恭介「戦線名はリトルバスターズだ!」 前編

506: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:14:51.20 ID:bfThhaTiO
ゆり「ただし、一つだけ聞いておくことがあるわ」

沙耶「オッケー!なんでも答えてあげようじゃない!」

ゆり「リトルバスターズ戦線は、理不尽な運命を強いた神に抗うための戦線」

ゆり「朱鷺戸 沙耶さん。あなたの神と戦う理由はなにかしら?」

沙耶「………え?」

 

引用元: 恭介「戦線名はリトルバスターズだ!」 

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浅見百合子
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507: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:15:34.81 ID:bfThhaTiO
恭介(…なるほど、これか)

沙耶「え、あーいや、えーっと。その質問って、どうしても答えないと駄目…なのかしら…?」

ゆり「さっき言ったじゃない?なんでも答えるって。どんな理由でもいいわ、正直に話して」

ゆり「言いづらかったら、短かったり、抽象的でもいいわ」

ゆり「これは、戦線で戦うための覚悟を問うものなのよ」

508: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:16:42.02 ID:bfThhaTiO
沙耶「うーっ…///」

恭介(沙耶が顔を、真っ赤にしている…!)

恭介「いいぞ、ゆりっぺ!そこだ、もっと追い詰めろ!畳み掛けろ!」

ゆ・沙「「あなた一体どっちの味方なのよ!?」」

509: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:17:46.18 ID:bfThhaTiO
真人「またろくでもない事考えてんだろ、恭介?」

恭介「そう見えるか?」

真人「見える」

恭介「じゃあついでに沙耶も見とけ、職人芸が見られるぞ」

沙耶「………よ」

ゆり「なに?声が小さくて聞こえないわよ?」

510: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:18:35.39 ID:bfThhaTiO
沙耶「理樹くんのことが諦められないからよっ!!」

沙耶「そーよ!完全無敵のスパイであるあたしも理樹くんの前ではただの恋する乙女なのよ!大好きなのよ!愛してるのよ!ベタ惚れなのよ!」

沙耶「諦めようとして自分から理樹くんの前から去ったっていうのに!こうして未練タラタラで死後の世界まで来ちゃったのよ!」

沙耶「なんて間抜け!滑稽でしょ?滑稽じゃない?笑いたければ笑うがいいわ!あーはっはっはっ!て笑いなさいよ!」

沙耶「あーはっはっはっ!」

511: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:19:58.00 ID:bfThhaTiO
真人「…すげえ、自虐芸だ。俺の言いがかり以上かもしれねえぜ…」

野田「真人、それ芸の自覚あったんだな…」

恭介「今日のはいつもより勢いがあったな。まさに愛のなせる技だ」

岩沢「棗が言うと、愛って言葉がすごく胡散臭く聞こえるのが不思議だな」

恭介「なぜだ!?」

512: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:21:03.03 ID:bfThhaTiO
沙耶「うぅ…なによぉ、頭でわかってても、心が割りきれないんだから仕方ないじゃない…」ブツブツ

恭介(沙耶がペタンと足をついて座り込んでいる、そんな沙耶を)

ゆり「笑うわけないじゃない、朱鷺戸さん」

沙耶「…え?」

恭介(ゆりっぺはまるで、泣いている子どもをあやすように優しく抱きしめた)

513: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:21:59.62 ID:bfThhaTiO
ゆり「とっても素晴らしい理由だと思うわ、だって死んでも諦められない人がいるんでしょ?」

ゆり「それは、あなたがそれだけ『理樹くん』って人のことを好きだからでしょ?違う?」

沙耶「…そうだけど」

514: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:22:49.73 ID:bfThhaTiO
ゆり「だったら、やっぱり素晴らしい理由よ。私は異性の誰かを、好きになったことがないからわからないけど」

ゆり「誰かを愛するからこそ戦おうっていう理由は、とても格好いいと思うの」

ゆり「みんなもそう思うでしょ!?思うなら拍手!!」

パチパチパチパチパチパチパチっ!!

恭介(本部は、部屋の中央にいるゆりっぺと沙耶を包むように、暖かな拍手に包まれた)

515: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:24:02.91 ID:bfThhaTiO
ゆり「これからは仲間よ、ともに戦いましょう。朱鷺戸…いえ、沙耶ちゃん」

沙耶「ええ…。ええっ!あたし頑張るわ、ゆりっ!」

遊佐「今のやりとりでお二人に友情が芽生えたようですね」

恭介「フッ…。雨降って地固まる、か」

ゆ・沙「「あんたが言うなっ!!」」

516: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:24:59.58 ID:bfThhaTiO
バキッ

恭介「げふっ!」

日向「おー、息ピッタリのハイキックだー」

真人「一瞬で仲が深まっちまいやがったぜ」

椎名「ふっ。戦線最強の座は渡さん」

517: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:25:57.54 ID:bfThhaTiO
野田「ところでゆりっぺ!もし、異性の誰かを好きになることがあるなら…。その時は、俺が…!」

ゆり「却下」

野田「うわあああああっ!!」

松下「頑張れ!野田!」

高松「私たち筋肉バカルテットは、いつもあなたの味方です!」

真人「とりあえず、マッスルエクササイザーでも飲めよ!な!」

恭介(こうして今日も夜が更けていった)

518: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:27:21.17 ID:bfThhaTiO
真人「なあ、恭介よぉ?お前沙耶のやつと、すごいいい感じの仲直りしてたよな?」

恭介「そうだぞ、真人。すごいいい感じの仲直りをした」

恭介「あの握手を期に、俺と沙耶の間には切っても切れない友情が芽生えたんだ…!」

真人「その沙耶のやつなんだが…」

真人「あれ以来俺たちに目もくれず、ゆりっぺ追いかけてねーか?」

519: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:28:29.55 ID:bfThhaTiO
恭介「ぐはぁ!」

真人「おいおい、そんなにダメージ受けるほどのことかよ!?」

恭介「そりゃ一途に理樹のためにループを繰り返すようなやつだ。ずっと見守ってたから愛着もわく」

恭介「俺的にはもう一人の妹のように思ってたやつなんだ…!」

520: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:30:26.50 ID:bfThhaTiO
真人「そして、そのもう一人の妹のように思ってたやつは、一瞬でお前以上にゆりっぺに懐いちまったと」

恭介「ぐふぅ!」

真人「お前、シスコンだもんなあ」

恭介「うるせえやい!ちゃんと深い部分では繋がってるんだ!問題ねえよ!」

521: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:31:25.31 ID:bfThhaTiO
真人「おお、まるで子どもが駄々をこねる時のようなキレ方に、『そうか、そいつは悪かった』と謝ってしまいそうだぜ」

真人「でもまあ仕方ないんじゃねえか?声も似てるし、お互い他人のような気がしないとか言ってたし」

恭介「このまま終わらんぞ…!俺は…!」

真人「ダメだこりゃ」

522: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:34:55.30 ID:bfThhaTiO
選択安価

自由行動 行きたい場所を選んでください

1 本部
2 音楽の聞こえる教室
3 校舎をぶらつく
4 図書館(一時的に選択不可)

23:40:00:00より
↓1

526: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/14(火) 23:40:18.78 ID:uhGVFRoAO
2

534: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:45:27.05 ID:bfThhaTiO
恭介(適当にブラブラ歩いてると、微かに騒がしい教室を見つけた。どうやらあそこらしい)

恭介(中では岩沢と3人の女生徒とが一心不乱に自分のパートを演奏している。すげえ熱の入りようだ)

女生徒A「おっと…ごめん、すぐ張り直す」

恭介(演奏が途切れる、なにかのトラブルみたいだな)

535: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:46:02.97 ID:bfThhaTiO
岩沢「ふぅ…じゃ、休憩」

女生徒B「はいですー」

女生徒C「あたし飲み物買ってきまーす!」

恭介(女生徒の一人が勢い良くドアを開け、俺の存在に気づかないまま、廊下を駆けていった)

恭介(騒がしいとこがなんとなく三枝の雰囲気とダブるな)

536: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:46:36.83 ID:bfThhaTiO
岩沢「ちょっと風に当たってくるよ」

恭介(他の二人にそう声をかけると、廊下へと出てくる。そこで俺と目があった)

岩沢「ん、よう棗、来てたのか。見学かい?」

恭介「ああ、そんなとこだ」

岩沢「来てたんなら廊下じゃなくて、教室に入れば良かったんじゃないか?」

537: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:47:18.33 ID:bfThhaTiO
恭介「いや流石に悪いだろ。練習の邪魔になる」

岩沢「お前が入ってきても、演奏が終わるまでは気付きやしないよ」

恭介「そいつはすごい集中力だな。あんな良い歌が歌えるわけだ」

岩沢「ん、なんだ?お前ファンにでもなったのか?」

恭介(岩沢がニヤっと笑う)

538: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:48:20.96 ID:bfThhaTiO
恭介「その通りだ。作戦があったから外からしか聞いてないが、すげえ良い歌だったぜ!」

恭介「日向から聞いたがGirls Dead Monsters(ガールズデッドモンスターズ)っていうバンドなんだろ?」

恭介「あんな歌聞かされて、ファンにならないわけがないな」

岩沢「へえ、そこまで言ってくれるのは嬉しいね。ちょっと移動しないか?すぐそこにバルコニーがある」

恭介(岩沢に誘われてバルコニーに移動する。風通しが良くて景色も良い場所だ)

539: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:49:11.76 ID:bfThhaTiO
岩沢「で、棗。なにがそんなに良かったのか聞かせてくれないか?参考にしたい」

恭介「構わないが、俺は音楽に関してはド素人だ。大したことは言えないと思うぜ?」

岩沢「いいよ、なんでも。むしろド素人のファンの感想だからこそ聞きたい」

恭介(岩沢が興味深そうに俺の顔をのぞき込んでくる。なら、今思ってることをそのまま言葉にしてみるか)

540: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:50:34.27 ID:bfThhaTiO
恭介「そうだな。お前の歌には『魂』がこもってると俺は感じた」

岩沢「『魂』?」

恭介(岩沢がキョトンとする)

恭介「ああ。こいつは俺の持論なんだがな。魂のこもってるものってのは、例え知識がなくても、理屈とかを飛び越えて心に響いたりするものなんだ」

恭介「人の姿とか、風景とか、芸術とか、なんでもな」

541: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:51:31.81 ID:bfThhaTiO
岩沢「あたしの歌には、それがあったのか?」

恭介「ああ。特に印象に残ってるフレーズがあれだな」

いつまでこんなところに居る?
そう言う奴もいた気がする
うるさいことだけ言うのなら
漆黒の羽にさらわれて消えてくれ

恭介「ってとこだ。ああ、こいつは本当に音楽が、歌うことが好きなんだってのがすげえ伝わってきたよ」

恭介「少なくとも俺はそう感じたぜ!」

542: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:52:22.37 ID:bfThhaTiO
岩沢「………フッ。そうか」

恭介(ひとしきり説明し終えると、岩沢は満足そうに小さく笑った)

岩沢「そうだな。あたしは自他共に認める音楽キチだからな」

岩沢「ちゃんと…伝わるやつには伝わるんだな」

恭介(そう言うと、岩沢はバルコニーの外の景色に目をやる。爽やかな風が通り抜け岩沢の髪を揺らした)

岩沢「………なあ、棗?おまえ」

543: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:53:14.25 ID:bfThhaTiO
女生徒C「おろ?お客さんですか?」

恭介(岩沢の言葉を遮るように、ペットボトルを抱えた女生徒が顔を覗かせた)

女生徒C「って出たーー!!妖怪火吹き男ーー!!」

恭介「誰が、火吹き男だ!」

恭介(随分懐かしいネタを持ち出された、確か最初のオペレーションの日、麻婆豆腐食った時のネタだ)

544: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:54:04.83 ID:bfThhaTiO
女生徒C「じゃあ、リザードン!?」

恭介「良いチョイスだな」

女生徒C「あっ、わかります?かっちょいいっすよねー!リザードン!」

恭介「俺は最初ゼニガメ選んだけどな」

女生徒C「おのれ、人類の敵めぇーーー!!」

545: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:54:57.02 ID:bfThhaTiO
岩沢「関根、落ち着け。ってか挨拶くらいしろ、棗はこれでも幹部だぞ」

関根「あたしは関根しおりです、担当はベースです」

恭介(さっきまでのテンションの高さはどこへやら。一転、落ち着いた挨拶をされた)

恭介「俺は棗 恭介だ、よろしくな」

546: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:55:39.09 ID:bfThhaTiO
岩沢「おい、ひさ子、入江。お前らも挨拶しとけよ」

恭介(岩沢がそう部室に向けて手招きすると、まず髪の長い小柄なやつが現れた)

入江「入江みゆきです、担当はドラムです」

恭介「棗 恭介だ、好きなポケモンはカメックス」

入江「…カメックス?」

547: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:56:23.92 ID:bfThhaTiO
関根「話すなみゆきちーー!!こいつは人類の敵だーー!!」

恭介(関根が必死になって入江を抱きしめていた、てめえカメックス派敵に回しやがったな)

女生徒A「おいおい、やけに騒がしいな、なんだよ」

恭介「カメックスだ、よろしく」

女生徒A「あん?舐めてんのか?」

548: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:57:12.16 ID:bfThhaTiO
関根「ひぃやあぁあーー!!ギャラドスの怒り買っちまった、このカメはーーーっ!!」

女生徒A「誰がギャラドスだ、ああぁん!?」

入江「しおりんも買っちゃったーー!!」

岩沢「おいおい、喧嘩はよせよ。あたしらがすげー仲悪いみたいじゃないか」

549: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:57:49.19 ID:bfThhaTiO
入江「そうですよー!ガールズデッドモンスターズはみーんな仲良しです!!」

関根「そうだーそうだー!!あたしたちポケットモンスターズは仲良しだー!!」

女生徒A「しつこい!」

ゴン!

関根「あうっ!」

550: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:58:40.17 ID:bfThhaTiO
恭介(今までのやりとりを見ただけでもわかるさ。すげー仲良いんだなこいつらは)

恭介「ま、冗談はおいといて。棗 恭介だ、お前らのファンになったから挨拶にきた」

ひさ子「ふーーーん、ファンねえ。あたしはひさ子だよ。担当はリードギター、よろしく」

551: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/14(火) 23:59:24.04 ID:bfThhaTiO
関根「とか言って、本当はミーハーな岩沢先輩目的では?げへへ」

恭介(笑い方がゲスい)

恭介「ま、そもそもの興味を持ったきっかけは確かに、岩沢の歌声だな」

関根「やめといたほうがいいですよー」

関根「岩沢先輩は音楽にしか興味持たない音楽キチですから、ぐふふ」

恭介(本当にゲスい笑い方が似合うやつだな、おい)

552: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/15(水) 00:00:13.22 ID:UTTQcMFHO
岩沢「関根、てめーなー!合ってるから反論できねーじゃねーか!」

恭介「合ってんのかよ!ってさっき言ってたよな」

ひさ子「こらこらーっ、無駄話してないで始めるぞー」

岩沢「よし、再開しよう」

553: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/15(水) 00:00:42.46 ID:UTTQcMFHO
関根「はーい!」

恭介(ひさ子を、先頭に教室へと戻っていった)

岩沢「おい、棗!やるよ」

恭介(投げられたものを受け取る、飲みかけのペットボトルだ)

岩沢「また、こいよ」

554: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/15(水) 00:01:32.58 ID:UTTQcMFHO
恭介(直後、ドアが閉められ一人きりになる)

恭介(これをどうしろと?)

555: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/15(水) 00:02:37.45 ID:UTTQcMFHO
選択安価

1 すぐさま関節キスに挑む
2 喉が乾くまで持ち歩く

00:05:00:00
↓1

556: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/15(水) 00:05:23.98 ID:KO2qmnCb0
2

559: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/15(水) 00:07:13.19 ID:UTTQcMFHO
恭介(助かるぜ、ありがたく貰っておこう)

恭介(そういやあいつ、途中でなにか言いかけてたな)

恭介(………なぜだかはわからない。だが、なんとなく嫌な予感がするような気がした)

579: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:17:50.89 ID:EKUMKYX3O
ゆり「はーい、というわけで今日も楽しい定例会議のお時間よ」

恭介(そんな呑気なゆりっぺの言葉で今日の定例会議が始まる)

恭介(実際、気楽なもんだ。大体は)

高松『今日も皆さん、元気に訓練に励みました』

ゆり『よろしい、解散!』

580: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:18:23.94 ID:EKUMKYX3O
恭介(だけで終わる。日向曰く)

日向『何か問題が起こるか、ゆりっぺがオペレーションを思いつくかしない限りはこんなもんさ』

恭介(とのことだ。だが、今日は少し様子が違った)

日向「なあ、ゆりっぺ一つ聞いていいか?」

ゆり「なにかしら、日向くん?」

581: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:19:06.83 ID:EKUMKYX3O
日向「なんで部屋が少し整理されて、ゆりっぺの机が新しい大きなものに変わって、更にゆりっぺの隣に沙耶が座ってるんだ…?」

恭介(日向が実に的確な状況説明をしてくれた。俺も含めておそらく全員、同じ疑問を抱いていただろう)

ゆり「なんだ、そんなこと?本日付けで沙耶ちゃんが、リトルバスターズ戦線の副リーダーに就任したからよ♪」

大山「あっそっかー。なるほ…えええええええっ!!副リーダー!?」

TK「I’ll be damned!!」

582: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:19:43.02 ID:EKUMKYX3O
恭介「な、なんだって…!」

恭介(ちょっと待て、沙耶。お前、俺の指示通りに動くって言ってたのはどうなった…)

沙耶「ふふん、よろしくね」

恭介(髪かき上げながら沙耶がそう言う。にしてもまた、すごいドヤ顔だな)

583: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:20:24.91 ID:EKUMKYX3O
藤巻「どういうことだよ?ゆりっぺ」

松下「何も聞いてないぞ」

ゆり「当然よ、今初めて言ったんだがら」

ゆり「いい?そもそもあたし達は素人から始まってるのよ。それに対して、沙耶ちゃんはプロのスパイ」

ゆり「沙耶ちゃんを副リーダーに置いてアドバイスしてもらうことで、戦線は今以上に強力な組織になるわ!」

584: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:21:16.71 ID:EKUMKYX3O
椎名「話の筋は通っているな」

野田「だが!今まで戦線に副リーダーなんてものは存在しなかったぞ、ゆりっぺ」

岩沢「少し唐突な新制度導入だな」

日向「しかも俺たちになんの相談も無しだぜ?」

藤巻「そこんところどうなんだよ?ゆりっぺ、説明してくれよ」

恭介(他のメンバーからも次々と声が上がる)

585: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:21:53.68 ID:EKUMKYX3O
ゆり「そうね、ずばり一言で説明するなら…」

ゆり「リーダー権限!!」

日向「ただのワガママじゃねえか!!」

ゆり「この戦線はあたしがトップ、つまりあたしがルールよ。文句は言わせないわ」

恭介(こうなってしまうと、どんな反論も通らないだろうな。みんなもそれをわかってるのか、反論もそこまでだった)

586: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:22:45.00 ID:EKUMKYX3O
真人「やれやれ、とんでもない独裁戦線だぜ…」

野田「だが、真人よ…!それがいいんじゃないか…!」

真人「えー、お前そういう趣味だったのかよ…?」

松下「そりゃあ、ゆりっぺに惚れてるくらいだからな」

高松「例えあなたがどんな趣味嗜好性癖の持ち主でも、私たち『筋肉バカルテット』はいつもあなたの味方です!」

587: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:23:30.40 ID:EKUMKYX3O
ゆり「はいはい、静かに。もしもの時は、ちゃんと沙耶ちゃんの指示に従うこと。いいわね!?」

恭介「沙耶が…!沙耶が俺たちから離れていく…」

大山「ねえ、恭介くんが血を吐きながら倒れ伏して、死にそうになってるけど放っておいていいの?」

真人「ほっとけ、いつもの馬鹿だ」

588: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:24:20.65 ID:EKUMKYX3O
恭介(これでも色々考えてるんだぜ、真人?副リーダーなんて立場についてしまえば、自由はある程度制限される)

恭介(そうなれば、俺が指示したくても沙耶に伝わらない。もしくは、沙耶が動けない状況が生まれるおそれがある)

恭介(さすがにまだ、俺が立華との和解を考えていることを、ゆりっぺが気づいたとは考えづらいが…)

