1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 21:07:20.42 ID:zmKO3Grt0
提督「うう……もう11時か。この書類、今日中に終わるかなあ……」

雷 「司令官、何か手伝えることはない? もっと私を頼っていいのよ!」

提督「ああ、ありがとう雷。でもこれは提督しか見ちゃいけない機密書類だからな。悪いけど…」

雷 「そっか……。じゃ、じゃあ、私が司令官を元気にしてあげるわ!」

提督「えっ?」

雷 「司令官は動かなくていいから。じっとしててね」

提督(一体何をするつもりなんだろう……)ドキドキ

雷 「じゃあ行くわよ!」


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引用元: 【艦これ】雷「司令官を元気にしてあげるわ!」 

 

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 21:07:51.28 ID:zmKO3Grt0
雷 「はーっ!!」

提督(!?)

雷 「…………」

提督「…………」

提督(あ、あれ? それだけ?)

雷 「……え、えっと……?」

提督(やっぱりこれだけなのか。なんか目で訴えてきてるし、ここは一つ……)

提督「う、うおおおお! なんか急に元気とやる気が出てきたぞ!」ガタッ

雷 「本当!? 司令官、良かった!」パァァ

提督「ああ、ありがとうな雷! これならあと一週間は戦えるぞ!」ナデナデ

雷 「えへへ……」テレテレ

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 21:09:05.95 ID:zmKO3Grt0
提督「さ、もう遅いから雷は部屋に戻って寝てきなさい」

雷 「えっ、でも司令官はまだ書類が……」

提督「さっき雷に元気を貰ったおかげで、すぐ終わりそうだから大丈夫だよ。暁たちも心配するだろうし、な?」

雷 「……うん、わかったわ。司令官、あんまり無理して夜更かししちゃダメよ?」

提督「わかってるよ。心配いらないって」

雷 「それじゃあ、おやすみなさい司令官! また明日も一緒に頑張りましょ!」

提督「ああ、おやすみ」

ガチャ、バタン

提督「……うん、なんだか本当に元気が出てきたな。よし、やるぞ!」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 21:13:27.76 ID:zmKO3Grt0

―― 一週間後

雷 「司令官! はい、今日の分の書類! 大淀さんから貰ってきたわ!」ドサッ

提督「おお、今日はまた一段と多いな……」

雷 「司令官、私も手伝うわ! 一緒に頑張りましょ!」

提督「うう……。雷の優しさが沁みるな……。よし、頑張ろうか」

雷 「その意気よ、司令官!」


4時間後


提督「ふう、やっと半分ぐらい終わったか……」

雷 「……」チラッチラッ

提督「……? どうかしたか、雷?」

雷 「あ、司令官がそろそろ疲れてないかなって思って」

提督「うーん、確かに今日はずっと書類仕事だったからなぁ。ちょっと疲れたかな」

雷 「そ、そう? じゃあ、その、また私が司令官を元気にしてあげる!」

提督「……ああ、前にやってくれた「はーっ」か?」

雷 「う、うん。あのとき司令官が『一週間は戦える』って言ったけど、もう一週間経ったし……」

提督(……なるほど、「仕事」をもらえて嬉しかったのか。まあ、やってもらえる分には悪いこともないし、喜んでくれるなら別にいいか)

提督「そうだな、そろそろまたしてもらった方がいいかもなぁ」

雷 「う、うん! そうよね!」パァァ

雷 「それじゃ行くわよ! はーっ!」

提督「……うおおおお! 気力がみなぎってくるぞお!」ガタッ

雷 「えへへ、もっと私に頼っていいのよ?」

提督(雷が嬉しそうだからいいけど、これを毎週やるのかなぁ……。ちょっと恥ずかしいな)

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:34:31.87 ID:zmKO3Grt0

―― 一ヶ月後

大淀「提督、失礼しま……」コンコン

「はーっ!」

大淀「!?」

大淀「な、何かあったんですか!?」バタン

大淀「……? 雷さん? どうしたんですか、提督に手を向けて……。それにさっきの大声は……?」

提督「あー、これはだな……」

雷「あっ、大淀さん! さっきのは、司令官に元気をあげてたの!」

大淀「元気を?」

雷「うん! こうやって、司令官にはーってすると、元気になってくれるのよ!」

大淀「は、はぁ……」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:37:12.08 ID:zmKO3Grt0

