2: 1 2013/06/22(土) 16:33:04.03 ID:hHPPL03D0
目が覚めたと思った。
しかし、私の視界に飛び込んできたのは、血が飛び散った凄惨な現場。
次いで見覚えのあるおさげ頭の死体。
それは紛れもなく、自分の身体だった。

「うそでしょ、」

異常に喉が渇いている。襲い来る吐き気。
自分はまだ夢でもみているのだろうか。
この身体が自分だとしたら、いまここにいる私は一体何なのか?

引用元: ミーナ「アニが起きたら」 

 

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3: 1 2013/06/22(土) 16:34:05.72 ID:hHPPL03D0
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ミーナ(意識が朦朧とする。壁に頭を打ち付けた?なんで?)
ミーナ(アルミンが屋根の上で唖然としてる。目の前には巨人・・・)

ミーナ(巨人!?)

巨人「」

ミーナ「嫌だ!!死にたくない!」

巨人「」がぶり

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4: 1 2013/06/22(土) 16:35:06.54 ID:hHPPL03D0
ミーナ「死んだの・・・」
ミーナ(脚に力が入らない。座ってしまおう。)ストン

ミーナ(私も、外に行きたかった。エレンやアルミンに聞いたことがある。
   外にはとても美しい世界があるんだ、って)
ミーナ(アルミンは生きているのかな…
   エレンは…足を食べられていたし、死んだのかも。)

ミーナ「私は死んでしまった…」


ミーナ(涙が、空中で溶けている)

6: 1 2013/06/22(土) 16:36:10.20 ID:hHPPL03D0
アニ「ごめんなさい……」

ミーナ「アニ!?私が見え……死体の方に謝ってるのか」

ミーナ「アニのせいじゃないよ、謝らないでよ」

ミーナ(とどくはずないけど、マスクしててもつらそうなのわかるもん。
    言葉にしたっていいよね)


上司「レオンハート、彼女の身元がわかるか」

アニ「はっ!ミーナ・カロライナかと思われます!」

ミーナ(アニ、見つけてくれてありがとう)



ミーナ「そういえば、なんで死体の処理なんてしているんだろう」

ミーナ「アニ、トロスト区の巨人はどうし…聞こえないんだった」

ミーナ「…まあ、ついていけばいっか」

7: 1 2013/06/22(土) 16:37:45.01 ID:hHPPL03D0
ライナー「まさか穴が塞がれるなんてな」

ベルトル「うん…でもアレの正体は分かったから、もう壁を壊す必要はないよ」

アニ「やっぱり私は憲兵にするよ」

ライナー「おう、うまくやれよ」

ミーナ(なんの話だろう)

9: 1 2013/06/22(土) 16:38:42.78 ID:hHPPL03D0
--------

ミーナ(どうやらトロスト区の穴は、エレンが塞いだらしい)

ミーナ(私は調査兵団志望だったので、他の同期にこっそりついていくことにした)

ミーナ(直後はみんな落ち込んでいたが、コニーやサシャがいつも通り馬鹿をしていた
   おかげで、少し元気を取り戻したように見えた。)

ミーナ(そうして今日、彼らは壁外調査に行く)

10: 1 2013/06/22(土) 16:40:27.93 ID:hHPPL03D0
ミーナ「私も行こうと思ったのに、門の前で足すくんで動けなかった…」

ミーナ「しょうがない。せめて壁の上から見送ろう」

兵士「固定法整備するぞ!」

ミーナ「やったあ!誰かの背中につかまってこう!」

11: 1 2013/06/22(土) 16:42:35.74 ID:hHPPL03D0
兵士「なんかさっきから肩が重いんだよなー…」

兵士「大丈夫か?さっさと整備おわらせようぜ」

ミーナ「申し訳ありませんでした!助かりました!」バッ

12: 1 2013/06/22(土) 16:44:18.29 ID:hHPPL03D0
ミーナ(人気のなさそうなとこに行こう)

ミーナ「よかった。まだ列が見える。」

ミーナ「私もあそこにいれるはずだったんだよなあ…」

ミーナ「…グスン」

13: 1 2013/06/22(土) 16:47:21.52 ID:hHPPL03D0

ミーナ「調査兵団が帰ってきた」

ミーナ(さすがに、みんなボロボロだなあ……)

兵士「おい!さっさとシートでくるめ!」

ミーナ(なんだろうアレ…大きな結晶…)

ミーナ(中に何か入ってる…よし!見に行こう!)


14: 1 2013/06/22(土) 16:48:57.05 ID:hHPPL03D0
ミーナ(つい地下室までついてきてしまった)

ミーナ(まあ、バレないからいいけどね)

兵士「くそ!全然砕けない!」

ミーナ(シートがはずされたみたい…)

ミーナ「……アニ!?」


15: 1 2013/06/22(土) 16:53:27.55 ID:hHPPL03D0
ミーナ「どういうこと…なんでアニは結晶の中に…」

ミーナ(そもそもこの中で、アニは生きているの…?)

