2: ×365 2013/10/02(水) 16:16:25.63 ID:mFw/MWDM0
さやか「危ないじゃないの!この変 !」

ほむら「イノシシ女が……周りをよく見なさいと、何度言ったらわかるの!」

まどか「また始まっちゃったよ」

杏子「懲りねーヤツらだな」


美樹さやか……このバカはいつになったら、私の忠告を聞き入れるのかしら?


マミ「ほらほら二人とも、魔女は倒したんだから、ケンカはよしましょう」

さやか「だってマミさん、コイツが…」

ほむら「私の爆弾で十分トドメは刺せた。なぜ危険を冒して突っ込むの?手柄を焦ってのスタンドプレーにしか見えないわ」

まどか「そ、それはちょっと……言いすぎじゃないかな?」

ほむら「ごめんなさいまどか、あなたの言う通りね。謝るわ」

さやか「こっち向けこのやろ」

引用元: 【まどマギ】ほむらの恋 


 

 
3: ×365 2013/10/02(水) 16:18:06.25 ID:mFw/MWDM0
美樹さやかにも困ったものね。まどかはどうして、あんなのと友達なのかしら。

あの女の扱いには、毎度悩まされる。

言いなり、とまではいかなくても、もう少し友好的になれないものか。


マミ「暁美さん、ちょっといいかしら?」

ほむら「…何か用?」


一人であれこれ考えている私に、美樹さやかが信頼する巨 女、巴マミが声をかけてきた。

かつては私も、マミを師と仰いだものだけど…

今やループによっては、二度と会いたくない、と言われることもあるので、決して仲がいいとは言えない。


マミ「あなたと美樹さんのことで、話をしたいの」

ほむら「………」


まーたお説教か…


ほむら「話すことなんてないわ。あの女とは壊滅的に気が合わない。それだけよ」

マミ「そんな一言で片付けてはダメ。きっとわかり合えるはずよ」

ほむら「私だってそうしたいわ。でも、過去ループの経験から、それは不可能だと思ったの」

マミ「良かったら……過去に何があったのか、聞かせてもらえる?」


話したところで美樹さやかが……いえ、マミをうまく使えば、少しはマシになるかしら。

仲が悪いままだと、またマミがトチ狂って、みんなを傷つけるかも知れないものね。


ほむら「…安くはないわよ?」

マミ「駅前のケーキ屋さんでいいかしら?」

ほむら「いいわ、行きましょう」


私たちは新作ケーキを買い込み、マミの部屋へと向かった。

4: ×365 2013/10/02(水) 16:20:16.14 ID:mFw/MWDM0
ほむら「…というわけなの」

マミ「頬張りながら話すのは、お行儀が悪いわよ」

ほむら「私の苦労も知らないで、あの女はいつもいつも…!」


私は今までの鬱憤を、全てマミに叩きつけるかのように、激しくまくし立てた。


マミ「なるほどね、暁美さんの気持ちはわからなくもないわ」

ほむら「…あなたなら、そう言ってくれると思ったわ」


マミは私が顔に飛ばしたクリームを拭いながら、私の話にうなずいてくれた。


ほむら「ありがとうマミ。愚痴を聞いてもらえただけでも、ずいぶん楽になったわ」

マミ「良かった。あなたが話してくれたおかげで、私も解決の糸口を見つけることができたわ」

ほむら「何かいい考えがあるの!?」


素敵よマミ。あなたはやっぱり頼りになるわ。

5: ×365 2013/10/02(水) 16:21:57.98 ID:mFw/MWDM0
マミ「ええ、暁美さんのその想い……それは恋ね」

ほむら「…はぁ?」


私の耳がおかしくなったのかしら。今、この牛チチ女は恋とかほざいた?


ほむら「…どういう意味?」

マミ「言葉の通りよ。あなたのその熱い想いは、間違いなく恋ね」


何をどう聞いたら、そういう答えにたどり着くのかしら?

