2: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:28:49.27 ID:nKS9VMdl0
==== エヴァ13号機プラグ遺棄から数時間後 とある廃屋 ====

アスカ「さてと…ここなら夜露をしのげそうね…」

シンジ「…」

アスカ「これ以上暗くなると危険だわ…今夜はここで寝るわよ」

シンジ「…」

アスカ「…フン!」

シンジ「…」

アスカ「アンタ」ジロッ

別レイ「…私?」

引用元: アスカ「今夜はここで寝るわよ」 


 

3: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:29:41.24 ID:nKS9VMdl0
アスカ「他にだれがいるってのよ?」

別レイ「…」

アスカ「動けるなら一緒に来なさい。食料とか使えるものとか探しに行くわよ」

別レイ「…了解」

アスカ「フン!」スタスタスタ…

別レイ「…」スタスタスタ…

シンジ「…」

4: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:32:36.04 ID:nKS9VMdl0
==== 廃墟 ====

アスカ「予想はしてたけど…ロクなものがないわね…」

別レイ「…」

アスカ「わかってんでしょうね?…こんなコトしなきゃなんないのもアンタ達のせいよ?」

別レイ「…」

アスカ「アンタ、なんとか言いなさいよ」

別レイ「…」

アスカ「はん…人形に受け答えを期待しても無駄よね」

別レイ「…」

アスカ「口はいいから目と頭は働かせなさいよ?」

別レイ「…」

アスカ(まったく…)

別レイ「…」

5: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:34:03.72 ID:nKS9VMdl0
==== 再び廃屋 ====

アスカ「ふう…これで何日かはしのげるわね」

シンジ「…」

アスカ「感謝の言葉もナシってわけ?」

シンジ「…」

アスカ「まあいいわ。アタシは寝るわよ」

シンジ「…」

アスカ「アンタ達も寝ときなさいよ?足手まといになったら承知しないから」

シンジ「…」

別レイ「…」

アスカ「ちっ!」スタスタスタ…
 :
 :

6: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:36:48.00 ID:nKS9VMdl0
シンジ「…」

別レイ「碇くん…」

シンジ「…」

別レイ「これ…昼間落とした…」

シンジ「…」チラッ…

別レイ「…」

シンジ「…要らない」プイッ

別レイ「…」

シンジ「もういいんだ」

別レイ「碇くん…」

シンジ「…やめてよ…」

別レイ「碇くん?」

シンジ「…やめて…お願いだから…」ワナワナ…

別レイ「…碇くん」

シンジ「綾波と同じ声で…僕に話しかけないで!」

別レイ「!」

7: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:39:18.14 ID:nKS9VMdl0
シンジ「…」

別レイ「…」

シンジ「…」ポタッ

別レイ「…?」

シンジ「…」ポタポタッ

別レイ「…なぜ…泣いているの…」

シンジ「!」

別レイ「…」

シンジ「…ハハ…」ポタポタポタッ

別レイ「…」

シンジ「…キミは…綾波と同じことを聞くんだな…」ポタポタ

別レイ「!!」

8: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:41:15.57 ID:nKS9VMdl0
シンジ「助けたと…思ったのに…」

別レイ「…」

シンジ「会いたい…」グスッ「会いたいよ…うっ……うぐっ…」

別レイ「…」

シンジ「うっ…ううっ…」ポタポタ

別レイ「…会ったわ…」

シンジ「……え?…」グスッ

別レイ「私の前に立っていた…」

シンジ「…」

別レイ「すぐに消えてしまったけれど」

シンジ「…」

9: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:42:40.86 ID:nKS9VMdl0
別レイ「私とは違う服を着ていた」

シンジ「…それは…きっと壱中の…第壱中学校の制服だよ」

別レイ「…」

シンジ「わかる?学校」

別レイ「…」

シンジ「僕たちは…そこに通ってたんだ」

別レイ「…」

10: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:44:08.15 ID:nKS9VMdl0
シンジ「みんなはどうしたんだろう…トウジや…ケンスケや…委員長や…」

