前回 義妹「私は幼馴染と言う事に?」 男「何言ってんの?」

1 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:00:56 ID:NBgYaO8k
幼「また同じクラスになれると良いですね!」

男「いや、無理だろう」

幼「またそんな意地悪言って!」

男「いや…だからな?」

幼「あーあー!聞こえません!」

男「現実逃避しても、何もならないぞ?」

幼「クラス表を見るまで、私は祈り続けます!」

男「ま、好きにしなよ…」 

 

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2 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:01:23 ID:NBgYaO8k
男「しかし、この辺りは昔と変わらんなぁ」

幼「そうですか?」

男「あっちの道を進むと、公園があるんだ」

幼「昔遊んだ公園ですか?」

男「そうそう」

幼「今度、行きましょうね」

男「おう」 


3 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:01:56 ID:NBgYaO8k
幼「はぁ…高校への道のりは割と険しいですね…」

男「お前、へばるの早すぎだろう…」

幼「こ、これでも体育の成績は良いんですよ?」

男「知ってるけどさ」

幼「おんぶしてください!」

男「駄目です。ちゃんと自分で歩きなさい」

男「これから、毎日、少なくとも3年は通う道だぞ?」 

4 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:02:56 ID:NBgYaO8k
幼「あぁ…もっと家と学校が近ければ…」

男「確かにな…徒歩20分って微妙な距離だな」

幼「しくじりましたね」

男「俺に言われても、困るが?」

幼「ちょっと愚痴りたかっただけです。気にしないで下さい」

男「お、学校見えてきたぞ」

幼「やっとですか…」





?「…」
ジーッ 

5 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:03:30 ID:NBgYaO8k
男「お、あれがクラス表かな?」

幼「人だかりになってるから、きっとそうでしょう」

男「俺が見てきてやるよ」

幼「ありがとう、男」

男「お安いご用だ」

幼「…」

幼「どうかっ!一緒のクラスに!一緒のクラスにっ!」 

6 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:04:16 ID:NBgYaO8k
男「俺はA組、お前はB組だったよ」

幼「あぁ、この世には神も仏も無いものか…」

男「だから言っただろう。無理だって」

幼「お、男は私と同じクラスじゃなくて、悲しくないんですか?」

男「ちょっと寂しいけど、仕方無いだろう」

幼「随分と大人な意見ですね!」

男「もう高校生だぞ?少しは大人に…」

幼「もうっ!男はちょっと冷めてますね!」 

7 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:05:03 ID:NBgYaO8k
男「それじゃ、教室行くから」

幼「途中までは一緒じゃないですか」

男「あぁ、それもそうか」

男「A組はこっちの廊下の突き当たりか」

幼「隣りのクラスで良かったです」

男「ん?」

幼「休み時間毎に、遊びに行きますからね!」 

8 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:05:49 ID:NBgYaO8k
男「いやいや、クラスの皆と馴染む努力をしろよ?」

幼「それはもちろん、頑張りますけど!」

男「それに、秘密なんだろ?色々と」

幼「肝心な所だけ隠せれば、後は別に秘密じゃなくて良いです!」

幼「むしろオープンにしていきたいです!」

男「オープンね…」 

9 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:06:19 ID:NBgYaO8k
幼「B組、ここですね」

男「んじゃ、また後でな」

幼「あぁ…何か、何かもう一言くらい無いんですか?」

男「一言?」

幼「愛してるぜ!とか」

男「言う訳ないでしょ、こんな廊下の真ん中で」

幼「むぅー」 

10 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:07:05 ID:NBgYaO8k
A組担任「よーし。全員、席に着いたな?」

A組担任「その席が一年間、お前らの席だ!」

A組担任「席替えは、覚えるの面倒だから、しない!」

A組担任「そして俺がお前らの担任だ!宜しく!」

A組担任「それじゃ、すぐに体育館に移動してくれ」

A組担任「入学式終わったら、すぐホームルームな」

A組担任「自己紹介してもらうから、考えとけよー」 

11 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:07:44 ID:NBgYaO8k
男「男と言います。よろしくお願いします」
ペコッ
ガタッ

生徒A「Aと言います。趣味はギター弾き語りで…」

男(しまった…。趣味とか言うべきだったかな?)

生徒B「Bでーす。友達も彼女も募集中でーす!」

男(俺の挨拶、ちょっと素っ気無さすぎだったかな…)

女「女と言います。皆さん一年間よろしくお願いします」

男(あぁ、この人も丁寧な挨拶だなぁ…) 

12 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:08:33 ID:NBgYaO8k
女「…」
チラッ

男(何か、見られてる様な…)

女「…」
ジーッ

男「ん…んー?」

女「…」
ジーッ 

13 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:09:09 ID:NBgYaO8k
幼「幼と言います。◎◎中学出身です」

幼「皆さん、一年間よろしくお願いします」
ペコッ

クラスの男子(超美人だ…)

幼(はぁ…男はちゃんと挨拶出来てるでしょうか)

幼(休み時間になったら、すぐA組に行きましょう) 

14 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:09:47 ID:NBgYaO8k
幼「男!120分ぶりですねっ!」

