1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 14:30:00.02 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「あふぅ…恒一くんの歯ブラシ//」ワッシワッシ


小椋(oh…)

引用元: 恒一「夏だ!」鳴「海だー」赤沢「合宿だ!!」 


 

Another: Complete Collection [Blu-ray] [Import]
Section23 Films
売り上げランキング: 30,084
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 14:34:14.86 ID:y6JJ1L8U0
小椋(よもや先客がいようとは…遅れをとってしまったようね…)


赤沢「んん…恒一きゅんの味がするよぅ//」ワッシワッシ

赤沢「ふぅ…美味しかった」

赤沢「……虚しい。寝るか」


小椋(よ、よしっ、邪魔者は消えたわね)

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 14:43:32.51 ID:y6JJ1L8U0
小椋「洗濯機の中にまだ残ってるはず…」ガサゴソ

小椋「あった…恒一くんのパ  …!!」

小椋「あれ?何か湿ってる…」

小椋「クンクン…この匂い…xxxxじゃないわね」

小椋「ま、まさか泉美のやつ…」

小椋「…いや、でも泉美は歯ブラシだけだったわよね…?」

小椋「一体誰が…」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 14:49:30.90 ID:y6JJ1L8U0
小椋「この合宿所にいる女子は私、泉美、杉浦、綾野、見崎さん、怜子さんの6人」

小椋「私と泉美は省くとして、残り4人…その中に犯人がいるはず」

小椋「クソッ…せっかく楽しみにしてたのに…誰なのよ!」


杉浦「うるさいわねー。何なのよ」

小椋「杉浦」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 14:56:46.34 ID:y6JJ1L8U0
杉浦「え?恒一くんのパ  に…?」

小椋「ええ。ひどいと思わない?」

杉浦「…て言うか、あんた何で恒一くんのパ  なんか…」

小椋「それはそれとして、犯人をとっ捕まえなきゃ!」

杉浦「わかった、協力するわ」


綾野「何かあったの?」

小椋「綾野」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 15:02:32.62 ID:y6JJ1L8U0
綾野「あっ!これってこういっちゃんの歯ブラシ!?」

杉浦「みたいね」

綾野「んふふっ」ハムッ

杉浦「え…」

小椋「あ…」

綾野「はぁぁ…恒一くぅん//」ワッシワッシ

杉浦「うわ…」ドンビキ

小椋「あ、綾野、えっと…あのね、それ…」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 15:05:30.63 ID:y6JJ1L8U0
綾野「んー?」ワッシワッシ

小椋「それ、さっき泉美も同じことしてたんだけど…」

杉浦「え…」

綾野「…え?…うげーっ!ぺっぺっ!」

小椋「ハァ。やっぱ皆考えることは同じか…」

杉浦「え…?」

綾野「最悪!泉美と    キスした気分…オエッ!」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 15:08:27.53 ID:y6JJ1L8U0
綾野「えっ、こういっちゃんのパ  に!?」

小椋「そう。何者かの愛 が付着してたのよ」

綾野「何それ許せない…」

小椋「でしょ?」

杉浦(頭が痛くなって来た…)


恒一「皆何してるの?」

小椋「恒一くん」

綾野「こういっっちゃん」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 15:11:46.38 ID:y6JJ1L8U0
恒一「さてと歯でも磨くか」

小椋「えっ?」

恒一「さっき見崎と怜子さんと3人でお菓子食べちゃったから」ワシワシ

綾野「…//」

小椋(クソッ!こんな事なら私もしゃぶっておけば良かった)

杉浦「oh…」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 15:21:59.25 ID:y6JJ1L8U0
恒一「ガラガラ、ペッ」

恒一「じゃあ僕は寝るね。おやすみ」

綾野「お、おやすみ//」

小椋「…」ソーッ

綾野「小椋さん、何恒一くんの歯ブラシに手伸ばしてるの?」

小椋「ギクッ」

サッ

小椋「!?」


鳴「ふふっ。これが榊原くんの歯ブラシかぁ」

小椋「見崎さん」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 15:26:37.70 ID:y6JJ1L8U0
綾野「あなたまさか…ずっとこの瞬間を待ってたんじゃ…」