別レイ「…」

シンジ「僕は…エヴァに乗せられて…嫌なこともあったけど…」

別レイ「…」

シンジ「学校に行けばみんながいて…」

別レイ「…」

シンジ「綾波はいつも外ばっかり見てて…」

別レイ「…」

シンジ「アスカはゲームばっかりしてて…」

別レイ「…」

11: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:45:52.32 ID:nKS9VMdl0
シンジ「そういえば綾波の料理…食べそこなっちゃったな…」

別レイ「…」

シンジ「あの時はアスカを助けられなくて…父さんが許せなくて…」

別レイ「…」

シンジ「僕が出ていくとき…綾波は何も言わなかった…」

別レイ「…」

シンジ「綾波がどう思ってたのか…僕はバカだから…気が付かなかった」

別レイ「…」

シンジ「綾波を助けて…そのあと何もわからなくなって…」

別レイ「…」

12: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:46:55.19 ID:nKS9VMdl0
シンジ「14年…14年だよ!?」

別レイ「…」

シンジ「とっくに戦いなんか終わって…僕たちは大人になってたはずなのに」

別レイ「…」

シンジ「いったいどうなっちゃってるんだよ!?」

別レイ「…」

シンジ「…どうして僕はこんな話…してるんだろうね…」

別レイ「…構わないわ」

13: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:47:48.59 ID:nKS9VMdl0
シンジ「…」ポタポタ

別レイ「…」

シンジ「…ごめん…キミのせいじゃ…ないのに…」ポタポタ

別レイ「…」

シンジ「…」ポタポタ

別レイ「…」

14: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:49:39.03 ID:nKS9VMdl0
シンジ「あの…」グシュッ

別レイ「…」

シンジ「僕は…キミを何て呼んだらいいかわからない」

別レイ「…」

シンジ「…」

別レイ「私は…アヤナミレイ」

シンジ「…」

別レイ「…」

シンジ「…ハハ…」

別レイ「…」

15: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:52:03.23 ID:nKS9VMdl0
シンジ「ごめん…その声…やっぱりつらい…」ポタポタ

別レイ「…」

シンジ「キミは綾波じゃない」

別レイ「…」

シンジ「同姓同名の人…って…思えばいいのかな」

別レイ「…」

シンジ「世の中には同じ顔をした人が3人はいるって言うけど…」

別レイ「…」

シンジ「同姓同名で…同じ顔をして…声まで同じなんて…」

別レイ「…」

シンジ「…」グスッ

別レイ「…私は」

アスカ「あ~ら仲のおよろしいことで」

16: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:53:33.89 ID:nKS9VMdl0
別レイ「!」

シンジ「…アスカ…」

アスカ「アンタ…シンジにはずいぶんおしゃべりするじゃない?アタシにはろくに口きかなかったクセに」

別レイ「…」

アスカ「シンジをたぶらかしてどうするつもり?」

別レイ「…」

アスカ「いいわ、せいぜい黙秘してなさい。本隊と合流したら聞きたいコトがたっぷりあるんだから」

別レイ「…」

アスカ「ちっ…」イラッ

別レイ「…」

17: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:57:04.18 ID:nKS9VMdl0
アスカ「言っとくけどミサトもリツコも手加減しないわよ!?どうせアンタなんか死んだって代わりが」

シンジ「アスカ!」

アスカ「…」ジロッ

シンジ「…」

アスカ「…何よガキシンジ」

シンジ「…」

アスカ「アンタ、見た目が同じなら何でもいいわけ?」

シンジ「…」

アスカ「ハッ!とんだ人形趣味だこと」

シンジ「…」

アスカ「何よ、その目は」

シンジ「…同じじゃない」

アスカ「…」

シンジ「…」

アスカ「…なんですって?」ヒクッ

シンジ「この娘は…綾波と同じじゃないよ」

別レイ「…」

アスカ「全く…何を言い出すかと思えば…」フッ

シンジ「…」

アスカ「いい加減に…目を覚ましなさいよっ!!」ブンッ

パシッ!

