしまった。
手元に残ったのはカゴの中に置かれた凍てつく氷塊。
俺はその氷塊の中で手頃なサイズを一つ口の中に放り込む。
口に含んだ冷気の塊は、視界が霞んで見えるほど痛くて冷たかった。
727: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/09(日) 13:36:44.92 ID:bnO26ILE0
このあとはどうする? 以下より多数決
①自宅に到着後、誰かとメールする
②早めに就寝して翌日
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
①自宅に到着後、誰かとメールする
②早めに就寝して翌日
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
728: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 13:43:37.53 ID:XdI9vbHN0
1
729: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 13:46:49.75 ID:2z8TaJGNo
1
731: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 13:48:08.66 ID:COYdN4fc0
1
733: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 13:53:45.19 ID:GmiGfeWV0
1
734: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/09(日) 14:24:51.26 ID:bnO26ILE0
【自宅】
比企谷「ただいまー」
小町「おー、お兄ちゃんおかえりー。ごはん出来てるよー」
自宅に到着すると、小町がリビングで夕食を用意して待っていた。
俺は洗面台に向かって手を洗い、自室に鞄を置いて部屋着に着替えて脱衣所へ。
脱いだYシャツと靴下を丸めて洗濯機にぶち込んでリビングに戻ると、小町が茶碗に盛りつけたご飯をテーブルに並べていた。
そして小町と向かい合うように椅子に座り、両手を合わせて一礼。
小町「いただけお兄ちゃんっ!」
比企谷「なんで命令形なんだよ……。……いただきます」
今日も親父とお袋は夜遅くまで仕事で不在。いつも通り、二人だけの夕食だ。
小町の手料理に舌鼓を打ちながら、他愛の無い会話を繰り広げる。
そして食器の上の料理が空になると、再び両手を合わせて一礼。
比企谷「ご馳走様でした」
小町「ゴチになりました!」
比企谷「いや、料理作ったのお前じゃん」
小町のボケに軽いツッコミを入れて、俺は空になった食器を水に浸して部屋に戻る。
ベッドに腰掛け、何気無くスマホを握ってそれを眺める。
……誰かにメールでもするか。
誰にメールする? 以下より多数決
①雪ノ下雪乃
②由比ヶ浜結衣
③平塚静
④戸塚彩加
⑤材木座義輝
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
735: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 14:27:27.06 ID:lxBzMexN0
1
736: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 14:29:28.31 ID:XdI9vbHN0
2
737: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 14:29:57.60 ID:2z8TaJGNo
1
738: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 14:30:57.15 ID:COYdN4fc0
1
739: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 14:32:47.06 ID:7YiQCuAdo
4
740: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 14:33:22.81 ID:2LgedHxa0
1
743: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/09(日) 14:50:51.74 ID:bnO26ILE0
……雪乃にでもメールするか。
なんとメールする? 以下より多数決
①今週末、ウチに来て受験勉強で疲れてる小町の相手をする件について
②明日も話し合いをするのかどうかについて
③議事録の別紙の内容について助言を求める
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
744: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 14:51:57.60 ID:2z8TaJGNo
1
745: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 14:52:09.15 ID:2LgedHxa0
2
746: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 14:52:58.13 ID:COYdN4fc0
1
747: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 14:56:01.40 ID:er5wB533o
1
748: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/09(日) 15:24:00.78 ID:bnO26ILE0
そういや昨日『今週末、ウチに来て受験勉強で疲れてる小町の相手をしてやってくれ』とかなんとか命令したな。
明日は金曜だし、その件について少し聞いておくか。
スマホをぬるぬると操作して『何時ぐらいにウチに来るのか』というような内容を打ち込みメールを送信。
そしてしばらくベッドで横になって待っていると雪乃から返信がくる。
差出人『雪ノ下雪乃』
題名 『こんばんは』
本文 『私は何時でも構わないわ。
けれど私はあなたの自宅を知らないのよ。
だから最寄り駅まで私を迎えに来て頂戴。』
比企谷「……、」
八幡はどう返信する? 以下より多数決
①「わかった」と返信
②「なら自宅じゃない別の場所にするか?」と返信
③「由比ヶ浜と一緒に来いよ。あいつウチの場所知ってるし」と返信
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
749: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 15:26:01.17 ID:lxBzMexN0
1
750: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 15:26:06.78 ID:er5wB533o
1
751: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 15:29:49.92 ID:XdI9vbHN0
3
752: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 15:30:35.34 ID:kK0Z4zvjO
1
