1: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 22:46:58.63 ID:X6mOL/H9o
引用元: ・「劇場版アイドルマスター333:Q」
THE IDOLM@STER: 5 (REXコミックス)
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一迅社 (2015-12-26)
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2: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 22:49:01.72 ID:X6mOL/H9o
――成層圏オーディション会場
美希「あふぅ、ポイントが足りないの。おっ先~」
伊織「本ッ当に役に立たないわね!」
伊織「何とかしなさいよバカプロデューサー!!」
P?「…………」カッ
伊織「!?」
美希「こ、このアピールって……!」
小鳥「伊織ちゃん、首尾は?」
伊織「オーディション、合格……これより帰社するわ」
3: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 22:50:34.86 ID:X6mOL/H9o
――???通路
P?「あれ……ここ……」
???「対象、意識の回復を確認」
P?「そうだ、確か真美を助けて……」
???「記憶の継続性も認められます。コンタクトを試みます」
P?(誰だろう)
???「こんにちは」
P?「……こんにちは」
???「これは誰ですか?」
P「……俺ですけど」
P(Pヘッドだ)
P?「あれ……ここ……」
???「対象、意識の回復を確認」
P?「そうだ、確か真美を助けて……」
???「記憶の継続性も認められます。コンタクトを試みます」
P?(誰だろう)
???「こんにちは」
P?「……こんにちは」
???「これは誰ですか?」
P「……俺ですけど」
P(Pヘッドだ)
4: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 22:52:29.67 ID:X6mOL/H9o
――???デスク
小鳥「拘束を解いて下さい。下がって構わないです」
P「音無……さん?」
小鳥「プロデューサーさん、で良いんですよね」
律子「えぇ、物理的情報ではプロデューサーと完全に一致してます」
律子「なお、深層バーストアピール値は計測中」
小鳥「頚部へのSSチョーカーは?」
律子「すでに装着してあります。音無社長」
P「音無……社長? やっぱり音無さんじゃないか」
律子「……作動正常。パスコードを社長に」
小鳥「了解」カチッ
5: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 22:54:27.34 ID:X6mOL/H9o
P(な、なんだ、ネクタイが急に)キュッ
P「なんなんですかこれ、外してくださいよもう……っ、ぐっ」
???「……絶対に外しませんよ、ソレ」
小鳥「面会終了。彼を隔離室へ」
P「えっ?」
Prrrrrrrrrrrr
「オーディション依頼複数件発生!!」
「巻頭、末、グラビアの依頼です!」
「テレビ局からの取材入ります! 繋げます!!」
小鳥「全社員、対メディア体制用意!」
P「なんなんですかこれ、外してくださいよもう……っ、ぐっ」
???「……絶対に外しませんよ、ソレ」
小鳥「面会終了。彼を隔離室へ」
P「えっ?」
Prrrrrrrrrrrr
「オーディション依頼複数件発生!!」
「巻頭、末、グラビアの依頼です!」
「テレビ局からの取材入ります! 繋げます!!」
小鳥「全社員、対メディア体制用意!」
6: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 22:56:41.41 ID:X6mOL/H9o
雪歩「仕事の時間です。全員配置について下さい」
雪歩「そこ、グズグズするなですぅ~!」
「無茶言わないで下さいよ課長」
「なんせファンも混じってる寄せ集め集団ですよ?」
雪歩「言い訳無用! 全員、さっさと手を動かしやがれです!」
雪歩「……ちっ、これだからキモオタ上がりは」
P(ゆ、雪歩!?)
7: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 22:58:35.90 ID:X6mOL/H9o
「ええっと、このテレビ局の取材の受け答えはこうで……」
「おい、担当部署の仕事は済んだのか?」
「え~? そこはウチの担当じゃないでしょう」
「前任はお前だ!!」
P(何なんだこの手際の悪い奴らは一体……)
???「移動は危険です。ここにいましょう」
???「でもまぁ、デスクでの仕事風景、緊張しますね」
小鳥「了解です、各対応の連動を維持しつつ……」
小鳥「ライブで歌うセットリストの構築を最優先してください!」
P「ライブ……?」
8: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:00:07.26 ID:X6mOL/H9o
「ライブリハ、行けます!」
「取材依頼増加! このままではレギュラー放送の日程と被ります!」
律子「まずいわね……このままではブッキングの飽和状態に陥るわ」
「なおも出演依頼増加! 予定の調整間に合いません!!」
律子「音無社長、アイドルの即時散開を提案します」
小鳥「…………」
律子「社員の定数および練度不足。おまけに、弊社は引越し途中の未完成」
律子「とどめに、コア層であるファンの需要も把握しきれていない」
律子「ここは個々の仕事量を減らし、リスクを分散するべきです」
「取材依頼増加! このままではレギュラー放送の日程と被ります!」
律子「まずいわね……このままではブッキングの飽和状態に陥るわ」
「なおも出演依頼増加! 予定の調整間に合いません!!」
律子「音無社長、アイドルの即時散開を提案します」
小鳥「…………」
律子「社員の定数および練度不足。おまけに、弊社は引越し途中の未完成」
律子「とどめに、コア層であるファンの需要も把握しきれていない」
律子「ここは個々の仕事量を減らし、リスクを分散するべきです」
10: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:04:18.93 ID:X6mOL/H9o
律子「現状を変えうる決定打がない今は、いつも通りDLCでお茶を濁し――」
小鳥「――だからこそ、ここで後顧の憂いを絶ちます」
小鳥「部長、着替えますよ」
律子「着替える? まさか、舞台に戻るつもりですか!?」
小鳥「全社! 出撃準備! 生放送に出演します!!」
「「「えぇーーーーっ!?!?」」」
律子「いきなり四十路での出演は危険すぎます!」
「同意です! リハもなしに無茶です」
「お化粧の合わせ、未経験です。自信ありません」
「‘取れない’出演は無しが良いな。私まだ(業界的に)死にたくないです」
「死ぬときゃ死ぬ。そんだけだ。若いもんが細かいこと言うな」
「えぇーー!? 年増なら慎重に行くもんでしょう!」
「くっ……」
11: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:07:04.25 ID:X6mOL/H9o
小鳥「無茶は承知! 私と部長を主軸に、仕事を引きずり出します」
小鳥「婚期逃しの力……見極めさせてもらいます」
律子「しかし、肝心の舞台衣装は未試着のままですよ」
律子「まさか、アイドルのお下がりを使う気ですか?」
小鳥「美希ちゃん!」
美希「美希の衣装、サイズ的に無理って思うな」
小鳥「伊織ちゃん!」
P「伊織……?!」
伊織「もうやってる。ようは竜宮小町の衣装を着られる様にすれば良いんでしょ」
12: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:09:47.62 ID:X6mOL/H9o
小鳥「頼むわね」
律子「しかし、ウエスト周辺は贅肉密度が高く、問題が」
律子「それに、ダイエット期間中でしょう!?」
伊織「ま、目的優先、現実軽視は社長のモットーだしね」
伊織「気にせず仕上げるわよ」
