2: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 21:43:42.53 ID:SOVk8UL60

瑞鶴「あ、おはよー」


提督「おはよう瑞鶴」


瑞鶴「今日寒くない!?私今日も半袖で来ちゃったー」


提督「天気予報見とけよー、今日から一気に秋模様だぞ?」


瑞鶴「朝はそんな時間ないの!」


提督「...早く起きればいいんじゃ?」


瑞鶴「」イラッ


瑞鶴「...そんなに早起きが得意なら、寝癖ぐらい直してきなさいよっ」ペシッ


提督「いたっ」


引用元: 鎮守府学園高校~瑞鶴編~ 


 

3: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 21:44:53.97 ID:SOVk8UL60

~~~~~~


鈴谷「おっはよー、今日もお2人は仲良しさんだねぇ~」


瑞鶴「ち、違うわよっ!」


提督「たまたま途中で会っただけだって」


鈴谷「ふぅーん......私はてっきり朝帰りかと...」


瑞鶴「そんなわけないじゃない!!!」


鈴谷「どうどう、怒らない怒らないっ」


瑞鶴「もうっ、鈴谷が変な事言うからじゃない」


鈴谷「だってな 仲良さそーに入ってくるんだもん、ちょっかいも出したくなるって!」


瑞鶴「そーかしら...」


提督「瑞鶴がガンガン話をしてくるから、うなずいてるだけな気もするけど?」


瑞鶴「なによそれっ、まるで私だけが話してるみたいじゃない!」


提督「え、違うの?」


鈴谷「はいはい、夫婦漫才はお腹いっぱいですよーって、みんなも言ってるよー」


ガヤガヤザワザワ......


瑞鶴「っ~~///」


提督「あーあー......」


4: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 21:45:48.50 ID:SOVk8UL60


キーンコーンカーンコーン




提督「瑞鶴ー、数学の宿題見せてー」


瑞鶴「またー?最近だらけすぎじゃない?」


提督「...ちょっとやることがあって睡眠削ってるんだよ」


瑞鶴「いや、宿題はやりなさいよ」


提督「それはそうなんだけど......」


瑞鶴「......もう...仕方ないわね」スッ


提督「!ありがとう!...瑞鶴大明神だな」


瑞鶴「やめてよその呼び方...なんかやたら神々しいじゃい...」


瑞鶴「あ、お礼はまたなんか帰りにおごってくれたらいいからっ」


提督「ぐぬぬ.........」


5: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 21:46:56.21 ID:SOVk8UL60

~~放課後~~



瑞鶴「ほら、早く帰ろっ」


提督「元気だな...瑞鶴は......」


瑞鶴「なに買ってもらおうかなーっ」


提督「あんまり高いものはやめてくれよ...最近カツカツなんだよ...」


瑞鶴「あれ、そうなの?前は“お金使うあてがないー”とか言ってたのに」


提督「え、あー、まぁな...」


瑞鶴「ふぅーん......」


提督「ほら、どこ寄ってくんだ?」


瑞鶴「あ、ここここ!」


提督「またコンビニスイーツかか」


瑞鶴「自分で買う程じゃないけど、食べたくなるじゃない?」


提督「はいはい」


6: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 21:48:11.40 ID:SOVk8UL60

~~~~



提督「悩むのもいつものことだな」


瑞鶴「仕方ないじゃない、どれも美味しそうなんだもの!」


提督「それで、モンブランにするの?それともロールケーキ?」


瑞鶴「うーん......」


提督「......両方買って、半分こするか?」


瑞鶴「いいね! ナイスアイディア!!」


提督「じゃあ、買ってくるぞー」


瑞鶴「ありがとうございますーー」



~~~~


瑞鶴「んんー!やっぱりモンブラン美味しいーっ!」


提督「上の栗はあげるよ」


瑞鶴「ホント!?サーンキュっ!!」


提督「まぁ、一応宿題見せてもらったお礼だしな」


瑞鶴「なら遠慮なくっ! ホント、提督さんは積極性があればすぐ彼女出来ると思うんだけどねー」パクッ


提督「積極性ねぇ......別に、今はそこまで強く彼女欲しい、とか思ってないし...」


瑞鶴「......なんかムカつく」


提督「なんでだよ...」


瑞鶴「なんかちょっと、上から目線...?」


提督「えぇ...」


7: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 21:49:26.52 ID:SOVk8UL60