男「お前、クラスに打ち解ける努力は?」

幼「まずは男の顔を見てからと思って」

男「まぁ、良いけどさ」

幼「A組はどうですか?」

男「俺、自己紹介でちょっとしくじったかも」

幼「そうなんですか?」 

15 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:10:34 ID:NBgYaO8k
男「ちょっと素っ気無い挨拶しちゃったな」

女「そんなに気にする事無いんじゃない?」

幼「だ、誰ですか?」

男「えと、女さん…だっけ?」

女「そうです。男君」

幼「お、男!これはどう言う…」 

16 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:11:04 ID:NBgYaO8k
女「あなたは?男君のお友達?」

幼「そ、そうです!」

女「初めまして。私は女って言います」

女「男君の隣りの席です」

幼「なんですか!何か用ですか!男は私の…」

男「ストップ!」

幼「…」

男「えっと…女さん、何か用でした?」

女「ちょこっとだけ、ね」 

17 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:11:40 ID:NBgYaO8k
幼「だ、駄目ですからね?男は私と…」

男「幼、ちょっと待って」

男「用を聞きもしないで、門前払いは駄目でしょ?」

男「それに女さんはキチンと挨拶したのに」

男「名乗らないのは失礼でしょ?」

幼「…私の名前は幼。男の幼馴染です!」

女「ごめんね、話しに割って入っちゃって」 

18 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:12:17 ID:NBgYaO8k
男「全然問題ないよ。で、用って何かな?」

女「えっと…間違ってたらごめんね?」

男「ん?」

女「男君って、昔、○○町辺りに住んでた?」

男「あ、うん。住んでたよ」

男「…ん?何で知ってるの?」 

19 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:12:51 ID:NBgYaO8k
女「やっぱりそうなんだ!」

女「私の事、覚えてない?」

男「ん、んー?」

女「その首をかしげる仕草、昔からの癖でしょ?」

女「男君のお母さんの癖だったんだよね?」

男「そうだけど…何故それを?」

女「私の顔に見覚え無い?」 

20 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:13:19 ID:NBgYaO8k
男「ん…んー?」

幼「私、昔は髪短かったです」

男「あぁ!思い出した!」

男「幼稚園までお隣さんだった、女さん!」

女「やっぱり、そうだったんだね!」

幼「!」 

21 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:13:57 ID:NBgYaO8k
女「久しぶりだねー」

男「あぁ、本当に久しぶり。でも、よく俺って気付いたね?」

女「面影あったから」

男「そう?」

女「あるよー。男君、全然変わってないもん」

男「変わって…無いかな?」

女「うん。その首をかしげる癖も、特徴的だし」

男「そっか」 

22 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:14:40 ID:NBgYaO8k
女「私は?全然気付かなかったみたいだけど?」

男「言われて見れば、解るけど…」

男「女さんは…その…綺麗になったよね」

女「え?そ、そうかな?」

男「昔はもっと活発な感じだったでしょ?」

女「ふふ…そうだね。昔はわんぱくだったから」 

23 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:15:04 ID:NBgYaO8k
幼「ちょ、ちょっと待った!」

男「ん?」

幼「男!ちょっと、こっちに!」
グイッ

男「な、何だよ、幼?」

幼「いいから!こっち!」
グイグイッ

女「…」 

24 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:15:45 ID:NBgYaO8k
男「何だよ、急に」

幼「私の存在意義がピンチです!」

男「ん?」

幼「幼馴染は私一人で充分ですよ!」

幼「あと!」

幼「他の人の事、綺麗とか、気軽に言わないで下さい!」

男「あぁ。幼、嫉妬したのな?」 

25 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:16:22 ID:NBgYaO8k
幼「…そうですよっ!私、嫉妬してます!」

幼「…何で今日に限って鈍感じゃないんですか!」

男「心配するなよ、幼」

幼「…でも」

男「大丈夫、俺の心はちゃんとお前に向いてるよ」

幼「…そう言ってくれるのは嬉しいですけどっ」

幼「でもっ!」 

26 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:16:57 ID:NBgYaO8k
男「大丈夫だから、な?」

なでなで
幼「むぅー」

男「ほら、そろそろ休み時間終わるぞ?」

男「それに、自分のクラスに馴染む努力。な?」

幼「解りました…」

男「それじゃ、また後でな」 

27 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:17:35 ID:NBgYaO8k
幼「嫌な予感しかしない!」

?「え?何か言った?」

幼「あ、すみません、何でもないです」

?「そう?あ、幼さん」

幼「はい?」

?「さっき廊下で話してたのは彼氏?」

幼「え、ええっと…彼は私の幼馴染で…」 

28 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:18:05 ID:NBgYaO8k
?「へぇー。彼、中々良いね?」

幼「はい!超絶カッコ良いです!」

?「ふふっ。好きなの?」

幼「ぶっちゃけ、超好きですね」

?「お付き合いしてるの?」

幼「正式にはまだですね」

?「正式には?」

幼「ちょっと保留中なんです」 

29 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:18:31 ID:NBgYaO8k
?「なんか面白そう!ね、もっと詳しく聞かせてよ!」

