1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/07(月) 18:13:51.64 ID:jz4stfLFo

赤城「ん、……ふ、ん……」ピチャチュパ

赤城「ん、ふ、んーーーーー」チュパ……ガブ

赤城「はっ! すみません、つい噛んでしまいました!」

赤城「み、見せてください、ああ、血が滲んで……本当にすみません!」

赤城「え、何で噛んだのかって? それは……」

赤城「味がしなくなってきたものですから、提督の細胞から噛み絞ろうと思ったのです」

赤城「……? どうされました? そんな顔されて……」

赤城「本当に鳳翔さんが提督にやってもらえといったのかって? いや、その、実は……」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1441617231

引用元: 大淀「みなさん、間違えてます」 


 

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/07(月) 18:14:24.53 ID:jz4stfLFo

赤城「私、皆さんの甘味を食べつくしてしまって」

赤城「量を制限されることになってしまったのです……これじゃあ私、餓死してしまいます!」

赤城「だからせめて、満足感がでるようにしようと思いまして、それに提督の指はピッタリだったんです」

赤城「アイスなら普通に食った方が美味しいんじゃないか? ……そんなことはありません!」

赤城「提督の指で掬ったものを舐めとる、その行為に意味があるのです!」

赤城「……て、提督の指をビーフジャ―キー扱いなんてしてませんよ、い、いやですねえ……」

赤城「そ、そんな! 禁止だけは、禁止だけは! 私、どうなっちゃうかわかりません!」

赤城「……あ、ありがとうございます! さすが、私たちの提督です!」

赤城「お礼に残りのほんのちょっと、代わりに掬っていいですよ♪ ……え? 洗えないから早く舐めろ?」

赤城「……わかりました」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/07(月) 18:14:59.38 ID:jz4stfLFo

陸奥「ねえ、ちょっとお姉さんに、手相みせてくれないかな~」

陸奥「え、何でって、最近、私手相に凝ってるのよ、ね、ついてきてくれない?」

陸奥「ここに座って……どうしたの? 周りを見渡して」

陸奥「いや、今ここら辺には誰もいないと思うけど……」

陸奥「まあいいわ。ほら、手を見せてよ……怪我してるわね、どうしたの?」

陸奥「……ふーん、まあいいわ。じゃあ、始めるわよ」

陸奥「んー」

陸奥「んー」

陸奥「んー♪」スリスリ

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/07(月) 18:15:25.47 ID:jz4stfLFo

陸奥「……どうして頬刷りしているのかって? ほら、手の皺を感じるためには頬が一番いいのよ」

陸奥「手袋を外せって……どうでもいいじゃない、そんなことは」

陸奥「それより、まだ読み切れてないから、続けるわ」

陸奥「んー」

陸奥「んー」

陸奥「んふー♪」ペロ

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/07(月) 18:16:05.02 ID:jz4stfLFo

陸奥「きゃっ! もう、いきなり動かないでよ」

陸奥「こっちのセリフだって? 舌も頬と同じよ! そんなことより、提督の運勢が読み取れたわ」

陸奥「うん、……あんまりよくないわね。あ、でも簡単な開運法があるわ」

陸奥「……どうしたの? そんなに身構えて、そんな手間取ることじゃないわよ?」

陸奥「えーっと、素手で、私のお腹全体を円を描くように撫でるといいって」

陸奥「ちょ、ちょっとどうしたの? やっぱり? 冤罪? ち、ちがうわ!」

陸奥「あ、ちょっと、まってよ、行かないで、せめて」

陸奥「話だけでも聞いていってってば!」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/07(月) 18:16:32.92 ID:jz4stfLFo

夕立「提督さん! 大丈夫っぽい?!」ガラッ

夕立「どこか怪我したの? 平気?」

夕立「……安心したっぽい~ え、何で怪我したってわかったかって?」

夕立「廊下に結構大きな血の斑点があったぽい」

夕立「それよりどこ怪我したの?、その指の絆創膏っぽい?」

夕立「………………」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/07(月) 18:17:04.92 ID:jz4stfLFo