恭介(俺たちの目的から考えたら沙耶が副リーダーになるのは、あまりよくないかもしれない)

589: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:25:27.22 ID:EKUMKYX3O
ゆり「はい、というわけで高松くん今日の報告よろしく」

高松「はい。武器庫からの報告によると、そろそろ弾幕が尽きかけています。補充が必要かと」

恭介「おお…、高松がまともな報告してるの初めて聞いたぜ!」

野田「恭介…!それは高松に対する侮辱発言だ!取り消してもらおうか?」

日向「野田、お前最近、キャラ変わりすぎじゃね…?」

590: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:26:36.52 ID:EKUMKYX3O
ゆり「というわけで、今夜はギルド降下作戦よ」

沙耶「降下作戦?パラシュートつけてスカイダイビングでもするの?」

ゆり「ほとんど正解だけど、ちょっと違うわ沙耶ちゃん♪」

ゆり「降下作戦といっても降下するのは地下なの」

ゆり「あたし達の仲間が武器作ってるとこよ、そこをギルドって呼んでるの」

591: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:27:15.66 ID:EKUMKYX3O
真人「全然違うじゃねえか!?」

ゆり「ああっ!?なんだって!?」

真人「おお、物凄い逆ギレに思わずこっちが土下座して謝るところだぜ」

野田「な、真人。いいだろ…!」

真人「いや、わかんねえよ…」

藤巻「最早、ドMの境地だぜ…」

TK「But i like it!!」

592: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:28:03.95 ID:EKUMKYX3O
恭介「ま、ようは天使にバレないように、地下に身を潜めてるってことか」

ゆり「たまにはまともなことを言うわね、棗くん」

ゆり「当然、ここを抑えられたら武器支援がなくなり、あたし達に勝ち目は無くなるわ」

ゆり「だから対天使用のトラップを何重にも仕掛けて、防衛できるようにしてるの」

593: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:28:53.76 ID:EKUMKYX3O
沙耶「地下…!トラップ…!」

恭介(やばい、沙耶が目をキラキラさせている。奇しくも、俺が用意した地下迷宮と似たような舞台だ)

恭介(加えてスクレボ大好きのあいつが、そんな場所興奮しないわけがない)

ゆり「今日の作戦はここにいる実行班でいくわよ」

岩沢「じゃ、あたしは戻るよ」

ゆり「ええ、お疲れ様。岩沢さん」

594: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:29:32.54 ID:EKUMKYX3O
恭介(岩沢が部屋の外へ向かう。あいつはあくまで陽動部隊だしな)

恭介「練習頑張れよ、そのうちまた見学させてもらうな」

岩沢「ああ、お前も気をつけてな」

恭介(そう言って小さく笑うと、岩沢は出ていった。あいつらのことだから、また練習するんだろうな)

595: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:30:23.58 ID:EKUMKYX3O
日向「なあ、恭介?お前最近、岩沢と仲良くね?」

恭介「ああ、ガルデモのファンになった事を話したからな」

高松「なんですって!?」

恭介(なぜか、高松が食いついてきた)

日向「ど、どうした高松いきなり…?」

596: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:31:13.80 ID:EKUMKYX3O
高松「恭介くんも、ガルデモのファンになったんですか!?」

恭介「ああ。その反応はお前もファンなんだな?高松」

高松「当然です!ガルデモの曲は全てCDにしてまとめているくらいです!」

恭介「マジかよ!?めちゃくちゃ羨ましいぜ高松!!」

高松「良かったらあなたの分のCDも作りますよ?」

恭介(高松の眼鏡がキラーンと光った)

597: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:31:56.33 ID:EKUMKYX3O
恭介「高松…、今日からお前を親友と呼ばせてくれないか?」

高松「もちろんです、恭介くん!ガルデモの魅力について語り明かしましょう!」

恭介「フッ…。俺は熱く語りすぎちまうからな。朝まで寝かさねえぜ…!」

恭介(こんな身近なとこに同士がいたとはな…!いやっほぉー!)

598: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:32:46.34 ID:EKUMKYX3O
ゆり「おーいそこー。朝まで語り合うのも結構だけど、別の日にしてね」

沙耶「でもお泊り会って楽しそうじゃない?あたしちょっと憧れてたのよね!」

ゆり「よーし、やりましょう!すぐやりましょ!今からやるわよ!沙耶ちゃん!」

599: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:33:32.29 ID:EKUMKYX3O
日向「おいおい待てぇ!ギルド降下作戦はどうなったんだ!?」

ゆり「…ちっ!」

日向「ええーっ……。なんで俺『空気読めよ』みたいな目で見られなきゃいけないんだよ…」

椎名「あさはかなり」

600: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:34:00.18 ID:EKUMKYX3O
恭介(…ま、いいか。せっかく、沙耶もゆりっぺも楽しそうにしてるんだからな)

恭介(副リーダーの件はまた、別の時に考え直すとしよう)

601: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:34:46.25 ID:EKUMKYX3O
恭介(深夜、NPC達が寝静まった頃。俺たちは体育館の裏口に集合していた。…が)

ゆり「遅いわね…、沙耶ちゃん」

恭介(沙耶一人だけが、集合時間になっても現れていない。すでに5分も過ぎている)

真人「あいつもあれでスパイなんだし、大丈夫だろ。ちょっとトイレにでも行ってるんじゃねえか?」

602: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:35:20.83 ID:EKUMKYX3O
椎名「…ならいいんだが。最悪女子寮から抜け出す際に、天使と遭遇したというのも考えられる」

藤巻「プロがそんなヘマすんのかよ?」

ゆり「馬鹿ね。あの娘あれで結構ドジなのよ、危なっかしくて見てられない程度には」

603: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:35:54.34 ID:EKUMKYX3O
恭介(ゆりっぺがそう答える。たしかにあいつはかなりドジだ)

恭介(それさえなければ、まさに完全無敵といっても良いかもしれない)

恭介(ゆりっぺが沙耶を甲斐甲斐しく世話焼いてんのも、あいつ自身が世話焼きというのもあるんだろうが)

恭介(沙耶のそういうドジなとことか子どもっぽいところが、放っておけないからなんだろうな)

604: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:36:37.62 ID:EKUMKYX3O
ゆり「こうなるならさっさと、あの娘のルームメイトのNPC追い出して、あたしが引っ越しとくべきだったわ!明日にでも実行すべきね…!」

日向「さらっと酷いこと言ってんじゃねえよ…」

高松「それより誰も、スパイなのにドジでいいのか、とツッコまないのが…」

松下「恭介の友達、以下省略」

605: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:37:14.64 ID:EKUMKYX3O
恭介(ともかく、さすがにそろそろ心配だ。ゆりっぺもかなり動揺しているのがわかる)

恭介(あの日語った、仲間が突然消えるってのは、あいつにとってトラウマのようなものなんだろう)

恭介(それがもし沙耶に起こってしまえば…)

沙耶「ごめーんっ!あたしとしたことが遅くなっちゃったわ!」

恭介(ふぅ…。とりあえず無駄な心配だったな)

606: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:38:08.30 ID:EKUMKYX3O
ゆり「沙耶ちゃん!遅いじゃない!心配した…」

恭介(ゆりがポカンとしている…、無理もないそこには)

沙耶「いやー、ちょっと仕度に手間取っちゃったわ」

恭介(身の丈もあろうかという、巨大なリュックを背負った沙耶がそこにいた…)

ゆり「あー、えーっと…沙耶ちゃん?無事だったのはなによりなんだけど、そのリュックはなに…?」

恭介(すごく聞きづらそうなゆりっぺ。が、正直俺はすでに察しが付いている…)

607: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:38:47.94 ID:EKUMKYX3O
沙耶「なにってスパイとしての必需品よ!本当はもうちょっと、数を絞ろうかと思ったんだけど」

沙耶「地下に降りたり、対天使用『トラップ』があるんならこれくらいは準備しないとね!」

ゆり「………」

恭介「………」

真人「………」

608: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:39:22.88 ID:EKUMKYX3O
日向「………」

大山「………」

野田「………」

藤巻「………」

高松「………」

TK「Jesus…」

椎名「あさはかなり」

609: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:40:30.46 ID:EKUMKYX3O
沙耶「…えっ?なにこの空気?みんなどうしたの?」

ゆりっぺ「沙耶ちゃん?たしかに地下に降りるし、『対天使用』トラップがあるわ…」

恭介(ゆりっぺが沙耶の両肩に、ぽんと手を起きながら説明する)

沙耶「でしょ!?地下に降りるし対天使用『トラップ』があるなら…」

ゆり「『対、天使、用』トラップよ」

610: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:41:13.45 ID:EKUMKYX3O
ゆり「あたし達が天使のために用意したトラップを、あたし達が降下する時にONにしてるわけないでしょ?」

沙耶「あ」

恭介(ゆりっぺがとてもわかりやすく区切りながら説明したのもあって、ようやく沙耶も理解したようだ)

恭介「これは…、くるな!」

日向「お前すげえ良い笑顔してんな…、恭介」

611: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:42:11.37 ID:EKUMKYX3O
沙耶「…ふふ、ふふふ、ふふふふふ、あーはっはっは!」

沙耶「そうよ!今の今まで勘違いしてたわよ!」

沙耶「ぶっちゃけ地下とかトラップとか聞いた時点で、スパイとしての血が騒ぐあまりそう思い込んでたわよ!」

沙耶「興奮のあまりワクワクしながら道具をリュックに詰めこんで、おまけに遅刻までしちゃったわよ!」

沙耶「どこの馬鹿よ!遠足前の子どもかっての!ほんと馬鹿ね!馬鹿丸出しね!笑えるわ!笑えるでしょ!?あーはっはっは!って笑いなさいよ!」

沙耶「あーはっはっは!!」

612: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:43:07.47 ID:EKUMKYX3O
ゆり「はいはい。わかったからちょっと落ち着きなさいよ、もう」

沙耶「…うぅ、あたしはスパイなのに…」ブツブツ

ゆり「もう笑ったり、怒ったり、泣いたり忙しいわね。ほらハンカチ使いなさい」

大山「なんか友達通り越して、お母さんと子どもみたいな二人だね」

高松「どっちかというとしっかりもののお姉さんと、手のかかる妹みたいな構図かと」

藤巻「あー、っぽいわ、ぽいぽい。まさにそれだわ」

613: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:44:10.05 ID:EKUMKYX3O
真人「恭介よぉ、あいつ完全にゆりっぺの妹キャラになっちまったぜ?」

恭介「だからなんだ?俺と沙耶は深い絆で結ばれている。二人が仲良くなるのはいいことじゃないか?」

大山「恭介くん。すごい大人な意見なのはいいけど、口から血を吐きながら言われても説得力ないよ…」

日向「そうだぜー、ってかさっきも口から血吐いてたろ?なんだよ、そういうキャラ付けか?」

恭介「そのつもりだ!」

日向「こえーよ!!どんなキャラ付けだよ!?個性の塊みたいなやつが、更にキャラ足そうとしてんじゃねえよ!!」

614: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:44:49.93 ID:EKUMKYX3O
藤巻「グダグダだぜ、まるでピクニックかよ…」

真人「まあまあ、別に沙耶が無事だったんだから良いじゃねえか」

真人「あって困るようなもんでもないんだしよ」

沙耶「困るわよ!ぶっちゃけめちゃくちゃ重いのよ!このリュック!」

615: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:45:20.96 ID:EKUMKYX3O
真人「なら俺が背負ってやるよ。こういう時のための筋肉だぜ。ほれ、貸せよ」

沙耶「…あっ」

恭介(真人が自然に沙耶からリュックを預かると、肩ベルトを調節してリュックを背負った)

真人「なんだよ、別に対して重くねえな。筋トレに丁度いいくらいだぜ!」

616: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:46:10.98 ID:EKUMKYX3O
沙耶「…あ、ありがと。真人くん」

真人「なーに良いってことよ」

恭介「さすがはうちの筋肉担当だぜ」

野田「待て真人!筋トレとあっては捨て置けん!なにより、お前一人に重いものを背負わせるものか!」

松下「そうだぞ!この場は俺に背負わせてくれ!」

617: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:46:49.37 ID:EKUMKYX3O
真人「えーやだよ!俺の筋トレ道具だぜ?」

高松「ならここは間をとって私が!」

ゆり「あーもう、いい加減行くわよ!そこのバカルテットは、じゃんけんでもなんでも適当に決めなさい!」

恭介(そんなこんなでようやく、秘密の入り口から地下へと進入し、先へと進み始めた)

恭介(あいこ20連発くらい叩き出したじゃんけんの結果、リュックは松下が背負うことになった)

618: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:47:22.14 ID:EKUMKYX3O
恭介「へえ、雰囲気出てるな。まさに地下ダンジョンって感じだ」

真人「なあ恭介。昔ドンキーコングやってた時に、こんな廃坑みたいなステージあったくねえか?」

大山「あ、僕それ知ってる!ディディーと一緒にトロッコ乗るやつでしょ!」

恭介「ああ、あれは神ゲーだったぜ!BGMが良い味出してたな」

619: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:47:59.02 ID:EKUMKYX3O
ゆり「はあ、緊張感の欠片も無いわね。男子ってどうしてこうなのかしら?」

恭介「青春のボーイズトークってやつだぜ!大目に見てくれよ」

野田「心配するなゆりっぺ、その分俺がゆりっぺのことをしっかり守って…」

カチッ

野田「ん?」

620: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:48:35.93 ID:EKUMKYX3O
沙耶「!トラップよ!伏せて!」

恭介(とっさに沙耶が野田を庇った)

ぶぅん!べしっ!

沙耶「きょげっ!ぐえっ!」

恭介(そして、そのままハンマーに吹っ飛ばされ壁にめり込んでいた)

621: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:49:18.58 ID:EKUMKYX3O
藤巻「!?トラップが解除されて…」

ゆり「沙耶ちゃああああああん!!」

ドカッ!

藤巻「げほっ!!」

622: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:49:53.76 ID:EKUMKYX3O
ゆり「沙耶ちゃん!大丈夫?怪我はない!?」

沙耶「大丈夫よ、あれくらいなんてこと無いわ。エクスタシーにも程遠いわね」

恭介(まともに食らったわりに、沙耶はピンピンしていた)

ゆり「そ、そう?女子としてあるまじき悲鳴してたほうは大丈夫?」

623: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:50:25.88 ID:EKUMKYX3O
真人「とりあえず自分がふっ飛ばした藤巻の心配もしてやれよ…」

松下「脇腹に突き飛ばしを食らった後、顔面から壁に激突してたな」

大山「藤巻くーん、傷は深いよー、大丈夫ー?」

日向「それ大丈夫じゃなくね…?」

624: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:51:22.35 ID:EKUMKYX3O
恭介「心配するな、ゆりっぺ。沙耶ならこの程度のトラップは、ダメージにもならねえさ」

ゆり「どうしてそう言い切れるのよ!」

恭介「理由はもちろん…、ドMだからだ!むしろご褒美だろ、な?」

ゆり「は?沙耶ちゃんをあなた達みたいな変態と一緒にするんじゃ…」

沙耶「ごめんゆり、あたしドMなのはマジなの…」

625: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:51:54.81 ID:EKUMKYX3O
ゆり「なーんだ、そうだったの♪今度部屋でしっぽりむふふといきたいところね!」

日向「どっちが変態だよっ!」

高松「もはや、沙耶さんの貞操の危機ですね…」

626: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:52:28.47 ID:EKUMKYX3O
野田「沙耶、すまん!助かった!」

沙耶「いいのよ別に。あ、でも野田くんもドMみたいだから、トラップ奪って悪いことしたかしら?」

野田「いや、俺はさすがにそこまでのMでは…」

松下「Mなのは認めるんだな」

高松「例え野田くんがMでも、以下省略」

627: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:53:14.10 ID:EKUMKYX3O
藤巻「いつつ、酷い目にあったぜ…!」

恭介「お、復活したか。藤巻」

藤巻「んじゃ気を取り直して…、トラップが解除されてねえ!?」

恭介「どういうことだ!?」

ゆり「総員臨戦態勢へ移行!!」

628: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:53:47.43 ID:EKUMKYX3O
真人「しれっとやり直しやがった…!」

野田「気にするな真人、俺は気にしない…!」

真人「お前それでいいのかよ…」

629: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:54:24.86 ID:EKUMKYX3O
日向「ともかく対天使用トラップが全て稼働中みたいだな、今のは軽い挨拶だぜ」

大山「まさかトラップの解除し忘れ?」

ゆり「いえ、ギルドの独断でトラップが再起動されたのよ」

真人「なんでだよ!いじめか!筋肉いじめて楽しいのか!?」

630: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:55:02.00 ID:EKUMKYX3O
ゆり「答えは一つしかないわ、天使が現れたのよ」

松下「この中にか!?」

TK「Just wild heaven…」

椎名「不覚…」

631: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:55:47.69 ID:EKUMKYX3O
恭介「なるほどな、もしギルドが天使に見つかり陥落すれば、武器や銃弾の補充・補填が利かなくなる」

沙耶「そのリスクを考えたら、例えあたしたちがいようとトラップを起動するのは正しいわね」

沙耶「なにせあたしたちは、絶対死なないんだし」

ゆり「その通りよ、みんな先に進みましょう!」

632: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:56:26.32 ID:EKUMKYX3O
藤巻「トラップが解除されてないんだぜ!?」

ゆり「それでもよ。天使が現れたのならギルドの救援に向かうべきよ」

恭介「正論だな、この状況だと行くしかない」

633: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:56:57.87 ID:EKUMKYX3O
恭介「それに沙耶のスパイセットがあるんだ、きっとなんとかなるさ」

沙耶「そーよ!こんなこともあろうかとばっちり準備してきたってわけよ!結果オーライね!」

日向「よし、じゃあみんな行こう!ゆりっぺに続くぞ!」

634: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:57:54.71 ID:EKUMKYX3O
恭介(さっきまでの空気を切り替え、ゆりっぺを先頭に慎重に進軍を開始する)

恭介(いくら死なない世界とはいえ、俺達は生身だ。一瞬の油断が命取りになりかねない)

恭介「日向、トラップにはどんなものがあるんだ?」

日向「いろんなのがあるぜ、楽しみにしてな」

635: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:58:27.74 ID:EKUMKYX3O
恭介(その時)

沙耶「来る!トラップよ!」

椎名「背後だ!走れ!」

恭介(先行していた二人が振り返り、全員に注意を促す)

恭介(後ろを確認すると、巨大な鉄球が落ちてきて道を塞ぐのが見えた)

636: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 21:59:14.51 ID:EKUMKYX3O
恭介「まさか…!」

大山「そうだ!ここはひたすら走り抜けなくちゃ、トラップにはまる通路だったぁーーー!!」

ゆり「逃げろぉぉーーー!!」

TK「Crazy for you!!」

恭介(全速力で通路を駆け抜ける!だが、前方はどうやら行き止まりだ。どこへ逃げる…!?)

637: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:00:23.78 ID:EKUMKYX3O
沙耶「右よ!みんな脇道に入って!」

恭介(すでに脇道に入った沙耶が、身を乗り出しながら場所を示してくれている)

恭介(その甲斐あってほぼ全員が脇道にたどり着く、だが…)

松下「まずいぞ!高松が間に合わない!?」

恭介(最後尾を歩いていた高松が逃げ遅れていた…!あのままじゃ、脇道にたどり着く前に潰されてしまう)

恭介(そう思った刹那)

638: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:01:05.35 ID:EKUMKYX3O
真人「高松うぅぅぅぅーーー!!」

恭介「真人!?」

恭介(真人が風のように飛び出していた、まさか鉄球を受け止める気か…!?)

野田「真人に続けぇーーー!!」

松下「今行くぞぉーーー!!」

恭介(真人に続いて、野田と松下も鉄球に向かって飛び出した!)

639: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:01:38.51 ID:EKUMKYX3O
ゆり「なにをする気!?」

恭介「鉄球を食い止める気だ!」

日向「んなの無茶だぜ!?」

三人「うおおおおぉぉぉぉ!!!」

ズサアァァァァァッ!!

