1: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/08(月) 17:55:11.44 ID:ze/svPhj0
クリスタ「エレン、大変!」
エレン「何かあったのか?」
クリスタ「ジャンが虐められてる!」
エレン「ったく、またかよ」
クリスタ「早く来て!」グイグイ
エレン「お、おう…」
エレン(無事であってくれよ)
エレン「やっぱりか」
ガキ123「」チーン
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1373273711
引用元: ・もしもエレンの家族がクリスタ、幼馴染がジャンだったら
進撃の巨人(18)限定版 (講談社キャラクターズA)
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4: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/08(月) 18:00:54.57 ID:ze/svPhj0
ジャン「お、エレンじゃねーか、それとクリスタまで。どうかしたのか」
エレン「お前が虐められてるって聞いたから来たんだが、どうやら逆だったようだな」
クリスタ「ジャン、暴力はダメって言ってるでしょ!」
ジャン「いや、だってよ…」
10分前ーー
ジャン「あー早く内地に行きてー」
ガキ1「おい、またジャンの奴内地に行きてーって言ってるぞ」
ガキ2「あいつで行けるなら俺たちでも行けるだろ」
ガキ123「ギャハハハ」
7: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/08(月) 18:05:28.32 ID:ze/svPhj0
ジャン「はっ、お前らみたいな落ちこぼれが行ける訳ねーだろ」
ガキ1「んだとぉ!」
ガキ3「やんのか!」
ジャン「」ニヤ
ーーー
ーー
ー
クリスタ「何でも暴力で解決しちゃダメだよ」
ジャン「ああ、すまん」
9: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/08(月) 18:10:59.29 ID:ze/svPhj0
ジャン(何故だか、クリスタには頭が上がらない)
ガキ123(クリスタマジ天使」
ジャン「は?」
ガキ123「あ」
ジャン「よし、削ごう」ゴゴゴゴゴ
エレン「俺の家族を穢したら許さねーぞ」ゴゴゴゴゴ
ガキ123「ひぃぃいぃぃ!?」
14: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/08(月) 18:22:31.87 ID:ze/svPhj0
クリスタ「エレン、ジャン!」
エレンジャン「すんませんでした」
ガキ123(今のうちに撤退)スタコラ
エレン「それにしてもよ、まだお前は内地に行きたいと思ってるのか」
ジャン「お前もだろ、エレン。調査兵団目指してるんだろ」
エレン「ああ、俺は自由を求めて壁の外に出るんだ。人間は家畜じゃねぇ」
17: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/08(月) 18:30:20.30 ID:ze/svPhj0
ジャン「確かに壁からは出たい。でも、危険を犯してまで外に出たいとは思わん」
エレン「でも、俺は行く。炎の水、氷の大地、砂の雪原、これらを見て、始めて自由になれるんだ」
ジャン「炎の水、氷の大地、砂の雪原……?なんだそれ、誰から聞いたんだ?」
エレン「この前、気弱そうな子供が話してた」
ジャン(お前も子供だろ。俺もだが)
エレン「あと、2年、あと2年経てば訓練兵団に入れるんだ。そしたら俺は強くなれる、絶対にあいつらを駆逐してやる」
21: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/08(月) 18:41:51.51 ID:ze/svPhj0
ジャン「自由を求めたり、巨人を駆逐…繋がってるんだな。自由が欲しければ…」
エレン「巨人と戦うしかない」
クリスタ「私は反対」
ジャン「クリスタ!?」
エレン「なんでだよ!」
クリスタ「だって、どうやってあの大きな巨人達を倒すの?絶対無理だよ!」
エレン「無理じゃねぇ、俺たちが立体起動装置を扱えれば余裕だ」
ジャン(たち?俺は行かんぞ)
クリスタ「でもっ!」
エレン「クリスタ、俺はもう決めたんだ。壁から出るって」
クリスタ「うっ…」ブワッ
22: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/08(月) 18:51:50.26 ID:ze/svPhj0
エレン「え」
クリスタ「やだよ、やだよぉ…エレンが死んじゃう…」ポロポロ
エレン「お、おい、泣くなよ!てか俺死なねーし!」
エレン(俺が調査兵団に入るのは、自由を求めるだけじゃない。
大切な人を守れるようになるために。巨人に勝って、大切な人を守れ、自由を手にするんだ。
だから、ここは引けない。でも…)
エレン「その涙は反則だろ…」
クリスタ「ヒッグ… グスン」
エレン「ごめんな、こればっかりは譲れない」ナデナデ
23: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/08(月) 18:59:12.96 ID:ze/svPhj0
クリスタ「………ねえ、エレン」
エレン「なんだ?」
クリスタ「絶対に死なないって、約束して」
エレン「ああ、約束するよ」スッ
クリスタ「えっ」
エレン「指切りだ、この小指に誓う。エレン・イェーガーは死なない」
クリスタ「うん!」
ジャン(おい、俺空気なんだが。……爆発しろ、この鈍感野郎!)
