1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 03:00:06.25 ID:q8IUDNU40
妹「明日返すからいいよね」

引用元: 妹「お兄ちゃんが寝てるすきに財布から1万円借りちゃおっと」 


 

 
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 03:37:25.07 ID:4Fddy5FkO
兄「そろそろ妹の小遣いピンチだろうから、一万余計に入れとくか」

兄「普通に貸してくれって言ったら貸してやるのに。面倒な奴め」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 03:49:37.46 ID:4Fddy5FkO
コンコン

妹「お兄ちゃん、お風呂空いた」ガチャ

兄「おう。早速可愛いお前の残り湯を堪能してくるわ」

妹「ば、ばか! シスコンっ!」バタンッ

兄「さて、と。このラックを上に財布置いとけば目立つだろ」ポン

兄「さーて風呂風呂っと」

 
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 05:23:36.36 ID:4Fddy5FkO
妹「……」ソロー

妹(あ、明日返すから良いよね?)ゴソゴソ

妹「……」ピラッ

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 05:27:49.10 ID:4Fddy5FkO
―風呂場―

兄「こ、これはさっきまで妹がはいていた   ……っ」

兄「ちゃんと洗濯機に入れず放置するとは……」ゴクリ

兄「なーんてな」

兄「バカやってないで洗濯籠に入れといてやるか。親父や俺の下着と一緒に洗うの嫌だろうし」ポイッ

兄「うー……」ブルブル

兄「春先とはいえまだ寒いな……早く暖まろう」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 05:29:23.64 ID:4Fddy5FkO
―風呂―

兄(さて……30分は出ない方が良いだろうな)

兄(長湯は疲れるし、念入りに身体洗って時間潰すか)バシャ

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 05:33:01.57 ID:4Fddy5FkO
―――
――


兄「ふいー。少しのぼせた……」フラフラ

妹「あ、お兄ちゃん……」

兄「ん? まだ寝ないのか?」

妹「う、うん。そうだ、牛乳飲む?」

兄「飲む飲む」

妹「じゃあ、用意するね」タタタ

兄「……」

兄(罪悪感あるならやらなきゃ良いのに)

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 05:38:40.62 ID:4Fddy5FkO
妹「はい」コトッ

兄「ありがとな」ゴクゴク

妹「うん……」

兄「…………」

兄(うーむ)

妹「……」

兄「なあ妹、相談あるんだけど良いか?」

妹「え? う、うん」

兄「じゃあ髪乾かしたら部屋行って良い……」

兄「あ、いや。呼びに行くから俺の部屋に来てくれ」

妹「な、なんでお兄ちゃんの部屋?」

兄「俺が妹の部屋に入るの嫌だろ?」

妹「い、いいよ。私の部屋で」

兄「そか。じゃ髪乾かしたら行くわ」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 05:43:17.92 ID:4Fddy5FkO
―――
――


コンコン

兄「起きてるか?」

妹「あ、お兄ちゃん。開けるから待って」ガチャ

兄「入って良いか?」

妹「うん」

兄「妹の部屋に入るの久し振りだな。お兄ちゃんちょっと感動してるよ」キョロキョロ

妹「あまり部屋をジロジロ見ないでよっ」

兄「おお、すまん。可愛い妹のプライベートルームだと思うと興奮してな!」

妹「……変 」

兄「ひどいっ」ヨヨヨ

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 05:47:08.63 ID:4Fddy5FkO
妹「それで、私に相談って?」

兄「ああ、それがな……」

兄「……」

妹「お兄ちゃん?」

兄「あ、悪い。ちょっと興奮し過ぎたのかな」ハハハ

妹「もうっ」

兄「ははは。悪かった、冗談だって」

兄「で、相談なんだけどな。お前くらいの年頃の子にプレゼントあげるとしたら、どんなのが喜ばれるかな」

妹「うぇえ!? お兄ちゃんがプレゼントっ?」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 05:53:41.06 ID:4Fddy5FkO
兄「用意するのは友人だよ。妹と同じ年頃の子と付き合ってる奴から、ちょっと相談受けててな」

