1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:02:49 ID:KCRquHqI
第1話 -はじめてのさばげー-

友「あっ冷たァい!!」キャッキャ

男「踊れぇ!!」キャッキャ

通行人A「おい、あれ見てみろよ」

通行人B「えっ?・・・うわぁ、男同士で水鉄砲掛け合ってる・・・」

通行人A「ホ かな?」

通行人B「冬なのに・・・」 




2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:03:28 ID:KCRquHqI
友「寒い死んじゃう」グッショリ

男「マジ唇パープル」

友「風邪ひいちゃうヤバイヤバイ・・・」ブルブル

男「楽しかったね!!」

友「帰ろう・・・帰ろう・・・」ガチガチ 


3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:07:20 ID:KCRquHqI
・・・

男「やっぱりこの時期に水鉄砲戦は無茶だったね」

友「緩やかな自殺と言っても過言ではなかった。楽しかったけど」

男「お前最後のほう顔から湯気出ててワロタ」

友「動いてるうちはいいんだけど、じっとしてると死者が出るねアレは。あぁコーンポタージュうめぇ」

男「やっぱりエアガン買おうぜ」 

4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:08:59 ID:KCRquHqI
友「うーん、エアガンか。確かに興味はあるけどなぁ・・・」

男「ほら、ハンドガンだったら3000円くらいで買えるぜ」ホラホラ

友「へー、思ったより安いんだな」

男「1挺くらい買ってもいいじゃん(いいじゃん)」

友「ま、3000円くらいならいいか・・・」

男「ほいじゃポチー」 

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:09:36 ID:KCRquHqI
数日後・・・

男「入手したぜ」

友「思ったよりもリアルだー。なんか結構重量感あるし」

男「よし、早速撃ってみよう」

友「じゃ梱包されてた段ボール立てて、と・・・」 

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:12:43 ID:KCRquHqI
<ガシャコッ、ポンッ!!

友「おー、結構まっすぐ飛ぶなー」

男「エアコキのハンドガン撃つのなんて何年ぶりだろう」

友「エアコキ?」

男「エアーコッキング略してエアコキ。ほら、撃つ前にこうやってスライドを後ろにガチャってやるじゃん?」

友「うん」

男「これがコッキング。こうやって中のポンプに空気入れて、その力でBB弾撃つわけ」 

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:21:34 ID:KCRquHqI
友「ふーん・・・それにしても、空気の力だけで良くこれだけ飛ぶよなぁ」

男「18歳以上向けなら20~30mくらいは飛ぶね・・・あとこれはホップアップっていって、弾撃つ前に上向きの回転をかけて飛距離伸ばす機構が付いてる」

友「とりあえず、エアガンが手に入ったことだし早速バトルしに行こうぜ!!」ワクワク

男「あーちょっと待って・・・はいこれ」

友「ゴーグル?」 

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:22:11 ID:KCRquHqI
男「掛けとかないと危ないからね」

友「まぁ確かに・・・ってこれ、どう見ても水泳用のゴーグルなんですが」

男「さっき至近距離でBB弾撃ちこんでも割れなかったしへーきへーき」

友「真冬にハンドガン持って水泳用ゴーグルかけてるとか不審者度高っけー」

男「さぁ行くざますよ」 

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:24:23 ID:KCRquHqI
・・・

友「なにここ」

男「山」

友「知ってる」

男「いやだってさすがに玩具とはいえ街中でエアガンぶっ放してたら通報待ったなしだよ」

友「それはそうだろうけど」 

10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:26:30 ID:KCRquHqI
男「心配するな。この辺はウチの持ち物だから」

友「ブルジョアG!!」

男「そう思うじゃん?でも市街地から離れてて利用価値がないんで買い手つかないの」

友「ダメみたいですね・・・」

男「昔はここで米とか椎茸作ってたんだけど。じいちゃん死んでからは野ざらしよ野ざらし」

友「思いのほか悲しいエピソード引きだしちゃってごめん」

男「よし、じゃあ早速始めようぜ!!」 

11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:27:41 ID:KCRquHqI
<ポンッ!

<ガチャスコ

<ポンッ!

<ガチャスコ

<ポンッ!!

<イタァイ!! 

12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:28:26 ID:KCRquHqI
・・・

友「お前顔は止めろよ顔は・・・」ヒリヒリ

男「そう言ったって、身体は隠れてるしどうしたって顔に集中するだろ」

友「正直エアガンの威力なめてたわ・・・あぁちょっと腫れてる」

男「歯に当たると折れることもあるし、ネックウォーマーとかで顔を覆っておくとイイネ!!」

友「息苦しいけど我慢するしかないか」モゴモゴ

男「じゃ、もう一回やろ」 

15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:31:37 ID:KCRquHqI
・・・

友「お前顔は止めろよ顔は・・・」ヒリヒリ

男「そう言ったって、身体は隠れてるしどうしたって顔に集中するだろ」

友「正直エアガンの威力なめてたわ・・・あぁちょっと腫れてる」

男「歯に当たると折れることもあるし、ネックウォーマーとかで顔を覆っておくとイイネ」

友「息苦しいけど我慢するしかないか」モゴモゴ

男「じゃ、もう一回やろ」 

16 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:32:48 ID:KCRquHqI
<ポンッ!

<ガチャスコ

<ポンッ!

<ハァハァ…マエガミエネェ…

<ポンッ!!

<イタァイ!! 

17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:33:26 ID:KCRquHqI
・・・

友「このゴーグル、めっちゃ曇るよ!!」モワー

男「そりゃまあ気温が低いし、これだけ動き回ればねぇ」

友「もう全然前見えない。ゴーグル外していい?」

男「ダメだよ何かあったら俺が過失傷害の罪に問われちゃうもの」

友「仕方ねぇ、たまに拭くか・・・」 

18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:34:53 ID:KCRquHqI
・・・

男「いやー楽しかった!」

友「大変痛かったですね・・・俺ばっか当てられて全然勝負にならないし・・・」ヒリヒリ

男「だってお前隠れるの下手なんだもん。構えるのも遅いし隙ありまくりだす」

友「いやー、地べたに寝そべるのって結構抵抗があるし」

男「いやそれなら木の陰とかから撃てばいいのに。お前丸だしなうえに銃構えるとき仁王立ちじゃん。どこの覇王だよ」

友「むむむ・・・」 

19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:36:35 ID:KCRquHqI
男「でも楽しかったな。ちょっと本格的にやりたくなってくるよなサバゲー」

友「確かにもうちょっと人数がいればもっと楽しいだろうな」

男「本格的にやるなら、ゲームで使えるようなちゃんとした奴が欲しいな」

友「ああいうのっていくら位するんですかね・・・」

男「よーし、ちょっと帰って調べてみよ」 

20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:37:17 ID:KCRquHqI
・・・

男「色々調べてみた結果、サバゲーに使えるような銃は3万くらいからが相場みたいですね!!」

友「高ァい!!」

男「まぁしょうがないね。電動のバッテリー積んで連射できるようなのが主流だから」

友「なにこれかっこいい」

男「MP5っていうドイツのサブマシンガンですね」 

21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:38:07 ID:KCRquHqI
友「すごいな。これに比べたら俺達のハンドガンなんてまるで玩具だ」

男「いやこれも玩具なんですが」

友「うーん、興味はあるけど3万は簡単に手を出せないなぁ・・・」

男「・・・」スッ

友「ん、あ、あれ?男、どこ行くんだ?」 

22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:39:00 ID:KCRquHqI
<prrrrr...

<モシモシ、オレダ

<レイノブツヲ・・・

<ソウ、アラタナエモノヲミツケタ・・・

<タノンダゾ・・・ピッ 

23 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:39:30 ID:KCRquHqI
男「あ、じゃあさ!買う前にまず試し撃ちとかしてみたくない?」ニッコリ

友「ちょっと待って今新たな獲物がどうとかって・・・」

男「俺の後輩にさ、電動ガン何挺か持ってる奴がいるんだよ」

友「待てって」

男「お前の事話したらすぐに持ってくるって」

友「人の話きこうず」 

24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:40:07 ID:KCRquHqI
<ピンポーン

男「あ、来た」

友「早ぇよ!!」ビクッ

後輩「先輩!持ってきましたよ!!」

男「おー、ありがとー」

友「えぇ・・・」(困惑) 

25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:41:08 ID:KCRquHqI
後輩「あ、初めまして~」

友「は、初めまして」

男「何持ってきたー?」

後輩「えぇと、MP5とAK-102にM93Rでしょー、それから・・・」ドサドサ

友「えぇ・・・」(困惑)

26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:41:55 ID:KCRquHqI
男「じゃ、ほら。早速撃たせてもらえよ」

後輩「どうぞどうぞ!!」

友「えぇ、いや、あの・・・」

男「遠慮するなよ」ニッコリ

後輩「ほらほらほらほら・・・」ニッコリ

友「二人ともなんでそんなに食い気味なのなんか恐い・・・」ガクブル 

27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:42:35 ID:KCRquHqI
・・・

<タタタタタタタ!!

友「ヴォースゲー!!」

男「どうよ?」

友「ヤバイ何これ・・・今ので超欲しくなった・・・」

後輩「これ持って、皆で撃ちあいするんですよぉ~楽しいですよぉ~」

友「むむむ」 

28 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:43:19 ID:KCRquHqI
男「な?電動ガンいいだろ~」

友「うん・・・なんていうか、見た目もリアルだし買っただけで所有欲が満たされそう・・・」

男「ほらもう買っちゃえよほらほら・・・」

友「で、でも3万円かぁ・・・それに、さっきも言ってたけどバッテリーとかもいるんだろ?」

後輩「あ、このMP5で良ければ格安でお譲りしますよ!!」

友「えっ」 

29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:44:28 ID:KCRquHqI
男「おぉそうだな、それがいい」ニッコリ

後輩「最初は何を買えばいいのか分かりませんもんね!今なら銃本体とバッテリー・充電器に予備マガジンまで含めて何とお値段15,800円!!」ニッコリ

友「えっ」

男「買おうよぉ・・・」ホラホラ

後輩「買いましょうよぉ・・・」ホラホラ

友「あ・・・アンタたち端っからこれが狙いだったのね!!」ガクガク 

30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:46:11 ID:KCRquHqI
後輩「いや、でも本当にお買い得なんですよ?バレルとか交換してありますし、かといってそこまで使い込んでるわけじゃないし」

友「は、はぁ・・・」

男「まー本当ならさっき言った通り3万くらいするからなぁー」

友「いやでもコレ・・・売り方がまんま悪徳商法じゃん!!」

男「チッ」

後輩「チッ」 

31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:47:17 ID:KCRquHqI
男「・・・ま、確かにいきなり買えって言われても困るわな」

後輩「それに最初は自分が気に入った銃を買うのが一番ですからね~」

友「は、はぁ・・・」

男「これ買うかどうかはおいといて。どう?ちょっとサバゲーやってみたりしたくなくなくなくない?」

友「いや別にそれ自体は吝かではないんだけどね」 

32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:47:59 ID:KCRquHqI
後輩「あ、それなら、今度友さんもいっしょに定例会行きましょうよ~」

友「低霊界?」

男「自由参加型のサバゲー大会みたいなもんだよゴーグルとか銃とか一式借りられる所も多いし」

友「へー、そんなのあるんだ」

後輩「サバゲー仲間増やしたいんですよぉ~」 

33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:49:17 ID:KCRquHqI
男「まぁいきなり定例会に誘うのもなんだし、1回そのMP5貸してやって俺達だけでやってみない?」

後輩「あ、いいですね!!」

友「な、なんだかまんまと嵌められた気がするなぁ・・・ま、いいか」

後輩「いつやります?」

男「んーこれから行くかぁ」

友「今帰ってきたばっかりだろ!日を改めようよ!!」 

34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:51:29 ID:KCRquHqI
数日後・・・

男「ふぃー、どっこいせ」ドサッ

友「何入ってんのそれ?」

男「ん?俺のエアガン」

友「え・・・何かバッグでかくね?」

男「だって電動だもん」

友「えっ」 

35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:54:47 ID:KCRquHqI

後輩「わー、先輩のM14久しぶりに見たなぁー、よしよし」ナデナデ

男「お前俺の銃を慈しむように撫でるのやめろ、 変 っぽいから」ドンビキ

友「お、お前電動ガン持ってたの?」

男「え?うん」

友「なんでや!こないだ一緒にハンドガン買うたやろ!!」 

36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:55:40 ID:KCRquHqI
男「だってさぁ・・・いきなり電動ガン買おうぜなんて言っても、お前まず買わないだろ?」

友「そ、そりゃまぁ・・・」

男「もっといえば、水鉄砲の件が無ければあのエアコキハンドガンだって怪しかっただろ?」

友「う、うん」

男「こないだからお前にFPS→水鉄砲→エアコキとやらせてたのも、実はこのための布石だから」

友「やっぱり俺嵌められてるじゃないですかやだー!!」 

37 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:56:34 ID:KCRquHqI
後輩「まぁまぁ友さん。本当、1回やったら病みつきになりますから~」

友「それはそうかもしれないけどさ・・・ていうか、こないだ撃たせてもらった時点でかなり欲しくなっちゃってるし」

男「まずは身内だけでゲームしてみようぜ。ほら、今日はちゃんとしたゴーグルつけなさい」ハイコレ

友「はい」

後輩「こっちも準備OKです」シュコー

友「ベイダー卿かな?」ビクッ 

38 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:57:09 ID:KCRquHqI
男「実際電動ガンの弾があたると結構痛いからな。こないだのエアコキハンドガンの倍くらいの威力あるし」

友「こないだのでもかなり痛かったんですが」

男「だからこういうフェイスガードとセットになってるフルフェイスのマスクつけておくと怪我が防げてイイネ」

友「で、でも見た目がちょっとなぁ・・・」

後輩「いややっぱり顔に当たって跡になったり痛い思いするの嫌ですからね。特に冬は」 

39 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:57:51 ID:KCRquHqI
男「じゃ、とりあえず時間決めないで最後の一人になるまでやろっか」

友「デスマッチやでぇ~」

後輩「じゃ、今から1分後にスタートで」

男「おー」

友「やべぇーテンションあがってきた!」ワクワク 

40 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 13:59:56 ID:KCRquHqI
1分後・・・

友(ん、1分経ったな)

友(・・・って、よく考えたらあの二人サバゲー経験者なんだよな・・・これじゃあ俺カモじゃねえか?)

友(とりあえず、始めのうちは見つからないように隠れて様子を見るか・・・)

<タタタタタタタ…

<イヤーー!! 

41 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:00:30 ID:KCRquHqI
友(おー、やってるやってる)

友(ん・・・後輩ちゃんがこっちのほう走ってくるな・・・)

後輩「はぁーっ!はっ、はあっ!ゲホゲホッ、ケヒュッ・・・」ゴホゴホ

友(えぇ・・・開始数秒で既に虫の息じゃないですか・・・)

後輩「はぁっ、はぁーっ・・・ふぅ・・・」ガサゴソ

友(あれ、藪の中から男狙ってんのかな・・・ていうかこっちから丸見えだし・・・) 

42 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:01:05 ID:KCRquHqI
<タタタタタ

後輩「のわあ!!ヒ、ヒットです~!!」

友「やったぜ」

<タタッ

友「痛ァイ!!」

男「成し遂げたぜ」 

43 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:01:46 ID:KCRquHqI
・・・

友「いやぁ~、こないだは男相手にほとんどヒット取れなかったけど今日はついてるぜ。ビギナーズラックってやつかな」

男「どうだ?(電動ガンが)欲しくなつただらう」

友「あぁ~かなりキテますねぇー、これ本当貯金はたいて買っちゃうか・・・も・・・ってどうしたの後輩ちゃん」

後輩「あ、いいんです私・・・土とか食べて生きていきますんで・・・」ドヨーン

友「えぇ・・・」(困惑)

男「コイツ銃たくさん持ってるくせにサバゲーは鼻水出るくらい弱いんだよ」 

44 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:02:22 ID:KCRquHqI
後輩「なかなか好きこそものの上手なれとはいきませんねぇ・・・」ションボリ

友「まぁ女の子だしねぇ」

男「定例会いくと女の子でもバリバリヒットとってる猛者普通にいるけどな」

友「ララ・クロフトかな?」

後輩「も、もう一回やりましょう!!」 

45 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:03:09 ID:KCRquHqI
<タタタタタタッ

後輩「ヒ、ヒット!!」

<タッ

後輩「ヒット・・・!」

<タッタタタッタタタ…

後輩「ヒットですぅ・・・」エグエグ

友「弱すぎィ!!」 

46 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:03:43 ID:KCRquHqI
男「お前一撃必殺にこだわりすぎなんじゃない?構えてから撃つまでに5秒くらいかかってるし」

後輩「だって当たらなければ意味ないじゃないですか!!」

男「その前に当てられてちゃ意味ないでしょ」

後輩「うぅ~」

友「てか、お前のエアガンえらい当たるな。なにそれスナイパーライフル?」 

47 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:04:34 ID:KCRquHqI
男「いやーただ長いだけの普通の銃だよ。エアガンなんてどれも飛距離はそう変わらないし」

後輩「いやでもこの銃は割と命中率が高いんですよ。銃身が長くて初速も集弾率も高いし、箱出しでそのまま使える銃ですね!!」

友「は、はぁ・・・」

男「コイツ、こういうスペックとか内部の構造には詳しいんだけどねー・・・なんていうか、頭でっかち仮分数」

後輩「ひどい」 

48 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:05:06 ID:KCRquHqI
・・・

男「ぼちぼち暗くなるし帰るかー」

後輩「も、もう1ゲーム・・・」ゼェハァ

友「後輩ちゃん大丈夫?なんか手足プルプルしてるけど・・・」

後輩「だ、だって私だけまだヒットとってないんですよっ!このままでは終われませぬ!!」

友「お侍かな?」

男「じゃーあと1回だけな。あともう俺はエアコキに持ち変えるわ」

後輩「舐めプ悔しいです!!」プンスカピー 

49 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:05:50 ID:KCRquHqI
友(んー、俺も結構疲れたなぁ・・・こりゃ明日は筋肉痛だな)ノソノソ

<タタタタタタ

友「うお!?ヒット!!」

後輩「やったー!!」

<ガチャスコ

<ポンッ!