エレンの優先順位
クリスタを守る>>>>自由>>>>>>駆逐
25: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/08(月) 19:21:36.08 ID:ze/svPhj0
845年、人類は巨人の侵入を許した。街中は巨人が溢れかえ、人々は次々に犠牲になった。
その中でーー
エレン「母さん…母さぁぁぁん!!」
エレンの母、カルラまで、巨人の餌食になった。
クリスタ「……」
カルラ『クリスタ、もし、エレンが無茶をするなら、あなたが止めてあげて』
カルラ『それでも、エレンの意思が曲がらないなら、あなたが守ってあげて』
カルラ『あと、ジャンのことも気にかけてあげてね。あの子は少し悪い子だけれど、根は良い子なの』
カルラ『1人じゃ何も出来ないかもしれない。でも、3人なら、何だって出来る』
カルラ『頼んだわよ、クリスタ』
クリスタ「うん、お母さん…」ポロポロ
この時、クリスタは始めてカルラのことを、お母さんと呼んだ。
エレン「駆逐してやる。この世から…1匹残らず……!!」
この年、中央政府は、人類の活動領域を、ウォール・ローゼまで、後退させることを決定した。
エレンの優先順位
クリスタを守る>駆逐>>>>>>>>>自由
41: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/08(月) 20:46:32.19 ID:ze/svPhj0
2年後ーー
ー入団式ー
キース「貴様は何者だ!」
ジャン「シガンシナ区出身、ジャン・キルシュタインです!」
キース「そうか、馬みたいな名前だな!今から馬と走ってこい!」
ジャン「いえ、それは…」
キース「何しにここに来た!」
ジャン(いきなり話変えんなよ)
43: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/08(月) 20:52:09.59 ID:ze/svPhj0
ジャン「っ!……憲兵団に入って、内地で暮らすためです」
キース「…そうか、貴様は内地に行きたいのか」
ジャン「はい!」
キース「!」ゴチン
ジャン「いっ…」
キース「誰が座って良いと言った!?こんなところでへこたれる者が、憲兵団などになれるものか!」
ジャン(このハゲ…)ギロッ
キース「キルシュタイン、もう1発欲しいか?」ゴゴゴゴゴ
ジャン「いえ、結構です!」
44: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/08(月) 21:05:26.05 ID:ze/svPhj0
キース「貴様は何者だ!」
クリスタ「シガンシナ区出身、クリスタ・レンズです!」
キース「貴様は何しにここに来た!」
クリスタ「そ、それは…」
クリスタ(ど、どうしよう…。エレンが居るから、着いて来たなんて言える訳ないよぉ…)アタフタ
クリスタ「……わ、私の大切な人を守るために、ここに来ました!」
キース「そうか。だが、貴様のことなんかミジンコ程度にしか思われてないぞ!」
クリスタ「!」ガーン
45: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/08(月) 21:10:04.75 ID:ze/svPhj0
キース「この程度の言葉で傷着くようなら、貴様は開拓地行きだ!」
クリスタ「…」ウルウル
訓練兵(泣かせたー!?)
キース「そんな目で見るな!」
クリスタ「…」ウルウル
キース「……なんか、その…すまん」
訓練兵(教官が謝ったー!?)
