1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/17(月) 23:16:09 ID:wBWx0bYQ
空条家・お昼

ガチャッ

承太郎「帰ったぞ」

トコトコトコトコ・・・

徐倫「待ってたぞ! おなかへったァ~」グゥーッ

承太郎「・・・・・・」

徐倫「・・・・・・」グゥーッ

承太郎「・・・・・・ママはどうした?」

徐倫「パパが昼に帰ってくるって聞いて、ご近所さんといあんりょこうに行ったワ」

承太郎「いあんりょこう?」

徐倫「しゅふぎょうってヤツはサラリーマンより大変なんだから! って」

承太郎「・・・・・・やれやれ」 



2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/17(月) 23:23:38 ID:wBWx0bYQ
承太郎「ママはお昼を用意していかなかったのか?」

徐倫「ウーン・・・」

承太郎「・・・・・・」チラッ

台所グチャーーーッ

承太郎「Oh...」

承太郎「これは・・・・・・お前の仕業か?」

徐倫「サンドイッチを作ろうとしたんだけど」

承太郎「・・・火や刃物は使ってないだろうな?」

徐倫「使ってないワ・・・」

徐倫(・・・子供扱いして・・・失礼しちゃう!)プクーッ

承太郎「飯はまだ食ってないんだな?」

徐倫「ええ、パパを待ってたの」

承太郎「そうか」 


3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/17(月) 23:30:24 ID:wBWx0bYQ
承太郎「仕方がない。オレが作る」

徐倫「エッ!」

承太郎「・・・・・・不満か?」

徐倫「ふ、不満っていうかァ~・・・」チラッ

承太郎「?」

徐倫「・・・パパ、お料理できるの?」

承太郎「少しくらいはな」

徐倫「少しって?」

承太郎「お前よりは」

徐倫「んま」

徐倫「わたしだってお料理できるのに!」

承太郎「わかったわかった」

承太郎「とにかく、ここを片付けたら買い物に行くぞ」

承太郎「ひとりでお留守番していたごほうびだ。お菓子も買ってやる」

徐倫「いくいくーーー!!」パァァァッ 

4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/17(月) 23:51:36 ID:wBWx0bYQ
スーパーマーケット

ワイワイ

承太郎「あまり遠くへ行くなよ。あとお菓子はひとつだけだからな」

徐倫「ハァーイ」タタタッ

承太郎「走るな!」

徐倫「ハァーイ」タタタッ・・・

承太郎「・・・・・・やれやれ」

承太郎(さてと)

承太郎(こうして食料品売り場に来てみたものの・・・)

ザワザワ

承太郎(何を作るか決めてない以上、動くのは得策じゃあないな)

承太郎(カートになにも入れずウロウロしていれば、怪しい人物と思われてしまうかもしれん)

承太郎(しかし・・・・・・慣れない所に来るもんじゃあないぜ)

承太郎(徐倫がお菓子売り場から戻ってくる前に、とっとと何を作るか決めちまおう) 

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/17(月) 23:58:47 ID:wBWx0bYQ
承太郎(簡単なモンにしよう)

承太郎(パスタ・・・・・・は今朝ホテルで食べたな)

承太郎(ラーメン・・・・・・)

承太郎(・・・・・・麺類は気分じゃあねえな)

承太郎(久しぶりに米が食いたい)

承太郎(・・・・・・)

ホリィ『承太郎、今日のお昼はなにがいいかしら? せっかくだからお外でランチしましょう』ウキウキッ

承太郎『外食かあ』

ホリィ『あら、外食いや?』

承太郎『・・・うちに帰って、母さんの作ったカレーが食べたいな』

ホリィ『マァ!』ニッコォォォ

承太郎(・・・・・・)

承太郎「そうだ、カレーにしよう」

承太郎「それも、とびきりスパイシーなやつだ」 

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/18(火) 00:15:17 ID:T5BDJ3Jw
ホリィ『いーい? 承太郎、お料理は楽しんでやるのが一番なのよ』

ホリィ『大切な人に愛情たっぷり注いだお料理を作るなら、お歌を歌いながらがベストね!』

ズンチャッチャ ズンチャッチャ♪

ホリィ『すべては愛のターメリック♪』

ホリィ『はらはらハラペーニョ♪』

ホリィ『泣かれちゃヤダもん シナモーン カルダモン♪』

ホリィ『無理か パプリカ こりごりコリアンダー♪』



徐倫「お菓子ゲット!」ババァーーーン

徐倫「さて、パパの所にもどるか」

徐倫「ン? あの人だかりはなんだろ・・・」 

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/18(火) 00:24:04 ID:T5BDJ3Jw
ザワザワ