ケーキの栄養分は脳じゃなく、全て胸にまわっているようね。


マミ「だって、いがみ合いながらも、あなたは美樹さんと仲良くなる方法を探している。ツンデレ…とは少し違うようだけど」

ほむら「マミ、寝言はマミってから言いなさい」

マミ「恥ずかしがる必要はないのよ?恋する気持ちは、それだけで尊いものなの」

ほむら「…あなたに話した私がバカだったわ」

マミ「心配しないで。マミおねーさんが協力してあげるから」

ほむら「………」


私は無言で、マミに銃を突きつける。


マミ「OK、わかったわ、あなたの邪魔はしない。でも、困った時には…」


静かにトリガーをひき、マミの心臓を撃ち抜いて、私は部屋を後にした。


マミ「あいたたた……暁美さんったら、照れ屋なんだから」

6: ×365 2013/10/02(水) 16:23:25.80 ID:mFw/MWDM0
私が美樹さやかに恋?バカバカしい。


まどか「ほむらちゃーん、お手洗い付き合ってー」

ほむら「ええ、いいわよ」


そうよ。私が愛するのは、鹿目まどかただ一人。


まどか「ほむらちゃーん、お昼は屋上で食べようよ」

ほむら「ええ、わかったわ」


まどかの笑顔こそが私の力の源、美樹さやかなんてお呼びじゃないわ。


まどか「ほむらちゃーん、放課後はどのお店に行きたい?」

ほむら「私はあなたの好きなところでいいわ」


どう?美樹さやか。あなたがこんなに愛くるしくなれて?


「ほむらちゃーん」

ほむら「どうしたの?まど…」

さやか「可愛いまどかちゃんだと思った?残念、さやかちゃんでした!」


…私は893ブレードを取り出し、一刀のもとに美樹さやかの首を斬り落とした。

7: ×365 2013/10/02(水) 16:24:58.91 ID:mFw/MWDM0

さやか「いきなり何すんのよ!痛いじゃない!」


美樹さやかは首を拾って、何事も無かったかのようにくっつける。QB並にしぶといわね。


ほむら「まどかに対する侮辱、万死に値するわ」

さやか「アンタには冗談も通じないの?」

ほむら「今のは聖女でも、ブチ切れて殴りかかるレベルよ」

さやか「全く…マミさんから、アンタが何か思い詰めてるみたいだ、って聞いたのに」

ほむら「マミから…?」


あのミスぼっちは何のつもり?心臓ではなく、頭を狙うべきだったわね。


ほむら「気遣いは無用よ」

さやか「あーあ、心配して損した」


悪気はない、と思うのだけど…


確かに、美樹さやかの仲間想いなところ、正義感の強いところは認めてはいる。

でもそれは、実力を伴って初めて意味を持つこと。

大した力もないままでは、甘さに繋がり、やがて自滅してしまう。

何度もその弱さを指摘したのだけど、あのバカは余計に意地になるのよね。

8: ×365 2013/10/02(水) 16:26:59.55 ID:mFw/MWDM0

まどか「ほむらちゃんはさやかちゃんのこと、ちゃんと理解してくれてるんだね」

ほむら「…まどか、私の話を聞いてる?」

まどか「うん、さやかちゃんが羨ましいくらいだよ」


まどかったら……でもそんなアホなところが、たまらなく愛おしいわ。


まどか「文句を言いながらも、必ずさやかちゃんを助けてくれるほむらちゃんが、わたしも好きだよ」

ほむら「…あなたの告白、受けさせてもらうわ。朝までずっと、二人っきりで愛し合いましょう」

まどか「ソレが無かったらもっといいんだけどねー」


私がまどかと過ごしてきた時間。

それは必然的に、美樹さやかとも同じだけの交流を持つことになる。

性格を理解できているのは、まあ当たり前ね。

だからと言って、あの女が引き起こす騒動を止められるわけじゃないんだけど…

9: ×365 2013/10/02(水) 16:28:08.20 ID:mFw/MWDM0

さやか「ほむら、どうしたの?」

ほむら「えっ?」

さやか「いや、ぼんやりとあたしの方を見つめてるから」

ほむら「な、なんでもないわ。少し考え事をしていただけよ」

さやか「ははーん、さてはこの、さやかちゃんの美貌に見とれてたな?」

ほむら「…ッ!」


私は思わず立ち上がり、教室の外へと駆け出した。

私が、美樹さやかに?そんなのあり得ない!あるはずないわ!