こうして、入団式は終わった。
49: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/08(月) 21:21:32.32 ID:ze/svPhj0
エレン「クリスタ」
クリスタ「どうしたの、エレン?」
エレン「俺はお前の事、ミジンコとか思ってないからな」
クリスタ「え?」
エレン「この世で1番、大切な人だ」ギュッ
クリスタ「う、うん///」
ジャン(……べ、別にいいもんっ!俺だっていつか運命の人と…。これだけ言わせてくれ…)
ジャン「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」
66: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/09(火) 18:20:55.23 ID:Z5Uvz/6T0
ーーー
ーー
ー
エレン「まさか直球で言うとは思ってなかったよ」
ジャン「俺は嘘が大っ嫌いだからな」
エレン「だからって正直過ぎてもこの先困るぞ。見たか、教官の顔。すっげえヤバかったぞ」
ジャン「今度頭突きしてきたら削ぐ」
エレン「本当にやるなよ」
「おーい、君たちー!」
ジャン「なんだ?」
「シガンシナ区出身だろ。話しを聞かせてくれよ、超大型巨人のことを!」
エレンジャン「……」
ーー
ー
エレン「まさか直球で言うとは思ってなかったよ」
ジャン「俺は嘘が大っ嫌いだからな」
エレン「だからって正直過ぎてもこの先困るぞ。見たか、教官の顔。すっげえヤバかったぞ」
ジャン「今度頭突きしてきたら削ぐ」
エレン「本当にやるなよ」
「おーい、君たちー!」
ジャン「なんだ?」
「シガンシナ区出身だろ。話しを聞かせてくれよ、超大型巨人のことを!」
エレンジャン「……」
67: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/09(火) 18:24:53.09 ID:Z5Uvz/6T0
ーーーーー
エレン「だから、見たことあるって」
訓練兵「おおー!」
トーマス「本当か!」
「どのくらい大きいんだ?」
ジャン「壁を跨ぐぐらい大きかったな」
「マジかよ!」
「俺の情報当たってた!」
68: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/09(火) 18:28:59.84 ID:Z5Uvz/6T0
エレン「ジャン、嘘つくな」
エレン(てかさっき、嘘大っ嫌いって言ってなかったか?)
エレン「そこまで大きくない。実際は壁から顔を出すぐらいだ」
「じゃあウォール・マリアを破った鎧の巨人は!?」
エレン「そう呼ばれてるけど、俺の目には普通の巨人に見えたな」
ジャン「足元にトラップでも仕掛けてたら転んでたんじゃね」
アハハハ ジャンッテオモシレー
70: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/09(火) 19:47:52.28 ID:Z5Uvz/6T0
「じゃ、じゃあ普通の巨人は!?」
エレン「!」ガタッ
ジャン「!」
エレン「ウップ…」
ジャン「悪いが普通の巨人についてはNGだ。エレンの母ちゃんは…」
マルコ「皆、もう質問はよそう!思い出したくないこともあるだろ」
コニー「す、すまん!いろいろ聞い」
エレン「ーーーいや、違うぞ!」
71: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/09(火) 20:32:59.55 ID:Z5Uvz/6T0
エレン「巨人なんてな、実際対したことねぇ。俺達が立体起動装置を使いこなせるようになれば、あんなのは敵じゃない」
「おお!」
「本当か!?」
「巨人に復讐してやる!」
エレン「俺たちは…巨人に勝てる!」
「そんな訳ないじゃないか!」
「!?」
「なんだ!?」
75: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/09(火) 21:00:32.76 ID:Z5Uvz/6T0
「君たちは巨人を見てないから、なんとだって言える。
でも!僕は巨人を見たから、分かるんだ!人類は…巨人に勝てない…!」
「そうだよな…」
「やっぱり人類は巨人に勝て」
エレン「いや、勝てる!」
「何故そこまで肯定的に言えるんだ!君もシガンシナ区出身なら見ただろ、巨人達を!」
エレン「ああ、見たさ」
「だったら何故!?」
エレン「なあ、お前はさ。最初から負けを認めるのか?」
77: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/09(火) 21:10:51.39 ID:Z5Uvz/6T0
「い、いきなり何をーー」
エレン「人間は、負けても負けても立ち上がってきたんだ。最初から勝ち目がないなら、壁から出たりなんてしない。
でも、人間は負けを認めてない」
エレン「俺達は、希望が持てる」
「……」
エレン「外で喰われた人たちは無駄死にじゃない。人類に貢献したんだ。それを否定する奴は俺が許さねぇ」
エレン「まっ、こんなガキに論されてもムカつくだけか」ハハハ
「君は強いね…」
78: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/09(火) 21:19:46.14 ID:Z5Uvz/6T0
エレン「ん、何のことだ?俺は全く強くねぇよ。まあ、これから強くなるけどな。
……お前、名前はなんて言うんだ?」
「……アルミン・アルレルト」
エレン「よろしくな、アルミン」スッ
アルミン「こちらこそ」ニギッ
エレン「あれ、そういえばお前、どこかで見たことあるぞ」ジー
アルミン「?」
エレン「あっ、思い出した!確か、外の世界について話してた奴だ!
