1: 前後半年以内なら誤差かもしれない 2015/12/28(月) 14:03:46.38 ID:/vUcHzGy0

12/24

雪美「――ペロ…だめ……もう少しがまん……」ぎゅう


ペロ「ふぅー……っ」ニャゴニャゴ


ありす「キャットフード、ちょっとだけ食べさせてあげます? お腹空いてるみたいだし」


雪美「ううん……ごちそう出来るまで……がまん……」


ありす「……このにおいに包まれた状況でそれは酷かと」



   ふわぁああ~~~~ん……♪

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1451279026

引用元: モバP「黒い髪と聖なる夜とそれぞれが出来ること」 

 

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:05:31.70 ID:/vUcHzGy0

ありす「鳥に使われてるハーブの香りは……バジル、レモングラス、タイム、それと」 


雪美「ローズマリー……それと…ニンニク……」 


ありす「わかるんですか?」 


雪美「ペロ……鼻が効く……だから…わかる……」ナデナデ 


ペロ「みゃおーん♪」スリスリ 

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:06:25.96 ID:/vUcHzGy0

ありす「それはどちらかというと犬の適正な気が……けど、本当に凄いんですね」ナデナデ 


雪美「うん……ペロ…凄い……英会話も…出来る……」ナデナデ 


ありす「本当ですか?」 


雪美「……うそ……」グゥーッ! 


ありす「あっ」 


雪美「……ほんと……」カァッ 


ありす「誤魔化さなくたっていいんですよ?」 


雪美「……ペロ……がまん……!」キュウッ 


ペロ「みゃうっ」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:07:07.90 ID:/vUcHzGy0


    バン! 

光「メインディッシュの参上だぞ、二人とも!」コトッ 


ありす「あ、出来たんですね」 


雪美「…鳥の丸焼き……」キラキラキラキラ 


光「ペロちゃんもお腹ペコペコだろ。よく頑張ってくれた!」ナデナデ 


ペロ「にゃふぅ」ゴロゴロ♪ 


ありす(よかった、光さんには本当のことは伝わってないみたい) 


光(雪美ちゃんを待たせたのは悪いなぁ。もう始めないとだな) 

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:09:00.19 ID:/vUcHzGy0

光「えっと、飲み物は……」 

雪美「私が…注いだ…………えへん……」 

光「仕事が早いなぁ。じゃあ、鳥の切り分けはアタシがやろう!」 

ありす「そのまえに、やるべきことがあるんじゃないですか?」 

光「……あ、そっか! 雪美ちゃん、音頭とってくれるか?」 

雪美「……いや……」 

ありす「え?」 

雪美「ありすも…光も…ペロも…一緒にしたい……」 

ありす「……ふふっ、そうですか。じゃあ、せーので行きましょう。ハッピークリスマス」コチン 

光「ハッピー・クリスマス!」コチン 

雪美「ハッピー…クリスマス……」コチン 

ありす「ペロさんとは、素振りだけで……えい」コチン 

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:27:42.58 ID:/vUcHzGy0

ペロ「ふにゃああああ~~~!」ビクンビクン! 