後輩「あぁぁぁーーー!?」ヒット

男「はいゲーム終了ー帰りますよー」 

50 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:06:27 ID:KCRquHqI
・・・

友「いやー、今日は疲れたね。楽しかったけど」

男「帰ったらストレッチして風呂で筋肉揉みに揉んどきなさいよ。でないと明日地獄をご覧いただくことになりますわよ」

友「なにそのエセお嬢様口調・・・ん?」

後輩「・・・、ホップチャンバー交換して・・・バレルを・・・」ブツブツ

友(う、うわぁ・・・)

男「君はまず銃を強化する前にスキルを強化しようね」 

51 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:07:07 ID:KCRquHqI
友「いやーでも、本当に俺も買っちゃおうかな。電動ガン」

男「買っちゃえ買っちゃえ!!」

後輩「今ならさらにバイオ弾もオマケしますよ!!」

友「い、いや・・・他にどんなのがあるかもっと見てみたいし・・・」

男「そりゃそうだ。今日帰ったらアマゾンとか見てみるといいんじゃない?」

友「うん、そうするよ」 

52 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:07:46 ID:KCRquHqI
後輩「あ、友さん友さん」

友「ん?」

後輩「メルアド交換しましょう。何買うか決めたらぜひ教えてください!」

友「え?あぁ、うん」

後輩「エアガンで困ったことがあったらいつでも聞いてくださいね!!」

友「おー頼もしいね」 

53 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:08:19 ID:KCRquHqI
後輩「あとはどんな銃がいいかとか・・・」

友「うん」

後輩「一緒に買った方が良い用品とかとか・・・」

友「う、うん」

後輩「あとは購入後の調整とかとかとか・・・・」

友「・・・」

男「その辺にしとけって。友困ってるぞ」 

54 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:08:54 ID:KCRquHqI
後輩「あ、ごめんなさい・・・」

友「まぁ、まずは色々見てからかな。何か分からないことがあったらメールするね」

後輩「はい!」

男「まー東京マルイの製品なら間違いはないだろ」

後輩「ですね~」

友「東京マルイね。帰ったらサイト見てみるよ。ありがと」

第1話 おわり 

56 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:28:49 ID:KCRquHqI
第2話 -はじめてのえあがん-

友(へー、色々あるもんだなぁ・・・)ポチポチ

友(・・・とりあえず、貯金をかき集めたら35,000円はあったけど)

友(定価のほとんどが4万とか5万だもんなぁ・・・しかもバッテリーは別売りときたもんだ)

友(お、これ自衛隊の銃なんだ・・・げ、5万もすんの!?・・・無理無理!) 

57 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:30:13 ID:KCRquHqI
友「はー、やっぱり後輩ちゃんのMP5ってやつ買うのが一番いいのかな~」

友「今日使っててそんなに不便は感じなかったし・・・そういや、ちょっといじってあるみたいなこと言ってたなぁ・・・」

友「でもなぁ・・・FPSをやってた身としてはやっぱスナイパーとか憧れるよなぁ」

友「電動エアガン以外のはいくらぐらいするんだろ・・・ん?」 

58 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:31:23 ID:KCRquHqI
友「へー、エアーコッキングでもハンドガンじゃないのがあるんだ」

友「え?なにこれ、VSR-10・・・うお!スナイパーライフルじゃん!!しかもあの映画とかでよく見る横の棒引っ張るやつ!!」 ※ボルトアクション

友「しかも・・・電動ガンより安い!!これや!!」ポチー

友「あれ、でもこれスコープついてくんのかな・・・?」

友「・・・」ウーム 

59 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:32:11 ID:KCRquHqI
翌日。

後輩「い、嫌ぁ・・・そこは触らないで・・・」

男「へっへっへ・・・口は嫌がってても身体は正直じゃねえか」ツンツン

後輩「あっ、あああああっ!!」ビキビキビキーン

男「お前昨日帰ってからストレッチしなかっただろ」

後輩「だって・・・あの後銃のメンテしてたらもう夜になっちゃって・・・」←筋肉痛 

60 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:32:43 ID:KCRquHqI
<♪~

男「ん?携帯鳴ってるぞ」

後輩「あ、友さんだ・・・えーとなになに・・・」

『VSR-10っての買ったんだけど、これってスコープとかどうやってつけるのかな?教えて下さい』

後輩(アカン)

男(アカン) 

61 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:33:34 ID:KCRquHqI
・・・

友「よー、モノがデカくて持ってくるのが大変だったぜ~・・・って、どうしたの?」

男「い、いやなんでも・・・あぁ・・・VSRだね・・・本当に買っちゃったんだね・・・」

友「え?」

後輩「と、とりあえず中見せてくださいよっ!」

友「うん、待ってねー」ガサゴソ

男(なんでや・・・なんで電動にしなかったんや・・・) 

62 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:34:23 ID:KCRquHqI

友「はいこれ!」

後輩「おー、ボルトアクションですねー・・・あ、スコープは?」

友「えっとね、はいこれ」

後輩「・・・マウントベースとマウントリング、って・・・ないですよね」

友「何それ?」

男「おぉ、もう・・・」 

63 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:35:07 ID:KCRquHqI
後輩「ほら、ここのところにあるスコープを付ける台座の部品ですよ~」

友「へー・・・これは買ってないなぁ」

後輩「うーん、マウントリングは私いくつか持ってますけど、VSR用のマウントベースは買わないとですね~」

友「そっか。俺もこれだけでどうやってつけるんだろうと思ったよ」アハハ 

64 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:35:45 ID:KCRquHqI
男「友よ・・・」ポンッ

友「お、おう?」

男「あえて茨の道を進もうとするお前に、俺は何の言葉もかけてやれない・・・」

友「な、何が?」

男「すまぬ・・・すまぬ・・・」

友「なんで謝るんだよ!やめろよ!!」ビクビク 

65 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:37:39 ID:KCRquHqI
男「前にも言ったと思うけど、エアガンって何選んでもそんなに飛距離変わらなくてね」

友「そういや言ってたね」

男「1J規制ってのがあって、威力が高すぎると銃刀法違反になっちゃうのよ」

友「へー」

後輩「だから、私がカスタムするときも規制値以下になるようにしてますね~」

友「そうなんだ」 

66 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:38:24 ID:KCRquHqI
男「そうすると、スナイパーの最大の強みである長距離狙撃ができないの」

友「うん。まぁ何とかなるっしょ!」

男(ならないんだよなぁ・・・)

後輩(ならないんですよねぇ・・・)

男「この間はMP5使ってたから気にならなかったと思うけど・・・まあいいやとにかくスコープ乗せたら一緒に山へ行こうね明日はホームランだ!!」

友「は、はぁ・・・?」

後輩「と、とりあえずマウントベースポチりますねー」ポチー 

67 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:39:01 ID:KCRquHqI
数日後。

<カーン!!

友「すげー!あんな遠くの空き缶も一発だぜ!!」ヒューッ

男「良かったね、本当に良かったね」(暖かい目)

後輩「うんうん、今度私にも撃たせてくださいね」(暖かい目)

友「コイツと一緒なら負ける気がしねぇ!!」 

68 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:39:40 ID:KCRquHqI
・・・

友「電動ガンには勝てなかったよ・・・」(xxx目)

男「我々の業界ではスナイパーライフルって漢のロマン武器だからね・・・」

後輩「いや、でもすごいカッコいいですよ!もっと使って欲しいですね!!」

友「そうだね。俺がこれ使ってれば後輩ちゃんでもヒットとれるもんね・・・」

後輩「ち、違いますよぉ!!本当にカッコいいから勧めてるんですって!!」

男「俺もカッコは最高にいいと思うよ。でもお座敷シューティングはともかく、普通のゲームで使いこなせる自信はないけど・・・」 ※お座敷シューティング=室内で的当てして遊ぶやつ 

69 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:40:30 ID:KCRquHqI
友「連射できないのがこんなに辛いとは思わなかった・・・」

後輩「一発外して場所がばれると致命的ですからねぇ」

友「おまけに長いから走る時邪魔だし、構えにくいし、あちこち引っかかるし・・・」

男「FPSとかやってると取り回しの概念って忘れがちだからねぇ。アイツら疲れないし、構え方もプロだし」

友「あーあ・・・早まったかなぁ」 

70 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:41:15 ID:KCRquHqI
男「だから電動にしろ言ったデスヨ」

友「うん、正直何も考えてなかったよ・・・ただ安くて、カッコよかったから」

後輩「そのプロスナイパーだと、15,000円くらいですか?」

友「それくらい・・・あとスコープとか色々買ったから全部で25,000円くらいかかったかな・・・」

男「まぁでも、使いこなせれば最高にクールな武器だから。定例会とかでもギリー着込んで使ってる人いるし」 

71 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:42:07 ID:KCRquHqI
友「ギリー?」

後輩「草木に隠れられるように作られた擬装用の服ですね。緑色のムックみたいな」

友「へー、こんなのあるんだ・・・」

男「極めた人がこれ着て完全に偽装してると本当分からないからな。俺気付かないで踏んだことあるもん」

友「えぇ・・・」(困惑) 

72 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:42:59 ID:KCRquHqI
後輩「それにエアーコッキングは電動やガスみたいにパワーリソースがいらないからランニングコストも安いし、季節に関係なく安定して撃てるっていう利点もありますよ!」

友「なるほど」

男「確かに初速と命中率だけならそのVSRは電動ガンと同等以上だし。マジでスナイパー極めてみたら?」

友「確かにロマン武器だなぁ・・・でも、それを聞いたらオラちょっとわくわくしてきたぞ!」

後輩「その意気ですっ!」ヒュー

男「やっぱ生まれながらのドMは違うぜ!素敵抱いて!!」ヒューヒュー

友「おい」 

73 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:43:36 ID:KCRquHqI
男「とはいっても、そういう人たちでも結構サイドアーム(副武器)に電動ハンドガンとか持ってるから、いつかはそういうの買うといいかもね」

友「電動ハンドガンかぁ」

後輩「この間私が持ってきたM93Rみたいなやつですねー」

友「あー、あれか。結構かっこよかったなぁそういや」

男「あとはまぁ、やっぱサブマシンガンとかアサルトライフル1挺持ってると、いろんな遊び方ができていいね」

後輩「あ、MP5ありますよMP5!!」

友「な、なんで後輩ちゃんはそんなにあの銃売りたがってるの?」 

74 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:44:22 ID:KCRquHqI
後輩「いやぁ、実はアレを売ったお金で海外製のUMPを買おうと思って!」

友「へー」

男「まぁお前なら中身弄れるし、国産以外の選択肢もあるわな」 ※海外製は精度が低い場合があるため

後輩「で、ちょうどそれが15,000円くらいなんですよね~」チラッチラッ

友「そういうことか・・・」

男「でもホントあれは破格の値段だけどね。普通なら3万以上するセットだし、しかもカスタムされてるし」 

75 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:45:16 ID:KCRquHqI
後輩「ま~、一度分解しちゃったんで保証が効かない分と、これからサバゲー仲間になってくれるならその分のサービスも含めてってことで!」

男「何なら俺に売ってくれよー。バッテリーと充電器はいらないからさ」

後輩「えぇ~?先輩に売るなら本体だけでも1万上乗せですね!」キリッ

男「何それひでぇ」

友「ははは」 


76 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:45:48 ID:KCRquHqI
後輩「なので、もし欲しくなったらいつでも言ってくださいね!」

友「うん。とりあえず今この銃買った余りが1万あるから、もうちょっとお金貯めて・・・」

後輩「あ、分割でもいいですよ!?何ならすぐにお渡しできますし!!」

友「えっ」

男「なんかえらく必死だな・・・あっ、もしかして」 

77 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:46:20 ID:KCRquHqI
後輩「ぎくっ」

男「お前、もうUMP買っちゃったんだろ?」

後輩「ぎくぎくっ」

男「で、その分今月の家賃が足りない・・・とか?」

後輩「や、やだなぁ・・・そんなわけ、ないじゃないですか・・・あはは」ダラダラ

友「後輩ちゃん目が泳ぎまくってるよ」 

78 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:46:59 ID:KCRquHqI
男「まったく・・・たしか先々月くらいにもそんな感じで俺に金借りに来ただろ」

後輩「すみませぬ・・・」

友「お侍かな?」

男「あくまでも趣味なんだから、お小遣いの範囲で楽しみなさいっていつも言ってるでしょ!」

後輩「はい・・・」

友「お母さんかな?」 

79 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:48:09 ID:KCRquHqI
後輩「すみません・・・在庫数残り1個で・・・次回入荷も未定で・・・急いで買わなきゃって・・・」エグエグ

友「ま、まぁそういうことなら・・・この1万円を手付金に、譲ってもらおう、かな?」

後輩「救世主<メシア>ァァッ!!」ガシッ

友「あのゴーグルとかしたまま抱き着かないで固いとこ当たって超痛い」ガツンゴツン

男「当ててんのよ」 

80 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 14:48:42 ID:KCRquHqI
後輩「あぁぁ・・・これで今月の家賃が払える・・・よかった・・・」キラキラ

男「ちゃんと友くんにお礼言っときなさいよ!」

友「いや俺のほうこそスコープ乗せてもらったり色々してもらったし・・・ありがとね」

後輩「こちらこそ!これからもメンテなどの御用命がございましたらお気軽にご相談ください!!」キリッ

友「職人かな?」

男「コイツの場合ガンスミスっていうよりただのガンジャンキーな気がする」

第2話 おわり 

81 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:45:39 ID:KCRquHqI
第3話 -はじめてのそうび-

友「そういや、前に言ってた定例会?だけど」

男「うん」

友「あれって、エアガンだけ持っていけばいいの?」

男「まぁ最悪、初心者が手ぶらで言ってもゴーグルや銃は貸してくれるから大丈夫っちゃ大丈夫だけど・・・」

友「お前と後輩ちゃんが一緒に行ってくれるなら、俺も行ってみようかなって」 

82 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:46:22 ID:KCRquHqI
男「行くなら一応、ブーツとか買った方がいいかも」

友「はぁ」

男「一応山の中走り回るわけだし、足元はしっかりガードしといたほうがいいよ。って、こないだは思いっきりスニーカーだったけどさ」

友「ブーツねぇ・・・山で履きつぶせるようなのは持ってないなぁ」

男「安いので良ければ3000円くらいでも売ってるけど・・・まぁ足首あたりまで隠れてればトレッキングシューズとかでも大丈夫だよ」 

83 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:46:55 ID:KCRquHqI
友「長靴とかでもいい?」

男「大丈夫だと思うけど、ガッポガッポして走りにくそうだなぁ」

友「うーん、じゃあちょっとブーツも探してみようかな」

男「あとは、手袋と膝パッドもあったほうが良いね。怪我しないように」

友「確かにこないだ山でやった時、地面に手足つくと結構痛かったもんなぁ」 

84 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:47:46 ID:KCRquHqI
男「あとはゴーグル・・・だけど、これはまぁ、こだわりが無ければフィールドで借りてもいいし」

友「こないだお前に貰った奴、あれ走ってると曇るんだよなぁ」

男「やっぱり汗かいてくるとどうしてもレンズ曇るからね。それに、結構前に買ったやつだしあれ」

友「曇ると全然楽しくないからなぁ」

男「ゴーグルは割と金かけたほうがいいかも。中には排気用のファンが付いたようなのも売ってるし」

友「そんなんあるんだ・・・」 

85 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:48:20 ID:KCRquHqI
男「まぁどうしたって、レンズゴーグルにとって曇りは宿命よ」

友「曇らないゴーグルってないんですかね・・・」

男「一応メッシュゴーグルっていって、レンズ部分が金属製の網みたいになってるやつもあるよ」

友「ほほう。これなら確かに曇らないな」 

86 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:49:00 ID:KCRquHqI
男「だけど、割れたBB弾のかけらが金網の隙間から飛び込んでくる場合があるってんで、中にはこれをNGとしてるフィールドもあるみたいね」

友「むむう」

男「あと、レンズに比べてどうしても視界が暗くなるし、スコープとか覗くときに金網部分が邪魔になるっていうデメリットもあるね」

友「一長一短だなぁ」

男「曇り止め塗りなおしてやるから、あのゴーグルそのまま使うかフィールドの奴借りたら?」

友「そうするか・・・」 

87 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:49:32 ID:KCRquHqI
男「あとは服装だけど・・・動きやすくて汚れてもいい格好なら何でもいいよ」

友「ジャージとかでもいいの?」

男「もうちょっと厚手の方がいいかもな・・・ま、こないだ山でやった時みたいな格好でへーきへーき」

友「なるほど・・・なんか、サバゲーマニアの集いってイメージがあったから、迷彩服とか着なきゃいけないのかと思ったけど」

男「まーそういう人も多いよ。最近じゃ、迷彩服もフィールドで貸出してるとこ多いね」

友「へー」

<ピンポーン 

88 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:50:21 ID:KCRquHqI
後輩「こんばんはぁ」

友「あ、後輩ちゃんこんばんは」

男「UMPの調整済んだの?」

後輩「はい、バッチリです!!」

友「へー、見せて見せて」 

89 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:50:59 ID:KCRquHqI
後輩「ほら、これ!」

友「おー、かっこいいね」

男「今度はどこ弄ったんだ?」

後輩「えーとですね!今回はとりあえずメカボ開けてから内部洗浄してグリスアップしたあとモーター変えてセクターカットしてハイサイ化したうえでスプリング変えてチャンバーパッキンとインナーバレル交換して初速と集弾性を・・・」

友「なるほど分からん」

男「まぁ要するに強くなったってこった。コイツにゃ宝の持ち腐れだが」

後輩「ひどい!」 

90 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:51:47 ID:KCRquHqI
男「じゃ、あとは実戦デビューさせるだけか」

後輩「ですね!また皆でやります?」

男「あー、その事なんだけど。どうやら友が定例会にちょっと興味あるらしくて」

後輩「おおっ!いいですね!!」

友「まぁ、折角エアガンも買ったわけだし、部屋で撃ったりいつも同じ面子でやるのももったいないかなって」

男「で、今どんなもの準備しなきゃいけないか話してたとこだ」 

91 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:53:19 ID:KCRquHqI
後輩「へぇー・・・まぁ、ゴーグルと汚れてもいい服装があれば何とかなりますよ!」

友「うん。男もそう言ってた。こないだ山でやってたような服装でいいって」

男「でもこれもまた凝りだすと色々買っちゃうんだよなー。BDUだけじゃなくてチェストリグとか・・・」

後輩「ヘルメットとか、レッグホルスターとか買っちゃいますよね~」アハハ

友「アカンこの二人から何かガチの空気感じる」ガクガク 

92 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:54:19 ID:KCRquHqI
男「あ、参考までに言っとくとBDUってのはお前がさっき言ってたような迷彩服のことな」

後輩「Battle Dress Uniformの略ですね~」

友「あぁーよく自衛隊の人が着てるような奴ね」

後輩「自衛隊の迷彩は優秀ですよぉ~、林の中とかだとすっごい見つけ難いですから!!」

友「こりゃすげぇ」 

93 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:54:57 ID:KCRquHqI
男「安いやつだと4000円くらいで上下セットで買えたりするね・・・まぁ、最初は無理して買わなくてもいいんじゃないか」

友「当然二人は持ってるんですよね」

男「んー夏冬用に1着ずつくらいは・・・」

後輩「あ、私5着ぐらいもってますね」

友「買いすぎィ!!」 

94 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:56:23 ID:KCRquHqI
男「まぁ別に、着てない人もいるから大丈夫だよ」

友「でもお前ら二人はそれ着てくんだろ?やだよ俺だけ浮いちゃうじゃん」

後輩「あ、最近はPMCスタイルっていう、ほぼ私服ベースの格好も流行ってますよ?」

友「PMCスタイル?」

男「民間軍事会社(Private Military Company)の社員風のスタイルだな。シャツとカーゴパンツをベースに、タクティカルベストなんかを羽織るスタイルだ」

95 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:57:20 ID:KCRquHqI
友「タクティカルベストってどんなの?」

後輩「予備のマガジンとか入れるポーチがついたベストのことですね~」

友「へー」

男「これを着るだけでもかなりそれらしくなるけどな・・・どれ、ちょっと俺のヤツ出してみるか」ガサゴソ

男「ほら、こんなの」 

96 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:58:50 ID:KCRquHqI
友「あっ、すげえ。確かにそれっぽい」

