1: ◆SWYGzMGb56 2013/08/15(木) 18:39:00.90 ID:GNrJ8gpb0
幼馴染「......」
男「......」
俺の名前は男、読書中だ。
そんで俺の背中にもたれながら読書をしているこの美少女は
俺の幼馴染だ。
彼女の特徴を一つ上げるなら......それは
非常にクールなところだろう
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1376559540
引用元: ・幼馴染「男......大好きだ......こ、これでいいか?」
4: ◆SWYGzMGb56 2013/08/15(木) 18:50:48.25 ID:GNrJ8gpb0
幼はクールだ
学校でも、家でもどこででも、ほとんどしゃべらない。
しかし、これには理由がある
それは以前、俺が幼に
「もう少し反応に色をつけたら?」と言った時のことだ
その時、幼はこう答えた。
幼「言わぬが花だ」
男「なんだそれ?」
幼「言葉に出して言うより、黙っていたほうが
価値があるということだ」
男「......は、はぁ」
幼「ふむ、分かってない顔をしているな」
5: ◆SWYGzMGb56 2013/08/15(木) 19:01:48.48 ID:GNrJ8gpb0
実際に俺はその言葉の意味を噛み砕けないでいた。
男「言葉に出した方が良いじゃないか?」
幼「ん、男は何故そう思う?」
そして俺が意見を言うと、幼は必ずこのように聞き返してくる
男「だって会話って凄い大事だろ?
人と人とが分かり合うコミュニケーションだ」
そして俺は自分の考えを言う、しかし
幼はその俺の言葉に不思議そうな顔を浮かべることで答えた。
男「俺、変なこと言った?」
幼「......いや、男の意見は最もだな」
幼「ただ、私達の考えている、お互いの解釈に少しズレがあった」
男「ズレ?」
6: ◆SWYGzMGb56 2013/08/15(木) 19:12:48.38 ID:GNrJ8gpb0
幼「私はな男......君との関係を......恋人である関係を凄く大事にしている」
男「お、おう......いきなりどうしたよ......」
幼「それでだ私はこう考えている」
言いながら幼は俺の手を握り締め、俺の肩にもたれてきた。
男「お、幼?」
俺は幼の行動に少し胸の動悸が早くなる。
それを知ってかしらずか幼は少し口元を
悪戯を企てている子供のように歪めたあと......
俺の肩にすりすりと自分の頬を押し付けた。
7: ◆SWYGzMGb56 2013/08/15(木) 19:22:10.99 ID:GNrJ8gpb0
幼「たしかに、ここで男に好き......と言えば簡単だろう」
幼は続ける。
幼「でも、なんだかなぁ......安くなるんだ」
男「安く......」
幼「この気持ちをな......言葉にするとそれだけで
価値がなくなってしまうようで、嫌なんだ」
そして幼は次に、俺を強く抱きしめてきた。
絶対離すもんか、そのくらい強い力で
でも俺にとっては、とても心地良い抱擁だった。
幼「だ、だから......私は言葉ではなく、態度で表現したい」
男「幼......」
9: ◆SWYGzMGb56 2013/08/15(木) 19:32:32.80 ID:GNrJ8gpb0
俺はこの時、やっと幼の言う
俺たちの解釈のズレというものに気づいた。
幼の考えは、俺に抱いている感情を軽々しく言いたくない。
俺の考えは、もっと周りの人たちと会話をしたらどうか。
つまり、幼は俺のことを考えていたと言うことだ
幼「なぁ男......」
俺がそう考えていると突然、幼が顔をこちらへと向けた
その表情は少しばかり不安を帯びていた。
そしてそのまま......
幼「こんな面倒くさい私でも......」
幼「男が良かったら......もらってくれないか?」
11: ◆SWYGzMGb56 2013/08/15(木) 19:39:02.65 ID:GNrJ8gpb0
幼はクールだ
しかし、それは俺への
ささやかな愛情だった。
幼「お、男......?」
だったら俺も......