~~~~


提督「じゃあ、また明日だな」


瑞鶴「もうこんなに暗くなってるね」


提督「秋の日はなんとやらってやつだな」


瑞鶴「はいはい、じゃあまた明日ー!」


提督「じゃあなー」


提督「......あと1週間か」ボソッ


8: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 21:50:51.35 ID:SOVk8UL60

~~翌日~~


鈴谷「ちぃーす、瑞鶴」


瑞鶴「あー、鈴谷、おはよー」


鈴谷「あれ、今日は提督と一緒じゃないの??」ニヤニヤ


瑞鶴「い、いつも一緒な訳じゃないし!!」


鈴谷「あー、そうだったねー、“ほとんど”一緒だったね!」


瑞鶴「もうっ!!」


鈴谷「まぁまぁ、怒らないの」ニヤ


瑞鶴「......で、朝から何の用よ」


鈴谷「あ、えっとね...提督ってさー、今誰とも付き合ってない......よね?」


瑞鶴「えっ.........う、うん...そのはず...」


鈴谷「瑞鶴とは付き合ってる訳じゃないんだよね.........?」


瑞鶴「も、もちろんよ!!」


鈴谷「ふぅーーん......」


瑞鶴「......なによ」


鈴谷「ホントに付き合ってないのね...?」


瑞鶴「そうよ!!」


鈴谷「......ならいいけど」


瑞鶴「...何か言いたそうね」


鈴谷「......ううん、それが分かればいいやー、じゃねーっ」


瑞鶴「......なんなのよ」


9: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 21:52:08.14 ID:SOVk8UL60

~~放課後~~



瑞鶴「......いない」


瑞鶴「......もう帰ったのかな」


瑞鶴「......教室も見てみよう」スッ


熊野「瑞鶴さん?」


瑞鶴「うわっ!びっくりした...熊野かぁ......」


熊野「熊野かぁとは失礼ですわ!なにかお困りのようでしたから声をかけましたのに...」


瑞鶴「ごめんごめん、まさかすぐ後ろにいるなんて思わなかったからさ...」


熊野「そういうことにしておいて差し上げますわ......それで、誰かをお探しで?」


瑞鶴「あぁ、そうだった、熊野は提督見かけなかった?」


熊野「提督でしたら、先ほど鈴谷と一緒に帰っていくのを見ましたわ」


瑞鶴「鈴谷と!?」


熊野「はい、楽しそうにお話ししてましたわ」


瑞鶴「......」


瑞鶴(鈴谷と...2人で.........)


熊野「どうかなさいましたか、瑞鶴さん?」


瑞鶴「う、ううん、何でもないっ。じゃあ私ももう帰るね!」


熊野「あら、ではごきげんよう」


熊野「...返事もなさらず走って行ってしまわれましたわ」

10: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 21:53:11.15 ID:SOVk8UL60

~~~~~~


瑞鶴(ふーん......)


瑞鶴(鈴谷と2人かぁ......)


瑞鶴「まぁいっか、私もかーえろっと!」


瑞鶴(きっと何か用事があったりしたのよ)




鈴谷『誰とも付き合ってないよね...?』




瑞鶴(......たまたま...だよね?)

11: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 21:56:20.49 ID:SOVk8UL60

~~~~~~~



キーンコーンカーンコーン



瑞鶴(お昼かぁ......)


瑞鶴(そうだ、昨日の帰りのこと、提督さんに聞いてみよっと)スッ


瑞鶴「提督s...」


鈴谷「提督ー、お昼一緒に食べよー!」


提督「いいよー」


瑞鶴「......」コソッ


瑞鶴(なに隠れてるのよ私っ!別に3人で食べてもいいじゃない!)




提督「......?」ジャネ?


鈴谷「.........!!」ウケルー!