後輩「あとはこの足についてるのがレッグホルスターですね。サイドアームのハンドガンなんかは、ここに入れとくんです」

友「レッドロブスター?」

男「レッグロブスターだ」

後輩「レッグホルスターですよ」 

97 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 15:59:42 ID:KCRquHqI
友「へー、でもそれカッコイイな!!ちょっと俺も欲しくなった!!」

後輩「あ、昔使ってたチェストリグとマガジンポーチでよければお譲りしますよ?」

友「ホント?」

男「お前もしかしてまた金が無くなったんじゃ・・・」

後輩「違いますよ!ただあまり似合わなかったんで着けてなかっただけです!!」

友「でもそれ、サイズは大丈夫なの?」 

98 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:00:13 ID:KCRquHqI
後輩「あぁ、ベルトのところで調整すれば全然問題ないですよ!」

男「ああいうのは基本、フリーサイズだから」

友「そっか・・・で、おいくら万円?」

後輩「えーと、そうですね・・・2000円でどうです?」

友「あ、それくらいなら買う買うー」

男「友が着実に後輩の廃品回収業者にされてて悲しい」 

99 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:00:52 ID:KCRquHqI
友「後はレッグロブスターとブーツ、それに手袋か・・・」

男「レッドホルスターだって」

後輩「レッグホルスターです」

友「いくらぐらいかな?」

男「さっきのやつが大体1000円ちょい・・・ブーツはさっきも言ったけど3000円くらい。手袋は軍手とかでも大丈夫だよ」 

100 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:01:31 ID:KCRquHqI
友「迷彩服はちょっと抵抗があるけど、それ以外なら買ってもいいかな。日常生活でも使えるし」

男「レッグホルスター日常生活で使う?」

後輩「レッグホルスターですっ!」

友「いや今のは合ってたよ」

男「まぁ確かにブーツなんかは黒買っとけばミリカジっぽいカンジで着こなせるしね。野良作業するときとかも意外と使えるし」 

101 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:02:10 ID:KCRquHqI
後輩「ミリカジといえば、最近ファション雑誌なんかでシュマグ巻いてる人増えましたね」

友「シュマグ?」

男「アフガンストールっていって、よくあの原理主義的な人たちが顔に巻いてるやつ」

友「そんなファッションモデルみたことねぇよ!!」

後輩「あぁその、あれ以外にも着け方が色々あって・・・最近流行ってるのは首に巻くスタイルですね」

友「ほう?」 

102 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:03:00 ID:KCRquHqI
男「ほら、こんな感じの」

友「あー、確かに見たことあるかも」

後輩「サバゲーなんかでも結構巻いてる人見かけますね」

男「首回り隠せるし、柄によってはいざとなればカモフラージュネット替わりにもできるしな」

友「これどうやって巻いてあんの?」 

103 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:03:51 ID:KCRquHqI
男「まずストールを三角に折って両端を持って・・・」シュッ

友「ふむふむ」

男「両端を首の後ろに回してからまた前にもってきて・・・胸元のよだれかけの下で結ぶ。ね、簡単でしょ?」キュッキュッ

友「よだれかけて」

後輩「そんなに高くないですし、ネックウォーマーよりも蒸れにくくていいですね」 

104 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:04:53 ID:KCRquHqI
友「とりあえず、二人ともありがとう。あとは帰ってからネットでちょっと探してみるよ」

後輩「それがいいですね~」

男「あ、そういやお前らもうメシ食った?」

友「まだ食ってない」

後輩「私も食べてないですね」 

105 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:05:26 ID:KCRquHqI
男「じゃ、これから皆で食いにいくか」

後輩「えっ、おごりですか!?」

友「レッドロブスターですか!?」

男「おごりじゃねえしレッドロブスターでもねえ。ほらいくぞー」 

106 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:06:01 ID:KCRquHqI
・・・

友「そういえばさぁ」

男「ん?」

友「サバゲーって、当たったら自分からヒットって言わなきゃだめじゃん」

男「そうだな」

友「その辺って個人の良心によるわけでしょ?なんか曖昧になりそうだよなー」 

107 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:06:32 ID:KCRquHqI
後輩「実際、当たってもヒットコールしないゾンビやる人もたまにいますね」

男「まぁ、そういう奴は大体分かるから出禁になったりするけどな」

友「へー」

男「トラブルの元にもなるし、その辺はマナー守らないとダメだね。一応大人の遊びなわけだし」

友「でもさぁ。前言ってたギリーだっけ?あんなの着てたら、当たっても気付かないことあるんじゃない?」

後輩「確かに走ってたりすると、バックルとか固いところに当たった時に気付かないこともありますけど」

友「そういう場合ってどうすんの?」 

108 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:07:02 ID:KCRquHqI
男「まぁ、当てるほうは気付いてもらうまで撃つ、当てられる方は疑わしい場合はヒットコールするって心がけるしかないね」

友「なるほどね」

後輩「実際ギリースーツ着てるような人は、周りにBB弾が着弾した段階でヒットコールする人もいるみたいですね」

男「最低限のマナーだからな。大体のフィールドじゃ身体以外にも服や銃に当たって場合もヒット扱いだし」

友「俺も気を付けよう」 

109 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:07:50 ID:KCRquHqI
男「ただ俺の場合、痛いの嫌だから付近に着弾しただけでも心が折れてヒットコールすることあるけどな」

友「チキンじゃん」

男「ゾンビするよりはいいだろ?でもまぁ、チーム戦とかだと戦力が減るわけだから味方にとっては有難くないかもだけど」

友「えぇ・・・そんなことまで気にしないといけないの?」

後輩「大丈夫ですよ!そんな他人に強制するような人はほとんどいませんから!私が保証します!!」

男「うん・・・でも君はもうちょっと頑張ったほうが良いかもしれないね」

後輩「・・・」 

110 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:08:29 ID:KCRquHqI
数日後・・・

友「グローブとブーツ買ったよ!!」

後輩「おぉ~」

男「イイネ」

友「これでバッチリだぜ!!・・・あっ」

男「ん?どした?」 

111 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:09:28 ID:KCRquHqI
友「いや・・・そういや、当日使う弾とかってどうするんだ?」

男「あぁ、それなら俺達が持ち込むから大丈夫だよ」

後輩「足りなくなればフィールドでも買えますしね!」

友「そっか。じゃあ大丈夫かな」

男「前にも言った通り、ある程度手ぶらで行っても大丈夫なくらいだから。万一銃やゴーグルが壊れても借りればいいわけだしね」

友「それってどれくらいすんの?」 

114 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:15:43 ID:KCRquHqI
男「場所にもよるけど大体銃とゴーグルのセットで一日4,5千円くらいかなぁ」

友「ほうほう」

後輩「あとは当日の参加費が3000円くらいと、お弁当頼む場合はプラス500円くらいですね」

友「弁当の注文までとってくれるのか。至れり尽くせりだなぁ」

男「それも場所によるけどね」 

115 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:16:19 ID:KCRquHqI
友「あと他になんか気を付ける事ある?」

男「最低限のマナーが守れてれば問題ないよ。フィールドに入ったら他の参加者に軽く挨拶するとか」

友「ふむふむ」

後輩「あとはセーフティーゾーンじゃ銃を撃たないのと、フィールドに入ったらゴーグルは外さないことですね」

友「分かった」

男「まぁ同じ趣味の人たちが集まるわけだし、そんな緊張しなくてもへーきへーき」 

116 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 16:17:03 ID:KCRquHqI
友「で・・・いつ行く?」

男「そうだなぁ・・・直近の定例会でいうと、ちょうど来週の水曜日にあるけど」

友「来週の水曜か・・・ちょうどバイトも空いてるな」

後輩「じゃあ、来週の水曜日に行きましょう!!」

男「よし、決まりだな」

第3話 おわり 

127 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:03:49 ID:KCRquHqI
第4話 -はじめてのていれいかい <前編>-

友「・・・」Zzz

友「・・・ん・・・んっ?」

男「・・・」ジー

友「うおおおおおおおっ!!!?」ガバッ

男「おはよーございます」(小声)

友「な、なんでいるんだよ!?なんでいるんだよ!?」ドキドキ 

128 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:05:09 ID:KCRquHqI
男「こら静かにせんか・・・近所迷惑だぞ・・・」シー

友「あっすまん・・・じゃなくて!なんで俺の部屋にいるんだよ!?」ヒッソォー

男「今日は定例会に行く日だから朝早く迎えに行くっていったじゃないか」ヒソヒソ

友「そうだった・・・って、俺部屋の鍵渡してないよね!?」

男「さ、歯磨いて顔洗って準備しろよー。準備できたら出るぞー」

友「なんとか言えって!!」 

129 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:05:43 ID:KCRquHqI
・・・

男「準備できたか?」

友「うん・・・って、まだ6時前じゃねえか」ファーア

男「場所が遠いからな。今から電車乗らないと、8:30の受付に間に合わないんだ」

友「あーせめて途中で朝飯買わせてくれぇ・・・」ネムイ 

130 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:06:33 ID:KCRquHqI
後輩「あ、友さんおはようございます!」

友「おはよー・・・今日はよろしくね」

後輩「こちらこそ!」

友「それにしても・・・毎回こんな朝早いの?」

後輩「まぁ大体こんな感じですね~」 

131 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:07:50 ID:KCRquHqI
友「こんな寝不足状態で動き回ったらすぐバテちゃいそうだ・・・車が欲しいねぇ」

後輩「平日はともかく休日は結構混みますからね~、仕方ないです」

友「行きの電車の中で寝ればいいか・・・」

男「ほら行きますよー」

二人「はーい」 

132 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:08:55 ID:KCRquHqI
・・・

友「それにしても、二人とも荷物すごいね」

後輩「まぁ着替えとか入ってますからねぇ」

男「俺の場合は銃だけでもそれなりにデカイからな」

友「俺もあのVSR持ってきてたらそんなんなってたんだろうな・・・」

男「行きはいいんだよ、朝早いから人も少ないし。問題は帰りだ」 

133 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:09:29 ID:KCRquHqI
友「何時くらいに終わるの?」

後輩「一応、抜けるのはいつでも自由ですけど、最後までいると大体16:00か17:00くらいにお開きですね~」

男「ちょうど電車に乗る頃に、通勤通学の方々とバッティングするカンジだ」

友「おおう」

後輩「だから、いつもは終わったらごはんとか食べて遅めの電車で帰ることが多いですねぇ」

男「終わった後に仲良くなった人達とそのまま打ち上げいったりすることもあるね」

友「へー」 

134 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:10:16 ID:KCRquHqI
・・・

男「よーし、ここだ」

友「おぉ・・・平日なのに結構車停まってんな」

後輩「これでも休日に比べると随分少ないですけどね~」

男「ちょうどゲートが開く頃合だな。ぼちぼち準備しとけよー」

友「ほーい」 

135 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:10:51 ID:KCRquHqI
スタッフ「はい、じゃあ初速チェックしまーす」

友「初速チェック?」

男「エアガンの威力がちゃんと規制値以下か事前にあそこでチェックするんだよ」

友「へぇー」

後輩「規制値超えてたら銃刀法違反ですからね~」 

136 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:11:31 ID:KCRquHqI
スタッフ「弾は0.25gですか?」

友「え?」

男「あ、そうです」

スタッフ「はい、じゃあここにセミオートで3回撃ち込んでください」

友「ここですね?」 

137 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:12:09 ID:KCRquHqI
<タン!

スタッフ「84.2m/s」

<タン!

スタッフ「81.7m/s」

<タン!

スタッフ「83.9m/s、はーいOKでーす」 

138 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:13:16 ID:KCRquHqI
男「お前・・・全部80m/s超えてるじゃねえか・・・」ハラハラ

後輩「うちの弾速計よりかなり速く出たんでちょっと焦りました・・・」ドキドキ

友「えっ何そんなヤバかったのこれ」

男「さっき言った規制って、エアガンの弾の威力が1J(正確には0.98j)超えてたらアウトなんだけど、それが0.25gのBB弾の場合だと大体初速87m/sくらいなんだよ」

友「ほほう」

後輩「しかもこのフィールドのルールだと、0.25gの弾の場合初速は85m/sまでですから、1発目とかギリギリでしたね・・・」 

139 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:14:19 ID:KCRquHqI
友「ちなみに規制値超えてたらどうなるの?」

後輩「さっき言った通り、銃刀法違反になりますね・・・」

男「最悪ポリスに連行されちゃいますね・・・」

友「マジかよ怖ぇ・・・」ゾッ

男「だからコイツみたいにエアガン弄るような奴は、絶対弾速計もセットで買わないとダメですね」

後輩「でも弾速計も誤差がありますからねぇ・・・ウチで計った時は70m/s後半だったんですけど・・・」

男「ま、何はともあれチェックも通ったし、ほらマーカー貰って並べ並べー」 

140 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:15:06 ID:KCRquHqI
・・・

スタッフ「・・・えー、最後になりますが当フィールドでは全身HIT制でフリーズコールは認めません。ゾンビ行為や暴言など、迷惑をかける行為があった場合はスタッフまでご連絡下さい」

友「フリーズコール?」

男「よく映画とかであるだろ?相手に気付かれないように後ろに回り込んで『動くな!』って言うやつ」

友「あぁーあれね。やっちゃダメなの?」

男「うん。昔は結構OKのとこも多かったみたいなんだけど、参加者同士のトラブルの元になるってことで最近はダメになってきてる」 

141 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:15:42 ID:KCRquHqI
後輩「そういう場合は、なるべく痛くなさそうなとこにセミオートで一発撃って一声かけるのがいいですね。近くてすいませんでしたとか」

友「なるほどね」

男「あと、意外に当たってるように見えても当たってない場合って多いから、相手がヒットコールしなくてもキレちゃだめだぜ」

友「うん」

後輩「逆に自分が当たったかどうか怪しいときはいっそヒットコールしちゃうといいですね」 

142 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:18:18 ID:KCRquHqI
スタッフ「では、チームに分かれてミーティングを開始してください。第1ゲームは10:00から開始します」

参加者A「今日はよろしくお願いします」

三人「よろしくお願いします」

参加者B「相手の陣地はあの土手の奥にある笹薮のところですね」

参加者A「誰か、アタッカーやりたい人いますか?」 

143 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:19:03 ID:KCRquHqI
友「アタッカーって?」

男「相手陣地に向けて突っ込んで行く人。自分の陣地で旗を守る人はディフェンダーね」

友「へぇ」

参加者A「じゃあ、動けそうな人は適宜前線に出る感じで・・・まずは様子を見てみましょうか」

後輩「そうですね~」

参加者B「後にいる方は、前線の援護に回ってください。行けそうだと思ったら、無理せず少しずつ進んでいってください」 

144 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:20:00 ID:KCRquHqI
友「なぁ男。俺はどうすればいいんだ?」

男「ん、まずは俺と一緒にくっついてればいいよ・・・あ、そうだ。これ渡しとくわ」ハイ

友「これ・・・トランシーバー?」

男「うん。100mくらいなら届くから」

友「でもこれ、2つしかないぜ?後輩ちゃんにはあげないの?・・・あっ」(察し)

男「アイツはフィールドにいるよりセーフティにいる時間のほうが長いから・・・」 

145 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:20:54 ID:KCRquHqI
後輩「今日は頑張るぞ~」フンス

参加者B「ええ、頑張りましょう!」

スタッフ「まもなくスタートでーす!!」

友「おぉ~すげぇ!山でやってた時とはまた違う緊張感!!」ワクワク

男「チーム戦だからね。よし、俺達も頑張ろうぜ」

友「おう!」

<3、2、1・・・スタートです!! 

146 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:21:36 ID:KCRquHqI
<タタタタタタタタタタタタタタタタ

友「うぉ、開幕と同時に弾飛んできた」

男「相手チームにLMG(マシンガン)持ってる人がいるっぽいな・・・まぁ、開始直後は皆走ってるしそう簡単には当たら・・・」

<ヒット~!!

男「あっ、知ってる声」

友「えぇ・・・」(困惑) 

147 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:22:25 ID:KCRquHqI
後輩「・・・」ノソノソ

友「だ、大丈夫?後輩ちゃん・・・」

後輩「・・・」ノソノソ

友「あ、あれ?」

男「ヒットされたら基本他のプレイヤーと会話しちゃダメなんだ。場所教えてると思われるし、トラブルの元だからね」

友「なるほど」

男「死体はしゃべらないのが鉄則よ」 

148 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:23:09 ID:KCRquHqI
参加者A「・・・!」ガサガサッ

友「あ、さっきの人が飛び出した」

男「前線押し上げたいのかな・・・あぁでも1人しかついて行かなかった・・・撃ち込まれてるな、あれじゃ頭上げられんぞ」

友「どうする?」

男「援護する。俺が撃ってる間、お前は周りに敵がいないかチェックしてて」

友「分かった」 

149 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:24:00 ID:KCRquHqI
男「・・・いた、あそこだ!」

<タタタッ、タタタタタッ

<・・・ヒットー

男「おぉ、当たったわ・・・」

友「すげーかっけぇ!!」 

150 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:24:44 ID:KCRquHqI
参加者A(ありがとう!)ハンドサイン

男(そこから左にあと2人いるみたい)ハンドサイン

参加者A(了解!)ハンドサイン

男「・・・と、まぁこんな感じだ」

友「やばいこれすげぇ楽しい」 

151 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:25:19 ID:KCRquHqI
・・・

<タタタッ・・・タタタタ・・・・

<ヒット~

男「敵も味方も大分減ってきたな・・・」

友「1ゲーム15分だから・・・あと5分ちょいか」

男「よし、俺達もちょっと前進しよう」ガサッ

<ピシッ

男「うっ!?ヒット!!」 

152 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:25:50 ID:KCRquHqI
友「えっ・・・」

男「・・・」ノソノソ

友「ま、まじかよ・・・ていうか、今何処から撃ってきたんだ・・・?」ドキドキ

参加者B「」コッチオイデ

友(ん、俺の事呼んでるっぽい・・・よし!) 

153 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:26:27 ID:KCRquHqI
<タタタタタタ!!

友(ひぃぃ!飛び出した瞬間撃ってきた!!)タッタッタ

友「はぁっ、はぁ!!」

参加者B「友達、撃たれちゃった?」

友「はぁ、どこから弾が飛んできたのかまったく分からなくて・・・」 

154 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:27:01 ID:KCRquHqI
<タタタタタタ!!

友(ひぃぃ!飛び出した瞬間撃ってきた!!)タッタッタ

友「はぁっ、はぁ!!」

参加者B「友達、撃たれちゃった?」

友「はぁ、どこから弾が飛んできたのかまったく分からなくて・・・」 

155 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:27:56 ID:KCRquHqI
>>153-154
ごめんかぶった

参加者B「んー、向こうのチームにスナイパーがいるみたいなんですよ」

友「はぁー」

参加者B「さっきAさんもやられちゃって、あと前線でアタッカー出来そうなのが私と貴方くらいしかいなくて・・・」

友「あ、でも自分初心者で・・・」

参加者B「大丈夫ですよ!自分もそんなに上手じゃないんで!」 

156 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:28:35 ID:KCRquHqI
<ヒット!!

友「あぁ、味方の人がやられましたね・・・」

参加者B「もう人数も少ないし、残り1分のアナウンスが流れたら一緒に相手フラッグにアタックかけましょう」

友「分かりました」

<タタタタタタタ

参加者B「あ、頭下げて!」タタタタタ 

157 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:29:17 ID:KCRquHqI
<・・・ヒット!!