雷「司令官に元気になってって念をいっぱい込めるのがコツね!」ドヤァ

大淀「ふふ。こんなに提督想いの子が秘書官で、提督は幸せですね」

提督「そうだな。雷にはいつも助けてもらってるよ」

大淀「あらまあ」

雷「ほっ、本当、司令官!?」

提督「ああ。いつも一生懸命仕事を手伝ってくれるし、ありがとうな、雷」ナデナデ

雷「えへへ、司令官……。嬉しい……」クネクネ

大淀「提督、二人の世界を作っておられるところ申し訳ありませんが、書類です。明日までにお願いします」

提督「うん、わかった。わざわざありがとうな。あと、そういうんじゃないから」

大淀「それでは邪魔者は退散しますね。ごゆっくり……」

提督「いやちょっと待って誤解」

バタン

提督「……。あれはわかってやってるな。全く、上官をからかいやがって。けしからん」

提督「とりあえず書類仕上げとくか……。あ、雷、お茶入れてくれないか?」

雷「えへへ、司令官……」ポヤー

提督「……自分でやるか」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/02(水) 19:46:25.00 ID:2pNySFv20
提督「ついにこの時が来たか……」

雷「第二次SN作戦ね!」

提督「提督になって1年。コツコツ大型建造を繰り返して、大和、大鳳、ビスマルクを手に入れたし、皆の練度も高くなった」

雷「三式弾も徹甲弾も艦載機も頑張って開発したわ!(金剛さんと赤城さんが)」

提督「今回はいける! やるぞー!」

雷「おー!」

提督「というわけで雷、景気付けに『アレ』やってくれないか?」

雷「うん、任せて! えへへ、やっぱり司令官は私がいないとダメね!」

提督(毎週やってもらってるうちに、何となくクセになっちゃったんだよなあ。やってもらわないと何かしっくり来ないというか)

雷「はーっ!」

提督「……よし、行くぞ! 第二次SN作戦、発動だ!」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/02(水) 19:49:53.90 ID:2pNySFv20

―― イベント海域(E-2)攻略終了

飛龍「艦隊、帰投しました! 提督、勝ちましたよ!」

提督「おお、本当か!(報告は来てるから知ってるけど) でかしたぞ飛龍! 艦隊の皆も、よくやってくれた!」

夕立「夕立ったら、結構頑張ったっぽい! てーとくさん、褒めて褒めて~!」

提督「うむ、夕立えらい、えらいぞ!」ナデナデナデナデ

夕立「えへへー、てーとくさんに褒めてもらえると、夕立、嬉しいっぽい!」

時雨「……」ジーッ

提督「時雨もよくやったな! お疲れ!」ナデナデナデナデ

時雨「……ううん、提督の作戦のおかげだよ」

雷「みんな、お疲れ様! 入渠の準備ができてるから、順番にお風呂に入ってね!」

提督「全員の入渠が終わったら、今日は祝勝会だ! 鳳翔、準備を任せてもいいか?」

鳳翔「お任せください。朝から仕込んでいましたから、もう少しで準備できますよ。雷ちゃんも手伝ってくれるかしら?」

雷「任せて! それじゃ司令官、私はお手伝いに行ってくるね!」

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/02(水) 19:52:09.05 ID:2pNySFv20

―― イベント海域(E-5)攻略中

提督「…………」

雷「し、司令官、大丈夫? 元気ないじゃない、そんなんじゃダメよ?」

提督「……疲れた」

雷「え?」

提督「もう疲れたよおぉ! E-2までは割とスムーズだったのに、なんでいきなり難しくなるんだよ! あと札の種類多すぎだろ! もうわけわかんねぇよ!」

雷「し、司令官? キャラ変わってるわよ?」

提督「もう俺はダメだ……雷、慰めて……」

雷「もう、司令官はしょうがないわね! ほら、これでいい?」ギュッ

提督「うーん、あと一押し……」

雷「司令官は大丈夫よ! 私が側にいるから!」ナデナデ

提督「あー、癒される……」

雷「司令官、はーってする?」

提督「うん、するー……」

雷「じゃあ、ちょっとそこに座っててね? むむむ(念を込めてる)……。はーっ!」

提督「……ぃよっし! 元気でた! 例年から言ってたぶんE-6が最後だろうし、頑張るぞ!」

雷「その意気よ司令官!(切り替えはやいなあ)」

22: ◆etL/UCAryc 2015/09/02(水) 22:52:10.79 ID:2pNySFv20
―― イベント海域(E-6)攻略終了

提督「E-7……だと……?」ガクッ

大淀(あ、膝から崩れ落ちた)