鳴「当たり前でしょ」

小椋「くっ…」

鳴「あなたたちは手際が悪い。私を見習うべき」

綾野「うるさい!いいからその歯ブラシこっちに渡しなさいよ!」

鳴「やーだよ」ハムッ

小椋「!!」

綾野「あぁぁぁぁぁ…こういっちゃんの使いたて歯ブラシが……」

鳴「んー美味しい」ワッシワッシ

小椋「こ、この卑怯者!」

鳴「アッカンべー」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 15:30:29.55 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「うるさいわねー。何事?」

小椋「あ、泉美」

鳴「♪」ワシャワシャ チラッ

赤沢「ちょ、ちょっとそれ…」

鳴「…」ニヤッ

赤沢「何してんのよ見崎さん……サイテー…」

小椋(あんたもしてたでしょうが…)

綾野「さっき恒一くんが使ったばかりの歯ブラシを…」

赤沢「えっ」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 15:33:22.12 ID:y6JJ1L8U0
鳴「ちなみに、私も榊原くんと同じ歯ブラシだから、こっそり交換しておく」

赤沢「えっ」

鳴「これで榊原くんは知らない内に私と    キスする事になる」

小椋「ぐぬぬ」

綾野「そんな事より聞いてよ!こういっちゃんのパ  に…」


赤沢「えぇ!?」

鳴「許せない」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 15:40:19.80 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「なるほどね…犯人はこの中にいる…」

杉浦「私は除外してよね?恒一くんに興味ないんだし」

赤沢「あんた…それ本気で言ってる?」

小椋「えっ、杉浦さん恒一に興味ないの?」

綾野「信じられない…そんな人いるんだ」

鳴「万死に値する」

杉浦「ひどい言われようね…」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 15:45:13.73 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「とりあえず、戦利品出し合わない?」

杉浦「戦利品…?」

小椋「私は恒一くんのアンダーシャツ」

綾野「私は恒一くんのリップクリーム」

赤沢「へぇ…なかなかやるわね」

杉浦「いやいやいや…何よこれ」

赤沢「見崎さんは?」

見崎「榊原くんの着替え盗撮写真」

赤沢「ああ…隣の部屋だものね…」

見崎「赤沢さんは?」

赤沢「恒一くんが●●た後に使用したティッシュよ」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 15:48:32.77 ID:y6JJ1L8U0
小椋「ちなみに、その時のお  とか分かる?」

赤沢「そこまではさすがに…」

鳴「私、知ってるよ」

綾野「本当!?」

鳴「隣の部屋だから。聞こえてきたの」

赤沢「誰だったの?」

綾野「ゴクリ」

鳴「水野くんのお姉さん」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 15:53:30.82 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「水野沙苗に1ポイント追加か…」カキカキ

鳴「ちなみに今のポイント順はどうなってるの?」

赤沢「1位は変わらず見崎鳴の172ポイントよ」

鳴「フッ…」

赤沢「2位は水野沙苗、159ポイント」

赤沢「3位は私で、157ポイント」

綾野「私は?」

赤沢「81ポイントで7位ね」

小椋「私は?」

赤沢「11位。45ポイントよ」

杉浦「何それ…●●●●の回数?ち、ちなみに…私もいたりするの?」

赤沢「あんたは2ポイント」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 16:00:38.68 ID:y6JJ1L8U0
杉浦(少なっ……でも2回は私をお  にしてくれてるんだ…//)

赤沢「ま、それはともかく」

小椋「犯人探しね!」

杉浦「どうやって探すのよ…」

鳴「…眠い」

赤沢「そうね。今日はもう寝ましょう」

小椋「ちょっと待って…綾野がいない!」

鳴「!」

赤沢「しまった…!」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 16:03:22.40 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「きっと恒一くんの部屋だわ!」

小椋「恒一くん救出作戦発令!」

鳴「これは厳戒令」

杉浦「えっ、それ私も参加しなきゃいけないの?」



ガラッ

赤沢「恒一くん!!」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 16:08:13.70 ID:y6JJ1L8U0
恒一「zzz」

望月「榊原くん…//」

赤沢「望月…てめぇ…」

望月「ひっ!?」

鳴「望月くん…やはりあなた…」

小椋「恒一くんと同じ部屋なのをいい事に…」

赤沢「この野郎!この赤沢泉美が成敗してくれる!」

望月「うわー!」

杉浦「一本背負い…!?」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 16:15:13.59 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「ふんっ…って何でアンタちゃっかり恒一くんに添い寝してるのよ!」