640: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:02:14.90 ID:EKUMKYX3O
沙耶「駄目よ!勢いを殺しきれない!」

椎名「潰されるぞ!」

高松「みなさん…!うおおおおぉぉぉぉ!!!」

恭介(鉄球から追われていた高松が反転し、三人の加勢に入る)

641: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:02:55.03 ID:EKUMKYX3O
真人「いっくぜぇ!!筋・肉フル、パワーだあぁぁぁ!!」

四人「おおおおおおおっ!!!!!」

ズ、サアァァァ………、ピトッ

ゆり「あ…」

642: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:03:30.54 ID:EKUMKYX3O
恭介「や、やりやがった…!ギリギリで踏みとどまったぞ!」

沙耶「やったあ!!」

TK「Wonderful!!」

椎名「見事だ」

恭介(鉄球を押し戻しながら、四人が戻ってくる)

643: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:04:08.96 ID:EKUMKYX3O
日向「お前ら!大丈夫か!?」

真人「平気さ。あれくらい俺達の筋肉にかかれば、へでもねえぜ!」

松下「筋肉を舐めてもらっては困る!」

野田「俺達の筋肉の勝利だ…!」

大山「すごいよ!さすが筋肉バカルテット!」

645: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:04:58.61 ID:EKUMKYX3O
高松「みなさん、すみません。助けてくれてありがとうございます!」

真人「いいってことよ!俺達は筋肉で結ばれた仲間じゃねえか!」

野田「ふん、礼を言う必要すらない」

松下「高松が無事でなによりだ」

646: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:06:03.97 ID:EKUMKYX3O
パン!

恭介(手を上げ、ハイタッチをする四人)

恭介「やばい、感動した…!」

日向「今のは、文句なしでカッコよすぎだな」

藤巻「くっ…!俺ああいうのに弱えんだよ…!」

大山「なんで藤巻くんが男泣きしてるのさ!」

647: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:06:45.45 ID:EKUMKYX3O
恭介「にしても真人、お前なんか更に筋肉ついたんじゃないか?」

真人「おっ!さすがは恭介だな。実は学校の外にある橋の下で、ずっと四人で筋トレしてたんだよ」

真人「川も流れててな、筋トレにはうってつけの場所だぜ!」

恭介「へえ、そんな場所があるのか」

恭介(ちょっと興味あるな、今度行ってみるか)

648: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:07:18.48 ID:EKUMKYX3O
ゆり「四人とも!」

恭介(談笑ムードになりかけたところに、ゆりが割って入る)

ゆり「高松くんが無事だったのはなによりだったけど、下手したら四人も同時にリタイアしていたのよ!」

ゆり「ちゃんとそこまで考えて行動したの?」

649: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:08:00.71 ID:EKUMKYX3O
真人「考えてたさ。俺一人じゃ無理だが、松下と野田、高松の四人で押せばきっと止められるってな」

ゆり「なっ」

真人「そして、そのとおりになった。それじゃダメか、ゆりっぺ」

恭介(ゆりっぺを真っ直ぐに見つめながら、真人はそう言い返してみせた)

650: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:08:34.08 ID:EKUMKYX3O
椎名「仲間を信じていたからこそ…か」

ゆり「でも…!」

恭介「ゆりっぺ」

恭介(ゆりっぺの言葉を遮りながら、俺は助け舟を出す)

651: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:09:33.59 ID:EKUMKYX3O
恭介「確かに、軽率な行動に思えるかもしれない」

恭介「だが、止められると確信した上での行動だったなら、軽率でも無謀でもない」

恭介「むしろ、勇気ある行動だ。違うか?」

ゆり「…っ!」

沙耶「そうよ、ゆり。結果としてみんな無事だったんだから良かったじゃない」

恭介(続けて沙耶がゆりをなだめてくれた)

652: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:10:09.14 ID:EKUMKYX3O
ゆり「…そうね。無粋なことを言ったわ、ごめんなさい」

ゆり「でも、あまり無茶なことはしないように!いいわね?」

真人「ああ!悪かったな、ゆりっぺ」

野田「すまなかった!ゆりっぺ!」

松下「以後、気をつける!」

高松「失敗を取り返せるよう頑張ります!」

653: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:10:41.84 ID:EKUMKYX3O
恭介「よしっ、みんな先に行こうぜ!このまま誰も欠けずにな」

沙耶「ええ、行きましょう!」

恭介(脇道を先に進むと、梯子があった)

恭介(そこから更に地下へと降りていくと、途端に風景が変わった)

654: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:11:14.90 ID:EKUMKYX3O
真人「なんだ?急に綺麗な通路だな、SFチックというか」

日向「誰かの趣味なんだろ、ギルドにはマッドなサイエンティストがいるってこった」

恭介「………」

沙耶「………」

大山「あれ、どうしたの二人とも?」

655: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:11:57.37 ID:EKUMKYX3O
恭介「なあ、沙耶。俺この手の通路に見覚えがあるんだが…」

沙耶「奇遇ね、恭介くん。あたしもデジャヴを感じてるわ…」

藤巻「くっ!」

野田「ぬおおおおっ!」

ゆり「開く?」

恭介(野田と藤巻が入れ替わり、先を閉ざすレバーのようなものを回そうとしている)

656: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:12:31.99 ID:EKUMKYX3O
野田「すまん!!ゆりっぺ…!!」

藤巻「こりゃ力技じゃ無理だぜ」

バタン!

恭介(音は後方、振り返ると通路の入り口が封鎖されていた)

657: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:13:03.13 ID:EKUMKYX3O
大山「しまった!忘れてたよっ!ここは閉じ込められるトラップだったぁ!」

日向「そんな大事なこと忘れるなよ!まんまと閉じ込められたじゃねえか!」

大山「みんなだって忘れてたくせにぃ!」

椎名「あさはかなり」 

658: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:13:39.37 ID:EKUMKYX3O
ゆり「ここからやばいのが来るわよ…」

椎名「ふっ!」

恭介(椎名がなにかを前方に放り投げると、ぽんと噴煙が上がった)

恭介(その煙により、横一線に走る赤いレーザーの光が浮かび上がる)

真人「おいおい、まさかありゃあ…」

659: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:14:47.96 ID:EKUMKYX3O
沙耶「レーザー兵器ね…。最っ高の切れ味で体を真っ二つにしてくれるわ、エクスタシーを感じるほどに!」

恭介「経験者の言葉は違うな」

日向「経験したことあるのかよ!?ってかそんなエクスタシーごめんだぁ!」

恭介(うぃぃんと音を立て、それが迫ってくる!)

660: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:15:29.51 ID:EKUMKYX3O
椎名「みんな飛べ!」

恭介(椎名の指示通り、全員ジャンプしてレーザーを回避する)

恭介(第一射は地を這うようなレーザーか。だが、これで終わりのわけがない)

恭介(むしろ、このまま続けば…!)

661: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:16:04.87 ID:EKUMKYX3O
沙耶「松下くん!あたしにリュック投げて、早く!」

松下「お、おおっ!」

恭介(松下に指示を飛ばし、リュックを受け取る沙耶。ということは…)

恭介「あるんだな!?手伝おう!」

沙耶「ありがとう!」

662: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:16:56.86 ID:EKUMKYX3O
野田「来るぞ…!第二射だ!」

大山「今度はどうするの!?」

椎名「床に伏せろ!」

恭介(俺は沙耶に覆い被さるようにして、頭を下げる)

恭介(その間も沙耶はリュックから『あれ』を取り出そうとしている!)

真人「やべえ!今のは掠ったぜ…!」

663: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:17:30.26 ID:EKUMKYX3O
藤巻「第三射来るぞ!」

ゆり「今度はなに!?」

椎名「エックスだ!」

TK「xxxx!!」

真人「あんなん無理だろぉ!?」

664: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:18:04.63 ID:EKUMKYX3O
沙耶「恭介くん!」

恭介「よしっ!」

恭介(沙耶が無事リュックから『それ』を取り出し、俺にもそれを渡した)

恭介(間に合うか…!)

665: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:18:36.12 ID:EKUMKYX3O
沙耶「みんなどいて!道を開けて!」

恭介(沙耶がそう指示を飛ばしながら、レーザーの前に立ちはだかる)

恭介(少し遅れて、俺も沙耶の隣に立った)

沙耶「来るわ!いいわね!」

恭介「ああ!任せろ!」

666: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:19:11.78 ID:EKUMKYX3O
恭介(不気味な音を立てて、レーザーが迫りくる。そして沙耶と俺は同時に『それ』を構えた!)

バチィ!

恭介(大きな音を立てレーザーが消失する、と同時に閉じていたドアが開くのが見えた)

沙耶「…ふう、ギリギリだったわね」

恭介「…ああ」

667: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:20:13.53 ID:EKUMKYX3O
ゆり「なに!?なにをしたの?ってかその持ってる物はなに?」

沙耶「簡単に言うなら、対レーザー用の特殊な鏡みたいなものね」

沙耶「跳ね返すんじゃなくて打ち消せるのがポイント高いわ」

恭介(沙耶が盾のような鏡を見せながら説明する)

沙耶「これを想定して、大きなリュックにして正解だったみたいね」

668: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:21:11.05 ID:EKUMKYX3O
恭介「地下のレーザートラップは、スクレボにも出てきたネタだからな」

恭介「ギルドのメンバーには、スクレボファンがいると見たぜ」

真人「…ふぅー。助かったぜ、エックスはさすがにどうしようも無かったな」

松下「ああ、今ので真人と俺はやられていただろうな。ありがとう、沙耶、恭介」

669: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:21:59.71 ID:EKUMKYX3O
沙耶「これくらいどうってことないわよ!」

沙耶「まさか漫画と同じ方法で、突破することになるとは思わなかったけど…」

大山「漫画?」

沙耶「何でもない!何でもないわよ!あーはっはっは!」

ゆり「ありがとう、沙耶ちゃん!よくわからないけど助かったわ。ついでに棗くんも」

恭介「俺はついでかよ…」

670: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:22:33.43 ID:EKUMKYX3O
ゆり「よし、先に進むわよー!」

恭介(そのままゆりっぺは沙耶や椎名と並んで、先に進んでいった)

日向「なあ恭介、前から思ってんだけどさ」

日向「なんかゆりっぺ、恭介に対して風当たり強くないか?」

大山「うん、なにかあったの?」

671: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:23:29.32 ID:EKUMKYX3O
恭介「…さあな」

真人「筋肉が足りないからじゃねえか?ドンマイ」

藤巻「んなわけねーだろ!」

恭介(真人がフォローを入れてくれたおかげで、その場はまた和やかな空気に戻った)

恭介(だが、やはりゆりっぺは俺のことを…)

恭介(いや、考えるのは後でいい。今はとにかく先に進もう)

672: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:24:11.04 ID:EKUMKYX3O
恭介(更に先に進み続ける。ここまでは誰も犠牲が出ていない)

恭介(このままギルドまでつけるといいんだが…)

恭介(大きな部屋を用心深く進んでいく)

椎名「むっ!」

恭介(椎名が立ち止まる、何かに気づいたようだ)

673: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:24:46.37 ID:EKUMKYX3O
ゆり「トラップが発動してるわっ!」

沙耶「上よ!」

恭介(見上げると、天井が揺れていた…、少しずつ落ちてきている!)

大山「しまった!忘れてたよ!ここは天井が落ちてくるトラップだった!」

日向「だから、そんな大事なこと忘れるなよ!」

大山「日向くんだってぇ!」

674: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:25:20.08 ID:EKUMKYX3O
ゆり「ボサボサしない!出口まで走って!」

藤巻「無理だ、遠すぎる!間に合わねえ!」

大山「うわあああっ!」

恭介(押し潰される…!誰もがそう確信した。が、天井は落ちてこない)

675: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:25:52.55 ID:EKUMKYX3O
全員「「「TK!!」」」

恭介(そこには、天井を一人で支えようとするTKの姿があった)

TK「Hurry up!!今ならまだ間に合う!Oh,飛んでいって抱きしめてやれぇ~!」

真人「冗談じゃねえ!てめえ一人置いていけるか!」

676: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:26:46.51 ID:EKUMKYX3O
恭介(そう言うとすぐに真人も天井を支え始める。当然だよな、お前ならそうするよな真人!)

恭介「なら俺も!」

恭介(俺も援護に入る、が、三人がかりでも止まらない。このままじゃ…!)

高松「私たちも!」

松下「当然だ!」

野田「うおおおおぉぉぉぉ!!!」

恭介(更に高松、松下、野田が加勢に入る…!なんとか耐えられるまで負担が軽減された。だが…!)

677: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:27:21.20 ID:EKUMKYX3O
ゆり「なにしてるのよ!犠牲は一人で充分なのよっ!」

恭介「はっ!そんな事は知らねえな!」

ゆり「なっ」

恭介「俺たちは馬鹿だからな!絶対に一人も見捨てたりしない!」

678: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:27:59.05 ID:EKUMKYX3O
恭介(そうだ、言わばこれは試練なんだろう。真人と沙耶が戦線に加入し、みんなかなり仲良くなった)

恭介(ゆりっぺすら、沙耶のおかげで明るくなり始めている)

恭介(だから、ここで誰かを見捨てる。犠牲にするなんてのは絶対にしちゃいけない!)

恭介「みんなで一緒にゴールすることに意味があるんだ!」

679: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:28:34.15 ID:EKUMKYX3O
真人「おうよ!当然だぜ!」

馬鹿三人「おおっ!!」

TK「………Unbelievable!」

恭介(TKがそう呟くのが確かに聞こえた)

680: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:29:06.69 ID:EKUMKYX3O
ゆり「…!だ、だからってそのままじゃ全員動けないのよ!支え続けたって意味無いじゃない!」

沙耶「いえ、意味ならあるわ」

ゆり「沙耶ちゃん!?」

椎名「なにか策があるのか?」

681: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:30:08.53 ID:EKUMKYX3O
沙耶「今ざっと計算してみたんだけど、手持ちの爆弾を全て使えば天井を破壊できるわ」

日向「爆弾!?そんなの使ったらみんな生き埋めになるんじゃ!?」

沙耶「そうならないように細かく砕くわよ!」

沙耶「せいぜい粉塵に注意しなさい!」

682: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:30:53.74 ID:EKUMKYX3O
藤巻「よくわからねえが、なんとかなるんだな!?」

大山「じゃあ僕達も!」

日向「ああ、馬鹿たちの加勢してやらないとな!」

恭介(藤巻、大山、日向までもが天井を支えてくれる)

恭介(助かるぜ、このぶんなら沙耶が爆弾を設置するまで耐えられそうだ!)

683: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:31:33.47 ID:EKUMKYX3O
ゆり「ああっもう!うちの馬鹿どもは!」

沙耶「ごめん、ゆり。あたしも誰も見捨てたくない!」

沙耶「ここでみんなを見捨てたら、ただの冷酷非道なスパイキャラに戻っちゃう!」

沙耶「あたしが手に入れたものを失くすことになるの!それだけは絶対に出来ないのよ!」

684: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:32:25.61 ID:EKUMKYX3O
沙耶「お願い!手伝ってゆり!椎名さんも!」

椎名「無論だ!私に異論はない!」

ゆり「………っ」

沙耶「ゆりっ!!」

ゆり「…全員助かるんじゃ仕方ないわね!何をすればいいの沙耶ちゃん!?」

沙耶「!ゆり、ありがとう!」

685: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:33:06.08 ID:EKUMKYX3O
松下「すまん!出来る限り早くしてくれぇ!」

大山「腕が攣りそうだよぉ!」

藤巻「へこたれんな!大山!」

沙耶「松下くんのリュックから、爆弾を取り出す!そしてあたしの指示した位置に設置して欲しいの!」

ゆり「わかったわ!それを手伝えばいいのね!?」

椎名「了解した!」

686: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:34:01.96 ID:EKUMKYX3O
恭介(三人が作業に移る。だが、あちこちから既に悲鳴が上がり始めている…!)

大山「うぅっ!こんなことならもっと筋トレしとくんだったよ!」

真人「おっ!大山ぁ!筋肉の相談ならいつでも乗るぜ!」

野田「俺たちが一緒に鍛えてやる…!」

藤巻「やめとけえ、やめとけえ!マッチョな大山なんて大山じゃねえよ!」

687: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:34:34.29 ID:EKUMKYX3O
高松「ははっ!まったくです!」

大山「そんな!?酷いよ、僕だって個性的になりたいよー!」

恭介「何言ってんだ!お前は既に個性の塊だろう!」

大山「…恭介くん!」

688: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:35:28.50 ID:EKUMKYX3O
松下「TK!Are you ok!?」

TK「Oh, I'm OK!!」

恭介(それでもお互いがお互いを励まし合いながら、なんとか耐え続けている)

689: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:36:03.45 ID:EKUMKYX3O
恭介「沙耶!まだかっ!」

沙耶「…よし、設置完了!みんな!爆破するわよ!」

沙耶「粉微塵に砕くから、目を閉じて!煙を吸い込まないよう気をつけて!」

男共「「「おおっ!!」」」

沙耶「3、2、1、爆破!!」

690: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:36:57.80 ID:EKUMKYX3O
ドゴォン!!

恭介(瞬間、部屋のあちこちで爆音が響く)

恭介(押し潰されそうな重圧から解放されるが、同時に物凄い粉塵が襲ってきた)

恭介(沙耶の指示通り、目を閉じ、呼吸を控え、目と肺を守るよう心掛けた)

691: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:37:38.66 ID:EKUMKYX3O
恭介「…ふぅ。みんな!無事か!?」

日向「…なんとかな」

藤巻「やれやれ、すごい煙だったぜ」

大山「僕、ちょっと吸っちゃったかも…」

沙耶「少量ならとりあえずは問題無いはずよ、どうせ寝て起きたら治ってる世界だし」

692: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:38:24.99 ID:EKUMKYX3O
真人「にしてもよお、凄えハードな作戦だな。お前らいつもこんなことやってたのかよ?」

野田「さすがにここまでハードなのは稀だ。最悪、見捨てることだってあったしな」

松下「死後の世界ならではの策だがな。でも、今日はここまで全員無事だ!」

高松「ええ!素晴らしい勢いです…!」

TK「We are the best!!yeah,yeah,yeah!!」

椎名「ふっ」

693: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:39:08.65 ID:EKUMKYX3O
ゆり「………………」

沙耶「ゆり?どうしたの、もしかして煙吸っちゃった!?」

ゆり「…いえ、大丈夫よ。みんな、時間を食ったわ!先を急ぐわよ!」

「「「おおーーっ!!」」」

694: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:39:50.61 ID:EKUMKYX3O
恭介(みんなで手を上げ、気合を入れ直す。そして、ゆりっぺの後に続いた)

恭介(いける…!こいつはいけるぜ…!)

恭介(このまま誰も欠けずに乗り切れば、きっと戦線は今までとは違う組織になる)

恭介(そんな確かな確信が俺には生まれていた…!)

恭介(が、次の試練はすぐさま襲ってきた)

695: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:40:22.24 ID:EKUMKYX3O
沙耶「トラップよ!」

椎名「みんな走れ!」

恭介(二人がそう叫んで走り出す、すると…)

大山「うわあ!しまった忘れてたよ!ここは床が抜け落ちるトラップだった!」

恭介(大山がそう説明する、確かに次々と床が抜け落ちている…!)

696: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:40:56.95 ID:EKUMKYX3O
日向「なんでいつもトラップ起動してから思い出すんだよぉ!」

大山「そんなこと言ったってー!!」

恭介(全員、全速力で駆け抜ける。沙耶と椎名の立っている場所が見えた)

恭介(あそこまでたどり着けば…!)

697: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:41:36.88 ID:EKUMKYX3O
恭介「!?」

恭介(そう思った瞬間、俺の走っていた床も抜けた)

恭介(体が宙に投げ出される…。ここまで来て、俺が…)

恭介(駄目だ、落ちる。そう覚悟した)

698: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:42:08.72 ID:EKUMKYX3O
パシッ

恭介「!?」

恭介(誰かが俺の右手を掴んでくれた、独特の浮遊感が消える)

恭介(誰だ?誰が助けてくれたんだ?視線を向ける、そこには)

699: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:42:46.80 ID:EKUMKYX3O
ゆり「うぅぅぅぅーーっ…!!」

恭介「………ゆりっぺ…」

恭介(顔を真っ赤にして、野田の足に掴まるゆりっぺがいた)

恭介(更に上を見上げる。野田はTKの足、TKは高松の足、高松は真人の足に掴まっている)

恭介(そして、真人が崖際を掴み必死に耐えていた…!)