幼「グイグイ来ますね、えーっと…」

幼友「私、幼友。よろしくね!」

幼「幼友さん。宜しくお願いします」

幼友「幼友で良いよ。で?で?」

幼「で?」

幼友「保留って事は、告白したって事?」

幼「えぇ、まぁ。はい」 

30 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:18:58 ID:NBgYaO8k
幼友「どっちから?幼さんの方から?」

幼「私の事も、幼で良いですよ」

幼「そうですね、きっかけは私からですね」

幼友「へぇー。で、どうして保留中なの?」

幼「そこは…語れない秘密があるんです」

幼友「ふふふっ。秘密ねぇ?」

幼「そう。秘密ですよ、幼友ちゃん」

幼友「私にだけ、話しちゃいなよ、幼」 

31 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:19:39 ID:NBgYaO8k
幼「そう言う訳にはいきません」

幼「秘密なんですから」

幼友「私はその秘密を解き明かしてみせるよ!」

幼「そう簡単にはいきませんよ?」

幼友「取り敢えずさ。今日一緒に帰らない?」

幼「帰りは男と帰るので…」

幼友「そこは私も一緒に!」 

32 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:20:12 ID:NBgYaO8k
幼「む…拒否したら、尾行されると見ました!」

幼友「う、何故バレた…」

幼「何故か、そんな気がしました」

幼友「私たち、良い友達になれそうね?」

幼「ふふっ。なんかそんな気がしますね」

幼友「と言う訳で、一緒に帰ろうね!」

幼「解りました。男も嫌とは言わないと思いますし」 

33 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:20:37 ID:NBgYaO8k
?「なぁなぁ、男」

男「ん?」

?「さっき廊下で話してた人は誰だ?女さんじゃない方」

?「お前の彼女か?」

男「あー。あの子は俺の幼馴染だよ」

?「へぇ!あの子、何て名前?」

男「幼だよ」 

34 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:21:06 ID:NBgYaO8k
?「可愛い名前だなぁ!彼氏居るのか?」

男「暫定的な彼氏は居るよ」

?「暫定的?」

男「そう。あ、多分告白とかしても、断られると思うよ?」

男「えーっと…友君だっけ?」

友「そう!友!俺の事は友と呼んでくれ!」

男「あぁ、解ったよ、友」 

35 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:21:45 ID:NBgYaO8k
友「ところで、幼さんの暫定的な彼氏って誰だ?」

男「まぁ、俺なんだけど」

友「何だよ!お前かよ!付き合ってんのかよ!」

男「友、声デカいよ…」

A組担任「ん?お前は…友…だな?」

A組担任「何だ?クラス委員やりたいって事か?」

友「ち、違います!絶対やりたくありません!」

A組担任「それは押すなよ?絶対押すなよ?って意味か?」

友「先生、俺マジでクラス委員とかって柄じゃないっす!」 

36 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:22:19 ID:NBgYaO8k
A組担任「…じゃあ、俺がクラス委員やるか!」

生徒A「いや、先生、ここは俺が!」

生徒B「いやいや!俺が俺が!」

友「じ、じゃあ、俺が!」

A組男子「どうぞどうぞ!」

友「はっ!?しまった!」

A組担任「よし、決定な」 

37 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:22:59 ID:NBgYaO8k
男「災難だな、友」

友「…失敗した。俺、ああいうノリ、大好きなんだ」

男「もうお前の性格、大体解った」

友「何?まさか…超能力者?」

男「解りやすい性格だな、友」

友「竹を割るような性格だと自負してる!」

男「仲良くやっていこう」

友「おう!ところでな…」

女「…」 

38 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:23:22 ID:NBgYaO8k
幼「男、その人はどちら様ですか?」

男「友だ。さっき友達になった」

友「どうも、友って言います!」

男「で、そちらの子はどちら様?」

幼「幼友ちゃんです。友達になりました」

幼友「幼友です、宜しくね、男君」 

39 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:23:49 ID:NBgYaO8k
友「何でお前が居るんだよ」

幼友「そっちこそ。どっか行ってよ」

友「こっちの台詞だっつーの」

男「ん?二人は知り合いなの?」

幼「そうみたいですね」

幼「今日一緒に帰る約束をしまして…良いですよね?」

男「うん。俺も友と一緒に帰る約束しちゃったし」 

40 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:24:20 ID:NBgYaO8k
友「それじゃ、仕方無いから四人で一緒に帰ろうぜ!」

幼友「仕方なく、ね!」

男「仲、悪いの?」

友「幼稚園の頃からの腐れ縁だ」

幼友「腐れ縁そのものね」

男「仲良しに見えるな?」

幼「すっごく仲良しに見えます」

友・幼友「それはない!」 

41 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:24:58 ID:NBgYaO8k
友「で?二人共、家はどの辺?」

幼友「私たちはバス通学なんだけど」

男「俺は○○町だよ」

幼「私もそうです」

幼友「あぁ…○○町だと、バスも無いもんね」

友「二人とも徒歩通学か?」

男「そう。二十分位かかるよ」

友「微妙な距離だなー」 

42 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:25:22 ID:NBgYaO8k
男「まぁ、3年間頑張って通うよ」