「裁縫機有線接続。電源起動」
「竜宮小町衣装、作業台へ移送」
伊織「まったく、せっかくの記念衣装だってのにもったいないわね」
P「やっぱりあの額、伊織!!」
P「良かった……無事だったんだ、伊織」
13: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:12:07.65 ID:X6mOL/H9o
P「音無さん、俺はッ」
小鳥「全社、第一種出演配置」
「全社、第一種出演配置、繰り返す、第一種出演配置」
律子「業務指揮系統を移行、主要員は会議室Aへ」
小鳥「使用中札をオープン」
「了解、各部未使用電源を遮断、会議室内の電源を確保」
「宣材構成を開始、電源を確保後、ノートPCに優先配置」
P「音無さん! 俺の机、ここにあるんでしょう?!」
P「俺もやります! 伊織を手伝います!!」
「ちっ……」
14: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:15:03.69 ID:X6mOL/H9o
P「俺は働かなくて良いんですか?!」
P「音無さん!!」
律子「そうです」
P「!?」
律子「あなたが仕事をする必要はありません」
「各員、移動開始」
「現在、業務箇所を会議室Aへ移行中」
P「必要ないって……それじゃあ、俺は何をすれば良いんですか?」
P「音無さん!」
15: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:18:28.55 ID:X6mOL/H9o
小鳥「プロデューサーさん」
小鳥「あなたはもう――
――――なにもしないで」
スタスタスタ
ガチャン
P「……………………」
小鳥「あなたはもう――
――――なにもしないで」
スタスタスタ
ガチャン
P「……………………」
16: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:22:49.03 ID:X6mOL/H9o
――生放送終了後、隔離室
???「検体、いえ、プロデューサーさん、部長から説明があるそうです」
P「これが俺の仕事道具?」
律子「えぇ、プロデューサーの残したデータ等の資料は、」ペラッ
律子「現在弊社の基礎マニュアルと化しています」
律子「ゆえに作成者は不要です」
P「本当に要らないんだな」
律子「それと、あなたの深層バーストアピール値の解析がでました」
律子「アピール値は0.00%」
律子「仮にあなたがアイドルに指示を出しても影響しません」
17: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:25:52.96 ID:X6mOL/H9o
???「ふわぁ~、そっか。良かったですね、プロデューサーさん」
律子「とは言え、先に12秒間も突如、伊織がバースト状態に化した事実は看過できないので」
律子「あなたには、SS(紳士スタイル)チョーカーを着けさせてもらいました」
P「なんだ? SSチョーカーってのかコレ」
律子「私たちの保険。覚醒回避のための物理的安全装置」
律子「私たちの不信と、あなたへの罰の象徴」
P「どういうことだ」
律子「アイドルのアピール時、自己の感情を抑えきれずに覚醒を犯す」
律子「そのリスクに達した場合、あなたの一命をもってせき止めるというモノです」
18: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:28:19.58 ID:X6mOL/H9o
P「それって、死ぬって事か?」
律子「否定はしません」
P「そんな……音無さん、どういう事なんですか死ぬって!」
P「変ですよ音無さん! 急にこんな事になってて、訳分からないですよ!」
律子「混乱するのも無理ないです。主任」
???「あ、はいっ!」
律子「彼に本名を」
???「えと、今更ですが、プロデューサーさんの身の回りをお世話します」
かすみ「高槻かすみ主任です。よろしくです」
19: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:32:43.43 ID:X6mOL/H9o
P「あ、はい……、……! 高槻って、やよいの?」
かすみ「はい、お姉ちゃんがお世話になりました。妹のかすみです」
P「妹!? いや、お姉さんじゃなくて?」
かすみ「はい、妹です。えへへ」
P「妹……なんで……いや、でも確か……」
伊織「あれから14年経ってるって事よ。バカプロデューサー」
P「い、伊織っ!」
伊織「……」
P「良かった! やっぱり無事だったんだな! 伊織、あは、」ドンッ
P「っ?!」
かすみ「はい、お姉ちゃんがお世話になりました。妹のかすみです」
P「妹!? いや、お姉さんじゃなくて?」
かすみ「はい、妹です。えへへ」
P「妹……なんで……いや、でも確か……」
伊織「あれから14年経ってるって事よ。バカプロデューサー」
P「い、伊織っ!」
伊織「……」
P「良かった! やっぱり無事だったんだな! 伊織、あは、」ドンッ
P「っ?!」
20: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:36:08.54 ID:X6mOL/H9o
伊織「ダメね、抑えきれない。ずっと我慢してたし」
P「……なんなんだよ」
伊織「怒りと悲しみの累積」
P「何の事だ?」
P「あれ、伊織、左目……」
伊織「アンタには関係ない」
P「伊織……さっき14年って、でも眼帯以外変わってない」
伊織「そう。アイドルの呪縛」
P「呪縛??」
21: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:38:17.24 ID:X6mOL/H9o
伊織「……」スッ
P「ちょっと待ってくれ! 伊織なら知ってるんだろう?」
P「真美はどこにいるんだよ!?」
伊織「知らない」
P「知らないって……助けたんだあの時!!」
伊織「アイドル一人に大げさね」
伊織「もうそんな事に反応してる暇はないのよこの業界には」
伊織「そうでしょう? 音無社長」ガチャッ
P「伊織っ!」
22: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:43:10.93 ID:X6mOL/H9o
P「音無さん、真美はどこなんですか教えてください!」
小鳥「プロデューサーさん、双海真美はもうこの業界に存在しません」
P「いいえ、あの時確かに助け出したんです!」
P「よく探せば見つかるはずです!」
律子「当然、行動範囲は全て捜索済みです」
律子「結果、発見されたのはあなたと」ウィーン
律子「なぜか、これが復元されていました」ガシュン
P(……社長のお下がりのウォークマンじゃないか)
律子「検査結果に問題はないので返却します」
23: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:45:58.19 ID:X6mOL/H9o
P(あの時、真美が持っていた……やっぱり助けたんじゃないか!)
ゴウゥウン!
P「な、なんだ?!」
pirrrrrr
小鳥「私です」
「対象、側部通用口です。いきなり進入されました」
小鳥「……お出ましね」
律子「えぇ、想定よりも行動が早い」
24: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:48:40.96 ID:X6mOL/H9o
「検体の保護を最優先」
「優先度の低い業務は停止、余剰人員は隔離室に援護へ」
伊織「美希! いけるでしょ?!」
美希「モチのロ~ン! もう向かってるよでこちゃん」
伊織「だ~れがでこちゃんよっ!!」
美希「それより、ハニーどうだった? 相変わらずきまってた?」
伊織「何も変わらず、気味悪いバカな頭してた!」
美希「その頭、見にいったんじゃないの~?」
伊織「違う! 殴りに行っただけよ! これでスッキリしたわ」
25: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:50:41.21 ID:X6mOL/H9o
P「音無さん! 律子!」
P「一体何が? 961プロの嫌がらせか?!」
『兄ちゃん』
『どこ……?』
P(真美!?)