アスカ「!」

18: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 00:59:07.73 ID:nKS9VMdl0
シンジ「…」ギリ…

アスカ「痛…」

シンジ「…」ユラ…

アスカ「ちょっと…」ビクッ

シンジ「…」ギリギリ

アスカ「は…放しなさいよっ!!」

シンジ「…」パッ

アスカ「きゃっ!!」ドサッ…

シンジ「…」

アスカ「きゅ…急に放すんじゃないわよっ!」

シンジ「…」プイッ

19: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 01:00:30.82 ID:nKS9VMdl0
アスカ「最っ低…」

シンジ「…」

アスカ「アンタなんかに…」

シンジ「…」

アスカ「…」ポタポタッ

シンジ「…」

アスカ「アンタなんかに…何がわかるっていうのよ!!」ポタポタポタッ

シンジ「…」

アスカ「アンタ見たんでしょう?アンタのせいで、この世界がどうなったか」

シンジ「…」

アスカ「ミサトは…アンタを全力でかばったわ!」

シンジ「!」

20: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 01:02:49.58 ID:nKS9VMdl0
アスカ「アンタがしたことは単なるきっかけだったかもしれない」

シンジ「…」

アスカ「でも…結局…」

シンジ「…」

アスカ「この14年間」ポタポタ

シンジ「…」

アスカ「リツコやミサトや…アタシが…」ポタポタ

シンジ「…」

アスカ「どんな思いをしてきたと思ってんのよっ!!」ボロボロボロ

シンジ「…」

アスカ「…」グシュッ

シンジ「アスカ…」

アスカ「…寝る」ムクッ

シンジ「…」

アスカ「…」ジロッ

別レイ「…」

アスカ「…」スタスタスタ…

シンジ「…」

別レイ「…」
 :
 :

21: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 01:03:53.53 ID:nKS9VMdl0
 :
 :
シンジ「…」スクッ

別レイ「…」

シンジ「…アヤナミ?」

別レイ「!」

シンジ「…何?」

別レイ「…いいえ」

シンジ「それ……やっぱり返してくれる?」

別レイ「…これを?」

シンジ「…」コクッ

別レイ「…」スッ

シンジ「…ありがとう」

別レイ「…」

22: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 01:06:52.09 ID:nKS9VMdl0
シンジ「これは…もともと僕ので…ネルフを出ていくときに捨てたんだけど…」

別レイ「…」

シンジ「綾波が…持ってたんだ…助けたとき」

別レイ「…」

シンジ「もう…これだけになっちゃった」

別レイ「…」

シンジ「…」カチッ

別レイ「…」

シンジ「…動かないや…」

別レイ「…」

シンジ「カヲルくんが…直してくれたんだけどな…」

別レイ「…碇くん…」

23: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 01:08:17.46 ID:nKS9VMdl0
シンジ「僕も寝てくる」

別レイ「…」

シンジ「キミはアスカが寝てる間に逃げた方がいい」

別レイ「…逃げる?」

シンジ「アスカが言ったとおりだよ…ヴィレの人たちはキミに何をするかわからない」

別レイ「…」

シンジ「だから今のうちに逃げた方がいい」

別レイ「…」

シンジ「…」クルッ スタスタ…

別レイ「私も行く」

シンジ「…」ピタ

24: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 01:09:37.58 ID:nKS9VMdl0
別レイ「私は…知りたい…」

シンジ「…」

別レイ「私が…何なのか…」

シンジ「…」

別レイ「別の私が…何を知っているのか…」

シンジ「…」

別レイ「それに…」

シンジ「…」

別レイ「私は…帰れない」

シンジ「……え?」

25: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 01:10:49.72 ID:nKS9VMdl0
別レイ「私の他にもアヤナミレイがいるなら…」

シンジ「…」

別レイ「たぶん本部には…もう…別の私がいる」

シンジ「!」

別レイ「私に帰るところはない」

シンジ「アヤナミ…」

別レイ「…」

シンジ「キミの好きにすればいい」

別レイ「…」

シンジ「…おやすみ」スタスタスタ…

別レイ「…」
 :
 :

26: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 01:12:03.86 ID:nKS9VMdl0
========
別レイ「…」

別レイ(…月…)

別レイ「…」
 :
 :

27: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/06(金) 01:14:24.12 ID:nKS9VMdl0
========

シンジ「…」カチッ

シンジ「…」

シンジ(…やっぱり動かないや…)

シンジ「…」

シンジ(…月…)

シンジ「…」

シンジ(綾波…)ギュ…

シンジ「…」グスッ
 :
 :

(ED「桜流し」)

おしまい