1 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:04:32 ID:hAkwo9Sg
幼「もう飲んでまーす」

幼「男ー待ってたよー」

男「幼、ホントにもう飲んでるの?」

幼「20歳の誕生日、おめでとー」

男「ちょ、まだ!まだだよ、幼!」

幼「私はひと足お先にー、ハタチですからねー」 

 

 
2 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:05:04 ID:hAkwo9Sg
男「まったく幼はー」

男「今日、一緒に飲もうって言ったの、幼でしょ?」

幼「なによー。固いこと言わないでよー」

男「俺がつまみの材料買いに行ってる間に、どれだけ飲んだの?」

幼「ビールくらい飲んでも捕まらないんですー」

男「見かけは小学生なのになー」

幼「む!小学生とは何か!」 


3 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:05:54 ID:hAkwo9Sg
男「頑張れば、小人料金でバスに乗れるでしょ?」

幼「そんな犯罪行為に走るほどー」

幼「私は落ちてませんよー」

男「まぁ、犯罪は駄目だよな」

幼「それにー」

男「ん?」

幼「車の免許だって持ってますー」 

4 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:07:13 ID:hAkwo9Sg
男「良く足が届くよね」

幼「あははー。ギリギリだけどねー」

男「…30分で350ml缶を3本も空けたのか…」

幼「やっぱりエビスは美味しいなぁ」

男「くそう…」

幼「いいじゃんほらー」

幼「もうほぼ20歳だよ、20歳」 

5 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:07:53 ID:hAkwo9Sg
幼「飲んじゃいなよ、男っ!」

男「俺は日本国民として、法律を遵守する!」

幼「固い!頭が固い!」

男「幼、あんまペース上げないでよ?」

幼「どうせ明日から連休だし、いいじゃんかー」

男「時間はあるけど、用意した酒の量には限りがあるからね?」

幼「ふふふー。こんな事もあろうかとー」
ズルズルガサゴソ 

6 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:08:38 ID:hAkwo9Sg
男「ん?」

幼「じゃじゃーん!」

男「おぉ?酒瓶?4本も?」

幼「お父さんの書斎から、パクってきたのだー!」

男「えー?それ犯罪だよ?」

幼「んふふー。男と酒盛りするって言ったらー」

幼「好きなの持っていけーって言ってたんだー」 

7 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:09:40 ID:hAkwo9Sg
男「じゃあ犯罪じゃないね」

幼「今日はとことん飲むよ!」

男「無茶しないようにね?」

幼「ちょっとくらい無茶した方が面白いよ?」

男「一気飲みとか、駄目だからね?」

幼「あー。あれは駄目だねー」

男「急性アルコール中毒とか…」 

8 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:10:51 ID:hAkwo9Sg
幼「あー、違う違う。そんなんじゃなくてー」

男「ん?」

幼「あれは、風情がない!」

男「風情ねぇ?」

幼「酒を楽しむって言う、風情が、全然ない!」

男「30分でビールを1リットルほど飲んだ人が言う事かなー?」 

9 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:11:39 ID:hAkwo9Sg
幼「あ、一つだけ、良い一気飲みがあるよ!」

男「ん?」

幼「テ!」

男「て?」

幼「キーーーラッ!」

男「あぁ、ショットグラスでテキーラ飲むやつね?」

幼「あれは、ああ言う作法だから、風情があーる!」 

10 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:12:29 ID:hAkwo9Sg
男「…幼が持ってきたお酒の中に、テキーラあるね?」

幼「後で飲もうねー。テ、キーーラッ!」

男「幼、一旦ストップ!」

幼「えー?なんでー?」

男「ちょっと待っててよ。つまみ作っちゃうから」

幼「おー。男の手料理、久しぶりー!」

男「確かに最近作って無かったからねー」 

11 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:13:47 ID:hAkwo9Sg
幼「待たせないでよー」

男「ん?お腹空いてる?」

幼「そうでもなーい」

男「空いてるなら、がっつり作るけど?」

幼「軽い奴が良いよ、軽い奴が」

男「あいあいさー」

幼「ビールに合うやつー」

男「あいよー」 

12 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:14:28 ID:hAkwo9Sg
男「ちょっと水飲んでてよ、幼」

…3分後…

男「おまたせー」

幼「お?何だーこれはー?」

男「スライスしたトマトに、とろけるチーズをパラパラ」

男「塩・コショウを少々」

男「2分ほど、オーブンで温めました」

男「以上でございます、お嬢様」 

13 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:15:28 ID:hAkwo9Sg
幼「へー、これ初めて食べるかも?」

