1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:36:07 ID:G8eeIhrs
※進撃の巨人で、ベン・トーのパロディです。
※進撃の巨人10巻までのネタバレがあるかもしれません。
※サシャ「カツ・ドン?」の続きです。
ミーナ 「 ブタだと思った人は謝罪してね」
ジャン 「何言ってるんだ?」
ミーナ 「独り言」
ジャン 「そうか」
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2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:36:56 ID:G8eeIhrs
ミーナ 「今日は何の用事だろうね、ハンジさんとリヴァイ兵長」
ジャン 「また弁当を獲って来いって話じゃないか?」
ミーナ 「毎回、どこから情報を入手してるんだろうね」
ジャン 「上層部の特殊な情報網があるんだろう、多分」
3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:37:35 ID:G8eeIhrs
ミーナ 「特殊な情報網で取り交わされるのが、半額弁当かぁ」
ジャン 「エルヴィン団長も餓狼だったらしいし、色々あるんだろう。ほらもう着くぞ」
ミーナ 「こんにちわー」
ジャン 「失礼します」
4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:37:57 ID:ddGIuzf2
キターーーーーーーーーーーー!!!
5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:38:20 ID:G8eeIhrs
調査兵団 詰め所
リヴァイ 「いい加減にしろ、クソメガネ」
ハンジ 「リヴァイは、巨人への理解が足りないんだよ!」
ジャン 「……」
ミーナ 「……」
6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:39:14 ID:G8eeIhrs
リヴァイ 「元より理解できるものじゃねえ」
ハンジ 「それが思考の停止なんだよ!それだから……」
ジャン 「……」
ミーナ 「……」
7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:39:46 ID:G8eeIhrs
リヴァイ 「口を閉じろ"奇行種"」チッ
ハンジ 「ずいぶんと懐の狭い"人類最強"だね!」フンッ
ジャン 「……」
ミーナ 「……」
8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:40:29 ID:G8eeIhrs
1時間後
エルヴィン「戻った、ぞ……?」
ミーナ 「……」
ジャン 「……」
リヴァイ 「やっと戻ったか。おかげでくだらねえ話を聞かされた」
ハンジ 「ちょっと、それはどういう意味かな!?」
エルヴィン「何をしているんだ?」
9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:41:15 ID:G8eeIhrs
リヴァイ 「くだらないことだ」
ハンジ 「リヴァイが巨人への理解を放棄して……」
エルヴィン「自分達で呼びつけた客人を放り出して、何をしているんだと聞いている」ゴゴゴゴゴ
リヴァイ 「」
ハンジ 「」
10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:41:49 ID:G8eeIhrs
リヴァイ 「悪かったな」
ハンジ 「ごめんなさい。つい、ムキになってしまって」
ジャン 「いえ、俺たちは、そんな」
ミーナ 「全然、気にしてませんから」
エルヴィン「いや、これは、上に立つ者としての問題だ」
11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:42:22 ID:G8eeIhrs
リヴァイ 「好きで上にいるわけじゃねえ」フン
ハンジ 「リヴァイみたいに英雄視されてるわけじゃないし」ブー
エルヴィン「……反省していないのは分かった」ハァ
12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:46:39 ID:G8eeIhrs
エルヴィン「……夕飯を食べに行こうか。ジャンとミーナ来なさい」
ハンジ 「今日はどこに行くの?」
リヴァイ 「お前の選ぶ店に外れはないからな」
エルヴィン「餃子の専門店だ」
13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:47:18 ID:G8eeIhrs
ハンジ 「エルヴィンの連れて行ってくれる店はね、そうはもう美味しいんだよ!」
ミーナ 「そうなんですか、期待しちゃいます!」
リヴァイ 「餃子は、前に行った事があるな。美味かった」
ジャン 「楽しみです!」
14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:47:57 ID:G8eeIhrs
エルヴィン「但し、さっき喧嘩してた二人は、水だけだ」
リヴァイ 「」
ハンジ 「」
15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:49:22 ID:G8eeIhrs
~
餃子屋ケーニッヒ
ミーナ 「わぁ、これが餃子ですかぁ!」
ジャン 「大皿に何十個も乗って出てくるのは、壮観ですね」
ミーナ 「こんなに食べきれるかな」
エルヴィン「それが不思議と、食べてしまうんだ」ハハハ
リヴァイ 「」
ハンジ 「」
16 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:49:59 ID:G8eeIhrs
ミーナ 「いただきます!」
ジャン 「頂きます!」
エルヴィン「沢山食べると良い」ハハハ
リヴァイ 「」
ハンジ 「」
17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:50:30 ID:G8eeIhrs
ミーナ 「皮がパリッパリだぁ!」ハフハフ
ジャン 「噛み付くと、中から汁が飛び出る!」ハフハフ
ミーナ 「脂と肉汁と野菜の旨味が混ざって!もう!」ハフゥ
ジャン 「口の中に直接、熱の塊を放り込んでいる気分になる!」ハッフハッフ
ミーナ 「皮の熱さ!あふれ出る汁の熱さ!こぼれ落ちる具の熱さ!全部美味しい!」プハー
18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:51:04 ID:G8eeIhrs
ジャン 「皮も、焼き目はパリパリなのに、他のところはモチモチしてて!」
ミーナ 「噛み付くと、同時に歯の上下で違う食感が味わえるね」
ジャン 「一個がそんなに大きく無いから、一口で食べられるのもいいな!」
ミーナ 「それで、口の中で一気に弾けるんだよね!」
19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:51:35 ID:G8eeIhrs
ジャン 「ああっ!口の中、火傷した!」
ミーナ 「私も!でも、やめられない!」
エルヴィン「どんどん食べなさい」ハハハ
リヴァイ 「」
ハンジ 「」
20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:52:24 ID:G8eeIhrs
ミーナ 「このパリッ、ジュワ!って食感が、たまらないね!」
ジャン 「タレの酢とラー油が肉と絡んで、酸っぱくて辛くてジューシー!脂が全然しつこくない!!」
ミーナ 「口に中いっぱいに広がるニラの強烈な香りと、キャベツのシャキシャキ感が、
後を引いて、いくらでも食べちゃう!」
21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:52:54 ID:G8eeIhrs
ジャン 「一個口に入れたら、手が次の餃子に伸びる!もう、止まらない!」
ミーナ 「美味しくて、熱くて、涙出てきた!」フー
ハンジ 「」
リヴァイ 「」
22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:53:33 ID:G8eeIhrs
ハンジ 「あの、ひとつくらい」
エルヴィン「ダメだ」
リヴァイ 「構わねえだろ、これだけあるんだ」
エルヴィン「ジャンとミーナの物だ」
23 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:54:07 ID:G8eeIhrs
ハンジ 「ねぇミーナ、実は君達の教官にコネがあってね、少しなら成績を」
エルヴィン「えげつない買収をするな」
リヴァイ 「おいジャン、分かってるな?」
エルヴィン「脅迫もするな」
24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:54:39 ID:G8eeIhrs
ハンジ 「」ジー
リヴァイ 「」ジー
エルヴィン「こっちを見るな」
25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:55:21 ID:G8eeIhrs
ハンジ 「私たち、喧嘩なんかしてなかったよね?」
リヴァイ 「当たり前だ」
エルヴィン「捏造をするな」
26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:55:55 ID:G8eeIhrs
ハンジ 「ミーナとジャンもさ、ちょっとくらいは遠慮したらどうなのさ」ブー
リヴァイ 「いい度胸だ」チッ
ミーナ 「最初は遠慮しようと思ってたんですけど」テカー
ジャン 「食べ始めたら、止まらなくなっちゃって」テカー
27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:56:42 ID:G8eeIhrs
リヴァイ 「脂っぽい顔しやがる」
ハンジ 「憎らしいのを通り越して、爽やかさすら感じるね」
エルヴィン「これはお前らへの罰だ。団長の俺も責任をとって食べずにいるだろう」グゥ
ミーナ 「あのぅ、そのことなんですけど」
ジャン 「お二人を許して頂けませんでしょうか」
28 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:57:12 ID:G8eeIhrs
エルヴィン「一度決めたことを簡単に覆すのは、規律に関わる」
ミーナ 「でも、みんなで食べたほうが、美味しいです」ウルウル
ハンジ 「」モットイエ
リヴァイ 「」モットヤレ
29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:57:49 ID:G8eeIhrs
ジャン 「俺、調査兵団の規律には何も口出しできませんけど、
でも、エルヴィン団長と、リヴァイ兵長、ハンジさんと一緒に食べたいです」
ミーナ 「」ジー
ジャン 「」ジー
エルヴィン「……はぁ、仕方ない、食って良いぞ」
30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:58:25 ID:G8eeIhrs
ハンジ 「ジャン、ミーナよくやったっ!」ヒャホーイ
リヴァイ 「オーダー餃子50個だ」
エルヴィン「70個にしろ、二人がまだ足りなそうだ」
ジャン 「」ポカーン
ミーナ 「」ポカーン
31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:59:03 ID:G8eeIhrs
エルヴィン「どうした。まだ食べられるだろう?」
ジャン 「いえ、随分と切り替えが早いと思って」
リヴァイ 「一瞬の判断の遅れが、命取りになる」キリッ
ハンジ 「調査兵団はそういうところだよ」キリッ
32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 21:59:34 ID:G8eeIhrs
~
ジャン 「そういえば、今日呼ばれたのって、何の用件だったんですか?」
ミーナ 「餃子じゃないですよね?」
ハンジ 「あぁ、忘れていたよ。今度、トロスト・マムが一日だけプレオープンするんだ」
リヴァイ 「当然、そこに新作の弁当が出るだろうと言われている」
33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 22:00:11 ID:G8eeIhrs
ジャン 「そういう日でも、半額になるんですか?」
ミーナ 「特別な日だと、売れ残らないような」
リヴァイ 「逆だ」
ハンジ 「特別だから、大盤振る舞いになるはずだよ」
34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 22:00:50 ID:G8eeIhrs
ミーナ 「そういうものなんですか」
ハンジ 「そういうものなんだよ」
ジャン 「例によって、それを獲って来いと……?」
リヴァイ 「そうだ」
35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 22:01:53 ID:G8eeIhrs
ハンジ 「最近、巨人の数が減ってきちゃってさぁ」ブチブチ
エルヴィン「おかげで、壁外遠征がはかどって仕方ない」
リヴァイ 「減った理由すら分かっていないがな。兎に角、忙しい」
ミーナ (まさか……)
36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 22:02:30 ID:G8eeIhrs
リヴァイ 「日は確定次第、連絡する」
ハンジ 「今度は鎧の巨人弁当でないかなぁ」ウフフ
リヴァイ 「安心しろ、絶対に出ない」
エルヴィン「我々は、ウォールマリアを奪還することだけ考えればいい」
37 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 22:03:01 ID:G8eeIhrs
ジャン 「俺たちは、弁当を獲ることだけ考えよう」
ミーナ 「うん、マダムの新作弁当、楽しみだなぁ」
リヴァイ 「市場を改装した後の争奪戦は、今までに無い状況だ」
ハンジ 「普段は出てこないような餓狼がやって来る可能性もあるよ」
38 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 22:03:36 ID:G8eeIhrs
ミーナ 「そういうことも、あるんですね」
ジャン 「誰が来ようと、やれることをやるだけだ」
ハンジ 「あ、そういえば、ミーナは二つ名がついたんだって?」
ミーナ 「え、何でそれを」
39 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 22:04:10 ID:G8eeIhrs
エルヴィン「夕市に出たのは、最近なんだろう? 凄いじゃないか」
ミーナ 「ええ、まぁ、そうなんですけども」ゴニョゴニョ
リヴァイ 「どんな名前なんだ?」
ハンジ 「私もそこまでは知らないんだ。教えてよ」
40 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 22:04:47 ID:G8eeIhrs
ミーナ 「えーと、そのぅ」
ラクーン
ジャン 「"洗い熊"です」
ミーナ 「ちょっと、何で勝手に言うのよ!?」
41 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 22:05:18 ID:G8eeIhrs
ハンジ 「あー」チラッ
リヴァイ 「納得だ」チラッ
エルヴィン「なるほど」チラッ
ミナー 「今、何を見て納得したんですか!?」
42 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 22:05:55 ID:G8eeIhrs
ジャン 「お前、顔がタヌキっぽいんだよ」
ミーナ 「何で言うかなぁ!?気にしてるのに!」
ジャン 「それは悪かったな」
エルヴィン「いいじゃないか、二つ名なんて簡単に付いたり変わったりするものだよ」ハハハ
43 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 22:06:27 ID:G8eeIhrs
ミーナ 「ところで、それはそうと」チラッ
ジャン 「餃子追加しても良いですか?」チラッ
エルヴィン「今日はリヴァイとハンジの奢りだ。いくらでも食べなさい」
リヴァイ 「!?」
ハンジ 「!?」
44 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 22:07:04 ID:G8eeIhrs
エルヴィン「まさか、お咎め無しだとでも思っていたのか?」
ハンジ 「」クッ
リヴァイ 「」チッ
45 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/19(金) 22:07:41 ID:G8eeIhrs
ハンジ 「餃子追加お願いします!」シクシク
リヴァイ 「お前ら、絶対に弁当を獲って来い。絶対にだ」
ジャン 「はい」テカー
ミーナ 「はいっ」テカー
(つづく)
52 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:13:37 ID:OwVLpQHc
~
数日後
マリオ・トロスト
ジャン「新作弁当も気になるが」
ミーナ「まずは今日のお弁当だね」
ジャン「とりあえず、弁当を見に行くか」
ミーナ「うんっ」
53 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:14:09 ID:OwVLpQHc
ミーナ(今日はお弁当が3つ、全部一緒なのかな? でも、商品名が違う?
