1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/24(火) 20:14:21 ID:NZDOQVgY
~生徒会室~

楯無「はーい! というわけで! 始まりましたー!
   『第一回一夏くんに無茶振りなミッションを完遂してもらう大会ー!』
    イエー!!」ドンドン パフパフ

一夏「…何やってんですか楯無先輩」

楯無「はーい! それじゃあこのコーナーの説明をさせていただきまーす!
   司会進行は私、更識楯無と!」

簪「あ、あの…か、解説の更識簪です…よろしくお願いします」

楯無「うん! 頑張ろうね! さてさて! このコーナーでは、全校生徒職員、
   事務員の方々に送っていただいた無茶振りなミッションを、
   一夏くんに遂行してもらおうというコーナーでーす!」

一夏「当事者置いてけぼりで進めないでください! 簪だって困ってるじゃないですか!」

楯無「えー。一夏くんつまんないー。主役なんだからもっとノリノリでやってよー」

一夏「急にISで拉致られて訳も分からないイベント組まされる身にもなってください!」 


 

2 :、名無しが深夜にお送りします:2012/01/24(火) 20:19:29 ID:NZDOQVgY
楯無「いやー。実はね。私、ある漫画に影響されてね。目安箱置いてみたの」

一夏「目安箱? ええと…確か、生徒が生徒会に要望があったときに使われるアレですか?」

楯無「そうそうソレソレー! でね。予想以上に目安箱の反響があってさー」

一夏「いいことじゃないですか」

楯無「9割くらいは一夏くん関係なんだけど」

一夏「」ブーッ 


3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/24(火) 20:23:11 ID:NZDOQVgY
楯無「『目安箱は批判も希望も、果たし状からお悩み相談に至るまで幅広くお受付してまーす!』
   という触れ込みのもと、集まった葉書の1つがこちらです」スッ


『幼馴染の唐変朴さを矯正したいのですが、どうしたらいいでしょうか?』


一夏「え? これのどこが俺の事なんですか?」

楯無「(チッ)はーい! では次のお便りですー!」

一夏(え? 舌打ちされた?) 

4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/24(火) 20:26:45 ID:NZDOQVgY
『ある殿方に私の手料理を食べていただけません。精一杯作っているのですが…』


一夏「ひでぇな。男なら女の手料理ぐらい食べてやればいいのに」

楯無「…あのね。一夏くん。ここがどこだか分かってる?」

一夏「え? 生徒会室でしょ?」

楯無「じゃなくてね。この学園の話」

一夏「いや、何言ってんですか」

楯無「あーうん。まどろっこしいのは無しね。で、IS学園にいる男性は君一人。ね?」

一夏「いや、だからってこの葉書の男性が俺ってことにはならないでしょう?
   彼氏とか、家族とか…あ、いや一応あの用務員の人も男性だよな…」

楯無「はぁ…まぁいいや。次いこ」

一夏「ちょ、やめてくださいよ。なんですかその汚らしいものを見るような眼差しは」 

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/24(火) 20:31:17 ID:NZDOQVgY
楯無「もうメンドイので、こっからは一気にいくねー」


『幼馴染の鈍感さは叩けば直るのですか?』
『色々とアプローチしているのに相手が全然その気になりません。僕って魅力ないのでしょうか?』
『嫁にプリンを買ってもらった』
『気になる人がいるんですが、競争率が高すぎて諦めかけてます。諦めた方がいいのでしょうか?』
『おねーちゃーん! げんきー!?』
『織斑くんに話しかけるタイミングがつかめません』
『織斑くんの写真ありますか? 即金でも可』
『何で私の名前って上から読んでも下から読んでも同じなんですか』
『織斑くん抱いて!』
『織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん
織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん
織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん
織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん
織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん』
織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑くん織斑く…

楯無「とまぁ、こんな感じです!」

一夏「おい最後2つ」 

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/24(火) 20:34:42 ID:NZDOQVgY
一夏「ええと…これが今回のイベントとどう関係が?」

楯無「よくぞ聞いてくれました! じゃあ解説さん! お願いします!」

簪「あ、うん…。ええと、目安箱に投書されていたほとんどが、一夏の事に関するもので…」

簪「簡潔にまとめと…一夏にちゃんと気づいてもらいたいというか、その…」

一夏「?」

簪「ええと、ううん…つまり……」

一夏「なんだよ。言いづらいことなのか?」

簪「…一夏はどん…」

簪「……」モジモジ

一夏「いや、無理に言わなくてもいいぞ?」 

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/24(火) 20:36:20 ID:LPryAzWU
簪「だから…一夏の、その…」

一夏「……」

簪「み…皆、仲良くしたいってこと」

一夏「…はぁ?」

楯無(我が妹ながら…なんと優しいことか)

楯無「はーい! 解説ありがとね! というわけで、今回はいまいちニブチンな一夏くんを懲らしめ(ゲフンゲフン
   一夏くんと触れ合える機会を、生徒会の方で設けてみました!」

一夏「いや、意味分かりませんから! だいたい、こんなふざけたイベント千冬姉が許すはずが――」

楯無「打診したら、面白そうだからいいって言われたよ? 二つ返事で」

一夏「え?」

楯無「『やれ』って」

一夏「二つ返事どころか二文字ってどういうこった!」ツクエバン! 

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/24(火) 20:37:02 ID:NZDOQVgY
楯無「そういうわけなので、取り出しましたのはこのクジです!」ドン!

楯無「この中には、IS学園関係者から募った数々の無茶振りなミッションを入れてます!
   その中からランダムに引いて、一夏くんに遂行してもらおうというコーナーです!」

一夏「…ちなみに俺に拒否権はないんですね?」

楯無「大人しくやるか、今ここでミストルテインの槍をお見舞いされるかくらいは選ばせてあげるよ?」

一夏「やればいいんでしょ! というか、先輩の本気は洒落にならないですから本当にやめてください!」 

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/24(火) 20:38:06 ID:NZDOQVgY
楯無「というわけで! 記念すべき最初のミッションは―――」

ゴソゴソ

『>>11と>>14する、です!!』パンパカパーン! 

11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/24(火) 22:32:47 ID:n24AVsGA
きたーー
鈴 

14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/25(水) 14:17:11 ID:377WpQtE
ショッピング 

23 :>>1:2012/01/30(月) 16:23:41 ID:y7.hy73M
『鈴とショッピング』する

一夏「ほっ…」

楯無「えっとー…鈴って、あの中国代表の専用機持ちのことだっけ」

簪「…そう」

一夏「無茶ぶりなミッションというから、どんな無理難題かと思えば…。
   よかった。これなら楽勝だな」

楯無「ふっふーん…果たして、そうかなぁ…?」

一夏「え?」

楯無「何でもないよー☆ じゃあはりきって! いってみよーか!」

一夏「…?」

一夏「…まぁいいや。じゃあ、鈴を探さないとな」 

25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 16:27:51 ID:y7.hy73M
~廊下~

鈴「いーちかッ!」

一夏「おお鈴。ちょうど良かった。探してたんだ」

鈴「うん! 知ってるわ! えへへっ!」

一夏「やけに嬉しそうだな…って、え? 知ってた?」

鈴「うん!」

一夏「なんで?」

鈴「何でって…アンタ、何もきいてないの?」

一夏「何を?」

鈴「このイベントはね。全校に向けて発信されてるのよ? あたしたちが知らないわけないじゃん」

鈴「アンタがちゃんとミッションを遂行できているかどうか、アンタの行動は逐一放映されてるわよ。全校放送で」

一夏「…予想はしてたけど俺のプライバシーまで無視ですかそうですか」 

26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 16:31:07 ID:y7.hy73M
鈴「まぁいいじゃない! ミッションは絶対よ! さぁ! 行きましょうか!」

一夏「まぁいいけどさ…」


箒「……」ギロッ

セシリア「ぐぎぎ…」ハンカチカム

シャル「…チッ」

ラウラ「おい嫁。私という伴侶がいるんだ。あまり出過ぎた真似はするなよ」

その他大勢『……』ギリリ…


一夏「な、なんで皆あんなに殺気立ってんだ…?」

鈴「細かいことはいいから! さぁ、早くいきましょ!」ダキッ

一夏「お、おい…あまりひっつくなよ…」

鈴「えっへへー♪」


女生徒達『………』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 

27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 16:37:21 ID:y7.hy73M
~モノレール内~

一夏「はぁー…なんでこんなことになるんだ…」

鈴「なーによー。あたしが相手じゃ不満なの?」

一夏「いや、だっていきなり連れてこられてコレだぜ? 俺が何をしたってんだよ…」

鈴「…アンタって本当にいっぺん医者に診てもらった方がいいんじゃないかって本気で思えてくるわ。主に耳鼻科に」

一夏「何でお前にそんなこと言われなきゃならないんだよ?」

鈴「知ーらない。はぁ…シャルロットと一緒に行ったときはもっと和気藹々としていたくせに」

一夏「え? なんでお前そんなこと知ってんだよ?」

鈴「(あ、やっば!?)う、うわー! 見て一夏ー! 学園がもうあんなに遠くにー!(棒)」

鈴(もう! 何でこういう時だけ耳が達者なのよ!)

一夏「ん…? あぁ、そうだな…」

鈴「あ! 着いたみたいよ! ほら、早く行くわよ!」

一夏「わかったから引っ張るなって…」 

29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 16:42:06 ID:y7.hy73M
~ショッピング・モール~

鈴「久しぶりに来たけど、やっぱりあまり変わらないわねー」

一夏「そういや、お前と二人きりってのは初めてかもしれないな」

鈴「え? あ、そう言えばそうね!」

鈴(うわぁ…何でこういう時にそんなこと言うのよ…変に意識しちゃうじゃない…)ドギマギ

一夏「うーん…でも、ショッピングって具体的に何すればいいんだ? 鈴は買いたいものとかあるのか?」

鈴「え!? そ、そうねぇ…ええと……」


蘭「あれ…い、一夏さん!?」

一夏「あれ? もしかして、蘭か?」

鈴「…!」

蘭「と、鈴………さん」 

30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 16:46:55 ID:y7.hy73M
蘭「ど、どうしたんですか。こんなところで…?」

一夏「蘭こそ。弾は一緒じゃないのか?」

蘭「お兄…いえ、兄さんは別行動中で…」

一夏「そっかー。あいつも来てんのか。久しぶりに会いたいな」

鈴(もう~! 何でこういう時っていつも邪魔がはいるの~! 弾のバカならまだしも、よりによって蘭だなんて~!)

蘭「そ、それより二人して…どうしたんですか?」

鈴(ん…? 待てよ…? 見方を変えれば、これはチャンスかも…)

一夏「あー、これは―――」

鈴「な、何してるように見えるかしらー!?」ダキッ

一夏「うおッ!」

蘭「……!」 

31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 16:50:51 ID:y7.hy73M
一夏「お、おい鈴…だからいきなり抱きつくなって…」

鈴「なーによー。いいじゃん、今さら」

一夏「そうかもしれないけどさ…」

蘭(い、今さら…!? 何、私の知らないところで…二人って、そういう関係になったの!?)ガーン

鈴(ふっふっふ…いい感じに勘違いしてくれてるわね…)ニヤッ

蘭「え、ええと、その…」

一夏「ん?」

蘭「も、もしかして二人して…デ、デートとか?」

一夏「はぁ? そんなわk」

鈴「そうなのよ! ねぇ、一夏!」

一夏「え?」

蘭「え……」 

32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 16:55:14 ID:y7.hy73M
一夏(お、おい鈴! 何てこと言うんだ!)コソコソ

鈴(いいから! ここは口裏合わせて!)ゴニョゴニョ

一夏(はぁ!? 何でそんなことする必要があるんだよ!?)ボソボソ

鈴(あとでこれは嘘でも罰ゲームとでも、説明してあげればいいでしょ! お願いだから今は合わせて!)コショコショ

一夏(え、えぇー…)

蘭「あ…え……嘘…」

一夏(うーん…まぁ、罰ゲームっていうのはある意味本当だしな…)

一夏(…というか、蘭のやつ、顔色悪いぞ? どうしたんだ?)

一夏(…まぁいいか)

一夏「あ、あー。そうなんだよー。はっはっはー(棒)」

蘭「!!」 

34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 17:00:07 ID:y7.hy73M
鈴「も、もう一夏ったらー☆」

一夏「あ、あははー…そ、そうなんだよなー(棒)」

蘭「」

鈴「そそ、そうなのよー! ねー、一夏ー?」ニコッ

一夏「あっ、ははー。そ、そう、なんだよなー! あっははー(棒)」

蘭「」

鈴(よし! 一夏の辻褄合わせははっきり言って大根だけど、蘭はそれどこじゃない! いける!)

鈴「じゃ、じゃあそういうわけだから、あたし達はこの辺で―――」

一夏「あっははー。お、俺がこいつとデートなんてー。わわ、笑っちゃうよなー(棒)」

蘭「」

蘭「え?」


鈴(一夏のアフォー!!) 

35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 17:04:59 ID:y7.hy73M
蘭「え? な、何を言ってんですか?」

一夏「へ? だ、だってさ。俺が鈴とだなんて――ごふぅ!?」

蘭「ひやっ!?」

一夏(お、お前! いきなり何すんだ!)ボソボソ

鈴(こんのバカ! どんな頭してたらあの場面でああいう台詞が出るのよ!?)コショコショ

一夏(な、何だよ! 俺が何か間違ったとでもいうのか!?)コソコソ

鈴(あぁ、もう! もういいわよ! あんたは黙って―――)

蘭「……」ジィー…

鈴(うッ…)

蘭(…怪しい)

鈴(ヤバイ! めっちゃ見られてる! 疑われてる!) 

36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 17:14:21 ID:y7.hy73M
蘭「…あの」

鈴「ひゃ、ひゃい!? 何!?」

蘭「…確認しておきたいんですけど」

鈴「な、何かしら…?」

蘭「…お二人って、付き合っているんですか?」

一夏「はぁ? そんなわk―――」

 ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

一夏「いででででででででででででででででででででで!!」

蘭「!?」 

37 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 17:18:31 ID:y7.hy73M
鈴「も、勿論そうよー! ねっ、一夏!」

蘭「…!?」

一夏「いや、お前…いくらなんでもそれは…」

鈴「イ チ カ ?」

一夏「ひぃッ!?」

鈴「……」

一夏(や、ヤバイ…! 鈴の目が、『ここで話を合わせなければ甲龍の新装備のフルコースをお見舞いしてやる』と言ってる…!)

鈴(もしも話を合わせなかったら、チャイニーズマフィアに頼んであんたのはらわた掻っ捌いて、脳漿ぶちまけて、臓器をホルマリンに漬けたあと、
  闇市に叩き売ってやるわ…)

一夏「……」

鈴「……」

蘭「……」

一夏「は、はい…そうです」

蘭「ッ!?」 

38 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 17:21:55 ID:y7.hy73M
鈴「もうー! 照れ屋さんなんだからー!」ツンツン

一夏「……」

蘭「」

鈴(よしっ! 何とかごまかせたわね! あとはこの場を立ち去るのみよ!)

一夏(何で俺がこんな目に…俺が一体何したってんだ…)

蘭「」

鈴「そ、そろそろいいかしら! あたしたち、行くところがあるのよ!」

蘭「!!」

鈴「じゃあ、この辺で――」

蘭「ま、待ってください!」 

39 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 17:25:33 ID:y7.hy73M
鈴「ッ…!」

一夏「…?」

蘭「そ、その…二人が、本当に付き合っているっていうんなら…」

一夏鈴「「…?」」

蘭「しょ、証拠見せてください!」

一夏「はぁ?」

鈴「しょ、証拠って…必要あるの? 宣言したし、腕だって組んでるじゃない! ほら、今だって!」グイッ

一夏「お、おい…」 

40 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 17:26:34 ID:y7.hy73M
蘭「…確かにそうですけど、でも…」

一夏「?」

蘭「…もし、本当に付き合っているなら!」

鈴「…?」


蘭「…キスしてください! 今、ここで!」


一夏鈴「「はぁ!?」」 

41 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 17:32:04 ID:y7.hy73M
一夏「な、何でそうなる!?」

蘭「…付き合っているなら、それくらいのことはできるはずです! さぁ、見せてください!」

鈴「い、意味わかんないわよ! 大体、そういうのってこんな往来でするもんじゃないでしょ! キ、キキキキキス、なんて!」

蘭「…出来ないんですか?」

鈴「そう言ってんじゃないわ! もっと、ムードってもんがあるでしょうが!」

蘭「出来ないんですね!」

鈴「だから、そういう訳じゃないって言ってるでしょ!」

蘭「関係ないです! だって、恋人同士なら…あ、愛を確かめるくらい出来るはずです!」

鈴「あ、愛、だなんて……///」プシュー…

一夏「…なぁ蘭。お前は勘違いしてるぞ。俺とこいつは今日、ばt――」

 ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ

一夏(ぎゃああああああああああああああああああ!! お、お前!
   部分展開したISで抓るのはよせ! 本当に肉がちぎれるだろうが!!) 

42 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 17:37:37 ID:y7.hy73M
蘭「…そんなことも出来ないで」

一夏「いてて…ん?」

蘭「…キスも出来ないで、恋人を気取らないでください!」

一夏「お、おい…蘭…?」

鈴「…アンタに何がわかるのよ。あたしよりも年下で、一夏と過ごした時間だって短いくせにさ」

蘭「年も、過ごした時間も…そんなの、関係ないです!」

蘭「キスくらいもできないで恋人だなんて…そんなの間違ってます! 私なら、それ以上のことだってしてあげられます!」

蘭「だって…わ、私だって…一夏さんのこと…」

一夏「蘭…?」

鈴「!!(これ以上はまずいわ!)」

鈴「わ、分かったわよ!」

一夏蘭「「へ…?」」

鈴「お、お望みならやったろーじゃない!  今ここで! 混じりっけなしのマウストゥマウスで!」 

47 :>>1:2012/01/30(月) 21:56:35 ID:y7.hy73M
一夏「え…えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

蘭「………」

鈴「い、一夏。ちょっと屈んでくれるかしら」

一夏(お、お前! 本気なのか!?)

鈴(本気に決まってるでしょ! ここまで言ったら引き下がれないわよ!)

一夏(いや、こればっかりは本当に洒落にならないぞ!)

鈴(いいの! そ、それにあたし…)ゴニョゴニョ

一夏(ん…?)

鈴(あ、あたし! アンタだったら―――)

蘭「…また相談ですか?」

鈴(―――!)

鈴「……」

ズイッ

一夏「――!?」

鈴「……///」 

48 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 21:58:59 ID:y7.hy73M
一夏「え…ちょ…り、鈴…?」

鈴「……///」

蘭「…さぁ。鈴さんは待ってますよ。いいんですか?」

一夏「え…いや……えぇ!?」

鈴「……」

一夏(り、鈴の顔がこんな近くに…)

一夏(ギュッと目をつむって、顔を耳まで真っ赤にしながら…待ってやがる…)

一夏(ほ、本当にやるのか!? やらなきゃならないのか!?)

鈴「……///」 

49 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 22:04:34 ID:y7.hy73M
一夏(い、いいのかよ…鈴はただの幼馴染だし、俺のことどう思ってるか分かったもんじゃないし、済んだら済んだでまた殴られそうだし…)

一夏(鈴の奴、いい匂いがするな…。香水とかスプレーとか、飾りっ気のない石鹸のいい匂い…唇もすごく柔らかそうで…)

一夏(――って、俺のバカ!! 何考えてんだ!?)

鈴「……ぃ///」

一夏(あぁもう! やるのか!? やるしかないのか!? どうなんだよ、俺!)

鈴「…ぃち、…か……はや、く……」

一夏「り、り―――」

一夏「―――」


プル…プル… 

50 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 22:07:56 ID:y7.hy73M
一夏(…鈴の奴。震えているじゃないか)

一夏「……」チラッ

蘭「……?」ドキドキ

一夏(…蘭の奴も不安そうに見つめてやがる)

一夏(…何やってんだ俺。こんなに鈴に無理させるなんて)


鈴「ぃ、一夏ぁ……はやく、して……これ、恥ずかし――」

一夏「鈴。もういい。やめろ」

鈴「え………」

蘭「え…?」

一夏「…ごめんな、蘭。からかいすぎたよ」 

51 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 22:13:05 ID:y7.hy73M
蘭「へ…? か、からかう? どういう、ことですか?」

一夏「全部嘘だったんだよ。俺と鈴が付き合ってるってのも、今日がデートだってのも」

蘭「え…?」

鈴「……」

一夏「…ごめんな蘭。騙すような真似して」

蘭「な、何だ…じゃあ、付き合ってるわけじゃ、なかったんですね。良かったぁ…」ホッ

一夏「? 何でそこでほっとするんだよ?」

蘭「え? あ、いや! べべ、別に何でもないですよ!?」ブンブン


鈴「……バカ一夏」ボソッ


一夏「ほら鈴。お前も謝れよ」

鈴「うっさい」プイ

一夏「おい! お前、その態度はないだろ!」

鈴「うっさいって言ってんでしょ! このバカ一夏!」

一夏「はぁ!? どうしてお前にそう言われる筋合いがあるんだよ!」 

52 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 22:17:48 ID:y7.hy73M
蘭「あ、あのぅ…」

一夏「大体今日のお前、おかしいぞ!? 変に意固地張ったり、無理して顔赤くしたり! 本当に何なんだよ!」

鈴「あんたには何の関係もないでしょ! ほっといてよ!」

一夏「なッ…こ、のぉ…!」

蘭「あ、あのぉ!!」

一夏鈴「「…?」」

蘭「ええと…じゃあ今日は、二人で仲良く買い物、って感じですかね?
  なら、こんなとこで喧嘩は、その…良くないと思いますよ?」


一夏「…別に喧嘩じゃねぇよ。こんなのも、ただの罰ゲームだしな」

鈴「……!」

蘭「……え」 

53 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 22:20:35 ID:y7.hy73M
蘭「罰、ゲーム…?」

一夏「ああ。うちの会長の余興でさ。何だか訳のわからないままにイベントに引っ張り出されて、
   流れのままにこいつと買い物をすることになったんだ」

一夏「本当に面倒な厄介ごとが大好きだからなうちの会長…こっちは溜まったもんじゃねぇよ…」

一夏「悪かったな、蘭。お前まで巻き込むことになって――」

蘭「…一夏さん」

一夏「ごめん。鈴には俺からちゃんと言っておくから。俺はさっさと――」

蘭「あ、あの…」

一夏「ん?」

蘭「後ろ…」

一夏「後ろ?」クルッ 

55 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 22:23:30 ID:y7.hy73M

鈴「……ぁの」

一夏「は?」


 ドッゴォォォォォォ!!


鈴「一夏の…バカァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

鈴「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん…!!」

 タッタッタッタッタ… 

56 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 22:27:07 ID:y7.hy73M
蘭「え、ええと…大丈夫、ですか…? 後頭部にモロ入ってましたけど…」

一夏「いてて…なんか目の前に星が見えら…まぁ、ISじゃなかった分だけ幸いと思うことにしよう」

蘭「え? 今、なんて言いました? ISで…?」

一夏「ああ。なんか知らんけど鈴のやつ、キレるとISで俺に殴り掛かるんだよ」

蘭「えぇ!? それって、下手したら死ぬじゃないですか!」

一夏「そうなんだよな…ったく、あいつってば昔から加減というものが下手だったからなぁ…いてて」

蘭(鈴さん…久しぶりに会って丸くなったと思ったら、さらに悪化してるだけのような気が…) 

57 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 22:29:21 ID:L..4L3aQ
わっふるわっふる 

58 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 22:30:26 ID:y7.hy73M
一夏「はぁ…ったく。まぁこんなことは毎度毎度のことだけど、今回のはいくら俺でも愛想が尽きるぞ」

蘭「え…?」

一夏「まったく、今日のあいつはいつもに増して変だったなぁ…。
   最初はやたらウキウキしてるかと思えば、最後はキレてどっか行っちまうし…」

蘭「い、一夏さん…?」

一夏「んー?」

蘭「あ、あの…鈴さんが何で怒っているか、本当に分からないんですか?」

一夏「…分からないし、分かりたくもないね。人にろくに謝りもしない奴の気持ちなんか知りたくもないな」

蘭「……!」 

59 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 22:33:33 ID:y7.hy73M
一夏「ったく、そうは言っても、ミッションはやらなきゃな…あぁ、憂鬱だ…」

蘭「い、一夏さん!」

一夏「ん? なんだよ。俺、鈴のバカを探しに行ってやらないと…」

蘭「…あの」

一夏「…?」

蘭「その、ええと……」




蘭「…ごめんなさい!!」



 パシーン!! 

60 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 22:37:48 ID:y7.hy73M
一夏「いってぇ…! な、何すんだよ蘭! 鈴ならともかく、お前まで暴力を振るうような奴だなn――」

蘭「一夏さん! 鈴さんが怒ったの、本気で自分のせいじゃないと思ってるんですか!?
  もしそうだとしたらあなた、最低ですよ!」

一夏「はぁ!? お前にまでそんなこと言われるなんて…本ッ当に、訳が分からねぇよ!!」

蘭「……!!」

蘭「…もういいです。私が間違ってました。鈴さんが全面的に正しいですね。
  私は年端もいかなくて、 臭い世間知らずの中学生ですよ」

蘭「でもね! だからこそ、好きに言わせてもらいますよ! えぇ、そりゃもう好き勝手に言わせてもらいます!」

一夏「?……?」




蘭「アンタね!! ふざけんのもいい加減にしなさいよ!!」 

61 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 22:42:39 ID:Jb.SHCh6
もっとやれ 

62 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 22:45:20 ID:y7.hy73M
一夏「え…? お、おい…蘭……?」

蘭「正直いってここまで鈍感だなんて思いもしなかった! 何よあの態度! 鈴の気持ちだって1%も理解してないくせにさ!」

蘭「鈴があの時、どんな気持ちだったか本気で考えたの!? 本当にしょうもない理由で人に謝れないようなヒネくれた奴だと本気で思ってるの!?
  それでよく鈴のこと、知ったような態度ができるわね!」

一夏「……」

蘭「たとえフリだとしてもね! 女の子がデートを頼むのってどんな気持ちか考えたことある!?
  売店でアイスクリームを頼むくらいの気軽さで頼んでいると思ってんの!?
  ふざけんな! 女の子を何だと思ってんのよ!!」

蘭「もし、そうなら病院に行った方がいいよ! 何なら私が今ココで呼んであげる!」

一夏「……」 

63 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 22:50:46 ID:y7.hy73M
蘭「ましてや、あの鈴がだよ!? 素直になれなくて、口よりも先に手が出るようなあの子が、あんなに勇気出したんだよ!?
  なのにアンタのしたことって何よ!? 友達気取っていい面見せてるだけじゃない!
  バカにすんのも大概にしろ! ふっざけんじゃないわよ!!」

一夏「……!」

蘭「女の子がキスを許す相手くらい、アンタにだってわかりそうなもんじゃない!?
  そんな単純なこともわからないの!? ねぇ、本当に呼ぶ!?
  救急車をさ! 本当はすぐにでも呼んであげたいくらいだよ!!」

蘭「ねぇ、本当にアンタはアイツの何なのよ! 答えなさいよ! 自称鳳鈴音の友達の、織斑一夏さん!!」

一夏「……」

一夏「……」

一夏(そっか…)

一夏(俺は、あいつのこと…表面的なところでしか、見てなかったんだな…) 

64 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 22:57:07 ID:y7.hy73M
一夏「…そう、だよな。あいつが、詰まらない理由であんな態度とるわけないよな…」

一夏「…友達のつもりで、分かってやっていたつもりでいたんだ俺…」

一夏「…ごめんな、蘭。本当にごめ――」

蘭「~~~~~~~~!!」

蘭「あぁもう!! 私に謝ってどうすんのよこのバカ!!」

一夏「……!」

蘭「悪いと思ってんだったら、気の1つくらいは意地でも利かせてあげなさいよ! 男でしょうが!」

一夏「……」

一夏「…そう、だな」

一夏「悪い! 俺、鈴を捜しに行ってくる!!」ダッ

一夏「蘭! ありがとう! 本当にありがとう!!」



 タッタッタッタッタッ…



蘭「はぁ…何やってんだろ、私…」 

65 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 23:00:11 ID:y7.hy73M
弾「よっ。お疲れさん」

蘭「ゲッ…お兄…いたの?」

弾「いたのって…あんなに大声で喚き散らしていれば、そりゃ誰だって駆けつけるっつーの」

蘭「あ…」


ざわざわ…


蘭「うわ、やば…お兄! 早く逃げよ!」

弾「あいよ、お姫さん」 

66 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 23:08:56 ID:y7.hy73M
~休憩所~

蘭「はぁぁ…私…一夏さんに嫌われちゃったかなぁ…」

弾「何だよ。てっきり、愛想つかせたのかと思ったぜ」

蘭「そんなわけないでしょ。…まぁ、あんだけ言ってすっとぼけていたら、流石にドン引くけどね」

弾「…いいのかよ。お前、鈴の奴に塩を送ったことになるんじゃないか?」

蘭「それとこれとは別よ。…流石に見てられないわ。鈴は恋敵である以前に、友達だもの」

弾「…そっか」

蘭「まぁそれでもやっぱり、一夏さんのことは諦めないけどね。今はあっちにアドバンテージがあるけど、絶対に巻き返してやるんだから」

弾(誇りに思うべきか、心配すべきか…)

蘭「はー。怒鳴ったら喉渇いちゃった。お兄。なんかジュースでも買ってよ」

弾(…いや、誇りに思うべきだな。それでこそ、俺の妹だ)

弾「よっしゃ。今日は太っ腹だ。アイスを買ってやろう」

蘭「えっいいの!? 私、3段食べたい!」

弾「おう! 3段だろうと5段だろうと、好きなのを選べ!」

蘭「やった♪」 

67 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 23:15:04 ID:y7.hy73M
~モール屋上:児童遊園地広場~

鈴「う…ぐす……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…えっぐ……うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」

鈴(バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ!!)

鈴(一夏のバカ! 何よ何よ!)

鈴(…バッカみたい! 一人だけ舞い上がって、浮かれて、喜んでいたのがバカみたい!)

鈴(一夏は結局…私のこと幼馴染以上には見てくれない! いや、今日のことでもっと嫌われた! 絶対そうだ!)

鈴(何よ情けない! 偉そうに! 私の気持ちに気付いてくれないくせに! 酢豚の約束も…忘れていたくせに!)

鈴(そんで…そんで…素直になれないくせに…意固地になって…結局、迷惑をかけることしかできない…)

鈴(こんな…こんな自分が、大嫌い!)

