2: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/08(日) 22:47:26.98 ID:xAfask/W0

【茨城県 つくば市】


咲「あ、すみません。外暑かったですか?」


健夜「この汗、見えてない?」


咲「んふっ……めちゃくちゃ暑いですよね、知ってます」


咲「でも、1局戦で負けた健夜さんが悪いんですよ」


健夜「あれは仕方ないでしょ……配牌一向聴でいきなりカンして有効牌引いて聴牌」


健夜「どういう訳かまたまたカンして和了るんだもん……私、1回もツモしてないよ?」

引用元: 健夜「咲ちゃん、アイス買ってきたよ」 


 

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4: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/08(日) 22:50:13.87 ID:xAfask/W0

咲「運が私に味方しましたね」フフン


健夜「神様にくらい好かれたいもんだよ……」トホホ


咲「そんな悲しい自虐しなくても」


咲「というか、アイス溶けちゃいます」


健夜「あ、そうだったね」ガサゴソ


健夜「はい!」つアイス


咲「ありがとうございま……」

7: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/08(日) 22:51:23.94 ID:xAfask/W0


咲「……」つリンゴ味


咲「……いや」


咲「私が頼んだの、みかん味なんですけど」


健夜「えっ?」


咲「私が頼んだの、みかん味なんですけど」


健夜「そ、そうだっけ?」


咲「はい」

9: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/08(日) 22:56:10.41 ID:xAfask/W0


咲「……もう、私リンゴ味ってそんなに好きじゃないのに」


健夜「あはは…ごめんね?」


咲「まあ良いですけど……」


咲「健夜さんは何買ってきたんですか?」


健夜「んっとね、これだよ」つパイ


咲「へぇ、アップルパ……」


10: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/08(日) 22:59:18.66 ID:xAfask/W0

\オレンジパイ/





咲「逆っ!!!」ガタッ


健夜「うわっ!?」ビクッ


咲「え?逆じゃないです?」


咲「なんで、ミカン味なはずのアイスがリンゴ味で、アップルパイなはずのパイがオレンジパイなんですか!?」


咲「帰ってくる途中で味入れ替わってません?」


健夜「し、新商品って書いてあったから……」


咲「オレンジパイなんて出てたんですか……」


11: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/08(日) 23:02:02.46 ID:xAfask/W0


健夜「両方とも」


咲「両方!?今、両方って言いました?」


咲「え、両方ってアイスもですか?」


健夜「う、うん。咲ちゃんも新しい味食べたいかなって思って」


咲「矛盾!!あなたリンゴ味買ってるの気付いて無かったんじゃ無いんですか!」


咲「確信犯ですか!?というか、リンゴ味に新しいも何も無いですよ!!どれも味一緒!!」


咲「その前に、嫌いな味買ってこられてもありがた迷惑です!」

12: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/08(日) 23:02:59.00 ID:xAfask/W0


健夜「まあまあ、落ち着いて咲ちゃん」


咲「……!」


咲「……ふぅ、すみません。」


咲「ちょっと健夜さんのキテレツな行動にパニック起こしてました」


健夜「あ、飲み物も買ってきたよ」ガサゴソ


咲「勢いよく喋りすぎて喉乾いちゃったので丁度いいですね」

13: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/08(日) 23:05:02.27 ID:xAfask/W0


健夜「はい!これも新商品!」つジュース


咲「新商品出過ぎじゃ無いですか?」つ受け取り


健夜「夏、だからね」


咲「意味わかんないですよ」


咲「えっと、なになに」

14: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/08(日) 23:06:50.96 ID:xAfask/W0


\リンゴの果肉たっぷり!/


咲「……」スゥ


健夜「??」


咲「バカあああああああああああああ!!!!!!」


健夜「えぇっ!?」



【オープニング カン!】

16: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/08(日) 23:25:15.08 ID:xAfask/W0

【リー棒の気持ち?部の麻雀事情】



咲「リーチ」スッ


健夜「ロン 3900」


健夜「終局だね」


咲「ちょっと健夜さん、張ってるならリーチ掛けてくださいよ」


咲「ダマとかズルイです」


咲「しかも3900…2人打ちなんだから、もっと高い手作ったらどうなんですか?」

17: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/08(日) 23:26:24.29 ID:xAfask/W0