マキシマム
"男のマーボーナス弁当"
エレガント
"女のマーボーナス弁当"
パッション
"肉味噌ナス弁当"
54 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:14:44 ID:OwVLpQHc
ミーナ(とにかくナスを推してるんだ……)
ジャン「俺は、マキシマム弁当だ」
ミーナ「私は、パッション弁当が気になる」
ジャン「お、あそこにアニがいるな」
ミーナ「本当だ」
55 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:15:17 ID:OwVLpQHc
ジャン「よう」
ミーナ「ネコは戻ってきた?」
アニ 「……」
ミーナ「アニ?」
56 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:15:59 ID:OwVLpQHc
アニ 「……ネコちゃ…ネコは、みんな、壁外に逃げちゃって……」
ジャン(地雷だったか……)
ミーナ「だ、大丈夫だよ、きっと、みんな元気にしてるよ!
多分、巨人とか駆逐してるんじゃないかなぁ」アハハ
ジャン「そのうち戻ってくだろう、ネコは気まぐれだからな」
アニ 「うん……」グス
57 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:16:38 ID:OwVLpQHc
ミーナ「でも、ネコがいないなら、今日は一人だけで争奪戦に?」
ジャン「ネコがいなくても、戦えるのか?」
アニ 「自分の力で、やるしかないね」
ミーナ「うん、私も自分の力でがんばるよ!」
58 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:17:10 ID:OwVLpQHc
ジャン「アニは何を狙っているんだ?」
アニ 「私はエレガント弁当だよ」
ミーナ「じゃあ、かち合わないね……」チラッ
アニ 「ああ、いいよ。ただ、今日は……」
59 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:17:51 ID:OwVLpQHc
ミーナ「どうしたの?」
ジャン「おい、もしかしてあの人は、まさか……」
アニ 「その、まさかだよ」
60 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:18:23 ID:OwVLpQHc
キース「貴様らもいたのか」
ジャン「キース、教官!?」バッ
キース「敬礼は要らん。今は、私も餓狼だ」
ジャン「は、はぁ」
61 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:19:07 ID:OwVLpQHc
ミーナ「キース教官も、餓狼だったんですね」
キース「一線から退いていたがな。トロスト・マムがリニューアルオープンすると聞いてな。
久しぶりに参加しようと思ったのだが、昔の勘を取り戻すためにやってきた」
ジャン「そうだったんですか……」
62 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:19:48 ID:OwVLpQHc
ミーナ「昔は、二つ名は、付いていたんですか?」
キース「そうだな、昔の話だが、夕市に出たての頃、私も未熟でな。
暫くの間、何の成果も挙げることが出来ずにいた。
その時の先輩方にからかわれて、付けられた二つ名が、
"坊主" だ」
63 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:20:40 ID:OwVLpQHc
ジャン「そ、そうなんですか……」
ミーナ「」プルプル
アニ 「」プルプル
バタン
64 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:21:16 ID:OwVLpQHc
キース「半額神が来たな。訓練ではないが、日ごろの成果を見せてもらおうか」スタスタ
ジャン「まさか、キース教官が餓狼だったなんて」
ミーナ「しかも、二つ名付きの……ふ、二つ名、が……」プルプル
アニ 「ミーナ、それ以上やめて」プルプル
65 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:21:46 ID:OwVLpQHc
ジャン「確か、調査兵団の団長も勤めた人だ。一筋縄じゃないだろう」
ミーナ「そうだね、それでもやるしかないよ」
アニ 「ネコちゃんがいれば……」
ジャン「今、頼れるのは、己の身一つだ」
66 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:22:33 ID:OwVLpQHc
ギィ
バタン
ミーナ「いくよ!」ダダダダ
ジャン「腹の虫を感じろ!ここは訓練所じゃない、夕市だ!」
アニ 「やってやるさ。言われなくてもね」
67 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:23:03 ID:OwVLpQHc
ジャン「どりやあああああ」バシッ
キース「軽いな」パシン
ミーナ「せええええい」ブオン
キース「甘い」ヒョイ
68 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:23:38 ID:OwVLpQHc
アニ 「先に行かせて貰うよ」ダダダ
キース「させると思ったか」ガッシ
ジャン「くっそ、やっぱり強ぇえ」
ミーナ「3人がかりなら、そんなに持つわけない!」
69 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:24:14 ID:OwVLpQHc
キース「たった3人で、私をとめられると思ったか」ゴッ
ジャン「ず、突き……痛ぇえええ」ゴロゴロ
ミーナ「2回目か、痛そう……」
キース「試してみるか?」ゴッ
ミーナ「ぎゃああああ」ゴロゴロ
70 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:24:46 ID:OwVLpQHc
キース「レオンハート、貴様にも夕市の通過儀礼をくれてやろう」
アニ 「間に合ってますから」
キース「遠慮しなくても良い」ズウウウウ
ミーナ(アニの頭が掴まれる!? コニーと同じ奴だ!)
71 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:25:21 ID:OwVLpQHc
アニ 「ふんっ」バンッ
キース「ゴフッ」
ミーナ(キース教官が、吹っ飛んだ!?)
ジャン「アニの奴、何しやがったんだ?」
72 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:26:50 ID:OwVLpQHc
キース「レオンハート、貴様、何をした……!?」
アニ 「まだ立てるなんて」クッ
キース「次からの格闘訓練では、手を抜けると思うな!」
アニ 「次からはそうします」ゲット
73 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:27:21 ID:OwVLpQHc
ミーナ「あっ、キース教官が戻ってくる前にお弁当獲っちゃった」
ジャン「ミーナ今のうちにいくぞ」
ミーナ「うんっ、キース教官が戻ってくる前に!」
74 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:27:53 ID:OwVLpQHc
キース「レオンハートが謎の技を披露してくれたのでな。
私も出し惜しみは無しだ」
ジャン「この上、まだ何かあるのか……」
ミーナ「何かされる前に、獲る!」ダダダ
75 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:28:31 ID:OwVLpQHc
キース「先ほど、二つ名の話をしたな、"坊主"は初期の名前だ。
ザントマン
その後、"灰坊主"と改名された」
ザントマン
ジャン「"砂男"、まさか!? ミーナ、目を閉じろ!」
76 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:29:10 ID:OwVLpQHc
ミーナ「え、何で!?」
キース「指示には従うべきだったな」ギラッ
ミーナ「きゃあ!?」
ミーナ(え、何?目に何か入った!?目が開けられない!?)
77 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:29:43 ID:OwVLpQHc
キース「"灰坊主"は、眠りの灰を撒く妖精だ。夢に落ちろ」ガッ
ミーナ「げふっ」ガクン
~
78 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:30:24 ID:OwVLpQHc
ジャン「ミーナ、起きたか?」
ミーナ「あ、ジャン……そうか、私」
アニ 「キース教官に吹っ飛ばされて、夢に落とされたんだよ」
ジャン「俺は、キース教官の後で弁当を獲ることが出来た」
79 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:30:59 ID:OwVLpQHc
ミーナ「そっか、私だけ……」
アニ 「目が覚めたんなら、行くよ」
ミーナ「え?」
アニ 「約束だろう? 一緒に食べるって」
ミーナ「……うんっ!」
80 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:31:48 ID:OwVLpQHc
~
訓練兵団 食堂
ミーナ「私は、ご飯だけを別のお店で買ったので、おかずを分けてください」ペコーリ
アニ 「二人ともマーボーナスだけどね」
ジャン「俺のマキシマム弁当と、どう違うんだ?」
アニ 「具の切り方だね、あと白米の量」
81 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:32:30 ID:OwVLpQHc
ジャン「マキシマム弁当の方が、ナスが大きく切ってあるのか」
ミーナ「もうわかったから、早く!その大きい、ジャンのナスを、私にください!
ご飯の上にかけてください!早くかけてぇッ!」
ジャン「……何で、そんなに興奮してるんだよ」
ミーナ「もしかしたら、需要があるんじゃないかと思って」テヘヘ
アニ 「?」
82 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:33:03 ID:OwVLpQHc
ジャン「ほらよ、お望みどおりだ」
アニ 「私のも、混ざらないように上からかけるよ」
ミーナ「ありがとうございますー」フカブカー
83 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:33:35 ID:OwVLpQHc
ジャン「じゃあ、喰うか」
ミーナ「はい、頂きます!」
アニ 「頂きます」
84 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:34:07 ID:OwVLpQHc
ミーナ(ジャンから貰った方から食べてみよう)
パクッ
ミーナ「ほうぅう!」
ミーナ(鮮烈な辛さ!これは、前にリヴァイ兵長から貰った麻婆豆腐と同じ辛さだ!
そういえば、その時と同じ店だっけ)
85 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:34:38 ID:OwVLpQHc
ジャン「うおっ、辛いな! アニも喰ってみろ」
アニ 「どうも。この匂いは、花椒だね」クンクン
ミーナ「花椒っていうんだ。確かに、華のある辛味!」
86 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:35:13 ID:OwVLpQHc
ミーナ「ナスとピーマンと人参が、ごろっと入ってて、名前の通り男の子っぽい感じ」
ジャン「このくらいのほうが、食ってるって感じがするな」モグモグ
ミーナ「出来の悪いマーボーナスって、ナスがデロっとしてて気持ち悪いけど、
これはそんなことないね。形がしっかり残ってる」
ジャン「あぁ、でも口に入れると、ナスがホロリと崩れる!
ちゃんと焼き目も入ってるのに、不思議だな」
87 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:35:47 ID:OwVLpQHc
アニ 「これは、一回ナスを油で揚げてるね」
ミーナ「そっか。ナスがマイルドな舌触りになってるけど、これは油なんだ!」
ジャン「ナスと油って相性がいいんだな」
ミーナ「人参はしっかり中まで火が通ってて柔らかいし、
ピーマンはコリっとした食感が残るくらいに炒めてあるね!」
88 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:37:08 ID:OwVLpQHc
ジャン「それぞれ違う3種類の食感で、食べても飽きさせないな!」パクパク
ミーナ「辛味と人参の甘み、それからピーマンの苦味がアクセントになってるね」
アニ 「美味しい」
ミーナ「ジャンの言ったとおり、食べてる!って感じがするね」
ジャン「あぁ、食感と辛味で、食欲が刺激され続ける!」
89 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:37:43 ID:OwVLpQHc
ミーナ「じゃあ、次はアニから貰った分の、エレガント弁当を」
ミーナ「見た目からして違うね。具が全部、細かく刻んである)
パクッ
90 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:38:25 ID:OwVLpQHc
ミーナ(おおぉう!?なんだろうこれ、美味しい!色んな美味しさが詰まってる!)
