1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/14(水) 22:31:50.04 ID:LqrHfTti0

澪「まったく超就職氷河期とはよく言ったものだよ…」

澪「どの会社も面接でテンパりすぎて話にならないし…」

澪「あがり症だけでもなんとかならないかなぁ」

澪「他のみんなはもうとっくに内定貰ってるのに…」

澪「残るは私と唯だけか」ピリリ....

澪「メール?唯からか…」パカッ

唯『件名:やっと決まったよ!』

澪「まさか・・・あのxxが?」

唯『本文:聞いて!街で適当に歌を歌ってたら~▽

唯『エイベックスとかいう会社にスカウトされたよ~』画像アリ

澪「……」パタン

引用元: 澪「就職できない…」 


 

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5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/14(水) 22:42:48.07 ID:LqrHfTti0

澪「…だ、大丈夫だ!卒業まではあと三ヶ月もある!」

澪「それに…あいつらの就職先だって大したことないじゃないか」

澪「すごいと言われてた和だって地方公務員だし…」

澪「律は外食チェーン…ぷぷっ!ブラックじゃないかww」

澪「唯はエイベックスだかなんだか知らんが芸能界なんか糞だし」

澪「結局、最後には私だけが笑うんじゃないか?」

澪「まあ、ムギに関しては失敗するとは考えにくいけど…」

澪「ん?ムギ…?」

澪「そうかその手があったか!」ガタッ

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/14(水) 22:53:35.44 ID:LqrHfTti0

澪「私にはコネがあったんだ!」

澪「それも友人が社長令嬢という盛大なコネが!」

澪「これを使わずして就職活動もクソも無いぞ!」

澪「そうと決まれば早速ムギにメールを…」

澪「…」

澪「……待てよ」

澪「仮に、もし私がコネを駆使して大企業に就職したとして…」

澪「万が一、私が能力の無い人間だとバレたらどうなる…?」

澪「おそらくムギとの関係はすぐにバレる、行き着く先は…」

澪「社内イジメ!」ゾクッ

澪「………やめておこう」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/14(水) 23:03:30.28 ID:LqrHfTti0
数カ月後


澪「なんてことしてる間に卒業まであと一週間か…」

澪「もう本当にどうしようかなぁ」

澪「ニートは嫌だしな…」

澪「かと言ってブラックで社畜として生きるのも勘弁だな」

澪「でもこの性格じゃあ公務員は絶対にムリだし」

澪「どうしようか…」

澪「社会にさえ出ればそれなりにやっていける自信はあるのに…」

澪「………そうか!」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/14(水) 23:11:42.22 ID:LqrHfTti0

澪「起業しよう!」バ~ン

澪「そうだよ起業するんだ」

澪「ゲイツも、ジョブズも、ホリエモンも」

澪「でっかく成功した大人はみんな在学中に起業してるじゃないか」

澪「幸い私は比較的性能の良いノートパソコンを持っているし」

澪「これを利用しない手はないな!」

澪「そうと決まればまずは基本を知らなければ始まらない」ガタッ

澪「エクセルの入門書でも買ってくるか」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/14(水) 23:21:57.23 ID:LqrHfTti0
数日後


澪「…ダメだ、完全にITをなめていた」

澪「Cってなんなんだ…、BASICってなんなんだ…」

澪「て言うかそれ以前にブラインドタッチが出来ないから論外だ」

澪「…完敗か」バタン

澪「……卒業まであと2日」

澪「要領の良い奴は後輩でも既に進路が決まっている…」

澪「…うぅ」

澪「背に腹は替えられない、まずは就職が第一だ」ガタッ

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/14(水) 23:33:47.89 ID:LqrHfTti0

澪「しかし求人誌を見てみても、ロクな企業が無いな」

澪「派遣かアルバイト、良くても契約社員しか募ってない」

澪「たまにあるのは肉体労働、しかも給与は涙の雀…」

澪「…ん?これは正社員だな、でもどうせ待遇は」パラリ

澪「し、社保完備・交通費支給・有給アリ!?」

澪「しかも給与は月に手取りで40万…これを逃す手は無いな」

澪「業種は書いてないけど、未経験者優遇だし大丈夫だろ」

澪「…総合商社フラットファイブか、なんとも立派な社名!」

澪「ここだな」ピポパパ......プルルル...

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/14(水) 23:40:37.89 ID:LqrHfTti0
数時間後


澪「しかし真の優良企業はやることが違うな~♪」ボロン..