兄(ウソだけど)

妹「そ、そうなんだ……」

兄「でだ。例えばお前なら、どんな物貰えば嬉しかったりする?」

妹「そうだなぁ……」ウーン

妹「一緒に服見に行って、一緒に選んだ服だったら嬉しい……かな」

兄「ほー。買ってからあげるんじゃ駄目なのか?」

妹「好みやサイズもあるから基本NGだよ。それに、サイズは見栄張る子も居るし」

兄「そういう物なのか。じゃあ、どんなブランドとかが良いかも教えてくれよ」

妹「私の趣味で良い?」

兄「ああ。構わないぞ」

妹「じゃあ……えーっね……」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 05:59:40.42 ID:4Fddy5FkO
―――
――


兄「お、もうこんな時間か」

妹「ほんとだ。もう寝ないと」

兄「参考になったよ。ありがとな」

妹「ううん。役に立ったなら嬉しいよ」

兄「うんうん。やっぱり素直な妹が一番可愛いな!」

妹「ば……ばかっ。からかわないでよ!」

兄「怒った顔も可愛いぞ。じゃあ、おやすみ」ガチャ

妹「むうう……。おやすみ、お兄ちゃん」

兄「そうだ。お前も悩みがあったら相談してくれよ」

妹「え?」

兄「俺は何時だって妹の味方だからな」

パタン

妹「…………うん」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 06:06:19.24 ID:4Fddy5FkO
―兄自室―

兄「さて、妹から聞いたブランドをネットで調べてみるか……」カタカタカタ

兄「……うへぇ」カタ…

兄「こんなちっさいバッグで2万、こっちの服は……5、5万!?」

兄「うわぁ……知らない世界過ぎて引くわぁ……」

兄「小物もたけぇ。なんだこれ」

兄「お、この服は前に妹が着てた奴だな。えーっと、価格は……セールで7千円か」

兄「確かにこんな物買ってりゃ、小遣いなんて直ぐに無くなるよなぁ」

兄「どうしたモノか……」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 06:13:25.49 ID:4Fddy5FkO
兄「妹に発破掛けて成績伸ばして小遣い上げて貰うか?」

兄「でもなぁ。小遣い少し上がったくらいじゃ、焼け石に水って価格の物ばかりだったし……」

兄「かと言って、何時までも俺の財布から抜き取らせるのも駄目だよなぁ」

兄「欲しい物買う為に 交なんてし始めたら俺のハートが危ない。早めに手を打たないと……」

兄「うむむ……」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 06:18:07.52 ID:4Fddy5FkO
―翌日―

「妹、もう春の新作買った?」

妹「ううん。今日帰りに見てこうかなって」

「そうなんだ。じゃあ私も見に行こうかな」

妹「うん、良いよっ」

「じゃあ服見たらカラオケ寄ってこうよっ」

妹「うんうん。寄ってこ!」

「はぁー。早くガッコおわんないかなぁ……」

妹「ははは……」

妹(……なにやってんだろ、私)

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 06:22:45.42 ID:4Fddy5FkO
―――
――


妹「ただいまぁ……」

母「お帰りなさい。遅かったわね」

妹「うん。友達とちょっと遊んで来た」

母「もう……程々にしなさいよ」

妹「はーい。そうだ、お母さん」

母「なあに?」

妹「明日、お小遣いの日だよね? 一日早いけど、貰えない……かな?」

母「ええ。構わないわよ」

妹「ありがと、お母さん」

妹(良かったぁ……)

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 06:24:17.09 ID:4Fddy5FkO
兄「妹が帰って来たか」

兄「さて、今日はどう部屋を開けようかな……」

兄「……よし」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 06:27:31.69 ID:4Fddy5FkO
―リビング―

