1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 11:55:24.03 ID:mv2sc0vp0
鳴「犯人は榊原くん」

鳴「貴方はとんでもないものを盗んでいきました」

鳴「私の心です」

恒一「……」

恒一「えっ」

はよ

引用元: 見崎鳴「メイのメイ探偵」恒一「えっ」 


 

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10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 13:25:43.28 ID:IIpCQBJKi
恒一「えっと見崎……?つまりどういうこと?」

鳴「榊原くんは私の心を盗んだの」

恒一「こ、心……?」

鳴「だから今から逮捕します」

恒一「えっ?逮捕って……」

鳴「逮捕っ」ギュ

恒一「うわっ!?ちょ、ちょっと見崎!?」

鳴「逃げちゃダメ」ギュー

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 14:53:19.44 ID:IIpCQBJKi
恒一「み、見崎、離れてっ」

鳴「窃盗犯には抵抗権がありません」ギュー

恒一「だ、だから心当たりが無いんだけど……」

鳴「いいから、大人しく逮捕されてて」

恒一「……そもそもさ」

鳴「?」

恒一「た、探偵には逮捕権なんて無いよね?」

鳴「……」

恒一「……」

鳴「……そういう屁理屈こねる人、嫌い」

恒一「ええ!?」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 14:59:30.31 ID:IIpCQBJKi
鳴「榊原くんは大人しくしてればいいの」

恒一「そんなあ……」

鳴「ほら、じっとしてて」ギュ

恒一「わっ……み、見崎……」

鳴「……」ギュー

恒一「……」

鳴「……」ギュー

恒一「……」

鳴「……」ギュギュー

恒一「……み、見崎?もうそろそろいいんじゃない?」

鳴「……」ギュー

恒一「見崎さーん?聞いてるー?」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 15:04:04.49 ID:IIpCQBJKi
鳴「ん、そろそろいいでしょう」パッ

恒一「やっとか……」

鳴「……では次は署まで連行します」

恒一「え?連行?」

鳴「手錠をかけます」ガシッ

恒一「え、ちょっ、手錠ってこれ手を繋いだだけじゃ」

鳴「手錠、絶対に外しちゃダメだから」ギュ

恒一「え……」

鳴「わかった?」

恒一「あ……は、はい」

鳴「それじゃ、連行します」

恒一「はい……」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 15:07:07.55 ID:IIpCQBJKi
帰宅しながらiPhoneで書いてるから遅いの勘弁

鳴「署に到着しました」

恒一「……ここ、見崎の家だよね?」

鳴「警察署です」

恒一「そういう設定ってこと?」

鳴「警察署ですっ」キッ

恒一「は、はいっ!」

鳴「わかったら大人しくついてきて」

恒一「わっ、ちょっ、ちょっと!引っ張らないでよ!」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 15:11:34.09 ID:IIpCQBJKi
恒一(見崎の部屋まで連れてこられた……)

鳴「それじゃ、この取調室で待ってて」

恒一「あ、はい……」

鳴「大人しく待っててね?」

恒一「う……うん、わかった」

ガチャッ タタタタ

恒一「……」

恒一(見崎、なんのつもりなんだろう……)

恒一(家に連れて来たかったのかな……それならそうと言ってくれれば喜んで来るのに)

恒一「……ん?なんだろ、これ」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 15:16:37.47 ID:IIpCQBJKi
恒一「……ビデオ?映画かな?」

恒一「見崎のやつ、映画なんか観るんだ、
ちょっと意外だな」

恒一「タイトル書いてある……えっと、カリオ○トロの城?」

恒一「あれ?これって確か……」

恒一「……もしかして、最初に言ってたセリフって……」

ガチャッ

恒一「うわっ!?」サッ

鳴「大人しくしてた?」

恒一「し、してたしてた!微動だにしてなかったよ!」

鳴「そう、ならいい」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 15:20:38.84 ID:IIpCQBJKi
恒一(咄嗟にビデオを隠してしまった……バレてないよな?)