小椋「へ?」

鳴「これは殺すしかない」

小椋「お、落ち着いてよ」

望月「ずるいよ小椋さん!」

中尾「赤沢さん好きだ!」

鳴「覚悟」

小椋「ちょっと!包丁振り回さないでよ!」

赤沢「ったく…恒一くんが起きちゃうじゃない」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 16:21:49.54 ID:y6JJ1L8U0
恒一「んー?何か騒がしいなー」

赤沢「言わんこっちゃない」

恒一「ん?…え?何で小椋さんが僕の横に…」

小椋「お、おはよう恒一くん」

恒一「おはよう……え?」

望月「榊原くん気をつけて!そいつはビ  だよ!」

小椋「テメェ望月ぶっ殺すぞ!」

鳴「殺されるのはあなたよ、小椋さん」

中尾「榊原てめぇ!」

赤沢「みんな夜中に騒ぐのはやめなさい」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 16:27:11.90 ID:y6JJ1L8U0
勅使河原「どうしたサカキ」

恒一「ごめん、今日だけお前の部屋で寝させてくれ」

勅使河原「別にいいけど…何かあったのか?」

恒一「…まぁ、色々とね」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 16:37:37.57 ID:y6JJ1L8U0
コンコンッ コンコンッ

勅使河原「ん?誰か窓の外にいる…」

ガラララッ

綾野「やっほー」

勅使河原「綾野?何してんだお前?」

綾野「あんたに用はないから、早くこういっちゃんを出しなさい」

榊原「綾野さん…」

綾野「ほら、早くこっちに来て!靴はもう用意してあるから」

榊原「な、何だ?」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 16:40:28.70 ID:y6JJ1L8U0
綾野「盗んだバイクで走り出そうよ!」

榊原「えぇー?ゆく先も分からぬままに?」

綾野「そうよ。暗い夜の帳の中へね!」

榊原「誰にも縛られたくないとか思ってるの…?」

綾野「逃げ込んだこの夜に自由になれた気がするかもよ!?」

榊原「これが15の夜か…よし、行こう」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 16:45:49.51 ID:y6JJ1L8U0
ブロロロロロッ ブォーーーーーーッ

赤沢「外がうるさいわね」

小椋「暴走族かしら?」

杉浦「ちょっと、あれよく見たら恒一氏と綾野氏じゃない!?」

鳴「…ぬかったか」

赤沢「彩…いないと思ってたら…そういう事だったか」

望月「僕らも追おう!」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 16:50:58.55 ID:y6JJ1L8U0
恒一「綾野さん、どこに行くのさ?」

綾野「いいからいいからっ!それよりしっかり私に捕まってて、飛ばすから!」

恒一「う、うん!」ギュッ

綾野(あ…最高//)



恒一「こ、ここは…」

綾野「ホテルよ」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 16:57:36.72 ID:y6JJ1L8U0
綾野「恒一くん…私、今だけは悲しい歌聴きたくないよ」

恒一「逃れ逃れたどり着いたこの部屋でそんな事言われても…」

綾野「何もかも許された恋じゃないから、私たちまるで捨て猫みたいだね」

恒一「うん…。そしてこの部屋は落ち葉に埋もれた空き箱みたい……え?恋って何?」

綾野「だから恒一くんは子猫のような鳴き声で…」

恒一「ウーウーウー」

バンッ

鳴「軋むベッドの上で優しさ持ち寄らせないっ!」

恒一「見崎…それに皆…?」

赤沢「きつく体抱きしめあわせない!」

小椋「それから、また二人に目を閉じさせない!」

中尾「悲しい歌に愛がしらけてしまわぬようにな」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 17:02:02.35 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「いけっ、なかお!はかいこうせんだ!」

中尾「うすっ!……できないっす!」

望月「ならぼくが、こういちくんのあなをほる!」

小椋「ヤメロ」

綾野「邪魔しないでよ!」

恒一「どういう事?状況が把握できない…」

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 17:08:44.53 ID:y6JJ1L8U0
綾野「こういっちゃんは渡さない!」

赤沢「わがまま言うんじゃありません!」

鳴「榊原くんは私と結ばれる運命にある」

小椋「どさくさに紛れて何言ってるのよ!」

中尾「赤沢さん好きだ!」

望月「見崎さん、それは聞き捨てならないな!」

杉浦「もう私帰っていいかしら?」


恒一「みんな静にしてくれ!!」

シーン

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 17:23:49.23 ID:y6JJ1L8U0
恒一「校舎の影、芝生の上、吸い込まれる空…幻とリアルな気持ち感じていた」