鈴「いぢ、がぁ……うぅ、ぅあ…ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」 

68 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 23:21:03 ID:y7.hy73M
鈴(…そういえば、前にもこんなことあったっけ)

鈴(パパとママが喧嘩して…あの日はすごい険悪で…我慢できずに、家を飛び出して…)

鈴(あの日は、凍えるように寒い日で…)

鈴(…でも、一夏が見つけてくれて…その頃からあたし…あいつのこと…)

鈴(でも…でも、今は……)

鈴「うッ…うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」







一夏「鈴!!」

鈴「――!!」 

69 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 23:25:43 ID:y7.hy73M
一夏「はぁ…はぁ…はぁ…さ、探したぞ……ここにいたのか…」

鈴「いち、か…?」

一夏「鈴…ごめんな。俺、お前のこと誤解してた。お前の気持ち…考えてやれなかった…」

一夏「そんなんで、友達面してた俺…最低だよな。本当にゴメン、鈴」

鈴「~~~~~~~!!」

鈴「……!」ズッ ゴシゴシ

鈴「何よ! 今更、何しに来たっていうのよ! 帰りなさいよ!」

一夏「いやだ! 俺は、まだお前にちゃんと謝ってない!」

鈴「余計なお世話よ! いいわよ! どうせこんな罰ゲーム、あんただって不本意じゃない!
  適当に済ませて、さっさと帰りなさいよこのバカ!」

一夏「…お前がどう思ったって…俺は、お前と一緒に帰る!」

鈴「うっさいバカ! こっち来るな! 帰りなさいよ!」

一夏「鈴……」

鈴「……ぐす」 

70 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 23:30:26 ID:y7.hy73M
鈴(あぁ…私、また意地になってる…本当に、反吐が出るわ…)

鈴(本当は嬉しいのに…ありがとう、って言いたいのに…)

鈴(何で…何でこんな不器用にしかできないんだろ……)

鈴「うッ…うぅぅぅぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」

一夏「鈴…」

スッ…

鈴「…?」

一夏「…とりあえず、これ使ってくれよ。泣いてるお前…見たく、ないから」

鈴「……」ヒョイ

フキフキ

鈴「……」

一夏「その、さ…。悪かったな。あんなこと言って」

鈴「…何よ。本当に分かってるの?」 

71 :やばい。なんか引き返せないところまでいってる気がする:2012/01/30(月) 23:37:11 ID:y7.hy73M
一夏「…ごめん。正直、俺はお前が何で怒っているのかは、よく分からない」

鈴「―――!!」

一夏「でもな…お前があれだけ怒っているってことは、よほどの事情がないかぎりあり得ない。
   その…少なくとも、俺のせいだってことくらいは分かる」

一夏「だから、その…俺のせいなのに有耶無耶になったまま、お前と喧嘩するのは…嫌だ」

鈴「……」

一夏「なぁ、教えてくれないか? お前、何であんなに怒っていたんだよ。俺のどこが、気に食わないんだよ」

鈴「…だからアンタってやつは」

一夏「え?」

鈴「そう! そうやって聞き返すところ! 何でアンタっていつも、
  そうやって狙いすましたかのようにそういう態度ができるの!?」

一夏「鈴…?」

鈴「そうやって思わせぶりな態度とられるの、本当に腹が立つの! それとも何!?
  ひょっとしてわざとやってるの!? あたしを、あたしたちを弄んで楽しいの!?」

一夏「…何のことだよ」 

72 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 23:46:33 ID:y7.hy73M
鈴「また出た! 自分は何も関係してない、そういう風に装われる気持ち、考えたことあるの!?
  アンタのそういう優柔不断でフラフラしているところ見るの、イライラするのよ!」

一夏「……」

鈴「…自分だけが舞い上がってさ。本当に虚しくなるのよ。アンタ、何がしたいのよ…。
  何でそんなに優しくできるの…。やめてよ…迷惑、なのよ」

一夏「……ごめん」

鈴「…謝らないでよ、バカ」

一夏「…おい何なんだよ。お前、さっきから言ってること滅茶苦茶だぞ?」

鈴「誰のせいだと思ってんのよ! このバカ!」

一夏「ッ……」

鈴「…どうせあたしのこと、ただの幼馴染だとしか思ってないくせに…。今日だって、本当は迷惑してるくせに」

一夏「……!」

一夏「そんなこと、あるわけねぇだろ!」

鈴「何よ! またそうやって思わせぶりな態度とって! いいわよ! 取り繕ってくれなくても!」

一夏「嘘じゃねぇ!!」

鈴「ッ……!」ビクッ 

73 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 23:52:42 ID:y7.hy73M
一夏「…確かに会長の人を引っ掻き回す癖には頭を抱えるよ。正直、本気で参ってるくらいだ」

一夏「でも…こういうイベントで最初にお前とやれるってわかった時、すごくホッしたんだ」

鈴「…うそ」

一夏「嘘じゃない。本当に、俺はお前とこういうことやれて…良かったと思ってる。お前なら気兼ねとかそういうのなしでやっていけると思ったからな」

鈴「何よ、それ……」

一夏「…お前の手癖の悪さは確かに困りもんだよ。ISを身に着けてからは、命の危険さえも感じているからな」

一夏「でもさ。それを含めて、お前は全力で俺に向かってくれているってことだろ? 俺に、本気でぶつかってくれてるってことだろ?」

一夏「俺にはそれが心地よくてさ…バカみたいに楽しい」

一夏「俺、お前といると…そういう気分になるから。資格はないと思っても、お前の友達だって信じてるから」

一夏「だから…そんな奴とこんなことするの…楽しくないわけ、ないじゃないか」

鈴「……」 

75 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 23:56:37 ID:y7.hy73M
鈴「…本当にさ」

一夏「…ああ」

鈴「あんたって、バカで、無茶苦茶で、気持ち悪いくらい愚直でさ…」

鈴「そんでもって…すごく、気の利かないバカ。大馬鹿。もう超ど級天元突破にバカ」

一夏「……」

鈴「…でも」

一夏「…?」

鈴「あたしも…あんたとそうやっているの…すごく楽しい。」

一夏「……」

鈴「あたしも大馬鹿ね…」

一夏「…かもな」

鈴「うっさい。アンタの方がバカよ」

一夏「ははは、そうかもな」

鈴「ふふっ」 

76 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/30(月) 23:59:58 ID:y7.hy73M
鈴「もう少し、気の利いた台詞でもないの?」

一夏「…すまん。これが…俺の精一杯の本心だ」

鈴「ハァ…ったく」

一夏「……」

鈴「…ギリギリ」

一夏「…?」

鈴「赤点ね」

一夏「は…?」 

77 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/31(火) 00:02:12 ID:SVxRHseY
鈴「だから、クレープ奢ってくれたら許す」

一夏「え」

鈴「それでチャラにしてやるって言ってんの。ここの名物、超ゴージャスデリシャスファベラスマックスクレープ。あんたの奢りで」

一夏「え…いや、あれ…1000円くらいすんだけど…」

鈴「何よ。文句あるの?」

一夏「…いや。分かった。10個でも100個でも買ってやる」

鈴「いいわね。じゃあ土産含めて1000個ね」

一夏「おい」

鈴「あっはは。冗談よ。1つでいいわ」

一夏「…ったく」 

78 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/31(火) 00:08:13 ID:SVxRHseY
鈴「…ねぇ一夏」

一夏「なんだ、鈴」

鈴「あたしさ…このままで、いいんだよね?」

一夏「…真っ直ぐ突っ走ってくれた方が、俺は安心する。それが鈴だからな」

鈴「何それ。褒められてる気がしないわ」

一夏「そうか?」

鈴「そうよ」

一夏「ははっ、そうかもな」

鈴「って、おいコラ」

一夏「あははは」





鈴「ありがと、一夏…」ボソッ 

79 :眠い…:2012/01/31(火) 00:11:41 ID:SVxRHseY
~飲食街~

鈴「んー♪ 他人の財布で食べるデザートはやっぱ格別ねー!」

一夏「なけなしの英世が3人も…トッピングその他でここまでにするなんて…こいつ鬼だ…」

鈴「んー? なんかどっかの甲斐性なしが怨嗟の声を漏らしてる気がするけど…気のせいだよね!」

一夏「ったくこいつは…」


蘭「お兄! これ持ってて! 溶ける!」

弾「お前…一体いくつ食うんだよ…」

蘭「何よ! 好きなだけ食えって言ったのお兄じゃん!」

弾「いや、そうだけどさ…あぁ、おれの一葉が……」


弾「おっ」

蘭「えっ」

鈴「あっ」

一夏「ん?」 

80 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/31(火) 00:16:02 ID:SVxRHseY
弾「おー。なんだ、一夏と鈴じゃないか。奇遇だな」

一夏「そういう弾こそ。会えて嬉しいぜ」

蘭「あ、あの、一夏さん…」

一夏「ん?」

蘭「その…さ、さっきはごめんなさい…私、偉そうなことを…」

一夏「何言ってんだよ。むしろ、感謝してもしたりない位だぜ」

蘭「あ……」

一夏「…情けないよな。年下の蘭に言われるまで、気付いてやれなかったよ俺…。でも、本当の気持ちに気づけた気がするよ」

一夏「それもこれも、蘭のおかげだ。本当にありがとう、蘭」

蘭「い、いえ……」

蘭(ん…? ちょっと待って…一夏さん、鈴の気持ちに気づいたってことは…)

蘭(そして、この2人の和気藹々とした雰囲気…! ま、まさか私…やっちゃった!?) 

81 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/31(火) 00:20:11 ID:SVxRHseY
蘭(どどどどどど、どうしよぉぉぉ!? 塩を送るだけのつもりがキューピッドになるなんて、笑い話にもなりゃしないわ!)アタフタ

鈴「あー蘭。動揺しているとこなんだけど、多分アンタの思ってる通りにはなってないから安心して」

蘭「へ……?」

一夏「…何のこと言ってんだ?」

弾「…お前は相変わらずブレねぇな」

一夏「?」


蘭弾((ホッと胸を撫で下ろしていいのか、ますます不安になればいいのか…))


一夏「っていうか蘭、どんだけ食うんだよー。鈴も大概だけど、お前も大食いだなー」

蘭「なッ!? い、いやこれはその! これ、全部お兄のですから!」

弾「え…? あぁ、うん…実はそうなんだよ…ははは…」

鈴「ちょっとアンタ…あたしが大食いって何よ…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

一夏「え…いや、その…アハハハハハハハハ…」



弾蘭((はぁ…先が思いやられるや、コリャ……))タメイキ×2 

82 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/31(火) 00:27:50 ID:SVxRHseY
鈴「…ねえ蘭」

蘭「なんですか?」

鈴「ちょっとこっちきて」チョイチョイ

蘭「…はい」



鈴「その…ありがとね。なんか、気を使わせたみたいでさ」

蘭「…いえ。気にしないでくださいよ」

鈴「ううん…あたし、嘘ついてまでアンタを出し抜こうとしたのにさ…なのにアンタはここまでしてくれて…」

鈴「ごめんね。そして、本当にありがとう」

蘭「…気にしないでいいですから」

鈴「そっか。じゃ、アンタもそんな気を使ったしゃべり、やめていいわよ」

蘭「そういうわけにもいきません。一夏さんが近くにいますから♪」

鈴「ぐ…精根逞しいわね、ホント…」 

83 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/31(火) 00:30:38 ID:SVxRHseY
蘭「…ねぇ鈴さん」

鈴「なに?」

蘭「…確かに、過ごした年月じゃ鈴さんや、前にあった箒さんには負けるかもしれませんけど…」

蘭「でも私、追いついてみせます! 一夏さん、絶対に諦めませんから!」

鈴「…宣戦布告ってわけね」

蘭「あ、でも友達のよしみで鈴さんなら2号にしてもいいですよ?」

鈴「ぐっ、この…一夏にアンタが猫かぶってるの、バラすわよ?」

蘭「んー? できるんですかー? ほんとにー?」

鈴「きぃぃぃぃ! このガキャァ…!」

蘭「うふふ♪」

鈴「…分かったわよ。黙っててあげるわ。これで借り貸し0ね」

蘭「そうしてください。余計な負い目持ってもらっても、迷惑ですから」

鈴「ったく…」

蘭「ふふっ♪」 

84 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/31(火) 00:35:45 ID:SVxRHseY
鈴「…じゃあせめてものお礼って言うのも何だけど」

蘭「はい?」

鈴「その…一緒にまわらない?」

蘭「…はい!」

鈴「…よかったわ」

蘭「でも、いいんですか?」

鈴「いいのよ。だってこれじゃあ、フェアじゃないもの」

蘭「そうですか。じゃあ、遠慮なく――」


ダキッ



一夏「うわ!?」 

86 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/31(火) 00:40:15 ID:SVxRHseY
蘭「一夏さん! 一緒に回りましょ! 私、買いたい服があるんです! 一夏さんに見てもらいたくて!」

鈴「ちょ、ちょっと! さすがにそこまでは許してないわよ!」

蘭「自分だって散々したくせに~ねっ、一夏さ~ん」スリスリ

一夏「うぉ!? お、おいやめろ、蘭!」

鈴「きぃぃぃぃぃ! やっぱアンタは、ここで排除すべきね!」

蘭「え…いや、ちょっと…ここでISは反則ですよ~!!」

鈴「問答無用よ! 覚悟~!」

蘭「ひぇ~~~~~~~~~~~~!!」


一夏「…何なんだよ、いったい…」

弾「…なぁ友よ」

一夏「ん?」

弾「もし妹泣かせるような真似したら…お前といえどタダじゃおかないからな」

一夏「はぁ…? んんまぁ、俺だって許さないけどな。蘭を泣かす奴がいたら、ぶっとばしてやるよ」

弾「いや、だから…あぁもう、いいや…」

一夏「?」 

87 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/31(火) 00:44:39 ID:SVxRHseY
~レディース・カジュアルコーナー~

鈴「うわぁ! これ、可愛い!」

蘭「こっちもいいですよ! 着合わせしてみましょうよ!」

鈴「いいわね! あ、このリストバンド、これに合いそう!」

蘭「こっちのサンバイザーとも合いそうですよ!」

鈴「う~ん…じゃあ、全部やっちゃいましょう!」

蘭「はい!!」



弾「…なぁ一夏」

一夏「なんだ、弾」

弾「俺、一つ法則を発見したんだ…」

一夏「奇遇だな、俺もだ」

弾「…じゃあ、せーので言ってみるか」

一夏「いいな。せーのっ」


「「女2人の買い物は、1人の時より10倍疲れる…」」 

88 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/31(火) 00:48:37 ID:SVxRHseY
蘭「ふぅ~。買いましたね~。じゃあ次は、これに合う下着を買わないと」

弾「ま、まだあるのかよ!?」

鈴「それもいいけど、靴も合わせないとね。あと、小物店とかも一通り見たいし…」

蘭「もういっそ、全部のフロア回っちゃいません?」

一夏「うっ…このモール…8割は女物だぞ…」

弾「…俺、今初めて女尊男卑を本気で恨みそうになったわ」

一夏「はぁ…これ以上はこっちの身がもたな―――」

一夏「ん…?」

弾「おい一夏。何やってんだよ。次はアロマコーナーだってよ」

一夏「…わり、弾。先に行っててくれ」ダッ

弾「え…いや、ちょっとまて! 勝手に行くなよ! お前がいないと、荷物は俺が全部…」

蘭「お兄! ボサっとしない!」

弾「ひっ!?」

鈴「ちなみにその小物入れ、落として割ったりしたら龍砲だからね!」

弾「ひぇ~~~~~~~~~!?」 

89 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/31(火) 00:53:23 ID:SVxRHseY
~何やかんやで帰りのモノレール~

一夏「はぁ…つ、疲れた…」

鈴「んー…たくさん買ったけど、やっぱり季節モノとかは定期的にチェック入れるべきね。また行きましょ!」

一夏「ま、また行くのか…」

鈴「何よー? 嫌なのー?」

一夏「い、いやいいんだけどさ…次からは手加減してくれ…」

鈴「はぁ?」 

90 :眠たい…:2012/01/31(火) 00:59:24 ID:SVxRHseY
一夏「あ、そうだ。鈴、これやるよ」スッ

鈴「え?」

一夏「さっきの買い物のついでに買ったんだ。お前にやる」

鈴「え…。一夏が、あたしに?」

一夏「ああ。お前に似合うと思ってさ」

鈴「そ、そうなんだ…。開けていい?」

一夏「ああ、もちろんだ」

鈴「じゃあ、遠慮なく」


パカッ


鈴「これは……髪留め?」

一夏「ああ。お前、いつも同じリボンしてるからさ。たまには、そういうのもいいかなって」

鈴「…ありがと。大切にするわ」 

91 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/31(火) 01:03:50 ID:SVxRHseY
鈴(…レモン色の、ビーズの入った髪留め…とても綺麗…)

鈴(…ふふっ。何だか、あたしみたい。元気いっぱいなのに、素直になれない刺激がある感じが)

鈴(…でも本当はちゃんと甘い部分もあるんだよね。気付いているのかな、一夏)

鈴「ねえ。付けてみていい?」

一夏「ああ。もちろんだ」

鈴「じゃあ、早速」シュルッ

一夏「おぉ…」

鈴「これをこうして、と…」キュッ キュッ

鈴「…どうかな?」

一夏「…似合ってると思うぜ、すごく」

鈴「そっか…えへへ」

鈴「ありがと。絶対に大切にする」

一夏「ああ。よろしく頼む」

鈴「えっへへ…」 

92 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/31(火) 01:09:42 ID:SVxRHseY
~生徒会室~

楯無「おっつかれさーん! ミッションコンプリート、おめでとー!」パーン!!

一夏「うお、びっくりしたぁ…! って、え? 見てたんですか?」

楯無「そりゃぁモチのロンよー! 一夏くんと鈴ちゃんの恥ずかしいあんな姿や、こんな姿まで!」

楯無「というわけで、二人の輝かしい青春の1ページを、プレイバーック!!」ピッ


『俺、お前といると…そういう気分になるから。資格はないと思っても、お前の友達だって信じてるから』


一夏「う、うわ―――――――ッ!! やめてください! 恥ずかしいです!!///」

楯無「いやー、いいねー…お姉さん、こういうのって好きだよ!」

簪「絶賛…放映中…」

一夏「もういっそ殺してくれ…! い、いつ…というかまさか、つけてきていたんですか!? 
   ずっと!? え、でも、あそこには学園の誰も…」

楯無「そりゃーすぐ見つかるようなヘマはしないさー。光学迷彩を使っているからねー」

簪「篠ノ之博士の…お手製…」

一夏「いや、それスレ違いですから! 別スレのネタを当たり前に流用しないでください!」 

93 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/31(火) 01:15:53 ID:SVxRHseY
楯無「さぁーて…次なる一夏くんの鬼畜ミッションは…」

一夏「ま、まだやるんですか…正直、すごくヘトヘトなんですけど…」

楯無「ショッピングだと嘗めてかかったツケだねー」

楯無「でも残念! 会長の手は急には止まりません!」スッポーン

一夏「あぁぁ…もう俺には、安息の日々は戻らないのだろうか…」

楯無「ふむふむなるほど…では発表します!」

楯無「次のミッションは…『>>95』です!!」 

95 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/01/31(火) 01:56:11 ID:CrMz6KaI

セシリアに料理教える 

100 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/01(水) 20:24:24 ID:2mNC5eJU
『セシリアに料理教える』

楯無「セシリア…あー知ってる知ってる! 確か入学試験を首席で合格した才女さんだよねー!」

一夏「」

楯無「あれー? なんか意外だね。これは本当に楽勝じゃない? どうなの、簪ちゃん」

簪「…私は、よく知らない…。けど…」

楯無「けど?」

簪「なんか一夏…すごく、落ち込んでる……」

一夏「」

楯無「え? どうかしたの、一夏くん?」

一夏「え? あぁ、いえ…別に……」

一夏(言えない…セシリアに料理を教えるなんて…正直言ってネッシーに半田付けを教えるようなもんだって言えない…)

一夏(でも確かこれ、全校放送だったよなぁ…言うとなんかセシリアに悪い感じがするし…)

一夏「はぁ…」

簪「一夏、大丈夫? 脂汗、すごいよ?」

楯無「何だかよくわからないけど、とりあえずお悔やみを申し上げておくね。でも、ミッションは絶対だからね! 残念でした!」 

102 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/01(水) 20:30:01 ID:2mNC5eJU
楯無「というわけで、今回は『料理を教える』というミッションですが…教えてあげてハーイ、オシマーイ!
   っていうんじゃいくらなんでも詰まらないよねー」

楯無「そこで! こちらから作っていただく料理を出させていただきます! それを私が食べてOKだせばクリアー!ということでオナシャス!」

楯無「はたして一夏くんは、私の舌を唸らせることができるか!? さーて、気になるお題ですがー…」


楯無「これぞ家庭の味! 『肉じゃが』です!!」


簪「…定番と言えば、定番だね」

楯無「そうだね! でも、中々いいと思うんだ! 煮物って家庭の味をよく表すしね!」

一夏「はぁ…」

楯無「さぁーて、じゃあチャッチャと始めてくださいな!」

一夏「はぁーい…」トボトボ 

103 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/01(水) 20:37:22 ID:2mNC5eJU
~廊下~

セシリア「一夏さーん!」タッタッタ…

一夏「おぉ…セシリア」

セシリア「何ですの、そのやる気のない…というより、生気のない表情は」

一夏「え、ええ…。そ、そんなことないぜ! ははは…」

セシリア「まったく…せっかくこの私がお相手に授かれたというのですから、もっと光栄に思ってくださいまし」

一夏「は、はぁ…」

セシリア「何なんですのホント…でもまぁそんな落ち込まれていても、
     私の肉じゃがを召し上がっていただければ、辛気臭さなんて吹き飛んでしまいますわ!」

一夏(前々から思っていたけど、なんでセシリアって料理の腕の悪さの自覚ないんだろ…)

セシリア「それでは参りましょう、一夏さん!」イソイソ

一夏「あ、ああ…そうだな」トボトボ 

104 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/01(水) 20:46:13 ID:2mNC5eJU
セシリア「で、どこで料理をなさいますの?」

一夏「うーん…そうだなぁ…学校の家庭科室でもある程度材料は揃っているだろうけど…家で使っている
   調味料と違うから、匙加減が狂うんだよなぁ…」

一夏「出来れば食材選びから行きたいんだけど、ちょっと遠いし…」

セシリア「ふむ…なるほど……」

セシリア(むむむ…? ちょっとお待ちくださいまし…)

セシリア「―――!」ピコーン!

セシリア「あ、あの…材料から選ぶというのであれば、
     一夏さんが普段からご贔屓になされているお店に伺うのがよろしいのではなくて?」

一夏「へ? まぁ、そうなるけど…でも、ここからだとかなり遠くなるぜ?」

セシリア「何もここに戻る必要はありませんわ。もっと近くで調理しても問題ないでしょう?」

一夏「そりゃそうだけど…でも、一体どこで…」

セシリア「い、一夏さんのお宅じゃいけませんの?」

一夏「え」 

105 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/01(水) 20:50:20 ID:2mNC5eJU
一夏「お、俺の家で?」

セシリア「え、ええ…そうすれば、時間の短縮も出来ますし、一夏さんも自宅のモノを使われた方が、教えやすいでしょう?」

一夏「うーん、まぁ確かに」

セシリア(ふっふっふ…我ながらナイスアイデアですわ!)

セシリア(こうすれば、ごく自然に二人きりの環境を作り出すことができ…
     尚且つ、今日という今日は誰の邪魔も入りません! それは生徒会長のお墨付きですわ!)

セシリア(鈴さんの失敗は、公共性の強い場所を選んでしまったせいで知人と会ってしまった点ですけど…
     あいにく、私は同じ轍は踏みませんわ! ふふふ…私の頭脳が末恐ろしいですわ!)

一夏「よしっ。じゃあ、そうすっか」

セシリア「は、はい!(やりましたわ!)」 

106 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/01(水) 20:56:12 ID:2mNC5eJU
~行きのモノレール~

一夏「…何だか嬉しそうだな」

セシリア「ふっふーん♪ そうですかー?」

一夏「…まぁいいけどな(出来はともかくとして、料理を楽しんでくれるってのは悪い気がしないしな)」

セシリア(ああ、久しぶりに一夏さんと二人きり…もう、夢見心地ですわ!)

一夏(おっと。俺はとりあえず買い物の算段を考えなければ)

一夏「うーん…家に何があったかなぁ…とりあえず肉はあったかもしれないけど、作り直すのを考えると多めに買った方がいいし…」

一夏「…いっそ調味料以外は全部買っちまうか」

セシリア「今日はどちらに行かれるんですか?」

一夏「いつも行くスーパーだよ。今日は確か卵が安かったはずだ。余っていたら買っておこう」

セシリア(スーパー? 聞いたことないブランド名ですわね) 


107 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/01(水) 21:00:29 ID:2mNC5eJU
~とあるスーパーマーケット~

一夏「ふぅー。平日のこの時間だから、だいぶ空いてるな」

セシリア「スーパーと聞いて何かと思えば…マルシェの事でしたのね」

一夏「じゃあボチボチいくか。まずは野菜コーナーから」

セシリア「はい!」



一夏「まずはじゃがいもだろー。うーん…2人分なら1袋もあれば十分だろうけど…」

一夏「……」チラッ

セシリア「……?」

一夏「…1箱買っておくか」 

108 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/01(水) 21:03:17 ID:2mNC5eJU
セシリア「一夏さん…このジャガイモ、1個で39ポンドもするのですの? 随分と著名な農夫がお作りになったのですね?」

一夏「いや、セシリア…それ、1つ39円だからな…」

セシリア「え? 39円…?」

一夏(うわぉ…ポカンとしていらっしゃる…流石はお嬢様…)

一夏(きっと『何ということですの! そんな些末な値段で、こんなものを購入できるのですの! 信じられませんわ!』とか思ってんのかな?)

一夏(…って、幾らなんでも失礼か)

セシリア「あ、あの…一夏さん?」

一夏「ん? なんだ、セシリア」

セシリア「は、恥ずかしい話ですが…39円というのはどれくらいですの?」

一夏「は?」

セシリア「私、基本的に買い物はカードで済ましますので…現金にしても、紙幣以外あまり見たことないのでよくわからなくて…」

一夏「」



一夏(予想斜め上だった…) 

109 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/01(水) 21:10:21 ID:2mNC5eJU
一夏「とりあえず、アスパラガスと人参、あとはほうれん草と大根もいいかもな。一通り買っておくか」

セシリア「一夏さん。このルッコラなんかも良くては?」

一夏「んー…そういう洋食の葉菜ってよく分からないけど…まぁ買ってみるか」

一夏「ええと、あとは白滝と、豆腐と、豚のバラ肉と…あとは調理酒も切れかかってるから買っておくか」

セシリア「一夏さーん。お酒なら、ワインなどどうでしょうか?」

一夏「いや、和食には合わないから勘弁してくれ…豚肉とも相性良くないし」

セシリア「そ、そうですか…」

一夏(…何だか)

セシリア(…こうしてると)


((夫婦みたいだな(ですわね)))


一夏「……」

セシリア「……」

一夏(な、何考えてんだ俺は…///)

セシリア(一夏さんと夫婦…あぁ、なんて素敵な響きですの…考えただけで幸せですわぁ…♥) 

110 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/01(水) 21:15:32 ID:2mNC5eJU
セシリア「あ、ケーキなども置いてありますのね!」

一夏「おいおい…まさか買う気じゃないだろうな…」

セシリア「うーん…興味はありますが、あまりいい出来栄えではないですわね。クリームの伸びは悪いし、苺も随分と貧相ですわ」

パートのおばちゃん「……」ギロッ

一夏「お、おい…セシリア…行くぞ」

セシリア「へ?」

一夏「いいから…」グイッ

セシリア「ああ、ちょっと一夏さん!」トテトテ

一夏(あ、危ねぇー…隣のパートのおばちゃん、すげぇ睨んでたぞ…)



パートのおばちゃん「チッ…新婚バカップルが…昼間からイチャつきやがって…」ボソッ



一夏セシリア「「――――!!??」」 

111 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/01(水) 21:19:39 ID:2mNC5eJU
一夏「……」

セシリア「……」

一夏「え、ええと…」

セシリア「は、はい…」

一夏「今のって…俺たちのことかな…?」

セシリア「え、えぇ…そのよう、ですわね…」

一夏「そ、そっか…アハハ……」

セシリア「……」

一夏(うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!? 何聞いてんだ俺はぁぁぁぁぁぁぁ!?)

セシリア(はわわわわわわわわわわわわ…どどどどど、どうしましょう!?
     不意打ち過ぎて、どう返せばいいか分からなくなってしまいましたわ!)

一夏(や、やばい…さっき変なことを考えたせいで、セシリアの顔をまともに見られない…)

セシリア(今、一夏さんに顔を見せるわけにはいきませんわ…だだだ、だって…絶対に赤面してますわ、私…) 

112 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/01(水) 21:24:17 ID:2mNC5eJU
一夏「……」

セシリア「……」

一夏(まずいぞ…すごく気まずくなってしまった…)

セシリア(…だ、駄目ですわ! ここで黙ってしまったら…!)

セシリア(これは…ある意味、チャンスなのかもしれませんし…! 勇気を奮い起こしなさい! セシリア・オルコット!)

一夏(とりあえず…話題を変えなければ!)

一夏「な、なぁ…ところで―――」

セシリア「あ、あの! 一夏さん!」

一夏「うぉぅ!? …な、何だ?」

セシリア「えっと…さ、さっきのおばさまの仰られていたことですが…」

一夏「…!?」 

118 :>>1:2012/02/02(木) 19:26:19 ID:ObnAcKD6
セシリア「あの…つまり、私たちはその…周りから見た場合は…」

一夏「あ、ああ…」

セシリア「ええと…そ、そういう風に見えていた、ということ…ですわよね?」

一夏「~~~~!!」

一夏「そそそ、そういうことに、なるかな! ハハハっ!」

セシリア「///」

一夏(何でこういう時にそんなことを訊くんだぁぁぁぁ!? せっかく話を逸らそうかと思っていたのにぃぃぃぃ!)

一夏(…い、いや! まだ諦めるな! 今からでも充分修正は可能だ! とにかく、この気まずい雰囲気から脱却しなければ!)

一夏「おおお、おかしい話だよな! 俺たちまだ未成年だってのにさ!」

セシリア「……」

一夏「それだけ俺とセシリアが老けて見られていたってことかな!? ハハハ、それって―――」

セシリア「一夏さんは…」

一夏「へ?」

セシリア「…私とそのような関係に見られるのは…抵抗がありますの?」 

119 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 19:32:15 ID:ObnAcKD6
一夏「え…」

セシリア「……」

一夏「な、何でそんなこと言うんだよ…?」

セシリア「だって一夏さん…さっきから歯切れも悪いですし…話も逸らそうとなっさていらっしゃるようですし…」

一夏「あ…」

セシリア「……」

一夏「いや、別にそんな気は…」

セシリア「…そんな気丈に振る舞われなくても構いませんわ。もしそう思われるのが迷惑でしたら、私…」

一夏「セシリア…」

一夏「―――!」

セシリア「……」

一夏(セシリア…さっき鈴に見せられた時と、同じような顔してるじゃないか…) 

120 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 19:37:15 ID:ObnAcKD6
一夏(くっ…また俺は知らない内に傷つけしまったのか!? 鈴のときみたいに!)

一夏(…そんなの絶対に認めねぇ! 俺のせいでまた誰かが傷つくなんて絶対にいやだ!)

一夏(考えろ…! 何でセシリアはあんなことを言ったのか! もっと内面的に考えるんだ!)

セシリア「……」

一夏(…だめだ、イマイチわからん。というか、俺も俺でテンパっちまってるせいでまともに考えられない)

一夏(あぁもう! そもそも変に煙に巻こうとするから泥沼なんだ! 別にやましいこと考えてるわけ
   じゃ…………ない! 多分!)

一夏(だからここは素直に…思ったことを言っちまえ!!)

セシリア「…一夏さん。私――」

一夏「セシリアと夫婦に見られるのってその…わ、悪くないかもしれないな!」

セシリア「……」

セシリア「……」

セシリア「え…?」 

121 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 19:41:18 ID:ObnAcKD6
一夏「恥ずかしい話さ…俺もさっきふと思ったんだ。こうしていると、何だか夫婦みたいだな、って」

セシリア「――!!」

一夏「その…他人にそういう風に見られてるって知られた時はビックリしたけど…
   でも、セシリアと夫婦やってれば…やっぱ楽しいと思う」

一夏「こうやって夕飯の材料のことで藹々と話しながら見て回ったり…何だか、温かい家庭って感じがしてさ」

一夏「何かそう考えていたのがすごく恥ずかしくなって…それで、言葉に詰まっちまっただけなんだ。
   別に嫌だとか、そういう風には思ってないからな」

セシリア「……」

セシリア「そう、でしたの」フフッ

一夏(あ、笑ってくれた…良かった)

セシリア(一夏さんも…私と同じことを考えていらしたなんて…)

セシリア(…ふふふ。何だか、こそばゆいですわ。一夏さんったら…) 

122 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 19:46:09 ID:ObnAcKD6
セシリア(…あれ? ということは…)

セシリア(い、一夏さんは…無意識ながらも私と結ばれたいと!? もしかして私たち…相思相愛!?)

セシリア(きゃぁぁぁぁぁ!/// どどど、どうしましょう! はッ…!? しかもこの後は二人きり! わわ、私、まだ心の準備というものが――)

一夏「ま、まぁだからセシリアの旦那さんは幸せになると思うぜ! うん、間違いない!」

セシリア「」


セシリア「……」スタスタ

一夏「ん? おーい、セシリアー? 次は会計だぞー? 何でそんな早く歩くんだよー?」

セシリア「知りませんわ」ツカツカ

一夏「え?」



セシリア(…でも、一夏さんは私との結婚生活も満更嫌というわけでもありませんのね)

セシリア(それが分かっていれば…よろしいですわ)

セシリア(先行きは不安になりますが…)ハァ 

124 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 19:50:57 ID:ObnAcKD6
~レジ~

ピッ


レジのおばちゃん「合計で5’735円でーす」

一夏「う…やっぱり結構値が張ったな…。多めに買いすぎたか?」

セシリア「一夏さん。よろしければ、私に出させてくださいな」

一夏「いや、いいよ。こういう時は男が出さないとカッコつかないだろ?」

セシリア(はぅ…! 女性に負担をかけようとはさせまい気遣い…! 何て優しいんですの!)キャー///

一夏(…? 何故か嬉しそうだな)

セシリア(ハッ…いけません、浮かれてはいられませんわ! 今回の出費は私のせいですのに! それすら清算出来ないようなら、オルコット家の恥ですわ!)

セシリア「で、でも…私に料理を教えていただくための費用でしょう? なら、私が出すのも筋ではありませんこと?」

一夏「んー…まぁ確かにそうかもしれないけどさ」

セシリア「それに、一夏さんの家計を圧迫してしまってるようですし…ここは私が持ちますわ」

一夏「…分かった。じゃあ、一つ借りってことで。いつか何かの形で返すよ」

セシリア「は、はい!(やりましたわ!)」 

125 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 19:53:40 ID:ObnAcKD6
セシリア「では…」ギラリン★



『――――!!??』




セシリア「お勘定はこちらでお願いしますわ」ニコッ

一夏「ブ、ブラックカード!? 本当に存在するのか!? は、初めて見たぞ!?」

レジのおばちゃん「」

セシリア「どうかされまして?」

レジのおばちゃん「え、えぇ!? い、いえ! でででででは! おおおおおおお預かりいたします!!」

セシリア「?」


後日、近所ではこの場末のスーパーに超大物VIPが買い物に来たという噂がしばらく流行った。
その効果かどうかは定かではないが、このスーパーの売り上げが今期は6割ほど上昇したらしい。
目撃者の証言によると、その客は金髪碧眼の外人でチョココロネのような大胆な巻き毛だったという。

ちなみにその日、レジでその客の相手をしていたおばちゃんがなんとなしにその日の帰りに宝くじを購入したところ。
3等の100万円が当たったという話は全く関係ない話。 

127 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 19:57:46 ID:ObnAcKD6
~スーパー入口~

一夏「うへぇー…周りからの視線がすごかったなぁ…」

セシリア「何かごめんなさい…私のせいで変に注目浴びてしまいまして…」

一夏「いや、別にいいけどさ。しかし、やっぱ買いすぎたな…これ持って家までって結構骨だぞ…」

セシリア「タクシーでもお呼びいたしますか?」

一夏「いや、そこまで大した距離じゃないからいいけど―――」


「お待ちくださーい!!」


一夏「ん?」

セシリア「へ?」

???「そこのご夫婦方! お待ちください!」

一夏「えっと…どちら様で?」

セシリア(い、いやですわ/// やっぱり私たちって…そういう運命ですのね///)キャー///

支店長「このスーパーの支店長です!」

一夏「え」 

128 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 20:00:29 ID:ObnAcKD6
セシリア「あら、支店長さんでしたの。私たちに何用ですか?」

一夏(うっそだろ!? 何で全く動じてないんだ!?)

支店長「はい! その荷物では、帰路が険しいかと思いまして! よろしければこちらをお使いください!」ササッ

一夏「あ、台車だ! 助かるなぁ…ありがとうございます! 明日返せばいいですk――」

支店長「めっそうもない! 差し上げます!」

一夏「え」

支店長「その代わりと言ってしまっては何ですが…今後とも、我がスーパーマーケットをご愛用ください! 奥様! 旦那様!」

セシリア「―――!!」

一夏「あ、あの…俺たち、別に夫婦ってわけじゃ――」

セシリア「ええ! そりゃもう、また通いますわ!!」

支店長「はい! それはもう、是非!! 貴女のようなお美しい奥様に通っていただければ、幸いでございます!」

セシリア「いやだもう! お上手ですことね! オーッホッホッホ!」

一夏(…何なんだよ一体) 

129 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 20:03:05 ID:ObnAcKD6
~帰り道~

キュル…キュル…

一夏「これ、業務用のけっこういい台車じゃないか…。本当に貰っちまっていいのかな…」

セシリア「一夏さん! またあのマルシェに来ましょう! 今度も二人で!!」

一夏「え? …うん、まぁいいけど」

セシリア「約束ですわよ!」

一夏「おう、分かった。じゃあさっきの借りもチャラでいいか?」

セシリア「はい!」

一夏(何かよく知らんけど、楽しんでくれたようで良かった。そんなに綺麗だって褒められたのが嬉しいのかな?)