アニ 「ナスと人参、ピーマン。入ってる具は一緒だね」
ミーナ「食べてる感じは野菜のポタージュみたいなのに、ガツンとくる美味しさがあるね」
ジャン「俺も、ちょっと貰って良いか?」
アニ 「どうぞ」
91 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:38:57 ID:OwVLpQHc
ジャン「おぉっ。これは、美味いな……」
ミーナ「食べた感じはアッサリしてるのに、味は強烈なマーボーナスなんだよね」
ジャン「しかしこれは」
ミーナ「うん、これは……」
アニ 「白米が欲しくなるね」
92 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:39:39 ID:OwVLpQHc
ミーナ「ですよねー!ご飯買って置いてよかった!」パクパク
ジャン「前に麻婆豆腐を喰ったときも思ったけど、何でこんなに白米と合うんだろうな」モグモグ
アニ 「具が細かく刻んであるから、白米にかけても食べやすいね」パク
ミーナ「具の大きさだけかと思ったけど、ジャンのとは全然違うんだね!」
93 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:40:17 ID:OwVLpQHc
ジャン「細かい調味料も違うかもしれねえが、どっちのマーボーナスも同じ材料なのに大したもんだ」
ミーナ「もう、素材の生かし方を熟知してる感じだよね!」
アニ 「美味しい」
ミーナ「はあぁ!ご飯が進んで困っちゃう!」
94 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:40:54 ID:OwVLpQHc
ジャン「どっちも美味いが、具を細かく刻んでるほうが米に合うな」
ミーナ「うんっ、まろやかにご飯と混ざり合うね」
アニ 「白米と一緒に食べることが前提なんだろうね」
ミーナ「そっか、これはカレーライスと同じ方向性の食べ物なんだ」
95 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:41:26 ID:OwVLpQHc
ジャン「そりゃあ、美味いわけだな」
ミーナ「腑に落ちたね、色々と」
アニ 「美味いことを言ったつもりかい」
フゥ
96 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:41:59 ID:OwVLpQHc
ミーナ「美味しかったぁ」
ジャン「辛味で、まだ唇が痺れてる気がする」
アニ 「美味しかったよ。ご馳走様」
97 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:42:55 ID:OwVLpQHc
ミーナ「私が取れなかった、肉味噌ナス弁当も美味しかったんだろうなぁ」
ジャン「間違いなくそうだろうな」
ミーナ「返す返すも口惜しい」
ジャン「そういえば、ミーナがキース教官に殴られる前、何があったんだ?」
98 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:43:31 ID:OwVLpQHc
ミーナ「え?目に何かが入って、目を閉じちゃったんだけど、ジャンは知ってたんじゃないの?」
ジャン「いや、二つ名から結果を想像しただけだ」
アニ 「"砂男"は夢の中に誘う妖精。砂が目に入ると、眠ってしまうという童話さ」
ミーナ「直接眠っちゃった原因は、殴られたからだけど、目に何が入ったんだろう?」
99 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:44:02 ID:OwVLpQHc
ジャン「砂が入ったんじゃないのか?」
ミーナ「ううん、そういうのじゃなかったの。直接目だけを狙って来た感じ。
砂なら顔全体にあたるでしょう?目だけだったの」
アニ 「何か秘密があるんだろうね」
100 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:44:48 ID:OwVLpQHc
ミーナ「あ、そうだ。今日、アニさ。キース教官を吹っ飛ばしたじゃない。バーンって」
ジャン「あぁ、すごかったな。どうやったんだ、あれ」
アニ 「掴もうとする手を避けて、体当たりしただけだよ」
101 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:45:21 ID:OwVLpQHc
ミーナ「えー、もっと凄いことしたように見えたけどなぁ」
ジャン「そうだな、ただぶつかっただけなら、跳ね返されるのがオチだ」
アニ 「私のは、技術だよ。誰にでも出来る技。出来れば、やりたくなかったんだけどね」
102 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:45:53 ID:OwVLpQHc
ミーナ「いや、凄いよアニ!何をしたのか全然分からなかったけど!」
ジャン「最初から、ネコを使わなくても良かったんじゃないか?」
アニ 「いや、それは、だって……可愛くないし」ゴニョゴニョ
ミーナ(可愛いな、コンチクショウ)
103 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:46:25 ID:OwVLpQHc
ジャン「強いんだから、使わない手は無いだろう?」
ミーナ「ジャンはオンナゴコロが分かって無いなぁ」
ジャン「うるせぇよ」
ミーナ「でも、カッコよかったよ! こう、スパーン!って」
ジャン「確かに、様になってたな」
104 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 00:47:20 ID:OwVLpQHc
アニ 「そんなに気に入ったなら、教えてあげるよ」
ミーナ「え、いいの!やったー!」
アニ 「対人格闘の時間だけじゃ足りないから、朝と夜の自由時間も使うよ」
ミーナ「え」
(つづく)
111 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 22:55:23 ID:OwVLpQHc
~
訓練兵団 食堂
ジャン(アニと特訓するから、ミーナは暫く夕市には来ないと言ってたな)
ジャン「久しぶりに、マルコでも誘ってみるか……」
マルコ「僕がどうしたの?」
ジャン「丁度良かった、これから夕市に行かないか?」
マルコ「コニーが一緒だけど、いいかな」
112 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 22:56:05 ID:OwVLpQHc
ジャン「ああ、最近コニーと一緒に居ることが多いのか?」
マルコ「うん、僕が入院しているときに、毎日お見舞いに来てくれたんだ」
ジャン「そりゃあ、すげえな。1回しか行かなかった俺が恥ずかしくなる」
マルコ「昨日も来たよね、って言うと、そうだっけ?って忘れてるみたいなんだ」
113 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 22:56:47 ID:OwVLpQHc
ジャン「"馬鹿"の面目躍如だが、そこまで行くと不安になるレベルだな」
マルコ「それがね、毎日、違う物を差し入れてくれるんだよ、本だったり花だったり」
ジャン「本当は覚えてるのか?」
マルコ「分からないけど、僕が入院したことに責任を感じているようだったよ」
114 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 22:57:20 ID:OwVLpQHc
ジャン「腐った豆の、か。コニーが誘ったんだったな」
マルコ「僕は全然気にして無いんだけどね、それ以前から具合は悪かったし」
ジャン「それでも毎日、差し入れ持って見舞いに行ったのか。良い奴だな」
マルコ「本人が覚えてないって言うんだから、本当のところは分からないけどね」
115 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 22:57:53 ID:OwVLpQHc
コニー「腹減ったー」ヒョコヒョコ
マルコ「噂をすれば、だね」
ジャン「おいコニー、夕市いかねえか」
コニー「おお、行こうぜ」
116 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 22:58:32 ID:OwVLpQHc
~
キッチン・トロスト
ジャン「104期生の上位成績者は、二つ名持ちの餓狼だけどよ、あんまり夕市で会わないよな」
マルコ「夕市は沢山あるからね。マダム、キッチン、マリオが三強だけど、
規模だけなら同じくらいの店があるから、そっちに行ってるんじゃないかな」
コニー「そうかのかー」
ジャン「俺は、その3つしか知らねえな」
117 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 22:59:06 ID:OwVLpQHc
マルコ「安定して弁当を獲得できているなら、それでいいんじゃないかな」
ジャン「獲れたり獲れなかったり、だけどな」
コニー「そうなのかー」
マルコ「ジャンの噂は、色々広がってるよ。無名なのに強い奴がいるってね」
118 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 22:59:59 ID:OwVLpQHc
ジャン「その割には、二つ名がつかないな。変なのが付くよりはマシだが」
マルコ「特出した何かが無いと、中々ね」
コニー「そうなのかー」
ジャン「コニー、無理してしゃべるな」
119 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:00:41 ID:OwVLpQHc
マルコ「さぁ、お弁当を見に行こうか」
ジャン「そうだな」
ジャン(今日は、3つか。全部一緒、って、おい、これは!?)
カツカレー
"最強の矛と盾"
120 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:01:12 ID:OwVLpQHc
ジャン(なんだよ、これ。ふざんなよ!一体何なんだよ!?
カツ・カレー!? それは、何だ!?最強と同じ意味か!?
カツとカレーなのか!?馬鹿にしているんだろ!?
鎧の巨人が超大型で出現したのと同じくらいの衝撃だぞ)
121 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:01:44 ID:OwVLpQHc
マルコ「カレーの噂は聞いているよ。世界が変わる程の味だってね。
でも、それにカツが?」ガクガク
コニー「なぁ、訳が分からないのは、俺が馬鹿だからなのか?」ガクブル
ジャン「もしそうなら、俺も馬鹿だ」ブルブル
122 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:02:21 ID:OwVLpQHc
ジャン「絶対に、取るぞ」
マルコ「ああ、こればっかりは、譲れないよ」
コニー「あれを食べたら、俺はもっと馬鹿になるかもしれない」
ジャン「安いもんだろ」フフン
123 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:03:08 ID:OwVLpQHc
バタン
マルコ「来たね、半額神だ」
ジャン「無事に、3つとも半額になってるな」
コニー「月桂冠じゃねえのか」
ジャン「それも、逆に恐ろしい話だな」
124 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:03:47 ID:OwVLpQHc
コニー「俺、もしもこの弁当を取れたら、サシャに自慢するんだ」
ジャン「おい、馬鹿やめろ。それ以上しゃべるな、死ぬぞ!」
マルコ「何言ってんだい。この僕が、死ぬはずないだろう」
ジャン「マルコは、これ以上フラグを立てるな!洒落にならねえぞ!」
125 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:04:17 ID:OwVLpQHc
ギィ
バタン
ドドドドドド
コニー「こんな夕市に一秒だっていられるか!俺は先に行く!」
ジャン「この馬鹿!」
126 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:04:55 ID:OwVLpQHc
バンッ
コニー「ごふっ……ちっと格好付けすぎちまったな……」
マルコ「コニィィイイイイ」
ジャン(コニーが吹っ飛んで行く。突然なのに、なんとなく予想通りだ)
127 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:05:29 ID:OwVLpQHc
リコ 「あんた達じゃなさそうだね」
ジャン「……誰だ?」
マルコ「確か、駐屯兵団の精鋭部隊、リコ・プレツェンスカ班長だ」
ジャン「マルコは頭の中に名簿でも入ってるのか?」
128 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:05:59 ID:OwVLpQHc
リコ 「キッツ隊長を倒した奴を探してるんだけど、知らないか?」
マルコ「"小鹿"のキッツ隊長を? いえ、知らないです」
リコ 「そうだろうな、そんなに強く無さそうだ」フン
ジャン「」イラッ
129 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:06:31 ID:OwVLpQHc
リコ 「知らないなら、それはそれだ。半額弁当は貰っていくよ」ガツン
マルコ「くっ、ジャン。先に行けよ……なぁに、すぐ追い付いてやるさ」
ジャン(あ、これダメな奴だ)
リコ 「舐められたもんだね」バシン
マルコ「げふっ」ガクン
130 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:07:17 ID:OwVLpQHc
リコ 「"馬鹿"と"不死鳥"だったか。最近の二つ名は大したこと無いな」
ジャン「二人とも、まだ、ここからですから」
マルコ「コニー、まだ起きられるだろう?」グググ
ジャン「そうなのかー」ヒョコ
131 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:07:50 ID:OwVLpQHc
リコ 「お前らは、巨人の親戚か何かか?」ドンビキ
マルコ「ただの"不死鳥"と"馬鹿"です」
ジャン「俺はまだ、無名の餓狼ですけどね」
132 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:08:26 ID:OwVLpQHc
リコ 「立てなくなるまで吹っ飛べ!」ゲシッ
コニー「ここは俺に任せて、先にゲボォ」
マルコ「コニィイイイイイ」
ジャン「その流れは終わってたのに!馬鹿野郎!」
133 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:09:05 ID:OwVLpQHc
マルコ「コニー、君の行動は無駄にはしない!」ダダダ
リコ 「私に背中を見せて、逃げ切れると思ったのか?」ガッシ
マルコ「逃げる? コニーが任せろって言ったんですよ。だから僕は任せたんです」
コニー「そうなのかー」ヒョコ
134 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:09:41 ID:OwVLpQHc
リコ 「本当に化け物かよ……」
マルコ「ただの"馬鹿"ですよ」
コニー「そうなのか?」
ジャン「いいから、もう黙ってろ」
135 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:10:20 ID:OwVLpQHc
リコ 「大したこと無いって言ったのは、訂正する」
マルコ「それは、どうも」
リコ 「だから、全力で掃除してやる!」
コニー「何かやばくねえか?」
136 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:10:50 ID:OwVLpQHc
ジャン「やばいのが来るぞ! マルコ、先に弁当を!」
コニー「なろぉ!!」バゴン
リコ 「遅い」シュン
コニー「」カクン
ジャン(速い!?)
137 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:11:21 ID:OwVLpQHc
マルコ「えっ!?」
リコ 「お前もだ」ヒュン
ジャン(一瞬で間合いを詰めた!?)
