10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 13:13:21.40 ID:rSK1V66T0

200X年 ミッドウェー島沖

角松「艦長、ミッドウェー島沖に低気圧有、なお勢いを増しています」

梅津「うむ……」

梅津「各員に伝達、時化に備えよ」

角松「了解!」


梅津「しかし妙な雲だ」

梅津「……こんな雲は見たことがない」

引用元: 芳佳「イージス護衛艦『みらい』……?」 



 

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12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 13:16:06.22 ID:rSK1V66T0

ビカァッ!

尾栗「なんだ……?落雷か!?」

菊池「電子機器に異常はないか?」

青梅「は……、今のところは……」

青梅「……そんな馬鹿な!?」

菊池「どうした?」


青梅「SPYレーダー、反射波を探知できません!」

菊池「何!?」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 13:18:40.32 ID:rSK1V66T0

「先行艦との交信不能!」

角松「衛星はどうなっている!?」

「フリーサット、軌道上に確認できません!」

「機器はすべて正常!」

菊池「そんな馬鹿な……最新鋭艦だぞ!?」


「レーダー、回復しました!」

菊池「……よし」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 13:22:48.16 ID:rSK1V66T0

角松「レーダーに僚艦の姿は!?」

青梅「……いえ、確認できません」

梅津「捜索、交信を続けろ。まさか沈んだわけじゃあるまい」

角松「了解」


青梅「……! レーダーに感! 」

青梅「時速約100km!高度200から降下中!」

角松「時速100km?なんだ?」

青梅「視認可能圏内に入ります!」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 13:26:04.03 ID:rSK1V66T0

角松「尾栗、何か見えるか?」

尾栗「は……被弾した航空機の模様」

柳「……! 航海長!」

尾栗「なんだ、柳一曹」

柳「あれは……」



柳「あれは零式艦上戦闘機です!」

尾栗「なに!?」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 13:29:06.90 ID:rSK1V66T0

角松「零戦だと!?」

梅津「レシプロ機を見間違えたんじゃなかろうな?」


青梅「レーダーにさらに感!」

青梅「大型クラス1、巡洋艦数隻の艦隊と……」

菊池「どうした?」

青梅「かなり高速で動く巨大物体が1、艦隊を縦横無尽に動いています!」

青梅「おそらく交戦中かと」


角松「戦闘中!?」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 13:32:06.78 ID:rSK1V66T0

青梅「このまま進むと戦闘海域に突入します!」


角松「艦長?」

梅津「戦闘には加わらないが……状況を見るために接近しよう」

梅津「先の零戦の事もある。ここは我々とは違う場所なのかもしれんからな」

角松「了解。航海長」

尾栗「はっ! 両舷全速!」

「両舷全速!」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 13:34:43.34 ID:rSK1V66T0

――――――――

青梅「視認可能圏まであと10分!」

角松「航海長、何か見えるか?」


尾栗「うっすらとですが、上空に黒煙多数……」

柳「おそらく、時限式の対空砲だと思われます」

尾栗「時限式?」

柳「はい、第二次世界大戦時の主流な対空砲の……」


青梅「レーダーにさらに感!大型艦から機影……らしきもの一機!」

菊池「?」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 13:38:25.94 ID:rSK1V66T0

菊池「らしきもの?」

青梅「はい」

青梅「おそらく空母と思われる大型艦から発進した機体でしょうが」

青梅「それにしてはあまりにも小さすぎるので……」

菊池「小さすぎる……」

青梅「イージスで辛うじてとらえたような形です。人型サイズがと」

菊池「人?バカなことあるわけないだろう」

青梅「ですが……!」


青梅「先ほどの光点が急速に移動中!」

青梅「巨大物体に接近します!」

29: ストライカーユニットの速度ってどんぐらいだっけか 2012/05/22(火) 13:45:32.96 ID:rSK1V66T0

青梅「速度約700km……レシプロにしては早いです」

菊池「ミサイルか?」

青梅「……二つの光点!ドッグファイトに入りました!」

「もうすぐ視認可能領域です!」

角松「航海長!」


尾栗「お……見えた!」

尾栗「艦影多数、そして対空砲火を視認!」

柳「あれは……」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 13:48:11.38 ID:rSK1V66T0