セシリア(一夏さんと公認で夫婦と認めて頂けるなんて…何て素晴らしいところですの!)

一夏「ん? あ…」

セシリア「どうしましたの?」

一夏「いや、調理酒を買うのを忘れた…」

セシリア「あら…」 

130 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 20:06:00 ID:ObnAcKD6
セシリア「戻りますの?」

一夏「それでもいいんけど、またレジに並ぶのは面倒だなぁ…(というか微妙に行きづらくなったし…あのスーパー…)」

セシリア「そうですわよねぇ…あ!」

一夏「ん?」

セシリア「あんなところに酒屋さんが! あそこで済ませませんこと!?」

一夏「ん? でも、俺たち未成年なんだけど…売ってくれるのか?」

セシリア「大丈夫ですわ! 私にお任せくださいませ!」タッタッタ

一夏「え? ちょっと、セシリア!?」

セシリア(うふふ…! いいお酒を見繕って、出来る奥さんをアピールいたしますわ!) 

131 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 20:09:11 ID:ObnAcKD6
~酒屋店内~

セシリア「ごめんくださーい」

店主「いらっしゃー…おー! こりゃ外人の別嬪さんだ!」

セシリア「ど、どうも…」

店主「いいねぇいいねぇ! 前で待たせている人は彼氏かい!?」

セシリア「か、彼氏だなんて…そんな///」

店主「がっはっは! そうだな! なんか買い物帰りみたいだしよぉ! 新婚さんかい!? 初々しいねぇ!」

セシリア「え!? や、やっぱりそう見えますの!?」

店主「ん? 違うのかい? もしかして学生さん? だとしたら酒は売れな――」

セシリア「い、いえいえいえ! そそ、そりゃもう! 今日は初めての会食ですの! 『夫婦』の!」

店主「なんだそうかい! じゃあ気合い入れて選ばないとなぁ! 新しい『夫婦』の門出に乾杯、ってねぇ!」

セシリア(さっきのマルシェといい…この商店街、最高ですわ!) 

132 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 20:13:14 ID:ObnAcKD6
店主「で、何だい? 今日はどういったのをお探しで?」

セシリア「え、ええと…料理用のお酒などを…」

店主「あいよぉ! そういうこったら、この日本酒なんてどうだい!? キリッとしたコク、爽やかな喉越し、晩酌にも料理にもいける優れモンだぜぇ!」

セシリア「え? あの、その……」

店主「んー? 口に合わないのかい? まぁ外人さんにはキツいかもなぁ…」

セシリア「いえ、そういうわけではなくて……あ! ワインなどはありませんの!?」

店主「おうともさ! もちろんあるぜぇ! ウチはチンケな酒屋だが、品揃えだけは自信あるんでぃ!
   ボジョレーからメイドインジャパン、フレヴァードからスパークリングまで、数々の掘り出し物だって置いてるよ!」

セシリア「あ、あははは……」

店主「何だい、旦那さんシラフかい? 酒にあまり強くないから、果汁酒なんかもいいよ! この季節は杏子酒なんかいいねぇ!」

セシリア「え、えぇ…」

セシリア(どうしましょう…まったくついていけませんわ…) 

133 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 20:15:50 ID:ObnAcKD6
店主「さぁさぁさぁ! 何になさいますか! どれもオススメですよ!」

セシリア(どうすればいいんですの…数が多すぎて何が何やらサッパリですわ…)チラッ


一夏「……」


セシリア(はッ!? い、いけませんわ! 表で一夏さんを待たせているのに、醜態を晒すことなんて出来ません!)

セシリア(ここは優雅に買い物を済ませて…ちゃんとアピールしなくてはなりませんわ!
     …でも、やっぱりお酒なんてよくわかりませんし…)

セシリア(…こうなれば、最後の手段ですわ!)










セシリア「…面倒なのでいっそのこと、全部のお酒を一本ずつくださいな」ギラリン★

店主「」 

134 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 20:20:00 ID:ObnAcKD6
店主「」

セシリア「あ、あの…どうかなされましたか?」

おばさん「おんやー、トーチャン? お客さんかい?」

店主「…カーチャン。今日は店じまいだ。裏の軽トラ回してくれ。
   それと上で寝てる倅を叩き起こしてこい。2人ともだ」

おばさん「はぁ? アンタ、何言ってんだ―――」

店主「いいから黙って言うこと聞けぃ!!」

セシリア「?」


店主「ウチの店によぉ…福の女神さまが来たんだよおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


こうしてとある酒屋店主の粋な計らいにより、多種多様な酒の山々が織斑邸に運ばれていった。
ちなみにこれは完全な余談であるが、次の日曜日に酒屋の店主が競馬で大穴を当てて家族に寿司を振る舞っ

たり。
店主の妻が美容院を変えたところ大当たりし、急にモテ期が到来したり(それでも不倫や浮気は全然しなか

ったらしいが)
長男が長年付き合っていた彼女と結婚し、そのまま孫を授かることができたり。
二男が見事に第一希望の大学に合格出来たりと、幸せが怒涛のように押し寄せたが…。

それもやはり全く関係ない話なのだろう…多分。 

135 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 20:25:02 ID:ObnAcKD6
~織斑邸~

一夏「…確かに俺もよく分からないけどさ。いくらなんでも買いすぎだぞセシリア」

セシリア「も、申し訳ありません…」

一夏「玄関一杯の酒瓶…これは中々壮観だが…どうすればいいんだ、これ…」

セシリア「返す言葉もございません…」

一夏「あ、いやすまん…。別に責めてるわけじゃないんだ。酒は千冬姉が飲むからいいし、
   何故だか知らんが酒屋の店主さんがワインクーラーまでくれたしな」

セシリア「の、飲めない分は本国に送り返しますので…どうかご勘弁くださいませ」

一夏「うーん…まぁ反省してくれてるようだし、俺だって最初から怒ってるわけじゃないから」

セシリア「あの…本当に怒ってませんの?」

一夏「怒ってないって。ちょっと感性の違いに驚いてただけだ」

一夏「それよりさ。材料は申し分ないし、早く料理しようぜ。俺、そろそろ腹減ってきたんだ」

セシリア「は、はい!」

一夏「まぁ取りあえず、この日本酒一本だけ持って、っと…。じゃあ、始めるか」

セシリア「…はい!」 

139 :再開:2012/02/02(木) 21:28:25 ID:ObnAcKD6
~台所~

一夏「じゃあやるか。せーのっ…」


一夏「というわけで『織斑家の肉じゃが』を作ってみよー!」

セシリア「イエー!ですわー!」ヤイノヤイノ


一夏「では早速ですがセシリアさん。準備はお済ですか?」

セシリア「はい! うがい手洗いは済ませましたわ! 除菌用石鹸で念入りに!」

一夏「いいですねー。では、まずは材料の下準備から始めましょうか」

セシリア「はい!」

一夏「まぁ俺が隣で実演するので、セシリアはそれに倣う形で調理してください。
   多分それなら余程のことがない限りは失敗することはないでしょう」

セシリア「はい! 宜しくお願いします、一夏先生!」

一夏(おぉ、いいなぁ…先生…うんうん…いい響きだ…)

セシリア(本当はもっと近しい関係が望ましいのですが、これはこれで悪くありませんわ!) 

140 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 21:34:42 ID:ObnAcKD6
一夏「ではまずはジャガイモを水で良く洗い、皮をむきます」ジャー キュッキュ

セシリア「わかりましたわ!」グイッ

一夏「セシリアさん。食器用洗剤は置いてください」



セシリア「すべて洗い終えました!」

一夏「ここまでは順調ですね。では皮をむきましょう」

セシリア「皮は残した方がいいのではありませんの?」

一夏「確かに一理ありますが、今回は皮をむきます。皮を剥いたのであれば失敗しにくいですし」

セシリア「わかりました…って、一夏さん! 随分と器用ですのね!?」

一夏「え? あー、もう慣れちまったからな」スルスル

セシリア「すごいですわ! まるでロール紙のようにスルスルと…これは負けてられませんわね!」ギラッ

一夏「セシリアさん。初心者がいきなり桂剥に挑戦しないでください。ほら、こちらのピーラーを使ってください」

セシリア「……」 

141 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 21:41:01 ID:ObnAcKD6
セシリア「……」

一夏(ピーラーを使ったはずなのになんで皮の方が果肉よりも身厚に剥けるんだ…)

一夏「き、気を取り直してー…ではジャガイモを一口大に切りましょう。切り方はお好みで」

一夏「俺は極一般な乱切りで」トントン

セシリア(何て鮮やかな包丁さばき…まるでITAMAEですわ!)

一夏「とまぁ、こんな感じです」

セシリア「はい! では、私も!」ギラッ

一夏(正直セシリアのは包丁を入れる必要がないくらい身が薄いけど…やっぱり包丁には慣れておいてもらわないと)

セシリア「ぐっ、ぐぅ…か、硬いですわ!」

一夏「そういう時は、包丁の背を左手で押しながら、体重をかければ―――」

セシリア「かくなる上は! ざく切れにして差し上げますわ!」ギュィィィィン…

一夏「セシリアさん。ジャガイモ相手にショートブレードを展開させないでください。
   ウチのキッチンまでざく切りです」 

142 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 21:47:10 ID:ObnAcKD6
一夏「ではジャガイモを切り終えたところで。いよいよジャガイモを火にかけます」

一夏「鍋にジャガイモが隠れるくらいの水を入れ、ジャガイモを投入。そして火をかけます」

セシリア「え? 水のうちから煮立たせますの?」

一夏「こうすることで芯まで火が通るんだよ」

セシリア「なるほど」

一夏「煮立ったら火を弱めて、柔らかくなるまでしばらく待ちます」

セシリア「ふむふむ…むむむ……思ったように温度のノリが悪いですわね…」

一夏「焦らないでください。煮物料理は焦りが禁物です」

セシリア「いいこと思いつきましたわ! レーザーで加熱すれば、料理時間を短縮できますわ!」ジャキッ

一夏「セシリアさん。ブルーティアーズしまってください。こう言っちゃなんですけど、イギリス人は
   食材相手に戦闘兵器を向けないと気が済まない病気か何かですか」

セシリア「」

一夏「あと、お願いですから人の話は聞いてください」

セシリア「…はい」 

143 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 21:52:53 ID:ObnAcKD6
一夏「ではジャガイモが煮立ってきたので、一旦引き揚げます」

セシリア「はい……熱ッ!」バシャァ

一夏「あ、大丈夫か!? 熱湯には注意してくれ!」

セシリア「も、申し訳ありません…ジャガイモが…」

一夏「そんなのはいいから! お前、大丈夫か!? 手が赤くなってるぞ!」

セシリア「い、一夏さん…そこまで私のことを…///」キュン

一夏「今、氷嚢を作ってくるから! セシリアは患部をよく冷水ですすいでいてくれ!」

セシリア「は、はい///」



一夏「ふぅー…やれやれ。まぁジャガイモは洗えば全然使えるな(何個かは既に崩れてきているけど…)」

セシリア「そ、そうですわね…///」

一夏「大丈夫か? 続けられそうか?」

セシリア「え、えぇ! 問題ありませんわ!」

一夏「そっか。じゃあ気を取り直して、次に行こう」

セシリア(うふふ…♪ 一夏さんと料理♪ 無難にデートにしようか迷いましたが、やはりこっちを書いて正解でしたわね!) 

144 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 21:59:16 ID:ObnAcKD6
一夏「ここからはちょっと自己流です」

セシリア「はい!」

一夏「では空になった鍋をよく洗い、ごま油をしきます」

セシリア「ふむふむ」

一夏「よく熱したら、豚のバラ肉を入れて炒めます」ジュー

セシリア「え? 炒めますの? 確か煮物ですわよね?」

一夏「そうなんだけど、サッと焼いた方が肉が柔らかくなるんだ」ジュージュー

セシリア「そうでしたの」

一夏「半焼けくらいになったらバラ肉に砂糖をまぶし…そこに水と酒と醤油を適量加えていきます」ジュー

セシリア「いい香りですわね…」

一夏「じゃあこれを真似してみてください」

セシリア「はい!」
………
……
セシリア「焦がしすぎました…」

一夏「ま、まぁまだギリギリなので…(多分)次に移りましょう」 

145 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 22:07:20 ID:ObnAcKD6
一夏「では先ほどのジャガイモをまず投入し、火加減を見ながら残りの材料を放り込みます」

セシリア「これなら失敗しませんわね!」

一夏「今回の残りの具材は白滝と豆腐と椎茸にしましょう。では予め水で戻しておいた椎茸から」ポトッ

セシリア「はい!」ドバァ

一夏「…何でそんな豪快に入れるんですか」

セシリア「え? 一気に入れてはいけませんの?」

一夏「いや、まぁいいけど…(めっちゃ煮汁が飛び跳ねたけど…)」

一夏「白滝も予め下ゆでが終わっているので、こちらは豆腐と一緒に最後に入れます」

一夏「というわけで、今煮込んでいるのに蓋をして待ちましょう」カパッ

セシリア「くすっ…一夏さん。蓋のサイズを間違えてますわ。小さすぎて鍋の中に収まってますわよ?」

一夏「これは『落し蓋』と言われるれっきとした調理方法です」

セシリア「え…そうなんですの…? うーむ…ジパング料理は侮れませんわ…」 

146 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 22:13:03 ID:ObnAcKD6
一夏「…というわけで十分煮立たせたのを小皿に取り分けて…」

セシリア「完成ですわね!」バーン

一夏「そうなんですが…」

セシリア「……」



一夏セシリア((何だこの違い……))




一夏(…俺のは極一般的な肉じゃがだけど…)

セシリア(わ、私のは色々な食材がドロドロになっているせいで…ただのポトフみたいになってますわ…)

一夏(灰汁も取りきれてないから変なの浮いてるし…)


一夏「と、とりあえず試食してみましょう…」

セシリア「そ、そうですわね! 見た目はあまり良くないかもしれませんが、味には自信ありますわ!」

一夏(お願いだから試食くらいはしてから言ってください…そんな根拠のない自信を目の前で様々と見せられても…) 

147 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 22:18:23 ID:ObnAcKD6
一夏「では俺のから」

セシリア「いただきます!」

パクッ×2

一夏「まぁこんなもんだな」

セシリア「ん~! 美味しいですわ! 食材すべてに味が染みてて、噛めば噛むほど味わい深いですわ!」

一夏「ははは。ありがとな」



一夏「では次はセシリアのを」

セシリア「…はい」

パクッ×2

一夏「う……」

セシリア「うぅ……」

一夏(これは…)

セシリア(何というか……)


((形容しづらい絶妙なまずさ……)) 

148 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 22:22:47 ID:ObnAcKD6
一夏(…まずは肉は焦げてるし、ジャガイモはドロドロだ…コーンスープみたいに…)

セシリア(うぅ…お酒の配分を多くしすぎましたかしら…舌がヒリヒリしますの…)

一夏(白滝も豆腐も煮立ちすぎてブヨブヨのドロドロだ…変な味が染みてるせいで舌触りがさらに不快になる…)


セシリア(こ、こんなに差が出るものなんですの…!? 同じ食材と調理法のはずですのに!?)

一夏(しかし正直言って…初めて食べたサンドイッチよりは遥かにマシなんだよなぁ…。
   横で教えてコレなら、あのサンドイッチはどんだけ無茶苦茶に作ったんだ…)


一夏「ま、まぁ…初めてだからこんなもん―――」

セシリア「………」

一夏「…セシリア?」

セシリア「―――」


ポタ…ポタ…


セシリア「う、うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…」 

150 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 22:27:26 ID:ObnAcKD6
一夏「セシ…リア?」

セシリア「こんなの…あんまりです、わぁ……」

一夏「……」

セシリア「薄々…ひっぐ、感じて、ましたの……うぅ、何で、一夏さんは、私の料理を…食べて下さらないの、かって…」

一夏「……」

セシリア「でも、そうです、わよね……ぐす、こんな酷い料理で…食べてもらえる訳…ありません、わよね…。
     私…どうか、してましたわ……えっぐ…」

一夏「……」

セシリア「でも私…認めたく、なくて…だから、今日のイベントで…一夏さんを、見返して、やろうと…グスン……」

一夏「セシリア…」

セシリア「それでも…今日のことで、思い、知らされましたわ…。私には、ひっぐ、料理する才能も…資格も、ありませんのね…」

セシリア「こんなの…あんまりですわぁ…私は、ただ…一夏さんに…ひっぐ…喜んで、もらいたい、と…うぁぁ…」

一夏「……」 

151 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 22:31:24 ID:ObnAcKD6
夏「…セシリア」

セシリア「ぐす…」

一夏「…正直言って、お前の料理はお世辞にも旨いとは言えない。でも、お前の料理に対する姿勢は、絶対に間違ってない」

セシリア「そんな、こと…」

一夏「本当だ。俺を想ってくれて作ったのなら…それは絶対に間違っていない。ただ、使い所を少し間違えただけだ」

セシリア「そんな、こと…私のは、それ以前の問題でして、よ……うぅ…」

一夏「…セシリア」

セシリア「料理で一番大切なものって…何だか知ってるか?」 

152 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 22:35:51 ID:ObnAcKD6
セシリア「え……」

一夏「お前は、それを知っている」

セシリア「そんな、こと…ええと、技術、ですか?」

一夏「違う。確かに商業的には必要だけど、俺が言いたいのはそういうことじゃない」

セシリア「では…ちゃんとした食材や器具ですか?」

一夏「それはただの前提だ。確かに不可欠なものだが、大切なもんじゃない」

セシリア「…わかりませんわ」

一夏「いや、お前なら分かってるはずなんだ。絶対に」

セシリア「……」




一夏「愛だよ。セシリア」

セシリア「へ?」 

153 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 22:41:28 ID:ObnAcKD6
セシリア「愛…ですの?」

一夏「そうだ」

セシリア「た、確かに…愛は最高のスパイスだと、喜劇でも言われているような台詞ですが…」

一夏「そういうのは俺も聞いたことあるな。でもな、セシリア。俺の場合はちょっと違う」

一夏「愛は、料理にとって最高のスパイスじゃない。俺は、料理そのものが愛なんだと思ってる」

セシリア「え…?」

一夏「いいか。誰でも、料理をするときは食べる相手のことを考えるはずだ。それが自分であれ、家族であれ、友達であれだ」

一夏「そういう時ってな。食べてる奴が『美味しい!』って言ってくれるのを想像しながら作るんだよ。
   笑ってさ、自分の料理を美味そうに食べてくれてる光景を浮かべながらな」

セシリア「……」

一夏「そして、どうすれば本当に美味しく食ってくれるか、本気で考えるんだ」

一夏「味付けはこれでいいか。相性のいい食材は何か。切った食材の大きさはちょうどいいか。
   煮加減は間違ってないか。飾り付けはどうすれば美味しそうか。」

一夏「全部、そいつのためを思っていたら自然と考えることなんだ。食べてくれる人のことを考えたら、
   頭と手は勝手に動くように出来てるんだよ」

一夏「…恥ずかしこと言うけど。これが愛って呼ばずしてなんだ? 俺はこれ以上、料理に大切なものを
   知らない。食材や技術なんて、あればいいやくらいのものだ。愛に比べたら何の価値もありゃしねぇ」 

154 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 22:46:29 ID:ObnAcKD6
セシリア「……!」

一夏「…だからさ。俺のこと考えてくれたって言うなら間違えてないよ。それは俺が保証する」

セシリア「……」

セシリア(…いえ)

セシリア(私は…本当の意味で…今まで料理をしてませんでしたのね…)


セシリア(私…今の今まで…一夏さんと一緒に居られることに浮かれて…食材に目を向けてませんでしたわ)

セシリア(この間だって…ただ、私の自己顕示の手段として…料理を作ったにすぎません…)

セシリア(本当に…私は、料理をする資格を持ってませんでしたのね…)

セシリア(…でも)


セシリア「…一夏さん」

一夏「…何だ」

セシリア「もう一度…やらせてください!」

一夏「……!」

一夏「…ああ! もちろんだ、セシリア!」 

155 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 22:51:29 ID:ObnAcKD6
セシリア(焦らず、落ち着いて皮を向いて…果肉を痛めないように……)

セシリア(水も慎重に…ml単位でちゃんと計量して……)

セシリア(火の通りも…定期的に菜箸でジャガイモを突ついてみて…)

セシリア(味付けは一番慎重に…調味料や食材を加えるたびに味を見て、その度に調整を…)


一夏(セシリア…さっきまでとは…目つきが全然違うぜ…!)


セシリア(はぁ…はぁ…煮ている時も油断はできませんわ…こまめに確認しないと…)

セシリア(ふぅ…立ちっぱなしと湯気で……何て疲れますの…。でも、負けられません…!)



一夏(頑張れ…! セシリア、頑張れ!)

セシリア(もう少し…もう少しですわ…!)






セシリア「…できました!」 

156 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 22:56:07 ID:ObnAcKD6
一夏「…見た目は普通だな」

セシリア「…はい」

一夏「…でも、問題は」

セシリア「えぇ…分かってます」

一夏「…じゃあ、いただきます」

セシリア「……」ドキドキ

パクッ

一夏「……!」

セシリア「……」ゴクリ

一夏(…味付けはまだ荒い。ジャガイモの火の通りも足りなくて、芯が残っちまってる…)

一夏(…でも)





一夏「…美味しい。美味しいよセシリア!」

セシリア「―――!!」 

157 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 23:02:46 ID:ObnAcKD6
セシリア「ほ、ホントですの…!?」

一夏「あぁ! 肉もジャガイモも、味が染みてて美味しい! ここまで出来るなんて…すげぇよお前!!」

セシリア「あ…あぁ……」

一夏「セシリア?」

セシリア「う、嘘ではございませんわよね…一夏さんが…私の作ったものを…美味しい、だなんて…」

一夏「…この場限りでは、俺は料理について一切妥協はしない」


一夏「セシリア! お前の料理…本当に美味しいよ! ありがとな!」


セシリア「――――!!」

セシリア「あ…あぁぁぁぁぁぁ…」ドサッ

一夏「お、おい! セシリア!?」

セシリア「う…うぅぅぅぅぅぅ…」ポロポロ

一夏「…おいおい泣くなよ。せっかくの料理が塩辛くなるぜ?」

セシリア「だ、だってぇ…わたくし…こ、こんなに…むくわれたのって…はじめて、でぇ…」

セシリア「こんなの…うれし、すぎますわ…しあわせで…なにが、なんだか…う、うぅ…うぁぁぁぁぁ…」 

158 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 23:09:19 ID:ObnAcKD6
一夏「…セシリア」

ポン

セシリア「あ…」

一夏「お前が作ってくれた料理…マジで旨かったよ。ちゃんと残さず食べるからな」ナデナデ

セシリア「えへ、えへへ……は、はい///」
―――――――――
―――――
―――
~生徒会室~

簪「…どうやら、問題ないみたいね」

楯無「ふっふーん…いやぁ、つくづく一夏くんって罪作りな男だねぇー」

簪「……」ムスッ

簪「…まぁ、ミッションはこれで大丈夫でしょ。あとは、お姉ちゃんが食べてOKだせば」

楯無「うーん…まぁ確かにあの出来栄えなら、私でも及第点出してもいいねー」

楯無「でもぉ…そうそう上手くいくかなぁ?」

簪「…? どういう、こと?」

楯無「簪ちゃんも一夏くんも…決定的なところを見落としてるよ。
   二人の間には、どうしようもない『溝』があるってことをさ…」 

159 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 23:16:04 ID:ObnAcKD6
~織斑邸:ダイニング~

一夏「落ち着いたか?」

セシリア「…ええ。お恥ずかしいところを見られましたわ」

一夏「気持ちはわかるよ。俺も初めて作った料理を千冬姉に食べたもらった時、嬉しかったからな」

セシリア「…ええ。そうですわね。痛いほど、よくわかりますわ…」

一夏「でも本当に美味しいよ。あ、おかわり」

セシリア「!」

セシリア「はい! 喜んで!」



セシリア「お待たせいたしました♪」

一夏「おう…って、二人分?」

セシリア「せっかくですから、私も試食を」

一夏「え……まさか、試食しなかったのか!?」

セシリア「え…い、いえ…調理中はこまめにしてましたが…そういえば、盛り付けの際の最終確認のは忘れてましたわ…」 

160 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 23:19:00 ID:ObnAcKD6
セシリア「す、すみません…」

一夏「い、いや! 美味しかったから、結果オーライだ!」

セシリア「うふふ♥ 本当にお気に召していただいたようで…光栄ですわ」

一夏「いや、本当だって。これなら会長もOKだすだろ。セシリアも食ってみろよ」

セシリア「はい! では…」


パクッ


セシリア「………」

セシリア「……」

セシリア「…」

セシリア「…一夏さん」

一夏「んー?」パクパク

セシリア「これ…本当に美味しいのですの?」

一夏「……」
一夏「…」

一夏「え」 

162 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 23:22:04 ID:ObnAcKD6
―――――――――
―――――
―――

~生徒会室~

簪「え…何…? 何が、起きたの…?」

楯無「そう…一夏くんの言うことは正しいよ。ちょっと臭い部分はあったけど、私も概ね同意する」

楯無「…でもね。たとえ一夏くんの言うことが正論でも…キチンとした食材があっても…
   料理の腕が桁違いに上がっても…。出来た料理が一夏くんにとって本当に美味しいものであっても…」




楯無「『味覚の違い』はね…どうしようもないんだよ……」 

163 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 23:27:17 ID:ObnAcKD6
~織斑邸:ダイニング~

一夏「お、おいセシリア…それは、冗談だよな…?」

セシリア「冗談などではありませんわ…何か、味があまりしませんの…」

一夏「えぇ!? い、いや! 出汁が普通に効いてて、ジャガイモや豆腐によく染みてて美味いぞ!?」

セシリア「…本当ですの?」

一夏「本当だ! 俺は料理に関しては妥協しないって言っただろ!」

セシリア「でも…初めて私の手料理を食べた時も…何だか遠慮してましたし…」

一夏(う…! 変に前科があるから言い返せない…!)

セシリア「…やっぱり気を遣っていただいて―――」

一夏「い、いや違う! 本当に美味しいんだ! 信じてくれ!」

セシリア「………」

セシリア「……」

セシリア「…」

セシリア「―――!!」

セシリア「い、一夏さん! 分かりましたわ!」ガタッ 

164 :もうすぐオチだけど…ちょっと休憩。目と肩と首と手が疲れた…:2012/02/02(木) 23:31:56 ID:ObnAcKD6
一夏「な、何がだ…? セシリア」

セシリア「一夏さんは仰っていましたわよね…料理に一番大切なのは、『愛』であると…」

一夏「あ、あぁ…それがどうした?」

セシリア「でも私…気づきましたの! 確かに『愛』は相手を思い遣る心遣いもあります…。
     しかし、それだけが『愛』ではありません!」

一夏「え」

セシリア「時に激しく! 烈火のように! 燃え盛るような感情をぶつけるのも、『愛』の形なのですわ!」

一夏「あ、あの…セシリアさん……俺が言いたかったのはそういうことではなくてだな…?」

セシリア「そう! 自分の思いの丈を、表現するのも愛情表現! それを忘れてましたの!」

セシリア「というわけで…この料理に、更なる愛を注ぎこみますわ!」

一夏「や、やめろぉぉぉぉぉぉぉ!! 余計なことはしないでくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
   それじゃいつも通りじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」



セシリア「一夏さん…私の『愛』を…受け止めてくださいまし……!」


一夏「だからISはしまえって言ったろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 

166 :もうすぐオチだけど…ちょっと休憩。目と肩と首と手が疲れた…:2012/02/02(木) 23:52:51 ID:ObnAcKD6
―――――――――
―――――
―――
~生徒会室~

楯無「あーあやっちゃったねぇ。うわ、今度は豪勢な味付けだね。赤ワインをボトルまるまる入れてるよ…
   ん? 今度は赤さを出したいって言い出したよ? って、うわぁ…チリペッパーの瓶をまるごと…」

簪「…大惨事、だね」

楯無「あっはっはっは! 一夏くんも災難だねー!」

簪「…なんで?」

楯無「いや、だってさーアレ、一夏くんが試食することになるじゃん。アレじゃ命の危険だってあるんじゃないかなー…」

楯無「あっはっは! こりゃ落ち込むわけだよ! クジひかれた時の一夏くんの気持ちも分かる!」

簪「…お姉ちゃん。肝心なこと忘れてない?」

楯無「んー? 何がー?」

簪「…あれ、お姉ちゃんも食べるんだよ?」

楯無「………」
楯無「……」
楯無「…」

楯無「え」 

167 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/02(木) 23:57:22 ID:ObnAcKD6
楯無「え…?」

簪「…ミッションの内容は、お姉ちゃんがOK出すまで。忘れたの?」

楯無「い、いや…確かにそうだけど…でも、あんなの食べられるわけないじゃん!」

簪「でも、このままだと確実に一夏、気を失う…。そしたら、きっとお姉ちゃんの方に行く。セシリア」

楯無「え、えぇ……」

簪「……」

楯無「ね、ねぇ簪ちゃん…? お腹減ってない? 実は私…ダイエット中なんだ」

簪「うそつき…お姉ちゃん、ダイエットなんてしたことないくせに…」

楯無「う……」

簪「…ミッションは絶対、でしょ? 会長が、二言を許すの?」

楯無「ぎくっ……」

楯無「いや…でも、これは、ねぇ……」 

168 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/03(金) 00:01:58 ID:iz7cTUrc
楯無「ちょ、ちょちょちょ! あの子何考えてんの! あれで更に酒を加えるって!?
   しかも手に持ってんの、スピリタスじゃん!?」

簪「HOTだね」

楯無「やめてよ! 工業用アルコールをがぶ飲みするようなもんだよ!?」

簪「ドンマイ」

楯無「そんなこと言わないで簪ちゃん!」

楯無「え…今度は火力が足りない!? ちょ! やめてよレーザーで熱するのは!
   あ……う、嘘でしょ…ステンレス性の鍋が溶け出して…中と混ざってるんだけど…」

簪「…頑張って」

楯無「いや、流石に学園最強でもアレは無理だから…私はカネゴンじゃないよ…?
   一応一般的な人間の範疇で最強なだけの、ただの女子高生だよ…?」

簪「自業自得…」

楯無「い、いやああああああああああああああああああああああああああ!!」 

169 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/03(金) 00:08:57 ID:iz7cTUrc
~織斑邸:キッチン~

セシリア「オッホッホッホ!! いい感じに気分が乗ってまいりましたわー!!」

一夏「あはははは…もうダメだぁ…何もかも…おしまいだぁ…」

pipipipipi...

一夏「ん…? こんなときにコアネットワークの通信…? 一体誰が…」ピッ




楯無『一夏くん、ミッションコンプリートおめでとー!!』パンパカパーン!