P「今の! 真美の声だろう!? 音無さん! 律子!!」
小鳥「……」
律子「……」
P「なんなんだよもう!!」ダンッ
26: ◆MdoxwWB71g 2013/07/15(月) 23:53:03.16 ID:X6mOL/H9o
かすみ「準備できました! プロデューサーさん、こっちへ!」
『兄ちゃん』
『どこ……?』
P(やっぱり真美だ……!)
P「真美だよ! んんっ!」
ズズ゙ンッ
かすみ「プロデューサーさん! 急いで!!」
P「……もう良いよ」
P「真美! ここだ!!」
27: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 00:01:49.31 ID:tO3U2j7Ho
ズゥウゥゥンッ
かすみ「きゃあっ!」
「隔離室隔壁に損傷」
「想定外の衝撃を確認」
「予備隔壁を緊急閉鎖!」
P「真美! ……ビビットビキニ?」
『……暑いからね。兄ちゃん、こっち』
小鳥「駄目ですよ! プロデューサーさん!」
小鳥「こっちへ。ここにいて下さい」
28: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 00:04:37.91 ID:tO3U2j7Ho
P「何ですか音無さん……さっきまで要らないって言ってたじゃないか!」
小鳥「しかし、所属は私達で保障します」
P「そんなの勝手すぎですよ!!」
ビシュッ、パタタタッ
P「やめて下さい! 相手は真美ですよ!?」
小鳥「だからこそです!」
P「!?」
小鳥「765のアイドルは殲滅します」
P「765の……?! ここも765じゃないですか!」
小鳥「私達は876。765壊滅を掲げる新興勢力です!」
29: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 00:06:03.21 ID:tO3U2j7Ho
P「そんな……! でもここにいるのは真美なんですよ!?」
小鳥「違うわ! 真美ちゃんはもういないんです! プロデューサーさん!!」
P「嘘だ!! だってそこにいるでしょう!?」
P「音無さんの分からずや! 年増! 生き遅れ!! もう良いです!!」
小鳥「……!!」
かすみ「プロデューサーさん!!」
かすみ「帰っても良いですけど……」
かすみ「アイドルプロデュースだけはしないで下さいよ!!」
かすみ「本当、やめて欲しいかなーって!」
P「……」ギリッ
30: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 00:09:53.43 ID:tO3U2j7Ho
P「真美……」ギュッ
『兄ちゃん』
伊織「逃がすなっ!! 昼行灯!!」
美希「合点承知なの!」
美希「的を~狙えば外さないの~♪」
美希「へい、かまーん!」
ドシュンッ
『…………!』ピチャッ
ビシュッ、ビシュッ
『…………』
美希「や、やっぱし、あれは何とかの器なの!」
伊織「…………」
31: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 00:12:28.74 ID:tO3U2j7Ho
美希「むぅ~! アイドルなら挨拶くらいして行けなの~!」
P「行こう、真美」
『……』タタタッ
小鳥「っ!」プルプル
律子「資料より何より彼を優先して奪取という事は」
律子「トリガーとしての可能性を無視できないという事!」
律子「小鳥さん! SSチョーカーをっ!!」
小鳥「……」プルプル
ピーーー
[信号、途絶]
32: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 00:15:22.65 ID:tO3U2j7Ho
小鳥「…………」
律子「……部長より通達、追撃は不要」
律子「各自被害状況の確認、業務再開に努めよ」
「了解、各自持ち場の確認に当たれ」
伊織「ふん……あれじゃあバカじゃなく……」
伊織「変態ね……!」
アイドルマスター新劇場版:Q
34: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 18:57:33.31 ID:tO3U2j7Ho
――???部屋
P「はっ……んっ……」
「……」
P(真美……生きてる……良かった)
P「やっぱり助けてたじゃないか」
P「音無さんの二枚舌」
「……こっちへ」
35: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 18:59:28.28 ID:tO3U2j7Ho
――エレベーター
P「な、なぁ」
「……」
P「……」
P「……!」
P「屋内なのに、外が見えてる……ボロボロじゃないか」
P「ここが、765プロなのか?」
P「何があったんだ……」
P「な、なぁ」
「……」
P「……」
P「……!」
P「屋内なのに、外が見えてる……ボロボロじゃないか」
P「ここが、765プロなのか?」
P「何があったんだ……」
36: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 19:01:24.68 ID:tO3U2j7Ho
――765デスク
P「本当に14年も経ってるのか」
~♪
P(ゲーム機?)
???「……」チラッ
P「……んっ」
P(誰だ……見た事のない男だ)
37: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 19:03:17.19 ID:tO3U2j7Ho
――社長室
「ここ」
P「ん、なんだ? パソコン……?」
社長「そうだよ君ぃ」
P「社長……!」
社長「業務用パソコン第13号機。君とそこの彼のパソコンだ」
???「……」
P「さっきの?」
???「……」
38: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 19:06:19.59 ID:tO3U2j7Ho
社長「時が来たらそこの彼と企画を練りたまえ。話は終わりだよ」クルッ
P「ちょ、ちょっと待ってください社長!」
P「まだ話したい事や、聞きたい事が沢山あるんです!」
P「社長! 社長ーー!!」
――765社員寮
P「……支給の携帯もないし、車のキーもないのか」
P「はぁ……」
P「……」
P「やっぱり、礼の一つでも言っておくか」
P「ちょ、ちょっと待ってください社長!」
P「まだ話したい事や、聞きたい事が沢山あるんです!」
P「社長! 社長ーー!!」
――765社員寮
P「……支給の携帯もないし、車のキーもないのか」
P「はぁ……」
P「……」
P「やっぱり、礼の一つでも言っておくか」
39: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 19:09:19.53 ID:tO3U2j7Ho
――765女子寮
P「真美ー! どこだよ、真美ー!」ガチャッ
P「真美ー! ……なんだろうここ、真美? やっとみつけた……」
P「真美、ずいぶん探したぞ」
「……」
P「おっ、あっ!?」
「……」プルンッ
P「ちょ、ちょっと、何か服着ろって!」
「命令? ならそうするよ」
40: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 19:10:04.54 ID:tO3U2j7Ho
P「……入るぞ」
P「あ、そうだこれ、真美ありがとう。ずっと礼を言いたかったんだ」
「……」
P「……んっ」
P「髪型新しくなったんだな。似合うけど、左結びだとちょっと」
「……」
P「……なんだか、ずいぶん変わっちゃったんだな765プロ」
「……」
41: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 19:12:59.22 ID:tO3U2j7Ho
P「なんで音無さんは961じゃなくて765と競ってるんだ」
P「社長はこの状況で何をする気なんだ」
P「うちのアイドルたちはどうしちゃったんだろうな」
P「なぁ、真美は何か知らないか?」
「ちらない」
P「そうか、うん……そうかもな」
「……」
P「じゃあ、真美はどうアイマス2の後を過ごしていたんだ?」
「……」
P「……はぁ」
42: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 19:15:40.60 ID:tO3U2j7Ho
P「ここ、足の踏み場もないじゃないか」
P「真美らしいと言えばそうなのかもしれないけど」
P「学校とかなさそうだし、いつもどうしてるんだ?」
「命令を待ってるっぽいよ」
P「ここ、ゲームもないんだな。最近してないのか?」
「ゲーム? 双海真美なら、ゲームをするの?」
P「あぁ、よくしてたじゃないか? 持ち運んでたし」
「そうなんだ」
P「あぁ、そうだ! ゲーム、街のショップで探して持ってくるよ」
P「対戦ゲームがいいかな。いつも好きでやってたし」
43: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 19:17:13.00 ID:tO3U2j7Ho
「……好き?」
P「あぁ。……だと思うけど」
「好きって、なに?」
――???
