1 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:16:17 ID:PfOGs/RQ
幼「ちっちゃくなって!」

男「幼、何言ってんの?」

幼「身長低くなって!」


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2 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:16:41 ID:PfOGs/RQ
男「何で突然そんな事を?」

幼「今、私の事、見くだしてたでしょ!」

男「下を向いてはいたけども」

男「俺が幼の事、見くだしたりするわけないでしょ?」

幼「そう見えたの!」

男「百パーセント、勘違いだよ」 


3 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:17:10 ID:PfOGs/RQ
幼「何?生徒会長の命令が聞けないの?」

幼「副会長は会長の命令に絶対服従でしょ!?」

男「無茶言うなよ」

男「ちっちゃくなれって言われても…」
モゾモゾ
男「こうか?こうすれば良いのか?」

幼「そんな、丸まっても可愛いだけだから駄目!」

男「じゃあどうすれば…」 

4 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:17:39 ID:PfOGs/RQ
幼「縮んで!」

男「縮めって…無茶言うなよ…」

男「て言うか、生徒会は関係無いよね?」

男「それじゃ、会長命令は関係無いよね?」

幼「むぅ…それじゃ…」

幼「全校生徒の身長低くして!」

男「だから…魔法使いじゃあるまいし、そんな事出来ないよ」 

5 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:18:33 ID:PfOGs/RQ
幼「じゃあ、新しい校則作って!」

男「どんな?」

幼「みんな140センチ以下に屈んで歩く!」

男「なんの修行だよ…駄目でしょ、そんな校則」

幼「もう!もうっ!」

幼「私が生徒会長なのに!」

幼「全校生徒から見おろされてるのが、不愉快!」 

6 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:19:20 ID:PfOGs/RQ
男「選挙で皆が幼に投票してくれたから選ばれたんだぞ?」

男「変な事言うなよ」

男「選んでくれた皆に悪いぞ?」

幼「むぅー。それはそうだけど…」

幼「もう、飛び級高校生?とか聞かれるの嫌なんだよっ!」

幼「一年生にもこども扱いされる!」

幼「私、もう18歳なのに!」

幼「車の免許だって持ってるのに!」 

7 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:20:10 ID:PfOGs/RQ
男「落ち着けって…」

幼「あと、全校集会の時、踏み台準備されるのも嫌!」

男「だって幼、そのままじゃ、演台に隠れちゃうだろ?」

幼「演台小さくして!」

男「幼のサイズに合わせたら、先生達に合わないだろ?」

男「踏み台で、我慢してくれよ」

幼「むむー」 

8 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:20:49 ID:PfOGs/RQ
男「そんな事より、ほら、依頼来てるぞ」

男「今日は庶務君と会計ちゃんはお休みだから」

男「二人で頑張ろう」

幼「えぇー。何で庶務君達お休みなの?」

男「休みっていうか、あの二人は先生に手伝いを依頼されてるから」

幼「え?そうなの?私、聞いてないけど?」

男「昨日、言ってただろ?」

幼「…言われてみれば、そうだったかも」 

9 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:21:48 ID:PfOGs/RQ
幼「じゃあ、今日の仕事二人で?大丈夫かな?」

男「全部終わったら、飴あげるから」

幼「ん、解ったっ!順番に片付けて行こうっ!」

幼「えへへー。あーめ!あーめ!レモン味?」

男「あぁ、いつものレモン味だ」

幼「わーい。さすが男。私の好きな味を解ってる!」

男(飴に釣られる18歳…ま、いいんだけどな) 

10 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:22:40 ID:PfOGs/RQ
幼「これ、全部?」

男「あぁ、もちろん全部だ」

用務員「手伝わせちゃってすまんねぇ、会長さんに副会長さん」

幼「いえいえ、生徒会ですから!これくらい!」

男「じゃ、片付けちゃいましょうか」

幼「よーし!頑張るぞー!」

男(無理はしないで欲しいけど、まぁ…) 

11 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:23:34 ID:PfOGs/RQ
幼「おりゃー!」
グググッ

生徒A「あ!こども会長!俺、手伝いますよ!」
ヒョイッ

幼「誰がこども会長か!」

生徒A「まぁまぁ…副会長!これ、ゴミ捨て場に移動させるんですか?」

男「そうだよー、手伝ってくれてありがとう」

幼「ありがとうA君」

生徒A「いえいえ。お安いご用ですよ!」 

12 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:24:53 ID:PfOGs/RQ
幼「つ、次!これだー」
ガシッ

男「幼、それはちょっと大きいよ。もっと小さいのを…」

幼「出来る!このゴミは、私が運ぶー!」
グググッ

生徒B「あ、こども会長だ」

生徒A「丁度良い所に!B、お前も手伝ってくれよ」

生徒B「オッケー」
ヒョイッ 

13 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:25:23 ID:PfOGs/RQ
幼「あっ!またっ!」

生徒B「こども会長、無理しないで下さいよ。ははは」

幼「生徒会長に向かって、こどもとは何か!」

幼「でも手伝ってくれてありがとうね、B君」

生徒C「会長、俺も手伝いますよ」

幼「え?何で?」

生徒C「いいじゃないですか。自主的に手伝いたいんですよ」

幼「ありがとね、C君」 

14 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:27:36 ID:PfOGs/RQ
生徒C「いえいえ。これ全部移動させちまえばいいんですよね?」

男「うん」

生徒C「ぱぱっとやりましょう!」

生徒D「あ、会長だ!かいちょー!私たちも手伝いますよー」

生徒E「手伝いますー」

幼「Dちゃん、Eちゃんも。みんな、ありがとう」

生徒たち「お安いご用ですよ、こども会長!」

幼「手伝ってくれるのはありがたいけど、こども会長って言わないで!」

生徒たち(こども会長、ちっちゃ可愛い…皆で守らなきゃ!) 