赤沢「ごめん、ちょっと言ってる意味が良く分かんないんだけど」

中尾「チャイムが鳴り教室のいつもの席に座り、何に従い従うべきか考えていたってわけか…」

恒一「うん。ざわめく心、今僕にあるもの。意味無く思えてとまどっていたんだ」

鳴「榊原くん…」

勅使河原「放課後街をふらつき、俺たちは風の中で孤独を瞳に浮かべて寂しく歩いた」

中尾「ああ…。笑い声で溜め息の飽和して店で、ピンボールのハイスコア競い合ったっけな…」

赤沢「あなた達…その退屈な心も刺激さえあれば、何でも大げさに喋り続けたってことなの?」

恒一「あーああ」

中尾「あーあー」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 17:28:03.17 ID:y6JJ1L8U0
勅使河原「行儀よく真面目なんて出来やしなかった!」

赤沢「だからって夜の校舎窓ガラス割っていいと思ってるの!?」

恒一「逆らい続けあがき続けた!早く自由になりたかった!!」

鳴「信じられぬ大人との争いの中で、許しあい一体何分かり合えたの?」

恒一「分かり合えなんかしなかったさ!うんざりしながらそれでも過ごした!」

勅使河原「でもなぁ…一つだけ分かったことがある…」

中尾「こーの支配からのっ!!」



恒一「卒業」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 17:31:36.80 ID:y6JJ1L8U0
綾野「…というミュージカルを文化祭で皆にやってもらいます!」

赤沢「…」
恒一「…」
鳴「…」
小椋「…」
杉浦「…」
望月「…」
勅使河原「…」
中尾「…」

綾野「えっ?」

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 17:34:36.71 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「…こんな意味の分からないお芝居できるわけないでしょうが!」

中尾「俺の役バカみたいじゃねーかよ!」

勅使河原「台詞覚えられねぇ!」

恒一「僕はここまでモテないけどなぁ」

綾野「えっ?」

恒一「えっ?」

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 17:39:14.85 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「…それはさておき、この話、支離滅裂じゃない」

杉浦「途中から話の内容ぶっ飛んでるし。まぁ最初からぶっ飛んでるけど…」

鳴「起承転結がない」

小椋「ミュージカルとしてもちょっとね…」

中尾「俺がロミオで赤沢さんをジュリエットにしろ!」

望月「同性愛の話とかどうかな?」

勅使河原「走れメロンやろうぜ!」

恒一「シャイニングをミュージカルでやるって言うのはどうかな」

赤沢「ざ、斬新ね…」

綾野「そんな…徹夜して書き上げた大作だったのに…」

139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 18:37:46.89 ID:y6JJ1L8U0
鳴「現象とか、初恋とか、友情とか」

恒一「そういうの、全部ひっくるめて…」

鳴「たった一度の」



恒一・鳴「たった一度の、あの夏が始まる」

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 18:41:27.55 ID:y6JJ1L8U0
恒一「映画?」

綾野「うんっ!演劇はやめて、映画にしようよ!」

赤沢「でも機材とか色々揃えないといけないんじゃない?」

綾野「まぁ何とかなるよ」

鳴「じゃあヒロイン役は私で」

赤沢「何勝手に決めてんのよ!」

中尾「ヒロインは赤沢さんがいいと思う!」

赤沢「あら、たまには良い事言うじゃない中尾くん」

中尾(そして主役は俺さ☆)

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 18:46:41.23 ID:y6JJ1L8U0
小椋「まぁ、主役は恒一くんで決まりとして…」

杉浦「ヒロインをどうするかね…」

中尾「えっ!?」

赤沢「恒一くんは誰をヒロインにしたいの?」

恒一「え?いや…僕は別に誰でもいいけど。…ていうか僕が主役なのは確定なんだ…」

鳴「私こそふさわしいと思う」

小椋「私よ!」

望月「僕だよ」

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 18:52:02.35 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「はっきりしないさい恒一くん!誰がいいの!?」

鳴「榊原くん、私だよね?」

綾野「私よね?ね?」

中尾「榊原てめぇ!一発殴らせろ!」

恒一(困ったなぁ…)


ガラガラッ

多々良「忘れ物忘れ物~っと…」

多々良「…ん?皆何してるの?」

恒一「……じゃあ、多々良さんで」

赤沢「えっ」

多々良「ん?何が?」

153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 18:54:54.90 ID:y6JJ1L8U0
多々良「え?映画?ヒロイン?……私が?」