角松「巨大な移動物体があるそうだが、どうか?」

尾栗「待ってください……?」

尾栗「おいおい、なんだありゃあ!?」


角松「航海長、報告せよ!」

尾栗「は……」

尾栗「上空に……巨大なエイのような飛行物体があります!」

尾栗「地上の艦艇と比べても数倍の大きさはあるかと……」

角松「エイ?」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 13:50:31.71 ID:rSK1V66T0

「まさか宇宙人とかか?」

「バカいえ、インデペンデンスディじゃあるまいし……」


柳「航海長……」

尾栗「柳?」

柳「あれは赤城です……!」

角松「赤城というと……旧海軍のか!?」

柳「はい、あの艦影は間違いなく赤城です!」

尾栗「昔の空母がどうして……」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 13:53:11.43 ID:rSK1V66T0

青梅「極小の光点、こちらへ接近します!」

青梅「数十秒後には本館上空を通過」


青梅「……今!」

尾栗「……うおっ!?ありゃあ……」

尾栗「副長、女の子です!眼帯をした女の子が空を飛んでいます!」


角松「ふざけた報告をするな!何を見ている!」

尾栗「……しかし見張り員全員が見ました!」

柳「はい、間違いありません!」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 13:55:49.31 ID:rSK1V66T0

青梅「巨大光点もこちらへ接近してきます!」

角松「艦長……」

梅津「うむ」

角松「……対空戦闘用意!全力即時待機!」

「対空戦闘用意!」


尾栗「あのエイみたいなのが女の子を追ってるのか……?」

柳「……航海長、エイの光がこっちへ!」

尾栗「……! 取り舵一杯!」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 13:58:14.99 ID:rSK1V66T0

「取り舵一杯!」

バキュウウウウッ!

角松「何!?」

ザッバアア!


「敵弾!右100mに着弾!」

「今のはなんだ!?」

「ビームみたいだったぜ」

角松「………」


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 14:01:58.14 ID:rSK1V66T0

菊池「艦長、上空のアンノン物体の撃墜を進言します

梅津「しかし、相手が何者かわからぬ以上……」

菊池「しかし、こちらへの意図的な攻撃を仕掛けました。これは敵対行為です」

菊池「自己防衛。それだけで理由は十分かと」

梅津「……よかろう」


角松「菊池、やれる自信はあるのか?」

菊池「あの艦隊の攻撃も当たっている以上、最新鋭艦のこっちが外すわけはない」


菊池「スタンダード対空ミサイル発射準備!」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 14:04:25.10 ID:rSK1V66T0

菊池「一基をアンノン巨大物体に照準!」

「射撃管制オールグリーン!」

「スタンダード対空ミサイル発射準備よし!」

菊池「………」

菊池「スタンダード発射!サルボー!」

「後部VLS解放!」

「スタンダードミサイル、発射!」

ガコン!

バシュウウウウッ!

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 14:07:35.11 ID:rSK1V66T0

空母 赤城

杉田「くっ……またもや襲われるとはな……」

杉田「坂本少佐が頑張ってくれてはいるが……」


「……!?」

「艦長!向こうの空から何かが接近中です!」

杉田「ウィッチーズの援軍か!?」

「いえ、さらに高速で接近!」

杉田「ウィッチーズよりもだと!?」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 14:09:44.90 ID:rSK1V66T0

「なんだありゃあ!」

「ネウロイに突っ込むぞ!」

シュウウウウ……ズガアン!

ネウロイ「ギャアアアアッ!」


「おおっ!」

「やったか!?」


美緒「いいや!まだだ!」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 14:12:24.93 ID:rSK1V66T0

みらい

青梅「スタンダードの命中確認!」

菊池「よし!」


尾栗「……?」

尾栗「CICウィング!目標に命中を確認!」

尾栗「しかし依然として目標は活動を続けています!」


角松「なんだと!?」

梅津「敵の装甲はよほど強力らしいな……」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 14:16:55.98 ID:rSK1V66T0

青梅「小光点、再びアンノン物体に接近、戦闘中の模様!」

菊池(敵の装甲はかなり強力……)

菊池(しかし弾数の少ない対艦ミサイルを易々と使うのは……)


青梅「大型艦からさらに感1!上空へ!」

菊池「また増えたのか!?」

菊池「これではミサイルを発射すれば巻き込んでしまう……」


「まもなく主砲射程圏内に入ります!」

菊池「……これだ!」

菊池「127mm砲、アンノン物体にロック!」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 14:20:23.04 ID:rSK1V66T0

赤城上空付近


美緒「宮藤!」

芳佳「はいっ!」

美緒「これはお前が使え!」ポイ!