男「自分で食べてみて、美味しかったからさ」

男「ささ、食べてみてよ」

幼「それじゃ、いただきまーす」

男「召し上がれー」

幼「…こ、これは…」

男「これは?」 

14 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:16:29 ID:hAkwo9Sg
幼「青酸カリ?」

男「違うからね?そんな物騒な物、幼に食べさせる訳ないでしょ?」

幼「何、これ、すっごく美味しいよ、男」

男「お口に合ってなによりだよ」

幼「これ、何て料理?」

男「さぁ?」 

15 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:17:25 ID:hAkwo9Sg
幼「じゃあこれ、創作料理?」

男「まぁ、参考にした料理はあるけどね」

幼「それは何て料理?」

男「カプレーゼって言ってね」

男「モッツァレラチーズとトマト、オリーブオイルと生バジル」

男「本当はそんな材料なんだよ」

幼「へー」 

16 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:19:37 ID:hAkwo9Sg
男「でも、モッツァレラチーズはちょっと味が薄くて、好みじゃないし」

男「生バジルとか、近所に売ってないしね」

幼「田舎だもんねー」

男「さてと」

幼「ん?」

男「エビス、最後の1本は俺の分だからね?」

男「残ってる2本のうち、1本は飲んでも良いけど」

男「最後の1本だけは残しておいてよ?」 

17 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:20:23 ID:hAkwo9Sg
幼「何、それ?ダチョウ倶楽部?」

男「ん?」

幼「絶対飲むなって、フリなんでしょ?」

男「いや、ホントに飲まないでね?」

幼「わかったわかったー」

幼「それじゃ、こっちの金麦に切り替えるよー」

男「ビール、そろそろ止めたら?」 

18 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:21:11 ID:hAkwo9Sg
幼「ぶぶー。金麦はリキュール類でしたー」

幼「ビール風味だよ、ふ・う・み!」

男「まぁ、良いんだけどさ」

男「残りのつまみ、作ってくるからさ」

幼「早くしないと、全部飲んじゃうぞー」

幼「エビス…残り、2本」

男「いやいやいや、エビスは残してよ?」 

19 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:22:15 ID:hAkwo9Sg
男「最初に飲むお酒はエビスって決めてたんだからさ」

幼「わかったよー。早く次のおつまみを宜しく~」

男「ぱぱっと作ってくるよ」
男「おーい、幼ー?」

幼「…んぁ?」 

20 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:47:19 ID:hAkwo9Sg
男「起きてー」

幼「あぁ、私寝てた?どれくらい?」

幼「今、何時?」

男「そろそろ0時だよ」

幼「あぁー。ちょっと課題やら何やらで疲れてるのさー」

男「計画的にやらないから、そんな事になるんだよ」

幼「計画的にやったけど、疲れてるんだよー」 

103 : ◆L0dG93FE2w:2012/08/08(水) 00:23:25 ID:A1x1ho2Y
男「じゃあ、その計画自体を見直した方がいいよ?」

幼「むー。計画は完璧なはずなのになー」

幼「いつも妨害が発生するんだよ」

男「妨害?」

幼「幼友からの呼び出しとか?」

男「あぁ、コンパね?」

幼「ぶっちゃけ、行きたくないんだけどねー」


21 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:49:29 ID:hAkwo9Sg
男「まぁ、親友の為に、場を盛り上げてる幼、カッコ良いよ?」

幼「えへへー、そうかなー?私、褒められると、伸びるタイプですよ?」

男「そこはあまり伸びなくても良いよ」

男「迎えに行くの、結構大変なんだよ?」

幼「かたじけねぇ」

男「かまわんよ?」 

22 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:52:35 ID:hAkwo9Sg
幼「ほどほどにするように気をつけるよー」

男「そうしてくれると助かるよ、色々とね」

幼「エビス、4本目、飲み終わったー」

幼「と、同時に、もう美味しいトマトのおつまみがないよ?」

男「まぁ、トマト1個分だしね」

幼「えー、足りないよ、男。もっとあった方が良かったー」 

23 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:54:08 ID:hAkwo9Sg
男「この料理は、温かいうちに食べるのが、風情」

男「この後、もう何品か、出てきますゆえ」

男「お嬢様におかれましては、どうかしばしの間、ご辛抱を」

幼「むー。何?その、どこかの毒舌執事みたいなしゃべり方ー」

幼「最近のマイブーム?」

男「この前、ドラマのDVDを幼と一緒に見たでしょ」 

24 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:54:57 ID:hAkwo9Sg
幼「あー。そうだったねー」