一夏「…え」

セシリア「え?」

―――――――――
―――――
―――

簪「…逃げた」

楯無「ち、違うわよ! 生徒の努力を認めてあげるのも生徒会長の役目だから!」 

170 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/03(金) 00:13:43 ID:iz7cTUrc
一夏「え…? ミッション、コンプリートですか?」

楯無『そそそそそ、そうそう! いやー、一夏くんの料理にたいする姿勢と、それに心を打たれたセシリアちゃん…。
   もう私、感動しちゃったよ! だから特別に! ミッション・コンプリート認定しちゃう!』

一夏「そ、そうですか…(何はともあれ…助かった、のか…?)」

セシリア「もう…これからがいい所でしたのに…残念ですわ」




グツグツグツグツ… 

171 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/03(金) 00:17:27 ID:iz7cTUrc
フランペという調理方法をご存じだろうか?
よくテレビなどで、達人やシェフなどが、熱したフライパンに酒を入れて、フライパン内で発火現象を起こさせるアレである。
こうすることでアルコールを燃やしつつ、肉などに焦げ目を微妙に加えることでコクを引き出したり、旨みを閉じ込めたりするのだ。

フランペでは、純度の高いブランデーやラム酒などが愛用される。
そして先ほど、セシリア嬢が手にしていたのはスピリタス。アルコール度数90度以上という強烈な酒だ。
この酒を飲んでいる時はタバコも許されないほどの超危険物である。

その火気厳禁、取扱い要注意物は現在…煮沸によって大気中に気化している…。
そして鍋の下には未だ轟々と燃え盛るバーナー…。


導き出せる結末は―――もはや決まっていた…。



ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボ…………


一夏「え」

セシリア「え」

楯無『え』

簪『え』


織斑邸………半焼 

172 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/03(金) 00:22:55 ID:iz7cTUrc
~生徒会室~

セシリア「本ッッ当に…申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁぁ!!」ドゲザ

一夏「は、ははは…俺の、家が………」

セシリア「今回の不始末は…オルコット家で全面的に補填させていただきます!!」

セシリア「だからどうか…お許しくださいまし!!」

一夏「へ、へへへ……千冬姉に…殺される……アハハ………」


簪「……お姉ちゃんのせいじゃない?」

楯無「ごめん…結構反省してる…そしてそれ以上に同情してる……」 

174 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/03(金) 00:27:00 ID:iz7cTUrc
楯無「あー、そのことなんだけど…」

セシリア「へ?」

楯無「いや…今回のは私の方にも責任はあるから…ほら、このイベントの立案者だし…」

楯無「だから、一夏くんの家の修繕費は、更識家が受け持つということで―――」

セシリア「そ、そんなことできませんわ! 今回の不始末は100%私にあります!
     ですから、それくらいの誠意を見せることくらいはお許しください!」

楯無「いや、そうだけどさぁ……はぁ、じゃあ家の方はそれでいいよ」

楯無「じゃあ一夏くんは、しばらくウチに泊まっていってね」

簪「え」

セシリア「え」

楯無「だってさ。やっぱり責任の一端は私にあるわけだし。何らかの形で償わなきゃ気が済まないよ。
   家の補填をそっちにまかせるから、一夏くんの衣食住はこちらで保証する。どう?」

セシリア「そ、そういうわけにも参りません! 一夏さんの身の回りの世話も、私が受け持つ責任が―――」

一夏「二人とも…やめてくれ……」 

175 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/03(金) 00:32:42 ID:iz7cTUrc
セシリア「え…?」

楯無「ちょっと…一夏くん…?」

一夏「それより会長…次のミッションを…早く」

楯無「い、いやいやいやいや! 流石に私もそこまで空気読めないキャラじゃないよ!?
   今はそんなことより、一夏くんの今後を考えないと―――」

一夏「家の修理は…そちらで勝手に決めてください…直るのだったらどっちでもいいですから…」

セシリア楯無「「う……」」

一夏「住まいの方も、しばらくは寮生活になるだけだし…」

一夏「というか正直、どちらの世話になるのもごめんです…」

セシリア楯無「「うぅ…は、はい……」」

一夏「ふふふ…こうなりゃヤケだ…俺にはもう失うものはない…」

一夏「だから続けましょうよ…さぁ、さぁ!」

楯無「(ヤバイ…目が修羅だ…)は、はい! じゃあ次のミッション! 張り切っていってみよー!」

簪(せめて次は一夏が報われるやつでありますように…)


楯無「次のミッションは…『>>176』です!!」 

176 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/03(金) 00:44:45 ID:XP6OqKxU
家半焼したし千冬姉と過ごそうぜ 

178 :>>1:2012/02/03(金) 00:55:56 ID:iz7cTUrc
現時点好感度指数(参考)
鈴    ■■■□□□□□
セシリア ■■□□□□□□

183 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/05(日) 21:53:51 ID:lBqqmBdo
『家族と過ごす』

楯無「うわぉ! こりゃサービスミッションだね!」

簪(良かった…これで少しは気が休まればいいけど)

一夏「」

楯無「あ、あっれー…? 何かまた固まってるような気がするのは気のせい、かな…?」

セシリア「あの…一夏さんのご家族は……」

楯無「え? あー…そういえば……織斑先生だけなんだっけか…ハハハ……」

一夏「よりによって今一番会いたくな人に…ハハハハハ…何だこれ…」

簪(一夏…)

一夏「へへへ…早速制裁の時間がやってきたようだな…遺書でも書いた方がいいかなー…」

セシリア「は、早まってはいけませんわ!」

楯無「そそそそ、そうだよ! 何か私たちが言うのも変な話だけど!」

一夏「ふふふ…あはははは……あー、絶対殺されるわコレ……」

簪(神様…どうして一夏ばっかり虐めるんですか……) 

184 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/05(日) 21:56:35 ID:lBqqmBdo
楯無「じゃ、じゃあミッションも決まったことだし! 細かい内容を説明するよ!」

楯無「今回は一夏くんのためのサービスミッション! 過酷なミッションの合間に設けられるものだよ!
   要するに完全なハーフタイムみたいな物と考えてくれればOK!」

楯無「ゆっくり休養してもらうのが目的だから、今回のミッションにカメラさんは同行しません!
   その間のプライベートはこちらで徹底的に守るから安心してね!」

楯無「具体的な時間制限やクリア条件はありません! 一夏くんがゆっくり休んで、
   この生徒会室に戻ってくれば自動的にミッション・コンプリート扱いになります!」

楯無「というわけでー! 今まで過酷なミッションお疲れ様! 今回は君に与えられたボーナスタイムだから、有意義に過ごしてね!」キュピン☆

一夏「………」

楯無「あ、あのー…一応少しでもリアクションしてくれないと、流石にキツいんだけど…」

簪「お姉ちゃん」

楯無「うぅ…」 

185 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/05(日) 21:58:19 ID:lBqqmBdo
簪「一夏…色々とごめんね…」

一夏「簪…。いや、お前だってある意味被害者じゃないか。無理やり連れてこられてさ」

簪「私は…いい。今は、一夏のことが大事」

一夏「簪…」

簪「…ゆっくり、休んでね」ニコッ

一夏「か、簪ぃ…お前だけだよぉ…」オイオイ

簪「うん…一夏は、よく頑張った…」ナデナデ



楯無「」

セシリア「」 

186 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/05(日) 22:01:47 ID:lBqqmBdo
一夏「じゃあ、行って来るわ。ちょっと元気出たよ。ありがとう、簪」

簪「いい…頑張って、きてね」

一夏「ははは…ちょっと不安だけど…まぁ頑張るぜ」

簪「いってらっしゃい…」

一夏「はぁーい…」トボトボ



楯無「」

簪「…もう戻ってこないかもね。いろんな意味で」

楯無「そそそ、そんな悲しいこと言わないで、簪ちゃん!」

セシリア(一夏さん…もう、私のもとには戻ってきていただけませんの…?)オロオロ

セシリア(もし一夏さんに嫌われてしまったら私…わたくしぃ……)ウルウル 

187 :またちょっと抜ける…:2012/02/05(日) 22:04:15 ID:lBqqmBdo
~廊下~

一夏「あー…気が滅入るなぁ……何で次が千冬姉なんだよ…」

千冬「私がなんだって?」ズイッ

一夏「うわ、ビックリした!? 急に現れるなよ千冬ね――」

ゴスッ

一夏「いてぇ!?」

千冬「学校では織斑先生と呼べと、何度も言っているだろうが莫迦者」

一夏「うぅ…はい、すいません織斑先生…」

千冬「ふんっ。そこまで私に会うのが嫌だったのか」

一夏「い、いえ…別にそういうわけでは」

千冬「お前は本当に莫迦だな。この催しは全校放送だと言っていただろう。
   さっきの生徒会室の模様もすでに放映されていたぞ。まぁ流石に今はないだろうがな」

一夏「」 

192 :再開:2012/02/05(日) 23:33:01 ID:lBqqmBdo
一夏「……」

千冬「…ふん。まぁいい。許可を出した以上は私もこの莫迦げた催物に責任を持たねばならん」

千冬「不本意であるがのってやるとしよう。で、任務の内容は何だ織斑?」

一夏「あ、はい……家族と一緒に過ごすことです」

千冬「ふむ。特に場所の指定も過ごし方の指定もなかったわけだな」

一夏「はい…」

千冬「なるほど。本当は家でゆっくりと過ごしたいところだが、生憎だしな」

一夏「……」

千冬「…そんな露骨に気落ちするな莫迦者」

千冬「はぁ…仕方ない。職員用の寮へ招待してやる。というわけで同行しろ、織斑」

一夏「え? あ、はい……」 

193 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/05(日) 23:39:15 ID:lBqqmBdo
~織斑千冬の部屋~

千冬「適当にかけてくれ、一夏」

一夏(う……結構汚いな…)

一夏「って、あれ?」

千冬「どうした?」

一夏「いや…呼び方が…」

千冬「あぁ。学内とは言え、寮の個室内ではある程度のプライベートは保証されてしかるべきだ。
   故にこの部屋は教員としてではなく、私個人の領域だ。お前も言葉遣いなどは普段通りで構わんぞ」

一夏「そ、そっか…助かるよ千冬姉」

千冬「うむ。この部屋に招いた男は貴様が初めてだ。光栄に思えよ一夏?」

一夏「何言ってんだよ千冬姉。この学園には男子は俺だけ…って、だからあの用務員さんも一応おと――」

ゴスッ

一夏「いってぇ!? 何でいきなり殴るんだよ!?」

千冬「だから貴様は莫迦なのだこのたわけが」 

194 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/05(日) 23:44:18 ID:lBqqmBdo
千冬「まったくお前ときたら…」

一夏「……」

千冬「どうした? かけないのか?」

一夏「い、いや…」

千冬「何だ。早く座れ。私が落ち着かん」

一夏「あ、うん…」イソイソ

千冬「何か飲むか? 流石に酒は持ち込めないから、麦茶かミネラルウォーターくらいしかないが」ゴソゴソ

一夏「いや、いいよ…」

千冬「? さっきから何を他人行儀にしている」

一夏「だってさ、その…怒らないのかよ?」

千冬「は?」 

195 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/05(日) 23:48:54 ID:lBqqmBdo
千冬「何だお前。わざわざ怒られたかったのか?」

一夏「え? いや、そういうわけじゃないけどさ…」

千冬「…確かにお前の監督不行き届きかもしれんが、あの惨状はオルコットの方に非があると思うぞ?」

一夏「そ、そうかな…?」

千冬「そうだと言っているだろう。私は一部始終を見ていたのだぞ?
   まぁ、お前の責任が皆無というわけではないが」

一夏「うぅ…」

千冬「かといって、そこまで参ってる弟を叱咤するほど私は鬼ではないさ」

一夏「そっかぁ…ははは。何だか安心したよ」



千冬「まったく…家で済んでよかったが、お前まで失ってしまったらどうしようかと思ったぞ…」ボソッ

一夏「ん? 何か言ったか千冬姉」

千冬「何でもない」 

197 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/05(日) 23:55:46 ID:lBqqmBdo
千冬「まぁ家の修繕はオルコットか更識がやってくれるらしいではないか。オルコット家か更識家に、家屋の修繕費を請求できる奴などなかなかいないぞ?」

一夏「まったく…呑気なもんだな。心配して損したよ」

千冬「少なくとも貴様に言われる筋合いはないぞ」

一夏「え?」

千冬「むしろお前の方が意外だ。お前…自分の家を灰にされそうになったのに、何故オルコットを責めない?
   この企画の発案者の更識にしたってそうだ」

一夏「いや、だって…あれは不慮の事故みたいなもんだし…セシリアも悪気があったわけじゃないだろ?」

一夏「先輩だって何考えてるか分からないけど、取りあえず俺のことを汲んでの企画ってことだからさ…何か悪く言えないよ」

千冬「…お前は筋金入りのお人よしだな」

一夏「というかそれよりも、千冬姉に殺されることばっかり心配していたから…。
  その不安がなくなっちまったら、何だかどうでもよくなっちゃった」

千冬「お前…本当に私をなんだと思ってるんだ…」 

198 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 00:03:31 ID:PKZklqY6
千冬「まぁそういうわけだ。こんな部屋で良ければ、くつろいでいってくれ」

一夏「あー、それなんだけどさ。片づけていい?」

千冬「…言ってる意味が分からん。何故休養を求められてるのにわざわざ労働する必要がある」

一夏「いや、だってこの部屋…」

千冬「気にしないで休めばいいだろう」

一夏「ごめん、逆に落ち着かないんだよ…。ちょっと片づけさせてくれ」スクッ

千冬「…まぁお前の気が済むなら別に構わんが」

一夏「じゃあそういうわけだから、ビニール袋何枚か借りるよ」

千冬「ああ。そこの棚の一番下の奥に入ってる」

一夏「オッケー」 

200 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 00:09:24 ID:PKZklqY6
一夏「…半分は書類と、半分は弁当のパックとかペットボトルか」

千冬「書類は一か所に纏めておいてくれ。あとで私が整理しておく」

一夏「ったく…こんな部屋、千冬姉に憧れている女子が見たらどう思うかな?」

千冬「…ほう。この私を脅すとは、いい身分になったじゃないか一夏」

一夏「そんなわけないだろ。呆れてるっていうか、普段とのギャップに戸惑っているんだよ」

千冬「ふん。普段をどう振る舞おうが私の勝手だ。プライベートに干渉するな」

一夏「だからって整理整頓くらいはしようよ…これはいくらなんでもだらしないぜ?」

千冬「まったく…男のくせに一々煩い奴だ」

一夏「いや、これくらいは普通で…って、下着まで落ちてる…しかもだいぶ前のだなコレ…」

千冬「―――!」 

201 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 00:10:20 ID:PKZklqY6
一夏「仕方ないなぁ…あとでまとめて洗濯―――」

千冬「返せこの莫迦!!」ババッ

一夏「うわぁ!? い、いきなり何すんだ!」

千冬「女性の下着を何の抵抗もなく回収するな! いくら家族でもその辺は弁えろ!」

一夏「はいはい、分かったよ…(黒のレース…千冬姉ってやっぱ大人っぽい下着履いてんだな…)」

千冬(くっ…やはり下着くらいは自分で管理すべきか…!
   ボクサーパンツやプリントの下着などは落ちてないだろうな…?)キョロキョロ

一夏「何か探し物? 手伝おうか?」

千冬「黙れ! さっさと手を動かせ!」

一夏「え、えぇ…何なんだよ一体…」ブツブツ 

202 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 00:16:55 ID:PKZklqY6
~30分後~

一夏「あー…何とか終わった」ドサッ

千冬「おぉー大分片付いたな」

一夏「いや、これでかよ…部屋の半分は教材やら書類やらが山積みになってんだけど…」

千冬「それでも足の踏み場が増えたことは喜ばしいことだ。礼を言うぞ一夏」

一夏「いいよこれくらい…でも、ちょっと疲れたから横にさせてくれ…」コテッ

千冬「…ふむ」

一夏「どうかしたのか、千冬姉?」

千冬「いや、部屋を掃除してくれたせめてもの礼だ。たまには私からマッサージでもしてやろうかと思ってな」

一夏「おー助かるなぁ。じゃあ、お願いしようかな」

千冬「うむ。いつもはお前に頼んでいるが、やはりされっぱなしは性に合わん。というわけで、上着を脱いでうつ伏せになれ」

一夏「うん。お手柔らかにね」ヌギヌギ 

203 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 00:22:47 ID:PKZklqY6
一夏「千冬姉、マッサージなんてしたことあるの?」

千冬「自分からはしたことないが、まぁお前にされ慣れてるから何とかなるだろう」

一夏「うーん、そうかもな。じゃあお願いするよ」

千冬「ああ。まずは足からだな」


ギュゥゥゥゥゥゥゥ…


一夏「あだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだ!?
   い、痛い!! 痛いよ千冬姉いたたたたたたたたたたたたたた!!」

千冬「痛いのか。ということは、凝っている証拠だな。もっと念入りにしてやろう」グィィィィ

一夏「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!?
   いや、違うから! 関節が逆に曲がってんだよこれ!!」

千冬「男のくせにこれくらいで情けない声をあげるな。案外終わってみれば凝りが取れてるかもしれんぞ?」ゴキッ

一夏「ぎぃぃぃぃぃぃぃぃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!
   ゴキッていった!? 何かとれた音したよね今!?」 


204 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 00:29:10 ID:PKZklqY6
千冬「ふむ、意外に難しいな…按摩というものは」

一夏「はぁ…はぁ……(ヤバイ…5倍は疲れた…)」

千冬「すまん。いつもの癖で、揉むというよりは捻る動作を無意識に加えてしまうらしい」

一夏「い、いいよ…流石はラウラの師匠だな」

千冬「次からはその点を留意しよう。これでも凝りのツボは熟知しているつもりだからな」

一夏「うんうん。基本的には押す、叩く、揉むだからね。まずは押すところからお願いします」

千冬「ふっ…元世界最強のマッサージを堪能できるとはな。これほど贅沢なことはあるまい」

一夏「今はただの俺の姉なので」

千冬「はははっ違いない。では、いくぞ。確か、足の凝りに効くツボは…ココだな」


ギュゥゥゥ


一夏「ほっきゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」

千冬「ん!? 間違ったかな…」 

207 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 00:35:39 ID:PKZklqY6
一夏「」チーン

千冬「す、すまん…どうやら私には荷が勝ちすぎていたらしい…」

一夏「い、いいよ…誰にだって得手不得手はあるもんだから…」

千冬「すまん…どうにも力加減が難しい……」

一夏「いいって。じゃあ次はお返しに俺がやるから、千冬姉は横になってよ」スクッ

千冬「な、何を言っている…お前、まだ関節が傷んでいるんだろ? わざわざ無理をさせられるわけないだろ」

一夏「うーん…無理しているっていうか…やっぱいつも通りでいるなら、こっちの方がいいかな、って」

千冬「?」

一夏「何か俺もさ…千冬姉にされるよりも、している方が落ち着くんだよ。
   いつも千冬にやっていることすれば、気が紛れるかな、って」

千冬「…つくづくお前はお人好しだな」

一夏「そういうのじゃないって。じゃ千冬姉。上着脱いで横になってよ」

千冬「分かった。何かすまないな一夏」スルルッ

一夏「気にしないでいいってば」 

210 :>>1:2012/02/06(月) 09:01:42 ID:PKZklqY6
一夏「じゃあ失礼して」

千冬「ああ」

グィィィ

千冬「あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~」

一夏(親父くせぇ…)

千冬「ふわぁぁぁぁぁぁ…やはりお前のマッサージは効くな…」

一夏「大分凝ってるね」ギュゥゥ

千冬「はふぅ…♥ あぁ、ソコだソコ…効くぅぅぅぅ…」

一夏「いきなり変な声出すなよ千冬姉…」

千冬「何だ貴様。実の姉に●●でもするのか」

一夏「いや、何言ってんだよ…ビックリするからやめて欲しいだけだ」

千冬「知らん。お前が的確にツボを刺激するのが悪―――あぁん♥」

一夏「はぁ…まぁ喜んでくれてるみたいだし、別にいいけどさ」

千冬「ふふふ…情けないものだな。もう体中至る所、お前に開発されてしまっているからな…。
   もはや私はお前なしでは生きていけんかもしれんぞ」

一夏「変な言い方はやめてくれ…」 

211 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 09:09:38 ID:PKZklqY6
千冬「何だつまらん奴め。もっと慌てふためいて見せろ」

一夏「普段から散々振り回されているからね(こっちは別の意味でだけど…)」

千冬「……」

一夏「…? 千冬姉?」

千冬「ん、何だすまん…」

一夏「どうかした?」

千冬「へ、変なことを訊くな。どうもしないわ莫迦者」

一夏「…何か気にしてるの?」

千冬「何?」

一夏「いや、何となくだけど」

千冬「…何故そう思う?」

一夏「だからなんとなくだって。まぁ強いて言えば…姉弟だからかな」

千冬「…そうか」 

212 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 09:17:11 ID:PKZklqY6
千冬「…なぁ一夏」

一夏「なに?」

千冬「私が…疎ましいか?」

一夏「はぁ?」

千冬「いや、な…たまに不安になる。私はちゃんとお前の姉として、家族としての役割を果たせているのかどうか、な」

一夏「何だそんなことか」

千冬「そんなこととは何だ莫迦者」

一夏「だって…そんな下らない理由で悩んでいたなんてな。千冬姉らしくない」

千冬「く、下らないだと貴様…」

一夏「誰がどう言ったって…千冬姉は俺が胸を張って誇れる、世界で一番の自慢の姉ちゃんだよ」

千冬「―――」 

213 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 09:25:54 ID:PKZklqY6
千冬「…そうか?」

一夏「そうだって。どうしたんだよ。本当にらしくないぜ?」

千冬「いや、な…確かに私は世界的にはそこそこ実績があるかもしれん…。これでも元世界最強だしな」

千冬「だがな一夏…私はその称号を背負うと同時に、無用な責任まで持ち込んでしまったのかもしれん。
   その肩書きの名に恥じぬようにしてきたつもりが、代わりにお前の事を蔑ろにしてきたように思う」

一夏「立派だよ…千冬姉は」

千冬「…確かに立派かもしれん。だが、それで家族の事を顧みない生き方をしていたなら本末転倒だ」

一夏「そんな…俺は気にしてないのに」

千冬「いや、この学校に赴任してきたことを黙っていたのは流石にやりすぎた。
   …もっとも、まさかお前がこの学校に入学する羽目になるとは夢にも思わなかったが」

一夏「あはは…そりゃ、まぁ」

千冬「正直、お前が来たときは不安の方が強かったが…嬉しくもあったぞ」

一夏「うん。ありがと、千冬姉」

千冬「本当だぞ?」

一夏「分かってるよ。普段辛く当たるのも、俺の事を想ってのことだろ?」

千冬「…ああ」 

214 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 09:33:48 ID:PKZklqY6
一夏「…千冬姉」

千冬「何だ一夏…」

一夏「千冬姉にはさ…すごく感謝してるよ、俺」

千冬「……」

一夏「俺に剣道を教えてくれた時も、あの時のモンド・グロッソの時も、普段の学校生活の時も…」

一夏「普段行先を言わないのも、俺を巻き込みたくなかったからだろ?」

千冬「……」

一夏「そんな優しくて立派な姉のことを、疎ましくなんか思えるわけないだろ」

一夏「だからさ…そんないい方しないでくれよ。あんなにカッコイイ千冬姉が、俺のせいで負い目を感じているって…何か嫌だよ」

千冬「……」

千冬「本当にお前というやつは…」

一夏「お人好し、って?」

千冬「ああ。もう矯正不可能なほどな。正直ここまで軟弱だとは思わなかったぞ」

一夏「ひどいなぁ…」


千冬(…ありがとう一夏) 

215 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 09:39:06 ID:PKZklqY6
一夏「そういえばさ」

千冬「ん?」

一夏「何で引退したんだよ? 勿体ないな」

千冬「何を言っている?」

一夏「だって…千冬姉ならあの後出場したって、間違いなく優勝できたろ?」

千冬「別に興味ない」

一夏「そうなの?」

千冬「ああ。私は別に世界最強を目指していたわけではなかったからな」

一夏「え?」

千冬「…ただどうしても守りたいものがあったから、強くなろうとした。
   そしたらたまたま世界で一番強くなっていた。それだけだ」

千冬「…まぁその手段がISとなっているのは、半分以上が束の阿呆に振り回されている結果だが」

一夏「あはは…」 

216 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 09:42:47 ID:PKZklqY6
千冬「お前はどうなんだ、一夏」

一夏「ん?」

千冬「お前は何のために、ISを纏っている?」

一夏「それは…千冬姉と一緒だよ」

千冬「一緒だと?」

一夏「大切な人を守りたい。そのための、力が欲しかっただけだ」

千冬「ふむ、奇妙なものだな。私と同じか…まぁ、当たり障りのない理由と言えばそうかもしれんが」

千冬「で、誰を守りたいんだ?」

一夏「へ?」 

217 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 09:50:35 ID:PKZklqY6
千冬「だからお前は、誰のために戦っているのだと聞いている」

一夏「誰ってそりゃ…だから、大切な人のため―――」

千冬「そういうことを訊いているのではない。もっと具体的な、個人のために戦っているのかと訊いている」

一夏「具体的に? ええと…皆、かな?」

千冬「はぁ?」

一夏「いや、だからさ。友達とか、家族とか…」

一夏「うまくは言えないけど…そういった俺の周りの人間を、全部守れるだけの力が欲しい」

千冬「…それがお前の理由か?」

一夏「まぁ…そう、なるな」

千冬「ではお前は別に個人的に誰かのためではなく、不特定多数の人間たちのために自分は強くなりたい、そう思っているわけだな?」

一夏「え……あぁ、うん…」

千冬「……」





千冬「くだらんな」 

218 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 09:56:51 ID:PKZklqY6
一夏「え?」

千冬「聞こえなかったのか莫迦者。くだらない、そう言ったのだ」

一夏「くだらない…?」

千冬「ああ、くだらんな。お前はそんな不確かな物のために力を振るうのか」

一夏「ふ、不確かってなんだよ! 皆を守りたいと思って何が悪いんだよ!」

千冬「…出来るだけ多くの人間を救いたいという想いは立派だ。それは強くなろうとする者なら
   誰だって憧れるし、少数よりも多数を助けられる方がいいに決まっている」

千冬「だがな一夏。一番に守りたいものもなく、ただ漠然と誰かを守りたいなんてお前の考え方はな…
   はっきり言って甘っちょろい。そして、薄っぺらい」

一夏「なん、だと……」

千冬「事実を言ったまでだ」

一夏「な、なんだよ! 守りたいって思って何が悪いんだよ!?」

千冬「…それも分からないところが餓鬼だな」

一夏「子供扱いすんな! そんな達観した素振りなんて見せないで…もっときちんと説明してみろよ!!」

千冬「…分かった」 

219 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 10:05:50 ID:PKZklqY6
千冬「例を出そう一夏。例えばお前の目の前に断崖絶壁の崖があり、篠ノ之とオルコットの2人が崖から落ちそうだったとする」

千冬「ISなどの装備はなく、助けを求めることもなく、2人の体力も限界だ。
   しかし。2人の位置とお前の力では、どちらか一方しか助けることしかできない」

千冬「さあ一夏。どちらを助ける?」

一夏「な、何言ってんだよ千冬姉……そんなの、選べるわけないだろ…」

千冬「…だろうな。お前ならそう答えるだろうよ」

一夏「俺なら…どうにかして、2人とも助けられる方法を考えるよ」

千冬「確かに時間に猶予があるならそれを考えるのが最善だろう。しかし、そうした余裕もなく、
   僅かなロスも許されない、抜き差しならない状況だったらどうする?
   お前はそれでもまだ、2人を救える手段を悠長に考えるのか?」

一夏「……」

千冬「それがお前の答えだ。そうやってどちらを助けるかも考えられず、ウジウジした結果、
   結局二人は崖下に叩きつけられて死ぬ。お前はそういうことを平然とやろうとしている男だ」 

222 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 10:17:45 ID:PKZklqY6
一夏「そんな…どっちか一方を犠牲にしろって言いたいのかよ…」

千冬「…別に非情になれと言いたいわけではない。確かにな、一夏。
   私だってもしそんな状況になったら、2人とも救える最善の手段をギリギリまで考えるさ」

千冬「…だがな。どちらも助かって誰も傷つかない、人生はそんな甘い選択肢ばかり出してこない。
   時にはどちらかを犠牲にし、あるいは全てを投げ打たなければならない状況も確実に存在する」

一夏「……」

千冬「そういった場合、お前はどうする? お前はやはり優柔不断に決断できないまま、
   何もできずに立ち尽くしてしまうのか?」

千冬「そんなことでは結局誰も救えないぞ。だからお前の考えは甘くて薄いんだ」

一夏「……」

千冬「誰彼も助けたいだと? 自惚れるのも大概にしておけ。
   お前は神にでもなったつもりか。お前の手は…二本しかないんだぞ」

一夏「……」

千冬「…事実、私でさえも一人守れるだけが精一杯だ」 

224 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 10:28:16 ID:PKZklqY6
一夏「……」

千冬「…だからな、一夏。せめて一人くらいは、大切な人を決めろ」

千冬「こいつだけは何に変えても、自分の命だって賭けても全然惜しくない、そんな人を決めるんだ」

千冬「それが…強くなるためのコツだ。強さとは元来、皆のためではなく、誰かのため、だ」

一夏「誰か、か…」

千冬「そういった意味では、この更識が立案したイベントはそう悪いものではない。
   これを機に、自分の心と向き合うのも悪くないだろう」

千冬「お前は誰のために力を欲し、誰のためにお前でありたいのか…。それを決める、いい契機になる」

千冬「惑うな一夏。お前は…お前の一番大切な人のために強くなれ。そう、あるべきだと私は思う」

一夏「……」

一夏「それでも俺は、最終的には皆を守りたいと思う」

千冬「……」

一夏「でも…なら、一番大切な…一人を守れるくらいは、強くなくっちゃ駄目だよな」

千冬「…ようやく分かったか莫迦者め」

一夏「うん…分かったよ。ありがとう、千冬姉」 

225 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 10:33:25 ID:PKZklqY6
一夏「ちなみにさ」

千冬「ん?」

一夏「千冬姉の一番大切な人って誰?」

千冬「…は?」

一夏「ん?」

千冬「いや、お前…今までの会話の流れで分からなかったのか?」

一夏「あれ? 名前なんか出したっけ? 聞いていないと思うけど」

千冬「いや、確かに出してないかもしれんが…」

一夏「じゃあ分かるわけないだろ。俺はエスパーじゃないんだから」

千冬「」



千冬(こいつ…ありえん!) 

227 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 10:38:30 ID:PKZklqY6
一夏「で、誰なんだよ?」

千冬「え? そ、そうだな…強いて言えば……」

千冬「んー…結構厄介な奴だな」

一夏「厄介?」

千冬「ああ。目を離すとフラフラとどっか行ってしまいそうだし、何かと厄介ごとには巻き込まれるし、
   最近では変な虫もついてきてるからな…本当に不安になる」

千冬「しかもこいつは自分のことなどお構いなしのくせに、他人に構わずにはいられないお人好しでな。
   にも関わらず唐変朴と朴念仁がそのまま顕現したような奴で、おまけにドが付くほどの莫迦ときたもんだ」

一夏「何だよそれ…でも、それほど想われてるんだな。ちょっと羨ましいな、なんて…」

千冬「」 

229 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 10:39:59 ID:PKZklqY6
千冬「……」スクッ


ピトッ


一夏「うわぁ!? い、いきなりおでこをくっ付けて何してんだよ!?」

千冬「あ、いやスマン…本当に熱でもあるんじゃないかと思ってな」

一夏「はぁ?」

千冬(本当にこいつ…無意識でやっているのか? 新種の病気かなんかじゃないだろうな…?) 

230 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 10:45:36 ID:PKZklqY6
千冬「やれやれ…さぁ、もういいだろ。お前はそろそろ戻れ」

一夏「え?」

千冬「戻っていってやれと言っている。オルコットも更識も、お前の事で気にしていたようだからな」

一夏「あー、そう言えば…」

千冬「…一夏」

一夏「なに?」

千冬「…ちゃんと決めておけよ」

一夏「…うん」

千冬「…今のお前は不安定で、見ていて少し不安だ」

一夏「分かってるって。心配かけてゴメンな」

千冬「まったくだ、莫迦者」



千冬(しかし…守りたい者が誰か、か…)

千冬(そこにせめて、私の名前が―――)

千冬(…何を世迷言を。私も相当莫迦だな) 

231 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 10:48:47 ID:PKZklqY6
一夏「…千冬姉」

千冬「なんだ」

一夏「まだ俺には、誰が一番かだなんて決められないけど…」

千冬「……」

一夏「でも、守りたいって人の中には千冬姉も入ってんだぜ?」

千冬「―――!!」

一夏「ハハハ…まぁ、これはちょっと自惚れかもしれないけどな」

一夏「でも…きっと、千冬姉も守れるくらい、それで皆も余裕で守れるくらい、強くなってみせるよ」

千冬「……」 

232 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 10:51:26 ID:PKZklqY6
一夏「あはは…ま、その前に決めることを決めてからだな」

千冬「…一夏」

一夏「んー?」

千冬「言ったな?」

一夏「え?」

千冬「男なら、二言はなしだぞ?」

一夏「…ああ」

千冬「ふふふっ…期待してるぞ、一夏。これからはビシバシ扱くからな。覚悟しておけ」

一夏「げ……」

千冬「ほら。そう決めたのなら、とっとと行け」

一夏「はーい…やれやれ……」


ガララッ ピシャ…



千冬「…まったく。これだからあいつからは目が離せんのだ」 

233 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 10:56:38 ID:PKZklqY6
一夏(俺の一番大切な人、か……)

一夏(確かに、今日のイベントを通じて結構皆の新たな一面を見たよな…)

一夏(鈴は意外と繊細で…それで、掛け替えのない親友みたいな奴だってこと)

一夏(…そういや、蘭と会った時にあいつと恋人のフリをしていたっけ)

一夏(鈴と恋人か…何だか想像つかないや。でも、想像してみると……)

一夏(……)

一夏(あ、あれ…? 意外に悪くない、のか……? 少なくとも悪い気はしないぞ…)



一夏(それにセシリア…あいつって基本的に何でもできるけど、やっぱり苦手なものとかはあって…)

一夏(それで…努力家なんだよな、あいつ…見ていて清々しいくらい頑張り屋だ)

一夏(セシリアと夫婦になったら、やっぱり楽しいだろうな。料理の腕も、絶対に上手くなるだろうし)

一夏(もし相手が俺だったら……)

一夏(……)

一夏(いや、何考えてんだ俺……)


一夏(他の皆は…いまいち想像できないな。もっとこのイベントで関わる必要があるかもしれない) 

234 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 11:02:41 ID:PKZklqY6
~生徒会室~

楯無「はぁ…」

セシリア「」

簪(…何度目の溜息だろ。セシリアはもうすっかり生気抜けちゃってるし…)

楯無(あぁ…今回のことで一夏くんに完全に愛想つかされたかもしれない…流石に悪ノリが過ぎたわ…)

セシリア(ふ、ふふふふふ…一夏さんに…嫌われましたわぁ……もうこの世のすべてがどうでもよくなってきましたわ…)


ガララッ


楯無「!」

セシリア「!!」

簪「…!」

一夏「ただいま戻りましたー」 

235 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 11:08:17 ID:PKZklqY6
楯無「い、一夏くん!」

一夏「ど、どうしたんですか先輩?」

楯無「え、ええと、その…もう、いいの?」

一夏「ええ。もうすっかり休みましたから」

楯無「そそ、そっか…。今日は、その…ごめんなさい!」

一夏「は?」

楯無「だって…流石にちょっとこれは自重できていなかったというか…その、反省してるから! ごめん!」

一夏「あぁ、いえ…別にいいですよ」

楯無「本当にもう、許してくれるなんて思っていないけど――――って、え?」

一夏「いや、いいですから」

楯無「へ…? だ、だって…結構、洒落にならないことしたよ私…」

一夏「まぁ確かにちょっと取り返しのつかないことかもしれませんが、今回は物の弾みみたいなものですよ。
   …これを機に反省してくれるなら、俺だって願ったりです」

楯無「一夏くぅん…」キュン 

236 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 11:11:32 ID:PKZklqY6
セシリア「あ、あの…一夏さん……」

一夏「ん?」

セシリア「その…わ、私ぃ……」

一夏「…別に怒ってないから安心してくれ」

セシリア「へ?」

一夏「セシリアだって反省してくれてるし…俺とお前が無事だったんなら、それでいいよ」

セシリア「い、一夏さん…///」キュゥン

一夏「ちょっと今回は悪い結果にはなったものの、セシリアに悪気はなかったことは俺が一番よく知ってるからな」

一夏「だから気にすんな。またあのスーパー行く約束しただろ? 今度も美味い肉じゃが作ってくれよ」

セシリア「―――!」

セシリア「は、はい! 喜んで!!」 

237 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 11:15:45 ID:PKZklqY6
楯無「え、ええと…じゃあイベントはどうする? 正直言って、無理そうならこの辺でお開きにしてもいいよ?」

一夏「いや、何言ってんですか。こうして戻ってきたんだから続けましょうよ」

楯無「へ?」

一夏「…どうかしたんですか?」

楯無「い、いや…嬉しいけど、やけに心境の変化が激しいなぁ、と思って…」

一夏「…まぁ色々とありましたから」

一夏「でも俺にとって、このイベントをやる意味が見つかりました。だから、俺自身が続けたいんですよ」

一夏「だからお願いします。続けさせてください」

楯無「へ? あ、あぁそうなんだ…うん……」

簪(…織斑先生。何を一夏に言ったんだろ…?)