753: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 15:33:01.03 ID:2LgedHxa0
1
754: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/09(日) 16:42:54.91 ID:bnO26ILE0
……まああいつは方向音痴だし、俺が迎えに行くのが得策か。迷子になられても困るしな。
俺は『わかった。じゃあ10時頃に海浜幕張駅北口で待っててくれ』と入力してメールを送信。
しかし返信はすぐには来ず、仕方がないので俺は別の用事を済ませることにした。
比企谷「……さてと、俺は議事録の別紙を書き上げねぇといけねぇのか。適当にでっち上げたのが失敗だったな……」
スマホを掴んで部屋を出て、パソコンの置いてある親父の書斎へと向かう。
無駄に高級感の漂う黒塗りのソファに座り、パソコンの電源を入れて文章制作ソフトを起動する。
キーボードをカタカタパチパチ連続タッチしていると、そばに置いてあるスマホが突然振動し始める。
誰かからの着信だ。
着信はメール、電話のどちら? 直下のコンマ判定により決定
偶数の場合はメール 奇数の場合は電話 (相手は次の安価で決定)
756: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/09(日) 16:55:06.60 ID:bnO26ILE0
誰からの電話? 以下より多数決
①雪ノ下雪乃
②由比ヶ浜結衣
③平塚静
④戸塚彩加
⑤材木座義輝
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
757: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 16:55:34.08 ID:2LgedHxa0
1
758: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 16:57:40.53 ID:XdI9vbHN0
2
759: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 16:58:16.84 ID:lxBzMexN0
1
760: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 16:59:14.82 ID:2z8TaJGNo
1
761: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 17:00:04.05 ID:COYdN4fc0
1
764: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/09(日) 21:47:51.53 ID:bnO26ILE0
キーボードを打つ手を止めてスマホを操作すると、画面に表示された名前は『雪ノ下雪乃』だった。
比企谷「しかも電話……。何かあったのか……?」
不穏な気配を感じながら受信のパネルをタッチしてスマホを耳元へ近付ける。
生唾を飲み込み、噤んだ唇を開き、僅かに吸い込んだ空気を言葉と共に吐き出した。
比企谷「……もしもし」
雪ノ下『……』
呼び掛けるも返事はない。
比企谷「……、もしもーし?」
雪ノ下『……』
再度呼び掛けるも応答はなし。
耳元に当てたスピーカーからはうんともすんとも聞こえない。
電波障害を疑ってスマホの画面を見るが、電波に問題は見られない。
つまり問題なのはこの電話越しに繋がっている雪乃だ。
なんなんだ、一体何がしたいんだあいつは。
無駄に緊張して強張った全身の筋肉を解すように大きく息を吐き、再び耳元へスマホを近付ける。
比企谷「(……これでなにも反応がなかったら切るか)」
そう決意し、三度目の呼び掛け。
比企谷「もしもし。なんの用だ雪乃」
雪ノ下『…………あ。……え、えっと』
ようやく俺の言葉に反応を示した雪乃だが、その声音はどうも上擦っているように聞こえた。
なぜ雪乃がこんなたどたどしい物言いなのかは気になったが、とりあえず言葉の続きを促す。
比企谷「なんだ?」
雪ノ下『…………や、夜分遅くに恐れ入ります。そちら、比企谷様のご自宅で……より、よろしかったでしょうか……?』
比企谷「どうした。二重の意味でどうした雪乃。頭でも打ったか?」
雪ノ下『わ、私は貴宅のご子息である比企谷くんと同じ部活動に所属している雪ノ下雪乃と申します。現在彼はご在宅でしょうか?』
比企谷「……おい待て落ち着け雪乃。まずお前が電話をかけてんのは自宅じゃなくて俺の携帯だ」
雪ノ下『ご自宅にはいらっしゃらないのですか? そうですか……』
比企谷「おい俺そんなこと一言も言ってねぇぞ。本当にどうしたお前?」
いかんな、詳しい理由は不明だが雪乃のやつ色々暴走してキャラがブレまくってんぞ。
ていうかどんだけ畏まってんだよ、いつものナチュラル見下し発言はどこに鳴りを潜めた?
765: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/09(日) 21:54:34.52 ID:bnO26ILE0
なにやら様子がおかしい雪乃。 八幡はどうする?
①電話を切ってメールを送る
②電話を続けてなんとか落ち着かせようとする
③小町に助けを求める
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
766: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 21:54:57.14 ID:lxBzMexN0
2
767: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 21:56:42.24 ID:XdI9vbHN0
2
768: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 21:57:06.14 ID:4jhcth4X0
2
775: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/09(日) 23:34:02.68 ID:bnO26ILE0
雪ノ下『では彼は何時頃にご帰宅なされるのでしょうか?』
比企谷「もう帰って来てるよ。……つーか今こうして会話してるんだが」
雪ノ下『そうですか。では恐れ入りますが、今週末の件で彼に伝えなければならない事があるので、取次をお願い出来ますでしょうか?』
比企谷「……、」
……こいつアレだ。俺が小学生の時に女子の家に連絡網を回したときと同じ反応してやがる。
電話で聞こえる声って、普段会話している時と若干異なって聞こえるんだよな。
おそらく雪乃は会話している相手が俺だと気づいていない。
聞き馴れない声だから俺を親父か別の誰かと勘違いしてるのだろう。
加えて相手の言葉の始めに意識を集中しているせいか、後半の部分を殆ど拾えていない。
だから会話が上手く噛み合わないのか。
……ったく、ずいぶんと世間知らずなお嬢様だなおい。
比企谷「わかった、少し待ってろ」
そう告げて俺は一度スマホを耳から話す。
そして喉の調子を確かめるようにスマホのマイクの部分を押さえながら軽く咳払いをして、俺は意図的に普段より低めの声を出した。
比企谷「あー、もしもし? なんの用だ雪乃?」
雪ノ下『……っ、こ、こんばんは比企谷くん。いえ、さっきのメールの件についてなのだけれど』
比企谷「さっきのメール? ああ、週末の件についてか。それがどうかしたのか?」
雪ノ下『ええ、その件で私から少し提案があるの。メールで伝えるのは味気ないからこうして電話を掛けたのだけれど……め、迷惑だったかしら?」
比企谷「いや別に、全然」
雪ノ下『そ、そう……』