友「うお、危なかった・・・どうもです」

参加者B「多分あのフラッグ脇の藪の中に2人、奥の方に1人隠れてます。飛び出したら私はあの前にある土手の脇から走り込むんで、何とか後ろから付いてきてください」

友「はい」

<残り1分~!

参加者B「いきましょう!」ダッ 

158 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:29:48 ID:KCRquHqI
<タタタタタタ!!

<タンッ、タタタタタッ!!

友(よし、俺も!)

パシッ!!

友「うわ、ヒット!!」 

159 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:30:23 ID:KCRquHqI
・・・

<3、2、1・・・終了で~す

参加者A「ナイスアタック!」

男「ナイスアタック!」

参加者B「はは、ありがとうございます」

友「いや~すみません、あの後すぐ撃たれちゃいました」 

160 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:31:12 ID:KCRquHqI
参加者A「なんか、向こうのチームにスナイパーがいるみたいですね」

男「いや本当、撃たれた時全然気づきませんでしたよ」

友「俺も多分最後その人にやられたんだと思う・・・どこから弾が来たのか全く分からなかったし」

後輩「私はいつも通りベンチウォーマーとしての実力を遺憾なく発揮しましたね・・・」ホカホカ

友「うわ後輩ちゃんの座ってたとこ超暖けぇ」

男「お前開幕20秒で討ち取られてたじゃねえか」

後輩「次は頑張ります!!」 

161 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:31:45 ID:KCRquHqI
第2ゲーム

<ヒット!!

<ヒットー!!

友「うわ連続でヒットとられてる」

男「すごいな向こうのスナイパー・・・どこにいるのかまるで分からねぇ」

友「これゲームバランスおかしくないですかね・・・」 

162 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:32:29 ID:KCRquHqI
男「まぁ、ある程度やって戦力に偏りが出る場合はスタッフがチームメンバーの入れ替えとかするから」

友「なるほど・・・」

男「アレ多分、お前の持ってるようなエアコキのスナイパーライフル使ってるんだよ」

友「マジかよ・・・ハンパねぇな」

男「前に言ったロマンを極めた人だな・・・憧れるぜ」

友「ほんと憧れる」 

163 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:33:26 ID:KCRquHqI
男「とはいっても・・・どうすっかねぇ、これ」

友「アタッカーで前線張ってた人達は悉く撃ち倒されちゃったしねぇ」

男「まだ時間も半分以上あるし・・・ここは無理して前進しないで自陣の防衛に努めよう」

友「ん、そうだな」

<ペチッ

友「おおう!ヒット!!」

男「えぇ・・・」(困惑) 

164 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:34:15 ID:KCRquHqI
<3、2、1・・・終了で~す

参加者A「いや~、また敗けちゃいましたねぇ」

男「誰か、敵チームのスナイパーの居場所分かった人います?」

<イヤ、ゼンゼン・・・

<ステルス迷彩カナ?

友「うーん、すげぇなぁ・・・」 

165 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:34:48 ID:KCRquHqI
・・・午前の部、終了。

スタッフ「お弁当注文された方はこちらに取りに来てくださ~い」

友「はぁー、なかなか勝てねぇな~」

男「こりゃ午後はチーム替えがあるかなぁ」

後輩「・・・なんで・・・あそこで・・・給弾不良・・・」ブツブツ

友(う、うわぁ・・・)

男「とりあえず落ち込んでないで昼飯食べようね」 

166 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:35:28 ID:KCRquHqI
参加者A「そういえば友さんのそのMP5、かなり手入ってますよね?」

参加者B「朝の弾速チェック、結構出てましたもんねー。MP5Kなのにリトラクタブルストックついてるし。もしかしてニコイチですか?」

友「えっ?あぁ、これは僕じゃなくて彼女から譲ってもらったもので詳しくは・・・」

参加者A「へ~、じゃあ彼女が?女の人で中まで弄れるのは珍しいですね」

後輩「いっ、いやぁ私・・・エアガンのカスタムはできてもサバゲーのほうはからっきしですから・・・ははは」スカッスカッ

男「箸が空振ってるぞ」

友「も、もっと楽しそうにご飯食べようよ・・・」 

167 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:36:12 ID:KCRquHqI
参加者B「あ、そういえばUMP使ってましたよね!UMAREXのやつですか?」

後輩「え、ええ・・・」

参加者A「へ~、中身は中華製なんですよね。どこまでカスタムしてるんですか?」

後輩「一応、メカボ洗浄してホップチャンバーからバレル、モーターまで一通り交換してます・・・ギアも一部金属製にしてありますね」

参加者A「すごい!本格的じゃないですか!!」

参加者B「へぇ~、後でちょっと見せてくださいよ!」 

168 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 19:36:43 ID:KCRquHqI
<ヴォースゲー!!

<エ、エヘヘ

<ボクニモミセテ・・・ヴォー!!

友「ああいう楽しみ方もあるのか」

男「まぁ、同じ趣味の人たちが集まるわけだしね」

友「いいなぁ、こういうの・・・」シミジミ

後編へ続く 

169 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:17:30 ID:KCRquHqI
第5話 -はじめてのていれいかい <後編>-

午後の部。

スタッフ「えー、午前の結果から一部メンバー交代を行いたいとおもいます・・・」

男「ん、やっぱり来たな」

友「誰が変わるんだろ」

スタッフ「えーと、すみませんがあなたはこちらのチームに移っていただけますか?」

参加者C「はい!!」

友「うぉ、でっかいエアガン・・・」ビク

男「LMG・・・午前中に弾ばら撒いてたのはあの人だったのかぁ」 

170 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:20:26 ID:KCRquHqI
参加者C「午後からはよろしくお願いします!!」

参加者A「こちらこそ、よろしく!」

後輩「わぁ、M60じゃないですか!カッコ良いですね~」

参加者C「はは、どうも!!」

後輩「いいなぁ~・・・な、中見てみたいな~」キラキラ

男「そのへんにしときなさい」 

171 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:21:09 ID:KCRquHqI
参加者A「しかし、弾幕担当できる人が来てくれたのは心強いですね!」

参加者C「任せてください!1回の給弾で1200発は入りますよ!!」フンス

後輩「す、すごいなぁ・・・いいなぁ・・・」ヨダレ

友「弾代だけで大変なことになりそうですね」

男「ん、そろそろ午後のゲームが始まるぞ」 

172 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:21:56 ID:KCRquHqI
<3、2、1・・・スタートです!!

参加者C「ぬぅん」

<タタタタタタタタタタタタタタタタ

友「すげぇ・・・あのでかいエアガン腰だめに撃ってる・・・」

男「あれ5kg以上あるだろ・・・」

友「ランボーかな?」 

173 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:22:34 ID:KCRquHqI
男「よし、俺達もこのまま前へ!!」

友「おう!!」

参加者C「ぐっ・・・ヒット!!」

男「えぇ・・・」(困惑)

友「えぇ・・・」(困惑) 

174 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:23:07 ID:KCRquHqI
男「うーん、午前中に薄々気づいてはいたが、あの人はあまり隠れるってことをしないんだな」

友「マジでランボーかな?」

男「まぁ、プレイの仕方は人それぞれだし、ロールプレイしてる人に口出しするのは野暮だぜ」

友「あ、でもあの弾幕を張ってた間に味方がかなり前進してるよ」

男「お、イイネ・・・よし、じゃあ俺達は彼らの側面を援護しよう」

友「了解!」 

175 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:24:15 ID:KCRquHqI
男「・・・ここから二手に別れよう。俺はこっち行くから、お前は向こうの藪の方からまわってけ」

友「OK」

男「無理そうなら一旦止まって。姿勢を低くして、できるだけ隠れながら進んでな」

友「大丈夫、午前中のゲームで結構フィールドの形とかコツが分かってきたし!」

男「よし、なら大丈夫だ。何かあったらシーバーで連絡しよう」

友「了解」 

176 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:25:14 ID:KCRquHqI
・・・

友(・・・いいぞ、今度は前線に結構人が残ってるな)

<ヒット!!

友(む・・・またヒットコールだけ・・・てことは、近くに例のスナイパーがいるのかな)

友(なるべく頭を上げないようにして、っと・・・)

<グニュン 

177 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:25:44 ID:KCRquHqI
?「きゃっ!!」

友「えっ!?うおお、なんか踏んだ!!」ドタッ

?「えぅ、ヒ、ヒット!!」

友「いてて・・・なにこの落ち葉・・・って人!?」

?「いたた・・・」

友(あ、プレイヤー同士の接触は両方ヒットになるんだった!) 

178 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:26:14 ID:KCRquHqI
友「ヒットヒットー!!・・・す、すみません、大丈夫ですか?」

?「あ、大丈夫・・・」

友(あ・・・もしかしてこれがギリースーツって奴か・・・すげぇ顔まで真っ黒に塗ってらぁ・・・)

友(ん?てことはもしかしてこの人が件のスナイパーか?)

友(マジかよ・・・女の人だったのか・・・) 

179 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:26:52 ID:KCRquHqI
~セーフティーゾーン~

友「はぁー、びっくりした~」

参加者C「・・・で、弾幕張る分にはいいんだけど、下向きにした場合どうも給弾不良が多くてね」

後輩「あぁ~それだったらゼンマイマガジンに変えてみるといいかもですね!」キラキラ

参加者C「あと中のポンプセクションも壊れやすいって聞くし、できればシリンダーに交換したいんだけど、俺は細かい作業があまり得意じゃなくてねぇ・・・工賃払ったら、誰かやってくんないかな」

後輩「もしよかったら私に見させてくださいよ!!私LMGって触ったこと無くて」ワクワク

友「意気投合してるなぁ・・・」 

180 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:27:27 ID:KCRquHqI
・・・

参加者A「いや~、今度は何とか勝てましたね!」

男「あのスナイパーのヒットとったの、お前だったのか」

友「いやぁそれが、気が付かなくて踏んじゃってさ」

男「はは、だから言っただろ?本気で偽装されると分からないって」

友「ホント、最初は地面が動いたと思ったもん」

参加者B「向こうの人も災難でしたねー」 

181 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:27:58 ID:KCRquHqI
友「でもびっくりしましたよ。ただでさえ近くにいても気付かなかったのに、声聞いてみたら女の人なんですもん」

男「リアルスナイパーウルフだなぁ」

参加者A「でもその人凄いよ。一人いなくなっただけで全然戦況が変わりましたからね」

友「女の人でも活躍できる人っているんだなぁ、本当に」

男「まぁ要は性別なんかより立ち回りだよ。ねぇ?」チラッチラッ

後輩「耳が痛いですぅ・・・」 

182 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:28:33 ID:KCRquHqI
・・・

友「いやー、今日は楽しかったな~」

男「また今度来ような」

友「うん、そうだな!」

スタッフ「皆さんすみませ~ん、当フィールドのサイトに載せる写真がほしいので、よかったら集まってくださーい」

後輩「集合写真だって!行きましょうよ!!」 

183 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:29:09 ID:KCRquHqI
スタッフ「ここに皆さんで並んでくださーい」

友「よっこいしょ・・・ん?」

女「・・・」

友(な、なんかこの人近いな・・・)

スタッフ「はーい、じゃカッコイイポーズでお願いしますね~・・・いきまーす!!」カシャッ 

184 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:29:59 ID:KCRquHqI
男「今日は本当、お疲れ様でした」

参加者A「お疲れ様でした!いやー楽しかったです!」

男「いえいえ、こちらこそ」

参加者B「これ、うちのチームのサイトなんですけど、よかったら帰って見てみてください」

男「へぇ、じゃあ帰ったら拝見させていただきます」 

185 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:30:57 ID:KCRquHqI
参加者C「いやぁ、今日は色々相談に乗ってくれてありがとう。今度本当にカスタムお願いしたくなったよ」

後輩「あ、じゃああの、差支えなければメアド交換しましょう!!」

参加者C「あ、そうだね、いいよいいよ」

後輩「もし壊れたりしたらいつでも連絡くださいね!!」

友(結構みんな和気藹々としてるんだなぁ・・・)

女「・・・あのぉ」 

186 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:31:58 ID:KCRquHqI
友「おおう!?」ビクッ

女「さっきは、どうも・・・」

友「え?・・・あぁ!もしかしてさっきの、スナイパーの方ですか?」

女「そうです・・・私を踏んだ時、怪我したりしませんでしたか?」

友「あ、あぁ、全然大丈夫です!あなたこそ大丈夫ですか?」 

187 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:32:33 ID:KCRquHqI
女「お尻・・・」

友「へ?」

女「お尻・・・踏まれたんですけど・・・」

友「えっ、あっああ、す、すすすみませんでした!!」

女「いいんです・・・うふふ」

友(えぇ・・・)ビクビク 

188 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:33:15 ID:KCRquHqI
男「よーし、じゃあ着替えが済んだらぼちぼち出るぞー」

後輩「はぁー、疲れたぁ!!」

参加者たち「お疲れ様でしたー」

男「それじゃお先失礼しまーす・・・ほら、友も行くぞー」

友「あ、あのー友達が呼んでるんで・・・本当、今日はすみませんでした」

女「・・・また機会があればいつかご一緒したいですね」 

189 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:33:52 ID:KCRquHqI
友「あっ・・・は、はい・・・その時は是非・・・」

女「・・・」

女「・・・うふふ」

友(この人ちょっと怖ぇ!!)ビクビク

男「忘れ物すんなよー」 

190 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:34:41 ID:KCRquHqI
・・・

後輩「いやー、今日はなんだかいつもより会話も弾みましたねー」

男「あぁ、今日はいい人が多かったなぁ」

友「いつもはあんなんじゃないのか?」

男「うーん、そりゃ何回も行ってればたまには気まずい思いすることもあるね」

友「へー・・・」

後輩「まぁ、なんだかんだ大事になるまえに運営の人たちが対応してくれますけどね~」 

191 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:35:25 ID:KCRquHqI
友「俺も今日は、楽しかったよ。確かにこりゃ病みつきになりそうだ」

後輩「あはは、でしょ~?」

男「そういやお前、帰り際に相手チームの女の人に声かけられてたな」

後輩「あ、もしかしてあの人が例のスナイパーの方ですか?」

友「う、うん・・・なんだけど・・・」 

192 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:36:14 ID:KCRquHqI
後輩「けど?」

友「なんか、どうやら俺彼女のお尻踏んじゃったらしくてさ」

男「ラッキー   ってやつか」

友「いや相手ギリースーツ着てたし・・・さっきそのこと言われて謝ったんだけどね」

後輩「許してもらえなかったんですか?」 

193 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/21(日) 20:36:45 ID:KCRquHqI
友「いや、むしろ俺の方こそ心配してもらったくらいだったけど・・・」

男「なんだ、いい人じゃないか?」

後輩「ねぇ?」

友「それが彼女、なんかちょっと嬉しそうだったんだよな・・・踏まれたことが」

男「えぇ・・・」(困惑)

後輩「えぇ・・・」(困惑)

第5話 おわり 

202 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 22:56:29 ID:pPF4SB/o
第6話 -はじめてのすないぱー-

友「はぁー・・・」

男「どうした?溜め息なんかついて」

友「いや・・・こないだサバゲー行ったときに、一緒にVSRに付けてたスコープも持って行ったんだけど」

男「スコープを?まさかあのMP5に乗せるつもりだったのか・・・」

友「いや、最初はもしかしたら使うかなーと思って持ってったんだけど。結局途中で『あ、いらないやコレ』ってことに気付いて使わなかったけど」 

203 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 22:57:04 ID:cpicGqZM

204 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 22:57:14 ID:pPF4SB/o
男「そりゃねぇ・・・で、そのスコープがどうかしたのか?」

友「うん、それが帰ってから探しても見つからなくてさ・・・多分、あそこに忘れてきたっぽいんだよね」

男「ありゃま」

友「何だかんだで1万くらいかかってたから、ショックだ・・・」ハァー

男「なんならあそこに電話してみればいいじゃん。まだ行ってから日も浅いし、もし忘れ物があれば取り置いてくれてるかもよ」

友「そっか。電話してみるわ」 


205 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 22:57:48 ID:pPF4SB/o
・・・

男「どうだった?」

友「男の言った通り忘れ物として保管してあるって!」

男「おぉ、よかったじゃん」

友「ただ壊れ物で郵送とかできないから直接取りに来て欲しいってさ」 

206 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 22:58:24 ID:pPF4SB/o
男「あんまり長いこと保管しててもらうのもなんだし、早めに取りに行ったほうがいいかもね」

友「うん。明日バイトが休みだから取りに行こうかと思うんだけど、お前も一緒に行かない?」

男「あー、明日はちょっと用事があるんだ」

友「そっか・・・」

男「後輩もなんか忙しいみたいだし、一回行ったことある場所なんだから一人で行って来いよ」 

207 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 22:59:04 ID:pPF4SB/o
友「なんだか少し心細いな」

男「まぁ、忘れ物取りに行くくらいなら昼頃行っても大丈夫だろ。なんなら一人で定例会殴り込んで来れば?」

友「はは、流石にそれはちょっとまだハードルが高いかな」

男「結構一人で参加してる人もいるけどなー・・・ま、とにかく明日はちょっと無理だ。ごめんな」

友「うん、いいよ」 

208 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 22:59:47 ID:pPF4SB/o
翌日。

友「すいませへぇぇ~ん、昨日忘れ物の件で連絡したんですが・・・」

スタッフ「あー、お待ちしてましたよ!・・・これで間違いないですか?」

友「あ。これです!どうも有難うございます!!」

スタッフ「いえいえ!あ、一応連絡先を・・・」 

209 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:00:25 ID:pPF4SB/o
・・・

友(よかったよかった・・・さて、用事も済んだし帰るか)

友(って言っても、ここまで来てただ帰るのもなんだなぁ)ウーム

友(あ、そうだ。ホビーショップとか寄ってエアガン見てみよ) 

210 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:01:09 ID:pPF4SB/o
~ホビーショップ~

友(へー・・・色々あるんだなあ。見たこと無いようなメーカーのもたくさんあるぞ)

友(何これ超かっけぇ・・・って11万!?高ァい!!)

