1 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:00:08 ID:TsoPulPE
男「全然そんな感じ違うけどなぁ」
幼「風、たいした事無いよね?」
男「雨は結構降ってるけどな」
幼「この台風情報、ホントかな?」
男「ホントだろ。デマ流してどうなる」
幼「でもねぇ」
台風についてわかっていることいないこと
posted with amazlet at 18.12.03
筆保 弘徳 山田 広幸 宮本 佳明 伊藤 耕介 山口 宗彦 金田 幸恵
ベレ出版
売り上げランキング: 229,470
ベレ出版
売り上げランキング: 229,470
2 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:00:25 ID:TsoPulPE
男「お!予測最大瞬間風速、80メートルだって」
幼「マジで?」
幼「それ、人が空飛べるくらいの強さじゃない?」
男「まぁ、50メートルくらいで軽自動車くらいならひっくり返るもんな」
男「人が飛んでもおかしくないよな」
幼「絶対停電するよね」
男「しちゃうだろうなぁ」
3 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:00:46 ID:TsoPulPE
幼「家が飛んだりして?」
男「さすがに家は飛ばないと思うけどな」
男「そんな訳でさ、今日は泊まって行きなよ?」
男「こんな暴風雨の中、幼を外に出したりしないぞ?」
幼「う、うん。最初から泊まるつもりだったし」
幼「きっと停電はするだろうねー」
男「停電はするだろうなー」
4 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:01:19 ID:TsoPulPE
幼「…するだろうなー」
男「あ、停電する前に、お風呂入って来なよ」
幼「あ、うん。そ、そうさせてもらうね」
幼「まだ停電しそうにない?」
男「まだ大丈夫だと思うけど」
幼「ふ、ふーん。でもお風呂は早く入った方が良いよね?」
男「そうだな。幼の次、俺が入るからさ」
男「長風呂しないでくれよ?」
5 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:01:39 ID:TsoPulPE
男「それに、風呂から上がったらさ」
男「二人で誕生会、するんだから、な?」
幼「そ、そうだよねー」
幼「この様子だと台風は深夜に直撃みたいだしねー」
男「見事に直撃だなー」
男「気象台のおっさんが『厳重に警戒を』なんて」
男「俺、初めて聞いたよ」
6 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:02:08 ID:TsoPulPE
幼「そうだよね。こんなに念を押すなんて珍しいよね」
男「ウチも警戒しないとなー」
男「だから幼、今日は早めに寝るぞ」
幼「う、うん」
男「だからお風呂先にどうぞ?」
7 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:02:38 ID:TsoPulPE
幼「あ、あの…」
男「俺、晩飯の用意しておくからさ」
幼「う、うん…お先に行ってきます…」
幼(一緒にお風呂って言うのは…ダメかー)
男(しまった!今のって、一緒に入る?くらい言えたんじゃぁ…)
男・幼(…)
8 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:03:00 ID:TsoPulPE
幼「…男、入って来ないかな?」
幼「今日は特別な日なのになー」
幼「忘れてるって事は無いだろうけど…」
幼「でも男はうっかり屋だからなー」
幼「…覚悟完了!なのになー」
幼「…」
・
・
9 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:03:28 ID:TsoPulPE
男「幼、遅いな…」
男「もう1時間は経ってる」
男「お風呂場で気絶してるとか?」
男「いやいやいや。そんな馬鹿な」
男「でも、遅いな…」
男「ちょっと様子見に行くか…」
10 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:03:50 ID:TsoPulPE
コンコン
男「おーい、幼?まだかー?」
幼「…」
コンコン
男「おーい?」
幼「あれっ?男の声がする…」
幼「あ、お風呂の中だった」
幼「私、寝てた?」
幼「…」
11 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:04:15 ID:TsoPulPE
ドンドン
男「幼っ!返事しろよ!大丈夫か?」
幼「!」
幼「ご、ごめん、男!大丈夫だから!」
男「本当に大丈夫か?」
幼「ホント、大丈夫だから!」
男「…なら良いんだけどさ」
12 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:04:48 ID:TsoPulPE