男「幼」
チュ
幼「ぁ......」
態度でしめしてみよう。
男「貰うも何も、幼はお持ち帰りだ」ギュウ
幼「ん......全部あげるよ......男」ギュウ
意外に悪くも......無さそうだしな。
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/15(木) 21:14:40.91 ID:GNrJ8gpb0
幼はクールだ
だが、それは生まれつき口数が少ない、ということ。
そして俺に対する
ちょっと変わった愛情表現だということ。
幼「男......ん」
例えばこのように両手を差し出してきたら
男「はいはい」
抱きしめてほしいというサインだ
幼「ん......」
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/15(木) 21:24:24.22 ID:GNrJ8gpb0
そして抱きしめられている時に
幼「............」クイクイ
俺の服を引っ張ればそれは
頭を撫でてほしいという名の、おねだりだ
男「そっかそっか、よしよし」
しかし、ただ撫でるだけではいけない
男「櫛はないから手で我慢してくれな?」
幼「......うん」
俺と幼の中では、撫でるという行為は
撫でるのと、幼の髪を櫛でとかすことを言う。
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/15(木) 21:33:37.07 ID:GNrJ8gpb0
男「おお、サラサラしてる」
俺は幼の頭を撫で、髪を手で優しくといてゆく
幼「すぅ......はぁ......ん」
すると、幼は大きくゆっくりと呼吸をし始める。
それは彼女が十分にリラックス
しているということ、と同時に
幼「すぅ......はぁ......」
俺の匂いを堪能している証拠でもある。
18: ◆SWYGzMGb56 2013/08/15(木) 21:43:25.54 ID:GNrJ8gpb0
フェティシズム
からだの一部やらなんやらに
異常に惹きつけられることを言う
そう幼は匂いフェチだ。
それが発覚したのは数年ほど前だ
俺のTシャツに幼が幸せそうに顔を埋めていたのを
俺が見てしまった。以上だ。
19: ◆SWYGzMGb56 2013/08/15(木) 21:49:56.90 ID:GNrJ8gpb0
男「(ふぅ......まぁ.......可愛いから許す)」
幼「ん......」クンクン
たしかに最初は俺もビックリしたが
その時に幼が言った......
幼「き、嫌いにならないで......男ぉ......」
自分のシャツに顔を半分埋めて
涙目でそんな風に言われたら
許すのが男性というものだろう。
21: ◆SWYGzMGb56 2013/08/15(木) 21:59:41.43 ID:GNrJ8gpb0
幼「ん......」クイクイ
と、昔のことを思い出している内に
幼から満足したよ、というお知らせがきた
男「よしよし」
そして幼は俺からゆっくりと離れる。
幼「はぁ......」
男「すっきりした顔してるな」
幼「うん......」
男「あ、やばいもうこんな時間だ。晩御飯つくらないと」
幼「いいよ、私が作る」
幼「男は座ってて」
22: ◆SWYGzMGb56 2013/08/15(木) 22:05:59.06 ID:GNrJ8gpb0
俺の幼はクールだ
男「え、でも」
幼「ううん......これはお礼だから」
男「......じゃあ、俺もお礼ということで手伝う」
匂いフェチで少し甘えん坊で
髪をイジられるのが大好きな......
幼「ふふ、分かった」
幼「男は味見係り......ね?」
ちょっと変わった幼馴染
27: ◆SWYGzMGb56 2013/08/15(木) 23:45:26.45 ID:GNrJ8gpb0
幼はクールだ。がしかし......
幼「男、私の読みかけの本知らない?」
男「ん、すぐそこにあるだろ?」
幼「あ、本当だ......」タタタタタ
ちょっと抜けているところがある。
ガッ!!
幼「きゃ!?」
バタン!!
男「うぉ!?」
29: ◆SWYGzMGb56 2013/08/15(木) 23:55:29.58 ID:GNrJ8gpb0
この幼のプチ天然なところは
今に始まったことではない。
ある時は......
