2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:04:41 ID:78tFJjlA


ある日、俺は道端で中が真っ白な日記を拾った。

その頃、女子たちの間で日記が流行っていたらしく、クリスタもその一人だった。

クリスタを意識していた俺は、なんとかクリスタとの共通の話題を作るために、その真っ白な日記を自分のものにした。 




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3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:06:27 ID:78tFJjlA
初めこそは、盗みをしたような罪悪感を感じた。

だが、落とし主がいつ拾いに来るか分からない状況で、あのまま放置されて雨に濡れて誰の使い物にもならないよりかは、マシかと思い、気付けば、そんな罪悪感を忘れていた。

初めの日の日記の内容は、こうだ。 


4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:07:59 ID:78tFJjlA
849年4月4日

今日の主な訓練内容は、立体機動と格闘術。エレンとアニと格闘術の訓練をしたが、相変わらず俺とエレンはアニには敵わない。アニ曰く 、まだまだ俺たちは未熟者だと(笑)

そんな感じで日記を続け、クリスタとも日記のことで、よく会話を交わした。 

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:09:34 ID:78tFJjlA
だが、そのせいでユミルの奴に目をつけられてクリスタと話す機会は、さほど多くはなかった。

俺は訓練兵団に入団してから気付けば、みんなの中心にいて、みんなの兄貴となっていた。

同期だけではなく、教官たちからも男子のリーダー、また訓練兵団のリーダーとして扱われることも暫しあった。 

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:10:50 ID:78tFJjlA
俺は初めこそ、気にすることもなかったが、仲間の死を何度も経験していくうちに、仲間や教官が俺に投げかける責任というものが、ひどく精神を削った。

このとき、俺は兵士が体より先に心がやられるということに気づいた。

だが、こんな俺を癒してくれたのがクリスタだった。 

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:13:49 ID:78tFJjlA
たとえ、1日に何度かしか会話を交わせないが、俺にはそれでも充分だった。

俺は兵士として、しっかり責任感というものを持ち続けることができた。

クリスタのおかげだ。 

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:15:37 ID:78tFJjlA
そして、ある日のことだった。

俺の日記に、内容に対する返事が書き込まれていた。

最初は同期の奴の悪ふざけかと思って日記の場所を変えたりしたが、日記には返事が書かれていた。 

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:17:10 ID:78tFJjlA
初めは、気味が悪いと思った。

だが、日が経つごとに実は、この日記は不思議な日記で、それが交換日記のようなものに思えて、気味が悪いというよりは、面白いと思うようになった。

質問を重ねていくうちに、親しくなった。 


10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:19:45 ID:78tFJjlA
名前は教えてくれなかったが、性別は男で、共通点が多く、身長体重もほとんど変わらなかった。

だが、それも束の間の楽しみだった。

ベルトルトが日記を燃やしてしまった。 

11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:21:02 ID:78tFJjlA
俺はひどく憤慨した。たとえ、同郷の友としても許せなかった。

俺はベルトルトになぜ燃やしてしまったのかと問い詰めたが、ベルトルトは泣くばかりだった。

君は兵士じゃない、戦士だ・・・と。 

12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:22:07 ID:78tFJjlA
俺はベルトルトの言っていることが理解できなかった。

恐らくベルトルトは、兵士として心を削られ、おかしくなってしまったのだろう。

そう思い、同郷の友として、ベルトルトの言うことに耳を傾け、理解したことを示した。 

13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:23:06 ID:78tFJjlA
すると、あいつは急に笑顔になり、きっと故郷に帰ろう!!・・・と俺に強く迫った。

当たり前だ・・・と俺は強く、その言葉に答えた。

だが、あいつを失うことは辛かった。 

14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:24:30 ID:78tFJjlA
あいつは、俺のことを何もかも理解してくれた。

俺はまた隠れて日記を始めた。

あの日記が不思議な日記ではなく、新しい日記でもあいつが現れることを祈った。 

15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:25:52 ID:78tFJjlA
そして、書き込んだ3日後に返事が来た。

俺は、再び立ち直れた。

もはや、そのときクリスタは自分にとって異性の可愛い相手というだけで、心の支えになっていたのはあいつだった。 

16 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:26:41 ID:78tFJjlA
だが、それもまた、束の間だった。

急にあいつの態度が豹変した。

お前が憎い、お前が憎い・・・と。 

17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:27:54 ID:78tFJjlA
俺は、なぜだ・・・俺が何をしたんだ・・・とあいつの怒りに触らぬよう聞いた。

殺してやる・・・震えた字で書いてあった。

俺は、翌日、自殺した。 

18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:28:50 ID:78tFJjlA
ベルトルトが泣いていた。

アニも泣いていた。

俺は、一体何者だったのだろうか? 

19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 20:29:30 ID:78tFJjlA
終わり 





20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/02/08(土) 21:38:11 ID:FK8mk5zY
>>1です

一応、話の説明をします

戦士ライナーは、自分が戦士と兵士に分離することをしっていますが、
兵士ライナーは、自分が兵士で、戦士については何もわかりません

戦士ライナーは、自分が分離した兵士ライナーが憎い部分もあるが、かわいくて、いろいろと
力になっていた
ベルトルトがライナーの日記を見て、二重人格を確信して日記を燃やす
ライナーは理解を示して落ち込むが、すぐに立ち直る
ベルトルトが怪しんで、日記をまた見つけ出す
アニに伝えて、一緒に戦士ライナーを非難する
戦士ライナーは、そのことで現実逃避して自分だけ楽をする兵士
ライナーを憎む
兵士ライナーが心の支えを失う
兵士ライナーが自殺