簪(…でも、元気になって良かった)

楯無「で、ではではー! 一夏くんも復活したことだしー! 張り切って再開したいと思いまーす!!」


ゴソゴソ


楯無「出ました! 次なるミッションは…『>>238』です!!」 

239 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/02/06(月) 12:38:32 ID:60q8Tg7Y
会長と散歩 

254 : ◆Xj0T19PFxU:2012/03/06(火) 21:16:34 ID:sfff5mZg
『楯無会長と散歩』

楯無「あ…あれぇー?」

一夏「ん? これ、入れたの楯無さんですか? としたら意外ですね。
    てっきりもっと無茶振りなモンを要求されると思ったのに」

楯無(いや、これは…)チラッ

簪「……」

楯無(うーむ…私としては簪ちゃんとデートするとか簪ちゃんとアニメ鑑賞するとか、
    そういうのばっか入れたんだけどなー…)

簪(お姉ちゃん…私に変な気、使ったでしょ…? 知ってるんだからね…)

楯無(あはは…やっぱり姉妹か。嬉しいような複雑な気持ちだね、コリャ)

楯無(でも、散歩で済ます辺りが可愛いねぇ。そんなに一夏くんのことが好きなのかな?)

簪(……///)

楯無(あはははっ♪ まぁまぁそんな顔しないで。別に取って食おうってんじゃないんだからさ)

一夏(二人とも見つめあって何してんだ…?)


※この姉妹のやりとり、およそ2秒間 

255 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/06(火) 21:22:31 ID:sfff5mZg
楯無「はーい☆ じゃあまさかのご指名ということなので、今回のミッションは私自らが出撃しちゃいまーす♪」

一夏「あれ? ご指名ということは、これ書いたのは楯無さんじゃないんですか?」

楯無「んなわけないじゃん。私のは『一夏くんを永久的に私の下僕にする』とか
    『一夏くんを更識家の使用人として生涯こき使う』とかだよ?(まぁ嘘だけど)」

一夏「……」スッ

楯無「ん? どうしたのかな、そんな白式を掲げて臨戦態勢なんかとったりして」

一夏「…マジでそのミッションが出たら全力で抵抗しますからね」

楯無「あらあら、血気盛んだこと。そういうのは嫌いじゃなくってよ。
    ところで一夏くん…この部屋、湿 っ ぽ い と は 思 わ な い ?」

一夏(うッ…!? ま、まさかもうこの部屋に清き熱情(クリア・パッション)を!?)

楯無「にゃははは☆ まぁそん時はそん時ということで! せっかくやる気出してくれたんだしね!」

一夏(やっぱやめたい…この人の前で迂闊な発言するんじゃなかった…)

楯無「ほらほら落ち込まないの! ミッションは絶対なんだからね!」グイッ

一夏「うわぁ!? い、いきなり引っ張らないで下さい~!」

簪「頑張っ、て…」フリフリ 

256 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/06(火) 21:28:25 ID:sfff5mZg
~行きのモノレール~

楯無「ふっふーん♪ 何だかんだでこういうのって初めだから新鮮!」

一夏「そうですか…」

楯無「なーによその不満げな顔は。私、男の人と2人きりでどっか行くのって初めてなんだからね?」

一夏「さいですか…」

楯無「むっすー何よその顔は。こんな美少女をはべらせて散歩できるなんて名誉だとは思わないのかい?」プクー

一夏「寝食を共にしといて今更何言ってんですか…」

楯無「いや、だからそういう問題じゃなくて…あぁもう、こんなんだから…」

一夏「?」

楯無「なーんでもなーいよっと…ほら、行くよ」

一夏(…? なんか珍しく不機嫌だ) 

257 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/06(火) 21:34:41 ID:sfff5mZg
~とある海沿いの街道~

一夏「おぉー。学園の近くにこんなところが」

楯無「中々いいとこでしょー。気に入ってるんだよ、ここ」

一夏「いいですよね。学園が見渡せて」

楯無「うんうん♪ 分かってくれて嬉しいよ!」

一夏「しかし見てみると…」チラッ


カップル「キャッキャ」

アベック「ウフフ」


一夏「…なんかカップルばっかですね」

楯無「まぁ知る人ぞ知るデートコースでもあるからね、ここは」

一夏「あれ? お気に入りなんですよね? 誰か彼氏さんとと来たことあるんですか?」

楯無「んなわけなーいじゃん。虚ちゃんとか本音ちゃんとかと、よく並んで歩いたりするの」

一夏「あーなるほど」

一夏(…何かアレだな。弾が昔言ってたな。『吉祥寺の井の頭公園に間違っても男1人で行くな。
    マジ死ねるから』って…。何となく意味が分かった気がする…) 

258 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/06(火) 21:41:08 ID:sfff5mZg
一夏「ええと、この辺りを軽く散策して終わりですか?」

楯無「そうだねー。ミッション・コンプリート条件はさっきと一緒で、生徒会室に帰ったらでいいじゃない?」

一夏「え?」

楯無「ん、何? 不満なの?」

一夏「いや、不満というか…やけにアサッリしてるなと思って」

楯無「一夏くん、何か勘違いしてない?」

一夏「え?」

楯無「逆に言えばね。このミッションは生徒会室に戻らない限り終わらないんだよ?」

一夏「ん?」

一夏「……」

一夏「んん?」 

259 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/06(火) 21:42:01 ID:sfff5mZg
楯無「つまりね。散歩にかこつけて私が一夏くんにどうしようが関係ないということ」

一夏「……」

楯無「たとえ私が一夏くんを拉致ってあんなことやこんなことを強制しようが、このまま2人で失楽園に逃避行と
洒落こもうが、生徒会室に戻らない限りは半永久的に終わらないんだよ?」

一夏「…」

楯無「つまりはこの時間は会長権限をフルに職権乱用した私個人のお楽しみターイム!
    一夏くんはそれを甘んじて受け入れるしかないのだッ! きゃっ///」

一夏「」


ダッ!


楯無「お、逃げるの? いいねー。海辺の追いかけっこ、ちょっとやってみたかったのよね!」ダッ!

一夏「勘弁してください~!!」 

260 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/06(火) 21:49:45 ID:sfff5mZg
~2分後~

一夏「ぜぇ…ぜぇ…」

楯無「あっはは! だらしないぞ高校男子!」バサッ<扇子『青春』

一夏(う、嘘だろ…なんで息1つ切らしてないんだこの人…)ハァ…ハァ…

楯無「まーまー冗談だよ冗談。流石の私も、本人の同意なくそこまでしたりはしないって」

一夏「俺の意向が今まで貴女に何度無視されたか覚えていますか…?」

楯無「君は今まで食べたパンの枚数を覚えているのかい?」

一夏「したり顔でそんな返し方やめてください!!」

楯無「にゃははっ! ジョークジョークっ! ある程度の線引きくらいはしてるからさッ!」

一夏(まぁやること為す事ムチャクチャではあるけど、嘘は言わないからなこの人)

楯無「ん~? なーにそんな息を切らしてお姉さんの方なんか見て…?
    そんなに食べたいならど・う・ぞ☆ きゃはっ///」

一夏(…本当のことも言わないけどな) 

261 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/06(火) 21:56:14 ID:sfff5mZg
一夏「あくまで普通に散歩ですからね…?」

楯無「分かってるって」ムギュッ

一夏「うわぁ!? な、何ひっついてんですか!」

楯無「何って。せっかくのデェトなんだし」

一夏「いや、デートっておかしいでしょ!? 普通に散歩って言ったばかりじゃないですか!」

楯無「え」

一夏「え?」

楯無「…ねぇ一夏くん。まさかとは思うけど、これを額面通りに受け取っていたりしないよね?」

一夏「はい?」

楯無「あのね。男の子と女の子が2人きりで仲睦まじく散歩。これを世間的にはどういう風に見えるか分かってる?」

一夏「いや何言ってんですか…。ただの散歩でしょ。それ以上もそれ以下もないでしょ」

楯無「」 

262 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/06(火) 22:01:26 ID:sfff5mZg
楯無「…ちなみに訊くけど、さっきの買い物とか料理とかも?」

一夏「買い物付き合うくらいは普通に友人たちとの付き合いの範疇でしょ?
   (まぁ鈴にはデートだと口裏合わせられそうになったけど)」

一夏「料理にしたって、友達に教えるくらいは別に何ともないし…それをデートっていうのは違うでしょ?」

楯無「…oh」

一夏「というかそもそも、そういうのってちゃんとした彼氏彼女の関係が前提じゃないですか。
    楯無さんと俺なんてとてもとても…」

楯無「」

一夏「…楯無さん?」

楯無「…フン!」ゴキッ

一夏「ぎゃああああああああああああ!? い、いきなり腕を捻らないでください!!」 

263 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/06(火) 22:06:23 ID:sfff5mZg
楯無「貴様は…嘗めたッッ!! 乙女の純情を…辱めたッッ!!」

一夏「言ってる意味がわからなだだだだだだだだだだだだだだだ!?」

楯無「問答無用! これは鈴ちゃんの分!!」ゴキッ

一夏「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? は、外れたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

楯無「そしてこれはセシリアちゃんの分!!」ゴリッ

一夏「あぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!? は、はまったけどいてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

楯無「織斑先生は、まぁ念のため」ガコッガコッ

一夏「ぎゃああああああああああああああ!? は、外してすぐはめないでくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!?」

楯無「まだ私のバトルフェイズは終了してないぜ!!
    そしてこれは私の分だァーッ!!
    これもこれもこれもこれもこれもこれもこれもこれもこれもこれもこれもこれもこれもこれもこれも!!」


ゴキッ ゴリュッ ゴキッ ゴリュッゴキッ ゴリュッゴキッ ゴリュッゴキッ ゴリュッゴキッ ゴリュッゴキッ ゴリュッゴキッ ゴリュッ


一夏「あいいいいいいいいいいいいいいいいいむぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!??」


※ちなみに同時刻のIS学園では、会長に対する拍手と織斑一夏に対する敬礼が同時に巻き起こっていた 

264 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/06(火) 22:12:14 ID:sfff5mZg
~10分後~

楯無「ふッ…悪は、去ったか…」バサッ<扇子『成敗』

一夏(い、いてぇよぉ…絶対これ、間接炎起こしてるよぉ…)シクシク

楯無「ふぅーちょっとスッキリした。やっぱ一夏くんからかうのって面白いやー♪」

一夏「いや、マジで洒落にならないんですけど…腕が薩摩芋みたいな色してるし…」

楯無「大げさだねー。ちゃんときっかしはめてあげたから血行はすぐに回復するわよ。
    それに白式には生体回復機能もついてるんでしょ?」

一夏「治りが早いってだけで痛いもんは痛いんです!!」

楯無「まーまー自業自得ということで。気を取り直してミッション再開ー☆」

一夏(俺が一体何したって言うんだ…) 

265 :お風呂~:2012/03/06(火) 22:19:39 ID:sfff5mZg
楯無「てりゃッ」ピトッ

一夏「痛ってえええええええええええええええええええええええええええ!!
    だから腕はやめてくだしああああああああああああああああああああ!!」

楯無「男の子がこんなことくらいで音をあげなーいの♪
    ほーら、腕越しにふくよかな感触が伝わるで・しょ…?」ムニュッ

一夏「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!
    い、今だけは! 今だけは僅かな刺激でも与えないでくださぁぁぁぁぁぁぁあ!?」

楯無「おやおや。学園の女生徒ばかりだけではなく、今度は全国男子までも敵にまわすつもりかい。
    そんな悪い子はこーだ!」グニグニ

一夏「あぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!??」 

266 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/06(火) 22:52:50 ID:sfff5mZg
~5分後~

楯無「~♪」

一夏(うぅ…治ってきているとは言え、未だに楯無さんが腕にひっついてくるから痛みがまだ響く…)

一夏(というか何か、絶妙な加減で腕を締めてくるからジワジワくるんだよぉ…完全に一種の拷問だよ…)

一夏(…しかし今度抵抗したら、捻られるどころか腕をちぎられそうだ。
    ここは話しかけて気を紛らわせるくらいしかないな…あぁ痛い…)

一夏「あ、あの…楯無、さん…?」

楯無「んー? 何かな、一夏くん。せっかくの散歩なんだからそう固くなさんな」ギュゥ

一夏「まぅあ!? ま、前から気になっていたんですけど…
    なん、で、楯無さんは会長に、なろうとしたんですか…?」ギチギチ…

楯無「最強ですから」

一夏「いや、そんな少年漫画のラストみたいな理由じゃなくて…」

楯無「んー? 何で会長になったか、か。それはちょっと違うかもしれない」

一夏「え?」

楯無「別に私は会長になりたかったわけじゃなくて、何か面白そうなのが会長だっただけかな」 

267 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/06(火) 23:15:55 ID:sfff5mZg
一夏「え? そんな理由ですか?」

楯無「そんな理由って…酷い言い方もあったもんだ」

一夏「いやだって…てっきり、どうしてもやりたいことがあったから会長を目指したとか、そうとばっかり」

楯無「やりたい、ことかぁ。まぁ色々あるけどこれといって決めてないね。
    ただやったらすごく楽しいだろうなぁ、って思ったポジションが生徒会長で、
    それで私がたまたま最強だったから。なった経緯はだいたいそんな感じだよ」

一夏「か、軽ッ…!」

楯無「お家の事情で腕っ節には自信があったからね。というか会長にとって、最強の看板はただの飾りだよ」

一夏「え?」

楯無「確かに学園最強の証は学園の生徒会長だけど、最強だからといって即会長ってわけにはならないよ。
    役職の譲渡なんて自由だし、いざとなったらわざと負ければいいんだから」

一夏「強いのにそんな真似、わざわざしますかね? 会長になったら色々と融通が利いて便利でしょ?」

楯無「んー…私はただ強さを求める人が会長になりたがるとは思えないなー。むしろ重荷に感じそう」 

270 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/06(火) 23:24:58 ID:sfff5mZg
一夏「そういうもんですかね」

楯無「本当のことはよく分からないよ。ただ、私としてはやりたいことがあったというよりは、
    やっててすごく楽しそうだったからかな。だって権限を利用して学園を改造できるなんて魅力的じゃん!」

一夏(うわー…すげぇ納得できる)

楯無「まー確かにそんな理由、って言っちゃうのも分かるね。自分でもけっこうしょうもないと思うし」

楯無「でもね、私はこの決断に後悔はしてないよ。虚ちゃんに本音ちゃん、そして一夏くん。
    生徒会のメンバーと知り合えて仲良くできるのは、私がこの道を選んだおかげだし」

楯無「それでね。今となっては学園の皆のために命を賭ける覚悟もあるよ。大切な生徒だからね。
    そういった意味では、会長になって学んだことが山ほどあるかな」

一夏(なんか…格好いいな)

楯無「んー…でもそう言うとやっぱり『会長になりたかった』ってことになるのかな。
    動機の具体化って難しいね」

楯無「皆を引っ張っていく学園のスーパーヒーローって感じでさ。ちょっとそういうのに憧れていたのかも」

一夏「へぇー。なるほど」

一夏(ん? ヒーロー?)

楯無(あ、ちょっと言い過ぎたかもしれない) 

271 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/06(火) 23:31:12 ID:sfff5mZg
一夏「それってやっぱり…あれですか? かんざ――」

楯無「ところで一夏くんさ、ところてんって好き?」
   『一夏くん、ちょっとそれは待って』

一夏「ん?」

楯無「私はとことてんには断然ポン酢派なんだけど、わさび醤油もいいよね。一夏くんはどっち派?」
   『ちょっとここからはプライベートな会話になるから』

一夏(ちょ、なんだこれ…!? 会長の声がダブって聞こえるぞ!?)

楯無「どうしたの? そんなに難しい質問だったかな? まぁ両方とも甲乙つけがたいからね」
   『落ち着いて。これはプライベートチャンネルだよ』

一夏(プ、プライベト・チャンネル!?)

楯無「まぁーそんな深く考えないでよ。目玉焼きには醤油かソースかくらいのノリでいいからさ」
   『一応これは全校放送だからね。こっからの会話はあまり知られたくないことだからさ。
    更識家直伝の暗号術とISのマニュアル制御を応用させた高等技術だよ』

一夏(何ですかその無駄に洗練された技術は!? 一体どうやって声出してるんですか!?)

楯無「…ちょっとー。聞いてるのー?」
   『落ち着いて、プライベートチャンネルの方に耳を傾けて。口頭の台詞には適当に相槌打つだけでいいから』

一夏(えぇー…ちょっと頭が混乱してるんですけど…) 

278 : ◆Xj0T19PFxU:2012/03/08(木) 20:33:02 ID:Lrl87xAg
楯無『さて、と…おおまかな見当はついてると思うんだけど…まぁその通りだよ。
    私が会長になったのには、簪ちゃんのことも絡んでる。
    知っての通り、かつて妹の簪ちゃんは私に対して苦手意識があってね』

一夏「……」

楯無『自分で言ってて何だけど、この歳で代表操縦者で更識家の正式継承者だもん。
   そりゃ頑張ったことで親族や皆の期待に応えられた事は嬉しかったし、それなりに誇りにも思ってたよ』

楯無『でもね…やっぱり姉妹ってさ。どんな人間関係よりも身近なモノに感じるんだ。
    その自分に一番近しい妹に避けられているって言うのは…ちょっと寂しかった』

楯無『あはは。今にして思えばそういうことだったのかもね。
   私、けっこう行き当たりばったりで行動しちゃうから。こういう風に考えたことなかったよ』

一夏「……」

楯無『簪ちゃんがヒーローアニメにはまったのは、私の影響でもあると思うんだ。
   私という脅威から、いつか誰かが助けてくれる。あるいは自分自身が打ち破れる。
   そんな期待をアニメを見ることで昇華していたのかもしれないね』

楯無『だからさ。私がそうなれば、少しは私のに懐いてくれるかなって思った。
    簪ちゃんの好きなヒーローになれば、引け目無しで私を見てくれると思っていた。
    多分、そういう想いも少なからずあったんだと思う』

一夏「……」 

279 :>>276大まかでも具体的に書いてくれても全然問題ないよ~:2012/03/08(木) 20:41:55 ID:Lrl87xAg
楯無『…でも、そうはならなかった。むしろ姉妹の距離は広がっちゃった。
    うん、今にして分かったよ。私は結局、簪ちゃんにとってはヒーローじゃなくて悪の親玉にしかなれなかったんだ』

楯無『そんな人が力だけでなく権威まで手に入れちゃったら、そりゃ怖いに決まってるよね。
    ははは…バカだったなぁ、自分』

一夏「…後悔、してないでしょ?」

楯無「ん? 後悔? 今は湯葉豆腐の新しい食べ方についての考察についての話だったんだけど?」
   『もちろんしてないよ。さっきも言ったとおり、会長になって学んだことはたくさんあったから。
    家族以外のちゃんとした繋がりを持てたことは、私自身の誇りでもある』

楯無『でもさ…妹の気持ちを無視して私が一人で突っ走っちゃった事実は変わらないよ。
    結局は簪ちゃんとそれ以外を天秤にかけたみたいで…何だかやっぱり悲しい』

一夏「関係ないですよ…今となっては」

楯無「えぇー…一夏くんって湯葉豆腐あまり好きじゃないの? 勿体ないなぁ…」
   『うん、そうだね。だからね。そういった意味では、一夏くんには本当に感謝してる』

楯無『確かにもう終わったことだけど…忘れちゃいけないことだよ。
    簪ちゃんは本当に大切な家族だから。それを蔑ろにしたことは、絶対に否定したくない』

一夏「……」 

280 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 20:51:22 ID:Lrl87xAg
楯無「うーん。じゃあ話題を変えようか。納豆に合いそうな食べ物とかどう? ちなみに私はきざみ葱と卵派ね」
   『湿っぽい話になっちゃったね。この話はここまでにしようか』
   
一夏「……」

楯無「一夏くんは? 男の子だからキムチとか好きそうだけど―――」

一夏「そんな悲しいこと…言わないでくださいよ」

楯無「え?」

一夏「…楯無さんがあいつのために頑張ったことは、俺なんかよりもあいつの方がよく知ってますよ」

一夏「確かに俺は手助けしたのかもしれないけど…でも、俺なんかいなくたって
    きっと時間をかければあいつは分かってくれたはずです」

一夏「俺のしたことは、それを少し早めるのを手伝っただけです。
    楯無さんは…昔から、あいつのことが大好きだったじゃないですか。
    そのために頑張ったこと…否定しちゃダメですよ」

楯無「……」

一夏「だからあいつのために一生懸命だった自分を…卑下しないでください。
    そんなの、悲しすぎますよ」

楯無「……」 

281 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 20:56:49 ID:Lrl87xAg
楯無「…一夏くん」

一夏「はい」

楯無「一体何の話してるのかな?」

一夏「え」

楯無「私は色々な食べ物の食べ合わせや付け合わせについて話していたんだけど?」

一夏「え…(あーそう言えばそういうことになってったっけ…全然聴いてなかったけど)」

楯無「もしかして一夏くん、話、聴いてくれてなかったんだね…」メソメソ

一夏(え!? ガチ泣き!?)

楯無「私が、せっかく…ひっぐ、一夏くんの、好みとか、訊きたかったのに…ぐす…
    一夏くんは、私のことなんか…、どうでもいいんだぁ…うわぁぁん…」

一夏「え、いや、ちょっと楯無さんマジやめてくださいよお願いですから変な誤解受けますからマジで」



楯無『…一夏くん』

一夏「いや、そんなことないですってちゃんと聴いてましたってだから早く泣き止んでくださいよ」

楯無『ありがとね』

一夏「えぇーなんでまだ泣くんですかいや本当に勘弁してください俺が悪かったですから…」 

282 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 21:02:54 ID:Lrl87xAg
楯無「うーん、喋ってばっかだったからちょっと疲れちゃった」

一夏「そ、そうですか…(あぁ、帰ったら箒たちになんて弁明しよう…)」

楯無「あ、ちょうどあそこにベンチがあるよ。ちょっと休憩しようか」

一夏「は、はい…」


ポスッ


楯無「はいどーぞ」

一夏「へ? あぁ、じゃあ遠慮なく」ストン

楯無「こらこら。何でナチャラルに隣座ってんのよ」

一夏「え?」

楯無「ほら、ここどーぞ」ペチペチ

一夏「いや、膝叩いてそんな事いわれても」 

283 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 21:07:04 ID:Lrl87xAg
一夏「…まさかとは思いますけど」

楯無「んー?」ペチペチ

一夏「膝枕ですか…?」

楯無「オフコース」

一夏「えぇ…何でですか…」

楯無「はーやーくー」ポスポス

一夏「いや、嫌ですよ。恥ずかしいですし」

楯無「え」

一夏「何故驚く」

楯無「一夏くんてばシスコンの気があるから、私のようなお姉さんの膝枕とくれば
    ルパンダイブさながらに飛び込んでくれると」

一夏「あんた本当に普段、どんな目で俺を見てるんですか…」 

284 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 21:14:08 ID:Lrl87xAg
楯無「も~しょうがないなぁ~一夏くんは~」

一夏「え(何故ここで大山信代口調…? ていうか声真似うまッ!?)」

楯無「そんな聞き分けの悪い子には~ゴソゴソ~」<ポケポーン

楯無「じゃじゃーん! 蒼流旋(ソウリュウセン)でーす!」

一夏「ちょ!? ナチュラルにIS展開させないでください!」

楯無「悪い後輩を蜂の巣にしたっていいじゃない。会長だもの」ウィィィン…

一夏「うわぁぁぁぁ!? ガトリングの砲門こっちに向けないでください!
    ていうか学外で勝手にISなんて使ったら怒られますよ!?」

楯無「お生憎様。国の代表操縦者だからISの使用には多少の融通は利くんだよ、私は」

一夏「え」

楯無「どうする? 一夏くんも抵抗してみる? まぁ織斑先生のことだから反省文を用紙1メートル分
    積み重ねるか、半日アリーナをランニングするぐらいで済むんじゃない?」

一夏「単位が色々おかしいんですけど!?」

楯無「まぁ抵抗したって無駄だけどね。このままかち合って地獄の懲罰を受けるか、
    それとも甘美なるお姉さんの膝元を堪能するか、2つに1つだ!」

一夏「あぁーもう! 寝ればいいんでしょドチクショウ!!」 

285 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 21:19:07 ID:Lrl87xAg
楯無「ふふーん♪ どうかな、寝心地は」

一夏(あぁー…なんでこんなことに…)

楯無「男の子の髪って以外にゴワゴワするねー。一夏くん、トリートメントとか使った方がいいよ。
    せっかく綺麗な髪してるのに勿体ないよ」

一夏「さいですか…」

楯無「やれやれ。大分お疲れのようだね」

一夏「誰の所為ですか、誰の」

楯無「あはは、ごめんごめん。だからこうして休ませてあげてるんじゃない」

一夏「はぁ…まぁいいですけど」

楯無「ほら。体の力を抜いてごらん」ピトッ

一夏(あ、あれ…? 目、隠されてるのか…?)

楯無「目をつぶって見て。すごく休まるからさ」 

286 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 21:24:42 ID:Lrl87xAg
一夏(あぁ…これは確かに…)

楯無「……」

一夏(目をつぶっているからかな…風の音とか潮の匂いとか、そういうのが全部心地いいや…)

一夏(しかも何か会長の膝って柔らかくて…すごいいい匂いがして…すげぇ落ち着く)

楯無「……」

一夏(あぁ、これは本当に中々…いいかもしれない)

スッ

一夏(ん…? 手をどけてくれたのかな?)

スゥー…

一夏(あれ? 手をどけてくれたのに…何だか影が迫っているのを感じるぞ?)パチッ

楯無「」チュゥゥ

一夏「どわぁ!?」ガバッ

楯無「むぅ。起きてしまったか」

一夏「な、何してんですか!?」

楯無「あまりにも無防備だったからつい♪」バサッ<扇子『てへぺろ☆(ゝω・)』 

287 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 21:30:47 ID:Lrl87xAg
一夏「ま、まったく…油断も隙もないというのはまさにこの事だ…」

楯無「まぁまぁ反省するので☆ さ、気を取り直して」ポンポン

一夏「全力でお断りします」

楯無「あれあれ? まだそんな悲しいこと言うの…お姉さん、泣いちゃうなぁ…」スッ

一夏(うッ…またIS持ち出されたら厄介だぞ…!?)

楯無「ふっふっふ…言ったよね? これは私の権限をフルに職権乱用できるスーパープライベートタイムだって…
   一夏くんは甘んじてそれを受けるしかないんだよ…?」ニコッ

一夏(くッ…!? 何か手立てはないか!? この窮地を脱出するのにベストな対抗手段は!?)

一夏(―――そ、そうだ!!)

一夏「お、俺! 何か飲み物買ってきます!!」ダッ

楯無「え」


タッタッタ…


楯無「あぁー…」 

288 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 21:37:28 ID:Lrl87xAg
楯無「…上手く煙に巻かれちゃったなぁ。まぁ三十六計逃げるに如かずって言うしね」

楯無「それにしても、一夏くんてば本当に面白いなぁー。一緒に居てこんなに楽しいのなんて初めてかもしれない」

楯無(簪ちゃんや他の子も本気になるのも分かるなぁ…。まぁ私としては簪ちゃんを全力でプッシュしたいけど、
    一夏くんてば競争率高いし…うーむ、どうしたものだろう…)

楯無(…というか、私が個人的に興味をここまでそそられるのは初めてかもしれないなぁ。
    男性経験なんてなかったことを引いてもさ)

楯無(…もし仮に、一夏くんが選んでくれたのが私だったら、なんて…あはは。何考えて―――)


???「ひゅーっ! あそこの彼女、マジマブくね!?」

???「うっは超イケてんじゃん! こりゃお持ち帰りコース直行だな!」


楯無「ん?」

DQN1「ねぇねぇそこの彼女! 俺たちとO☆CHAしなーい?」

DQN2「君、超可愛いね! 今暇? 暇だよね?」

楯無(うわぉ。何という絵に描いたようなチャラ男。ここまでテンプレだと最早絶滅危惧種だよ) 

289 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 21:43:43 ID:Lrl87xAg
楯無(いるんだよねぇー…自分がちょっと顔が良くて女の子に少しもてるからって、自分が特別だと勘違いする奴…)

DQN1「こんな所で1人でいるなんて勿体無いよ! 俺たちと遊ぼうぜ!」

DQN2「さぁ…俺たちが夢の国に連れてってあげるからさ…ほら、いこっ」キラリン☆

楯無(うわぁ無駄にいい笑顔だ…下心透け透けなのが逆に潔いくらい)

楯無「あ、すいません。私、連れがいるので」

DQN1「おっ…もしかして彼氏?」

楯無「はい」

DQN2「OH! 即答!? 首輪付きかよ!?」

楯無(首輪付きって何よ。まぁコレで諦めてくれるでしょ)

DQN1「ふっ…そんな事は関係ないね。俺、逆に彼氏とか居てくれた方が燃えるからな」

楯無「え?」

DQN2「うっひょー! 流石は●●りのTO★SHIの異名を持つだけのことはあるぜぇー!
     こいつは臭ぇー! ゲロ以下の匂いがプンプンしやがるッ!」

DQN1「ふッ…褒めるなよ、相棒…」

楯無(何こいつら…) 

290 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 21:48:43 ID:Lrl87xAg
DQN1「ふ…俺の如意棒で泣かせた女の数は苺の種の数ほどあるぜ…☆」

DQN2「しかも守備範囲は下は小学生、上は年金受給手前の婆さんまで幅広い!
     女関係で言えばこいつは下衆中の下衆です! まごうことなく!!」

DQN2「ふッ…そう持て囃すなよ… っちまうぜ…★」

楯無(うげぇ…女子の前で最低な会話繰り広げてるくせに決め台詞は全然決まってない…)

DQN1「まぁまぁそういう訳だから! 俺たちと行こうよ! その方が絶対楽しいからさ!」


ガシッ


楯無「―――」ピクッ

DQN2「はーい! 1名様、パラダイスへご招待でーす!」

DQN1「ヒャッハー! 久々のJKだぜぇー! すぐにヒィヒィアヘアヘ言わせて――」

楯無「ねぇ。汚い手で触らないでくれる?」

DQN1「え?」


グルン…ゴキッ


DQN1「ぎゃあああああああああああああああああああああ!!??」 

291 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 21:54:09 ID:Lrl87xAg
DQN2「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? MA★SAの腕が振り子時計のように!?」

DQN1「俺はTO★SHIだっつーの!! いてええええええええええ!?」

DQN2「あ、そうだっけ。だ、大丈夫かTE★RUぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」

楯無「ねぇーそこの三流漫才コンビ。そっちの突っ込みの方は早く病院行った方がいいよ。
    格闘家に診てもらう方がいいかもしれないけどね。どっちにしろ、カラスが鳴く前には診てもらいなさい」

DQN1「こ、この女ぁ…!」ギラッ

DQN2「お、おいK☆E★N! 光り物出すのはマズイって!!」

DQN1「うっせぇ! 下手に出てりゃ付け上がってこのアマぁ! 女は黙って股開いてりゃいいんだよ!」

楯無「…随分とこの時世に珍しい男子もいたもんだ。まぁ私としては願い下げだけどね」

DQN1「ガタガタ言ってとマジブッ刺すぞてめぇ!!」

楯無「あのさぁ…刃物抜いたってことは、命賭ける覚悟は出来てるってことだよね…?」スッ…

DQN2「え…」

DQN1「上ッ等だこのボケェ!! かかってこいやぁ!!」

DQN2「お、おいやめろって田中小太郎…こいつ、なんかやばいぞ」

DQN1「ちょ、おま。ここで本名とかマジ有り得んし」 

292 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 21:59:56 ID:Lrl87xAg
楯無「さてさて。骨を折られたい? 内臓破裂させたい? どっちかくらいは選ばせてあげるよ?」

DQN1「チッ…付け上がる女はマジ嫌いだ…泣き叫ぶくらいが一番可愛いってのによぉ…」ギラッ!

DQN2「お、おい!! やめろって!!」

DQN1「うっせぇ!! 死―――」


ガツン!!


DQN1「ふべぇ!?」

DQN2[!?]

楯無「!?」


一夏「わり。手元が狂っちまったぜ」 

293 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 22:03:54 ID:Lrl87xAg
DQN1「ば、ばんだでめぇば!?」

DQN2「落ち着け田中! まだ缶コーヒーが顔面にめり込んでるぞ!?」

DQN1「うっぜぇ! そ、そうがわがっだぞ…でめぇが、ごのあまのがれしか…?」

楯無「あ」

一夏「何かフゴフゴ言ってて分からないけど、俺の連れに何かしようってんなら容赦しないぜ?」

楯無(ふぅ…危ない危ない。まぁちょっと残念な気もするけど)

DQN1「で、でめぇ…ぶっごろじてやる!!」ギラッ!!