健夜「理不尽だよ!?」


健夜「というか、この前リーチしたら」


咲『健夜さんは、リーチされる度生贄にされるリーチ棒の気持ち考えた事がありますか?』


健夜「とか言って責めてきたよね……今まさに、咲ちゃんはリー棒を生贄にしてたよ」


咲「健夜さんがロンしなければ、次に暗槓して嶺上ツモれてたので良いんです」


健夜「どれどれ……」スッ

18: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/08(日) 23:27:35.10 ID:xAfask/W0

健夜「あ、ホントだね」


咲「あぁ……私のリー棒が健夜さんに奪われてしまう……」シクシク


健夜「まあ…そのリー棒はオマケしておいてあげるよ」


咲「やった、じゃあ1000点差で私の勝ちですね」


咲「約束通り、お昼ご飯お願いします」


健夜「えぇ!?」ガーン

24: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/09(月) 00:04:47.47 ID:I1DDlV3h0


咲「……それにしても」


健夜「うん?」


咲「飽きましたね」


健夜「麻雀部がそのセリフはどうかな……」


咲「麻雀部って言ったって、部員は私しかいないんですよ?」


咲「後は、恵比寿からここ茨城のクラブチームに追いやられて、この田舎の高校の麻雀部でコーチをやってくれてる健夜さんだけ」


健夜「凄い説明口調だね」

25: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/09(月) 00:08:21.98 ID:vAZZ/n1mO


咲「たまに中学の後輩が来てくれますけど、ほぼ毎日2人打ちなんですもん」


健夜「たまには外で打ってみる?」


咲「……外は暑いです」グッタリ


健夜「だよね…」グッタリ

27: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/09(月) 00:11:19.60 ID:I1DDlV3h0

蝉ニキ「ミーンミンミンミーーーンwwww」


咲「蝉…夏……」


健夜「夏だね……」


咲「夏といえば、もうすぐインターハイですね」


健夜「そうだった…」

32: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/09(月) 00:16:50.94 ID:I1DDlV3h0


【インターハイ】


健夜「私、解説に呼ばれてるんだよね」


咲「え、ホントですか」


健夜「うん」


咲「まあ、元世界2位ですもんね」


健夜「どうせ夏休みだし、咲ちゃんも見学に来れば?」


咲「え、良いんですか」


健夜「うん」

34: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/09(月) 00:20:34.53 ID:I1DDlV3h0


健夜「一緒に電車で行こっか」


咲「一応、乗る時は変装してくださいね」


健夜「私バレないよ?」


咲「トッププロがバレないわけが……」


健夜「バレないんだよ……」ズーン


咲「そ、そうですか…」


咲「でも色々と不安要素があるんですけど」


健夜「例えば?」

35: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/09(月) 00:21:25.14 ID:I1DDlV3h0


咲「まず、泊まる所……インハイの期間中宿泊するとなると、結構お金掛かりますよね」


咲「お父さんに急に大きい額を要求するのは、ちょっと…」


健夜「あ、それは大丈夫だよ。私のホテルの部屋2人部屋で取ってもらってるから」


咲「え……どうしてですか」


咲「ま、まさか……」


健夜「違うよ!!こんな事もあろうかと、保険を掛けて二人部屋にしてもらっただけ!」


健夜「いかがわしい理由じゃないからねっ」

36: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/09(月) 00:22:17.82 ID:I1DDlV3h0


咲「まあ健夜さんですし、分かってましたけどね」


健夜「なんかその言い方嫌だな」


咲「あと、健夜さんがお仕事中、私1人じゃないですか?」


健夜「そうだね」


咲「……」


健夜「……」


咲「ちょっと……その……」モジ


健夜(おっ……?)


健夜(あはは、咲ちゃんもまだ高校1年生だしね……寂しいのかな!)

37: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/09(月) 00:23:58.65 ID:I1DDlV3h0


咲「私……」


健夜(なになに!?早く!カモン!)