マルコ「」カクン
138 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:11:52 ID:OwVLpQHc
リコ 「お前の仲間がやられたぞ」
ジャン「……」
リコ 「何か言うことは無いのか?」
ジャン「……リコ班長って」
リコ 「あん?」
139 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:17:18 ID:OwVLpQHc
ジャン「リコ班長って、走っても胸が全然揺れないですね」
ウォールシーナ
リコ 「誰が"絶壁の乙女"だ!?」ブチィ
ジャン「やべぇ、地雷だったのか」
リコ 「……お前、そうか。例の無名の訓練兵か」
140 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:17:50 ID:OwVLpQHc
ジャン「ご存知のようで」ハハハ
リコ 「私を怒らせてくれたからな、二つ名を付けてやるよ」
ジャン「……そりゃあ、どうも」
マインスイーパー
リコ 「人をイラつかせる天才。"地雷原走者"だ」
141 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:18:36 ID:OwVLpQHc
ジャン「それなら、リコ班長は"地雷女"ってことに」
リコ 「死ね!2回死ね!」ビュオ
ジャン「げっ、速……げふっ!」
リコ 「お前らが遅すぎる」
142 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:19:21 ID:OwVLpQHc
~
ジャン「ぐぅ、痛ぇ……くそっ、負けたか……」
マルコ「ジャンも、目が覚めたかい?」
コニー「カツカレー、一個も残って無いぞ」
ジャン「あぁ、畜生、食い損ねた」
143 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:19:53 ID:OwVLpQHc
マルコ「カツカレー。食べたかったなぁ」
ジャン「仕方ない、負けたんだ。諦めるしかない。あー、でも、クッソ……」
コニー「飯食いにいこうぜ?」
ジャン「……お前の馬鹿が、たまに羨ましいよ」
144 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:20:25 ID:OwVLpQHc
~
定食屋メッサー
ジャン「ここは、良く来るのか?」
マルコ「コニーと一緒にね、弁当が取れないときは、大抵ここだよ」
コニー「安くて、量が多いからな」
145 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:21:10 ID:OwVLpQHc
マルコ「僕はスタミナ定食にするよ」
ジャン「じゃあ、俺もそれで」
コニー「俺は豚焼肉、追加でメンチカツ乗せて」
ジャン「それも美味そうだな」
146 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:21:48 ID:OwVLpQHc
マルコ「あんまり、こういうところには来ないのかい?」
ジャン「普段は、獲り損ねたら、うどん屋だな」
コニー「それ美味いのか?」
ジャン「今度、連れて行ってやるよ」
147 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:22:20 ID:OwVLpQHc
マルコ「さぁ、これがスタミナ定食だ」
ジャン「肉野菜炒め、か?」
マルコ「食べてみれば分かるよ」
148 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:23:10 ID:OwVLpQHc
ジャン(山盛りになった、定番の肉野菜炒めだな。
塩胡椒の匂いの他に、濃い味の匂いがするな。
キャベツと人参、ニラと結構多めに薄切りの豚肉が入ってる。
目を惹くのは、山の上に乗っかってる生卵だ)
ジャン「この卵は、混ぜるのか?」
マルコ「僕は野菜に絡めて食べるのが好きかな」
149 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:23:42 ID:OwVLpQHc
ジャン(じゃあ、俺も混ぜて見るか)
ジャン(炒めたと言うよりは煮込んだに近いキャベツに、薄く切った人参と、
クタクタになったニラ、それからニンニクの欠片)
パクッ
150 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:24:41 ID:OwVLpQHc
ジャン(うん、これは、声を上げるほど美味い味じゃない。でも、毎日食べられる味だ)
ジャン「何というか、雑じゃないんだが」
マルコ「言いたいことは分かるよ、盛り方も適当だし、
肉も野菜も、炒めて味をつけただけ、それで文句あるか!っていう味だよね。
でも、決してそれが嫌なわけじゃないんだ」
151 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:25:30 ID:OwVLpQHc
ジャン「ああ、その通りだ」パクッ
ジャン(上品な味じゃない)モグモグ
ジャン(丁寧な味じゃない)ハフハフ
ジャン(でも、ウマイ!)バクバクバク
152 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:26:12 ID:OwVLpQHc
ジャン「ああ。そうだ、男らしいんだ!
細かいことを気にするな、腹いっぱいにしてやるよって味だ。
食べるんじゃなくて、喰う。って感じがぴったりだな」
マルコ「お袋の味じゃないんだ。父親とか、兄貴みたいな感じで、頼れる味」
ジャン「確かに、頼もしい味だ。絶対にデートでは来られないが、
男同士では何度でも来たいところだな」
ジャン(言い方は悪いけど、根性飯というか、男臭い飯だな)
153 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:26:45 ID:OwVLpQHc
ジャン(濃い目の味がついた野菜を、白米の上に乗っけて喰う!)バクバク
ジャン(野菜と米を、一気にかきこむ!!)ハグハグ
ジャン(卵の白身でとろみのついた野菜が、熱い白米に良く絡んでウマい!)モグモグ
ジャン(ちょっと落ち着いたら、コンソメのスープ。味は薄い。具はモヤシだけ)ゴクン
ハァ
154 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:27:32 ID:OwVLpQHc
ジャン(心を埋める様な味だ。何となく安心する。腹が満たされる)
ジャン(何だろう、今の自分にピッタリ合う様な、慰めてくれるような味だ。
こっちのことなんか、全然気にしないで、"これを喰え"ってドンと出されて
細かいことで悩んでいるのが、どうでもよくなるような、豪気なスタンス)
ジャン(そうだった、これはスタミナ定食だ。確かに、スタミナが出る!)
フゥ
155 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:28:05 ID:OwVLpQHc
ジャン(肉野菜炒めが無くなったけど、米がまだ残ってるな。米も大盛りだったからな。
コニーみたいにメンチカツを追加すれば良かったか)
コニー「ほらメンチカツ半分やるよ、今度うどん屋に連れてってくれよな」ヒョイ
ジャン「コニィ……」ジーン
ザクッ
156 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:28:46 ID:OwVLpQHc
ジャン(あぁ!ザクっとした食感!厚い衣に肉厚のタネ!ドロっとしたタレの味がまた濃い!)
ザクッザクッ
ジャン(このタレが白米の最高の味付けだ!衣のザックリ感と、柔らかい米!この組み合わせに勝るものは無い!)
ジャン(味が濃いから、汁物が欲しくなる。味の薄いコンソメスープを飲む!)ゴクリ
157 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:29:36 ID:OwVLpQHc
ジャン(ちょっとだけ盛られた、付け合せのきゅうりの塩漬け)ポリポリ
ハァ
ジャン「たらふく喰ったな。完全無双って感じだ」
マルコ「明日への活力を補給した気になるね」
ジャン「あぁ、また戦える!」
コニー「そうなのかー」モグモグ
158 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:30:27 ID:OwVLpQHc
~
ジャン「分からねえのが、リコ班長の移動方法だ」
マルコ「一瞬で、間合いを詰められたね」
コニー「いつの間にか、目の前にいたぞ」
マルコ「あれは、素早く移動するための技術、なんだろうね」
159 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:31:07 ID:OwVLpQHc
ジャン「技術か、そういえばアニがそんなこと言ってたな」
コニー「鹿みたいに速かったな」モグモグ
ジャン(アニに聞いてみるか? いや、一朝一夕で埋められる技術じゃないはずだ。
もっと他の手段でなければ、対抗できない。情報を集めなければ、打つ手も無いな。
アルミンなら何か策を出せるんだろうが……)
160 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:31:38 ID:OwVLpQHc
マルコ「そういえば、キッツ隊長を倒した人を探してるって言ってたね」
ジャン「キッツ隊長は強いのか?」
マルコ「強いよ、"小鹿"なんて二つ名だけど、それも本人が油断させるために流してるって話だし」
コニー「鹿肉も美味いよな」モグモグ
161 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:32:11 ID:OwVLpQHc
ジャン「リコ班長は、その倒した相手を探していた」
マルコ「隊長が倒されたとあっては、その相手によっては面目丸潰れになることもある。
自分が代わりに倒すことで、順位付けを避けるのが目的かな?」
ジャン「マルコも、その相手は知らないんだろう?」
マルコ「うん、そんな話は聞いていなかったから、驚いたよ」
162 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/21(日) 23:32:51 ID:OwVLpQHc
ジャン「簡単に俺たちに話したってことは、もう一部では知られた話なんだろうな」
マルコ「広まるのは時間の問題だったんだろうね」
ジャン「マルコも知らないとなると、他に知ってそうなのは……」
ジャン(特殊な、情報網か。聞いてみるしかないな)
(つづく)
166 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:22:31 ID:V.KxOL/E
~
調査兵団 詰め所
エルヴィン「やぁ、ジャンか」
ハンジ 「今日はミーナは一緒じゃないの?」
ジャン 「ミーナは秘密の特訓中だそうです」
167 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:23:07 ID:V.KxOL/E
リヴァイ 「食い物持ってきた、訳じゃなさそうだな」
ジャン 「お願いがあってきました」
ハンジ 「いいよー」オッケー
エルヴィン「せめて、内容を聞いてからにしろ」
168 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:23:43 ID:V.KxOL/E
ジャン 「駐屯兵団のキッツ隊長を倒した餓狼を探しています」
リヴァイ 「?」
ハンジ 「?」
エルヴィン「?」
169 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:24:42 ID:V.KxOL/E
ジャン 「え、あれ? もしかして、知らなかったんですか?」
ハンジ 「いや、知ってたけど」
エルヴィン「むしろ、君が知らなかったのか」
リヴァイ 「もう少し、コミュニケーション能力を身に着けろ」
170 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:25:14 ID:V.KxOL/E
ハンジ 「リヴァイにだけは言われたくないよね」プークスクス
リヴァイ 「黙れ、クソメガネ」
エルヴィン「いや、済まない。キッツ隊長を倒した話は知っている。
訓練兵団の中にいると聞いたよ」
171 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:25:58 ID:V.KxOL/E
ジャン 「え、そうなんですか?」
ハンジ 「うちの隊員が付き合いがある子みたい」
リヴァイ 「確か、時限爆弾みたいな名前の奴だ」
ジャン 「サシャか……」
172 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:26:41 ID:V.KxOL/E
ジャン (ということは、大猪の時に、食い破ったってだけか?
攻撃力だけなら、ズバ抜けてるからな。納得いく話だ)
ハンジ 「その子がどうかしたの?」
ジャン 「いえ、そいつが何かって訳じゃないんですけど」
リヴァイ 「……話してみろ」
173 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:27:18 ID:V.KxOL/E
ジャン 「この間、キッツ隊長の部下の人に、手酷くやられちゃったんで、
もしかしたら、キッツ隊長を倒した人の情報があれば、何とかなるかも、と」
エルヴィン「随分、遠回りな道を歩いているようだな」
ハンジ 「ジャンが強くなればいいじゃない」
174 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:28:15 ID:V.KxOL/E
ジャン 「何か、特殊な技を使う人だったので、短期間で実力が上回るのは難しいかと思いまして」
リヴァイ 「特殊な……? どんなのだ」
ジャン 「一瞬で間合いを詰める移動です」
ウォールシーナ
ハンジ 「あー、あの娘だね。"絶壁の乙女"」
175 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:28:59 ID:V.KxOL/E
リヴァイ 「お前、あの女に負けたのか」
ジャン 「済みません……」
ハンジ 「まぁ、強いよね」
リヴァイ 「速いだけだ、力は弱い」
176 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:30:07 ID:V.KxOL/E
ジャン 「二つ名には、どんな云われがあるんですか?」
エルヴィン「いや、それは、私の口からは言えないな」チラッ
リヴァイ 「俺を見るな、大した理由じゃねえ」チラッ
ハンジ 「ウォール・シーナが、一番小さい壁だからだよ」
177 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:30:41 ID:V.KxOL/E
ジャン 「あー……だから怒ったのか」
リヴァイ 「お前、そのネタで怒らせたのか。恐い物無しだな」
エルヴィン「地位があったら、セクハラで訴えられるからな、気をつけるんだ」
ハンジ 「偉いおっさんが二人も揃って、情け無いよねー」アハハ
178 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:31:23 ID:V.KxOL/E
ジャン 「うーん、打つ手が無くなっちゃいましたね」
リヴァイ 「簡単だろう、勝てば良い」
ジャン 「あの速さに対応するのは……」
リヴァイ 「俺が最初に教えてやったことを忘れたのか?」
179 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:36:46 ID:V.KxOL/E
ジャン 「確か……"正面から迎え撃つ必要は無い"ですよね」
リヴァイ 「覚えてるなら、実行しろ。それだけだ」
ジャン 「そうは言っても……実際、一瞬で間合いを詰められると、何も出来ないですよ」
リヴァイ 「ジャン、お前の武器は何だ?」
180 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:37:16 ID:V.KxOL/E
ジャン 「え、俺の武器?」
ジャン (変身できるわけでも無いし、コニーみたいに打たれ強くもない、
ミカサは単純に強い、アルミンは戦術で突き抜けている)
ジャン 「……特出した物は無いです」
181 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:38:24 ID:V.KxOL/E
リヴァイ 「そうか、まだ気づいてないのか」
エルヴィン「君は素晴らしい資質を持っている」
ジャン 「え、それって何ですか?」
リヴァイ 「自分で考えろ」
182 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:38:55 ID:V.KxOL/E
ハンジ 「他の人は、みんな気づいているよ」
エルヴィン「誰かに聞かなくても、その力を既に使っているはずだ」
リヴァイ 「そういうことだ」
ジャン 「……考えて見ます」
ジャン (そういえば、リコ班長に言われたな。……これか?)