700: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:43:31.14 ID:EKUMKYX3O
恭介「…ゆりっぺ、お前」

ゆり「…なさいよ」

恭介「え?」

ゆり「早く足掴みなさいよ!片手じゃ限界なのよ!」

ゆり「それとも落ちるの!?あなたが『みんなで一緒にゴールすることに意味がある』って言ったんでしょ!!」

ゆり「ここまで来たんだから、自分の言葉くらいしっかり守りなさいよ!!」

701: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:44:04.85 ID:EKUMKYX3O
恭介「…ああ、ああ!!」

恭介(ゆりっぺのその言葉に、思わず俺は…)

702: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:45:14.45 ID:EKUMKYX3O
選択安価

1 ゆりっぺを意識した
2 感動した

22:50:00:00
↓1

704: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/17(金) 22:50:25.33 ID:Nxp4zQDXo
2

705: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:52:41.56 ID:EKUMKYX3O
恭介(今まで戦線のリーダーとして、必死にやってきたであろう、ゆりっぺ)

恭介(だからこそ、時として誰かを見捨てる判断が問われることもあったはず)

恭介(さっきまで度々納得いかない表情をしていたのも、それが理由のはずだ)

恭介(それでもゆりっぺにも確かな変化が生まれていた…)

706: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:53:15.12 ID:EKUMKYX3O
恭介(誰かを切り捨てる覚悟より、誰も見捨てない覚悟こそが、みんなの結束を生む)

恭介(それを認めてくれたんだ…!)

恭介(そんなゆりっぺを見て、俺は思わず感動していた…!)

707: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:53:49.08 ID:EKUMKYX3O
ゆり「早くしてぇぇーーー!!」

恭介「あ、ああ!」

恭介(まず、ゆりっぺの足を掴む)

ゆり「きゃあっ!」

恭介「大丈夫か!」

708: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:54:34.23 ID:EKUMKYX3O
ゆり「大丈夫だから早く登ってぇ!」

日向「みんながんばれーっ!」

恭介(上から日向の声が聞こえる)

恭介(姿の見えなかったやつらは、全員たどり着いていたようだ)

709: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:55:18.70 ID:EKUMKYX3O
沙耶「椎名さん、この柱でロープを固定するわ!真人くんの体はお願い!」

椎名「任せろ!」

松下「真人!頑張れよぉ!」

大山「筋肉、筋肉だよー!」

真人「おうよっ!筋肉、筋肉ぅー!!」

恭介(上の方でもみんなが頑張っているのが聞こえる、俺も負けていられない!)

710: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:55:51.75 ID:EKUMKYX3O
恭介(懸垂の要領で、ゆりっぺの肩を掴んだ)

ゆり「なにしてんのよ、そんなんじゃ落ちるわよ…」

恭介「ああ…」

恭介(顔が胸に埋まるくらい、しっかりと抱きしめる、そして)

711: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:56:40.17 ID:EKUMKYX3O
恭介(とにかく必死に、そのまま真人の体まで駆け登った)

恭介(すると松下と藤巻の手が伸びてきて、俺の体を引き上げてくれた)

松下「よく戻ってきた!恭介!」

藤巻「ったく、世話が焼けるぜ!」

恭介「…ああ、みんなのおかげだ、サンキューな」

712: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:57:16.97 ID:EKUMKYX3O
恭介(その後、しばらく待っていると残りのメンバーも無事登ってきた)

真人「ふう、さすがにちょいと疲れたぜ。今日の筋肉は大忙しだな」

ゆり「ええ、よく頑張ってくれたわ。井ノ原くんも沙耶ちゃんも大活躍ね」

真人「なんだよ、そんな褒めんなよ!褒めても筋肉しか出ねえぞ!」

沙耶「ま、これくらいは当然よ!なにせあたしはスパイなんだから」

713: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:58:00.73 ID:EKUMKYX3O
恭介(確かに、二人ともここまで大活躍だ)

恭介(俺も鼻が高いぜ、自慢げになるのも無理はない)

恭介(あれ、そういや俺は…、今日なにか目立つ活躍したっけ?)

恭介(レーザー消したりはしたが、あれはそもそも沙耶の道具のおかげだしな…)

714: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:58:41.35 ID:EKUMKYX3O
恭介(そんなことを考えてると、肩に手を置かれた。振り返ると)

藤巻「頑張れよ、棗」

恭介(藤巻がすげえニヤニヤしながら俺を見ていた…)

恭介「うわああああああっ!!」

715: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:59:18.47 ID:EKUMKYX3O
大山「うわあ!恭介くんがいきなり叫び出した!」

真人「いつもの馬鹿だ、ほっとけ」

恭介(軽く、自信喪失しかけながらとりあえず先へと急いだ)

716: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 22:59:52.36 ID:EKUMKYX3O
恭介(新しい部屋へとたどり着く、だが出口のような場所は見つからない)

沙耶「行き止まり?」

ゆり「違う、くるわ!トラップ!」

がしゃん!

恭介(入り口が封鎖される、壁にパカパカと穴が開き、水が勢い良く噴出する)

717: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:00:25.76 ID:EKUMKYX3O
大山「そうだ!忘れてたよ!ここは閉じ込められた後、水攻めされるトラップだった!」

日向「お前、もうわざとやってないだろうな…?」

藤巻「お、おい…、マジかよ…」

恭介(藤巻の顔が青ざめている、まさか)

718: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:01:03.47 ID:EKUMKYX3O
藤巻「お、俺さ…かなづちなんだよ…」

真人「マジかよ!?じゃあ俺が一緒に…」

沙耶「無茶よ!人を抱えて泳ぐのは、普通に泳ぐより4倍の疲労が貯まると言われてるわ!」

椎名「素人には無理だ、私たちもさすがに男を抱えて泳ぐのは…」

719: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:01:36.58 ID:EKUMKYX3O
藤巻「そ、そんな…助けてくれよ!…ここまで全員でやってきたじゃねえか…!」

恭介(藤巻が怯えている、そして俺は藤巻の肩に手を置いた)

恭介「藤巻、俺に任せろ。絶対に助けてやる!」

藤巻「な、棗…!」

720: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:02:17.59 ID:EKUMKYX3O
ゆり「棗くん、大丈夫なの!?ちゃんと勝算があるんでしょうね?」

恭介「当然だ!就職活動中、ライフセイバーのおじさんと友達になったことがあってな」

恭介「この手の技術は一通りマスターしている!」

日向「就活中になにマスターしてんだよ!?」

721: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:03:20.15 ID:EKUMKYX3O
沙耶「とにかく恭介くんに任せるしかないわね…!はい、これっ」

恭介(沙耶からなにか手渡される)

恭介「これは?」

沙耶「口に加えたら少しの間だけど、酸素を吸えるわ」

沙耶「二つしかないから、恭介くんと藤巻くんで使って」

722: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:03:57.13 ID:EKUMKYX3O
恭介「よし、藤巻」

藤巻「あ、ああ。咥えるだけで良いんだよな!?」

恭介(そうこうしている間に、水位がどんどん高くなり始めている)

恭介(出口が見つからない限りどのみち全員アウトだ)

恭介(その時)

723: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:04:34.74 ID:EKUMKYX3O
椎名「ぷはっ」

恭介(椎名が水面から顔を出した)

椎名「出口を見つけた、ついてこい!」

沙耶「よし!みんな、必要最低限の荷物だけ持って!リュックは捨てるわ!」

ゆり「全員、椎名さんに続いて!」

724: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:05:08.90 ID:EKUMKYX3O
日向「恭介!先いってるぜ!」

大山「藤巻くんも、ちゃんとついてきてね!」

真人「心配すんなよ、恭介ならやれる!こいつはそういう男だぜ」

恭介「ふっ。そこまで言われたら期待に応えないとな」

725: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:05:41.77 ID:EKUMKYX3O
恭介「藤巻、行くぞ!酸素をゆっくり吸い続けることだけを意識するんだ!」

恭介「あとは、俺がなんとかする!」

藤巻「すまねえ恭介!頼む…!」

726: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:06:17.45 ID:EKUMKYX3O
恭介(藤巻を連れて、潜水)

恭介(みんなに続き、壁に開いた横穴をくぐる)

恭介(あまりの長さに気が遠くなる、それでも藤巻をしっかりと掴んで、泳ぎ続けた)

恭介(そして、ついにみんなが浮上し始める…!それに続いた)

727: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:06:53.06 ID:EKUMKYX3O
恭介「…はぁ!…ぜぇ…ぜぇ…」

恭介(かなり体力を奪われたが、なんとかたどり着いた)

真人「恭介!」

日向「藤巻!」

恭介(即座に真人と日向が手を貸してくれた…、助かるぜ)

728: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:07:30.04 ID:EKUMKYX3O
藤巻「お、俺生きてるよな!?死んでねえよなっ!!」

日向「死なねえ世界でなんの冗談だよ、それ」

ゆり「全員、無事ね!一人も欠けてないわね!?」

大山「もう少し長かったら溺れてたよ…」

松下「でも、また全員生き残ったな!」

TK「It's miracle!!」

729: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:08:27.93 ID:EKUMKYX3O
野田「ふん、さすがは恭介としかいえないな。それでこそ俺の宿命のライバルだ…!」

恭介「え?俺いつ、野田の宿命のライバルになってたんだよ…」

沙耶「そーよ!恭介くんの宿命のライバルはあたしよ!」

恭介「お前と俺は和解しただろ!」

ゆり「っち!」

恭介(やべぇ…。さっきまで心配そうな視線を向けてくれてたゆりっぺが一瞬で、氷の視線に変わりやがった…)

730: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:09:17.22 ID:EKUMKYX3O
藤巻「恭介、すまねえっ!ずっとお前のこと、ゆりっぺに贔屓され続けてただけのやつかと思ってた…」

藤巻「今までずっと冷たい態度とってたのに、迷わずお前は俺を助けてくれた!」

藤巻「本当にすまねえ!感謝してるっ!」

恭介(少しだけ涙目になりながら、藤巻が俺にそう言ってくれた)

恭介(だから、俺はただ手を差し出してこう言った)

731: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:09:51.44 ID:EKUMKYX3O
恭介「当然だ、仲間だろ?俺たち」

藤巻「恭介!!」

恭介(そして、藤巻と固い握手を交わした)

ゆり「やれやれ、また馬鹿どもの友情が深まっちゃったわね」

高松「まさに青春の一ページです!」

椎名「ほどほどにな、あまり青春を謳歌すると消えるやもしれん」

ゆり「そうよ、それだけは忘れないようにね!」

732: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:10:54.85 ID:EKUMKYX3O
沙耶「にしても、ここ、鍾乳洞?随分広い場所ね」

ゆり「ええ。奥から光が漏れてるでしょ?ここまでくればあと一息よ」

日向「ああ。休憩でも取りたいとこだが、もうギルドまで突っ切っちまおうぜ!」

恭介「もうどんなトラップでもかかってこいってんだ!」

733: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:11:27.10 ID:EKUMKYX3O
恭介(もはや破竹の勢いだった、俺たちは完全に一つになっている)

恭介(どんなトラップだろうとみんなでなら乗り越えられる、そう思った)

恭介(だからかもしれない…、目の前に広がる光景を到底受け入れられなかったのは…)

734: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:11:58.91 ID:EKUMKYX3O
恭介「ば、馬鹿な…」

椎名「!?敵襲!!」

ゆり「っ!総員戦闘態勢!!」

藤巻「おいおい、なんだありゃあ!?」

日向「見たことも無い敵だぜ…、ってか本当に敵なのか!?」

735: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:12:44.67 ID:EKUMKYX3O
ゆり「なに…なんなの…あれ?」

恭介(みんなが見たことも無い敵の出現に、驚きを隠せないでいる…、だが沙耶だけは)

沙耶「嘘…、なんで…、あいつらがここに…!」

恭介(銃を構えながら、俺と同じ反応をしていた…)

736: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/17(金) 23:13:23.25 ID:EKUMKYX3O
恭介(無理もない、目の前に現れたあいつらは…)

恭介「『闇の執行部』…!!」

恭介(俺がかつて、手足のように操っていたNPCそのものだった…!)

762: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 20:58:30.90 ID:sFy8gEyhO
TK「Welcome to Underground!!」

恭介(突如現れた闇の執行部、奴らは考える暇すら与えず俺達を襲撃してきた)

恭介(そして奴らとの戦闘が始まってから、既にかなり経過しようとしている)

恭介(ふとTKが決め台詞を放ちながら、二丁拳銃で執行部二体を同時に撃破しているのが見えた)

763: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 20:59:03.73 ID:sFy8gEyhO
恭介(TKだけじゃない。沙耶と椎名の、戦線最強争いの二人)

恭介(ハルバードを奮う野田、長ドスで戦う藤巻)

恭介(惜しみなく柔道の技を披露する松下、自慢の筋肉で殴り飛ばしている真人)

恭介(特に奮戦してるのはこいつらだ、だが…)

764: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 20:59:53.36 ID:sFy8gEyhO
椎名「くっ!キリがないぞ!」

松下「次から次へと地面から生えてくる!」

恭介(そう。これだけ奮戦してるメンバーがいるのに、一向に戦闘が終わらない理由はそれだ)

日向「くそっ!洒落にならないぜ、こりゃあ」

大山「しかもこいつら結構強くない!?」

高松「そこそこの体術を使えるようですね、銃を装備してないのが唯一の救いと言うべきかと」

765: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:00:59.26 ID:sFy8gEyhO
藤巻「そもそもなんなんだよこいつら!?妙な切れ味だしよ」

野田「人間じゃないのは確かなようだが!」

椎名「天使の用意した新たな敵か!?」

ゆり「そう考えるのが一番自然ね、けど…!」

恭介(ゆりっぺはすでに自身の勘でそうじゃないと感じてるようだ、俺も同感だぜ)

766: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:01:48.70 ID:sFy8gEyhO
恭介「いや、おそらく違うな」

真人「だろうな!こいつらも『生前の青春ルール』で現れたんじゃねえのか!?」

恭介(真人がそう続く、やっぱお前は時たま鋭いな)

藤巻「あ?『生前の青春ルール』!?なんだよそりゃ、初耳だぜ」

日向「あ、それあれだろ!?この世界には生前の青春にあったものが、大体揃ってるじゃん!」

767: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:02:25.14 ID:sFy8gEyhO
松下「じゃあこの敵も、誰かの青春にあったものの再現だというのか!?」

ゆり「冗談でしょ!?誰よ!こんなデンジャラスな青春送ってたのは!」

沙耶「…ごめんあたし。理樹くんと駆け抜けたあたしの青春なの」

恭介(沙耶が申し訳なさそうに呟いた)

ゆり「なーんだ沙耶ちゃんだったの♪とっても素敵な青春だったのね!」

768: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:03:28.89 ID:sFy8gEyhO
真人「態度360度変えやがったぁ!?」

大山「180度じゃないの!?」

日向「一回転してどうする!」

真人「…なんだよ、算数すらわからなくなる程筋トレに励んだ青春だったんですね!」

真人「まさに筋肉塗れの青春ですねってかっっ!!」

日向「そこまで言ってねー!!」

769: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:04:01.01 ID:sFy8gEyhO
高松「実に素晴らしい青春だと思います!!」

野田「同感だ…!」

松下「まったくだ!」

大山「便乗してきた!?」

日向「黙れ!このバカルテットぉ!!」

770: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:04:34.71 ID:sFy8gEyhO
恭介(ボケとツッコミを混じえながらも戦闘は続く。だが…)

恭介(この違和感は一体なんだ?)

恭介(なにか重要なことを見落としているような、忘れているような…)

恭介(とにかくなにかが引っかかっている…!)

771: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:05:10.91 ID:sFy8gEyhO
執行部A「ーーーーー」

恭介(そんなことに気をとられていたせいか、背後で突然湧いた執行部に気付くのが遅れた)

恭介「ちっ…!」

恭介(咄嗟に距離を離しながら、構えていたナイフ二本で防御しようとする)

772: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:05:50.51 ID:sFy8gEyhO
執行部「!?」

ズバッ!

恭介(目の前にいた執行部が突如斬り裂かれた、そこにいたのは)

藤巻「へっ、ぼさっとしてんなよ。恭介」

恭介「藤巻か!サンキューな、助かったぜ!」

773: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:06:32.16 ID:sFy8gEyhO
藤巻「勘違いすんじゃねえよ、さっきの借りを返したまでだ。これで俺とお前は対等だ」

藤巻「対等じゃねえと…本当の意味での仲間っていえないような気がするからな!」

恭介「ふっ。細かいこと気にしすぎだぜ藤巻」

藤巻「うるせぇ!とにかくこれで貸し借り無しだからな!」

774: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:07:11.21 ID:sFy8gEyhO
ゆり「うわキモ、男のツンデレとかどこに需要があるのよ…」

大山「そりゃあ一部の腐った人とかじゃないの?」

日向「お前たまに毒舌だよな、大山…」

沙耶「ええっ!じゃあ二人はそういう関係なの!?」

恭・藤「「ちげーよ!!」」

775: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:07:58.11 ID:sFy8gEyhO
どーーーんっ!

ゆり「なに!?」

椎名「遠くからだな、これは…」

日向「天使が別ルートの、トラップにかかった音じゃねえか?」

高松「どうしますか?このままじゃ最悪、私達が足止めを食ってる間に…」

野田「天使がギルドに到達してしまう…!」

776: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:08:40.98 ID:sFy8gEyhO
ゆり「…っ」

沙耶「ゆり!先行してギルドに向かって!」

恭介(なにかに躊躇うゆりっぺに沙耶が指示を飛ばした)

ゆりっぺ「沙耶ちゃん!?」

沙耶「ギルドのメンバーもゆりを待ってるはずよ!ゆりだってわかってるんでしょ?」

ゆり「でも、みんなを…!」

777: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:09:34.00 ID:sFy8gEyhO
沙耶「こいつらがあたしの青春の再現なら、無限湧きはしないはずよ!」

沙耶「馬鹿みたいに湧きはするけど、よね!恭介くん!」

恭介「ああ、無限の執行部をけしかけたりはしなかったはずだ!」

椎名「よく分からないが、なら急いだ方がいい!」

椎名「だが、単身向かうのは危険だ!誰か一人くらいは、ゆりの護衛に回すべきだ!」

778: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:10:16.18 ID:sFy8gEyhO
野田「そういうことなら…!俺が」

沙耶「恭介くん!ゆりをお願い!」

恭介(沙耶はどういうわけか俺を選んだ)

恭介「俺か!?」

野田「なっ!!」

779: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:10:51.36 ID:sFy8gEyhO
沙耶「いざって時は、恭介くんが一番頼りになるわ!ゆりを守ってあげて!」

真人「おおっ!恭介なら心配ねえ!」

日向「安心して任せられるぜ!」

藤巻「気をつけて行けよ!恭介、ゆりっぺ!」

780: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:11:23.75 ID:sFy8gEyhO
野田「ちょっと待てぇーーーっ!!なぜ恭介だ!?俺でもいいだろうっ!!」

恭介(案の定、野田が不満の叫びを上げる)

沙耶「今、野田くんをこの場から割くわけにはいかないのよ!」

椎名「お前は貴重な戦力だ!それくらい自覚しろ!」

野田「お、おお…」

781: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:12:31.87 ID:sFy8gEyhO
恭介(予想外の言葉に少し面食らっているようだ。だが、確かに野田や主要な戦力組を割くのは得策じゃない)

ゆり「野田くん、あたしからもお願い。みんなを守ってあげて!」

野田「!!…ゆりっぺから頼まれたなら仕方ない!失せろ雑魚ども!」

野田「この俺が相手だぁぁぁっ!!」

恭介(野田がハルバードをぶん回しながら、一際敵が密集していたところに突っ込んでいった)

恭介(反撃する隙すら与えず、ズバズバと執行部達を切り裂いていく)

782: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:13:17.18 ID:sFy8gEyhO
恭介「ひゅうっ、すげえ無双っぷりだぜ!」

日向「野田の扱いに慣れたな、ゆりっぺ」

ゆり「状況的にこれがベストだと判断したまでよ。行くわよ、棗くん!」

恭介(みんなが俺を信じてくれるなら、やることは一つだ)

恭介(今この場は、俺もみんなを信じて先に進む!)