兄「お、帰ってたのか」

妹「うん、ただいま。出掛けるの?」

兄「ああ。ちょっとスーパーに飲み物と夜食買いにな」

妹「そ、そうなんだ」

兄「じゃあ行って来ます」

妹「ん、行ってらっしゃい」

母「夕飯前には帰るのよー」

兄「あーい」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 06:33:59.00 ID:4Fddy5FkO
―スーパー―

兄「もう良いかな」ピッ

プルルルル

妹『お兄ちゃん? どうかしたの?』

兄「おー、妹。財布忘れたから、悪いけど持って来てくれないか?」

妹『ふふ。財布忘れるなんてらしく無いじゃない』

兄「好きなお菓子奢るから。な、頼む!」

妹『うん、いいよ。財布どこに置いたの?』

兄「多分制服の上着に入ってる。ありがとな、妹」

妹『ううん。直ぐ行くから待っててね。おかーさーんっ、ちょっとお兄ちゃん迎えに行ってくるーっ』

兄「はは、迎えにか」

妹『それじゃ、あとでねっ』

兄「おう」プツッ

兄「これでよし、と」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 06:36:37.03 ID:4Fddy5FkO
妹「ええっと制服は……あった」


妹「財布は……これね」

妹「さっき貰ったお小遣いからお金戻しとかないと」ゴソゴソ

妹「……」

妹「ごめんなさい、お兄ちゃん……」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 06:41:12.30 ID:4Fddy5FkO
―スーパー―

妹「お待たせー」

兄「おー、早かったな」

妹「うん。少し走った」

兄「うへへ。お兄ちゃんを待たせないと頑張ってくれたんだな。可愛い奴め」ナデナデ

妹「きもい笑い方すんな! あ、はい財布」スッ

兄「さんきゅ。そういや見ない服着てるな」

妹「う、うん……今日友達とお店行って、安かったから買っちゃった」

兄「似合うじゃん。可愛いぞ」

妹「だから、からかわないでよぉ」

兄「照れる妹も可愛いなぁ!」

妹「もうっ」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 06:47:40.73 ID:4Fddy5FkO
―帰路―

兄「アイス一個で良かったのか?」

妹「うん。ありがとね、お兄ちゃん」

兄「今日はやけに優しいな。財布も直ぐ持って来てくれたし」

妹「そ、そんな事無いよ?」

兄「優しい妹は大好きだぞ」ナデナデ

妹「むうぅ……また子供扱いしてぇ」

兄「もちろん普段の妹も大好きだけどな!」

妹「恥ずかしい事言うなぁっ」カアッ

兄「ふひひ。可愛い可愛い」ナデナデ

妹「ううーっ」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 06:53:16.09 ID:4Fddy5FkO
兄(財布にお金は戻ってた)

兄(けど、足りなくなったらまた来るんだろうな)

兄(なんとか出来ないモノか……)

妹「お兄ちゃん?」

兄「お?」

妹「ぼおっとしてた」

兄「はは、悪い悪い。どうしたら自然に妹と手を繋げるか考えてたんだ」

妹「うわぁ……兄妹で何考えてるのよ」

兄「なにしろ俺は妹が大好きだからな!」

妹「……」

妹「……ん」ギュ

兄「!?」

妹「手、繋ぎたいんでしょ?」

兄「あ、ああ! 嬉しいよ、妹」ギュッ

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 06:57:11.31 ID:4Fddy5FkO
―――
――


兄「あれは罪悪感からの行動だよなぁ……」

兄「変にプレッシャー与えちゃったか。反省しないと」

兄「……せっかく手を握ってくれたんだし、今日は  禁だな」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 07:00:17.76 ID:4Fddy5FkO
―妹自室―

妹「ううーっ」ジタバタ

妹「なんでお兄ちゃんと手繋いだんだろ……」ジタバタジタバタ

妹「中学生にもなって恥ずかしい……っ」ゴロゴロ

妹「誰かに見られてたらやだなぁ……」ジタバタ

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 07:13:16.28 ID:4Fddy5FkO
―翌日―