一夏「やめておけ。そんなもんじゃ俺は刺せないぞ?」スッ…


<白式―――展開>


DQN1「うば!?」

DQN2「お、男でISを使えるだと………あッ!?」 

294 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 22:09:28 ID:Lrl87xAg
DQN1「ば、ばんだでめぇ…ぞんなの、ばんそくだろうがぁ!?」

DQN2「おい、逃げるぞ! こいつ、織斑一夏だ!!」

DQN1「え…? だれ?」

DQN2「知らねぇのかよ!? ニュースにだって散々なったじゃねぇか!!
     世界で唯一男性でISを使える高校生だよ!!」

DQN1「けっ! ISつかえでも、じょせんはガキじゃべぇか!! ぶっころしてやる!!」

一夏「…別に俺は素手のタイマンでもいいぜ?」<IS解除>

DQN1「おぉ!? いいぜぇ!? かぐごじろこのやろ――」

DQN2「バカやめとけ!! こいつ、政府の保護管理下にある奴だ! 手を出したら色々と面倒なんだよ!」

一夏「大人しく引いてくれるなら別にそれでも構わないけどな」

DQN1「あぁ!? ふざべんな、だべがでめぇなんが―――」

DQN2「だぁーもう!! いいから行くぞ!! すいませんでした!! 通報とかマジ勘弁してください!!」ガシッ

DQN1「うばぁ!? で、でめぇ~! おぼえでろよ~!」ズリ…ズリ… 

295 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 22:13:55 ID:Lrl87xAg
一夏「…やれやれ。結局は名前で勝っちまったか。ちょっと格好つかないな」

楯無「……」

一夏「大丈夫…でしょうね、楯無さんなら」

楯無「どういうつもり?」

一夏「ん?」

楯無「私があいつ等程度に遅れを取るなんて思ってないでしょ?」

一夏「まぁ、そりゃ…」

楯無「助けてくれたのは一応感謝するけどね。でも正直言ってちょっと余計だったよ」

一夏「え?」

楯無「私の女としてのプライドまで莫迦にされたからさ。
    少しは痛い目に合わせないと気がすまなかったよ。どういうつもり?」

一夏(えぇー…助けなかったら助けなかったで絶対文句言うだろうに…) 

296 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 22:18:33 ID:Lrl87xAg
一夏「まぁ、確かに楯無さんがアイツラに負けるなんて微塵も思ってませんでしたけど…
    それでも、楯無さんには手を出さないで欲しかったんですよ」

楯無「…どういうこと?」

一夏「何というか…あいつ等が汚い手を使ったからってこっちから手を出したら、
    結局は楯無さんも同類になっちゃいますよ?」

楯無「…ッ」

一夏「相手が汚い手を使ったからって、何もこっちも相手に合わせる必要はないでしょ?
    それに楯無さんは…楯無さんだけは、絶対にそんなことさせちゃいけない気がしたんです」

楯無「…ただいい様に言われて、ヘラヘラ笑ってればいいって言うの?」

一夏「そんなんじゃないですよ。だって…ヒーローって、もっと格好いいものでしょ?」

楯無「―――ッ!」

一夏「これからも楯無さんには、あいつにとってのヒーローであって欲しいですから。
    だからそんな暴力に頼らせるようなこと、させたくなかったんですよ」

一夏「あいつだけじゃなくて…楯無さんは俺たち生徒にとっての、スーパーヒーローなんですから」

一夏「そんな格好悪い真似…見過ごせませんよ。やっぱり」

楯無「……」 

297 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 22:23:01 ID:Lrl87xAg
一夏「だから、汚れ役とかは全部俺でいいんです」

楯無「…それも納得できないよ。それだと、一夏くんばっかりが悪者みたいになっちゃうじゃん」

一夏「俺はいいんですよ。だって男ですから」

楯無「え?」

一夏「男なんてちょっとバカで、泥ひっ被って、暴れまくるくらいが丁度いいんですよ。
    ま、それを差し引いても女の子が危なそうだったら、助けるのが男ってモンでしょ?」

楯無「……」

一夏「あはは。何だか自分で言ってて恥ずかしいですね。お待たせしました、コーヒーです」

楯無「…ありがと。なんか、ごめんね」

一夏「いいですよ、これくらい」

楯無「ううん。あれ? 1つだけ…って、あ、そうか…」

一夏「まぁ俺のはいいですって。後で適当に買いますから」

楯無「……」ゴクッ

楯無「ぷはっ。はい、あとはどうぞ」スッ

一夏「え…あぁ、どうも…」ゴクッ

楯無「……」 

298 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 22:29:52 ID:Lrl87xAg
~帰り道~

一夏「じゃあそろそろ帰りましょうか」

楯無「そうだね。あ、そうだ一夏くん」

一夏「はい?」

楯無「さっきのお礼、ちゃんと言ってなかったね。ありがと。とっても格好良かったよ」

一夏「別にいいですって」

楯無「それともう1つ」

一夏「え?」

楯無「私、嬉しかったよ。私が、一夏くんやあの子を含めた、皆のスーパーヒーローだって言ってくれてさ」

一夏「そんな。事実を言ったまでですよ」

楯無「ううん、本当に嬉しかったの。でもね…」

一夏「ん?」 

299 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 22:33:25 ID:Lrl87xAg
楯無「さっきの一夏くん、本当に格好良かった。本物のヒーローみたいだったよ」

一夏「あはは…照れますね」

楯無「実はね。憧れていたのはヒーローだけじゃないの。悪い怪人に囚われたヒロインってのにも…
   ちょっとだけ憧れてた。そして、一夏くんに救われた」

一夏「え?」

楯無「だからね…これは、そのお礼」

一夏「へ?」


CHU♥


一夏「!!??」

楯無「あっはは!! 一夏くんってば油断大敵だよ!」

一夏「い、いきなり何すんですか!?」

楯無「ただのほっぺにチューじゃん。そんなんで赤くなっちゃって可愛いなぁ~」

一夏(い、いきなりしおらしくなったかと思えばこの人は…!)

楯無「あはははははは!」 

300 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 22:36:47 ID:Lrl87xAg
楯無「一夏くん…♪」

一夏「な、何ですか…?」

楯無「今日は私からほっぺにチューだったけど…」

一夏「?」

楯無「こっちのチューは、一夏くんからお願いね!」チョコン☆

一夏「…ッ///」

一夏(やべぇ…ちょっとキュンときた…)

楯無「あっはは! 一夏くん、顔がトマトみたいだよ! ちょっと撃ってみてもいい!?
    面白い具合に破裂しそう!!」ジャキッ

一夏「どぅえ!? なんでまたここでISを展開させるんですか!? ちょ、やめて~~~!!」



楯無『…待ってるからね、一夏くん?』

一夏「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!? 今、ちょっと掠ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」 

301 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 22:40:43 ID:Lrl87xAg
~生徒会室~

楯無「たっだいまーアーンド、一夏くんミッション・コンプリートおめでとー!」パンパカパーン

簪「……」

楯無「え、えぇー…何、簪ちゃん…そのジト目は…。『おかえり』の一言もなし?」

簪「…抜け駆けした」

楯無「え、えぇー!? そそ、そんな! だってほっぺにチューなんて挨拶の範疇じゃん!
    それくらい見逃してよ!?」

簪「いや」プイッ

楯無「そんな露骨に避けないで! お姉さん泣いちゃうから!!」

一夏「おぉ、簪。ただい――」

簪「……」キッ

一夏「うッ…」

簪「…ふん」プイッ

一夏(…なんで不機嫌なんだよ) 

302 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 22:42:53 ID:Lrl87xAg
楯無「か、簪ちゃ~ん…機嫌直してよぉ~」

簪「…ふんだ」

楯無「そ、そんなぁ~。私だって本気じゃなかったんだよ?」

簪「…どうだか」

楯無「え?」

簪「お姉ちゃん…いつも、おいしいとこばっか持って行くから…」

楯無「うッ…そ、それは…ええと…」

一夏「あ、あの…何かあったんですか?」

楯無「なんにもなーい…なーんにもないですよー…」

一夏(うわ…ここまで露骨に落ち込んでいる楯無さん、珍しいな…)

楯無「まぁいいけどねー…このブルーな気持ちは一夏くんを痛みつけることで発散させるからー」ゴソゴソ

一夏(うげぇ!? 鬱憤の矛先を俺に向けやがったぁぁぁぁぁぁ!!??)


楯無「はーいはーい…次なるミッションは…『>>304』でーす」 

303 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 22:43:32 ID:Lrl87xAg

現時点好感度指数(参考)
鈴    ■■■□□□□□
セシリア ■■□□□□□□
千冬   ■□□□□□□□
楯無   ■■□□□□□□


304 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/08(木) 23:49:42 ID:e5ptBsCY
楯無さんと●エプロンプレイ 

313 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 21:46:40 ID:mXlEJYnw
『楯無会長と●エプロンプレイ by楯無』

一夏「」

楯無「」

簪「……」

一夏「楯無さん、あんたって人は…」

楯無「い、いやいやいやいや!! 私じゃないよ! 完璧に濡れ衣だから!!」

簪「お姉ちゃん…!」ギリッ


<打鉄弐式―――展開>


一夏「うわわわわ! な、何IS展開してんだよ簪! 落ち着け!!」

簪「お姉ちゃんの名前…書いてあった…。やっぱりお姉ちゃん、一夏を…!」ゴゴゴゴゴ

楯無「ちょ、ちょっと! このクジって匿名記入じゃん!? 会長の私がそんなこと間違うはずないでしょ!?」

簪「お姉ちゃんばっかり…ずるい!!」ゴゴゴゴゴゴ

楯無「はわわわわわ簪ちゃん! 山嵐はヤバイって!! それってまだ調整が済んでないでしょ!?」
―――――――――
―――――
――― 

314 : ◆Xj0T19PFxU:2012/03/15(木) 21:52:07 ID:mXlEJYnw
~とある運動部員の部室塔~

主将「こ、これは一体…!?」

キャプテン「ふふふふふ…まんまと引っかかったようだね憎き会長め!!」

主将「はッ…!? お、お前は! かつて会長にコテンパンにされたバスケ部キャプテン!」

キャプテン「そういうお前は私と同じく会長に辛酸を舐めさせられた空手部主将。ふふふ…見てくれたかい?」

主将「その口ぶり…織斑くんにあのミッションを振ったのはアンタなのね!?」

キャプテン「くくく…! まさにその通りよ! これも作戦のうち!!」

キャップ「聞かせてもらおうかしら!!」

主将「ソフトボール部のキャップまで…詳しく話を聴こう、バスケ部キャプテン!」

キャプテン「おほほほほ…! いいでしょう、聞かせてあげようじゃない!
       そうよ! あのミッションを仕組んだのは、この私!」ビシィ 

315 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 21:59:12 ID:mXlEJYnw
キャプテン「織斑くんを暫定的に借りれるとはいえ、我がスポーツ部の立場は未だ弱いまま…。
       かつて私たちが会長に歯向かってしまったツケもあるけど、元を言えば
       生徒会で織斑くんを独占している会長の所為であることは間違いない!!」

キャプテン「この状況を打破するには、やることは1つ! 織斑くんには生徒会を辞めてもらい、
       改めて運動部に勧誘すればいい!そのためにどうずればいいか、私は考えたわ!」

キャプテン「織斑くんが日頃から会長に振り回されているのは事実…。本人は流されやすい性格からか、
       いつも不本意ながらも渋々と会長の要望に応えていったわ…」

キャプテン「だけど! ここで限度が過ぎた要望がきたとなれば話は別! しかも体の関係を迫った
       下ネタミッションというのなら尚更!! これを要求されれば、さすがの織斑くんもドン引き間違いなし!!」

キャプテン「こうして幻滅した織斑くんは生徒会を去り、心の安らぎを求めて
       晴れて我がバスケットボールに入部する!! まさに完璧な作戦よ!!」

主将「……」

キャップ「……」

キャプテン「ん? どうしたの2人とも? あまりにも頭脳的過ぎる私の働きに嫉妬―――」

主将「正中線連撃!!」ガッガッガッ

キャップ「ウインドミル!!」ドゴォ

キャプテン「ぐっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」 

316 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 22:06:00 ID:mXlEJYnw
キャプテン「なななな何すんのよ!? 嫉妬に狂った凶行なんて女として最低よ!」

主将「お前は阿呆か!! なんてタイミングであんなミッションを仕組んだのよ!!」

キャプテン「へ?」

主将「さっきのミッション、ずっと見てたでしょ!? 織斑くんと会長、すっごくいい雰囲気だったじゃない!」

キャップ「フラグがビンビン建ってるのよ!! そんな状態で織斑くんに体を許してみなさいよ!
      織斑くんが靡いてカップルになっちゃったらどうするのよ!?」

キャプテン「………」

キャプテン「…は!? わ、私は何てことを~~~!!??」

主将「我が運動部の希望をよくも…! ここでお前の夢を潰してやるッッ!!」

キャプテン「ぐッ…!? だが私は諦めないぞ! ディーフェンス、ディーフェンス!!」キュッキュ

主将「甘い!! 音速拳!!」ドビュゥ!!

キャプテン「ぐばぁッッ!?」

キャップ「ウイインドミル砲丸投げバージョン!!」ビュンビュン ドッゴォォォ!!

キャプテン「そげぷぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

―――――――――
―――――
――― 

317 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 22:13:04 ID:mXlEJYnw
~生徒会室~

簪「はぁ…はぁ…はぁ…」シュゥゥゥゥゥ…

楯無(あ、危ない危ない…私のISで簪ちゃんの装備の火薬を湿気らせるのが遅かったら、
   ここにいる全員がタダじゃすまなかったわ…)

簪「お姉ちゃんの…ばか…!」ジワッ

楯無「はぅわ!? お、落ち着いてってば簪ちゃん! 本当に私じゃないってば!」

簪「うそ…!」

楯無「本当だってば! だって見てよこの字! 私のとじゃ、見ても似つかないでしょ!?」

簪「更識家当主なら…筆跡の改竄なんてお手の物…! そんなの、証明にならない…!」

楯無「うッ…!? こ、このままじゃ拉致が明かないわ! ちょっと待ってて!」

楯無「ちょっとー!? 虚ちゃーん、本音ちゃーん、いるー!?」ツカツカ

一夏「あれ? 生徒会控え室の方に…?」 

318 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 22:16:54 ID:mXlEJYnw
本音「はいは~い。お呼ばれました~」ヒョコヒョコ

虚「何ですかお嬢様。こんなところに呼び出して。まだ仕事が残ってるんですけど?」

楯無「いや、それは申し訳ないけど…って、今はそんな場合じゃないよ! これ見て!」バサッ

一夏(ずっと姿が見えないと思っていたら、控え室の方で生徒会の仕事を押し付けられていたのか…)

虚「…何ですかこれ」

楯無「箱に入っていたミッションの1つよ!
   確か虚ちゃんと本音ちゃんもミッションの選定には関わっていたよね!? これに見覚えない!?」

虚「いや、私は特には…。だって倫理的にダメなものや教育上よろしくないのはNGと言われたので…」

本音「あ~これ、私が見かけた奴だ~」ピョンピョン

一夏「」

虚「あー…なんとなく予想はしてたけど…」 

319 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 22:23:16 ID:mXlEJYnw
楯無「え、えぇ!? ちょっと本音ちゃん!? これの意味、分かってるの!?」

本音「何って~。コスチュームプレイの一環でしょ~? 私としては全然OKなんですけど~」ヒョコッ

楯無「いや、完全にコスプレの範疇超えてるよ!? 第一このプレイって所謂―――」

本音「な に い っ て ん で す か ?」

楯無「え?」

一夏「え」

虚「あぁー…」 

320 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 22:23:50 ID:mXlEJYnw
本音「あのね~。コスチュームっていうのはね~? とっても楽しいものなんだよ~?」

本音「いつもとは違う自分、違う内面に向き合える~素晴らしい行為なんだよ~?」

本音「…まさか神聖なコスチュームプレイを、そんな邪なことに~使いませんよね~?」ニゴッ

一夏「え…ちょ、ちょっとのほほんさん…? 何か、笑顔がすごく怖いんですけど…?」

虚「ごめん、一夏くん…妹はコスプレのことには結構こだわりがあるから…」

楯無(あの着ぐるみって伊達じゃなかったの!?)

本音「だから~そのミッションも~まさか●●●なことに~使いませんよね~?」

楯無「い、いや…だから、そういう問題じゃなくて…」

簪「…もういいよお姉ちゃん」

楯無「え?」 

321 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/15(木) 22:28:58 ID:mXlEJYnw
簪「…確かにムチャクチャかもしれないけど、ここまで釘を刺されればお姉ちゃんだって出過ぎたことはしないでしょ?」

楯無「う、うんまぁ…(主に簪ちゃんに釘を刺されっぱなしだけど…)」

簪「だけどお姉ちゃんが仕組んだものじゃない…とは言い切れないけど」

楯無「いや、本当に私じゃないからね!?」

簪「ともかく…これだけ言ってミッションをふいにするもの…なんか嫌」

簪「わ、私の出したミッションの時に言われても困るし…///」ボソッ

楯無(か、簪ちゃん…意外に自分には大胆なミッションを組んだのかしら…?)

一夏(簪、今何か言ったのか?) 

322 :ごめんちょっと疲れが限界だから寝る…続きは明後日にさせて…:2012/03/15(木) 22:30:41 ID:mXlEJYnw
楯無「え、えっとぉ…じゃあちょっと腑に落ちない点もあるけど、またご指名ということで私が行きま~す…」

楯無「今回のミッションのコンプリート条件は…まぁエプロン着用ということで、私が料理を振舞って
   一夏くんがそれを完食すればOK、でいいよね?」チラッ

簪「…いい」

楯無「ほっ…。で、今回はちょっとR15指定の画も含まれているので、カメラさんは同行しますが模様は
    撮影できません。音声のみで勘弁してね。15歳未満の学生だっているから」

楯無「で、ではとういうわけで…ミッション開始で~す…場所は一夏くんの部屋でいいかな…?」

一夏「い、いいですけど…」

楯無「何…?」

一夏「…また燃やしたりしませんよね?」

楯無「し、しないから! 本当に!」

―――――――――
―――――
――― 

325 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 19:12:22 ID:T.VNofaQ
料理=楯無ということですね 

326 : ◆Xj0T19PFxU:2012/03/17(土) 19:54:10 ID:dzfOLmEE
~IS学園寮:織斑一夏の部屋~

楯無「おぉ~こ、ここも懐かしいね…」ドギマギ

一夏「そうですね。そういえばこの部屋での初対面も似たような格好でしたね」

楯無「あ、あれは違うわよ! ちゃんと水着を下に着てたじゃない!!」

一夏「いや、あんな際どいビキニ着てたんですからそんな大差ない…」

楯無「全然違うわよこのアンポンタン!!」

一夏「ひゃ、ひゃい!?」

楯無(あぁもう…さっきの件で余計に意識しちゃってる分、すごくテンパってるわ私…)

一夏(あれ…? 緊張してる楯無さんなんて初めて見たな…。まぁそうか。
   いくらこの人でも●エプロンは恥ずかしいか)

楯無(どうせ一夏くんのことだから、私がこんな思いをしているのは恥ずかしい格好をさせられるから、
    とくらいにしか思ってないんでしょうねこの唐変朴は!!) 

327 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 19:59:31 ID:dzfOLmEE
楯無「じゃ、じゃあ着替えてくるけど…取りあえずシャワー借りるね」

一夏「え? あぁはい」

一夏(着替えるのにシャワー浴びる必要あるのか? と聞くと何か言われそうだからやめておこう)

―――――――――
―――――
―――

ジャー…

楯無(うぅ…死ぬのど恥ずかしいけど…やるしかない…!)

楯無(何が起こるのがわからないのがこの企画だから…保険は多い方がいいしね!)

楯無(ちょっとの間の辛抱だから…! 我慢するのよ、更識楯無!!)

楯無(いざ…!)


…ジョリ

―――――――――
―――――
――― 

328 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 20:07:16 ID:dzfOLmEE
キィ…

一夏(お、出たようだ…ぶはぁ!?)

楯無「お、おまたせぇ…///」

一夏(あ、相変わらずのボリューム…! エプロンが体にギリギリ収まるかくらいのピッチリとした大きさだから
   ボディラインが満遍なく強調されている…!)

楯無(しまった…サイズがあの時のままだったわ…なんという不覚…)モジモジ

一夏(しかも今回は水着ではなく、あのエプロンの下は紛れもなく裸…!
   それ故に流石の楯無さんも羞恥心を堪えきれない…!
   薄く体を朱に染まらせながら、体を縮こませてモジモジと小刻みに揺れる姿は…圧巻だ!)

一夏(こ、これは予想以上にヤバイ…! 素の本人があれなだけに、更になんかこう…グッとくる!)ビシッ

楯無「…じ」

一夏「ん?」

楯無「ジロジロ見るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ゴゴゴゴゴ…

一夏「ぎゃああああああああああああ!!?? あ、ISしまってください!!
   ここを焼かれたら本当に住む場所なくなりますから、俺!!」 

329 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 20:12:46 ID:dzfOLmEE
楯無「ご、ごめん…なんか、つい…(うぅ…平常心を保てない…予想以上に恥ずかしいわコレ…)」

一夏「あ、いえ…(余裕のない楯無さんって…本当になんか新鮮だ…)」

楯無「じゃ、じゃあチャッチャと料理しちゃうから…何かリクエストでもある?」

一夏「え、ええと…何でもいいですよ(正直食事どころの問題じゃなくなってきた気が…)」

楯無「そ、そっか…じゃあ適当に作るね。コロッケとかでいい?」

一夏「え?」

楯無「どうかした? 何でもいいんでしょ?」

一夏「いや、その格好で揚げ物はやめたほうが…」

楯無「え? あ、そっかー…確かにね。じゃあ無難にカレーでいいかな」

一夏「お、いいですね」

楯無「決まりね。じゃあちょっと待ってて。虚ちゃんに材料と器具とか持ってこさせるから」ピッ

―――――――――
―――――
――― 

330 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 20:18:54 ID:dzfOLmEE
楯無「よしっ。じゃあ始めますか」

一夏「ミニサイズの寸胴鍋に大型ガスコンロって…何か本格的ですね」

楯無「流石にこの格好で外は出歩きたくないしね。寮室にキッチンでも付けてくれるよう打診してみようかしら」

一夏「いやぁ…そこまでしなくても…。学食があるんですから、いいじゃないですか」

楯無「うーん。(一夏くんの部屋なら特例で降りるかもしれないなぁ。今度言ってみようかしら。色々と融通利くし)」

楯無(…って、何の融通を利かせるのよ。アホらし)

楯無「じゃあ適当に作るから、一夏くんは座って待っててよ」

一夏「はーい」

楯無「まずはサイコロ状に切った牛肉を、油を敷いて暖めたフライパンで軽く炒めて…」ジュー…

一夏(おぉー…やっぱり手馴れてるなぁ)

楯無「あ、下味付け忘れた…って、調味料ないじゃん! 失敗したなぁ…」

一夏「あ、簡単な調味料ならそこの棚にありますよ?」

楯無「え? そんなもの持ってるの?」

一夏「あると便利なので」

楯無「そうなんだ。じゃあちょっと借りるね」スクッ 

331 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 20:24:00 ID:dzfOLmEE
楯無「うーん、どこー?」ゴソゴソ

一夏「ええと、そこの下のぉ!?」

楯無「ん、あぁーこれかぁ」

一夏「あ…あぁ…」

楯無「まずは塩コショウにー、ケチャップとマヨネーズ、おぉーポン酢とラー油とかもあるじゃない」

一夏(う、後姿が…簡単な紐でしか覆われてない背面部が、丸見え…!!)

一夏(し、しかも屈んでいるから…うぉぉぉぉぉぉ見てない! 俺は何も見てないぞぉぉぉぉぉぉ!!)ブンブン

楯無「まぁこんなもんで――ん、どうしたの一夏くん。必死に顔を逸らして…」

一夏「……」

楯無「……」

楯無「は…!」ババッ 

332 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 20:25:26 ID:dzfOLmEE
一夏「……」

楯無「…見た?」

一夏「え…?」

楯無「見た…?」

一夏「うッ…」

楯無「……」

一夏(言い訳したいけど…したら何されるかわからないな…)

一夏(というか正直に言っても楯無さんなら大丈夫だろう。
    きっと笑いながら俺をおちょくってくるぐらいで許してくれるはずだ。まぁそれはそれで困るけど…)

一夏「え、ええと…チラッと…」

楯無「…!」

一夏「で、でも少しだけ…いや、というか全然見てないっていうか!」ブンブン

楯無「……///」

一夏(あ、あれ…? 何だこの間は…?) 

333 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 20:29:27 ID:dzfOLmEE
楯無「……」

一夏「あ、あの…楯無、さん…?」

楯無「い…」

一夏「い?」

楯無「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


<ミステリアス・レイディ―――展開>


一夏「どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? な、何で本気モード!?」

楯無「わあああすぅぅぅぅれぇぇぇなぁぁぁぁさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいッッ!!」


<蒼流旋>


ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!


一夏「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!??」

楯無「みぃぃぃなぁぁぁいぃぃぃぃぃでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」ダダダダダダダダダ!!

一夏「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!??」 

334 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 20:32:05 ID:dzfOLmEE
一夏「」チーン

楯無「はぁ…はぁ…はぁ……」

一夏「」

楯無「思わずISをぶっ放してしまった…念のため実弾装備を全部空砲に代えておいてよかったわ…」

楯無「ほ、本当に見てないんでしょうね…///」ドキドキ

楯無「……」

一夏「」

楯無「はぁ…何か今日は一夏くんに振り回されるわ…普段は私からからかってばっかだから、変な感じ…」

一夏「」

楯無「……///」

楯無「と、とりあえず一夏くんは都合よくのびてるし、この隙に作っちゃいましょう、うん」

―――――――――
―――――
――― 

335 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 20:36:26 ID:dzfOLmEE
楯無「一夏くん、一夏くん」ユサユサ

一夏「う、ん……?」パチ

楯無「ほら、起きて。カレーできたから」

一夏「ん…? おぉ、本当だ…いい匂いがしますね」

楯無「一夏くんってば、急に寝ちゃうんだもん。お姉さんちょっとビックリしたよ」

一夏「あれ? そういえば、俺は何で――」

楯無「一 夏 く ん ?」ギロッ

一夏「ひぃ!?」

楯無「一夏くんは今までのミッションの疲れが溜まっていたせいで、寝ちゃったんだよ?」

楯無「だからさっき何が起こったか見てないし、覚えてもいない。そうだよね?」

一夏「は、はい! その通りであります!!」

楯無「もぉー☆ 頑張ってる先輩を尻目に寝ちゃうなんて…このお茶目さんめ♪」ツンツン

一夏「は、はは…(何だかただ事ならない事が起きたような気がするけど、詮索するなと俺の勘が告げている…)」

一夏(…そしてカレー以外にも香る硝煙の匂いにも、深くは突っ込んではいけないのだろう、多分…)ダラダラ 

336 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 20:43:57 ID:dzfOLmEE
楯無「はい。じゃあもうよそってあるから、召し上がれ」サッ

一夏「おぉー…これは美味しそうだ。いただきます」パクッ

楯無「どうかな。といっても、市販のルーだから味はあまり保証できないけど」

一夏「いや、美味しいですよ! 何というか、コクもあるんですけど、それ以上に後味がすごくいいです!
   仄かな酸味が出てて、コクと相まってすごく爽やかで…! 何入れたんですか?」

楯無「そうだねー。私はカレーはどっちかっていうと甘めが好きだからね。
    甘さはトマトケチャップを多めにいれたからかな。とは隠し味にポン酢を入れてみたの」

一夏「へぇ…あまり思いつかない味付けですね」

楯無「まぁカレーなんて何入れても合うしね」

一夏「それでも調整が丁寧ですから、こんな味わい深くなるんですよ。本当に美味しいです。ありがとうございます」

楯無「そ、そうかな…///ありがと」テレテレ

一夏「あ、おかわり貰ってもいいですか?」サッ

楯無「うわ、食べるの早ッ!? いいよ、任せなさい♪」

一夏「?(何か前に料理を褒めたときよりずっと喜んでいる気が…)」 

337 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 20:49:34 ID:dzfOLmEE
一夏「ふぅーごちそうさまでした」

楯無「お粗末様でした。まさか本当に全部食べてくれるなんてね」

一夏「いや、本当に美味しかったですよ。量もそんなになかったですから」

楯無「あはは、ありがとっ。それと、ミッション・コンプリートおめでとっ!」パチパチ

一夏「え、あぁどうも…(結局何もしてない気がするけど…)」 

338 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 20:52:02 ID:dzfOLmEE
楯無「じゃあ頑張ったご褒美に、お姉さんが皿洗いをしてあげよう」スクッ

一夏「え? いや、いいですよ。こういうのって、振舞ってもらった方がやるもんでしょ?」

楯無「年上の親切は素直に受け取りなさい。まぁすぐ済むから大丈夫よ」

一夏「うーん…」

楯無「そこまで喜んでもらえたから、こっちだって嬉しいの。だからこれはささやかなお礼のつもりってことで」

一夏「まぁ、そこまで言うなら」

楯無「はーい。じゃあ流し借りるね」ガチャガチャ

一夏「あ、食器用洗剤はないんですけど、予備のスポンジならシャワー室の横に―――」クルッ

一夏「ぶッ!!??」

楯無「~♪」フリフリ

一夏(ま、また見えてる! また見えちゃってますから!!) 

339 :ちょっと抜けます:2012/03/17(土) 20:54:35 ID:dzfOLmEE
一夏(どどどどうしよう…! 注意したいけど、よく分からんがここで何か言えば更に墓穴を掘る気がする…!)

一夏(な、ならばここは素知らぬ顔をして、やり過ごすのがおそらくはベストな選択…のはず!)

楯無「一夏くん、さっき何か言いかけてなかった? スポンジがどうとか―――」クルッ

一夏「あ…」

楯無「……」

一夏「……」

楯無「…あ!」ササッ

一夏(ぎゃあああああああああああ!? き、気付かれたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?)

楯無「(わ、私ってばまた…! 本当に注意力が散漫になってるわ!!)み、見るなこのへんた――」グルン

ズルッ

楯無「え?」

ズテッ…ガラガラガッシャン

楯無「きゃぁっ!?」

一夏「―――!!」

楯無「い、いやああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 

340 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 21:49:01 ID:dzfOLmEE
更識楯無が足を滑らせたのは、足元に何かが転がっていたわけではない。
ただ彼女の足元の床には、最初に牛肉を炒めた際に飛び散った油が僅かながら付着していただけであった。
パッと見た感じでは、それに気付かないのは仕方ない。故に彼女が足を取られたのは無理からぬことかもしれない。
それでも普段であれば、彼女にとって受身を取ることくらいなど造作もないはずであった。
しかし●エプロンを着用しているという羞恥と、二度も失態を見せてしまったことに対する動揺が、彼女の足を絡め取ったのである。

そして彼女は背中を向けた状態から、振り向きざまに尻餅をついた形になる。
鍋にこびり付いたカレーと砕けた食器の一片が彼女の肌を掠めたが、今はそれどころではない。
彼女の最大の不幸は、己の不完全な姿勢ではなく完全無防備の服装にあった。
今自分は、足を曲げ、膝を開き、不恰好な受身を一夏の前に晒している。
そして、目の前には自分の下腹部を凝視している健全な男子高校生の姿が。

かくして彼女は、嘗てないほどの恥辱の限りを味わい、そして織斑一夏に降りかかるのはそれ以上の厄災であることは…。
もはや疑いようもない末路だったのであった…




楯無(…と、一般的な読者ならそう思うでしょうね!!) 

341 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 21:55:58 ID:dzfOLmEE
楯無(ふふふ…お生憎様! これくらい想定済みなのよ!)

楯無(何が起こっても不思議じゃないのがこのミッション…私はそれを立案し、それに参加しているのであれば
    いかなるアクシデントにも対処できるように努めなければならない…!)

楯無(まさかテンパって転んでしまうとも、一夏くんが●●●心丸出しで覗くとも限らない…!)

楯無(この生徒会長の更識楯無は、すでにあらゆる不測の事態を考慮しているッ!)

楯無(故に…その事前対策も既に講じてあるのよ…)

楯無(そう…さっきシャワーを使ったと時に…私は―――)




楯無(筋を絆創膏で覆い隠していたのだッッ!!) 

342 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 22:00:11 ID:dzfOLmEE
楯無(ミッションの内容は●エプロンプレイ…それ故に、エプロン以外のあらゆる衣類は許されない…!
    下着は勿論のこと、アクセサリーや下着の類も許されないでしょう…)

楯無(でも医療器具というのなら話は別!
    しかもデリケートな肌を保護するという目的だから使用目的からも逸脱してない!
    だから絆創膏を使ってもそれは自然な行為に他ならない!)

楯無(とはいえ、この保険にはそれ相応のリスクがあった…。
    名目は守られているとはいえ、いつか剥がれてしまうのではないかという危機感があったから…!)

楯無(そして何より…剥がすときの事を考えると…ちょっと嫌だったわ。だって痛そうだし)

楯無(だから私は決心したのさ…! この奥の手を使うために、自分の身体に科した代償…ッ!)




楯無(それは●●●●! そうよ、剃ったのよ! もうツルッツルにね!!)ドーン 

343 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 22:05:40 ID:dzfOLmEE
一夏「……」

楯無(足元はすごくスースーするし、なんかムズムズするし、何よりも死ぬほど恥ずかしかったけど…
    とにかくこれで、最低最悪の結末だけは回避できたわ!)

楯無(前は勿論のこと、後ろの方まで完全に保護している! そしてまだ粘着性は死んでない!!)

一夏「……」

楯無(…って、余裕かまわしてる暇はないわ。見られてるもんは恥ずかしいんだから隠さないと///)ササッ

一夏「……」

楯無「ざ、残念だったね一夏くん! 見えちゃったと思った?
    そこまで簡単にラッキースケベを許すほど、私の身体は安くは――」


プッチーン


一夏「―――」

楯無(え…な、何…? いま、なんか切れちゃいけない決定的な何かが切れた音がしたんだけど…?) 

344 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 22:11:08 ID:dzfOLmEE
一夏「……」ツカツカ

楯無「へ? い、一夏くんどうしたの…? なんか、怖いんだけど…」

ガシッ

楯無「へ?」

ヒョイッ

楯無「きゃぁ!?」

ドドドド

楯無「ちょ、ちょっと一夏くん! いきなり持ち上げるのはやめ…って、どこ触ってんのよ!!」グィィィ

一夏「ふぅぅぅぅ…ふしゅぅぅぅぅ…」

楯無「な、何コレ…すごく目が血走っているんだけど…?」 

345 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 22:14:48 ID:dzfOLmEE
ポスッ

楯無「ひゃっ…!?」

一夏「……」

楯無「ちょ、ちょっと落ち着いてよ一夏くん…そんな、ベッドに連れてきて…何を…!?」

一夏「……」

ガバッ

楯無「きゃぁぁッ!?」

一夏「ぐぅぅ…うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…」

楯無(な、何この状況…!? 一夏くんが獣みたいな唸り声をあげながら、私を抱きしめてる…!?)

楯無(もしかしなくても、一夏くんめっちゃ興奮してるの…!?)

楯無(ま、まさか…! 世の中には秘部を絆創膏で覆い隠しているシチュエーションに萌える、という奇異な
    趣向を持った男子がいるときくけど…!? え、まさか一夏くん、ドストライクだったの!?) 

346 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 22:19:27 ID:dzfOLmEE
一夏「ふぅぅぅぅぅ…ふしゅぅぅぅぅぅぅう」ハァ…ハァ…

楯無(そ、そりゃ男子禁制の学園に1人放り込まれたんだから、そりゃそれなりに●●は溜まるんだろうけど…
   まさかよりにもよって今、タガが外れるなんて…!?)

楯無(ええい、とにかくこのままでは貞操の危機よ! 一夏くんには悪いけど、ちょっと眠ってもらって…!)