あの話しの続きを聞かせてくれよ!」キラキラ
アルミン「う、うん…。もちろんいいよ」
エレン「っしゃあ」
89: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/10(水) 17:46:40.86 ID:rNa3964O0
ーーーーー
クリスタ「なんだかんだで2人とも、仲良くなったみたい」
ジャン「クリスタ、今までどこ行ってたんだ?」
クリスタ「お芋の子にご飯を分けてあげようとして」
ジャン(あの芋女のことか)
ジャン「それにしては、遅かったな」
クリスタ「そのあと、男の子達に話しかけられちゃって…」
ジャン(よし、あとでそいつら潰そう)
クリスタ「でも、エレンのところに行かなくちゃ、て言ったらみんな、魂が抜けた見たいに…」
91: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/10(水) 17:51:22.76 ID:rNa3964O0
>>89変換ミス
クリスタ「でも、エレンのところに行かなくちゃ、て言ったらみんな、魂が抜けたみたいに…」
ジャン(残念、クリスタにはエレンしか見えてねえからな)
ジャン「俺達もエレンのとこに行こうぜ」
クリスタ「うん」
「……」ファサッ
ジャン「!」
クリスタ「どうしたの、ジャン?」
ジャン「……悪い、先行くわ!」ダッ
クリスタ「あ、うん…もういない」
クリスタ(ジャンが女の子を追いかけてった…)
クリスタ「でも、エレンのところに行かなくちゃ、て言ったらみんな、魂が抜けたみたいに…」
ジャン(残念、クリスタにはエレンしか見えてねえからな)
ジャン「俺達もエレンのとこに行こうぜ」
クリスタ「うん」
「……」ファサッ
ジャン「!」
クリスタ「どうしたの、ジャン?」
ジャン「……悪い、先行くわ!」ダッ
クリスタ「あ、うん…もういない」
クリスタ(ジャンが女の子を追いかけてった…)
96: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/10(水) 19:42:21.21 ID:rNa3964O0
ジャン「なあ、あんた!」
「……」クルッ
ジャン「えっと、その、見慣れない顔つきだから、つい…。す、すまない。
とても綺麗な黒髪だ……//」
「どうも」スタスタ
ジャン「…」ポカーン
ジャン「……あ、あれ。何処行った…?」キョロキョロ
「アルミンに友達が出来て良かった。私も早く、友達を作らなきゃ」
「さっきの人、私の黒髪を褒めてくれた。……少し嬉しい」
103: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/10(水) 20:20:47.90 ID:rNa3964O0
翌日ーー
キース「今から貴様らの適性を見る!これが出来ない奴は囮にも使えん!
開拓地に移ってもらう!」
「おい、見ろよあいつ!」
「全くブレがねぇ!」
「…」ピタッ
「本当に女かよ」
「な、名前は!?」
「確か、ミカサ・アッカーマンじゃなかったか」
104: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/10(水) 20:31:13.87 ID:rNa3964O0
ジャン(あいつ、ミカサ・アッカーマンって言うのか…。それにしても綺麗だな…)ポー
キース「次はジャン・キルシュタイン!」
ジャン「はい!」
ジャン(おい、今ミカサを見てんだよ!邪魔すんなハゲ!」
キース「よし、貴様は今日飯ぬきだ」
ジャン「」
117: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/11(木) 18:34:47.81 ID:AaAckgoh0
キース「次、クリスタ・レンズ!」
クリスタ「は、はひ!」
クリスタ(か、噛んじゃった…。恥ずかしい…)カア
「天使だ…」
「可愛い…」
「あとで話しかけてみよ…」
ジャン(ははっ、可哀想に。クリスタには心から決めた奴がいるから、お前らの入り込む余地はねえ)
118: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/11(木) 18:39:01.30 ID:AaAckgoh0
ジャン(てか、いい加減気づけよ。クリスタには好きな人がいるくらい)
ジャン(さてと、エレンの奴は…)
エレン「…」ブラーン
ジャン「お、おい…出来てねぇじゃん!どうしたんだよ、あいつ!)
