1 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/22(木) 23:50:44 ID:/eX5F5ag
幼『やっほー!元気?』

男『まぁ、元気だけど。こんばんは、幼』

幼『やーやー!電話で話すの久しぶりだよね?』

男『そうか?一昨日電話しなかったけ?』

幼『いやいや、一昨日なら覚えてるよ』

幼『私、電話なんてしてないよ?』

男『そうだったか?』 


 

電話応対技能検定(もしもし検定)3・4級公式問題集<第2版>

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2 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/22(木) 23:51:01 ID:/eX5F5ag
幼『えー?違う女の子と電話したんじゃない?』

男『…』

幼『お?心当たりある系?』

男『一切無い』

幼『どうだか?』 


3 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/22(木) 23:52:13 ID:/eX5F5ag
男『だいたい、俺の電話帳の中身知ってるだろ?』

男『登録件数、家族以外だと5人しかいねーよ』

男『このクソ忙しい時期に、新しい出会いなんてある訳がない』

幼『まぁ、忙しいでしょうねぇ』

男『そっちはどうよ?』

幼『私?私はそうでもないよ』

男『へー。さすが優等生ですなぁ』 

4 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/22(木) 23:52:48 ID:/eX5F5ag
幼『へへへ。褒めても何も出ないよ?』

男『いーや。褒めたら幼の照れ笑いが出たね』

幼『ばーか』

男『あぁ、結構馬鹿だよなぁ、俺』

幼『そんな照れ隠しのコメントにマジで返事されても困るんですけど』

男『それを見越してのマジ返事ですけど?』

幼『…ばーか』 

5 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/22(木) 23:54:13 ID:/eX5F5ag
男『んで?』

幼『ん?』

男『何か用事があったから電話してきたんだろ?』

幼『いや、別に用はないですけど』

幼『何?用事がなければ電話しちゃダメなの?』

男『…俺が今、忙しいって解ってて、電話してきたよね?』

幼『いいじゃん、息抜きだよ、息抜き!』 

6 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/22(木) 23:54:37 ID:/eX5F5ag
男『まぁ、いいんだけどな。ちょっと煮詰まってた所だったし』

幼『え?マジで?』

男『おう。こっちのレポート提出期限、結構厳しいんだよ』

幼『へー』

男『ま、興味ないだろうけどな』

幼『ないね』

幼『でも男が息抜きしたがってたのを察知した私って凄い』

男『へーへー。凄い凄い』 

7 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/22(木) 23:55:10 ID:/eX5F5ag
幼『あ!それじゃあさ…』

男『それはダメです』

幼『えー?私、最後まで言ってないのに、何でダメって言うのさー!』

男『会いたいって言うつもりだったろ?』

幼『むー。確かにそうだけど』

男『何のためのWILLCOMだよー』

幼『…』 

8 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/22(木) 23:55:55 ID:/eX5F5ag
男『離れてても、話せるように、だろ?』

幼『そうだけどさ…』

幼『男がauに変えてくれれば、話し放題のプランあるのになー』

男『俺はiPhoneを手放さいぞ?』

幼『ウチらが高校生の時と違ってさー』

幼『今はauにもiPhoneあるんだから、auにしなよー』

男『逆に幼がSoftBankにしなよ』 

9 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/22(木) 23:56:41 ID:/eX5F5ag
幼『…この議論はいずれまたにしよう』

男『…だな。結論の出ない議論だな』

男『それにちょっと煮詰まってるだけで、俺は決して暇ではないんだぜ?』

幼『そんなにヤバいの?心理学部って』

男『2回生に上がってから、急にヤバくなった』

幼『ふーん』

男『そっちの方が大変じゃないのか?法学部』 

10 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/22(木) 23:57:25 ID:/eX5F5ag
幼『私、超真面目だからねー』

