3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/13(土) 20:58:35.42 ID:eH/SgsPS0

「......花火、無くなったな」

「......そうね。......ねぇ、Pさん」

「どうした?」

「私、花火をするためにここに連れてきてもらった訳じゃないわ」

「お前、何か企んでるのか?」

引用元: 速水奏「サマーヌード」 


 

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/13(土) 20:59:32.49 ID:eH/SgsPS0
「ふふっ、秘密」

「......知りたかったら」

「知りたかったら?」

「私を追いかけて、捕まえて」

「......あっ、急に泳ぎだすなよ。服が濡れるぞ?」

「Tシャツだし、別に濡れても構わないわ。Pさんだってそうでしょ?」

「......そうか」

「ほら、早く捕まえて?」

「Pさんって、泳ぐの速かったのね。すぐ追いつかれちゃった」

「そんなことより、すぐ上がるぞ。風邪ひいたらどうする」

「あら、今日は積極的ね。急に肩なんて掴んで」

「状況が状況だからな」

「......もしかして、興奮してる?私の体に」

「そんな訳無いだろ。......でも、小さな肩だな」

「......それは、私だって女だから」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/13(土) 21:02:35.84 ID:eH/SgsPS0
......................................................

「ふぅ、泳いだだけなのに結構疲れた。俺も年かな」

「まだ30前じゃない」

「......それもそうだな」

「ねぇ、してみない?」

「何を?」

「他の子たちとは、出来ないこと。......ここだったら、何をしてもばれないから」

「それはできないな。奏、はしゃぎすぎじゃないか?」

「そんなことないわ。私、もう子供じゃないから」

「そんなこと言っている間は、まだまだ子供だな」

「......そうかしら?」

「......、急にくっつくな。指を絡めるな」

「......そう言う割には、強く抵抗しないのね」

「......」

「ねぇ、Pさん。今、他の誰かのこと考えてない?」

「......違う」

「もう一度質問するわ。卯月とか、凛とか。他の誰かのこと、考えてない?」

「今は、私だけを見て。他の誰も、思い出さないで」

「......分かった」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/13(土) 21:56:04.72 ID:eH/SgsPS0
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「この曲、良い曲ね」

「......そうか?適当に選んだ曲なんだが」

「ねぇ、Pさん」

「どうした?」

「何でこっちを見ないの?」

「......それは、奏がTシャツを干していて下着しか着ていないからだろ」

(......他の子達は、こんなことになっているとは思ってもいないでしょうね)

「......別に、見てもいいのに」

「他の男の前で、そういう冗談を言うんじゃないぞ」

「こんなこと、Pさんにしか言わないわ」

「......ほら、また冗談を言った」

「ふふっ、月が綺麗ね」

「だから、言うなって......」

「......何で?」

「何でそういうことを言っちゃいけないの?たかが冗談なのに」

「それは、その......」

「意識、しちゃうから?」

「まさか」

「......だったら、目を伏せて」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/13(土) 21:57:02.83 ID:eH/SgsPS0
「......」

「......ん......っ」

「ふふっ、急に頭を掴んで。どうしたの?」

「おい、奏。お前、キスしようとしただろ」

「......」

「......奏?」

「......Pさん」

「どうした?」

「......私の髪を触って、私の目を見て、誰かのこと思い出した?」

「......さっきも言っただろ、そんなこと無い」

「......私って、嫌な女ね。どこの誰とも分からない女に嫉妬して」

「......悪かったな、奏」

「......そう思うなら」
「そう思うなら、もっと私に、Pさんを見せて。Pさんの姿を、私の目に焼き付かせて。」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/13(土) 21:57:51.65 ID:eH/SgsPS0

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「朝だな、空が白くなってきた」

「......ねぇ、Pさん」

「ん?」

「今は、......今は、2人の時間を私と一緒に過ごして」

「思いはすれ違っていても、いいから」