783: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:14:03.49 ID:sFy8gEyhO
恭介「ああ!みんな、がんばってくれ!」

椎名「ふっ。誰にものを言っている?」

沙耶「掃討が完了しだい、あたしたちも追いかけるわ!」

日向「すぐに駆けつけてやるからよ、期待してな!」

恭介「信じてるぜ!」

日向「ははっ!その台詞、トルネードの時にも聞いたな」

日向「大丈夫だ、お前の信頼は絶対に裏切らねえよ!よし、行け!」

784: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:15:27.23 ID:sFy8gEyhO
恭介(みんなからの応援を受け、ゆりっぺと一緒に通路を走る)

恭介「ゆりっぺ!ギルドまであとどのくらいだ!?」

ゆり「もうすぐよ!この道を真っ直ぐ行けば…!」

カチッ

ゆり「えっ」

恭介(トラップの音がする、すると前方にさっきまで無かったはずの装置が出現していた…!)

785: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:16:25.92 ID:sFy8gEyhO
恭介「ゆりっぺーーー!!」

ゆり「きゃっ!」

恭介(飛んできた矢の雨から庇うため、ゆりっぺを抱えて横っ飛びに飛んだ)

恭介(そして…落ちた)

恭介(着地しようとはずの地面が急に消えたからだ)

恭介(なにがなんだがわからないまま、ただゆりっぺを守ろうと強く抱きしめた)

786: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:17:04.73 ID:sFy8gEyhO
ゆり「…て、…きて」

恭介(声が聞こえる…)

ゆり「…起きて!棗くん!」

恭介(ゆりっぺ…か)

恭介「っぐ…」

ゆり「!棗くん!?」

恭介(痛む体を起こす、ゆりっぺが不安そうに俺の顔を覗き込んでいた)

787: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:18:10.08 ID:sFy8gEyhO
恭介「大丈夫か?ゆりっぺ、怪我してないか?」

ゆり「それはこっちの台詞よ!あなたこそ、あたしを庇って怪我したのに!」

恭介「大した事ない、少し強く体を打っちまったくらいだ。どうってことないさ」

恭介(正直、体中がひどく痛む。だが打撲か骨にひびが入った程度だろう)

恭介(どうせ明日には治る世界だ、動くぶんにも支障はない。が…)

788: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:18:54.71 ID:sFy8gEyhO
ビリっ

恭介(ゆりっぺが自分の制服の袖の部分を破り始めていた)

恭介「なっ!お前なにをっ!?」

ゆり「いいからじっとして」

恭介(そういうと破った部分を俺の頭に巻き始めた)

789: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:20:04.18 ID:sFy8gEyhO
ゆり「さっきの矢が掠ったんでしょうね、血が出てるわよ。気づいてなかった?」

恭介「あ、ああ…」

ゆり「まったく無茶するわね。…はい、とりあえずの止血は終わりよ」

ゆり「最悪、失血死とかも考えられるから一応ね」

恭介「すまないな、ゆりっぺ」

ゆり「あたしのせいで怪我したんだから、これくらいは当然よ」

790: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:21:02.67 ID:sFy8gEyhO
ゆり「それにしても厄介なトラップにハマったわね」

恭介(ゆりっぺが辺りを見渡す)

恭介「ここは…、落とし穴の中か」

ゆり「ええ。しかも見ての通り、壁は指を掛けることが出来ない金属」

ゆり「この広さと高さだと自力で這い上がるのは不可能ね…」

791: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:21:36.26 ID:sFy8gEyhO
恭介「ピットフォールトラップってやつだな」

恭介(昔みんなで、昆虫採集のために紙コップを地面に埋めたことを思い出す)

恭介(言わば今の俺たちは、あの捕まえた虫と同じ状況に陥ってるってわけだ)

恭介「みんなの助けが来るのを待つしかないな」

ゆり「そうね…、みんなを信じて先に進んだっていうのに、情けないリーダーだわ…」

792: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:22:20.58 ID:sFy8gEyhO
恭介「こういう時もあるさ、なにもかも上手くいくわけじゃない」

ゆり「そうね、現実はいつだってそういうものよね」

恭介(励ますために言ったつもりだが、むしろ追い込んでしまったみたいだ…)

恭介(まずいな、目に見えて気落ちしている…)

793: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:22:57.53 ID:sFy8gEyhO
恭介「だからこそ仲間がいるんじゃないか、こういう時に助け合えるように」

恭介「そしてあいつらをまとめてるリーダーはお前だ、もっと自信を持ってもいいんじゃないか?」

恭介(今、俺が思いつく精一杯の言葉でゆりっぺを励まし続ける)

恭介(だが、次返ってきた言葉は少し予想外なものだった)

794: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:23:41.07 ID:sFy8gEyhO
ゆり「別になりたくてリーダーになったわけじゃないわ、始めに刃向かったからそうなったのよ」

恭介「刃向かった?…天使にか?」

ゆり「…ええ。天使にも、神にも、この世界そのものにも」

ゆり「あたしは一人でも、絶対に抗い続けるつもりだったから」

恭介(この世界で最初に反抗を始めたというゆりっぺ、何が彼女をそこまで突き動かしているのか)

恭介(思い当たるのは一つしかない)

795: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:24:38.04 ID:sFy8gEyhO
恭介「ゆりっぺの生前に、それだけ神を憎むなにかがあったんだな?」

ゆり「…そうよ、気になるなら話してあげるけど。面白い話でも無いわよ」

恭介「…聞かせてくれ、ゆりっぺが構わないなら」

恭介(前から感じていたことだ。おそらくこの戦線で、一番神への憎しみが強いのはゆりっぺだろう)

恭介(それがどんな過去に起因するものなのか、聞いておかなければ)

恭介(この先、ゆりっぺの神への憎しみを取り除いてやることは出来ない)

796: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:25:16.06 ID:sFy8gEyhO
ゆり「物好きね、まあいいけど」

恭介(そう言うとゆりっぺは少しだけ距離をおいて、俺の隣に座る)

恭介(膝を抱えながら小さくなって、俺に生前の出来事を語り始めた)

797: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:26:01.66 ID:sFy8gEyhO
ゆり「…あたしには兄妹がいたの」

ゆり「あたしを含めて四人兄妹よ。あたしが長女で、下に妹が二人と弟が一人」

ゆり「両親の仕事が上手くいってたのもあって、すごく裕福な家庭だった」

ゆり「自然に囲まれた、まるで別荘のような家で暮らしていた」

恭介(虚空を見つめながら、ただ淡々と言葉を紡ぐ)

恭介(この話し方には覚えがある。以前戦線メンバーの一人が、消えたことを話した時と同じ)

恭介(冷静さを保つために、あえて他人事のように話しているんだろう)

798: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:26:47.87 ID:sFy8gEyhO
ゆり「…夏休みだったわ。両親が留守の午後、見知らぬ男たちが家の中に居た」

ゆり「真夏なのに暑そうな目出し帽を被って、一目で悪いことをしにきたってわかったわ」

ゆり「あたしは長女として、絶対にこの子を守らなくちゃって思った」

ゆり「でも、かないっこないじゃない。ねぇ?」

恭介(そう訊いてから、自虐的に笑う)

恭介(…俺はただ、聞き続けることにした)

799: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:27:29.29 ID:sFy8gEyhO
ゆり「連中は、もちろん金目のもの目当てよ」

ゆり「でも、彼らは見つけ出せなかったの」

ゆり「無闇に窓ガラスやテレビを壊したりして、苛立ちを見せ始めた」

ゆり「そして連中は、あたしたち兄妹にとって、最悪のアイデアを思いついたのよ」

800: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:28:18.75 ID:sFy8gEyhO
ゆり「お姉ちゃん、あんたは長女だ。家の大事なものの在処くらい、教えられているだろう」

ゆり「地震が来たら、それを持って逃げなさい」

ゆり「強盗さんが来たら、それを渡してお帰り願いなさい、そう聞かされた覚えがあるだろうって」

ゆり「そんなもの、あたしは聞かされていなかった…」

801: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:29:07.11 ID:sFy8gEyhO
ゆり「でも…さあ、それを探して持っておいでって、続けた」

ゆり「時間は10分、10分に一つずつ」

ゆり「もし僕らが気に入らなかったら、この子たちとは一人ずつお別れになってしまうよ…」

ゆり「そう言われた」

恭介(酷い話だ…、俺たちの事故よりある意味ずっと酷い)

恭介(そんな気の狂うような選択を、突如として突きつけられたのか。ゆりっぺは…)

802: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:29:45.69 ID:sFy8gEyhO
ゆり「あたしは必死に家の中を探し回った」

ゆり「頭が痛かった、吐き気がした、倒れそうだった」

ゆり「あの子たちの命がかかってるんだ、絶対に探し出さなきゃならないんだ…」

ゆり「けど、あいつらが気にいる価値のあるものなんてわからない…」

803: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:30:19.66 ID:sFy8gEyhO
ゆり「あたしは二階の廊下に飾ってあった、うちで一番大きい壺を持っていこうとした」

ゆり「すごく重くて、これならきっとすごい価値があるに違いない、そう考えた」

ゆり「でも、重すぎたのよ…」

恭介(話し続けてそこで初めて、悲痛な声が混ざった)

804: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:31:21.70 ID:sFy8gEyhO
ゆり「もうすぐ10分が経つ、だから急いで階段を降りようとしたの。けど…」

ゆり「足を踏み外して、一階まで転げ落ちて、その壺は割れたわ…」

ゆり「そして…」

恭介「もういい」

ゆり「………」

恭介「充分だ」

恭介(結末はすでに想像がついた。これ以上は、ゆりっぺを苦しませるだけだろう)

恭介(だから、そこで話を終わらせようと遮った。だが…)

805: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:32:01.76 ID:sFy8gEyhO
ゆり「…警察が駆けつけた時、生きていたのは…、あたし一人だった」

恭介「………」

恭介(ゆりっぺはなお、自分にとって最も悲惨な結末を口にした。そして…)

806: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:33:16.65 ID:sFy8gEyhO
ゆり「だから、あたしは抗うのよ。理不尽な現実にも、そんな運命を強いた『神』にも」

ゆり「悪いことなんてなにもしてないのに、あの日までは立派なお姉ちゃんでいられた自信もあったのに」

ゆり「守りたい全てをたった30分で奪われた…!」

ゆり「そんな理不尽なんて許せないじゃない…、神様だって絶対に許せないじゃない!」

恭介「ゆりっぺ…」

恭介(振り絞るように、叫ぶように自分の抱えている気持ちを爆発させた)

807: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:34:12.43 ID:sFy8gEyhO
恭介(そんな過去、理不尽すぎる。神を許せない気持ちだってわかる)

恭介(もし俺に同じことが起きていたら…)

恭介(鈴を、理樹を、真人を、謙吾を人質にとられ、なす術なく殺されたら…)

ゆり「って、こんな話してもあなたにはわからないわよね」

ゆり「あなたは…、神を憎んでいないんだものね」

恭介(いや違う、そういうわけじゃないんだ。ゆりっぺ)

808: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:35:34.30 ID:sFy8gEyhO
恭介「違う。俺だってもし理不尽を強いたやつが本当にいるんなら、絶対に許せないだろう」

ゆり「言ったじゃない…!神に復讐したいわけじゃないってあの時に!」

恭介(あの時とは当然、俺の戦う理由を宣言した時のことだろう。なら一つ忘れてるぜ?)

恭介「同時に言ったはずだ、納得してるわけでもない、だからこの世界にいるんだってな」

ゆり「…なにが言いたいの?」

恭介(泣いているのかと思った、だが違った)

恭介(あの時と同じ目を、神への憎しみが宿る瞳を、真っ直ぐに俺に向けて問いかけている)

809: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:36:55.10 ID:sFy8gEyhO
恭介「俺はただ、悪意よりも善意を信じたい」

恭介「憎しみよりも、優しさを理由に戦いたい」

恭介「その大切さを教えてくれた奴らがいる、そうして強くなった奴を知っている」

恭介「だから俺は仲間から教わったことだけは、絶対に捨てない」

恭介「例え自分が割りきれないことでも、それがあいつらからもらった強さなんだからな」

恭介「ただ、それだけなんだ」

810: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:37:41.49 ID:sFy8gEyhO
ゆり「………」

恭介「………」

恭介(お互いに沈黙が続く)

恭介(俺とゆりっぺはなにも変わらない)

811: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:39:21.32 ID:sFy8gEyhO
恭介(お互い理不尽な悲劇に巻き込まれ、それに納得がいかず、神を憎む理由がある)

恭介(ただ、一つ違うのは。俺の憎しみを抑えてくれる想いが、この胸には宿っていること)

恭介(俺が俺で在り続けることを、支えてくれる想いがあること)

恭介(大切な仲間たちの存在が、今の俺を形成し、そして守ってくれている)

恭介(ゆりっぺには、きっとそれを伝えなければならないんだ)

恭介(たとえ分かってもらなくても、何度でも…!)

恭介(俺が新たに言葉を紡ごうとした時、先にゆりっぺが口を開いた)

812: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:39:57.93 ID:sFy8gEyhO
ゆり「…前から思ってたけど、あなたって本当に仲間想いね」

ゆり「さすがはリトルバスターズのリーダー、かしら?」

恭介「…俺がリーダーだったって話したことあったか?」

ゆり「聞かなくてもわかるわよ、あたしだってリーダーなんだし」

813: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:40:32.97 ID:sFy8gEyhO
ゆり「…あたしもあなたみたいなリーダーになれたら、良かったんだけどね」

ゆり「あたしはいつも、自分の事だけしか考えてこなかったから」

恭介「そいつは違うな、ゆりっぺ」

恭介(俺はまだゆりっぺとの付き合いが浅い)

恭介(でも、それだけはハッキリと間違っているのがわかる)

814: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:41:19.13 ID:sFy8gEyhO
恭介「お前が本当に自分の事しか考えてなかったなら、誰もついて来ていない」

恭介「戦線をここまで大きな組織にもできなかったはずだ。違うか?」

ゆり「さあ、どうかしらね」

815: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:42:09.18 ID:sFy8gEyhO
恭介「どうかしら、じゃない。そうなんだよ、お前にも確かにリーダーとしての強さがある」

恭介「この死後の世界という閉じた場所で、みんなをまとめて戦い続けてきた。それが証拠だ」

恭介「お前は仲間を思いやる大切さを知っている、同じリーダーとして保証する」

恭介「お前は、立派なリーダーだ!」

ゆり「………っ///」

恭介(俺が話し終えると、ゆりっぺはなぜか少しだけ顔を赤くしていた)

816: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:42:56.31 ID:sFy8gEyhO
ゆり「…あーもうっ!あなたって人は」

ゆり「なんでそんな恥ずかしいこと、ペラペラ口にできるのかしら?」

ゆり「冗談じゃなくて、本気で言ってるのが伝わってくるのがなおタチ悪いわね!」

恭介「俺はいつも本気だ」

ゆり「もういいっ!もういいわよ、まったく…」

恭介(そっぽを向かれてしまった、俺の言葉は伝わらなかったんだろうか…)

817: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:43:44.91 ID:sFy8gEyhO
ゆり「…でも」

恭介「ん?」

ゆり「少しだけ、参考になったわ。…ありがと」

恭介「…ゆりっぺ」

恭介「その台詞、もう一回聞きたいんだがダメか?」

ゆり「ぶっ!」

恭介(ゆりっぺが盛大に吹いたのが聞こえた、これは…レアだ!)

818: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:44:30.50 ID:sFy8gEyhO
ゆり「は、はあ!?なんのこと?あたし今なーんにも言ってないけど!?」

恭介「ここまで来て誤魔化すのはずるいぜ?ゆりっぺ」

ゆり「あたしはなんにも言ってないし、あなたもなんにも聞いてない。以上、はい終わり!」

恭介(珍しくテンパっている、しかも焦り方が沙耶に似ている)

恭介(こんな面白い状況放っておけないな!)

819: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:45:08.27 ID:sFy8gEyhO
恭介「フッ、その程度の言い訳で俺が諦めるとでも…!」

ゆり「あー!そういえば、あなたさっきここを閉じた場所って言ってたわよね!」

ゆり「実は、別に完全に閉じた世界ってわけじゃないのよ!」

恭介「なに?どういうこ…はっ!」

820: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:46:22.95 ID:sFy8gEyhO
ゆり「ふっ」ニヤリ

恭介(しまった、やらかした…!興味深い内容のせいで思わず釣られてしまった)

恭介(一度逃がしてしまった以上、平静さを取り戻され、のらりくらりと乗り切られてしまうだろう…)

恭介「くっ、俺としたことが…!」

ゆり「まあ残念だったわね、棗くん。以後、精進しなさい」

恭介(いつの間にか完全になにかの勝負になっていた…、悔しいが今回は俺の負けだ)

821: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:47:05.14 ID:sFy8gEyhO
恭介「その代わり、さっきの話ちゃんと聞かせて貰うぞ」

ゆり「ええ、良いわよ。ここが完全に閉じた世界じゃないってことね」

ゆり「ぶっちゃけ大したことじゃないわよ、ただたまに変化があるの」

恭介「変化?どういう変化があるんだ?」

822: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:47:48.86 ID:sFy8gEyhO
ゆり「例えば図書館の蔵書量ね。あれ、規則性はわからないけど少しずつ増えてるのよ」

恭介「それってかなり重要なことなんじゃないのか?」

ゆり「あたしも昔はそう思ったわ、でもダメ。張り込んでみたけど朝になるといきなり増えるのよ」

恭介「食材と同じか、どこか別の世界に繋っている証拠かと思ったんだが…」

823: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:48:35.84 ID:sFy8gEyhO
ゆり「あとは学食のメニューね、あれもたまに増えるわ。最近増えたのはカップゼリーね」

恭介「カップゼリー?」

恭介(鈴が好きでよく食べていたものだ、俺にとっても馴染み深い)

恭介(そういや種類も、俺達の世界にあったカップゼリーと同じものだったな)

824: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:49:17.69 ID:sFy8gEyhO
ゆり「あれは前回のトルネードで回収するまでは無かったから、一番新しいメニューってことになるわね」

ゆり「でもまあ、だからなに?っていう些細な変化だけど」

恭介「まあ、そうだな。でも、変化があるって分かっただけでも充分だろ」

恭介「さすがにここから何かわかることなんて…」

825: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:49:53.12 ID:sFy8gEyhO
恭介(なんだ…?まただ。なにか違和感を感じる)

恭介(さっきも感じた違和感だ、なにかを見落としているような、忘れているような)

恭介(妙な感覚だ、とにかくなにかが引っかかっている…)

恭介(さっきから…?いや気づいたのがたまたまさっきだっただけで)

恭介(もしかしたら、俺はずっと前からこの妙な感覚に気づかずにいたんじゃ…)

826: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:50:57.69 ID:sFy8gEyhO
ゆり「棗くん?どうしたの、急に黙ったりして。なにか気づくようなことでもあった?」

恭介「…いや、なんでも…」

日向「おーい!ゆりっぺー、恭介ー!無事かーっ!」

ゆり「日向くんの声!」

恭介「助けが来たみたいだな」

恭介(上を見上げると日向の顔や、ロープの準備をしている椎名が見えた)

恭介(今は考えるのを後にしよう、今はな…)

827: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:51:49.75 ID:sFy8gEyhO
ゆり「みんな無事でなによりね、それとありがとう。助かったわ」

恭介(程なくして、みんなのおかげで落とし穴から脱出できた)

恭介(執行部と戦ってたわりに、誰も怪我とかはしてないみたいだ。大したやつらだぜ)

真人「恭介、お前頭大丈夫かよ?血が滲んでるぜ」

恭介「どうってことない。もう全然よゆーだ、ただのかすり傷だ」

大山「いや、少なくともよゆーの怪我には見えないけど…」

828: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:53:02.15 ID:sFy8gEyhO
ゆり「あたしを庇って怪我したのよ。体中強く打ったみたいだから、手を貸してあげて」

真人「任しとけ。こういう時こそ、筋肉にプロテインってやつだぜ」

恭介(真人がそう言いながら肩を貸してくれる)

高松「真人くん。おそらくは鬼に金棒と言いたかったのでしょうが、それでも使い時が少し違います」

沙耶「…よくわかったわね。あたしなんのことだかでツッコめなかったんだけど」

大山「ううっ、世界一のツッコみマスターにはまだまだだ…!」

日向「お前はどこ目指してんだよ大山…」

829: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:53:47.93 ID:sFy8gEyhO
野田「恭介…!しっかりゆりっぺを守ってくれたようだな、礼を言うぞ!」

恭介(野田が軽く頭を下げて、俺に向かってそう言った)

恭介「どうせなら、トラップからも脱出できたら言うことなかったんだがな」

日向「それはずりーぜ!いくらなんでもカッコつけすぎだ、俺たちにも見せ場残しといてくれないとな」

TK「Exactly!!」

830: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:54:46.86 ID:sFy8gEyhO
ゆり「みんな。無様にトラップにハマってたあたしが言うのもなんだけど、時間が無いわ!」

ゆり「今度こそ、ギルドに向かうわよ!」

松下「多分、まだ天使もギルドについてはいないだろうな」

椎名「だが、すぐ近くまで来ていると思うべきだ」

ゆり「そういうこと、急ぐわよ!みんな!」

全員「「「おおっ!」」」

831: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:55:23.29 ID:sFy8gEyhO
恭介(みんな揃って、広い道をひたすらに駆ける。そしてようやくたどり着いた)

恭介(俺達の眼下には頑丈そうな鉄の扉がある、それを開けると暗闇の底に光が見えた)

恭介(そして長い長い梯子が待ち受けていた)

恭介(暫く降りていくと、ようやくその全貌が広がる)

832: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:55:57.89 ID:sFy8gEyhO
恭介「これが…ギルドか…」

恭介(まるで巨大な鉄工所のようだ、武器を作っているというだけある)

恭介(こんなものが地下にあるなんてな)

恭介(梯子を降りきると、総勢15名くらいの作業着を着た若者たちが待ち受けていた)

833: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:56:32.27 ID:sFy8gEyhO
ギルメンA「あの罠の中、全員で辿り着くなんてな。さすがだぜ、ゆりっぺ」

ゆり「そんなことより天使は?」

ギルメンB「さっきまで止まっていたが、また動きだしたようだ」

どーーーーーんっ!