男「俺も、あんな毒舌吐いてみたいなーと」

幼「さっきのは毒舌じゃないけどね」

男「これから毒舌吐くかもよ?」

幼「そんなの男のキャラじゃないからやめなよー」

男「うん。そうするよ」 

25 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/13(金) 23:55:55 ID:hAkwo9Sg
幼「ところで、何で最初はエビスって決めてたの?」

男「中学の頃に読んだ小説にね」

男「…いや、違うか。小説の後書きにね」

男「世界一美味しい飲み物って書いてあったからさ」

幼「へぇ。そんな小説がねぇ。今でも持ってる?」

男「そこの棚の奥にあるよー」

幼「今度貸してよ」

男「いいよー」 

26 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:03:00 ID:5E41TJ36
幼「…あれ?」

男「何?」

幼「ひょっとして、0時過ぎてない?」

男「あ、もう3分くらい過ぎたね」

幼「えー!カウントダウンしたかったー!」

男「まぁまぁ。しょうがないじゃない」

幼「ちぇー、それじゃあ、もう早速乾杯しよう!」 

27 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:04:16 ID:5E41TJ36
男「幼、次は何飲むの?」

幼「んー」

幼「とりあえず、最初の乾杯は、ビールが良い!」

男「はいよー。んじゃ、最後の2本のエビスで乾杯だね」

男「やっと出番がきたなー、このグラス」

幼「おー?趣味がいいね、男ー」

男「…まぁこれ、ある人からのプレゼントなんですけどね」 

28 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:04:55 ID:5E41TJ36
幼「あら、奇遇。私が使ってるこのグラスもね」

幼「ある人からのプレゼントなんだよー」

男「へぇ。奇遇だね」

幼「それ、備前焼?」

男「知ってるでしょ」

幼「いいなぁ、そのグラス」

男「同じグラスで今、ビール飲んでるでしょ?」 

29 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:06:10 ID:5E41TJ36
幼「まぁ、同じ店で買ったもんねぇ」

男「おっと、それじゃそろそろ、ビール注ぎますよー」

幼「泡ね?大事だからね!泡が!」

男「父さんと母さんのお酌してたからね」

男「泡の重要性は、言い聞かされてるよ」

幼「っと、ナイス泡!」

男「それじゃ、俺のも…」 

30 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:06:47 ID:5E41TJ36
幼「おっと!手酌なんて、関心しませんなぁ!」

幼「さ、さ。どうぞ」

男「おっと、ありがと、幼」

幼「…んっと!ナイス泡!私!」

幼「さ、それじゃ、満を持してのー」

男「うん」

幼「男、二十歳の誕生日、おめでとうっ!」

男「ありがとう」 

31 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:07:54 ID:5E41TJ36
幼「乾杯っ!」

男「乾杯っ!」

キンッ

ゴクッゴクッ
男「…っぷはー」

幼「ぷはーっ」

幼「どう?人生初のアルコールは?」 

32 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:08:35 ID:5E41TJ36
男「…うん、美味しいねぇ」

幼「えー。そこは『意外と美味しくない』とかさー」

幼「軽く吹き出しちゃうとかさー」

幼「面白いリアクションないの?」

男「ごめん、本当に普通に美味しいし」

幼「大概の人は、最初のビールは『苦っ!』とか言うものなのになー」

男「まぁ、確かに苦いけど…この喉越し?がイイね」 

33 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:09:26 ID:5E41TJ36
幼「男、本当に今、初めてビール飲んだの?」

男「初めてだよ。ホントダヨ」

幼「…若干気になるけど、まぁいいか!」

幼「それじゃ、ジャンジャン飲もう!」

男「もう一回、乾杯っ!」

キンッ!

男「…美味しいなぁ」 

34 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:10:32 ID:5E41TJ36
幼「そう言えば男、つまみが無いよ?」

男「あぁ、次のおつまみ取って来るよ」

幼「あーい、よろしくお願いしまーす」

幼「…」

幼「次のつまみは何だろなー?」

男「これです」

幼「ん?ジャガバター?」 

35 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:11:13 ID:5E41TJ36
男「そうです。ジャガバターの塩辛のせでーす」

幼「塩辛?」

男「そ。美味しいよ、コレ」

男「さ、さ。どうぞ召し上がれ」

幼「いっただっきまーす」

男「どう?」

幼「本当に美味しいね、コレ」 

36 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:12:09 ID:5E41TJ36
幼「まぁ、野菜の王様、ジャガイモだからね」

