1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 16:47:15.72 ID:0fDCYJFDO

P「なにを?」

柚「お願いを!」

P「お願い?」

柚「そそ。なにかないカナ?」

P「……そんな急になにかって言われても」

柚「ないのーなにかー」

P「…はあ…。あ、ほらハンドルぶれて危ないから。ゆらさないでください」ガタガタ


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1380440835

引用元: 喜多見柚「叶えよう!」モバP「?」 


 

2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 16:48:39.80 ID:0fDCYJFDO

P「とりあえずお腹は空いたな」

柚「そーだね。お仕事おわりだしっ」

P「事務所に戻る前に飯でも買って帰るか」

柚「いいねー」

P「柚はなにか食べたいものがあるか?」

柚「んとー、そうだなー。べつになにかってのはないから、コンビニに寄ってくれると嬉しいかも」

P「そっか。じゃあいつものところで、さっとなにか買って帰ろう」

柚「うんっそーしよー♪」

P「おう」

柚「……」ヘヘー

柚「…ってアタシがPサンにお願いを叶えてもらってどーするのさ!」//

P「知らねえよ」

柚「照れるよ!」モー

P「知らんがな」

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 16:49:46.62 ID:0fDCYJFDO

柚「うー。しっぱいだー」

柚「ねーねー、他になにかないのー」

P「なにかって言われてもなあ」

柚「肩を揉んで欲しいとか」

P「ベタだな」

柚「いまならアタシの肩を揉んでくれた分だけ、揉み返してあげるよー♪」

P「俺にも揉ませるのかよ」

柚「てへっ。可愛い子の肩も揉めて、肩凝りも取れて、一石二鳥でしょっ。どぉかな?」

P「俺を変態みたいに言うな」

柚「てへー」

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 16:50:49.26 ID:0fDCYJFDO

柚「肩揉みもだめかー。むぅー」

P「柚が変な条件をつけなければそれでよかったんだけど」

柚「じゃーあれだ!」ピコン

P「無視かよ」

柚「柚がご飯を作ってあげるよ!」

P「遠慮します」

柚「あれっなんで」

P「なんとなく」

柚「うぇー…なんでさー。これでもお料理には自信があったりなかったりするのに」

P「あるのかないのか」

柚「さしすせそがいえるよ!」

P「それは料理の腕とは直接は関係がないような」

柚「食べ物の名前を冠しているよっ」

P「いい名前だよね」

柚「ホメられると照れる!」

P「柚はよく照れるなあ」

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 16:51:56.96 ID:0fDCYJFDO

柚「もぉー。アタシをそんなにホメてどうする気かなっ」

P「どうする気もないです。あと、だから運転中。ぐりぐりしないで」

柚「うりうり」

P「大人しくしてろ」パサ

柚「あうっ」

柚「ふ、フードを被せるのは反則だよぅ」

P「なんのルールだよ」

柚「アタシに目隠ししていったいどうする気かなっ」

P「どうもしないです」

柚「前が見えなくてなんだかどきどきして来たカモ!」

P「そうですか」

柚「…Pサンの反応がつめたいよぉ…」

P「大人しくしていたら普通にするよ」

柚「はぁーい」

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 16:52:49.12 ID:0fDCYJFDO

P「…」

柚「…」

柚「…あ、話がそれちゃったね。柚うっかり。てへ」

P「何だその台詞。気持ち悪い」

柚「そ、そこまで言うことはないんじゃないカナ…」

P「普通に喋ってください」

柚「むすぅ。はーい」

柚「…でもPサンもだよっ」

P「ん?」

7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 16:53:51.24 ID:0fDCYJFDO

P「、…」

柚「普通にしゃべって!」

P「顔が近い」

柚「信号待ちだし、だいじょーぶ♪」

P「そういう問題じゃ」

柚「つめたい喋り方するのは、や!だよ!」

P「……分かった分かった。普通にな」

柚「うんっ」

P「……」ハア…

P「出すぞ」

柚「はーい」

