1: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 19:25:16.11 ID:FX9LQDplO
このssでは団体戦準決勝敗退が決まった千里山女子のその後の様子を、作者の想像で書いてみたいと思います

作者の想像なので、皆さんの考えている様子とは異なるかもしれませんが、そこはご了承ください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1379413516

引用元: 怜「…悲しいなぁ」 


 

TVアニメ 咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A キャラクターソング vol.6
園城寺怜(小倉唯)
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10: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 20:39:20.32 ID:FX9LQDplO
~病院~

恒子『準決勝第一試合、決着!!』

恒子『トップで通過したのは、ダークホース、阿知賀女子!』

恒子『王者、白糸台はまさかまさかの2位通過だーー!!』

怜「……」

泉「……」

泉「…あの」

泉「何て言ったらいいか…」 グスッ

怜「…スゥ、スゥ」

泉「…あっ!」

泉(先輩、寝てしまってる…) ホッ

怜「スゥ…スゥ…」

怜「……」 ツー

怜(…悲しいなぁ)

怜(竜華の所に行きたいわ…)

怜(いまやったら…太ももに雨が降るんやろか…)

泉「っ!」

泉(先輩…寝ながら泣いていらっしゃる…)

泉(先輩も、負けて悔しいんやろな…)

泉(…いや)

泉(それよりも、園城寺先輩はきっと…)

泉「……」 グスッ

泉「…とりあえず、ホテル戻るか」

ガチャ









13: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 21:17:02.41 ID:fAZUSPQ/0
~千里山控え室~

浩子「グスッ…ヒック…」

雅枝「泣くんやない、浩子」

雅枝「お前は立派に戦ったんや。もっと堂々とせぇ」

浩子「うぅ…おばさぁん…」

竜華「うぅ…ごめんなぁ…みんな」 ポロポロ

セーラ「竜華…」

竜華「ウチが…ウチがもっとしっかりしとれば…」 ヒック

セーラ「…そんなことないで、竜華」

セーラ「竜華はちゃんと、竜華にできる最高の麻雀をしとったわ」

セーラ「負けたんは…誰のせいでもない」

セーラ「俺らの実力が、あの2校に一歩及ばんかっただけや」

竜華「せやかて…せやかて!」

竜華「怜が、身体張ってまでウチらの点数守りきってくれたんに…」

竜華「それなんに、ウチ…」 グスッ

竜華「ウチ、もう怜に顔向けできひんわ…」 ヒック

セーラ「……」

雅枝「…二人とも、泣いとるとこ悪いけど、そろそろホテル戻るで」

雅枝「もう、こんな時間やしなぁ…」

セーラ「監督…」

セーラ「あっ、泉は…?」

雅枝「泉には、試合終わったらホテルに戻るように言ってある」

雅枝「怜は、一人にしても大丈夫って言われたからな」

セーラ「…そうですか」

雅枝「やから早く戻るで。…反省は、ホテルに戻ってからや」

セーラ「…はい」

セーラ「…ほら、竜華。行くで」 ガシッ

竜華「ヒック…ヒック…」









15: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 21:51:45.44 ID:FX9LQDplO
~ホテル、ロビー~

竜華「グスッ…」

セーラ「いつまで泣いとんねん、
竜華」

セーラ「やから、誰の責任でもないって言うとるやないか」

竜華「せやかて、ウチがもうちょっと頑張っとったら…」 グスッ

竜華「きっと…怜も許してくれへんやろなぁ…」 ヒック

セーラ「竜華、お前…!」 ギリッ

セーラ「怜が…怜がそんなこと考えとるとでも思っとるんか!」

セーラ「怜は…怜はそんなやつやないって、お前が一番わかっとるやろが!」

竜華「うぅ…ヒッグ…」

浩子「清水谷先輩、大丈夫ですか…?」

セーラ「…浩子、悪いけど先に部屋に戻っとってくれんか?」

セーラ「泉もまだ来とらんみたいやし、俺、竜華を落ちつかせながら待っとるわ」

浩子「…はい、わかりました。監督には、そう言っておきます」

テクテク

セーラ「竜華、そんなこと言っとたら、ホンマに怜に顔向けできひんようになるで…」

セーラ「やから、もういい加減落ち着きぃや」

竜華「せやかて…」

泉「あっ…先輩方…」

セーラ「おっ。やっと来たか、泉」

泉「わざわざ待っとってくださったんですか、すんません」 ペコリ

セーラ「ええって、別に。ほな、部屋戻るか」

泉「あ、あの…」

セーラ「ん?」

泉「園城寺先輩のことなんですけど…」

竜華「っ!?」 ピクッ

セーラ「怜…怜がどうかしたんか?」

泉「はい…」







16: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 22:16:23.26 ID:fAZUSPQ/0
泉「園城寺先輩、泣いてはりました」

泉「…寝ながら、泣いてはりました」

セーラ「……!」

竜華「…そりゃ、そうやよなぁ」 グスッ

竜華「怜かて、負けて悔しくないわけないからなぁ」

竜華「寝ながら泣くなんて、相当悔しいんやろなぁ…」 ポロポロ

泉「…そうかもしれません」

泉「でもウチ、それだけやないと思うんです」

セーラ「…どうゆうことや?」

泉「ウチの勝手な想像ですけど…」

泉「多分、園城寺先輩は、悲しかったんやと思うんです」

泉「お二方と…最後まで一緒におれんだことが…」

竜華「…っ!!」 ビクッ

泉「きっと園城寺先輩は、誰よりも清水谷先輩のことを慰めたかったんやと思うんです」

泉「もちろん、江口先輩と一緒に…」

泉「やけど、自分だけ一人病院で…」

泉「お二方と離れ離れになって…」

泉「3人で一緒に、負けた悔しさを共有することも叶わんかった」

泉「そのことが、園城寺先輩にとって何よりも辛かった…」

泉「ウチには…そう思えてたまらんのですよ…」

竜華「……」 フルフル

セーラ「……」

セーラ「…泉」

セーラ「ありがとうな、大事なこと伝えてくれて」

セーラ「疲れとるやろ、先に部屋に戻ってええで」

セーラ「俺はまだ、竜華と話すことあるから…」

泉「…わかりました」

泉「お先に失礼します…」

テクテク










23: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 20:11:28.49 ID:rJMCNHZ0O
竜華「…ウチ、アホやわ」