ギルメンC「またかかった!」

ギルメンD「近いぞ、すぐそこまで来てる!」

834: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:57:13.41 ID:sFy8gEyhO
ギルメンA「…ゆりっぺ」

恭介(全員がゆりっぺに注目する、リーダーの判断を待っているんだろう)

恭介(どうするゆりっぺ…!)

ゆり「ここは爆破するわ」

恭介(あっけなくそう告げた)

ギルメンC「そんな、正気か、ゆりっぺ!」

ギルメンD「そうだぜ、武器が作れなくなってもいいのかよ!?」

835: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:57:44.76 ID:sFy8gEyhO
ゆり「…大切なのは場所じゃない、あなたたちよ」

ゆり「あなたたちの記憶さえあれば、ここじゃなくても武器は作れる。そうでしょ?」

ギルメンD「それは…」

恭介「どういうことだ、ゆりっぺ?」

836: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:58:43.02 ID:sFy8gEyhO
ゆり「この世界では、土くれからだって形だけのものは作り出せるの」

ゆり「原理まではわからないけど、構成する最低限の素材と、組み合わせ方さえ知っていればね」

沙耶「だから、記憶ってわけね?」

ゆり「そうよ、天使がこれ以上侵攻できないようにここを爆破する」

ゆり「そして、みんなはオールドギルドに避難して!一番大切なのはあなたたちなんだから!」

ギルメンB「…ゆりっぺ」

837: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 21:59:28.11 ID:sFy8gEyhO
??「同感だな、あそこには何もないが土くれだけなら山ほどある。地上にも戻れる出口があるしな」

ギルメンB「チャーさんっ!」

恭介(奥から髭を生やした工場長のような男が現れた)

チャー「俺たちにとって大事なのは、記憶と、職人としてのプライドだ」

チャー「それさえあれば俺たちはどこでも武器は作れる、たとえここより苦労が増えようとだ」

838: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:00:01.03 ID:sFy8gEyhO
チャー「違うか?お前たち!」

恭介(振り返り、ギルメン達にそう問う)

ギルメン達「「「はいっ!!」」」

恭介(ゆりっぺの気持ちと、チャーと呼ばれる男の熱意が伝わったのか、一気に活気づいた)

839: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:00:45.42 ID:sFy8gEyhO
チャー「爆薬を仕掛ける!チームワークを見せろ!」

ゆり「実行班もよ!チャーや他のみんなの指示に従って手伝いなさい!」

全員「「「おおっ!!」」」

どーーーーーん!!

椎名「近いな、すぐ上か…」

藤巻「こういう時のための男手だぜ!」

松下「早速、行動開始だ!」

チャー「ああ、もうトラップは無い!急いでくれ!」

840: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:01:39.10 ID:sFy8gEyhO
恭介(みんなで手分けして作業に当たる。だが、ふとゆりっぺがいないことに気づいた)

恭介(あいつならこういう時、全員に指示を飛ばすだろうから、一際目立つはずだ…)

恭介「まさか…あいつ…!」

恭介(嫌な予感を感じながら、長い梯子を駆け上がり、出口から這い上がった)

恭介(そこには…)

841: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:02:12.27 ID:sFy8gEyhO
カシィン!カシィン!カシィン!

ゆり「くっ!」

立華「………」

恭介(ナイフとハンドソニックで交戦する二人がいた…!)

恭介(だがゆりっぺが押されている、ざくりざくりと体が切り裂かれている)

842: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:03:01.79 ID:sFy8gEyhO
ゆり「このぉーー!!」

ブゥン

恭介(たまらず大振りになる。駄目だ、それを見逃す立華じゃない…!)

立華「ガードスキル…ディレイ」

ゆり「!?」

ドガッ!

ゆり「がはっ…!!」

恭介(立華が残像を生みながら回避し、逆に大振りの攻撃をゆりっぺにぶつけた)

恭介(壁に叩きつけられ、力なく崩れ落ちるゆりっぺが見える…)

843: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:04:15.78 ID:sFy8gEyhO
恭介「ゆりっぺーーー!!」

恭介(一目散にゆりっぺのもとに駆け寄る、さっきの痛みがまだ残っていたが無視した)

ゆり「うっ…、棗くん…!なんで来たのよ…?」

恭介「お前がいないのに気づいたからな。無茶しすぎだ、一人で」

ゆり「少し、時間を稼ぐつもりだっただけよ…。そんな、あっさり勝てるとは思ってないわ…、いつっ!」

恭介(顔を歪ませて右肩を抑える、ナイフを持っていた方の腕だ。この怪我じゃもう戦えないだろう)

844: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:05:02.88 ID:sFy8gEyhO
ゆり「逃げなさい…、あなただって手負いなのよ。勝ち目は無いわ、ここはあたしがなんとか…!」

恭介(それでもみんなのために、時間を稼ごうと必死に立ち上がろうとする)

恭介(だから、俺は)

恭介「あとは任せろ」

恭介(そう言ってゆりっぺを座らせ、立華の向き直った)

845: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:06:11.53 ID:sFy8gEyhO
ゆり「な、なに言ってるのよ!あなたのほうがあたしよりよっぽど酷い怪我を…」

恭介「あのなぁ、お前まだ俺のことわかってないだろ?」

ゆり「えっ?」

恭介「男ってのは、手負いの時のほうが強くなるもんなんだよ」

恭介(そう言いながら俺は二本のナイフを取り出す)

恭介(さっき執行部と戦ってた時に使ったもの。おもちゃじゃない、本物のナイフだ)

恭介(それを両手に持って立華の前に立った)

846: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:06:55.76 ID:sFy8gEyhO
恭介「よう、立華。こんな時間にお散歩か?」

立華「違うわ。ギルドを破壊しにきたの」

恭介「そいつはご苦労様だ、どうしても破壊するのか?」

立華「こんな危険な場所、放置しておくわけにはいかない」

恭介(まあだろうな。わかっていたことだが、ギルドの存在は明らかにこの世界の秩序を乱している)

恭介(立華がそれを見逃すわけない)

847: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:07:39.14 ID:sFy8gEyhO
恭介「そっか。なら前の時と同じだな」

立華「前?」

恭介「俺はここから先に行かせたくない、お前はここから先に行きたい」

恭介「なら、バトルでケリつけようぜ」

恭介(ナイフをクルクル回しながら立華に向けた、本当は向けたくないナイフを)

恭介(だが、ただの殺し合いなんてのはそれこそ死んでもゴメンだぜ)

848: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:08:11.49 ID:sFy8gEyhO
立華「ルールは前と同じ?」

恭介「ああ、今回はこんな武器しか用意が無いけどな。でも、俺のやり方は前となにも変わらない」

恭介「今回も、楽しく遊ぼうぜ!立華」

恭介(そこで俺は立華にウインクした)

849: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:09:06.93 ID:sFy8gEyhO
恭介(気づいてくれ…立華。今はまだ、お前とは敵対しておかなければならない)

恭介(そしてゆりっぺの見てる前だ、下らない武器を使った戦い方もできない)

恭介(前みたいに、俺が立華に危害を加える気がないのを察してくれさえすれば、とりあえずの時間は稼げる)

恭介(それでも、それを受けてくれるかさえ立華次第だ)

恭介(頼む、立華…!)

850: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:09:58.39 ID:sFy8gEyhO
立華「わかったわ、遊びましょう。棗くん」

恭介(そう言うと立華は無表情のままウインクした、それだけじゃない)

恭介(俺の向けたナイフにハンドソニックを合わせてきた)

恭介(…ははっ、オーケー!お前、わかってるじゃないか、立華)

851: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:10:56.87 ID:sFy8gEyhO
カキン

恭介(ナイフで軽くハンドソニックを弾く、それが開始の合図となった)

恭介(同時に後方に飛び、距離を離す。広い通路の真ん中で、お互いに武器を構え向かい合う)

恭介「前の賭け、あれ継続中だからな!俺が勝ったらその時は覚悟してもらうぜ?」

立華「あたしが勝ったら、約束通り授業を受けてもらうわ」

852: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:11:44.68 ID:sFy8gEyhO
恭介「オーケー!何時間でも一緒に受けてやるよ」

立華「あたしと一緒にね」

恭介「むしろご褒美だ、男に二言は無い!それじゃ第二ラウンドといくぜ!」

恭介「バトル…スタート!!」

恭介(そして同時に距離を詰め、お互いの武器が交わった)

853: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:12:37.71 ID:sFy8gEyhO
~Yuri Side~

ゆり(信じられないものを見ている…)

ゆり(棗くんとあの天使が互角に戦っている…!)

ゆり(身体能力には大きな差があるはずだ、加えて棗くんは全身を強打していたはず)

ゆり(にも関わらず、天使に一歩も遅れをとっていない)

854: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:13:19.47 ID:sFy8gEyhO
ゆり(猫騙しをしたり、よそ見をしたり、あらゆる方法で天使を翻弄している)

天使「ふっ」

恭介「おっと!」

ゆり(天使の横薙ぎの攻撃を、大袈裟に地面に伏せるように躱す)

ゆり(そこから反動をつけ一気に起き上がると、バク転やらバク宙をしながら後方に着地する)

855: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:13:58.60 ID:sFy8gEyhO
ゆり(あんなのただのカッコつけだ、意味なんてあるはずが無い)

ゆり(あるはずが無いのに、天使は棗くんのその動きに、動揺しているように見える)

ゆり(当然かもしれない、相手があたしでもペースを乱されるはずだ)

ゆり(それくらい棗くんの動きはめちゃくちゃだ、なのになぜか様になっている)

856: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:14:53.12 ID:sFy8gEyhO
恭介「どうした?そんなにカルピスが飲みたいのかい?太刀筋に出てるぜ」

ゆり(わけがわからない…、意味不明すぎる)

ゆり(なのに決して踏み込みすぎず、冷静に時間稼ぎを遂行している)

ゆり(並の精神力で出来ることじゃない…、本当に何者なの、棗くんは?)

857: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:15:30.94 ID:sFy8gEyhO
天使「これはどう?」

ゆり(今度は天使が距離を詰めながら、まるでコマのように回転する)

ゆり(両手に装備したハンドソニックのせいで、それは物凄い手数と早さで襲ってくる)

恭介「ちっ!」

ゆり(さすがの棗くんもたまらず一度、距離を離した)

ゆり(どうするの棗くん…。あの技を破らない限り、接近戦は不利すぎる…!)

858: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:16:18.39 ID:sFy8gEyhO
恭介「フッ」ニヤリ

ゆり(なのにまるで問題が無いかのように、余裕の笑みを浮かべている)

恭介「アタックチャーンス!!」

ゆり(今度は棗くんから距離を詰めた、そして同じように回転する)

ゆり(まさか…!)

859: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:16:50.41 ID:sFy8gEyhO
天使「!?」

恭介「そらそらそらっ!」

ゆり(さっきやられた技をそのままやり返した、そして…)

天使「くっ!」

ゆり(今度はたまらず天使のほうが距離を離した。天使が明らかに驚いている…!)

860: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:17:30.38 ID:sFy8gEyhO
ゆり(…認めるしかない、彼は強い。身体能力は、戦線メンバーの中でも飛び抜けているわけじゃないはずだ)

ゆり(武器だって特別なものじゃないし、特別な鍛錬を積んでいるようにも見えない)

ゆり(なのになにかが、棗くんの力を底上げして、天使の力に届いている…!)

ゆり(一体なにが…)

861: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:18:33.15 ID:sFy8gEyhO
恭介「ふふっ、はははっ、あっはははは!!」

ゆり(急に棗くんが笑いだした、なんなの…?)

天使「どうしたの?なんで笑ってるの?」

恭介「ふっ、そんなの決まってるだろ。理由は当然、燃えるからだ!!」

恭介「最高にワクワクするぜ!な、お前もそう思うだろ?立華」

恭介「俺とバトルしてて楽しくないか!?」

862: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:19:43.14 ID:sFy8gEyhO
ゆり(…まただ。あたしが棗くんをどうしても受け入れられない理由)

ゆり(みんなを惹きつけるカリスマがある。行動力に溢れ、頭がキレる時があるのもわかる)

ゆり(仲間想いで、天使と単独で戦えるほど強いのもわかる)

ゆり(…でもそれだけはわからない!認められない!)

863: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:20:40.79 ID:sFy8gEyhO
ゆり(ワクワクする?楽しい?そんなものが一体なにになるっていうの!?)

ゆり(自分の士気を上げるため?みんなの士気を上げるため?)

ゆり(仮にそうだったとしても、そんなもの天使相手にはなんの意味も無い)

ゆり(天使と楽しさを共有しようとしてなにになるの?)

ゆり(あいつは神の使いなのに、そんなものが天使の心を動かすとでも…!?)

ゆり(そう思っていた、なのにあたしは信じられないものを見た…)

864: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:21:37.61 ID:sFy8gEyhO
天使「そうね、あなたとのバトルは楽しいわ」ニコッ

ゆり(………なに今の?あたしは今なにを見たの?)

ゆり(もし見間違えじゃなければ、今確かに…)

ゆり「…天使が…笑った…?」

865: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:22:13.35 ID:sFy8gEyhO
~Kyosuke Side~

チャー「二人とも、ギルドを爆破するぞ!こっちだ急げ!」

恭介(古い空気口のような穴の中から、チャーが呼ぶのが聞こえた)

恭介(準備完了ってわけか)

866: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:22:58.61 ID:sFy8gEyhO
恭介「聞いてのとおりだ、立華。俺たちはこれからギルドを爆破する」

恭介「そうなりゃ、とりあえずお前と戦う理由が無くなるな」

立華「…そうね」

恭介「それとももう少しやり合うか?」

867: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:23:47.01 ID:sFy8gEyhO
立華「あたしは生徒会長だから、自分からは戦ったりしないわ」

恭介「面倒な立場だな、早く辞めたらどうだ?」

立華「あなたがリトルバスターズを選んだように、あたしも生徒会長であることに意味があるから」

恭介「…そうか。じゃあ続きはまた今度な、いい加減ナイフがボロボロだ」

恭介(刃こぼれしまくってるナイフを立華に見せる、強度の問題だろう)

恭介(何度も立華のハンドソニックと斬りあったナイフは、もう限界間近だ)

868: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:24:43.37 ID:sFy8gEyhO
立華「ええ、また今度。次こそは勝つわ」

恭介「ふっ。そう簡単にはいかねえよ」

恭介(今はこういう関係だが、これはこれで悪くない気がする)

恭介(決して仲違いしているわけじゃない、バトルによってわかり合う宿命のライバル)

恭介(沙耶が俺をそう扱うのに拘ってた理由がわかる)

恭介(なんていうか、特別な関係に思えるものなんだな。これは燃えるぜ)

869: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:25:18.93 ID:sFy8gEyhO
恭介「ゆりっぺ、立てるか?」

恭介(離れた場所にいたゆりっぺに、俺は手を差し伸べる)

ゆり「…え、ええ」

恭介「元気無いな、怪我のせいか?なんならお姫様抱っこでもしてやろうか?」

ゆり「い、いいわよ、別に!なに言ってるのよこんな時に!」

870: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:26:10.98 ID:sFy8gEyhO
恭介「よし、それだけ元気なら大丈夫そうだ」

恭介(ゆりっぺは自力で立ち上がると、先に空気口へと向かっていった)

恭介「立華、お前はどうする?ここにいたら危ないんじゃないのか?」

立華「大丈夫よ。ちゃんと爆破を見届けたら自分で帰るから」

871: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:26:44.62 ID:sFy8gEyhO
恭介「そうか、じゃあまたな」

立華「ええ、また」

恭介(それだけ交わすと立華に背を向ける)

恭介(俺もチャーが呼んでいた空気口に、体を押し込めた)

872: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:27:17.16 ID:sFy8gEyhO
チャー「いいんだな?」

恭介(ゆりっぺへの最終確認。その手に握っているのは、爆破のためのリモートスイッチだろうか)

ゆり「やって」

恭介(チャーは天を仰いで息を吸い込んだ、そして)

チャー「爆破!!」

恭介(レバーを押し込んだ、徐々に雪崩のような轟音が迫ってくる)

873: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:28:07.20 ID:sFy8gEyhO
チャー「進め、オールドギルドへ!みんなは先に向かっている!」

恭介(俺とゆりっぺ、そしてチャーは闇雲に前へ前へと進んだ)

恭介(あいつは、立華は無事だろうか。あいつのことだから心配はいらないだろうが)

恭介(結局、あいつを騙して俺たちは新たな場所でまた武器を作ろうとしている)

恭介(あいつと戦うため…、いや違う、それだけじゃない)

874: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:28:39.80 ID:sFy8gEyhO
恭介(今はまだ戦線が戦線で在るために必要なものだ)

恭介(今回のように、トラップや執行部と戦うことだってある)

恭介(そのために必要なんだ。けどいつか、そんな必要が無くなったら立華とも…)

恭介(同じ場所で笑い合えるといいな、そう思いながら俺は走った)

875: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:29:16.51 ID:sFy8gEyhO
恭介(そしてようやくたどり着いた場所)

恭介(さっきまで見てきたギルドとは、全く違う。古めかしい石の壁に囲まれた空間だ)

真人「恭介!」

野田「ゆりっぺ…!大丈夫か!その怪我は!?」

恭介(俺たちの姿を見て、みんなが駆け寄ってきた)

876: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:30:18.97 ID:sFy8gEyhO
ゆり「天使相手に時間稼いでたらちょっとドジっちゃっただけよ、殆どは棗くんが一人で戦ってくれたわ」

沙耶「二人して無茶しすぎよ!特に恭介くんはもとから怪我してたのに!」

恭介「この程度、どうってことねえよ。ピンピンしてるくらいだぜ」

椎名「よくもまあ天使相手に単独で戦えたものだ…」

日向「まったくビビったぜ。作業終えてみたら二人していないんだからな」

大山「恭介くんって本当になんでも出来るんだね」

877: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:31:12.62 ID:sFy8gEyhO
野田「ふん、戦闘でもそれだけ出来るなら、今度俺と手合わせしてもらおうか?恭介…!」

恭介(野田がいつものようにハルバードを突きつけてくる)

恭介「わるいがお断りだ。なんで仲間同士で、マジでやり合わなきゃいけないんだよ」

恭介「やるならもっと別のバトルで勝負しようぜ」

野田「む…、確かにその通りだ。だがどんな勝負でも俺が、勝つ!」

高松「ここで納得するのが野田くんの良いところですね」

松下「単純だからな、良い意味で」

878: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:31:58.66 ID:sFy8gEyhO
チャー「それにしてもひでーねぐれだな」