澪「履歴書も出してないのに、質問に答えただけで即内定とは」ボボロン...

澪「これは、久しぶりにベースでも弾きたくなるっての」ボボボボ...

澪「見る目が違うんだろうな、いや、聞く耳かな?」

澪「どっちでも良い、とにかくニートの恐怖からは解放されたんだ」

澪「良かった…」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/14(水) 23:49:37.45 ID:LqrHfTti0
数日後


澪「さて、無事に卒業もしたことだし、今日は初出社の日だな」

澪「持ち物は…スーツ、バッグ、ペン.....」

澪「…あと、変声機、これは絶対に必要らしいからな」

澪「何に使うかは分からないけど、多分歓迎会の余興かなんかだろ」

澪「さて、ラッシュに巻き込まれないように、早めに家を出るか」

澪「行ってきま~す」ガチャ

澪ママ「気をつけてね」ニコニコ...

澪(ママ、嬉しそうだなあ…)

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/14(水) 23:57:02.68 ID:LqrHfTti0
会社


主任「皆様がわが社の新入社員ですか」

澪「…は、ハイっ!」ピシッ

社員a「うーっす」クチャクチャ....

社員b「…ダリ」

澪(同期の人たちはみんな男なのかぁ)

澪(しかもなんか怖そう…なんで私服なんだろ)

澪(いや、会社にはスーツで行くという概念がまず古いのかな)

澪(先進的な企業では、私服通勤は割と普通なのかもしれない)

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 00:10:05.80 ID:FbR0NAuc0

主任「それじゃ、自己紹介でもしようか」

澪「ハイ」

社員ども「……っす」

主任「まず私はここの主任をやっている者だ」

主任「○○大卒、29歳…質問は?無いね、終わるよ」

澪(…え?それだけ?)

主任「…じゃあ、つぎはそこの」

澪「あのっ」スッ

主任「なんだい?」

澪「お、お名前はなんて、おっしゃるんですか?」ドキドキ

主任「………山田一、とでもしといてくれ」

澪「…あ、はい」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 00:29:12.81 ID:FbR0NAuc0

男a「えーっとぉ、まぁ永田輝羅です、キラって呼んで下さい…」

澪(…DQNネーム!い、いや偏見は良くないな)

輝羅「出身は和歌山の○○町…」

澪(和歌山県民…!いや差別はダメだな)

輝羅「○×チャレンジ高校卒でっす」

澪(救いようの無い学歴…)

輝羅「…あっ、ちなみに趣味はパチンコwwww」

澪(これは…いや、違うぞ違うぞ)

主任(まだ良い方だな…)

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 00:40:11.87 ID:FbR0NAuc0

男b「えと、あのぉ…デュフッwwww」

澪(デュフ?)

男b「あの…フフッ、僕の名前は、いやっ、僕はむしろ、デュフッ」

澪(…どうして笑ってるんだろう?)

男b「結論から言っちゃうと、僕は雁屋均です…デュフッ」

澪(う、少し臭うぞこの人の息…)

均「えと…で、まぁ、学歴から言っちゃうと、○△高校を…」

澪(あ、それなりに学歴は…)

均「中退です…ぅうははははっ」ゲラゲラ

澪(…中卒か)

主任(これはひどい)

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 00:51:58.65 ID:FbR0NAuc0

澪「えーと、秋山澪、22歳です」

澪「N女子大出身、趣味は、ベースを少し…」

主任(N女子大か、なかなかの学歴だな)

輝羅(●●●●はデカい、中の上だな)

均(かわいいかわいいよ澪たん…)  ペロ

澪「こ、これから皆さんよろしくお願いします」

主任「…よし!じゃあ早速仕事に取りかかろう」

澪「あの山田さん、仕事って、どんな…」

主任「うん澪ちゃん、平沢唯って、知ってるかな?」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 01:02:57.38 ID:FbR0NAuc0

澪「…え?唯が」

輝羅「知ってます、俺、ファンです!」ビシッ

主任「そう、最近出てきた歌手の子なんだけど」

澪「そ、それがどうかしたんですか?」

主任「彼女ブログやってるじゃん」

澪「ブログって、あのそんなことはどうでも…」

主任「で、毎日のようにたくさんのコメントが寄せられて」

主任「それはもう、たくさんたくさん…」

澪「…それと仕事とはなにがどう関係あるんですか?」

主任「分かんない?君らが代わりなって返事を書くんだよ」

主任「それが、君らの業務内容です」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 01:10:53.83 ID:FbR0NAuc0

