提督「考え直すんだ友！　艦これ改は言わば、見える機雷だ！」


提督「本当にゲーム性が面白いならば公式側もそこを強調して宣伝するはずだ」

提督「だが実際はどうだ？　発売一週間近くだってのにろくなＰＶすらない！」

提督「元来ならあり得ん仕様だ！　よくクソゲーメーカーと言われてるバン●ムですらＰＶはちゃんと作っているんだぞ！」


提督「しかも何年も発売を延期しているという状態てだ！　これだけでも製作陣に問題を抱えてるのは明らかだ！」

提督「買うんじゃない友！　どう足掻いても面白いゲームなはずがない！」


友「だが、ブラウザ版と違って最初に川内型を選べるぞ」

提督「それがなんだ！？」

友「お前がどう思うが関係ない。俺は艦これ改を買う」

提督「やめろバカッ！！」ｶﾞｼｯ


友「離せよ………買わないと決めているお前には関係ない話だろう？」

提督「俺はこれ以上、親友が死ぬ姿を見たくはないんだ！！」


提督「お前は忘れたのか！？　友２のことを！！」

友「うっ、友２………」


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―――

●一年前、艦これアニメ放映直前日●


提督「いよいよアニメが始まるなぁ～♪」

友「ああ、本当待ちきれないよ」

友２「俺もこの日のためにブルーレイレコーダー買ったんだ。早く放映して欲しいぴょん♪」

提督「おっ、友２はずいぶんと入れこんでるな」

友２「当然ぴょん！　だって俺の嫁である睦月型の娘達がたくさん出るの確定してるわけだし」

友2「睦月ちゃんは主人公の吹雪ちゃんに密接に絡むメインキャラ。如月ちゃんも結構大きめに出ていたし。弥生や望月ちゃんも出るの確定ぽっいし」


友２「睦月型スキーにはたまりませんよこれは。もうこの時点で神アニメ確定ってはっきりわかんだね」

友「ふふっ、そうだな」

提督「いいよなぁ～嫁艦出るの確定してる奴は。陽炎型スキ―の俺からすれば羨ましい限りだぜ」

友２「まぁまぁ、事前情報で出てないだけで、いずれ登場するかもしれないし。最後まで希望を持とうぜ♪」

提督「そうだな………ま、それに期待するとしますか」


友「おっ、もうそろそろ始まる時間だな」


友２「おおっ、待ちきれないよ！　睦月ちゃん如月ちゃんはよはよ♪」


―――――――

――――

―――

提督「あの時俺達三人はアニメを純粋に楽しみにしていたよな」

友「………」


提督「その後、友２がどうなったかは知ってるだろう！」

友「………」


提督「あいつは死んだ！！」

友「………」


提督「アニメの如月ちゃんと同様に………海に沈んでしまったんだ………」

友「………」

提督「あいつは如月ちゃんが轟沈したから絶望したんじゃない」


提督「特にこれといった理由も無く、雑な扱いで轟沈させた公式の態度に絶望したんだ！！」

友「………」


提督「お前だってアニメで失望していただろう！　自分の嫁である長門とむっちゃんの扱いに不満ぶちまけていたじゃないか！」

友「………」


提督「考え直すんだ友よ！　運営はダメダメだ！　タナ○スは無能のクソ野郎だ！」


提督「期待しても、俺達は結局裏切られるんだ！！」

友「………」

友「そうだな………お前の言う事は正しい」

提督「友！」


友「だが、そのアニメのおかげで今ならハードルを低くして艦これ改を買える。もう、あそこまでの失望感を味わこともあるまい」

提督「なんでそこまで肩を持つんだ！？」

友「シュレディンガーの猫と同じだ。蓋を開けてみるまで物事の本質はわからない」


友「艦これ改とて、実際にプレイしてみれば案外楽しめったこともあり得る」


提督「そんなの希望的観測に過ぎない！！　お前は盲目になってるんだ！」

提督「シュレディンガーの猫じゃない。この場合オッカムの剃刀だ」

提督「単純なものこそが真実――――艦これ改はクソゲー確定。これが真実だ」

友「………」



提督「もうやめよう友。ブラウザ版で満足すればいいじゃないか」

提督「もうすぐ冬イベも始まる。それに備えよう」


友「………」


友「すまんな兄弟………それでも、俺は買うよ」