クリスタ「え、エレン!?」
エレン(あれ、全然起き上がることが出来ねぇ……。な、なんでだよ、おい!
俺には才能がないのかよ……!!)
119: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/11(木) 19:15:48.00 ID:AaAckgoh0
夜ーー
ジャン「どうしたんだ、エレン。お前らしくないじゃないか」
エレン「なあ、ジャン。俺には、才能がないのかな……」
ジャン「何とも言えねえ」
エレン「そうか…」
ジャン「俺は才能とか、天才とかどうだっていい。人間は努力すれば、それに見合ったことが可能になる。結論は1つ」
ジャン「努力は、嘘をつかない」
121: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/11(木) 19:18:05.74 ID:AaAckgoh0
エレン「……」
ジャン「多分な、たぶん…」
エレン「………少し、夜風にあたって来る」スタスタ
ジャン「ああ」
ジャン(頑張れよ、俺からは特に、アドバイスすることはない。ただ)
ジャン(必死になれ)
131: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/11(木) 20:35:25.24 ID:AaAckgoh0
エレン「頼む、2人とも!すごいうまいって聞いたぞ!ライナー、ベルトルト!」
ライナー「すまんが、ぶら下がるのに、コツがあるとは思えん。期待するような助言はできそうにないな」
エレン「そうか…」
ベルトルト「エレンは、あのシガンシナ区出身だよね」
エレン「ああ」
ベルトルト「じゃあ、巨人の恐ろしさを知ってるはず。なのに、どうして兵士を目指すの?」
エレン「それは…」
ジャン「夜風にあたるんじゃなかったのか、エレン」
132: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/11(木) 20:38:08.03 ID:AaAckgoh0
エレン「ジャン!」
ベルトルト「君は…」
ジャン「ジャン・キルシュタインだ。よろしくな」
ライナー「よろしく」
ジャン「で、何の話しをしてるんだ?」
ベルトルト「君たちがどうして、兵士を目指すのかって」
ジャン「そんなの決まってる」
ジャン「巨人への復讐のためだ」
153: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/12(金) 20:49:56.21 ID:heBk6mTN0
ジャン「最近俺の中で、矛盾が生じている。口では内地と言っているが、心では巨人への復讐を望んでるのかもしれない」
ジャン「最初は何故、エレンがそこまでして巨人を駆逐したいのか分からなかった。
駆逐したところで親が帰ってくるわけじゃないのに。だが、分かったよ。親が殺されて」
ベルトルト「ッ!」
ライナー「まさか……!」
ジャン「俺の親は、訳も分からんウォール・マリア奪還作戦で死んだ。
その時、微かに芽生えた。ああ、巨人をぶっ殺したいってね」
エレン「……」
ジャン「だから今、迷っている。内地に行くのか、巨人どもをぶっ殺すのか」
エレン「……俺が決めることじゃない、変に気を使わなくていい」
ジャン「別につかってねえよ、これは本心だ」
エレン「そうかよ…」
166: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/15(月) 19:19:16.59 ID:42eIzfTi0
ーーーーー
エレン「2人はどこ出身なんだ?」
ベルトルト「僕とライナーは、ウォールマリア南東の、山奥の村出身なんだ」
エレン「えっ!そこって…」
ベルトルト「ああ、川沿いの栄えた町とは違って、情報や連絡がこなかった。何せ、連絡より先に巨人が来たからね」
ジャン「……」
ベルトルト「明け方だった…。やけに家畜が騒がしくて、聞き慣れない地響きが次第に大きくなっていった」
168: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/15(月) 20:30:47.21 ID:42eIzfTi0
ベルトルト「いつしかそれが、何かの足音だと気づいて。そして、急いで窓を開けたら…」
エレン「…」ゴクッ
ベルトルト「そのあとは、えっと…あまり覚えていない…。
みんな、酷く混乱していて…」
ライナー「おい、何だって突然そんな話すんだよ」
ベルトルト「ご、ごめっ。つまり、僕が言いたいのは、君達は彼らとは違うだろってことなんだけど」