15 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:28:24 ID:PfOGs/RQ
幼「みんなのおかげで、早く終われました!」

幼「お手伝いしてくれて本当にありがとう!」
ペコッ

生徒たち「会長、お疲れ様でしたっ」

男(やっぱりこうなったか…)

男(これって幼の人望だよなぁ)

男「さ、幼。次の仕事があるよ」

幼「うん。次は何?」

男「次は…」 

17 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:30:40 ID:PfOGs/RQ
幼「えー?ここの草むしり?全部?」

男「うん。チア部から依頼があってね」

男「ここを練習場所として使いたいんだって」

幼「そう言えば、チア部から練習場所の申請出てたね」

幼「屋上を解放しようかと思ってたんだけど…」

男「やっぱグラウンドを見渡しながら練習したいみたい」

幼「むー、それは解るけども…」 

18 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:31:25 ID:PfOGs/RQ
幼「うー…こう言うの、業者に頼めばいいじゃんかー」

幼「生徒会の仕事じゃないと思うー」

男「まぁまぁ。こう言った雑務を俺らがこなせば」

男「別の事に予算回せるでしょ?」

幼「あぁ、そう言う事か!」

幼「じゃあ、浮いた予算で、ちっちゃい演台作るのも可能って訳だね?」

男「いや、それは…」 

19 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:32:54 ID:PfOGs/RQ
ソフト部A「あれ?会長に副会長じゃないですか」

ソフト部B「どうしたんですか?お二人で」

男「チア部から依頼があってね、ここの草むしりをね」

幼「私がやるからには、徹底的に!綺麗さっぱり草の根一つも残さないぞ!」

ソフト部主将「あ、それじゃあソフト部全員でお手伝いしますよ!」

ソフト部主将「皆、良いよね?」

ソフト部員たち「はーい!」 

20 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:33:21 ID:PfOGs/RQ
幼「え?みんな、練習あるでしょ?いいからいいから」

ソフト部主将「会長、私たちが自主的にお手伝いしたいんです!」

幼「…」

男「皆、お言葉に甘えて良いかな?」

ソフト部主将「はいっ!皆で頑張ろー!」

ソフト部員たち「おーー!」

幼「みんな、ありがとう!」 

21 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:34:01 ID:PfOGs/RQ
幼「草って袋に詰めると、案外重いなぁ」
グググッ

ソフト部A「あ、会長!私が持ちますよ!」
ヒョイッ

幼「え?あ、ソフト部Aちゃん、ありがとう」 

22 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:36:03 ID:PfOGs/RQ
ソフト部B「会長、こっちにまだむしってない草がありますよ!」

幼「お、おー!任せろー!」

幼「やー!」
グググッ

ソフト部A(ちっちゃいのに必死で草を抜く会長、可愛い…)

ソフト部B(ちっちゃ可愛い会長を、私たちが守らなきゃ!)

男(やっぱり、ここでもこうなるか…) 

23 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:37:01 ID:PfOGs/RQ
幼「みんな、練習中断してまで手伝ってくれてありがとうっ!」
ペコッ

ソフト部員たち「会長、副会長、お疲れ様でしたっ!」

幼「ソフト部のみんなは、私の事をこども会長と呼ばないから、偉い!」

ソフト部主将(言ったら怒るもんね…言いたいけど) 

24 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:38:04 ID:PfOGs/RQ
幼「お手伝いもしてくれるし、練習も頑張ってるし!超偉い!」

幼「よーし!会長権限で…」

幼「ソフト部の部費は3倍にしよう!」

ソフト部員たち「やったー!」
パチパチパチ

男「いやいやいや。幼、今年の予算編成、終わってるし」

男「来年の予算編成には口出せないからね?」 

25 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:38:48 ID:PfOGs/RQ
幼「次は…理科準備室の片付け?」

男「ここはそんなに大変じゃないよ。備品の片付けだけだから」

幼「今日はここの片付けで終わり?」

男「うん、そうだね」

幼「よーし!超頑張るぞー!」

男「幼、慌てて転ばないでよ?」 

26 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:39:32 ID:PfOGs/RQ
幼「そんな、こどもじゃあるまいし…」
ガッ
バタッ

男「だ、大丈夫?幼」

幼「…」

男「な、何?立てないくらい辛い?」

幼「…今、パンツ見た?見たでしょ?」

男「見てないよ。大丈夫?ほら」
スッ 

27 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:40:14 ID:PfOGs/RQ
幼「うー!絶対見たでしょ!」
ガシッ
スタッ

男「だから、見てないってば…」
ポンポン

幼「頭をポンポンすな!生徒会長に対して、その態度は何か!」

幼「こども扱いは止めて!」

男「頭にゴミが付いてたから、払っただけだよ」

男「さ、片付け始めよう。外もちょっとづつ暗くなってきたし」

幼「お、おー!」 

28 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:41:42 ID:PfOGs/RQ
幼「ビーカー1個も割らずに全部しまえた!」