光「うわわわわっ! ペロちゃんが空腹で大変なことに!?」 


雪美「いいよ……もう……ごはん……」 


ペロ「ふにゃおんっ、ふにゃおぉんっ♪」スリスリ 


ありす「鳥、タマネギ使ってないですよね?」 


光「君のくれたメモ通りに作ったから大丈夫だよ。あのレシピ、簡単でいいね!」ザクザクブチブチ 


ありす「オーブンがあって助かりました。……それにしても、手際いいですね」 


光「時は金なり。そう教えてくれたのは君だろ? はい、中継お願い」スッ 


ありす「……どうも。雪美さん、ペロさんにどうぞ」スッ 


雪美「ありがとう……ペロ……あーん……」スッ 
・ 

ペロ「ミャウ。……うぅぅるるるぅぅ~~♪」スリスリ 

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:40:44.51 ID:/vUcHzGy0

光「何て言ってる?」 


雪美「味の……宝石箱……やー……」 


ありす「ペロさんはテレビっ子さんなんですか?」 


光「ふ、ふふ、そうか……アタシの鳥の丸焼きはミシュラン並か、そうかそうか……ふふふふっ……!」 


ありす「自分に都合良く解釈するの、やめてください」 

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:42:48.76 ID:/vUcHzGy0

光「よし、アタシも食べるぞ! 次はありすちゃんのパスタだ……あむっ♪」パク 


ありす「良かった。まだ伸びてません」パク 


雪美「……美味しい……」パクパクパクパク 


ありす「あ、こっちはタマネギ使ってるから、ペロさんに食べさせないでくださいね?」 


雪美「うん……」 


光「美味しいなぁ、ボンゴレって言うんだっけ?」 


ありす「ええ。今日のために練習しました。本当はイチゴ入れたかったんですけど……」 


ペロ「ひっ!」ビクン 


雪美「ペロ……? こわいの……何が……?」 


光「ケーキがあるからな。イチゴが二人の好物で必殺技なら、最後までとっておくべきだろう! はいサラダ!」コトッコトッコトッ 

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:43:45.35 ID:/vUcHzGy0

ありす「はむ、しゃく……手で千切ったから、手作りドレッシングがよく馴染んでますね」 


雪美「私が……千切った…ぷちぷち……」 


ありす(レタス千切るジェスチャーしてる……) 


光「一玉もやってくれてありがとね。雪美ちゃんは根性あるなぁ!」 


雪美「ふふ……」クス 


ありす「……あの」 


光「ん、もちろんこのパスタも、イタリアンパセリがカラフルで美味しいよ? 分業して料理するの、けっこう楽しいね!」 


ありす「いえ、……どうも。一品物も多くありますから、そっちも楽しみましょう?」 


ありす(私のの感想も欲しいとか、……すっと言えるようになるのが、来年の課題かな……) 

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:46:22.70 ID:/vUcHzGy0

光「そうだね。うーんっ、麗しきメロンと生ハム~~!」パクッ 


光「……あれ?」 


雪美「おいしい……でも…あまり…甘くない……」モキュモキュ 


ありす「海外のメロンを使いました。甘さ控えめで、野菜感覚で食べられるでしょう?」 


光「不思議な味というか……キュウリみたい!」 


ありす「メロンも瓜ですからね」クスッ 


雪美「光……」クイクイ 


光「うん?」 


雪美「ペロに鳥……もっとちょうだい……?」 

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:48:01.37 ID:/vUcHzGy0

光「了解っ! ……って、二人とも鳥を食べてないじゃないか」 


ありす「美味しいのは最後にとっとく主義ですから」 


雪美「必殺技は…最後にする……光が言ってたこと……」 


光「うーん……嬉しい限りだけどさ、冷えちゃうから。それにその、感想が欲しくって!」 


ありす「……なら、いただきますね。あむ」 


雪美「ふ、はふっ」 


光「よし、アタシも……あむ、あちちっ、はふっ」 


光 雪美 ありす 「「「…………」」」 

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:48:44.08 ID:/vUcHzGy0

光「プリプリだ!!」 


ありす「プリプリです! プリプリでじゅわじゅわです!」 


雪美「濃い……鶏の旨味……じゅわって…広がって……一回噛むと……倍になる………じゅわー………!」 


ありす「これならペロさんだって、あそこまで言います!」 


光「ちょっと待ってて、レモン果汁とか取ってくる! ほかに必要なのある!?」 


雪美「タバスコ…ある……?」 


ありす「辛いの大丈夫なんですか?」 


雪美「ううん……けど…きっとそれも美味しい………だから…試したい……」 


光「OK! ちょっと待っててねっ!」 

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:49:58.96 ID:/vUcHzGy0


……………… 
………… 
…… 

数時間後 


雪美「――うん……そう…そう…ゆっくり揺らして……」 


光「ふむふむ。で、全部のカップに順番に少しずつ、だよね?」 


雪美「上手……」 


光「教えてくれる人が巧いと、な!」コポポポポ 


雪美「ふふ……」 


光(次はアタシが教えられるようになることを目指さなきゃ……なっ)

