1: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/11(月) 20:31:09.18 ID:nZqElLooO
これは、私の憶えている全てが終わった世界の話。
歌姫の子は負けた。竜の血を持つ子らも死んだ。
世界は全ての希望を失い、もはや滅びを待つのみだった。
ただひとりの、黒き王女を残して。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1468236669
歌姫の子は負けた。竜の血を持つ子らも死んだ。
世界は全ての希望を失い、もはや滅びを待つのみだった。
ただひとりの、黒き王女を残して。
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引用元: ・【FEif】カムイ「強くてニューゲーム、ですか…」
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3: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/11(月) 20:45:09.43 ID:nZqElLooO
カムイ(あの日から、1年ほどがたちました)
カムイ(もし、もしも、これをしていたら、あれをしていたら)
カムイ(決して戻れないと頭では分かっていても、考えてしまうんです)
カムイ(こうして永遠と後悔に苛まれることが、皆さんへの贖罪になるとは思えませんが…)
???「…イさん。…カムイさん!姉さん!」
はっと我にかえると、そこには私の愛しい妹、今では唯一のきょうだいであるリリスが立っていました。
リリス「また考え込んでいたんですね。そんなこと、いつまでも続けていたら体に毒ですよ」
リリス「ほら、たまには外に出ましょうよ。めずらしく今日は天気がいいんですよ」
カムイ(もし、もしも、これをしていたら、あれをしていたら)
カムイ(決して戻れないと頭では分かっていても、考えてしまうんです)
カムイ(こうして永遠と後悔に苛まれることが、皆さんへの贖罪になるとは思えませんが…)
???「…イさん。…カムイさん!姉さん!」
はっと我にかえると、そこには私の愛しい妹、今では唯一のきょうだいであるリリスが立っていました。
リリス「また考え込んでいたんですね。そんなこと、いつまでも続けていたら体に毒ですよ」
リリス「ほら、たまには外に出ましょうよ。めずらしく今日は天気がいいんですよ」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/11(月) 21:05:40.72 ID:nZqElLooO
カムイ(秘境にいた私をさらい、幽霊になっていた彼女を蘇生したのが私たちの本当の父親…ハイドラ)
カムイ(もちろん彼に気を許すことはできませんが、向こうの方は積極的に『親子』の関係を作ろうと頑張っています)
カムイ(リリスさんが私の妹だったことには本当に驚きましたし、そのことは全ての仲間を、家族を失った私の暗い心に一筋の光を与えてくれたように思います)
リリス「こんな天気のいい日にお散歩なんて、久しぶりですね、姉様!」
カムイ「ええ、本当に…」
カムイ(ハイドラが地上の二つの大国を滅ぼしたことの影響かはわかりませんが、最近はずっと昼だか夜だかよくわからない天気が続いていましたからね…)
カムイ(もちろん彼に気を許すことはできませんが、向こうの方は積極的に『親子』の関係を作ろうと頑張っています)
カムイ(リリスさんが私の妹だったことには本当に驚きましたし、そのことは全ての仲間を、家族を失った私の暗い心に一筋の光を与えてくれたように思います)
リリス「こんな天気のいい日にお散歩なんて、久しぶりですね、姉様!」
カムイ「ええ、本当に…」
カムイ(ハイドラが地上の二つの大国を滅ぼしたことの影響かはわかりませんが、最近はずっと昼だか夜だかよくわからない天気が続いていましたからね…)
5: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/11(月) 21:22:44.50 ID:nZqElLooO
カムイ「ところでリリスさん、ハイドラはどこへ行ったかわかりますか?」
リリス「いいえ…またどこかの世界を滅ぼしに行ったんではないでしょうか。最近はここの平行世界だけでなく、別の空間にある宇宙も滅ぼしているそうですから」
カムイ「そうですか…それならばそろそろ帰りましょうか」
リリス「姉様…」
カムイ「何です?」
リリス「私たちが生きていることって、意味があるんでしょうか…?」
リリス「私たちは彼を倒すことができませんでした。それどころか今は彼に飼い殺しにされている状態です」
リリス「いいえ…またどこかの世界を滅ぼしに行ったんではないでしょうか。最近はここの平行世界だけでなく、別の空間にある宇宙も滅ぼしているそうですから」
カムイ「そうですか…それならばそろそろ帰りましょうか」
リリス「姉様…」
カムイ「何です?」
リリス「私たちが生きていることって、意味があるんでしょうか…?」
リリス「私たちは彼を倒すことができませんでした。それどころか今は彼に飼い殺しにされている状態です」
6: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/11(月) 21:31:48.76 ID:nZqElLooO
リリス「今も滅ぼし続けている彼を、止めることもできない」
リリス「私たちはどうして、生きているのでしょうね」
次の日、自室で冷たくなっている彼女を見つけました。星竜は自らの意志のみで命を絶つことができるんだそうです
私は何のために生きているのでしょうか?ハイドラの、父を喜ばせるためなのでしょうか?
私も覚悟を決めることにしました。長年連れ添ってきた愛刀ーーーハイドラに傷一つ負わせることのできなかった刀ーーーに、最後の血を吸わせることを。
リリス「私たちはどうして、生きているのでしょうね」
次の日、自室で冷たくなっている彼女を見つけました。星竜は自らの意志のみで命を絶つことができるんだそうです
私は何のために生きているのでしょうか?ハイドラの、父を喜ばせるためなのでしょうか?
私も覚悟を決めることにしました。長年連れ添ってきた愛刀ーーーハイドラに傷一つ負わせることのできなかった刀ーーーに、最後の血を吸わせることを。
9: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/11(月) 22:12:01.54 ID:nZqElLooO
カムイ(これで…皆さんのところに行けるのでしょうか…?)
………エテ…………
カムイ(?)
…………カナ………エテ…
カムイ(隣の部屋から声がしますね…一応様子を見てみましょうか)
そこにあったのは、古びた、大きな機械でした。
円筒状で、幅1メートル、高さが3メートルぐらい。異国の紋章でしょうか?見たことのない模様が彫ってあります。
辺りに積み上げられている、ハイドラが異世界から奪ってきた戦利品の中で、それは何だか不思議な雰囲気を放っています。
近くにいると懐かしいような、嬉しいような、最近は思い出すこともなくなったそんな感情が湧き上がってくるのです。
………エテ…………
カムイ(?)
…………カナ………エテ…
カムイ(隣の部屋から声がしますね…一応様子を見てみましょうか)
そこにあったのは、古びた、大きな機械でした。
円筒状で、幅1メートル、高さが3メートルぐらい。異国の紋章でしょうか?見たことのない模様が彫ってあります。
辺りに積み上げられている、ハイドラが異世界から奪ってきた戦利品の中で、それは何だか不思議な雰囲気を放っています。
近くにいると懐かしいような、嬉しいような、最近は思い出すこともなくなったそんな感情が湧き上がってくるのです。
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/11(月) 22:40:46.83 ID:nZqElLooO
カムイ(それになんだか、あたたかい…まるで、兄さんたちと一緒に)
カムイ「夢を…語った時のような…」
???(システム二ジュウダイナソンショウヲカクニン…タダチニシュウフクヲカイシ…)
カムイ「いけませんね、独り言なんて…」
???(シュウフクカンリョウ…セーフモードデサイキドウ…)
カムイ「そろそろですね…皆さん、今、そこに参ります」チャキ
???(ショキセッテイカンリョウ…ゲンゴセッテイカンリョウ…)
ザクッ
ドサッ
カムイ「夢を…語った時のような…」
???(システム二ジュウダイナソンショウヲカクニン…タダチニシュウフクヲカイシ…)
カムイ「いけませんね、独り言なんて…」
???(シュウフクカンリョウ…セーフモードデサイキドウ…)
カムイ「そろそろですね…皆さん、今、そこに参ります」チャキ
???(ショキセッテイカンリョウ…ゲンゴセッテイカンリョウ…)
ザクッ
ドサッ
11: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/11(月) 23:04:55.34 ID:nZqElLooO
カムイ「兄さん…姉さん…母さん…今、あなたのところへ参ります…」
カムイ「ううっ…すごく痛いですね。はらわたがちぎれるような…実際そうですけど…」
カシャカシャ
ヴォン
カッ
???「READY・〉?」
???「アナタノ・ネガイヲ・ヒトツダケ・カナエテ・サシアゲマス・〉」
カムイ「機械が…しゃべっ…た…?出血多量で…幻覚でも見ているので…しょうか…?ふふっ、もうすぐです…もうすぐ…」
???「ドンナ・ネガイモ・ヒトツダケ・カナエテ・サシアゲマス・〉」
カムイ「ううっ…すごく痛いですね。はらわたがちぎれるような…実際そうですけど…」
カシャカシャ
ヴォン
カッ
???「READY・〉?」
???「アナタノ・ネガイヲ・ヒトツダケ・カナエテ・サシアゲマス・〉」
カムイ「機械が…しゃべっ…た…?出血多量で…幻覚でも見ているので…しょうか…?ふふっ、もうすぐです…もうすぐ…」
???「ドンナ・ネガイモ・ヒトツダケ・カナエテ・サシアゲマス・〉」
12: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/11(月) 23:12:58.65 ID:nZqElLooO
カムイ「ううっ……早く…みんなの……ところに………めが…かすむ…………」ガクッ
???「OK・〉ニンショウセイコウ・カウントダウンニ・ウツリマス…」
カムイ「」
???「3」
カムイ「」
???「2」
カムイ「」
???「1」
???「OK・〉ニンショウセイコウ・カウントダウンニ・ウツリマス…」
カムイ「」
???「3」
カムイ「」
???「2」
カムイ「」
???「1」
13: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/11(月) 23:24:42.40 ID:nZqElLooO
???「…エネルギーガ・フソクシテイマス・〉シュウイニ・コウエネルギーハンノウ・〉カイセキカイシ・〉」
???「『夜刀神』…ホノオノ・モンショウ・〉1000000000デデン…」
???「OK・〉カウントヲサイカイ…」
???「5」システムオールグリーン!
???「4」パラドクスシュウセイローターキドウ!
???「3」ジクウテンイシステムアンロック!
???「2」ジゲンサーバーニンショウカンリョウ!
???「1…」ジゲンテンイソウチジュウテンリツ400%!
カッ
???「GO!!!!!!!!」
???「『夜刀神』…ホノオノ・モンショウ・〉1000000000デデン…」
???「OK・〉カウントヲサイカイ…」
???「5」システムオールグリーン!