美緒「行くぞ!」

芳佳「はい!」


グオオオオン……!

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 14:22:50.94 ID:rSK1V66T0

ネウロイ「キャアアア!」バババババ!

バシュウバシュウバシュウ!

芳佳「きゃっ!敵の攻撃で狙いが……」

美緒(わたしの陽動に乗ってこない)

美緒(どうすれば宮藤に攻撃のチャンスを作れるのか―――)


ドガアン!


美緒「!?」

芳佳「今のは!?」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 14:25:13.98 ID:rSK1V66T0

美緒(砲撃!?どこから―――)

美緒(いや、今はそれよりも)

美緒「コアが見えた!撃て宮藤!」

芳佳「あれがコアっ……!」ジャキ

ドドドドドドドドド!


バキン!

ネウロイ「ギャアアアア……」

バラバラバラ……

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 14:28:40.35 ID:rSK1V66T0

芳佳「やった……」スゥ…

美緒「おっと」キャッチ

美緒「訓練もなしにここまでやるとはな……」

グオォォォォ……

美緒「……おっと、全員来たようだな」

―――――

美緒「しばらく宮藤を頼みます」

杉田「どこへ行くのかね?」

美緒「先ほどの助けてくれた艦へお礼をしようかと」

杉田「?」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 14:33:26.47 ID:rSK1V66T0

みらい

尾栗「エイが空中で四散しました!」

尾栗「……まるで雪みてぇだ」


青梅「アンノン物体の光点消失」

青梅「……新たな小光点多数接近!本艦へ向かってきます!」


尾栗「また来ました!女の子の飛行隊列です」

尾栗「……すげえ格好だ」

柳「九九式、MG42……」ブツブツ

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 14:42:28.98 ID:rSK1V66T0

ルッキーニ「ん~?なんだあれ?見たことないふねー」

シャーリー「本当にあんな艦が手法を命中させたのか?」

美緒「信じられないだろうが、本当だ」

バルクホルン「なぁ、不用意に近づいたら私たちも撃ち落とされるんじゃ……」

ペリーヌ「その時はシールドでかわすか、坂本少佐の盾になるまでですわ!」

美緒「そう簡単に死なれては困るぞ」

エーリカ「お、発光信号」



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 14:49:22.71 ID:rSK1V66T0

「こちら海上自衛隊護衛艦『みらい』」

「本艦に敵意なし」




美緒「どうやらその心配はなさそうだ」

バルクホルン「しかし貧弱な武装だなぁ。砲が一門とは」

ペリーヌ「カイジョウジエイタイ、なんて聞いたこと隊ですわね」

ルッキーニ「いっちばんのりー!」

シャーリー「おいルッキーニ!」


尾栗「どうやら戦闘する気はないみたいだな」

角松「艦長」

梅津「うむ。後部ヘリ甲板を開けて、着陸可能なら着陸させてみよう」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 14:54:08.97 ID:rSK1V66T0

後部ヘリ甲板

ルッキーニ「よいしょっと!」

バルクホルン「ここは格納庫か?」

ペリーヌ「艦載機格納庫にしては小さい気がしますけど……」

シャーリー「ん?誰か来るぞ」

美緒「……どうやら艦長のようだな」


梅津「ようこそわが『みらい』へ」

梅津「護衛艦『みらい』艦長、梅津だ」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 14:59:28.29 ID:rSK1V66T0

美緒「連合軍第501統合戦闘航空団『ストライクウィッチーズ』」

美緒「坂本美緒です」

バルクホルン「ゲルトルート・バルクホルンです」

ペリーヌ「ペリーヌ・クロステルマンですわ」

ルッキーニ「フランチェスカ・ルッキーニだよ!」

シャーリー「シャーロット・E・イェーガー」



尾栗「全員女の事は驚いたな」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 15:02:26.05 ID:rSK1V66T0