男「あまーい!!」
幼「......ふむ、甘い」
甘さ全開のおにぎりを作り
幼「男ぉ......」クイクイ
男「ん......どした?」
幼「私のめ、眼鏡が消えた......」
男「お、そうか......ほれ」スチャ
幼「.......あ、あれ!?」
幼が自分の額にかけてた眼鏡を忘れているので
俺がかけてやったりと
幼はちょっと天然な一面もある。
30: ◆SWYGzMGb56 2013/08/16(金) 00:01:31.30 ID:I41Q4L9d0
だが俺はその度に
幼の普段はお目にかかれない、一面が見れるので
特に気にしてはいない。
しかし当の本人は......
幼「............」
かなり落ち込む。
幼「............私は何だ?」
幼「私は何になろうとしているんだ?」
ご覧のありさまである。
31: ◆SWYGzMGb56 2013/08/16(金) 00:08:51.28 ID:I41Q4L9d0
俺はそんな体育座りで膝に顔を埋めて
自分の中で葛藤を続けるこの丸っこい幼馴染を
もうしばらく見ていたいと思う気持ちをしまい込み
幼を元気づけることにした。
男「ふぅ、まったくなぁ......」
しかし、この丸くなってしまった奴を
元気づけるのには少しコツがいる。
俺は最初ため息をつきながら
幼へと近づく、足音は少し音をたてるくらいが良し
32: ◆SWYGzMGb56 2013/08/16(金) 00:19:43.92 ID:I41Q4L9d0
男「本は忘れるし、おにぎりには砂糖いれるし」
幼「......」ピク
男「眼鏡を忘れる、何もないところで転ぶし
幼はなんか.......抜けてるよな」
幼「......!!」
さて、誤解しないでほしいこれは幼を元気づけるために
こなさなければいけない、そう過程だ。
そして幼が俺の言葉に強い反応を示したので
次に移る。
男「でも......」
次は幼の頭を撫でてやる
いつもより少しだけ乱暴に撫でるのが大事だ。
そして幼の耳元になるべく優しい声で
男「俺はそんな幼の抜けたところも......いいと思うよ」
俺の素直な気持ちをさらけ出す。
33: ◆SWYGzMGb56 2013/08/16(金) 00:27:10.60 ID:I41Q4L9d0
すると幼は、顔はあげずに返事をする。
幼「......ほ、本当か?」
男「うん、どんな幼も俺は受け入れる」
男「だから幼は落ち込まなくていいんだよ」
男「だって俺は幼の全部が......」
幼「............?」
男「そういえば、態度で示さないと駄目だったっけな」
幼「え......」
34: ◆SWYGzMGb56 2013/08/16(金) 00:37:34.20 ID:I41Q4L9d0
と、俺は大事なことを思いだしたので
急遽、路線を変更。
男「よしよし、幼~」
彼女を愛でる、という魅力的な選択肢を選んだ。
俺は丸っこい彼女を抱きしめる。
幼「お、男!!?」
男「あ......幼は温かいな......すぅ......はぁ」
そして俺は幼のぬっくい体温やら、いい匂いやらを楽しむ
幼「な......ちょ!! 男......はぁぁ......ぁぅ......」
俺のちょっかいから幼は逃げようと
俺の腕の中で身体を、もそもそ、とさせるが
男「はっはっは~抜けだせるもんなら、抜けだしてみろ~」
逃がさないようにしっかり抱きしめて
いるので逃げられない。
36: ◆SWYGzMGb56 2013/08/16(金) 00:52:04.38 ID:I41Q4L9d0
それがしばらく続く。
すると幼は諦めて、俺の背中に
手を回してきて、俺の真似をし始めた。
幼「すぅ......はぁ......男ぉ......」
そして俺の首のあたりから幼のうっとりとした
声が聞こえてきた。どうやら元気になったようだ。
男「よしよし、元気になったか」
役目は果たしたので俺は一度幼から離れようとする
が、しかし......離れられなかった。
男「あ、あのさ......一回離して......」
幼「うぅ......ダメだ......離れちゃ......許さないぞ、許すまじだ」
幼はすこし抜けている
しかし、そういう幼の一面も
俺にとっては魅力的だ。
男「いやホントに......」
幼「男が......悪い......責任......とってもらうからな」ギュウ
そして解放されたのは、それから二時間たった後だった。