幼「大概の事では不味くならないもんね」

男「王様なんだ?ジャガイモ」

幼「王様だよー」

男「ベタ褒めだね、ジャガイモ」

幼「あ!ちゃんとこのジャガバター塩辛のせ、美味しいよ?」

幼「この塩辛の塩味がジャガイモにピッタリマッチするね」

幼「そして、ビールに合う!美味い!」 

37 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:12:45 ID:5E41TJ36
男「コレ、簡単だから、幼でも作れるよ」

幼「む。さりげなく、私が料理下手って言ってる?」

男「そんな事ないよ。幼、料理上手いじゃん」

幼「褒めてくれてありがと」

幼「でも、男の方が上手だよね」

男「別に料理人でも何でもないし」

男「どっちが上とか下とか関係ないよ」 

38 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:13:27 ID:5E41TJ36
幼「…それは勝者のセリフよねー」

男「まぁまぁ。あ、お互いグラス空いたね。次、何飲むの?」

幼「…テキーラ、行っとく?」

男「オッケー。ちょっとショットグラス取ってくるよ」

男「ついでにこのグラス洗ってくる。そっちも貸して」

幼「あいあい。お願いしますねー」 

39 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:14:14 ID:5E41TJ36
幼「…」

幼「パッパパラッパ・パッパラッパッパ♪」

幼「パッパパラッパ・パッパラッパッパ♪」

幼「パララララッパッパ!」

男「何でテキーラ飲む時って、その曲なの?」

幼「…むー!テキーラ!って言いたかったのに、邪魔された!」

男「ごめんごめん。で、何でその曲なの?」 

40 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:14:59 ID:5E41TJ36
幼「さぁ?知らないけど」

幼「良い感じの所で『テキーラ!』って叫ぶからじゃない?」

男「はい、グラス」

幼「ありがとー」

男「あと、ライムと塩」

幼「お?わかってるねー」

男「これも父さんに習ったからね」 

41 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:15:41 ID:5E41TJ36
幼「それじゃ、行ってみますか!」

男「相当キツイんだろうなぁ」

幼「頑張ればボワッと燃える位のアルコール度数だからね!」

男「これは一気に飲むのが風情なんだよね?」

幼「そうだよ。ここは一気だよっ!」

幼「飲む前に、ライムかじるんだよ?」

男「へぇ?父さんは飲んだ後にかじってたけど」

幼「飲む前の方がぜったいおいしーよ!」 

42 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:17:00 ID:5E41TJ36
男「わかったよ。んじゃ行きますか!」

幼「ライムの爽やかな酸っぱさと、テキーラのアルコールが奇跡の科学反応を…」

男「それじゃ、乾杯っ!」

幼「ちょっ!かっ、かんぱーいっ!」

キンッ

ゴクッ

男「おぉう…喉が…腹の底が焼けるみたいだ」

幼「かーーーー。キくねっ!」 

43 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:18:51 ID:5E41TJ36
幼「ラテンの乗りだよ、男!」

幼「…踊る?踊っちゃう?」

男「幼、おっさんみたいだよ?」

幼「オヤジくさくてすみませんー」

幼「でも、これ飲むと、テンション上がるよねっ?」

男「おぁ…上がるけど…これは2杯目はナシだなー」

幼「気付けの一杯だよ。あんまり沢山飲む物じゃないよ」 

44 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:19:40 ID:5E41TJ36
幼「飲み過ぎたら、それはそれは酷い事になるんだよ…」

男「知ってるよ。動けなくなるんだよね?」

男「そんで、次の日、トイレにこもったりするんだよね?」

幼「…」

男「さ、次は何飲む?」

男「またビールにする?」

男「金麦なんで、ビールじゃなくて、ビール風味飲料ですけど」 

45 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:20:22 ID:5E41TJ36
幼「んー。ビールはもういいかなー」

男「まぁ、幼一人で6本も飲んだもんね」

幼「それもあるけどー」

幼「今日は、コレを男に飲ませたいのだー」

男「…ラプ…ラフ?フロイグ?」

幼「そ、ラフロイグ。シングルモルトのスコッチ・ウイスキーだよ」

男「シングルモルトって何?」

幼「そんな事はあとでネットで調べなさい!」 

46 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:21:15 ID:5E41TJ36
幼「いいから、氷!あと、この備前焼のグラスとは別にコップを2つ!」

幼「それと、水!」

男「あぁ、チェイサーね?了解」

幼「…」

幼「フフフ。男の感想はどんなかなー?」

男「ほい、おまたせ。ロックで飲むの?」

幼「イェーイ!ロックンロール!」 


47 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:21:57 ID:5E41TJ36
男「そう言うのは良いから」

