1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:25:25.82 ID:1X3AYn+i0
結衣(明日はあかりの誕生日だ)

結衣(私とあかりが付き合い始めてから初めての誕生日)

結衣(どうせだから去年までとは違う特別な感じにしたいんだけど)

結衣(プレゼントとか……どうすればいいんだろ)

結衣(何をあげれば喜ぶかな……)

京子「んー、プレゼントかぁ……」

結衣「しれっと心読むな」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1374589525

引用元: 結衣「あかりの誕生日か……」 

 

ゆるゆり (14)巻 特装版 (百合姫コミックス)
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2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:27:51.08 ID:1X3AYn+i0
京子「あかりの誕プレで悩んでたんでしょ?」

結衣「まぁ、そうだけど」

京子「あかりはもう結衣の彼女だもんね~、いいなー」

結衣「そ、そういうのいいから……何あげれば喜ぶと思う?」

京子「えー?あかりなら何でも喜ぶんじゃない?」

結衣「おい、真面目に考えてくれよ」

京子「いや、結構真面目な意見を言ったんだけど」

結衣「それじゃ参考にならないだろ」

京子「じゃあ……自分が欲しい物でもあげればいいんじゃない?」

結衣「またそんな……お前じゃないんだから……」

京子「ほらほら、結衣は今何が欲しいの?」

結衣「えーと……マーボー豆腐の素とかを袋からきっちり絞り出せるあの道具かな」

京子「主婦かっ!」

結衣「だって、もったいないだろあれ」

京子「買えよ!100均で売ってるよ!」

結衣「ああ、そっか」

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:29:30.16 ID:1X3AYn+i0
京子「はぁ……とりあえずそれはやめとけよ……」

結衣「な?自分が欲しい物じゃだめだろ?」

京子「う、うん」

京子(結衣の色気が無さ過ぎるだけとも思うけどな……)

結衣「大体あかりは可愛いんだから、私の欲しい物じゃ合うはずないよ」

京子「お、おう」

結衣「そうだ、この前も可愛いことあったんだよ。二人で一緒に歩いてたらそっと手を繋いできてさ」

京子「」

結衣「だからギュッてしてあげたら……ふふっ、すごい笑顔になって結衣ちゃーんって―――」

京子「わ、分かった分かった!じゃあ、その可愛いあかりに聞けよもう!」

結衣「おい、それは流石にだめだろ」

京子「なんでだよ」

結衣「聞くとしても最終手段だよ、なるべくなら驚いてほしいから」

京子「えー……んじゃ、あかりと仲良しのちなつちゃんに聞く?」

結衣「ああ、それはいいな……ちょっと聞きに行ってくるよ」タッ

京子「が、がんばれ~……」

京子(あのノロケさえなければいいんだけどな……)

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:31:57.34 ID:1X3AYn+i0
ちなつ「あかりちゃんの誕生日プレゼントですか?」

結衣「うん、何かいい案がないかなって」

ちなつ「んー……何でも喜ぶんじゃないですか?あかりちゃんなら」

結衣「ま、またか……」

ちなつ「え?なんです?」

結衣「いや、京子にも同じこと言われてさ」

ちなつ「あはは、それくらい何でも喜んでくれるってイメージがあるんですよ」

結衣「それは分かるけどね、あかりってすごくいい子だから」

ちなつ「あ……」

結衣「この前デートの帰りにワックに寄ったんだけど、あかりがクーポンとか全部用意してくれててさ」

ちなつ「」

結衣「それでありがとうって頭撫でたらちょっと恥ずかしそうに――」

ちなつ「ひ、向日葵ちゃん!向日葵ちゃんとかにも聞いてみたらどうですか!?」

結衣「あ、ごめん、もしかして忙しかった?」

ちなつ「い、いえ……そういうわけでは……」

結衣「じゃあ話の続きを――」

ちなつ「い、忙しいぃぃぃ!忙しすぎです!」

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:33:01.87 ID:1X3AYn+i0
結衣「そっか……まぁ、古谷さん達もあかりと仲が良いしそっちに聞いてみるよ」