???「4」パラドクスシュウセイローターキドウ!
???「3」ジクウテンイシステムアンロック!
???「2」ジゲンサーバーニンショウカンリョウ!
???「1…」ジゲンテンイソウチジュウテンリツ400%!
カッ
???「GO!!!!!!!!」
21: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/12(火) 21:25:39.55 ID:P9B8/pEUO
どれぐらい時間が経ったでしょうか?鼻をくすぐる紅茶の香りで、私は再び目を覚ましました。二度と開くことは無いと思っていた目を。
カムイ「う…」ガバ
カムイ「いてて…頭が…」
???「あら、気が付いたのね、よかった…」
???「お姉ちゃんすごく心配したのよ?あなた、突然熱を出して倒れてしまうんですもの…」
???「何か欲しいものとかある?」
カムイ「う…」ガバ
カムイ「いてて…頭が…」
???「あら、気が付いたのね、よかった…」
???「お姉ちゃんすごく心配したのよ?あなた、突然熱を出して倒れてしまうんですもの…」
???「何か欲しいものとかある?」
22: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/12(火) 21:26:48.59 ID:P9B8/pEUO
ここは…あの世なのでしょうか?それとも夢を見ているのでしょうか?そうでもないと説明がつかないのです。何せ死んだはずのカミラ姉さんが、不安げな顔をして目の前に座っているのですから。
同じような夢を、ここのところ何度も見るのです。夢の中できょうだいが生きていることに喜び、目覚めて夢であったことを知ってまた絶望する。そんなことはもうたくさんでした。しかし、この時はいつもと違うものを感じたのです。
カムイ「カミラ姉さん…私、とても怖い夢を見たんです…」
カムイ「その夢の中で、私はたった一人になってしまうんです」
カムイ「仲間たちも、きょうだいもみな殺され、世界に残ったのは私一人だけ…」
カムイ「そして最後に残った私がしたのは…したのは「カムイ!」
カミラ「大丈夫、大丈夫よカムイ、もうそんな辛いこと、思い出さなくてもいいの」
同じような夢を、ここのところ何度も見るのです。夢の中できょうだいが生きていることに喜び、目覚めて夢であったことを知ってまた絶望する。そんなことはもうたくさんでした。しかし、この時はいつもと違うものを感じたのです。
カムイ「カミラ姉さん…私、とても怖い夢を見たんです…」
カムイ「その夢の中で、私はたった一人になってしまうんです」
カムイ「仲間たちも、きょうだいもみな殺され、世界に残ったのは私一人だけ…」
カムイ「そして最後に残った私がしたのは…したのは「カムイ!」
カミラ「大丈夫、大丈夫よカムイ、もうそんな辛いこと、思い出さなくてもいいの」
23: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/12(火) 21:28:07.06 ID:P9B8/pEUO
カミラ「この通り、私はピンピンしてるわ。それにあなたを残して、私たちきょうだいが死ぬはずないじゃない」
カミラ「怖い夢を見たなら、私が抱きしめてあげる。ほら、今はゆっくり休みなさい…」
ゴソゴソ
ギュッ
ムニュ
カムイ(懐かしいこの質感…そしてこの重さ、大きさ、間違いなくこれは現実ですね)
カムイ(しかし…なぜ…?どうして?)
カミラ「zzz…」
カムイ(もう寝てしまうなんて…まあ姉さんのことです、寝る間も惜しんで私を看病してくださったのですね。ありがとうございます)
カムイ(私も眠くなってきました。とりあえず難しいことは明日考えましょう…)
カムイ(また会えて本当に嬉しいです…カミラ姉さん…)ギュッ
カムイ「zzz…」
カミラ「怖い夢を見たなら、私が抱きしめてあげる。ほら、今はゆっくり休みなさい…」
ゴソゴソ
ギュッ
ムニュ
カムイ(懐かしいこの質感…そしてこの重さ、大きさ、間違いなくこれは現実ですね)
カムイ(しかし…なぜ…?どうして?)
カミラ「zzz…」
カムイ(もう寝てしまうなんて…まあ姉さんのことです、寝る間も惜しんで私を看病してくださったのですね。ありがとうございます)
カムイ(私も眠くなってきました。とりあえず難しいことは明日考えましょう…)
カムイ(また会えて本当に嬉しいです…カミラ姉さん…)ギュッ
カムイ「zzz…」
25: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/14(木) 00:17:45.69 ID:H3q/dm2YO
~夕日をバックに~
カミラ「カムイ」
カムイ「何ですか姉さん」
カミラ「好きよ」
カムイ「私はもっと好きです」
カミラ「じゃあお姉ちゃんはもっともっと好きよ」
カムイ「じゃあ私はもっともっともっと好きです」
カミラ「じゃあお姉ちゃんはもっともっともっともっと好きよ」
カムイ「じゃあ私はもっともっともっともっともっと好きです」
カミラ「じゃあ私はもっともっともっともっともっともっと
カムイ「はうあっ!」ガバッ
カムイ「夢ですか…不毛すぎますね」
カミラ「カムイ」
カムイ「何ですか姉さん」
カミラ「好きよ」
カムイ「私はもっと好きです」
カミラ「じゃあお姉ちゃんはもっともっと好きよ」
カムイ「じゃあ私はもっともっともっと好きです」
カミラ「じゃあお姉ちゃんはもっともっともっともっと好きよ」
カムイ「じゃあ私はもっともっともっともっともっと好きです」
カミラ「じゃあ私はもっともっともっともっともっともっと
カムイ「はうあっ!」ガバッ
カムイ「夢ですか…不毛すぎますね」
26: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/14(木) 00:19:32.74 ID:H3q/dm2YO
全身に汗をかいているし、心臓も早鐘を打っている。時計を見るともう明け方前だが、とてももう一度布団に潜る気にもなれない。さっきは気づかなかったが、寝込んでいた間体を洗っていなかったのでかなり体が汚い。のでお風呂に入ることにした。寝ている間に熱は下がったようだ。
至近距離で眠っている姉さんを起こさないように気をつけながら、タオルと着替えだけ持って外に出る。一応部屋にも備え付けのものがあるが、いちいち溜めるのが面倒なのでいつもは使用人用の共有のを使わせてもらっているのだ。
ガラガラ
カムイ(中に誰もいませんね…まあこんな時間ですし当たり前ですか)
ザバー
カムイ(はあ~、いいお湯です。身も心も洗われるよう…)
これまで「あった」「経験した」ことに思えたことは、本当に夢だったのだろうか?何だか考えれば考えるほど、記憶は現実味を失っていくようだ。まずそもそも自分が白夜で生まれ、暗夜で育ったということ自体が荒唐無稽に過ぎる。仮に自分が白夜王族だったとして、マークス兄さんたちがこんなに優しくしてくれるはずがない。それに…
ガラガラ
フェリシア「あ、カムイ様!元気になられたんですね!よかったです~」
突然の訪問者に、私の思考は一時中断される。
28: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/14(木) 20:14:52.37 ID:6Py4Y8TUO
フェリシア「納屋に住み着いてる野良猫さんが子猫ちゃんを産んだんですよ~で、心配で見守っていたらいつの間にかこんな時間に!」
カムイ「へ~そんなことがあったんですね。フェリシアさんはやっぱり優しいです。でも明日もお勤めなんじゃないんですか?」
ザバー
フェリシア「いいえ、明日は午後からなんでぐっすり休めます。四六時中ドジ踏むんだから、体調管理ぐらいしっかりしなさいって姉さんに言われてましてね」
カムイ「そうですか…それならいいですけど」ザバー
シャンプー
ワシャワシャ
カムイ「ところでフェリシアさん」
フェリシア「なんですかぁ」
カムイ「最近、変な夢とか見ませんでしたか?」
カムイ「へ~そんなことがあったんですね。フェリシアさんはやっぱり優しいです。でも明日もお勤めなんじゃないんですか?」
ザバー
フェリシア「いいえ、明日は午後からなんでぐっすり休めます。四六時中ドジ踏むんだから、体調管理ぐらいしっかりしなさいって姉さんに言われてましてね」
カムイ「そうですか…それならいいですけど」ザバー
シャンプー
ワシャワシャ
カムイ「ところでフェリシアさん」
フェリシア「なんですかぁ」
カムイ「最近、変な夢とか見ませんでしたか?」
29: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/14(木) 20:16:42.69 ID:6Py4Y8TUO
カムイ「最近、変な夢とか見ませんでしたか?」
フェリシア「夢ですか…えーと、最近だと白夜の忍者さんから白夜の暗器?をもらう夢を見ましたね」
カムイ「へえ」
フェリシア「すごく強い暗器だったんですけど、すぐにエリーゼ様が『あたしも使いたい!』って言い出したもんだから、お譲りしちゃったんです」
カムイ「…」
フェリシア「仕方がないので、私は家から持ってきた食器を投げることにしたんです。そしたらあれよあれよと敵が倒れていって…変な夢だと思いませんか?」
フェリシア「あれ、何考え込んでるんですか?」
カムイ「……! あ、ご、ごめんなさい。へ、変な夢ですね…ち、ちょっと背中流していただけますか?」
フェリシア「夢ですか…えーと、最近だと白夜の忍者さんから白夜の暗器?をもらう夢を見ましたね」
カムイ「へえ」
フェリシア「すごく強い暗器だったんですけど、すぐにエリーゼ様が『あたしも使いたい!』って言い出したもんだから、お譲りしちゃったんです」
カムイ「…」
フェリシア「仕方がないので、私は家から持ってきた食器を投げることにしたんです。そしたらあれよあれよと敵が倒れていって…変な夢だと思いませんか?」
フェリシア「あれ、何考え込んでるんですか?」
カムイ「……! あ、ご、ごめんなさい。へ、変な夢ですね…ち、ちょっと背中流していただけますか?」
30: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/14(木) 20:17:38.52 ID:6Py4Y8TUO
フェリシア(こんなに動揺するなんてカムイ様らしくもない…)「はいはーい、よろこんでー」ザバー
ゴシゴシ
カムイ「…」グワッシグワッシ
フェリシア(さっきからすっかり黙りこくってしまっている…なんか変なこと言ってしまいましたか?)
カムイ「」ジャーゴジャーゴ
フェリシア「カムイ様、シャンプーめっちゃあふれてます。だだ漏れです」
カムイ「ああ…本当ですね…」グワッシグワッシ
フェリシア(大丈夫ですかね?)