恒一「うん」

多々良「い、いいよ//」


鳴「赤沢さん、アイツ消したい」

赤沢「許可するわ」

杉浦「するなするな許可するな!」

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 18:59:13.65 ID:y6JJ1L8U0
多々良「えっと…じゃあどうすればいい?とりあえず、脱ぐ?//」

恒一「えっ」

杉浦「脱ぐ必要ないから…」

赤沢「ていうかまだ脚本すらないじゃない」

綾野「撮りながら考えて行こう」

小椋「ざっくりしてるわね…」

159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 19:05:35.36 ID:y6JJ1L8U0
綾野「どんな感じで進めて行こうか?ジャンルとか決めといた方がいいよね」

赤沢「無論、ラブストーリーよ」

鳴「異議なし」

中尾「カンフー映画がいい。アチョー!ホワーッ!」

小椋「私はサイコサスペンスがいいわ」

杉浦「ミヒャエル・ハネケみたいな映画は?」

望月「同性愛をモチーフにした淡く切ない男の友情なんてどうかな」

勅使河原「ダイ・ハードみたいにこう、ドガーンってなってガシャーンみたいなやつ撮ろうぜ!」

恒一「ホラーがいいなぁ。リングみたいな」

多々良「私、失楽園みたいなのがいい」

163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 19:10:14.38 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「これじゃ埒があかないわね…」

鳴「そうだ、あの人に相談してみよう」



~図書室~

千曳「映画?」

赤沢「はい、何かいい案ください」

千曳「ふむ…映画ね…」

178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 19:54:24.41 ID:y6JJ1L8U0
多々良「みんな行っちゃったね…」

恒一「うん…」

多々良「…何で私をヒロインに指名してくれたの?」

恒一「いや、それは…」

多々良「?」

恒一(たまたま教室に来たから、とは言えないよな…)

多々良「…ま、いいや」

恒一「はは…」

多々良「でも、ありがとう。私を選んでくれて」

恒一「え?」

多々良「すごい嬉しい//」

181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 19:59:12.86 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「とりあえず、今日は解散しましょう」

杉浦「時間も時間だしね」

勅使河原「うーし、かえろかえろ!」


多々良「じゃあね榊原くん//」

恒一「うん、また明日ね」


鳴「…」

184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 20:04:26.62 ID:y6JJ1L8U0
~多々良の部屋~

多々良「ふー…疲れた」バフッ

多々良「…榊原くん何で私を選んだのかな」

多々良「も、もしかして私のことを…//」

多々良「や、やだもぉ!私ったら!//」

多々良「榊原くん……こ、恒一くん…………恒一//」

多々良「やはぁ…//」ゴロゴロ




多々良「本当に私のこと好きだったらどうしよう…」

190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 20:10:36.40 ID:y6JJ1L8U0
~その頃・喫茶店~

赤沢「こんな時間に呼び出して何?」

鳴「うん。多々良さんのことでね」

赤沢「…やはりか」

小椋「え?多々良ちゃんがどうかしたの?」

望月「まさか…あのメス!」ガタッ

綾野「落ち着いて望月くん」


鳴「そう、彼女もまた榊原くんに惚れた確立が高い」

194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 20:14:54.73 ID:y6JJ1L8U0
杉浦「惚れた?恵が?まさか…」

鳴「さっきの様子から察して、間違いないと思う」

望月「あいつ!」ガンガンッ

赤沢「つまり、多々良恵…彼女もまたSKLの仲間入りってわけね」

杉浦「SKL?」

小椋「榊原恒一ラヴァーズの略称よ」

綾野「早い話がファンクラブみたいなものよ。つまり、この集まりもそう」


杉浦「えっ、じゃあ何で私も呼び出されたの?」

195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 20:17:10.88 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「逆に惚れてないとか何なの?」

鳴「死ぬの?」

杉浦「えっ?」

綾野「いい?恒一くんの魅力はね…」




杉浦「あれから4時間半にわたって恒一くんの事を語られた…」

198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 20:24:22.79 ID:y6JJ1L8U0
~多々良の部屋~