瑞鶴(提督さん...楽しそうに笑ってる......)


~~~~~~~~~


キーンコーンカーンコーン...



瑞鶴(もう提督さんがいない......)


瑞鶴(まさか......?)


瑞鶴「熊野ー、鈴谷見たー?」


熊野「鈴谷でしたら、先ほど提督と一緒に帰りましたわよ」


瑞鶴「...っ!」


瑞鶴「そ、そっか、ありがとー」ダッダッダッ


熊野「いえ、どういたしまして!」


熊野「......今日は怒って行ってしまいましたわ」


熊野「わたくし、何か気に障るようなこと言いましたかしら?」


熊野「...いえ、むしろ...もしかして......?」

12: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 21:57:23.76 ID:SOVk8UL60

~~~~~




瑞鶴「なんか気に入らないっ!」


瑞鶴(別に誰と帰っても、ご飯を食べてもいいんだけどさ!!)


瑞鶴(私がどうこう言える立場でもないし......)


瑞鶴「別に......付き合ってる訳じゃない...し......」


13: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 22:00:11.06 ID:SOVk8UL60

~すれ違ったまま1週間~



瑞鶴「.........」


提督「あ、瑞鶴おはよー」


瑞鶴「っ!」


瑞鶴「お、おはよう......」


提督「?」


提督「...寝不足?なんか元気ないけど...?」


瑞鶴「何でもないわよ...」


提督「ふーん.........あ、翔鶴さんに怒られたとか?」


瑞鶴「......何でもない」


提督「うーん......さては、恋の悩みとか??」


瑞鶴「...何でもないって言ってるじゃない!!!」


提督「!」


瑞鶴「あっ...」


提督「ご、ごめん......」


提督「じ、じゃあ俺、先に行くよ...」タッ


瑞鶴「...............」


瑞鶴「.........はぁ」


瑞鶴(...嫌な女だな...私)

14: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 22:01:47.82 ID:SOVk8UL60

~~~~~


ー昼ー


提督「あの...瑞k...」


瑞鶴「......」フイッ


瑞鶴「......」タッタッタッ


提督「.........」


~~~~~


ー放課後ー



熊野「瑞鶴さんに嫌われた、と?」


提督「心当たりがないけど、なんだか嫌われちゃったみたいで......」


熊野「はぁ......」


提督「そんな深いため息つかないでよ」


熊野「......あなたと言う人は、本当に鈍感でいらっしゃいますのね」


提督「えっ?」

15: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 22:03:10.54 ID:SOVk8UL60


熊野「はぁ......ため息ばかりついていても仕方ありませんので、わたくしが教えて差し上げますわ」カキカキ


提督「...何書いてるの?」


熊野「提督、こちらをお読みになれます?」スッ


提督「...おんなごごろ?」


熊野「あら、てっきりわたくしは存在を知らないのかと思ってましたわ」


提督「失礼な、俺だってこれくらい知ってるわい」


熊野「......知っていて、それですのね?」


提督「...えっ?」


熊野「......話は変わりますが、最近鈴谷と仲がよろしいようですね?」


提督「え......ま、まぁ、鈴谷がよく話しかけてきてくれるってゆーか...」


熊野「それで、鼻の下を伸ばしてホイホイとついていってらっしゃいますのね?」


提督「いや、別に鼻の下は伸ばしてないけど」


熊野「伸びてますわよ?」


提督「えっ......」


熊野「...まぁ、それは今は置いておいて差し上げますわ」


提督「は、はぁ......」

16: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 22:05:40.31 ID:SOVk8UL60

熊野「......で、鈴谷のことですけれども」


提督「うん...」


熊野「鈴谷に対して......いえ、単刀直入に申しましょう、鈴谷のことがお好きですか?」


提督「えっ......」


熊野「もちろん、1人の女性、1人の異性として、好意を持っていらっしゃるのかと聞いていますわ」


提督「.........」


熊野「...............」


提督「........................うーん」


熊野「はぁ、もう少し答えやすくして差し上げますわ」


熊野「鈴谷と瑞鶴さん、どちらかを選ばなければいけない状況になりましたら、どちらを選ぶのかと聞いているのですわ」


提督「!」


提督「鈴谷と...瑞鶴.........」


熊野「正解がある問題ではありませんから、あなたの心によーく問いかけてみるといいですわ」


提督「.........わかった、ありがとう」


熊野「お礼を言われる筋合いはありませんわ、わたくしが好きでやったことですし」


提督「でも、ありがとう、熊野。見えてきた気がする」スッ


熊野「どちらへ?」


提督「...俺の大切な人のところへ行ってくる」タッタッタッ


熊野「............ふふっ」


熊野「......面白い殿方ですわ」


17: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 22:06:55.87 ID:SOVk8UL60

~~~~~


タッタッタッ



提督(瑞鶴...)


提督(多分、傷つけちゃったよな......)


提督(......謝らないと!)


提督(......にしても瑞鶴いないな)


提督(...こっちか...?)



??「あ、提督ー、探してたよー」



提督「!」


提督「鈴谷...」


18: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 22:08:40.27 ID:SOVk8UL60