「あ、妹!」

妹「おはよ。どうしたの?」

「昨日一緒に居た人カレシ?」

妹「うぇえ!?」

「偶然見かけちゃてさぁ。何か良い雰囲気で手繋いでたから、声掛けそびれたんだよね」

妹「あ、あの人は……その……」

「あの人? え、カレシじゃないの?」

妹「ううぅ……うん」

「じゃあ誰? まさか、パパとか?」

妹「ち、違うよ!」

「良かったぁ……。妹お金に困ってる感じして無かったから、一瞬 交やってるんじゃないかって思っちゃったよ」

妹「え……」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 07:18:11.72 ID:4Fddy5FkO
「でさでさ。結局昨日のあの人、誰なのよ?」

妹「え、えっと……」

「誰よ誰よー?」

妹「お……お兄ちゃん……」

「ええーっ!?」

「な、なに、兄妹で手繋いで歩いてるの?」

妹「それは……」

「もしかして妹の兄貴ってシスコン? ヤバくない?」

妹「!?」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 07:26:41.96 ID:4Fddy5FkO
「見た感じ、高校生か大学生だよね? それが中学生の妹と手繋いで歩くなんて……」

「オニヤバいよ。絶対シスコンだって! ちょっと変 っぽかったし!」

妹「…………」ググッ

「……妹?」

妹「お兄ちゃんは……」

妹「お兄ちゃんは、確かにシスコンっぽいとこあるけど、変 でもヤバい人でもないよ!」

「ちょ、ちょっと、どうしたの? 冗談になにマジになってるのよ」

妹「……ご、ごめん」

「…………」

妹「…………」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 07:33:28.08 ID:4Fddy5FkO
―――
――


「兄! 帰りゲーセン寄ってかね?」

兄「お、良いな。久し振りに堕落天使で対戦しようぜ」

「ふっふっふー、俺のハイジに勝てると思ってるのか?」

兄「なにおう? 俺のロッシでギッタギタにしてやんよ!」

デロリンッ

兄「お、妹からメールだ」

『今日、一緒に帰りたい』

兄「……随分とシンプルな」

「どしたん?」

兄「悪い、予定出来たからゲーセンは今度にしてくれ!」

「おけー。じゃまた今度だな」

兄「悪いな。じゃ、先帰るわ」タタタッ

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 07:40:28.06 ID:4Fddy5FkO
―校門―

兄「あれ、妹……」

妹「……」

兄「なんだ。わざわざこっちまで来てくれてたのか」

妹「うん……」

兄「珍しいな、一緒に帰ろうだなんて。学校の友達と帰らなくて良いのか?」

妹「はは……今、ちょっと気まずくてさ」

兄「……ケンカでもしたのか?」

妹「ううん、ケンカじゃないよ」

兄「ま、まさか苛められてるんじゃ!?」

妹「違うよっ。そんなんじゃないから安心して……」

兄「そ、そうなのか。分かった、妹がそう言うなら信じるよ」

妹「えへへ……お兄ちゃん慌てすぎだよ」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 07:48:50.63 ID:4Fddy5FkO
―帰路―

兄「……」テクテク

妹「……」テクテク

兄(……会話が無い。どうしよう)

兄(何か適当で良いから、話題を振らないと)

兄「な、なあ妹……」

妹「お兄ちゃん」

兄「お、おう。なんだ?」

妹「私達くらいの歳で兄妹なのに手を繋ぐのって変かな……」

兄「あ、ああ。そうだな、仲の良い兄妹なら変でも無いんじゃないか?」

妹「そう……だよね」

兄「学校で何かあったのか?」

妹「昨日お兄ちゃんと手を繋いでたの、友達に見られてて……」

兄「……」

妹「それで、手繋いでた人がお兄ちゃんだって言ったら、その……」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 07:54:52.07 ID:4Fddy5FkO
兄「ごめんな。俺の所為で嫌な思いさせたんだな」