幼「す、すぐに上がるから!」
ザバッ
男「お、おう…」
幼(しまった…そのまま返事しなければ)
幼(男が入って来てくれたかも…)
男(しまった…介抱って名目で、中に入っちまえば良かった…)
男・幼(しくじった…)
13 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:05:12 ID:TsoPulPE
幼「お、お先にお風呂、頂きましたー」
男「お、おう。長風呂だから、心配したぜ」
幼「ちょっと考え事してたよ、あはは」
男「ははは、溺れてるのかと思ったぜ」
幼「そんな、漫画じゃあるまいし」
男・幼「…」
14 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:05:36 ID:TsoPulPE
男「そ、それじゃあ、俺も入ってくるかな」
男「麦茶でも飲んで待っててくれよ」
男「晩飯の用意、だいたい出来てるからさ」
幼「う、うん。行ってらっしゃい」
幼「い、今の内に…」
15 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:06:31 ID:TsoPulPE
・
・
男「はぁ…幼が一時間も浸かってたお湯…」
男「飲むか?」
男「いやいやいや。変態か!」
男「でもちょっとくらいなら…」
男「ってしませんけどね!」
男「…」
男「……」
男「………」
コクッ
16 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:06:54 ID:TsoPulPE
男「ふぃー。良い湯だったー」
幼「お、お帰り、男」
男「ん?幼、ちょっと髪が濡れてる?」
幼「え?そ、そう?ちゃんとドライヤーで乾かしたけどなー」
男「拭いてやるよ、そこの椅子に座りなよ」
幼「い、いいよ」
男「いいからいいから」
ストッ
ゴシゴシ
17 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:07:18 ID:TsoPulPE
男「お客さん、かゆい所はありますか?」
ゴシゴシ
幼「とーくーにーなーいー」
男「ははは、へーんーなーこーえー」
ゴシゴシ
幼「ちょっと!人の頭で遊ばないでよー」
男「幼の髪ってサラサラだなー」
幼「へへー。普段から気を使ってますからねー」
男・幼「…」
18 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:07:43 ID:TsoPulPE
男(しまった!何か、急に恥ずかしくなってきた!)
幼(よ、良く考えたら、髪拭かれるって恥ずかしいかも!)
男・幼「…」
男「さ、そろそろ乾いただろう」
幼「う、うん。ありがとね、男」
19 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:08:38 ID:TsoPulPE
男「それじゃ、そろそろ晩御飯にするか」
幼「うん!お腹空いたよー」
男「今日のは自信作だぞー。何せ幼の誕生日だからなー」
幼「ありがと、男」
男「まぁ、半分くらいは昨日の夜、母ちゃんが用意してたんだけど」
幼「あはは。それでもありがとね。嬉しいよ」
20 :<削除>:<削除>
<削除>
21 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:09:11 ID:TsoPulPE
男「それじゃ、いただきます!」
幼「いただきまーす!」
幼「全部私が好きな物だー」
男「食後にはケーキもあるんだぜー」
男「しかもケーキは完全に手作りだ」
幼「男が作ったの?」
男「そう!初挑戦にしては、上手く行ったと思うぜ」
幼「楽しみ!」
22 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:09:47 ID:TsoPulPE
・
・
幼「美味しい!」
男「マジで?」
幼「男、もう将来パティシエになれば?」
男「それは言い過ぎだろ」
幼「いやいやー。もう、私専属のパティシエになってよ!」
23 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:10:24 ID:TsoPulPE
男「ははは、専属って…専属?」
幼「あ…い、今の無し!」
男「べ、別にパティシエにならなくても」
男「ケーキくらい、いつでも焼くよ」
幼「そ、そう?わーい。う、嬉しいなぁ」
男・幼(…)
24 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:10:49 ID:TsoPulPE
男「さ、次はプレゼントだ!」
幼「お、おー!」
男「二つあるぞ!」
幼「え?何で二つ?一つで良いよ」
男「まぁまぁ。もう買っちゃったから、受け取ってよ」
男「はい、まずはこれ」
幼「…開けても良い?」
25 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:11:18 ID:TsoPulPE