さやか「な、なんで顔真っ赤にして出て行くのさーっ!」

10: ×365 2013/10/02(水) 16:29:28.05 ID:mFw/MWDM0
ほむら「くっ……私としたことが……」


私は屋上のフェンスに手をかけ、乱れた呼吸を整える。

なんだっていうの?無意識とはいえ、私の目がまどかではなく、美樹さやかの方を向くなんて…


マミ「ようやく、自分の気持ちに気付いたのね」

ほむら「巴マミ…っ!」


私はまどかに借りた弓で、マミの眉間に矢を撃ち込んだ。


ほむら「あなたが……余計な事を言うから……」

マミ「芽生えたその想い、大事にしてね?たとえ結ばれなくても、これからの私たちには必要なことよ」

ほむら「私にはまどかさえいればいいの!他の連中なんか知ったことじゃないわ!」

マミ「認めたくないのはわかるわ。でも、それを乗り越えてこそ、真実の愛に辿り着けるの」

ほむら「黙れ矢マミ」

11: ×365 2013/10/02(水) 16:31:14.37 ID:mFw/MWDM0

マミの頭に矢を追加しても、気分は晴れない。

私は学校をサボり、魔女狩りへと出向くことにした。


ほむら「…運が悪かったわね。今日の私は血に飢えてるの」


魔女、使い魔に関係なく、次々と蜂の巣にしていく。

物足りないわね…ほむバズーカでも使おうかしら。


「あのっ、おかげで助かりました!お名前を聞かせてもらえますか?」

ほむら「…とっとこほむ太郎よ」

「ほむ太郎さん……わ、わたし一ノ瀬さやかって言います!ぜひお礼を…」

ほむら「五秒以内に消えなさい。殺すわよ」

「ひぃっ…!」


銃を向けると、慌てて逃げ出すモブ女。

なにがさやかよ……ウザいったらないわ。


「私、二ノ宮さやかです!お礼をさせて…」

ほむら「脳ミソぶちまけられたいの?」

「三橋さやかです!お名前を…」

ほむら「うるさい氏ね」


なんなのこれ?さやかって名前には、魔を惹き寄せる性質でもあるというの?


「チョーやべー、マジ助かったっていうかー」

ほむら「さしずめあなたは、四ツ塚さやかかしら」

「何ソレ?ダッセー、アタシには美樹まどかって名前があんだけどー」

ほむら「………」


もう限界。


私はまどかと名乗った黒ブタの顔面に、粛清のほむストレートを叩き込んだ。

12: ×365 2013/10/02(水) 16:32:22.33 ID:mFw/MWDM0

次に見つけた結界。

どうやら巻き込まれた一般人もいないようだし、やっと落ち着いて戦えそうね。


…最深部に潜んでいた魔女。

今にも崩れ落ちそうなゾンビ体を、透明感のある薄紅色のスライムですっぽりと包んだ姿。


ほむら「…決めたわ。あなたの名前は紅茶の魔女、トモ・エマミーよ」


エマミーと名付けた魔女は、私には目もくれず、ひたすら容器に入った真っ赤な液体を啜っていた。


ほむら「その名にふさわしい最期を与えてあげる!」


私は機関銃を構え、エマミーの頭部目がけて、ありったけの弾薬を撃ち込んだ。


ほむら「爽快爽快、気分いいわー」

13: ×365 2013/10/02(水) 16:34:05.63 ID:mFw/MWDM0

しかし撃ち続けている最中、私は違和感に気付く。

確かに弾は命中しているが……中まで届いていない!?

エマミーを包むスライムは、銃弾の威力を全て吸収し、足元にポロポロと落としていたのだった。


ほむら「…面白い、そうこなくては!」


私は時間停止を使い、ほむバズーカとほむほむボムによる攻撃に切り替えた。

このテの化け物は、炎に弱いはず…!