フェリシア「…あれ?カムイ様、カムイ様の身体って、こんなに傷だらけでしたっけ?」
カムイ「毎日訓練してますから、多少はついてるはずですけど…」
フェリシア「それにしても多すぎです…まるで、激戦を戦い抜いてきた伝説の傭兵さん、みたいな?」
フェリシア「ここのお腹のとこのキズなんて、まるでハラキリでもしたみたいな大きさです」
カムイ「…!…そんな…まさか…!」
フェリシア「どうかなさったんですか?さっきからぁ…あ!もしかしてカムイさmきゃああっ!」ツルーン
ルーン
ドンガラガッシャーン!
ゴロゴロゴロ
カムイ「あちゃー…さっきのシャンプーを踏んづけて風呂桶の山に頭から突っ込んじゃいましたねごめんなさい」
カムイ「まったく毎度のことやら…だいじょぶですかー?フェリシアさーん」
カムイ「だいじょ…!」
フェリシア「」ピヨピヨ
カムイ「フェリシアさん?フェリシアさーーーん!!!!」
ゴシゴシ
カムイ「…」グワッシグワッシ
フェリシア(さっきからすっかり黙りこくってしまっている…なんか変なこと言ってしまいましたか?)
カムイ「」ジャーゴジャーゴ
フェリシア「カムイ様、シャンプーめっちゃあふれてます。だだ漏れです」
カムイ「ああ…本当ですね…」グワッシグワッシ
フェリシア(大丈夫ですかね?)
フェリシア「…あれ?カムイ様、カムイ様の身体って、こんなに傷だらけでしたっけ?」
カムイ「毎日訓練してますから、多少はついてるはずですけど…」
フェリシア「それにしても多すぎです…まるで、激戦を戦い抜いてきた伝説の傭兵さん、みたいな?」
フェリシア「ここのお腹のとこのキズなんて、まるでハラキリでもしたみたいな大きさです」
カムイ「…!…そんな…まさか…!」
フェリシア「どうかなさったんですか?さっきからぁ…あ!もしかしてカムイさmきゃああっ!」ツルーン
ルーン
ドンガラガッシャーン!
ゴロゴロゴロ
カムイ「あちゃー…さっきのシャンプーを踏んづけて風呂桶の山に頭から突っ込んじゃいましたねごめんなさい」
カムイ「まったく毎度のことやら…だいじょぶですかー?フェリシアさーん」
カムイ「だいじょ…!」
フェリシア「」ピヨピヨ
カムイ「フェリシアさん?フェリシアさーーーん!!!!」
33: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/15(金) 20:08:14.85 ID:8vrig+/SO
お城の医務室
フェリシア「zzz…」
カムイ(先生は軽い脳しんとうって言ってましたし、多分大丈夫そうですね)
カムイ(それにしてもこの傷…明らかに『夢』の中でハラキリをした時のもの)
カムイ(何が現実で何が夢かも分からなくなってきました…どうしましょう)
カムイ(…悩んでいても仕方がありませんね。手がかりがやってくるのをこちらから待つことにしましょうか)
一向に目を覚まさないので、とりあえず自室に戻ることにした。きっと姉さんも起きている頃だろう。
カムイ「じゃあフェリシアさん、ちょっと席を外しますよ」
フェリシア「zzz…」
カムイ(きっと疲れも溜まってるんですね…お疲れ様です)
カムイ(よかった…生きてて…)
ガチャ バタン
フェリシア「zzz…」
カムイ(先生は軽い脳しんとうって言ってましたし、多分大丈夫そうですね)
カムイ(それにしてもこの傷…明らかに『夢』の中でハラキリをした時のもの)
カムイ(何が現実で何が夢かも分からなくなってきました…どうしましょう)
カムイ(…悩んでいても仕方がありませんね。手がかりがやってくるのをこちらから待つことにしましょうか)
一向に目を覚まさないので、とりあえず自室に戻ることにした。きっと姉さんも起きている頃だろう。
カムイ「じゃあフェリシアさん、ちょっと席を外しますよ」
フェリシア「zzz…」
カムイ(きっと疲れも溜まってるんですね…お疲れ様です)
カムイ(よかった…生きてて…)
ガチャ バタン
34: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/15(金) 20:09:08.90 ID:8vrig+/SO
自室にて
ガチャ
カムイ「おはようございます、カミラ姉さん」
カミラ「あら、おはようカムイ」ズズズ
カミラ「身体はもう大丈夫?」ズズズ
カムイ「ええ、おかげさまで、ありがとうございました」ドボドボ
しばし、カミラの新聞をくる手と、二人の紅茶を飲む音のみが響く
カミラ「今日の金曜ロードショウは『バケモノの子』ね。見逃さないようにしなくちゃ。カムイも一緒に見る?」
カムイ「8時からマークス兄さんが剣術のテストするから無理です」
カミラ「そう…」ズズズ
気まずい沈黙。やはり新聞と紅茶の音のみが響く。カミラ二杯目突入、砂糖は五杯入れる。
カムイ「…今度ビデオ屋さんで借りてきて見ましょう」
カミラ「…!あら、ありがとう。うれしいわ」
カムイ二杯目突入、今度はコーヒーを入れる。ミルクのみで砂糖は入れない。カミラは早くも三杯目を終えようとしている。
カムイ「ところで、なんでそんなにお砂糖入れるんですか?」
カミラ「昔の人が言ってたの…」ペラッ
カミラ「『寝る子は育つ』」
カミラ「これじゃないわね…」ペラッ
カミラ「『パラシュートは愛で開く』」
カムイ「絶対違います」
カミラ「『胸は糖分で育つ』」ペラッ
カムイ「…本当ですか?」
カミラ「見ればわかるでしょう」ばいーん
カムイ「…ちょっと朝ごはん食べてきます」
ガチャ
カムイ「おはようございます、カミラ姉さん」
カミラ「あら、おはようカムイ」ズズズ
カミラ「身体はもう大丈夫?」ズズズ
カムイ「ええ、おかげさまで、ありがとうございました」ドボドボ
しばし、カミラの新聞をくる手と、二人の紅茶を飲む音のみが響く
カミラ「今日の金曜ロードショウは『バケモノの子』ね。見逃さないようにしなくちゃ。カムイも一緒に見る?」
カムイ「8時からマークス兄さんが剣術のテストするから無理です」
カミラ「そう…」ズズズ
気まずい沈黙。やはり新聞と紅茶の音のみが響く。カミラ二杯目突入、砂糖は五杯入れる。
カムイ「…今度ビデオ屋さんで借りてきて見ましょう」
カミラ「…!あら、ありがとう。うれしいわ」
カムイ二杯目突入、今度はコーヒーを入れる。ミルクのみで砂糖は入れない。カミラは早くも三杯目を終えようとしている。
カムイ「ところで、なんでそんなにお砂糖入れるんですか?」
カミラ「昔の人が言ってたの…」ペラッ
カミラ「『寝る子は育つ』」
カミラ「これじゃないわね…」ペラッ
カミラ「『パラシュートは愛で開く』」
カムイ「絶対違います」
カミラ「『胸は糖分で育つ』」ペラッ
カムイ「…本当ですか?」
カミラ「見ればわかるでしょう」ばいーん
カムイ「…ちょっと朝ごはん食べてきます」
35: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/15(金) 21:20:57.58 ID:8vrig+/SO
食堂
カムイ(私の朝はいつもはケロッグで始まる…)
カムイ(だけどなんだろう、今日は別のものを試してみたい)
『胸は糖分で育つ』
チラ
エルフィ「ガツガツバリバリムシャムシャモグモグ」ガガガガ
エリーゼ「いつもながらすごい…」
ハロルド「ううむ、見てるだけでお腹いっぱいだ…」
食堂のおばちゃん「いや~、エルフィちゃんはいつも食べっぷりがいいねえ、こっちも作りがいがあるってもんだよ」ドドドドドド
オバチャン、カレーオカワリダイシキュウ!
ハイハイオマチドオサマ ドゴォ
カムイ(エルフィさんはああ見えてスタイルがいい)
カムイ「おばちゃん、私にも彼女と同じ物を」
カムイ「量は10分の1で…」
おばちゃん「はいお待ち~」ドン
カムイ(モグモグ…あっ、おいしい)
エリーゼ「あれ、カムイお姉ちゃん!元気になったの?よかったあ!」
エリーゼ「あれ、いつもよりかなり多いけど、どうしたの?」
カムイ「元気になったし、体力つけようかなーって思いまして」
ハロルド「それはいい心がけですね!ささ、エリーゼ様、デザートで悩んでないで、さっさと鍛錬に向かいましょう!」
エリーゼ「ええーっ…わかったよ…おばちゃん、チュッパチャプスちょうだい!」
ハロルド「エルフィ君もほら、はやく…ってもう食べ終わっとる…」
ハロルドハナニタベタノー?
ハンバーガー4コグライデスネ
アハハーアメリカーン
カムイ(私の朝はいつもはケロッグで始まる…)
カムイ(だけどなんだろう、今日は別のものを試してみたい)
『胸は糖分で育つ』
チラ
エルフィ「ガツガツバリバリムシャムシャモグモグ」ガガガガ
エリーゼ「いつもながらすごい…」
ハロルド「ううむ、見てるだけでお腹いっぱいだ…」
食堂のおばちゃん「いや~、エルフィちゃんはいつも食べっぷりがいいねえ、こっちも作りがいがあるってもんだよ」ドドドドドド
オバチャン、カレーオカワリダイシキュウ!
ハイハイオマチドオサマ ドゴォ
カムイ(エルフィさんはああ見えてスタイルがいい)
カムイ「おばちゃん、私にも彼女と同じ物を」
カムイ「量は10分の1で…」
おばちゃん「はいお待ち~」ドン
カムイ(モグモグ…あっ、おいしい)
エリーゼ「あれ、カムイお姉ちゃん!元気になったの?よかったあ!」
エリーゼ「あれ、いつもよりかなり多いけど、どうしたの?」
カムイ「元気になったし、体力つけようかなーって思いまして」
ハロルド「それはいい心がけですね!ささ、エリーゼ様、デザートで悩んでないで、さっさと鍛錬に向かいましょう!」
エリーゼ「ええーっ…わかったよ…おばちゃん、チュッパチャプスちょうだい!」
ハロルド「エルフィ君もほら、はやく…ってもう食べ終わっとる…」
ハロルドハナニタベタノー?
