文香「…と、言うわけで…やって来ました銚子です」


肇「流石にこの季節の海は冷えますね…」


フレデリカ「杏ちゃんはちゃんと水着持ってきたー？」


杏「冬なのに殺す気かよ。ってゆーかサメでしょ？季節関係なく死ぬから」


文香「…サメも倒せない様では…スリーエフ四天王は名乗れませんよ」


杏「名乗ってないから」


肇「船は借りてあるんですか？」


文香「…釣り竿はあります」


フレデリカ「一本釣りだ！」


肇「何でそんなに嬉しそうなんですか…」

杏「…ほんとにサメをこんな釣り竿で釣るつもり？」


肇「杏ちゃん、釣り竿は案外なんでも釣れるものですよ」


フレデリカ「釣ると心の中で思ったならっ！」


杏「その時スデに行動は…っていやいや、無理なものは無理でしょ」


文香「アイドルに無理、は無しですよ…」


肇「取り敢えず、餌はどうします？」


文香「噂によると…サメは、脂肪の多い物が好きなそうです」


杏「豚肉とか？」


文香「それはもったいないので…スーパーで、ラードを頂いてきました」


杏「海が汚れちゃったりしない？小ちゃいけどさ」


フレデリカ「じゃー発音似てるしカードで釣る？」


文香「カード、ですか…世界は一枚のカードから始まったと言いますし、良いかもしれませんね」

文香「…なかなか、かかりませんね…」


杏「…杏達、釣竿にカードぶら下げて何やってるんだろ…」


肇「カードで魚が釣れる訳無いじゃないですか…」


フレデリカ「あ、鯨が釣れたよー」


肇「小さいですね、子供かもしれませんしリリースして下さい」


フレデリカ「らじゃー、キャッチアンドリリースは釣りの基本だよねー」


杏「カードで鯨って釣れるんだねー…」


肇「あっ、ブリが釣れました！文香さん丸かじりしますか？」


文香「…肇さん、サメは血の匂いに敏感らしいです」


杏「もうちょい平和に釣りしない？」

フレデリカ「のどかだねー」


杏「隣二人が釣竿で戦ってなければね」


フレデリカ「サメってカードで釣れるのかなー？」


杏「今更過ぎるね。普通に考えて無理でしょ」


フレデリカ「もっと高いカードにすればいいのかな！」


杏「そうじゃないよ。せめて食べ物に変えない？」


フレデリカ「クレジットカードとかどーかな？」


杏「ポイントカードにしとこせめて」

フレデリカ「そーいえばこないだ杏ちゃんも富士Fファイランド行ったんだっけー？」


杏「まぁ、うん。入園して直ぐにお化け屋敷連れてかれて大変だったよ。別の客に生霊扱いされるし」


フレデリカ「誘ってくれても良かったんだよ？」


杏「金曜日は250円引きだからミスド行くって言ってたじゃん。だから邪魔しちゃ悪いかなって」


フレデリカ「まったくもー、フレちゃんも行きたかったなー」


杏「また今度ね。年末年始割と休みあったでしょ？そこで行こ」


フレデリカ「あ、アザラシ釣れたよ」


杏「海に返してあげて」


肇「いま、アザラシって言いました？」


文香「アザラシ…まさか、この近くに…」

サメ「シャーック！」


杏「うわっ、マジでサメだ！」


フレデリカ「わぁお、本物のサメだ！水族館以外で初めてみたよフレちゃん」


肇「ついに、見つかりましたね」


文香「みなさん…はやく、釣竿を海へ！」


杏「いやだからカードじゃ釣れないって」


サメ？「…ねぇ」


肇「取り敢えず、文香さん。頭を殴ってサメを昏倒させて下さい」


文香「大切な本が汚れてしまいます…肇さん、その陶器で…」


肇「力作なんでいやです！」


サメ？「いやもう気付いてるわよね？取り敢えず引き上げてくれると助かるんだけど」

杏「…何してるの？」


朋(サメの着ぐるみ)「ちょっとした番組の収録よ」


肇「寒くないんですか？」


文香「こんな季節に何故…」


朋(サメの着ぐるみ)「このダイビングスーツ、凄いいいやつみたいでまったく寒くないの！」


杏「ダイビングスーツの宣伝？」


フレデリカ「何かの罰ゲーム？」


朋(サメの着ぐるみ)「べ、別に美優さんと茄子さんにジャンケンで負けたとかじゃないわ！」


杏「なかなかバイオレンスだなぁ…」

朋(サメの着ぐるみ)「何故か分からないけど、この辺り数10メートルの海不思議とあったかいのよ」


杏「流石茄子さんだね」


フレデリカ「杏ちゃん！早く泳ご！」


文香「…ウニや貝を探しましょう」


肇「冬に海水浴なんて、これもまた面白いですね」


杏「着替えるの早いなー」


朋(サメの着ぐるみ)「ところでこの着ぐるみ、自分じゃ脱げないんだけど手を貸してくれない？」


フレデリカ「うわー！サメだー！」


文香「肇さん…早く攻撃を…」


肇「いや朋さんって判明したじゃないですか！」


朋(サメの着ぐるみ)「聞いてよ！」


杏「…しょうがないなぁ」

フレデリカ「あ、その前に記念撮影しよー！」


肇「そうですね、サメと泳ぐなんて滅多に出来ませんし」


杏「滅多にどころか普通一生しないよ」


朋(サメの着ぐるみ)「ちょっと」


文香「では…とったどーの掛け声とともに…」


杏「じゃーみんな寄って。パパッと撮って朋ちゃん助けてあげないと」


朋(サメの着ぐるみ)「ねえ、今誰かあたしの足蹴った？」


フレデリカ「フレちゃんじゃないよー」


肇「私でもありません」


文香「私も…あまり、近接戦は得意ではないので…」


杏「否定の仕方がおかしいんだよなぁ…」

杏「とるよー。はいっ、ポー…」


フレデリカ「…どしたの？杏ちゃん」


文香「…どうか、しましたか？」


肇「そんなビックリして、まるで私達の背後にサメが居るみたいな表情じゃないですか」


朋(サメの着ぐるみ)「…ねえ、あたしの背後に何か居る気配がするんだけど」


肇「…まさかっ！」クルッ


サメ「シャーック！！」


みんな「うわぁぁぁぁぁあ！！」

サメ？「ふふっ、ドッキリ大成功ですっ！」


サメ？「みなさん…見事に引っかかりましたね」


杏「美優さんと茄子さんまで何してるのさ」


肇「…ほんとに驚きました…」


茄子(サメの着ぐるみ)「ちょうど、近くに居るのを見かけたので」


文香「お三方も、サメを釣りに…？」


美優(サメの着ぐるみ)「いえ…私達は、バラエティー番組の練習ごっこを…」


フレデリカ「じゃー杏ちゃん、もう一回写真おねがーい」


杏「了解、撮るよー」

杏「はい、ポー…」


茄子(サメの着ぐるみ)「どうかしましたか？」


美優(サメの着ぐるみ)「まるで…私達の背後に本物のサメがいるかの様な表情で…」


肇「…まさかっ！」クルッ


サメ「シャーック！！」


朋(サメの着ぐるみ)「今度は誰？」


文香「…私ではありませんよ？」


フレデリカ「フレちゃんでもないよー」


みんな「…………」


サメ「シャーック！！！！」


みんな「うわぁぁぁぁぁあ！！」

倒したサメはアイドルが美味しく頂きました