停止解除とともに、エマミーを中心に凄まじい爆発が起こる。

これで倒せなかったのは、ワルプルくらいのもの。ザコ魔女が耐えられる火力じゃないわ。


ほむら「……え!?」


炎の中、暴れまわるエマミー。だがそれは苦しんでいるのではなく、啜っていた液体を吹っ飛ばされた怒りによるものだった。


ほむら「…いいじゃない。ゾクゾクしてきたわ」


言葉ほどの余裕はない。

私は様々な兵器を使ってみたが、どれも効果的なダメージは与えていないようだ。


ほむら「まさか……いえ、そんな……」


疑問に思った私は、まどかの弓を使ってみる。予想が正しければ…


エマミー「……!」

ほむら「攻撃が通った!やはりコイツ、ワルプルギス特性…!」


魔力を込めた攻撃しか通用しない相手。普通の魔法少女なら問題はないが、通常兵器しか持たない私にとっては、まさに天敵とも言える。


ほむら「矢マミの呪いかしらね」


まどかの矢は残り一本、マミなんかに無駄撃ちするんじゃなかった…

14: ×365 2013/10/02(水) 16:36:44.08 ID:mFw/MWDM0

怒り狂ったエマミーが、反撃に転じる。

スライム粘液を礫にして飛ばしてくるが、威力はなく、特にダメージは見受けられない。


ほむら「そんな攻撃で、私は倒せないわよ」


だが、身体に付着した粘液を振り払った時、私は愕然とした。


ほむら「吸血スライム!?」


薄紅色だった礫が紅く染まっている。こいつで血を絞り取っていたの!?

まずいわね……全て避けるには時間停止が必要だけど、これ以上力を失うわけにはいかない。


私は893ブレードに魔力を込めて斬りかかる。

もし通じなければ、まどかの矢との連撃に賭けるしかないわね。


ほむら「これで……くたばりなさい!」


しかしその願いも空しく、私の攻撃はエマミーを斬り裂くことはできなかった。


ほむら「どうして斬れないのよっ!」


二度、三度と叩きつけるが、全く意に介さない。

それどころか、私の焦りを察したエマミーは、攻撃の跡をポリポリと掻いてバカにする始末だ。


ほむら「今すぐ殺してあげるわ、トモ・エマミー!」


私は怒りに任せて弓を構える。

まどかと私の力、思い知らせてやるわ!

15: ×365 2013/10/02(水) 16:39:07.87 ID:mFw/MWDM0

こーらほむら、カッカするんじゃないの」


攻撃の刹那、私をたしなめる声が聞こえた。

それと同時に青い閃光が、私を狙っていたエマミーの両腕を斬り落とす。


ほむら「よりによって……なぜあなたなの……」

さやか「魔法美少女スーパーさやかちゃんが、学校をサボったほむらちゃんをおしおきに来ましたー!」


気晴らしに来たつもりが、ストレスを溜めた上に、さやかに借りを作ってしまうなんて…


さやか「ほむら、刀は引いて斬るの!あたしをマミった時を思い出して!」

ほむら「うるさいわね、わかってるわよ!」


さやかの助言を受けたトドメの一撃は、エマミーを真っ二つに仕留めた。


さやか「おー、やればできんじゃない」

ほむら「余計な手出しを…」

さやか「何言ってんの。頭に来てて危ないとこだったじゃん」

ほむら「くっ…」


私が……戦いの中で冷静さを失うなんて……

16: ×365 2013/10/02(水) 16:40:45.78 ID:mFw/MWDM0

さやか「気にすることないって。相手が悪かっただけ」

ほむら「いい気にならないで!大きなお世話よ!」

さやか「べ、別に恩着せるつもりなんてないわよ」


違う……さやかに無様な姿を見られたのが……たまらなく悔しいの……


ほむら「私は、あなたに弱さを見せるわけにはいかないのよ」

さやか「そんなこと言わないでよ。あたしたち仲間でしょ?」

ほむら「あなたに私を受け入れてもらうには、圧倒するだけの力が必要なの!」

さやか「えっ…」


私がいつも忠告していること。マミのように実力があってこそ、初めて人に言うことを聞かせることができる。


さやか「あ、あたしはまあ……杏子の例もあるし、女の子同士ってことに……抵抗はないけど……」

ほむら「何を言っているの?」


さやかは赤面しながら、わけのわからないことを呟いている。


私はふと、自分の言葉を思い返してみる。


……………!!!


