1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 17:54:18 ID:okLp7aT.
ギャハハハハハ……

コニー「あぁーこういうのもいいよなー」

マルコ「だね。たまには訓練のことも忘れて、食べたりするのもいいもんだね」

ジャン「だよな…こうやって宴会するのも悪くねえ」

エレン「…だから脳内快適なんだよお前は」

ジャン「エレン…挑発に乗ると思ったか?」

エレン「あ?」

ジャン「今日はそんなことする気分じゃねえんだよ」

ジャン「寂しかったらアルミンにでも話聞いてもらいな」

エレン「なんだと…」

ジャン「というか、脳内快適とか言いながら、お前もこの場にいるんじゃねえか。馬鹿か?」

エレン「は?俺はアルミンとミカサに誘われたから来たんだよ」

ジャン「なんだそれ?結局来てんじゃねえか。嫌なら断ればよかったのによ」

ジャン「それとも、お前も脳内快適だから、つい来ちまったのか?」

エレン「あぁ?」 


 

3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 18:54:24 ID:okLp7aT.
アルミン「まぁまぁ…」

ジャン「よかったなエレン。怪我する前に保護者が来たぞ」

エレン「っ!」

ミカサ「待ってエレン」ガシッ

エレン「ミカサ!」

ミカサ「喧嘩は駄目。…今日は」

エレン「…」ズルズル

アルミン(今日じゃなかったらいいんだ) 


4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 18:56:49 ID:okLp7aT.
マルコ「ジャンも大概にしときなよ」

ジャン「マルコ」

マルコ「僕達はもうすぐ卒業だ。喧嘩して憲兵団行きを逃すことになっても知らないよ?」

ジャン「それもそうだが…あいつは気にいらねえんだよな」

マルコ「エレンのこと?」

ジャン「ああ。くそっ…あの死に急ぎ野郎が…」 

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 18:57:38 ID:okLp7aT.
ジャン「…」モグモグ

マルコ「…ねぇジャン」

ジャン「なんだ?」

マルコ「思い切って言えば?」

ジャン「何がだ?」ゴクゴク

マルコ「ミカサにだよ」

ジャン「んぐっ!?」 

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 18:58:25 ID:okLp7aT.
ジャン「ゴホッゴホッ」

マルコ「気づいてないとでも思った?」

ジャン「いや…お前なら気づいてると思っていたが…こう直球だとな」

マルコ「僕だけじゃないよ。大半の人は気づいてる」

ジャン「…マジか!?」 

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 19:17:11 ID:okLp7aT.
マルコ「マジだよ」

ジャン「…マジかよ…」

マルコ「気づいていない人のほうが圧倒的に少ないよ」

ジャン「そうか……じゃあ、反対に誰が気づいてねえんだ?」

マルコ「それは……大体わかるだろ?」

ジャン「え?いや、わかんねえんだが」

マルコ「本当に?すんごい身近にいるよ?」

ジャン「訓練兵の誰かなんだろ?そりゃ身近にいるんだろうがよ」

マルコ「なんというか…」

ジャン「一体誰のこと言ってんだよ?」

マルコ「それは、君の嫌いな…」

ジャン「…エレンか!」

マルコ「その通り」 

10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 19:18:38 ID:okLp7aT.
ジャン「エレンの野郎、俺がミカサを好きなこと気づいてなかったのか」

マルコ「そうだよ。とは言っても、僕の見立てだけど」

ジャン「…なんで唐突にこの話題を?」

マルコ「なんとなく…」

ジャン「なんとなくかよ…」 

12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 19:19:44 ID:okLp7aT.
マルコ「…で、どうすんの?」

ジャン「なにがだ?」

マルコ「ミカサに言わないの?早くしないと片思いのまま終わるよ」

マルコ「もう少しで卒業だし、こういう機会はこの先殆ど無いと思うよ」

ジャン「…悩まずに言えたらいいんだがな」

マルコ「ジャンって結構臆病というか、奥手だよね」

ジャン「うるせぇ。…そういうお前はいねえのか?」

マルコ「僕はいないな。…今のところは」

ジャン「そうか…」 

13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 19:22:34 ID:okLp7aT.
ジャン「くそっ」ゴクゴク