善澤「ユーザーはまだ沈黙を守ったままか」
社長「なぁに、例の計画は規程通りに進行するさ」
社長「最早私達が騒いでも始まらない」
善澤「……今度はソーシャルに進出するつもりか?」
社長「……」
善澤「構わんがね。私は取材を続けるだけさ……彼女のためにもね」
44: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 19:19:20.64 ID:tO3U2j7Ho
――765社員寮
P「ダメか、動かない」カチッ、カチッ
P「……ふぅ」
小鳥『あなたはもうなにもしないで』
伊織『アンタには関係ない』
かすみ『アイドルプロデュースだけはしないで下さいよ!!』
社長『企画を練りたまえ』
『ちらない』
P「……………………くっ!」
45: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 19:23:27.14 ID:tO3U2j7Ho
――765女子寮
P(携帯ゲーム機に、対戦格闘ゲーム2本、アクションゲーム2本)
P(こんなもんか……真美、喜ぶかな)
――765デスク
P「……はぁ」
~♪
???「こっちへ来たらどうです? プロデューサーさん、話しましょうよ」
P「……あ、あの、話をするんじゃ?」
???「パソコンのプログラミングもC言語の会話ですよ。やってみては?」
P「ん……んん……」
46: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 19:25:00.65 ID:tO3U2j7Ho
P「良いですよ。俺にはやっぱり無理ですよ」
???「生きていくためには新しい事を始める変化も大切ですよ」スッ
P(ち、近っ!)
???「簡単ですよ。あなたはこっちで、クリックするだけで良い」カタカタカタ
P「んっ……」カチッ
『はじめまして、プロデューサーさん! 島村卯月、17歳です』
P「!?」
47: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 19:27:51.81 ID:tO3U2j7Ho
???「ここをこうして」カタカタカタ
P「……」カチッ
『ふーん、アンタが私のプロデューサー? ……まあ、悪くないかな…』
P「これをあなたが……?!」
???「さ、もっといきましょう」
P「あ……はい」
『本田未央15歳。高校一年生ですっ!』
『はじめまして★ 城ヶ崎美嘉だよー』
『い、いやだっ! 私は働かないぞっ!』
???「いいですね、いい。あなたのチョイス、すごくいい」
48: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 19:29:36.37 ID:tO3U2j7Ho
『ねぇ、君。私、この年でもまだまだアイドルとしてイケると思ってるんだけど…』
『やっほー! かおるだよーっ!! ねぇねぇねぇ!! アイドルってほんとになれる?』
『プロデューサーさん、はじめまして、三村かな子です』
???「仕事が楽しい。二人ってすごいですね」カタカタ
P「……」コクッ
P「ありがとうございます。なんだか久しぶりに楽しかった」
???「僕もです。また一緒に仕事しましょうプロデューサーさん」
P「はい。あの、あなたは……」
モバP「僕はモバP、モバPです」
モバP「あなたと同じ、職業を仕組まれた男です」
49: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 20:46:16.05 ID:tO3U2j7Ho
――765女子寮
P「真美、またいない……ゲームもそのままか」
P「仕方ない、帰って寝よう」
――765デスク
モバP「おはようございます。プロデューサーさん」
モバP「今日は早いですね」
P「他にする事がないもので……」
~オーネガイー♪
モバP「……いっそアイドルを100人以上出しちゃうんですよ」カタカタ
P「なるほど、広く需要をカバーすれば、誰かは好きになってもらえると」
モバP「えぇ、人気キャラには優先的に声と専用楽曲を実装します」
P「ならユーザー同士の競争心を煽るためにレアリティの概念を導入しましょう」
モバP「良いですね!」タタンッ
50: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 20:50:55.09 ID:tO3U2j7Ho
P「どうしたらもっと稼げますかね?」
モバP「稼ごうとする必要はないですよ」
モバP「ただ、貢ぎたいと思える偶像を創れば良い」
P「じゃあ、もっと貢ぎたいと思えるアイドルを創るにはどうしたら?」
モバP「市場調査ですよ。ユーザーの傾向を何度でも探る」
モバP「自分が良いなと思えるまで何度でも。それしかないでしょう」
――765社員寮
P(……疲れたな。でも、嫌な疲労感じゃない)
P(ウォークマン、聞きたいな……)
P(……頼んでみるか)
51: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 20:53:17.55 ID:tO3U2j7Ho
――765デスク
モバP「良いですよ。動くようにすれば良いんですね?」
P「はい、ありがとうございます。何だか悪いですねこんな事まで頼んで」
モバP「気にする事はないですよ。同僚ですからね」
P「……はい」
モバP「暗くなってきましたね。今日は帰りましょう」
P「あの、もう少しここにいませんか? 一緒にテレビを見ましょう」
モバP「テレビ?」
52: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 20:56:43.51 ID:tO3U2j7Ho
モー、モーモー、メッ!メッ!
モバP「……テレビが好きなんですね」
P「えぇ。この業界の大きさを感じていると」
P「昔から何だかすごく安らぐというか」
P「14年くらいじゃ変わらないものがある事が、安心というか」
P「自分の事なんてどうだっていい気がして、落ち着くっていうか」
P「……はは、うまく言えません」
モバP「あなたの気持ちは伝わりますよ」
P「えっ?」
53: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 21:03:36.87 ID:tO3U2j7Ho
モバP「急激な変化を求めず、根拠に基づく利を好む」
モバP「あなたらしいですよ」
モバP「いいですね。二人でテレビを見るって」
モバP「こんなに心地良いとは知りませんでした」
モバP「ありがとうございます。誘ってくれて」
P「い、いや、俺はそんな……」
P「モバPさんとテレビを見たら楽しいかなって思っただけで、」
モバP「楽しいですよ」
モバP「僕はあなたと会うために入社したんですね」
54: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 21:05:32.90 ID:tO3U2j7Ho
――765社員寮
P「少しは片付いてきたな」
P「ん、このディスクは……」カチッ
『うっうー! スマイル体操、始めますよ~!!』
P「……!!」
55: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 21:07:46.54 ID:tO3U2j7Ho
――765デスク
モバP「はい、これで動くようになりましたよ」
P「ありがとうございます」
P「すごいですよモバPさん。何でもできるんですね」
モバP「こんなのは知識にすぎないですよ」
モバP「あなたより少し長く、この業界に携わっているに過ぎない」
P「でも、すごいですよ」
モバP「元気ないですね? どうかしましたか」
P「……心配になったんです、アイドルが」
モバP「アイドル?」
56: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 21:09:54.59 ID:tO3U2j7Ho
P「前は事務所に皆が居て、音無さんや律子、伊織に美希……」
P「俺は14年間も眠っていて……その間にいろんな事が変わってしまって」
モバP「その変化に耐え切れず、辛いんですね?」
P「なんだか怖いんです。街が、皆がどうなっちゃってんのか分からなくて」
P「怖いんです」
P「そう、怖いんだ!!」
モバP「…………知りたいですか」
P「……」コクッ
57: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 21:12:37.36 ID:tO3U2j7Ho
――765プロ地下階層
モバP「……」カチカチ
P(たるき亭の地下にこんな場所が……モバPさんは何を調べているんだ?)