夕立「……ちがうっぽいねー。あ、提督さん、ズボンが破れてるっぽい、あ、足を怪我したっぽい?!」

夕立「釘が頭を出してた……じゃあ、夕立も頭を怪我するところだったぽい。危なかったっぽい~」

夕立「うん、大丈夫っぽいよ。え、頼みがある? なんですか~?」

夕立「……わかったぽい! 夕立、全身全霊で釘を始末するっぽい!」

夕立「行ってくるね、提督さん! 養生するっぽい~」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/07(月) 18:17:35.73 ID:jz4stfLFo

飛鷹「あ、提督、ごきげんよう……どうしたの? ズボンなんて持って」

飛鷹「……古釘が引っ掛かって破れた? はあ、ドジねえ……」

飛鷹「あれ、指も絆創膏が張ってあるけど……大したことじゃない? 気になるわねえ」

飛鷹「ちょっと見せなさい」グイ

飛鷹「…………ふーん、本当に、たいしたことはないわね」

飛鷹「あ、そうだ、提督。破れたのなら、このズボン、繕いましょうか?」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/07(月) 18:18:06.94 ID:jz4stfLFo

飛鷹「できるのかって、……失礼ね」

飛鷹「元客船でもこれぐらいのこと、叩きこまれてます」

飛鷹「でもいい? 代わりはいくらでもあるし、申請すればすぐにくる?」

飛鷹「駄目よ! そういうのって……そう、もったいないったら!」

飛鷹「とにかく、これは今度繕って返すから……」

飛鷹「うまくできたら、せいぜい感謝なさいよね!」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/07(月) 18:22:42.81 ID:jz4stfLFo

衣笠「艦隊、帰投です!」

衣笠「ふふーん♪ 衣笠さん最高でしょ♪」

衣笠「……提督?」

衣笠「……………」

衣笠「……………」スタスタ

衣笠「……………」スタスタ

衣笠「……………」ジー

衣笠「……………」グイ、ジー

衣笠「……うん、満足したよ!」


11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/07(月) 18:26:56.02 ID:jz4stfLFo

衣笠「うん、どうかしたのかって? ほら、提督すぐに書類見ちゃったじゃない」

衣笠「セクシーポーズしたんだから、こっち見ていてよね! ……あれ?」

衣笠「提督、指、怪我してるね、どうしたの?」

衣笠「……ま、どうでもいっかー!」

衣笠「とにかく、提督のために衣笠さん、色々パターン変えてるんだから、」

衣笠「目をそらしたりしないでよね!」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/07(月) 18:34:29.29 ID:jz4stfLFo

大淀「あら、提督、お疲れ様です」

大淀「……お怪我をされてますね、指と足でしょうか?」

大淀「え? 指は赤城さんに噛まれた? どうしてそんなことに……」

大淀「……? おかしいですね? 赤城さんが人の甘味を食べつくしたなんて聞いていませんが」

大淀「はい、後で確認しておきます。……足の方は……?」

大淀「古釘が……、はい、夕立さんが処理してくださったのですね」

大淀「ズボンは飛鷹さんが繕ってくださると……」

大淀「あら、そういえば、提督」

大淀「今日は私の目をじっと見つめて話をされますが……」

大淀「そうですか、衣笠さんが……、いい心がけだと思います」

大淀「……そろそろ、いい時間ですね」

大淀「はい、提督も、おやすみなさいませ」


19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/08(火) 18:43:02.65 ID:SMNLwuxbo

赤城「あむ、はむ、ッ、ハフ」

赤城「ハフ、ハフ、……ハフ!」ガブ

赤城「アウ!」ビシッ

赤城「はっ! すみません、また、歯を立ててしまいました」

赤城「……ええ、もうアイスは舐めきっていたんですか?! 気がつきませんでした」

赤城「噛むことに夢中になってしまいました……でも、流石は提督です。よく二の腕も鍛えられていますね」

赤城「え? 何で掬ったものを二の腕に塗る必要があるか?」

赤城「そうですね……このまま提督の指を続けると、食いちぎりかねないと思ったものですから」

赤城「……ど、どうしてそんな顔をするのですか?! あ、そうですね、二の腕だと肉だけ噛みちぎるかも――」

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/08(火) 18:43:40.63 ID:SMNLwuxbo

