2: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/25(日) 14:30:39.96 ID:Lj1eh5PG0

霧島(相討ち、か……)

霧島(景色がスローになって、意識も視界もぼやける)

霧島(それと同時に感じる痛みも徐々に消えていく、そんな感覚)

霧島(少なくとも、死ぬわけではない)

霧島(それだけは、何度も経験した感覚だから分かる)

霧島(ただちょっと……今回は被弾しすぎた)

霧島(修理にどれくらいかかるか、それは分からない)

霧島(……ああ、皆……大丈夫よ)

霧島(こんな怪我、すぐに治して戻っ、て…………)

霧島(…………)


引用元: 艦これ×モバマス 短編 


 

艦隊これくしょん -艦これ- 電撃コミックアンソロジー 佐世保鎮守府編 (11) (電撃コミックスNEXT)
シコルスキー ビリー 山本アリフレッド
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2016-04-26)
売り上げランキング: 947
3: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/25(日) 14:32:02.02 ID:Lj1eh5PG0


────────
──────
────
──



4: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/25(日) 14:33:02.36 ID:Lj1eh5PG0


霧島(…………)

霧島(……痛みが無い?)

霧島(治ったのかしら?)

霧島(それにしては何かが違うような……)

霧島(とりあえず、起きないと……)



霧島「────えっ?」



霧島(視界に映るのは見たこともない部屋)

霧島(誰かの私室にしては広すぎるし、ドックにしては機材が少なすぎる)

霧島(ここはいったい……)



?「あ、起きました?」




5: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/25(日) 14:33:59.54 ID:Lj1eh5PG0

霧島「っ!? 誰っ!?」

?「えっと、そのセリフはアタシのセリフなんですけど……」

?「あなたこそなんで事務所の前で倒れてたんですか?」

霧島「じ、事務所……?」

霧島(どういうことなの……?)

?「まぁいいです。体に異常とか無いですか?」

霧島「……無いわ」

霧島(いつの間にか治療されてる……)

霧島(……落ち着くのよ、私)

霧島(不可解な点が多いけど、今は状況を把握することが先決)

霧島(少しでも情報を集めないと……)

霧島「あの……」

?「どうしました?」

霧島「ちょっと記憶が混乱してるみたいなの。私を見つけた状況とか詳しく教えてもらえないかしら?」

?「それは構いませんけど……えーと……?」

霧島「私は霧島っていうの」

?「霧島さんですね。分かりました」



6: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/25(日) 14:34:38.29 ID:Lj1eh5PG0



春菜「アタシ、上条春菜っていいます」




7: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/25(日) 14:35:23.45 ID:Lj1eh5PG0

霧島「ハルナ……」

霧島(榛名と同じ名前……)

霧島(偶然なのかしら?)

春菜「でも、霧島さん。状況っていっても大したこと無いですよ?」

春菜「朝事務所に来たら事務所前に霧島さんが倒れてただけですし」

霧島「その、怪我とかしてなかったかしら?」

春菜「いえ、見ましたけどありませんでしたね」

春菜「そのままにしておくのもアレなんで、事務所に運んでソファーに寝かせてました。これが三十分くらい前の出来事です」

春菜「後は特に……」

霧島(全然分からないわね……)

霧島「……ありがとう。情報もそうだけど助けてくれたことにも感謝するわ」

春菜「いえいえ、同志を助けるのは当然ですから」

霧島「同志?」

春菜「霧島さん眼鏡かけてますからね!」

春菜「眼鏡をかけてる人は皆同志です!」

霧島「そ、そう……」

霧島(状況もそうだけど、この子もよく分からないわ……)


8: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/25(日) 14:36:31.90 ID:Lj1eh5PG0

春菜「とりあえずここで待ってて下さい。プロデューサーさんならどうにかできるかもしれませんし」

霧島「……記憶もまだ曖昧だし、お言葉に甘えさせてもらうわね」

春菜「もう少ししたら来ると思います。このドーナツでも食べて待ってて下さい」

霧島「……ありがとう」

霧島(……何も分からない)

霧島(夢にしてはハッキリしすぎてる)

霧島(夢じゃないとしても現実味が無さすぎる)

霧島(怪我は消えてるし、私はどうやってここまで移動したのか。そもそもここはどこなのか)

霧島(……考えても、分からない)

霧島(私、これからどうなるのかしら……?)