雷「し、司令官! 元気出して!」

提督「もうダメだ……おしまいだぁ……」

雷「そんなことないわよ! 次が最後なんだから、頑張りましょ!」

大淀「そうですよ。資源だってまだ3万ほどあるじゃないですか。高速修復剤も300個ありますし、きっと大丈夫ですよ」

提督「いやいや、今回の海域だってギリギリだったじゃん……。次はたぶんもっと難しいし、もう疲れたよパトラッシュ……」

??「情けないぞ、提督!」

提督「な、何奴!?」

24: ◆etL/UCAryc 2015/09/02(水) 22:55:00.49 ID:2pNySFv20

長門「私だ!」ババーン

提督(まあ、声でわかってたんだけど)

長門「提督よ、なぜ挑戦する前からダメと決めつける! 戦う前から敵前逃亡とは、帝国軍人の名折れではないか!」

提督「長門……。でも、俺の心はもうポッキリ折れちゃったんだよ……」

長門「見くびるな!」

提督「!!」

長門「我々は提督の駒ではない! ともに戦う仲間ではないか! 提督の心が折れたのであれば、我々が支える!」

提督「長門……」

金剛「テイトクー! 私もいるネー! 疲れちゃったんなら、私に任せてくだサーイ!」

夕張「そうですよ、提督! 提督には私達がついてるんですからね!」

雷「し、司令官! 私も! 私もついてるから!」

提督「みんな……」

提督「……うん、そうだよな。よし! 当たって砕けろだ! 明朝からE-7の攻略を開始する! 皆、今日はゆっくり休んでくれ!」

提督「みんなのおかげで元気が出たよ! ありがとう!」

皆「おー!」

雷(むう……私が司令官を元気にしてあげたかったのにい……)

25: ◆etL/UCAryc 2015/09/02(水) 22:57:23.58 ID:2pNySFv20
長門「フッ、いつもの調子が戻ったようだな、提督」

提督「ああ、ありがとう長門」

長門「礼を言われるほどのことでもないさ。だがどうしてもと言うなら、次の海域の連合艦隊旗艦を務めてやってもいいぞ?」ドヤァ

提督「あ、それは大和にやってもらうから」

長門「っ!? で、では第二艦隊の旗艦を……」

提督「っていうか、長門はE-5に出たからもう出れないよ?」

長門「なにっ!? では私は何をすればよいのだ……。そうだ、遠征だ! 駆逐艦たちを率いて東京急行(弐)を……」

提督「いや、それはやめてください。マジで」

長門「(´・ω・`)」

提督「……ラムネください」

長門「(´・ω・`)つラムネ」スッ

30: ◆etL/UCAryc 2015/09/03(木) 00:43:42.77 ID:oxwi8kJn0
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―― イベント海域(E-7)攻略中

大和「提督。艦隊、帰投しました……」ボロッ

金剛「うー、提督ぅー! ソーリー、やられちゃったデース!」ボロッ

龍驤「いやー、あの軽巡の対空、ほんまシャレになってへんわ。勘弁してほしいで……」ボロッ

雷 「お帰りなさい! お疲れ様!」

提督「ああ、お疲れ。また派手にやられたな……よし、全員帰ってきているな。戦果はどうだった?」

大和「……FS方面海域深部において、防空棲鬼と遭遇、開戦しました。戦艦棲鬼を除く随伴艦は全て轟沈できたんですけど、その、防空棲鬼は……」

提督「今回もほぼ無傷、か……」

大和「ごめんなさい……」

提督「いや、君たちは悪くない。あの強敵相手に、よく戦ってくれた。全員の無事が何よりだからな。補給した後、順番に入渠してくれ。高速修復剤の使用については、また指示する」

大和「はい……失礼します……」

ガチャ、バタン

提督「…………」

31: ◆etL/UCAryc 2015/09/03(木) 00:49:49.48 ID:oxwi8kJn0

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提督「とはいうものの、あの防空棲鬼を破らないことにはあの海域は突破できない……。くそっ、駆逐艦であの硬さおかしいだろ。どうなってんだよ……」