梅津「連合軍……?」

梅津「この時代、日本はアメリカ側についているのだろうか?」

美緒「ニッポン?」

ペリーヌ「アメリカ?」

ルッキーニ「それどこー?」

角松「!?」


梅津(日本も、アメリカも存在しないとは……)

梅津「どうやら、我々は全く違う時代に来てしまったようだな……」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 15:07:14.96 ID:rSK1V66T0

梅津「そちらの坂本君、だったかな?」

梅津「生まれの国はどこかな?」

美緒「はぁ、扶桑ですが」

梅津「ふそう?」

バルクホルン「ご存じないのですか?」

ペリーヌ「見たところ、あなた方も扶桑の方だと思いましたのですが」


角松(日本が扶桑……ということか?)

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 15:12:09.78 ID:rSK1V66T0

シャーリー「いろいろ事情があるようだな」

美緒「……話し込むようでしたら、一度陸の方でどうでしょう?」

梅津「近くに、我々を受け入れるところがあるのかな?」

美緒「ここから先、ブリタニアのところに」

梅津「……副長、どうかな?」

角松「今は、それでいいかと」

梅津「では、案内を頼もう」

角松「航海長、聞こえてただろう?」


尾栗「うぉ、ばれてら」

柳「別にコソコソしなくてもいいんじゃ……」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 15:19:20.77 ID:rSK1V66T0

ブリタニア


ミーナ「ストライクウィッチーズ隊長、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケです」

梅津「『みらい』艦長、梅津だ」

ミーナ「坂本少佐から受けた報告では、いろいろ事情があるとか……」

梅津「誠にすまないが、いろいろ確認したいことがあってな……」


梅津「我々の祖国が存在しないこの世界」

梅津「この時代は、一体どんな時代なのだろうか?」

ミーナ「……わかりました。ご説明します」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 15:22:14.75 ID:rSK1V66T0

―――――――
ネウロイとかなんとか
―――――――

梅津「ネウロイ……」

ミーナ「それに対抗するための、ストライクウィッチーズです」

梅津「ということは……」

梅津「我々は全く違う世界に来たというわけだな」

角松「………」

ミーナ「あの、あなた方は……」

梅津「……信じられないかもしれないが」


梅津「我々は、60年後の違う世界の未来から来た者だ」

ミーナ「60年後……」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 15:26:41.74 ID:rSK1V66T0

みらい

尾栗「なぁ菊池、この事態をどう思う?」

菊池「どうもこうも、俺にもさっぱりだ」

菊池「嵐を抜けたら、人が飛びビームを撃つ物体が戦っている異世界……」

菊池「気がおかしくなりそうだ」

菊池「……隊員たちはどうだ?」

菊池「お前になら本音を話すだろう?」

尾栗「……アイツらも、まだ飲み込めてないらしい」

尾栗「食堂じゃあのアンノン物体の話でもちきりさ」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 15:32:08.54 ID:rSK1V66T0

赤城係留所


柳「………」

美緒「赤城に興味があるのか?」

柳「あ、はい……」

美緒「いい艦だろう」

柳「ええ」

柳「全長260m、基準排水量36500t、総員1300名、最大速力は30ノット」

美緒「よ……よく知ってるな……」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 15:37:33.03 ID:rSK1V66T0

柳「我々の時代では、有名な空母ですから」

美緒「ほう?よくわからないが有名になったのか」

柳「……1942年6月5日、日本敗戦の第一歩、ミッドウェー海戦で沈みました」

美緒「ニッポン……というのはお前の国か?」

柳「はい。今ではどこにあるのかわかりませんが……」

美緒「話は聞いた。嵐に巻き込まれたらここにいたらしいが……」

美緒「しかし気に入ったぞ」

美緒「ミーナがどう判断するのかはわからないが、私にできることなら何でも助けよう」

美緒「元の場所に戻れるようにな」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 15:39:35.98 ID:rSK1V66T0

みらい

ピーヒュー!