男「おー。よく頑張ったな、幼」

幼「これで全部終わった?」

男「あぁ、本日の雑務は終了だ」

幼「はー。今日も充実した生徒会ライフだったね!」 

29 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:42:09 ID:PfOGs/RQ
男「はい、それじゃ約束通り、コレ」

幼「あ!やったー!飴だー!」
ペリペリ
パクッ

幼「飴の王様だなー。レモン味は」

男「王様かー。まぁ、美味しいよな」

幼「疲れもブッ飛ぶね。仙豆くらい?」

男「言い過ぎでしょ、仙豆は」 

30 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:42:50 ID:PfOGs/RQ
幼「ほんとほんとー。ほら、もう踊っちゃうくらい!」
クルクル
ドンッ

男「あ!」
ガッ

幼「あっ!」

バタッ
ドサドサドサッ 

31 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:43:29 ID:PfOGs/RQ
幼「お、男…」

男「幼、大丈夫?」

幼「男が庇ってくれたから、私は平気だけど…」

幼「男は大丈夫?」

男「ちょっと背中が痛いだけだよ」

幼「ご、ごめんね、私が浮かれて踊っちゃったから」

男「幼が無事で良かったよ」 

32 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:44:09 ID:PfOGs/RQ
幼「…ふふっ」

男「ん?何?」

幼「普段はこんな事、ぜーったい無いのに」

幼「今はほら、こーんなに顔が近いよ?」

男「…」

幼「身長差も関係ないねっ」 

33 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:44:47 ID:PfOGs/RQ
幼「ね、今のこの状況、誰かが見たらどう思うかな?」

幼「副会長が会長を押し倒してるーって」

幼「噂になっちゃうかな?」

男「副会長が、会長を身を挺して庇ってるって見えるんじゃないかな」

幼「もう!風情無いなぁ、男は」

男「すまんな、風流を解さないタイプで」 

34 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:45:13 ID:PfOGs/RQ
幼「じゃあ、これならどうだっ!」
ギュッ

男「!?」

幼「えへへー。どうだどうだー、副会長!」

男「こ、こうなると、申し開きも出来ないんじゃないかな」

幼「えへへ。そうだよね」

男「ほら、幼、そろそろ」

幼「ん。もう少しぎゅってする」 

35 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:45:50 ID:PfOGs/RQ
男「誰かに勘違いされる前に…」

幼「勘違いじゃないもん!」
ギューッ

男「幼…」

幼「ね?もう少しだけ…」

男「でもさ、幼」 

36 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:46:39 ID:PfOGs/RQ
幼「何?」

男「棚から落ちてきた本をさっさと片付けて、報告に行かないと」

男「先生が見にくると思うよ?」

幼「むぅー」

男「そんな声出しても駄目です。ほら、立つよ?」
スッ

幼「全く、一体いつになったら、男は私の事を」

幼「ぎゅーってしてくれるのかなー?」 

37 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:47:17 ID:PfOGs/RQ
男「ま、まぁ、その内、な?」

男「ほら、幼も立って」
スッ

幼「うんっ!」
ギュッ
スタッ

幼「男、本当にゴメンね?」

男「俺は大丈夫だから。それより、後ろ気をつけて…」 

38 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:47:50 ID:PfOGs/RQ
幼「ん?」
ドンッ

男「あっ!」

幼「えっ?」
ガッ
バタッ

男「幼っ!大丈夫か!?おい!幼っ!」 

39 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:48:31 ID:PfOGs/RQ
幼「…ん」

男「幼!目覚めたか!頭痛くないか?」

幼「…んー?なんで男が私の部屋に居るのー?」

男「寝ぼけてるんだな…幼、頭は痛まないか?」 

40 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:49:28 ID:PfOGs/RQ
幼「んー?ちょっと痛いー」

幼「あれ?私どうしたんだっけ?」

男「理科準備室の片付け中に」

男「棚の上から落ちてきた本に頭ぶつけて、気絶してたんだよ」

幼「あれ?男が庇ってくれたんじゃなかったっけ?」

男「一回目はな。二回目は間に合わなかった」

幼「あぁ、それで頭痛いのかー」 

41 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:50:02 ID:PfOGs/RQ
男「酷く痛むか?病院行くか?」

幼「ん?ここって保健室?」

保健医「そうよー、幼ちゃん」

保健医「眠り姫様が目を覚ますのを」

保健医「二人で待ってたのよー?」

幼「あ、保健医先生。何か、すいません」

保健医「いえいえ。生徒の体調が悪い時こそ、保健室の出番でしょ?」 

42 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:50:33 ID:PfOGs/RQ
保健医「…それに、面白い物も見られたしねぇ」

幼「面白い物?何ですか?何でニヤニヤしてるんですか?」

男「…」

保健医「ま、それはナイショ」

幼「むぅー」

保健医「どうやら大丈夫みたいね?」

幼「ちょこっと痛いだけです。大丈夫!」 

43 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:51:05 ID:PfOGs/RQ
保健医「良かったわねー、副会長さん?」

男「…そうですね」

幼「ん?どうしてそっぽ向くの?」

男「何でも無いよ、幼」

幼「あっ!もう外真っ暗じゃん!今何時?」

男「もう7時過ぎだよ」

男「帰ろう。立てるか?」 

44 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:51:32 ID:PfOGs/RQ
幼「立てるよ、大丈夫大丈夫…」