幼「もっと近くに家があれば…」

幼友「ところで男君に質問があるんだけど!」

男「何?」

幼友「こんな美人に告白されて、保留ってどう言う事?」

友「あ!俺も気になる!暫定的ってどう言う意味だ?」

男「あー」 

43 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:25:59 ID:NBgYaO8k
幼「それは私が説明します!」

友・幼友「え?」

幼「私が男に交際を申込みました」

幼「男も私の事を好きだと言ってくれました」

幼「でも、お互いまだまだ子供だと言う事で」

幼「正式にお付き合いするのは」

幼「高校を卒業してからと言う事になりました」 

44 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:26:29 ID:NBgYaO8k
友「お前ばっかじゃねえの?」

幼友「そうよ、馬鹿じゃないの?」

男「馬鹿だなぁ、俺は」

幼「ちょっと、二人とも!」

友・幼友「ん?」

幼「男の事を馬鹿って言わないで下さい!」

友「えー?だって馬鹿じゃん?」 

45 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:26:54 ID:NBgYaO8k
幼友「そうだよ。好き同士なら、付き合っちゃえば良いじゃん!」

男「だよなぁ。俺、馬鹿だよなぁ」

幼「お、男は馬鹿じゃないです!」

幼「私たちの間には、とんでもない秘密が…」

男「別に隠さなくても良いんじゃない?」

幼「駄目です!秘密って所が、燃えるんじゃないですか!」

男「そうか?」 

46 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:27:31 ID:NBgYaO8k
友「頭の悪い俺にも解るように言ってくれ」

幼友「私は頭悪くないけど、解るように言って欲しい」

幼「秘密を軽々しく口には出来ません!」

幼「私たち二人にとって、重大な事なんですから!」

男「そんなに重大かなぁ…」

友「おい、男。俺にだけ、こっそり教えてくれよ」

幼「お…男っ!駄目ですからねっ?」 

47 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:28:04 ID:NBgYaO8k
男「駄目だってさ?」

友「いいじゃねぇか!俺とお前の仲じゃん?」

男「今日会ったばかりだよね?」

友「いいだろー?教えろよー?」

幼友「私もすっごく聞きたいけど…今日はここまでだね」

友「あー。バス停着いちまったか」

男「このバス停なのか。それじゃまた明日な」 

48 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:28:46 ID:NBgYaO8k
友「おう!また明日なー」

幼友「また明日ね」

幼「さようなら、お二人共。また明日」

男「んじゃ、幼、行こうか」

幼「はい、男っ」

男「おい、くっつき過ぎだろ…ちょっと離れてよ」

幼「いいじゃないですかっ」




友「あれの、どこら辺が暫定的なんだ?」

幼友「どう見ても付き合ってるわよね」 

49 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:29:18 ID:NBgYaO8k
男「あのな、幼」

幼「はい、何ですか?」

男「こんな…腕組んで歩いてたらさ」

男「普通にお付き合いしてると思われるんじゃない?」

幼「そこは別に隠さなくて良いんです!」

幼「肝心なのはそこじゃないですからね?男」

男「まぁ、すぐにバレると思うけどなぁ」




?「…」
ジーッ 

50 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:30:25 ID:NBgYaO8k
三週間後

幼「これは非常にマズい状況です!」

幼友「何が?」

幼「A組に、女さんって居るじゃないですか?」

幼友「あぁ、男君と友のやつと3人で話してる事多いみたいね」

幼「私の彼氏が狙われている!」

幼友「そんな事無いでしょ」

幼「そんな事あるんです!」

幼「昨日なんて、お弁当作ってきてたんですよ?」

幼「それは、私がやるはずだったのに!」 

51 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:30:56 ID:NBgYaO8k
幼友「あんたら、付き合ってるんでしょ?」

幼友「弁当くらい作ってくれば良いじゃない」

幼友「何でやらないの?」

幼「う…それは…」

幼友「幼ってひょっとして、料理出来ないの?」

幼「現在特訓中です…」

幼「今まで料理する機会があまり無かったもので…」 

52 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:31:42 ID:NBgYaO8k
幼友「何でも出来る完璧超人の幼に、そんな欠点があったなんてねぇ」

幼「弱点は努力で克服出来ます!」

幼「でも、幼馴染と言う特別な存在感は奪えない…」

幼「努力でどうにかなる物でも無い…」

幼友「何?幼馴染って言葉にそんなに深い意味あるの?」

幼「私にとっては、結構重要な事なんです!」

幼友「重要?…例の秘密ってやつと関係あるの?」

幼「ズバリ、ありますね」 

53 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:32:15 ID:NBgYaO8k
幼友「その秘密とやらも、いい加減話してくれない?」

幼「ま、まだ秘密です!」

幼友「…その秘密ってさぁ」

幼「な、何ですか?」

幼友「幼と男君の苗字が一緒な事、関係ある?」

幼「な、な、何を言ってるんですか?」

幼「わ、私の苗字は、あ、ありふれた、よくある苗字じゃないですか!」 


54 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:33:31 ID:NBgYaO8k
幼友「ま、そうなんだけど…関係あるんだね?」

幼「あ、ありません!」

幼友「いやー。態度で解っちゃうよ、幼」

幼「…あ、あの…」

幼友「どんな謎なのか、大体解った!」

幼「ど、読心術?」

幼友「違うよ。そんなんじゃないよ」 

55 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:34:26 ID:NBgYaO8k
幼友「友達になって、三週間も立つのに」

