2: ◆Vo7i4Bnrj. 2016/02/08(月) 22:06:23.48 ID:THfFIgKe0
P「ああ。今回新たに立ち上げたユニットLIPPSを盛り上げてほしいんだ」

涼「LIPPSって奏達のだっけ?」

ライラ「ライラさんも知っているでございますよ。いつもの4人に美嘉さんが加わって楽しそうでございますですー」

李衣菜「プロデューサーさん、そんなメンバーにバックダンサーとか必要なくな――」

夏樹「だりー」

李衣菜「え、何?」

夏樹「Pさん、サポートメンバーってのはバックバンドのこと・・・なんだな?」

P「さすが夏樹、察しがいいな。夏樹の言う通り、お前たち5人にはLIPPSのバックバンドを勤めてもらう」

P「涼がリードギター、李衣菜がサイド」

涼「Pさん、アタシが練習してたこと知ってたの?」

李衣菜「あの、サイドって何ですか?」

P「ベースは夏樹。いけるだろ?」

夏樹「涼のこともだけど、何でアタシのも知ってんだよ」

P「ライラはドラム今も練習してるだろ?」

ライラ「はい。でも、ライラさんはまだまだ練習中なのでございますですよ」

P「最後に、菜々さんはキーボードをお願いします」

菜々「な、菜々がバンドやってたのは高校の時ですよぉ!」

ライラ・李衣菜「え?」

夏樹「ふふっ」

涼「あははっ」

菜々「そ、そう!今菜々はバンドをやっているんです!・・・よ」

P「各方面からお前たちが普段何してるかって報告が入って来るんだよ。今回のサポートメンバーの件もそれを覚えていて思いついたんだけどな」

P「どうだ?できるか?」

引用元: 菜々「え?私たちがサポートメンバーですか?」 


 

5: ◆Vo7i4Bnrj. 2016/02/08(月) 22:20:31.61 ID:THfFIgKe0
夏樹「Pさん、その聞き方は間違ってるんじゃないか?」

涼「アタシ達は何のためにここでアイドルやってると思ってるんだ?」

李衣菜「私もやりたい!・・・でも、サイドって何?」

ライラ「わたくしもドラムが楽しいのでやりたいですー」

P「はははっ、気合は十分ってとこだな。夏樹、あとで李衣菜に教えといてやってくれ」

夏樹「オーケイ」

菜々「ちょ、ちょっと!菜々はまだやるだなんて・・・」

ライラ「やらないのですか?」

李衣菜「私は菜々さんとやりたい」


6: ◆Vo7i4Bnrj. 2016/02/08(月) 22:32:13.28 ID:THfFIgKe0
菜々「もう、仕方がないですね!ナナのキーボード捌きを見せてあげま」グキッ

菜々「ぷ、プロデューサーさん・・・」

P「あーもう、変にかっこつけようとするから」

P「すまん、菜々さんはあとで届けるから、先に4人でスタジオ行っといてくれ」

涼「いいねぇ。菜々さんロックだな」

夏樹「ああ、あの生き様は見習いたいもんだよ」

李衣菜「あの、菜々ちゃん大丈夫なのかな?」

ライラ「わたくしも心配なのでございます」

涼「心配いらないさ。ちょっと湿布貼りに行っただけだよ」

李衣菜「それなら大丈夫なのかな?」

李衣菜「そうだ、なつきち!サイドって何のこと?」

8: ◆Vo7i4Bnrj. 2016/02/08(月) 22:46:14.85 ID:THfFIgKe0
夏樹「バンドでさ、ギターが2人いるときってないか?」

李衣菜「見たことある」

夏樹「それでさ、片方だけコードばっか弾いてるの見たことないか?」

李衣菜「あーそう言われれば・・・」

夏樹「そのコードばっか弾いてるのがサイドだ。要は伴奏だな」

涼「それで、メロディを弾くのがアタシのリードってわけさ」

李衣菜「う、うん・・・」

ライラ「ライラさんはリズム隊でございますですよー」

夏樹「お、ライラちゃんよく知ってるね」

李衣菜「リズム隊?」

夏樹「ベースとドラムのことだな。曲に命を吹き込むのがドラムの仕事で、地に足をつけて歩いたり走らせたりするのがベースの役割なんだよ」

涼「まぁ、やってみればわかるさ」


9: ◆Vo7i4Bnrj. 2016/02/08(月) 22:56:20.97 ID:THfFIgKe0
夏樹「ほら、これがスコアな。デモテープ流すから自分のとこしっかり見とけよ」ポチッ


アイドル聴き込み中~♪


ライラ「これは大変そうでございますねー」

夏樹「Pサンもなかなかいいもん持ってきてくれるじゃねーか」

涼「このイントロいいじゃん」

李衣菜「・・・」

夏樹「どーした、だりー?」

李衣菜「私、自信ない・・・」

涼「アタシだって自信なんてないさ」

ライラ「ライラさんも自信ないのでございますよー」

李衣菜「それでもみんな私よりも上手でしょ・・・」

夏樹「だりー、お前のロックってそんなもんなのか?」

夏樹「どうせ『失敗して恥じかいたら・・・』とか、どーでもいいこと考えてるんだろ?」

李衣菜「そんなっ・・・こと・・・」

涼「じゃあ何で自信ないなんて言葉が出て来るんだよ?」


10: ◆Vo7i4Bnrj. 2016/02/08(月) 23:14:59.57 ID:THfFIgKe0
李衣菜「だって、私のせいでみんなの足を引っ張るようなことになったら・・・」