澪「…酷い」カチャカチャ

輝羅「マジかよ」カチャカチャ

均「芸能人なんてね…所詮は、デュフフww」カチャカチャ

澪「唯は、この短期間でそんなに忙しく…」カチャカチャ

輝羅「でも酷いぜ、俺らファンを騙しやがって」カチャカチャ

均「惨めですね…フフッwww」カチャカチャ

輝羅「惨めだ」カチャカチャ

澪(私の方が、何倍も、惨めだ)

澪「…ハア」カチャカチャ

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 01:18:21.12 ID:FbR0NAuc0
数カ月後


澪「…辞めてしまった」

澪「就職無いのに、給料も良かったのに…」

澪「でも私には無理だ、あの職業は」

澪「よりによって、あんなの…」

澪「格差を見せつけられてるようなものじゃないか…」

澪「それに、他の社員の精神的レベルが低すぎる」

澪「小学生みたいな会話と、パチンコの話しかしてこない…」

澪「厳しいな、社会って」

澪「貯金は少しあるし、しばらくは家に居よう」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 01:30:16.44 ID:FbR0NAuc0

澪ママ「…というわけなの」

律「…はぁ」

律(まさかとは思ってたけど、まさかマジでニートなるとは)

澪ママ「それから2年、ろくに部屋から出ないのよ」

律「…はい」

律(またこの親がなぁ、過保護すぎるっていうかさぁ)

澪ママ「主人は真剣に考えてくれないし」

律「…はあ」

律(そんなこと私にどうしろって言うんだよ!)

澪ママ「…でね、折り入ってりっちゃんに頼みがあるの」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 01:37:31.49 ID:FbR0NAuc0

律「…放課後ティータイム?」

澪ママ「そう、あなたたちがやってたバンド!」

律「それがどうかしたんですか?」

澪ママ「再結成して欲しいのよ、もう一度!」

律「…え?」

澪ママ「だから再結s…」

律「まっ、無理無理無理!ぜったい無理ですよそれは」

澪ママ「どうして?」

律「だ、だって、それはっ!」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 01:44:48.51 ID:FbR0NAuc0

律「まず、私はここ数年ドラムに触ってません」

澪ママ「また触れば良いじゃないの」

律「いやそういう意味でなく、演奏できません」

澪ママ「練習すれば良いじゃないの」

律「そ、それに、他のメンバーの所在が掴めません」

澪ママ「呼び集めれば良いじゃないの」

律「あと、一人、スケジュール的に厳しい人が居ます」

澪ママ「空けといてもらえば良いじゃないの」

律「…なんでも良いです、もう」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 01:51:38.64 ID:FbR0NAuc0

澪ママ「ありがとう!助かったわ」

律「いや別にOKしたわけじゃ…」

澪ママ「実は最近、うちの子はずっとビデオを観てるんです」

律「…ビデオ?」

澪ママ「そう、高校生のときの、学園祭の…」

律「へえ、澪が…」

澪ママ「今の澪を立ち直らせるのは、音楽しかないんです!」

律「…うぅむん......」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 01:58:26.40 ID:FbR0NAuc0

律「結局、承諾してしまった…」

律「私はなぜこうもお人好しなのか」

律「私の生活も決して楽じゃあないのになあ…」

律「でもまあ、澪よりは良いけどな」

律「鬼も18番茶も出花とは本当のこと」

律「まったく、私は早くに良い人を見つけて正解だったな」

律「…さて、急いで家に帰って夕飯の準備だ」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 02:08:03.42 ID:FbR0NAuc0

曹「撃てぇっ」

梓「ハイッ!!」ドギャアッドギャアッ

梓「…」カチャッ

曹「……」

曹「ふむ、よろしい」

曹「以上で今日の訓練は終了だ」

梓「ありがとうございましたっ!」

梓(疲れた…)

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 02:16:53.44 ID:FbR0NAuc0

梓「は~あ…」

梓「女で自衛官なんかになるんじゃなかったな…」

梓「訓練辛いし、同僚はムサ苦しい男ばっかだし」

梓「まあ確かに大事にはされるけど、外ではモテないし」

梓「昇進できないのもなあ…」

梓「次の任期までに責めて三等陸曹までにはなっとかないと…」

梓「まったく先が見えないよ」

梓(早く結婚したいなあ…)

梓「…メールが来てる」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 02:24:33.25 ID:FbR0NAuc0