幼友「絶対、家に呼んでくれない」

幼友「同じ苗字の幼馴染」

幼友「相思相愛なのに、保留中の二人の関係」

幼友「それらを総合して考えられる結論としては…」

幼友「実は二人は一緒に暮らしている…」

幼友「従兄妹同士!」

幼「…」

幼友「どう?当たってるでしょ?」 

56 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:35:05 ID:NBgYaO8k
幼「幼友ちゃんて…探偵志望?」

幼友「そんなんじゃないけど。で?どう?」

幼「残念ながら、違います」

幼友「ありゃ…外れたか」

幼「まだ内緒ですからね!」

幼友「いつか語られる日が来るのかな?」

幼「まぁ…いつかは…言うと思いますけども」 

57 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:36:05 ID:NBgYaO8k
友「お前さぁ…どうなってんの?」

男「ん?何が?」

友「幼ちゃんと付き合ってるんだろ?」

男「一応ね」

友「くっ…一応とか、お前ふざけんなよなー」

男「ちょっとした約束があるからさー」

友「それいい加減教えてくれよ」

男「幼が良いって言ったらな」 

58 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:36:38 ID:NBgYaO8k
友「幼ちゃん、絶対教えないって言うじゃん」

男「そのうち、解ると思うよ」

友「ちぇっ」

男「で?どうなってんの?ってどう言う事?」

友「…お前、女さんの事、どう思ってんの?」

男「へ?女さん?」 

59 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:37:12 ID:NBgYaO8k
友「幼馴染なんだろ?」

男「幼稚園の時、仲良かったな」

友「幼さんも女さんも、幼馴染なんだろ?」

男「そうなる…かな?」

友「お弁当作ってもらうとか、羨まし過ぎるだろ」

男「幼と友の分もあったじゃん」

友「そうだけどさ」 

60 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:38:10 ID:NBgYaO8k
友「何か、俺の分はおまけって感じじゃね?」

男「そんな事無いだろう」

友「お前さぁ…鈍感って言われない?」

男「ど、鈍感じゃないし」

友「ちょっと自覚しろよ、鈍感」

男「…」

女「男君、友君」 

61 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:38:53 ID:NBgYaO8k
男「ん?何?」

女「今日もお弁当作って来たんだけど…」

友「お!俺の分もある?」

女「もちろんあるよー」

女「友君は食べっぷりが良いから、作り甲斐があるよ」

友「そ、そう?」

女「うん。ふふふ」 

62 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:39:31 ID:NBgYaO8k
男「あ、女さん、今日も幼を呼んでも良いかな?」

女「うん、もちろん。沢山作ってきたから」

男「じゃ、ちょっと呼んでくる」
幼「く、屈辱…」

男「おい、幼。変な事言わないように」

幼「だって…」 

63 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:40:12 ID:NBgYaO8k
女「お口に合わなかったかな?」

幼「…すっごく美味しいです」

女「良かったー。まだまだあるから、沢山食べてね」

幼「は、はい…」

男「本当に、女さんのお弁当、美味しいなぁ」

幼友「私も勝手にお呼ばれされちゃったけど」

幼友「女さん、料理上手だねー」 

64 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:41:18 ID:NBgYaO8k
友「ホントホント。すっげえ美味い」

友「前にこいつが作った料理なんて…」

幼友「その事は言うな!」

男「お前ら本当に仲良しだな」

友・幼友「仲良くは無い!」

女「ふふふ。皆でお弁当、楽しいね、幼さん?」

幼「そ、そうですね…」



幼(…これは本格的にマズいです)

幼(少々、時期は早いですが、あの計画を実行しないと…) 

65 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:41:56 ID:NBgYaO8k
コンコン

幼「男!居ますか?」

ガチャ

男「居るに決まってるでしょ。どうしたの?」 

66 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:42:27 ID:NBgYaO8k
幼「夜伽に来ました!」

男「は?」

幼「もう、高校卒業なんて待てませんっ!」

男「ちょ、落ち着け、幼!」

幼「このままじゃ、女さんに…」

男「ん?女さん?」

幼「男の気持ちが、あの人に向くのも時間の問題です!」 

67 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:42:59 ID:NBgYaO8k
男「あのな、幼。ちょっと部屋に入りなさい」

幼「はい!まずは大人のキスからですよね?」

男「違います。良いからそこに座って」

幼「はい」

ペタン

幼「さぁ、私の心の準備は出来てますよ!」

男「違うからな?」 

68 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:43:37 ID:NBgYaO8k
幼「はっ!?まさか既に心は女さんの方に…」

男「それは全然見当違いです」

幼「で、でもっ!最近女さんと話してる事が多くて…」

男「確かに話すけど、それはクラスの他の女子とも話してるだろ?」

男「何で女さんの事だけ、そんなに敵視するんだ?」 

69 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:44:04 ID:NBgYaO8k
幼「あ、あの…女さんは、私なんかと違って」