ほむら「さやか、あなたまさか…」

さやか「別に力なんかなくたって……アンタがその……もう少し素直になるっていうなら……」

ほむら「ち、違うのさやか……私が言いたいのは、私の意見を、という意味であって……」

17: ×365 2013/10/02(水) 16:42:26.32 ID:mFw/MWDM0

まどか「さやか、だって」

マミ「あらあらうふふ」

ほむら「まどか…!マミ…!」


あなたたちは……なんというタイミングで現れるの!


まどか「ほむらちゃん、さやかちゃんと仲良くなってくれたんだね」

さやか「マ、マミさんから聞いてた通り、ほむらって本当にあたしを…?」

ほむら「違うのまどか、これには訳が…!」

まどか「それはとっても、嬉しいなって」

マミ「やはり戦いを通じて、人は愛を育てていくのね」

さやか「あ、愛って、あたしとほむらがそんな…」


があああ!赤くなるなバカ女!


まどか「さやかちゃん、ほむらちゃんに   盗られないように気をつけてね」

ほむら「うっ………うわぁぁぁぁん!!!」


いたたまれなくなった私は、泣きながらその場を走り去っていった。

18: ×365 2013/10/02(水) 16:45:16.35 ID:mFw/MWDM0

その頃の杏子


ゆま「ねえキョーコ、みんなを助けに行かなくていいの?」

杏子「ゆま、気が散るから黙ってな」

ゆま「えぐえぐ…」

キリカ「くっく、ダンス革命では負けたけど、太鼓のマスターでは私の方が上だねッ」

杏子「ふざけんじゃねえ!吠えヅラかかせてやる!」

おりこ「見事よキリカ。その調子で小ざかしい佐倉杏子を沈めてしまいなさい!」

ゆま「こらーっ!キョーコを悪くいうなーっ!」

おりこ「きゃああーっ!」


ゆまの    めくり!おりこにかいしんのいちげき!


キリカ「織莉子の   …ッ」

杏子「ナイスだゆま!こいつで逆転させてもらうぜ!」

キリカ「ひ、卑怯だよッ!佐倉杏子ッ!」




バイト「店長、どうします?」

店長「命が惜しかったら、関わるんじゃない…」

19: ×365 2013/10/02(水) 16:47:33.98 ID:mFw/MWDM0

私は翌日も、学校をサボることにした。

今の気分では……さやかに顔を合わせることができない。

少し時間を空ければ、さやかもきっと冷静になってくれるだろう。



…私は昨日同様に、魔女狩りを続けていく。

もう油断はない。遊び心も持たない。

ひたすら魔を滅することだけを考える。


「あの、ありが…」

ほむら「黙りなさい!」


助けた一般人の足元に弾丸を撃ち込み、関わりを拒絶する。

殺気を隠すことなく、街中を彷徨い歩く…

20: ×365 2013/10/02(水) 16:49:07.05 ID:mFw/MWDM0

しかし、どれだけ魔を狩り続けても、私の心は癒やされない。


ほむら「まどか……あなたに会いたい……」


私はいつしか、まどかの姿を探し求めるようになっていた。


ほむら「まどか……どこにいるの……」


学校は既に終わっている時間。

私はまどかが寄り道しそうな場所を、しらみ潰しに探してまわった。


ほむら「どうして……見つからないの……」


日は既に沈みかけ、辺りは夕暮れに染まってきている。

疲れ果てた私は、まどかの自宅近くの公園で一人、力なくうなだれていた。


ほむら「お願いまどか……私を見つけて……私を抱きしめて……私をほむほむして……」

21: ×365 2013/10/02(水) 16:50:34.73 ID:mFw/MWDM0

どれくらいの間、そこに座っていただろうか…


まどか「ほむら…ちゃん?」

ほむら「まどか!?」


少しウトウトとしていたが、今度は間違えない。私の愛するまどかの声!