ちなつ「はい…………あっ!」

結衣「ん?」

ちなつ「あ、あの…………その……」

結衣「なに?」

ちなつ「……一生懸命な結衣先輩……やっぱり素敵ですね」

結衣「……ありがと、ちなつちゃん」

ちなつ「ほ、ほら、早く行かないと時間無くなっちゃいますよ」

結衣「っと、そうだった、じゃあね!」タタッ

ちなつ「さようならー…………」

ちなつ「………………」

ちなつ「…………はぁ……ちょっと未練がましかったかな……」

ちなつ「もう……結衣先輩はあかりちゃんが好きなんだもんね……」

ちなつ「うん、切り替えなきゃ!」

ヴーヴー ヴーヴー

ちなつ「ん?メールだ……」

ちなつ「……京子先輩」

ちなつ「……『一緒にあかりの誕プレ買いに行こ!』……………か……」

ちなつ「…………まったく……しょうがないですね」

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:33:55.53 ID:1X3AYn+i0
向日葵「赤座さんへのプレゼントですか」

結衣「うん、出来れば何でも以外で」

櫻子「あかりちゃんなら何でも喜びますよ!」

結衣「!?」

向日葵「こら櫻子、話聞いておりまして?」

櫻子「じゃあ向日葵は何がいいと思うんだよー」

向日葵「え、えっと…………何でも?」

結衣「……はぁ……やっぱり?」

向日葵「お力になれなくて申し訳ありません」

結衣「ううん、大丈夫だよ」

7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:34:37.60 ID:1X3AYn+i0
櫻子「結衣先輩があげたい物はないんですか?」

結衣「あげたい……?んー……それは逆に難しいような……」

櫻子「私は向日葵にあげたい物ありますよ!」

向日葵「えっ……さ、さくらこ……/////」ドキッ

櫻子「ベルトを大量に送って胸をしめつけてほしいんです!」

向日葵「……意味がわかりませんわ」

結衣「あはは……ちなみに二人はあかりにプレゼントするの?」

向日葵「はい、私はエプロンを差し上げようかと」

結衣「エプロン?」

向日葵「赤座さんが今度私にお菓子作りを習いたいとおっしゃっていたのですが、まだ持っていないようでしたので」

結衣「へぇ……あかりがそんなこと……」

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:35:39.48 ID:1X3AYn+i0
櫻子「うわー、なんか真面目すぎ」

向日葵「そういう櫻子はどうですの?どうせ下らない物でしょうけど」

櫻子「へっ、ちょうど今持って来てるから見せてやろう」スッ

向日葵「その箱、中身は何ですの?」

結衣「教えてくれる?」

櫻子「はいっ、開けていいですよ」

結衣「うん、じゃあ……」パカッ


ビヨ~ン


結衣「うわっ!!」ガタッ

櫻子「あははははは!いいリアクションですね!」

結衣「びっくりした~……」

櫻子「へへっ、びっくり箱ですから」

向日葵「ちょっと櫻子、先輩に失礼ですわよ」

櫻子「え~、楽しいからいいじゃ~ん」

向日葵「いくら楽しいからと言って……しかもこれ実用性がまったくありませんし……」

櫻子「別にいいじゃん!形に残んないようなプレゼントでも、楽しければさ!」

結衣「あー……そっか、そういう考え方もあるのか」

櫻子「そうですよ!向日葵みたいに固い考えしかできないと楽しくないですよっ」

向日葵「あなた……いい加減になさい」

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:36:16.19 ID:1X3AYn+i0
結衣「うん、ありがとう、二人とも」

櫻子「いえいえ~」

向日葵「むしろ櫻子と二人は辛いので助かりましたわ」

櫻子「なんだとー!」

結衣「あはは、もっと仲良くしなきゃだめだよ」

結衣「私とあかりは全然ケンカとかしなくて、逆にくっつきすぎかなって思うこともあるんだけど、でもやっぱりあかりに甘えられるとどうしても――――」

向日葵「」

櫻子「」

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:37:03.47 ID:1X3AYn+i0
翌日

―結衣の家―

結衣(はぁ……結局プレゼント決められなかったな……)

結衣(このあと一緒にケーキを作って、それが終わったら一緒に買いに行けばいいやって思ってるんだけど)

結衣(あかりにまで何でもいいって言われたらどうしよ……)


ピンポーン


結衣(き、きた!)