42: ◆SWYGzMGb56 2013/08/16(金) 11:06:01.71 ID:I41Q4L9d0
幼はクールだ
だがそれは感情が外に表れにくいだけで
幼が冷たい人間だ、ということではない
実際、他人から見れば
俺と幼の関係は物凄く冷えているように見える。
いつ別れるかと、言われてしまうほどだ。
幼「男ぉ......おはよう」
男「おう、おはよう幼」
幼「......ん、きて」
43: ◆SWYGzMGb56 2013/08/16(金) 11:09:04.60 ID:I41Q4L9d0
男「櫛持ってないぞ」
幼「ううん......手でされるほうが......良い」
男「そっか、いいよおいで」
だが、それは間違いだ。
俺と幼は二人は絶賛
愛を育み中である。
幼「ふぅ......ぬっくい」
男「ぬっくいなぁ」ナデナデ
44: ◆SWYGzMGb56 2013/08/16(金) 11:17:23.07 ID:I41Q4L9d0
見せつければ
良いってものではない
これが幼と俺と恋愛観だ。
互いが燃え上がるような恋愛も、いいかもしれない......でも
男「......」ナデナデ
幼「すぅ......はぁ......ん」
こうやって静かに、ゆっくりと
このぬっくい存在と
同じ時間を過ごしてゆく方が
幼「......」クイクイ
男「お、よしよし」ポンポン
俺にとっては心地良いことこの上ない
45: ◆SWYGzMGb56 2013/08/16(金) 11:26:04.88 ID:I41Q4L9d0
それに
幼「お、男......」スリスリ
この俺の肩に擦りよってくる幼も
男「ん、物足りない?」
自分と同じ気持ちを抱いているようなので
幼「うん、やっぱりもう少し......構ってくれ」
男「......ん、無理」
幼「......い、意地悪しないでくれ......」ポス
男「適度がいいの、普通が一番、中道だよ、中道」
46: ◆SWYGzMGb56 2013/08/16(金) 11:37:06.39 ID:I41Q4L9d0
幼「............むぅ」
だが、俺は幼と短距離走をするつもりはない。
男「分かった分かった、これで我慢してくれ」
俺はその距離を
幼「ぁ......ん......う......ふむ......」
みんなが余りにも甘ったるくて
幼「......男ぉ......ちゅ......んん」
読めばそっ閉じするくらいに
深く、ゆっくりとした足取りで
このクールで甘えん坊で変わった
愛情表現をする幼馴染と......
男「なぁ......たまには口に出すのも......いいんじゃないか?」
幼「ぅ......でも......」
47: ◆SWYGzMGb56 2013/08/16(金) 11:44:57.76 ID:I41Q4L9d0
男「幼、大好きだ」
幼「ぁ......」
男「なぁ、悪くないだろ?」
手をつないで、同じ歩幅で......
幼「うん......良かった......な」
幼「たまになら、いいかもしれないな......よし」
歩いていきたい
幼「男......大好きだ......」
幼「こ、これで......いいかな?」
57: ◆SWYGzMGb56 2013/08/17(土) 13:23:02.77 ID:l2KONt8z0
ギャップ萌え、なんて言葉があるが
それは多分、俺の幼も該当していると思う。
幼「.......」ジー
幼はチョコレートが好きだ。特に......
幼「エンゼル」バカ
チョコボールが大好きだ。
幼「え、エンゼル......」シュン
58: ◆SWYGzMGb56 2013/08/17(土) 13:28:21.62 ID:l2KONt8z0
~数年前~
ある日の休日、幼が突然こんなことを言った。
幼「キョロちゃんがほしいんだ」
男「え、どして?」
幼「アイツは私の心を奪っていったんだ」
男「言葉が小説チックだな」
幼「だから男、君も協力してくれ」
ある日の休日、幼が突然こんなことを言った。
幼「キョロちゃんがほしいんだ」
男「え、どして?」
幼「アイツは私の心を奪っていったんだ」
男「言葉が小説チックだな」
幼「だから男、君も協力してくれ」
59: ◆SWYGzMGb56 2013/08/17(土) 13:46:43.25 ID:l2KONt8z0
キョロちゃん、チョコボールという
お菓子の人気キャラクターだ
コイツを知らない人はいないだろう
しかし、意外にしられてないのは
キョロ缶、ではないだろうか?