多々良「…」ゴロゴロ

ぬいぐるみ『…』

多々良『多々良さん、いきなり呼び出しちゃってごめん』

多々良「別にいいよ、それで話って何?」

多々良『僕、多々良さんのことが…好きなんだ!』

多々良「え…」

多々良『だから君を相手役に選んだのさ!』

多々良「榊原くん…」

多々良『恒一って呼んでくれよ、恵…』

多々良「こ、恒一//」



多々良「やはぁっ!もぉ~!//」

201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 20:26:35.39 ID:y6JJ1L8U0
多々良「…恒一、今何してるのかなぁ」

多々良「そう言えば連絡網に…!」

多々良「えーと…あ、あった!恒一の住所!」


多々良「よし行くか」

206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 20:30:25.15 ID:y6JJ1L8U0
多々良「あ、ここね!」

多々良「んー…来たのは良いけど、どうしよう?」

多々良「何も考えてなかった…」

多々良「…!2階の窓に見えるのって…恒一!//」

多々良「電柱に隠れて見ていよっと!~♪」



恒一「ん?誰かいるな…?暗くてよくわからないけど…」


多々良(あ、こっち見た…//)

208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 20:32:34.75 ID:y6JJ1L8U0
恒一「何か気味悪いなぁ…。もう寝よう」


多々良「あ、電気が消えた…」

多々良「…寝たのかな?」

多々良「ま、家の場所は把握したし…私もそろそろ家に戻ろうかな」

210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 20:36:49.72 ID:y6JJ1L8U0
~翌日~

恒一「行ってきます」

怜子「いってらっしゃい。気をつけてね」

ガララッ

多々良「おはよう…//」

恒一「えっ?」

多々良「ずっと待ってた//」

恒一「え…多々良さんが何で僕の家の前に?」

多々良「一緒に登校しようと思って。えへへ//」

恒一(か、かわいい……じゃなくて)

恒一「いつからここに?」

多々良「ん?んー……4時ぐらいかな」

215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 20:41:00.86 ID:y6JJ1L8U0
恒一「は、早いね…」

多々良「そうかな?」

恒一「とりあえず…行こうか」

多々良「うんっ//」

恒一(何なんだこの子…)

多々良「榊原くん…手、つないでもいい?」

恒一「え…?」

多々良「うわぁ、榊原くんの手あったかいね」

恒一「そ、そう…」



鳴「…」

219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 20:47:19.96 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「何ですって?多々良さんが!?」

鳴「うん」

小椋「先手を取られたか…」

赤沢「こうなるだろうって分かっていながら…くそっ!」

鳴「やっぱり多々良さんはSKLの中でも反乱分子だったみたい」

綾野「まさに掟破りね…」

杉浦「どうするの泉美」

赤沢「彼女にはSKLの決め事を教えておく必要があるわね…」

小椋「あっ、二人が来たみたいよ?」

221: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 20:49:12.80 ID:y6JJ1L8U0
ガラガラッ

多々良「榊原くん//」

榊原「た、多々良さん…もう手放してよ…」


赤沢「…」イラッ

鳴「…」ギリッ

望月「…」ガンガンッ

225: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 20:58:45.90 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「多々良さん、ちょっといいかしら?」

多々良「何?赤沢さん」

赤沢「あなた何か勘違いしてるみたいだけど、恒一くんとあまりイチャつかないでくれる?」

多々良「は?何言ってんの?」

鳴「SKLの掟は守って貰わなきゃ」

多々良「SKL…榊原恒一ラヴァーズ?」

杉浦(よく瞬時に理解できたわね…)

赤沢「とにかく抜け駆けは許さないから」

多々良「何言ってるの?榊原くんは…恒一は、私のことが好きなのよ?」

小椋「え…ウソでしょ?」

228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 21:04:32.31 ID:y6JJ1L8U0
多々良「話が終わったなら、もう私席に戻るから」


赤沢「これは重症ね…」

鳴「危険すぎる」

綾野「こういっちゃんが取られるなんて嫌だよぉ!泉美ぃ!」

赤沢「よしよし…」


恒一「朝礼の前にトイレでも行っておくかな」

233: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 21:09:35.15 ID:y6JJ1L8U0
恒一「…」

多々良「…」

恒一「あ、あのさ…」

多々良「ん?」

恒一「何でついてくるの?」

多々良「ダメ?」

恒一「…いや、トイレだし」

多々良「外で待ってるよ」

恒一「…ま、いいや」

235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 21:13:15.12 ID:y6JJ1L8U0
恒一「一時間目は美術か」

望月(よぉし、榊原くん描くぞぉ!)