ハンバーガー4コグライデスネ
アハハーアメリカーン
36: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/16(土) 02:26:22.41 ID:AQefRdgKO
廊下
カムイ「ふう~何とか食べきりましたね。お腹パンパンです」
カムイ(手がかりを待つ…)
カムイ(『夢』について隅々まで思い出してみるのも、悪くないかもしれませんね。じっくり考えるのにいいところは…)
カムイ(そういえばフェリシアさん大丈夫でしょうか?)
医務室
フェリシア「zzz…」
カムイ(変化なし…ですか。フェリシアさんには悪いですけど、この方が好都合です)
カムイ(私が『夢』で『あの』選択をしたところから遡ってみましょう)
そもそも、マークス達が白夜平原まで攻めのぼってこれたのはミコトさんが殺害されたせいである。
ミコトさんが死んだのは私が持ってきたガングレリが爆発したせいだ。
私がガングレリを持ってきたのはガロン様に持たされたから。
ガロン様がこれを持たせたのは私の技量を見込んでのこと。
彼が私の技量を図ることができたのはスズカゼさんやリンカさんと戦ったから。
私が彼らと戦えたのは…戦えたのは…
カムイ(何ででしたっけね)
カムイ(まあいいでしょう、その『きっかけ』がもし起きるならばもうすぐ…)
フェリシア「zzz…」
カムイ(ぐっすりですね…ふふふ) ギュッ
カムイ(何だかカミラ姉さんのがうつっちゃったみたいですね…)
カムイ「死なないでください…私を置いて…絶対に」
ガチャ
ジョーカー「ほーれフェリシア、調子はどうだ?ったくお前はまたドジしやがっt」
カムイ「」
ジョーカー「」
ジョーカー「…安心してください。なにも見てませんよ…」バタム
カムイ「」
カムイ「ふう~何とか食べきりましたね。お腹パンパンです」
カムイ(手がかりを待つ…)
カムイ(『夢』について隅々まで思い出してみるのも、悪くないかもしれませんね。じっくり考えるのにいいところは…)
カムイ(そういえばフェリシアさん大丈夫でしょうか?)
医務室
フェリシア「zzz…」
カムイ(変化なし…ですか。フェリシアさんには悪いですけど、この方が好都合です)
カムイ(私が『夢』で『あの』選択をしたところから遡ってみましょう)
そもそも、マークス達が白夜平原まで攻めのぼってこれたのはミコトさんが殺害されたせいである。
ミコトさんが死んだのは私が持ってきたガングレリが爆発したせいだ。
私がガングレリを持ってきたのはガロン様に持たされたから。
ガロン様がこれを持たせたのは私の技量を見込んでのこと。
彼が私の技量を図ることができたのはスズカゼさんやリンカさんと戦ったから。
私が彼らと戦えたのは…戦えたのは…
カムイ(何ででしたっけね)
カムイ(まあいいでしょう、その『きっかけ』がもし起きるならばもうすぐ…)
フェリシア「zzz…」
カムイ(ぐっすりですね…ふふふ) ギュッ
カムイ(何だかカミラ姉さんのがうつっちゃったみたいですね…)
カムイ「死なないでください…私を置いて…絶対に」
ガチャ
ジョーカー「ほーれフェリシア、調子はどうだ?ったくお前はまたドジしやがっt」
カムイ「」
ジョーカー「」
ジョーカー「…安心してください。なにも見てませんよ…」バタム
カムイ「」
40: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/16(土) 17:04:06.74 ID:m3jRnqZhO
使用人室
ジョーカー「そうでしたか、それは失礼なことをしました」ニコ
カムイ(ジョーカーさん…笑顔引き攣ってます)「誤解が解けて何よりです」ニコニコ
ジョーカー(いやはやカムイ様にそんなご趣味がおありになったとは…)「コーヒーをお入れしましょうか?」ニコ
カムイ(絶対誤解解けてませんね)「ではお願いします」ニコニコ
ガリガリガリガリガリガリガリガリ
シュンシュン
カムイ(一心不乱にコーヒー豆を挽いてます…何とかしなければ)「いや~ジョーカーさん、紅茶だけでなくコーヒーの淹れ方までマスターしておられるとは、知りませんでした」
ジョーカー(ううむ…恐らく2人の仲は相当なところまで)「ギュンターに最近教えてもらいましてね、『いつまでも紅茶一辺倒じゃダメだ』って」
カムイ(心なしかコーヒー挽きを回す手が震えているように見えます)「そうですか~でも大変だったでしょう?」
ジョーカー(いかんいかん何とんでもないことを考えとるんだ俺は)「いえいえ、カムイ様のためです。美味しい飲み物を入れることは私の喜びでもありますしね」
カムイ(早くどうにかしなければ…)「ふふふ、ありがとうございます」
ジョーカー「俺は、嫉妬しているのか…?フェリシアに…?」(いえいえ、滅相もありません)
カムイ「?」
ジョーカー「も、申し訳ございませんカムイ様、今のはちょっとした失言でして…」
ジョーカー「そうでしたか、それは失礼なことをしました」ニコ
カムイ(ジョーカーさん…笑顔引き攣ってます)「誤解が解けて何よりです」ニコニコ
ジョーカー(いやはやカムイ様にそんなご趣味がおありになったとは…)「コーヒーをお入れしましょうか?」ニコ
カムイ(絶対誤解解けてませんね)「ではお願いします」ニコニコ
ガリガリガリガリガリガリガリガリ
シュンシュン
カムイ(一心不乱にコーヒー豆を挽いてます…何とかしなければ)「いや~ジョーカーさん、紅茶だけでなくコーヒーの淹れ方までマスターしておられるとは、知りませんでした」
ジョーカー(ううむ…恐らく2人の仲は相当なところまで)「ギュンターに最近教えてもらいましてね、『いつまでも紅茶一辺倒じゃダメだ』って」
カムイ(心なしかコーヒー挽きを回す手が震えているように見えます)「そうですか~でも大変だったでしょう?」
ジョーカー(いかんいかん何とんでもないことを考えとるんだ俺は)「いえいえ、カムイ様のためです。美味しい飲み物を入れることは私の喜びでもありますしね」
カムイ(早くどうにかしなければ…)「ふふふ、ありがとうございます」
ジョーカー「俺は、嫉妬しているのか…?フェリシアに…?」(いえいえ、滅相もありません)
カムイ「?」
ジョーカー「も、申し訳ございませんカムイ様、今のはちょっとした失言でして…」
41: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/16(土) 17:05:15.09 ID:m3jRnqZhO
カムイ「ジョーカーさん…」ツカツカ
ジョーカー「!?」
カムイ「…」ギュッ
カムイ「…こうしていないと、何だか落ちつかないんです…」
カムイ「ふふっ、変ですよね…」
ジョーカー「…」
言えなかった。こんな時、どんなことを言えばいいのかわからなかった。主君を元気づけることもできない俺は、執事失格なのかもしれない。
ジョーカー「…私は、どこにもいきません。カムイ様のために生き、カムイ様のために死ぬのが私の喜びです」
カムイ「………死ぬなんて絶対言わないでください。あの時だってあなたは…」
ガチャ
フローラ「ジョーカー?お菓子が焼けましt」
フローラ に ひっさつのいちげき!
フローラ「…!ううっ」バターン ドタドタドタバタ
ジョーカー「ふ、フローラ?待て誤解だ
あ!」ダダダダ
ウワアアアアン
チョットマテミンナニヒロメルナアアア
ヒトノキモチヲモテアソンドイテエエエエエエ
ナンノコトダ イタイイタイイタイ
カムイ(…上手くいかないものですね)
そんなことをしているうちに8時である。
ジョーカー「!?」
カムイ「…」ギュッ
カムイ「…こうしていないと、何だか落ちつかないんです…」
カムイ「ふふっ、変ですよね…」
ジョーカー「…」
言えなかった。こんな時、どんなことを言えばいいのかわからなかった。主君を元気づけることもできない俺は、執事失格なのかもしれない。
ジョーカー「…私は、どこにもいきません。カムイ様のために生き、カムイ様のために死ぬのが私の喜びです」
カムイ「………死ぬなんて絶対言わないでください。あの時だってあなたは…」
ガチャ
フローラ「ジョーカー?お菓子が焼けましt」
フローラ に ひっさつのいちげき!
フローラ「…!ううっ」バターン ドタドタドタバタ
ジョーカー「ふ、フローラ?待て誤解だ
あ!」ダダダダ
ウワアアアアン
チョットマテミンナニヒロメルナアアア
ヒトノキモチヲモテアソンドイテエエエエエエ
ナンノコトダ イタイイタイイタイ
カムイ(…上手くいかないものですね)
そんなことをしているうちに8時である。
42: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/16(土) 22:13:05.91 ID:lHLTQLqjO
カムイ(おや…少し昼寝をしていたら、もうこんな時間になってしまいましたね)
ギュンター「カムイ様、起きてください。夜の訓練のお時間です。…と言いたいところですが、お体の方は?つい今朝まで立てなかったではありませんか?」
カムイ「いえ、私はもう大丈夫です。それよりフェリシアさんやジョーカーさんは?」
ギュンター「それがですね…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
3時間ぐらい前
医務室前の廊下
ジョーカー「フローラ、誤解だ頼むから話を聞け!」ダダダダ
フローラ「あなたにする話なんてないわよ!カムイ様と二人でいちゃこらしてればいいでしょう!」ダダダダ
ジョーカー「いやだからあれはそういうのじゃなくてだな、何というか」ダダダダ
フローラ「もういい!いいわ!あんたなんてカムイ様と幸せになっちゃえばいいのよ!私抜きで!」シュオオオオオ ピキィィィィン!