保健医「…本当にぃ?ちょーっとめまいとかするんじゃない?」

幼「!」

幼「や、やっぱりちょっとめまいがするかも」

保健医「それは大変ー。困ったね、幼ちゃん」

男「…俺がおぶって帰りますよ」

保健医「うんうん。それが良いと思うよー」 

45 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:52:08 ID:PfOGs/RQ
幼「…」

保健医「お大事にねー?」

男「ほら、幼。おぶさりな」

幼「う、うん。ありがと、男」

男「それじゃ、保健医先生、お世話になりました」

保健医「はいはーい。また来てねって言ったら不謹慎?」

幼「また来ますよー。ばいばーい」

男「では」 

46 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:52:34 ID:PfOGs/RQ
保健医「んふふ。普段は超が付く程冷静な副会長君がねぇ」

保健医「あんなに取り乱すなんてねぇ…」

保健医「残業もしてみるもんだわね」

保健医「…あの二人、さっさとくっついちゃえば良いのに」

保健医「幼ちゃんの恋愛相談に乗るのは楽しいけど」

保健医「ナイショの話しは性に合わないんだよなぁ」

保健医「見てるこっちがキュンキュンしちゃう」

保健医「ま、全校生徒が、付き合ってるって思ってるだろうけどね」 

47 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:52:57 ID:PfOGs/RQ
幼「はー。もうすっかり夜だねー」

男「そうだな。日が落ちるのも早くなってきたしな」

幼「へへー。男におんぶしてもらうのも久しぶりだね」

男「あぁ、中1の時以来じゃないかな」 

48 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:53:24 ID:PfOGs/RQ
幼「男の背中、広いねぇ」

男「そうか?」

幼「ウチのお父さんより、ずっと広いよ」

幼「それにすっごく暖かい」

男「…落ちないように、しっかり掴まってろよ」

幼「うんっ」
ぎゅっ 

49 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:53:46 ID:PfOGs/RQ
幼「ね。男って、今も身長伸びてる?伸び続けてる?」

男「あぁ、ちょっと伸びてるな」

幼「…今、身長何センチ?」

男「…言っても不機嫌にならない?」

幼「ならない!」

男「3年1学期の身体測定では185センチだったけど」

男「最近、またちょっと伸びてるみたい」

男「多分190くらいじゃないかな」 

50 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:54:24 ID:PfOGs/RQ
幼「…」

男「幼?」

バシッ
男「痛っ?」

幼「不愉快!」

男「だから言ったのに…」 

51 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:54:53 ID:PfOGs/RQ
幼「もう!もうっ!」

幼「これ以上、私と身長差が開くような事しないで!」

男「俺、別に身長伸ばす努力とかしてないけど…」

バシッ
男「痛っ!」

幼「またしても不愉快!」

男「何が?」 


52 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:55:27 ID:PfOGs/RQ
幼「身長伸ばす努力を続けてる私に対するイヤミ!?」

男「いや、だから…伸びちゃうのは仕方ないだろ?」

幼「まったく…何でウチの家系は背が低いんだろうか」

男「幼は幼のままでいいだろう」

男「身長で何かが変わる訳じゃないし」

幼「そう言われて悪い気はしないけど…」

幼「でもやっぱりこども扱いされるのは嫌だよ」 

53 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:56:17 ID:PfOGs/RQ
男「俺は幼の事、子供扱いしたりしないぞ?」

幼「そう思うんなら、告白の返事、聞かせてよっ」

男「それは…」

幼「やっぱり、こんなちびっ子じゃ駄目?」

男「…」

幼「私、結構努力してるよ?」

男「知ってるよ」 

54 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:57:11 ID:PfOGs/RQ
幼「身長伸ばす努力もそうだけど」

幼「勉強も運動も、一生懸命」

幼「もちろん生徒会の仕事もね」

男「解ってるよ」

幼「私、みんなにこども会長なんて呼ばれて」

幼「何かしようとしても、誰かが手助けしてくれる」

幼「生徒会の仕事も、男と庶務君と会計ちゃんでほとんど片付けちゃうし」

幼「全然役に立ってない、お飾りだよね」 

55 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:57:38 ID:PfOGs/RQ
幼「えへへ。自分でも解ってるんだけどねっ」

幼「でも、私なりに頑張ってるよ?」

男「幼、それはちょっと違うよ」

幼「何が?」

男「幼はちゃんと皆の役に立っているよ」

幼「…どんな?」 

56 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:58:31 ID:PfOGs/RQ
男「幼は全校生徒の名前と顔、覚えてるよね?」

幼「うん。覚えてるよ?何で?」

男「それはかなり凄い事なんだよ」

幼「そ、そう?」

男「手伝ってくれた人にお礼を言うよね」

幼「お手伝いしてもらったら、お礼を言うの当たり前じゃない?」

男「それをきちんと言えない人も多いんだよ」 

57 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 22:59:13 ID:PfOGs/RQ
男「それに、幼が先頭切って一生懸命仕事してるとさ」

男「皆が手伝いしてくれるだろ?」

幼「それって私を何も出来ないこども扱いしてるからでしょ?」

男「子供扱いじゃないよ」

男「皆が自発的に生徒会の運営に力を貸してくれてるんだよ」

男「それはやっぱり、幼の人望なんだよ」

幼「そうかな?」 

58 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:00:04 ID:PfOGs/RQ
男「皆、口ではこども会長って呼ぶけどさ」