ギュゥゥゥゥ…


楯無(はぅッ!? こ、こんな締め付け、全然甘いわ! すぐに振りほどいて…)

楯無(―――!!??)

楯無(あ、あれ!? 振りほどけない! え、何で!?)

一夏「……」グィィ…

楯無(力が入らない…!? 余裕で抜け出せるのに、身体がいうことをきかない…!?)

楯無(な、なんで、私…え…?)

一夏「……」グググ…

楯無(ま、まさか私…)

楯無(受け入れちゃって…る…?)ドキドキ… 

347 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 22:24:45 ID:dzfOLmEE
一夏「……」

楯無(一夏くんに抱きしめられて…ていうか、私で興奮してくれてるってことが分かって…)ドキドキ

楯無(それで襲われてるのに…私を求めてくれてるって事を…嬉しいって感じてる…///)バクバク


ドクンドクンドクンドクン…


楯無(…一夏くんの胸、すごい鳴ってる。本当に、私で…)

楯無(私の…身体で……)

楯無(……)


ぎゅっ


楯無(……///)

楯無(一夏くんなら…)

楯無(いい………かな) 

348 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 22:32:08 ID:dzfOLmEE
楯無「あ、あの…!」

一夏「……」

楯無「え、ええと、その、今回は、あの、つまり…」

一夏「……」

楯無「だから、うんと、いきなりこんな事するなんてちょっとアレだけど、わ、私も、わ、悪い、わけ、だし…」

一夏「……」

楯無「だ、だから、ね…?」

一夏「……」

楯無「や…」

一夏「……」

楯無「…優しくしてくれなきゃ、怒る、から…///」

一夏「……」 

349 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 22:34:51 ID:dzfOLmEE
楯無「お、おーい…? 一世一代の告白に、無反応は流石に堪えるんだけどぉ…?」

一夏「……」

楯無「い、一夏くーん? 聞こえてますかー?」

一夏「……」

楯無「…へんじがない。ただのしかばねのようだ…って、そういう場合じゃなくて」

楯無「というか、さっきからずっと動いてないけど、どうかしたの…?」


ヌルッ


楯無「ん? 何か髪にぬるっとしたものが…何だろ?」ゴソゴソ

楯無「―――って!!」

一夏「」ドクドク

楯無「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!??」 

350 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 22:38:29 ID:dzfOLmEE
その当日、たまたま廊下を歩いていた相川清香は、当時の状況をこう述べている。


相川「ええ、もう一瞬でしたね。会長が、私の前を全力疾走していたんですよ」

相川「ハンドボール部であるので動体視力は一般の人以上には自信があるんですけど、それでも目で終えないほどの速さで」

相川「…なんで、あの時の状況を鮮明の覚えていたか、ですか? そりゃそうですよ」

相川「だって…●エプロンの生徒会長が、顔面血だらけの織斑くんをお姫様だっこしながら廊下を駆けていたんですから」

相川「あれは忘れられませんよ…。あの一瞬のうちの出来事は…衝撃の一言では言い表せません」

相川「…その後ですか? 織斑くんは無事だったそうですよ。
   ただの貧血だけですんだそうです。明日から、ミッションを再開するようです」

相川「しかし、一体あの部屋で何が行われていたのか、私には知る由もないですね…。音声を聞く限りでは、
   織斑くんが会長を襲ってそれに返り討ちにされた、とくらいしか考えられないんですけど…」

相川「まさかあの織斑くんが、と一時は誰もが嘆いてましたけど、あの後すぐ会長から弁明があって」

相川「詳細は省かれましたが、とにかく警察沙汰になる内容はしてないようです。ええ、思わず胸を撫で下ろしました」

相川「しかし結局、真実は闇の中ですが…いやはや、嫌な事件でしたね」 

351 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 22:43:28 ID:dzfOLmEE
相川「あぁそうそう。私、そのとき妙なもの拾ったんですよ。これですこれ」サッ

相川「…何ですかコレって、見たまんまですよ。絆創膏です。何の変哲もない」

相川「…気付きませんか? これ、きっと織斑くんの負傷を治す時に使ったと思うんですけど…。
   でもコレ…どこにも血が着いてないんですよ」

相川「…ええ。保護フィルムも剥がされてるし、未使用であるわけでもありません」

相川「あの後、会長の絶叫が学園じゅうに木霊したのと、何か関係あるんでしょうか…?」

相川「…不思議ですよね。私にも、何が何だか…」

―――――――――
―――――
――― 

352 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 22:45:34 ID:dzfOLmEE
~生徒会室~

楯無「しくしくしく…」

簪「……」

楯無「もう、お嫁にいけない…」

簪「…元気、だして」

楯無「だってぇ…」

簪「大丈夫。見られてない、から」

楯無「ほんとぉ…?」

簪「…多分」

楯無「うぇぇぇぇん…」メソメソ

簪(…なんかお姉ちゃん、可愛い) 

353 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 22:49:01 ID:dzfOLmEE
簪「い、一夏が無事で…良かった、よね」

楯無「え? あぁ、うん、そうだね…」

簪「…なんで残念そうな顔してるの?」

楯無「え?」

簪「ただの鼻血で済んで、良かったじゃない」

楯無「そ、そりゃそうだけど…何もあのタイミングで気絶しなくても…」ブツブツ

簪「……」

楯無「え、ちょ、ちょっと簪ちゃん…? なんか、目が据わってるんだけど…?」

簪「…お姉ちゃん、本当にあの部屋で何があったか、言う気はないの…?」ゴゴゴゴゴゴ

楯無「だ、だめだめだめだめ! いくら血を分けた妹でも、これを言うのは無理!!」ブンブンブン!!

簪「……」

楯無「……///」

簪(…すごく気になるけど、何か顔を真っ赤にして隠したがるお姉ちゃんが可愛いから訊かないでおいてあげよう) 

354 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 22:50:45 ID:dzfOLmEE
簪「一夏、明日には戻ってこれるって」

楯無「そ、そう…。じゃあ、明日のミッションも、今のうちに決めておこうか」

簪「…またお姉ちゃんじゃないよね?」

楯無「い、いやぁ…流石に三度続けてはないでしょ」

簪「二度あることは三度ある、とも言う…」

楯無「まぁまぁ。次はきっと簪ちゃんにスポット当たるって!(割と切実なお願いだよ、これは!)」

楯無「じゃ、じゃあ一夏くんが不在だけど…今ここで次のミッションを決めちゃいま~す!!」

ゴソゴソ

楯無「はいッ! 出ました! 次のミッションは…『>>356』です!!」 

355 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 22:52:22 ID:dzfOLmEE
現時点好感度指数(参考)
鈴    ■■■□□□□□
セシリア ■■□□□□□□
千冬   ■□□□□□□□
楯無   ■■■■■□□□ 

356 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/17(土) 22:53:05 ID:awb63P3w
簪と互いの親類に挨拶に行く 

365 : ◆Xj0T19PFxU:2012/03/25(日) 20:59:38 ID:7XftjBFg
『簪ちゃんと互いの両親に挨拶に行く☆』


楯無(きた! やっときたよコレ!)

簪(…●エプロン、本当に書いたのお姉ちゃんじゃなかったんだね。字体が分かりやすすぎ…)

楯無「ほら、お姉さんの言ったとおりじゃん! 次は簪ちゃんでした! 良かったね!」

簪「…うん」

楯無(…本当はもっとイチャラブ満載のミッションとか拾いたかったのに)

楯無(それらをあらかた消化し終えてから極めつけに入れたんだけど…まぁクジ運に頼った時点で間違いかな)


楯無「はいさーい☆ ではでは次のミッションも決まったことで! あとは一夏くんの到着を待つだけです!」

楯無「今日のところはここまで! 皆さん、お疲れ様でしたー♪」バイバーイ

簪「……」

楯無(…ほら、簪ちゃん。カメラに向かって挨拶、挨拶)コソコソ

簪「え、え…? あああの…お、お疲れ様でした…///」フリフリ

―――――――――
―――――
――― 

366 :今日は一箇所だけ安価出します:2012/03/25(日) 21:04:10 ID:7XftjBFg
~次の日~


楯無「復ッッッ活!! 一夏くん、完全復活!!」

一夏「ど、どうも…」

簪「…おかえり」

一夏「あ、あぁ…」

簪「…大丈夫?」

一夏「まぁな。でも、何か昨日、カレー食ってからの記憶が曖昧なんだよ」

簪「そ、それは…」

楯無「いやー実はカレーにちょっと香辛料きつく入れすぎちゃったみたいでねー。
   辛さがキツすぎて一夏くんが気絶しちゃったときはビックリしたよ」

一夏「え?」

簪(お姉ちゃん…) 

367 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/25(日) 21:06:40 ID:7XftjBFg
一夏「あれ…? そうだったっけ?」

簪「え、ええと…」

楯無「なーに言ってんのよ。実際貧血だったじゃん。
   辛いもんを食べるとね、血行が舌の方に行くから貧血を起こすんだよ(嘘だけど)」

一夏「え? そうなんですか?」

楯無「そうそう♪」

一夏「うーん…でもなんか、よく分かんないけどすごいモンを見たような気がするんだよなぁ」

楯無「え」

簪(一夏…どうしてそういうとこばっか覚えているの…)

一夏「ええと、確かあの時は撮影…はしてなかったけど録音はしているんだよな?
   簪。ちょっと聞かせてもらってもいいか?」

簪「え…?」

楯無「その必要はないよ」

一夏「へ?」

楯無「どうしても思い出したいのなら…たっぷりと思い出させてあげるよ…。
   その身に刻ませてあげよぉかぁ…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

一夏「ひぃッ!? い、いや、やっぱりいいです! 遠慮しておきます!!」 

368 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/25(日) 21:10:30 ID:7XftjBFg
楯無「やーれやれ。ともかく、一夏くんは何も見てないし何も覚えてない。
   だから私の言うことを信じるしかないの。お分かり?」

一夏「は、はい…(なんかこのやり取り、前にもやった覚えがあるんだが…)」

楯無「はいとーゆーわけでー。次のミッションはこちらですー」サッ

一夏「あ、やっぱりまだ続いていたんですね…ええと何々…」

簪「…///」

一夏「…なんですかこれ?」

簪「え…?」

一夏「いや、意味が分からないんですけども。何で両親に挨拶に行くんですか?」

簪「」

一夏「別に見知らぬ間柄でもないのに…でもそういうもんなのかな? 親なんていなかったから分からねぇや」

簪「……」プルプル

楯無「簪ちゃん抑えて抑えて。私はもうとっくに諦めたから」ポン 

369 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/25(日) 21:15:51 ID:7XftjBFg
一夏「ええと…俺には両親がいないから千冬姉の所に行くとして」

楯無「その後は私たちの実家で父さんと母さんに会うことになるね」

簪「…///」

一夏「更識家当主のご両親か…なんか緊張するな」

楯無「そー緊張しないでよ。実際、楯無は私が襲名した時点で、父さんも母さんもあまりお家柄とは関係なくなってるし」

一夏「え? そうなんですか?」

楯無「まー細かいところはあんまし言えないけどね。とにかく、そんなに構えなくても大丈夫だよ」

一夏「そうは言われても…」

楯無「さてさて…まぁ一夏くんに挨拶行かせても、きっと当たり障りのないことを行って終わりになるだろうしなぁ…」

楯無(今の時点では簪ちゃんの押しの弱さ的にも、あまり仲が進展するとは考えづらいし…)

楯無「そこで! 今日のミッションは…」

一夏「ん?」

楯無「一夏くんには私たちの両親に…『>>370』と言ってもらいます!!」 


371 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/25(日) 22:52:45 ID:7XftjBFg
一夏「」

簪「え、あ、えぇ…!?」

楯無「きゃっ…///」

一夏「…すいませんもう一度言ってもらえますか?」

楯無「だーかーらー。一夏くんには私たちの両親に…私たちに愛の告白をしてもらいます!!」

一夏「いやいやいやいやいや! おかしいでしょ!? 挨拶に行くのに何でそんなことを!?」

楯無「はぁ…本当にどうしようもないね君は」

一夏「え」

楯無「鈴ちゃんも言ってたけどね。本当にどうしてそんな風に振舞えるの?
   何でそこまでバカで鈍感で唐変朴で朴念仁で無神経なの? 何、君ってサメ脳?」

一夏「あ、あ、いや、あの」

楯無「本当にさぁ…何かの病気かって勘繰りたくもなるよ。どうしてここまでさせといて気付かないかなぁ…。
   そうやって何も分かってない体をされていたら、いつか刺されても何の文句も言えないからね?」

一夏(な、なんでこんな酷い言われ様されなきゃならないんだ…?)

簪「お、お姉ちゃん…許して、あげて…」

楯無「…はぁ。まあいいや。じゃあちゃんと説明してあげるから、耳かっぽじってよーく聴きなさい」 

372 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/25(日) 22:56:42 ID:7XftjBFg
楯無「いいかい一夏くん。一組の男女がご両親に挨拶に伺うっていう意味…分かる?」

一夏「え…ええと……」

簪「……」

一夏「あー…ド、ドラマとかでよくある展開だと…『お嫁さんを僕にください!』、みたいな…」

楯無「……」

簪「…///」

一夏「な、なーんて…まさかそんなこと

楯無「どぅぁいっ! 正解でーす! やればできるじゃーん!!」パンパカパーン

一夏「え」 

373 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/25(日) 23:05:25 ID:7XftjBFg
楯無「いやー危ない危ない。ここで空気読まずに『友達としていつもお世話になってます』とか
   見当ハズレの事を言い出したら、ミストルテインの槍が火を噴くとこだったよ♪」

一夏「さらっとマジで怖いこと言わないでください! っていうかおかしいでしょ!?
   簪とはただの友達ですよ!? 何でそういうことになるんですか!!」

簪「……」ズキッ

楯無「…勘違いしないでね。何もとっとと恋人になって結婚の許しを貰えって言ってるわけじゃないよ?」

一夏「え?」

楯無「あくまでやって欲しいのは事前演習。ようは、予行練習みたいなもんだよ」

楯無「『ご両親に挨拶に伺う』っていう意味の重さを一夏くんが履き違えているようだから、それを正したかっただけだから」

一夏「えぇ…でもそれ、尚更嘘を言うのは良くないんじゃ…」

楯無「だから嘘を言いに行くんじゃないんだってば。ご両親に挨拶に伺うって言うことはそういう意味なの。
   その意味をちゃんと理解して欲しいだけ。そのパートナーとして、簪ちゃんを同行させたいの」

一夏(えぇー…何かいい様に言いくるめられてる気がしてならないんだけど…)

簪「……」 

374 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/25(日) 23:10:06 ID:7XftjBFg
楯無「ともかく私が言いたいのはそういうこと。ほら、分かったらとっとと行った!」

一夏「えぇー…。はぁ…言い出したら聞かないからな、この人…わかりましたよ、やればいんでしょ」

楯無「うんうん♪ そーこなくっちゃね!」

一夏「そういうわけだから…ごめんな簪。こんなことにつき合わせて…しかも相手が俺でさ」

簪「…いいよ」

一夏「そ、そうか…」

簪「い、一夏となら…!」

一夏「ん?」

簪「あ、あの…だから、一、夏となら、ええと、本当、に…」

一夏「え?」

簪「だ、だから、その…ほ、本当に、そういう、かん、けい、に……」ボソボソ

一夏「おーい簪ー?」

簪「あ、あぅ…///」プシュー

一夏「?」 

375 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/25(日) 23:14:10 ID:7XftjBFg
一夏「簪ー? どうしたー? 何言ってんだか聞こえないぞー?」

簪「ひゃぅぅ…」カァァァ

楯無「……」

ゲシッ

一夏「いて!?」

楯無「ほらほら。一夏くんはとっとと織斑先生を探しに行く」

一夏「え?」

楯無「早く行きなさい!!」

一夏「は、はいぃぃ!?」タッタッタ… 

376 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/25(日) 23:17:01 ID:7XftjBFg
楯無「…はぁやれやれ。本当に困ったもんだ」

簪「…お姉ちゃん」

楯無「んー?」

簪「…なんで、『私たちに告白』、なの?」

楯無「あ…」

簪「……」

楯無「え、ええと…それは、そのぉ…あはははは…」

簪「……」

楯無「…なんでかなぁ。実は私にもよく分からないんだよね。気が付いたら言ってた」

簪「…そう」

楯無「…怒った?」

簪「ううん」

楯無「え?」

簪「だって…選ぶのは、一夏だから」

楯無「…そうだね」 

377 :予想以上に時間がかかってしまったので続きは明日~:2012/03/25(日) 23:20:30 ID:7XftjBFg
簪「…でも」

楯無「ん?」

簪「…お姉ちゃんには、今まで一個も勝てなかったけど」

楯無「……」

簪「…これだけは絶対に負けない。負けたく、ない…!」

楯無「…うん」

簪「…///」

楯無「頑張ってね、簪ちゃん」

簪「お姉ちゃんも…」

楯無「へ?」

簪「…早く、素直になって」

楯無「…ッ」

簪「…それだけ、だから。じゃあ」ステステ

楯無「……」

楯無「やれやれ…敵わないなぁ。簪ちゃんにも、一夏くんにも」 

382 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 21:53:48 ID:00BA2paw
~廊下~

一夏「おぉ簪。遅かったな」

簪「ご、ごめん一夏…」

一夏「まぁいいけどな。こっちはもう千冬ね

ゴスッ

一夏「…じゃなくて、織斑先生には来てもらってるし」

千冬「元気そうだな更識妹。いつぞやはウチのバカが世話になったな」

簪「いえ…」

一夏「ええと、じゃあ面会も挨拶も済ませたしこんなところか?」

簪「え…?」

千冬「またこのバカは…」ハァ…

一夏「今更仰々しく接するまでもないだろ。ちふ…織斑先生もそれでいいですよね?」

簪「え、いや、ええと…」オロオロ

千冬「…未だに世話をかけているようで申し訳ないな」 

383 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 21:57:34 ID:00BA2paw
一夏「じゃあそういうことですので、俺たちは失礼します。次行こうぜ、簪」

簪「ま、まって一夏!」

一夏「ん?」

千冬(お?)

簪「い、一夏が…お父さんたちに、言うなら…」

一夏「え?」

簪「わ、私も…言わなきゃ、ダメ、だと、思う、の…///」

一夏「はい?」

簪「だ、だから、その…」クルッ

千冬「……」

簪「…///」 

384 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 22:00:23 ID:00BA2paw
一夏「お、おい簪? お前、何を言って

千冬「黙ってろバカ者」

一夏「え…」

簪(は、恥ずかしいし…怖いけど…)

簪(でも…)

簪「…一夏」

一夏「ん?」

簪「手…出して」

一夏「え? こうか」スッ


ギュッ


一夏「え…?」

簪(一夏と一緒なら…大丈夫!) 

385 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 22:03:26 ID:00BA2paw
簪「お、織斑先生!!」

千冬「何だ。更識いも…いや、更識簪」

簪「あ、あの…!」

千冬「……」

簪「え、ええと、その…あぅ…」

千冬「……」

一夏「…?」

簪「わ、私に…いや…」

一夏「?」



簪「わ、私を…一夏の、お嫁さんに、して、くださ……ぃ…///」カァァァァァァ 

386 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 22:10:01 ID:00BA2paw
一夏「え…」

簪「///」プシュゥゥゥゥゥゥ…

一夏「か、簪? お前、何言って


ドゴスッ


一夏「いってぇぇ!?」ズキズキ

千冬「…更識簪」

簪「は、はぃぃ…」バックンバックン

千冬「…その、なんだ」

簪「え…?」ドキドキ

千冬「こんな不良債権でよければ、遠慮なく貰っていってくれ」

簪「あ…」ドクン

一夏「ひ、ひでぇ…不良債権て…俺が何をしたっていうんだよぉ…」ヒリヒリ… 

387 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 22:16:55 ID:00BA2paw
簪「あ、ありがとうございます! お、おお織斑先生!」

千冬「違うな」

簪「え?」

千冬「…私のことは、『千冬義姉さん』と呼んで貰おうか」

簪「え!?」

一夏「はぁ!?」

千冬「まぁ冗談だが…しかし何だ。一度呼んでみてくれないだろうか?」

一夏「ちょ、ちょっと何言ってんだよ千冬ね

ドギャスッ

一夏「」ポテ…

千冬「…こんな呼ばれ方くらいしかされないもんでな」

簪「じゃ、じゃあ…ち、千冬…義姉……」

千冬「……」

簪「…ちゃん///」

千冬「…!」ズッキューン 

388 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 22:23:43 ID:00BA2paw
簪「ご、ごめんなさい…最近、お姉ちゃんのこと、こう呼んでばかりだから、その…」オロオロ

千冬「…いや、いい。いいぞ。よくやってくれた」ガシッ

簪「え…?」

千冬「お前ならいつでも歓迎する。その時が来れば、いつでも来い」

簪「は、はい!」

千冬「ほら織斑。いつまで横になっている。さっさと更識妹を送り出せ」ゲシッ

一夏「ぐへ!?」

簪「だ、大丈夫、一夏…?」

一夏「な、何とかな…(福音戦で死にかけた時にみた女の子がまた見えたけど…)」

千冬「とっとと油売ってないで行って来いバカ者。ご両親に挨拶してこい」

一夏「へいへーい…じゃあ行こっか、簪」

簪「あ、うん…///」

千冬「私に恥をかかせるなよ」

一夏「そんなプレッシャーかけないでくれよ…。じゃあちょっと行って来る」 

389 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 22:29:23 ID:00BA2paw
千冬「…お姉ちゃん、か。いい響きだな…」

千冬「簪…中々いい娘じゃないか…あの5人は少々アクが強いからな…」

千冬「やはり義妹として持つとしたら、ああいった大人しい娘に限るな…うんうん」

千冬「……」

千冬「待てよ…?」

千冬「もし一夏があの娘と結婚したら…姉の方も私の義妹ということになるな…」

千冬「…ないな」

千冬「あいつは…束のバカと同じ匂いがする…妹だなんてまっぴらゴメンだ…」

千冬「うーむ、どうしたものか…」

―――――――――
―――――
――― 

390 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 22:35:24 ID:00BA2paw
~行きのモノレール~

一夏「…さっきは何であんなことを言ったんだよ? ちょっとビックリしたぞ」

簪「い、いや、ええと…///」

一夏「…律儀な奴だな」

簪「ふぇ!?(う、嘘!? 一夏、もしかして、きき、気付いて…!?)」ドキドキ

一夏「真似事でも俺がお前の両親に言うからって…お前まで合わせる必要ないんだぞ?」

簪「」

一夏「あっはは。まぁいいけどな。だってこれは予行演習みたいなもん

ベシッ

一夏「いってぇ!? あ、頭はたくなよ! さっき殴られた腫れ、まだひいてないんだからな!?」

簪「…ふんだ」プイ

一夏「な、何なんだよもう…」

一夏(というかこういう反応もやっぱ姉妹だな…やっぱり何で怒ってるのかは分からないけど) 

391 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 22:42:02 ID:00BA2paw
~更識邸前~

一夏「で、でっけぇ…なんて門構えなんだ…」

簪「うん…」

一夏「うぅ…なんか今更ながら、すごく緊張してきたぞ…」

簪「う、うん…///」

一夏「と、取りあえず挨拶しないとな」スッ

簪「い、一夏! インターフォン鳴らしちゃダメ!!」

一夏「え?」ポチッ


ドスドスドス


一夏「ひぃぃぃぃ!?(ど、どこからともなく竹槍が降ってきたぁぁぁ!?)」

簪「ご、ごめん…ウチ、暗殺部隊を相手にしている家業だから…。
  侵入者用のトラップが、家の至る所に施されていて…」

一夏「何そのビックリ忍者ハウスみたいな仕様は!?」 

392 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 22:48:01 ID:00BA2paw
簪「…ちょっと待ってて。ちゃんとした入り方があるから」

コン…コンコン…コツーン…

一夏「モ、モールス信号か? よく分からないけど」

簪「それもある。それと、トンツーとかを組み合わせた、更識家のトーンシグナル。
  これがないと、家に入れない」


『…簪か』


一夏(門の向こうに誰かいる?)

簪「…ただいま、帰りました」

『その隣の男は?』

簪「織斑一夏くんです。前に話した、私を助けてくれた人です」

『…そうか』

一夏「ちょ、ちょっと簪…この人、まさか…」ヒソヒソ

簪「うん…お父さん」

一夏「えぇ…い、いきなりかよ…」 

393 :更識夫婦は完全オリキャラになるよねコレ…:2012/03/26(月) 22:54:53 ID:00BA2paw
『織斑一夏くん、だったね?』

一夏「は、はい! 織斑一夏です! タッグマッチの時、娘の簪さんにはお世話になりました!」

『…礼儀正しいな。この頃の男子にしては好感が持てる』

一夏「は、はい…」

『門を隔てた会話というのも失礼だ。あがってきなさい』


ギィィィ…


一夏「おぉ…」

更識父「紹介が遅れたね。簪と…楯無の父だ。いつも娘たちが世話になっている」

一夏「い、いえ! こちらこそ、世話になりっぱなしです!」

更識父「…聞いたとおり面白い子だ。何も準備してないが、あがっていきなさい」

一夏「はい! あ、ありがとうございます!」

一夏(…箒のお父さんみたいに厳格だけど…何となく柔らかい物腰の人だな) 

394 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 22:58:07 ID:00BA2paw
~更識邸:客間~

一夏「すげぇな…客間だけで何畳あるんだよ…林間学校の時の食堂くらいはあるぞ…」

簪「う、うん…」


ガララッ


更識父「…待たせてしまったね」

更識母「あらあら、この人が簪ちゃんの彼氏さぁん? いい男ね!」ポヨヨン

更識父「か、母さん…」

一夏「か、彼氏って…」

更識母「はじめまして~簪ちゃんたちの母で~す♪ 今はこの人の、妻をやってま~す☆」キュピッ

一夏(に、似てる…! 楯無さんに…すごく似てる!! 色んなところが…!)

一夏(な、何よりも…その圧倒的なボリュームとか…)ゴクリ

簪「……」ムスッ

バシッ

一夏「いってぇ!? だから叩くなよ簪!」 

395 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 23:04:51 ID:00BA2paw
更識父「こらこら簪。行儀が悪いぞ」

更識母「あらあらウフフ…男の子ねぇ…でも残念でした☆ 私にはこの人しかいないから!」ムギュッ

更識父「お、おいおい母さん…///」

一夏「あ、あはは…」

簪「……」ジィー

更識母「うふふ~照れちゃって~フゥっ♥」プニュプニュ

更識父「うわぁ!? や、やめなさい、こら!」

簪「……」チンマリ

簪「…大きくなるもん」グス

一夏「?」 

396 :お風呂~:2012/03/26(月) 23:10:59 ID:00BA2paw
更識父「か、母さん。客の前だぞ…」

更識母「もぉ~ダーリンったらつまんな~い。いいじゃな~い、将来の義理の息子さんの前だし~」クネクネ

更識父「ば、バカいっちゃいかん! 学生のうちは、健全な付き合いをだな!」

一夏「…いつもこんな感じなのか?」

簪「だいたい…今日はお母さん、とくに機嫌いいみたいだけど」

更識父「す、すまない一夏くん…。見苦しいところを」

一夏「い、いえ…仲がいいのは、いいことですから」

更識父「面目ない…で、今日はよく来てくれたね」

一夏「え?」

更識父「聞いたよ。学園に襲撃してきたISから、娘たちを守ってくれたのだろ?」

一夏「そ、そんな…。だって、最終的には追っ払ったのは、楯無さんの方ですよ?」

更識父「それは君が果敢に先陣を切って、敵の注意を惹きつけてくれたからだとあの子が言っていた。
    娘たちを、身を挺して庇ってくれた…。本当に、親として感謝してもしきれない」

更識父「だからこの場を借りて…正式にお礼を言わせてくれ。ありがとう、織斑一夏くん」フカブカ

一夏「い、いや…そんな…あはは…」テレテレ 

397 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 23:42:26 ID:00BA2paw
更識母「もぉ~ダーリンてば相変わらず堅物ね~」

更識父「…お前が柔らかすぎるんだ」

更識母「あっはは♪ …でもまぁ、私だって一夏くんには感謝してるわよ」

一夏「え?」

更識母「君のおかげで…娘たちの関係が明るくなったわ。母親として、やっぱり姉妹には仲良くして欲しいもの」

更識母「簪も、前よりもっと笑うようになった。本当にありがとうね、一夏くん」ニコッ

一夏「あ…(本当に親子だなぁ…言動とか、笑顔とか…まんま楯無さんだ…)」

簪「……」 

398 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 23:51:03 ID:00BA2paw
更識母「だから、そんな一夏くんが我が家に来てくれて本当に嬉しいわ!
    簪ちゃん、いい男を彼氏に持ったわね! 流石は私の娘!」

一夏「い、いや、あの…」

簪「…お母さん、違うの」

更識母「へ?」

更識父「む?」

簪「私と一夏は…友達。…まだ」

一夏「あ、あぁ…そう、なんですよ…ははは…」

更識父「な、なんだそうだったのか…恥ずかしい早とちりをしてしまったな」

一夏「えぇ、まぁ…あはは…」

更識母「…うふふ♪」

一夏「ん?」 

399 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 23:54:13 ID:00BA2paw
更識父「どうかしたのか、母さん?」

更識母「べっつにぃ~♪」ジィ

簪「…///」プイッ

更識父「?」

一夏「?」

更識母(まだ、かぁ…可愛いわねぇ)

更識母(母としてはちょっと残念だけど…でも、男を見る目はあるようで安心したわ)チラッ

一夏「ん?」

更識母「…ふふっ」パチッ☆

一夏「??」 

400 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/26(月) 23:58:12 ID:00BA2paw
更識父「…そうだったのか。では、何で今日は家に? 勿論、来てくれただけでも嬉しいが」

一夏「え…い、いや、なんと言いますか、その…」ダラダラ

更識父「?」

更識母「?」

一夏(ど、どうしよう…友達だと公言した後で愛の告白なんて…おかしすぎるだろ…)

一夏(い、いや待て待て…楯無さんも言ってたじゃないか…これはあくまで練習みたいなものだって)

一夏(というか、楯無さんの実家なんだから…あとで楯無さんから事情は言ってくれるだろう、うん)

一夏(よしっ…そうと分かれば…)

一夏「あ、あの! 今日は大事な話があって来ました!」

更識父「む」

更識母「あら?」

簪「…///」 

402 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/27(火) 00:02:04 ID:Op0/6SbA
一夏「え、ええと…友達だと言った後でこんなこと言うのって、変かもしれませんけど…。
でも俺、2人の娘さんには…本当にお世話になってて…!」

一夏「簪も、何だかんだあったけど俺を信じてくれて…戦ってくれて…。
   俺自身も、すっごくその姿に勇気付けられて…」

簪「…///」

一夏「楯無さんもその…色々と振り回されてばかりだけど、でもやっぱり助けられたりもして…。
   すごく強くて凛々しい姿勢に、憧れとかあって…」

更識父「……」

更識母「……」

一夏「ええと、その…つ、つまり俺が言いたいのは…」


一夏「お、お2人の事は(友人としても先輩としても)本当に好きですから!!」


更識母「…!!」

簪「…///」

更識「……」

一夏「そ、そういう(設定な)感じでして…はい」 

403 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/27(火) 00:06:58 ID:Op0/6SbA
更識母「……」

更識父「……」

一夏「と、突然こう言ってすみません…いくらまねg

ガタッ

一夏「え…」

更識母「…使用人たち、集合!! すぐに宴の準備を!!」パンパン

一夏「え、あの、ちょ

更識母「もちろん料理は満漢全席だからね! 和洋中際限なくじゃんじゃん持ってきなさい!
    あ、赤飯は忘れちゃだめだからね!!」

一夏「え、ええと…これは、その

更識母「今日はとことん盛り上がるわよ! 蔵に引っ込んでるお酒、全部引っ張り出しちゃいなさいな!!」

一夏「え、えぇ…!?」 

405 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/27(火) 00:11:05 ID:Op0/6SbA
~しばらくして~

ワイワイガヤガヤ

更識母「あっひゃっひゃっひゃ!! 今日は何ていい日なのかひら! ほら、もっほ飲んで///」

更識父「母さんみっともないぞ…昼間から」

更識母「あぁ~ん? あたいの酒が~飲めねぇってぇのかぁぁぁん? そんな奴はぁ…こぉだぁ!」ベロン

更識父「ひぃ!? や、やめなさい!!」

一夏「な、なんだこの状況…」

簪「一夏…」

一夏「も、もしかして…勘違いされてる!?」

簪「バカ…」

一夏「ど、どうしよう…いまさら間違いでした、なんて言える状況じゃないし…」

簪「…ふふっ」

一夏(な、何で嬉しそうなんだよ簪…) 

406 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/27(火) 00:16:23 ID:Op0/6SbA
更識父「あぁ~一夏くん、ちょっと来なさい」クイクイ

一夏「え?(顔真っ赤だ…)」

更識父「話したいことがある」ヒック

一夏「ひぃ!?(やばい…! まさか、バレた…!?)」

更識母「あぁ~ん…ダーリンのいけずぅ~! もっとお酒注いでよ~!」プンプン

更識父「使用人にやってもらいなさい。ああ簪。あまり母さんが飲み過ぎないように見張っていなさい」

簪「…はい」

更識父「私は一夏くんと話がある。ちょっと廊下で悪いが、出てもらえないだろうか」

一夏「は、はい…(怖ぇー…)」

―――――――――
―――――
――― 

407 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/27(火) 00:23:11 ID:Op0/6SbA
更識父「さて…分かっているとは思うが、話というのはさっき君が言っていたことだ」

一夏「あ、あの…あれは、その…」ドギマギ

更識父「…楯無の差し金か?」

一夏「え…?」キョトン

更識父「…やっぱりな」

一夏「な、なんでその事を…?」

更識父「あの子には…昔から手を焼いていたからな」

一夏(く、苦労人だったんだこの人…!)

一夏(考えてみればそうだよな…普段から2人の楯無さんを相手にしていたようなもんだから…。
   その心労は、俺なんかの非じゃないはずだ…!)