咲「迷子が心配で/////」テレテレ


健夜「そこー!?」ズッコケ


咲「何ですか、その昭和を感じるリアクション」


健夜「いてて…昭和って言わないで、NGワードだよ…」


咲「でも私、1人だと確実に迷子になる気がします」


健夜「迷子になっても誰かに聞けば大丈夫じゃないかな?」

38: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/09(月) 00:24:40.06 ID:I1DDlV3h0


咲「それもそうですね…さすがに会場の外まで出ることは無いと思いますし……」


健夜「……」


咲「……無いですよね?」


健夜「仮にそんな事があったら、一生見つけられる自信ないよ」


咲「気を付けよう……」

39: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/09(月) 00:34:12.11 ID:I1DDlV3h0
原作咲さんは裏ドラ乗らないけど、この咲さんは乗るかも?と言うことでよろしく

>>26は自分の見解です

47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 18:35:57.59 ID:I1DDlV3h0
【ファミレスにて】


健夜「そういえば咲ちゃん」


咲「はい?」パク


健夜「さっきの対局、なんで最後リーチかけたの?」


咲「ほうひふひみへふは?」モグモグ


健夜「口の中の物飲み込んでからでいいよ…」


咲「ふぁい」モグモグ

48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 18:36:38.73 ID:I1DDlV3h0


健夜(リスみたい…)


咲「ふぅ……」フキフキ


咲「どういう意味ですか?」


健夜「いや、さっきのオーラス。わざわざリーチ掛けなくても良かったんじゃないかなって」


咲「はぁ……これだから負けを知らないアラフォーは…」


健夜「アラサーだよっ!!」

49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 18:38:07.77 ID:I1DDlV3h0


咲「良いですか、あんな絶好手ですよ?」


咲「リーチしてツモれば親の三倍満、裏ドラの支配をするまでもなく、健夜さんを飛ばせました」


咲「元世界2位を飛ばせる機会なんてそうそうやって来ないので、やってみようかなっていう、私のチャレンジ精神が疼いたんです」


健夜「そ、そうなんだ……」


咲「それに、麻雀ってやっぱりリーチする時が1番面白いと思うんですよ」


健夜「あ、それは分かるかも」


咲「だからまあ、そんな理由です」

50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 18:38:45.41 ID:I1DDlV3h0


健夜「咲ちゃんらしいかもね」


咲「けふ……こちそうさまでした」


健夜「と言うか、本当に奢る事になるとは…」ガックシ


咲「美味しかったです。また連れてきて下さいね」ニッコリ


健夜(可愛いからいっか)

51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 18:46:13.97 ID:I1DDlV3h0
【父と娘】

・咲宅 リビング

咲「あ、お父さん」


界「なんだ?」


咲「来週の月曜日から1週間、東京に行くことになったんだけど」


界「なっ……!?」ガタッ


咲「ホテルは取ってもらったし、信用できる人に着いてきて貰うんだけど……」


界「ホテル!?」


咲「……お父さん、なんか変な事考えてない?」ジトー


咲「言っておくけど、一緒に行くのは健夜さんだからね」


界「あ、あぁ……小鍜治さんか……なんだよ、ついに咲までグレたのかと思って焦ったじゃねえか」


咲「私までって」


界「おう、そう言う事なら行ってこい。照に会ったら宜しく伝えておいてくれよ?」


咲「うん、ありがとお父さん」

52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 18:55:41.31 ID:I1DDlV3h0

電話「プルルルルルルル」


界「っと電話か」


咲「私出るよ」


界「お、頼む」


咲「もしもし、宮永です」


『宮永先輩ですかー?』


咲「この声……マホちゃん?」


マホ『正解ですー!さっすが宮永先輩♪』


咲「あぁ……うん」


マホ『宮永先輩、インターハイ見に行くそうですね!』


咲「え、今日決まったばっかなのに何で知ってるの?」


マホ『小鍜治さんに聞きましたぁ~♪』


咲「情報早いね!?」


マホ『今日偶然会ったんですよー!それでですね』


マホ『マホも先輩と一緒に観戦しに行きたいな~なんて思っちゃったりして…』モジモジ

53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 18:59:30.91 ID:I1DDlV3h0
【後輩と先輩】