霧島(あ、このお菓子美味しい)


17: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/25(日) 19:00:03.85 ID:Lj1eh5PG0


霧島(ハルナと喋ったりお菓子を摘んだり)

霧島(そうやって時間を潰すこと数十分)

霧島(ついにその『プロデューサーさん』とやらは現れた)

霧島(……私の予想とは随分かけ離れていたけれど)



モバP「あなたが霧島さんですね? 春菜から事情は聞いてます。出来る限り協力しますからどうぞ頼って下さいね?」

霧島「……は、はい」

モバP「とりあえず俺のことはプロデューサーとでも呼んで下さい」



霧島(キッチリとしたスーツに似合うピンと張った快活な声音)

霧島(背丈も高くスタイルもいい)

霧島(ただ1つ、おかしい点を挙げるならば……)

霧島(本来頭があるべき場所)

霧島(そこにはアルファベットのPの形をしたナニカしかない)

霧島(被り物? それにしてはチョイスがおかしいけど……)

霧島(……何だか不安が増してくるわね。本当に大丈夫なのかしら?)



23: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/25(日) 20:28:38.31 ID:Lj1eh5PG0

霧島「えーと、プロデューサーさん? その、私……」

モバP「安心して下さい」

霧島「え?」

モバP「記憶が戻るまでここにいていいですから」

霧島「……あ、あの」

モバP「ゆっくり思い出していきましょう?」

春菜「いいんですか?」

霧島「わ、私の話を……」

モバP「乗りかかった船だしなー。それに無一文だったんだろ?」

春菜「それはそうですけど……」

モバP「女子寮空いてるしそこに住んでもらって、家賃としてうちの年少組の世話をしてもらおう」

霧島「ハルナ? プロデューサーさん?」

春菜「まぁプロデューサーさんがそう言うならそれでいいですけど」

モバP「春菜、事務所と女子寮、それと近くのレッスン場とか案内してあげて」

春菜「了解しました!」

霧島(あ、何だか戻れない予感が……)

春菜「さ、行きましょう霧島さん!」

モバP「行ってらー」



霧島(あまりの展開の速さについていけないまま、私の腕はハルナに引かれていく)

霧島(これからどうなるのか、そんな思考を隅に追いやりながら)

霧島(私の頭の中には同じ言葉がぐるぐると回っていた)





霧島「どうしてこうなった」

春菜「霧島さん何か言いましたか?」

霧島「もう好きにして……」


34: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/28(水) 23:54:16.37 ID:+JgA4uwC0







霧島(私がこの事務所で働くようになってから早5日……)

霧島(ハルナやプロデューサーさん、事務所の人々に仕事やその他諸々の知識を教えてもらった結果、様々なことが分かった)

霧島(その中で最も重要なこと)

霧島(……この世界には艦娘が存在しない)

霧島(そして深海棲艦も存在しないから、この世界の海は驚くほど平和だ)

霧島(護衛艦も付けずに人々が船を使うという有り得ないことが、普通に起こっている)

霧島(初めて知ったときは酷く動揺したし、今でも信じきれないけど)

霧島(報道されるニュースや新聞の記事にそういった情報が一切無いこと。いくら聞いてみても誰も知らないこと。それらがその事実を如実に証明していた)

霧島(そして生まれた1つの推論)

霧島(絶対に有り得ない、そうは思うけれど……)

霧島(もしかするとこの世界は)

霧島(文字通りの意味で『別世界』なのかもしれない)




35: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/28(水) 23:55:06.40 ID:+JgA4uwC0



春菜「霧島さん、おはようございますっ」

霧島「おはよう、ハルナ」

霧島「今日の予定は?」

春菜「午前は収録で午後はトレーニングです」

霧島「そう、頑張ってね?」

春菜「はい、頑張りますね」

春菜「……えっと、霧島さん?」

霧島「どうしたの?」

春菜「今日の夕方、時間空いてますか?」

霧島「買い物かしら? 別に構わないわよ?」

春菜「本当ですかっ!?」

霧島「ええ」

春菜「じゃあお願いしますっ」

春菜「……約束ですよ?」

霧島「大丈夫よ、破ったりしないから。……行ってらっしゃい」

春菜「行ってきます!」


36: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/28(水) 23:55:58.25 ID:+JgA4uwC0


モバP「……すっかり懐かれてますね」

霧島「おはようございます、プロデューサーさん」

モバP「そのスーツ姿も板についてきてますよ?」

霧島「それ、昨日も聞きました」

霧島「いろいろ恩は感じてますけど、ここでずっと働くわけにはいきません」

モバP「冗談ですよ、冗談」

モバP「話半分で受け取って下さい」

霧島「…………」

モバP「さて、今日のお仕事なんですけど……」

モバP「年少組が女子寮の広間で遊んでいるので、そのお世話をお願いします」

霧島「……分かりました」

モバP「後で他の大人も増援に向かわせます。それまでは1人ですけど何とか踏ん張って下さい」

霧島「行ってきますね」

モバP「行ってらっしゃい」



37: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/28(水) 23:56:44.40 ID:+JgA4uwC0


霧島(………………)

霧島(『行ってらっしゃい』)

霧島(司令から、似たようなニュアンスの言葉を貰った)

霧島(そのたった数日前の出来事を、懐かしく感じてしまう)

霧島(…………)

霧島(話半分、か……)



38: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/28(水) 23:57:24.71 ID:+JgA4uwC0



霧島(……着いたわね)

霧島(考えなきゃいけないことはたくさんあるけど、これは私の『仕事』)

霧島(お世話になっている以上手を抜くわけにはいかないわ)

霧島(辛気くさい顔は駄目。相手は子供なんだから、なるべく笑顔で……)

霧島(いざ!)