赤城「じょ、冗談ですよ。いくら何でも提督に危害を加えたりはしません」

赤城「ああ、禁止は、禁止はやめてください! え、理由、ですか? うう、恥ずかしいのであまり繰り返したくはないのですが……」

赤城「皆さんの甘味を――、……ばれていましたか。すみません、本当のことを言います」

赤城「実はこれは、実践を想定した訓練なのです」

赤城「私たち空母は、中破していると艦載機を飛ばすことができません」

赤城「ですから、最終手段として噛みつきを……はい、提督の腕も味わえて一石二鳥です!」

赤城「……どんな手をでも使うのはほこりを守るための行為ですよ! それに、スペアリブ扱いなんてしてません!」

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/08(火) 18:44:23.13 ID:SMNLwuxbo

赤城「そ、そんな! どうか、お許しを! このままでは、敵艦に接近されたときされるがままになります!」

赤城「空母が副砲なんて積んでもどうにもなりません! 必要なのは艦載機を最大まで積むことです!」

赤城「……お願いです、舐めさせてください。こんどは痛く噛んだりしませんから!」

赤城「はい、はい。……ど、努力、いえ、はい、……わかりました。甘噛みまでにします……」

赤城「……提督も私の身体噛みませんか? 病みつきになるかもしれませんよ……そんな変なことはしない?」

赤城「やっぱり、変、ですか」

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/08(火) 18:44:57.42 ID:SMNLwuxbo

陸奥「よってらっしゃいみてらっしゃーい。あ、そこのお兄さん、いい娘いるわよー」

陸奥「……なによ、提督が変な勘違いしてたから、それに乗ってみただけよ」

陸奥「謝る? ……じゃあ、また手相を見せてちょうだい、さあ、ついてきて……クシュン!」

陸奥「ああ、ごめんなさい、大丈夫よ。ちょっと寒いのかしら? とにかく、ついてきて」

陸奥「さあ、手を貸して」

陸奥「んー」

陸奥「んー」

陸奥「んー♪」スー

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/08(火) 18:46:48.86 ID:SMNLwuxbo

陸奥「何で袖に手を入れるんだって? いやねえ、手は腕から繋がってるんだから、腕も触るのは常識よ?」

陸奥「えーと、これが静脈で、ここ……ふふ、ドキドキしてる、体温が伝わって来るわね♪」

陸奥「え、運勢診断じゃないのかって?」

陸奥「あ、ごめんなさい。つい、忘れていたわ」

陸奥「そんな顔しないでよ……続けるわね」

陸奥「んー」

陸奥「んー」スー

陸奥「んんー♪」ススー

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/08(火) 18:50:42.91 ID:SMNLwuxbo

陸奥「きゃっ! もう、暴れないでよ! 二の腕まで触るのも常識なんだから」

陸奥「温感から、その人の気を調べるの、暖かくても心地よいものか不快かもので――」

陸奥「……不快……なあに? この痕?」

陸奥「机に突っ伏してたら痕がついた? ふーん、そう……」

陸奥「駄目ね、この痕、運気を乱しているわ」

陸奥「うまく循環させるには、私のお腹に噛みつく……どうしたの? また辺りを見回して?」

陸奥「本当は冤罪? 通報? バカね、しないわ、そんなこと」

陸奥「じゃあ、なんで腹に噛みつかせるのかって、それは、手相に……」

陸奥「流石に嘘だってわかる? えーっと、その……実は……」

陸奥「その……やっぱり駄目、言えないわ。……じゃあ、戻るって? ちょ、ちょっと、行かないでよ」

陸奥「待って、ねえ、せめて、撫でるだけでも……って、行っちゃった」

陸奥「クシュン!……ふー、寒いわね」

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/08(火) 18:53:44.71 ID:SMNLwuxbo

夕立「ううー、ごめんなさい、提督さん……」

夕立「背中に赤いペイント弾がベットリっぽい、本当にごめんなさい」

夕立「はい、もう前を見ないで走らないっぽい、んん、走らないです」

夕立「え、許してくれるっぽい?! ありがとう、提督さん!」

夕立「あ、その軍服は……始末する? 変わりはたくさんあるっぽい?」

夕立「ちょっと待って、もしかしたらズボンにまでかかってるぽいから、後ろから見るっぽい!」

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/08(火) 18:55:37.57 ID:SMNLwuxbo

夕立「……何か、提督さん、大出血した後みたいっぽいー……」ペロリ、ケホ!