男「キョロ缶?」
幼「そうだ、では説明しよう......チョコボール箱の
このくちばしの黄色い部分からチョコを食べる」バカ
幼「ここにエンゼルがいたら......私の勝ちだ」ウキウキ
男「ごめん、もう一回」
俺はなんだかいつもより興奮している幼を
そのチョコボールを食べさせて落ち着かせ
ながら幼の言葉を整理していた。
このチョコボールには
(幼が手に入れた)銀のエンゼルというものを
五枚集めると、キョロ缶という
キョロちゃんの形をした缶が貰える
というチョコボール愛好家には
胸アツなプレゼントがある、と
幼は熱く語る。
幼「......だから男......食べて?」ポリポリ
男「そんなに欲しいのか......」
60: ◆SWYGzMGb56 2013/08/17(土) 13:55:07.01 ID:l2KONt8z0
男「まぁ、いいけど......」
幼「おお......!! よしじゃあ食べるぞ!!」タタタタタ
ーーーーーー
ドサッ
男「......え」
すると幼は、家からチョコボールを沢山持ってきた
幼「600箱買ったぞ」
男「え......」
幼「今日の夕食はこれに決定だ」
男「え......!?」
幼「いただきます」 バカ ポリポリ
男「え!!?」
こうして、俺と幼の甘い戦いが始まった。
65: ◆SWYGzMGb56 2013/08/17(土) 16:30:45.98 ID:l2KONt8z0
が、事態は予想もしなかった方向へ......
それはちょうど、俺が20箱目の
チョコボールを開けたときだった。
男「!! エンゼル出た~」
幼「ふむ、男もやっと出たか。あと3枚だな......」
男「でも俺のチョコボールのエンゼル、銀色じゃないな......金だ」
幼「!!?」
66: ◆SWYGzMGb56 2013/08/17(土) 16:37:41.84 ID:l2KONt8z0
幼「き、金だと......!!」
男「ほれ、金のエンゼル」
そして幼は俺の持つ金のエンゼルを
まじまじと見つめ......
幼「お、おとこ~!!」
思いっきり抱き締められた。
幼「ああ、さすがだよ......もう言葉もでない......」
そして、これでもかと胸に頬を擦り付けてくる。
男「おおぅ......嬉しいのは分かったから説明してくれ」
67: ◆SWYGzMGb56 2013/08/17(土) 16:51:28.80 ID:l2KONt8z0
幼いわく、さっき説明したキョロ缶の入手方法は
銀のエンゼルを五枚集める。だったが。
幼「ふふ、驚け男。これ一枚で
銀のエンゼル五枚分だ!」
金のエンゼル一枚はキョロ缶と同じ価値
つまり......