チャー「本当に何もありゃしない。…はははっ、笑えらあ!」

ゆり「壁をつついたら、どれだけでも土くれは落ちてくるわよ」

チャー「違いねえ!」

ゆり「またひとつよろしくね」

チャー「ああ」

恭介(チャーとゆりっぺが固く握手を交わした。それはきっと、二度目のことなんだろう)

879: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:32:37.14 ID:sFy8gEyhO
チャー「よし、とっとと始めるぞ、お前ら!」

ギルメン達「「「おーっす!」」」

恭介(ギルメン達が駆け、壁に張り付く。そして土を掻き出し始めた)

ゆり「みんなも手伝ってあげて。今欲しいのは弾薬だから、特に弾薬班をね」

ゆり「細かい人選は班長に一任するから、手の空いてる人は土木班を手伝うように」

恭介(ゆりっぺも即座にテキパキと指示を飛ばす、それに従いみんなも一斉に駆けていった)

880: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:33:31.26 ID:sFy8gEyhO
恭介(やっぱお前もすげえな。みんなが慕う立派なリーダーだ)

恭介(俺もみんなを手伝うか…。立華と戦っている間は忘れていたが、無理をしたせいで体中に激痛が走っている)

恭介(それでも、手伝えることがあるならやるべきだな)

ゆり「待って、棗くん」

恭介(みんなのところに向かおうとした時、ゆりっぺが声をかけてきた)

881: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:34:06.63 ID:sFy8gEyhO
ゆり「まず一つ、助けてくれてありがとう。あなたには二回も助けられたわね」

恭介「気にするなよ、俺だってゆりっぺに助けてもらったろ?」

ゆり「ええ、あなたならそう言うとは思ったわ。でもまあ一応ね」

ゆり「本題はむしろここから」

恭介(ゆりっぺが一度、言葉を切る。そして真剣な顔つきになる)

882: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:34:55.12 ID:sFy8gEyhO
ゆり「…天使とどういう関係なの?随分と親しそうに見えたけど?」

恭介(きたか、まあ当然だろうな)

恭介(でもまあ、どういう関係と聞かれたからには素直に答えておくか)

883: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:35:37.16 ID:sFy8gEyhO
恭介「あいつは俺の…」

ゆり「俺の?」

恭介「『宿命のライバル』だ!」

ゆり「………は?」

恭介「『宿命のライバルだ』!」

884: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:36:09.85 ID:sFy8gEyhO
ゆり「一回聞けばわかるわよ!別に二回言えって意味のは?じゃないわよ!」

ゆり「え、ってかなに?宿命のライバル!?いつの間にそんな関係になってたのよ!!」

恭介(あまりに予想外な返事だったのか、またもゆりっぺがテンパっている)

恭介(こういう反応をいつも見せてくれたら、もっと可愛げがあるのにな)

885: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:37:02.34 ID:sFy8gEyhO
恭介「トルネードの時に天使と一対一で戦ってな、あの時に再戦の約束をしてたんだ」

恭介「そして、今日のバトルで確信した。俺とあいつは宿命のライバル…!だとな」

ゆり「…は?…えー。そりゃまあ天使は敵だから、そういう捉え方も間違いじゃないけど…」

恭介(まだ微妙に納得のいかない表情だ。でも、わりと本気でそう思ってるんだけどな)

886: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:37:54.12 ID:sFy8gEyhO
ゆり「あ、じゃあ天使を名前で呼んでたのはなんでよ!立華って!天使も棗くんって呼んでたし!」

恭介「初めてバトルした時に、お互いに自己紹介したからな。そりゃ名前で呼ぶだろ」

ゆり「お見合いか!!なんで戦う前に自己紹介なんかしてるのよ!」

恭介「決闘の前にお互いに名乗りを上げるのは普通だろ?」

887: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:38:58.09 ID:sFy8gEyhO
ゆり「………もう、大体察しはつくけど。そう思う理由は?」

恭介「理由はもちろん…、燃えるからだ!」

恭介(俺は満面の笑みでそう言ってやった)

ゆり「だーっ!!言うと思ったわよ!絶対そう言うと思ったっての!」

恭介「大分俺のことをわかってくれたな、ゆりっぺ」

ゆり「ええ、わかったわよ…」

888: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:40:14.69 ID:sFy8gEyhO
ゆり「やっぱりあなたって馬鹿ね!間違いなく戦線一番の馬鹿よ!」

ゆり「いい歳して、思考回路がその辺の悪ガキと同じなんじゃないの!?」

恭介「いつまでも童心を忘れないようにしているだけさ」

ゆり「そんなすごい爽やかな笑顔で言わないでくれる?思わず殴りたくなるから♪」

恭介「手厳しいな、ゆりっぺは」

889: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:41:23.37 ID:sFy8gEyhO
ゆり「まったくとんだ問題児ね。ここまで手のかかるのは、戦線立ち上げてから初めてよ」

恭介(ゆりっぺがそう言いながら、ため息をついた。もう少しからかってみるか)

恭介「初めてか!やったぜ、いやっほぅー!」

ゆり「ああっ!?」

恭介「…すまん、今のはさすがに冗談だ」

恭介(やばい、今マジで殺意に近いものを感じた気がしたぜ…)

890: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:42:24.23 ID:sFy8gEyhO
ゆり「もう。そんなに元気なら、みんなを手伝ってきなさい!」

ゆり「あなたの作業は、免除してあげようかと思ってたけど大丈夫そうだし」

ゆり「あたしだって、これからチャーと今後のこと話したりしないといけないんだから」

恭介「ああ、了解だぜ。オーバー」

ゆり「なにがオーバーよ、アホ」

891: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:43:07.56 ID:sFy8gEyhO
恭介(みんなに視線を向ける。それぞれが協力しながら、賑やかに作業をしている)

恭介(今まで距離を感じてたゆりっぺとも、少しは親しくなれた気がする)

恭介(色々と大変な作戦だったが、無事やり遂げられて良かったな)

恭介(きっとこれからは戦線も、もっと良い方向へと変化していくに違いない)

恭介(そのためにも、とりあえずは今出来ることを一歩ずつ確実に…)

892: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:43:54.10 ID:sFy8gEyhO
グラッ

恭介「!?」

恭介(…やばい、視界が歪む。さすがに無茶しすぎたか…?)

藤巻「おー恭介。どうした、サボりか?」

恭介「藤巻か、いやなんでもない」

893: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:44:47.21 ID:sFy8gEyhO
藤巻「…本当にそうか?なんか顔色悪いぜ、無理してんじゃねえだろうな?」

恭介「大丈夫さ…こ、れ、くら…」

ドサッ

藤巻「恭介!?」

恭介(意識が遠のく…、やばいな。あんまみんなに、心配かけたくないんだが)

恭介(俺も、まだまだだな…)

894: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:45:29.22 ID:sFy8gEyhO
藤巻「おーい!みんな、誰か来てくれよ!恭介が倒れちまった!」

藤巻「手貸してくれ!!」

恭介(藤巻の声が聞こえる…、みんなが駆け寄ってくる足音が聞こえる)

恭介(俺の意識はそこで途切れた…)

895: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:46:04.05 ID:sFy8gEyhO
Episode:2 変化の風 END

896: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:47:10.44 ID:sFy8gEyhO
恭介「にしても本当に疲労がまるで残ってないぜ、便利な世界だな」

真人「筋肉痛も次の日には収まっちまうからな。便利なのはいいが少し寂しい気もするぜ」

恭介(翌日、そんな話をしながら、真人とブラブラと歩く)

恭介「お前は今日もあいつらと筋トレか?」

真人「まあな、今日は大山のやつも一緒なんだぜ」

897: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:48:13.68 ID:sFy8gEyhO
恭介「マジかよ…、大丈夫なんだろうな?」

真人「無理な筋トレはさせねえよ。俺を誰だと思ってんだ?筋肉の第一人者だぜ」

恭介「筋肉のみに限ったらまごうこと無き第一人者だな」

真人「ありがとよ」

898: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:49:15.79 ID:sFy8gEyhO
真人「そうだ、ゆりっぺと沙耶が心配してたぜ。特にゆりっぺは自分のせいだと思いこんでんじゃねえか?」

恭介「そう思うか?」

真人「ああ、あいつってなんでも一人で背負い込んじまうタイプに見えるからな」

恭介「同感だ。素直じゃないのが玉にキズだが、それも含めてゆりっぺだしな」

899: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:50:37.77 ID:sFy8gEyhO
恭介「そのうち、なんか用事見つけて会いに行くことにするか」

真人「いちいち用事が無いと会いに行けねえのかよ、面倒くせえな」

恭介「そういうな、リーダーとして色々気を張ってるんだろ」

真人「俺には難しい話だぜ、じゃ俺はそろそろ行くぜ」

真人「遅れたやつは、一週間腕立て禁止の罰ゲームなんだよ」

900: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:51:40.93 ID:sFy8gEyhO
恭介「それが罰なのか…、まあいい。サンキューな真人、また後で」

真人「おう、またな」

恭介(そういうと真人は橋に向かって走っていった。あいつの走り方はなんか目立つよな、昔から)

恭介(さて、俺はこれからどうするか…)

恭介(ん…?今、寮の方で声が聞こえたような…)

恭介(気になるな、行ってみるか)

901: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/22(水) 22:54:18.08 ID:sFy8gEyhO
選択安価

恭介が聞いた声は誰のものか、一人選んで下さい

謙吾・小毬・葉留佳・クド・唯湖・美魚・音無

23:10:00:00
↓1

907: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/22(水) 23:10:32.63 ID:Cwkdjqhy0
けんご

923: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:11:10.03 ID:htvKSJNIO
~Kengo Side~

謙吾「生徒会長だと言ったな、お前はなにを企んでいる?」

生徒会長「なにも企んでいないわ」

謙吾「じゃあさっきの言葉はなんだ?お前は寮に行けば、友達がいると言ったはずだ」

謙吾「確かに、俺の名前が書かれた部屋があった」

謙吾「だがそこにいたのは、見たことも無い赤の他人だったんだぞ!」

924: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:12:16.78 ID:htvKSJNIO
謙吾(自分でも語気が荒いのがわかる。俺らしくもない、こんな少女に対して)

謙吾(部屋には自然に向かい入れてくれた誰かがいた。名前までは覚えていない、どうでもいい)

謙吾(見慣れない部屋に見慣れない男)

謙吾(なのにそこには俺が愛用していた、竹刀や剣道着、そしてリトルバスターズジャンパーがあった)

925: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:13:15.04 ID:htvKSJNIO
謙吾(間違えるはずもない、俺のものだった)

謙吾(その事実がなお、俺を動揺させた)

謙吾(まるでここがお前の居場所だと、そう誰かに言われているようで…)

謙吾(だから今は仕方ない、こんなわけのわからない夢に付き合ってはいられない)

謙吾(俺の居場所は一つしかないんだ!)

926: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:14:01.95 ID:htvKSJNIO
生徒会長「あなたの生前の友達ならここにはいないわ」

謙吾「どういう意味だ」

謙吾(なんだ?この少女はなにを言っている?)

生徒会長「ここは死後の世界なの」

生徒会長「だからさっきのは、代わりの新しい友達っていう意味だったの」

927: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:14:56.47 ID:htvKSJNIO
謙吾「死後の世界だと、そんなことが信じられるか!」

謙吾「お前は俺を欺こうとした。よりにもよって、俺の一番大切なものを偽ろうとした!」

謙吾(俺にとって一番大切なもの…、言うまでもない。あいつらだ…!)

謙吾(あいつらがいなかったら、俺はずっと抜け殻のように生きていただけだったはずだ)

謙吾(あいつらがいたから、俺は自分の人生を幸せだったと思うことができた)

謙吾(誰もあいつらの代わりになんてなれない。だから、代わりの友達だなんて発言だけは絶対に許せない)

謙吾「そんなお前の言葉を俺は信じられない!」

928: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:15:53.00 ID:htvKSJNIO
生徒会長「怯えているの?」

謙吾「な、なに!」

謙吾(これだけ威圧しているのに、まるで怯まない)

謙吾(不気味ささえ覚える、なんなんだこいつは…)

生徒会長「無理も無いわ、最初はみんなそうだから」

生徒会長「でもしばらくしたらわかるわ、ここが死後の世界だって」

929: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:16:45.83 ID:htvKSJNIO
謙吾「死後の世界…」

生徒会長「覚えてない?あなたが死んだ時のこと」

謙吾(…覚えている、忘れるわけがない)

謙吾(みんなで修学旅行に向かおうとしていた、楽しいことが待っているはずだった)

謙吾(なのに急に車内が揺れ、悲鳴に包まれ、世界が反転した)

930: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:17:21.20 ID:htvKSJNIO
謙吾(俺はただ目の前にいた、鈴を守ろうと必死だった)

謙吾(すぐ隣で、真人が理樹を守ろうとしているのも見えた)

謙吾(そして、俺は死んだ…)

謙吾(どういう死に方だったのかは分からない。だが、それだけは絶対に変えられない事実だと知っていた)

謙吾(じゃあまさか本当に…)

931: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:18:06.08 ID:htvKSJNIO
謙吾「で、デタラメだ!死後の世界なんてあるはず無い!」

生徒会長「………」

謙吾(生徒会長だと名乗る少女は、無表情のまま俺を見つめ続けている)

謙吾(やめてくれ、ただの冗談だと言ってくれ)

932: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:18:38.86 ID:htvKSJNIO
謙吾(もしそれが本当なら…)

謙吾(ここが本当に死後の世界だというのなら…)

謙吾(俺はこれからどうすればいい、あいつらもいない。こんな場所でたった一人で…)

謙吾(誰でもいい。夢だって言ってくれ!)

謙吾(もし夢じゃないのなら…、誰か俺を…)

933: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:19:19.00 ID:htvKSJNIO
??「待ってたぜ、謙吾」

謙吾「!!」

謙吾(声が聞こえた。今、一番俺が聞きたかった声が、背後から)

謙吾(ゆっくりと振り返る)

謙吾(そうであってくれ、と願いながら…。もし違ったら、耐えられない)

謙吾(だからゆっくりと…)

934: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:20:00.64 ID:htvKSJNIO
恭介「お前が来るのを、ずっとな」

謙吾「………恭介」

謙吾(まるであの日のように、俺を連れ出してくれたあの時のように)

謙吾(変わらない笑顔でいつだって、俺を楽しい場所に連れて行ってくれた)

謙吾(俺の親友が、そこにいた…!)

935: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:20:49.69 ID:htvKSJNIO
~Kyosuke Side~

謙吾「………恭介」

恭介「なんだよ、情けないツラして。まるであの日に戻ったみたいだぜ」

謙吾「ば、馬鹿野郎!そんなわ…け…」

936: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:21:32.69 ID:htvKSJNIO
恭介(やれやれ、お前は本当に変わらないな)

恭介(泣き虫で、意地っ張りで、あまのじゃくで)

恭介(一番の甘ちゃんだった)

恭介(けどもう少しだけ我慢しろよな?)

恭介「悪いな、立華。謙吾は俺の生前の友達なんだ」

恭介「だから、こいつは俺が連れて行く」

937: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:22:22.42 ID:htvKSJNIO
立華「そう、わかったわ」

恭介「ほんと物分りいいよな、お前」

立華「そのほうが良いとあたしも思うから。それに」

恭介「それに?」

立華「あたし、空気は読めるわ」

恭介(そう言って立華は、去っていった。気を使ってくれたっぽいな)

恭介(今度会った時礼を言っとくか。さて)

938: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:23:02.98 ID:htvKSJNIO
謙吾「…恭介」

恭介「泣いてもいいぜ、あの時は許さなかったからな」

謙吾「恭介!!」

恭介(謙吾が涙を流しながら、俺に向かって飛び込んできた)

恭介「ったく、さすがに泣きすぎだぜ?謙吾」

939: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:24:08.83 ID:htvKSJNIO
謙吾「うるさい…!これは…感動の涙だ…。もうおしまいだと、本気で思っていた…」

謙吾「もう二度と…お前にも会えないと…そう思って…俺は!」

恭介「俺もそう思ってたさ。でも本当に俺たちの絆は、切っても切れないみたいだな」

恭介「真人もお前が来るのを信じてたぜ」

謙吾「真人もいるのか…!」

恭介「ああ、ついでに沙耶もいる。他のメンバーも来るのを待ってるところだ」

恭介「だから泣くのは今だけな、ここでの戦いは前以上に大変だぞ?」

940: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:25:18.76 ID:htvKSJNIO
謙吾「………ふっ」

恭介(涙を拭う、そしていつもの毅然とした姿で俺を見つめる)

謙吾「俺を誰だと思ってる?お前たちの為ならいくらでも戦い、勝利してみせるさ」

恭介(さっきまでの涙はどこへやら、頼もしいじゃないか謙吾)

恭介「にしても…、ふっふふ」

謙吾「なんだ、なにがおかしい?恭介」

941: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:26:32.50 ID:htvKSJNIO
恭介「いや真人といいお前といい、なんでそんな制服似合わないんだろうな!」

恭介「ふっはははは!そういや、お前は確かホモに間違われるとかで着てなかったんだっけか?」

謙吾「…恭介、貴様ぁ!触れてはならんことを!しかもこの感動の場面で!」

恭介(謙吾がどこからともなく竹刀を取り出した)

恭介「待て、謙吾!お前今どっから竹刀出した!?」

謙吾「細かいことを気にするな、お前には、喝を入れてやる!」

942: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:27:34.64 ID:htvKSJNIO
恭介(やばい、わりと本気で怒ってるなこれ…)

恭介「落ち着け謙吾!冗談だ、軽いジョークだ!ほら、場を和ませるための、な!」

謙吾「問答無用だ、覚悟しろ!」

謙吾「まーーーんっ!!」

恭介「ぎゃああああ!!」

恭介(謙吾の怒りのまーんは、めちゃくちゃ痛かった)

943: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:28:27.01 ID:htvKSJNIO
謙吾「というわけで、みんなの熱い応援のおかげで無事俺も復活だ」

謙吾「これからはバリバリ活躍するつもりだ、期待していてくれ。はっはっはっ!」

真人「てめえはどこ向いて喋ってんだよ…」

恭介(謙吾が青空に向かって高笑いを上げている…。せっかく招集かけた真人と沙耶も呆れてるぜ)

沙耶「謙吾くんって一番まともなイメージだったのに…」

944: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:29:32.96 ID:htvKSJNIO
恭介「こいつの場合は、頭のネジ一本飛んでるタイプの馬鹿だからな」

恭介「俺や真人とも少しベクトルが違う」

恭介「そして俺たちの馬鹿を御しきれるツッコミ神が、理樹だったってわけだ」

沙耶「やっぱり!あなたたちが、ボケまくりの馬鹿ばっかやってたせいだったのね!」

沙耶「理樹くんもあたしの前で、たまにボケまくってたのは!」

謙吾「なに?ボケまくりの理樹だと」

真人「マジかよ?そんなの見たことねえぜ!」

945: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:30:14.94 ID:htvKSJNIO
恭介(そういや二人は知らなかったな)

恭介(普段はツッコミに回ってる反動なのか、あの状態の理樹は相当な馬鹿だったぜ)

沙耶「そりゃ一緒になってボケまくってたら、収集つかなくなるからでしょうね…」

謙吾「なんてことだ…!俺たちは理樹一人に、ツッコミを任せきってしまっていたというのか…」

真人「確かにな。なんか理樹のツッコミじゃねえと、俺の筋肉にはフィットしねえんだよな…」

恭介「ただツッコむだけじゃなくて、それとなくフォローを入れてくれるのが理樹だったからな…」

946: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:31:23.43 ID:htvKSJNIO
馬鹿三人「「「はあ…」」」

沙耶「あたしが言うのもなんだけど、理樹くんって愛されすぎよね…」

謙吾「まあいい。おかげで未練が増えた。いつか俺たち四人で馬鹿になるためにも、これから頑張ろう!」

沙耶「そんな目的!?いや違うでしょ!!」

真人「おうよ!理樹ともう一度、筋肉さんこーむらがえった!で遊ぶためにも」

沙耶「なによ、その意味不明な遊び!?ってか理樹くんやったことあるの!!」

恭介「理樹をロリロリハンターズに引き込むためにもな!」

沙耶「理樹くんを悪の道に引き込むなーっ!!」

947: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:32:42.64 ID:htvKSJNIO
ドカッ