尾栗「お、艦長たちのお戻りだ」


士官食堂

梅津「……というのが、この世界らしい」

菊池「………」

尾栗「ネウロイ……ね」

尾栗「俺は信じたくないですけど、この目で見ましたからね。あのエイを」

尾栗「あと飛ぶ女の子の姿を見りゃあ、信じざるをえませんや」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 15:43:38.62 ID:rSK1V66T0

菊池「それで?」

梅津「ウィッチーズがいるとはいえ、未だに戦況は厳しいらしい」

梅津「そこで我々に協力を求めてきたのだ」

梅津「先の戦闘での活躍が目に留まったらしい」

菊池「協力というと、『この世界の連合軍』の指揮下に?」

梅津「いや、我々はあくまでも協力者、だ」

梅津「彼女達としても、あまり我々を公にしたくないらしい」

尾栗「というと?」

角松「どうも上がいろいろキナ臭いらしくてな……」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 15:47:36.51 ID:rSK1V66T0

尾栗「なるほどな……」

菊池「それで、艦長はどうお考えですか?」

梅津「……我々海上自衛隊の目的は人命救助だ」

梅津「ネウロイ襲来という災害に対し、立ち向かうのも義務の一つだと考える」

梅津「皆はどうかな?」

角松「艦長の決断に、意義はありません」

菊池「私もです」

尾栗「もしかしたらドンパチやってる最中に帰る方法も見つかるかもしれませんぜ」

梅津「……うむ」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 15:52:11.72 ID:rSK1V66T0

城内


美緒「彼らは協力する、と」

ミーナ「ええ」

美緒「宮藤に未来からの艦、か」

美緒「これではますます睨まれてしまうな。わっはっは」

ミーナ「ネウロイに対する戦力が増えて本当によかったわ」

美緒「最近は予報も当てにならないしな」

美緒「戦力が増えるのはいいことだ」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 15:58:12.34 ID:rSK1V66T0

翌日

美緒「訓練訓練ー!」

芳佳「ひえぇぇぇー……」

リネット「ひゃあああ……」


みらい

尾栗「よく飛んでるなぁ……」

「すげーはえー……」

「双眼鏡かせよ!」

尾栗「おかげでウィング満員なんだぜ」

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 16:01:27.27 ID:rSK1V66T0

「青梅一曹」

青梅「ん?」ムグムグ

「食料と燃料は何とかなりましたが、やっていけるんですかね?」

青梅「ミサイルと砲弾……か」

「ええ。補給は当然望めなさそうですし……」

青梅「ま、そこらへんは砲雷長や上に任せるさ」

青梅「俺たちは言われたことをやればいい……!」


青梅「レーダーに感!巨大物体が高速で移動中!」

菊池「ネウロイというやつか!? 艦長に報告!」

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 16:05:20.85 ID:rSK1V66T0

城内ブリーフィングルーム

ミーナ「『みらい』から連絡が入ったわ」

ミーナ「ネウロイと思わしきものがレーダー探知圏内に確認」

ミーナ「いつものように出撃を」

「「「了解!」」」


美緒「バルクホルン、ハルトマンで前衛!」

美緒「チャーリーとルッキーニで後衛に!」

美緒「ペリーヌはわたしとだ!」

美緒「残りは基地で待機!」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 16:08:46.19 ID:rSK1V66T0

みらい

青梅「ウィッチーズ各機、ドッグファイトに突入しました」

尾栗「俺たちはどうするんだ?」

菊池「あくまでここ近海で待機だそうだ」

尾栗「移動レーダー扱いだな」

菊池「いざという時のために、武器を温存できていいだろう」

尾栗「……ま、そうかもな」


青梅「新たな感1接近!」

菊池「なに!?」

133: シャーリーごめん 2012/05/22(火) 16:14:17.41 ID:rSK1V66T0

菊池「別のネウロイか!?」

青梅「おそらく先ほどのは陽動かと」

青梅「このままでは10分ほどで到達します!」

菊池「くっ……」

梅津「ウィッチーズ隊に報告後、対空戦闘用意」

角松「了解。対空戦闘用意!」

尾栗「進路0-0-0!両舷前進!」

「アイサー!」


137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 16:18:48.93 ID:rSK1V66T0