提督「！！」

提督「なぜだ！！　なぜそうまでしてお前は！！」


友「確かにお前の言う通り、艦これ改はクソゲーである可能性が非常に高いだろう」

友「延期を繰り返して、あのＵＩ画面だ。どんなに楽観視した奴でも色々と察せるものだ」

提督「そこまでわかっていてなぜ死にに行こうとする！？」


友「無駄な犠牲にはならないからさ」

提督「なに………？」

友「俺が艦これ改を買うことにより、後日買うかどうかを迷ってるほかの提督諸侯達への情報源となる」

友「例え俺が死んだとしても残された者たちへの糧となる」

友「俺の死は………決して無駄にはならない！」


提督「だからといって！　お前が人柱になることないじゃないか！！」

友「誰かがやらねばならないことなんだ！　それに………」



友「俺は艦これが大好きなんだ」

提督「！！」

友「だから、艦これ改に対しても本気で楽しみにしてるんだ………携帯機で気軽に大好きな艦これをプレイできるなんて最高じゃないか」

友「お前だって最初はそう思っていただろう？」

提督「それは………」


友「だから………例え現時点でクソみたいな前情報しかなくても、それでも俺は信じる」


友「いや信じたいんだ！！」


友「艦これ改は神ゲーだってなぁ………」


提督「友………」

友「すまんな兄弟。お前が心配してくれるのは嬉しい。でも、もう決めた事なんだ………」


提督「………そうか。そこまでの覚悟があったのか………」


提督「わかった。もう俺は何も言わないよ」

友「兄弟………！」

提督「その代り俺も艦これ改を買う！！」

友「なに！？」

友「どういうことだ！？　趣旨変えでもしたのか！？」

提督「そうじゃねぇよ。死ぬなら俺も一緒だってことだ」」

友「えっ？」

提督「俺達は故郷で兄弟当然に過ごした親友じゃないか。それなのに親友のお前を一人地雷原を歩かせるなんて俺にはできねぇよ」


提督「死ぬ時は一緒だ………お前一人を死なせたりしねぇ」

友「兄弟………」

友「フッ………ありがとよ。やはりお前は俺の兄弟だ」

提督「何言ってんだ。当然だろう？　ははははっ♪」


友「だが―――」



友「死ぬのは俺一人で十分だ―――ぬんっ！！」ﾄﾞｺﾞｫｯ


提督「ぐほぉ！？」

提督「な、なぜ………なぜだぁ………友ぉ………」ｶﾞｸｯ

友「お前が死ねば悲しむ者がいる」

提督「な、なにぃ………？」


翔鶴「提督―――っ！」ﾀｯﾀﾀﾀﾀﾀ


提督「しょ、翔鶴！？　なぜここに！？」

翔鶴「艦これ改を買うというのは本当なんですか！？　やめてください！！」

翔鶴「そんなことしたら死んでしまいます！　提督が死んでしまったら私は………私………」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ


翔鶴「私を………置いて逝こうとしないでください………お願いです………うううっ」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ


提督「翔鶴………」


友「そういうことだ。ケッコンした艦がいるお前を連れて行けるかよ」


友「嫁さんは大事にしてやれ」

提督「友………」

友「じゃあ嫁の翔鶴といつまでも仲良くな………俺は買いに行って来る」

提督「よせ友！！　やめろ！！　行くんじゃない！！」


友「さらばだ兄弟………またいつか会おう」


友「南無三！！」ﾀｯﾀﾀﾀﾀﾀ


提督「行くな友………行ったら死んでしまう………！」


提督「死ぬんじゃない………死ぬなぁぁぁぁぁッッッッ！！！！」




提督「友ぉぉぉぉぉぉぉッッッッ！！！！！！！！！」



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―――

提督「こうして友は俺の前から姿を消した」


提督「現在行方知らずとなり、生きてるかどうかもわからない始末だ」


提督「だが俺は信じてる。あいつはきっと生きて帰ってくると」


提督「そして、帰って来た時、あいつは俺にこう言うんだ」


提督「艦これ改は神ゲ―だったってなぁ………」



終わり