結衣「はーいっ」タタタッ


ガチャ

結衣「あかり!」

あかり「結衣ちゃん、こんにちはっ!」

結衣「ほら、上がって上がって」

あかり「うんっ、お邪魔しまーす」

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:38:45.04 ID:1X3AYn+i0
あかり「えへへ、結衣ちゃんと一緒にケーキ作るの楽しみだったんだ~」

結衣「あかりの誕生日なんだから、あかりは見ててくれていいんだよ?」

あかり「え~、結衣ちゃんと一緒にやりたいよぉ……」シュンッ

結衣「……っ!」ドキッ

結衣(か、か、か、かわええ…………)

結衣「ごめんごめん!一緒にやろう、ね?」

あかり「……えへへ、うん!」

結衣「じゃあ材料とか用意しちゃうから」

あかり「あっ、あかりも手伝うよ」

結衣「いいよ、これくらいは任せて」

あかり「じゃあ、お願いしますっ」

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:40:59.03 ID:1X3AYn+i0
ガサゴソ
カタカタ

結衣「……よし……必要な材料と道具はこんなもんかな……」

あかり「結衣ちゃーんっ」トトトッ

結衣「んー?……って……え!?」

あかり「えへへ……このエプロン似合うかな……?」ヒラッ

結衣「あ…………」ドキッ

あかり「……結衣ちゃん?」

結衣「あっ!に、似合うよ!すごい!」

あかり「やったー!結衣ちゃんに褒められちゃった!」

結衣(うおおおおおおお、あかり可愛いよぉ……)

結衣(このエプロンが古谷さんのプレゼントしたやつなんだな……)

結衣(淡い桃色とあまり主張しすぎないフリフリがあかりの可愛さを際立たせていて……)

結衣(いいチョイスだ古谷さん!)

あかり「ゆ、結衣ちゃん?」

結衣「あ、ごめん!エプロン着てるあかりがすごい可愛くて」

あかり「ほんとっ!?」キラッ

結衣(あ、言っちゃった)

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:42:12.75 ID:1X3AYn+i0
あかり「わぁい!向日葵ちゃんに感謝しなくっちゃ!」

結衣(でも、喜んでる姿も可愛いからいいや)

あかり「あっ、このエプロンは向日葵ちゃんから貰ったんだよ~、午前中に他の皆に会ってきて」

結衣「ああ、そうだったんだ」

あかり「えへへ、櫻子ちゃんのプレゼントはびっくりしちゃったよぉ~」

結衣「ふふっ、あれは確かにな」

あかり「……あれ?結衣ちゃん知ってるの?」

結衣「あ…………さ、さっきちなつちゃんから……ちょっとね」

あかり「そっか~」

結衣「う、うんうん」

あかり「よぉし!それじゃケーキ作ろー!」タッ

結衣「……あっ!待って!」

あかり「ん?なぁに?」

結衣「後ろのヒモ結ぶ所、ほどけかかってるよ」

あかり「え?ほんと?」

結衣「うん、結び直してあげる」スッ

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:43:04.72 ID:1X3AYn+i0
結衣「えっと……一回完全にほどいて……」スルスル

結衣「それでこっちのヒモを……」スッ

あかり「ぁ……っ……」ビクッ

結衣「あ、ごめん、背中に指が当たっちゃったね」

あかり「う、ううん!大丈夫!」カァァァッ

結衣「あれ?なんか顔赤いみたいだけど……」

あかり「そ、そんなことないよっ!」アセアセ

結衣「もしかして……背中くすぐったい?」ツツー

あかり「あっ……!ん……ひゃ……!」ゾクゾク

結衣「ふふっ、どうした~?動くとヒモ結べないぞ~?」サワサワ

あかり「んっ……もぉ……っ……結衣ちゃんっ!」

結衣「わき腹の方はどうかな……?」サワッ

あかり「そ、そこ……だめ……っ……ひゃ……!」

結衣「へぇ、前よりスタイル良くなった?」サワサワ

あかり「ん……っ……結衣ちゃんのいじわるっ……!」

結衣「あはは、ごめんね」キュッ

結衣「はい、結べたよ」

あかり「もぉ!くすぐったかったよぉ!」プンプン

結衣「あかりの可愛い反応見れて楽しかったよ?」

あかり「む~………………そうだ!結衣ちゃんもエプロン着るよね!」

結衣「え?ま、まぁ」

あかり「じゃあ早く着よう!ね?」

結衣「わ、分かったよ」

結衣(あー、これはお返しされちゃうな)