幼「男の本当の幼馴染で…」

幼「それで私…」

男「幼は自分の事、偽物の幼馴染だと思ってるの?」

幼「お、幼馴染の意味は…子供のころに親しくしていたこと。また、その人」

幼「…私が男と知り合ったのは、小1の時」

幼「女さんはそれより前に男と知り合っていて…」

幼「私は…私はっ!」 

70 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:44:52 ID:NBgYaO8k
男「幼…」

幼「たまらなく不安になるんですよっ!」

幼「私が唯一、他の人より優っている点!だと思っていた…」

幼「幼馴染と言うポジションに、私よりぴったりはまる人が!」

幼「焦るのも仕方無いと思いませんか?」

幼「私は…」 

71 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:45:30 ID:NBgYaO8k
男「あのなぁ…幼」

男「島から出てきて、まだ1ヶ月足らずだぞ?」

男「今からそんなんでどうするんだ」

男「俺は幼の事、信じてるけど、幼は俺の事信じてないのか?」

幼「そ、そんな事はありませんっ!私は男の事を信じて…」

幼「信じて…ます、けど…」 

72 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:46:00 ID:NBgYaO8k
男「俺は一度好きだって言った人を、そんな簡単に見限ったり」

男「別の人をホイホイ好きになったりしないよ」

男「俺を信じてくれよ」

幼「解りました…」

幼「本当に卒業するまで、そう言う事、しないんですね?」

男「両親に言われただろ?」

幼「そうですけど…」 

73 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:46:36 ID:NBgYaO8k
男「解ったよ、そんなに不安なら…」

ぎゅっ

幼「あうっ…」

男「これ位ならセーフでしょ」

男「な?これで少しは安心出来た?」

幼「…はい」
ぎゅうっ 

74 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:47:09 ID:NBgYaO8k
男「ほら、もう夜も遅いし、自分の部屋に戻りな」

幼「はい…」

幼「お休みなさい、男」

男「お休み、幼」
バタン

幼「…」

バタン 

75 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:47:38 ID:NBgYaO8k
幼友「何か、最近元気無いね、幼」

幼「そんな事ないですよ、幼友ちゃん」

幼友「男君が友のやつに付き合わされて」

幼友「クラス委員の仕事やらされてるから?」

幼「い、いいえ、違います」

幼友「そう?」 

76 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:48:33 ID:NBgYaO8k
幼「ほ、本当です」

幼友「なら良いけど。私今日は部活だからさ」

幼「は、はい、いってらっしゃい、幼友ちゃん」

幼友「頑張ってくるよ!」

幼友「一年でレギュラー取るぞ!」

幼「頑張って!」 

77 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:49:42 ID:NBgYaO8k
幼「はぁ…男は頑張っているでしょうか…」

幼「頑張っているんでしょうね…」

幼「先に帰っててと言われましたが…」

幼「高校生になって二ヶ月にもなるのに…」

幼「特にどきどきするイベントがある訳でも無し…」 

78 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:50:18 ID:NBgYaO8k
幼「それになんだか最近、女さんが私を見る時の目つきが」

幼「キツくなって来ている様な気がします…」

幼「毎日お弁当も作ってきてくれるし…」

幼「やっぱりこのままじゃ、本当に…」

幼「あ!今日は帰って夕食を作ってみましょうか!」

幼「…でも、男が居ない間に料理はするなと言われてしまったし」

幼「…」

幼「はぁ…もう帰りましょうか…」



女「幼さんっ」 

79 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:51:17 ID:NBgYaO8k
幼「は、はい!何ですか?」

幼(ビックリした!)

女「一緒に帰りましょ?」

幼「は、はい、良いですよ。でも今日、男は…」

女「男君じゃなくて、幼さんにちょっと話したい事があるんだー」

幼「は、話しですか?何ですか?」 

80 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:51:42 ID:NBgYaO8k
女「まぁまぁ…とりあえずマックでも行こうよ」

幼「よ、寄り道はちょっと…」

女「すぐ済むから」

女「帰り道も途中までは一緒なんだし」

女「ね?良いでしょ?」

幼「う…はい…」

幼(何を言われるんだろう…) 

81 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:52:34 ID:NBgYaO8k
幼「…で、何のお話しですか?」

女「少しおしゃべりでもしよう?」

女「この公園ね、男君とよく一緒に遊んでた公園なの」

幼「そ、そうなんですか」

女「良い公園でしょ?」

幼「そうですね。景色が良いですね」

女「町を一望出来るからね」 

82 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:53:29 ID:NBgYaO8k
女「幼さんに質問があるんだけど」

女「あ、嫌だったら答えなくていいからね?」

幼「はい、何でしょう?」

女「私たちが入学して二ヶ月ちょっとだけど」

女「幼さんも男君も、何名かの人に告白されたって本当?」

幼「あ、あの…えーと」 

83 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:54:05 ID:NBgYaO8k
女「答えにくい?無理しなくてもいいよ?」

幼「男も私も、告白はされましたね」

幼「お断りしましたけど」

女「何でお断りしちゃったの?」

幼「あの…男はどうか知りませんけど」

幼「良く知りもしない人から、好きって言われても」

幼「私は困ってしまうだけなので…」 

84 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:54:57 ID:NBgYaO8k
女「お断りした理由はそれだけ?」