雷 「はい、お茶。司令官も、少し休んだほうがいいわよ? 最近ずっと艦隊の指揮をとって、あんまり寝てないじゃない」

提督「ありがとう、雷。でもみんなが頑張ってくれているんだ。俺も頑張らないと。それより雷、また「はーっ」ってやってくれないか?」

雷 「えっ、でも、昨日もやったじゃない! 頼ってもらえるのは嬉しいけど、ちゃんと休んだほうが……」

提督「大丈夫だよ、海域さえ突破できればちゃんと休むから。はーってしてもらえれば元気が出るんだ。だから……」

雷 「……うん、わかった。でも司令官、無理しちゃダメよ? 司令官の体が一番大事なんだから。じゃあ、行くわよ!」

雷 (司令官が元気になりますように、司令官が元気になりますように、司令官が元気になりますように……。お願い、司令官を守って……)

雷 「はーっ!!」


32: ◆etL/UCAryc 2015/09/03(木) 00:51:50.27 ID:oxwi8kJn0

―― その日の夜

雷「……はあ」

電「雷ちゃん? 大きなため息ついて、どうしたのです?」

響「また司令官を励まそうとして失敗したのかい?」

雷「何よ、それじゃ私がいつも司令官のことしか考えてないみたいじゃない」

暁「違うの?」

雷「……最近、海域の攻略がうまくいってなくて、司令官が大変そうなのよ。でも……私じゃ、大したことできなくて……」

暁「やっぱりそうなんじゃない!」

雷「な、何よ……。いいじゃない、もう……!」

電「確かに最近の司令官はちょっとピリピリしてるのです」

暁「遠征の報告しに行った時も素っ気ないわね。前は無理やり頭ナデナデしようとしてたのに、最近はそういうのもないし」

雷(うう、そういうやりとりはちょっと羨ましいかも……)

響「でも、雷は秘書官として頑張ってるじゃないか。それじゃダメなのかい?」

雷「そういうんじゃなくて、もっとガツンと司令官の役に立ちたいの! 大和さんみたいに敵を一撃粉砕したり、北上さんみたいに先制雷撃したり!」

電「はわわ、雷ちゃん、妄想は大概にするのです」

雷「わかってるわよ……。はあ……」

雷(司令官にはよく「はーっ」てしてあげてるけど……私だってわかってる。あんなの、気休め程度の効果しかないんだって。司令官は優しいから、付き合ってくれてるんだって……)

雷「うう……」ポロポロ

暁「ちょ、ちょっと、泣くことないじゃない!?」

電(うーん……雷ちゃんは司令官さんの前だと元気に振る舞うけど、司令官さんがいないと思いつめちゃうのが悪いところなのです)

響「これは重症だね……。それじゃあ、雷に秘策を教えてあげよう」

33: ◆etL/UCAryc 2015/09/03(木) 00:54:33.50 ID:oxwi8kJn0

雷「秘策?」

響「うん。聞いた所によると、男性は女性と一緒に寝ると元気になるらしいよ?」

電(それは、下半身限定なんじゃ……)

雷「ね、寝る……。それってまさか……」

暁「寝る? 添い寝ってこと?」

響「まあ、寝るっていったらそれしかないんじゃないかな」(すっとぼけ)

雷「でも、司令官は私でいいのかな……。もし、私じゃダメだって言われたら……」

雷「私……私……」ジワッ

暁「もう、何言ってんのよ! そんなの、雷らしくないわよ!」

雷「暁……」

暁「いつもバカみたいに司令官にまとわりついてるのが雷じゃない! それで司令官が嫌な顔したことある!?」

雷「う……ない、と思う」

暁「司令官が今更雷を拒否するわけないじゃない。いつも通りやればいいのよ! 寝るだけなんだし!」

電(それだけじゃないのですけど……。まあ、暁ちゃんだからしょうがないのです)

雷「うん……うん、私、やってみる! ありがとう、響、暁、電!」

バタン タッタッタッ

34: ◆etL/UCAryc 2015/09/03(木) 00:59:11.66 ID:oxwi8kJn0

暁「まったく、手のかかる妹なんだから!」プンスカ

響(暁には言われたくないんじゃないかなあ)

電「でも、雷ちゃんが元気になったのは良かったのです。暁ちゃんはさすがなのです」

暁「と、当然よ! 一人前のレディなんだから!」フンス

響(かわいい)

電(かわいい)

42: ◆etL/UCAryc 2015/09/03(木) 21:42:52.33 ID:oxwi8kJn0
みんな、色々教えてくれてありがとう。勉強になります。