コニー「いい飲みっぷりだなジャン」

ジャン「コニー…」

コニー「…ここだけの話なんだけどよ…いいもんがあるんだ」

ジャン「なんだ? 薬でもあんのか?」

マルコ「ジャン……」

コニー「そんなもんはねえよ」

ジャン「なんだよがっかりだ」

コニー「…酒があるんだぜ」

ジャン「酒?」 

14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 19:27:25 ID:okLp7aT.
コニー「ああ。元々、この宴会は禁酒なんだけど…俺たちがそんな約束守るはずねえよな」

ジャン「はっ…馬鹿野郎が…」

コニー「どうだ?一杯飲まねえか?」

ジャン「…どうすっかな…もしバレたりでもしたら…」

コニー「チキンジャン。お前はチキンだったのか?」

ジャン「んなわけねえだろ。つかなんだチキンジャンって」

コニー「まぁ、とにかく飲めよ」

ジャン「……コニーって…馬鹿だよな…」

コニー「はぁ?」

ジャン「そこがお前のいいところなんだろうけどな…」

ジャン「その馬鹿っぽいところが」

コニー「…おう、そうか。馬鹿なのがいいところなのか俺は…」

コニー「マルコ…ジャンどうしたんだ?」ボソッ

マルコ「ちょっと…まあ…色々と」ボソッ 

15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 19:31:40 ID:okLp7aT.
ジャン「憎めない馬鹿ってのもいいもんだぞ?俺は少なくとも嫌いじゃねえ」

コニー「っていっても結局俺は馬鹿なんじゃねえか」

ジャン「そうだが…いい馬鹿だってことだ」

コニー「馬鹿に良し悪しがあるのか?」

ジャン「あるだろ…多分」

コニー「…そうか」 

16 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 19:35:45 ID:okLp7aT.
コニー「…とりあえず酒でも飲めよ」

ジャン「結局飲む方向になるのか…」

マルコ「ははは…仕方ないね。今日ぐらいはいいんじゃないかな?」

ジャン「おりこうさんマルコはどこいったんだ?」

マルコ「今日ぐらい羽目を外したいんだよ」

ジャン「…たまには抜くのも必要か」

コニー「そうだぜ。飲め飲め」ドポドポ

ジャン「…ま、いいか」ゴクッ

コニー「お、いい飲みっぷりなこった」

マルコ「僕にも注いでくれないかな」

コニー「わかった」ドポドポ 

17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 19:37:09 ID:okLp7aT.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エレン「…」ムスッ

ミカサ「エレン」

エレン「…」

ミカサ「ちゃんと聞いて。喧嘩はよくない」

エレン「んなことわかってんだけどよ…」

ミカサ「…」

エレン「…」

ミカサ「エレン」

エレン「…ああ。わかってるよ」 

18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 19:38:33 ID:okLp7aT.
エレン「つーか、今更喧嘩のこと言われてもな…」

ミカサ「…今更ではない…今まで、5回に3回は私が仲裁してる」

エレン「…そんなにか?」

ミカサ「うん」

エレン「…喧嘩しなければいいんだろ?」

ミカサ「わかってくれたならいい」

エレン「…」ゴクゴク 

19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 19:40:22 ID:okLp7aT.
アルミン「でも確かに、喧嘩はよくないよ」

エレン「もういいだろ…そのことは」

アルミン「…ジャンと仲良くしたらどう?」

エレン「はぁ?俺があいつと?」

アルミン「うん」

アルミン「エレンの言うとおり、卒業までもうあと少しだ。そろそろ仲良くしてもいいと思うんだけど…」

エレン「…」

アルミン「…そんなに難しいことじゃないよ」

エレン「とはいってもな…なんかムカツクし、向こうから突っかかってくるんだよな」

アルミン「うん……」

エレン「本当になんなんだあいつは」

アルミン「…気づかない?」

エレン「え?」 

22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 20:04:32 ID:okLp7aT.
アルミン(ジャンが君に突っかかってくるのは…もしかしたら嫌いっていうのもあるのかもしれないけど)

アルミン(羨ましいだけなんじゃないかな…君とミカサの関係が)

アルミン(それで、お互い不器用だから、言い争いから暴力に繋がるだけだと思う…)

『向こうから突っかかってくるんだよな』

アルミン(……というかエレンも相当突っかかってると思うんだけど…)

アルミン(エレンの脳内では、ジャンがよく突っかかってくるってことになってるのかな?)