女「本当はもっと別に理由があるんじゃない?」

幼(う…グイグイ来る…ちょっと怖い)

幼「あの…私、家事をしなきゃいけないので」

幼「あまり遅い時間になると困るんです」

幼「なのでそろそろ…」 

85 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:55:22 ID:NBgYaO8k
女「家事…ね」

幼「何ですか?」

女「それじゃあ、もうぶっちゃけちゃおうか!」

女「私の本音、言っちゃうよ?」

幼「は、はい」

女「実は私、今、好きな人が居てね」

幼「…」 

86 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:56:30 ID:NBgYaO8k
女「その人、とっても素敵なんだよね」

女「凛々しくて、勉強も運動も出来て、誰にでも凄く優しい人」

女「一人暮らしらしいんだけどね」

女「どうも一緒に住んでる人が居るみたいで」

女「…ね、幼さん、私が言いたい事、解る?」

幼「な、何の事ですか?」 

87 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:57:15 ID:NBgYaO8k
幼「わ、私も男も、一人暮らしですけど?」

女「…私、男君の名前なんて出してないけど?」

幼「!?」

女「やっぱり一緒に住んでるんだね?」

幼「だ、だとしたら、どうだって言うんですか?」

幼「私と男は…その…特別な関係で…」

女「やっぱり…そうなんだね…」 

88 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:58:42 ID:NBgYaO8k
女「はぁ…絶対運命の人だと思ったのになぁ」

女「失恋確定…かぁ」

幼「そ、そうです!失恋は確定です!」

幼「私は男の事に関しては一歩も譲るつもりはありません!」

幼「たとえ女さんが男の幼馴染で」

幼「幼稚園の頃、結婚の約束とかしてたとしても!」

幼「私が男と一緒に過ごして来た9年間は!」

幼「無かった事には出来ないですから!」 

89 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:59:18 ID:NBgYaO8k
幼「だから男の事は諦めて下さい!」

女「ちょ、ちょっと待った!」

幼「な、何ですか?反論でも?」

女「あの…私が好きなのは、その…」







女「幼さんの方、なんだけど…」


幼「はぃ?」 

90 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 21:59:56 ID:NBgYaO8k
女「私、昔から男の人より、女の人の方が好きで…」

幼「なっ…なっ…えっ?」

女「知り合ってから、二ヶ月ちょっとだけど」

女「入学式の日、男君と登校してる幼さんを見て」

女「完全に一目惚れしちゃったんだー」

女「ね、男君とはもうその…深い関係なの?」

女「一緒に住んでるんだもん、当然そうだよね?」 

91 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:00:36 ID:NBgYaO8k
幼「なっ、何を言ってるんですか!」

幼「私たちは清いお付き合いです!」

幼「高校卒業するまでは、そういう事禁止なんです!」

女「どうして?好き同士なら、そういう事あっても良いでしょ?」

女「一緒に住んでるなら、なおさら!」

幼「それは…両親と約束したんで…」

女「約束?」 

92 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:01:14 ID:NBgYaO8k
幼「2人暮らしを認めるけど、高校卒業するまでは、そう言う事は無しで」

幼「卒業して、男の就職なり進学が決まったら、結婚でもなんでもして良いって」

女「ん?それは男君のご両親との約束?それとも幼さんの?」

幼「どっちも…ていうか、私たち兄妹なんで…」

女「!?」

幼「あ!兄妹って言っても、義理のですけど」

女「!!」 

93 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:02:01 ID:NBgYaO8k
女「あの…私が言うのもアレだけど…」

女「義理とは言え、兄妹で恋愛なんてありえないんじゃない?」

幼「ホントに!女さんだけには言われたくないです!」

幼「それに私たちは義理の兄妹なんで、ちゃんと結婚も出来ます!」

幼「女の子同士の方がその…アレです!」

女「ちょ、声が大きいよ、幼さん」

幼「あ…すみません」 

94 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:02:41 ID:NBgYaO8k
女「…私の失恋は確定かな?」

幼「わ、私が男以外の人に心奪われるなんて、ありえません」

幼「すみませんが、お断りさせて頂きます」

女「女同士も良いものだよ?」

幼「イヤです!」

幼「話しはこれで終わりですか?」

女「これ以上は何を言っても逆効果みたいだね」

女「今日はもう帰りましょう」 

95 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:03:20 ID:NBgYaO8k
幼「それにしても、女さんがその…」

幼「そう言う人とは、思いもよりませんでしたよ」

女「私の視線に気付いてくれてると思ったのになぁ」

幼「視線には気付いてましたけど、敵視してるものだとばかり…」

女「愛情が多すぎたか…」

幼「ちょっと怖いですよ、女さん」

女「私、まだ諦めないからね?」

幼「えー…絶対無理ですから…」 

96 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:03:51 ID:NBgYaO8k
女「最初は皆そう言うんだよ…」

幼「その…狩人みたいな目が怖いんですよ!」

女「フフフ」

幼「あ!言っておきますけど、私と男が兄妹って事は内緒でお願いします」

女「黙ってて欲しければ、その凛々しい唇で、私の口を塞げば良いじゃない」

幼「イヤです!」 

97 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:04:34 ID:NBgYaO8k
男「へぇ…そんな事があったんだ」