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:44:37.81 ID:1X3AYn+i0
結衣「…………っと……腕通して……」スッ

あかり「えへへ…………」

結衣「はい、後ろのヒモはよろしく」

あかり「はーいっ」

結衣「………………」ドキドキ

あかり「えっと……こっちのヒモをこうして…………」

結衣「…………っ……」

あかり「はいっ、できたよ!」キュッ

結衣「………………え?」

あかり「あ、ああー!結衣ちゃんに仕返ししようと思ってたのに忘れちゃったぁ!」

結衣「……ふふっ、本当にあかりはいい子だな」ナデナデ

あかり「ん……結衣ちゃんのなでなで大好き~」

結衣「いい子いい子」ナデナデ

京子(早くケーキ作れよ……!)

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:45:06.67 ID:1X3AYn+i0
結衣「よし、誰かの念によるツッコミも聞こえた気がしたし、そろそろケーキ作ろうか」

あかり「はーい、まずは何をすればいいんでしょうか、結衣先生!」

結衣「あ……」ドキッ

あかり「……どうしたの?」

結衣「……も、もう一回……先生って呼んで?」

あかり「……えへへ、ゆいせんせいっ!」

結衣(はぁぁぁぁぁぁぁ…………可愛い……!)ガクッ

あかり「それで最初はどうするんですか、先生?」

結衣「ん……まずはスポンジを作るんだよ」

あかり「難しそうだね……」

結衣「手順通りにやれば大丈夫だよ」

結衣「私がこのボウルに材料を入れてくから、あかりはハンドミキサーで混ぜるのをやってくれ」

あかり「わ、分かりました!」

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:46:51.58 ID:1X3AYn+i0
結衣「じゃあ最初に卵と砂糖を入れるよ」

パカッ

ザーッ

結衣「あかり、よろしく」

あかり「うん、スイッチON!」カチッ

ピシャァッ

あかり「わぁっ!」ビクッ

結衣「大丈夫!?」

あかり「う、うん!ちょっと卵が跳ねただけだよ……」

結衣「あ……顔についちゃってる、ちょっと待ってて……」フキフキ

あかり「ん…………」

結衣「よし、拭けたよ」プニプニ

あかり「ありがとう!」

結衣「気をつけなきゃだめだよ」プニプニ

あかり「うん……って結衣ちゃん?なんであかりのほっぺた触ってるの……?」

結衣「いや、ここのお肉すごい触り心地良くて……」コネコネ

あかり「もぉ!これは餌袋じゃないよぉ!」プンプン

結衣(ああ……可愛い……)ツンツン

あかり「ほ、ほら!ケーキ作りに戻ろうよっ」

結衣「あ、そうだ、最初から強にすると跳ねちゃうから最初はゆっくり始めた方がいいよ」プニプニ

あかり「真面目なこと言いながら触らないでよぉ……」

18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:47:34.13 ID:1X3AYn+i0
結衣「生地はこれで完成だな」

あかり「わぁい!」

結衣「後はこれを型に流し込んで……」トロトロ

あかり「なめらかにできたね~」

結衣「あかりが混ぜてくれたからね」

あかり「結衣ちゃんがちゃんと教えてくれたからだよ」

結衣「あかり、いい子いい子」ナデナデ

あかり「えへへっ」

結衣「そして、オーブンで焼きます」ピッピッ

あかり「何分くらい?」

結衣「30分以上かかるらしいから、ちょっと休憩しようか」

あかり「そうだね、ちょっと腕疲れちゃったかも」

結衣「ごめん……ずっとだもんな」サスサス

あかり「も、もぉっ……結衣ちゃんっ……!////」

19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:48:07.85 ID:1X3AYn+i0
結衣「はい、麦茶」コト

あかり「ありがとう~」

結衣「隣座っていい?」

あかり「座って座って!」

結衣「……んしょ」

あかり「えへへ……」ピトッ

結衣「っ!あ、あかり……!?」ドキッ

あかり「……くっついててもいい……?」

結衣「そ、それは……うん……」

あかり「ゆいちゃん…………」ピタッ

結衣「……っ…………」ドキドキ

結衣(やばい……あかりが私に身体を預けるように寄りかかってきて……)