エレン「アルミン?」

アルミン「!」

エレン「とりあえず、できるだけ仲良くすりゃいいんだろ?」

アルミン「…本当にできる?」

エレン「ああ」 

23 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:10:44 ID:okLp7aT.
エレン「…つってもどうすりゃいいんだ?」

アルミン「…共通点でも探せばいいんじゃないかな」

エレン「俺はあんな馬面じゃねえよ…刈り上げてもねえし…皆無じゃねえか」

アルミン「いや、そういうところじゃなくて…」

アルミン「うーん…性格とか、内面のほうで…」

エレン「そっちのほうも全然ないような気がするけどな…」 

24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:14:35 ID:okLp7aT.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・

マルコ「で、どうすんのさ」ゴクゴク

ジャン「どうもしねえよ…」

マルコ「どうもしないの?どうすんの?」ゴクゴク

ジャン「飲む速度が速くなってんなマルコ…」

マルコ「じれったいからね」ゴクゴク

マルコ「僕としては言うのか、言わないのか、はっきりしてほしいな」

ジャン「…つってもな…言おうと思っても中々言えねえんだよ。というか何でマルコがそこまで?」

マルコ「人の恋路が何とやらってね」

ジャン「…そりゃ違うだろ…」

ジャン「…俺だって告白してえよ…でもなぁ…いざとなると…ブツブツ」

マルコ「…」

マルコ「…コニー」ボソッ

コニー「んぁ?///」 

25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:17:12 ID:okLp7aT.
マルコ「いい具合に酔ってるね」

コニー「誰がだ?///」

マルコ「ジャンだよ」(コニーもだけど)

コニー「ジャンか。確かにあいつハイペースで飲んでたもんな///」

マルコ「…ところでコニー、協力してほしいことがあるんだ」

コニー「なんだ?天才に任せろ///」

マルコ「心強いよ」 

26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:19:09 ID:okLp7aT.
コニー「何をすればいいんだ?」

マルコ「簡単だよ。ジャンをある場所へ連れて行くだけなんだ」

コニー「おお!…簡単じゃねえか!」

マルコ「そうだよ。ジャン相手には強引なぐらいがいいと思うんだ。だから…」

コニー「おっしゃぁ!わかったぜ!」

マルコ「引き受けてくれるかい?」

コニー「っしゃあ!っしゃ!」

マルコ(よし、これで連れ出すことはできるはずだ。二人がかりなら何とか…ね)

コニー「っしゃっしゃっしゃあ!///」

マルコ「コニーうるさい」 

27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:21:33 ID:okLp7aT.
マルコ「ジャン」

ジャン「うん?なんだぁ?」

マルコ「すっかり酔いが回ってるね」

ジャン「そうかぁ?大して飲んでねえけどな///」

マルコ「…いい話があるんだ」

ジャン「またか?いい話は酒だけで十分だ」グビグビ

マルコ「ここじゃ話せない。ちょっとこっち来てよ」

ジャン「うるせぇ…もう眠たいんだ…ほっといてくれ…」

マルコ「…ミカサのことなんだ」

ジャン「……ミカサ?」

マルコ「うん。ミカサの話」

ジャン「……」

ジャン「告白しろって話か?」

マルコ「うん」

ジャン「…」 

28 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:22:57 ID:okLp7aT.
ジャン「おせっかいマルコ…」

マルコ「…」

マルコ「とりあえず、来てよ」

ジャン「嫌だ」

マルコ「いいから」

ジャン「嫌だね」

マルコ「コニー、出番だ」

コニー「おっしゃぁ!」ガシッ

ジャン「!?」 

29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:27:23 ID:okLp7aT.
ジャン「んなっなんだ!?」

マルコ「こうなったら実力行使だ!」

コニー「おっしゃぁ!告白だ!」

マルコ「さぁジャン!告白しに行こう!」ガシッ

ジャン「ちょっお前ら離せって!」

コニー「告白だ!っしゃあぁ!」

マルコ「行くよジャン!」

コニー「っしゃぁ!」

ジャン「あああああうるせぇコニー!」 

30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:32:30 ID:okLp7aT.
マルコ「…コニー」