恭介「げふっ!」

恭介(キレのあるハイキックが飛んできた、ってかなぜ俺だけ…)

沙耶「はあはあ…、ちょっと待って。このメンツのツッコミハードすぎない…?」

謙吾「ふむ。勢いに任せすぎな気もするがなかなか良いツッコミだ。やるな、沙耶」

真人「理樹っちがいない今、ツッコミ役は沙耶しかいねえ。ちゃんとオレたちの馬鹿をツッコんでくれよな!」

沙耶「勘弁してよ~。ああ、ヘルプミー理樹くーん」

恭介(沙耶が額を抑えながら、泣き言を言っている)

948: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:33:33.73 ID:htvKSJNIO
恭介「そう考えたら、理樹と沙耶っていいコンビだったよな」

恭介「理樹がボケに回れるなんてレアだし、お前ら結構相性良いんじゃないか?」

沙耶「えっ!ほんと!?」

恭介(満面の笑みでそう聞いてくる、が)

恭介「でも理樹はやらん。あいつは鈴のものだ」

沙耶「そ、そんなあああっ!うわあああああああん!」

謙吾「おい、号泣してるぞ!?」

真人「メンタル弱すぎんだろ!?」

949: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:34:47.27 ID:htvKSJNIO
沙耶「あたしはトラップだろうと拷問だろうと大概はエクスタシーだけど、理樹くんに関しては弱いのよ!!」

恭介(表情をコロコロ変えながら、今度はマジギレしている)

恭介「すまん…、まさかそこまでダメージ食らうとは思わなかった」

謙吾「だが、考えてみれば仮に俺たちが生き返れたとしても、待っているのは修羅場じゃないか…?」

真人「鈴や沙耶は当然として、他の女子たちも理樹に惚れてるもんな…」

恭介「それを言うなら、三枝や能美はループ始める前から、理樹のことが好きだったからな」

恭介「来ヶ谷に至っては、自力で理樹とひっついた世界の6月20日をループさせる執念をみせたくらいだ」

950: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:35:53.70 ID:htvKSJNIO
沙耶「ふん、ループならあたしだって負けてないわよ!」

恭介(髪を掻き上げながらいつものドヤ顔の沙耶)

真人「オレ達はとんでもないやつを育てちまったのかもな…」

謙吾「理樹、おそろしい子!」

951: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:36:27.68 ID:htvKSJNIO
恭介「まあなんせ理樹だ。取り合いにはなれど、修羅場ってほど激しいものにはならないだろ」

恭介「最悪、ハーレムでも作ればいいさ」

沙耶「恭介くんが言うと、冗談に聞こえないんだけど…」

恭介「無論マジだ」

謙吾「アホだな…」

952: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:38:11.95 ID:htvKSJNIO
恭介「ともかく、謙吾も加わったことだ。これからはより一層頑張っていこうぜ」

沙耶「ってことは謙吾くんも、戦線に加入するとこからスタートってわけね」

真人「なんかもう、恒例行事になりつつあるな」

謙吾「ふむ、戦線とやらに加入するにはどうすればいいんだ?」

恭介「幹部になるには、自分の優れた能力を示す必要があるな」

恭介「ただ入隊するだけなら、自分の戦う理由を話すだけでいいんだが」

恭介「ま、謙吾なら余裕で幹部になれるだろ」

恭介(ゆりっぺが、謙吾のような人材を放っておくわけないしな)

953: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:38:55.39 ID:htvKSJNIO
真人「ちなみにオレ達は、全員幹部に合格したからな」

真人「もしお前が落ちたら、カツの一番端っこの小さいやつ分けてやるよ」

恭介(真人が自慢気に、謙吾を挑発している)

謙吾「そんな情けないことになってたまるかーーー!!」

恭介(そんな真人に、謙吾が気合充分とばかりに吠える)

恭介(これならなんの問題も無さそうだな)

954: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:40:17.53 ID:htvKSJNIO
沙耶「ってかその格好で行くの、謙吾くん。柔道着にジャンパーって制服どうしたのよ?」

謙吾「部屋から回収してきたんだ。これは俺の魂とも言うべき衣装だからな」

真人「また都合良くそんなもんまで。本当に便利な世界だな」

恭介「………………」

恭介(まただ、なにかに違和感を感じる)

沙耶「あたしのスパイセットとかと同じね。また生前の青春ルールかしら」

恭介「………………」

恭介(勘違いじゃない、今この場にあるなにかが…)

955: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:41:08.74 ID:htvKSJNIO
謙吾「なんだそれは?」

沙耶「この世界には、生前の青春にあったものが大体揃ってるっぽいのよ」

沙耶「謙吾くんのそれも、青春時代に馴染み深かったものなんでしょ?」

謙吾「確かにそうだ。これなくして俺の青春は語れ…」

恭介「待て」

謙吾「ん?どうした恭介?」

恭介「『生前の青春』だと…」

956: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:41:49.88 ID:htvKSJNIO
沙耶「恭介くん?」

真人「どうしたんだよ、急に?」

恭介「………そうか、そういうことか…。今まで引っかかっていたのは…!」

沙耶「…なにかわかったの?」

恭介(俺の反応を伺いながら沙耶がそう聞いてくる)

957: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:42:54.53 ID:htvKSJNIO
恭介「ああ、考えてもみろ。沙耶、お前は生前スパイだったか?」

恭介「謙吾。お前も生きていた時に、リトルバスターズジャンパーなんて作ったか?」

沙耶「え、どういう………あっ!?」

謙吾「…いや俺は生きていた時は、剣道に専念していたな」

謙吾「だから失った時間を取り戻したくて、あの世界では野球に参加し、このジャンパーも作ったりした」

謙吾「お前が言いたいことがわかったぞ恭介」

謙吾「つまりこのジャンパーは、生前の青春というルールとは矛盾しているんだな?」

958: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:44:11.65 ID:htvKSJNIO
沙耶「…あたしだってそうよ」

沙耶「あたしは一度死んでからあの世界に迷い込んで、そして朱鷺戸沙耶になったんだもの…」

沙耶「スパイセットだって、闇の執行部だって、生前っていうルールが正しいなら存在するはずが無いんだわ」

恭介(二人とも気付いてくれたな)

恭介(リトルバスターズジャンパーも、スパイセットも、闇の執行部も)

恭介(この生前の青春ルールとは矛盾している)

959: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:45:33.59 ID:htvKSJNIO
真人「…えーっと、つまりどういうことだ?」

恭介「『生前の青春にあるものは大体存在する』っていうルールは、そもそも間違っている、ということだ」

恭介(真人にも伝わるように、再度わかりやすく結論を説明する)

沙耶「誰かが恭介くんに嘘のルールを教えたってことね?」

真人「それって確か、日向なんじゃ…?」

恭介「いや、それは違うだろうな。日向は自分の経験則に従って、この世界のルールを推理していた」

恭介「つまり、たまたま間違った解釈を、そうだと思い込んでいたと考えるほうが自然だ」

960: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:46:23.80 ID:htvKSJNIO
謙吾「だとすれば、その日向というやつが勘違いしていたって結論になるな」

沙耶「…そうね。なにかわかるような気がしたんだけど…」

恭介(そうだ、それだけじゃここで話が終わる)

恭介(だが、俺が今までこのルールの矛盾に気付かなかった)

恭介(このルールを疑ってすらいなかったという事実が、更なるヒントになる)

961: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:46:55.79 ID:htvKSJNIO
恭介「いや、むしろ重要なのは、ここからだ…」

恭介「そもそも俺は、この世界の秘密を暴くことを目的としていた」

恭介「この世界のあらゆることを疑い、自分なりに推理・推測を重ね、世界の秘密に迫ろうとしていた」

恭介「実際、最初に立華から教えてもらった情報をもとに」

962: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:47:35.26 ID:htvKSJNIO
恭介『それともう一つ、多分なんだが変に規律を乱すことをしなくても消えたりすることは無いんじゃないか?』

ゆり『へえ?ちなみにその根拠は?』

恭介『俺の未練は、偽りの青春を過ごしたところで晴れるものじゃないって天使に言ったんだ」

ゆり『それで?』

恭介『すると天使は俺を追ってこようとしなかった』

恭介『もし未練が別のものでも、偽りの青春を続けることで成仏出来るなら、無理にでも俺にそれを強要しようとするはずだ、違うか? 』

ゆり『それはあくまであなたの推理ね、確証があるとはいえないわ』

963: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:48:28.13 ID:htvKSJNIO
恭介「こんな風な推理をみんなの前で話したことがある。いわば俺なりのこの世界の仕組みの推測だ」

恭介「だが、それ以降は」

恭介『マイナスの経験は反映されないのか。よく出来た世界だな』

恭介『本当に都合の良い世界だな』

恭介《まさに箱庭だな。仮に神以外がこの世界を創ったのなら、どんな意図が隠されているんだか…》

恭介『マジか!?そいつは知らなかったぜ!』

恭介『まあ、そうだな。でも、変化があるって分かっただけでも充分だろ』

恭介『さすがにここから何かわかることなんて…』

964: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:49:42.62 ID:htvKSJNIO
恭介「日向やゆりっぺに色んな情報を教えられたのに、殆ど全てをろくに疑いもせずに受け入れている」

恭介「推理によって世界の秘密に迫ろうとしたことは、一度もない」

恭介「それどころか、決定的な矛盾が2つも現れるまで、生前の青春ルールの間違いにも気づいていなかった」

恭介「自分で言うのもなんだが、さすがに不自然だ。思考を途中で止めすぎている…」

恭介「いや、もしかしたら本当に俺がボケちまってただけってのも考えられるが…」

965: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:50:27.44 ID:htvKSJNIO
謙吾「いや、それは無いだろう」

恭介(謙吾が力強くキッパリと否定する)

謙吾「俺の知る恭介という男は、とても頭の回転の早いやつだ」

謙吾「勘も鋭いし、あらゆることを想定して事を起こす」

謙吾「ボケたお前など、恭介とは言えないくらいだ」

966: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:51:47.71 ID:htvKSJNIO
恭介(更に真人が続く)

真人「悪知恵だけは、昔っからよく働くからな」

真人「お前からそれが無くなったら、俺から筋肉とるようなもんだぜ」

沙耶「つまり、ただの馬鹿しか残らないってわけね」

恭介「褒められてんだか、貶されんだか、わからねえがありがとよ!」

恭介(まったく好き勝手言ってくれるな、お前たちは)

恭介「けどまあ、おかげで少し自信が持てたぜ」

恭介「今までの自分を疑うのは、さすがに俺も、めちゃくちゃ言ってるように感じたからな」

967: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:52:48.10 ID:htvKSJNIO
沙耶「つまりは、最初にこの世界に来た時、少なくとも立華さんから情報を聞いた時くらいまでは」

沙耶「恭介くんの思考力はいつも通り働いていた」

沙耶「そしてある時から、思考力が低下し、世界の秘密に迫ろうとしていなかった」

沙耶「生前の青春ルールの矛盾にも、気づけずにいたってことになるのかしらね」

沙耶「あたし自身、こんな単純な矛盾に気づいていなかったっていうのが少し癪だけど…」

恭介(沙耶が一度、ここまでの流れをまとめてくれる)

恭介(簡潔でわかりやすいな、助かるぜ)

968: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:53:43.08 ID:htvKSJNIO
謙吾「となると、注目すべきはいつ恭介の思考力が低下していたのかってことになるが…」

真人「それより、なんで恭介がボケちまってたのかってのが大事なんじゃねえのか?」

恭介(二人が問題とすべき点を提唱する)

恭介「もちろん、どっちも大事だ。だが、おおよその見当はすでについている」

真人「マジかよ…」

969: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:54:14.84 ID:htvKSJNIO
恭介「ああ、今まで引っかかっていたのが全て繋がった感じだ」

恭介(むしろ今となっては、なぜ気づいていなかったのが不思議でならないくらいだ)

沙耶「本来の思考力を取り戻したってことなのかしら?」

恭介「さすがに、そこまではわからないけどな」

970: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:55:15.02 ID:htvKSJNIO
恭介「ともかく一つ目。俺の思考力がいつ低下したのかっていう点だ」

恭介「これは確信がある。タイミング的には一つしかない」

沙耶「いつなの?」

恭介「俺が戦線のみんなの前で、『世界の秘密を暴くと宣言した時』のはずだ」

恭介「俺がみんなの前で、さっきの推理を披露したのがその少し前」

恭介「つまり、この時点ではまだ思考力が正常だったと判断していいだろう」

恭介「そしてその翌日、日向やゆりっぺからこの世界の情報を聞いたにも関わらず、ただあるがまま受け入れていた」

恭介「この時には、思考力が低下していたと判断するべきだ」

971: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:56:02.86 ID:htvKSJNIO
真人「ちょっと待て、頭がこんがらがってわけわかめなんだが…」

恭介(真人が苦悶の表情を浮かべている、確かに少しわかりづらいか)

恭介「かなり大雑把に言うなら」

恭介「俺が戦線に入った一日目はボケていなかったが、二日目にはボケていたということだ」

真人「おお、なるほど!それならわかるぜ!」

真人「なんだよ、最初っからそう言ってくれりゃ良かったのによ!」

謙吾「馬鹿、なぜそう判断したかという根拠を説明していたんだろうが」

真人「なんだとてめえ!触りまくって馬鹿移すぞ!」

972: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:56:43.74 ID:htvKSJNIO
沙耶「二人とも喧嘩は後にして!今大事なとこなんだから!」

沙耶「もし恭介くんの推理通り、世界の秘密を暴くと宣言した時」

沙耶「もしくはそこから翌日までの間に思考力が低下したのだとしたら…」

恭介(沙耶はすでに察してがついているな。信じがたいが、俺もこれしか考えられない)

973: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:57:52.21 ID:htvKSJNIO
恭介「ああ、考えられる原因は一つ。何者かが俺の精神に干渉し、思考力を下げたんだ」

恭介「世界の秘密を暴かれるのを防ぐためにな」

謙吾「精神に干渉するだと…!?」

謙吾「そんなことが出来るやつがいるのか…?」

恭介「一人だけいるさ。そしてそいつなら、世界の秘密を暴かれたくないという動機にも説明がつく」

真人「誰なんだよ、そりゃあ…!」

恭介「それは…」

974: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 14:59:10.71 ID:htvKSJNIO
沙耶「この世界のゲームマスター。言わば創造主、ゆりの言い方を借りるなら『神』ね…」

恭介「…そうだ」

真人「じゃあこの世界を作った神様が、本当にいるってことなのかよ!?」

沙耶「本当に『神』かどうかはさだかじゃないけどね」

沙耶「でもこの世界の創造主ぐらいしか、出来ないはずなのよ」

沙耶「恭介くんに気づかれることなく、一方的に精神に干渉し、思考力を低下させるなんて芸当はね…」

975: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 15:00:25.27 ID:htvKSJNIO
謙吾「明らかに常軌を逸しているが、創造主にはそれが可能なのか…?」

恭介(謙吾が少し疑っている。無理も無い、俺と沙耶の推理はそれくらい常識から外れている。だが)

恭介「出来るさ。少なくともあの世界にいた時の俺にも出来る」

恭介「やろうと思えば幻覚すら見せられるんだ、思考力を下げるくらいわけないはずだ」

謙吾「………」

恭介「すまないな…、謙吾。嫌なことを思い出させた」

謙吾「いや、今はいい。それより話の続きだ」

976: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 15:01:45.91 ID:htvKSJNIO
謙吾「ここまでの恭介の推理が正しいとすれば」

謙吾「この世界の創造主は、俺たちの精神に一方的に干渉出来る能力を持っている、ということだな?」

恭介「そして当然、俺たちを監視していると考えるべきだ」

恭介「俺にわざわざ、こんな小細工を仕掛けんだからな」

沙耶「ちょっと待って!じゃああたしたちのこの会話も…!」

真人「全部つつ抜けってことか!?」

謙吾「まずいんじゃないか?それは…!」

977: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 15:02:32.35 ID:htvKSJNIO
恭介「いや、とりあえずは問題無いはずだ」

真人「なんでだよ…?」

恭介「本気でこの世界の秘密を暴かせたくないなら、思考力を低下させるなんてのは回りくどい」

恭介「さっさと俺を消せばいいだけだ。だがそれをしていない」

恭介「単純に俺を消せない理由があるのか、俺を試していたと見るべきだろうな」

恭介「とりあえず、これが現時点での俺の推理の全てだ」

978: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 15:03:11.20 ID:htvKSJNIO
真人「………」

謙吾「………」

沙耶「………」

恭介(さすがに三人ともショックが大きいみたいだな)

沙耶「ねえ、恭介くん。このことをゆりや他のみんなには…?」

恭介「話さないほうがいい」

979: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 15:03:54.21 ID:htvKSJNIO
恭介「俺の思考力が何者かに下げられていた、そしてそんなことが出来るのはこの世界の創造主しかいない」

恭介「なんて、あまりに突拍子もない推理に思えるはずだ」

恭介「そもそも前提としている、俺の思考力が下がっていた、なんて証拠もどこにもないんだ」

恭介「お前たちはそれを不自然に思ってくれても、他のみんなもそうだとは限らない」

980: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 15:04:45.22 ID:htvKSJNIO
謙吾「俺たちからしてみれば、筋の通っている推理だったがな」

謙吾「だが、確かに明確な証拠や根拠が無ければ、周りを納得させることは出来ないだろうな」

真人「ぶっちゃけパニックになりかねないぜ」

真人「神様だかなんだかに精神をいじられるかもしれない、しかも監視までされてるかもしれないなんてな」

真人「落ち着いて筋トレも出来やしねえよ」

981: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 15:05:28.34 ID:htvKSJNIO
沙耶「恭介くんの推理を疑うわけじゃないけど、まだそうだと決まったわけじゃないわ」

沙耶「だから真人くんには、むしろ今まで通りに振る舞っていて欲しいんだけど…」

真人「任せときな。なにも考えずに馬鹿やり続けるってのは俺の得意分野だ」

謙吾「苦労するな、お前も」

恭介「それが出来るのが真人の強さだからな」

恭介(あの世界でも真人はそうやって日常を守り続けてくれた。今は真人を頼りにさせてもらおう)

982: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 15:06:05.61 ID:htvKSJNIO
恭介「ともかく、この事は俺たちだけの間で留めておこう」

恭介「ゆりっぺや他の戦線メンバーたちにも秘密だ」

恭介「俺の推理が正しかったという根拠が見つかった時に、打ち明けるようにした方がいい」

沙耶「隠し事なんて、あんまり気分が良くないけど…。でもそれが賢明ね」

983: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 15:06:41.90 ID:htvKSJNIO
謙吾「だが、恭介の今の推理が正しいと証明する為にはどうすればいいんだ?」

恭介「俺の思考力が低下していたと証明出来るなにかがあればいいんだが、難しいだろうな」

恭介「だから、しばらくは今までの情報を整理して、色々考えてみることにするさ」

恭介「今まで気付かなかったことも、今ならなにか気づけるかもしれない」

984: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 15:07:27.91 ID:htvKSJNIO
真人「頭を使う作業だな…、悪いが手伝えそうにないぜ」

謙吾「俺たちは体を動かすことしか能が無いからな」

恭介「いや、それでいいんだ。適材適所、役割分担ってやつだ」

恭介「俺だって何もかもが一人で出来るわけじゃないんだからな」

沙耶「そうね、でももし考えに詰まった時は相談して。出来る限り力になるから」

恭介「ああ。頼りにしてるぜ、お前ら!」

985: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 15:08:22.49 ID:htvKSJNIO
恭介(そこで一応の話がまとまった、その時)

??「ニャーン」

恭介「なんだ!?」

恭介(急な声に驚いて振り返ると、そこには一匹の白猫がいた)

真人「猫じゃねえか、この世界にもいるんだな」

沙耶「この学校に住み着いている猫なのかしら」

謙吾「妙だな。猫の気配なんて感じていなかったんだが…」

986: ◆u0K2X4aJDs9X 2015/07/24(金) 15:09:06.74 ID:htvKSJNIO
恭介(謙吾がそう呟いている。俺もだ、こんな近くに寄ってきていたのに気付かなかった…)

ダッ

沙耶「あ、行っちゃった」

真人「なんか鈴のやつを思い出すな」

恭介(なぜだろう、俺にはその猫が…)

恭介(俺たちを、笑いに来たように感じた…)


続きます