183 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:39:44 ID:V.KxOL/E
~
訓練所
アニ 「じゃあ今日も、昨日の繰り返しで」
ミーナ「地面に丸描いて、グルグル歩くだけ?」
アニ 「そう」
ミーナ「わかったよ……」シブシブ
184 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:40:16 ID:V.KxOL/E
ミーナ「ねぇ、アニ。これは、あとどれくらい続ければ良いの?」グルグル
アニ 「ずっとだよ」
ミーナ「ずっとって、どれくらい?」
アニ 「ずっと。ミーナがいつか死ぬまで」
185 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:40:51 ID:V.KxOL/E
ミーナ「えー、そんなにー?」
アニ 「鍛錬っていうのは、そういうものなんだよ」
ミーナ「確かに、これ始めてから、前より健康になった気はするけどさー」
アニ 「続けることが大事なの」
186 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:41:21 ID:V.KxOL/E
ミーナ「初日に歩き方を教わって、それから同じことの繰り返しだよ。
こんなので、本当に強くなるのかぁ……」
アニ 「ならないよ?」
ミーナ「え?」
アニ 「強くは、ならないよ」
187 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:41:54 ID:V.KxOL/E
ミーナ「じゃあ、何で私、こんなことしてるの?」グルグル
アニ 「強いとか弱いとか、それ以前の問題だから」
ミーナ「それはつまり、今の私の強さは、お話にならない。ってこと?」
アニ 「今のミーナは、そこそこ強いんじゃないかな」
188 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:42:24 ID:V.KxOL/E
ミーナ「ごめん、意味が分からない」
アニ 「ずっと一人で半額弁当を獲ってきたんでしょう?」
ミーナ「大体、ジャンと一緒だったけどね」
アニ 「それなら、強いんだよ」
189 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:42:57 ID:V.KxOL/E
ミーナ「えーと、これは、ゼンモンドーって奴?」
アニ 「違うけど、そう思うなら、それでもいいよ」
ミーナ「うーん、分からん……」
アニ 「足止まってるよ」
190 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:43:27 ID:V.KxOL/E
ミーナ「レオンハート教官は厳しいなぁ」グルグル
アニ 「諦めずに続けてるから、ミーナは大丈夫」
ミーナ「いつか、アニみたいになれる?」
アニ 「体の動きのことを言ってるなら、出来るだろうね」
191 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:44:00 ID:V.KxOL/E
ミーナ「それなら頑張りますかぁ」グルグル
アニ 「足の運びが雑になってるよ」
ミーナ「うひぃ」
アニ 「正しい動きを覚えないと、意味無いからね」
192 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:44:30 ID:V.KxOL/E
ミーナ「もう、何が正しいのか解らなくなって来たね」グルグル
アニ 「終わったら、今日は、一緒にご飯に行こうか」
ミーナ「本当!?アニから誘ってくれるのは初めてだぁ!」
アニ 「そうだっけ?」
193 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:45:04 ID:V.KxOL/E
ミーナ「そうだよ。いつも私から誘ってた」ブー
アニ 「ミーナ、足止まってる」
ミーナ「はーい」ニコニコ
194 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:45:42 ID:V.KxOL/E
~
らーめん シャッテンベルク
ミーナ「何かおしゃれな店だね」
アニ 「若い子も良く見るよ」
ミーナ「メニューは、無いの?」
アニ 「ここは鶏白湯麺しかないからね。
大盛りも出来るけど、普通でいいでしょう?」
195 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:46:13 ID:V.KxOL/E
ミーナ「とりぱいたん?」
アニ 「鶏がらを、スープが白くなるまで煮込んだスープのこと」
ミーナ「へぇ、鶏がらの味かぁ」
アニ 「まぁ、食べてみなよ」
196 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:47:28 ID:V.KxOL/E
ミーナ「レタスと水菜、ほぐした鶏肉とゆで卵が入ってるね。サラダみたい」
アニ 「レモンが添えてあるけど、後から入れたほうが良いよ」
ミーナ「じゃあ、頂きます」
ズズズ
197 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:47:59 ID:V.KxOL/E
ミーナ(スープが乳白色でトロっとしてる、結構濃厚だ!
鶏がらを白くなるまで煮込むって言ってたから、
このトロっとする成分が色々、出てるのかな。
麺もいってみよう)
チュルチュル
198 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:48:56 ID:V.KxOL/E
ミーナ(凄くもっちりとした麺だ、トロトロのスープに良く絡んでる。
スープは濃いけど、煮詰めた肉の臭みは全然無いし、
食感はとろっとしてるのに、後味がサッパリしてて不思議!)
チュルチュル
モグモグ
199 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:49:37 ID:V.KxOL/E
ミーナ(はっ!……つい黙々を食べてしまった。レタスはどんな感じなのかな?)
パリパリ
ミーナ(レタスに水気があって、パリっとしてて美味しい!
スープが濃いから、サッパリしたレタスが良く合うんだ!
ラーメンにつき物のチャーシューは無いけど、代わりに鶏肉をほぐしたのが入ってる)
200 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:50:23 ID:V.KxOL/E
モグモグ
ミーナ(これもサッパリしてる!スープの味付けだけで、肉の旨味が増すんだ!
きっと、スープがメインで、他の具材はそれを引き立てるものなんだね。
スープに飽きさせない為の、色々な工夫なのかな)
モグモグ
201 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:51:36 ID:V.KxOL/E
ミーナ(半分に切ったゆで卵が2個。こういうのも親子丼って言うのかな?
うーん、半熟の黄身に味が良く染み込んでる。美味しい。
水菜もレタスとは違った、シャキシャキの食感で口が嬉しいね)
パクパク
シャキシャキ
202 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:52:31 ID:V.KxOL/E
ミーナ(そろそろ、レモンを入れちゃおう)
ギュッ、プシュ
ポタポタ
ミーナ(おぉ、レモンの飛沫が香る!これを良く混ぜて、麺を食べてみる)
チュルチュル
203 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:53:03 ID:V.KxOL/E
ミーナ(酸っぱい! と言うほど酸っぱくもないけど、確かにレモンの酸味が感じられるね!
スープの味も変わった気がする、前よりもずっとあっさりしてる)
チュルチュル
ミーナ(あっ、黒胡椒が効いてたんだ。レモン汁で際立って、いま気づいたよ!
それに、底のほうにオニオンチップが入ってて、パリパリした食感が最後まで飽きさせない!)
ズズズ
204 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:53:37 ID:V.KxOL/E
アニ 「ミーナ待った。スープを飲んじゃいけないよ」
ミーナ「え、何で?」
アニ 「これを入れるの」
ミーナ「小皿に盛られたご飯だね」
205 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:54:21 ID:V.KxOL/E
アニ 「スープの中に落として、よく米にスープを吸わせるんだ」
ミーナ「なるほど」
アニ 「元からトロトロのスープだけど、さらにトローっとしてくるだろう?」
ミーナ「おおっ、確かに」
206 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:54:54 ID:V.KxOL/E
アニ 「これで、食べるんだ」
ミーナ「おぉ、これは、なんとも、美味し」スルスル
アニ 「麺を食べた後でも、すんなり胃に入っていく」スルスル
ミーナ「スープをそのままなら、全部飲みきれなかったけど、
ご飯が入るだけで、いくらでも食べれちゃうね」
207 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:55:45 ID:V.KxOL/E
アニ 「但し、あとで太るけどね」
ミーナ「……え?」
アニ 「明日も、鍛錬するんでしょう?」
ミーナ「モ、モッチロンダー」トホホ
208 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/23(火) 00:56:46 ID:V.KxOL/E
アニ 「じゃあ、大丈夫だよ」
ミーナ「うぅ、今更退けない!食べつくしてやる!畜生、美味しいなぁ!」スルスル
アニ 「まぁ、私は太らない体質だけどね」スルスル
ミーナ「この裏切り者がぁ!!」
アニ 「え!?チ、チガウヨ?」ビクン
(つづく)
212 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:06:33 ID:n5kn0MT.
~
調査兵団 詰め所
リヴァイ 「日が決まった」
ジャン 「プレオープンですね」
ミーナ 「すぐなんですか?」
ハンジ 「調度、君達の次の休暇日だ」
213 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:07:04 ID:n5kn0MT.
ジャン 「随分、都合がいいですね」
ハンジ 「訓練兵は、お腹を空かせた上客だからね。合わせてきたんだよ」
ミーナ 「半額弁当しか買わないのに、いいんでしょうか?」
エルヴィン「争奪戦も、また市場の華だからな」
214 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:07:54 ID:n5kn0MT.
リヴァイ 「今回は、俺たちも参加する」
ミーナ 「あれ、忙しかったんじゃ?」
エルヴィン「また巨人が増えてきた、動きが全く読めない。一旦様子を見ることになった」
ハンジ 「私は、早く壁外調査に行きたいんだけどね」
215 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:08:29 ID:n5kn0MT.
ジャン 「それじゃあ、久しぶりに一緒に行けるんですね」
ミーナ 「楽しみです!」
リヴァイ 「先に言っておくが、調査兵団の団員同士は、戦ってはいけないという掟がある」
ハンジ 「もし、君たちが他の団員と戦っていても、手助けは出来ないよ」
ミーナ 「はい、自分で何とかします!」
216 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:09:11 ID:n5kn0MT.
~
休暇日
トロスト・マム
ミーナ「内装が綺麗になってる。あとは、対面販売の屋台みたいのが増えてるね」
ジャン「いつでも作りたてのおかずが買えるんだな」
ミーナ「良い匂い。美味しそうだなぁ」
ジャン「弁当売り場は、そんなに変わってないな」
217 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:09:47 ID:n5kn0MT.
ジャン「」チラッ
ミーナ「」チラッ
ミーナ(え?お弁当が一個しかない!?)
"激ヤス豚肉弁当"
ミーナ(激ヤス・ブタ肉?
ハンジさん、いっぱい出るって言ってたのに、
読みが外れちゃったのかな?)
218 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:10:24 ID:n5kn0MT.
ハンジ 「やぁ、ミーナ。お弁当は見たかい?」
リヴァイ「それも激安弁当だ。量が少ねえ」
ミーナ 「でも、あれはあれで美味しそうだし……」
ジャン 「誰か売り場にいます」
219 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:11:10 ID:n5kn0MT.
リヴァイ「餓狼か?」
ハンジ 「いや、ただの買い物客だ」
ジャン 「弁当を……持って、買って行った……」
ミーナ 「え、あれ? お弁当、なくなっちゃった……」
220 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:11:40 ID:n5kn0MT.
ハンジ 「全部、売れちゃったね」
ミーナ 「ねえ、ジャン。どうするの?他のお店に行く?」
ジャン 「普通に考えたら、早く違う店に移動するべきだな」
ミーナ 「他の餓狼も、皆市場から出て行ってるし……」
221 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:12:17 ID:n5kn0MT.
ジャン 「ミーナ、お前はどう思う」
ミーナ 「私は……まだ、ここに居たほうがいい気がする。
理由は分からないんだけど、そう思う」
ジャン 「俺もな、腹の虫が、ここにはまだ美味い物の匂いがするって鳴いてるんだ」グゥ
222 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:12:50 ID:n5kn0MT.
リヴァイ「よく分かってるじゃねえか」
ハンジ 「今日という日に、半額弁当が無いなんて、マダムが下手を踏むはずがないよ」
ミーナ 「じゃあ、これは……」
ジャン 「わざと、売切れさせたってことですか?」
223 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:13:20 ID:n5kn0MT.
リヴァイ「そうだと思うが、確証はねえ」
ハンジ 「最後は、自分の腹の虫を信じるしかないんだよ」
ジャン 「それなら、何も問題はありませんよ」
ミーナ 「絶対に動くなって、鳴いてます」グゥ
224 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:14:05 ID:n5kn0MT.
~
ジャン 「入り口のほうの屋台、片付け始めてるな」
ミーナ 「うん」
リヴァイ「残ってる餓狼は、二つ名持ちばかりだ。お前らの同期もいるな」
ハンジ 「キース元団長、駐屯兵団の"壁"、オルオとペトラもいるよ」
ミーナ 「サシャは、"双頭の鷲"と一緒だね、知り合いだったんだ」
225 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:14:38 ID:n5kn0MT.
ジャン 「ミカサ達3人と、コニーとマルコ、クリスタとユミル」
ミーナ 「ベルトルトとライナーもいる。アニは一人だね」
ジャン 「あいつ等全員、何かあると信じて残っている」
ジャン 「不思議だな」グゥ
ミーナ 「うん、全然、腹の虫が収まらないよ」ギュルルル
226 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:15:14 ID:n5kn0MT.
~
バタン
ハンジ 「あ、マダムだ」
ジャン 「弁当無いのに、何しに来たんだ?」
ミーナ 「台車を押してますよ」
リヴァイ「おい、まさか……今から弁当を出すのか」
227 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:15:46 ID:n5kn0MT.