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:50:31.53 ID:/vUcHzGy0

ありす「ケーキ、切り終えましたよ」 


光「わぁい! さぁ、デザートタイムだ!」 


雪美「イチゴ……いっぱい………!」キラキラキラキラ 


ありす「クリームにイチゴペースト、スポンジに乾燥イチゴ、勿論果肉のイチゴも入ってます」フフン 


光「まさにイチゴの大将軍! 選んでくれたPも、こっちに来て欲しかったものだ」 


ありす「……わかりますけど、言いっこなしです。遅れるだけみたいですし」 


光「う……ごめんなさい。そしていただきます!」ぱく 


雪美「いただきます……」ぱく 


ありす「私も」ぱく

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:58:28.61 ID:/vUcHzGy0

光「……う、う、美味い……説明不要っ!」ワナワナ 


ありす(旬だとか保存がいいとか、理由付けが冒涜になる破壊的な味わいです。プチンと潰れる食感の楽しさ、軽やかな酸味、まるで、まるで……!) 


雪美「…………!」パクパクモグモグ 


光「あれ? ありすちゃんの分、イチゴ少なくないか?」 


ありす「え!? ……あ、本当ですね」 


雪美「……私たちに……多い方……分けてくれた……?」 


光「嬉しいけど、イチゴだって一番好きな人に食べてもらいたいと思うよ。アタシならそう考える!」ごろっ 


光(自分を滅し、誰かの幸せの為に行動出来るその姿勢……正しくヒーローのそれじゃないか。アタシはこの娘から学ばなければ!)ジーン 


ありす(あわわ、ど、どうしましょう。今更『先につまみ食いしちゃいました』なんて言えません……)アセアセ

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 15:00:44.42 ID:/vUcHzGy0

雪美「…………」じっ 


光「ええと、どうかした?」 


雪美「イチゴ……一番好きなの……ありすじゃない……」 


光「ありすちゃんは日本では二番目なのか?」 


ありす「なんで唐突に分母が大きくなったんですか?」 


雪美「……私も…イチゴ……好き……すごく……」 


光「そうか、君が日本一イチゴ好きなアイドルだったか……!」 


ありす「あの、勝手にインフレさせたいでくれませんか」 


光「なら、そんな君にも食べてもらうべきかなっ」ごろっ 


雪美「ううん……いい……」 


光「え?」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 15:01:14.08 ID:/vUcHzGy0


雪美「光も……イチゴ……好きになって…欲しい……だから……いらない……」ごろっ 


ありす(あ、光さんの所に帰っちゃいました) 


光「む、そうなのか……ってことは、ありすちゃんももしかしてそう……すまない! 押し付けがましかった!?」 


ありす「い、いえ、イチゴを譲って貰ったのは嬉しいですし。お返しします」ごろっ 


光「結局、元の鞘に戻ってしまったな……」 


ありす(き、気付いたらなんとかなってました。後で雪美さんにきちんとお礼を言いましょう)

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 15:01:55.95 ID:/vUcHzGy0

ありす「じゃあえっと、お茶、いただきますね。んく、んく」 


光「ん、んっ♪」 


雪美「……んっ……んっ……ごく……」 


ありす「すごいですね……マスカットみたいに爽やかです」 


光「これをよく飲んでるって言うのなら、雪美ちゃんが羨ましいなぁ」 


雪美「うん……うれしい……ママの……好きなお茶……」 


ありす「あ……」 

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 15:03:57.65 ID:/vUcHzGy0
光「そっか。素敵な趣味のお母さんだね」 