比企谷「で、なんだよ提案って?」
雪ノ下『……。……あ、あの、その、これは提案と言うよりは、私の個人的な要望になってしまうのだけれど……』
雪乃の提案とは? 以下より多数決
①由比ヶ浜さんを誘ってもいいかしら
②受験勉強の息抜きをするなら、自宅よりもディスティニーランドの方が良いと思うの
先に5票集まった選択肢で先に進みます。
776: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 23:35:53.32 ID:Q3Qif9/R0
2
777: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 23:38:43.84 ID:XdI9vbHN0
1
778: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 23:40:11.71 ID:2LgedHxa0
2
779: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 23:40:44.68 ID:GzqNPg4mo
ガハマさん誘ううんぬんでここまで挙動不審になるのも違和感あるから2で
780: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 23:42:22.01 ID:8sXKoqVN0
2
781: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/09(日) 23:42:49.83 ID:s9bCDmUg0
2
790: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/10(月) 21:37:40.32 ID:Gp44k2QB0
雪ノ下『受験勉強の息抜きをするなら、自宅よりもディスティニーランドの方が良いと思うの』
比企谷「……。なにお前、ディスティニーランド行きたいの?」
雪ノ下『わ、悪いかしら』
比企谷「いや、悪くはねぇけど……」
そういやこの前テレビで『パンさんのバンブーハント』がリニューアルされたとかなんとか言ってたな。
雪乃のお目当てはそれか。だから個人的な要望なわけだ、納得。
だがその要望を叶えるのは少々ハードルが高すぎるな。
何故なら小町は今年高校入試を控えた受験生だからだ。
比企谷「……でも小町はあれでも受験生だし、そんな長時間遠出させてる余裕はねぇんだよな」
現在小町は自室に籠城して鋭意勉強中。
この前あった塾の模試で総武高校への合否判定が『C』だったのでお兄ちゃんはかなり心配している。
なので「頑張れ小町、負けるな小町、お兄ちゃんがついてるゾ☆」って励ましたら「きもい」って一刀両断されたっけ。
きっと受験勉強で疲れてたんだな、だからあんな素気ない態度だったんだろう。
あの日見た小町の目が冷め切っていた理由を俺はまだ知らない。
比企谷「受験勉強の息抜きっつっても『休憩時間の遊び相手』って意味で頼んだわけだから、それはちと厳しいな」
雪ノ下『……、……そう』
やんわりと要望を断ると、電話越しの雪乃は力なくそう呟いた。
おいなんでそんなあからさまに意気消沈してんだよ。なんか俺が悪い事言ったみてぇじゃねぇか。
八幡はどうする? 以下より多数決
①「……、ディスティニーランドはまた今度な」
②「今日の帰り道で由比ヶ浜が『今度の日曜日どっか遊びに行こう』とかなんとか言ってただろ。それで一緒に行ってくればいいんじゃねぇの?」
先に5票集まった選択肢で先に進みます。
792: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 21:38:49.97 ID:FqPjq8si0
1
794: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 21:39:23.79 ID:Nw8zGn6mo
1
796: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 21:40:06.07 ID:dGrnsNgho
1
797: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 21:40:11.48 ID:Bv+u6pXxO
1
799: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 21:40:44.53 ID:uxmmNV2V0
1
815: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/10(月) 22:58:44.37 ID:Gp44k2QB0
……。
比企谷「……、ディスティニーランドはまた今度な」
雪ノ下『っ、……そ、そう。わかったわ、また今度ね。………………また今度』
比企谷「……。んじゃ、そろそろ切るぞ」
雪ノ下『ええ、今夜は突然電話してごめんなさいね』
比企谷「別に構わねぇよ。……ついでに面白いもんも聞かせてもらったしな」
雪ノ下『? 比企谷くん、それは一体どういう意』
比企谷「あー、じゃあな雪乃、また明日な」
雪ノ下『――味かしら……って、待ちなさい比企谷くん。まだ話は終わってな』
話を終わらせまいとする雪乃の制止の声を振り切り、俺はスマホを操作して通話を終了した。
そして追求の電話がかかってこないように電源をオフにして、スマホをデスクの端に置いて再びタイピングを再開する。
それから議事録の別紙を書き上げ、コピー用紙に印刷を終えたのは30分後のことだった。
このあとはどうする? 以下より多数決
①疲れたので寝る
②切っていたスマホの電源をオンにする
③小町の勉強をみる
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
816: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 23:02:36.19 ID:cy0euiFq0
2
817: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 23:02:36.93 ID:cgyDl8+u0
2
818: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 23:03:07.72 ID:Bv+u6pXxO
2だと面白そうだなwww
2で
2で
819: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 23:03:16.43 ID:tS0oGI6s0
2
829: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/10(月) 23:49:28.82 ID:Gp44k2QB0
比企谷「……まあこんなもんだろ」
俺は過去の記憶を引っ張りだして仕上げた議事録の別紙に不備がないことを確認すると、パソコンの電源を切ってスマホとプリントを掴んで自室へと戻った。
それからプリントを鞄の中へ折り目がつかないように慎重に仕舞い、そのあとはベッドへ仰向けに倒れ込む。
比企谷「あー…………疲れた」
このまま寝てしまってもよかったのだがなかなか寝付けず、仕方がないので先程電源を切った暇潰し機能付き目覚まし時計の電源を入れた。
しばらく待機していると闇色の画面から一転、メーカーのロゴやら使用上の注意が表示されたあと待ち受け画面が表示される。
画面上部の通知バーにはメールと着信のアイコンが表示されていた。
『新着メール24件、不在着信5件』
…………………………え?