赤沢「…」カキカキ

小椋「…」カキカキ

綾野「…」カキカキ

勅使河原「…何でお前らサカキの似顔絵書いてるんだ?」

多々良「榊原くーん、みてみて、これ。榊原くんを描いてみましたっ」

恒一「へ、へぇ…上手だね…」



鳴(私の方が上手)イライラ

237: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 21:17:26.81 ID:y6JJ1L8U0
恒一「二時間目は国語か」


多々良「先生!教科書忘れちゃいました…」

先生「じゃあ隣の人に見せてもらえ」

多々良「榊原くんに見せてもらいます」トコトコ

先生「こらこら」

多々良「榊原くん、見せて?」

榊原「え…う、うん」

多々良「ふふっ//」

先生「仕方ない…榊原、頼んだぞ」


赤沢「…」イライラ

244: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 21:21:49.01 ID:y6JJ1L8U0
恒一「三時間目は社会か」

先生「じゃあ班になって調べてくれ」

多々良「んふふっ。榊原くんと同じ班♪」

恒一「いや多々良さんはあっちの班でしょ…?」

望月「そうだよ!自分の班に戻ってよ!」

多々良「恒一くん…望月くんがいじわる言う…」

恒一「望月くん、今日のところは我慢しよう」

望月「…」イライラ

247: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 21:26:04.32 ID:y6JJ1L8U0
恒一「四時間目は体育か…」

勅使河原「サカキは見学か?」

恒一「うん」

多々良「私も見学なのっ!一緒だね♪」

恒一「そ、そうなんだ…」

多々良「一緒に見学しようね♪」


先生「次、綾野さん飛んで」

綾野「ええいっ!」ズサッ

多々良「あぁ…めまいが」

恒一「大丈夫?」

多々良「うん// ごめんね、抱きついちゃって」

綾野「…」イライラ

250: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 21:29:11.79 ID:y6JJ1L8U0
恒一「放課後か…何か今日はやけに疲れたなぁ」

多々良「榊原くん」

恒一「何?」

多々良「好き」

恒一「……え?」

多々良「榊原くんのことが好き//」

恒一「多々良さん…」



「ちょっと待ったぁ!!」

254: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 21:32:39.36 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「いい加減にしなさいよ!」

恒一「赤沢さん」

鳴「この際だからはっきりしておきましょう」

恒一「見崎…何を?」

小椋「恒一くんが誰を好きなのか!」

恒一「えっ僕が?」

綾野「今ここで決着をつけてやる!」

望月「榊原くんは僕のものだ!」

杉浦「何で私までここに…」

多々良「面白い…まとめてかかって来なさい!」

257: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 21:34:45.96 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「さぁ恒一くん、私たちの中から選びなさい」

恒一「えっ?」

杉浦(え、選ばれたらどうしよう…// それも悪くはないわね//)

恒一「僕は…僕の好きな人は……」





恒一「多々良さんかな」

263: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 21:37:02.97 ID:y6JJ1L8U0
赤沢「…フッ。分かったわ、恒一くん」

鳴「無念」

綾野「うわぁぁぁぁん!」

小椋「さよなら、私の初恋…」

望月「ちくしょう!ちくしょう!」

杉浦「なかなかお似合いだと思うわ」


多々良「榊原くん…私、信じてた//」

恒一「多々良さん…」

268: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 21:40:16.55 ID:y6JJ1L8U0
多々良「あれ…?どうしてだろ…嬉しいはずなのに、涙が出ちゃうよ…」

恒一「多々良さん」ギュッ

多々良「恒一…//」

恒一「恵…って呼んでもいい?」

多々良「いいよ?//」



赤沢「…幸せそうね、二人とも」

小椋「うん…悔しいけど、確かにお似合いかもね」

鳴「榊原くんが幸せなら、まぁいいかも」

270: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 21:44:17.35 ID:y6JJ1L8U0
~後日~

多々良「私は恒一の彼女なんだから、ヒロインやるのは私に決まってるでしょ!」

赤沢「映画の中ぐらい譲りなさいよ!」

多々良「嫌よ!大体もとから私がヒロインだったじゃない!」

鳴「配役の変更を求める」

多々良「恒一は誰にも渡さないんだから!たとえ映画であっても!いこ、恒一!」

恒一「あ、ちょ、ちょっと、引っ張るなよ恵っ」



多々良「さぁ行こう恒一、私たちの輝ける未来へ♪//」

恒一「うん、まだ見ぬ明日が僕らを呼んでる!」