------------------------------------------

雷「司令官、今日は早めに寝るって言ってたし、もう寝てるかな……?」

コンコン

雷「……司令官、失礼しまーす……」

雷「……うん、寝てるわね。そ、それじゃ、ええっと、何するんだっけ……」

雷「まずは司令官の上に跨って……あ、その前に服はもう脱いじゃったほうがいいかな……? うう、恥ずかしいけど司令官のためなんだから……!」

モゾモゾ

提督「……んん? うーん、誰かいるのか……って、雷? あれ、なんで?」

雷「きゃあっ! 司令官、起きてたの!?」

提督「いや、寝てたけど……。さすがに人が来たら起きるよ。俺だって提督の端くれなんだしさ」

雷「司令官は端くれなんかじゃないわ! 立派な提督よ!」

提督「ああ、ありがとう。ところで雷はどうしたんだ?」

雷「え、えーっと、その……●●●?」ニコッ

43: ◆etL/UCAryc 2015/09/03(木) 21:44:46.57 ID:oxwi8kJn0

提督「…………はあぁぁ~~~~」

雷「えー! ひっどーい! なんで溜息なのよ!」

提督「いや、夜中に来るからなんか問題でも起きたのかと思ったら、●●●って……。あれ、暗くてよく見えなかったけど、もしかして……雷、服はどうした?」

雷「え、あ、そ、そうだ! 私、今下着姿なの。それで、しし、司令官、私の魅力はどう?」

提督「ば、馬鹿! 早く服着なさい!」

雷「ががが、我慢しちゃダメよ司令官。そ、その、私が元気にしてあげるからね!」

提督「無理してるのが見え見えだぞ。本当、そういうのはいいから。明日も早いんだから、寝かせてくれよ……」

雷「う……司令官。なんで? なんでしてくれないの? 私じゃダメなの?」

提督「いや、そういうんじゃなくてさ……。とりあえず服着て……」

雷「うぇ」

提督「?」

雷「うぇえええええぇぇぇぇーーーーん! 司令官のバカァーーーー!」

提督「い、雷さん!?」

雷「バカバカバカバカ! 司令官のバカ! もう知らないんだからぁ!」ポカポカポカ

提督「ちょ、ちょっと雷! ごめん! 俺が悪かったから! だから泣き止んで! 自室で半裸の女の子を泣かしてたなんて知られたら、俺の社会的立場がすごいことになっちゃうから! 青葉とかが来る前に!」

雷「うわーーーーーーーん」

44: ◆etL/UCAryc 2015/09/03(木) 21:46:12.76 ID:oxwi8kJn0

雷「……」グスッ

提督「落ち着いたか?」ギューッ

雷「……もっとぎゅってしてくんなきゃヤダ」

提督「はいはい。どうしたんだよ雷。なんかあったのか?」

雷「……」

雷「……最近、司令官、新海域の攻略頑張ってるでしょ?」

提督「ああ」

雷「私も、頑張ってる司令官の役に立ちたくて。でも、大和さんみたいに強くないし、何も出来なくて……。司令官も全然頼ってくれないし、私……」

雷「司令官にとって、必要なのかなって……」ギュッ

提督「いやいや、雷は今まで秘書官として一緒にやってきたし、今日も「はーっ」てしてもらったじゃないか」

雷「あんなの!」

雷「……あんなの、なんの効果もない。ただの気休めじゃない……」グスッ

提督「雷……」

45: ◆etL/UCAryc 2015/09/03(木) 21:47:39.28 ID:oxwi8kJn0

提督「なあ、雷。俺がまだ提督になりかけだった時から、ずっと一緒にやってきたよな」

雷「……うん」

提督「失敗した事も沢山あって、そのたびに一生懸命励ましてくれたよな。『私がいるじゃない!』って」

提督「作戦がうまく行った時とかは、俺以上にはしゃいで、褒めてくれた」

雷「……うん」グスッ

提督「雷がいたから、俺は今まで提督をやってこれたんだよ。雷がいないと、俺はとっくに不貞腐れて、ダメ提督になってたよ」

雷「……そんなことない。司令官はいつも頑張ってる、立派な提督だもの」

提督「だから、俺が頑張れるのは雷がいてくれるからだよ。雷は戦力的には大和にはなれないけど、『俺の』鎮守府にはお前が必要なんだ」

雷「……ほんと?」

提督「ああ。それに、さっき雷は「はーっ」なんて効果ないって言ってたけどさ。まあ確かに最初は無理やり感があったけど、あれはもう俺の中で習慣みたいになってしまってるからな。今さら無くなると俺が困るんだ」