夏休みの悪夢がフラッシュバックしながら恐る恐るメールボックスを開くと、液晶画面には
何が表示された? 以下より多数決
①すべてスパムメール
②『雪ノ下雪乃』の名前で埋め尽くされている
③『平塚静』の名前で埋め尽くされている
④『雪ノ下雪乃』と『平塚静』の名前に紛れて『☆★ゆい★☆』の名前が一件表示されている
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
831: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 23:50:14.17 ID:5zQZPez9o
ちなみに3
832: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 23:51:38.46 ID:cgyDl8+u0
4
833: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 23:51:43.98 ID:Bv+u6pXxO
2
834: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 23:53:17.20 ID:Fq1L0Mwp0
2
835: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 23:53:43.95 ID:xRjm03aAO
4
836: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 23:54:38.63 ID:bvQnB3kqo
2
837: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/10(月) 23:54:55.58 ID:XkZXRXBi0
雪ノ下らしくないけど面白そうだから2で
851: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/11(火) 21:40:47.91 ID:ZFCBNOIv0
夏休みの悪夢がフラッシュバックしながら恐る恐るメールボックスを開くと、液晶画面には
hachiman's mobile
『差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃
差出人 雪ノ下雪乃』
比企谷「」
――『雪ノ下雪乃』の名前が黒々と隙間なく表示されていた。
……おいおいおいなんだこれなにしたどうした俺どういう状況なんだこれなにこれなにこれなにこれ。
一瞬で背筋が凍りつき歯の根が合わなくなる。
このままでは呪い殺されると悟り、一刻も早くホーム画面に戻ろうとスマホを操作するが、恐怖のあまり指先が震えて思うように操作出来無い。
そして震える指先が触れたのは、あろうことか『戻る』のパネルではなく『開く』のパネルだった。
差出人『雪ノ下雪乃』
題名 『non title』
本文 『何か返事をして頂戴』
八幡はどうする? 以下より多数決
①見なかったことにして寝る
②小町に助けを求める
③返事をする(内容は選択された場合、自由安価で決定)
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
852: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 21:42:19.99 ID:51s/fDHHo
2
853: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 21:43:20.31 ID:/ENVq/RAO
3
854: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 21:43:27.08 ID:oucG6nsFo
2
855: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 21:44:21.42 ID:hL96ye9r0
3
856: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 21:44:46.39 ID:0LyD8t1j0
3
857: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 21:45:43.44 ID:Z10LqDHn0
3
858: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/11(火) 21:54:21.86 ID:ZFCBNOIv0
↓5 返事の内容は?(あまりにも酷い内容の場合は別の安価を採用)
863: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 22:02:54.19 ID:xECDxiQ80
やっはろー!
869: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/11(火) 22:41:57.62 ID:ZFCBNOIv0
……『何か返事をして頂戴』ってなんだよ。逆に怖いわ。
これより前のメールを開けば攻略の糸口は見えそうな気もするが、爆弾積んでる可能性の高いメールを開く勇気なんてねぇしな……。
だからもうここは『やっはろー』とでも返信しておこう。『!』もつければいけるハズ(適当)。
未だ小刻みに揺れる指先でなんとか文字を入力して送信パネルに触れる。
そして『送信完了』の文字を確認すると、ようやく指先の震えが止まった。
比企谷「なんだったんだよ一体…………」
緊張の糸が途切れて深々と溜め息をついたその刹那、手中で暇潰し機能搭載型目覚まし時計が暴走を再開する。いい加減にしろ。
誰からのメール? 以下より多数決
①雪ノ下雪乃
②由比ヶ浜結衣
③k-saki1026@azweb.ne.jp
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
870: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 22:43:38.91 ID:MbhYwA92O
1
871: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 22:43:48.22 ID:0TnEv3EAO
そろそろ2
872: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 22:43:55.50 ID:0LyD8t1j0
1
873: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 22:45:11.15 ID:Z10LqDHn0
1
874: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 22:45:32.18 ID:Krbu05ZIo
1
880: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/11(火) 23:05:23.60 ID:ZFCBNOIv0
僅かな苛立ちを感じながらメールボックスを開くと、再び姿を現すのは漆黒の文字群。
先程の画面との変化は一切ない。
ただ一点、既読のアイコンが付いたメールの上に『雪ノ下雪乃』の名前が表示されているのを除けば。
比企谷「……これアドレス教えなかったほうがよかったんじゃねぇか……?」
俺はそうぼやきながら一番上のメールを恐る恐る開く。
差出人『雪ノ下雪乃』
題名 『non title』
本文 『電話をかけてもいいかしら』
……。
…………アホなのかこいつは? 電話するのにわざわざ伺い立てる必要あんの?