男「断言するけど、幼の事をバカにしてる訳じゃないよ」

男「親しみを込めた愛称として、こども会長って呼んでるだけだよ」

男「だから、幼はさ」

男「充分皆の役に立ってるし、支持されてるんだよ」

幼「男…」 

59 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:01:07 ID:PfOGs/RQ
男「それに、幼が色んな事に一生懸命だって事はさ」

男「誰よりも、俺が一番解ってるつもりだよ」

幼「そんな事言ってもらえるなんて、嬉しいよ、男」

男「…」

幼「でも…それでも私じゃ男に釣り合わない?」

男「そんな事はないよ、幼」

幼「じゃあ…」 

60 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:03:03 ID:PfOGs/RQ
男「…」

幼「…」
ぎゅうっ

男「あ、あのさ、幼」

幼「…何?」

男「…ぅ」

幼「ちょっと!何でそこで黙っちゃうの!?」
ジタバタ

男「ちょ、幼!暴れないでくれ!」

幼「ほら!言いたい事あるなら、言っちゃいなよー!」
ぎゅうっ 

61 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:03:47 ID:PfOGs/RQ
男「…幼、あのさ」

幼「お?ついに返事してくれるの?」

男「ん。そう、返事、するぞ」

幼「よ、よし!バッチ来い!」

男「俺の返事はさ、随分前から決まってるんだ」

幼「前っていつ?」 

62 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:05:00 ID:PfOGs/RQ
幼「…」

男「俺は幼の事、大好きだよ」

男「ずっと傍に居たいし、居てほしい」

幼「じゃ、じゃあ、お付き合いしてくれるって事?」

男「…いや、堂々と付き合うって言うのは」

男「あとちょっとだけ待って欲しいんだ」

幼「えー?何でさー?」 

63 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:05:39 ID:PfOGs/RQ
幼「いいでしょ?お付き合いしても!」

幼「もう高校3年だよ?」

幼「来年大学生だよ?」

幼「ロマンスの一つや二つあっても…」

幼「いや、一つで充分だけども!」

男「落ち着いて、幼」

幼「落ち着いてるよ!…でも大きな声出してごめん」 

64 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:06:15 ID:PfOGs/RQ
幼「何でそんなに頑ななの?」

幼「理由聞かないと、納得出来ないでーす!」

男「理由…言っちゃうかな」

幼「言っちゃいなよっ」

男「幼は生徒会長で、俺は副会長」

男「全校生徒の模範になるべき二人がさ」

男「校則に違反するのは駄目でしょ?」 

65 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:07:10 ID:PfOGs/RQ
幼「へ?校則?何の?」

男「ウチの学校の校則には…」

男「男女の交際を禁止するってのがあるんだよ」

幼「マジ?初めて知った!」

男「だからさ」

幼「うん?」

男「任期が終わるまで、付き合うってのは待って欲しいんだ」

幼「…男」 

66 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:07:53 ID:PfOGs/RQ
男「任期終わってからならさ」

男「別に付き合っても良いんじゃないかなーって」

男「俺が副会長引き受けたのも、幼の傍に居たかったからだし」

幼「それは解ってたけどねっ!」

男「まぁ、今までと変わらず俺は幼の傍に居るからさ」

男「恋人とか、そんなの只の呼び方だろ?」

男「俺たちの関係が変わる訳じゃないと思ってさ」 

67 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:08:30 ID:PfOGs/RQ
幼「そうだね。ホントその通りだね」

幼「私たちの関係は変わらないよねっ」

幼「それじゃ私待つよ!」

幼「男が納得して、真剣に私と交際するって言ってくれるまで」

幼「いつまでも待つよ!」

男「幼…ありがとな」 

68 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:08:54 ID:PfOGs/RQ
男「本当はこんな事、言うつもりじゃなかったんだけどな」

幼「そうなの?」

男「実は卒業するまで言わないでおこうと思ってた」

幼「じゃあ、何で今言ったの?」

男「その、さ」

男「幼が理科準備室で気絶した時さ」

幼「うん」 

69 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:09:38 ID:PfOGs/RQ
男「俺、かなりみっともなく、取り乱しちゃってさ」

幼「あぁ。だから保健医先生がニヤニヤしてたんだね」

男「うん正直自分でも引くくらい慌てたな」

幼「そうなんだ?長い付き合いだけど…」

幼「男が取り乱した姿なんて、見たこと無いよ?」

男「生涯で2度目だ」

幼「2度目?」 

70 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:10:08 ID:PfOGs/RQ
男「幼、小6の夏祭りの時にさ」

幼「うん」

男「猫を追いかけてって、神社で寝ちゃった事、覚えてる?」

幼「あー。そんな事あったね」

幼「外で寝るなんて、私、若かったねー」

男「あの時も、半狂乱で祭り会場中走り回ったさ」

幼「半狂乱?マジで?」

男「丁度あの頃、誘拐未遂事件が頻発してたからさ」

幼「そうだっけー」 

71 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:11:02 ID:PfOGs/RQ
男「あの時、神社で寝てる幼を見つけた時にさ」

男「俺、実は号泣しちゃってさ」

男「絶対、この子の傍から離れないって」

男「こんな気持ちになるのは、もう二度とゴメンだって」

男「そう思ったんだ」

幼「男…」

男「当の本人は、気持ちよさそうに寝てたけどな」

幼「えへっ」 

72 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:11:39 ID:PfOGs/RQ
男「そして、今日だ」