結衣(あ…………あかりの髪からいい匂いがする……)

結衣(それに身体が柔らかくて…………ちょっと……抱きしめてみようかな……)ギュッ

あかり「あっ…………」ドキッ

結衣「…………」ギューッ

あかり「……結衣ちゃん……?」ジーッ

結衣「……っ……////」フイッ

あかり「えへへ、結衣ちゃん真っ赤で可愛い~」

結衣「う、うるさい……」

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:48:56.46 ID:1X3AYn+i0
結衣(あかりが動く度にあかりの匂いがして……)

結衣(なんか…………ちょっと変な気分に……)

結衣(……ってダメダメ!あかりで何てこと考えてるんだ私は!)

結衣(あかりにそんなことしちゃマズイって……)

結衣「………………」

あかり「………………」

結衣(しかし……本当にくっついてるだけで何もしないんだな……)

結衣(あかりが何かしようって言ってくれるならするんだけど……)

あかり「………………」

結衣「………………」

結衣(特になしか…………このままスポンジが焼き上がるのを待つしかないよな)

結衣(……でも何もしなかったら、あかり退屈しないかな?)

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:49:43.05 ID:1X3AYn+i0
結衣(そういえば……家に呼んでもいつもこんな感じでくっついてるだけで終わっちゃって……)

結衣(本当はもっと色んな所に遊びに行ったりしたいのかも……)

結衣(いや……でもあかりはいつも楽しいって言ってくれるし……)

結衣(いやいや!あかりはいい子だからそう言ってくれてるだけ……?)

結衣(うわ……どうしよ……あかりに無理させてる……?)

結衣(私はみんなにノロケ話したくなっちゃうくらい幸せだけど……あかりは……どうなんだろ……?)

あかり「…………結衣ちゃん?」


22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:50:27.81 ID:1X3AYn+i0
結衣「あ、いや……なんでもないよ」

あかり「え、でもちょっと寂しそうなお顔してたよ?」

結衣「な、なんでもないから!」

あかり「……結衣ちゃん…………」

結衣「……なに?」

あかり「……ねぇ……お付き合いする時に約束したよね……お互い嘘はつかないことって」

結衣「……うん」

あかり「だから……今考えてたこと教えて欲しいなって……」

結衣「……あかりは……」

結衣「……楽しい?私と付き合ってて」

あかり「うん、もちろんだよっ!」

結衣「……無理してない?」

あかり「え?」

結衣「あかりって周りに気を使える子だからさ、無理に笑ってくれてるんじゃないかって……」

あかり「……もぉ、結衣ちゃん……本気で言ってるなら怒るよ?」ツネッ

結衣「え、あかり……?」

あかり「本当の笑顔とそうじゃない笑顔、結衣ちゃんには見分けて欲しかったのにな~」

結衣「うっ…………」

23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:51:36.30 ID:1X3AYn+i0
あかり「あのね……確かに頑張って笑ってる時もあるけど……結衣ちゃんの前だといつも自然に笑顔になれるの」

結衣「……でも……私といても何も楽しくしてあげられないし……退屈じゃない?」

あかり「してくれてるよ、結衣ちゃんは」

結衣「……え?」

あかり「こうやって、くっつかせてくれてるから……」ピトッ

結衣「あかり…………///」

あかり「えへへ……あかり、嘘はついてないよ」

結衣「……約束……だもんな」ギュッ

あかり「うんっ」ギュッ

結衣「ふふ……あかりは可愛いな」ナデナデ

あかり「結衣ちゃんもだよっ」


ピーッ ピーッ


結衣「あ、焼けたかな」クルッ

あかり「もぉ、空気の読めないオーブンさんだよぉ……」

結衣「え?何か言った?」

あかり「…………なんでもないよっ」

24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:52:07.25 ID:1X3AYn+i0
結衣「最後にイチゴを乗っけて…………」スッ

