2 :1:2013/10/24(木) 23:42:03 ID:iva.Ipg2
ライナー「俺はクリスタと結婚したい」
ユミル「知っていた」
ライナー「だが俺はホモだ」
ユミル「知っていた……って、あれ、そうなのか?」
ライナー「あぁ」
ユミル「じゃあクリスタはタイプじゃないだろ」
ライナー「いいや、タイプだ」
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3 :1:2013/10/24(木) 23:43:06 ID:iva.Ipg2
ライナー「俺はクリスタと結婚したい」
ユミル「待て、振り出しに戻られても困る」
ライナー「困るのか」
ユミル「お前はホモなんだろう?」
ライナー「そうだ」
ユミル「だったらクリスタはタイプでは…」
ライナー「甘い!」
ユミル「!!?」
ライナー「俺は可愛い物が大好きなんだ!」
ユミル「そうか」
4 :1:2013/10/24(木) 23:43:56 ID:iva.Ipg2
ライナー「だからエレンとアルミンも好きだ」
ユミル「……そうか」
ライナー「コニーも好きだ」
ユミル「そうか」
ライナー「ジャンもマルコもトーマスもサムエルもフランツも可愛いと思っている」
ユミル「許容範囲が広いな」
ライナー「女子で言うとクリスタもサシャもアニもミカサもミーナもハンナも可愛いと思っている」
ユミル「それを博愛、と人は言う」
ライナー「そうなのか」
ユミル「……一つ、質問がある」
ライナー「なんだ」
ユミル「お前の近くの、一番近い男が抜けているが」
5 :1:2013/10/24(木) 23:45:46 ID:iva.Ipg2
ライナー「あぁ、ベルトルトか」
ユミル「そうそう、ベルトルさん」
ライナー「あいつは可愛くない」
ユミル「ふぅん」
ライナー「さすがの俺も192センチは可愛いと思えなかった」
ユミル「許容範囲が、意外な所で狭かったな」
ライナー「でもベルトルトの瞳は可愛いと思う」
ユミル「…………」
ライナー「行動も可愛い」
ユミル「…………」
ライナー「幼い頃から可愛い奴だった、だが何故あんなに……身長だけが可愛くないんだ」
ユミル「でかい図体の割に行動が可愛いんだったら、ギャップがあって可愛く思えるんじゃないか?」
ライナー「そ、そうか!」
ユミル「あぁ」
6 :1:2013/10/24(木) 23:47:22 ID:iva.Ipg2
ライナー「じゃあベルトルトも可愛いんだな!」
ユミル「そうだ、そのままホモカップルになっちまえ」
ユミル「用件がそれたな、結局お前はバイと言う事でいいのか?」
ライナー「違う、俺はホモだ」
ユミル「そんなホモ野郎にクリスタはやらん」
ライナー「でもクリスタはストライクなんだ、きゅんきゅんして眠れないんだ」
ユミル「んなの私だっていつもそうだ、だからお前の恋路は邪魔してやるよ」
ライナー「ちくしょう!なんて悪魔だ!」
ユミル「また用件がそれたな、用件は宣戦布告と言う事で良かったか?」
ライナー「違う、クリスタと結婚したいんだ」
ユミル「お前は私を馬鹿にしているのか?」
7 :1:2013/10/24(木) 23:49:08 ID:iva.Ipg2
ライナー「分かった、用件を続けて言おう――遮るなよ」
ユミル「あぁ」
ライナー「俺はクリスタと結婚した…」
ユミル「認めねぇ」
ライナー「…………」
ユミル「そこは譲れない」
ライナー「俺は意中の女性と結婚したい、だが俺はホモだ」
ユミル「今日でこの台詞を何回聞けばいいんだ」
ライナー「だから、ユミル――俺と付き合って欲しい」
ユミル「……は?」
ライナー「オトコ女と言われている、身長も体格も性格も口調も――おそらくはホルモンバランスも男寄りの、お前にしか出来ないんだ」
ユミル「喧嘩売ってんのか?」
ライナー「だからお前を男と思いこんで、チュッチュしたり、ベットインする事が出来るかもしれない」
ユミル「なんか貞操狙われている、こいつやばい」
8 :1:2013/10/24(木) 23:50:22 ID:iva.Ipg2
ライナー「どうせビッチだろ?」
ユミル「生娘です」
ライナー「そうか、だがどうせ狙うのは後ろだ――関係は無い」
ユミル「ひくわー、こいつ本当にひくわー」
ライナー「安心しろ、俺はプロのホモだ」
ユミル「さらにひくわー」
ライナー「だからユミル、俺と付き合ってくれ!」
ユミル「無理」
ライナー「何故だ!?」
ユミル「なんで今の今までの言葉の遣り取りでOKを貰えると思ってんだ?」
ライナー「ビッチだと思っていたから」
ユミル「生娘だ」
9 :1:2013/10/24(木) 23:52:07 ID:iva.Ipg2
ユミル「大体な、私はど腐れホモにクリスタをやるつもりは無い――だから協力する必要もない」
ライナー「そうか」
ユミル「……待て、何故近づく」
ライナー「大丈夫だ、すぐに済む」
ユミル「は、ちょ……ま……どわぁ!!」
ライナー「む、良く防いだな」
ユミル「お、おぉ我ながらよく防げたな……ってか何やってくれてんだてめぇ!」
ライナー「お前を倒せれば、了承を貰う必要は無い!」
ユミル「よ、よかったぁ。そっちの方の意味での倒すだよな……性的な意味では無いよな」
ライナー「あ、それでも良かったか」
ユミル「憲兵さーん!ちょっとこっちきてくれぇ!」