男「もちろん」
ガサガサ
幼「あ!私が欲しいって言った財布だ!」
男「通販で買いました!」
幼「雑誌見ながら、呟いただけなのに、よく覚えてたね」
幼「ありがとうー!凄く嬉しいよ!」
26 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:11:42 ID:TsoPulPE
男「プレゼントした側としても、喜んで貰えて嬉しいですよ」
幼「一生大事にするね!」
男「うん。大事にしてください」
幼「…」
男「…あー、あと一つのプレゼントなんだけどさー」
幼「…ここでクイズです!」
男「え?何、突然」
27 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:12:24 ID:TsoPulPE
幼「この革の財布ももちろん嬉しいけど」
幼「私が今、一番欲しい物、なーんだ?」
男「んん?」
幼「ヒント!それは物ではありません!」
幼「さぁ!シンキングターイム!」
男・幼「…」
28 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:12:53 ID:TsoPulPE
男「あの…それについてはさ」
男「1つ心当たりがあるんだけど」
幼「それは何?言ってみ?」
男「正解だったら、目を閉じて欲しい」
男「不正解なら、俺のほっぺにビンタしてくれ」
幼「わ、解った」
29 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:13:27 ID:TsoPulPE
男「十八歳になった、幼に、言いたい事がある」
男「幼稚園の時の誓いを、今、果たさせて下さい!」
男「陳腐な言葉で申し訳ないけど」
男「幼さん、俺と結婚を前提にお付き合いして下さい」
男「ずっと俺の傍に居て下さい」
男「お願いします!」
30 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:13:53 ID:TsoPulPE
男「…」
幼「…」
幼「男!目を瞑って、歯を食いしばって!」
男「お、おう…」
男(は、外れたか…)
幼「…」
ちゅっ
31 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:14:14 ID:TsoPulPE
男「!」
幼「せ、正解者に…ご褒美!」
男「ま、マジで?」
幼「ずっとその言葉を待ってた!」
幼「幼稚園の時の約束、覚えててくれて、嬉しいよ」
男「俺も…俺も嬉しいよ」
男「外れたかと思って、泣きそうだった」
32 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:14:46 ID:TsoPulPE
男「…俺、歯食いしばる必要あったか?」
幼「男の彼女としての、最初のサプライズです!」
幼「私が目を瞑ってたら、男からしてたんでしょ?」
男「ぉ、ぉぅ」
幼「そうはいきません!」
34 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:15:16 ID:TsoPulPE
男「…ふふっ」
幼「えへへ」
男「俺、幼の事大好きなんだな」
男「今、幼の顔見てると、心底そう思う」
幼「私、男の事、超好き!」
幼「騙し討ちで、ちゅーしたくなる位、大好き!」
35 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:15:39 ID:TsoPulPE
・
・
男「もう夜も遅いな」
幼「11時過ぎたね」
男「ど、どうするかな」
幼「どうしようね?」
男「台風情報見てみようか」
ピッ
36 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:16:08 ID:TsoPulPE
男「んー。相変わらず勢力強いって書いてあるなぁ」
男「飛行機は全便欠航だし…明日は様子見て運航か…」
幼「お父さんたち、どうなるのかな?」
男「んー。午前中は飛行機飛ばないんじゃない?」
男「空港も大混雑だろうし」
幼「そっかー」
37 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:16:29 ID:TsoPulPE
男「外、別に風強くないよね?」
幼「全然。雨はちょっと強いけど」
男「…」
幼「…ね、ねえ男」
男「うん?」
幼「そ、そろそろ、寝る?」
幼「今から風強くなって、停電するかもだし」
男「そうだなー」
38 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:17:05 ID:TsoPulPE
男「先月の教訓を活かして、ロウソクと懐中電灯用意したけど」
男「寝ちゃうかー」
幼「私、男の部屋で寝て良いんだよね?」
男「おう。あ…」
幼「…良いんだよね?」
男「お、おう…」
幼「停電したら…と思ってたよ」
男「お、おぅ…」