~~~~~


ートイレ、手洗い場ー



瑞鶴(......ホント、ダメだ私)


瑞鶴(......うん、クヨクヨしてるのも私らしくないかっ)


瑞鶴(提督には後で謝りにいこっと!)


瑞鶴(教室にもーどろっt...)




鈴谷『提督ー、探してたよー』


提督『鈴谷...』




瑞鶴「!」コソッ


瑞鶴(なんでまた隠れたのよ私!)




鈴谷『提督、ちょっと話があるんだけどさ...』


提督『...どうかしたの?』


鈴谷『あの...さっ』




瑞鶴(なによ鈴谷...珍しくもじもじして......これじゃまるで.........!)




鈴谷『えと...確認なんだけどさ、今、付き合ってる人とかって...いないんだよね......?』


提督『う、うん...』




瑞鶴(............もう見たくない)スッ



タッタッタッ



提督(?)


提督(一瞬しか見えなかったけど...あの後ろ姿は......瑞鶴...?



19: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 22:10:28.43 ID:SOVk8UL60

~~~~~

ー河原ー



瑞鶴(...鈴谷...告白...したよね)


瑞鶴(.........提督、OKするよね...)


瑞鶴(...あんなに楽しそうにしてたし)


瑞鶴(...鈴谷だし)


瑞鶴(............。)


瑞鶴(もう、一緒に学校いったり、帰りにコンビニ寄ったり...)


瑞鶴(楽しく話したりも...できないのかな......)




瑞鶴(............嫌だ)


瑞鶴「......そんなの嫌だよ」


瑞鶴「......提督ぅ」




??「呼んだか?」


瑞鶴「!!」


瑞鶴(なんでいるの!)



20: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 22:13:21.67 ID:SOVk8UL60




瑞鶴「」ダッ




提督「待って!!!」



瑞鶴「」ピタッ



瑞鶴「なによ、鈴谷と付き合ったっていう報告ならいらないわよ!」


瑞鶴(もう私に構わないで。放っておいて。)


提督「......やっぱり見てたのは瑞鶴だったか」


瑞鶴「......悪い?」


提督「...まず最初に言っておくぞ、鈴谷とは付き合わない」


瑞鶴「えっ......?」


提督「だから...ちょっと......俺と話をしてくれないか?」


瑞鶴「.........」


提督「...ありがと」


瑞鶴「......で、話って」


提督「......これを渡そうと思って」スッ


瑞鶴「...なに?これ」カサカサ


瑞鶴「これ...鶴の......!」


瑞鶴(綺麗な銀色の鶴のアクセサリー...私にはもったいないくらいの)



21: ◆Q/bvSRBslQ 2016/04/20(水) 22:15:41.11 ID:SOVk8UL60



提督「瑞鶴、今日誕生日だろ?」


瑞鶴「...覚えててくれたんだ」


提督「うん......」




<どうしよう、嬉しい。>




提督「だから...頑張って作った」


瑞鶴「提督さんが作ったの!?」


瑞鶴(誕生日を覚えてくれていたのも、)


提督「うん......何度も失敗して、小遣いが飛んでいったけどな」


瑞鶴「そんなっ」




<私のために頑張って作ってくれたのも、>




提督「俺気づいたんだ、大事なことに」


瑞鶴「大事なこと?」




<どうしようもなく嬉しいのに、>




提督「俺は...瑞鶴のことが好きだ」


瑞鶴「......!!」




<さらにそんなに嬉しいことを言ってくれる。>




提督「瑞鶴...これからも......ずっと一緒にいてくれるかい?」


瑞鶴「.........もちろん............!」






<そんな貴方が、私は大好きです。>