幼「もう!男の幼馴染は一体どうなってるんですか!」

男「女さんて昔から男の子と一緒に遊ぶ事が多くて」

男「男の子みたいな子だったからなー」

幼「本当にキスされるかと思いましたよ!」

幼「絶対に男に気があると思ってたのに…」

男「まぁ、俺に気が無いって事は、割と最初から解ってたけどな」 

98 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:05:13 ID:NBgYaO8k
幼「どうしてですか?」

男「女さんって俺と喋ってても幼の事しか見てなかったし」

男「教室で話してる時も、幼の事ばっかり聞いてきてたし」

幼「男!そう言う事は先に…」

男「まぁ、いいじゃないか」

幼「お、男は私が女さんとお付き合いしても良いって言うんですか?」

男「そんな事にはならないと思ってるからさ」

幼「え?」 

99 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:05:38 ID:NBgYaO8k
男「前にさ」

幼「はい?」

男「急に自分の事を義理の妹じゃなくて」

男「幼馴染として見てくれって言い出しただろ?」

幼「はい。あれから、男は私の事をちゃんと…」

幼「一人の女性として見てくれるようになりましたもんね」

男「あれから一年も経ってないけど」 

100 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:06:20 ID:NBgYaO8k
男「まぁ、その前に九年間一緒に過ごした時間は」

男「無かった事には出来ないしさ」

男「俺は幼の事、ずっと好きで居られる自信あるし」

幼「…もう!男は!まったく!」

幼「天然ジゴロですか!まったく!」

男「こんな事言うの、幼にだけだよ」

幼「…もう」
ぎゅっ 

101 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:06:50 ID:NBgYaO8k
男「…よしよし」
なでなで

男「心配しなくても、大丈夫だよ」

幼「そうですね、私たち、大丈夫ですよね」

幼「こんなにお互いの体温が愛しく感じられるんだから」

男「そうだな」

男「…俺、普通高校に進路変更して良かったよ」

幼「え?」 

102 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:07:33 ID:NBgYaO8k
男「工業高校に行ってたら、一緒の時間、もっと少なかっただろうし」

男「やっぱり幼と一緒に、思い出たくさん作りたいし」

幼「それじゃあ、説得してくれたお父さんに感謝ですね!」

男「そうだな。父ちゃんには頭上がらないな」

男「大好きな人と二人きりで」

男「三年も一緒に暮らせるんだから、さ」 

103 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:08:10 ID:NBgYaO8k
幼「…ちょっと、キスしても良いですか?」

男「ん…んー?そう言うのは…」

幼「私の中の、男の事が好きって気持ちが一杯で…」

幼「我慢出来ません!お、お願いします…」

男「…」



ちゅっ 

104 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:15:06 ID:NBgYaO8k
男「はぁ…二ヶ月でこれだ…」

男「父ちゃんとの約束、守れるかなぁ」

幼「男の事、信じてますからね?」

幼「きっと立派に約束を守り抜いて、私と結婚してくれるって!」

男「ん…んー?俺はもちろん頑張るよ」

男「でも幼の方が…なぁ?」

幼「もうっ!」
ぎゅっ
幼「…大好きですよ、お兄ちゃんっ!」 

105 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:21:26 ID:NBgYaO8k
幼「さ、学校に行きましょうっ!男っ!」

男「おう」 

106 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:22:10 ID:NBgYaO8k
男「ご機嫌だな、幼」

男「最近元気無かったのに」

幼「だって、昨日の夕方まで…」

幼「女さんに男を取られちゃうと思ってましたからね!」

幼「昨日の夜、男がキスしてくれたから!」

幼「今の私は元気一杯ですっ!」

男「そりゃあ良かったよ」 

107 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:22:46 ID:NBgYaO8k
男「でも、ああ言うのは、しばらく駄目だぞ?」

男「昨日のは特別なんだからな?」

幼「解ってますよっ!」

女「キスも自由に出来ないんじゃ、大変じゃない?」

男・幼「!?」

女「幼さん、私と付き合えば、毎日イチャイチャ出来るよ?」 

108 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:25:22 ID:NBgYaO8k
幼「女さんっ、どこから聞いてたんですか?」

女「二人がアパートから出て来た所から」

幼「女さん、やっぱりちょっと怖いですよ」

女「怖くない、怖くないよー」

女「だから、私とお付き合いしてください?」 

109 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:26:20 ID:NBgYaO8k
男「駄目です。義理の兄としても、暫定的彼氏としても」

男「幼の事は渡せません」

幼「男…」

男「女さん、本当にそうなんだね。ちょっとビックリ」

女「もう隠す必要も無いからね。これからはガンガン行くよ!」 


110 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/17(月) 22:27:26 ID:NBgYaO8k
女「ね、幼さん、私ともキスしてみない?」

幼「絶対にイヤですっ!」

男「絶対ダメです!」

女「一回!一回だけで良いから!」

女「口がダメなら、ほっぺ!もしくはおでこでも良いから!」

幼「ど、どこもイヤですっ」

男「ちょっと…女さん、グイグイきすぎでしょ」



男・幼(三年間、無事で居られるかな…)