ジョーカー「冷気で廊下を凍らせた…だと?だが話を聞かせなきゃならん!待てえええ!」シャーッ
フローラ「しつこいわね…!それ!それ!もう!」バシュバシュバババシュシュ
ジョーカー「尖った氷を飛ばすんじゃねえ!あのなあ、これでも俺はお前のことを…」ヒョイヒョイヒョヒョイ
フローラ「お前のことを…何?」クルッ
ジョーカー「ちょっ、急に振り向くんじゃねえ!前見ろ前!あああああっ!」シャーッ
ガチャッ
フェリシア「すっかり元気になりました~!ってね。さあ、早速お仕事頑張らなくちゃあ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ギュンター「フェリシアが最後の意識の中で捉えたのが、実姉の後頭部だったということです。いやはや、3人とも軽症で済んだのが何より」
カムイ「…それで、いらしたのがギュンターさんだけだと」
ギュンター「そういうことです。ささ、早く防具を召して下され。マークス様がお呼びです」
ギュンター「カムイ様、起きてください。夜の訓練のお時間です。…と言いたいところですが、お体の方は?つい今朝まで立てなかったではありませんか?」
カムイ「いえ、私はもう大丈夫です。それよりフェリシアさんやジョーカーさんは?」
ギュンター「それがですね…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
3時間ぐらい前
医務室前の廊下
ジョーカー「フローラ、誤解だ頼むから話を聞け!」ダダダダ
フローラ「あなたにする話なんてないわよ!カムイ様と二人でいちゃこらしてればいいでしょう!」ダダダダ
ジョーカー「いやだからあれはそういうのじゃなくてだな、何というか」ダダダダ
フローラ「もういい!いいわ!あんたなんてカムイ様と幸せになっちゃえばいいのよ!私抜きで!」シュオオオオオ ピキィィィィン!
ジョーカー「冷気で廊下を凍らせた…だと?だが話を聞かせなきゃならん!待てえええ!」シャーッ
フローラ「しつこいわね…!それ!それ!もう!」バシュバシュバババシュシュ
ジョーカー「尖った氷を飛ばすんじゃねえ!あのなあ、これでも俺はお前のことを…」ヒョイヒョイヒョヒョイ
フローラ「お前のことを…何?」クルッ
ジョーカー「ちょっ、急に振り向くんじゃねえ!前見ろ前!あああああっ!」シャーッ
ガチャッ
フェリシア「すっかり元気になりました~!ってね。さあ、早速お仕事頑張らなくちゃあ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ギュンター「フェリシアが最後の意識の中で捉えたのが、実姉の後頭部だったということです。いやはや、3人とも軽症で済んだのが何より」
カムイ「…それで、いらしたのがギュンターさんだけだと」
ギュンター「そういうことです。ささ、早く防具を召して下され。マークス様がお呼びです」
43: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/16(土) 22:14:19.45 ID:lHLTQLqjO
城塞の屋上
マークス「よく来た…これが、お前を城塞から出す許可を得るための最後の試験」
マークス「私を倒してみせよ!カムイ!」
カムイ(これは…)
完全に『夢』の再現だった。違うところといえば今が夜であるところと、互いにてつのけんを装備していることぐらいだろうか。
マークス「突っ立っているだけでは私を倒すことは出来ん!こちらから行くぞ!カムイ!」
マークス「ぬうん!」
カムイ(そんな…そんな…そんなはずない…)
マークス の こうげき !
カムイ は すばやく みを かわした !
レオン「何やってんだい姉さんは…避けてばっかりで、一向に攻撃する気配がないじゃないか。怖気づいたのかな…」
カミラ「いいえ、あれは怖がっている顔ではないわ。むしろ…何か考え込んでる?いいえ、ひどく混乱しているようね」
レオン「おっと、やっと剣を構えたね」
カムイ(取り敢えず、今はこの戦いに集中しましょう…それにしても、兄さんは攻撃を当てる気があるのでしょうか?こんなのかすりもしませんよ)
カムイ(まず剣を構えて)ガシャ
カムイ(あれ?体が勝手に…)
ーーーーーー竜穿 ピキーン!
カムイ「逃げたり…しませんッ…!!!」ダダダダッ
ーーーーーーピキーン!
レオン&カミラ「あ」
マークス「え」
ドガッバギッ
critical!135damage!
ドジャアアアアアアッ!
マークス「」
カムイ(あれ…?いまのって私が…?)
カムイ「って大丈夫ですか?マークス兄さん!兄さん!」タタタタ
マークス「………カムイ…」
カムイ「な、何ですか?」
マークス「カムイ…見事だ…暗夜王国を……きょうだいたちを………頼んだ……ぞ……!……ぐふっ」
Stage Clear!
カムイ「マークス兄さあああああん!!!」
マークス「よく来た…これが、お前を城塞から出す許可を得るための最後の試験」
マークス「私を倒してみせよ!カムイ!」
カムイ(これは…)
完全に『夢』の再現だった。違うところといえば今が夜であるところと、互いにてつのけんを装備していることぐらいだろうか。
マークス「突っ立っているだけでは私を倒すことは出来ん!こちらから行くぞ!カムイ!」
マークス「ぬうん!」
カムイ(そんな…そんな…そんなはずない…)
マークス の こうげき !
カムイ は すばやく みを かわした !
レオン「何やってんだい姉さんは…避けてばっかりで、一向に攻撃する気配がないじゃないか。怖気づいたのかな…」
カミラ「いいえ、あれは怖がっている顔ではないわ。むしろ…何か考え込んでる?いいえ、ひどく混乱しているようね」
レオン「おっと、やっと剣を構えたね」
カムイ(取り敢えず、今はこの戦いに集中しましょう…それにしても、兄さんは攻撃を当てる気があるのでしょうか?こんなのかすりもしませんよ)
カムイ(まず剣を構えて)ガシャ
カムイ(あれ?体が勝手に…)
ーーーーーー竜穿 ピキーン!
カムイ「逃げたり…しませんッ…!!!」ダダダダッ
ーーーーーーピキーン!
レオン&カミラ「あ」
マークス「え」
ドガッバギッ
critical!135damage!
ドジャアアアアアアッ!
マークス「」
カムイ(あれ…?いまのって私が…?)
カムイ「って大丈夫ですか?マークス兄さん!兄さん!」タタタタ
マークス「………カムイ…」
カムイ「な、何ですか?」
マークス「カムイ…見事だ…暗夜王国を……きょうだいたちを………頼んだ……ぞ……!……ぐふっ」
Stage Clear!
カムイ「マークス兄さあああああん!!!」
47: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/17(日) 00:14:30.28 ID:Sn7XFPakO
レオン「…どうやら気絶してるだけみたいだね。カムイ姉さんは頭持って、僕は足持つから。カミラ姉さんは兄さんの馬をお願い」
カムイ「えっ大丈夫なんですか?」
レオン「過去の文献によると、天空必殺(月光の方)食らってもピンピンしてた弓兵なんてのがいるらしいからね。兄さんなら多分大丈夫大丈夫」
マークス「ううむ…寝る前の子供にお菓子をあげるなとあれほど…」
レオン「まあ頭をかなり強く打ってるみたいだから、とりあえず医務室に運ぼうか」
カミラ「…お兄様無事だといいけど…ほら、行くわよ」
ブルルル
カミラ(それにしても、屋上に馬連れてくるなんてほんと酔狂よね…)
医務室
フェリシア「…」
ジョーカー「…」
フローラ「…」
マークス「…」
フローラ「…どうなさったんですか?マークス様」
マークス「……聞くな…」
フローラ「そうですか…」
カムイ「えっ大丈夫なんですか?」
レオン「過去の文献によると、天空必殺(月光の方)食らってもピンピンしてた弓兵なんてのがいるらしいからね。兄さんなら多分大丈夫大丈夫」
マークス「ううむ…寝る前の子供にお菓子をあげるなとあれほど…」
レオン「まあ頭をかなり強く打ってるみたいだから、とりあえず医務室に運ぼうか」
カミラ「…お兄様無事だといいけど…ほら、行くわよ」
ブルルル
カミラ(それにしても、屋上に馬連れてくるなんてほんと酔狂よね…)
医務室
フェリシア「…」
ジョーカー「…」
フローラ「…」
マークス「…」
フローラ「…どうなさったんですか?マークス様」
マークス「……聞くな…」
フローラ「そうですか…」
50: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/17(日) 22:55:47.11 ID:OQK9zx6+O
医務室の外の廊下
レオン「無事でよかったね、姉さん。何だか拍子抜けしちゃったよ」
カムイ「私の……せいで…」
レオン「だから大丈夫だって。それよりほら、まだ所々凍ってるから気をつけて」
カムイ「ええ…」
スタスタ
レオン「気にすることはないさ。まあ兄さんも油断してたんだろうしね」
カムイ「私は……どうしたらいいのでしょう…?」
カムイ「……こんなことを繰り返していては、また私は…」
カムイ「私のせいで……大切な人を…」
カムイ「失うのは、もう嫌です!こりごりなんですよ!」
レオン「ちょっ、ま、待ってくれ姉さんそりゃどういう」
カムイ「あなただって…自分の実の父親を殺さなきゃならない息子の気持ちが分かるんですか!フォレオ君の!」
レオン「…疲れてるんだよ、姉さん。僕はフォレオなんて人間を知らないし、殺されもしてないよ。ほら、部屋に着いた」
カムイ「…!…………そうですね…今日はゆっくり休むことにします」
レオン「それがいいよ、姉さん。おやすみなさい」
カムイ「おやすみなさい…あと法衣裏返しですよ…」
ガチャ バタン
レオン「」
レオン「無事でよかったね、姉さん。何だか拍子抜けしちゃったよ」
カムイ「私の……せいで…」
レオン「だから大丈夫だって。それよりほら、まだ所々凍ってるから気をつけて」
カムイ「ええ…」
スタスタ
レオン「気にすることはないさ。まあ兄さんも油断してたんだろうしね」
カムイ「私は……どうしたらいいのでしょう…?」
カムイ「……こんなことを繰り返していては、また私は…」
カムイ「私のせいで……大切な人を…」
カムイ「失うのは、もう嫌です!こりごりなんですよ!」
レオン「ちょっ、ま、待ってくれ姉さんそりゃどういう」
カムイ「あなただって…自分の実の父親を殺さなきゃならない息子の気持ちが分かるんですか!フォレオ君の!」
レオン「…疲れてるんだよ、姉さん。僕はフォレオなんて人間を知らないし、殺されもしてないよ。ほら、部屋に着いた」
カムイ「…!…………そうですね…今日はゆっくり休むことにします」
レオン「それがいいよ、姉さん。おやすみなさい」
カムイ「おやすみなさい…あと法衣裏返しですよ…」
ガチャ バタン
レオン「」
51: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/17(日) 22:58:26.17 ID:OQK9zx6+O
カムイ(レオンさんには悪いことをしました。突然取り乱すなんて…明日謝らないといけませんね)
カムイ(でも結局、『手がかり』はすぐにやってきました)
カムイ(考えを整理する必要がありそうですね)
カムイ(一体どうすれば…)
『私たちの生きる意味って、何なんでしょうかね』
カムイ(リリスさん…)
カムイ(そうだ!リリスさん、リリスさんに相談すればいいじゃないですか!)