雷「……司令官……」

提督「だから、自分が必要ないなんて言うなよ。雷に元気をもらえなかったら、俺はどうやって生きていけばいいんだ」

雷「……ふふっ。何それ。司令官ったら、大げさなんだから」

雷(……でも、そっか。司令官には、私が必要なんだ。良かった……)

46: ◆etL/UCAryc 2015/09/03(木) 21:49:58.76 ID:oxwi8kJn0

提督「さ、落ち着いたら、もう帰って寝な? だいぶ遅くなってきたしな」

雷「……ここで寝ちゃダメ?」

提督「ダメ。青葉とか金剛とかに見られたら面倒だからな」

雷「ちぇっ。あと少しだったのに……」

提督「全然あと少しじゃないぞ。ほら、早く服着て部屋にもどれ」

雷「はーい」





提督「それじゃあな、雷。今日は珍しい雷が見れて楽しかったぞ」

雷「もう……こういうのは今日で最後よ。明日からは、また元気な雷に戻るんだから!」

提督「ああ、よろしくな」

雷「……司令官」

提督「ん?」

雷(――――だいすき)

雷「……ううん、なんでもない。呼んでみただけ! それじゃ、おやすみなさい司令官! また明日、一緒に頑張りましょ!」

47: ◆etL/UCAryc 2015/09/03(木) 21:55:10.32 ID:oxwi8kJn0

―― 第六駆逐隊の部屋

雷「ふんふんふーん♪」ガチャ

響「おや、お帰り。やけに早かったね」

雷「ひ、響!? まだ起きてたの?」

電「雷ちゃん、静かにするのです。暁ちゃんが起きちゃうのです」

暁「くー、すぴー……」

雷「あ、うん……」

電「暁ちゃんが寝たから、そろそろ覗きに行こうかって話してたのです」

雷「何やってるのよ……」

響「それで、どうだったんだい?」

電「やっぱり痛かったのですか?」

雷「んー、秘密♪」

電「えー、ずるいのです! 姉妹間で秘密なんて、ダメなのです!」

響「雷、ずいぶん元気になったね」

雷「うん! ふふ、やっぱり司令官は、司令官だったわ!」

響「……そうか。よかったね。じゃあ私は寝るから。おやすみ……zzz」

雷(相変わらず寝付きが早いわね……。まあこんな時間だしね)

電「雷ちゃん。夜は長いのです。今夜は寝かさないのです……」

雷「はいはい。電も早く寝ないと、明日に響くわよ。それじゃ、おやすみー」

電「ああ、雷ちゃん、待つのですっ」

雷(私が必要だって、私が必要だって! えへへへへ、嬉しいよぉー……!」バタバタ

電「声に出てるのです、雷ちゃん……」

暁「くかー。もお、しれーかん、ナデナデしないでって言ってるでしょー……」

48: ◆etL/UCAryc 2015/09/03(木) 22:20:05.67 ID:oxwi8kJn0

―― 一週間後

提督「資源がなくなった……」orz

雷「し、司令官! 大丈夫よ、私が頑張って遠征して取ってきてあげるから!」

提督「……いや、結局ゲージも七割くらい残ってるし、期限も迫ってきてる。遠征をフル稼働させても無理だ」

提督「……諦めよう」

雷「……そっか。うん、仕方ないわね! 司令官は十分頑張ったんだから、落ち込むことないわよ!」

雷「司令官、今日の晩御飯は司令官の好きなの作ってあげるね! 何がいい?」

提督「カツカレー。あー、皆に怒られるかなー……。あれだけハッパかけてもらってこれだからなー……。気が重い……」

雷「考えすぎよ! みんなわかってくれるわ!」

提督「そうだといいんだけどなぁ。上にもなんか言われるだろうし、ハァ、全く……」

雷「司令官、たとえちょっとくらい怒られても、司令官は大丈夫よ!」

雷「だって、司令官には私がいるじゃない!」

提督「ありがとうな雷……。こんなダメな俺のために……」

雷「もう、そんなんじゃダメよ! ほら司令官、元気だして!」

提督「うーん、雷は元気だなぁ……。よし、俺もあとちょっと、頑張ろうかな……」

雷「その意気よ、司令官、えらいわ!」

提督「よし、雷、じゃあ一発、いつものやってくれないか?」

雷「! うん、任せて! 司令官、私が元気にしてあげる!」

雷「むむむ………(念を込めてる)」



雷「はーっ!」



おわり