ジャン「彼ら…?」
ベルトルト「巨人の恐怖を知らずに、ここにいる人達」
ライナー「……」
173: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/18(木) 18:30:38.14 ID:dRmZhCZ90
ベルトルト「彼らがここにいる大半の理由は、世間的な体裁を守るためさ」
ベルトルト「12歳を迎えて生産者に廻る奴は腰抜けだって、世論に流されて、兵士になった」
ベルトルト「とは言っても、僕も彼らと変わらない。安全な内地に勤務出来る憲兵団狙いで、
兵士を選んだ」
ベルトルト「それがだめだったら、全て放棄するかもしれない。僕には、自分の意思がない」
ジャン「自分の命を大事にすることだって、立派なことだ」
ライナー「俺は、帰れなくなった故郷に帰る。俺の中にあるのはこれだけだ。
……絶対に何としてもだ」
エレン「……」
ベルトルト「君は、君は何で兵士に……」
エレン「俺はーーー」
174: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/18(木) 18:37:20.33 ID:dRmZhCZ90
エレン「ーー殺さなきゃならねえと思った」
ベルトルト「…!」
エレン「さっきも言ったが、復讐のためだ。この手で巨人どもを皆殺しにしなきゃならねえって」
エレン「てか、さっきから同じこと聞くなよ。何回聞いたって、俺の気持ちは変わらん」
ライナー「巨人と遭遇しても、心が折れるってことはなかったのか」
エレン「ああ。まあ、今となってはなれるかどうかってとこだけど」
ライナー「ベルトの調整から見直してみろ。お前ならやれるはずだ。
エレン・イェーガーだったっけ」
エレン「ああ、ありがとう。ライナー・ブラウンだよな」
176: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/18(木) 18:44:59.92 ID:dRmZhCZ90
ーーー翌日
キース「エレン・イェーガー、覚悟はいいか」
エレン「はい!」
エレン(やる、俺はやる。俺には素質がねえかもしれねえけど、根性だけは誰にも負けねえ…!)
キース「始めろ!」
エレン(理屈なんか知らん、根拠もない。でも、俺にはそれしかねえ!)
エレン(これが俺のー)ピタッ
訓練兵「おおー!」
「やったぞあいつ!」
エレン(やった、出来た!)
177: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/18(木) 18:48:59.64 ID:dRmZhCZ90
グルッ
エレン「ーーーうわっ」ガタン
キース「ん?」
エレン「まだ、まだ…!俺は……!!」
キース「降ろせ」
エレン「……お、俺はっ…!」
キース「ワグナー、イェーガーのベルトと交換しろ」
トーマス「は、はい!」
178: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/18(木) 18:54:24.83 ID:dRmZhCZ90
エレン「……」ピタッ
キース「装備の欠陥だ、貴様が使用していたベルトの金具が破損していた。
ここが破損するなど聞いたことはないが、新たに整備項目に加えないとならないな」
「じゃああいつ、壊れた装備で一時は…」
「凄いな…」
エレン「で、では、適性判断は…」
キース「問題ない、修練に励め」
エレン「っしゃあ!」
エレン(やった、やったぞ!どうだ、ジャン、クリスタ!巨人とも戦える!)
179: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/18(木) 18:58:41.25 ID:dRmZhCZ90
ライナー「なんとかなったようだな」
アルミン「目でどうだ、って言ってるよ」
ジャン(俺が出来て、エレンが出来ない訳がねえ)
クリスタ「違う……」
アルミン「え?」
クリスタ「これで、立派な兵士になれるって思ってる」
ライナー(うお、なんだこの女神は!)ジー
ベルトルト(羽が生えてる…)ジー
ジャン(はあ、また犠牲者が増える…)
キース(グリシャ、今日お前の息子が、兵士になったぞ)
181: ◆Ls0QbhK90s 2013/07/18(木) 19:01:16.39 ID:dRmZhCZ90
ーーーーFin
これにて終わりです。
読んで頂きありがとうございました。
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