男「ほら、ロックで飲むの?」

幼「いやいや、ここはあえての水割りで!」

幼「あ、私が作るから!」

男「じゃあ、お願い」

幼「チェイサーの準備は出来てる?」

男「出来てるよ」 

48 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:22:46 ID:5E41TJ36
幼「それじゃ、これ、どうぞ」

男「これがウイスキーの匂い…」

幼「…この匂い、どう思う?」

男「うん。ちょっと癖が強い匂いだね」

幼「臭い?」

男「いや、別に?」 

49 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:23:58 ID:5E41TJ36
幼「…じゃあ、飲んでみようか」

男「あい。それじゃ、乾杯っ!」

幼「乾杯っ!」

キンッ

グビッ
男「んー。美味しいねー」

幼「え?マジで?」 

50 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:24:44 ID:5E41TJ36
男「何?幼、美味しくないと思ってたの?」

幼「だって、正露丸みたいな臭いじゃん?」

男「俺、別に正露丸の匂い、嫌いじゃないし」

幼「むむー。まさか男が臭いマニアだったとはー」

男「別にマニアじゃないよ」

男「でもこれだったら、ストレートでも飲めそう」

幼「じゃあ、これ、誕生日プレゼント!」 

51 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:25:58 ID:5E41TJ36
男「え?もらって良いの?」

幼「お父さんが持ってたお酒の中でも」

幼「2番目に高いお酒だったからさ」

男「え?それじゃなおさらまずいんじゃない?」

幼「いいのいいの」

幼「私はあまり好きな匂いじゃないんだよね」

男「でもこれ、おじさんのお酒なんでしょ?」 

52 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:26:45 ID:5E41TJ36
幼「じゃあ、今度ウチのお父さんと、一緒に飲んであげてよ」

幼「きっと喜ぶからさ」

男「じゃあ、遠慮なく。いただきます」

男「あ、幼、匂い強い物って駄目だっけ?」

幼「んー、別にそんな事ないけど…なんで?」

男「今のラフロイグ、匂いが好きじゃないって言ってたからさ」

男「次のつまみ、ブルーチーズが入ってるんだ」 

53 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:27:54 ID:5E41TJ36
幼「あぁ、ブルーチーズは大丈夫だよー」

幼「この前、幼友の家でごちそうになった」

幼「私は匂い、気にならなかったよー」

男「良かった。それじゃ取ってくるね」

幼「んー。次はチーズかー」

幼「楽しみー」

男「はいよ。おまたせ」 

54 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:28:58 ID:5E41TJ36
幼「これ、ハム?」

男「そ。生ハムのチーズ巻きでーす」

幼「生ハムとか、高いんじゃない?」

男「頂き物だから、値段わかんない」

幼「食べていい?食べていい?」

男「どうぞー」

幼「またまたいただきまーす!」 

55 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:29:47 ID:5E41TJ36
男「どう?」

幼「何、これ?チーズ以外にも何か入ってるね?」

男「ドライフルーツとかナッツとかが入ってるよ」

幼「とってもクリーミーだね?」

男「あぁ、生クリームも入ってるよ」

幼「すっごい美味しいよ、コレ!」

男「口に合って良かったよ」 

56 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:30:38 ID:5E41TJ36
男「これは母さんから習ったんだ」

幼「お袋の味?」

男「や、ただの酒のアテだけどさ」

男「父さんも母さんも、コレ好きだから」

男「材料、買い置きがあるんだよね」

幼「男、グラス空きそう?」

男「うん、そろそろ飲みきりそう」

幼「んじゃ、私も!」
ゴクッゴクッ 

57 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:31:45 ID:5E41TJ36
男「ちょ!幼!風情はどこ行ったの?一気飲みは駄目だって!」

幼「だーいじょうぶ。私の水割りは薄ーく作っておいたから」

男「でも一気飲みは駄目だよ?」

幼「ドンマイわたくし!」

男「っと、こっちもグラス空いたよ」

男「もう一杯、ラフロイグ飲みたいなぁ」

幼「ノンノン。ちょっとグラス洗ってきて!」 

58 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:33:03 ID:5E41TJ36
男「えー。違うやつ飲むって事?」

幼「そうだよー。せっかく持ってきたんだしー」

幼「次はこれ!浪花正宗の究極の技!」

男「究極の技って大きく書いてあるね。日本酒?」

幼「そう!洞爺湖サミットで各国首脳に振舞われたお酒だよ」

幼「ウチに大小2本あって、そのうちの小さい方持ってきたー」

男「それじゃ、お猪口と徳利持ってくるね」

幼「あいあいおー」 

59 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:34:12 ID:5E41TJ36
幼「えへへー」