男『自分で言ったら、不真面目に聞こえるぞ?』

幼『でも幼馴染の男なら、本当の事、解るでしょ?』

男『まあな』

男『パッと見、おちゃらけてるけど、幼は根は真面目だもんな』

幼『ちょっと!おちゃらけてるって何よ!』

男『ははっ。少しは自覚してるだろ?』

幼『むぅー』 

11 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/22(木) 23:58:08 ID:/eX5F5ag
幼『はぁー。会いたい時に、窓を開けたら、好きな人と会えるって』

幼『凄く幸せな事だったんだねー』

男『まぁ、そうだな』

幼『離れてみて、初めて解る、ありがたさ』

男『俺もたまーに、そう思うよ』

幼『たまーになの?』

男『たまーにだよ』 


12 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/22(木) 23:58:55 ID:/eX5F5ag
幼『可愛い彼女の事を、たまーにしか思い出さないの?』

男『幼の事はずーっと想ってるよ』

幼『なっ!?』

男『離ればなれになった事で、高校生の頃までの生活が』

男『いかに幸せな環境だったのかってのをさ』

男『たまーに思いだすって事』

男『そう言う話しだよ』

幼『…ばーか』 

13 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/23(金) 00:00:08 ID:uV4Gnj0E
男『はい、本日2回目の照れ隠しばーか頂きました』

幼『もう!』

男『へへ。何か楽しくなってきた!』

男『テンション、ちょっと回復!』

幼『それは良かった!私の一見無意味な電話も』

幼『男の役に立ったみたいね!』

男『おう!これから頑張ってレポート進めるさ!』 

14 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/23(金) 00:00:56 ID:uV4Gnj0E
幼『フハハ。そうだ、頑張るが良い!我が従僕よ!』

男『ん?何だ?また邪気眼復活か?』

男『その年で?』

幼『う、うるさい!またって言うな!』

幼『て言うか忘れろ!その事は!』

男『おいおい、夜中だぞ?大声出すなよ』

男『近所迷惑だろう』

幼『アンタが変な事言うからでしょ!』 

15 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/23(金) 00:01:28 ID:uV4Gnj0E
ドンッ

幼『わわっ!?』

男『ん?どうした?』

幼『隣の部屋の住人に壁ドンってされた…』

男『まぁ、こんな夜中に、大声出されればなぁ』

幼『てへっ』

男『照れ隠しも、隣の住人には通じないと思うぞ?』

幼『まぁ、ねぇ。隣人は鬼の様な人だし』 

16 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/23(金) 00:02:46 ID:uV4Gnj0E
男『鬼は言い過ぎだろう』

幼『鬼だよ、鬼。オニババー』

ドンッ

幼『わっ!?』

男『またドンってされた?』

幼『うん…聞こえてたのかなぁ、今の…』

男『人の悪口は良くないって事だよ、幼』

幼『う、うん…控えるようにするよ…』 

17 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/23(金) 00:03:44 ID:uV4Gnj0E
男『…それじゃ、そろそろ切るぞ?』

幼『あ、ちょっと待った!』

男『ん?何?』

幼『ホントは用事があったんです!』

男『用事あるなら先に言ってくれよ』

幼『ちょっと待ってねー』

ピッ

♪~ 

18 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/23(金) 00:04:25 ID:uV4Gnj0E
男『ん?何か音楽が聞こえるけど、何?』

幼『いいから黙って私の歌を聞けぇ!』

男『は?』

幼『ハッピバースディ、トゥーユ~♪』

幼『ハッピバースディ、トゥーユ~♪』

幼『ハッピバースディ、ディア、男~♪』

幼『ハッピバースディ、トゥーユ~~♪』 

19 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/23(金) 00:06:31 ID:uV4Gnj0E
幼『二十歳の誕生日、おめでとう!男っ!』