兵士「お前のせいで!俺たちの仲間は死んだというのに!!」

ミーナ(すごく大きい声。地下室いっぱいに響いてる…)

16: 1 2013/06/22(土) 16:54:53.01 ID:hHPPL03D0
ミーナ「騒ぎは落ち着いたみたい」

ミーナ「気になって外に出られない…せめて事情が分かるまでここに居ようかな」

ミーナ「とりあえず、アニのところで座っていよう」ストン

17: 1 2013/06/22(土) 16:56:58.55 ID:hHPPL03D0
ミーナ(人がいなくなった)

ミーナ(結局アニについてはよくわからない)

18: 1 2013/06/22(土) 16:57:45.22 ID:hHPPL03D0
女性兵士「これがアニ・レオンハート?」

男性兵士「はい。あの結晶体は全く壊れる様子は無いそうです」

ミーナ(だれだろう)

女性兵士「……モブリット、ちょっと出ていてくれるかな」

男性兵士「はっ!」

19: 1 2013/06/22(土) 17:00:35.81 ID:hHPPL03D0
ミーナ(あの人、私をみている…?)

女性兵士「……」

ミーナ「……あの」

女性兵士「ええと、君はアニの友達かな?」

ミーナ「は…、はっ!私はミーナ・カロライナと申します」

ミーナ「アニ・レオンハートとは同期でした!」

ハンジ「見事な敬礼だね。私はハンジ・ゾエ」

ミーナ「ハンジ、さんは私が見えるんですね?」

ハンジ「…私達は死に一番近い兵団だからね」

ハンジ「そういう目を持ってるものも、少なからずいるってことだよ」

20: 1 2013/06/22(土) 17:02:50.16 ID:hHPPL03D0
ハンジ「君はアニと同期なんだ。じゃあ、トロスト区で?」

ミーナ「は、はい」

ミーナ(アニのこと聞いたら、教えてくれるかな…)

21: 1 2013/06/22(土) 17:03:26.79 ID:hHPPL03D0
ハンジ「ええ!巨人にワイヤーを引っ張られたのかい!?」

ミーナ「はい。そうですけど…」

ハンジ「でも巨人に知能は無いはずだし…偶然なのか…ブツブツ」

ミーナ(不思議な人だ…)

22: 1 2013/06/22(土) 17:06:03.97 ID:hHPPL03D0
ミーナ「ハンジさん、お聞きしたい事があります」

ミーナ「彼女、レオンハートは何故このようになったのでしょうか」

ハンジ「……」

ミーナ(ハンジさんの顔が曇った!)

ミーナ「申し訳ありません!簡単に公開できることではありませんよね!」

ミーナ「忘れて下さい」

23: 1 2013/06/22(土) 17:06:57.95 ID:hHPPL03D0
ハンジ「ううん、君が情報を漏らす事はないと思っている」

ハンジ「そもそも、こうやって君と話せるものは少ないだろう」

ハンジ「それに、ここまでついて来ているのを見ると、
    きみとアニは仲が良かったのがわかるよ」

ミーナ「じゃ、じゃあ…」

ハンジ「あのね、」

24: 1 2013/06/22(土) 17:07:54.19 ID:hHPPL03D0
ハンジ「君が彼女の友人だからこそ、私は迷っている」

ハンジ「君は私の話を聞いて後悔するよ。それでもいいかい?」

ミーナ(後悔…)

ミーナ(アニのせいで多くの仲間が死んだと言っていた人がいた)

ミーナ(きっとアニは何か悪い事をしたんだ)

25: 1 2013/06/22(土) 17:10:09.19 ID:hHPPL03D0
ミーナ「死体の処理のとき、アニが『ごめんなさい』って言ったんです」

ミーナ「彼女とても優しい子なんです」

ミーナ「…うまく言えないんですけど、私は彼女が悪だとは思えないんですよ」

ミーナ「だから何を聞いても、私はアニの友達でいようと思います」

ハンジ「………そっか」

26: 1 2013/06/22(土) 17:14:58.74 ID:hHPPL03D0
ハンジ「アニは良い友達を持ったね」

ミーナ「い、いえ…」

ハンジ「私達にとって、アニは脅威だ。憎むべき存在でもある」

ハンジ「多くの仲間が殺された」

ハンジ「でも今のアニを見ると、おかしなことに私は少し、彼女が可哀想だと思っている」

ハンジ「なんて、こんなこと他の人にばれたらやばいけど」

ハンジ「…あはは」

27: 1 2013/06/22(土) 17:15:35.72 ID:hHPPL03D0
ハンジ「長い話になるから、座ろうか」

ミーナ「はい」

28: 1 2013/06/22(土) 17:17:45.92 ID:hHPPL03D0

----------
ハンジ「…というわけだ」

ミーナ「………」

ハンジ「…!!!やっべえ長居しすぎた!!!」

ミーナ「!?」ビクッ

ハンジ「っと、ごめん!私はもう出るけど、君はどうする?」

ミーナ「も、もうすこしここに居ます」

ハンジ「そっか…じゃあ、また会ったら話そう!君と話すのは楽しかったよ!」

ミーナ「はっ!」

29: 1 2013/06/22(土) 17:20:54.08 ID:hHPPL03D0
ミーナ(また一人になった)