幼「今のウチに生ハムチーズ食べちゃおうっと」

幼「何か、今日のつまみはコース料理みたいで」

幼「美味しいけど、量が少ないよ、量が!」

男「わざとだよ、幼」

幼「お?そのお盆にのった物は?」

男「日本酒用の冷酒カラフェってやつ」

男「横に氷を入れるポケットが付いてるから」

男「融けた氷で酒が薄まらないんだよ」 

60 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:35:06 ID:5E41TJ36
幼「へぇ。洒落た物持ってるねぇ」

男「まx、酒飲み夫婦のこだわりの一部、ですよ」

幼「あと、その皿の上の料理は?」

男「サラミとハムのマリネサラダ」

男「割と日本酒に合うんじゃないかなぁと思って」

幼「それじゃ、お酒の準備よろしく!」

男「はいはいー」 

61 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:35:56 ID:5E41TJ36
幼「いっただっきまーす!」

男「味はどう?」

幼「美味しい!超美味しいよ!」

男「幼、サラミ好きだもんね」

幼「箸が進む!これはちょっと多めに作ってあるんだね?」

男「うん。これは母さんが作ったマリネ液が沢山あるから」

男「足りなかったら、もっと作れるよ」 

62 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:36:52 ID:5E41TJ36
幼「ねえ、何で今回のつまみは量が少ないの?」

男「つまみでお腹いっぱいになっちゃって、お酒飲めなくなったら嫌だから」

幼「なるほどねー。ぶっちゃけ、最初のトマトの奴さー」

男「うん」

幼「超美味しかったから、あればあるだけ食べただろうからねー」

男「だから少しづつ作りましたー」

男「この後、あと一品、作ろうか迷ってる」

男「この日本酒次第だなー」 

63 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:37:44 ID:5E41TJ36
男「ん、だいぶ冷えてきた。それじゃ飲もうか」

幼「んおーう。ささ、一献」

男「幼、ちょっとふらふらしてるよ、大丈夫?」

幼「だーいじょうぶーでーす」

男「おっとっと。ありがと。幼」

男「ではお返しに、どうぞ」

幼「うむ。良き哉、良き哉」 

64 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:38:44 ID:5E41TJ36
男「それじゃ、またまた乾杯tっ!」

幼「乾杯は良いものだ!乾杯っ!」

キンッ

男「おぉ…これは…」

幼「すごいっしょ?」

男「さっきのラフロイグとは対局にあるね」

幼「匂いとか全然ないよね」

男「味も、無いのかと思いきや、あとからしっかりくるね」 

65 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:39:38 ID:5E41TJ36
幼「しゅっきりした飲みやすしゃが、日本酒の魅力でしゅっ」

男「幼、だいぶ酔いが回ってきてるね?」

幼「大丈夫であります!隊長!」

男「あんまり大丈夫そうに見えないなぁ」

幼「これは保存が難しいから、開封したら、全部飲む!」

男「まぁ、量はそんなに無いし、行けるだろうけどさ」

幼「つまみも美味しいし、酒も美味い。ここが天国か!」 

66 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:40:28 ID:5E41TJ36
男「俺の家って天国だったんだ?」

男「天国だったら、後片付けとかしないで済むのかなぁ」

幼「天国でも後片付けはしなきゃ!散らかしっぱなし、良くないよ!」

男「わかってるよ、幼」

男「おっと、盃、空ですね?さ、どうぞ」

幼「ん、ありがと、男」 

68 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:41:04 ID:5E41TJ36
男「…ほぅっ」

幼「…ほぅっ」

男「マリネ、もう無くなるね」

幼「ほんとだ。早いね無くなるのが」

男「幼がほとんど食べたんだけどね」

幼「あ、究極の技、もうそろそろ空だね」

男「こっちも早いなぁ。まぁほとんど俺が飲んだんだけど」 

69 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:41:54 ID:5E41TJ36
幼「気に入った?」

男「飲みやす過ぎて、飲みすぎたかも?」

幼「あと1本、とっておきが残っているんだけど…どうする?」

男「レッツゴーでしょ!」

幼「お?男もノってきたね?」

男「だいぶ良い気分だよー」

幼「それじゃ、本日最後の1本はこれ!」 

70 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:42:47 ID:5E41TJ36
幼「沖縄の泡盛でーす!」