39: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/28(水) 23:58:16.20 ID:+JgA4uwC0



霧島「皆、おはよ────きゃっ!?」




41: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/28(水) 23:59:18.33 ID:+JgA4uwC0

麗奈「アーッハッハッハッ!!」

麗奈「どうよレイナサマのスペシャルバズーカver2のお味は!」

麗奈「一昨日みたいに避ける暇もなかっ、た……」

霧島「……ふふふ」

霧島「ちょーっとオイタが過ぎたわね?」

麗奈「ひっ」





仁奈「き、霧島おねーさんが笑ってるでごぜーます……」

千枝「あ、あれはどちらかと言えば怒ってるんじゃないかな……」

こずえ「れいなおねぇちゃんういてるぅ……」

巴「あれはアイアンクローじゃな」

ほたる「この前は愛海さんがやられてましたね……」

桃華「……何となく理由は分かりましたわ」

紗南「見る分には面白いんだけどねー」








麗奈「イタイイタイイタイイタイッ!!」


42: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:00:17.83 ID:rR7oRf5m0



巴「帰ったぞー」

仁奈「お帰りでごぜーますよ、おとーさん!」

桃華「お帰りなさいですわ!」

千枝「お帰りなさい、あなた。ご飯にする? お風呂にする? それとも……」




43: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:01:16.17 ID:rR7oRf5m0



霧島(ここでの私の仕事は基本的にこの子達が遊ぶのを監視して、怪我をしないように動くこと)

霧島(離れて見守ることもあれば、参加させられることもある)

霧島(先程から見ていたけど、この子達はどうやらおままごとをすることに決めたらしい)

霧島(…………それにしても)



巴「何じゃ? 欲しいんか?」

千枝「ふぇっ……」

仁奈「き、キスするでごぜーますかっ」

桃華「は、ハレンチですわっ!」



霧島(おままごとってこんな感じだったかしら?)

霧島(やけにませてるような気が……)

霧島(まあ楽しそうだし、それはそれで良いんだろうけど……)




44: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:01:57.09 ID:rR7oRf5m0


こずえ「この、どろぼうねこ……」

千枝「お義母様っ!?」

霧島(いや、やっぱりおかしいわね)



45: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:02:48.63 ID:rR7oRf5m0


紗南「霧島姉ちゃん入ってよ!」

霧島「また? しょうがないわね……」

麗奈「霧島にだけは負けないわよ!」

ほたる「せ、せめて3位に……」

紗南「またガノン?」

霧島「しっくり来るのよ。何故かしら?」

麗奈「脳き……な、何も言ってないわよっ!?」

霧島「……口には気を付けなさいね?」

霧島「さ、やりましょ」

ほたる「お、お手柔らかにお願いしますっ」



46: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:03:33.38 ID:rR7oRf5m0



霧島(この世界に来て初めて知った『ゲーム』という存在)

霧島(これが中々面白くて、実のところを言うとたくさん持ってるサナに借りてみたい)

霧島(だけどこの世界では私くらいの年齢の女性がゲームをやるのはあまりよろしくないらしく、自重している)

霧島(だからこうやって誘われるのは良い口実になるから少し嬉しい)

霧島(勝率は……まぁ、ね?)




47: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:04:35.75 ID:rR7oRf5m0


紗南「無駄無駄ぁっ!」

麗奈「こ、攻撃が当たらない!?」

霧島「隙アリ」

麗奈「ああっ!? レイナサマのソニックがっ!?」

紗南「お、ハンマーか!」

ほたる「またピコピコハンマーです……」

霧島「つ、次があるわよ」

ほたる「もう10回連続ですよ……」

麗奈「レイナサマのクラッカーで吹っ飛びなさい!」



48: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:05:11.41 ID:rR7oRf5m0

────────
──────
────
──


49: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:06:00.46 ID:rR7oRf5m0



霧島「ちょっと休憩」

霧島「外の空気でも吸ってくるわ」

霧島「他の子達が危ないことしないよう見ておいてね?」

紗南「りょーかい!」

麗奈「任せなさい!」

ほたる「わ、分かりましたっ」



50: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:07:37.54 ID:rR7oRf5m0






霧島「────ふぅっ……」



霧島(自動販売機でコーヒーを買い、近くの壁にもたれかかって空を見上げる)