鳴「~♪」カチャカチャ

恒一(……うん、バレてないみたいだ)

鳴「……はいどうぞ」スッ

恒一「えっ?あ、紅茶?」

鳴「取調べにはお茶が付き物」

恒一「……そうなの?」

鳴「お茶菓子もあるから」

恒一「あ、美味しそうなクッキー……いただきます」

鳴「召し上がれ」ニコ

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 15:26:13.06 ID:IIpCQBJKi
恒一「……」モシャモシャ

鳴「……美味しい?」

恒一「うん、美味しいけど……これってもしかして手作り?」

鳴「うん」コクリ

恒一「そうなんだ……霧果さんが作ったの?」

鳴「違う、私が作ったの」

恒一「え?見崎が?」

鳴「うん」

恒一「でも料理はできないって前に……」

鳴「……あ、あれは嘘だったの」

恒一「う、嘘?」

鳴「そう、嘘。別にお菓子作りの練習なんてしてないから」

恒一「……そ、そうなんだ」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 15:30:14.54 ID:IIpCQBJKi
鳴「……それじゃ、お腹もいっぱいになったところで取調べを開始します」

恒一「あ、まだそれ続いてたんだ……」

鳴「全ての質問に対して正直に話すように。嘘吐いたり、解答を拒否した場合は……」

恒一「……ば、場合は?」

鳴「罰ゲームです」

恒一「罰ゲーム?」

鳴「そう、罰ゲーム」

恒一「ば、罰ゲームってなにをするの?」

鳴「それは実際に罰ゲームを受けてからのお楽しみ」

恒一「えぇぇ……」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 15:33:55.88 ID:IIpCQBJKi
鳴「では、最初の質問」

恒一「うん」

鳴「…………こ、好みの」ボソボソ

恒一「え?なんて?」

鳴「こ……好みの異性のタイプは?」

恒一「は?」

鳴「早く答えて」

恒一「え、ちょ、ちょっと待ってなにその質問」

鳴「はやくっ」

恒一「ちょ、ちょっと待ってってば!」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 15:37:22.98 ID:IIpCQBJKi
恒一「好みのタイプって……」

鳴「早く」

恒一「ちょっと待ってって……そうだなあ」

鳴「……」ドキドキ

恒一「……」

鳴「……」ドキドキ

恒一「……」ジー

鳴「……?」

恒一「……し、ショートヘアーの子、とか?」

鳴「!」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 15:40:35.34 ID:IIpCQBJKi
鳴「…………よしっ」グッ

恒一「み、見崎?なんでガッツポーズしてるの?」

鳴「ん……気にしないで。それで他には?」

恒一「他に?」

鳴「例えば……年上と年下だとどっちが好み?」

恒一「え?そ、そうだな……」

鳴「……」

恒一「……同年代がいいかなあ」

鳴「!!」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 15:45:04.13 ID:IIpCQBJKi
鳴「……よしっ、よしっ」グッグッ

恒一(またガッツポーズしてる……)

鳴「……それで、他は?」

恒一「まだ聞くの?うーん……あ、好みとかとはちょっと違うけど、趣味が合う人がいいかな」

鳴「趣味?」

恒一「うん、僕ホラー小説とかホラー映画が好きなんだ」

鳴「ほ、ホラー……!?」

恒一「言ってなかったっけ?」

鳴「き、聞いてない……」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 15:47:43.48 ID:IIpCQBJKi
鳴「ホラー……ホラー……」ブツブツ

恒一「……み、見崎?どうかした?ちょっと顔が青いけど……」

鳴「っ!だ、大丈夫……」

恒一「そう?」

鳴「……榊原くん、私頑張るから」

恒一「え?」

鳴「頑張るから」

恒一「え?そ、そう……頑張って」

鳴「……うん」

恒一(……なにを頑張るんだろう)

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 15:51:46.37 ID:IIpCQBJKi
鳴「……じゃあ、この質問はこのぐらいでいい」

恒一「やっとか……」

鳴「それじゃ、次の質問」

恒一「あ、うん」

鳴「……だ、誰かと付き合った経験はありますか?」

恒一「え?」

鳴「だから、今まで恋人がいたことはある?」

恒一「ま、またそう言う質問か……」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 15:55:59.40 ID:IIpCQBJKi
恒一「まあ、付き合ったことはないよ」

鳴「っ!」パァアアア

恒一「あ……でも」

鳴「え?」

恒一「東京にいた頃、一度だけクラスの女子に告白されたことが……」

鳴「!?」

恒一「その時は恋愛とかよくわからなかったから断ったんだけどね」

鳴「……」

恒一「……って、あれ?見崎?」

鳴「……」プルプル

恒一「み、見崎?震えてるけどどうしたの?」

鳴「……ム」

恒一「え?」

鳴「罰ゲームです」

恒一「はぁ!?」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 15:58:44.13 ID:IIpCQBJKi
鳴「榊原くんは告白されたことがあるなんて嘘をついたので、罰ゲームです」