ハンジ 「頭のおかしいマッチョじゃないんだから、そんなことは……」
ジャン 「並べ終わって、戻っていきますよ」
ギィ
バタン
ミーナ (普段なら、この音で一気に駆け出すのに、誰も動かない)
228 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:16:24 ID:n5kn0MT.
リヴァイ「おい、弁当を見に行くぞ」
ジャン 「は、はい」
ハンジ 「どういうことなんだろう、何のお弁当なんだ?」
ミーナ (お弁当は、2個ずつ4種類、計8個)
"爆弾コロッケ弁当"
"炭火焼き鳥重"
"モモ焼き親子丼"
"黒酢豚と黒胡椒炒飯弁当"
229 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:16:58 ID:n5kn0MT.
ミーナ (クロ・ス・ブタ? どんなのだろう?)
ハンジ 「そうか。さっき下げた、屋台のおかずで、お弁当を作ったんだ」
ミーナ 「それなら確かに、半額になるかもしれないですね」
リヴァイ「俺は、焼き鳥だ」
ハンジ 「親子丼だね」
ジャン 「コロッケです」
ミーナ 「私は、酢豚にします」
230 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:17:38 ID:n5kn0MT.
ジャン 「俺もちょっと気になった。黒い酢豚ってのは食べたことが無い」
リヴァイ「恐らく黒酢を使っているんだろう」
ハンジ 「黒酢は、普通の酢よりも薫り高くてコクがあるんだ」
ミーナ 「聞いたら、なおさらお腹が減ってきました」グゥゥ
231 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:18:54 ID:n5kn0MT.
ジャン 「でも、黒酢豚なんて、屋台にありましたか?」
ハンジ 「爆弾コロッケも、売ってなかったね」
リヴァイ「焼き鳥はあったな」
ミーナ 「ただのモモ焼きなら、売ってましたよ」
ジャン 「つまり、屋台の売れ残りを、そのままつめるだけじゃなく、
弁当用に、一手間加えて、作り直しているんだ」
リヴァイ「焼き鳥は、串を抜いて飯の上に乗せたのか」
ジャン 「モモ焼きは、卵で閉じて親子丼にしたんですね」
232 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:19:33 ID:n5kn0MT.
ハンジ 「爆弾コロッケは、残った種をふんだんに使って、巨大なコロッケにしたんだ」
ミーナ 「酢豚は?」
ジャン 「豚肉の何かを使ったんだろう。角煮とか」
ミーナ 「想像するだけも、唾液が止まらない」ダラー
233 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:20:05 ID:n5kn0MT.
バタン
ハンジ 「マダムだ」
ジャン 「さっき弁当を並べたばかりですよ」
リヴァイ「だからこそ、大盤振る舞いなんだろう」
ハンジ 「プレオープンだから、短縮営業なんだ。一気に半額になるよ」
234 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:20:43 ID:n5kn0MT.
ミーナ 「こんなことされちゃったら、暫く通いたくなりますよ」
ハンジ 「それも狙いなのかもね」ハハハ
リヴァイ「お前ら、始まるぞ」
ギィ
バタン
235 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:21:30 ID:n5kn0MT.
ゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ミーナ 「駆ける迫力が違う!」
マルコ 「コニー、行くよ!」
コニー 「ん? おお! もういいのか!」
236 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:22:30 ID:n5kn0MT.
ユミル 「クリスタ、飛べるか?」
クリスタ「任せて!」
パパァッ
アルミン「いくよ、エレン、ミカサ!」
ミカサ 「最後まで、守る!」
エレン 「最初からクライマックスだ!」
カッ
237 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:23:10 ID:n5kn0MT.
ライナー 「ベルトルト、獲って納めるぞ…絶対に、俺達の胃袋にな」
ベルトルト「あぁ…! 食べよう!!」
カッ
オルオ 「サシャ、やっちまえ!」
ペトラ 「目覚めるのよ!伝説の超サシヤ人!」
サシャ 「そんなに便利に覚醒できないです!」
238 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 00:23:40 ID:n5kn0MT.
リコ 「綺麗に掃除してやる!」
キース 「教え子が最高の"勝利の一味"となるならば、
教官冥利に尽きる!かかってくるが良い!」
(つづく)
241 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:23:51 ID:n5kn0MT.
リヴァイ 「先に行くぞ」ダッ
ハンジ 「じゃあ、後でね」ダダッ
ジャン 「ハンジさんの走り方、気持ち悪くないな」
ミーナ 「"奇行種"の時が印象に残りすぎて、普通のだと違和感があるね」
242 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:24:24 ID:n5kn0MT.
~
キース VS エレン、ミカサ、アルミン
アルミン「"闇騎士"ならキース教官にも勝てる!」
エレン 「うぉおおおおおおおッ」
キース 「"闇騎士"か、誰が名づけた?」ギロリ
アルミン「僕がつけました!」
キース 「そうか、アホみてぇな名前だな」
アルミン「」
243 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:25:24 ID:n5kn0MT.
ミカサ 「エレン!アルミンの心が折れそう!」
エレン 「力だけなら、教官にだって負けるかぁ!」
キース 「単調だ」ヒョイ
エレン 「避けられた…!」
ミース 「相手を良く見ろ、力に頼りすぎだ」
エレン 「良く見る……」
244 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:25:56 ID:n5kn0MT.
ミカサ 「……! エレン、ダメ!」
キース 「もう遅い」ギラッ
エレン 「ぐっ……何だ?目に何か!?」
キース 「単調なのは、頭もだな」ガッ
ミカサ 「させない!エレンは、私が守る!」ガッ
245 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:26:43 ID:n5kn0MT.
キース 「流石は、アッカーマンだ。一人だけなら危うかったろう」
ミカサ 「2人でも変わらない!」
キース 「3人でもか?」
アルミン「うぅ……」
ミカサ 「アルミンッ。頭を掴んで、持ち上げるなんて……」
246 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:27:15 ID:n5kn0MT.
エレン 「アルミンを離せ!」
ミカサ 「エレン、目は大丈夫!?」
エレン 「あぁ、何か入ったけど、問題ない」
アルミン「っ、二人とも!キース教官を見ちゃダメだっ!」
キース 「気づいたか、だが喋りすぎだな」ブン
アルミン「げほっ」ガクン
247 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:27:49 ID:n5kn0MT.
エレン 「アルミン!」
キース 「人の心配をする余裕はあるまい」ガッ
エレン 「よくもアルミンを!」バシ
キース 「憎いか、ならば目に焼きつけよ!」ギラッ
エレン 「ぐっ……」
キース 「眠りに落ちろ」ブン
エレン 「がはっ」
248 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:28:21 ID:n5kn0MT.
ミカサ 「エレン……!」
キース 「貴様も夢の中に行くと良い、二人が待っているぞ」
ミカサ 「やっと解った、その目潰しの正体」
キース 「少し、使いすぎたか。だが、気づいたところで、どうにもなるまい」
ミカサ 「どうとでもなる!」グッ
249 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:28:54 ID:n5kn0MT.
キース 「阿呆が。自ら目を瞑ったのでは、同じことだろう」ブン
ミカサ 「言った筈。どうとでもなる」ヒョイ
キース 「……避けた、だと? 偶然では無いな」
ミカサ 「貴方の目潰しは、禿頭に照明を反射させて、眼球に当てるだけの技。
それを自然にやってのけるから、目に光が入るまで気づかない。
ので、初めから目を塞ぎ、音と気配で判断し、行動する」
250 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:29:25 ID:n5kn0MT.
キース 「そんな芸当が出来るのは、貴様だけだろうな!」フン
ミカサ 「貴方を倒し…かはっ」カクン
リヴァイ「戦闘中に目を瞑る馬鹿がいるか」
キース 「天井から勢いをつけて高速落下してきたのか……音と気配では避けられんな」
251 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:29:57 ID:n5kn0MT.
リヴァイ「元団長が掟に含まれるか分からんが、俺が戦う必要は無さそうだ」タッ
キース 「追いかけても、無駄か。……貴様らは、どうする」
ミーナ 「お腹がすいたので、倒させてもらいます!」
アニ 「……」
キース 「カロライナ、以前と同じでは無いようだな。
それに、レオンハート、貴様も挑むか。面白い!」
252 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:30:35 ID:n5kn0MT.
~
ライナー、ベルトルト VS サシャ、ペトラ、オルオ
オルオ 「ただの勘だが、お前らは倒さなきゃならねえ気がする」
ライナー 「お手柔らかに、お願いしますよ!」
ペトラ 「貴方、大きいんだから、少しくらい削ってもいいでしょう?」
ベルトルト「止めて貰えますか……」ハハハ
サシャ 「私もいますよ!」
253 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:31:07 ID:n5kn0MT.
ライナー 「調査兵団は精鋭だ!サシャから潰すぞ!」
ベルトルト「"大猪"になる前にね!」
オルオ 「お前、もてないだろう?」ガス
ライナー 「何でそれを!?」ビシ
オルオ 「解るさ、いきなり女を狙う、半端な糞野郎だからな!」ゴス
254 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:31:45 ID:n5kn0MT.
ペトラ 「私も、放っておかないでよねっ」ガシィ
ベルトルト 「くっ、これが調査兵団の精鋭!強い!」ビシ
ペトラ・ラル「オルオとは違うのよ、オルオとは!」
サシャ (お腹すいた……)グゥ
255 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:32:22 ID:n5kn0MT.
ライナー 「変身した俺たちと、互角以上に渡り合うなんてな!」
オルオ 「腰を抜かしたか、訓練兵め。お前達が、俺のゲヒィッ」
ライナー 「うお、自分で舌噛んだぞ」
ペトラ 「あの馬鹿、戦ってる最中にペラペラ喋るから!」チラッ
ベルトルト「よそ見は危ないですよ!」ガッ
ペトラ 「キャアッ!」
256 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:32:54 ID:n5kn0MT.
オルオ 「クソ、汚い真似しやがって」
ペトラ 「あんたのは自業自得よ」
ライナー 「勝負は時の運っていいますからね!」
ベルトルト「諦めてください!」
257 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:33:25 ID:n5kn0MT.
「パァン」
ベルトルト「」ビクン
ライナー 「」ビクン
ベルトルト「"大猪"だ!」クルッ
ライナー 「食われるぞ!気をつけろ!」キョロキョロ
258 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:34:31 ID:n5kn0MT.
サシャ 「そんなに、似てましたか?」
ベルトルト「え?」
ライナー 「騙され……っ!」
ペトラ 「なるほどね」ガッ
オルオ 「染み付いた恐怖には、抗えないな」ガッ
サシャ 「……パァン」ドヤァ
259 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:35:15 ID:n5kn0MT.
~
ユミル、クリスタ VS ハンジ
ユミル 「調査兵団の分隊長だろうと!クリスタの美しさには勝てない!」
クリスタ 「ユミル、飛ぶよ!」ダッ
ユミル 「飛び上がったクリスタに目を奪われた、その一瞬。
頭上からの攻撃を避ける術は無い!」
ハンジ 「?」ヒョイ
クリスタ 「きゃぁ!」ベチャ
260 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:35:48 ID:n5kn0MT.
ユミル 「……何でだ?」
クリスタ 「私、何か失敗した!?」
ユミル 「いいや、クリスタは完璧だ!綺麗で美しかった!」
ハンジ 「あぁ、そういうことか」
261 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:36:21 ID:n5kn0MT.
クリスタ 「ユミル、何か恐い」
ユミル 「大丈夫だ、私がいる!」
ハンジ 「私の気を惹きたかったらね。あと3mは大きくならなくちゃ」ニタァ
ユミル 「」ゾクッ
クリスタ 「」ビクゥ
262 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:36:53 ID:n5kn0MT.
~
リコ VS ジャン、コニー、マルコ
リコ 「またお前らか」チッ
ジャン「コニー・ボットーと不死鳥の騎士団です」ニヤ
リコ 「何故かイライラする」ガツ
コニー「プロテゴッ」ガクン
263 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:37:29 ID:n5kn0MT.
マルコ「コニィイイイイ!」
リコ 「どうせ、また起き上がるんだろう?」
コニー「あー、痛かった」ヒョコ
リコ 「お前らは、本当に何なんだ?」
264 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:38:02 ID:n5kn0MT.
ジャン「コニー・ボットーと不死ちょ」
リコ 「それはもういい」イラ
マルコ「あれ? もしかして怒ってますか?」
コニー「なぁ、いま、どんな気持ちだ?」
リコ 「」イライラ
265 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:38:42 ID:n5kn0MT.
リコ 「痛い目に合いたいんだな、分かった」ヒュ
マルコ「ゲホォ」
リコ 「お前もだ」ヒュン
ジャン「ぐぅっ!」
リコ 「お前らは、そこの坊主頭ほど、頑丈じゃないだろう」
266 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:39:14 ID:n5kn0MT.