承太郎「・・・さくらーんしてサフラン ちょこっとチョコレート♪」

徐倫「!?!?」

承太郎「今さらガラムマーサラッ♪」


承太郎『でもあーしたがあるもん♪ シナモン♪ カルダモン♪』

承太郎『おいしーいカレーの・・・』

承太郎『できあ~~~~がぁりッ♪』

チャンチャンッ

ポルナレフ『ブラボー・・・おお、ブラボー!』ガタッパチパチパチ

花京院『感動的だ・・・』パチパチパチ

アヴドゥル『素晴らしい!』パチパチパチ

DIO『アンコール! アンコール!』
パチパチパチ

ワァァァァァ・・・ッ 

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/18(火) 00:29:39 ID:T5BDJ3Jw

承太郎「」ウットリ・・・

ヒソヒソ

主婦1「いきなり歌い出したのよ・・・エアピアノ弾きながら・・・」ヒソヒソ

主婦2「あらあら、まだお若いのにかわいそうに」ヒソヒソ

主婦1「ほんとよネー。さ、危ないから離れときましょ」ヒソヒソ

主婦3「きもちわるい」ヒソヒソ

DIO「うそだろ承太郎」


徐倫(・・・・・・パパ)ヨロッ・・・ 


11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/18(火) 00:38:47 ID:T5BDJ3Jw
空条家

承太郎「オホンッ」

徐倫「・・・・・・」

承太郎「それでは、これからカレー作りに取りかかろう」

徐倫「らじゃ!」

承太郎「徐倫、玉ねぎの皮をムキおわったらパパに渡せ」

徐倫「いえっさあ! ・・・・・・ほかには?」

承太郎「他はオレがやる」

徐倫「エ~・・・」

承太郎「そのかわり、おまえには後で最も重大な任務があるからな」

徐倫「よっしゃ!」

徐倫「・・・・・・ちなみになに?」

承太郎「味見係だ」

徐倫「エエ~・・・」 

12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/18(火) 00:48:42 ID:T5BDJ3Jw
徐倫「じょりーん、ジャガイモくらいならむけるよ! ママのお手伝いよくしてるから」

承太郎「そうか、すごいな」

徐倫「へへっ」フンスッ

承太郎「玉ねぎ早くムケよ」

徐倫「もォ~ッ!!」ダンダンダンッ(地団駄)

徐倫(このくそおやじいまにみてろよ!)

承太郎「徐倫、ニンジンも入れるからな」

徐倫「いいワよォ~」

承太郎「ン? 食べれるようになったのか?」

徐倫「わたしは日々せいちょうしてるの」

承太郎「・・・・・・」

徐倫「なあに?」

承太郎「いや・・・」 

13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/18(火) 00:54:06 ID:T5BDJ3Jw
承太郎(そういえば、少し背が高くなったか・・・・・・)

承太郎(ついこの間までフローリングをハイハイしていたはずだというのに)

承太郎(時間が経つのは早いな・・・・・・)

承太郎「・・・・・・」

承太郎「剥きすぎだ徐倫。それじゃあ食べるところがなくなっちまう」

徐倫「エッ!」

承太郎「茶色い部分がなくなればそれでいいんだ。よこせ」

徐倫「それは・・・早くいってよォ~」

承太郎「常識だ」

徐倫「先に娘に教えてやらないなんてひじょーしき!」

承太郎「・・・・・・それはそうかもしれんな」

徐倫「!」

徐倫(勝った!)ニンマリ 

14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/18(火) 00:58:41 ID:T5BDJ3Jw
承太郎「おまえはまだ子供だもんな。配慮が足りなかった」ニヤリ

ポンポン

徐倫「!」

徐倫(・・・やっぱり負けた!)ムッカーッ



承太郎「味はどうだ?」

徐倫「ンー、なかなかにすぱいしーよ!」

承太郎「・・・おまえは食べられそうか?」

徐倫「・・・・・・」

徐倫「・・・もうちょっと甘くてもいいカナ?」

承太郎「わかった」

徐倫「いいにおーい!」

承太郎「イモもだいぶ柔らかくなったな、もう少ししたら食べるか・・・」

承太郎「あ」

徐倫「?」 

15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/18(火) 01:15:50 ID:T5BDJ3Jw
承太郎「米炊くの忘れてたぜ」

徐倫「あー・・・」

承太郎「まいったな・・・これじゃあ昼食がどんどん遅れちまう」

徐倫「!」

徐倫「・・・・・・」チラッ

承太郎「まあ仕方ないか」

徐倫「・・・・・・」

承太郎「徐倫、ルーだけでもいいか? 具も大きいし食べごたえがなくも・・・」

徐倫「あ、あのさァ~」モジモジ

承太郎「・・・?」

徐倫「ごはんのかわりに、そのォ~・・・」

徐倫「・・・パンはどうかしら?」

承太郎「パン?」

徐倫「じつはね・・・」ガサゴソカパッ 

16 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/18(火) 01:21:45 ID:T5BDJ3Jw
徐倫「サンドイッチ・・・・・・もう出来てるの」