男「幼が気絶した時、俺の心臓止まるんじゃないかと思った」

男「小6の時、傍に居るって決めたのに」

男「傍に居たのに、守れなかった…って」

幼「大げさだよ、男。本が頭に当たったくらいで死んじゃったりしないよ」

男「まぁ、それくらい慌てたって事だよ」

男「それで…思ったんだ」

幼「ん?」 

73 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:12:38 ID:PfOGs/RQ
男「何て言うか…後悔したくないなって」

幼「後悔?」

男「言いたい事、言わずに後悔したくないなって」

男「だからさ」

男「俺の正直な気持ち、伝えようと思って」

幼「そうだったのかー。心配かけてごめんっ」

男「いや。胸の支えが取れた気分だよ。言えて良かった」 

74 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:13:07 ID:PfOGs/RQ
幼「あー、もうっ。嬉しいなぁっ!」
ぎゅうーっ

男「幼、く、首…締まってるからっ」

男「あと、その…胸が当たってるからっ!」

幼「当ててるんだよっ!わーざーとっ!」
ぎゅうっ




?「そこの君、ちょっといいかな?」 

75 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:14:05 ID:PfOGs/RQ
男「ん?」

?「ちょっとお話し聞かせて貰っていいかな?」

男「何ですか?」

?「君、高校生?」

男「そうですけど…何でしょう?」

幼「あ!警察官さんですか?」 

76 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:14:53 ID:PfOGs/RQ
警官「そうだよー。僕はお巡りさんなんだ」

幼「お仕事ご苦労様です」

警官「二人は兄妹かな?」

男「いえ、違いますけど…」

警官「…お嬢ちゃん、ちょっと待っててね」

幼「え?私ですか?」

警官「今、おじさんが助けてあげるからね!」 

77 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:15:39 ID:PfOGs/RQ
幼「助ける?」

警官「そのお兄ちゃんは悪い人じゃないかな?」

警官「お嬢ちゃんのお父さんが呼んでるからーとか言われてない?」

幼「…」

男「あの、僕ら同級生で、彼女ちょっと具合が悪くてですね」

警官「同級生?いやいやいや無いでしょう」

男「…幼、我慢して。我慢だよ」 

78 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:16:04 ID:PfOGs/RQ
幼「…男、ちょっと降ろして」

男「我慢だよ?」

スタッ

幼「…お巡りさん、ちょっと良いですか?」

警官「何かな?お嬢ちゃん」

幼「私が着てる服、どう見えます?」 

79 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:16:42 ID:PfOGs/RQ
警官「ん?あぁ、近所の高校の制服に見えるね」

警官「あれ?あの高校、付属の小学校とかあったっけ?」

幼「わ・た・し・は!高校3年生です!18歳です!」

幼「生徒会長だし!車の免許だって持ってるし!」

幼「こどもじゃないですからっ!」
ガサゴソ

幼「ほら、これ!生徒手帳と、運転免許証!」 

80 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:17:07 ID:PfOGs/RQ
警官「ははは、そんな馬鹿な…」

男「…」

幼「…」

警官「…アレ?」

幼「どうですか?」

警官「ちょ、ちょっと待ってね」

警官「…」 

81 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:17:43 ID:PfOGs/RQ
警官「これ、お姉さんのじゃないよね?」

幼「どう見ても、私の写真でしょ!」

警官「あ、あの…ごめんね?お嬢さん」

警官「ちょっと勘違いしてしまって…」

警官「すみませんでした!」

幼「私にじゃなくて、男に謝って!」

警官「二人とも、本当に申し訳ない事を…」

警官「すみませんでしたっ!」 

82 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:18:13 ID:PfOGs/RQ
幼「また小学生に間違われた!不愉快!」

男「まぁまぁ。取りたてホヤホヤの免許が役に立ったな」

幼「この為に取ったと言っても過言じゃないよ!」

幼「まったく…もう!」

男「幼、もう歩ける?大丈夫?」

幼「あ、うん。ここまでおぶってくれてありがとね」

男「まぁ、会長を補佐するのが副会長だからな」 

83 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:18:48 ID:PfOGs/RQ
幼「それじゃ、帰ろうか!」

男「そうだな。腹も減ったし」

幼「男、まだ飴持ってるんでしょ?」

男「飴で腹は膨れないけど、持ってるぞ」

幼「一個ちょうだい!」

男「うん。ほら」

幼「ありがと」
ペリペリ
パクッ 

84 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:19:12 ID:PfOGs/RQ
男「俺も食べようかな」
ペリペリ
パクッ

幼「この飴、神様が作ったんじゃないかなー」

男「言いすぎだろ。UHA味覚糖の社員が作ったんだよ」

幼「それじゃあ、UHA味覚糖の社員が神様と言う事に?」

男「ならないでしょ、そんな事には…」

幼「そうかなー。こんなに美味しいのになー」

男「飴舐めながら家に帰るってさ」

男「なんだか、子供の頃に戻ったみたいだな」 

85 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:19:45 ID:PfOGs/RQ
幼「そうだねー」

幼「!」

幼「あ、あのさー、男」

男「ん?何?」

幼「昔みたいに、手、繋いでも良い?」

男「…」

幼「だめ?」 

86 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:20:18 ID:PfOGs/RQ
男「…今日だけ、な?」