男「それは…ラベルも何もないね?」

幼「これはうちのお父さんの知り合いがね」

幼「沖縄で小規模な酒造会社やってて」

幼「そこからの頂きものなのです」

男「それは本当に俺たちが飲んでいいものなの?」 

71 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:43:35 ID:5E41TJ36
幼「いいの!好きなの持っていけって言われたんだから!」

男「な、ならいいけど…」

男(後でおじさんに謝りに行こう)

幼「ほら、ワインとかでも年代物ってあるじゃない?」

男「うん」

幼「これ、45年物なんだよ」

男「マジで?」 

72 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:44:23 ID:5E41TJ36
幼「貴重すぎて、値段つけられないんだって」

男「すっごいねー」

幼「普通、泡盛は水割で飲むんだけど」

幼「これは、ストレートでいけます!」

男「ほうほう」

幼「きっと驚くよ?」

男「じゃ、最後のおつまみ作ってくるよ」

男「3分くらい待ってて」 

73 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:45:08 ID:5E41TJ36
幼「待ってるよ、男。フォーエバー!」

男「すぐ戻るから、寝ないでよ?」

幼「オッケーオッケー!」

幼「最後のマリネを食べちゃおう」

幼「美味しいなぁ」

幼「…」

幼「マリネ完食!」 

74 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:45:59 ID:5E41TJ36
幼「おーい、男ー。まだー?」

幼「…」

幼「寝ちゃうぞー?」

幼「あぁ、結構飲んでるなぁ…」

幼「軽く天井が回ってる…」

幼「あぁ、ホントにちょっとだけ寝ちゃおうかなー…」

幼「それにしても…」 

75 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:48:28 ID:5E41TJ36
幼「好きな人と、お酒飲むのって」

幼「こんなに楽しいんだなぁ」

幼「コンパの1000倍楽しいなぁ」

幼「ふふ。どさくさにまぎれて、男の事、押し倒しちゃおうかなー?」

幼「酔ったフリして…にっひっひ」

男「ちょっと、不穏な事言ってないで、ちゃんと座ってよ」

幼「ひゃあ!」

男「あと、酔ったふりじゃなくて、幼、ちゃんと酔ってるからね?」

幼「えへへー」

男「ほら、これが本日最後の料理でございます」 

76 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:49:31 ID:5E41TJ36
幼「あ、これってあれだ、あれ。名前なんだっけ?」

男「ゴーヤーチャンプルーでございます」

幼「おー!泡盛なだけに?」

男「もともと作ろうと思って準備してあったんだ」

男「まさか最後に泡盛が出てくるとは思ってなかったよ」

幼「それじゃ、さっそく飲みますか!」

幼「料理が冷める前に!」 

77 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:51:48 ID:5E41TJ36
男「あ、これ琉球ガラスのグラス。綺麗でしょ?」

幼「お、いいねー、凄くキレイだねー…」

男「それじゃ、飲みますか?」

幼「おっと!ささ、どうぞー」

男「はいはいっと。ありがと」

男「それじゃ、お返しにっ」

幼「おっとっと。どもどもー」 

78 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:52:40 ID:5E41TJ36
幼「よーし、それじゃ、もう何度目かわかんないけど、乾杯っ!」

男「乾杯っ!」

キンッ

コクッコクッ
男「…これは、凄いねー」

幼「そうでしょうそうでしょう」 

79 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:53:46 ID:5E41TJ36
男「泡盛独特の匂いがあるのに、味は透き通ってて…」

幼「日本酒と似てるけど、風味が違うでしょ?」

男「うん。これは凄いね」

幼「古酒(クース)だからだよ」

男「古酒?」

幼「安い泡盛はもっと癖が強いんだよ」

幼「元々泡盛はアルコール度数が高めなんだよ」 

80 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:54:35 ID:5E41TJ36
幼「これだって40度くらいあるんだよ?」

男「え?マジで?これ、そんなに強いお酒なの?」

幼「マジなのれすよ」

幼「安い泡盛なんてストレートでは飲めないよー」

幼「それを壺に入れて、冷暗所で長期間保管する事で」

幼「癖が抜けて、こんな透き通った味になるんだよ」

男「へぇー。幼、良く知ってるねー」 

81 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:56:00 ID:5E41TJ36
幼「えへへー。まぁ、お父さんの受け売りなんだけどねー」

男「おじさんの受け売り…か」

幼「ゴーヤーチャンプルー美味しいよ」

男「本場の味だよ」

幼「ん?」

男「ウチの母さん、沖縄出身だからね」

幼「なるほど、これが男の家の、お袋の味ね?」 

82 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:57:53 ID:5E41TJ36
男「あー、これは進む。どんどん進んじゃうなぁ」