夕立「な、何でもないっぽい……ケホ、ケホ、だ、大丈夫っぽい……」

夕立「…………」ケホケホ

夕立「うん、ズボンは大丈夫みたい、でも、シャツまでしみてるかも? ご、ごめんなさいっぽい」

夕立「……! わ、わかったっぽい! すぐに上を持ってくる――」

夕立「……提督さん。その噛みあと、なにっぽい?」

夕立「赤くなってるっぽい。血はでてないみたい」

夕立「え、それよりも早く代わりを持ってきてくれ?、……ごめんごめん、すぐに取って来るっぽい!」

夕立「……ねえ、提督さん、もし、血が出るくらいまで噛みつかれたら、提督さん、怒る?」

夕立「ごめんなさい、変なこと聞いて、……それじゃあ夕立、任務を遂行するっぽーい!」

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/09(水) 22:13:41.65 ID:Oyzt6LSao

飛鷹「なかなか難しいものね」スタスタ

飛鷹「……………ハァ、……キャ?!」スタスタ、ドン

飛鷹「イタタ、ご、ごめんなさい、前を見てなかっ……あら、提督じゃない」

飛鷹「もう、駄目じゃない。前はちゃんと見て歩かないと!」

飛鷹「それで、今度はどうして服を変えたの?」

飛鷹「夕立ちゃんに? ペイント弾を? そうなの、それじゃ流石に洗っても落ちなさそうね」

飛鷹「…………ねえ」

32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/09(水) 22:14:05.39 ID:Oyzt6LSao

飛鷹「どうして、服を変えたってわかったか、聞かないの?」

飛鷹「私ならそれくらい気がつくと思った。へーそう。まあ悪い気はしないわね」

飛鷹「でも、これに気がついてるとは思わなかったでしょう」

飛鷹「腕の辺り、誰かに噛まれているわ。しかも、結構背丈のある女性……どう? 当たったんじゃないの?」

飛鷹「なあに、その間抜け顔……もしかして、噂になってたしてるのかって? ふーん……」

飛鷹「いいわ、私が鎮めておいてあげる。 ……どんな噂になっているかって?」

飛鷹「どうしようかな~、教えてあげようかな~?」

飛鷹「そんな必死な顔するんじゃないの。内緒の話らしいけど、教えてあげるわ。耳を貸しなさい」

33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/09(水) 22:14:57.91 ID:Oyzt6LSao

飛鷹「…………」

飛鷹「…………♪」クン

飛鷹「……うそ。ほんとは、うわさになんて、なってないわ」ボソボソ

飛鷹「……アハハ! まんまと騙されたわね!」

飛鷹「ビックリした? あら、ごめんなさいね♪ でも、急にやりたいと思ったものですから!」

飛鷹「そういうふうな匂いはなかったし……あ、もうそろそろ時間ね」

飛鷹「今日の訓練、赤城さんたちと、頑張って来るわ!」

34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/09(水) 22:15:58.39 ID:Oyzt6LSao

衣笠「ねえ、提督」

衣笠「お、すぐこっち見てくれたね。衣笠さん感心♪」

衣笠「うん? ううん、くだらない世間話です」

衣笠「青葉って、取材めかして色々やってるよね」

衣笠「へ、噂? ううん提督のには噂なんて建てられてないけど」

衣笠「じゃあいい? もう。変なことしてるんじゃなーいー?」

衣笠「あ、それより……何の話してたっけ、ああ、青葉の話から、写真の話がしたかったんです」

衣笠「この前、青葉が撮った写真の姿を見たけど、もう、全然だめだね、反応が返ってこないもんね」

衣笠「どんな角度に傾けたりしても、決して私の姿が写ったりしないの」

衣笠「ね、目、見せて?」

35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/09(水) 22:16:33.68 ID:Oyzt6LSao