友(ふーん、いろんなのがあるんだな・・・でもこれ、規制で全部同じ距離しか弾飛ばないんだよな。所詮は見かけ倒し・・・いや、ロマンだな)

<ドンッ

友「あっ、すいませ・・・」 

211 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:01:48 ID:pPF4SB/o
女「・・・」

友「えっ・・・あ、あの時の・・・」

女「・・・運命ね」ニッコリ

友「えっ」ビクッ

女「この間はどうも・・・」 

212 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:02:22 ID:pPF4SB/o
・・・

友「いやぁ、この間のゲームは凄かったですね。うちのチームの人たちも皆褒めてましたよ」

女「ありがとう」

友「実は自分、こないだのゲームがデビュー戦だったんですけど、やっぱりスナイパーっていいですよね。憧れますよ」

女「そ、そう」

友「自分、何も知らなくて初めてのエアガンにボルトアクションの銃買っちゃって」 

213 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:05:08 ID:pPF4SB/o
女「えっ?」

友「最初はそれ使って近くの山で仲間内で撃ち合いしたんですけど、これがもう全然あたらなくて!!」

女「ボルトアクション・・・の、何?」

友「えーっと、VSR-10ですね。ちょうどあそこに掛かってるのと同じやつ」

女「・・・運命ね!」

友「えっ」 

214 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:10:42 ID:pPF4SB/o
女「よかったらちょっとお話しましょう!」ガッシ

友「えっとあの・・・」

女「この近くにちょっといい店があるの!そこでお茶でも飲みながら!ね!行きましょう!ね、ほら!ね!!」グイグイ

友「待っ、ちょっ!そんなほぼ初対面の方と・・・」

女「だ、大丈夫ほんとお話しするだけだから、ねっ?ほらこっちにきて!私のお尻を踏んだ代償だと思って!!ほら!!」

<エ、ナニ?チカン…?ザワザワ・・・

友「ちょちょちょ、そんな大声で!誤解されるから止めてくださいよ!!」 

215 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:11:39 ID:pPF4SB/o
・・・

友「焦った・・・」ゼェハァ

女「ごめんなさいね。でもどうしてもお話しがしたくて・・・どうしてもお話しがしたくて!!」

友「だ、大事なことなんすね・・・」

女「ほら、このお店よ」 

216 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:12:13 ID:pPF4SB/o
友「な・・・なんですか、ここ?」

女「ここ、私のおすすめのお店なの」

友「ど、どうみても喫茶店とかには見えないんですけど・・・あっこれひょっとして壷とか絵画とか買わされるやつ!?」

女「ち、違うわ。そんなことしないわよ。この下にシューティングレンジがあるの」

友「・・・シューティングレンジ?」 

217 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:12:54 ID:pPF4SB/o
・・・

友「へー・・・エアガンの射撃場になってるんだ」

女「元々地下街の一部だったところを閉鎖して、今は会員制のシューティングバーになってるのよ」

友「なるほど」

女「全長30mの室内射撃場なんて、この辺にはちょっとないわよ?」

友「すごい」(小並感) 

218 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:13:39 ID:pPF4SB/o
女「とりあえず、ゴーグルかけてね」

友「あ、はい」

女「いまロッカーから、私のエアガン持ってくるから・・・」

友「え」

女「ここは銃の保管もしてくれるのよ」 

219 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:14:14 ID:pPF4SB/o

女「ほら」

友「おー・・・これは、VSR-10とはちょっと違うような・・・?」

女「これはね、APS-2・・・VSR-10とは違うメーカーが作ってるボルトアクションライフルよ」

友「へぇ・・・」 

220 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:14:58 ID:pPF4SB/o
女「撃ってみる?」

友「え・・・いいんですか」

女「ええ」

友「じゃあ、ちょっとお借りします」 

221 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:15:37 ID:pPF4SB/o
<ポシュッ

女「どう?」

友「おー、すごい。ちゃんと十字の真ん中に弾が飛んでいきますね」

女「ここだと距離がとれるから、ゼロイン調整するときはいつもここを使うのよ」

友「ゼロイン?」 

222 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:16:27 ID:pPF4SB/o
女「市販のスコープは買ったままで使うと照準がずれてるから・・・銃にマウントしたらまず調整した方がいいの」

友「ほー」

女「この時、30m先でレティクル(十字線)の中心に着弾することを『30mでゼロイン』っていうのよ」

友「うーん、そんな厳密な調整はしてないですね・・・乗せて満足してました」

女「エアガンの場合はHOPしたり弾が風で流されたりするから・・・大体狙った辺りに飛ぶように調整できればいいわね」 

223 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:17:15 ID:pPF4SB/o
友「へぇ・・・あっ、そうだ!!」ガサゴソ

女「?」

友「これ・・・自分のスコープなんですけど、今日はこないだのフィールドに忘れたこれを取りに行った帰りだったんですよ」

女「なるほど・・・ますます運命ね」ガッツポ

友(なに今のガッツポーズ・・・)

女「ちょうどいいから、ゼロイン調整のやり方を教えてあげたいんだけど・・・時間はあるかしら?」 

224 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:18:14 ID:pPF4SB/o
友「あ、大丈夫ですよ。自分学生なんで、時間は有り余ってますから・・・」

女「・・・」

女「」ガッツポ

友(えぇ・・・)

女「じゃ、じゃあ、早速そのスコープを貸してくれるかしら!」 

225 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:18:56 ID:pPF4SB/o
・・・

女「えーと・・・本当は銃によって微妙に照準が違うから、今日教えるのは参考にしておいてね?」

友「はい」

女「先生」

友「へ?」

女「よ、呼び方は先生で・・・///」

友(えぇ・・・) 

226 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:19:38 ID:pPF4SB/o
友「わ、わかりました先生・・・」

女「」

女「ま、まず、スコープを乗せる前にエアガンの届く最大距離を見極めます!」

友(何今の間)

女「大体エアガンの場合3~40m位届くけど、ホップのかけ方や銃身の長さで届く距離が変わるから・・・」 

227 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:20:47 ID:pPF4SB/o
友「どこまでが『届く』っていう範疇になるんですか?」

女「弾が浮き上がったり沈んだりせず真っ直ぐ飛ぶ状態・・・つまり適正ホップで届くところまでってとこね」

友「なるほど」

女「ここのレンジは30mだから、このAPSにはちょっと短いけど・・・とにかくまずは十分に標的から距離を取ります」

友「ふむふむ」 

228 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:21:33 ID:pPF4SB/o
女「距離を確認したら、スコープをマウントします・・・この時はガタつきが出ないようにしっかり固定してね」

友「はい先生」

女「・・・いい」

友「はい?」

女「コホン・・・えーと、そしたらまずはその状態で撃ってみて?」 

229 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:22:06 ID:pPF4SB/o
<ポシュッ

友「んん・・・なんかかなりズレてますね」

女「いま、一番ダイヤルを締めこんだ状態だから。この時、照準から外れたといって銃口を動かさないように。そのまま何発か撃って着弾点を確認して、まずは左右の調整から始めましょう」

友「調整って・・・どうやるんですか」

女「スコープに調整用のダイアルがついてるでしょ・・・?ほらここ」

友「えっここ開くの・・・あぁ本当だ、中にダイヤルがついてる」クルクル

230 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:22:57 ID:pPF4SB/o
女「スコープによって異なるけど、ここを回せばレティクルの微調整ができるわ」

友「へぇー」

女「他にもズレが大きいようなら、マウントリングとスコープの間に厚紙を挟んだりして調整するといいわね」

友「なるほど」

女「左右の調整が済んだら、次は上下の調整。これも左右の調整と同じように調整します」 

231 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:23:32 ID:pPF4SB/o
・・・

<ポシュッ

友「おー、大分真ん中に飛ぶようになりましたね」

女「そしたら今度は、5mのところにある標的を狙ってみて」

<ポシュッ

友「あ、あれ?ちょっと上にずれるな・・・」

女「BB弾は完全に真っ直ぐ飛ぶわけじゃないから、まずは最大射程で調整した後に近くの的を狙って微調整するの」 

232 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:24:12 ID:pPF4SB/o
<ポシュッ

友「うん、近くの的にも当たるようになったぞ」

女「そしたら、もう一度遠くの的を撃ってみて?」

<ポシュッ

友「ん・・・当たりはするけど、さっきよりちょっと低めに当たりすね」

女「5mでゼロインしたからね。でも大丈夫。近くの的と遠くの的の両方に当たっていれば、その射程内の目標に当てることができるから」

友「へぇ・・・狙撃っていうと、なるべく遠くまで狙えるようにエアガンの最大射程まで飛ばすのが一番大事だと思ってました」 

233 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:25:54 ID:pPF4SB/o
女「確かに遠くに飛ばすだけなら、銃口を上に向けて山なりに発射すれば届くことは届くわ。でも、ゲームじゃ対象がいつも遠くに現れるわけじゃないから、どの距離でも当てられるように調整するのが一番ね」

友「うーん奥が深いなぁ・・・」

女「マウントやスコープの精度によっては何度も調整が必要な場合もあるけれど、ゼロインは狙撃の基本だから面倒でもきちんとこなしておくこと。いいわね?」

友「はい先生!!」

女「oh...ふぅ・・・」ゾクゾク

友(えぇ・・・) 

234 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:28:17 ID:pPF4SB/o
・・・

友「というわけで、なんかスコープの調整の仕方とか色々教えてもらった」

男「おまえ、結構人に恵まれてるなぁ・・・」

友「せやろか?」

男「なかなかサバゲーでスナイパーやってる人に直で教えてもらうとかできないよ。チームとかに入ってなきゃ」

友「チーム?」

男「うん、全国各地津々浦々にサバゲーを目的としたチームを組んでる人達がいるんだよ」 

235 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:28:53 ID:pPF4SB/o
友「へぇー」

男「ほら、これ。こないだサバゲーにきてた人達のチームのサイト」

友「はぁー、サークル活動みたいな感じだね」

男「ま、そんなところだね。チーム同士で交流会やったり、地区大会とかも開いてるみたい」

友「ママさんバレーかな?」

男「なんかそのフレーズ久々に聞いたわ」 

236 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:30:12 ID:pPF4SB/o
友「でもアレだね、やってみて分かったけど結構年齢層高いよねこの遊び」

男「そりゃ最低でも18歳からじゃないとできないし、道具揃えるのにも金かかるからなぁ」

友「うん。今日教えてくれた人もギリースーツとか全部揃えて両手じゃ足りない万円くらいしたって言ってたよ」

男「へー、そりゃすごい・・・てか、女の人でサバゲーにそこまでつぎ込むのは珍しいなぁ」

友「雰囲気的にも結構大人っぽいし、お金に余裕があるんですかねぇ・・・」 

237 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:30:49 ID:pPF4SB/o
男「・・・」

友「・・・」

男「なんか俺ちょっと鼻の奥ツーンとしてきた」

友「やめろよ他人の人生想像するのやめろよ俺まで悲しくなるだろ・・・」

<ピンポーン 

238 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:31:42 ID:pPF4SB/o
後輩「こんばんは~・・・ってどうしたんです?二人とも」

男「あぁ・・・ここにも予備軍が・・・」

後輩「ほぇ?」

友「なんでもない・・・なんでもないんだよ・・・」

後輩「変な先輩たち・・・」 

239 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:32:45 ID:pPF4SB/o
男「ところで、何しに来たの?金なら貸さないよ?」

後輩「そんないつもいつも借りに来ないですよ・・・あの、今度また皆で先輩とこの山行きません?」

男「ん?別にいいけど」

後輩「本当ですか?いや~実はこの子の試し撃ちをしてみたくて!!」ドサッ

友「なにそれ・・・」 

240 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:33:31 ID:pPF4SB/o
後輩「この間、サバゲーでM60撃ってた人いたじゃないですか」

男「ああ、例のランボーマン」

友「お前それ失礼な呼び方だなぁ、先に言ったの俺だけど」

後輩「あの後、カスタムを依頼されて預かってきたんですよ、コレ!」

友「えぇ・・・」(困惑)

後輩「流石に部屋の中でやりすぎると、近所迷惑ですからねぇ」 

241 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:34:06 ID:pPF4SB/o
友「前から思ってたんだけど、後輩ちゃんの部屋って一体どうなってんの・・・」

男「一見して『頭のおかしい人の部屋だぁ・・・』ってなるよ」

後輩「そんなことありませんよ!!」

男「そんなことあるだろ。なんで若い女の部屋に旋盤やら万力があんだよ。おまけになんかオイルや有機溶剤の臭い漂ってるし、ポリスがきたら一発だぞ一発」

後輩「むう・・・」

友「ダメみたいですね・・・」 

242 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:35:38 ID:pPF4SB/o
男「ま、そういう事なら明日あたり行くか」

後輩「やったぜ」

男「お前はどうする?」

友「ん?あー俺は明日朝からイベント会場設営のバイトがあるから、ちょっとパス」

男「そうか。最近予定が合わないな」

友「そうだな。まぁ仕方ないさ」 

243 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:36:28 ID:pPF4SB/o
翌日・・・。

<オーイ、アッチカラビニテモッテキテー!!

友「はいはーい!!えーとビニールテープビニールテープ」

友「あぁ、もう!ダンボールが多くてどこにあるのか分かんねぇ!!」

箱「あ、こっちにあるよー」

友「箱がしゃべった!?」ビクッ 

244 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:37:04 ID:pPF4SB/o
バイト「違うよー、これから運ぶ段ボール背負ってるだけだよ」

友「あ、あぁ・・・後ろから見たらマジ箱にしか見えなかった・・・ってテープは?」

バイト「ほら、そこの下転がってる」

友「あ、あったあった!ありがとう!!」

<ソッチバミットイテー!!ア、モウテープイイヤ!!

友「えぇ・・・」 

245 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:37:41 ID:pPF4SB/o
・・・

友「あぁ~疲れたぁ・・・」

友(なんか最近、バイトといいサバゲーといい肉体労働が多いな・・・よく寝れていいけど)

友(それにしてもさっきはびっくりしたなー、マジで箱が喋ったのかとおもったぜ)

友(あんなに段ボール背負ってちゃ、後ろからは人だって分からねーし・・・ん?)

友(・・・あ、そうか!) 

246 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:38:44 ID:pPF4SB/o
数日後。

友「みてほら、コレ!」

男「おー、ミリタリーポンチョじゃん。どうしたのそれ」

友「こないだバイトしてて思ったことがあるんだけどさ・・・ポンチョって、頭まですっぽり覆えるだろ?」

男「うん」

友「そうすると肩から頭までの輪郭が隠れて、人だって分かりにくくなると思ったんだよ!!」

男「一体何の会場設営だったんですかね・・・」 

247 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:39:59 ID:pPF4SB/o
友「いやぁ、バイト仲間がたまたま段ボール運んでたのに気づかなくてさ。最初は箱がしゃべったと思ったんだけど、ちょうどその時に思いついたわけ」

男「たしかにギリースーツなんかも、色彩よりもむしろ立体的な偽装が効果的だっていわれてるしなぁ。いい着眼点かも」

友「でもさ。あれ着てたらまともに走れないだろ?それに嵩張るうえに高いし」

男「だなぁ」

友「だから、こうやって軽いナイロン製のポンチョにすればさ、ギリーには及ばないにしても効果的に偽装できるんじゃない?って。それに、雨の日は普段使いもできるし!!」

男「なるほど、考えたな・・・ちょっとそのまま銃持ってみ?」 

248 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:40:56 ID:pPF4SB/o

友「どうよ!?」

男「イイネ!!スターリングラードのヴァシリ・ザイツェフ感出てるよ!」

友「カッコイイ!?」

男「うん、想像以上に・・・でもそれ、迷彩の柄がUCPだね」

友「あぁ、米軍のデジタル迷彩ってやつだろ?カッコイイよなこれ」 

249 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:42:49 ID:pPF4SB/o
男「それねぇ、サバゲー界隈でもちょっと前に流行りかけたんだけど、すぐに廃れちゃったんだよね」

友「えっ」

男「一応、米軍の正式装備だったし、人間の目の印象に残りづらい色を基調にしてて目立たないって触れ込みだったんだけど・・・都市部や岩肌の多い場所ならともかく、林の中、それもサバゲーぐらいの距離だと超目立つんだよ」

友「えっえっ」

男「それどころか当の米軍兵士にすら大不評で、結局ACU(陸軍戦闘服)の選定の時に負けたマルチカム柄が採用されてるし・・・」

友「えぇ・・・」 

250 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:43:44 ID:pPF4SB/o
男「前に後輩のやつも言ってたけど、やっぱ日本の林の中で圧倒的に目立たないのは陸自の迷彩2型なんだよね・・・」

友「陸自のでも良かったんだけど、売り切れだったんだもん・・・」シクシク

男「まぁそう気を落とすなよ。それ着てれば雨の中でもスナイピングできるぜ!」ヒュー

友「別にそんな雨の中サバゲーやりたくないですしおすし・・・」 

251 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:44:47 ID:pPF4SB/o
男「でも俺としては、折角VSRも買ったことだし、お前には本当にスナイパーを極めて貰いたいんだけどな」

<コンバンワー

友「うーん、でもすぐには無理だよ、お金もかかるみたいだし・・・」

男「確かにサバゲーのスナイパーって、装備もさることながら結構ゲームに慣れてないとできないしな。最初はみんな目指したがるけど」

友「俺も最初はFPSのイメージがあったからなぁ・・・」

男「例のスナイパーウルフに教えてもらったら?」 

252 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:46:12 ID:pPF4SB/o
友「そんな2回会ったくらいで・・・」

男「でも、その人色々と教えたがってたんだろ?やっぱ自分と同じことに興味を持った人には知ってることを教えたくなるもんだよ。うん」

友「それはそうかもしれんけど・・・」

男「それに一回会って仲良くなった場合って、2、3週間すると急に関係が冷え込むじゃん。サバゲーで仲良くなってメアド交換した人とかも、よっぽどじゃなければ2,3回メールしたらあとは自然消滅だし」

友「た、確かに・・・って別にメアドとか交換してないし」 

253 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:47:01 ID:pPF4SB/o
男「じゃ、例の店行って待っててみたら?」

友「一人で行って待ってんの?嫌だよストーカーじゃねえかそれ」

男「俺も一緒に行ってやるから!!」

友「・・・お前自分がその店行ってみたいだけだろ?」

男「そうだよ」(便乗) 

254 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:47:45 ID:pPF4SB/o
友「ま、まぁ場所は覚えてるし行くのは良いんだけど、会員制らしいし・・・」

男「なっちゃえばいいじゃん・・・会員に」

友「工藤健介かな?」

男「室内シューティングレンジとか興味あるんだよー」

後輩「シューティングレンジですって!?」

友「うお!?」ビクッ

男「お、お前いつからいたんだよ!!?」ドキドキ 

255 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:48:20 ID:pPF4SB/o
後輩「>>251」

男「不法侵入やめーや」

友「いやお前もだろ。ていうかあん時どうやって俺の部屋に入ったんだおい」

後輩「ところで、今シューティングレンジがどうとか言ってましたよね?」

男「ああ。なんか、友が例のスナイパーのお姉さんに連れて行ってもらったらしい」

友「話聞こうず。いや本当話聞こうず」 

256 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/27(土) 23:48:54 ID:pPF4SB/o
後輩「いいなぁ・・・今度私も連れてってくださいよぉ・・・」ジリジリ

男「連れてってくださいよぉ・・・」ジリジリ

友「わ、分かったよ・・・」

後輩「やったぜ」

男「成し遂げたぜ」

第6話 おわり 

280 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:04:55 ID:ZH6CyfN6
第7話 -はじめてのチーム結成-

友「・・・ここ、なんだけど」

男「へー、なんていうか・・・」

後輩「これはぁ・・・じ、事務所?・・・ですか」

友「俺も最初はそう思ったんだけど・・・この地下がシューティングレンジになってるんだよ」 

281 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:05:51 ID:ZH6CyfN6
・・・

店員「いらっしゃいませ」

友「あのーすみません、ここの会員カード作りたいんですけど」

店員「ありがとうございます。当店のご利用は初めてですか?」

友「あ、はい。そうですね・・・」

店員「では、こちらにお名前を・・・ロッカーはご利用になられますか?」 

282 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:06:30 ID:ZH6CyfN6
男「後からロッカーを借りる事はできるんですか?」

店員「その時の空き状況にもよりますが・・・エアガン保管用にロッカーをご利用いただく場合は、年間ご利用料5,000円で承っております」

男「うーん、今のところまだいいかな・・・」

友「そうだな」

後輩「あ、それって2つ借りれたりします?」

男「えぇ・・・」(困惑)

友「えぇ・・・」(困惑) 

283 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:07:03 ID:ZH6CyfN6
・・・

男「ふーん、なるほど。結構雰囲気いいね」

後輩「そうですね~!ここは結構穴場・・・ってどうしたんですか、友さん」

友「いや、あの・・・」ガクガク

後輩「?」 

284 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:08:08 ID:ZH6CyfN6
女「・・・」ジー

後輩「うっ・・・な、なんかめっちゃこっち見てる人がいますね・・・?」

男「あれってもしかして・・・」

女「また・・・来てくれたのね・・・」ニッコリ

友「えっ、は、はい・・・」ビクッ 

285 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:09:13 ID:ZH6CyfN6
・・・

男「いやぁ、この間はどうも。こいつの友人です」

後輩「その後輩です」

女「こちらこそ・・・この間のゲームは楽しかったわ」

男「いやぁ、あの時は本当どこから撃たれたのか分かりませんでしたよ」

後輩「凄いですよねぇ~」 

286 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:09:49 ID:ZH6CyfN6
女「で、二人は彼の案内でここに?」

男「ええ」

後輩「誘われたっていうよりも、私達のほうから連れてって!って懇願したんですけどねぇ」アハハ

女「そう・・・」ジリジリ

友「な、なんでちょっとずつ近づいてくるんですかね・・・」ビクビク 

287 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:10:23 ID:ZH6CyfN6
男「でもここ、いいですね。外観は目立たないけど中は綺麗ですし」

後輩「本当に!シューティングレンジも長いし、中で食事もできるんですねぇ」

女「そうね・・・ゲームに行かない日はよくここにいるの、私」

友「と、とりあえず二人とも。早速エアガン撃ってきたら?」

男「ん?そうだな」

後輩「いや~室内だとこの時期でもガスガン撃てるからいいですね~」スチャッ 

288 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:11:43 ID:ZH6CyfN6
<ウッソダロオマエ!クリスヴェクタージャンソレ!!