あかり「わぁ~!かんせ~い!」

結衣「ふぅ、我ながら上手くできたな」

あかり「すごいよ結衣ちゃん!クリーム塗るのなんてケーキ屋さんみたいだった!」

結衣「そう?ありがと」

あかり「あっ、ほっぺたにクリームついてるよ?」

結衣「え?ど、どこ?」

あかり「ちょっとジッとしててね」スッ

結衣「うん」

あかり「んー……」ペロッ

結衣「っ!?あ、あ、あああかり!?」

あかり「えへへ……昔ちなつちゃんに教わったんだぁ」

結衣「な、ななな何を!?」

あかり「クリームがついてたらペロってするのがいいんだって~」

結衣「は、恥ずかしいだろ……!」

あかり「結衣ちゃんの可愛いすがたが見れたから良かったよぉ」

結衣「あ、あかりのばか!」

あかり「えへへ、じゃあケーキ食べよっか!」

結衣「……そ、そうだな」

25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:52:52.45 ID:1X3AYn+i0
結衣「じゃあ、切り分けるからちょっと離れてて」

あかり「え?」

結衣「包丁使うから、危ないだろ?」

あかり「え~、一緒に切ろうよ~」

結衣「一緒?」

あかり「うんっ」ピトッ

結衣「あ、あかり?」

あかり「こうやって一緒に包丁握って……」ギュッ

結衣「……あ、あの……あかりさん……!?」

あかり「なあに?」

結衣「こ、これって……その……いわゆる……」

あかり「えへへ……やってみたかったんだ~、結衣ちゃんと!」

結衣「う…………わ、分かったよ……やればいいんだろ……///」

あかり「初めての共同作業でーすっ」ザクッ

結衣「……です」カァァァッ

26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:53:58.46 ID:1X3AYn+i0
あかり「ん~、ケーキおいしかったね!」

結衣「ああ、二人で作ったからかな」

あかり「うんっ、そうだったらいいね!」

結衣「……そうだ、この後なんだけど……」

あかり「なになに?」

結衣「プレゼント、一緒に買いに行こうと思ってて」

結衣「何か欲しい物ってある?」

あかり「んっとね…………結衣ちゃんがくれた物なら何でも嬉しいよっ!」

結衣「……ふふっ、やっぱりかぁ」

あかり「え、え~!?やっぱりって何~?」

結衣「そのままの意味だよ、あかりならそう言うだろうなって」

あかり「なんか悔しいなぁ……」

結衣「そんなこと言われても……」

あかり「じゃあ…………結衣ちゃんが今欲しい物でもいいよ?」

結衣「いや、それもだめだ」

あかり「何で?」

結衣「ろくな物じゃないから」

あかり「そ、そうなんだ……」

27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:55:06.23 ID:1X3AYn+i0
結衣「……ごめんな、せっかく付き合ってから初めての誕生日だし、特別なプレゼントを用意したかったんだけど……」

あかり「…………特別じゃなくていいよ」

結衣「……え?」

あかり「結衣ちゃんが一緒にいてくれるだけで特別だから、それ以上望んだらバチが当たっちゃう」

結衣「……はぁ…………いい子すぎるよ、あかりは」

あかり「えへへ、本当のことを言っただけだよ」

結衣「こうなると逆に何をあげればいいか困るんだよなぁ……」

あかり「うーん……結衣ちゃんの欲しい物はなんだったの?」

結衣「あ、え、えっと……」

結衣(流石に100均だとは言えないよな……)

結衣「ちょっと待って」

あかり「あっ、決まってなかったんだぁ~」

結衣(ど、どうしよう……欲しい物欲しい物…………)

結衣(私が欲しいのは…………『あかりだよ』って言って…………)

結衣(あほか!恥ずかしくて言えるかそんなの!)

あかり「結衣ちゃん……?」

28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:57:04.87 ID:1X3AYn+i0
結衣(……でも……あかりが欲しいのは事実だな…………あかりのほっぺをぷにぷにし放題とか最高だし……)

結衣(……ほっぺたと言えば……さっきあかりに舐められて…………っ……)ドキッ

結衣(も、もしかして……私からもああいうことしたら喜んでくれる……?)

結衣(大室さんが形に残らない物でもいいって言ってたし…………!)