男「え、ホントに?」
幼「これでキョロ缶が手にはいるぞ.....」
男「おお~やった~!!」
幼「勝ったぞ!! 私達の勝利だ!!」
開始早々に俺達の勝ちが決定した。
そして俺と幼はお互いに、この喜びを
分かち合うように抱き締めあった。
しかし......世の中はそこまで甘くはなかった。
68: ◆SWYGzMGb56 2013/08/17(土) 16:57:11.68 ID:l2KONt8z0
男「なぁ......幼」
幼「ん?」
男「これで目的は果たしたよな?」
幼「ふむ......そうだな、やったな男」
男「でだ、この残りのチョコボールどうすんの?」
そう俺が懸念していたのは
この残り580箱のチョコボールを
どう処理するのかだ。
70: ◆SWYGzMGb56 2013/08/17(土) 17:09:41.03 ID:l2KONt8z0
幼「ん? これか」
男「どうすんの?」
幼「たしかに......こんなに余るとは......ふふ」
だが彼女は笑った。
俺がそんな幼を不思議そうに見ていると
ふと幼と目があった。
すると幼は頬を淡く染め、俺に一つ微笑を浮かべる。
そしてゆっくりと話し始めた。
71: ◆SWYGzMGb56 2013/08/17(土) 17:17:13.04 ID:l2KONt8z0
幼「実はな、私は最初のほうでコレを食べるのに飽きた」
男「おい、言い出しっぺ」
幼「はは、悪い悪い。でだ......私は考えた」
幼「どうしたら飽きないで食べられるか......」
男「ほぅ......で、思いついたの?」
幼「......聞きたいか?」
73: ◆SWYGzMGb56 2013/08/17(土) 17:26:27.31 ID:l2KONt8z0
男「いや、正直に言うと俺も飽きてきてた......」
幼「ふふ、分かった......じゃあ教えよう」
そう言うと幼は、手に持っていた
チョコボールの箱から、一個の丸いチョコを
幼「たくさん......あるから......な?」
少々すぼめた唇に嵌めて......
幼「......ん、ふぉとこ......」
俺に口移ししてきた。
75: ◆SWYGzMGb56 2013/08/17(土) 17:36:39.97 ID:l2KONt8z0
男「......」
幼「......どうだ?」
男「.......甘いです」ポリ
幼「ふふ、そうか良かった......」
幼「でも私はくわえただけだから.....」チラ
男「やっぱり俺もするの?」
幼「うーん、そうだな。男は金のエンゼルを
当ててくれたからな......」
幼「よし、今回は私からのお礼ということで.....な?」
男「お、おう......」
幼「たくさん......食べてくれ......」
76: ◆SWYGzMGb56 2013/08/17(土) 17:47:45.25 ID:l2KONt8z0
ギャップ萌えって言葉がある。
それは幼の魅力を表現するには。
実にピッタリな言葉だ。
~ 幼ちゃんて冷たくない? ~
~ なんで付き合ったの? ~
俺達への周りからの風当たりは強い。
だか、そんな風はどうでもいい
幼「男ぉ......ん......」チュ
男「......ん」
だってこれが、俺達の形なのだから.....
男「でも全部は無理じゃない?」
幼「......全部食べるぞ」
男「え......まじ......」
最終結果
銀のエンゼル 30枚
金のエンゼル 一枚
84: ◆SWYGzMGb56 2013/08/18(日) 19:25:06.78 ID:D+fU02cl0
幼はクールだ。だがこれは
単に感情が外に出ないというだけで
実は内心、荒ぶっていることがある。
女「あの.......男君」
女「つ、付き合ってくれない?」
男「......え」
85: ◆SWYGzMGb56 2013/08/18(日) 19:28:56.43 ID:D+fU02cl0
女「あ、えっと付き合うっていうのは」
女「私彼氏がいるんだけど、まだデートもしたことなくて......」
女「ほら、最初が肝心てよく言うし......」
男「つまり俺で予行練習したいと?」
女「う、うん」
女「駄目かな?」
男「いや、大丈夫だ。協力するよ」
86: ◆SWYGzMGb56 2013/08/18(日) 19:33:40.66 ID:D+fU02cl0
女「あ、ありがとう!!」
ーーーーーーーーーーーー
~男の部屋~
男「ということだ」
幼「どいうことだ?」
男「今度の休日、女と出かけてくる」
幼「............」
男「幼そう、泣きそうな顔をされると......」
幼「わ、私はお払い箱か?」
男「今言ったじゃん」
87: ◆SWYGzMGb56 2013/08/18(日) 19:39:10.42 ID:D+fU02cl0
幼「そ、そうだっな......」
男「俺も正直、幼とデートしたいよ?