八幡はどうする? 以下より多数決
①『勝手にしろ』と送信
②『ダメだ』と送信
先に4票集まった選択肢で先に進みます。
881: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 23:05:54.01 ID:mQdozHbG0
1
882: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 23:06:57.20 ID:MbhYwA92O
1、来いよ雪ノ下ァ!病みなんか捨てて掛かって来いよ!
883: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 23:06:59.13 ID:0LyD8t1j0
1
884: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/11(火) 23:07:28.31 ID:vKx9mWfj0
1
903: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/13(木) 00:53:22.56 ID:hh/2GuiV0
……ったく、あいつは真面目過ぎるというか融通が利かないというか……。
比企谷「…………もう勝手にしろ」
呟いた言葉をそのまま文字に変換し、俺は雪乃へ送信する。
しばらくするとスマホが振動し始めたので、受信のパネルにそっと触れて耳に当てる。
スピーカーから伝わる声は、先程の上擦った声音とは打って変わって落ち着き払っていた。
雪ノ下『こんばんは』
比企谷「おう」
雪ノ下『また随分とぞんざいな返事ね……』
比企谷「いいだろ別に。『おう』という二文字はいついかなる状況においても万能な言葉なんだぞ」
比企谷「それに『おう』を漢字で書くとちゃんと心が込められてるし。だから『応』はぞんざいな返事なんかじゃねぇよ」
雪ノ下『また屁理屈を……』
比企谷「はっ、屁理屈を言って何が悪い。物事を真正面から見てもわからねぇもんは沢山あんだぞ」
雪ノ下『……そうね。とくにあなたみたいなひねくれ者は、無理矢理背後に回り込まないと実像は見えなさそうよね』
比企谷「そうかもな。でもまあ背後に回り込まれても後ろを向けば問題ねぇけど」
雪ノ下『あら、それは不可能よ。だって私が背後から一瞬で締め上げるもの』
比企谷「おい待て暴力はなしだろ」
雪ノ下『暴力ではないわ。それはあくまで調教……ごめんなさい、言葉を間違えたわ』
雪ノ下『それはあくまで矯正の為だもの。躾をするには肉体と精神の両方に痛みを与えて恐怖心を植え込み、それを絶妙のさじ加減で操作して手懐けるのが一番手っ取り早いのよ』
比企谷「鞭ばっかかよ……、飴はねぇのか飴は」
雪ノ下『躾のなっていない犬に与える餌なんてないわ。それくらい私が口にしなくても理解しなさいハチガヤくん』
比企谷「人のことを忠犬ハチ公みたいに呼ぶんじゃねぇよ。あと俺は飼い主が死亡した後も駅前で帰りを待ち続けるほど健気じゃねぇから」
雪ノ下『そうね。確かにあなたは健気ではないかもしれないけれど、待ち続けることに関しては一家言あるのではないの?』
比企谷「…………は?」
雪ノ下『あなたは変わらないことを望んだのでしょう? 現状維持を、不変を貫くことを、恒常であり続けることを、あなたは望んだのよね?』
比企谷「……おい、なんだ急に」
雪ノ下『「勝手にしろ」――と言ったのはあなたよ。だから私は勝手に言っているの。まあ由比ヶ浜さんに咎められているからこれ以上はあまり言及する気はないのだけれど』
比企谷「……平塚先生からその話を訊いたのか」
雪ノ下『……ええ、つい十数分前、メールで平塚先生から昨日のあなたと平塚先生の会話について教えられたわ。そしてそれはおそらく由比ヶ浜さんにも伝わっているはずよ」
比企谷「……っ、……そうかよ」
雪ノ下『……あなたの意志がそう簡単に揺らぐものではないのは重々承知しているわ。何故ならあなたは一度決めたことはどんなに手段や方法が間違っていたとしても、最後までやり遂げてしまうのを私はすぐそばで何度も見てきたから」
雪ノ下『……けれどそれでも、それでも私はあなたの抱えている苦悩を知って、ただ黙っていることなんて出来なかった』
比企谷「……、」
雪ノ下『……、』
比企谷「…………すまん雪乃、…………少し、考えさせてくれ」
雪ノ下『……わかったわ。……今日は、突然こんな話題に誘導してしまってごめんなさい』
比企谷「気にすんな、……とは流石に言えねぇな。…………まぁとりあえず、じゃあな」
雪ノ下「……ええ、おやすみなさい。…………また明日」
雪乃との通話を終えた俺は部屋の電気を消し、両眼を固く閉じた状態でベッドへ飛び込み、思考を深い意識の奥底へと沈めた。
比企谷「…………もう勝手にしろ」
呟いた言葉をそのまま文字に変換し、俺は雪乃へ送信する。
しばらくするとスマホが振動し始めたので、受信のパネルにそっと触れて耳に当てる。
スピーカーから伝わる声は、先程の上擦った声音とは打って変わって落ち着き払っていた。
雪ノ下『こんばんは』
比企谷「おう」
雪ノ下『また随分とぞんざいな返事ね……』
比企谷「いいだろ別に。『おう』という二文字はいついかなる状況においても万能な言葉なんだぞ」
比企谷「それに『おう』を漢字で書くとちゃんと心が込められてるし。だから『応』はぞんざいな返事なんかじゃねぇよ」
雪ノ下『また屁理屈を……』
比企谷「はっ、屁理屈を言って何が悪い。物事を真正面から見てもわからねぇもんは沢山あんだぞ」
雪ノ下『……そうね。とくにあなたみたいなひねくれ者は、無理矢理背後に回り込まないと実像は見えなさそうよね』
比企谷「そうかもな。でもまあ背後に回り込まれても後ろを向けば問題ねぇけど」
雪ノ下『あら、それは不可能よ。だって私が背後から一瞬で締め上げるもの』
比企谷「おい待て暴力はなしだろ」
雪ノ下『暴力ではないわ。それはあくまで調教……ごめんなさい、言葉を間違えたわ』
雪ノ下『それはあくまで矯正の為だもの。躾をするには肉体と精神の両方に痛みを与えて恐怖心を植え込み、それを絶妙のさじ加減で操作して手懐けるのが一番手っ取り早いのよ』
比企谷「鞭ばっかかよ……、飴はねぇのか飴は」
雪ノ下『躾のなっていない犬に与える餌なんてないわ。それくらい私が口にしなくても理解しなさいハチガヤくん』