承太郎「!」

徐倫「見栄えがすごく悪いから、オーブンに隠してたんだけどさァ・・・」

徐倫「・・・ないよりはマシでしょ?」

承太郎「これ・・・・・・お前が作ったのか?」

徐倫「ウン・・・」

承太郎「・・・・・・」

徐倫「パパが帰ってくるっていうから・・・・・・お仕事で疲れてるんじゃあないかと思って、作って待ってたの」

徐倫「アッ! もちろんママの許可はとってあるわよ! じゃないと台所使えないもん」

徐倫「・・・・・・パパ?」

承太郎「・・・・・・」

徐倫「怒ってるの?」

承太郎「いや・・・・・・」 

17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/18(火) 01:25:51 ID:T5BDJ3Jw
承太郎「・・・・・・気がつかなくてすまなかった」

徐倫「エッ!」

徐倫「あー・・・」

承太郎「・・・・・・」

徐倫「いいのいいの! パパと一緒にお料理できたの楽しかったもん」

徐倫「・・・また作ろうね!」

承太郎「・・・・・・ああ」

徐倫「・・・・・・」

承太郎「・・・・・・」

徐倫「・・・・・・パパ、お顔が怖くなってるよ」

承太郎「・・・・・・ああ、すまない」

承太郎「・・・・・・」クルッ ゴシゴシ

承太郎「それじゃあ、飯にするか」

徐倫「ウン!」 

18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/18(火) 01:30:15 ID:T5BDJ3Jw
徐倫「どう? おいしい?」

承太郎「ああ、上手いな」

徐倫「ヤッタァ! すぐにでもおよめに行けそうな感じ?」

承太郎「・・・・・・そいつはどうかな」

徐倫「エー・・・」

徐倫「パパ、カレーもおいしいわね!」

承太郎「そうだな」

承太郎「・・・徐倫、ニンジンよけるな」

徐倫「ぎくっ」

承太郎「ぜんぜん克服できてねえじゃあねえか、食え」

徐倫「ウウ・・・こいつはヘビィだわ」 

19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/18(火) 01:41:56 ID:T5BDJ3Jw
承太郎「おい、電波が悪いな・・・・・・もしし?」

承太郎「・・・ああ、今は聞こえる・・・ああ、そうか・・・・・・」

徐倫「すー、すー」zzz...

承太郎「徐倫?寝てるぜ・・・ああ、食ったよ。うまかった・・・・・・」

承太郎「・・・・・・だめだだめだ。お嫁にいくにはまだ早いだろう」

承太郎「あ? ・・・・・・笑うんじゃあない」

承太郎「・・・・・・」

承太郎「・・・それで、いつ帰ってくるんだ?」

承太郎「いや・・・・・・おれはしばらく長期休暇だ。だがじじいの件で、来週から日本に行く」

承太郎「・・・そうだな」

承太郎「・・・・・・」 

20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/18(火) 01:50:30 ID:T5BDJ3Jw
承太郎「・・・・・・その話はまた今度だ」

承太郎「電話でするような話じゃあない・・・」

承太郎「・・・とにかく、早く帰ってこいよ」

承太郎「・・・・・・そうだな、徐倫も寂しがってるし・・・・・・」

承太郎「・・・・・・」

承太郎「・・・カレーも冷めちまう」

承太郎「・・・・・・」

承太郎「・・・・・・じゃあお前が帰ってきたらまた作ってやる。今度は本格的なヤツだ」

承太郎「・・・ああ? わかった」

承太郎「おやすみ」

ピッ 

21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/18(火) 01:58:18 ID:T5BDJ3Jw
徐倫「すー、すー」zzz...

承太郎「さて、後片付けでもするか」

承太郎「・・・・・・」


ガチャガチャ
ワシャワシャ


徐倫「・・・・・・」ソォ~

承太郎「・・・・・・」ガチャワシャ

徐倫「・・・・・・」ジーッ 

22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/03/18(火) 02:02:34 ID:T5BDJ3Jw
徐倫(パパ、またシュッチョウに行っちゃうのね・・・)

徐倫(ずっと家にいればいいのになァ)

ゴロン

徐倫(あ~あ・・・)

スベテ~ハ アイノ ターメリック♪

徐倫「!」

徐倫(また歌ってる・・・)

ハラハ~ラ ハラペ~ニョ♪

徐倫「・・・・・・」

徐倫(・・・ばかみたい)

徐倫「・・・・・・」

徐倫「・・・・・・プッ」

徐倫「・・・・・・へんなうた」クスクスッ

チャンチャンッ♪

【完】