39 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:17:36 ID:TsoPulPE
幼「まだ、『今日』だよ?」
男「お、おぅ…」
男「じゃあ、俺の部屋で、ね、寝るか」
幼「う、うん…」
40 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:18:01 ID:TsoPulPE
・
・
男「あれ?ベッドにバスタオルが敷かれて…」
幼「言うな!」
バシッ
男「痛っ!何?幼がやったの?」
幼「…」
男「何だよ…バスタオ…ル…」
男・幼「…」
41 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:18:24 ID:TsoPulPE
幼「そ、そういう覚悟、出来てるって事!」
男「このタオル、幼のタオルだよな?」
幼「さっき家に行って取って来た!」
男「こらっ!」
ポカッ
幼「な、何で叩いたの?」
男「台風で危ないから、家に泊まるのに…」
男「外に出たら、意味ないだろ?」
42 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:19:06 ID:TsoPulPE
幼「ぶっちゃけ、雨は強かったけど、風は全然だよ」
男「観測史上最大なのになぁ…」
男「でも!とにかく!台風の時は外に出ちゃ駄目!」
幼「心配してくれてありがとう…」
男「い、いや。無事だから良いけど…」
男・幼「…」
43 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:19:27 ID:TsoPulPE
幼「そ、それじゃ、ね、寝る?」
男「お、おう…」
幼「は、恥ずかしいから、電気は消して、ね?」
男「お、おう」
カチッ
男「真っ暗だな」
幼「そうだね」
44 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:19:50 ID:TsoPulPE
男「電気消すなら、停電関係無かったんじゃないか?」
幼「そうだけど!切っ掛けが欲しかったと言うか…」
男「まぁ、俺もそうだけどさ」
幼「えへへ。真っ暗でも、男の顔がうっすら見えるよ」
男「幼の顔も、見えてるよ」
男・幼「…」
ちゅっ
男「愛してるぞ、幼」
幼「私も、愛してるよ、男」
45 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:20:28 ID:TsoPulPE
・
・
・
?A「ウチに居なかったって事は、こっちに居るって事だろ?」
?B「まぁそうだろうさ」
?C「アンタ達は一階で待機!」
?D「私たちが見てくるから!」
?B「娘の裸くらい別に見ても良いだろ?」
?D「絶対駄目です!」
?C「黙って、土産の温泉饅頭でも食べてなさい!」
46 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:20:57 ID:TsoPulPE
カチャッ
?C「…やっぱり」
?D「…だね」
?C「ついに結ばれたんだね」
?D「私、孫は3人は欲しいわ」
?C「私はもっと欲しい!」
?D「あ!お赤飯!お赤飯炊かなきゃ!」
?C「今日はお祝いね!」
?A&B「おーい!どうなんだー?」
?C&D「やっぱり男の部屋に居たー!」
47 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:21:20 ID:TsoPulPE
ガバッ!
男「はっ!?」
男「母ちゃん!おばさん!」
男「な、何で居るの?」
男「あ…こ、これは!そのっ!」
幼「男…うるさぃ…もうちょっと寝させてよぅ…」
男「お、起きろ!幼っ!」
ユサユサ
48 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:21:42 ID:TsoPulPE
男母「もう見ちゃったし」
幼母「全部見えちゃったし」
男「あ、あの…その…」
男母「アンタ、ちゃんと責任取りなさいよ」
幼母「男君なら、大丈夫よねー?」
幼「んぅー?お母さんの声がする…」
男「幼、ちょっと、マジで起きて」
49 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:22:20 ID:TsoPulPE
男「か、母ちゃん達っ!何で居るんだよ!」
男「た、台風は?飛行機は?てか今何時だ?」
男母「もう11時過ぎよ」
幼母「飛行機は朝一便から、全便運航よ」
男母「母さん達、第一便に乗って帰って来たの」
50 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:22:43 ID:TsoPulPE
男「あ、あの…」
幼「…あれー…お母さんとおばさんがいるー」
ぼけー
幼母「幼ちゃん!おめでとう!」
男母「幼ちゃん、男の事宜しくね?」
男母「頭は良くないけど、誠実な子に育ったと思うから!」
男母「二人とも、さっさと服着て一階に降りて来なさい」