コニー「ん?」

マルコ「僕はちょっと用があるから、このままジャンを中庭へ連れて行ってくれ」

コニー「中庭?」

マルコ「うん。一人じゃちょっと厳しいかもしれないけど…」

コニー「大丈夫だ。俺って天才だからな」

マルコ「じゃあ任せたよ」 


31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:35:11 ID:okLp7aT.
エレン「うーん…酒ってほんわかするな…」ゴクゴク

ミカサ「あまり飲みすぎては駄目」

アルミン「…」ゴクゴク

マルコ「アルミン」

アルミン「…マルコ?」

マルコ「ちょっと来てよ」

アルミン「え?」

マルコ「いいから早く」

アルミン「うん…」 

32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:36:26 ID:okLp7aT.
アルミン「で、何かな?」

マルコ「ジャンの告白に協力してほしい」

アルミン「ジャンのって…ミカサ?」

マルコ「うん」

アルミン「そう…か」

マルコ「嫌ならいいんだけどね」

アルミン「いや、嫌じゃないよ」

アルミン「ただ…上手くいくとは思えない。ジャンには悪いけど…」

マルコ「僕もそう思うよ」

アルミン「じゃあどうして?」

マルコ「上手くいこうがいかなかろうが、こういうのは言ってしまった方がいいと思うんだ」

アルミン「…マルコって結構男らしいよね」

マルコ「……結構って…」

アルミン「あはは…ごめん」 

33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:37:49 ID:okLp7aT.
アルミン「…でも、確かにそうかもしれない。こういうのは結果がどうなろうと、伝えてしまったほうがいいのかも」

マルコ「うん。僕達はいつ死ぬかわからないからね。後悔しないように生きるほうがいいと思うんだ」

アルミン「…僕も協力するよ」

マルコ「ありがとう」

アルミン「でも、協力って何をすればいいのかな?」

マルコ「簡単だよ」 

34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:40:30 ID:okLp7aT.
マルコ「ミカサを中庭に連れてきてほしいんだ」

アルミン「うまくいくかな…」

マルコ「酔ったエレンを介抱するってことになれば、ミカサも自然とついてくるだろう」

マルコ「コニーが今、ジャンを中庭へ連れて行ってる」

アルミン「で、ここで僕達が合流して、僕達は全員こっそりとお暇するってことだね」

アルミン「それで、ミカサとジャンを二人きりにする…」

マルコ「うん。ベタすぎるし、本当に無理やりだけど、これぐらいしか…」

アルミン「…わかった」

アルミン「僕はミカサをここへ連れてこられるように頑張るよ」

マルコ「うん」 

35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:44:39 ID:okLp7aT.
アルミン「じゃあ戻るね」

マルコ「うん」 

36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:46:47 ID:okLp7aT.
アルミン「…」

エレン「ん~…」

ミカサ「エレン。まだ寝ては駄目」ユサユサ

エレン「ん~…」

ミカサ「…どうすれば…」キョロキョロ

ミカサ「…アルミン」

アルミン「やぁ…」

ミカサ「アルミン。エレンが寝てしまった…」

アルミン「あはは…結構飲んでたもんね」

ミカサ「…エレン」

エレン「ん~…」 

37 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:47:41 ID:okLp7aT.
ミカサ「ここで寝てしまうと、風邪をひいてしまう」

アルミン「そうだよ。ミカサの言うとおりだ」

エレン「う~…」

アルミン「…ミカサ、そっちの肩もって」

アルミン「僕はもう片方の肩を持つよ」

ミカサ「わかった」ヒョイッ

アルミン(これでマルコの言った所に連れて行くだけだ…) 

38 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/14(土) 23:49:51 ID:okLp7aT.
アルミン「…」

ミカサ「エレン」

エレン「…Zzz」

アルミン「寝てるね…」

ミカサ「…うん」

ミカサ「…ところでアルミン」

アルミン「なに?」

ミカサ「エレンをどこへ連れて行くつもり?」

アルミン「…中庭。風が気持ちいいだろうし」

ミカサ「…そう」

スタスタ…

アルミン(…もうそろそろ中庭だ…) 


49 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:04:15 ID:Sb8EUhk.
ジャン「中庭…?」

コニー「そうだ」

ジャン「…ミカサがここにいるのか?」

コニー「ミカサ?知らん」

ジャン「はぁ?お前、知ってるんじゃねえのかよ」

コニー「知らん。俺はただマルコにお前を中庭に連れて行けと言われただけだ」

ジャン「…そうか」 

50 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:05:58 ID:Sb8EUhk.
アルミン「…ジャン」

ミカサ「…ジャン?」



ジャン「…ミカサとアルミン?」

アルミン「やぁ…ジャン」

ミカサ「…」

エレン「Zzz」

ジャン「…ミカサ……エレン…」

ジャン(エレンは寝てんのか…?) 