<エヘヘ、カッチャイマシタ

<ミセテミセテ・・・ヴォー

女「前に定例会に来た時もあの二人と一緒だったけど、友達なの?」

友「あぁ、はい。サバゲーを始めたのも、アイツらに誘われたからで・・・」

女「そう・・・いいわね」 

289 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:13:19 ID:ZH6CyfN6
友「えーと・・・先生?はどうしてサバゲーを」

女「あっまだその呼び方してくれるのねうれしい」ウフフ

友「えぇ・・・」

女「私はねぇ、昔ちょっと絵を書いていたんだけど」

友「へぇー、絵ですか」 

290 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:14:49 ID:ZH6CyfN6
女「絵っていうか、いわゆる薄い本ね」

友「あっ(そんな詳しく言わなくて)いいです」

女「ある日銃を持ったキャラを描くことになって、参考資料用に知り合いからエアガンを借りたのね」

友「ははぁ」

女「最初は何とも思わなかったんだけど、眺めたりしてるうちにだんだん自分が作品の中のキャラになったような気がしてきて・・・」 

291 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:17:26 ID:ZH6CyfN6
友「なるほど、それで」

女「ええ。それからというもの、エアガンを手にする度にどうしても人に撃たれてみたくなって・・・」

友「えぇ・・・」(ドン引き)

女「冗談よ」

友「で、ですよね・・・」 

292 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:18:32 ID:ZH6CyfN6
女「最初はサークルの友達とかとたまに遊びに行くくらいだったんだけど・・・」

友「へぇ」

女「時間が経つにつれて・・・皆・・・け、結婚したりしちゃって・・・気付いたら・・・わ、私だけに・・・」(涙目)

友「あっ・・・」(察し)

女「そんなわけで今では定例会にも一人で顔を出す行けず後家の廃人スナイパーそれが私よウフフなにこれもう泣きたい・・・」ホロリ

友(ダメみたいですね・・・)ガクガク 

293 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:20:29 ID:ZH6CyfN6
女「そんなわけで・・・今じゃもう楽しいからやってるっていうよりは、現実逃避のためにやってるって感じね・・・」トオイメ

友「そ、そんな死んだ魚みたいな目で・・・」

女「狙った獲物は逃がさないわよ!婚期は逃したけど!!」(半ギレ)

友「せ、先生困ります!そんなドロドロしたこと大声で言わないでください!!」

女「うっ・・・うっ・・・誰か私をもらってよぉ・・・」(マジ泣き) 

294 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:21:17 ID:ZH6CyfN6
男「えっ・・・お、お前・・・なに女の人泣かせてんの・・・」ウワァ

後輩「友さん・・・」マジカヨ

友「うんうん誤解だからね?っていうか俺は無意識のうちに他人の悲しいエピソード引きだしちゃう呪いでもかけられてんの?」

女「冗談よ冗談!今じゃ私いろんな人たちにひっぱりだこなんだからまぁサバゲーに限った話なんだけどねあはははは」

友「先生、笑い声が渇いてます」

男「悲しいなぁ・・・」

後輩「いいなぁ・・・憧れますぅ・・・」キラキラ 

295 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:22:01 ID:ZH6CyfN6
男「でも、本当に随分上手ですもんね。チームとか入ってないんですか?」

女「ええ・・・社会人中心のチームだと、他の人に合わせたりしないといけないから、なんだか息苦しくて」

後輩「確かに、仕事の都合とかありますもんねぇ~」

友(・・・あれ?ってことはもしかしてこの人、無sy・・・いや、何も言わないでおこう)

男「そういえばお仕事は何されてるんですか?」

友(すげぇぇええ!!切り込んでいったー!!!) 

296 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:22:49 ID:ZH6CyfN6
女「今は家業を手伝ってるわね・・・だから決まった休日もないし、なおさら社会人チームだと予定が合わないのよ」

後輩「なるほど~、それでこの間平日の定例会に出てたんですねぇ」

女「そう・・・って言っても、ゲームに顔を出すのは結構久しぶりだったんだけどね」

男「確かに、僕らも1年くらい前からあのフィールドにちょくちょく顔出してるけど、多分一度もお会いしたことないですよね」

女「別に誰かといるのが嫌なわけじゃないんだけどね・・・集まりに顔を出せないと、かえって迷惑になるし」 

297 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:23:43 ID:ZH6CyfN6
後輩「だったら、私達でチームつくればいいんじゃないですかね?」

女「え?」

男「確かに社会人に比べれば自由も効くし。緩いチームがいいってことならそれもありなんじゃないですか?なぁ、友」

友「えっ?はぁ・・・」

女「で、でも・・・さすがに学生に混じって大人が一人いるって、世間体的にどうなのそれ?」

友(そこだよなぁ) 

298 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:25:13 ID:ZH6CyfN6
後輩「変ですかね?」

男「サークルの顧問みたいな感じだし大丈夫じゃないですか?」

友(えぇ・・・)

女「こ、顧問かぁ・・・それならいいかも・・・」

友(いいのか) 

299 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:25:52 ID:ZH6CyfN6
男「まぁ、折角お近づきになったわけですし」

後輩「私もスナイパーの立ち回りとか色々聞いてみたいですぅ~」

女「じゃ、じゃあちょっとしたサークルってことなら私も入ってみようかしら・・・」

男「お前は?別にいいだろ」

友「えっ、俺は全然・・・皆がいいならそれで」

後輩「じゃあ決まりですね!!」 

300 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:26:46 ID:ZH6CyfN6
女「でも、やっぱ若いっていいわねぇ・・・なんだかお姉さんちょっと、元気が出てきたかも」

後輩「おねえさま!!」

友「おねえさまて」

男「そう言えば、なんて呼べばいいですかね?」

女「そうね・・・好きに呼んでくれていいわよ」 

301 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:27:40 ID:ZH6CyfN6
男「じゃ、顧問で」

後輩「じゃあ私はおねえさまで!!」

友「お前ら呼称バラバラじゃねーか」

女「じゃ、じゃあ早速サークル名考えましょ!」ワクワク

友「自分から提案していくのか・・・」(困惑) 

302 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:31:37 ID:ZH6CyfN6
男「サークル名かぁ・・・せっかく敏腕スナイパーの顧問がいる訳だし『狙撃部』とかどうすか」

後輩「あ、いいんじゃないですか!?」

男「略してそげぶ」

友「一文字しか略せてねぇしそれ」

女「べ、別に狙撃にこだわらなくてもいいのよ?」 

303 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:33:42 ID:ZH6CyfN6
男「でもほら、狙撃部と銘打ってるのにアタッカーが普通にサブマシンガン持って突っ込んでく構図とか結構面白くないですか?」

後輩「狙撃部狙撃しない担当ですね」

友(えぇ・・・)

女「いいわね、それ」

友(いいのか・・・)

後輩「じゃあ決まりですね!!」 

304 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:37:10 ID:ZH6CyfN6
数日後。

女「へぇ・・・ここが友君の言ってた例の山ね」

男「顧問のところからはちょっと遠いかもしれませんけど、ここで良ければいつでも使えますよ」

後輩「フィールド代もかかりませんからね~」

女「近くにこんな良い場所があるなら、シューティングレンジなんかなくても良いわね」

男「いやぁ、でもやっぱ無風の室内レンジもいいもんですよ」 

305 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:38:09 ID:ZH6CyfN6
友「ところで先生」

女「何かしら?」

友「今日はあのライフル持ってきてないんですね?」

女「えぇ。今日は立ち回りの話をしたいってことだったから、後輩ちゃんのエアガンを借りることにしたの」

友「え、そうなんですか?」 

306 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:41:48 ID:ZH6CyfN6
男「まぁ、せっかくチームを作ったわけだし多少はね?」

後輩「今まで私達二人で定例会に乗り込むだけだったし、チームでの立ち回りってあんまり練習したこと無いんですよねぇ」

友「ふーん、そういうことか」

女「じゃ、折角4人いることだしまずはチームを分けましょう!」

後輩「はいおねえさま!!」

友(・・・あれなんでおねえさまなんだ?)ヒソヒソ

男(さぁ・・・なんか通じるところでもあったんじゃない?)ヒソヒソ 

307 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:42:48 ID:ZH6CyfN6
女「じゃ・・・まずは私と、貴方達3人ね」

友「え」

男「随分バランスが悪い気がしますが・・・いいんですか?」

女「ええ。最初は一対多だとどうなるか教えてあげるから。遠慮なく撃ってきていいわよ」

男「じゃ、俺達はあっちの納屋から。顧問はこっちの林からスタートで。準備が出来たらホイッスル吹くんで、そこからスタートしましょう」

女「分かったわ」 

308 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:43:29 ID:ZH6CyfN6
<ピー

男「よし、スタートだ・・・数じゃこっちが有利だけど、あの人が相手だと油断できないな」

友「もうすでに先生の姿が見えないんですが」

後輩「大丈夫です!こっちには地の利もありますからね!!」フンス

男「とはいえ、地形的には向こうの方が高い位置にいるから不利だけどな・・・俺達は棚田の土手に伏せて身を隠しながら、ラインを上げていこう」

二人「了解」 

309 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:44:19 ID:ZH6CyfN6
・・・

男「・・・まだ見えないな」

友「向こうももう動き出してるかな」

男「多分な。顧問がこっちの裏をとろうとした場合、あの外周の林の中を走ってこなきゃいかんから、多分スナイパーのときみたいにアンブッシュしてると思う」

友「アンブッシュ?」

男「茂みとかに伏せて隠れることだ」 

310 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:45:58 ID:ZH6CyfN6
後輩「でも、今日は私のAKをお貸ししてますからね。この前と違って積極的に攻めてくるかもしれませんよ」

男「当然その可能性もある。外周の林を中心に、周囲の警戒は怠らないようにしよう」

友「で、でも・・・正面からならともかく、これサイドからだと俺達丸見えだよね」

男「だから念のため林からは十分に距離を取って進もう。ここなら林から撃った弾はまともに届かないし」

後輩「一番危ないのは、相手のスタート地点に近づいたときですかね」

男「多分な」 

311 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:46:51 ID:ZH6CyfN6
友「・・・気配はまだ感じないな」

後輩「相手はスナイパーですからね。どこに隠れてるか分かりませんよ」

<タタタタタタ

後輩「痛っ!?ヒ、ヒットですっ!!」

友「もうこんな近くまで!?」 

312 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:47:39 ID:ZH6CyfN6
男「やばい多分あの側溝のとこにいる!!向こうの木の陰まで走れ、早く!!」

<ビシビシビシ

友「い、痛ぇ!!ヒットヒット!!」

男「お、お前(後輩)あんまり威力上げてんじゃねーよ!!当たった時痛・・・ぐあぁヒット!!」ビシビシィ 

313 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:48:25 ID:ZH6CyfN6
・・・

女「と、まぁこんな感じね」ヒタヒタ

友「我々瞬殺だったわけですが」

後輩「流石です・・・」

男「まさか田んぼを流れる側溝の中に身を伏せているとは・・・」

女「長いことスナイパーやってるとこういうとこに躊躇なく踏み込めるようになるのよね・・・」グッショリ

友「先生ホント風邪ひかないでくださいねマジで」 

314 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:49:29 ID:ZH6CyfN6
女「はい、じゃあ次はもう少し範囲を狭めて・・・あそこの林の端から、ここまでの間でやりましょう」

男「これだとスタート地点から相手の姿が見えますし隠れる場所も少ないですけど・・・いいんですか?」

女「ええ。チーム分けは今と同じでいいわ。今回は私のほうが圧倒的に不利だけど、遠慮せず撃ってね」

男「は、はぁ・・・」

後輩「後進の育成のために敢えて身を挺すわけですね・・・!」

友(この人はひょっとしてただのドMなんじゃないのかな?) 

315 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:51:07 ID:ZH6CyfN6
男「じゃ、よーいスタート!」ピピーッ

<タタタタタタタタ

<タンッ!タタタタタ!

<ヒットデス!!

<・・・ヒット! 

316 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:52:00 ID:ZH6CyfN6
友「おー、さすがにこの距離だと挟み撃ちすればヒットとれるな」

男「若干一名巻き添えを食らった方がいましたね・・・」

後輩「・・・」

女「・・・とまぁ、基本的に一対多なら圧倒的に前者のほうが不利なのは、今やった通りね」

男「まぁ、数が多い方が有利ですよね。姿が見えていれば」 

317 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:52:51 ID:ZH6CyfN6
女「じゃあ、それが2対2だったらどっちが強いと思う?」

友「そりゃ・・・弾を多くばら撒けるような強い武器を持ってるほうじゃないですか?」

男「それと、ちゃんと落ち着いて相手を狙えるような経験者がいる方ですかね・・・」

後輩「強い武器を持っててちゃんと相手を狙ってる経験者・・・私のことですね!!」ガッツポ

友「えっ?」

男「は?」

後輩「ごめんなさい調子にのりました土でも食べてます許して」 

318 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:53:48 ID:ZH6CyfN6
女「それも大事だけど、私の経験から言うとそれぞれが明確に役割を分担してる方が無難に強いわね」

男「役割・・・ですか」

女「臨機応変に行動している2人組と、攻撃と支援という形に分担している2人組なら、普通は後者のほうが効果的ね。もちろん技量やエアガンの性能が同じくらいの場合だけど」

男「確かに。定例会でもガチのチームの人たちに当たるとすごい連携プレイしてるからな」

友「こないだの定例会じゃ、アタッカーとディフェンダーに別れてたけど」

女「ただ攻守ってだけじゃなく、実際にはもっと細かい役割を分担しているケースが多いようね」 

319 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:54:23 ID:ZH6CyfN6
男「大きなチームだと同じアタッカーでも突っ込んでくる人、戦線を維持する人、ちょっと後方から援護射撃してくる人に別れてることが多いですね」

女「そうね・・・あとはフラッグ周辺のディフェンスも、ただ待っているだけじゃなくて防衛線を張ったり、警戒範囲を設けて複数人で侵入した相手を迎撃する場合があるわ。そして、そういうポジショニングの戦略をとっているところには、大抵指揮官もいるわね」

友「へぇ。こないだの定例会じゃ、ほとんどただの総当たりみたいな感じだったけどなー」

後輩「平日の定例会だと大きなチームが参加しない場合も多いんで、大体そんな感じになりますねぇ」

友「なるほど」 

320 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:56:00 ID:ZH6CyfN6
男「役割が重要なのは理解しましたけど、僕らメンバー4人しかいないですからね」

後輩「ツーマンセルで組んでも、たかが知れてますね・・・」

女「だから、狙撃部としてゲームで動く場合は、味方チームの斥候役に徹してみるのはどうかしら」

男「なるほど、斥候ですか」

友「石膏?」

男「美術室にあるやつじゃないぞ。ありていに言えば偵察部隊のことだ」 

321 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 21:58:48 ID:ZH6CyfN6
女「私一人でスナイパーをしていると、せっかく前線で敵を見つけても自チームのメンバーにそれを伝えられないの」

男「確かに、あれだけ偽装してたら下手に動いたら見つかっちゃいますもんね。TRX(トランシーバー)も音がばれるから使えないし」

女「そう。だから、4人それぞれの役割を分担すれば、チームで偵察ができそうよね」

後輩「すごい!海兵隊のフォース・リーコンみたいですね!!」

友「4th離婚?」

男「フォース・リーコンは米海兵隊の威力偵察を行う特殊部隊のことだ」 

322 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:02:23 ID:ZH6CyfN6
女「役割を分担するって言ったけど、本来なら誰がどの役割にも就くことができるのが理想ね。幸い、みんな狙撃に使えるライフルは持っているようだし・・・」

友「え、そうなの?」

男「俺はこのM14にスコープ乗せれば狙撃もできるし」

女「つい私のにPSG-1が火を噴くときが来たようですね・・・」フフフ

友「後輩ちゃんは一体いくつエアガン持ってんのさ」

女「ということで、早速みんなライフルを持ってみて」 

323 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:03:31 ID:ZH6CyfN6
・・・

男「よし」←M14

後輩「完璧デスネ!!」←PSG-1

友「後輩ちゃん、心なしか腕プルプルしてない?」←VSR-10

男「だってそれ4kg以上あるもん・・・俺のM14も同じくらいだけどさ」

女「いい・・・こんなにスナイパー仲間が一同に会すなんて・・・」ウットリ

友「先生、帰ってきてください。あとさっきからびしょ濡れのままですけど寒くないんですか」 

324 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:04:23 ID:ZH6CyfN6
女「えー、スナイパーといえば命中率の高さやギリースーツを着込んだ隠密行動が注目されがちだけど・・・実際には相手より先に有利なポジションに付くダッシュ力なんかも必要ね」

友「確かに一回隠れちゃうとなかなか動けませんもんね」

女「ええ、だからこそ前衛と一緒に動き回れるスナイパーはかなりの脅威よ。でも一番重要なのは観察力と状況判断力ね・・・敵を見つけてもすぐに撃つわけじゃなくて、状況を判断して撃つか撃たないか、あるいは位置を変える必要があるかを判断する必要があるわ」

後輩「それって、どうすればいいんですか?」

女「簡単に言えばそのフィールドでの定石みたいなものを早く見つける事ね・・・そうすれば、敵の動きを予測して迎撃したり、裏をかくことができるから」

男「なるほど」 

325 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:05:37 ID:ZH6CyfN6
女「実際エアガンに乗せるスコープは『敵を狙う』ことよりも『敵を探す』ことに効果を発揮することが多いわ」