ジャン「言ったとおりだったろ?」ムクッ
マルコ「なるほどね」ムクッ
コニー「前よりは、痛くなかったよな」
リコ 「どういうことだ……?」
267 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:40:02 ID:n5kn0MT.
マルコ「高速移動は、精密な足運びの歩法によるものですね」
ジャン「だから、心が乱れれば精度も下がる」
コニー「そういうことらしいぞ!」
リコ 「……馬鹿共に仕組まれたのか。……自分が許せないな」
268 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:40:34 ID:n5kn0MT.
ジャン 「今なら、対応できない速さじゃない!」
リコ 「舐めるなよ、ガキ共」ヒュ
コニー 「」カクン
マルコ 「」カクン
269 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:41:04 ID:n5kn0MT.
リコ 「落ち着けば良いだけの話だ。実力は埋まらん」
ジャン 「やっぱり、スマートに勝つのは無理だな」ハハ
リコ 「……戯言を」
ジャン 「おい…お前ら…狙う弁当は何にするか決めたか?」
リコ 「あ?」
270 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:41:34 ID:n5kn0MT.
ジャン 「オレは決めたぞ…オレは………オレは、爆弾コロッケ弁当だ!」
コニー 「…奇遇だな、俺も狙ってた」ヒョコ
マルコ 「……本当に、気が合うね」ハハハ
リコ 「懲りない奴らだ」チッ
271 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:42:09 ID:n5kn0MT.
マルコ 「僕たちは、華麗に勝つことは出来ない」
ジャン 「だから、泥臭くて、ズルズルと諦めの悪い戦い方をするんだ」
コニー 「そういうことらしいぞ!」
リコ 「泥汚れなら、残らず落としてやる」
ジャン 「……いいや、残るね。但し、一人だけだ!」
リコ VS ジャン VS コニー VS マルコ
272 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:43:01 ID:n5kn0MT.
~
ハンジ 「無事に、親子丼を手に入れたよ。リヴァイは?」
リヴァイ「問題ない」
ハンジ 「あの二人は、大丈夫かなぁ。
2対1とは言え、ミーナは元団長と戦ってるし、
ジャンなんか、4人でバトルロイヤルしてるよ」
リヴァイ「見てる限り、問題ねえ」
273 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:43:31 ID:n5kn0MT.
ハンジ 「リヴァイがそういうなら、大丈夫かな」
リヴァイ「」チッ
"爆弾コロッケ弁当"
"炭火焼き鳥重"
・リヴァイ
"モモ焼き親子丼"
・ハンジ
"黒酢豚と黒胡椒炒飯弁当"
残り、6個
274 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:44:11 ID:n5kn0MT.
~
ライナー 「変身していなければ、終わっていたな!」
ベルトルト「ライナーは、鎧があるから、まだマシだよ」
オルオ 「こいつら、タフだな……」チッ
ペトラ 「後輩に、格好悪いところ見せられないでしょう!」
275 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:44:46 ID:n5kn0MT.
ライナー 「3人まとめて、体当たりでぶっ飛ばす!」
ベルトルト「全力で、蹴り飛ばすよ!」
ペトラ 「オルオ、あれ防げる?」
オルオ 「無茶言うな、避けるぞ!」
276 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:45:25 ID:n5kn0MT.
ライナー 「あの美味そうなコロッケは、俺が貰う!」
サシャ 「……か?」
オルオ 「サシャ、避けろ!」
サシャ 「それは!爆弾コロッケ弁当のことですか!?」バシュン
277 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:45:56 ID:n5kn0MT.
シュイン シュイン
ライナー 「体当たりが弾かれた!?何だこれ、聞いてねぇぞ」
ベルトルト「サシャが、光に包まれてる……」
ペトラ 「純粋な食欲を持ったサシャが激しい空腹により目覚める、超サシヤ人よ」
サシャ 「お弁当は、渡しませんよ」ヒュン
278 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:47:07 ID:n5kn0MT.
ガガッ
ライナー 「」
ベルトルト「」
オルオ 「一撃でKOか。安定すればリヴァイ兵長にも匹敵するかもしれん」
ペトラ 「流石に、そこまでは強くないわよ」ウフフ
サシャ 「コロッケベントー!」ダダダ
残り、3個
279 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:47:41 ID:n5kn0MT.
~
ジャン 「まだ立つか?不死鳥」
マルコ 「火をつけたのは、君だろう?」
リコ 「あぁもう、この馬鹿、キリが無い!」
コニー 「すっげぇ、痛ぇ」
280 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:48:16 ID:n5kn0MT.
リコ 「いい加減、腹の虫の加護も薄れてくる!終わりにしてやる!」ガッ
マルコ 「リコ班長こそ、加護が薄れてますよ」バシン
リコ 「がはっ」
コニー 「腹減ったぞ!」ガツン
リコ 「ぐぅっ!」
281 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:49:08 ID:n5kn0MT.
ジャン 「これで、最後だ!」ガシッ
リコ 「っ……」バタン
コニー 「やっと、一人減ったな」
マルコ 「さぁ、決着をつけようか」
ジャン 「そうだな、いい加減、腹が減った」グゥ
282 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:49:40 ID:n5kn0MT.
コニー 「だらああああああああ」
マルコ 「うおおおおおおおおお」
ジャン 「だああああああああああ」
バコッ
ベキッ
ドカッ
283 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:50:13 ID:n5kn0MT.
コニー 「ジャン、お前、随分と面の皮が厚いじゃねえか」
マルコ 「まさか、まだ腹の虫の加護が……?」
ガス
ジャン 「"腹の虫"の温存だけは、得意なんでな」ニヤ
コニー 「」ガクッ
マルコ 「」バタン
284 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:50:43 ID:n5kn0MT.
リコ 「ぐっ……」
ジャン 「リコ班長も大概、丈夫ですね」
リコ 「もう立てないよ、私の負けだ」
ジャン 「そりゃあ、良かった。俺も限界なんで」
285 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:51:20 ID:n5kn0MT.
マインスイーパー
リコ 「貴様に"地雷原走者"は不適切だったな。付け直してやる」
ジャン 「本当ですか?」
ピュロマーネ
リコ 「お目の二つ名は、"赤馬"だ」
ピュロマーネ
ジャン 「"放火狂"とは、随分ですね」
リコ 「誰彼構わずに火をつけて廻る、迷惑な奴だからな。それに、馬面だ」
ジャン 「……ほっといてください」
286 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:51:51 ID:n5kn0MT.
"爆弾コロッケ弁当"
・サシャ、ジャン
"炭火焼き鳥重"
・リヴァイ、オルオ
"モモ焼き親子丼"
・ハンジ
"黒酢豚と黒胡椒炒飯弁当"
・ペトラ
残り、2個
287 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:52:25 ID:n5kn0MT.
~
キース「良くやった、と言うべきだろうな」
アニ 「くっ……」
ミーナ「……」
アニ 「こうなったら、相打ち覚悟で……」
288 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:52:58 ID:n5kn0MT.
ミーナ「アニ、私に賭けてみる気は無い?」
アニ 「……内容次第だね」
ミーナ「まだ変身できる?」
アニ 「ギリギリかな。大体、変身してもネコは……」
289 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:53:36 ID:n5kn0MT.
ミーナ「多分、ネコちゃんは来るよ」
アニ 「何で、そう言えるの?」
ミーナ「女の勘?」
アニ 「分かったよ……来なかったら、許さないからね」
290 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:54:11 ID:n5kn0MT.
キース「話し合いは済んだか?」
ミーナ「バッチリです」
アニ 「じゃあ、行くよ!」
カッ
キース「この期に及んで、変身して何になる!」
291 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:54:42 ID:n5kn0MT.
アニ『ニャアアアアアアア』
ニャア、ニャア、ニャア、ニャア、ニャア、ニャア
ニャア、ニャア、ニャア、ニャア
ニャア、ニャア
アニ (本当に来た……!)
ミーナ「本当に来た!?」
アニ 「え?」
ミーナ「……いや、だから賭けって、言ったじゃない?」
292 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:55:22 ID:n5kn0MT.
キース「小賢しい!ネコが何匹いたところで!」チッ
ミーナ「そのネコ、巨人倒せますよ」
キース「それがどうしたああああ!」ブォン
アニ 「あぁっ、ネコちゃんが!」
293 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:55:58 ID:n5kn0MT.
キース「巨人ならば、壁外で数え切れぬほど、削いできた!恐れるに値しない!」
ミーナ「今のうちに、私が突っ込む!」ダダッ
アニ 「大声で言ったら、意味無いよ」ダッ
キース「安心しろ、二人とも夢に送ってやる!」
294 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:56:42 ID:n5kn0MT.
キース「巨人ならば、壁外で数え切れぬほど、削いできた!恐れるに値しない!」
ミーナ「今のうちに、私が突っ込む!」ダダッ
アニ 「大声で言ったら、意味無いよ」ダッ
キース「安心しろ、二人とも夢に送ってやる!」
295 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:57:19 ID:n5kn0MT.
ミーナ「」ソッ
キース「何も見えまい!」
ミーナ(もう、見る必要は無い。毎日、積み重ねた足の動きを再現する)
ミーナ(体の動き、全身の回転!私の体に当たる瞬間、全力で、受け流す!)
キース「眠れ!」ブォン
ミーナ「」キュル
キース「!?」
アニ 「!?」
296 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:58:06 ID:n5kn0MT.
ミーナ(キース教官の殴りつけたエネルギーが、私の体の回転力に変換されるっ!
この力を、そのまま叩きつける!)
バンッ
ミーナ「……あれ?……手ごたえが?」
キース「見事だった。だがゲボォ」
アニ 「教えてないのに、なんて事するんだ、アンタは」
ミーナ「あれ、どういうこと?」
297 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:58:40 ID:n5kn0MT.
アニ 「ろくに殴り方も鍛えてないんだから、そりゃあ防がれるよ」
ミーナ「あー、そっかー」
アニ 「でも、その隙に胃袋に肘を入れた。腹の虫の加護は、もう得られない」
キース「がふっ……!」
アニ 「!?」
ミーナ「!?」
298 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:59:26 ID:n5kn0MT.
キース「あまり、老体に鞭打つな。流石に、もう無理だ」
ミーナ「あぁ、良かった……」
キース「ミーナ・カロライナ。貴様は、話に聞いていた"アライグマ"では無いな」
ミーナ「やっぱり狸ですか?」シクシク
キース「そんなに可愛げがあるものか。存在するが、そこに居ない。
イルリヒト
殴ろうとも、決して触れられぬ"鬼火"よ」
ミーナ(カッコイイかも)
299 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 22:59:59 ID:n5kn0MT.
キース「もう行け、最後の弁当だ。勝者の栄光を手に入れるが良い」
ミーナ「はいっ、ありがとうございました!」
アニ 「……どうも」
"爆弾コロッケ弁当"
・サシャ、ジャン
"炭火焼き鳥重"
・リヴァイ、オルオ
"モモ焼き親子丼"
・ハンジ、アニ
"黒酢豚と黒胡椒炒飯弁当"
・ペトラ、ミーナ
完売御礼
300 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:00:39 ID:n5kn0MT.
ミーナ 「ねえ、アニも良かったら一緒にお弁当食べない?」
アニ 「ごめんなさい、ネコちゃ…ネコが帰ってきたから、久しぶりに一緒に過ごしたいんだ」
ミーナ 「あ、そうか。良かったね!」
アニ 「ミーナも、鍛錬の成果が出たじゃないか。避けるだけなら、一人前だよ」
ミーナ 「うん、アニのおかげだよ」
アニ 「また明日から、鍛錬だからね」
ミーナ 「……ハーイ」
アニ 「それじゃあね」クスクス
ミーナ (……可愛い)
301 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:01:24 ID:n5kn0MT.
ミーナ 「アニに振られちゃった」テヘ
ジャン 「何か、凄かったな」
ハンジ 「カッコよかったよ!」
リヴァイ「まあまあ、だ」
302 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:02:10 ID:n5kn0MT.
ミーナ 「今日のお弁当は、今までで一番、美味しい予感がする!」
リヴァイ「そろそろ伸びてた奴らが、目を覚まし始めたぞ」
ジャン 「あいつ等、揃い立って、飯食いに行くみたいだ」
ハンジ 「私たちも、戻ろうか」
303 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:02:46 ID:n5kn0MT.
~
調査兵団 詰め所
ハンジ 「全員、お弁当を獲れたことだし、まずは自分のを食べようか」
ジャン 「そうですね」
リヴァイ「構わん」
ミーナ 「それでは、頂きます!」
304 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:03:16 ID:n5kn0MT.