51 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:08:16 ID:Sb8EUhk.
アルミン「…さっそくなんだけど、ミカサ」

アルミン「ジャンが話すことあるらしいんだ」

ミカサ「え…?」

ジャン(…そういうことかよ)

アルミン「エレンは僕に任せて」

ミカサ「でも…」

アルミン「ミカサ。ジャンの話を聞いてあげてよ」

ミカサ「……わかった」 

52 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:13:13 ID:Sb8EUhk.
アルミン「さ、さあ!コニー!」

コニー「んん?」

アルミン「エレン運ぶの手伝って!」

コニー「次の任務はエレン運びか」

アルミン「……そう!」

コニー「よっしゃ!」

コニー「…ところでマルコがどっかいったんだけどよ、知らねぇ?」

アルミン「知らないけど…」

コニー「うーん…どこいったんだろうな?俺に頼んだっきり見当たらねぇ…」

アルミン「…まあ今はいいじゃない。あとで探そうよ。それより、エレンを運ぼう」

コニー「…おう。そうだな」 

53 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:17:02 ID:Sb8EUhk.

ミカサ「それで…ジャン。話って…?」

ジャン「えっ…あぁ…まぁ…なんだ…」

ジャン(何話せばいいんだよ!くそが!)

ジャン(第一、こういうのは何か考えてきて…準備をしてからだろ…)

ミカサ「…」

ジャン(…ミカサが待ってる…とにかく、なにか話さねえと)

ジャン「ミカサ…散歩しねえ?」

ミカサ「……」

ジャン(なんだ散歩って!)

ミカサ「…わかった」

ジャン(…とりあえず時間稼ぎだ…) 

54 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:18:59 ID:Sb8EUhk.
テクテク

ジャン「…」

ミカサ「…」

ジャン(…マジで何話したらいいんだ)

ミカサ「…」

ジャン「…ミカサ」

ミカサ「なに?」

ジャン「俺…」

ジャン(どうする…いきなり告白するのか?)

ジャン(…いや、ちょっと違う話題からだ…) 

55 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:20:21 ID:Sb8EUhk.
ジャン「ミカサは…ここの生活、どう思ってる?」

ミカサ「特に…」

ジャン「…ここの飯って少ないよな」

ミカサ「うん…だけど仕方ない」

ミカサ「食糧不足だから」

ジャン「だよな…仕方ないよな」

ミカサ「うん…」

ジャン「訓練きついよな」

ミカサ「それほどでもない」

ジャン(一言で済まさないでくれ) 

56 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:26:11 ID:Sb8EUhk.
ジャン「…皆のことどう思ってる?」

ミカサ「みんな?」

ジャン「ああ。俺ら訓練兵だ」

ミカサ「悪い人ではない…」

ジャン「んー…まぁそうだが、もっと他にだな…」

ミカサ「…それぞれ、目標があって生活してると思う」

ミカサ「目標があることは大事」

ジャン「…そういうんじゃなくてな…」

ミカサ「…辛くも楽しそう」

ジャン「…訓練は辛いけど、何かと楽しいこともあるしな」

ジャン「辛くも楽しそうか…」

ミカサ「うん…」 

57 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:28:02 ID:Sb8EUhk.
ジャン「…」

ミカサ「…」

ジャン(このままだと時間が過ぎるだけだ…)

ジャン(強引とはいえ、あいつらはこういう機会を作ってくれたわけだし…)

ジャン(何より、この機を逃すと……!)