衣笠「…………」ジー

衣笠「…………」ジー

衣笠「何が見えるかって? 病気の兆候? そ、そんなの見えません!」

衣笠「見えてるのは私の姿だね。今なにか喋ってるね」

衣笠「こうやって、提督の瞳に私の瞳が写って……」

衣笠「私の瞳にまた提督の瞳が写って行くの。まるで合わせ鏡だね」

衣笠「……うん、ありがとう。今日はこれでいいです!」

衣笠「そういえば、提督」

衣笠「提督の瞳に私がいるときのまま、それをとっちゃったら、私だけがうつり続けたりするのかな?」

衣笠「怖いって? あはは、ごめんね!」



36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/09(水) 22:35:29.90 ID:Oyzt6LSao

大淀「提督、今日もお疲れ様です」

大淀「はい。なんでしょう、最近の皆さんの様子……?」

大淀「いえ、日常生活で特に変わった様子は見られませんが」

大淀「……赤城さんが……? そんなこと…… 提督、そろそろ拒否なさるべきです」

大淀「彼女たちがいくら戦果を挙げていると言って、どんな態度をとっても許されるわけではありません」

大淀「提督ももっと毅然とした態度を……はい、普段は取られていることは承知しています」

大淀「わかりました。けれど、提督、言うべき時は言わなくては駄目ですよ?」

大淀「彼女たちは、私たちは、意外と子供っぽいところがあります。勘違いしてしまったりもするんですよ?」

大淀「だから、提督も意思表示は、きちんとされるべきなのです」

大淀「提督? はい、いえ、大淀は、提督のお役に立てること……」

大淀「そして、提督の心に残ることができること、それが何よりも嬉しいですから」

大淀「……ですが、皆さんは、何を求めているのでしょうか?」



41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/14(月) 23:01:40.10 ID:trjidpvWo

赤城「正規空母、赤城、いえ、艦娘、赤城。この艦隊の提督たるあなたにお願いがあります!」

赤城「どうか、私に、提督の左腕を与えていただきたいのです!」

赤城「異常であることは理解しています。提督に一方的な不利益が降りかかることも理解しています」

赤城「それでも、それでも……! 私にはもはや耐えることができないのです!」

赤城「提督を含んだ口の感触……、ずっと何かから、提督を求める気持ちを押されていました」

赤城「私は艦娘です。じっと忍耐を重ねていました。提督と接するときは、必死に心身を抑えなくてはなりませんでした」

赤城「けれど、やっと気がついきました! 私を揺るがしてきた精神的動揺の正体、」

赤城「私の心を焦がすこの気持ち、これは……私は、あなたの肉を欲しているのだと」

赤城「噛み締めて伝わるだろう歯の感触、舌に触れて感じるだろう味」

赤城「そして、あなたの血肉が私の身体に混ざって私が構成されること――それに、どうしようもなく憧憬を覚えます」

赤城「あなたと、一緒になりたいです」

赤城「あなたといつまでも過ごしたいです。どうか、お願いします……」

43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/13(火) 15:16:25.31 ID:uysRO1vpo
陸奥「…………」フルフル、フル

陸奥「寒いわね、提督のせいよ?」

陸奥「艤装を身に着けていれば、極寒でも灼熱でも……かはわかないけれど、ある程度は平気なの」

陸奥「それに、今は夏。こんな格好してても暑いくらいだったんだけれど」

陸奥「提督といっしょにいると、どうしても寒くなる、いいえ、そのとき、身体が熱くなるのよね」

陸奥「提督と別れて一人になったときの気分たるや……ね、わかるわよね?」

陸奥「…………」

陸奥「……ねえ、寒いの。寒くて寒くてしょうがないの」

陸奥「提督、提督に触れられているだけ、この寒気は収まるわ」

陸奥「だから、どこでもいいから」

陸奥「提督の熱、提督の身体、どこでもいいから一部が欲しいの」

44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/13(火) 15:17:46.52 ID:uysRO1vpo
夕立「…………」ヒック、ヒック