ただ女とは委員会一緒のせいか仲いいからな
協力したい気持ちがある」
幼「むぅ......うん」
男「今回の埋め合わせはキチンとするからさ。な?」
幼「......分かった」
男「おう、ありがとな」
88: ◆SWYGzMGb56 2013/08/18(日) 19:43:37.20 ID:D+fU02cl0
~休日~
女「男く~ん」
男「お、女じゃん」
女「ごめん、遅れた」ハァハァ
男「いいよいいよ、気にすんな」
男「落ち着いたら行こうか」
女「ふぅ、ありがとう男君」
89: ◆SWYGzMGb56 2013/08/18(日) 19:51:09.62 ID:D+fU02cl0
男「さて、予行練習ってことだけど」
男「俺ってどんな感じに動けばいい?」
女「ううん、普通でいいよ。男君らしくしてくれれば」
男「おう、分かった」
ーーーーーーーーーーーー
こうして女との予行練習というなの
デートが始まった。
俺は女と仲がいいこともあって
デートは何の滞りもなく進んだ。
夢中になっていると時間があっという間に過ぎていく
まさしくそう言えるくらい女とのデートは
あっという間に過ぎていった。
90: ◆SWYGzMGb56 2013/08/18(日) 19:55:02.73 ID:D+fU02cl0
女「今日はありがとう」
男「いやいや、俺も楽しませてもらったし」
男「おあいこだな」
女「ホント? 男君にそう言ってもらえると......嬉しいよ」
男「彼氏と、上手くいくといいな」
女「......あ、あのさそれなんだけど」
男「ん?」
女「私、彼氏いないんだ......」
91: ◆SWYGzMGb56 2013/08/18(日) 19:58:13.36 ID:D+fU02cl0
男「............」
女「男君......」
女「私、男君のこと好き......」
女「だから......付き合ってください」
男「............」
男「......ごめんな、無理だ」
女「っ......どうして?」
92: ◆SWYGzMGb56 2013/08/18(日) 20:06:19.49 ID:D+fU02cl0
男「俺には、幼がいる」
女「でも幼ちゃん、男君に冷たいじゃない
みんなに素っ気ないし、男君への態度も」
女「本当に付き合ってるのか......疑うくらい」
男「......」
女「だから私は......」
男「女」
女「?」
男「幼はたしかに、冷たいような印象はある」
男「でもそれは上辺だけの話しだ」
男「俺の知る幼は、ちょっと面倒で
甘えん坊で少し天然な、キョロ缶が大好きな女の子なんだ」
男「そんで俺はそんな幼が大好きだ」
女「............」
女「......そっか」
93: ◆SWYGzMGb56 2013/08/18(日) 20:10:43.78 ID:D+fU02cl0
男「だからごめんな」
女「ううん、いいの」
女「私は男が笑顔なら......それで満足だから」
女「でも、ちょっと悔しいかな......」
男「......俺は幼しか見てないよ」
女「うん、顔に書いてる」
男「そうか」
女「今日は......ありがとうね」
男「ああ」
女「それじゃあ......」
男「ああ、またな」
94: ◆SWYGzMGb56 2013/08/18(日) 20:14:33.04 ID:D+fU02cl0
タッタッタッタッタ
男「......」
男「幼」
男「いるんだろ? 出てこいよ」
.......ガサ
幼「............男」
95: ◆SWYGzMGb56 2013/08/18(日) 20:22:02.58 ID:D+fU02cl0
男「......幼、俺はお前のことが好きだ」
幼「......ぇ」
男「誰が何て言っても.......俺は幼のこと好きだよ」
男「だから......泣くな」
幼「......おとこぉ!!」
ギュッ
男「よしよし」
幼「うぅ......怖かっだ......怖かっだ......」
幼「おとごが......どこかにいきそうで......」
男「うんうん」
幼「男が告白されたとき......怖がっだ......ヒック」
男「ごめんな、心配かけたな......」
97: ◆SWYGzMGb56 2013/08/18(日) 20:26:58.99 ID:D+fU02cl0
俺の幼は
クールで面倒な女の子だ。
でも、それは外側を見ている人からの印象。
本当の幼は、泣き虫で甘えん坊
ちょっと天然で、キョロ缶が大好きな。
可愛い女の子だ。
終わり。
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