妹「違うよ」

兄「え?」

妹「手繋いでるのお兄ちゃんだって言ったら、お兄ちゃんの事バカにされて、それで……」

妹「つい、大声出しちゃって、さ……」

兄「俺の事なんか別に何言われ様と構わないのに」

兄「だいたい妹だって、いっつもバカバカ言って来てるだろ?」

妹「そ、それはそうだけど! そう言うのとは違くてっ」

兄「違う?」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 08:00:55.26 ID:4Fddy5FkO
妹「友達がお兄ちゃんをシスコンだとか、変 っぽいって言うからっ」

妹「それが、凄く嫌で! 私……っ」

兄「……まったく。そんなの言わせておけば良いのに」

妹「でも!」

兄「実際俺は妹が大好きだから、シスコンだし変 じゃないのか?」

妹「でも、お兄ちゃんは私にやらしい事しないもん!」

妹「友達が言ってたのは絶対やらしい事も含んでたよ!」

妹「だって、すごい嫌な目付きで言ってたもん……」

兄「……」

兄(迂闊な事したなぁ……俺)

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 08:10:00.56 ID:4Fddy5FkO
兄「ま、言いたい奴には言わせておけよ」

妹「……」

兄「俺の事でケンカとか仲違いなんて駄目だぞ?」

妹「……うん」

兄「よし、良い子だ。それじゃ、明日にはちゃんと関係修復しとくんだぞ」

妹「……」

兄「妹、返事は?」

妹「……嫌」

兄「嫌って、お前なぁ」

妹「お兄ちゃんの事なにも知らないで、あんな酷い事言う奴なんか友達じゃない……っ」

兄「おいおい。そりゃ駄目だろ」

妹「だって……!」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 08:15:49.64 ID:4Fddy5FkO
兄「急にそうやって縁切ったら、苛められたり孤立するかもしれないだろ?」

妹「それは……」

兄「嫌でも、ちゃんと関係を修復するんだ。俺は妹が苛められるなんて嫌だぞ」

妹「……うん。分かった」

兄「うんうん。素直な妹は大好きだぞ」ナデナデ

妹「えへへ……」

兄「あ。こういうの見られたから、からかわれたのか」スッ

妹「あ……」

兄「はは……ごめんな。ちゃんと考え行動出来なくて」

妹「いい。もうお兄ちゃんの事言われても気にしないから」

妹「だから、もう少し撫でて欲しい……」

兄「げへへっ。しょうがない奴め!」ナデナデ

妹「ううーっ、そういう変 っぽいのはダメっ!」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 08:22:55.48 ID:4Fddy5FkO
兄「うへへっ」ナデナデナデナデ

妹「むうぅーっ」

兄「妹は可愛いな」ナデナデ

妹「うう……」

兄「さ、早く帰ろう」

妹「……うん。お兄ちゃん」スッ

兄「ん?」

妹「手繋いで帰ろっ」

兄「……ああ」ギュ

妹「えへへ……」ギュウッ

兄「……なあ、妹」

妹「なに?」

兄「話があるから、後で部屋に行って良いか?」

妹「……うん」

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 08:28:52.65 ID:4Fddy5FkO
―――
――


コンコン

妹「開いてるよ」

兄「入るぞ」ガチャ

妹「うん」

兄「……」

妹「あのね、実は私もお兄ちゃんに話があるんだ」

兄「そうか」

妹「……えっとね」

兄「……」

妹「その……」

兄「……」

妹「……ご、ごめんなさいっ!」

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 08:35:26.72 ID:4Fddy5FkO
妹「私、お兄ちゃんのお財布からお金抜いてたの!」

妹「友達からのけ者にされない様に、服とかみんなに合わせて買ったり、遊びに行くのに必要で……」

妹「ごめんなさい、お兄ちゃん!!」

兄「……そうか」

妹「お母さんには言えないし、お兄ちゃんに借りるの恥ずかしいから……つい……」

妹「本当にごめんなさい!」

兄「……妹」スッ

妹「……!」ビクッ

兄「良かった。ちゃんと自分から言ってくれて」ナデナデ

妹「え……自分、から……?」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 08:42:27.32 ID:4Fddy5FkO
兄「実はさ、知ってたんだ」