セーラ「竜華…」

竜華「ホンマに辛いんは、怜のほうやよな」

竜華「自分一人だけ、病院にお送られて…」

竜華「ウチらと離れ離れになって…」

竜華「そりゃ、悲しくないわけないわな…」

竜華「やのに、ウチ、自分のことばっか棚に上げて…」

竜華「怜に顔向けできんとか言って…」

竜華「怜の気持ちなんか、ひとつも考えとらんだ…」

竜華「…最低やな、ウチ」 グスッ

セーラ「……」

竜華「…なぁ、セーラ」

セーラ「ん?」

竜華「個人戦まで、まだ時間あるよな?」

セーラ「まぁな…」

竜華「ウチ、明日、怜のとこ行って来る」

竜華「怜と会って…いろいろと話さなアカンから…」

セーラ「…あぁ、わかったで」

セーラ「監督には、俺から言っとくわ」

竜華「ありがとな、セーラ」

セーラ「じゃあ、部屋に戻るで」

竜華「うん、泉には感謝せんなんしな」




24: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 20:12:04.72 ID:rJMCNHZ0O
~次の日~

怜「暇やなぁ…」

怜「もう身体も大分よくなったし」

怜「正直、ベッドの上におりたくないわ…」

怜「はぁ…」

怜(……)

怜(…竜華に)

怜(竜華に…会いたいなぁ…)

コン、コン

怜「はい、どうぞ」

ガラガラ

竜華「怜…」

怜「竜華…!?なんで?」

竜華「怜が心配やから、来てもうたわ」

怜「せやかてアンタ、個人戦が…」

竜華「大丈夫や。まだ時間あるし」

竜華「今日は…怜のとこに来たかったんや」

怜「…ありがとな、竜華」

竜華「うん」







25: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 20:13:17.50 ID:rJMCNHZ0O
怜「負けてもうたなぁ…」

竜華「…せやな」

竜華「ウチ…せっかく怜に力貸してもらったがになぁ…」

怜「すごかったやろ、枕神怜ちゃん」 フフン

竜華「うん。まさかあの時言っとったこと、ホンマやったとわなぁ…」

竜華「いまでも信じられへんわ」

怜「ウチらの友情パワーの結晶やで~」

竜華「…なんやそれ」 アハハ

竜華「でも、結果があれじゃなぁ…」

怜「…かっこよかったで、竜華は」

竜華「えっ?」

怜「あそこで麻雀打っとる竜華は、ほかの誰よりもかっこよかったで」

怜「やから…恥じることなんかないで!」

竜華「怜…」

竜華「…まさか、怜に慰められるとはな、想像もしとらんだわ」

竜華「でも、ありがとな…怜」




26: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 20:14:47.19 ID:rJMCNHZ0O
竜華「あのな…ウチ、怜に謝らんといかんことがあるんよ」

怜「…?」

竜華「試合が終わった後、ウチ、怜に対して申し訳なかったんよ」

竜華「怜が、倒してまでウチらの点数守りきってくれたんに…」

竜華「ウチ、大将戦で負けてしもうた」

竜華「正直、怜に会わす顔が無いと思っとったんよ」

怜「….…」

竜華「でもな、泉のおかげで気づいたんよ」

竜華「一番辛いんは、怜自身やって…」

怜「っ!」

竜華「病院に運ばれて、怜だけ一人ぼっちで…」

竜華「ウチやセーラと一緒に悔し涙も流せんで…」

竜華「悲しくないわけないよなぁ…」

竜華「それなんに、ウチ、自分のこと棚に上げて、怜に会おうとせんかった」 フルフル

竜華「ホンマ、ごめんなぁ…怜」 グスッ

怜「……」




27: 以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/18(水) 20:15:23.06 ID:rJMCNHZ0O
怜「…アホ」

竜華「えっ!? 」

怜「そんなこと謝るために来たんかいな」

怜「アホやで、竜華」

竜華「ちょ…」

怜「でも、嬉しいわ」

怜「そのために、今日来てくれたんやろ」

怜「竜華には、まだ個人戦があるっていうんに、わざわざ」

怜「ありがとな、ホンマ」

竜華「トキィ…」 グスッ

怜「そりゃ最初は、竜華やセーラと一緒におれんで悲しかったんや」

怜「でも、それよりな…」

怜「ウチ、竜華やセーラと同じ舞台にたててうれしかったんや」

怜「今まで二人の背中追いかけとるだけやったんに、やっと二人と肩並べることができた」

怜「それだけでも…充分嬉しかったんや」

怜「試合は負けてもうたけど…、悔いはないで」

怜「竜華…一緒に戦ってくれて、ありがとな」

竜華「こっちこそ…ありがとな」

怜「ウチは個人戦出んけど…」

怜「精一杯、竜華の応援しとるで」

怜「やから、頑張ってな!」

竜華「…うん!」

竜華「ウチ、怜のためにも、個人戦頑張るで!」









カン!