男『おぉ、0時回ってたのか…ありがとう、幼』

幼『いよいよ二十歳ですねー?』

男『二十歳だなぁ…』

幼『自分の意思で、結婚出来る年になりましたねぇ』

男『それはそうだけど…結婚は就職してからって約束だろ?』

幼『えへへー。解ってるけどさ』

幼『何か嬉しくってね!』 

20 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/23(金) 00:07:44 ID:uV4Gnj0E
幼『ヒャッハー!って叫びたくなる位、嬉しくって!』

男『テンション高いなぁ』

男『大声出したら、またお隣さんに怒られるぞ?』

男『前も怒鳴り込まれたんだろ?』

幼『隣人は神経質過ぎなんだよー』

幼『それに、自分には彼氏が居ないからって』

幼『ひがんでるんだよ、多分』 

21 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/23(金) 00:08:32 ID:iOqHiHJY
ドンドン!
?「こらーっ!ちょっと出てきなさいっ!幼っ!」

幼『う、ちょっと待っててね、男』

男『お隣さんが来たんだな?音、聞こえるぞ』

幼『うん。ちょっと戦ってくるね』

男『深夜に大声で電話してた幼が悪いよ?』

ドンドンドン!
幼『う…取り敢えず一旦切るね!』

男『言い合わずに、ちゃんと謝りなよ?』 

22 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/23(金) 00:09:24 ID:uV4Gnj0E
ガチャ

幼「もー、幼友。何?こんな夜中に…」

幼「て、言うか私今、電話中だったんだけど…」

幼友「あんたに一つ、言いたい事がある!」

幼「ちょっと…声大きいよ、幼友」

幼「て言うか何で怒ってるの?」 

23 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/23(金) 00:10:19 ID:uV4Gnj0E
幼友「誰のせいで怒ってると思ってるのよ!」

幼「え?私?私のせい?」

幼友「あんた以外居ないでしょ!意外そうな顔しない!」

幼「何だよー。深夜の電話くらい見逃してよー」

幼友「…今日、男君の誕生日だったんだね」

幼「うん、二十歳の誕生日なんだよー」

幼「今、お祝いを言ってたの」 

24 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/23(金) 00:11:46 ID:uV4Gnj0E
幼友「全部聞こえてたよ!丸聞こえだったわよ!」

幼友「お幸せに!ってやかましいわ!」

幼「ちょっと、ご近所迷惑だよ、幼友」

幼友「いーや、今日と言う今日は言わせて貰う!」

幼「何を?」

幼友「ちょっとこっち来て!」
ガシッ

幼「痛っ!何?ちょっと、強く掴みすぎだよ」

幼友「いいから!こっち!」
グイッ 

25 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/23(金) 00:13:12 ID:uV4Gnj0E
幼「え…下に降りるの?って言うか…ちょと待って…」
カンカンカン

幼友「いいからっ!」

コンコン
幼友「男君!ちょっと出てきて!」

幼「ちょっと…幼友…」

ガチャ
男「ん…どうした、二人で…っていうか、幼友、やっぱ怒ってる?」 

26 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/23(金) 00:13:40 ID:uV4Gnj0E
幼友「そりゃ怒ってるわよ!」

幼友「あんたらね」

幼友「もう一緒に住んじゃいなよ!」

幼友「高校までは隣りの部屋だったのが」

幼友「実家から出て、お互い一人暮らしになったって言っても」

幼友「アパートの上と下の部屋になっただけでしょ?」

幼友「わざわざ電話しなくても、徒歩15秒でしょうが!」

幼友「遠距離恋愛気分を味わいたいか何か知らないけど…」 


27 : ◆L0dG93FE2w:2012/11/23(金) 00:14:58 ID:uV4Gnj0E
幼友「深夜に大声で電話とかマジ非常識!」

男・幼「ちょっと幼友、いったん落ち着いて…」

幼友「こんな時もシンクロですか。息ピッタリですか!」

幼友「そーきますかー!解りましたよっ!」



幼友「もう!爆発しちゃえっ!リア充っ!」



ご近所の人たち「うるさい!」


おわり