ミーナ(まだアツアツの黒胡椒の炒飯から。手にとると、かなり量が多かったね。
みんなで分けて食べると、丁度良いくらい)
パク
ハフハフ
ミーナ(うん、お米の一粒一粒がしっかり炒められてて、ちゃんとパラパラしてる。
卵もお米に絡んで、大きいダマになったりしてない。
それに黒胡椒のピリっと来る辛さ! 刻んだベーコンとも合ってて美味しい!)
305 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:03:47 ID:n5kn0MT.
モグモグ
ミーナ(グリーンピースとか人参なんて入ってると、甘くなるんだけど、
これはネギだけで、黒胡椒の辛味が堪能できる!
具が沢山入ってる炒飯もいいけど、おかずがあるならシンプルな方がいいね!)
ゴクン
306 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:04:20 ID:n5kn0MT.
ミーナ(はぁ、お米を食べると幸せになるねぇ。お腹の肉も幸せになっちゃうけど)
ミーナ(さぁ、次は本命。薫り立つ酸味、その中に微かに甘みがある。これが黒酢豚!)
カリッ
ミーナ(熱い!元は豚肉のから揚げだ!カリっとしてる!
程よい柔らかさ。グニグニした気持ち悪い食感じゃない!)
307 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:04:53 ID:n5kn0MT.
ホフホフ
ミーナ(お酢の酸味が強烈なのに、後味がマイルド。
元々から揚げで豚肉の味がしっかりしてるからかな。食べやすい)
モグモグ
ミーナ(黒酢がお肉の味を引き立てるね!普通の酢豚にはないコクがある!)
ホフゥ
308 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:05:25 ID:n5kn0MT.
ミーナ(胃の中に黒酢が通って落ちていくのが分かる。
黒胡椒で下の表面が痺れたさせるけど、黒酢は舌の内側に染みて
食欲を別角度で刺激してくる!辛味と酸味の相乗効果だ!)
モグモグ
ミーナ(黒酢で満たされたら、次は黒胡椒!ああ刺激的!鼻に汗かいちゃう!)
309 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:05:57 ID:n5kn0MT.
ハフハフ
ミーナ(マイルドな黒酢!大きめの玉ねぎも、より甘く、柔らかく!)
モグモグ
ミーナ(どんどん食べたくなる。食べれば食べるほど、次が欲しくなる。
何て危険な組み合わせ! 一度食べ始めたら、豚小屋一直線だ!
でも、構わない!美味しい!唾液が、あふれ出てくる!)
310 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:06:29 ID:n5kn0MT.
ハンジ「あの、ミーナ。なくなる前に、一口貰っても良いかな」
ミーナ「……はっ!」
ジャン「我を忘れるほど、美味いのか?」
ミーナ「正直、止まらんです……」
311 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:07:05 ID:n5kn0MT.
ハンジ 「では、一口だけ、頂きます」ハフハフ
ハンジ 「うんうん……」モグモグ
ハンジ 「……なるほど」ハフハフ
ハンジ 「………………」モグモグ
312 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:08:04 ID:n5kn0MT.
リヴァイ「クソメガネっ、手前ぇ何時まで食ってやがるっ!」
ハンジ 「……っは!」
ジャン 「ハンジさんまで、黒黒セットの餌食に」
ハンジ 「これはもうね、仕方ないよ」
ミーナ 「止まらないですよねぇ」
ジャン 「お、俺も貰うぞ……」
ミーナ 「どうぞどうぞ」
313 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:08:37 ID:n5kn0MT.
ジャン 「炒飯、ピリっとくるな」ハフハフ
ジャン 「おぉ、酢豚もコクのある薫りだ」モグモグ
ジャン 「炒飯のピリピリが堪らないな!」ハフハフ
ジャン 「酢豚!酸味が!口内を駆け巡る!」モグモグ
314 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:09:07 ID:n5kn0MT.
ハンジ 「ジャン、ストーップ!」
ジャン 「……っは!?」
リヴァイ「どいつもこいつも、食い意地が張ってやがる」
ミーナ 「いやぁ、でも、止まらなくなっちゃいますよ。
リヴァイ兵長、どうぞ、食べてみてください」
315 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:09:42 ID:n5kn0MT.
リヴァイ「自制心の問題だ。貰うぞ」パク
リヴァイ「……美味ぇな」ハフハフ
リヴァイ「……コクがある」モグモグ
リヴァイ「っ」グッ
316 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:10:28 ID:n5kn0MT.
ハンジ 「おおっ、自分で止まった!」
リヴァイ「っ……当然だ」フン
ミーナ (可愛いなぁ、この人たち)
317 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:11:14 ID:n5kn0MT.
ジャン 「ちょっと多めに食っちまったから、コロッケ半分やるよ」
ミーナ 「わぁ、ありがとう!」
リヴァイ「焼き鳥をやる。食え」
ミーナ 「頂きます!その、タレのついた、お米のところもお願いします!」
ジャン 「お前、段々遠慮が無くなってきたな」
318 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:11:46 ID:n5kn0MT.
ハンジ 「私の親子丼、分けにくいから、そのまま食べなよ」
ミーナ 「はい、頂きまーす!」
パク
ミーナ(卵のまろやかさと、モモ焼きの香ばしさが、口に入れた瞬間に広がる!
煙で燻されたみたいな独特の香り、肉のしっかりした噛み応え!)
319 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:12:28 ID:n5kn0MT.
クフフ
(噛み締めると、鶏の旨味が溢れて出てくる!
そこに半熟の卵が絡まって!くはぁ!美味しい!)
ウフフフ
ミーナ (さらに、ここに米が絡んじゃうんですか!?
あぁもう、これ顔が緩んじゃう味だなぁ!)
320 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:12:59 ID:n5kn0MT.
フゥ
ミーナ 「美味しかったです」ニコニコ
ハンジ 「つい、笑顔になっちゃうよね」ニコニコ
ミーナ (続いて、ジャンの爆弾コロッケ。超デカイ。大人の拳くらいある)
ザクッ
321 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:13:32 ID:n5kn0MT.
ミーナ (衣が厚い、中はひき肉がミッチリ!
何もタレが掛かってないのに、肉の下味だけで食べられる!)
ハフハフ
ミーナ (デカイから、まだ中が熱いままだ!舌をやけどする!
でも、この熱い脂が!口の中に飛び込んでくる熱が美味い!)
ハッフハッフ
322 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:14:17 ID:n5kn0MT.
ミーナ (衣はザックリ!中が灼熱!肉の臭みが一切無い!
旨味だけが熱と一緒に、口の中で暴れ回る!)
モグモグ
ミース (熱いの食べると、涙が出るね!
単純な味付けなのに、全然食べ飽きない!
これにタレをつけちゃダメなんだ!このままで。
揚げたてを食べるのが、一番美味しい!)
ハヒィ
323 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:14:50 ID:n5kn0MT.
ミーナ 「はふくへ、おいひかっは(熱くて、美味しかった)」グスン
ジャン 「ほら、水の飲めよ」ハハハ
ミーナ 「んぐっ。ありがとうっ」
ハァ
324 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:15:29 ID:n5kn0MT.
ミーナ (そして、リヴァイ兵長の焼き鳥)
パク
ホワーン
ミーナ (親子丼よりも、香りが強い! 燻製みたいな薫み!
それに、直火で炙られたお肉の表面が、カリっとしてて
中はジュワっと肉汁が閉じ込められてる!)
325 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:16:01 ID:n5kn0MT.
ジュルル
ミーナ (おぅふ!何か、辛いタレが掛かってる部分があるよ!
タレの味だけで飽きさせない、ピリ辛じゃなくて、
もっと舌を楽しませる深みのある辛さ!)
ジュワァ
ミーナ (唾液が!涎が次から次へと!止まらない!
タレと、辛味が混ぜ合わさる!唾液を呼び込む!
唾液と比例して旨味が増して、どんどん美味しく感じる!)
326 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:17:10 ID:n5kn0MT.
モグモグ
ミーナ (そして、お米!タレの染み込んだお米は、絶対正義!
味が同じタレなのに、お米に染み込んでるだけで、10倍の価値がある!
ほかほかのお米に、焼き鳥のタレ!タレの芳しさが、膨れ上がる!)
ハフゥ
327 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:17:40 ID:n5kn0MT.
ミーナ 「たまらないですね。
私、タレの染み込んだお米だったら、結婚しても良いです」
リヴァイ「俺は断る」
ハンジ 「ミーナは、本当に美味しそうに食べるねぇ」
ジャン 「あぁ、全く見てるほうが腹が減る」
リヴァイ「同感だ」
ミーナ 「えー、皆して酷いですよー」
328 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:18:14 ID:n5kn0MT.
~
ジャン 「そろそろ兵舎に戻るか」
ミーナ 「うんっ」
ハンジ 「二人に言って置かなきゃいけないことがあるんだ」
ミーナ 「え、何ですか?」
リヴァイ「お前ら、ここにもう来るな」
ジャン 「……え」
ミーナ 「何で、ですか?」ジワァ
ハンジ 「リヴァイ!もっと言い方があるでしょう!勘違いしちゃうよ!」
329 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:18:44 ID:n5kn0MT.
リヴァイ「お前らも。何だ。同期の奴らの付き合いとかあるだろう」チッ
ハンジ 「私達は、どうしても立場が上だからね。
誘ったら、訓練兵としては断れないじゃない?
今日も、君達の同期とお弁当食べたかもしれないのに……」
ミーナ 「……なんだぁ」ハァ
ジャン 「そんなことですか……」フゥ
330 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:19:24 ID:n5kn0MT.
ハンジ 「いや、これでも気にしてたんだよ?
リヴァイなんて、"いっそ調査兵団に入れt
リヴァイ「殺されてぇのか!?クソメガネ!!!!」
ハンジ 「ね?」
ジャン 「分かりました」ハハハ
331 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:20:14 ID:n5kn0MT.
ハンジ 「そうか、良かったよ」
ミーナ 「でも、これからも来ます」ニコニコ
ハンジ 「え、何で!?」
ジャン 「弁当食べてるミーナの顔が、無理やり来てるように見えましたか?」
332 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:21:35 ID:n5kn0MT.
リヴァイ「見えないな」
ハンジ 「見えないね」
ジャン 「じゃあ、それが理由です」
リヴァイ「そうか」
ハンジ 「なるほど」
ミーナ 「何で納得しちゃうんですかね。良いんですけど」
333 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:22:05 ID:n5kn0MT.
ジャン 「それに、俺達は同期だからこそ、ライバルなんです。
夕市で張り合うくらいが、かえって丁度良いんですよ」
ハンジ 「そう言われると、そうかもね」フーム
ミーナ 「一緒にご飯食べたいときは、ちゃんと食べてますし。
そんなに気にしてもらわなくても、大丈夫ですよ」フフフ
ハンジ 「そうか。ごめんね、変なこと言っちゃったみたいだ」
334 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:22:35 ID:n5kn0MT.
ミーナ 「いいえ、私達のこと考えてくれて、ありがとうございます」
ジャン 「リヴァイ兵長が、そんなに考えててくれてたなんて……」
ハンジ 「それはもう、凄かったよ。いつも以上に眉間にしわ寄せて」
リヴァイ「お前ら、さっさと帰れ。クソメガネは、帰ってくるな」
ジャン 「はい、失礼します」
ミーナ 「さようなら、また来ますね!」フフフ
ハンジ 「私は残るからね!」
335 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:23:23 ID:n5kn0MT.
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アニ・レオンハート
明日、ミーナとの鍛錬が終わったら、
違うラーメン屋に行こう、と考えながら
ネコに囲まれながら、弁当を食べる。
サシャ、オルオ、ペトラ
3人でお弁当を食べる約束を果たす。
336 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:23:53 ID:n5kn0MT.
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エレン・イェーガー
クリスタとユミルを誘って、うどん屋に行く。
アルミン・アルレルト
コニーをマルコに取られたことに関して、クリスタから説教される。
クリスタ・レンズ
激昂したミカサから手厚い折檻を受けた結果、新しい自分に目覚める。
ユミル
涙目で謝罪するクリスタを見て、新しい自分に目覚めそうになる。
ミカサ・アッカーマン
暫くの間、クリスタに付きまとわれるようになり、少し辟易する。
337 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:24:35 ID:n5kn0MT.
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コニー、マルコ
ライナーとベルトルトを誘って、スタミナ飯を食べに行く。
ライナー・ブラウン
女子に囲まれてうどん屋にいくエレンを見て、泣く。
ベルトルト・フーバー
号泣するライナーを見て、ちょっと引くが、
たまには馴れ合うのも良いか、と思ってしまう。
338 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/07/25(木) 23:25:07 ID:n5kn0MT.
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リコ・プレツェンスカ
卵とチーズを買って帰る。決して他意は無い、らしい。
キース・シャーディ
ちょっと高いワインを買って帰り、一人で飲む。
その顔は、どこか嬉しそうに見えた。
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