更識父「君も大変だね…気持ちは分かるよ」ポン

一夏「あ、ありがとぉございますぅぅ…」オイオイ



※織斑一夏が本当の意味で理解者に出会えた瞬間である 

408 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/27(火) 00:25:31 ID:Op0/6SbA
更識父「なんとなく予想はついたが…やはりだったか。母さんには私から言っておくから、安心したまえ」

一夏「は、はい…何だかすいません…俺の所為で」

更識父「ははは。気にするな」

一夏「あははは…」

更識父「…しかし」

一夏「ん?」

更識父「私は君になら…2人を本当の意味で任せてもいいと思ってる」

一夏「え…?」 

409 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/27(火) 00:31:20 ID:Op0/6SbA
更識父「簪のことは勿論だ。君には色々な意味で救われた。
     姉との蟠りも完全に氷解して…本当の意味で家族の一員になれて良かった」

更識父「内気ではあるが、あれはあれで芯の強い立派な娘だ。
     でも…だからこそ、誰かが傍で支えてあげた方がいい」

更識父「傍で誰かが手を引いて守ってやれれば…あの子は姉に負けないくらい、強い子になれるはずだ」

一夏「……」

更識父「対して楯無の方だが…こっちは簪とは反対だ」

一夏「え…?」

更識父「大胆そうに見えてあの子は意外に繊細だ。それを他人に悟らせないほどの器用さは持ち合わせているが…」

更識父「だがあの子は…何もかも背負いすぎる。名前も、実力も、期待も、すべてを請け負いすぎている。
     それをやり込めてしまうのはあの子の才能と努力の成果だが…やはり親としては不安は大きい」

更識父「あの子の傍にいられるのは…同じ土俵に立ち、渡り合え、信頼できるものだけだ。
     それが出来る男子は…君を置いて他にいないだろう」

一夏「そ、そんな…買いかぶりすぎですよ。俺なんて、まだ」

更識父「いいや。実際、あの子は君に一目も二目も置いている。本当だとも。自信を持ちなさい」

一夏「……」 

410 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/27(火) 00:36:43 ID:Op0/6SbA
更識父「…親として不甲斐ないばかりだが、それでもやはり、君にはこれからも2人を支えて欲しい」

一夏「……」

一夏(両親と挨拶するって…本当に大切なんだな)

一夏(ちょっとだけ分かったよ、楯無さん…)

更識父「…お願いできるかな?」

一夏「…はい! もちろんです!」

一夏「まだまだ俺は未熟ですが…それでも、2人は大切であることには変わりませんから」

一夏「だから全力で…これからも守らせてください!!」

更識父「…ああ。こちらこそ、不肖な娘たちを頼む」

更識父「…やはり今日はいい日だ。君に会えてよかった」

一夏「…はい。俺もです」

更識父「ふふっ…姉妹を堂々と任してしまうとは…二股を許してるみたいで気が引けるが、
     君ならいいと思えるから不思議だ」

一夏「え、ええ!? だ、だからあれは、その…」

更識父「はははは、冗談だとも」

一夏(や、やっぱりちょっと酒入ってるな…) 

411 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/27(火) 00:42:54 ID:Op0/6SbA
更識父「ああそうだ。君に大事なことを1つ教えてあげよう」

一夏「え?」

更識父「本来こういうのは門外不出なんだが…是非君には知って欲しい」

一夏「な、何ですか?」

更識父「名前だよ。あの子の…今の更識楯無の、本当の名前だ」

一夏「え…?」

更識父「もし君にその気があるのなら…ありのままのあの子を、受け入れて欲しい」

更識父「更識家当主でもない、楯無という看板ではない…ただ1人の少女であるあの子を…見てやってくれ」

更識父「あの子には…もっと年頃の恋をしながら、己の道を歩んでいってもらいたいんだ」

一夏「俺でいいんですか?」

更識「…君でなければだめだ。もちろん強要はしないが」

一夏「…分かりました。お願いします」

更識「ありがとう…では教えよう。あの子の本当の名は…

―――――――――
―――――
――― 

412 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/27(火) 00:45:13 ID:Op0/6SbA
~しばらくして、更識邸前~

更識母「うわ~ん…もぉ帰っちゃうのぉ…」ベロンベロン

更識父「まったくみっともない…着物ずれてるぞ」クイッ

更識母「きゃっ…♥ もぉん…ダーリンの●●●ぃ☆」

更識父「何を言っとるんだお前は…」

一夏「あ、あはは…」

簪「お母さん…」ハァ…

更識父「こんな見送りですまないね」

一夏「い、いえ…ご馳走になっちゃってすみません」

更識父「ははは。いつでも来なさい。歓迎するよ」

一夏「は、はい!」

更識母「次くるときは、孫の顔も見せてね~♪」フリフリ

更識父「こ、こら母さん!!」

一夏「あははは…」
―――――――――
―――――
――― 

413 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/27(火) 00:48:19 ID:Op0/6SbA
~帰りのモノレール~

簪「…うちの両親(主に母)が、ごめんなさい」

一夏「いや…ちょっと羨ましいよ」

簪「…ねぇ一夏」

一夏「んー?」

簪「一夏の親の事、同情するわけじゃないけど…」

一夏「……」

簪「でも、一夏なら…きっと、いい家庭を築ける」

一夏「……」

簪「そう、思える。一夏なら」

一夏「…ありがとな、簪」

簪「…うん///」 

414 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/27(火) 00:50:40 ID:Op0/6SbA
簪「…ねえ一夏」

一夏「ん?」

簪「ちょっとだけ、目をつぶってて」

一夏「へ? ああ、分かった」スッ

簪「…///」


チュッ


一夏「!!??」

簪「…お、お礼」

一夏「へ…?」

簪「お、お礼、だから…」

一夏「あ、あぁ……そっか」

一夏(頬にキスとは言え…簪、大胆なことするなぁ…楯無さんにもやられたけど…てか何のお礼なんだ?)

簪(う、うぅ…お姉ちゃんに対抗してやってみたけど…これ、死ぬほど恥ずかしい…///)グツグツ 

415 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/27(火) 00:54:07 ID:Op0/6SbA
~生徒会室~

楯無「お、戻ってきたね」

一夏「ただいま戻りました」

簪「…///」

楯無「…ふむふむ。その様子だとミッションは達成されたようだね。じゃ。コンプリートおめでとー!」パンパカパーン

一夏「へ? カメラを通して見てたんじゃないですか?」

楯無「いやーそれがさー。撮影班の子が家のトラップに引っかかっちゃって…途中から収録できなかったの」

一夏「あぁー…」

楯無「かといってミッション中に水を差すような真似をしたくないしね。ま、何はともあれお疲れさん!」チラッ

簪「…!」ババッ

楯無(ふむふむ…何だかんだで積極的にいけたみたいね。良かった良かった)

楯無(…まぁ、私としてはちょっと複雑だけどね。もっと素直になってね、か…)

楯無「さてさて! では張り切って次のミッションに行きましょー!」ゴソゴソ



楯無「パンパカパーン! 発表します…! 次のミッションは…『>>417』です!!」 

417 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/27(火) 00:54:54 ID:Op0/6SbA

現時点好感度指数(参考)
鈴    ■■■□□□□□
セシリア ■■□□□□□□
千冬   ■□□□□□□□
楯無   ■■■■■□□□ 
簪    ■■□□□□□□ 


419 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/27(火) 01:00:05 ID:MISY9qSs
シャルと一緒にお風呂 

427 : ◆Xj0T19PFxU:2012/03/29(木) 21:02:58 ID:S9Om..k6
『シャルロットと一緒にお風呂に入る』


一夏「」

簪「」

楯無「…うわぉ」

一夏「ま、マジかよ…」

簪「い、意義あり…!」

一夏「え…?」

楯無「お、珍しいね簪ちゃん。そこまで必死になるなんて」

簪「こ、こんなの、ダメ…! 絶対に、ダメ…!」

楯無「何でかな、簪ちゃん」

簪「だ、だって…え、ええ●●●ぃのは…ダメ、なんでしょ…?」

楯無「まぁそうだね」

簪「だから…! このミッションは、無効…!」

楯無「うーん…なんかそれもぉ…つまらないよね」

簪「なッ…!?」 

428 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 21:11:57 ID:S9Om..k6
楯無「まぁ確かにーこのイベントは健全であることがもっともだけど。
    だからといって即無効、っていうのは面白みに欠けるよ。
    せっかくの生徒からの要望に、あまり制限を設けたくないし」

簪「な、何言ってるの…! だ、だって! いいいい一緒に、お風呂、なんて…!」

一夏「うぅ…///」

楯無「…一夏くん。なに鼻の下伸ばしてんの」

一夏「いぃ!?」

簪「一夏…!」キッ!

楯無「まぁまぁ簪ちゃん。こういうミッションもね。捉え方だよ」

簪「え…?」

楯無「任務の指定は一緒に入浴するまで、でしょ? 何も裸の付き合いしろって言うんじゃないんだから」

簪「あ…」

一夏「お、おぉ…」

楯無「というわけで、一夏くんと…ええと、シャルロットちゃんだったね。
    お2人には水着の着用を義務付けまーす。これは絶対でーす♪」 

429 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 21:13:04 ID:S9Om..k6
楯無「じゃあミッションの内容はねー。身体を洗ったあと、湯銭に浸かって100までカウントしたら終了!」

楯無「ミッション・コンプリート宣言はこっちの方でしてあげるから! ゆっくり暖まってね!」

楯無「じゃあ、レッツ☆スタート!」

一夏「……」ホォ…

簪「…一夏」

一夏「な、何だよ…?」

簪「もしかして…残念がってない?」

一夏「いぃ!? そ、そんなわけあるか! ホッとしてただけだ!」

簪「……」ジトー

一夏「な、何だよ簪その冷めた目は…」

簪「…変態」

一夏「うぅ…(簪に言われると…なんかショックだ…)」

―――――――――
―――――
――― 

430 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 21:18:27 ID:S9Om..k6
~廊下~

シャル「いーちかっ♪」

一夏「おぉシャル…って、もう準備してたのか」

シャル「うん! やっと僕の番が巡ってきたからね!」

一夏「そ、そうか…(何でそんなに嬉しそうなんだ…?)」

シャル「あれ? 一夏、まだ準備してないね」

一夏「あぁ。先にお前を探しておこうと思ってな」

シャル「そ、そっか…僕を優先してくれて…えへへ///」

一夏「?」

シャル「な、何でもないよ! じゃあ一夏の部屋に行こっ! 準備しなきゃね!」

一夏「え? いや、いいよ。お前は先に浴場に―――」

シャル「いいから行くの!」

一夏「お、おう…」

―――――――――
―――――
――― 

431 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 21:22:24 ID:S9Om..k6
~男子大浴場~

シャル「うわぁ…ここに来るのも久しぶりだね」

一夏「あぁ、そういやお前は一度入ったきりだっけ」

シャル「そうだねぇ。向こうの方はこっちよりも広いかな」

一夏「そりゃそうか(男1人が入るにしても広すぎるからなぁ…ここは)」

シャル「じゃあ準備しようか」ヌギヌギ

一夏「いぃ!? シャ、シャル! ここで脱ぐなよ」

シャル「え?」

一夏「あ、あれ…?(制服の下に既に水着…どんだけ準備いいんだよ…)」

シャル「…一夏。ひょっとして、期待してた?」

一夏「そ、そんなわけないだろ! いきなりだったらビックリしただけだ!」

シャル「…ふぅん」

一夏「な、何だよ…」

シャル「…一夏の●●●」

一夏「う、ぐッ…(チクショウ…簪といい、何でそんな風に言われなきゃならないんだ…)」 

432 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 21:26:34 ID:S9Om..k6
シャル「どうしたの一夏? 脱ぎなよ」

一夏「い、いや、その…」

シャル「?」

一夏「…シャル。先に入っててくれよ」

シャル「え? あ、そうか。一夏はまだ着替えてないのか」

一夏「そういうことだ」

シャル「でも、ここで着替えるの?」

一夏「あぁ。そのつもりだけど?」

シャル「いいの? だって、撮られてるんでしょ?」

一夏「あ…!」

シャル「もう。だからあらかじめ着替えておけばよかったのに」

一夏「ト、トイレで着替えてくる…」

シャル「うん。先に入ってるね~」 

433 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 21:30:24 ID:S9Om..k6
シャル「久しぶりに来たけど、やっぱり変わってないなぁ」

シャル「…できれば、ここはもう一度来たかったんだよね。色々と思い出があるから」

シャル「一夏に…初めて、本当の名前で呼んでもらった場所だから」

シャル「一夏…///」

シャル「……」

シャル「本当は、一夏になら…僕の裸、見せても良かったのに…」

シャル「って、何言ってんだろ僕は―――

一夏「うぃーっす。お待たせー」ガララッ

シャル「うわぁ!? い、いきなり驚かさないでよ一夏!」

一夏「え? あ、あぁ…すまん」

シャル「もぅ…ビックリしたんだからね!」

一夏「お、おぅ。ところで、さっきなんか言ってなかったか?」

シャル「へ!? なななななななな何も言ってないよ! 一夏の●●●!」ブンブン

一夏「えぇー…なんかひでぇなぁ…」 

434 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 21:40:30 ID:S9Om..k6
一夏「うっし。まずは体を洗うか」

シャル「そうだね」

一夏「じゃあシャルはそっちで洗ってくれ。俺はこっち使うから」

シャル「…一夏」

一夏「ん?」

シャル「ええと…背中、流そうか?」

一夏「え?」

シャル「洗いっこ…しない?」

一夏「あぁー…別にいいけど」

シャル「ほんと!?」

一夏「あぁ。それくらいなら」

シャル(やった♪)

一夏(洗いっこかぁ…いつ以来かなぁ。懐かしいや) 

435 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 21:44:15 ID:S9Om..k6
シャル「じゃあまずは僕が洗ってあげるね」

一夏「あぁ。頼む」

シャル「一夏…背中、広いね」

一夏「そうか? 普通だと思うけどな」

シャル「ううん。何だかガッチリしてて…ゴツゴツしてる」

一夏「それ…褒めてるのか?」

シャル「もちろんだよ。男らしくて、かっこいい」

一夏「あはは。まぁ普段から鍛えられてるからな」

シャル(本当に…かっこいいなぁ…)ポー

一夏「シャル?」

シャル「え…? あ、ごめん! 今洗うから!」

一夏「お、おぅ…」 

436 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 21:49:51 ID:S9Om..k6
シャル「どうかな、一夏?」キュッキュッ

一夏「うーん…もう少し強くできないか?」

シャル「えぇー…これでも結構力入れてるんだけどなぁ…えい!」ゴシッ

一夏「うぉぅ…まぁ、それくらいで頼む」

シャル「これ…意外に疲れるね」

一夏「あははは、そんなものかな。まぁ無理はしないでいいよ」

シャル「ダメだよ。ちゃんと垢を落さなきゃ」

一夏「別に気にしないけどな」

シャル「ダーメ。ここには女の子しかいないんだから、もっと清潔感に気を使わなきゃ。
     病気の原因にもなるしね」

一夏「わかった。頼む」

シャル「うん!(うふふ…♪ なんだか、奥さんみたいだなぁ…)」ゴシゴシ

一夏(さっきから同じところを擦られて…痛くなってきた)ジンジン 

437 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 21:54:08 ID:S9Om..k6
一夏「…なぁシャル」

シャル「なーにー?」ゴシゴシ

一夏「え、ええと…そろそろ、別のところ洗ってくれると嬉しいんだが」

シャル「へ? あ、ごめん! 赤くなってるよ!」

一夏「あはは…頑張りすぎだぞ、シャル」

シャル「ごめんね…痛くない?」

一夏「おおげさだな。ほっとけば大丈夫だよ」

シャル(浮かれすぎちゃった…ごめんね、一夏…)

シャル「……」


ペロッ


一夏「いぃ!?」

シャル「ん…んん…」チロチロ 

438 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 21:55:38 ID:S9Om..k6
一夏「シャ、シャル!? 何やってんだよ!?」バババッ

シャル「うわ!? ご、ごめん…日本じゃ、怪我をしたら舐めて治す風習があるってきいたから…」

一夏「いや、それって大昔の話だぞ…?」

シャル「へ…? そ、そうなの!?」

一夏「まったく…驚かせるなよ」

シャル「ご、ごめん…」

一夏(うぅ…前の風呂場のときもそうだけど、シャルって変なところで大胆だからなぁ…///)

シャル(ちょっとだけ間違っちゃったけど…一夏、何だか僕のこと意識してるみたい)

シャル(なんだか嬉しいかも、だなんて…えへへ///)

一夏「じゃあ、続き頼む」

シャル「あ、うん。そうだね」 

439 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 21:59:14 ID:S9Om..k6
シャル「どうかな」ゴシゴシ

一夏「あぁ。気持ちいいよ」

シャル「ふふふっ。良かった」

一夏(人に洗われるのって…意外に気持ちいいんだな。久しぶりだったから分からなかったよ)

シャル「痒いところ、ありませんか~?」ゴシゴシ

一夏「あははは。それって、頭洗う時の台詞じゃないのか?」

シャル「細かいところはいいんだよっ」

一夏「うーん。今は特にないかな」

シャル「そっかぁ。残念」

一夏「背中はそれくらいでいいんじゃないか」

シャル「あ、本当だ。じゃあ流すね」


バシャァ


シャル「はい、おしまい」

一夏「よしっ。じゃあ次は俺か」 

440 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 22:03:56 ID:S9Om..k6
シャル「じゃあお願いね」

一夏「力加減とかよくわからないから、言ってくれな」

シャル「うん!」

一夏「ええと…これくらいか?」ギュッ

シャル「ちょ、ちょっと強いかなぁ…」

一夏「えぇ…だいぶ抑えたつもりなんだけどなぁ…」

シャル「だめだよー女の子の肌はデリケートなんだからね?」

一夏「うーん…じゃあ、これくらいか」スッスッ

シャル「うーん…ちょっと弱いかな」

一夏「む、難しいな…」キュッキュッ

シャル「あ、それちょうどいい」

一夏「本当か? 良かった」

一夏(うーむ…女って、体洗うのも大変なんだな)

シャル(お風呂で体洗われるのって…いいなぁ。一夏が、僕のことを気遣ってくれるのがよくわかるもん)

シャル(…なんだか嬉しい♪) 

441 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 22:08:12 ID:S9Om..k6
一夏「よしっ。だいぶコツを掴んできたぞ」キュッキュッ

シャル「うん、上手いよ」

一夏「痒いとこ、ありませんかー?」キュッキュッ

シャル「あはは。何それ」

一夏「シャルの真似」

シャル「うーん…そこより左上が、ちょっと痒いかも」

一夏「了解。左上だな」

グイッ

一夏「え!?」

シャル「うわ!?」

一夏(ま、まずい! 指に、水着の結び目が引っかかった!)


ハラッ


シャル「あ…///」 

442 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 22:12:13 ID:S9Om..k6
一夏「ご、ごめん!」プイッ

シャル「も、もぉ…一夏の●●●」

一夏「わ、わざとじゃないんだ! 本当にごめん!」

シャル(…そんなに目を背けなくてもいいじゃん)プクー

一夏「と、とりあえず俺は向こう見てるから…お前、早く直してくれよ」

シャル「……」

一夏「シャ、ル…?」

シャル「ねぇ一夏」

一夏「な、なんだ?」

シャル「一夏に、直してもらいたいな」

一夏「えぇ!?」

シャル「外しちゃったのは一夏だし」

一夏「え、えぇ…それは、そうだけど…」

シャル「じゃあお願い」

一夏「う…(なんでノリノリなんだよ…)」 

443 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 22:19:01 ID:S9Om..k6
シャル「はい、どうぞ」

一夏「お、おぅ…(シャルの背中…綺麗だな)」

シャル(背中だけとはいえ…裸を見られるのは恥ずかしいな///)

一夏「じゃ、じゃあ、いくぞ?」ドキドキ

シャル「う、うん…」バクバク

一夏「……」ゴクリ


スッ…ピトッ


シャル「ひゃっ!?」

一夏「うぉ!? い、いきなり声を出すなよ…」

シャル「ご、ごめん…続けて」

一夏「ええと…じっとしててくれ」クイッ

シャル「…うん///」

キュッ

一夏「ふぅ…終わった(なんかドッと疲れた…)」 

444 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 22:19:49 ID:S9Om..k6
一夏「シャル、終わったぞ」

シャル「///」ポー

一夏「…シャル?」

シャル「えぇ、あ、ごめん! お、終わった!?」

一夏「あ、あぁ…」

シャル「そ、そっかありがと…じゃあ、続きお願い」

一夏「わ、分かった…」キュッキュッ

一夏(シャルの奴…なんであんなにボーっとしてたんだろう?)

シャル(うぅ…さっき、一夏が僕の水着を直してくれた時に…)

シャル(まるで…お、お姫様に、ネックレスをかけてくれる王子様みたい、って想像してたなんて…)

シャル(あぅぅぅ…! は、恥ずかしいよぉぉ…!)ブンブン

一夏「?」 

445 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 22:25:21 ID:S9Om..k6
一夏「流すぞー」

シャル「う、うん…」


バシャァ


一夏「おっし。だいぶ綺麗になったな」

シャル「そ、そうだね…(途中から、それどこじゃなくなってたけど…)」

一夏「じゃあ、入るか?」

シャル「え? 頭は?」

一夏「あ…うーん…別によくないか?」

シャル「えぇー…僕はやっぱり洗ってから入りたいかも」

一夏「そっか?」

シャル「うん。どうせなら、また洗いっこする?」

一夏「え、ええと…できれば遠慮したいな…今、頭腫れてるしな」

シャル「そ、そっか…織斑先生に殴られたんだよね」

一夏(それもあるんだが…なんか、恥ずかしいんだよな…) 

446 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 22:29:32 ID:S9Om..k6
一夏「そういうわけだから、ちょっと待っててくれよ」

シャル「うーん…分かった」

一夏「よし。ちゃっちゃと洗っちまうか」



一夏「ふぅ。さっぱり」

シャル「うわ…! 一夏、もう終わったの!?」

一夏「え? いつもこれくらいだけど?」

シャル「し、信じられない…。水で流しただけじゃないの?」

一夏「失礼なこというな。ちゃんとリンス入りのシャンプーで洗ったさ」

シャル「……」

一夏「シャルも早く洗っちまえよ」

シャル「…やっぱダメ」

一夏「え?」

シャル「僕が洗います」

一夏「えぇ!?」 

447 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 22:34:55 ID:S9Om..k6
シャル「じゃあじっとしててねー」

一夏「は、はい…(何でこんなことに…)」

シャル「ちゃんと頭を洗わなきゃだめだよー。毛穴に詰まった皮脂を落さないと」

一夏「えぇ…メンドウなんだよなぁ…」

シャル「だめだよー。匂うし、抜け毛の原因になるよ?」

一夏「うッ…そ、それは洒落にならないな…」

シャル「というわけで、僕が徹底的に洗い方を教えます」

一夏「へーい…」

シャル「まずは髪にシャンプーを全体的になじませて…軽く泡立てます」ワシャワシャ

一夏「お、おぉ…(手馴れてるなぁ…)」

シャル「それで…下の生え際から頭頂に向かう感じで…指の腹で小刻みに擦るように」ワシャワシャ

一夏「おぉぉぉ…気持ちいいな」

シャル「うふふーん♪ そうでしょー♪」 

448 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 22:38:43 ID:S9Om..k6
一夏「すごいな。美容師さんみたいだ」

シャル「ラウラので慣れているからね」

一夏「ラウラに?」

シャル「軍人さんだからかなぁ…『必要最低限だけ汚れを落せればそれでいい。
     戦場では1ヶ月風呂に入れないのは当たり前だからな』って、苦労したよ。
     せっかく綺麗な髪しているのに勿体ないんだもん」

一夏「あぁー…」

シャル「痒いところ、ありませんかー?」

一夏「あはははは。じゃあ右耳の上を頼む」ワシャワシャ

シャル「了解ーわしゃわしゃ♪」

一夏「お、おぉ…ちょっとくすぐったい…」

シャル「えへへへへ。楽しいね、これ」

一夏「ああ。気持ちいいよ、シャル」

シャル(一夏が喜んでくれてる…嬉しいなぁ…♪) 

449 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 22:42:16 ID:S9Om..k6
シャル「五分間念入りに洗ったあとは、ぬるめのお湯で流せば…」


バシャァ


シャル「はい、おしまい」

一夏「お、おぉぉぉぉぉぉぉ! すげぇ! なんか、頭がすごく気持ちいい!」

シャル「ね? ちゃんと頭を洗ったときの爽快感は違うでしょ?」

一夏「すげぇなぁ…なんか、クセになりそうだ」

シャル「……」

一夏「ありがとうな、シャル! 生まれ変わったみたいだ!」

シャル「ね、ねぇ一夏!」

一夏「ん?」

シャル「その…よければ、たまに洗おうか?」

一夏「え…?」

シャル「ご、ごめん…ちょっとした冗談…///」

一夏「そ、そっか…あはは…」 

450 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 22:48:10 ID:S9Om..k6
一夏「じゃ、じゃあシャルも早く洗っちまえよ。俺、先に入って待ってるから」

シャル「……」

一夏「ふぅ…やっと風呂に入れ―――

シャル「い、一夏!」

一夏「ん?」

シャル「ええと…ぼ、僕のも洗ってくれない?」

一夏「へ?」

シャル「だ、だめ…かなぁ?」

一夏「え、ええと…いいのか? よく分からないけど、女って、髪洗うのすごく大変なんだろ?」

シャル「そうだけど…一夏に、洗って欲しい」

一夏「え…?」

シャル「お願い…」

一夏「わ、分かったよ。そこまで言うなら、お返しに洗うよ」

シャル「う、うん…///」 

451 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 22:54:22 ID:S9Om..k6
一夏「シャルの髪…改めてみると、長いなぁ…」

シャル「うーん…でも、癖っ毛なんだよねぇ」

一夏「そんなこと気にするなよ。綺麗だと思うぜ?」

シャル「はぅぅ…///」キュゥン

一夏「?」

シャル(も、もぉ…! どうしてそういうことをサラリと言うのかなぁ!)

一夏「じゃあ始めるぞ?」

シャル「あ、うん…。本当は一度湯に浸かってから洗うんだけどね。毛穴が開ききるから」

一夏「え? じゃあ何でさっきは?」

シャル「だって…見ていられなかったんだもん」

一夏「えぇ…そんなにひどかったのか?」

シャル「ま、まぁね…あはは」

一夏「じゃあシャルのも、ちょっと入ってからやるか?」

シャル「ううん。今お願い」

シャル(お風呂に入っちゃったら…勇気が萎んじゃいそうだもん…) 

452 :ミルキィライブ見てくる:2012/03/29(木) 23:01:26 ID:S9Om..k6
一夏「え、ええと…まずはシャンプーを全体に馴染ませて、軽く泡立てるんだよな?」

シャル「ううん。長い髪のときは、予め手でシャンプーを泡立てるんだよ」

一夏「そうなのか。じゃあ」ゴシュゴシュ

シャル「泡立てたら、薄く馴染ませるように塗って」

一夏「おう」ヌリヌリ

シャル「塗り終わったら、生え際から毛先にかけて、小刻みに洗うように。
    このとき、爪を立てたり毛流に逆らわないように気をつけて。髪を傷めるから」

一夏「お、おう…慎重にやらないとな」ワサワサ

シャル「うん。そんな感じだよ」 

453 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 23:31:11 ID:S9Om..k6
一夏「ええと…小刻みに…指の腹を使うようにか?」ゴシゴシ

シャル「あぁ、ダメだよ! 髪の毛どうしを擦り合わせちゃ!」

一夏「えぇ!? ど、どうすればいいんだよ…」

シャル「ううん…本当は髪を持ち上げるようにして洗うんだけど、馴れてないと難しいだろうし…」

一夏「うぅ…本当に大変なんだな」

シャル「ええと、じゃあね。両の手の平で髪を挟むようにして、それで滑らせてみて。根元から毛先の方向に」

一夏「え? そんなんでいいのか?」

シャル「うん。その代わり、あまり強く挟みすぎないでね。それと、何度もやらないとダメだよ」

一夏「わ、分かった。いくぞ?」ピト


ツーッ


シャル「い、痛い痛い! 強く挟みすぎ!」グィィ…

一夏「うわぁ!? ご、ごめん!」 

454 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 23:34:46 ID:S9Om..k6
シャル「もぉ…そんなんじゃダメだよ。髪は女の命なんだからね」

一夏「す、すまん…」

シャル「…一夏?」

一夏「んん?」

シャル「女の子が他の人に髪を洗ってもらうのって…相当なんだよ?」

一夏「あ、ああ…悪い。もっと慎重に洗うよ」

シャル「そうじゃなくて…はぁ…」

一夏「?」

シャル(大事だからとか、そんな理由じゃないのに…)

シャル(女の子が髪の毛を触らせるほどの異性って意味…分かって欲しいなぁ…)

シャル「はぁ…」

一夏「??」

―――――――――
―――――
――― 

455 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 23:39:24 ID:S9Om..k6
シャル「うーん…とりあえずはこんなところかな。じゃあ、流して」

一夏「へ、へーい…(まさかこんなに時間かかるとは思わなかった)」ガシッ

シャル「一夏。ちょっとストップ。まさか、桶で流そうとしてない?」

一夏「へ?」

シャル「やっぱりね…。シャワーで丁寧に、優しく流さなきゃダメだよ?」

一夏「お、おぉ…ごめん」


ジャー


シャル「濯ぎが一番重要なんだ。ちょっとでもシャンプーが残ってたら痛むし匂うから。
    だからもう、これでもかってくらい流しちゃって」

一夏「へーい…(やべぇ…これ、思った以上に重労働だ…命賭けるのもわかる…)」

―――――――――
―――――
――― 

456 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 23:43:54 ID:S9Om..k6
シャル「ふぅ…さっぱりした。ありがと、一夏」

一夏「い、いや…良かった―――へっくち!」

シャル「あ…すっかり冷めちゃったね。ごめんね…?」

一夏「気にするなよ。それより、早く入っちまおうぜ」

シャル「そ、そうだね」


チャポン…


一夏「ふぁぁぁぁ…生き返るー…」

シャル「あはは。一夏、おじいちゃんみたい」

一夏「いい湯だのぁ~」

シャル「あはははは。まったく…そんな一夏には…こうだ!」バシャッ

一夏「うぉ!? やったな…この!」ザバッ

シャル「きゃぁ! あはははははは!」

―――――――――
―――――
――― 

457 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 23:49:13 ID:S9Om..k6
一夏「やれやれ…高校生にもなって、柄にもなくはしゃいじまったな…」

シャル「そ、そうだね…あはは(ちょっと浜辺の恋人みたいで楽しかった…なんて言えない…)」

一夏「肩まで浸かって、ゆっくり数えようぜ。それで終わりだ」

シャル「あ…」

一夏「ん?」

シャル(このままいけば…ミッションが終わっちゃう…)

シャル(…もっと、一緒にいたかったな)


ピトッ


一夏「!?」

シャル「ごめん、疲れちゃった。このままでいい?」

一夏「あ、あぁ…(背中合わせ…水着とはいえ、あの時を思い出しちまうな…)」 

458 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 23:56:02 ID:S9Om..k6
シャル「…ねぇ一夏。覚えてる? 僕がここで、あの時に言った事」

一夏「え…? ええと、お前の、自分自身のあり方のこと、だろ?」

シャル「うん。覚えててくれてありがとう。あの時から僕は…デュノア社の傀儡であることを辞めて…
     本当の僕であろうと…シャルロット・デュノアであることを決めた」

一夏「ああ。立派だと思う」

シャル「ううん違うの。あれは…一夏のおかげだよ」

一夏「え?」

シャル「あの時も言ったけど…一夏がここにいろ、って言ってくれたから」

シャル「そんな一夏がいてくれたから、僕だってここにいよう、って決心がついたんだよ?」

一夏「……」

シャル「…一夏。あの時、庇ってくれて本当にありがとう」

一夏「…うん。なんか…ほっとけなかったからな」

シャル「ルームメイトだったから?」

一夏「それもあるけど…何ていうのかなぁ…やっぱ、シャルだったからかな?」

シャル「へ…?」 

459 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/29(木) 23:59:44 ID:S9Om..k6
一夏「何ていうかさ…あの頃から俺は、お前のことをずっと友達だと思ってたからな」

シャル「……」

一夏「すごく穏やかで、優しくて、気配りが上手なお前といるの…楽しかった。
   勉強やISの面でもすごく助けられたし、一緒にいる大切なものになったよ」

シャル「…///」

一夏「だから…そんなお前がいなくなっちまうのは…
    なんか、すごく嫌だったよ。絶対に助けたいって思ったんだ」

シャル「…そっか」

シャル(友達、かぁ…やっぱりちょっと残念かな)ザブン

シャル(でも…やっぱり僕の事、大切に想ってくれていたんだ…///)ブクブク

シャル(ありがとう一夏。そんな君が…僕は、大好きだよ) 

460 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/30(金) 00:04:17 ID:3DKFEX..
シャル「…ねぇ一夏。君は言ってくれたよね。いつか、僕の会社のことも、何とかしてみせるって」

一夏「…あぁ。情けないことに、今は解決の糸口すら見えてないけどな」

シャル「しょうがないよ。亡国機業のこととか…大変なことが増えたし」

一夏「ごめんな…でも、お前のことも絶対に何とかしてみせるよ」

シャル「…うん。信じてるよ、一夏のこと」

シャル「…でもね」


ギュッ


一夏「いぃ!?(だ、抱きつかれてる!?)」

シャル「きっと一夏なら…何とかしてくれると思う。絶対に僕を助けてくれると思う」

シャル「でも…でもね、一夏。僕…わがままかもしれないけど…」

一夏「…?」



シャル「僕……できるなら、その後も、一夏とずっと一緒にいたい…!」 


462 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/03/30(金) 00:07:36 ID:3DKFEX..
一夏「へ…?」ドキッ

シャル「出来るならこれからも…ずっと、一夏の傍にいたい…!」

一夏「と、当然だろ…俺と、お前は…と、とも―――

シャル「違う!」

一夏「え…!?」

シャル「あ、あのね…つまり…ぼ、僕が、言いたいのは…!」ドッキンドッキン

一夏(な、なんだこれ…俺、すごく緊張してる!? いや、この動機は…シャルのなのか!?)バックンバックン

シャル「い、一夏!」

一夏「は、はい!」ビクッ


シャル「あ、あの! 僕と、一緒に、いて…ここ、こいb―――



ビ―――――――――――――ッ!!!


シャル「あ…」

楯無『終了ォー!! 一夏くん、ミッション・コンプリートおめでとー!!』パンパカパーン 



次回  楯無「安価で一夏くんにミッションインポッシブル!」一夏「」 後編