幼「気に入ってくれたみたいねー」

男「あ、でもこれ、値段付けられないくらい」

男「高価な物なんでしょ?」

幼「いいから、いいから」

幼「ウチのお父さんからのプレゼントなんだよー」

男「今、適当に考えたでしょ?」 

83 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:58:42 ID:5E41TJ36
幼「ん?んーあー。そうゆうことにしといてよー」

男「幼、それは演技?本気?」

幼「なにがー?」

男「かなりぐんにゃりしてるよ?」

男「コンパ後の幼になりつつある、ように見える」

幼「んにゃあー。ホントに酔っ払ってるよー」

男「…さっき不穏な事言ってたからなぁ」

幼「あれも、照れ隠しー」

幼「て言うか、もうホントに、あの…ふあぁぁぁ」 

84 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 00:59:51 ID:5E41TJ36
男「え?もう?」

幼「はーい」

幼「ギブアップでーすっ」

男「えぇー。ホントに?」

幼「男は酔ってないの?」

男「いや、ちゃんと酔ってるよ」

幼「なのに、そんなれいしえ…れ、冷静なー?」 

85 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 01:00:40 ID:5E41TJ36
男「顔に出ないタイプなのかな?」

幼「そーみたいねー」

男「俺、酒強いのかなー」

幼「ザルだよ、ザル」

幼「うふふー」

男「幼、大丈夫?」

幼「えいっ」
ダキッ 

86 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 01:01:27 ID:5E41TJ36
男「わわっ?」

幼「ふっふっふー。お酒初心者の男に、良い事を教えてあげよう~」

男「なに?」

幼「こんな時は相手より酔っ払った方が勝ちなのだよー」

男「えー。俺も大概だよ?」

幼「…そう?」

男「そうだよ。初めてお酒飲んだんだからね?」 

87 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 01:02:24 ID:5E41TJ36
幼「にひひー。私が男の初めての相手かー」

男「変な言い方だけど、確かにそうだねー」

幼「あぁ、ほんとに飲みすぎたおー」
ガバッ

男「幼?」

幼「ねむいのでーす!」

幼「ほろ酔い加減、良い加減~♪」 

88 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 01:03:21 ID:5E41TJ36
幼「もう、ベッドにむかってー!」

幼「アイキャンフラーーーイ!」
バフッ!

男「ちょ、ちょっと幼!」

幼「あー、良き心持ちじゃ…」

男「ホントに寝るの?」

幼「うんー。もうお腹いっぱい、胸いっぱい~」 

89 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 01:04:21 ID:5E41TJ36
幼「泊まっても良いよね?」

男「それはいいけどさ」

幼「大丈夫、来る前にお風呂は済ませてきたから」

男「まぁ、格好もジャージだしね」

男「でも、食べてすぐ寝ると身体に悪いよ?」

幼「たまにだからいいじゃんかー」

幼「んにゃー、おとこー…」 

90 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 01:05:07 ID:5E41TJ36
男「なに?幼」

幼「はたちのたんじょーびー、おめれとー」

男「ありがと、幼」

幼「…スー」

男「…おーい」

幼「スースー」

男「…ホントに寝ちゃった?」

男「…」

男「それじゃ、ぱぱっと後片付けしちゃおうかな」 

91 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 01:05:46 ID:5E41TJ36
男「後片付けオッケー、俺の布団の準備オッケーっと」

男「ふぅ、終わったなー」

男「…いやあ、さっき幼も言ってたけど」

男「好きな人と一緒にお酒飲むのって、楽しいんだなぁ」

幼「…スースー」

男「…ふふっ。可愛い寝顔だなぁ」 

92 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 01:07:05 ID:5E41TJ36
男「…酔った勢いで渡すつもりだったけど」

男「まぁ、今日1日は俺の誕生日なんだから」

男「起きてからでいいか」

男「ハッピーバースデー、俺」

男「…約束してた、幼の誕生石がはまってる婚約指輪」

男「幼は喜んでくれるかなぁ」 

93 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 01:07:54 ID:5E41TJ36
男「…」

男「さて、俺も寝るかな…」

幼「…スースースー」

男「おやすみ、幼…」








幼「…」 


94 : ◆L0dG93FE2w:2012/07/14(土) 01:08:53 ID:5E41TJ36
幼「…むー。意気地なしめ…」

幼「こっちは覚悟出来てるってのに!」

幼「ヘタレめ…」

幼「指輪は嬉しいけど…」

幼「ふふふ。目が覚めたら、覚悟してろよ…男!」



男(聞こえてるんだけど…)


おわり