咲「私は大丈夫だけど、健夜さんは……」


マホ『宮永先輩の迷子監視係に任命されちゃいましたよ~!』


咲「……」


マホ『宮永先輩?』


咲「あ、うん。なら大丈夫だよ」


咲「一緒に行こっか」


マホ『本当ですか!?』


マホ『やりましたぁ~♪』



54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 19:06:36.04 ID:I1DDlV3h0

咲「要件はこれだけ?」


マホ『はい♪』


咲「そっか、じゃあ切るね。また月曜……」


マホ『ぁ……』


咲「……」ハァ


咲「日……に必要な物とか大丈夫?」


咲「マホちゃんドジっ子だし、今から確認しておこっか」


マホ『!!!』パァッ


マホ『はいっ!!遠足みたいで楽しみですっ♪』


咲「えっと、まずは虫除けスプレー」


マホ『宮永先輩、遠足みたいではありますけど遠足では無いです。虫除けスプレーはいりません!』


咲「え?そう……?」


咲「じゃあ雀卓……」


マホ『どつやって持っていくんですか!?』


マホ『もー!どうやら確認が必要なのは宮永先輩の方だったみたいですね……』


マホ『良いですか?まずは……――――――――――――』


―――――――――――――
―――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――


56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 19:20:27.52 ID:I1DDlV3h0

・数十分後


咲「うん……とりあえずバナナはオヤツには含まれな……」


咲「え、オヤツも持っていかなくていいんだっけ」


咲「あ、あっちで買うんだね」


咲「うん、うん……分かったよ、それじゃあね」


咲「ん、おやすみ」ピッ


咲「ふぅ……話しすぎちゃった」


咲「今何時かな」チラッ


11・00


咲「ふぇ!?どれだけ話してたの私……」


咲「……お風呂入って寝なきゃ」


咲「ふふっ……月曜日、楽しみだな」フッ

60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 20:40:34.78 ID:I1DDlV3h0
【いざ東京へ】

・出発日


マホ「あ!宮永先輩来ましたぁ!」


健夜「おはよ、咲ちゃん」


咲「ひゃい……おはよーごじゃます…」ウトウト


マホ「は、はい?」


健夜「咲ちゃん?」

61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 20:41:52.83 ID:I1DDlV3h0


咲「おは~…ですよぉ……」ウトウト


健夜「あ、そういえば咲ちゃんって…」


マホ「朝が激弱でしたっけ…」


咲「ふみゅ……」ネムネム


健夜「か、可愛い…」


マホ「可愛いです……これは……ヤバいです」


咲「かん…それもかんです……かん、かん……すーかんつです……」ウトウト


健夜「え、あれ寝てない?」


マホ「寝ながらどうやってここまで来たんですかー!?ていうか、夢で四槓子和了ってますよ……」

62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 20:47:22.06 ID:I1DDlV3h0

健夜「んー、これじゃあ電車乗るのは無理かなぁ」


マホ「え、中止ですかぁ!?」


健夜「そんなわけないでしょ……」


健夜「仕方ない、私の車で行こっか」


咲「えへへ……てんほー…ちゅーれんぽーとー……」


―――――――――
―――――――――――――――
―――――――――――――――――――――

63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 20:57:59.46 ID:I1DDlV3h0
・車内


マホ「小鍜治さん、車運転出来たんですねー!」


健夜「うん、まあね」


健夜「車の運転くらい出来ないと、何かと不便なんだ」


マホ「くれぐれも事故起こさないでくださいよー?」


健夜「起こさないよっ!!!」


咲「んぅ……?」スク


マホ「あ、宮永先輩起きましたか?」


咲「ん……ここは……車?」


咲「というか、マホちゃんの膝の上?」


健夜「咲ちゃんが電車に乗ると危ない状態だったから、車で向かうことにしたんだよ」


マホ「千里山の、清水谷っていう人の膝枕コピーしてみたです。どうですか?」


咲「どうですかって……確かに気持ちいいけど、マホちゃんの能力そんな事もコピーできたんだ……」


マホ「えっへんです(`・v・´)ドヤ」

64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 21:00:32.62 ID:I1DDlV3h0

咲「というか健夜さん、車の運転できたんですね」


健夜「うん、まあね」


咲「……事故らないでくださいよ?」


健夜「咲ちゃんまで!?」ガーン


―――――――――――――――
―――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――

73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 22:59:26.26 ID:I1DDlV3h0
【到着】