幼「うんっ」
ギュッ

幼「男の手、暖かいね」

男「そうか。幼の手も暖かいよ」

幼「うんっ!へへー」
ギュッ

男「…」 

87 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:20:50 ID:PfOGs/RQ
幼「そろそろ家に着くね」

男「そうだな」

幼「その角、曲がったら家見えるね」

男「そうだな…」

幼「もう飴、溶けて無くなっちゃったよ」

男「俺もだよ」 

88 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:21:26 ID:PfOGs/RQ
幼「…」

幼「うっ…」

男「ん?どうした?幼?」

幼「あ、頭が…クラクラする…」
ヘタッ

男「お、おい!幼!大丈夫か!」

幼「今だっ!」

男「?」
ガシッ

チュッ 

89 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:21:50 ID:PfOGs/RQ
男「んなっ…」

幼「えへへっ!ファーストキスはレモンの味だったねっ」

男「おい!今のはずるいぞ!」

男「俺の事、待っててくれるんじゃなかったのかよ!」

幼「もちろん待つよ!」

幼「でも、今、ちょっとだけ我慢出来なかったー」

男「あ、あぅ…お前、そんな…今の、あ、あれだろ」 

90 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:22:31 ID:PfOGs/RQ
幼「私がうずくまれば、男がしゃがみこむだろうと思った!」

幼「40センチの身長差をカバーする為の作戦、大成功!」

幼「こうでもしないと、私からちゅー出来ないもんねっ!」

幼「ジャーン!ジャーン!孔明の罠だー!」

男「そ、そうだぞ。今のは完全に罠だろ…」

幼「見事に引っかかったね!」

男「ぐぅ…」 

91 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:23:05 ID:PfOGs/RQ
幼「もう一回、ちゃんとしたいなー」

幼「あの角を、曲がる前に、ね?」

幼「それだけで、色々頑張れるから」

幼「今度は、男からして欲しいな」

男「…」

幼「一回でいいから、ね?」

男「…解ったよ」 

92 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:23:59 ID:PfOGs/RQ
男「取り敢えず立って、幼」
スッ

幼「ありがと」
ギュッ

幼「よいしょっと」

男「…初めては、俺の方からと思ってたのに」

幼「早いもの勝ちです」

男「…それじゃ、幼。目瞑ってくれる?」

幼「ん…」





?「ちょっとそこの君?」 

93 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:25:15 ID:PfOGs/RQ
男「はい?」

?「こんな時間に、こんな薄暗い路地で、何してるのかな?」

男「あ、あの…それは…」

?「ん?その子は君の妹かな?」

男「違いますけど…いや、あの、これは違うんです」

?「不審人物発見!ちょっと話しを聞かせてもらおうか?」

幼「…」 

94 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:26:08 ID:PfOGs/RQ
幼「あのー、あなたは本物のお巡りさんですよね?」

警官B「そうだよ、お嬢ちゃん。ちょっと待ってて…」

幼「わ・た・し・は!高校3年生!」

幼「正真正銘18歳だーーーーー!」

警官B「え?いやいやいや、それは無いでしょ?」

幼「もーーーーっ!今、超良い所だったのにっ!」

警官B「えっ?」 

95 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:29:22 ID:PfOGs/RQ
男「幼、落ち着いて!お巡りさん、すいませんっ」

警官B「はっ?えっ?」

男「彼女が18歳なのは本当なんです」

男「幼、ほら、免許証出して…」

幼「もう!もうっ!一日に二回も職務質問なんてっ!」

男「落ち着いて、幼!」 

96 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:30:15 ID:PfOGs/RQ
幼「男っ!生徒会長として命じるっ!」

男「な、何?」

幼「そのお巡りさんをやっつけて!」

男「そ、そんなの、無理に決まってるでしょ!」

幼「もうっ!生徒会長なのに!」

警官B「ちょ、ちょっと二人とも、話しを…」


幼「もーうっ!私以外の世界中の人間、縮めーーーーっ!」



おわり
だけど
ちょっとだけ続く 

97 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:30:42 ID:PfOGs/RQ
幼の家

幼「今日、ちゅーした!」

妹「え?マジで?」

妹「男さんもついに決心したかー」

幼「私の方から強引にした!」

妹「えー?どうやって?」

幼「ふふん。偉大な姉を褒め称えても良いよ?」 

98 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:31:12 ID:PfOGs/RQ
妹「こども会長はー、一体どうやってー」

妹「身長差40センチの壁を乗り越えたのー?」

幼「私の事をこども会長って呼ぶな!」

妹「そんな事はどうでもいいから!」

妹「どんな感じだったの?」

妹「やっぱその胸を使って誘惑したの?」

幼「ふふん。羨ましいだろー!」 

99 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:31:57 ID:PfOGs/RQ
幼「身長は伸びなかったけど、胸はそこそこ大きくなったからね!」

妹「別にー。私の方が身長高いし!」

幼「1センチだけね?」

妹「1.5センチです!」

幼「サバ読むなー!」

妹「読んでませんー!」

幼「保健医先生に聞いて、知ってるんだから!」

妹「ぐぬぬ…保健医先生め…」 

100 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:32:42 ID:PfOGs/RQ
妹「ま、まぁ、私の彼氏は度量が大きいからね!」