妹「ふえ!?」

兄「しかしバカだな。言ってくれたら貸したんだぞ?」

妹「し、知ってたって?」

兄「いくら俺でも財布の中身くらい把握してるって」

妹「……」

兄「ちゃんと減った分、毎回帰って来てたから何も言わなかったんだ」

妹「怒らないの?」

兄「はは。俺は何時だって妹の味方だからな!」

妹「でもっ」

兄「まあ、確かに悪い事やったんだしな。なにかしらのペナルティを与えないと駄目か」

妹「そうだよ!」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 08:52:10.55 ID:4Fddy5FkO
兄「それじゃあ……」ウーム

妹「……」ゴクリッ

兄「えいっ」デコピンッ

妹「いたっ」

兄「おしおき終わり。もう勝手に取ったら駄目だぞ。妹が頼んだら、俺はちゃんと貸すから」ナデナデ

妹「……うん」ジワッ

兄「何か困った事があったら、ちゃんと俺に相談してくれよ」ナデナデ

妹「うん……ぐすっ」ポロポロ

兄「うんうん。素直な妹は大好きだぞ」ナデナデ

妹「ごめんなさい……、ありがとぉ……おにいちゃん……」ポロポロポロ

兄「うへへへへ。妹は可愛いなぁ!」ナデナデ

妹「ううーっ……」ポロポロポロ

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 08:59:57.00 ID:4Fddy5FkO
―――
――


兄「落ち着いた?」

妹「ん……」グスッ

兄「良かった」

妹「そういえば、お兄ちゃんからの話ってなんだったの?」

兄「んー。それはどうでも良くなったからいいや」

妹「どうでも良い?」

兄「うん。もう心配なさそうだし」

妹「……そうなんだ」

兄「はっ」

妹「な、なに?」

兄「ペナルティ、一緒にお風呂とかにしとけば良かった……」

妹「え、ええ!?」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 09:05:05.84 ID:4Fddy5FkO
兄「もったいない事をしてしまった……」

妹「……」

兄「あれ? 突っ込みが無い……」

妹「良いよ」

兄「は?」

妹「良いよ。お風呂、一緒に入っても」

兄「なっ。だ、駄目だって! 妹はもう子供じゃ無いんだから!」

妹「冗談だったの?」

兄「当たり前だろ! 俺達は兄妹なんだぞ?」

妹「……」

兄「あ、あの妹さん……?」

妹「……ふんだ」プイッ

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 09:13:04.94 ID:4Fddy5FkO
―翌日―

妹「あ、昨日はごめんね」

「えー、良いよ。お兄さんの事悪く言ったの私だしー」

妹「ははは。もう、気にしてないから」

「良かったー」

妹「……私さ、ブラコンだからお兄ちゃんの事悪く言われると、ちょっとね……」

「……そ、そうなんだ」

妹「うん。お兄ちゃんは全然シスコンじゃないんだけどねー」

「へ、へー。意外ー」

妹(どうせ中学だけの関係なんだ。もう向こうから離れてくれれば良いや)

「そういえば今日はどうするの?」

妹「あ、ごめんね。今日はお兄ちゃんと買い物行くから、付き合えないんだっ」

「そ、そうなんだー」

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 09:17:08.87 ID:4Fddy5FkO
妹(なんかお兄ちゃんの事利用してるみたいで悪いな)

妹(買い物、本当に誘っちゃおう)

妹(お兄ちゃんは何時だって私の味方だから、大丈夫だよね……?)

妹(よし。メール……送ってみよう!)