まどか「もう、探したんだよ?どこ行ってたのほむらちゃん」

ほむら「まどか……まどかっ!」


あなたを信じていた。必ず私を見つけてくれるって。

私はまどかの元へ駆け出していく。


仁美「ほむらさんが見つかりましたの?」

まどか「仁美ちゃん、こっちだy…」

ほむら「ほあたぁ!」

仁美「ゴフッ!」


…私は軌道を修正し、まどかに近付く志筑仁美に、飛び蹴りをお見舞いした。


ほむら「まどかとの逢瀬、邪魔は許さない」

まどか「えー」

22: ×365 2013/10/02(水) 16:52:06.51 ID:mFw/MWDM0

ほむら「まどか……会いたかった……」


しかし抱きつこうとする私を、まどかは厳しく睨みつける。


ほむら「まどか…?」

まどか「ひどいよほむらちゃん……仁美ちゃんに謝って!」

ほむら「う…」

まどか「みんなでほむらちゃんを探してたんだよ?なのにこんなことするなんて、あんまりだよ!」

ほむら「ご、ごめんなさい…」

まどか「わたしじゃなくて仁美ちゃんに謝るの!ちゃんとするまで、口聞いてあげないよ!」


まどかはプイッと、そっぽを向いてしまう。

私は勢いに任せて、なんてことをしてしまったのだろう。


ほむら「ごめんなさい仁美……立てる?」


頬を押さえて倒れている仁美に、そっと手を差し伸べる。

23: ×365 2013/10/02(水) 16:54:10.46 ID:mFw/MWDM0

仁美「大丈夫…ですわっ!」

ほむら「ほむぅっ!」


仁美は私の腕を掴んで引き寄せると同時に、私に強烈な腹パンを食らわせた。


ほむら「ほ……む……」


不意を衝かれ、崩れ落ちる私。


仁美「まどかさん、ほむらさんは十分に反省してるようですわ」

まどか「…ほむらちゃん!?土下座までしなくてもいいんだよ!?」

ほむら「ち、違…」


お腹を抱えてうずくまる姿がそう見えたのか……だが、否定しようとした私に、無言のプレッシャーが届く。


―余計なことは喋るな。


仁美の目は、そう語っていた。

24: ×365 2013/10/02(水) 16:55:34.29 ID:mFw/MWDM0

まどか「ほむらちゃん、もういいから立って?」


無理……立てない……


仁美「ほむらさん、私は平気ですから」


私を起こそうと、肩に手を置く仁美。


仁美「まあ…そうなんですの?」

ほむら「!?」

まどか「どうしたの?」

仁美「ほむらさんの気が済まないそうです。私たちが立ち去るまで、こうしてると…」

まどか「ほむらちゃん…」


仁美はまどかに見えないように、私の肩を強く握る。


ほむら「う……ぐ……」

仁美「ほむらさん、泣かないでください。気持ちは伝わりましたから」


なんという一人芝居。しかし、握り潰されそうな痛みに、私は抵抗することができなかった。

25: ×365 2013/10/02(水) 16:57:10.08 ID:mFw/MWDM0

仁美「行きましょうまどかさん。今は早くこの場を離れることが、ほむらさんへの一番の優しさですわ」

まどか「う、うん……ほむらちゃん、わたしももう気にしてないから」


仁美め…ぬけぬけとよくも…


しかし、これは私自身が招いたこと。

私の不用意な行動からまどかを怒らせ、仁美との友好関係を壊してしまった。


ほむら「まどか……まどか……」


私は何をやっているのだろう。


あの日以来、全ての歯車が狂い出している。


やること為すことが、ことごとく裏目に出てしまっている。


全部、あの女のせいだ…


私はその場に座り込んだまま、ポロポロと涙をこぼした。

26: ×365 2013/10/02(水) 16:58:37.70 ID:mFw/MWDM0

マミ「…暁美さん」

さやか「ほむら……まだここにいたんだ」


やはり来たか。おそらくまどかから連絡を受けたのだろう。


ほむら「巴マミ…ッ!」

マミ「あらあら、私は歓迎されてないみたいね」

さやか「ちょっとほむら、マミさんが何したっていうのさ」

ほむら「あなたが……巴マミが、私の心を乱した!」


そうよ。巴マミこそが全ての元凶よ!


