1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 20:32:55 ID:0caKfEcE
──家──

男「ふあぁぁ……ヒマだなぁ」ゴロゴロ…

男「やることねぇなぁ……」ゴロゴロ…

男「ヒマだし……パチンコ屋にでも行くとするか!」 




2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 20:34:13 ID:0caKfEcE
──パチンコ屋──

男「ちいっす」

店主「へい、らっしゃい!」

男「景気はどう?」

店主「ボチボチってとこかな」

男「ところで、例のブツは?」

店主「届いてるよ~!」ゴソゴソ… 


3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 20:35:57 ID:0caKfEcE
店主「ジャン!」

店主「最新式スリングショット、『SS-125』だ!」

店主「最大射程は500m、命中精度も従来の品と比べてグンと上がってる!」

男「うひょ~!」 

4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 20:37:31 ID:0caKfEcE
スリングショットとは──

Y字型のフレームにゴムがついた、石や玉などを遠くへ飛ばす武器である。



パチンコとも呼ばれる。 

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 20:38:41 ID:0caKfEcE
店主「他にも新型が入ってるよ」ゴソゴソ…

男「へぇ~、どれどれ?」

店主「たとえば、この『XG-259』は形がYじゃなくXだから」

店主「同時に四発もの弾を撃てるってシロモノさ」

男「おぉ~、すげえ!」 

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 20:40:11 ID:0caKfEcE
店主「さらに、こっちの『BB-852』は」

店主「ブラックメタルのボディに超強化ゴムを張ってあるから」

店主「最大射程はなんと750m!」

店主「ただし扱いは難しいがな!」

男「こっちもすげえ! だけど俺にはまだ早いかな」 

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 20:42:04 ID:0caKfEcE
男「じゃあさっそくこいつ(『SS-125』)を試してみたいから」

男「射撃場入らせてもらうよ」

店主「あいよ、一時間1000円な」

男「ほいっ」パサッ

店主「毎度あり~!」 

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 20:43:16 ID:0caKfEcE
──射撃場──

男(ゴムを引いて……)

男(撃つ!)バシュッ

男(ゴムを引いて……)

男(撃つ!)バシュッ

男(ゴムを引いて……)

男(撃つ!)バシュッ 

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 20:45:16 ID:0caKfEcE
男「うひょ~! すげえ!」

男「前のとは、命中精度が段違いだ!」

男「ほとんど的に当たってやがるぜ!」

??「へぇ~、少しはやるようになったじゃんか」

男「!」

男「あ、あなたは!」 

10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 20:46:50 ID:0caKfEcE
長鼻「よう、久しぶりだなァ!」

男「お久しぶりですっ!」

長鼻「だいぶ的に当てられるようになったじゃんか」

男「いえいえ! あなたほどじゃありませんよ!」 


11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 20:49:02 ID:0caKfEcE
男(この人は……いや、このお方はパチンコ界にその人アリといわれるお方)

男(10センチはありそうな長い鼻が特徴で、本名はだれも知らない)

男(人は彼を……『神』『狙撃の王』『嘘つき(フェイカ―)』と呼ぶ……)

男(ちなみに『嘘つき(フェイカ―)』ってのは)

男(彼の武勇伝があまりにもすごすぎて、嘘くさいところからついたあだ名)

男(しかし、彼の言葉は全て真実なのだ! そうに決まってる!) 

12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 20:51:53 ID:0caKfEcE
長鼻「おれもちょっと撃ってくかな」サッ

男(あんなレトロなパチンコで……!? 距離100メートルはあるのに……!)

長鼻「よっと」バシュシュシュッ

ビビビッ

男(す、すげえ……! 全弾ど真ん中に命中してやがる!)

男(この人ならきっと……アリやハエの眉間にだって弾をブチ込めるだろう!) 

13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 20:53:35 ID:0caKfEcE
長鼻「ざっとこんなもんよ!」

男「すげえ! さ、さすがっす!」

男「俺なんか全然かなわねぇっす!」

長鼻「なァに、おまえだって修行すればもっとすごくなれるさ!」

長鼻「おれの次くらいにはな! ハッハッハッハッハ!」

男「は、はいっ!」 

14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 20:54:59 ID:0caKfEcE
長鼻「なにしろ、おれには8000人の部下がいる!」ドン!

男「す、すっげ~~~~~~!」

男(いかん、感動しすぎて涙が出てきた……!)グスッ…

男(8000人って、すごすぎるよ! 数の暴力だよ……!) 

15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 20:57:46 ID:0caKfEcE
男「あ、あのっ! 俺も部下にして下さいませんか!?」

長鼻「え!?」

男「俺も……あなたの8001人目の部下になりたいんです!」

男「でもって、8000人の先輩たちと一緒に活躍したいんです!」

長鼻「あ……えぇと……すまんっ!」

長鼻「今は“だれかを部下にすると即死する病”にかかってて……」

男「そ、そうなんですか……残念です!」

長鼻「じゃあな、お前も精進しろよ!」スタスタ…

男「は、はいっ! ありがとうございましたっ!」 

16 :以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/02(木) 21:00:01 ID:0caKfEcE
こうして俺の休日は終わった。

俺ももっとパチンコの腕を磨いて、
いつかあの『長鼻』のお方のようなパチンコ使いになるんだ。

絶対に……!







おわり