1: だりやすかれんだよ  ◆5F5enKB7wjS6 2016/07/07(木) 01:39:45.18 ID:pxKdUGibO


―――事務所


オハヨウカーラー オヤースーミーマーデー

泰葉「…………」シャンシャン


ちひろ「――泰葉ちゃん。そろそろ休憩したらどうです? ずっとやってますよね」

泰葉「…………」シャンシャンシャン…

ちひろ「や、泰葉ちゃーん?」

泰葉「…………」シャラララ…

ちひろ(……集中してる)


泰葉「…………」シャンシャン…


泰葉「……ふう」

ちひろ「あ、終わりました? 休憩にしm」


泰葉「もう一回。今度こそフルコンボ……」パリーン

ちひろ「泰葉ちゃん」ペシ

泰葉「あうっ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1467823185

引用元: 千川ちひろ「泰葉ちゃんが一心不乱にデレステをプレイしてる」 


 

2: だりやすかれんだよ  ◆5F5enKB7wjS6 2016/07/07(木) 01:40:55.96 ID:pxKdUGibO
泰葉「な、なんですかちひろさん」

ちひろ「まったく……もう1時間以上やってるじゃないですか」

泰葉「で、でも……」

ちひろ「でもじゃありません。そんなにやってたら目を悪くしますよ?」

泰葉「……すでに悪いので平気です」ポチ

ちひろ「あっ、ちょっ! ダメったらダメ!」ヒョイッ

3: ◆5F5enKB7wjS6 2016/07/07(木) 01:43:00.08 ID:pxKdUGibO
泰葉「ああっ! か、返してください!」ピョンコピョンコ

ちひろ「いいえ返しません! 今日はもうおしまいですっ!」

泰葉「そんなっ!? あと少しで加蓮の限定カードが手に入るんですよ、李衣菜も写ってるんです!」

ちひろ「知ってますけどダメです! プロデューサーさんに怒られますよ!」

泰葉「怒られても構いませんっ! それでも私は加蓮を、李衣菜をっ……!!」グググ…!

ちひろ「その熱意なんなんですか!?」

4: ◆5F5enKB7wjS6 2016/07/07(木) 01:44:08.60 ID:pxKdUGibO
泰葉「だって綺麗じゃないですか」

泰葉「だってかわいいじゃないですか」

泰葉「だって、だって……嬉しいじゃないですかっ」

泰葉「2人が活躍してるんだから、私はその応援をしなきゃいけないんです」


泰葉「私が……私が応援しなきゃ……!」

ちひろ「や、泰葉ちゃん……」




ちひろ「でもダーメっ」

泰葉「お願いします返してぇ……」グスン

5: ◆5F5enKB7wjS6 2016/07/07(木) 01:45:24.40 ID:pxKdUGibO
ちひろ「泰葉ちゃんの気持ちは充分伝わりました。でもやりすぎはいけません」

泰葉「気持ちだけではポイント稼げないです……」ショボン

ちひろ「そんなの関係者なんですから、ちょちょっと言い含めれば」

泰葉「不正はいけませんよ。自分の力で手に入れてこそ意味があるんです」

ちひろ「ド正論ですけど今の泰葉ちゃんが言うと情けなく見えますね」

泰葉「今の自分を恥じることなんてありません! 自分に正直に……Pさんの教えでもありますからっ」

ちひろ「良いこと教えますねぇプロデューサーさんは……。はぁ……」

6: ◆5F5enKB7wjS6 2016/07/07(木) 01:46:58.72 ID:pxKdUGibO
泰葉「さぁ、ちひろさん。分かったらスマホを私に」

ちひろ「げ、ゲームに夢中になってる泰葉ちゃんを見たら、ファンのみんなも引いちゃうんじゃないかしら?」

泰葉「私の2人に対する愛は引かれる程度で冷めたりしません……ふふふ」ユラリ…

ちひろ「歌の設定引きずってるじゃないですか! その顔ちょっと怖いです!」

泰葉「2人に表情のアドバイスしたの私ですから。いい顔してますよね、ふふっ♪」

ちひろ「やけに堂に入ってると思ったらそういうことだったんですか!?」

7: ◆5F5enKB7wjS6 2016/07/07(木) 01:48:49.11 ID:pxKdUGibO
泰葉「その功績を考慮して、私にスマホを返すということで……」

ちひろ「ダメですったら、もう! こうなりゃこっちも意地です! 絶対渡しませんからね!」

泰葉「おーねーがーいーでーすー!」

ちひろ「だーめーでーすー!」


どたばた

  どたばた――!