ミカサ「…そろそろ帰らないと」

ジャン「ああ…」

ミカサ「…私はこれで」

ジャン「……待ってくれミカサ」

ミカサ「…?」

ジャン(もう……なるようになれ…だ) 

58 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:28:58 ID:Sb8EUhk.
ジャン「…率直に言う」

ジャン「お前のことが好きだ」

ミカサ「…!」

ジャン「…好きなんだ」

ミカサ「……」 

59 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:31:57 ID:Sb8EUhk.
ジャン「俺は…初めてミカサを見たとき…綺麗だと思った」

ミカサ「…」

ジャン「見慣れない顔立ちで……心を惹かれた」

ジャン「顔だけじゃなくて…その落ち着いた物腰というか、なんというかな…」

ジャン「雰囲気…?」

ジャン「まぁ…そんなところだ…」

ミカサ「…」 

60 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:34:27 ID:Sb8EUhk.
ジャン「俺は…憲兵団に入って…いい暮らしがしたいと思ってる」

ジャン「巨人なんかの脅威に脅かされない…安全で快適な暮らしを…」

ジャン「もちろん、俺だけじゃなくて……俺と一緒に……」

ミカサ「…」

ジャン「その……だから…俺と…」

ミカサ「………」 

61 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:37:40 ID:Sb8EUhk.
ジャン「俺と……」

ミカサ「…」

ジャン「…付き合ってくれねえか…!」

ミカサ「…」 

62 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:39:05 ID:Sb8EUhk.
ジャン「…」

ミカサ「……」

ジャン「……俺、まだ酔ってんのかもな…」

ミカサ「…」

ジャン「…」

ミカサ「ジャン」

ジャン「…」 

63 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:41:33 ID:Sb8EUhk.
ミカサ「私を好きだと言ってくれたのは嬉しい」

ミカサ「だけど…その……」

ジャン「……」

ミカサ「……」

ジャン「ミカサ」

ミカサ「…」

ジャン「…こういうの慣れてねえよな」

ミカサ「…」

ジャン(俺もなんだが) 

64 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:42:36 ID:Sb8EUhk.
ジャン「悪い。へんなこと言っちまった」

ミカサ「…悪いことはない」

ジャン「いいんだ」

ミカサ「…ごめんなさい」

ジャン「いいんだ…」

ミカサ「………」

ジャン「…」 

65 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:44:41 ID:Sb8EUhk.
ジャン「…」

ミカサ「…」

ジャン「…帰ろうぜ」

ミカサ「……うん」 

66 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:47:13 ID:Sb8EUhk.
スタスタ

ジャン「…そういやお前らって仲いいよな」

ミカサ「…エレンとアルミンのこと?」

ジャン「ああ。当然ミカサも含めてだが」

ミカサ「…私とエレンは家族…アルミンとは小さな頃からずっと一緒にいる…」

ミカサ「ので、仲がいいのは当然」

ジャン「…エレンと家族…か」 

67 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:53:58 ID:Sb8EUhk.
ジャン「なんでエレンと家族なんだ?」

ミカサ「昔…強盗に襲われた」

ジャン「は?…ミカサがか?」

ミカサ「その時、エレンが私を助けてくれた」

ジャン「…いやでも待て、助けてくれたところから何で家族になるんだ?」

ジャン「お前にだって親はいるだろ……」

ミカサ「…」

ジャン「……まさか…」

ミカサ「……」

ジャン「…悪い…詮索がすぎたな…」

ミカサ「…いい。事実だから」

ジャン「悪い…」 

68 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 22:58:29 ID:Sb8EUhk.
スタスタ

ジャン「…ミカサ」

ミカサ「…」

ジャン「今日は悪かったな。つき合わせちまって…嫌なこと聞いちまって」

ミカサ「…謝らなくてもいい」

ジャン「…」

ミカサ「…」 

69 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 23:12:59 ID:Sb8EUhk.
ジャン「…なあ」

ミカサ「…?」

ジャン「エレンといると楽しいか?」

ミカサ「…エレンといると…景色が全て変わって見える」

ミカサ「エレンといると…楽しい」

ジャン「…そうか」 


70 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 23:36:11 ID:Sb8EUhk.
ジャン「……さっさと戻るか」

ミカサ「…うん」


こうして特に盛り上がった話題もないまま、宴会場へ戻った。

部屋に入って自分の席に向かって歩いていると、その途中でマルコと目があった。

俺は視線をすぐ外し席に向かう。そして座った。

そこに置いてあった誰のともわからないグラスと、その近くにおいてあった酒瓶を持つと、酒をグラスに注ぎ、勢いよく飲んだ。