恒一「いや、嘘じゃないって!」

鳴「反抗すると罰ゲームが二倍になります」

恒一「り、理不尽だ……」

鳴「嘘をつくのが悪い」

恒一「だから嘘じゃないってば……」

鳴「では、罰ゲームの内容を今から決めます」

恒一「スルーか……」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 16:06:15.80 ID:IIpCQBJKi
恒一「と言うか、罰ゲーム内容って今から決めるんだ?」

鳴「うん。こう言うのを用意した」

恒一「え?なにこの段ボール箱?」

鳴「この中に罰ゲームの内容が書かれた紙が入ってるから」

恒一「あ、くじ引きってこと?」

鳴「そう」

恒一「この中から一つ取ればいいんだよね?よいしょ……」ガサゴソ

恒一「……じゃあ、これで」スッ

鳴「はい……それじゃ罰ゲーム内容を発表します」

恒一「うん」

鳴「罰ゲーム内容は……十分間私を撫で続ける」

恒一「は?」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 16:08:18.45 ID:IIpCQBJKi
恒一「え、なにその罰ゲーム?罰ゲームなのそれ?」

鳴「さ、どうぞ」スッ

恒一「またスルーか……」

鳴「このキッチンタイマーできっかり十分ね」

恒一「……はあ、わかったよ」

鳴「それじゃ、スタート」ピッ

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 16:10:36.42 ID:IIpCQBJKi
恒一「……」ナデ

鳴「んっ……」

恒一「……」ナデナデ

鳴「ん……」

恒一「……」ナデナデ

鳴「……」

恒一「……」ナデナデ

鳴「……」

恒一「……」ナデナデ

鳴「……」

恒一「……(なんだこれ……)」ナデナデ

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 16:14:43.42 ID:IIpCQBJKi
恒一「……見崎、これ楽しいの?」ナデナデ

鳴「静かにしてて、今頭に神経集中させてるから」

恒一「あ、はい……」ナデナデ

鳴「わかればよろしい……ん」

恒一「……」ナデナデ

鳴「……はふぅ」

恒一「……(見崎の髪の毛、柔らかいなあ)」ナデナデ

鳴「……ふはぁ」

恒一「……(なんか見崎が可愛がられてる家猫に見えてきた)」ナデナデ

鳴「ふにゃ……」

恒一「……(猫……猫耳見崎……)」ナデナデ

鳴「んあっ……」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 16:19:11.49 ID:IIpCQBJKi
ピピピピピピ

鳴「!」ハッ

恒一「あ、時間だね」スッ

鳴「あっ……」

恒一「撫で続けてると結構腕が疲れるもんなんだね」プラプラ

鳴「……」

恒一「……」

鳴「……」

恒一「……(おあずけ食らった犬みたいな表情をしている)」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 16:24:16.21 ID:IIpCQBJKi
恒一「……ほ、ほら見崎、取調べ続けないの?」

鳴「……ん、続ける」

鳴「……」

恒一「……(まだ名残惜しそうな顔をしている……)」

恒一「……え、えっとさ!ほら、また取調べ続けてれば罰ゲームのチャンスはあるかもだから……」

鳴「!」

恒一「ま、また僕が嘘をつけば罰ゲームできるんだから、そんな落ち込まないで」

鳴「……うん、そうね。それじゃ取調べを続けます」

恒一「……」

恒一(あれ?なんで罰ゲームを受けた側の僕が見崎を慰めてるんだ……?)

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 16:32:21.97 ID:IIpCQBJKi
鳴「それじゃ、次の質問」

恒一(なにかおかしい気がする……)

鳴「……榊原くん?どうかした?」

恒一「あっ、いやなんでもないよ!ほら質問して」

鳴「そう?それじゃ、榊原くんの好きな料理は?」

恒一「え?好きな料理?」

鳴「そう、好きな料理」

恒一「……なんかいきなりハードルが下がった気がするんだけど」

鳴「そんなことない、これはとても重要な
質問」

恒一「そうなの?」

鳴「そうなの」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 16:35:55.52 ID:IIpCQBJKi
恒一「好きな料理か……うーん、基本好き嫌いはないんだけど」