幼母「幼ちゃんをちゃんと起こしてあげてね、男ちゃん」
バタン
51 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:23:07 ID:TsoPulPE
男「…」
幼「…あー、男。男が私のベッドに居るー」
幼「ずっと夢見てたんだー…叶ったー。えへへー」
男「幼、起きてくれ。ほら。もう昼前だぞ?」
幼「もうちょっと。良いじゃんかー…」
男「寝ぼけてる場合じゃないぞ!」
男「母ちゃん達、帰って来てて、全部見られた!」
幼「…」
52 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:25:11 ID:TsoPulPE
幼「はっ!?」
幼「い、今、お母さん達が居たような?」
男「目が覚めたか、幼。おはよう」
幼「おはよう、男。それより…」
男「あぁ…お互いの母親に、ばっちり見られた…」
幼「何で?台風は?飛行機飛んだって事?」
男「そうらしい…」
53 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:25:34 ID:TsoPulPE
幼「観測史上最大の台風はどこ行ったのよ!」
男「肩透かしだった見たいなだ」
男「…服来たら、下に降りて来いってさ…」
幼「お父さん達も居る…よね?」
男「そうだろうな…」
男・幼「…」
54 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:26:12 ID:TsoPulPE
幼「多分、ウチのお父さん、一発殴らせろ!とか言うと思う」
男「あぁ…言いそうだな」
男「けどまぁ、責任はちゃんと取るから」
男「一発殴られるくらい、なんてことないぜ」
幼「男…」
男「さ、いじられに行こうぜ!」
スッ
幼「う、うん」
ぎゅっ
55 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:26:34 ID:TsoPulPE
・
・
一ヶ月後
男「観測史上最強だって」
幼「マジで?」
幼「一ヶ月前もそう言ってなかった?」
男「だよなぁ」
56 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:27:01 ID:TsoPulPE
男「しっかし今年は台風多いな!」
幼「そうだねー」
男「しかも、またあの四人が旅行に行ってる時にって!」
幼「ひょっとしたら、四人の中の誰かが守護神なのかもよ?」
男「守護神?」
幼「守護神が居るから、普段台風来ない…みたいな?」
男「だとしたら厄介だな!旅行好きな守護神なんて!」
57 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:27:34 ID:TsoPulPE
幼「きょ、今日も泊まって行って良い?」
男「もちろんそのつもりだ」
男「て言うか、今日の台風はマジで強いな」
幼「そ、そうだよね」
幼「何か、家が揺れてる気がする…」
男「実際揺れてるんだろう」
男「風速50メートルだってよ」
58 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:27:53 ID:TsoPulPE
男「そろそろ最接近みたいだ」
男「お!瞬間最大も70メートル吹いたって」
幼「て、停電するだろうね」
男「あぁ、先に色々準備しておいて良かったぜ」
ビューーーーガタガタ
幼「ひゃっ!」
ぎゅっ
59 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:28:16 ID:TsoPulPE
男「おぉっと…大丈夫だよ、幼」
幼「風強い!怖いよ、男!」
男「…」
ぎゅうっ
幼「…」
男「大丈夫だから。俺が傍に居るからさ」
男「な?」
幼「う、うん…」
男・幼「…」
バツンッ
60 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:28:36 ID:TsoPulPE
幼「きゃっ!」
ガツンッ
幼「痛っ」
男「んがっ」
バタッ
幼「お、男?どこ?真っ暗で見えないよ?」
幼「た、倒れたの?まさか、また気絶?」
幼「こ、怖いよ、男…男!」
61 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:29:02 ID:TsoPulPE
男「うー…顎が痛い…」
幼「男っ!どこ?」
男「幼、落ち着いて」
カチッ
幼「あ、懐中電灯…」
男「用意しておいて良かったよ」
幼「ご、ごめんね、また停電にびっくりして…」
男「大丈夫だから、幼」
ぎゅうっ
62 : ◆L0dG93FE2w:2012/12/24(月) 18:29:21 ID:TsoPulPE
幼「うん…」
男「何があっても、俺が幼を守るから」
幼「うん…」
男「ずっと傍に居て、守るからさ」
幼「うん…」
幼「男と一緒なら…台風も、停電も怖くないよっ!」
幼「これからもずっとずっと宜しくねっ、男っ!」
おわり
コメントする