夏樹「だりー、それは生きてりゃ誰にだってついてくるモンなんだよ。そんなこと考えてたら息すらできなくなるぜ」

ライラ「それは困りますですねー」

涼「アタシも自信ないって言ったよな?でも、それでも演りたいんだよ。このメンバーで」

李衣菜「・・・」

菜々「ウッサミーン♪安部菜々、ただいま戻りました!」

夏樹「よぉ、具合はどうだい?」

涼「あんま無理しちゃだめだぜ」

ライラ「おかえりなさいでございますよー」

菜々「えーっと・・・?」

夏樹「だりーが怖気ついちゃってンのさ」

菜々「そうですか・・・李衣菜ちゃん?」

李衣菜「菜々ちゃん・・・」

菜々「ナナは李衣菜ちゃんと一緒に演りたいですよ。それに、まだ何もしていないのに先のことを不安がってどうするんですか?」

李衣菜「でも・・・」

菜々「ナナも先のことが不安で不安でどうしようもない時だってありましたよ。でもね、そこで諦めずに前に向かったから今のナナがあるんです」

菜々「これまでいろんな人に迷惑かけてきました。それでもナナは夢を諦め切れなかったから前に歩き続けたんです」

菜々「もしかしたら、菜々は運が良かったのかもしれません。でも、前に歩き続けないとそれすらわからないんですよ?」

涼「説得力パねぇな」

菜々「こらそこ、茶化さないでください!」

夏樹「おい、涼。せっかくの雰囲気が台無しじゃないか」

李衣菜「ふふっ」

ライラ「李衣菜さん?」

11: ◆Vo7i4Bnrj. 2016/02/08(月) 23:22:06.49 ID:THfFIgKe0
李衣菜「あははっ、菜々ちゃんありがとう。すっごく勇気が湧いてきたよ」

菜々「はいっ♪」

李衣菜「なつきちも涼さんもありがとう。ライラちゃんもありがとね」

夏樹「5人揃ったことだし、もっかい聴いて各自練習しようか」

李衣菜「うん!」

菜々「お願いします!」

ライラ「ライラさんも準備できてますですよー」

涼「いつでもいいぜ」

夏樹「じゃ、流すぜ」ポチッ

12: ◆Vo7i4Bnrj. 2016/02/08(月) 23:37:41.81 ID:THfFIgKe0
数ヵ月後

フレデリカ「あれあれー?夏樹さん達はどうしてここへー?」

奏「もう、フレデリカったら。プロデューサーが言ってたでしょ」

フレデリカ「はーい、知ってまーす」

志希「なんだかミュージシャンな香りがするねー」

周子「志希ちゃんそれ適当に言ってない?」

志希「にゃははー、正解!」

美嘉「なんかごめんね、いっつもこうなんだ」

夏樹「いいって。逆にこっちの緊張も解けるしな」

涼「李衣菜なんてさっきまでガチガチだったのに、ほら」


フレデリカ「フレちゃんねー?実はねー?」

李衣菜「え、なになに?」

フレデリカ「フランス語喋れないんだー♪」

ライラ「يمكنني أن أتكلم.」(私は喋れますですよー)

フレデリカ「ライラちゃんすっごーい!」

周子「ほんと、すごいねー。フレちゃんと違って」

フレデリカ「あー、今のでフレちゃん傷ついたなー。すっごく傷ついたなー」


13: ◆Vo7i4Bnrj. 2016/02/08(月) 23:45:16.54 ID:THfFIgKe0
奏「ふふっ、結果オーライってところかしら?」

美嘉「そうだね★って、志希何やってんの?」

志希「んふふー、夏樹ちゃんは爽やかな匂いがするねー」

夏樹「いっ!?」

志希「うーん、涼ちゃんからは色っぽい匂いがするー」

涼「ちょっ!?」

周子「あはは、志希ちゃんってば」

志希「ライラちゃんからは甘いミルクみたいな匂いがするー」

ライラ「あー、ライラさんさっきアイスをこぼしてしまったですよー」

志希「おや?李衣菜ちゃんからにわかな匂いがしない!」

李衣菜「志希ちゃんひどいよ!」

志希「湿布の匂いが・・・」

菜々「な、ナナはまだ湿布貼ってませんよ!」

フレデリカ「ってことは、そろそろ?」

周子「貼っちゃうんだ?」

菜々「練習の強度によっては・・・」


16: ◆Vo7i4Bnrj. 2016/02/08(月) 23:59:33.14 ID:THfFIgKe0
奏「そろそろ始めないと時間がもったいないわね」

夏樹「そうだな。よしっ、演ろうぜ!」

ライラ「ライラさんは準備できてますですよー」

涼「アタシもいいぜ」

李衣菜「私も!」

菜々「ナナもオッケーですよ♪」

夏樹「ライラ、頼む」

ライラ「はいですー。ワン、ツー・・・」