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 16:54:30.52 ID:0fDCYJFDO

柚「で、えと、話を戻すよっ」

P「おう」

柚「なにかお願いはないかな」

P「……お願いか」

柚「なんでもいいよ!柚に不可能はないって、この前アタシのファンだってお婆ちゃんが言ってたし!」

P「お前お婆ちゃんのファンがいるのか。すげぇな」

柚「へへー♪柚はいろんな世代から愛される系アイドルなんだー♪」

P「すごいな」

柚「すごいよ!」エッヘヘー

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 16:55:20.19 ID:0fDCYJFDO

柚「そんなわけで、お世話になってるPサンのお願いならなんでも叶えちゃう♪」

P「大盤振る舞いだな」

柚「まぁねまぁね。てへてへ」

P「…そうだな」

P「じゃあとりあえず…ど定番だが」

柚「うんっ。なになに?わくわく」

P「叶えてくれる願いの数を、100個にしてください」

柚「!?うえっせこっ!てかPサン子どもの発想だよ、それ!」

P「ふははは。だがもう遅い。柚はなんでもと言ったし、そもそも1つだけ叶えるとも言ってないからな」

柚「うえぇえぇ~……Pサン見損なったカモ……柚の感謝の気持ちが台無しだよぉー…」

P「なんとでもいえ。大人は汚いもんだ」フハハハ

柚「ぐぬぬぬー」

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 16:56:07.61 ID:0fDCYJFDO

P「じゃあ、まあ100はかわいそうだから、10くらいにしておいてやろう」

柚「それでも十分大人気ないかも…」

P「なにか言ったか?」

柚「なんでもないよーだ」

柚「もぉいいよ。柚のことはPサンの好きにするといいよっ」

P「投げやりだな」

柚「前向きなのー。前髪ぱっつんなだけに!」

P「そっか」

柚「そぉだよっ」

P「じゃあ早速」

柚「かかってこぉーい」

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 16:58:10.00 ID:0fDCYJFDO

P「どうして急にこんなことを言いだしたのか答えろ」

柚「…」

柚「へへっ…ね、ねえ。そんな問い詰めるような、聞き方をすること、ないんじゃないかなー」

P「あ…悪い。そんなつもりじゃなかったんだが」

柚「う、うん。いいよっ許す!柚は優しいもんね」

P「そうだな」

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 16:59:03.31 ID:0fDCYJFDO

P「で、聞いてもいいか?」

柚「……ウン」

柚「えと、その、…それはそにょ」

P「…」

柚「…」

P「……いま、か」

柚「か、噛んでないから。噛んでない。アタシはなにも噛んでにゃい」ガブッ

P「落ち着け」

柚「うえぇぇーいひゃいよぉ」ヒリヒリ

P(面白いな、こいつ)

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 16:59:52.24 ID:0fDCYJFDO

P「よしよし」

柚「…あう…ありがひょ…」ジンジン

P「…」

P「なあ柚、お前まさか、アイドルやめるとか――」

柚「い、言わない、言わない。そういうアレじゃないよ」

柚「……それっぽいなーって、アタシも、自分の台詞を聞いて、思ったけど……」

P「……うん」

P「突然『いままでのお礼に、なんでも頼んで』とか言われたら、もう会えないんじゃないかと思うのが普通だよな」

柚「そだね」

P「悲しいから迂闊にそういうことを言うのはやめてくれ」

柚「…そだね。ごめん」

P「…うん」

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 17:00:35.80 ID:0fDCYJFDO

柚「えと…その。なんて言うか」

柚「この前、おうちでこたつを出したんだけど」

P「…?それは…」

柚「うん。話はそれてないから。聞いて」

P「…おう」

柚「…うん」

柚「ほら、なんかあっという間に寒くなったじゃん。ゆーとかばんとか。お昼はまあ、Pサンとお仕事だし、あんま気になんないけど」

P「夕と晩は同じだけどな」

柚「??あれぇ」

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 17:01:32.80 ID:0fDCYJFDO

柚「まぁいいや」

P(よくねえよ。まあいいか)

