1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/11(月) 00:24:57.79 ID:nbpydUV80

オレンジペコ「うーん……」

ダージリン「どうしたの、ペコ。そんなに難しい顔をして。そうそう、こんな言葉を知っている?不幸は大抵の場合、考えすぎによるものである」

オレンジペコ「ジョセフ・ジュベールですね……じゃなくて!」

ダージリン「何かしら?」

オレンジペコ「ダージリン様は、偉人の名言格言、古いことわざがお好きですよね?」

ダージリン「淑女の嗜みね」

オレンジペコ「アッサム様は、ジョークがお好きです」

ダージリン「淑女の嗜みだものね」

オレンジペコ「……では、アールグレイ様はどうだったのです?やはり、名言格言ですか?」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1460301897

引用元: オレンジペコ「アールグレイ様は何がお好きだったんですか?」【ガルパンSS】 


 

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/11(月) 00:26:47.39 ID:nbpydUV80

ダージリン「……気づいてしまったのね、ペコ」

オレンジペコ「はい?」

ダージリン「……アールグレイ様の知られざる一面」

オレンジペコ「ど、どういうことなんですか?」

ダージリン「ペコ、心して聞きなさい。アールグレイ様は……」

オレンジペコ「アールグレイ様は……?」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/11(月) 00:27:26.66 ID:nbpydUV80





ダージリン「ダジャレがお好きだったの」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/11(月) 00:28:48.65 ID:nbpydUV80

オレンジペコ「……はいぃぃ?」

ダージリン「……品行方正、英国淑女の模範たるアールグレイ様唯一にして最大の欠点……それが」

オレンジペコ「ちょ、ちょっとまってください。でも公式映像や文集を見ても、ダージリン様のように名言格言を」

ダージリン「それは世を忍ぶ仮の姿……そう、あれは私が1年生の時、初めての対外練習試合の時の事――――」

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オレンジペコ「ちょっ、いきなりなんですか」

ダージリン「回想シーンよ」

オレンジペコ「なるほどー」

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5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/11(月) 00:30:09.53 ID:nbpydUV80
ダージリン『それは私が1年生として始めて戦車道の対外練習試合に出た時の事……』




ダージリン(1年生)「遂に始めての練習試合……緊張してきた」

ローズヒップ(先代・3年生)「あらダージリン、何か緊張してるじゃない、もっと楽にしなさいよ」

ダージリン「は、はい」

ローズヒップ「ほら、アールグレイ、なんか言ったげなさいって」

アールグレイ(2年生)「そうね……ダージリン、こんな言葉を知っている?」

ダージリン「はい?」

アールグレイ「ダージリン、今から来年の戦車道の資金調達に行って来なさい」

ダージリン「ど、どういうことですの?」

アールグレイ「資金調達、しきんちょうたつ、し、きんちょうたつ、緊張断つ……ふふっ」

ダージリン「」

ローズヒップ「あっはっはっはっwwwwwwwww今日もキレてるわねぇ、アールグレイ」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/11(月) 00:30:44.73 ID:nbpydUV80
「これより、サンダース大付属高校と聖グロリアーナ女学院の練習試合を初めます。一同、礼」

『よろしくお願いします!』


ミチコ(サンダース高・3年)「今日はよろしくね、アールグレイ」

アールグレイ「上級生とはいえ、全力でやらせていただきます」

ミチコ「HAHAHA!よく言った!それでこそリゼ(3年・現隊長)の後輩だわ!」

アールグレイ「暖かい先輩達に見守られて、ありがたく思います…………この戦い、暖かい、なんて、ふふっ」

ミチコ「HAHAHAHAHA!ナイスブリティッシュジョークね!」

ダージリン「あれがブリティッシュ・ジョーク」

ローズヒップ「違うと思うけど」


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7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/11(月) 00:31:19.51 ID:nbpydUV80


ダージリン「ということが」

オレンジペコ「……私、アールグレイ様のイメージが砂上の楼閣のように崩れ去っていっているのですが」

ダージリン「しかし、アールグレイ様はダジャレを言っていても優雅……あの長い、金糸のような髪がたなびいていた」

オレンジペコ「は、はあ」

ダージリン「そうそう、他にも――――」

オレンジペコ「未だあるんですか?」


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8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/11(月) 00:31:48.19 ID:nbpydUV80

黒森峰女学園
戦車格納庫

まほ(1年生)「これが現在現役復帰作業中のマウスです」

アールグレイ「あら……こんなものまで復帰させようだなんて。黒森峰も随分と大人げないわねぇ」

まほ「来るべき国際大会の時には、火力もかなり必要になるでしょうから、テストケースとしての意味合いもあります」

アールグレイ「ダージリン、よく見ておきなさい。後々の参考になりマウス……なんてね」

まほ「……」

ダージリン「……ォホン……と、ところで、こんなものを私達に見せてもよろしいの?西住さん」

まほ「この程度の情報が世に出た所で、我々の勝利は揺るがない。再来年を目処に、この戦車も投入する事は明白だし、今更のことです」

アールグレイ「西住流の名は伊達では無いようね。ところで西住さん、今日は別に敵情視察に来たわけではないの、あなたの所の隊長さんに用があったのだけれど……」

まほ「隊長は現在、上陸中で明日まで戻りません」

アールグレイ「あら残念。たまにはマリアとお茶でもと思ったのだけれど」

まほ「言伝があるなら私が代わりに」

アールグレイ「言伝ねぇ……次に会う時は、また戦場で、と」

まほ「試合の時、ということでよいですか?」

アールグレイ「そういう事づてね」

まほ「は?」

アールグレイ「なんでもないわ。さ、帰るわよダージリン」

ダージリン「は、はい」


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9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/11(月) 00:32:20.14 ID:nbpydUV80