P「……帰ってきたらアシスタントとアイドルが遊んでいた」

李衣菜「この暑いのに追いかけっことか……」

加蓮「ただいまーあつーいクーラーつけてーアイス食べたーい」

9: ◆5F5enKB7wjS6 2016/07/07(木) 01:50:15.77 ID:pxKdUGibO


―――


ちひろ「――ぜぇ、はぁ……つ、疲れたぁ……」

P「ったく、なにしてるんですか……。いい年してはしゃいで」

ちひろ「は、はしゃいでなんていませんっ。泰葉ちゃんが悪いんですよ!」



李衣菜「――でさー、加蓮ってばひどいんだよー。人が真剣に表情作ってるのに笑うんだもん」

泰葉「ふふ、そうだったの?」

加蓮「あはっ、あんなの笑うなって方が無理だってば~♪」

10: ◆5F5enKB7wjS6 2016/07/07(木) 01:52:09.31 ID:pxKdUGibO
李衣菜「もー、そのせいで何度も撮影止まったんだからね?」

泰葉「む……加蓮、それはいくらなんでもダメ。プロなんだから決めるときはちゃんと決めないと」

加蓮「う……。そこは反省します……」シュン

李衣菜「別に私を笑うのはいいけどさ。それで加蓮の評判が落ちちゃったら嫌だしね」

泰葉「笑われるのはいいのね」クスッ

李衣菜「まぁ終わってからこうしてやればいいだけだしね」ムニー

加蓮「ぅにゅあ~、ごみぇんにゃひゃー」

11: ◆5F5enKB7wjS6 2016/07/07(木) 01:54:27.69 ID:pxKdUGibO
李衣菜「うりうり、これでも喰らえー♪」

加蓮「あははっ! もー、やめてよ李衣菜ぁ♪」

泰葉「ふふふ――♪」



ちひろ「……ふふ。良かった」

P「なにがです?」

ちひろ「泰葉ちゃん……ほんの少し、気落ちしていたみたいですから」

P「ん、ああ……やっぱりですか。その可能性、頭の隅にはあったんですけど……」

12: ◆5F5enKB7wjS6 2016/07/07(木) 01:55:44.07 ID:pxKdUGibO
ちひろ「2人を応援しなきゃ、って頑なに言ってましたので……。本当は悔しかったんだと思います」

P「でしょうね……泰葉のことですし」

ちひろ「ただ、こうして笑顔を見ていると……嫉妬とか、そういう暗い感情はなさそうで安心しました」

P「あはは、泰葉が2人に? それはないでしょう」

ちひろ「え……?」

P「悔しいってのは……多分、自分自身に対してでしょうね。自分の努力が足りなかったとか、そういう悔しさだと思います」

13: ◆5F5enKB7wjS6 2016/07/07(木) 01:57:28.01 ID:pxKdUGibO
ちひろ「……なるほど。ストイックな泰葉ちゃんらしいですね」

P「今回は俺の力不足もありますが……次こそは必ず、と本人も思ってるはずです。俺もそれに応えないと!」

ちひろ「…………ふふ」



李衣菜「ねぇ泰葉、今度は絶対一緒にお仕事しようね。加蓮のお守り、1人だと大変なんだよ」

泰葉「うん、もちろん。私も新しい曲、一緒に歌いたいな……! ……加蓮は放置で」

李衣菜「あぁその方が楽か……重いドレス着て身動きできない加蓮とか面白かったし」

加蓮「私の扱いがだんだん悪くなってる気がするー、ひーどーいー♪」ムギュウ

李衣菜「ちょ、抱きつかないでよ暑いんだからぁ!」

泰葉「きゃっ! もう、加蓮ったら……♪」

14: ◆5F5enKB7wjS6 2016/07/07(木) 01:59:05.65 ID:pxKdUGibO
ちひろ「……やっぱり取り越し苦労だったみたいですね♪」

P「ええ、心配するだけ損ですよ。……あはは、おしくらまんじゅうみたいになってる」



李衣菜「はーなーれーろーっ!」

加蓮「私の重ーい愛、受け止めてよ~♪」

泰葉「うんっ。2人の愛なら……私はいつでも受け止めてあげる。ふふふっ♪」



おわり