ライナー「呼んでも来ない事くらい、分かっているだろう?」
ユミル「そうだけれどさぁ、それでも叫ばずにいられない」
10 :1:2013/10/24(木) 23:53:11 ID:iva.Ipg2
ライナー「それに呼ぶなら、もっと手頃な奴がいるだろうに」
ユミル「貞操の危機なのに、助けようともしてくれない奴に何を期待できるって言うんだ――なぁ」
「エレン、ベルトルさん」
11 :1:2013/10/24(木) 23:55:41 ID:iva.Ipg2
エレン「…………」
ベルトルト「…………」
エレン「す、すまんユミル――俺、ライナーに近づきたくない」
ベルトルト「僕も――でも一応、ここから戦士に戻られるように呼び掛けるから」
ユミル「こちとら片手と片足がないんですけどー、このままだったらやばいんですけどー」
エレン「頑張れユミル!応援する!」
ベルトルト「僕も!」
ユミル「はぁ……ったくよぉベルトルさん、兵士のライナーっていつもこんななのか?」
ベルトルト「こうではない………………と信じたい」
ユミル「偉く過大な希望を練りこんだな」
ライナー「頼む、ユミル!チュッチュするだけ、チュッチュするだけでいいから!」
ユミル「だから無理だって、ちょ、近づくな!」
12 :1:2013/10/24(木) 23:56:41 ID:iva.Ipg2
エレン「なぁ、ベルトルト――移動っていつだっけ」
ベルトルト「夜」
エレン「今は」
ベルトルト「夕方になりかけ」
エレン「夜まで長いな」
ベルトルト「長いよ」
エレン「でも、こっちも退屈しないし……いっか」
ベルトルト「こっちに被害がきてないしね」
13 :1:2013/10/24(木) 23:58:19 ID:iva.Ipg2
エレン「……キスどまりでいいって言っているしな」
ベルトルト「さすがにそれ以上になったら妨害はするよ、遠くから」
エレン「そうか――ユミル、がんばれー」
ユミル「ひとでなしだなお前ら!」
ベルトルト「だって僕、巨人だし」
エレン「俺も巨人になれるし」
ユミル「このアホ垂れ共がっ!」
ベルトルト「アホって言わないでよ、僕は親友がそんな性癖であったと知って愕然とする事で忙しいんだ」
エレン「俺はそれにプラス、巨人である事も、敵である事も、両腕を食いちぎられた事も愕然としているから」
ベルトルト「エレンは大変だね」
ユミル「こっちも大変だっての!」
14 :1:2013/10/24(木) 23:59:19 ID:iva.Ipg2
ユミル「も、もうヤバいっ!お前ら本当に助けろ!チュッチュされちまう!」
エレン「…………」
ベルトルト「…………」
ユミル「距離を取りつつ、ガン見するなゴラァ!!」
ライナー「チュッチュするだけ、チュッチュするだけだから」
ユミル「……は、離れろ」
ライナー「…………」
ユミル「…………く」
ライナー「あ、ごめん――やっぱり無理だわ」
ユミル「………………は?」
ライナー「やっぱり無理」
ユミル「…………はぁ」
ライナー「無理」
ユミル「そんな繰り返し言うな」
15 :1:2013/10/25(金) 00:01:33 ID:BlfKTijU
エレン「良かったなユミル!貞操は守られたぞ!」
ベルトルト「僕もほっとしたよ」
ユミル「……エレン、お前移動する時はライナー側に乗れよ」
エレン「え」
ユミル「決定」
エレン「…………」
ユミル「ベルトルさん」
ベルトルト「…………」
ユミル「ライナーにホモホモされる様、願っておくよ」
ベルトルト「…………」
ユミル「願っておくよ」
ベルトルト「……ご、ごめんユミル。そんな展開になる願望を一ミリも持たないで」
ユミル「チュッチュされる様に、呪っとくわ」
ベルトルト「いやだ、たとえ不確定な物だったとしても!そんな状況に近づけさせられる行動、一つでも嫌だ!」
16 :1:2013/10/25(金) 00:02:51 ID:BlfKTijU
ライナー「エレン」
エレン「あ?」
ライナー「俺はクリスタと結婚したいんだ」
エレン「…………」
ライナー「お前って悪人面だが、ちょっときつめの女の子に見えない事もない」
エレン「…………」
ライナー「お前を女の子だと思うと、チュッチュしたりベットイン出来たりするかも…」
エレン「いやだああああああ!!」
ライナー「あ、エレンちょっと待て!チュッチュするだけ、チュッチュするだけだから!」
17 :1:2013/10/25(金) 00:04:46 ID:BlfKTijU
ベルトルト「…………」
ユミル「……ざまぁ」
ベルトルト「…………」
ユミル「因果応報だな」
ベルトルト「その流れだと」
ユミル「ん?」
ベルトルト「こっちにも被害が来るんだけれど」
ユミル「そうだな」
ベルトルト「……エレンは両腕が無いから」
ユミル「ガードが出来ねぇし」
ベルトルト「それに男の子だから」
ユミル「寸止め回避は無理かもしれないな」
18 :1:2013/10/25(金) 00:05:43 ID:BlfKTijU
ユミル「…………」
ベルトルト「…………」
ユミル「…………」
ベルトルト「…………」
ユミル「尊い犠牲だった」
ベルトルト「本当に」
ライナー「俺はクリスタと結婚したい」【終】
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