我ながら迂闊だった。なぜ朝起きた時に真っ先に彼女の元に向かわなかったのだろう?まああの時は多少混乱していたし、仕方のないことではあったが。
とにかく、彼女の元を訪ねなければならない。彼女の反応次第で『夢』の正体がわかるかもしれない。
カムイ(早速行ってみますか…いまは午後11時、迷惑かもしれませんがリリスさんは自室にいるはず)
カムイ(リリスさん…また会えるんですね…)
リリスの部屋
カムイ「こんばんは、入りますよ」
リリス「あらカムイ様、どうなさいましたか?こんな夜分に」
自らの手で埋葬したはずの人間が、生きている。
わかっているはずなのに、頭のどこかがそれを猛烈な勢いで否定している。
リリス「こんな格好で失礼しますね、何しろ今から寝ようとしていたところでして」
目の前で起きていることが理解できない。ここにいるのは本当に私の妹なのだろうか?妹は死んだのではなかったか?
カムイ「リリス…さん…リリスさんですね……?」
あたたかい。本当に生きているんだ。本当に。
リリス「カムイ…様…?」
リリス「泣いていらっしゃるんですか?」
カムイ「…り…りすさん…ぐずっ……私は…あなたを………助けられ………ごめんなさい…」
リリス「……………」
リリス「………泣いてください。カムイ様。あなたの涙で私を濡らしてください。私は、もう、どこにもいきませんから…」
リリス「………私の、最愛のお姉さま…」
カムイ「ううっ……ぐすっ……ありがとう………リリス………」
涙が止まらなかった。『彼女を埋葬した時』でさえ、『自分が死ぬ時』ですら、涙は出てこなかったというのに。不思議だった。
52: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/17(日) 23:00:42.23 ID:OQK9zx6+O
リリス「何があったか話してもらえますか?少しずつでいいんです」
私は語り始めた。初めはゆっくりと、だんだんと速く。
カムイ「……こうして、私は文字通り死んだのです。そして、気がついたらこの城塞の自室にいた」
リリス「それは尋常なことではありませんね……でも、夢ではない……つまり……考えられるのは……」
リリス「姉様、何かタイムスリップに関係する記憶はありますか?」
カムイ「タイム…なんですかそれ?」
リリス「簡単に言えば、同じ時間軸の異なる場所に移動することですね」
カムイ「そんなことが…できるのですか?」
リリス「できるも何も、そのお腹の傷が何よりの証拠です」
リリス「例えば、机の引き出しの中に広がってた空間に飛び込んだとか、時速140キロまで加速したシューターに雷が落ちたとか、そんな記憶はありませんか?」
カムイ「いえ全く…でも…」
リリス「でも…何ですか?」
カムイ「これぐらいの…ばかでかいネジに翼が生えたみたいな形のですね…こんな機械が話しかけてきた気がするんです」カリカリ
リリス「…これは父上が異界から拾ってきたものですね…私も覚えていますよ。『あそこ』を出る時にはもうありました。なんでも『夢を叶えるキカイ』なんだそうです。聞くと時間を飛び越える願いも叶えられるんだとか」
リリス「まあ、壊れて動かなかったんですけどね」
リリス「とりあえず、タイムスリップにはその機械が少なからず関係していると考えたほうが良さそうです」
カムイ「で、では、つまり『夢』が私の未来だったなら…私は…やり直せるんですね…!もう一度…一から!」
リリス「…そういうことになりますね。となれば今度こそ失敗できません…2人で今後の計画を練るとしましょう」
ふたり「全ては破滅の未来を、防ぐために!」
53: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/17(日) 23:02:47.05 ID:OQK9zx6+O
コケコッコー コケッ コココココケッ
リリス「…おはようございます、カムイ姉様。寝落ちしてしまいました…」
カムイ「いいえ、そんなことありませんよ。ほら、見てくださいこの完璧な計画表!リリスさんの助けがなければこんなに早く出来上がりませんでした!」
カムイ「…ではちょっと自室に戻りますね…すごく眠いです…ファ~ァ」ガチャ バタム
リリス「おやすみなさい。さて、どんなものでしょうか………」
リリス「………………」
リリス「す、すごい…完璧です…!」
54: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/17(日) 23:04:13.90 ID:OQK9zx6+O
昼前
???「……えちゃん!カムイお姉ちゃん!起きてよ!カムイお姉ちゃん!」
カムイ「ファー、まだ眠い…あら、おはようございます、エリーゼさん…どうかしましたか?」
エリーゼ「今日はウィンダムに行く日だよ!覚えてないの?」
カムイ(完全に忘れてました…)
エリーゼ「さ、支度して、行くよ!」
不思議と、昨日感じていたような無性に人肌が恋しくなるような感情はなくなっていた。まあエリーゼなら喜んで抱かせてくれただろうが。リリスと触れ合ったことで大分満たされたのかもしれない。
城塞の正門前
マークス「じゃあ…行ってこい、カムイ。気をつけるんだぞ…」フラフラ
カムイ「はい、行ってきます、マークス兄さん。出てきて大丈夫なのですか?」
マークス「なあに、こうして松葉杖がつける程度には回復している…かわいい妹の門出を見送らんわけには…いかんからな」ヨロヨロ
カムイ「分かりました。では行ってきます。お留守番をお願いしますね」
マークス「ああ…任せろ…」
ワイワイ ガヤガヤ
マークス(ふふ…ついこの間まで、ほんの子供だと思っていたのだがな…)
マークス「いてて…」
???「……えちゃん!カムイお姉ちゃん!起きてよ!カムイお姉ちゃん!」
カムイ「ファー、まだ眠い…あら、おはようございます、エリーゼさん…どうかしましたか?」
エリーゼ「今日はウィンダムに行く日だよ!覚えてないの?」
カムイ(完全に忘れてました…)
エリーゼ「さ、支度して、行くよ!」
不思議と、昨日感じていたような無性に人肌が恋しくなるような感情はなくなっていた。まあエリーゼなら喜んで抱かせてくれただろうが。リリスと触れ合ったことで大分満たされたのかもしれない。
城塞の正門前
マークス「じゃあ…行ってこい、カムイ。気をつけるんだぞ…」フラフラ
カムイ「はい、行ってきます、マークス兄さん。出てきて大丈夫なのですか?」
マークス「なあに、こうして松葉杖がつける程度には回復している…かわいい妹の門出を見送らんわけには…いかんからな」ヨロヨロ
カムイ「分かりました。では行ってきます。お留守番をお願いしますね」
マークス「ああ…任せろ…」
ワイワイ ガヤガヤ
マークス(ふふ…ついこの間まで、ほんの子供だと思っていたのだがな…)
マークス「いてて…」
55: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/17(日) 23:13:06.24 ID:OQK9zx6+O
クラーケンシュタイン城、王の間
~前略~
ガングレリを手に入れた フラフラフラフレー
ガロン「さあ、人質を連れてこい」
カムイ「え…あれは(≫56)さんと(≫57)さん…どうして…?スズカゼさんとリンカさんではないのですか…?」
ガロン「なんのことだ、カムイ?よもや怖気づいているのではあるまいな?」
カムイ(…ここは命令に従うことにしましょう)
カムイ「いいえ、そんなことは微塵もございません」
ガロン「そうか…やれ、カムイ」
~前略~
ガングレリを手に入れた フラフラフラフレー
ガロン「さあ、人質を連れてこい」
カムイ「え…あれは(≫56)さんと(≫57)さん…どうして…?スズカゼさんとリンカさんではないのですか…?」
ガロン「なんのことだ、カムイ?よもや怖気づいているのではあるまいな?」
カムイ(…ここは命令に従うことにしましょう)
カムイ「いいえ、そんなことは微塵もございません」
ガロン「そうか…やれ、カムイ」
59: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/18(月) 11:36:06.32 ID:LfVdRGuJO
カムイ(たしか…リョウマ兄さんとヒノカ姉さんの家臣の方…でしたね)
ボソボソ
サイゾウ「…お前のせいだぞ、セツナ…思えば、偵察任務にお前を連れて行ったのがそもそもの間違いだった…!」
セツナ「…ほめてくれて、嬉しい…」ポッ
サイゾウ「ほめてねえ…!」
カムイ(まあ、サイゾウさんが罠に引っかかったセツナさんを引っ張り上げていたら、運悪く捕まった。とかそんなんでしょうね)
ハロルド「おや、あの方々は…」
エリーゼ「え、知ってるの?ハロルド?」
ハロルド「ええ、つい先ほど森を散歩していましたら、いつものようになぜか底なし沼にはまりましてね」
ハロルド「何とか自力で脱出したのですが、ふと向こう岸を見ると同じように沼にはまった奇妙な格好をしたご婦人が、これまた奇妙な格好をした殿方に引っ張り上げられているではありませんか」
ハロルド「引っ張り上げるのを手伝って差し上げると、いつの間にか周りをたまたま通りかかった街兵に囲まれておりまして…」
ハロルド「そこから先は、これまたなぜか降ってきたタライが頭を直撃したせいで覚えていないのです」
エリーゼ「つまり、その2人が…」
ハロルド「…そうです」
カムイ(これはまた予想以上に酷い理由ですね…)
ギュンター「カムイ様…本来ならジョーカーかフェリシア、最悪でもフローラをお付けする予定だったのですが、ご存知の通り…」
カムイ「大丈夫です。代わりにベルカさんに参戦してもらいますので」
ギュンター「承知しました…ですが、なぜベルカを?」
カムイ「直感…ですかね?」
初期配置的に、ここで選んだ人はサイゾウと戦うことになる。武器相性や単純な兵種相性、今後の展開などから、今いる6人の家臣の中から彼女を選択したのだった。
カミラ「…じゃあ、気をつけてね、二人とも。怪我しないでね。応援してるからね」
ベルカ「…了解」
カムイ「では、行きましょうか、ギュンターさん、ベルカさん」
ボソボソ
サイゾウ「…お前のせいだぞ、セツナ…思えば、偵察任務にお前を連れて行ったのがそもそもの間違いだった…!」
セツナ「…ほめてくれて、嬉しい…」ポッ
サイゾウ「ほめてねえ…!」
カムイ(まあ、サイゾウさんが罠に引っかかったセツナさんを引っ張り上げていたら、運悪く捕まった。とかそんなんでしょうね)
ハロルド「おや、あの方々は…」
エリーゼ「え、知ってるの?ハロルド?」