後輩「たしかに、どんなに飛んだってBB弾の飛距離なんて40mくらいですもんねぇ」

女「でも、40mも離れてると建物の影や茂みの中にいる敵を肉眼で見つけるのは難しいわ。そこでスコープの出番ってわけね」

男「オススメのスコープの倍率とかあるんですか?」

女「オススメというか、基本入手できるものには3~9倍くらいの倍率のスコープが多いわね。あまり倍率が高いとかえって見づらくなるから、3倍くらいで十分だと思うわ。あとは、スコープを覗いてから照準を合わせるんじゃなくて、飽くまでも視線の上にスコープを被せるイメージね。できればもう片方の目も開いておいて、広い視野を確保しつつ索敵するのがベストよ」 

326 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:06:22 ID:ZH6CyfN6
友「前にスコープ使ってて思ったんですけど、相手と相対して撃ち合ってると結構スコープのぞくのが煩わしいんですよね」

女「たしかに近距離で撃ち合うなら、口径が大きくて倍率の低いダットサイトやCQBスコープなんかのほうが使いやすいわね」

後輩「じゃあ、可変倍率のスコープは色々対応できて良さそうですね!!」

女「機能上はそういえるけど、可変倍率のスコープは重くなりがちだし、どうしてもレンズが暗くなって見えづらくなることも多いわね。他にもレティクルを光らせたりする機能が付いたのもあるけど、普通に使う分には安価で単機能なスコープで十分だと思うわ」

友「なるほど」 

327 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:07:10 ID:ZH6CyfN6
・・・

女「と、まぁ私が思う前線での動きはこんなイメージなのだけれど・・・どうかしら?」

後輩「うーん、今日だけでかなりスキルアップした気分です!!」フンス

友「たしかに、これならこのVSRを持って行っても活躍できるかも・・・」

女「あとは、それぞれの銃の射撃性能と身体能力を生かした役割分担をしましょう」

男「射撃性能と身体能力・・・ですか」 

328 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:07:57 ID:ZH6CyfN6
女「もちろん全員が色々な役割をこなすことが出来れば最高だけど、今のこの構成なら体力のある男くんと友くんが前衛になってくれるといいわね」

友「ボルトアクションで前衛って厳しくないですか?」

女「前衛と言っても、アタッカーみたいに撃ち合うわけじゃないから・・・フルオートもできて連射がきく男くんは、いざとなれば近距離でも対応できるから単独行を中心としたマルチシューターはどうかしら」

男「ふむ」

女「ボルトアクションで連射が効かない友くんは、後輩ちゃんと組んで動くとよさそうね。特にVSRは軽いし貴方は脚力もあるようだから、先陣に切り込んでいけそうだし」

友「切り込み隊長っすか」 

329 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:08:52 ID:ZH6CyfN6
後輩「おねえさま、私は・・・」

女「後輩ちゃんは友くんのバックアップを中心に、後方のラインにいる味方の援護と情報の伝達係ね。貴方の声はよく通るから」

男「顧問はどうするんです?」

女「私は最後方で指揮を取りつつ、誰かが欠けた場合のバックアップを務めるわ。狙撃部が目指すのは、誰よりも早く敵を発見して味方に情報を展開する斥候のプロ集団よ」

後輩「やったーカッコイイー!!」ヒュー

女「・・・まぁ、とはいっても強制はしないわ。結局自分が楽しんでゲームするのが一番だからね。・・・久しぶりに話し相手ができて、今日はついヒートアップしちゃったけど」 

330 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:10:09 ID:ZH6CyfN6
男「いやでも、色々と参考になりました。今度狙撃部でゲーム行ってみましょうよ」

友「確かに役割決めてゲームするのもこれはこれで面白いよな。ロールプレイってやつか」

女「まだ隠れ方とか索敵の仕方とか色々教えたいことがあるけど、今日はここまでにしましょう」

友「そうですね。そろそろ日も傾いてきたし」

女「・・・」

後輩「あれ?どうしたんです、おねえさま」 

331 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:11:20 ID:ZH6CyfN6
女「寒い・・・」ブルブル

友「えっ」

男「今更ですか・・・」

女「わ、我を忘れて話し込んでたから・・・」ガチガチ

後輩「お、おねえさま、よかったら私のウィンドブレーカーを・・・」

女「ちょ、ちょっとあの納屋で着替えさせて・・・」ガクガク 

332 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:12:20 ID:ZH6CyfN6
・・・

友「なんつーか、変わった人だよなぁ」

男「そうだなぁ・・・顔は悪くないと思うんだけど・・・」

友「・・・幾つくらいなんだろ」

男「少なくとも、俺らより片手くらいは上なんじゃ・・・」

友「悲しいなぁ・・・」 

333 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:13:00 ID:ZH6CyfN6
男「・・・ところで、なんか遅くね?」

友「まー着替えるって言ってたし・・・」

男「着替えったって・・・あれじゃBDUの下までずぶ濡れだろう」

友「・・・」

男「・・・」 

334 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:14:10 ID:ZH6CyfN6
友「ちょ、ちょっと声かけてみたほうがいいんじゃない?」

男「そうだな・・・あのー、大丈夫っすかー?」トントン

<あ、せんぱーい!お願いがあるんですけどー

男「お、おう?どうした」

<ちょっと女性用下着買ってきてもらえません?

男「んなもん買えるか!!」 

335 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:15:27 ID:ZH6CyfN6
女「ふぅ・・・」

男「あ・・・着替え終わりましたか」

女「えぇ・・・乾いてるって素晴らしいわ」

友(どんな感想だよ)

女「ただ如何せん、 着を着けて無いのは落ち着かないわね」

男(マジかよ・・・)

友(ていうか女捨ててんなこの人・・・) 

336 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:16:27 ID:ZH6CyfN6
後輩「あ、あのぅ・・・よかったら今日、私の部屋に泊まっていきませんか?」

女「えっ、でも・・・」

後輩「濡れた服・・・うちで洗濯できますし・・・」

男「おいおい・・・そうはいっても、彼女だって都合があるだろう」

女「あ、あぁいえ・・・別に用事とかはないんだけど・・・」

友(あれ?てことはやっぱりこの人ニーt・・・いや家業手伝いって言ってたもんな、うん深く考えるのはやめとこう) 

337 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:17:34 ID:ZH6CyfN6
後輩「だったら、是非!!」

女「い、いいの・・・?」

後輩「いいですいいです!!」

男「まー都合が合うならいいんじゃないですか。濡れた服持って帰るのも大変でしょうし」

女「・・・じゃあ、お言葉に甘えようかしら」

後輩「やったぜ」ガッツポ 


338 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:18:34 ID:ZH6CyfN6
・・・

友「ふぅー・・・始めてみるといろんな遊び方があるな、サバゲーは」

男「まー最初から役割とか理論を気にするとハードルが高いけどな。でも何回もやってるうちに顧問の言ってることも腑に落ちるようになるっていう」

友「確かに。俺も水鉄砲撃ち合ってた頃から見ると大分進歩したなーって自分でも思うよ・・・っていっても、まだ1回しか大きいゲームに出たこと無いけど」

男「習うより慣れろ!ってやつだな」

友「なんかそれ微妙に使い方違くねぇ?」 

339 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:19:29 ID:ZH6CyfN6
男「でもチームで斥候をやるっていうのは盲点だったな。本当に極めたらかなりカッコイイ感じになりそう」

友「フォース・リーコンだっけ?目指せサバゲー特殊部隊!ってか。いずれにせよ、サバゲーって子供のころにやったごっこ遊びの延長だしね・・・そういや、先生着替えとか大丈夫だったかな?」

男「・・・」

友「ん?どうした?」

男「いや・・・アイツ(後輩)さ、顧問のことをやたらと家に誘いたがってたよなぁ」

友「ああ・・・まぁ、女同士だし、色々エアガンの話とかしたかったんじゃない?」 

340 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/06(火) 22:20:11 ID:ZH6CyfN6
男「それならいいんだけど・・・あいつちょっと、その気があるっぽいんだよなぁ」

友「えっ何それは」(戦慄)

男「前にアイツの部屋でそういう雑誌を見かけた事があって・・・まぁ人の趣味にどうこう言うのは野暮だしその時は何も言わなかったんだけど」

友「先生の危険が危ない」

男「ただまぁ我々に打つ手はありません」

友「ダメみたいですね・・・」

第7話 おわり 

354 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:08:28 ID:jXJAtBVs
最終話 -初めての・・・-

友「よっ、久しぶり」

男「おー、元気にしてたか」

友「まぁボチボチかな・・・最近は仕事が忙しくてさ。サバゲーなんて久しぶりだよ」

男「どれ、新しい得物を見せてみろよ・・・お、MP7か」

友「ああ、もう昔みたいに長物は無理。すぐ腰痛くなるし」

男「まだ20代じゃねえか」 

355 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:09:51 ID:jXJAtBVs
友「そうはいってももう立派なアラサーだし・・・よっこいせ」

男「ゆっくりしていけんの?」

友「あぁー、とりあえず連休は全部休みにしたから、今日明日はお前んとこに世話になるよ」

男「そりゃよかった。ま、上がってくれ」

友「お邪魔しまーす」 

356 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:12:36 ID:jXJAtBVs
・・・

友「VSRだ・・・懐かしいな」

男「お前が初めて買った銃だからな」

友「ちょっと触らせて・・・おー、まだ動く」

男「アイツがちょくちょくメンテしてたからな。今じゃ貸し出し用にもたまに使ってるが」

友「就職の時に邪魔になるってんで預けてたんだよなぁ、そういえば」

<タダイマー

男「あ、帰ってきた」 

357 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:19:43 ID:jXJAtBVs
後輩「あ。友さん、もう来てたんですねぇ」

友「おぉー後輩ちゃん久しぶり。老けたねー」

後輩「しっ失礼な!!」

男「まぁこいつももう立派な三十路手前女ですしおすし」

後輩「ひどい!!」プンスカ 

358 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:20:26 ID:jXJAtBVs
友「フィールドのほうはどう?」

後輩「ぼちぼちですねぇ。週末は何だかんだ50人くらいは人が入りますし」

男「まーそっちの収入だけで食ってくのは無理にしても、なんとか回ってるよ」

友「そっか」

後輩「この人が外でお仕事してる間に、私がエアガンとフィールドの管理なんかをしてるんです」 

359 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:21:27 ID:jXJAtBVs
友「まさか自分でフィールドまで立ち上げてしまうとは・・・どっぷりハマりすぎだろう」

男「まぁ、それだけの素地はあったからなぁ」

友「土地があってエアガン好きが集まればそうなる、か。趣味と実益を兼ねてて羨ましいよ」

男「これぐらいしか使い道のない土地だし、身内営業なら金もかからないからなぁ。コイツはコイツで旦那よりもエアガンのほうを喜んで弄ってやがる」

後輩「あれあれぇ、もしかして焼きもち焼いてます?」

男「別に・・・」 

360 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:22:44 ID:jXJAtBVs
友「でも固定客もいるんだろ?アクセスはちょっと大変だけど、色々教えてもらえるってんで」

男「うん、まあね」

後輩「私が銃のメンテやカスタム講座を開いたりしてますからね~」フフン

友「充実した暮らしを謳歌していらっしゃるようで」

男「ホントだよこいつの生活ほぼニートだからな」

後輩「ちゃ、ちゃんとフィールド経営してます!!」

男「登記上の経営者は俺なんだけど」

後輩「むう」 

361 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:23:28 ID:jXJAtBVs
友「でも、一人じゃ大変じゃない?」

後輩「あぁ、いえいえ。ちょくちょくおねえさまが手伝いにきてくれますから!」

友「え、先生手伝いに来てるの!?」

男「あー、うん・・・アルバイトスタッフってことでお手伝いしてもらってる。まぁ、半分正社員みたいなもんだけどね」

友「いっそ正規で雇っちゃえばいいじゃん」

後輩「それが、家業との兼ね合いもあるらしくて難しいそうなんですよぉ」

友「ふーん・・・」 

362 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:25:15 ID:jXJAtBVs
男「ちょうど明日は顧問も来るぞ」

友「おー、じゃあ久しぶりに全員集合だな」

後輩「明日は予約も結構入ってるんですよねぇ。今日のうちに準備しとかなくちゃ!」イソイソ

友「忙しそうだなー」

男「まー力仕事くらいは手伝うけど、書類関係や細かい事はほとんどアイツにまかせっきりだ」

友「考えてみたら後輩ちゃんは社長夫人なんだよな」

男「肩書きだけはね」 

363 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:25:48 ID:jXJAtBVs
友「ていうか、オーナー自らゲームに参加するってどうなの?」

男「大丈夫だよ常連でも俺がオーナーなの知ってる人いないもん」

友「マジかよ」

男「多分みんな俺の事セーフティ裏で昼飯用のカレーとか豚汁つくってる人としか認識してないから」

友「そんなんわろてまうやろ」

男「カレーと豚汁には一家言あるんだよ。カレーと豚汁には一家言あるんだよ」

友「大事なことなので2回言いました」 

364 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:26:51 ID:jXJAtBVs
翌日・・・

友「おぉー、この山に来るのも久しぶりだぁー・・・やっぱこれだけ人数いると、ちょっと手狭だな」

男「連休初日で今日は申込みが多くてな・・・今日と明日だけで100人くらい予約が入ってるんだよ」

友「すごい!えーと、一人当たりの参加費が3000円だから・・・えらい儲かってまんなぁ」(ゲス顔)

男「まぁ諸々の維持費がかかるし手元に残るのは僅かなもんだよ。それに常に安定した収入があるわけでもないし」

友「もっとお金貯めて、インドアフィールド用の建屋とか作ろうぜ!!」 

365 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:27:57 ID:jXJAtBVs
男「それがなぁ・・・消防法とかの関係で結構許可取るのがしんどくてさ。それよりも来年この山の入り口の近くにインターが出来るらしいから、ここまでの道とか駐車場を整備するのに投資したほうがいいと思うんだよね」

友「なんというか、予想外に経営者らしい発言にビックリだよ」

男「ここに来る途中の道って農道だからさ。サバゲーのやりやすい春秋はちょうど農家の田植え・稲刈り時期とバッティングして、どうしても参加者と地元農家の間でトラブルが起きやすいんだよ・・・送迎用のマイクロバスとか用意できればいいんだろうけど、人件費もさることながら閑散期はそれだけで維持費がかかっちゃうし」

友「難しいんだな」

男「まぁ、今のところ現実的には農道脇の藪とかを借り上げて、すれ違い用の待避所とか駐車場を作るくらいしか打つ手がないんだ。そういうとこがボトルネックにもなってて、なかなか本腰入れてやるか!とはならないんだよね」

友「なるほどね」 

366 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:28:47 ID:jXJAtBVs
男「まーその分、他のフィールドにはないような工夫を凝らして固定客ゲット!っていうのを目指してはいるんだが」

友「あー、昨日言ってた後輩ちゃんのエアガンカスタム講座とか?」

男「ああ。それと、他のフィールド違ってハンドガン~スナイパーライフル、LMGまで色々な銃がレンタルできるようにしてる。一応、マルイの最新ラインナップと目ぼしい海外どころは全部揃えてるな」

友「それ初期投資エライことになってそうですね・・・」

男「間違いなくここが一番金かかってる・・・ていうかこれはもう半分アイツの趣味だから・・・」

友「あぁ・・・」

男「ていうかウチの物置あれヤバイよ、どこのテロリストだよ。家宅捜査入ったら一発よ一発」 

367 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:29:56 ID:jXJAtBVs
友「そんだけあったらエアガンだけでも維持費が馬鹿にならないだろ」

男「ああ。ただ、色々試し撃ちしてみたいユーザーとかもいるんで、コアな人にも結構人気があるんだ。それに大抵の故障ならアイツ一人で何とかするし」

友「なるほど」

男「あと、定期的にお一人様向けのイベントも開いてたりする」

友「へー、どんなの?」

男「サバゲー好きのスタッフ数人がフィールドの中に潜んでて、参加者は奥にあるフラッグをゲットしてくるというゲーム。ゲットできた方にはエアガンのカスタムパーツや次回割引券などを進呈」

友「おー、メタルギア的な感じだぁ」 

368 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:31:06 ID:jXJAtBVs
男「なお、スタッフ側は人数の制約から撃たれても10秒後には復活する」

友「あっバイオハザードだった・・・」

男「特に毎月2~3回、不定期で謎のスナイパーが配置されるエクストリーム感謝DAYイベントが発生」

友「謎のスナイパーってあの人じゃないですかやだー」

男「この日だけは景品に電動ガンとか用意してるんだけど、まだ持ってった人はいないな・・・」

友「スタッフによるガチの掃討作戦ですね・・・」 

369 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:32:48 ID:jXJAtBVs
男「でも、結構大学生とかに人気だよ。格安で銃の貸し出しとかもやってるしね」

友「なるほど」

男「あと一昨年の夏から、子供向けにエアガンじゃなくて水鉄砲や水風船を使ったイベントも開催してるな」

友「そういえば昔大学生にもなって水鉄砲で撃ち合ってる2人組がいましたね・・・」

男「さすがに子供にエアガン持たせるとPTAとかがうるさいらしくて・・・でも毎回、子供連れで来る人が結構いるよ。ていうか子供より親の方が盛り上がってるかんじ」

友「だって水鉄砲何気に面白いもんあれ」 

370 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:33:35 ID:jXJAtBVs
男「ちなみにフィールドに落ちてるBB弾やゴミをたくさん拾ってくれた子は入場料が無料になるサービス付きだ」

友「ほほえまC」

男「いくらバイオ弾っていってもしばらくはフィールドに残るしな・・・土に戻るったって、考え方によっちゃ生ゴミばら撒いてるのとかわらんし」

友「なるほど」

男「子供を使ってフィールドのゴミ掃除もできる一石二鳥のイベントってわけよ」(ゲス顔)

友「汚いさすが男汚い」 

371 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:34:20 ID:jXJAtBVs
男「あとはあれ、カレーと豚汁に自信」

友「それ別にサバゲー関係なくねぇ?」

男「お持ち帰り販売とかしてるし。結構好評だし」

友「持ち帰り!そういうのもあるのか・・・」

男「冬季限定だけどな。夏は食中毒が怖い」

友「そんな細かいことまで」 

372 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:38:04 ID:jXJAtBVs
男「いや経営者やってるとそういうのマジで怖い。フィールド内でのケガとかトラブルとか。一応、免責事項は設けてるけどさ・・・いざとなったらどこまで効力を発揮するのか分からないし」

友「大変だな」

男「どこから破綻するか予測できないからね。・・・まぁ、なんというか人が来てくれるに越したことはないけど、あまり大々的にもならないでほしいような複雑な心境」

友「・・・お前社長向いてないんじゃない?」

男「だから外に勤めに出てるんだよ。こっちはあくまで趣味でやってる副業」

友「なるほどね・・・」 

373 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:38:49 ID:jXJAtBVs
女「・・・あれ?」

友「あ、先生。お久b・・・」

女「久しぶりね・・・!」ガッシ

友「ちょ、肩そんな強く掴まないで・・・」ビクッ

女「久しぶりね・・・!!」クワッ

友「そ、それさっき聞きました・・・」ガクガク 

374 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:39:48 ID:jXJAtBVs
男「あ、じゃあ顧問。俺午前中の仕込みしてくるんで」

友「あれ?お前もゲーム出るんじゃないの?」

男「馬鹿だなお前、俺がいなくなったら誰が今日の分のカレー作るんだよ」

友「えぇ・・・」(困惑)

男「俺は午後から参戦するから、午前中はお前ひとりで楽しむがよい」

友「は、はぁ・・・って、先生は?」 

375 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:40:40 ID:jXJAtBVs
女「あぁ・・・私は、お手伝いスタッフだから・・・」

友「はぁ、お手伝いですか」

女「チームの戦力バランスが偏った時は、私も参加するわ」

友「そういうことですか」

女「それ以外の時は・・・ルール違反している参加者をこっそり狙撃してるわ」ニコリ

友「えぇ・・・」(困惑) 

376 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:42:58 ID:jXJAtBVs
・・・

<えー、それでは10:00より第1ゲームを開始しますー!!