梓「律先輩か、懐かしいな」

梓「放課後ティータイム再結成のお知らせ…?」

梓「澪先輩の窮地を救うため?どういうことだろ?」

梓「でも、多分」

梓「澪先輩のことだから、多分ニートにでもなったんだろうな」

梓「私はそれより、唯先輩に会いたいなあ…」

梓「私のこと、覚えててくれてるかな?」

梓「再結成かあ…」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 02:31:17.19 ID:FbR0NAuc0

唯「疲れた~」

P「この後はラジオの仕事が入ってます、それから…」

唯「もういいよ~、どうせ、大したことはしないでしょ?」

P「大したことって…歌を」

唯「もういいよ~、面倒くさいもん」

P「…唯さん、ほら」ガサッ

唯「ぅん?」

P「ちょっとチクっとしますよ」チクッ

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 02:43:09.84 ID:FbR0NAuc0

紬「…」

紬「むー」

紬「むぅ~」

紬「…分かりませ~ん」ポワ~

男c「分かりませんじゃないですよ、いい加減理解して下さいよ」

紬「それより、休憩にしませんか?」

男c「さっきしたばかりでしょうが、いいからこのコピー機はですね…」

紬「…あのぅ」

男c「なんですか?」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 02:52:02.37 ID:FbR0NAuc0

紬「私、やっぱり会社勤めは向いてないと思うの…」

男c「…お見合いはまだ早いって駄々をこねたのはお嬢様でしょう?」

紬「でも、スーツだって似合わないし」

男c「働き慣れてきたら、自然としっくりくるものですよ」

紬「そうかしら…?」

男c「そうですよ、ですから…」

男c「責めてFAXとプリンターの使い方くらい覚えてください」

紬「わかりました!」ふんすっ

男c(くぅ、このブルジョアめ…)

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 03:04:29.59 ID:FbR0NAuc0

律「むん!」ドッドッチンッ

律「…久しぶりだから、なかなか勝手が掴めないな」

梓「そうですか?」ジャラ~ン

梓「私はすぐに勘を取り戻しましたけど」ギャイイ~ン

律「…なんでお前はそうなんでもできるのだ」

梓「人生経験の違いですよ」ギャギャ~ン

梓「律先輩はりっちゃん隊員、私は陸自隊員ですから」

律(嫌みなヤツめ…)ドドンチャッ

梓「律先輩もどうですか?自衛隊」

律「あ、いや私は家庭があるもので」ドコドンジャ~ン

梓(嫌みなヤツめ…)

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 03:12:49.81 ID:FbR0NAuc0

律「いやしかしあれだけメールを送ったのに」

律「結局、練習に来てるのは私と梓だけとは…」

梓「私だけでは不満なんですか?」

律「いや~、そういう意味じゃないけどさぁ」

梓「当の澪先輩は、まだ部屋から出られないんですか?」

律「そうらしい…一応ベースの練習はやってるそうだけど」

梓「なら、ギターとドラムとベースが居るし一応演奏はできますね」

律「完全な再結成では無いけどな」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 03:19:48.73 ID:FbR0NAuc0

梓「完全な再結成は無理ですよ」

律「分からないぞ、ムギも唯も、来るかもしれないし」

梓「ムギ先輩はともかく、唯先輩は無理ですよ」

律「なんで?芸能人でも休みくらいあるだろう」

梓「芸能ニュース見てないんですか?」

律「あんまり興味ないんだよ、そういうの」

梓「大騒ぎですよ、覚醒剤を打ったとか打ってないとか」

律「なっ!!シャブ!?」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 03:27:57.79 ID:FbR0NAuc0

律「唯はそんなのしないだろ、絶対に!」

梓「私もそう思います、唯先輩は無実です」

律「じゃあなんで、騒ぎになってるんだよ!」

梓「詳しくは知らないですけど」

梓「なにか、唯先輩の周りのスタッフが一枚噛んでるらしいです」

律「おおかた、唯を甘い言葉で釣り上げたんだろう」

梓「もしくは、甘いお菓子で、ですか」

律「お、うまい!」

梓「そうですか?」

澪「…そうでもないだろ」ヌッ

律 梓「!!!!!」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 03:37:15.67 ID:FbR0NAuc0