恒一「あ、しいて上げるならカレーとかかな」

鳴「カレー?」

恒一「うん、カレーの甘口が好みかな」

鳴「そう、わかった…………またお婆ちゃんに教わらないと」ボソッ

恒一「え?お婆ちゃん?」

鳴「なんでもないから気にしないで」

恒一「う、うん」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 16:41:35.33 ID:IIpCQBJKi
鳴「それじゃ次……嫌いな料理は?」

恒一「いやさっき好き嫌いは基本無いって……あ」

鳴「?」

恒一「そういえば料理じゃないけど、コーヒーが苦手で飲めないんだよ」

鳴「そうなの?」

恒一「うん、苦いのがダメでね……あ、でも」

鳴「でも?」

恒一「この間赤沢さんに勧められたコーヒーは美味しかったな」

鳴「………………赤沢さん?」

恒一「うん、この間勅使河原に喫茶店に呼ばれた時にね」

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 16:46:12.62 ID:IIpCQBJKi
鳴「……」

恒一「勅使河原たちを待つ間、二人の時に半ば無理矢理飲まされたんだけど」

鳴「二人……」

恒一「苦味の中にも甘味があるって言うのかな」

鳴「…………」

恒一「あれはとても美味しかったなあ……って見崎?」

鳴「…………」

恒一「ど、どうしたの?顔がいつにも増して無表情で怖いんだけど」

鳴「………ム」

恒一「え?」

鳴「罰ゲーム、パート2」

恒一「えええええ!?」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 16:50:36.26 ID:3OR5vzJQ0
家ついたからPCに移動する


恒一「なんで!? 嘘はついてないよ!?」

鳴「もう嘘とかどうでもいいから。とにかく罰ゲーム」

恒一「さっきから理不尽に拍車がかかってるんだけど!?」

鳴「ほら、早く紙引いて」

恒一「えええ……」

鳴「早く」

恒一「……はあ、もうどうでもいいや」ガサゴソ

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 16:54:01.57 ID:3OR5vzJQ0
恒一「……ん、引いたよ」スッ

鳴「はい……それじゃ罰ゲームないよ、う、は……えっ」

恒一「……? どうかしたの? 罰ゲーム内容は?」

鳴「……罰ゲーム内容は……」

恒一「内容は?」

鳴「…………ス」ボソッ

恒一「え? なんて?」

鳴「き、キス」

恒一「……えっ?」

鳴「ほっぺに、キス」

恒一「……はぁああああああ!?」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 16:57:07.24 ID:3OR5vzJQ0
恒一「な、な、えっ、なっ、なにそれ!?」

鳴「私だってなにそれ状態」

恒一「え? そ、それってどういうこと?」

鳴「私、こんな罰ゲーム書いた紙、入れた記憶無い……」

恒一「えっ? それってどういうこと?」

鳴「わからない……」

恒一「そ、そう……じゃあこれは無効ってこと?」

鳴「え?」

恒一「だって、見崎が記憶無いって言うなら……ノーカンじゃない?」

鳴「……」

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 16:59:33.00 ID:3OR5vzJQ0
鳴「……ううん、実行する」

恒一「え?」

鳴「罰ゲームは絶対。このまま実行します」

恒一「えぇええぇ……」

鳴「ほら、じっとしてるから早くして」スッ

恒一「ちょ、ちょっと待ってって」

鳴「……」

恒一「……また問答無用か」

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 17:02:26.31 ID:3OR5vzJQ0
鳴「……」

恒一「……」

鳴「……」

恒一「……えっと、それじゃ」

鳴「ん……」

恒一「……し、失礼します」

鳴「……どうぞ」

恒一「……」

チュッ

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 17:04:32.26 ID:3OR5vzJQ0
恒一「……えーっと、これでいいんだよね?」

鳴「……」

恒一「……? 見崎?」

鳴「……」ポケー

恒一「見崎!? 目の焦点あってないよ!?」

鳴「!」ハッ

恒一「あ、元に戻った……」

鳴「……ごめんなさい、少し遠い所に行ってた」

恒一「遠い所って……」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 17:06:37.37 ID:3OR5vzJQ0
鳴「それじゃ……次で最後の質問です」