友「あ、今日はよろしくお願いします」

参加者2「よろしくおねがいしますー」

参加者1「あ、貴方さっきカレーの人と話してましたよね?」

友「カ、カレーの人?」

参加者2「私達常連の間では彼の作るカレー目当てでここに来てる人も結構いるんですよ・・・」

友(えぇ・・・) 

377 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:44:00 ID:jXJAtBVs
参加者1「彼のカレーはやばい・・・あのスパイスの香りが俺を狂わせる・・・なんていうか、宇宙感ありますよね」

友(カレーの宇宙感って何だろう・・・)

参加者2「お知り合いなんですか?」

友「えぇ、まぁ・・・奴とは大学の頃からのサバゲー仲間で・・・」

参加者1「ちょ、じゃあ後であのカレーのレシピ聞いてきてくださいよぉ!」

友「え、は、はぁ・・・」

<間もなくスタートです! 

378 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:45:43 ID:jXJAtBVs
・・・

<ヒット!

<ヒットー!!

参加者2「おい、誰かすげぇ人がいる・・・どんどんヒットとっていくぞ」

参加者1「ていうか、どこから撃ってるんだ?もう大分先のほうにいるみたいだけど・・・」

友(うーん・・・勝手知ったるなんとやら、か。意外にこの背面の側溝に気付いてる人いないんだな・・・ん?)

女「・・・」←アンブッシュ中

友「・・・」タタタン

女「痛たたっ!?」 

379 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:46:41 ID:jXJAtBVs
友「せ、先生何やってんすか・・・」

女「えっ・・・あ、こ、ここから不正をしているプレイヤーがいないか監視してたのよ!」

友「こんなところで・・・」

女「あっ、ゲーム中のスタッフはサッカーの審判と一緒で石とかと同じ扱いだから・・・もっと撃ってもいいのよ?」ポッ

友「撃たねぇよ」 

380 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:48:42 ID:jXJAtBVs
参加者1「す、すごいっすね・・・」

参加者2「なんであんな場所知ってるんですか?もう何回も来てるのに全然気づきませんでしたよ」

友「あー、なんというかフィールドになる前にここじゃ結構やりこんでたもので・・・」

参加者1「マジかよ!!」ガッツポ

参加者2「これで勝つる!!」ガッツポ

友「えぇ・・・」 

381 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:49:33 ID:jXJAtBVs
・・・

<午前の部終了でーす

参加者2「おつかれーっす」

参加者1「メシじゃー!!」

男「はーい、昼食予約してる人はこっちにならんでくださーい」

友「あっすごい行列」 

382 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:50:39 ID:jXJAtBVs
参加者1「言ったじゃないですか、人気だって」

友「本当っすね・・・ってあれ?それコンビニ弁当ですよね?」

参加者1「ああ、このコンビニのチャーハンの上にカレーをかけてもらうんです!」

友「えぇ・・・」

参加者1「カレーチャーハン、略してカレーハー」

友「そんなコラ画像見たことありますね・・・」※肉ラララ炒め 

383 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:51:55 ID:jXJAtBVs
後輩「えー、すみませんが午後の部は若干のメンバー変更を行いたいと思います。・・・友さん、ちょっと」

友「え、俺?」

参加者1「あ、あの人オーナーに連れてかれた」

参加者2「まぁこのフィールド慣れてるっぽかったからねぇ・・・立ち回りも上手だったし」

友(既に後輩ちゃんがオーナーだと思われてる!本物のオーナーはそこでカレー食ってるそいつだ!!)

男「今日のカレーもうめぇ」モグモグ 

384 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:53:33 ID:jXJAtBVs
後輩「はい、じゃあこれお返ししますね」

友「えっ、これ俺のVSR・・・?」

後輩「午後はこれ持って参戦してください」

友「そんな殺生な!?」

後輩「いやぁ・・・さすがに午前中の様子見てたら、友さんが明らかにバランスブレーカーになってましたからね。ハンデです」

友「トホホ・・・」 

385 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:55:55 ID:jXJAtBVs
後輩「ちなみに、午後はおねえさまが相手チームに助っ人参戦しますので」

友「げっ、マジですか」

男「その代り俺もそっちのチームに加わるから、それで少しはバランスとれるだろ多分きっと恐らくもしかして」

友「もっと自信もって言ってくれよ・・・」

後輩「というわけで、午後も頑張ってくださいねー」 

386 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:56:44 ID:jXJAtBVs
・・・

男「あー、D-3に4名、C-1に2名・・・あ、一人出たわ」

友「ん。D-2にも2名、うち一人はLMG持ってる・・・D-5バリケードの人たち左から抜けさせるわ」

男「了解・・・D-3、2名クリア、そっちに2人アンブッシュしてるから気を付けて」

参加者2「な、なんかあの2人の間でテクニカルタームが飛び交ってますね・・・

参加者1「それにすぐに敵の場所見つけて報告してくれるし。すごいなあの2人」

参加者2「もしや、あれは・・・」

参加者1「知っているのか、雷電?」 

387 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:57:52 ID:jXJAtBVs
参加者2「数年前、東京近郊のサバゲーフィールドにはある有名なチームがいたらしい。そのチームのメンバーはスナイパーライフルを武器に、誰よりも早く敵の位置を把握し味方を有利な状況に導いたという」

参加者1「へー」

参加者2「上空からフィールド全体を見下ろしているとまでいわれたその索敵能力から、いつしか彼らはサバゲー界隈で『ホークアイ』とよばれるようになった」

参加者1「センスねぇ名前・・・」

参加者2「しかし、ここ数年フィールドで彼らの姿を見た者はいない・・・もしかして彼らこそ、姿を消して久しいとされるホークアイのメンバーなのでは・・・?」

参加者1「多分ただのカレー名人とその知り合いだと思うんですけど」(名推理) 

388 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:58:55 ID:jXJAtBVs
男「すみません、敵のフラッグ取りに行ける人いますか」

参加者2「あ、自分向こうから回ります」

参加者1「俺はここで援護します」

友「じゃあ俺はF-1押さえて周囲警戒してるわ」

参加者2「そ、そのF-1とかの記号って、もしかしてフィールドの目印かなんかですか?」 

389 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 21:59:51 ID:jXJAtBVs
男「あぁ、昔からここのフィールドを場所ごと区分けしてたんですよ」

友「最初はざっくり6分割くらいだったのに、今じゃもう10倍くらいになってるよね」アハハ

参加者2(マジかよ・・・)

参加者1(頭おかしい・・・)

男「よし、じゃあフラッグ取りに行こうか」 

390 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:01:15 ID:jXJAtBVs
<パスッ

参加者1「おぅ!?ヒット!!」

参加者2「え・・・今どこから」

男「あ、顧問かな」

友「多分な」

参加者2「こ、Common?」 

391 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:01:59 ID:jXJAtBVs
男「よし、フラッグは他の人たちに任せて俺達はキツネ狩りじゃあ!!」

友「まーどのみち先生がいたんじゃあフラグ取れないしな、了解!!」

参加者2(顧問とか先生とか・・・この2人、一体・・・)

<残り1分です!!

参加者1「ヒット通りまーす・・・」ノソノソ 

392 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:02:42 ID:jXJAtBVs
・・・

友「先生には勝てなかったよ・・・」

男「場所すら明かさないとはさすが顧問・・・」

参加者1「先生とか顧問とか、一体誰のことです?」

友「あぁ、午後から相手チームにバランス調整のためにここのスタッフが一人入ったんですけどね。その人がまた結構やばいスナイパーで」

参加者2「へぇ・・・どの人です?」 

393 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:03:53 ID:jXJAtBVs
友「あー、先生は休憩時間中もオーラ殺してるからどこにいるかわかんないですよ」

参加者2「えっ」

男「休憩中に格好がばれるとゲーム中に見つかる可能性があるから、なるべく見えないところに隠れてるそうで。多分顔塗り込んでギリースーツとか着てると思うんですけど・・・」

参加者2「本気のやつじゃないですか・・・」

参加者1「カメレオンかな?」

友「本当、カメレオンばりに姿消すからねあの人は・・・」

男「よし、次のゲームが始まるぞ」 

394 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:04:40 ID:jXJAtBVs
・・・

男「F-7の樹の上あたりが怪しいぞ!!」

友「いやA-3~A-5の池の中かも・・・」

男「土の中という可能性も排除するな!!」

参加者1「な、なんかあの人たち索敵してる場所がおかしくない?」

参加者2「樹の上や池の中って・・・相手は忍者か何か?」

男&友「ぐわああああ!ヒット!!」 

395 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:05:28 ID:jXJAtBVs
・・・

男「お、おい。もっかいバランス見直そうぜ・・・」

後輩「え?バランスはとれてますよぉ~。基本的におねえさまには友さんとあなたの2人を狙ってもらってますから」

男「マジか・・・」

友「あ、今度はうちのチームがフラッグとった」

後輩「あんまり身内で無双しすぎると商売になりませんからね~。皆さんにはほどほどに手を抜いてもらわないと・・・」(ニッコリ)

男「これじゃ俺達だけガチの戦いやないか・・・」 

396 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:07:21 ID:jXJAtBVs
・・・

<はーい、それでは今日のゲームは以上をもって終了となりまーす

参加者2「お疲れ様でーす」

友「今日はどうも、お疲れ様でしたー」

男「ふう、さーて後始末しないとな」

友「あぁそっか・・・フィールド運営は大変だな」

後輩「他人事みたいに言ってますけど、友さんにももちろん手伝ってもらいますからね!」 

397 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:08:13 ID:jXJAtBVs
友「うへ・・・ちょっと休憩させてよー」

後輩「ダメですっ!今日明日の宿泊費とゲーム代無料にしてるんですから、これぐらい手伝ってもらわないと!」

友「・・・へーい」

男「っていってもまぁ、機材を納屋に入れて火の始末するくらいだからな。ちゃちゃっと終わらせて帰って一杯やろう」

友「あー早く風呂入ってビール飲みたい」

後輩「おっさんですか」

友「おっさんですよ・・・」 

398 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:08:56 ID:jXJAtBVs
女「・・・二人とも、今日はお疲れ様」

友「あ、先生。お疲れ様っす」

男「いやー、やっぱりまだまだ顧問には敵いませんね」

女「私も、久しぶりに全力を出したわ」

友「ていうか、ゲーム中全然見つけられなかったんですけどどこにいたんです?」 

399 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:10:02 ID:jXJAtBVs
女「ふふふ・・・企業秘密よ」

友「えぇ・・・」

後輩「おねえさまも今日は泊まって行ってくださいね!!」

女「ええ・・・お世話になるわね」

友「え、マジで」

男「ああ。連日でスタッフやってくれる時は、ウチに泊まってもらってるんだよ」

友「はぁ・・・」

後輩「ほらほら、片付け始めますよー」 

400 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:11:08 ID:jXJAtBVs
・・・

男「お疲れ様でしたァ!!」カンパイ

全員「おつかれー!!」カンパーイ

友「あー、ビールが美味い!!」プハー

男「うおォン俺はまるで人間水力発電所だ」ゴクゴク

友「それって垂れ流しってことじゃないですかね・・・」

後輩「二人とも汚いです・・・」 

401 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:12:29 ID:jXJAtBVs
女「Zzz...」

友「あの、開幕1分で寝てる人がいるんですが」

男「ん?あぁ顧問は酒飲むとマッハで眠りに落ちるからな」

友「えぇ・・・」(困惑)

後輩「あ、私部屋に運んできますねー!」

女「ううう」ズルズル

友「めっちゃ引きずられてる」

男「痛そう」 

402 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:13:36 ID:jXJAtBVs
友「それにしても、分からんもんだよなあ。まさかお前と後輩ちゃんが結婚するとは」

男「んー・・・まぁ、学生時代からなんとなくズルズルきちゃったんだよなぁ」

友「・・・そういや彼女、前にそっちの気があるとか言ってなかったっけ?」ヒソヒソ

男「さぁ・・・少なくとも男がダメってわけじゃなさそうだけど・・・もしかしたら両刀ってやつかな・・・」ヒソヒソ

友「後輩ちゃんの闇が深すぎる・・・」 

403 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:15:18 ID:jXJAtBVs
男「・・・そういやアイツ、顧問が泊まってく日は毎回酒飲ませて自分の部屋に連れ込んでるな・・・」

友「ふーん・・・あっ」(察し)

男「野獣と化した後輩」

友「それ以上いけない」

後輩「二人とも何話してるんです?楽しそうですね~」

友「ヒエッ・・・」ビクッ 

404 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:16:06 ID:jXJAtBVs
男「んー?別に何でもないぞ」

後輩「私も仲間に入れてくださいよぉ」

男「いいからお前は早くメシ食ってレンタル用のエアガンの整備してろって。明日も予約入ってるんだから」

後輩「むう」

友「大変だねー、本当」 

405 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:16:57 ID:jXJAtBVs
後輩「まー全然苦にはなりませんけどねぇ。好きなことやらせてもらってるこの人には、随分感謝してますぅ」

友「おー、惚気ですね」

男「そういうのうざったい」

後輩「ひどい」

友「なに照れてんだよ」

男「照れてねえし」 

406 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:17:42 ID:jXJAtBVs
・・・

友「ごちそーさんでした」

男「さて、俺も明日の仕込みでもするか・・・」

友「仕込み?何の?」

男「明日はチキンカレーだ」

友「そう・・・」

男「玄関脇の部屋明けといたから、そこ使ってくれ」 

407 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:20:05 ID:jXJAtBVs
友「ん、ありがと」

男「なんならエアガンも出しとけ。アイツにメンテさせとくから」

友「いやいいよ、自分のは自分でするから・・・ていうか、銃よりまず俺の身体をメンテするべきだな」

男「おー、ちゃんと寝る前にストレッチしとけよー」

友「まだギリギリ翌日に筋肉痛が来るからな・・・ちゃんとほぐしとかないと、っと・・・」ノビー

男「ストレッチ・・・スト、ひとり   ?」(ゲス顔)

友「そんなもん人の家でしねぇよ」 

408 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:21:12 ID:jXJAtBVs
・・・

友(・・・うー、ビール飲みすぎたかな・・・トイレトイレ・・・)ノソ

<グニュン

?「きゃっ!!」

友「うおお、なんか踏んだ!!って、何やってんすか先生!?」

女「えぅ、ヒ、ヒット・・・」

友「ヒットとかでなくて!なんで俺の部屋来てるんですか!?」 

409 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:22:08 ID:jXJAtBVs
女「寝込みを襲おうと思って・・・」

友「」

女「冗談よ・・・と言いたいところだけど、割と本気よ」

友「えっ」

女「見つかったからには、強行突破しかないわね!!暴れないで・・・暴れないでよ・・・!」グググ

友「ちょ、何してんすか!?やめてくださいよ本当に!!」ギギギ 

410 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:22:55 ID:jXJAtBVs
女「うっううぅ・・・あと5年・・・あと5年遅く生まれていれば・・・」シクシク

友「ちょ、ちょっと、あの、マジ泣きされると困ります・・・」

女「・・・前から言おうと思ってたけど、貴方のことが好きだったのよ!!」

友「こ、この流れでそのセリフ吐かれるとなんか変なもの思い出して萎えるんですが・・・」ゲンナリ

女「もう終わりよ何もかも・・・私、来年大厄だもの・・・」エグエグ

友(oh...) 

411 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:23:52 ID:jXJAtBVs
女「・・・ごめんなさい、なんかもう感極まってアレがアレしてたわ・・・」グスッ

友「は、はぁ・・・大丈夫ですか・・・」

女「ええ、大丈夫・・・西新井のお大師様に厄除け行ったから・・・」

友「いやそっちじゃなくて」

女「ていうかもうぶっちゃけ開き直った女に怖いもんなんてないわ!この●●いだって上手くいったらラッキーくらいの気分だったし!!」

友(怖ぇなぁ・・・) 

412 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:24:45 ID:jXJAtBVs
女「というわけで・・・いたずらしようとしてごめんなさい・・・もう、行くわね」

友「は、はぁ・・・」

女「明日は7時にフィールド入りだから・・・ゆっくり休んで、ね」

友「お、おやすみなさい・・・」

女「おやすみ・・・」 

413 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:26:07 ID:jXJAtBVs
友(・・・はぁ、出るもんも引っこんじまった)

友(とりあえず鍵かけとこ・・・ん?)

<マ、マタシッパイシチャッタヨォ…

<オネエサマ…ヨシヨシ

<ウエーン

友(こ・・・怖ぇなぁ・・・)ガクガク

・・・ 

414 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:26:56 ID:jXJAtBVs
数年後・・・。

友「うわぁ・・・今回もまたすげー人だなぁ」

男「あぁー。去年ここにくる道も整備されたし、段々と軌道に乗ってきたよ」

友「スタッフも随分増えたなぁ」

男「流石に俺達だけじゃ手が回らなくなってな・・・まぁ、今日は思う存分遊んでってくれ」

友「ああ、そうさせてもらうよ・・・ってお前は?」 

415 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:28:06 ID:jXJAtBVs
男「・・・俺、そろそろガチでカレーと豚汁の店開こうかと思ってるんだ」(真剣)

友「お前副業いくつ持つつもりだよ・・・」

男「本業だろ!!」(憤怒)

友「そこで切れんなよ!!」

男「ま、余力があれば午後はちょっと参加するつもりだ・・・ところでそのギリー、顧問のか?」 

416 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:29:00 ID:jXJAtBVs
友「あぁ。スナイパー感出てる?」

男「うん、出てる出てる。どっからどう見てもガチのスナイパーだわ」

友「やったぜ」

男「・・・しかし、それがまさか囮だったとはなぁ」

友「あぁ、俺も初めて聞いたときはびっくりしたな」 

417 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:30:32 ID:jXJAtBVs
男「敢えてスナイパー装備で警戒させといて、ゲーム中はBDUに着替えて他の参加者に混じってたっていうんだから」

友「そりゃ気付かないわけだわ」

男「絶対スナイパーやってると思ったもんな」

友「なんていうか、俺達だからこそ裏をかけたってことなんだろうな」

男「着用者が多いマルチカムや陸自迷彩着てフルフェイスのゴーグルされたら特定できないしな」 

418 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 22:31:23 ID:jXJAtBVs
友「ま、今日のところはスナイパーに徹する予定です」

男「イイネ・・・10年くらい前に言ってたスナイパーを極めて欲しいっていう俺の思いがついに叶ったわけだ」

友「彼女には色々とノウハウを教えてもらったからな」

男「今度俺にも教えてくれよぉ・・・代わりに秘伝のカレーレシピ教えてやるから」

友「ダメだね。これは夫婦の秘密だから」

-おわり-