ハロルド「ええ、つい先ほど森を散歩していましたら、いつものようになぜか底なし沼にはまりましてね」
ハロルド「何とか自力で脱出したのですが、ふと向こう岸を見ると同じように沼にはまった奇妙な格好をしたご婦人が、これまた奇妙な格好をした殿方に引っ張り上げられているではありませんか」
ハロルド「引っ張り上げるのを手伝って差し上げると、いつの間にか周りをたまたま通りかかった街兵に囲まれておりまして…」
ハロルド「そこから先は、これまたなぜか降ってきたタライが頭を直撃したせいで覚えていないのです」
エリーゼ「つまり、その2人が…」
ハロルド「…そうです」
カムイ(これはまた予想以上に酷い理由ですね…)
ギュンター「カムイ様…本来ならジョーカーかフェリシア、最悪でもフローラをお付けする予定だったのですが、ご存知の通り…」
カムイ「大丈夫です。代わりにベルカさんに参戦してもらいますので」
ギュンター「承知しました…ですが、なぜベルカを?」
カムイ「直感…ですかね?」
初期配置的に、ここで選んだ人はサイゾウと戦うことになる。武器相性や単純な兵種相性、今後の展開などから、今いる6人の家臣の中から彼女を選択したのだった。
カミラ「…じゃあ、気をつけてね、二人とも。怪我しないでね。応援してるからね」
ベルカ「…了解」
カムイ「では、行きましょうか、ギュンターさん、ベルカさん」
60: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/18(月) 18:45:26.53 ID:xYMi7LZRO
ギュンター「龍脈についてはご存知ですか?」
カムイ「ええ、でも今は使いませんよ」
ギュンター「?」
カムイ「ここで中央の瓦礫を吹き飛ばして中央に篭ったとしても、左右からはさみ打ちを食らってと危険です。ですので、あの瓦礫はこのまま障害物として使うことにします」
カムイ「私は左の弓兵を相手するので、二人には右の忍者の方をお願いします」
ギュンター「ほう…さすがカムイ様、初の指揮ながら冴えていらっしゃる。では、ご武運をお祈りしますぞ」パカラッパカラッ
カムイ(本当は戦いぶりを見られたくないからなんですけどね…玉座方面からでは瓦礫の右側が見えないのは、確認済みです)
スキル構成:天空・竜穿・白夜・死線・気合一閃
カムイ「行きますよ…!」
セツナ「う、うん…」
気絶させた上で用意していたトマト(レオンの)まみれにすれば、捕虜をガロンの目を欺いて連れ出すことも多少は楽になるだろう。そんな計画である。
カムイ『終わりました…』
ガロン『そうか』
カムイ『この者たちの血みどろの死体…明日のゴミ収集に出しておきますね』ズルズル
そして外でリカバーをかけ、解放する。
はずだったのだが。
カムイ「ええ、でも今は使いませんよ」
ギュンター「?」
カムイ「ここで中央の瓦礫を吹き飛ばして中央に篭ったとしても、左右からはさみ打ちを食らってと危険です。ですので、あの瓦礫はこのまま障害物として使うことにします」
カムイ「私は左の弓兵を相手するので、二人には右の忍者の方をお願いします」
ギュンター「ほう…さすがカムイ様、初の指揮ながら冴えていらっしゃる。では、ご武運をお祈りしますぞ」パカラッパカラッ
カムイ(本当は戦いぶりを見られたくないからなんですけどね…玉座方面からでは瓦礫の右側が見えないのは、確認済みです)
スキル構成:天空・竜穿・白夜・死線・気合一閃
カムイ「行きますよ…!」
セツナ「う、うん…」
気絶させた上で用意していたトマト(レオンの)まみれにすれば、捕虜をガロンの目を欺いて連れ出すことも多少は楽になるだろう。そんな計画である。
カムイ『終わりました…』
ガロン『そうか』
カムイ『この者たちの血みどろの死体…明日のゴミ収集に出しておきますね』ズルズル
そして外でリカバーをかけ、解放する。
はずだったのだが。
61: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/18(月) 18:46:11.26 ID:xYMi7LZRO
カムイ「覚悟!はあああああっ!」ダダダダッ
セツナ「え…どうしよう…あっ」コケッ
ジダンッ
カムイ「ぐっ…はあっ……」
何もないところで転んだセツナの頭が、偶然にもカムイにジダンと当たる。死線も相まって大ダメージ。
セツナ「う…うん…あれ、だいじょうぶ?」
カムイ(HP3)「だいじょうぶじゃないです…」
カムイ「今度こそ…」
ーーーーーー天空 ピキーン
カムイ「道を開けて下さい!」
ーーーーーー ピキーン
ドゴオ
セツナ「」
カムイ「ハア、ハア、上手く峰打ちできましたね…トマトトマト」ビチャビチャ
カムイ(セツナさんの低い体力だけでは全快できませんでしたが…いいでしょう)
テクテク
カムイ「大丈夫ですか?二人とも?」ヒョイ
ベルカ「まずい…」
セツナ「え…どうしよう…あっ」コケッ
ジダンッ
カムイ「ぐっ…はあっ……」
何もないところで転んだセツナの頭が、偶然にもカムイにジダンと当たる。死線も相まって大ダメージ。
セツナ「う…うん…あれ、だいじょうぶ?」
カムイ(HP3)「だいじょうぶじゃないです…」
カムイ「今度こそ…」
ーーーーーー天空 ピキーン
カムイ「道を開けて下さい!」
ーーーーーー ピキーン
ドゴオ
セツナ「」
カムイ「ハア、ハア、上手く峰打ちできましたね…トマトトマト」ビチャビチャ
カムイ(セツナさんの低い体力だけでは全快できませんでしたが…いいでしょう)
テクテク
カムイ「大丈夫ですか?二人とも?」ヒョイ
ベルカ「まずい…」
62: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/18(月) 18:47:23.02 ID:xYMi7LZRO
1分前
ベルカ「そいっ!」テオノポイー
サイゾウ「ふんっ!それっ!」バクエンポイー
ベルカ「くっ…」
ギュンター「まさか、魔法武器とは…ぬかったな」
ギュンター「交代だ!一旦退いて回復しろ!」
ベルカ「了解…」
ギュンター(とは言ってもわしの速さ・魔防もかなり低い…どこまで持ちこたえられるか、な。おや?)
ベルカ「う、うますぎる…!」パサパサ
ギュンター「む…何を食べておるのだ?傷薬ではないようだが」
ベルカ「…カロリーメイト(チーズ味)よ」モチモチ
ギュンター「なんだそれは?」
サイゾウ「ふんっ!」
ギュンター「うっ、しまった…!」
カムイ「大丈夫ですか?」ヒョイ
カムイ「!」
ベルカ「そいっ!」テオノポイー
サイゾウ「ふんっ!それっ!」バクエンポイー
ベルカ「くっ…」
ギュンター「まさか、魔法武器とは…ぬかったな」
ギュンター「交代だ!一旦退いて回復しろ!」
ベルカ「了解…」
ギュンター(とは言ってもわしの速さ・魔防もかなり低い…どこまで持ちこたえられるか、な。おや?)
ベルカ「う、うますぎる…!」パサパサ
ギュンター「む…何を食べておるのだ?傷薬ではないようだが」
ベルカ「…カロリーメイト(チーズ味)よ」モチモチ
ギュンター「なんだそれは?」
サイゾウ「ふんっ!」
ギュンター「うっ、しまった…!」
カムイ「大丈夫ですか?」ヒョイ
カムイ「!」
63: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/18(月) 18:49:07.58 ID:xYMi7LZRO
ベルカ(全回復…でも暗器を使わせては勝ち目がない…それなら)
カムイ「ベルカさんがサイゾウさんの所に走っていく…一体どうするつもりなんでしょう?」
ベルカ「せええい!」
サイゾウ「むっ…!」カランカラン
カムイ(手斧で手裏剣を弾き落とした…!しかし、ベルカさんも獲物をこれで失いました…)
普段、ておのてやりなどが無限に投げられるのはブーメランのように回転させ、その都度回収しているからである。(という事にしておく)しかしこの時回収を度外視して無回転で投げられた手斧は、見事サイゾウの不意をついて彼を無力化したのである。
ベルカ「はああっ…ふん!せい!それ!」
サイゾウ「甘いわ!はっ!ほっ!せい!」
カムイ(ベルカさん…近接格闘で仕留めるつもりですか…)
サイゾウ(ぐっ…この女…強い!身にまとう雰囲気からして…確実にプロだ…)
サイゾウ(だが…動きが悪いな…恐らく最近は近接格闘の訓練を行っていなかったのだろう)
ベルカ「せいやっ!う…!」
サイゾウ「ふん…掴んだぞ…はっ!ふん!それっ!」
ベルカ「ぐっ…ぐはあっ…」ゲホッゲホッ
カムイ「べ、ベルカさん!」
サイゾウ「ふん…背負い投は相当効いただろう…止めだ!」
カムイ「!…間に合わない…!」
カムイ「ベルカさんがサイゾウさんの所に走っていく…一体どうするつもりなんでしょう?」
ベルカ「せええい!」
サイゾウ「むっ…!」カランカラン
カムイ(手斧で手裏剣を弾き落とした…!しかし、ベルカさんも獲物をこれで失いました…)
普段、ておのてやりなどが無限に投げられるのはブーメランのように回転させ、その都度回収しているからである。(という事にしておく)しかしこの時回収を度外視して無回転で投げられた手斧は、見事サイゾウの不意をついて彼を無力化したのである。
ベルカ「はああっ…ふん!せい!それ!」
サイゾウ「甘いわ!はっ!ほっ!せい!」
カムイ(ベルカさん…近接格闘で仕留めるつもりですか…)
サイゾウ(ぐっ…この女…強い!身にまとう雰囲気からして…確実にプロだ…)
サイゾウ(だが…動きが悪いな…恐らく最近は近接格闘の訓練を行っていなかったのだろう)
ベルカ「せいやっ!う…!」
サイゾウ「ふん…掴んだぞ…はっ!ふん!それっ!」
ベルカ「ぐっ…ぐはあっ…」ゲホッゲホッ
カムイ「べ、ベルカさん!」
サイゾウ「ふん…背負い投は相当効いただろう…止めだ!」
カムイ「!…間に合わない…!」
64: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/18(月) 18:50:35.02 ID:xYMi7LZRO
しかし、拳を振り下ろすその瞬間に倒れたのは、ベルカではなくサイゾウの方だった。
サイゾウ「が…は…っ」
カムイ「……!?」
ベルカ「急所への必殺の一撃(蹴り上げ)…相当効いたはず…」ムクッ
ベルカ「カムイ様、止めを。私はギュンターの応急処置を行う」
カムイ「…わかりました。失礼しますよ…それっ!」ビチャビチャ
サイゾウ「ぐ………」
カムイ「静かに…」ゴン
サイゾウ「」
カムイ(死角になったから見えていないはず…)
カムイ「終わりました、父上…この汚らしい死体は明日の燃えるゴミに出しておきますね」ズルズル
ガロン「…待て」
カムイ(!!!!!)