・東京 ホテル前・


健夜「んーーっ!着いたね」


咲「ふあぁ……」ネムネム


健夜「咲ちゃん、また寝てたの?」


咲「マホちゃんの膝枕……ちょっとヤバイです」


咲「なんと言うかこう……ヤバイです」


健夜「伝わらなさ過ぎて、逆に伝わってきたよ」


74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 23:00:07.16 ID:I1DDlV3h0


マホ「うわぁ……立派なホテルです!まるでお城みたい!」


咲 健夜「……」


マホ「???2人ともどうしたんですか?」キョトン


咲「あはは、何でもないよ!何でも……」


健夜「う、うんうん!」


健夜「ちょっとお昼には遅いけど、部屋に荷物置いてご飯にしよっか!」


咲「そういえば、部屋ってどうするんですか?二人部屋で取ってたんですよね」

75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 23:00:34.91 ID:I1DDlV3h0


健夜「三人部屋に変更してもらったから大丈夫だよ」


マホ「マホは宮永先輩と同じベットで寝たかったんですけど……残念です」


咲「健夜さんなら一緒に寝てくれるよ」


マホ「あ、それはちょっと……」


健夜「なんで!?いや、この反応もアレだけど……」


咲「ふふっ……」クスクス


76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 23:02:08.15 ID:I1DDlV3h0

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



マホ「はふぅ……ご飯食べて麻雀打ってたらもうこんな時間です…」


咲「お風呂入って寝たいね…」


電話「プルルルルルルル」


咲「電話……健夜さんのケータイですよ」


健夜「ホントだ。非通知……誰からだろ?」ピッ


健夜「はい、もしもし?」


咲(え、非通知に無警戒で出るんだ)


マホ(恐れを知らないです)

77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 23:02:49.15 ID:I1DDlV3h0


健夜「はい……居ますけど……はい…」


健夜「…………えっ!?」


咲「!?」ビクッ


健夜「えぇ……はい……分かりました」ピッ


咲「急に大きい声出して、どうしたんですか」


健夜「ま、マホちゃん……」


マホ「マホがなんですか?」

78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/09(月) 23:03:53.71 ID:I1DDlV3h0

健夜「夏休み前のテスト……国語、何点だった?」


咲(まさか)


マホ「半分以上、解答欄書くところ間違えちゃって赤点でしたー」テヘ


咲「そこでチョンボしちゃったかー…」


マホ「それがどうかしたんですか?」


健夜「再テスト……明日だって……」


マホ「…………え?」


健夜「明日……インハイの開会式の日。マホちゃんは追試…」


健夜「出席しないと夏休み中補習だって……」


マホ「えええええええええええええええ!?!?」


84: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/10(火) 22:00:36.07 ID:e3OUicj70

【健夜の過ち】

・夜 10時


健夜「つ、疲れた……」


咲「朝は車で東京まで、夕は電車で往復……大変でしたね」


健夜「マホちゃん、泣いてたよ」


咲「可哀想……ですけど、仕方ありませんね」


健夜「あまりに可哀想だったから、帰ったら咲ちゃんがお泊まりに来てくれるってって言っちゃった」

85: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/10(火) 22:01:19.39 ID:e3OUicj70


咲「…………は?」


健夜「そしたら一瞬で満面の笑みに変わって、凄く楽しみにしてたよ」


咲「……はぁ…………まあ、それで機嫌直ってくれたらな良いですけど」


健夜「あれ、怒られるかと思った」


咲「お泊まりくらいなら良いですよ。私も楽しいですし」

86: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/10(火) 22:02:01.00 ID:e3OUicj70


健夜「ふふっ、マホちゃんには甘いんだね?」


咲「えぇ、まあ。大事な後輩ですし……」


咲「でも」


健夜「??」


咲「健夜さんには甘くないですよ?」


健夜「……へ」

87: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/10(火) 22:03:36.97 ID:e3OUicj70


咲「よくもまあ私をダシにしてくれましたね?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


健夜「あ、あはは……咲ちゃん落ち着いて?」


健夜「そ、そうだ!咲ちゃんお腹空いてない?」


健夜「やっぱり空いてるよね!はい!これ、帰りに買ってきたリンゴ!食べて?」


健夜「東京で食べるリンゴ!きっと美味しいよ!」


咲「ブチッ」

88: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/10(火) 22:04:30.47 ID:e3OUicj70


健夜「ぶち?」


咲「この……」


健夜「さ、咲ちゃん?」


咲「この……ごじゃっぺがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ガバッ


健夜「ちょっ、咲ちゃん方言……っていうかくすぐるの禁止!あははっ!そこやめてっ!あはははははっ!!」


【東京1日目 終了】


――――
―――――――――
――――――――――――――――――

89: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/10(火) 22:23:02.97 ID:e3OUicj70

【閑話 ふくすこインハイレディオ】


・東京2日目 インターハイ開会式


BGM・インハイレディオ・テッテテッテテーテーテテー


健夜(うぅ……咲ちゃんやりすぎだよ…)