雪美「うん……来年は…一緒にしたい…パパも……ママも一緒……」 


光「なら、沢山お仕事しないとだな」 


雪美「……どういうこと……?」 


光「時は金なり。それが正しいなら、逆にお金で時間を買えないかなーって思って。……出来ないかな?」 


ありす「……簡単に言わないでください」 


光「む、無理かな?」 


ありす「……そこまでは言わないけど……。けど、働いてれば得られたお金を失うだけじゃなくて、信用も失うんですよ?」 


雪美「……それも…がんばれば…払える……?」 


光「熱血だな、それ。……それならアタシ、手伝いたいな!」 


ありす「……わかりました。随分生々しい、精進する理由が出来ちゃいましたね。お金のため、ですか」 


光「けど、一緒に過ごしてみたいだろ。……違う?」 


ありす「……いちいち確認取らないでください」 


光「ええっ。怒られなきゃダメ!?」 


ありす(……来年はみんなでだけじゃなく、父も母も、……お父さんとお母さんも招待して、ですか) 


ありす(……親の分まで稼いで超えろ、なんて、何だか光さん好みの展開ですね。……なんで私、ワクワクしてるんだろう)

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 15:04:32.55 ID:/vUcHzGy0

光「あ、そうだ。Pの分、ラップしとくね。買ってきた当人が食べられないのは可哀想だ」 


ありす「この寒い中、並んで買ってくれたんですよね。どんなお礼をしてあげましょうか?」 


雪美「……あっためてあげる……」 


ありす「そのお茶を飲んでもらうとか?」 


雪美「それも…する……それと……ぎゅーってする……みんなで……」 


光「なるほど、おしくらまんじゅうか!」 


ありす「何で納得するんですか」 

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 15:05:01.17 ID:/vUcHzGy0

雪美「うん……おしくらまんじゅう……押されて……なくな……」キュウウ 


光「うんうん! 押されてなくなっ♪」キュウウ 


ありす「い、今始めなくたって……ああもうっ!」キュウウ 


雪美「ぎゅー……」ほかほか 


光「ぎゅー♪」ほかほか 


ありす「ぎゅ、ぎゅー……」ほかほか 

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 15:07:53.28 ID:/vUcHzGy0

ありす「……温いですね」 


光「ああ、温いぞ。二人ともな」 


雪美(ぽかぽか……お日様みたい……すやすや…………ダメ……起きてたいのに……) 


ペロ「ふひゃあぁ……」ふにゃーご 


雪美「あぅ……ペロも……眠い……?」クシクシ 


ありす「確かに、いい時間ですよね、もう」 

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 15:09:32.29 ID:/vUcHzGy0

光「ありすちゃん、ちょっといい?」ヒソヒソ 


ありす「なんですか?」ボソボソ 


光「雪美ちゃん、もうキツいみたいだし。念のためクリスマスソング歌うの繰り上げて……いいかな?」 


ありす「……いいですよ。雪美さん、そろそろ歌いましょうか」 


雪美「じゃあ…みんな……手……繋いで……」ギュッ 


光「伴奏いる? 無いけど」ギュッ 


ありす「いりませんよ。私たちなら。そう思いません?」ギュッ 


光(そういうとこ、格好いいなぁ)「そうだね。じゃ、せーの!」 

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 15:10:11.90 ID:/vUcHzGy0

ジングルベル ジングルベル 鈴が鳴る 


   鈴のリズムに ひかりの輪が舞う 


ジングルベル ジングルベル 鈴が鳴る 


 森に林に 響きながら

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 15:12:05.51 ID:/vUcHzGy0

ペロ「ニャにゃにゃにゃん、にゃーにゃーにゃー♪」 


光「そうか、ペロちゃんも歌ってくれるか……!」ナデナデ 


ありす「ありえません……。……いいえ、聖夜の奇跡、ってことにしてあげます」 


雪美(JASRAC…申請中……? ペロ……何の話……?) 


ペロ(ふにゃーご) 

おわり