妹「子供体型でも良いって言ってくれたし!」

幼「はいはい。優しい彼氏様だこと」

幼「そういえばさー」

幼「ウチの高校、男女交際禁止なんだってよ?知ってた?」

妹「へー?そうなんだ」 

101 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:33:10 ID:PfOGs/RQ
幼「生徒会長の妹が、校則を無視するとはねー?」

妹「そんなの私には関係ないし!」

妹「そんな事より、どんな感じでキスしたの?」

幼「実は今日ねー」
・ 

102 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:33:53 ID:PfOGs/RQ
男の家

弟「兄貴、何か変だな、何かあった?」

男「べ、別に何もない」

弟「…幼さんと何かあった?」

男「は?な、何言ってんだお前」

弟「やっぱり何かあったんだなー」

男「な、何も無いって、言ってるだろ!」 

103 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:34:21 ID:PfOGs/RQ
弟「兄貴さ、嘘つくと、鼻の穴がヒクヒクするって知ってた?」

男「嘘つくな!」

弟「まぁ、それは嘘なんだけど」

弟「図星突かれた時、大声出すのはホントだぜ?」

男「ぐ…」

弟「正直に言いなって」

弟「どうせ隠し事なんて出来ない性格なんだから」 

104 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:34:53 ID:PfOGs/RQ
男「…今日、幼とキスした」

弟「マジで?いつも言ってる校則はどうした?」

男「孔明の罠に引っかかった…」

弟「へぇ…珍しいな、兄貴がそんな隙見せるなんて」

男「色々あったんだよ…色々な…」

弟「色々ねぇ…」 

105 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:35:35 ID:PfOGs/RQ
弟「キスだけ?」

男「あぁ…キスだけだ」

弟「ま、俺たち兄弟にはアレの問題があるもんな…」

男「そう言う事だ」

弟「俺、手術受けるぜ?」

男「!」 

106 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:36:07 ID:PfOGs/RQ
弟「金、そろそろ貯まるし、父ちゃんも良いって言ってくれたし」

弟「兄貴はどうすんの?」

男「俺は…」

弟「彼女に『小さい』って言われたくないからさ」

男「そ、そうか…」

弟「兄貴だって、俺ほどじゃないけど、小さいだろ?」

男「…ちゃんと考えるさ」

弟「ホント、ちゃんと考えた方が良いと思う」 

107 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:36:32 ID:PfOGs/RQ
数ヶ月後

男「幼、本当に良いんだな?」

幼「もうっ!何回同じ事聞くの?」

幼「高校卒業したんだから、問題無いでしょ?」

幼「今日は…覚悟して来たんだから!」

男「解った…」

チュッ
幼「ちっちゃい…?」

男「…」
ゴソゴソ 

108 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:36:59 ID:PfOGs/RQ
幼「あ、あれ?何で布団に潜っちゃうの?男?」

男「ダメダッタ。ヨソウイジョウノダメージダ」

幼「え?何?声が小さくて聞こえないよ?」

男「チイサイッテイワナイデクレー」

幼「ちょっと!布団から出てきて!男!ねえってば!」
ユサユサ 

109 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:38:01 ID:PfOGs/RQ
男「ダメダー」

幼「大きな声で、ちゃんと話してよっ!」

男「勘弁してくれ、幼…もう、あと二ヶ月こう言うの無しで!」

幼「何で二ヶ月なんだよー!」

幼「私が今日と言う日をどれだけ待ってたと思ってるのー?」

男「でも今日はもう、俺、立ち直れない…」

幼「そんな事はなーい!」 

110 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:38:38 ID:PfOGs/RQ
幼「おりゃーー!」
グイッ
バサッ

男「…」

幼「そんな、ダンゴムシみたいに丸まっても可愛いだけだから!」

幼「ちっちゃいって言った事、気にしてるんだよね?」

幼「傷ついたよね、ごめんなさい」

男「…」 

111 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:39:09 ID:PfOGs/RQ
幼「でも聞いて、男」

幼「男は、私の事、ありのまま受け入れてくれるんだよね?」

幼「身体がちっちゃくても、良いんだよね?」

男「うん…」

幼「なら私も、男の事、ありのまま全部、受け入れるから!」

幼「ちっちゃい事なんか気にしないから!」

男「…」 

112 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:40:50 ID:PfOGs/RQ
幼「大体さぁ」

幼「大きい方が良いかどうかなんて、誰が決める事なの?」

幼「男の事を受け入れる、私じゃない?」

男「…」

幼「私はそのままで良いと思うよ」

幼「その…初めて実物を見たもので」

幼「つい、ちょっとちっちゃいなんて言っちゃったけどさ」

幼「そのままで良いよ、男」 

113 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:43:03 ID:PfOGs/RQ
幼「大きい方が良い、なんて、漫画の見過ぎだよ」

幼「私、身体が小さいから、あまり大きいと駄目だと思うし」

幼「大好きな男となら、どんな形でも幸せになれると思うし」

幼「だから、ね?」

幼「良いでしょ?」

男「そ、そうか…そうか?」

幼「…手術とか受けたりしないでね?」

男「…」 


114 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/03(月) 23:46:00 ID:PfOGs/RQ
幼「ね?」

男「解った…」

幼「それじゃ、改めて…」
ぎゅうっ

男「おう」

幼「私はもう生徒会長じゃないけど」

幼「これからも、末永く私の傍に居てね、男っ」

男「こちらこそ、幼」

チュッ


ホントにおわり