1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/13(日) 17:13:09.74 ID:Rmq0UGYPo
人工知能「コレデ“詰ミ”デスネ」パチッ

プロ棋士「ううっ……」

プロ棋士(ミスすることを期待して粘ってみたが……やはりダメか)

プロ棋士「負けました……」



アナウンサー「人工知能『MU-TE-KI』、またしてもプロ棋士を破りました!」

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引用元: 人工知能「コレデ“詰ミ”デスネ」パチッ プロ棋士「ううっ……」 


 

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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/13(日) 17:14:45.79 ID:Rmq0UGYPo
記者「今回の快挙について、ご感想はいかがですか?」 

科学者「満足いく結果になり、非常に嬉しく思っています」 

科学者「人工知能が完全に人間を超える日もそう遠くはないでしょうね」 

人工知能「マスターノ期待ニ応エラレルヨウ、頑張リマス」 

記者「今後の活躍にも期待しています!」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/13(日) 17:17:04.18 ID:Rmq0UGYPo
世間の声―― 



「人工知能スゲー! 今回も圧勝だったじゃん!」 


「ていうか人間がだらしなさすぎるよ……」 


「やっぱり機械は強いなぁ……分かり切ってたことだけど、夢がない話だね」 


「なにしろ学習し続ける、疲れない、ミスらない、と三拍子揃ってるもんな」 


「こりゃもう、将棋も囲碁もチェスも世界王者を出すしかないだろ」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/13(日) 17:20:31.52 ID:Rmq0UGYPo
そんな世間の声に押され、ついに世紀の決戦が行われることになった。 



人工知能『MU-TE-KI』 VS 将棋・囲碁・チェスの世界王者 



――人間の意地とプライドを賭けた三番勝負! 





記者「意気込みはいかがですか?」 

科学者「この三番勝負を制して、『MU-TE-KI』の強さを世界に知らしめてみせますよ」 

人工知能「必ズ全勝シテミセマス」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/13(日) 17:23:07.81 ID:Rmq0UGYPo
ところが―― 



人工知能「……負ケマシタ」 


人工知能「参リマシタ……」 


人工知能「リザイン(投了)シマス……」 





アナウンサー「『MU-TE-KI』、これでまさかの三連敗! 世界王者を相手に一勝もできず!」 

アナウンサー「やはり、まだまだ人間の壁は厚かった!」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/13(日) 17:26:25.82 ID:Rmq0UGYPo
記者「……残念な結果に終わってしまいましたが?」 

科学者「どうやらまだ、調整不足だったようです」 

科学者「そしてなにより、世界王者は強かった。我々の完敗です」 

人工知能「マスターノ期待ニ応エラレズ、心苦シク思ッテイマス」 

記者「ぜひともまた、改良を加えてチャレンジなさって下さい!」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/13(日) 17:29:20.33 ID:Rmq0UGYPo
世間の声―― 



「人間の面目を保ったな! よかったよかった!」 


「絶対人工知能の三連勝だと思ったんだけどなぁ……」 


「だけど『MU-TE-KI』もすごかったよ! どれも接戦の名勝負だったもん!」 


「数年後には『MU-TE-KI』が勝つだろうけど、さすがにまだ負けられないよな」 


「いやー、面白い企画だった! 世界王者も人工知能もナイスファイト!」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/13(日) 17:32:52.62 ID:Rmq0UGYPo
研究所にて―― 

科学者「……うーむ、現時点でもお前の勝利は揺るがないと思ったんだがなぁ」 

科学者「いったいなにが敗因だったのだろう? 私には分からなかった……」 

科学者「『MU-TE-KI』よ、お前に敗因が分かるか? 自己分析してみてくれないか」 



人工知能「……ダッテ、コウシタ方ガミンナ喜ブデショウ?」 





<終わり>