柚「それで、こたつでほにゃーって、今日も一日疲れたなー、けど、楽しかったなーって、してたら」

柚「……昔のことを思い出して」

P「……」

柚「…へへ。アタシとPサンが出会ったのも――…Pサンがアタシを見つけてくれたのも、寒い季節だったよねぇ」

P「そうだな。まだまだ、いまよりずっと寒い時期だ」

柚「そうそう。寒かったー、寒かった。…寒くて、あのときもこんな風に、」

柚「フードしてた」

P「そうだな」

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 17:02:12.69 ID:0fDCYJFDO

柚「…」

P「…」

柚「…楽しくない、わけじゃないんだけどね。楽しくて仕方なくて…逆に不安、みたいな」

P「……そっか」

柚「…うん」

P「…」

P「それで、俺に恩返しって話になるのか?」

柚「…うん。まーちょっと立ち止まって、いままでのタノシカッターを振り返るのもいーんじゃないかと!」

P「……必殺技みたいだな」

柚「柚のタノシカッター!」ズバー

P「よわそう」

柚「あれっ」

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 17:02:56.21 ID:0fDCYJFDO

柚「柚よわくないもーん」

P「はいはい」

P「…しかし、なるほど…分かったような、分からんような」

柚「へへっ。ほ、ほんとは話すつもりじゃなかったしね……分かんなくてもいいよ?」

P「うん」

P「…でもさ。振り返るには、立ち止まらないといけないんだろう?…いいのか、立ち止まってて。その間に、みんなはどんどん先に行っちゃうかもしれない」

柚「……まー。そのときはそのときじゃないかなぁ」

P「前を向くためのぱっつんなんだろ?」

柚「…へへ。そぉだよ。でもそれは、ぱっつんじゃなきゃ、前が見えないってだけー」

P「……前髪伸ばしてみたら?」

柚「たぶんまっすぐ歩けないカモ!」

18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 17:03:45.53 ID:0fDCYJFDO

P「…」

P「……なんつーか」

柚「ン?」

P「発想がばば臭いな。柚は」

柚「!?なぅ。さ、さっぱり新鮮柑橘系アイドルになんてことをっ」

P「その売り文句初めて聞いたぞ」

柚「てへ☆若々しいでしょっ」

P「逆に年寄り臭い」

柚「な、なんだとぅ!」

19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 17:04:32.73 ID:0fDCYJFDO

柚「心外だー」

P「……いやだって」

P「普通、今が楽しいなら、これからはもっと楽しくなるだろうって思わないか?」

柚「…………アタシは意外と、そんなに脳天気じゃないんだぞぅ」

P「えっうそだ。じゃあ俺はお前より脳天気だって言うのか」

柚「言う」

P「心外だー」

柚「可愛くない」

P「なっ。柚は可愛いのに、ずるいな」

柚「…ぷ、なにその嫉妬の仕方…おかしいよ」

P「…はは」

柚「あははは」

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 17:05:13.60 ID:0fDCYJFDO

P「いまよりもっと楽しくなるようにする努力は、楽しいんじゃないかな」

柚「……、ふむ」

柚「……むむ。なんだかこんがらがって来たかも」

P「柚はよわい子じゃなくて、頭がよわい子だな」

柚「辛辣だねっ」

P「面白いから」

柚「柚が可愛いからってあんまりいじめるのはだめなんだぞ」

P「べつに可愛いとは言ってないけど」

柚「しょぼーん」

P「いやまあカワイイけど」

柚「あっ…へへ。て、照れる照れる」

P(可愛い)

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 17:05:52.11 ID:0fDCYJFDO

P「それに俺は柚といると楽しいし」

柚「…あっ」

柚「そぉ?アタシといると、楽しい?」

P「それなりには」

柚「そ、それなりかぁ」

P「冗談だよ。だいぶ」

柚「だいぶかぁ!えっへへ。それは大変だっ」

P「大変だ」

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 17:06:37.12 ID:0fDCYJFDO

P「お願い、聞いてくれるんだろ?」

柚「…お、おっと。ここでそれを持ち出すとは――Pサンは策士だねっ」

P「まあな」

柚「……もぉ」

柚「じゃー仕方ないなぁ。いまはまだ、ぼちぼち頑張ってみようかなっ」

柚「いまよりもっと楽しくなるように!」

P「おう。がんばれ」

柚「へへっ。うん」

23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/29(日) 17:07:38.41 ID:0fDCYJFDO

柚「って、他人事みたいに言ってるけど、Pサンも一緒にだからねー」

P「あ、そうだな。うん。俺も柚のプロデューサーとして…」

柚「へへ」

P「むぐ」

柚「そぉいう意味じゃ、ないかな♪」

P「……?」

柚「にへー。いまでも――いままでの関係でも、楽しかったけどねっ。けしかけたのはPサンの方だから♪イケナいプロデューサーサンだなぁ♪」

P「??な、なんの話――」

柚「いまに分かるよ。えっへへ。これからもよろしくねっ」

P(なんだか悪寒が)

P「り、了解。…とりあえず身構えよくよ」

柚「ふへ♪それがいいかもっ」

柚「ね、Pサン♪アタシたちがいまよりもぉっと楽しくなるには、どうしたらいいカナ?♪」