恒一「やっとこれで終わりか……」

鳴「今までお疲れ様」

恒一「あ、いや、別に疲れてはないけど」

鳴「ん……それじゃ、質問の内容言うね?」

恒一「うん」

鳴「……最後の質問の内容は」

恒一「内容は?」

鳴「……す、好きな人」

恒一「え?」

鳴「好きな人は、いますか?」

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 17:08:51.23 ID:3OR5vzJQ0
恒一「す……好きな人?」

鳴「うん、好きな人」

恒一「……ライク? ラブ?」

鳴「もちろん、ラブの方」

恒一「え、な……なにその質問」

鳴「お願い、答えて」

恒一「す、好きな人って……」

鳴「いるの? いないの?」

恒一「えっと……」

鳴「……」ジッ

恒一「……い、いるよ」

鳴「!」

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 17:10:54.54 ID:3OR5vzJQ0
鳴「それは……それは、私が知ってる人?」

恒一「……うん、よく知ってると思う」

鳴「……クラスの人?」

恒一「そう、だね。3組の人だよ」

鳴「そう……」

恒一「……」

鳴「……それは」

恒一「……うん」

鳴「その人は、もしかして――」


ガチャッ


鳴・恒一「!?」

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 17:14:34.10 ID:3OR5vzJQ0
霧果「あら、榊原くん来てたのね」

鳴「お、お母さん……」

恒一「あ……お、お邪魔してます」

鳴「お母さん! 入るときはノックしてって言ってるじゃないですか!」

霧果「ああ、ごめんなさいね。それより鳴、私のビデオ知らない? 前鳴に貸してたと思ったんだけど……」

鳴「ビデオ?」

恒一「あ……もしかしてこれですか?」スッ

霧果「ああ、それそれ……ってなんで榊原くんが?」

恒一「えっと……ちょっと部屋の中で見かけたんで手に取っただけです」

霧果「あ、そうなの」

136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 17:17:20.97 ID:3OR5vzJQ0
鳴「……」

恒一「……」

霧果「それじゃ、探し物見つかったから私は行くわね。ごゆっくりどうぞ」

ガチャッスタスタスタ…

鳴「……」

恒一「……」

鳴「……」

恒一「……えっと、それじゃもう遅いし、僕も帰るね?」

鳴「えっ……ちょ、ちょっと待って」

恒一「そ、それじゃ見崎、また明日!」ガチャッ

鳴「あっ……」

138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 17:21:17.55 ID:3OR5vzJQ0
~恒一宅~

恒一「……はあ」

恒一(気まずくなって逃げたけど、明日見崎とどんな顔して会えばいいんだろう……)

恒一(と言うか、好きな人って……)

恒一(……そんなこと聞いてくるってことは、つまり……)

恒一(つまり、そういうことなんだよな……)

恒一(……)

恒一「う、うわぁああぁ……」カァアアア

玲子「? こ、恒一くんどうしたの?」

恒一「なんでも……なんでもないです……」カァアアアア

玲子「なんでもないって、顔真っ赤なんだけど……」

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 17:26:29.24 ID:3OR5vzJQ0
~見崎宅~

鳴「お母さんの馬鹿! お母さんの馬鹿!」

霧果「だからごめんなさいって言ってるじゃない」

鳴「昔からタイミングばっかり悪くって……それにあの箱に細工したのもお母さんでしょ!?」

霧果「あら、バレちゃった?」

鳴「やっぱり……!」

霧果「だってあの箱の中にあった罰ゲーム内容、全部ゆるゆるじゃない。あれじゃつまらないわよ」

鳴「つまらないとかそういう問題じゃ……!」

霧果「まあまあ。ほら、またおうちに榊原くんを呼べばいいじゃない」

鳴「~~~~~!」

霧果「なんなら、私が呼んであげましょうか?」

鳴「っ! い、いいです……自分で呼びますっ」

147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 17:30:36.98 ID:3OR5vzJQ0
鳴「……はあ」

鳴(今日はお母さんのせいで失敗したけど……)

鳴(……次。次こそは絶対に……)

鳴(……)

鳴(とりあえず、今日はもういいや……)

鳴(またお母さんの部屋からビデオ借りようっと)テクテクテク

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/06(火) 17:32:03.66 ID:3OR5vzJQ0
『くそー、一足遅かったかあ! まんまと盗みおって!』

『いいえ、あの方は何も盗らなかったわ。私のために戦ってくれたのです』

『いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました』

『……?』

『……あなたの、心です』

『……はい!』



鳴「……やっぱり、このシーンいいなあ」



終わり