比企谷「人のことを忠犬ハチ公みたいに呼ぶんじゃねぇよ。あと俺は飼い主が死亡した後も駅前で帰りを待ち続けるほど健気じゃねぇから」
雪ノ下『そうね。確かにあなたは健気ではないかもしれないけれど、待ち続けることに関しては一家言あるのではないの?』
比企谷「…………は?」
雪ノ下『あなたは変わらないことを望んだのでしょう? 現状維持を、不変を貫くことを、恒常であり続けることを、あなたは望んだのよね?』
比企谷「……おい、なんだ急に」
雪ノ下『「勝手にしろ」――と言ったのはあなたよ。だから私は勝手に言っているの。まあ由比ヶ浜さんに咎められているからこれ以上はあまり言及する気はないのだけれど』
比企谷「……平塚先生からその話を訊いたのか」
雪ノ下『……ええ、つい十数分前、メールで平塚先生から昨日のあなたと平塚先生の会話について教えられたわ。そしてそれはおそらく由比ヶ浜さんにも伝わっているはずよ」
比企谷「……っ、……そうかよ」
雪ノ下『……あなたの意志がそう簡単に揺らぐものではないのは重々承知しているわ。何故ならあなたは一度決めたことはどんなに手段や方法が間違っていたとしても、最後までやり遂げてしまうのを私はすぐそばで何度も見てきたから」
雪ノ下『……けれどそれでも、それでも私はあなたの抱えている苦悩を知って、ただ黙っていることなんて出来なかった』
比企谷「……、」
雪ノ下『……、』
比企谷「…………すまん雪乃、…………少し、考えさせてくれ」
雪ノ下『……わかったわ。……今日は、突然こんな話題に誘導してしまってごめんなさい』
比企谷「気にすんな、……とは流石に言えねぇな。…………まぁとりあえず、じゃあな」
雪ノ下「……ええ、おやすみなさい。…………また明日」
雪乃との通話を終えた俺は部屋の電気を消し、両眼を固く閉じた状態でベッドへ飛び込み、思考を深い意識の奥底へと沈めた。
915: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/13(木) 22:25:10.50 ID:hh/2GuiV0
視界が捉えるのはすべてを無に帰す闇の色。
周囲の様子を伺う以前に自身の姿を確認することさえ叶わない。
いつからこんな暗然とした空間に身を沈めていたのだろうか。
疑問を覚えて過去を振り返っても、想起されるのは悶絶必至の黒歴史。
いついかなるときも纏わりついて離れない、解除不能の呪われた鎖が全身に絡みついている。
ろくに身動きも取れず、ただその場に縫い止められる。
退路はあったはずなのに、いつの間に消失した。
それはきっと新たな居場所を手に入れてしまったから。
そこが居心地が良い事を知ってしまったから。
すぐ近くにいたあいつらが、自分の居場所を見つけ出してくれたから。
『違うよ。待たないで、……こっちから行くの』
『あたしはヒッキーのことが好き。たぶんゆきのんが、ヒッキーのことを好きになるずっと前から』
『……でも、今はあなたを知っている』
『あなたが出来ないと言った人を愛する行為を、私が可能にしてみせる』
『本当に欲しい大切なものはすぐ近くにあるということを、君はよく覚えておきたまえ』
本当に、欲しい、大切なもの。
――俺が、
――俺が望むのは、
――俺が大事なのは、
916: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/13(木) 22:25:36.99 ID:hh/2GuiV0
かけがえのない者
①雪ノ下雪乃
②由比ヶ浜結衣
③雪ノ下雪乃と由比ヶ浜結衣
先に6票集まった選択肢でルート確定
917: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/13(木) 22:26:49.70 ID:TkvOR5MMo
1
918: VIPに変わりましてNEPPERがお送りします 2013/06/13(木) 22:26:57.83 ID:KpiFH59+0
1
919: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/13(木) 22:27:49.17 ID:NGztlyHeO
1
920: VIPに変わりましてNEPPERがお送りします 2013/06/13(木) 22:27:51.10 ID:ZNdcf9Tj0
1
921: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/13(木) 22:28:10.50 ID:Ez1tscDq0
1
922: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/13(木) 22:28:34.97 ID:MzjUnk04o
1
934: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/13(木) 22:57:11.36 ID:hh/2GuiV0
比企谷「……っ」
カーテンの隙間から差し込む陽の光で俺は目を覚ました。
起床後特有の倦怠感に包まれた身体をゆっくりと起こしてしばし黙考。
部屋に置いてある時計の短針は、5と6の数字の狭間を指し示していた。
…………さて、どうすっかな。
八幡はどうする? 以下より多数決
①朝食を作る
②外へ散歩に出掛ける
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
937: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/13(木) 22:58:16.62 ID:1wTfFgepo
2
938: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/13(木) 22:58:18.89 ID:SEUiPbQr0
2
ゆいゆいは俺がもらっていきますね
ゆいゆいは俺がもらっていきますね
939: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/13(木) 22:58:59.53 ID:Uh8PtAgMo
続き来てた、連投スマソ。
2
2
944: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/13(木) 23:34:51.26 ID:hh/2GuiV0