ミーナ「なんてこと……」

ミーナ「エイラさんと私で行きましょう」

エイラ「分かった」

「待ってください!」


芳佳「私達にもいかせてください!」

ミーナ「でもまだあなたたちは……」

リネット「二人なら一人分くらいにはなります!」

ミーナ「……40秒で支度なさい」

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 16:23:13.31 ID:rSK1V66T0

みらい

青梅「ネウロイ接近、距離200km!」

角松「対空戦闘用意!」

「対空戦闘!」

「方位3-2-0に備え!」

菊池「ネウロイは事ごとに形を変えると聞いた」

菊池「試す価値はあるな」

菊池「スタンダードミサイル一基照準!」

菊池「撃てっ!」

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 16:26:12.88 ID:rSK1V66T0

ズバアッ!

青梅「スタンダード対空ミサイル、目標に向かって接近中!」

菊池「いいぞ……」

青梅「3……2……1……」



ネウロイ「………!」ゴオオオオ…

ゴオオオオッ――――ガッ!

ドオオン!

青梅「スタンダード着弾!」

尾栗「どうだ!?」

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 16:29:52.07 ID:rSK1V66T0

青梅「ネウロイより新たな光点が1!」

尾栗「ヤロ……また分裂するのか!?」

青梅「……いえ、光点消失しました!」

菊池「消えたというと……何かを落としたのか?」

角松「被弾して破片でも……」


青梅「……なに!?」

青梅「ネウロイ加速!マッハ超えました!」

角松「なんだと!?」

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 16:32:34.13 ID:rSK1V66T0

青梅「ネウロイ高速接近!」

青梅「拠点到達まであと3分!」

菊池「ダメージは与えたのか……なら!」

菊池「後部VLSシースパロー3基照準!」

菊池「発射!」

「シースパロー発射!サルボー!」

バシュ!バシュ!バシュ!

シャアアアアア!

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 16:37:13.13 ID:rSK1V66T0

ネウロイ「………」ゴゴゴゴゴゴ!

シャアアアア……ドオン!ドン!ドオン!

ネウロイ「キュイイイイ……」ボロ…


青梅「シースパロー全弾命中!」

青梅「……ネウロイ減速!時速200km!」

青梅「しかしなお接近中!到達まであと2分!」

菊池「これでもダメなのか……?」


『後は任せてください!』

菊池「なに!?」

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 16:40:19.12 ID:rSK1V66T0

芳佳「どう?見える?」

リネット「はい、コアがむき出しになってます!」

リネット「速度も遅いし、これなら……」キィィィ

ガチャコ

リネット「……今っ!」

ドオン!ドオン!ドオン!


ネウロイ「キイィイイイイ!」ゴゴゴ…

バゴッ!ズガアッ!


……バキン!

152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 16:44:14.63 ID:rSK1V66T0

リネット「当たったぁ!」

ドオオオン!


青梅「ネウロイの光点、消失!」

菊池「終わったか……」

青梅「先行したウィッチーズが帰還しています」

角松「我々も戻りますか」

梅津「うむ」


尾栗「あんな子が当てちまうなんてスゲーな」

柳「ミサイル撃墜は我々の役割ですけど、取られましたね」

157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 16:49:58.62 ID:rSK1V66T0

―――――――

ミーナ「『みらい』のレーダーが無ければ危ない戦いだったわ」

美緒「もう少し早く陽動と気づいていればな」

シャーリー「しかし戻ってる時に見たが、ミサイルというのはすごいな」

ルッキーニ「はやーい!どっかーん!」

バルクホルン「流石未来から来たという艦か……」

バルクホルン「砲一門だけというのは軽く見過ぎていたな」

エーリカ「乗ってみたいなぁー」

159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/22(火) 16:54:57.85 ID:rSK1V66T0

みらい

角松「艦長」

梅津「ん?」

角松「ウィッチーズの少女が二人、隊員にあげたい、と大量のお菓子を持って来てますが……」

梅津「……まぁ、よかろう。いただこうじゃないか」

梅津「隊員には羽目を外しすぎない程度に、と通達だ」

角松「了解」


梅津「果たしてこの世界にどれほどいることになるのかわからない、が……」

梅津「まぁ、こんな世界でもよかろう」

終わり