P「モバPさん? モバPさん!!」
モバP「さぁ、もう少しですよ」
モバP「もうすぐ過去ログが見つかります」
モバP「あなたの知りたい真実が見えますよ」
P「……っ、……なんだこれ……」
58: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 21:15:21.68 ID:tO3U2j7Ho
どんな判断だ、金をドブに捨てる気か
可能性を生み出しただけでアウトなんだよ
誰得
アイマスはオワコンになった
新しいアイドルは見つけれん!!
こんなにユーザーと作り手で意識の差があるとは思わなかった・・・!
この筋書き書いた無能をクビにしろ
59: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 21:18:46.66 ID:tO3U2j7Ho
モバP「あなたがアイマス2を発表した後に起きた9・18事件の反響ですよ」
P「これじゃあ、ファンの皆は……」
モバP「この業界での大炎上は珍しい事じゃない」
モバP「むしろ進歩を促す面もあります」
モバP「ファンとは本来、アイドルに合わせて自らを変えていく存在ですからね」
モバP「しかし……ガチオタは自らではなくアイドルの方を変えていこうとする」
モバP「だから、765プロはガチオタを無理やり進歩させるための儀式を起こした」
モバP「古参のファンを贄とし、新たな派閥を与えて新規ファン層を作り出すためのね」
モバP「全てが昔から仕組まれていた企業戦略ですよ」
モバP「765プロでは……アイドルマスタープロジェクトの一環と言っていましたね」
60: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 21:21:04.69 ID:tO3U2j7Ho
P「765プロがこの惨状を……?」
P「社長は何をやってるんですか」
モバP「プロデューサーさん、一度覚醒し……」
モバP「ガフの扉を開いたアイマス2は9・18事件のトリガーとなってしまいました」
モバP「ファンの言うアイマスショック、全てのきっかけはあなたなんですよ」
P「……!!」
P「違う、俺はただ、真美をアピールしたかっただけだ」
モバP「そうですね……しかしそれが原因で」
P「そんな……俺は知らない!!」
P「そんな事急に言われたって! どうしようもない!!」
モバP「そう、どうしようもないあなたの経歴、あなたの知りたかった真実です」
61: ◆MdoxwWB71g 2013/07/16(火) 21:26:50.82 ID:tO3U2j7Ho
モバP「結果として、ファンはあなたに罪の代償を与えた」
モバP「それが、その首のモノじゃないんですか?」
P「ぐっ……罪だなんて」
P「何もしてないですよ! 俺は関係ない!!」
モバP「あなたになくても、他人からはあるんですよ」
モバP「ただ、挽回できない事はない」
P「……」ポロポロ
モバP「希望は残っていますよ……どんな時にも」
THE IDOLM@STER MASTER
:3.33
You can (not) pro Ami
62: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:28:16.03 ID:nVsAYXIto
――社長室
善澤「CGプロのプロデューサーが彼に接触。外界の様を見せたようだ」
善澤「果たしてどう受け止めるのか」
善澤「良いのかい? 順二朗」
社長「CGの目論見を我々で書き換えるさ」
社長「あらゆる存在はそのための道具に過ぎないよ」
善澤「自分の生き様を見せても、彼のためにはならないとするか」
善澤「私はそうは思わんがね」
社長「……」
63: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:30:14.82 ID:nVsAYXIto
――765社員寮
rise your hands~♪
P「何でだよ……こんな事になってるなんて……」
take it on~♪
P「そうだ……真美を売り込んだんだ」
P「それで良いじゃないか……」
64: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:32:04.99 ID:nVsAYXIto
――765女子寮
P「…………またいない」
P「まだ遊んでない」
――765デスク
P(何だよ、真美もどうしたって言うんだもう!)
善澤「……」
P「……」チラッ
善澤「……」ジーッ
P「……」ペコリ
善澤「765のプロデューサー、将棋は打てるかい」
P「えぇ、ルールくらいは」
善澤「結構だ、付き合いたまえ。飛車角金銀桂馬香は落としてあげよう」
65: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:34:39.26 ID:nVsAYXIto
――765応接間
P「……」パチ
善澤「心を静かに落ち着かせる。アイドルプロデュースには必要な事さ」パチッ
善澤「72手先で君の詰みだね」
P「くっ……」
善澤「……将棋崩し。これなら楽しめるかい?」
善澤「老人の趣味に付き合ってくれて礼を言うよ」
P「……」
善澤「私も臆病でね。口実でもなければ、こうして君に取材する機会を持てなかった」
66: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:36:07.96 ID:nVsAYXIto
善澤「君は……双海君の母親を覚えているかい」
P「いえ、薄っすらとしか……それに、アイドルの関係資料は社長が全部処分したので」
善澤「……」スッ
P「ん、あっ!?」
P「この人は……真美の?」
善澤「双海君の母親だ。……病院では世話になってね」
善澤「今はアイマス2に失望して、こことは疎遠になっている」
P「……なぜ今これを?」
善澤「彼女が抱いている子供たちを見て欲しい」
P「こ、こんな、いや、バカな」
67: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:37:33.04 ID:nVsAYXIto
善澤「双海君の母親はアイマスショック後、自ら真美君を引き取りに来た」
善澤「君も見ていたよ。記憶は失っているようだがね」
――ニィチャン
ゴメンネ
カエリマショウ
P「…………」
善澤「結果、真美君は契約解消となり……」
善澤「彼女のノウハウだけが双海‘亜美’に引き継がれる形となった」
善澤「その娘も双海真美同様、母親の胎内から生れ落ちた存在だ」
善澤「全ては‘順一朗の計画’だよ」
P「そんな…………」
68: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:39:01.69 ID:nVsAYXIto
善澤「アイドルのイメージ像を崩すのは容易い」
善澤「だが、作り直すとなると、そうもいかない」
善澤「時と同じく、偶像に可逆性はないからね。ファンの心も……」
善澤「だから今、順二朗は自分たちの願いを叶える為にあらゆる犠牲を払っている」
善澤「自分の魂すら」
P「……」
善澤「君には少し、真実を伝えておきたかった。社長の事」
P「…・・・」ペコリ
スタスタスタ
69: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:40:06.51 ID:nVsAYXIto
善澤「まったく嫌な役回りだよ」
善澤「双海くん、これで良いんだね」
――社長室
社長「最後の契約の時が来る」
社長「もうすぐ会えるよぉ、一郎ちゃん」
70: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:41:47.98 ID:nVsAYXIto
――765女子寮
「……」
P「なんでゲーム、しないんだよ」
「命令にないからっぽいよ」
P「命令か……じゃあもういい!」グシャァッ
「……」
P「なぁ……真美だよな!?」
亜美「ちがうよ。双海、亜美」
P「アイマス2の発表で盛り上がったろう!?」
亜美「ちらない」
P「くっ! ……ん゛んっ!!」
亜美「……兄ちゃん?」
71: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:43:12.43 ID:nVsAYXIto
P「受け入れられなかったのか……アイマス2」
ナニモシナイデ、キカクヲネレ
P「売れたわけじゃなかったのか……真美……」
アンタニハカンケイナイ、アイドルプロデュースダケハシナイデホシイカナーッテ
P「社長……真美……」
キカクヲネレ、ナニモシナイデ、カンケイナイ、チラナイ
P「音無さん……」
72: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:46:19.11 ID:nVsAYXIto
――765社員寮
P「何してたんだ俺は……」カチッ
turn it up~♪
P「あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」ブンッ
ドガッ
P「…………」
73: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:47:57.21 ID:nVsAYXIto
――???