あかり「あれ……どうしたの?」

結衣「あかり…………」

あかり「は、はいっ」

結衣「目、つぶって」

あかり「?」

結衣「いいから」

あかり「は~い」トジッ

結衣「………………」ゴクリ

結衣(あ…………今、あかりの顔見放題だ……)

結衣(やっぱり可愛いな……あかり…………)

結衣(ほっぺたも……おでこも可愛い…………あ、睫毛がぴくぴくしてる……)

結衣(鼻も細くて可愛いし……)

結衣(口も…………っ)ゾクッ

結衣(……唇……きゅっと結んでるこの唇……見てるとやばい……)ゾクゾク

結衣(……キスしてみたい)

結衣(……って、うわぁぁ……最低だ私……あかりは純粋に目をつぶってくれたのに……こんなこと考えて……)

結衣(…………キス……しちゃだめかな……)

あかり「結衣ちゃーん?まだぁ?」

結衣「……っ!」ビクッ

29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:57:54.83 ID:1X3AYn+i0
結衣(びっくりしたぁ!ずっと口見てたから、急に喋られると……)

結衣(でもこんな無防備な姿見せられたら……)

結衣(…………だめだ……全然欲望に勝てない)

結衣(………………いいよな。あかりだって恋人の前で目つぶってるんだから……誘ってるようなもんだよな……これ)

結衣(何より……私が欲しい物をあげられるから……!)

結衣「……!」ガシッ

あかり「……ふぇ……?」

結衣「あかり……」

あかり「……ん?」

結衣「誕生日……おめでとう」

チュッ

あかり「ぁ…………」

結衣「…………//////」

あかり「ゆ、結衣ちゃん!い、今の……!///」

結衣「つ、付き合ってるんだから……き、キスくらい……普通だ!」

あかり「う、うんっ……///」プシュー

結衣「い、嫌とか言うなよ……? もうしちゃったんだから……」

あかり「……えへへ……結衣ちゃんと……ちゅーしちゃった……」

結衣「い、一々言うなよっ」

あかり「ちゅーしちゃったね!」

結衣「だ、だから言うなって!」

あかり「えへへへ」

結衣「あーもう!プレゼント買いに行くぞ!」

あかり「え?プレゼントって今のちゅーじゃないの?」

結衣「もう一つ別にだよ。形に残る物があった方が、記念になるだろ?」

あかり「そっかぁ!ありがとう、結衣ちゃんっ」

30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:58:31.64 ID:1X3AYn+i0
あかり「結衣ちゃん、ありがとう!今日は一番幸せな誕生日になったよ!」

結衣「ああ、そう言ってもらえると私も幸せだよ」

あかり「結衣ちゃんの誕生日にはあかりが今日以上に幸せにしてあげるね」

結衣「おう、じゃあその次のあかりの誕生日はそれ以上に幸せにしてあげる」

あかり「じゃ、じゃあその次の……!」

結衣「あはは!もう大丈夫だよ」

あかり「えへへ……」

結衣「あかり、大好きだよ」

あかり「うんっ、あかりも結衣ちゃんが大好きだよ、愛してるよ」

結衣「……あ、あい……!?」

あかり「あのね、あかりはみんな大好きってよく言っちゃうから……結衣ちゃんには愛してるって言おうって思って……変だった?」

結衣「い、いや…………じゃ、じゃあ……私も……!」

結衣「……あ、愛して…………る……////」

あかり「うん!愛してるよ~結衣ちゃんっ」

結衣「や、やっぱ恥ずかしいから、これはたまにな……」

あかり「たまには言ってくれるんだ~」

結衣「…………うん」

31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/23(火) 23:58:59.64 ID:1X3AYn+i0
あかり「あ……ごめんね、そろそろ帰らないと……お姉ちゃんが家でパーティの用意してくれてるから」

結衣「ああ、家族の人にもちゃんと祝ってもらいなよ」

あかり「うん!じゃあ…………」

結衣「…………ん?」

あかり「…………んっ」チュッ

結衣「……!?」

あかり「ば、ばいばいっ!」タタッ

ガチャ
バタン

結衣「あ……あ、あ、あ、あああああ…………!」

結衣「あああああああああああ!!」ゴロゴロ

結衣(あかりにキスされた!あかりからキスされた!あかりが……!!)

結衣(可愛いいいいいいい!あかり可愛い!可愛い!!天使!)

32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/24(水) 00:00:00.18 ID:zMrk2cGX0
結衣(やばい、言いたい!誰かにあかりの可愛さ伝えたい!!)


ピッピッ

トゥルルルルルル トゥルルルルルル


京子『もしもし~、結衣?』

結衣「聞いてくれ!!あかりが―――」

京子『聞きたくねえ!!』






おわり