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 09:26:30.67 ID:4Fddy5FkO
―通学路―

兄「おはよう。昨日は悪かったな」

「埋め合わせはしてくれよ?」

兄「おうよ」

「そうだ。昨日見つけたゲーセンな、すげぇレゲーが充実してたぞ!」

兄「マジか」

「おう! 帰りに行くべ。キカイオーかブリキで対戦しようぜ!」

兄「また偏ったチョイスを……」

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 09:32:20.89 ID:4Fddy5FkO
デロリンッ

兄「お、メールだ」

兄「……」

「なした?」

兄「悪いけどゲーセンはまた今度だわ。予定が出来た」

「またかよ。一体何の用なんだ?」

兄「んー。あれだ、デートって奴」

「なぁにぃいいいっ!?」

「だ、誰とだよ!? 委員長か? それとも……」

兄「ははは……学校の人じゃ無いよ」

「くっそ! くっそ! リア充なんか 病うつされてしまえば良いんだ! うわーんっ」ダダダッ

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 09:39:39.73 ID:4Fddy5FkO
―――
――


―校門―

妹「お兄ちゃん!」タタタッ

兄「わざわざこっちに来なくても、迎えに行ったんだぞ」

妹「私が待ちたかったから良いの!」グイッ

兄「なっ!? 腕組んで来るなんて急にどうしたんだ?」

妹「私が腕を組みたいから良いの!」ギューッ

兄「まずいって。他の人が見てるんだぞ?」

妹「じゃあもっと見せ付けようよっ!」

兄「うぇえっ!?」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 09:48:44.11 ID:4Fddy5FkO
兄「どうしたんだよ、急に?」

妹「朝、友達にブラコン宣言したの」

兄「な!?」

妹「そしたら、今迄煩わしいと思ってた子達がじみーに距離置きだしてさ」クスッ

兄「へ、へー」

妹「なんか、すごい楽になっちゃった!」

兄「そ……そーなのかー」

妹「ね、お兄ちゃんっ」

兄「は、はいっ」

妹「ブラコンの妹だけど、大好きで居てくれる?」

兄「お、おう。もちろんだぞ!」

兄(なんて事だ。妹がブラコンになってしまった……)

147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 09:57:15.40 ID:4Fddy5FkO
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妹「ふう……歩き疲れたね」

兄「どこか喫茶店でも入るか?」

妹「うん!」ニコッ

妹「ね、お兄ちゃんっ」

兄「なんだ?」

妹「私と居て楽しい?」

兄「ああ。可愛い妹と一緒に居て、退屈な訳無いだろ?」

妹「ん……えへへ……」ポッ

兄「あの店に入るか」

妹「お兄ちゃんの選んだお店なら何処でも良いよ!」ギューッ

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 09:58:00.55 ID:4Fddy5FkO
―物陰―

「くそうっ、兄の奴あんな可愛い子と……!」

「妹、本当にブラコンなんだ……」

「「ん?」」

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 10:07:00.58 ID:4Fddy5FkO
―喫茶店―

兄「店を見て回るだけでも結構疲れるもんだなぁ……」

妹「セール前の下見は大切なんだよ?」

兄「はは……良い傾向だな」

妹「……うん。もう身の丈以上に背伸びしないって決めたんだ」

兄「ぐへへっ。これもブラコン宣言のおかげですかなぁ?」

妹「うんっ」

兄「あれ?」

妹「なに?」

兄「い、いや。何でもない……」

162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 10:13:20.16 ID:4Fddy5FkO
兄「あの、妹さん。一つ聞いて良いかな」

妹「むうぅ。さん何て付けるならダメっ」プクーッ

兄「あ、ああ、ごめん。じゃあ改めて妹。一つ聞いて良いか?」

妹「なに、お兄ちゃん?」ニコニコ

兄「妹はブラコンなの?」

妹「うんっ」

兄「あ……そうですか……」

兄(え、冗談でも友達遠ざける口実でもなくて真性? これってやばくね?)

165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/29(日) 10:20:39.80 ID:4Fddy5FkO
妹「お兄ちゃんっ」

兄「お、おう」

妹「お兄ちゃんは私の事、大好きなんだよね?」

兄「ああ。大好きだぞ」

妹「私もね、お兄ちゃんが大好きになっちゃったよ!」チュッ

兄「ほぅあ!?」

妹「末長く宜しくね、お兄ちゃんっ」

兄「おうふ……」

兄(どこで道を誤った……)



おわりんぐ