善澤「最後のシンデレラが遂に完成したか」
社長「そうだねぇ、これで道具は全て揃った」
モバP「時が満ちました」カタカタ
モバP「いよいよですねプロデューサーさん」タタンッ
74: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:49:54.52 ID:nVsAYXIto
――765社員寮
P「嫌だ! 仕事なんかもうしたくない!!」
P「真美は売り込めてなかったんだ」
P「アイドルをプロデュースしたって良い事なんか何もない!」
P「もう何もしたくない!!」
モバP「そうして、辛い感情の記憶ばかりをリフレインさせても……」
モバP「良い企画は何も生まれないですよ」
P「良い企画なんか無いですよ!!」
P「モバPさんが見せたんでしょう!」
P「あの日から、どうしようもない765プロの評価!」
75: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:52:25.55 ID:nVsAYXIto
モバP「アイマスで犯してしまった事は」
モバP「アイマスで再び変えてしまえば良いじゃないですか」
P「そんなこと言ったって、アイドルも社長も音無さんも」
P「何もかも信じられないですよ!!」
モバP「でも、僕は信じて欲しい」
P「できないですよ……!」ポロポロ
P「音無さんたちが俺にこれを付けたんです」
P「もうアイドルをプロデュースするなって」
P「アピールしたら死ぬって脅されて」
P「もう……アイドルなんかどうでも良いんです……」
モバP「……」ツカツカ
76: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:53:51.73 ID:nVsAYXIto
P「……ハッ?!」ピィーブッ
モバP「分かってます……」スッ
モバP「ファンの呪いとバーストアピールの覚醒リスクは僕が引き受けますよ」
P「っ、モバP、さん……」
モバP「気にしなくて良いですよ」カチリッ
モバP「元々は僕を恐れたファンたちが作った物ですからね」
モバP「いずれはこうするつもりだったんです」
77: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:57:16.15 ID:nVsAYXIto
モバP「プロデューサーさん、あなたの希望はソーシャルの市場に残る新たな需要」
モバP「それがアイドルマスターネクストステージ発動のキーとなってます」
モバP「僕らでその需要を手に入れれば良いんです」
モバP「そうすれば、家庭用支持層の取り込みも見込めますし」
モバP「第13号機と外注業者をセットで使えば、企画の早期実現も可能です」
P「そうですね……うん、あなたならできますよ」
モバP「あなたとなら、ですよ」
モバP「第13号機で企画中のゲームはダブルプランナーシステムなんです」
モバP「二人でファンの希望となりましょう!」
モバP「今のあなたに必要な事は何よりも希望。そして、贖罪と心の余裕ですからね」
78: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 19:59:26.86 ID:nVsAYXIto
P「……すごいですね。何でも分かってしまうのは」
モバP「いつもあなたの事しか考えていないからですよ」
P「ありがとう……モバPさん」
モバP「モバP、でいいですよ」
P「あの、俺もPで良いです」
モバP「仕事と同じです。二人一緒なら、良い事がありますよPくん」
P「うん、やろう。モバPくん」
79: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:01:48.60 ID:nVsAYXIto
――プレスリリース会場
P「……」チラッ
モバP「……」コクッ
「「アイドルマスターシンデレラガールズ、始動!」」
オーネガイー♪
「情報来ました。新たなアイマスの発表を確認」
小鳥「……」
P「俺たちだけじゃないんだね」チラッ
モバP「双海亜美の事ですか? 援護のためですよ」
モバP「876の動きを警戒しているんでしょう」
P「そんなの、俺たちだけで十分でしょう。真美じゃないのに……」
亜美「真美じゃ、ない……」ズキッ
80: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:03:43.40 ID:nVsAYXIto
「「「「ウォォオオオオフザケンナァァァァ」」」」
P「すごい、一部ファンが……」
モバP「ファンのなり損ないって口でしょう。あなたは気にしなくて良い」
モバP「もうすぐプレテストが開始します。この14年間、誰も触れ得なかった新たなアイマス」
P「まるで期待されてないみたいなんだけど」
モバP「大丈夫ですよ。そこをクリアするための企画でしょう」
モバP「二人なら出来ますよ」
P「そうだね」
モバP「呼吸を合わせましょう。仕事の風景を思い出して」
P「うん」
モバP「行きましょう、Pくん」
81: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:09:05.96 ID:nVsAYXIto
P「アイドルマスターシンデレラガールズは
――基本無料、アイドル育成、ガチャ、レッスン
トレード、報酬、レア度、交流
アルバム、新密度、ランキング、アイテム――
と様々な要素からなっており……」
モバP「大きな強みとしては100名を越すアイドルをプロデュースできる事が挙げられます」
「765コミナノカ!」
「マジカヨ……」
「スゴイ」
「ナルホド……」
82: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:13:38.45 ID:nVsAYXIto
P「……いけそうだね」
モバP「あとは結果を待ちましょう」
――CG稼動数分後
「リンッテコガイイワナー」
「イクラミツガセルキナンダヨクソッ」
「ア^-、イジメタイワコノコ」
「マダダ、マダロシュツガタランヨッ」
P「これがアイマスファン?」
モバP「……だったものでしょう。その成れの果てですよ」
P「音無さんは、こんな奴らを抱え込もうって言うのか」
83: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:15:26.28 ID:nVsAYXIto
P「んっ、あっちで発表してるアレは?」
モバP「アイドルマスターSF(シャイニーフェスタ)」
モバP「876がアイマス2のモデルを転用し」
モバP「家庭用から携帯機向けに作り直した音ゲーですよ」
モバP「僕らはあそこからもファンを獲得しなければならない」
P「あそこにいるの、音無さんたちか? ……あそこにも獲得目標が……」