比企谷「……たまには早朝の散歩でもしてみっかな」
普段はひきこもりのくせに今日に限って柄にもなくそう呟き、俺は部屋着から動きやすそうな私服に着替える。
そしてスマホを手に取り待ち受け画面を表示すると、バッテリー残量が残り20%に減少していた。
学校でバッテリーが切れると色々面倒なので、スマホは充電器をコネクタ部分に差し込んで机の上に放置。
代わりに腕時計をズボンのポケットに仕舞って自室を出た。
階段を降りて洗面台で顔を洗い、眠気覚ましに昨日川崎からもらったMAXコーヒーを飲んで家を出る。
空を見上げれば、東方の低い位置に浮かぶ日輪が住宅街を穏やかに照らしている。本日も晴天ナリ。
散歩の最中に誰かと遭遇した? 以下より多数決
①川崎沙希
②材木座義輝
③遭遇しなかった
先に3票集まった選択肢で先に進みます。
945: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/13(木) 23:35:54.95 ID:NGztlyHeO
2
946: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/13(木) 23:36:47.36 ID:qFCVF+JxO
3
947: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/13(木) 23:37:46.92 ID:1wTfFgepo
3
948: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/13(木) 23:38:29.64 ID:MzjUnk04o
3
960: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/14(金) 00:07:51.50 ID:ms+dobdb0
意見が半々なので、短編を一本やって本編の続きをやろうと思います。
↓4 誰の短編? (複数人可)
↓4 誰の短編? (複数人可)
963: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 00:14:12.89 ID:IzckbHwx0
デレのん
965: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/14(金) 00:46:54.05 ID:ms+dobdb0
【名前とは裏腹に、雪ノ下雪乃はあたたかい】
雪ノ下「……ねぇ比企谷くん」クイクイッ
比企谷「ん?なんだ雪ノ下」
雪ノ下「今日は一段と冷え込むわね」
比企谷「あーそうだな、寒いな。なんか昨日と今日にかけて今シーズン最強の寒波が襲来してんだとさ」
雪ノ下「そう。……ところで、比企谷くんは手袋は付けない人なのかしら」
比企谷「いや、俺は手袋は付けるぞ。でも手袋はけさ小町に持っていかれたから付けたくても付けらんねぇんだよ」
雪ノ下「……もしかして、あなたがマフラーを巻いていないのも……」
比企谷「その通り、マフラーも持っていかれた」
比企谷「……あんのアホシスター、昨日降った雪で雪合戦して自分のマフラーと手袋びしょ濡れにしやがって……っ」
雪ノ下「小町さんの手袋とマフラーは洗濯中というわけね」クスッ
雪ノ下「……、」
雪ノ下「…………比企谷くん、これ、もしよければ」スッ
比企谷「ん?これって……手袋?しかも左手だけ?」
雪ノ下「私の手袋よ。片方だけでもないよりは幾分かは温かくなると思うわ」
比企谷「いや、でもそしたらお前の左手が冷えちまうじゃねぇか」
雪ノ下「あら、そんなことないわよ。だって」
――ぎゅっ
雪ノ下「…………こうしてあなたの右手を握れば、……あたたかいもの」
Fin.
974: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/14(金) 20:44:26.58 ID:ms+dobdb0
それと本編は次スレから再開することにしました。
なので残りは短編で埋めたいと思います。
↓3 誰の短編? (複数人可)
なので残りは短編で埋めたいと思います。
↓3 誰の短編? (複数人可)
978: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/14(金) 20:53:42.67 ID:hegcgfAAo
葉山と戸塚(と海老名さん)
983: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/15(土) 11:46:30.38 ID:s7XgCFM50
【やはり海老名姫菜は腐っている】
戸塚「えっと、葉山くん、少しいいかな?」
葉山「ん? どうしたんだ戸塚?」
戸塚「あのね、さっき海老名さんに指摘されたシーンがあるでしょ?」
葉山「……ああ、バオバブの部分か」
戸塚「うん。それでぼく自身こういった劇ってやったことがないから、感情移入……? みたいなの、全然出来なくて……」
葉山「あー、……うん、そうだな。でもそんなに気負う必要はないんじゃないかな?」
戸塚「そうかなぁ……」
葉山「この台本は少し特殊だから、あまり感情移入することは意識しないほうがいいと思う」
戸塚「意識……しない……?」
葉山「そう。それで役を演じる上で重要なのは自然体でいることかな。戸塚の役である『ぼく』は一人称がぼくだから、戸塚は普段の生活通りにやればきっと大丈夫だ」
戸塚「そっか…………うん、そうだね。ありがとう葉山くん」
葉山「礼には及ばないよ」ニコッ
海老名「『その代わり、今日の放課後は俺の自宅で朝まで演技指導に突き合ってもらうけどな』」
戸塚「ッ!?」ササッ
葉山「ま、待ってくれ戸塚。今のは俺じゃない、俺じゃないから!」
海老名「『バオバブは大きくなる前は小さいから、俺が大きく育ててやらな――ぶ腐っ!!』」バタンッ
「また海老名さんが倒れたぞー!」
「またッ!? 今日だけで3回目だぞ!?」
「また床についた血を拭かないといけないのか……」
戸部「ちょ、海老名さんダイジョブ!?」
三浦「またやった……。姫菜、あんた文化祭だからってはしゃぎすぎだし」
葉山「……誰か、姫菜を保健室まで」
海老名「…………く、腐ってなお……わが人生に……悔い、なし……!」
由比ヶ浜「みんなたっだいまー……――って、なにこれどういう状況ッ!?」
Fin.