梓「…み、みみみ澪先輩、久しぶりですね」

律「ななな、ほら、れ、練習を、しよう」

澪「そんなに気を使うな、私を引きこもりと思って貰っては困る」

梓「…違うんですか?」

澪「まあ、私がこの腐った社会を嫌いになったのは確かだ」

澪「けど、一日の大半を自室で過ごしているというだけで…」

澪「決して外に出たくなくなったワケじゃないんだ」

梓「じゃあ、また、HTTを再結成してくれるんですか!?」

澪「もちろんだ」

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 03:46:00.34 ID:FbR0NAuc0

澪「ただ私がこの世の仕組みに絶望してしまった以上…」

澪「商業的な今までのポップサウンドは一切NGだぞ」

律「…つまり、どういうこと?」

澪「うん、これからのHTTはパンク・ロックでやっていく」

梓「パンク…」

律「ピストルズとか、ラモーンズとかいうアレか」

澪「そしてもう一つ」スッ

澪「唯だけは、嫌が応でも加入させる!」ビシッ

梓「唯…先輩を?」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 03:57:17.74 ID:FbR0NAuc0

澪「うん、唯は大切な人材だ」

律「いや、でも唯は今麻薬の問題もあるし無理なんじゃ…」

澪「それだよ」

律「…は?」

澪「お前ら、シド・ヴィシャスって知ってるか?」

律「それくらいは知ってるよ」

梓「確か、ゴッドオブパンクって言われてる人ですよね?」

澪「そのとおり、そして彼は重度の薬物依存者だった…」

澪「…今の唯は、シド役にピッタリだ」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 04:07:51.40 ID:FbR0NAuc0

澪「欲を言えば、シドが吸っていたのはシャブじゃなくヘロイン」

澪「まあでもそのくらいは我慢しなきゃな」

律「なんじゃそりゃ…」

澪「そしてまあムギだが…」

澪「本当は、ムギはブルジョアだから、パンクスじゃないんだよな」

澪「けど、キーボードが居ると何かと助かるから、まあOKだ」

梓「澪先輩、なんだか凄くいきいきしてますね」

澪「当然だ、ほら、練習するぞ」ボロロン....

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 04:19:36.93 ID:FbR0NAuc0

紬「…今日もりっちゃんからメールが来てる」

紬「放課後ティータイム再結成か…どうしよう、でも」

紬「私は琴吹家の令嬢だし、あまり遊んじゃうわけにもいかないし」

紬「…でも、このまま何もしないで居て本当に良いのかしら?」

?「…お嬢様」

紬「その声は、、、斉藤?」

斉藤「左様でございます」

紬「そんな、貴方は一昨年、亡くなったハズ…」

斉藤「よくお覚えでいらっしゃいますね、こんな爺を」

紬「…どうして、ここに」

斉藤「今のお嬢様に、どうしても渡したいものがあるのです」

114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 04:25:47.63 ID:FbR0NAuc0

紬「渡したいもの?」

斉藤「左様です、これを」スッ

紬「これは…レコード?」

斉藤「はい、電撃バップ、でございます」

紬「どうして、これを…?」

斉藤「聞いてみれば分かります」

紬「…ラモーンズ」

斉藤「お嬢様、レッツゴー、レッツゴー!ですぞ…」フワッ

紬「さ、斉藤っ?」

紬「…消えた」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 04:31:20.93 ID:FbR0NAuc0

唯「この度は私の不手際でこのような…」

唯「事務所の者とも充分に話し合い…」

唯「事務所を自主退社致しますことになりました」


輝羅「失業か…」

均「失業ですね…」

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 04:39:08.53 ID:FbR0NAuc0

紬「遅くなってごめんなさい」ハアハア

律「おっ、ムギ~来たか!」

紬「りっちゃん、久しぶりね~」

澪「…あとは唯だけ、か」

梓「唯先輩もすぐ来ますよ」

唯「遅くなってごめんねぇ~」バタバタ

梓「噂をすれば…ですね」

律「よし!これでメンバーは揃ったな」

澪「さっそく音合わせ、するか!」

四人「お~!!!」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/15(木) 04:52:34.59 ID:FbR0NAuc0

こうして、澪が率いる新生パンクHTTは始動した

その可愛らしいルックスに似合わぬ演奏技術と破壊的なサウンド

そしてアナーキーながらもどこか甘い香りが漂う独特な歌詞

お嬢様、主婦、陸自隊員、ヒキニートという珍しいメンバー構成

更にギターの平沢唯の知名度と話題性も相まって

新生HTTは一躍、日本が世界に誇るロックアーティストとなった

また、ベース担当である秋山澪が口癖の様にいつも言う言葉がある

「就職なんか出来なくても、ロックンロールは出来る」

まさにこの言葉こそ、現代の若者に対しての最大級のエールだろう


終わり