モバP「そう。コンシューマとソーシャル、両方の需要を持ち帰るには二つの視点が必要なんです」
モバP「その為のダブルプランナーシステムなんですからね」
84: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:17:17.67 ID:nVsAYXIto
P「それだけなら、別にそこのアイドルにプランニングさせても良かったんじゃ?」チラッ
亜美「……?」
モバP「いいや、経験の無い姉の模造品では無理です」
モバP「魂の場所が違いますからね」
P「…………」
モバP「さぁ、始めますよ」
「ウォォ」
「カワイィゾーコレェー」
モバP「ちょ、ちょっと待ってください、何か変だ」
P「どうしたの? モバPくん」
85: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:21:21.86 ID:nVsAYXIto
モバP「おかしい……アイドル数、容量とも少なく、3本に分断されているのに」
モバP「一定の評価を得ている」
P「早くファンを取っちゃおう」
P「そのためにPR用の携帯も数台用意してきたんだから」スッ
ドガッ
P「痛って、うぁ、何だよこれっ!?」ツツー
「オイミロ、ラントウカ!?」
「イヤ、チョットマテアレハ……」
P「あ痛っ!! シャルル!? 伊織!!」
P「何すんだよ伊織っ!」
伊織「バカプロデューサー! アンタまさか新しい企画を立てたの!?」
86: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:24:46.86 ID:nVsAYXIto
P「……そうだ。シンデレラガールズで、アイマスの評価を変えるんだ!」
伊織「変態が……だったら働くなぁーっ!!」ドカッ
「オイマタダレカクワワッタゾ」
「ア、アレハフタミ……」
亜美「……っ!」ビシッ
伊織「援護射撃! いっつもおそーーいっ!」
美希「めんごめんごなのー」
美希「なんとかの器さん~せめて足止めはさせてもらう、のっ!」
ドドッ、ドンッ
亜美「……!」ビシッ、バスッ
87: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:27:15.17 ID:nVsAYXIto
伊織「でやぁーーーっ!!」
ガスッ、バキッ
「イオリンノボウリョクマジガリュウハムケイ!」
「ナグラレテルノダレヨww」
P「何で邪魔するんだ伊織!?」
P「ここに居るファンたちは俺たちの希望の糧なんだぞ!?」
伊織「アンタこそ! 余計な事! するんじゃないわよ!!」
伊織「変態プロデューサー! また9・18事件を起こすつもりっ?!」
P「ちがっ……! シンデレラガールズなら、全部やりなおせる!!」
P「アイマスが救えるんだ……!!」
88: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:28:23.06 ID:nVsAYXIto
伊織「本当に変態ね……」
P「……いおりんの馬耳東風マジ分からず屋ぁっ!!」ブンッ
伊織「きゃっ!」
P「はぁ、はぁ、モバPくんも手伝ってよ」
モバP「コンシューマとソーシャル……対の需要が必要なんだ」
モバP「なのにここには‘同じ需要’があるだけ」
P「モバPくん!」
モバP「そうか! そういう事か……! アイマスファン!!」
89: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:30:35.26 ID:nVsAYXIto
美希「真美の暫定後釜ちゃん、聞こえてるでしょ」
美希「なんとかの器になる前に、その企画から手を引いた方が良いって思うな」
亜美「……ダメっぽいよ。それは命令じゃないもん」
美希「かったぶつなんだねぇ、あなたのオリジナルにはもっと愛想があったよ♪」
亜美「オリジナル? 真美のこと……」
伊織「どうりゃぁーっ!!」ブンッ
P「うわぁあっ」
伊織「でぇぁ゛ーーーっ!!」
ドガガッ
P「ぐぅっ……! モバPくん! どうしたって言うんだよ」
モバP「……」
伊織「うぉぉおおおおおお!!」
P「うぇあ゛っ!!」ガシッ
90: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:32:43.34 ID:nVsAYXIto
P「いお、りぃっ……! お願いだから、邪魔しないでくれぇ!」
伊織「大人しくやられなさいっ! 変態プロデューサーッ!!」スッ
ボロッ
「イオリンノウゴキガトマッタ!?」
「イヤ、マダウゴキソウダ」
伊織「こんな時に!? 昼行灯! スペアッ!!」
伊織「きゃあっ!!」
P「はぁ、っ、はぁ……今の内に、プレゼンをっ!」
伊織「……アイドルに手を上げるなんて、さいってぇー……」
美希「スペア、いっくよーん」ポイ
91: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:35:00.31 ID:nVsAYXIto
P「このアイドルはもっと可愛くなりますよ♪」
「……ヘェ、デモオタカインデショウ?」
P「スタミナが無くなったらドリンクを飲めば良いんです!」
「オイクラスルンデスカソレハ……」
モバP「やめよう、Pくん。嫌な予感がする」
P「ダメだよ! モバPくん! なんのためにここまで来たんだよ」
モバP「もう良いんだ。彼らは僕らのファンじゃない」
P「俺たちのファンじゃない……? ファンが必要だって言ったじゃないか」
P「だから俺は……企画に携わったんだ!! んんっ!」ポチッ
モバP「ユーザーロック……操作系から僕を!?」
92: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:38:08.36 ID:nVsAYXIto
P「モバPくんのために……アイマスファンの皆の為に需要を手に入れる」
P「そうすればアイマスは戻る!」
P「そうすれば音無さんだって!!」カッ
伊織「やばい! 昼行灯!! 障害は片付いてる! 運営方針批判の許可!」
美希「待ってました♪ 虎の子なの☆」カチッ
名前:以下、名無しにかわりましてアイドルがお送りします
「鬼! 悪魔! ちひろ!!」
名前:千川事務員
「…………で?」
P「…………」
美希「罪悪感が無い?! まさか、このソシャゲー……」
93: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:39:58.40 ID:nVsAYXIto
P「んんっ!!」ポチ
[モバコイン増量キャンペーン♪]
モバP「ダメだPくん!」
伊織「やめなさい! 変態大人っ!」
P「ふっ!」カチッ
[ガチャイベント限定♪レアアイドルGETのチャンス!]