マミ「私は席を外した方が良さそうね。美樹さん、お願いしていいかしら?」

さやか「うん、わかった」

ほむら「ま、待ちなさい!」


マミを追いかけようとする私を、さやかが押しとどめる。

27: ×365 2013/10/02(水) 17:00:05.47 ID:mFw/MWDM0

さやか「待つのはアンタの方。こんなに泥だらけになっちゃって」

ほむら「どきなさいさやか。あの無駄●、引きちぎってやる!」

さやか「うわ、SGも真っ黒じゃん。世話焼かすんじゃないわよ」

ほむら「いいから放っておいて!」


さやかは話も聞かずにGSを取り出すと、私の穢れを浄化してくれた。

バカさやか……予備なんて持ってないクセに。


さやか「ほら、肩貸してあげる。帰るよ」

ほむら「離してよ……あなたなんか嫌いよ……」

さやか「そのわりには、やってること逆じゃん」


自分でも意識しない内に、私はさやかを抱きしめていた。

28: ×365 2013/10/02(水) 17:01:22.28 ID:mFw/MWDM0

さやか「ごめんねほむら。アンタはいつだって、あたしのことを思って助けてくれたよね…」

ほむら「違うわ。全てはまどかのためよ」

さやか「それでもいいよ。あたしと一緒に、まどかを守ろ?」

ほむら「私は誰にも頼らない!まどかは……私一人で守るの!」


私という奴は……さやか以上に素直じゃないわね。

抱きしめる腕に力を込めると、さやかの匂いが私の心を刺激する。


さやか「ちょ、ちょっとくすぐったいってば!ほむほむしないでよ!」

ほむら「いちいちうるさいわね……その減らず口を黙らせてあげるわ!」

さやか「ほむっ!?」


私はさやかの両頬を包み、自分の唇で……さやかの口を塞いだのだった。

29: ×365 2013/10/02(水) 17:03:26.36 ID:mFw/MWDM0

さやか「アンタは……いきなりとんでもないことするわね」

ほむら「いい気味よ。少しは懲りたかしら」


唇を離したあとも、私の口から出るのは毒舌ばかり。我ながら呆れるわね。


さやか「もっと違う言葉はないの?」

ほむら「感謝することね。まどか用にとっておいた初めてを、あなたなんかにあげたのよ?」

さやか「…アンタの減らず口も、叩けないようにしてやる!」

ほむら「ほむっ!?」


今度はさやかが、私の唇をキスで塞いでくれた。

その柔らかい、暖かい感触に、私は凍っていた感情が溶けていくのを感じる。


ほむら「何するのよ!まどかのためのセカンドキスなのに!」

さやか「まだ言うか!アンタにまどかは渡さない。アンタの全ては、あたしが奪ってやる!」

ほむら「ほ、ほむぅぅぅ!」


私に襲い掛かってくるさやか。

私たちはその後も、数え切れないほどのキスを交わし合うのだった。

30: ×365 2013/10/02(水) 17:06:07.19 ID:mFw/MWDM0

後日


さやか「待てコラほむら!」

ほむら「あなたに捕まるほど、私は鈍臭くないわ」


あれからも、私とさやかは顔を合わせる度に、憎まれ口を叩きあっていた。

ただ、以前のような刺々しさはなく、お互いを認め合いながら、といった感じだ。


さやか「エターナルオメガスラッシュ!」

ほむら「必殺技名を叫ぶのはやめなさい。マミみたいになるわよ?」

さやか「やかましい!いいからあたしの   返せ!」

ほむら「あなたは隙が多過ぎるの。だから鍛えてあげてるのよ」

さやか「…ブッ殺す!」




マミ「すっかり仲良しさんね」

まどか「そう…なのかな?」

杏子「えぐえぐ……ざやがぁ……」

31: ×365 2013/10/02(水) 17:08:38.37 ID:mFw/MWDM0

マミ「鹿目さんの望み通り、これでもう、暁美さんのセクハラに悩まされる心配はないわ」

まどか「はい……でも、ちょっと寂しいです……」

マミ「鹿目さんには私がいるわ。美樹さんに遠慮せず、独り占めしてもいいのよ?」

まどか「ぐすっ、マミさん…」

マミ「これからは、私が一緒に戦ってあげる。そばにいてあげる」

まどか「……はいっ!」




杏子「ゆまは…あたしのそばにいてくれるよな?あたしを一人にしないよな?」

ゆま「ゆまはずっとキョーコと一緒。お風呂も一緒、寝るのも一緒!」

杏子「サンキュ、ゆま…」





マミ(計 画 通 り)ニタァ

ゆま(…GJだよ、マミおねーちゃん!)



ほむら「ほむらの恋、これで終わりにするわ」