夕立「ていとくさん、ていとくさん……! 夕立、おかしくなっちゃったぽい」

夕立「あたし、いけないはずなのに、かんがえちゃいけないのに」

夕立「夕立、ずっと提督さんに焦がれていたの。提督さんの近くにいるとドキドキが止まらなかった」

夕立「でも、あの時、提督さんの血の滲んだ指を見て、あたし、惹きつけられて……!」

夕立「それからずっと、提督さんの血に……」

夕立「夕立、変っぽい? 提督さんが血に濡れて、提督さんの血を舐めたいって……」

夕立「ごめんなさい。ごめんなさい。夕立、おかしいっぽい。でも、どうしても耐えられなく、て」

夕立「提督さんの血が欲しい、……悪夢が、いつまでも晴れないっぽい」

45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/13(火) 15:19:08.19 ID:uysRO1vpo
飛鷹「……提督、他の匂いが混じってるわ。誰かに泣きながら抱き付かれでもしたの?」

飛鷹「もう隠すことはやめたわ。どうせ、提督もわかってるんでしょ」

飛鷹「私、提督が近くにくるといっつも胸が高鳴って、なんでかなーっと思っていたけど」

飛鷹「あなたの匂いに惹かれていたからだったのね。ふふふ、匂いなんて」

飛鷹「私、元は豪華客船のお嬢様だったのに、こんな意地汚い真似するようになっちゃったわね……」

飛鷹「……提督、だから、わかるでしょう?」

飛鷹「私が惹かれてたまらない匂いに、他の匂いが混じっているときの不快感と不安感が……!」

飛鷹「提督、提督の匂いを嗅いでいると安心するわ、とっても」

飛鷹「あなたの匂いが、私の中にずっと一緒にあればいいのにな……」

46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/13(火) 15:19:43.81 ID:uysRO1vpo

衣笠「提督の目、綺麗だね。他の誰も写ってほしくないっていつも思ってます」

衣笠「くれるんだね。ごめんね」

衣笠「……ありがとう。理由、言います」

衣笠「提督と一緒に居ると、……月並みな言い方だけど、ドキドキ動悸がして、体温が上がったの」

衣笠「でも、嫌な感覚じゃない。なんでかなって、ずーっと理由を探してたけれど」

衣笠「多分、提督の瞳。私がそこに写っていると、私、まるで恋する女の子みたいになっちゃうよね!」

衣笠「ごめん、提督にとっては悪いどころじゃない、……視界の片方が消えちゃいます、から」

衣笠「……私、何言ってるんでだろう。でも、私のことを提督が見てくれないって、どうしても――」

衣笠「我慢できないの」

47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/13(火) 15:24:36.50 ID:uysRO1vpo

大淀「……それで、求められるものすべて与えてその姿ですか」

大淀「どうしようもない人ですね、提督」

大淀「はい、人を率いる者として、下に飴ばかり与えて……艦隊の規律を乱す行為です」

大淀「わかっているならいいです。それに、……飴をもらった皆さんも自覚したのか沈んでいるみたいですし」

大淀「……どこかへ行かれるのですか? 大淀、付き添いますね」

大淀「いいえ、特に迷惑などは掛かってはいません。提督の補助は秘書官たる私の役目です」

大淀「あ、バランスがとれませんか……重くもありません、私、艦娘ですよ?」

大淀「…………」

大淀「はい? 私の欲しい物、ですか? もう、部下を甘やかさないように言ったばっかりじゃないですか」

大淀「けれども、そうですね。それなら、いつものように傍に置いてください」

大淀「それだけでいいのかって、いいのです。私の幸せは、あなたと一緒に居ることですから」

大淀「ふふふ、提督、素敵な顔。……私の欲しい物は、あなたのそれですよ」

大淀「これからも、よろしくお願いいたしますね」

48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/13(火) 15:26:11.32 ID:uysRO1vpo
終わりです。更新の遅れ、申し訳ありませんでした。