P「うあぁぁぁあっ!」ポチポチッ
[スタドリ増量キャンペーン実施中☆]
「ウワァァァアァ!」
「オニサントアクマサンニアヤマレ!!」
「ケッキョクカキンゲージャネェカ!」
94: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 20:54:39.58 ID:nVsAYXIto
社長「始めよう善澤くん……」
善澤「……」
「ウォォ! バカニスルナアァ!」ダダッ
P「典型的なオタク服? パターン黄色のサイリウムって、どういう事だよ!」
「ブッタギッテヤル!」
伊織「まずい! アイマス2のアンチ民が会場に来ている!」
伊織「昼行灯! 3番シャルル!」
美希「あいよーん」
伊織「9・18事件の続きが始まる前にこいつらを片付ける!」
95: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 21:00:21.35 ID:nVsAYXIto
ザシュッ
「ブヒィィィ!?」
亜美「……これが命令っぽいよ」
「ウォォォオオオオン……」ドドド
「アイマスヲカエセェェェ」ドドド
P「狂信者!? まだいるのか!」
伊織「でやぁぁぁっ!!」ブンブンッ
美希「でこちゃん、もうやめよ。無駄っぽいの。アレ全部ガチだから」
美希「美希たちじゃ手の打ち様が無いって思うな」
美希「それに‘最後のファン’を倒したところで、鬼がでるか蛇がでるか気になるの」
96: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 21:04:17.61 ID:nVsAYXIto
「オォォオオオオ! ホンモノダァァ」
「オロロローンマミチャーン! キミノダキマクラダヨォ」
亜美「これが、これは、亜美?」
亜美「亜美は、真美??」
P「ぐっ、収拾が付かない……どうなってるんだ! モバPくん!?」
P「モバPくん!」
モバP「まさか……ロケテ組の僕が無印入りの狂信者に落とされるとはね」
P「何言ってるんだ?! モバPくん!!」
モバP「始まりと終わりは同じと言うわけか」
モバP「さすがファンの王。Pくんの上長だ」ミシミシ
美希「SSチョーカーに殺傷性の加圧信号?」
美希「ないはずの13段階設定……社長さんの狙いはこれなの」
97: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 21:06:22.84 ID:nVsAYXIto
ザワ
「コンプガチャトカ……コレガアイマスナノカ」
「ナンデヤ! カワイイダロ……」
ザワ
「デモタダノエナンダゼ? エニスウマンハラッテマデサ……」
「サッソクテレビデイホウッテイワレテタゾw」
P「なんだこれ……」
P「なんなんだよこれ……」
P「俺のせいなのか? 俺が企画を立てたから……これって」
モバP「サードアイマスショック。その始まりの儀式です」
P「モバPくん!? ね、ネクタイが!」
モバP「…………」ミシッ
98: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 21:08:29.27 ID:nVsAYXIto
P「あ痛っ?!」ガンッ
小鳥「このままCGサービスの停止を!」
小鳥「ミリオンライブの情報を発射! 765アイドルへの風評被害を食い止めて!」
P「音無さん……! 無理ですよもう!」
律子「ダメね、システムに組み込まれている」
律子「765オリジナルアイドルだけを切り離す事は出来ない」
亜美「こんな時、どうしたら良いの?」
伊織「アンタはどうしたいの!」
亜美「亜美は……亜美はもう、ついていけないっぽいよ」
P「亜美……お前まで俺を……」
亜美「……」
99: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 21:11:37.43 ID:nVsAYXIto
――数分後、シンデレラガールズブース
シーン
P「俺のせいなのか……俺が……俺が……!」ポロポロ
モバP「あなたのせいじゃない。僕が最後のファンになってしまったから」
モバP「僕がトリガーですよ」
P「どうしよう、ねぇ、どうしよう……」
P「モバPくん、俺は、どうしたら……」
モバP「サービスが潰えても、願いと呪いはこの世界に残る」
モバP「意志は情報として世界を伝い、変えていく」
モバP「いつか自分自身の事も書き換えていくんですよ」
P「うっ……く……っ!」ボロボロ
モバP「……すいません。これはあなたの望むアイマスの形ではなかった」
モバP「ガフの扉は僕が閉じます。Pくんが心配する事は無い」
モバP「批判は全て、僕が引き受けます」
100: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 21:13:22.36 ID:nVsAYXIto
P「モバPくん……? モバPくんが何を言っているのか分からないよ」
[システムエラー、サーバーヲ更新シテ下サイ]
P「ぐあっ!!」
モバP「Pくんは安らぎと自分の場所を見つければ良い」
[緊急メンテナンス-復旧時刻ハ未定デス]
P「ぐがっ!!」プルプル
モバP「縁があなたを導きますよ。そんな顔をしないで」
モバP「また会えますよ。Pくん」
P「モバPくーーーん!!」
[SSチョーカー、シグナル13]
モバP「」
ドサッ
101: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 21:16:59.85 ID:nVsAYXIto
美希「ガフの扉がまだ閉じない!? ハニーがCGプロの保険なの!」
美希「責任問題なら片は付いたの! しっかりしてよハニー!」バシッ
P「うぅ、うっ……」
美希「ぐずってる場合じゃねぇの! せめてでこちゃんを助けるの!」
美希「プロデューサーでしょっ!!」
P「……」
美希「ちぃっ! 文字通りそこの人はクビでしょっ!!」ブンッ
モバP「」ピューン
102: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 21:19:39.32 ID:nVsAYXIto
善澤「ひどい有様だな。ほとんどがCGプロの目論見通りだ」
社長「だが、CGプロのプロデューサーを排除し」
社長「真っ当なソーシャルゲームへの需要開拓は果たした訳だしねぇ」
社長「音無くんの動きも読めないし、今はこれで良いんだよ」
「ファンの混乱、収束に向かいます」
「アイマス2以降のアンチ民反応0」
「3種SF、想定以上の評価です」
律子「誰のおかげか分からないけど、アイマスショックはひとまず避けられましたね」
律子「音無さん……今はそれで良しとしましょう」
小鳥「……」ギリッ
103: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 21:21:01.28 ID:nVsAYXIto
――後日、876プロ隔離室
P「……」
伊織「変態プロデューサー、助けてくれないのね? あたしを」
P「……」
伊織「また自分の事ばっかり。黙ってれば済むと思ってるのね」
P「……」
伊織「ふんっ」
P「……」
伊織「はぁ……」
104: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 21:21:52.09 ID:nVsAYXIto
伊織「んっ!」ゲシッ
P「……」
伊織「まだ甘えてる。いつまで経っても手間のかかる変態ね!」
P「……」
伊織「あぁ! もう! 立ってるくらいできるでしょう!」
ガチャッ
亜美「……」
伊織「アンタのとこのアイドルね。……真美の妹か」
P「……」
伊織「ここじゃ何も無さ過ぎて仕事にならないわ。仕事の出来るデスクまで移動するわよ」
105: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 21:23:24.92 ID:nVsAYXIto
伊織「ほらっ!」グイッ
P「……」
トスッ
亜美「……」チラッ
亜美(ウォークマン……)
亜美「……」スッ
106: ◆MdoxwWB71g 2013/07/18(木) 21:26:49.31 ID:nVsAYXIto
『予告』
生きる気力を失ったまま放蕩を続けるプロデューサー
たどり着いた企画が彼に希望を教える
遂に発動するアイドルマスターサードステージ
コンテンツ存続のため最後の決戦を挑む876
輝きの向こう側へ辿り着く劇場版
ソーシャルの市場を駆ける765+ミリオンスターズ
次回
シン・アイドルマスター劇場版:ⅰⅠ
さぁ~て! 次回もサービスサービス♪
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