ダージリン「あのまほさんの困り顔、今でも忘れられな……ふふっ……くっ……」

ペコ「わ、笑ってないでダージリン様」

ダージリン「あー、今思い出しても面白かった……で、何だったかしら?」

ペコ「アールグレイ様のお話です!」

ダージリン「ああ、そうだった……まあ、そんなわけでね、ちょっと変わった方だったわ」

ペコ「ダージリン様に言われたくないと思いま」

ダージリン「何かおっしゃいまして?」

ペコ「いいえ別に」

ダージリン「そうそう、確か」

ペコ「まだ何かあるんですか……」


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10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/11(月) 00:33:03.25 ID:nbpydUV80

アールグレイ「今度の全国大会は、1回戦で知波単学園との戦いになるわ」

ダージリン「敵は総突撃による一点突破を図ると思われますが」

アールグレイ「それこそこちらには好都合ね。今回の作戦は、所謂鉄床戦術で行くわ」

ダージリン「つまり、主力であるチャーチル、マチルダに敵火力を集中させ、後方からアールグレイ様の巡航戦車部隊が叩く、ということですね」

アールグレイ「ええ。向こうもそれは予想していると思うけど」

ダージリン「猪みたいですわね……」

アールグレイ「ま、あの調子じゃ予想すらしてないかもね。予想をするのはよそう、なんて」

ダージリン「そんな洒落を言うのはやめなしゃれ、アールグレイ様」

アールグレイ「あらダージリン。あなたも言うようになったわね」

ダージリン「毎日聞かされていれば多少は慣れますわ」

~♪

ダージリン「あら、アールグレイ様、携帯が鳴ってますわ」

アールグレイ「私は電話には出んわ」

ダージリン「いや、アールグレイ様ご自分の携帯ですから……それにこの電話番号、確か」

アールグレイ「良いのよ、どうせOB会でしょう?あとから掛け直すわ」

ダージリン「長老達のご機嫌を損ねると、あとが面倒では?」

アールグレイ「長老を嘲弄しているとでも?」

ダージリン「はい」

アールグレイ「そうねぇ……ちょうろいい頃合いか。少し外すわ。あとは皆でお願い」


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11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/11(月) 00:33:32.49 ID:nbpydUV80
ダージリン「――――ということも」

オレンジペコ「……ダージリン様も大変だったんですね」

ダージリン「まあ、新入生は大抵びっくりしていたでしょうね」
オレンジペコ「……でも、アールグレイ様って、そういうお茶目なところもあったんですね」

ダージリン「そうね。戦車道に関わっていた人以外は、余り知らないかもしれないわね」

オレンジペコ「戦車道の時だけだったんですか?ダジャレを言うのは」

ダージリン「それがね、実は卒業式で――――」


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12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/11(月) 00:34:51.41 ID:nbpydUV80
『卒業生代表、前へ』

アールグレイ「はい」

ダージリン(アールグレイ様……どうかお元気で)

アールグレイ「……今日という日を、私達は無事に迎えることができました」

ダージリン(……それにしても)

アールグレイ「――――私たちは、聖グロリアーナ女学院の卒業生として誇りをもち、生きていくことを誓います……」

ダージリン(流石に卒業式の式辞では、ダジャレを出す暇はないか)

アールグレイ「最後に、私事ではありますが、戦車道隊員達へ贈る言葉があります」

ダージリン(何かしら)

アールグレイ「あなた達後輩に、聖グロリアーナ女学院戦車道チームの興廃はかかっています。そして、後輩達の模範として恥ずかしくない戦いをすることを、最後の命令とします」

ダージリン(ねじ込んできましたわねー)

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13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/11(月) 00:35:21.06 ID:nbpydUV80

ダージリン「――――とまあ、こんなところかしら」

オレンジペコ「なんだかもう、凄いとしか言いようが無いんですけれど」

ダージリン「あれで戦車道の腕は、高校戦車道の中で、私が知る中では5本の指に入るお方ですもの」

オレンジペコ「……ところで、今の代になってからは、ダジャレを引き継いだ人は居ないんですね」

ダージリン「え?ええ……あー、そうね、うん」

オレンジペコ「?」

ダージリン「……黙っておいてあげましょ」

ペコ「何か?」

ダージリン「いいえ、何も……あらペコ、そろそろ午後の授業の始まる時間ではなくて?」

ペコ「あ、もうこんな時間!それじゃあ私、次教室移動なので、失礼致します!」」


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14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/11(月) 00:42:28.75 ID:nbpydUV80

ルクリリ「この前買ったサー○スの保温ポット良いわね。まだ紅茶が温かい」

ニルギリ「高い紅茶だからかしらね?」

ルクリリ「安い紅茶を入れても冷めないでしょう温度を一定にサモス(保つ)なんて……あっ、午後の授業が始まる」

ニルギリ「そうですわね……よっこいしょういち」

ルクリリ「また古いわねぇ」

ニルギリ「おほほほほ、温故知新ですわ……でも私達、こんなオチ担当で良いのかしら?」

ルクリリ「山なし、オチなし、山梨県」

ニルギリ「山梨県にお謝りなさい」

ルクリリ「ゴメンなさいたま県」

ニルギリ「マジノ女学院辺りから怒られるわよ」

ルクリリ「マジ?ノーですわそんなこと」



マジノ女学院学園艦

エクレール「……何でしょう。無性に腹が立ちましたわ」