ミーナ(ハンジさんの話は、多くがハンジさんの仲間の思い出話だった)

ミーナ(アニは、とても強い巨人だったらしい)

ミーナ(…だから謝ったんだね、あの時)

30: 1 2013/06/22(土) 17:23:32.03 ID:hHPPL03D0
ミーナ「アニは私の友達だよね」

ミーナ「アニがしたことは簡単に許されて良い事じゃない」

ミーナ「多くの人が死んだもの」

ミーナ「けどね、さっきも言った通り、私はアニが悪なんだって思えない」

ミーナ「……私は、アニの友達だもん」

31: 1 2013/06/22(土) 17:28:41.23 ID:hHPPL03D0
ミーナ「アニが起きたら」

ミーナ「真っ先に私がひっぱたこう」

ミーナ「そのために、私はここにいるよ」

ミーナ「やることもないしね」ニコ

32: 1 2013/06/22(土) 17:32:20.11 ID:hHPPL03D0
ミーナ「それにアニが起きないとさ、私成仏できないと思うんだ」

ミーナ「悪霊にはなりたくないから、はやく出てきてよね」クスクス

ミーナ(…結晶がとても冷たい)

33: 1 2013/06/22(土) 17:35:40.67 ID:hHPPL03D0
これで終わりです。
ミーナがアニと仲良かったらいいなあ、と思って書きました。
ありがとうございました。

34: 1 2013/06/22(土) 17:41:04.14 ID:hHPPL03D0
以下おまけで、ミーナとハンジさんの会話です

35: 1 2013/06/22(土) 17:44:00.11 ID:hHPPL03D0
ハンジ「そうそう、そのオルオとペトラってやつが超面白くってさ」

ハンジ「オルオがリヴァイの真似して、ペトラがいつもそれを咎めるんだ」

ハンジ「ペトラはリヴァイ大好きだから」

ミーナ「あはは。私も会ってみたかったです」

ハンジ「君がいまここに居ることを考えたら、案外それも可能かもね」

ミーナ「確かに」

36: 1 2013/06/22(土) 17:48:36.54 ID:hHPPL03D0
ミーナ「じゃあハンジさんは、リヴァイ兵長に『奇行種』だと言われたんですか?」

ハンジ「そうなんだよ!酷くない?」

ミーナ「ハンジさん女性ですもんね…さすがに酷いと思います」

ミーナ「ところで、ハンジさんに心当たりはあるんですか?」

ハンジ「うーん…この間奇行種に会ったときに超可愛い!つって飛び込んだら怒られた」

ミーナ(それはちょっとおかしい)

37: 1 2013/06/22(土) 17:52:28.51 ID:hHPPL03D0
ミーナ「ええっ!エレンが居るんですか!?」

ハンジ「そっか、ミーナはエレンとも同期か」

ミーナ「はい。エレンは元気ですか?」

ハンジ「うん。たまにリヴァイに殴られるけど、まあ元気だよ」

ミーナ「そうですか…エレンってちょっと空気読めないところあるんです」

ミーナ「ハンジさんも、あまり叱らないで上げて下さい」

ハンジ「オッケー。それにしてもミーナはよく周りを見てるんだね」

ミーナ「ええまあ…いろんな人と友達になりたいんです」

ハンジ「そっか。いいことだと思うよ」

38: 1 2013/06/22(土) 17:56:15.36 ID:hHPPL03D0
ミーナ「エレンがいるってことは、ミカサもですか?」

ハンジ「ああ、彼女はリヴァイ班じゃないけどね、よくエレンと話しにきたよ」

ミーナ「ミカサは相変わらずなんですねえ…」

ハンジ「たまに金髪の子も連れてきてたな。アルミンだっけ」

ミーナ「あ!私アルミンとも同じ班だったんです!元気ですか?」

ハンジ「うん。彼はとても頭の良い子だよね。私は結構気に入ってる」

ミーナ「アルミンは座学トップだったんです」

ハンジ「納得」

39: 1 2013/06/22(土) 17:57:06.87 ID:hHPPL03D0
これでほんとにおわり。
ミーナちゃんのss増えてほしいです。