戸塚「えっと、葉山くん、少しいいかな?」
葉山「ん? どうしたんだ戸塚?」
戸塚「あのね、さっき海老名さんに指摘されたシーンがあるでしょ?」
葉山「……ああ、バオバブの部分か」
戸塚「うん。それでぼく自身こういった劇ってやったことがないから、感情移入……? みたいなの、全然出来なくて……」
葉山「あー、……うん、そうだな。でもそんなに気負う必要はないんじゃないかな?」
戸塚「そうかなぁ……」
葉山「この台本は少し特殊だから、あまり感情移入することは意識しないほうがいいと思う」
戸塚「意識……しない……?」
葉山「そう。それで役を演じる上で重要なのは自然体でいることかな。戸塚の役である『ぼく』は一人称がぼくだから、戸塚は普段の生活通りにやればきっと大丈夫だ」
戸塚「そっか…………うん、そうだね。ありがとう葉山くん」
葉山「礼には及ばないよ」ニコッ
海老名「『その代わり、今日の放課後は俺の自宅で朝まで演技指導に突き合ってもらうけどな』」
戸塚「ッ!?」ササッ
葉山「ま、待ってくれ戸塚。今のは俺じゃない、俺じゃないから!」
海老名「『バオバブは大きくなる前は小さいから、俺が大きく育ててやらな――ぶ腐っ!!』」バタンッ
「また海老名さんが倒れたぞー!」
「またッ!? 今日だけで3回目だぞ!?」
「また床についた血を拭かないといけないのか……」
戸部「ちょ、海老名さんダイジョブ!?」
三浦「またやった……。姫菜、あんた文化祭だからってはしゃぎすぎだし」
葉山「……誰か、姫菜を保健室まで」
海老名「…………く、腐ってなお……わが人生に……悔い、なし……!」
由比ヶ浜「みんなたっだいまー……――って、なにこれどういう状況ッ!?」
Fin.
989: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g 2013/06/15(土) 13:03:53.68 ID:s7XgCFM50
【なんだかんだで、彼と彼女は似通っている】
雪ノ下「比企谷くんの改善点を挙げていきましょう」
由比ヶ浜「え? いきなりどうしたのゆきのん?」
陽乃「比企谷くんの改善点かー。いろいろ欠点があるからまず何を言うか困っちゃうね」
由比ヶ浜「陽乃さんがいる!? え? なにこれどういうこと?」
雪ノ下「あら姉さん、彼が早急に改善すべき点は端から決まっているじゃない。あの腐った双眸以外にあるかしら?」
由比ヶ浜「ゆきのんは勝手に始めちゃうし……。……あ、あたしは猫背かなぁ」
陽乃「うーん……わたしは性格だね。比企谷くんはひねくれ過ぎてて、あんまりわたしの思い通りに動かせないのがちょっとね」
由比ヶ浜「(陽乃さんの言ってることがなんか怖い……)」
雪ノ下「……二人とも、一体何を見当違いな事を言っているのかしら。『目は口ほどに物を言う』とよく言うでしょう? 人間が喜怒哀楽の感情を最も顕著に表すのが目なのよ」
雪ノ下「何もしゃべらなくとも目つきから相手の感情がわかり、また言葉で偽りごまかしていても目を見ればその真偽がわかる。ひねくれ者の彼にはこれが一番効果的なはずよ」
由比ヶ浜「目と目だけで理解し合えるとかなんかすごいロマンチックだなぁ……」
陽乃「んー? でも雪乃ちゃん、その言い分だと性格を改善すればあの腐った目も同時に改善されることだよね? そもそも雪乃ちゃんはどうやって比企谷くんの腐敗した目を改善するつもりなのかな?」
雪ノ下「そんなの決まっているじゃない。私がただひたすら比企谷くんの目を見つめ続けるだけよ」
雪ノ下「もし彼が目を逸らしても目の前に移動して見つめ続ける。瞼を閉じたら無理矢理こじ開けて見つめ続ける。彼に小細工は通用しないのよ。策を弄じてもすべて斜め下にすり抜けられてしまうから」
由比ヶ浜「……ゆ、ゆきのんちょっと怖いよ……」
陽乃「雪乃ちゃんの真っ直ぐすぎる性格も、少し考えものだよね」
Fin.
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