霧島(今日の天気は残念ながら曇りで、おそらく夜には雨が降るだろう)

霧島(コーヒーを一口飲む)

霧島(この天気を表すかのような苦味が、舌を鋭く刺した)



51: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:09:12.78 ID:rR7oRf5m0

霧島「────あら?」

霧島「お疲れ様、あい」

あい「そちらこそお疲れ様。援軍に来たぞ」

霧島「……助かるわ」

霧島「流石に1人では限界だったから」


52: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:10:07.28 ID:rR7oRf5m0

あい「それにしても随分慣れてきたな」

あい「最初の頃とは大違いだ」

霧島「ふふ、ありがと」

あい「機械のほとんどの使い方を知らないなんて、どこの人間かと最初は思ったものだが……」

あい「飲み込みは早いし応用力もあるし、こんなに優秀な奴だとは思わなかった」

霧島「……それはけなしてるのかしら? それとも褒めてるのかしら?」

あい「あはは、これ以上なく褒めてるよ」

霧島「ならいいけど……」

あい「納得してくれたかい?」


53: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:11:03.88 ID:rR7oRf5m0


霧島(返事の代わりにそっぽを向く)

霧島(コーヒーをまた一口)

霧島(そして再度あいの方を向くと、彼女は私に真摯な目を向けていた)





あい「なぁ、霧島……」

あい「仕事のノウハウを5日という短時間で身につけるなんて、もしかすると霧島にとって天職なんじゃないか?」

あい「ここでこれからも働いていくという選択肢は……無いのか?」

霧島「…………」



54: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:11:56.28 ID:rR7oRf5m0


あい「……すまない。霧島には霧島なりの理由があるだろうに」

霧島「……いいわよ。今朝プロデューサーさんにも言われたことだし」

あい「何だ? そうだったのか?」

霧島「あら? てっきりプロデューサーさんから言われたのだと思ってたわ」

あい「いや、初耳だ」

あい「これは私個人の願望と──」

あい「──春菜の願望だからな」

霧島「……そう」

あい「……長話が過ぎたな」

あい「私は先に行ってるから、もう少しゆっくりしてから来るといい」

霧島「……あの子達のこと、お願いね」

あい「任せたまえ」



55: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:12:41.47 ID:rR7oRf5m0



霧島「……………………」




56: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:13:36.62 ID:rR7oRf5m0


霧島(元の世界に戻りたいと思う私)


霧島(この世界で平和に過ごしたいと思う私)


霧島(たった数日間が、私のこれまでの人生を否定しようとしている)


霧島(どちらも本心からくるものだというからタチが悪い)


霧島(考えても考えても答えなんて出せないまま)


霧島(私は残りのコーヒーをあおるように飲み干す)


霧島(そして無性に紅茶が飲みたくなった)



57: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:14:34.55 ID:rR7oRf5m0










美優「た、ただいまっ……」

美優(まさか大雨に遭うなんて……)

美優(傘も持ってなかったから全身びしょびしょ……)

?「お帰りなさい」

?「はい、タオルです」

美優「あ、ありがとうございます……」

?「お風呂、沸かしておきました。風邪をひかれたら大変ですし、どうぞ入ってきて下さい」

美優「は、はい……」



58: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:15:27.88 ID:rR7oRf5m0



美優(台所から良い匂いが漂ってくる。どうやら夜ご飯も作ってくれていたらしい)

美優(2日前に突然家に現れた時はびっくりしたけど、この人の雰囲気と私自身の直感を信じて良かったと思う)

美優(そのおかげで、私はこうやって久方ぶりの温かみを味わえるのだから)







美優「本当、何から何まで……」

?「居候させてもらっている身ですから……」

美優「それ以上に助かってますよ────」



59: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:16:18.87 ID:rR7oRf5m0




美優「────鳳翔さん」

鳳翔「ふふ、どういたしまして」





60: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:17:19.32 ID:rR7oRf5m0








光「ただいま!」

光「……どうだった?」

?「ああ、とても面白かったぞ!」

?「特に『ぞるだ』とやらが良い!」

?「あの火力…………私も提督に実現できないか聞いてみようと思った!」

光「気に入ってくれたようで何よりだ!」

光「続きは後で見るとして、ご飯を食べに行くぞ!」


61: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:18:05.27 ID:rR7oRf5m0

?「……済まないな。ここ2日、光と光の父君と母君に頼ってばかりだ」

光「……気にしなくて良い」

光「困ったときはお互い様だからな!」

?「……この恩には必ず報いる」

光「ああ、楽しみに待ってる」


62: ◆fPywLyYo/XLw 2013/08/29(木) 00:18:55.71 ID:rR7oRf5m0




光「ところで長門さんは何食べたい?」

長門「昨日食べた旗が付いてるやつを頼む!」