健夜(昨夜笑いすぎて腹筋が痛い……)イタタタ


恒子「皆さんこんにちは!!ふくよかすこやかインハイレディオ!」


恒子「略して"ふくすこインハイレディオ!"この番組は、ふくよかじゃない福与恒子と!」

90: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/10(火) 22:23:35.71 ID:e3OUicj70


健夜「それ全然略せてないよ……」


健夜「す、すこやかじゃない小鍜治健夜でインハイ情報をお届けする番組です……」


健夜「そして私は健康なので安心してください」


恒子「おおぅ……?何か元気ないねすこやん?」


健夜「えっ、そう?」

91: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/10(火) 22:24:14.24 ID:e3OUicj70


恒子「うんうん!いつものツッコミの勢いが無かったもん!」


健夜「判断基準そこ!?」


恒子「なになに!愛しの恋人とケンカでもしたのかい?」


健夜「違うよ!?」


健夜(恋人……こい、びと……?)

92: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/10(火) 22:24:45.02 ID:e3OUicj70

『↓健夜妄想↓』


咲『健夜さん!』ギュー


咲『えへへ……待たせちゃってごめんなさいっ』


咲『健夜さんとデートだと思うと楽しみで寝られなくて……////』


咲『もー!///笑わないでくださいっ///』


咲『今日は、その……』モジモジ


咲『一緒に……楽しみましょうね?』(上目遣い)


『妄想終了』

93: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/10(火) 22:25:37.72 ID:e3OUicj70


健夜「えへへへへへ……」クネクネ


恒子「うわぁ……」ヒキッ


健夜「はっ……!!」


健夜「コホン……何も無いし、元気だよ?」


恒子「巷では、小鍜治プロが高校生くらいの女の子2人と一緒に歩いてたっていう噂が立ってるけど」


健夜「へっ」

94: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/10(火) 22:26:09.78 ID:e3OUicj70


恒子「そういえば小鍜治プロは地元のクラブチームを救うために移転してから」


恒子「地元の高校の麻雀部でコーチも務めているとか!」


健夜「どこからその情報漏れたの!?」


恒子「おおっ?ってことは本当なの?」


健夜「……さ、さてさて!無駄話もこれくらいで!そろそろ開会式が始まりますね」


恒子「私との会話を無駄話とは何事か!!」

95: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/10(火) 22:27:13.20 ID:e3OUicj70


恒子「小鍜治プロは今年のインターハイ、注目校はどこなの?」


健夜「そうですねぇ……やはり一昨年、昨年度と優勝を成し遂げ、インハイチャンプ宮永照選手擁する白糸台高校でしょうか」


恒子「定番ですね!」


健夜「それと、昨年度の最多得点プレイヤー天江衣選手擁する龍門渕高校を、見事打ち倒し初出場を果たした……」


健夜「長野県、清澄高校や奈良県の強豪晩成高校に勝利して10年振りにインハイ出場を果たした、奈良県阿知賀女子……」

96: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/10(火) 22:27:56.02 ID:e3OUicj70


健夜「といった、いわゆるダークホースにも注目していますね」


恒子「今年も、全国の高校生の頂点を決める祭典が今日からついに……っっっ!!!」


恒子「始まりますっっっっ!!!!」ビシッ


恒子「お前らあああああ!!テレビの前から離れんなよおおおお!!!」


健夜「視聴者をお前らとか言ったらダメだよ!?」


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99: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/05/10(火) 22:44:08.42 ID:e3OUicj70
次回予告


『お願いします宮永さんっ!!私たちと、打ってくれませんか!!』


『次こそ園城寺さんに勝ちたいんです!』


『私からも頼む』


『赤土さんの頼みなら……分かりました』


〈咲さんと阿知賀女子、まさかの対局!?〉



『咲、本当に来てたんだ』


『お姉ちゃ……『サッキーだー!?』』


『へっ……?あ、淡ちゃん!?』


『ちょー久しぶりじゃん!!』


〈高校100年生登場!〉




『わっかんねー、どうして君みたいな子がインハイに出てないん?』


『アンビリーバボーです』


『……もったいない!』プンスコ


『はやや~☆おい健夜、どういう事かな☆』


『あ、あはは~……』


〈プロとの対面!〉


そして……

『お前か?この鬼鬼たる気配……』


『ききたる……?』


『長野県代表、原村和です。以後、お見知りおきを』


『咲ちゃんって言ったな!タコス食うか?』


『いえいりません』


『じょー!?』


〈タコス敗北っっ!!〉


第2幕 宮永咲とインハイの猛者たち