ガロン「明日は燃えないゴミだ。燃えないゴミに出しておけ…」
カムイ(ほっ)
ガロン「…しかし、気になるな…さっきからトマトのような匂いがするのだが」
カムイ(!!!!!!!)
カムイ「き、気のせいですよ父上、ほら、レオンさん今日のお昼トマトスパゲティだったから…」
レオン「今日はたらこスパゲティだったけど」
カムイ(説明しとけばよかったああああ!)
ガロン「臭うな…こっちか?」
カムイ(まずい!このままでは間違いなくばれます…!)
カムイ(どうしましょう…あっそうだ)
カムイ、おもむろにガングレリをまさぐる。
カムイ「お父様、なんかこの剣変なんですけど…ちょっと見ていただけますか?」ワタシ
ガロン「ほう…どれどれ」ウケトリ
カムイ(やれやれ、魔法具について勉強しておいて良かったです)サッ
カムイ「皆さん!気をつけて下さい!」
ガロン「うん?」
ガロンが再び目覚めた時、最初に目にしたのは医務室の天井であったという。
サイゾウ「が…は…っ」
カムイ「……!?」
ベルカ「急所への必殺の一撃(蹴り上げ)…相当効いたはず…」ムクッ
ベルカ「カムイ様、止めを。私はギュンターの応急処置を行う」
カムイ「…わかりました。失礼しますよ…それっ!」ビチャビチャ
サイゾウ「ぐ………」
カムイ「静かに…」ゴン
サイゾウ「」
カムイ(死角になったから見えていないはず…)
カムイ「終わりました、父上…この汚らしい死体は明日の燃えるゴミに出しておきますね」ズルズル
ガロン「…待て」
カムイ(!!!!!)
ガロン「明日は燃えないゴミだ。燃えないゴミに出しておけ…」
カムイ(ほっ)
ガロン「…しかし、気になるな…さっきからトマトのような匂いがするのだが」
カムイ(!!!!!!!)
カムイ「き、気のせいですよ父上、ほら、レオンさん今日のお昼トマトスパゲティだったから…」
レオン「今日はたらこスパゲティだったけど」
カムイ(説明しとけばよかったああああ!)
ガロン「臭うな…こっちか?」
カムイ(まずい!このままでは間違いなくばれます…!)
カムイ(どうしましょう…あっそうだ)
カムイ、おもむろにガングレリをまさぐる。
カムイ「お父様、なんかこの剣変なんですけど…ちょっと見ていただけますか?」ワタシ
ガロン「ほう…どれどれ」ウケトリ
カムイ(やれやれ、魔法具について勉強しておいて良かったです)サッ
カムイ「皆さん!気をつけて下さい!」
ガロン「うん?」
ガロンが再び目覚めた時、最初に目にしたのは医務室の天井であったという。
68: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/19(火) 20:45:47.93 ID:B+fJPIAXO
ガロン「」ブスブスブス
カムイ(最悪、この場で第二形態に移行してしまう可能性があったのでこの手は使いたくなかったのですが…仕方ありませんね)
カムイ「だ、大丈夫ですかお父様?」
カミラ「大変、呼吸してないわよお父様」
エリーゼ「ら、ライブ!」ホワワワン
エリーゼ「ライブ!ライブ!…なんで…なんで回復しないの…?ぐずっ…ふええええん!」
カムイ(常人ならケシズミになるレベルの魔力を注ぎ込んで爆発させましたからね…あとガロンは元々息してませんでした)
ガチャ
マクベス「おやおや、ずいぶん大きな音がしましたね…ってガロン様!ガロン王様!大丈夫ですか?」
マクベス「今すぐ医務室に連れて行ってビフレストをかけます!ギュンターは右足を持って!ガンズは左!私は頭を持ちます!」
ダダダダダ
エリーゼ「ぐずっ…お父様…大丈夫かなあ…」
レオン「大丈夫さ。ビフレストがあれば、どんな人間でもたちまち死の淵からよみがえる。それにマクベスは最悪の杖からでさえも最高の効果を引き出すことのできる『第1級無限の杖師(国家資格)』を持っているからね」
エリーゼ「で、でも…」
カミラ「大丈夫。それに今、あなたでなければ助けられない命が2つもあるのよ…?」
エリーゼ「え…?」
カムイ「エリーゼさん、あの捕虜の方の回復をお願いします。フェリシアさんもジョーカーさんもフローラさんもいない今、お父様に知られずに二人を助けられるのはあなただけなんです」
エリーゼ「…わかった。ライブ!」ホワワワン
カムイ(最悪、この場で第二形態に移行してしまう可能性があったのでこの手は使いたくなかったのですが…仕方ありませんね)
カムイ「だ、大丈夫ですかお父様?」
カミラ「大変、呼吸してないわよお父様」
エリーゼ「ら、ライブ!」ホワワワン
エリーゼ「ライブ!ライブ!…なんで…なんで回復しないの…?ぐずっ…ふええええん!」
カムイ(常人ならケシズミになるレベルの魔力を注ぎ込んで爆発させましたからね…あとガロンは元々息してませんでした)
ガチャ
マクベス「おやおや、ずいぶん大きな音がしましたね…ってガロン様!ガロン王様!大丈夫ですか?」
マクベス「今すぐ医務室に連れて行ってビフレストをかけます!ギュンターは右足を持って!ガンズは左!私は頭を持ちます!」
ダダダダダ
エリーゼ「ぐずっ…お父様…大丈夫かなあ…」
レオン「大丈夫さ。ビフレストがあれば、どんな人間でもたちまち死の淵からよみがえる。それにマクベスは最悪の杖からでさえも最高の効果を引き出すことのできる『第1級無限の杖師(国家資格)』を持っているからね」
エリーゼ「で、でも…」
カミラ「大丈夫。それに今、あなたでなければ助けられない命が2つもあるのよ…?」
エリーゼ「え…?」
カムイ「エリーゼさん、あの捕虜の方の回復をお願いします。フェリシアさんもジョーカーさんもフローラさんもいない今、お父様に知られずに二人を助けられるのはあなただけなんです」
エリーゼ「…わかった。ライブ!」ホワワワン
69: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/19(火) 20:46:28.37 ID:B+fJPIAXO
クラーケンシュタイン城、裏門の近く
セツナ「逃がしてくれるの…?ありがとう…じゃっ」スタスタ
サイゾウ「じゃっ、じゃない」グイッ
サイゾウ「カムイとか言ったな、なぜ捕虜を逃がすような真似をするんだ…?我々は敵なんだぞ?暗夜の」
カムイ「私は誰にも死んでほしくない…それではダメでしょうか?」
サイゾウ「………分かった。お前がどうしようもない世間知らずだということは、な。まあいい、命を助けてくれた礼だ。つまらんものだが受け取ってくれ」ゴソゴソ
マスタープルフ を 手に入れた! ▼
サイゾウ「そうだ、ところでそこの女」
ベルカ「…なに?」
サイゾウ「お前の格闘術………いや、何でもない」
サイゾウ「セツナ、ニワトリさんとおしゃべりしてないで帰るぞ、ほら」
セツナ「うん…連れてっていい?この子も来たいって」コケコッコ-
サイゾウ「いい。ではな、カムイ王女。もし次に会うときは…」
正真正銘、敵同士だ。
カムイ「気が付いてらしたんですか?二人とも」
カミラ「ええ、当たり前じゃない…あなたの考えてる事ぐらい、お姉ちゃんにはお見通しなんだから」
レオン「もちろんさ。あの姉さんが喜んで捕虜を殺すなんてことは考えられないしね」
カムイ「…じゃあなんでレオンさんはさっき話を合わせてくれなかったんです?」
レオン「……忍法法衣返し…あんな修羅場で言うことじゃなかっただろ…?」ボソッ
カムイ「すいませんでした…」
カムイ(そういや昨日の謝ってませんでしたね)
ベルカ(さっきの忍者…あの人に似てた…?まさか…そんなわけない…)
セツナ「逃がしてくれるの…?ありがとう…じゃっ」スタスタ
サイゾウ「じゃっ、じゃない」グイッ
サイゾウ「カムイとか言ったな、なぜ捕虜を逃がすような真似をするんだ…?我々は敵なんだぞ?暗夜の」
カムイ「私は誰にも死んでほしくない…それではダメでしょうか?」
サイゾウ「………分かった。お前がどうしようもない世間知らずだということは、な。まあいい、命を助けてくれた礼だ。つまらんものだが受け取ってくれ」ゴソゴソ
マスタープルフ を 手に入れた! ▼
サイゾウ「そうだ、ところでそこの女」
ベルカ「…なに?」
サイゾウ「お前の格闘術………いや、何でもない」
サイゾウ「セツナ、ニワトリさんとおしゃべりしてないで帰るぞ、ほら」
セツナ「うん…連れてっていい?この子も来たいって」コケコッコ-
サイゾウ「いい。ではな、カムイ王女。もし次に会うときは…」
正真正銘、敵同士だ。
カムイ「気が付いてらしたんですか?二人とも」
カミラ「ええ、当たり前じゃない…あなたの考えてる事ぐらい、お姉ちゃんにはお見通しなんだから」
レオン「もちろんさ。あの姉さんが喜んで捕虜を殺すなんてことは考えられないしね」
カムイ「…じゃあなんでレオンさんはさっき話を合わせてくれなかったんです?」
レオン「……忍法法衣返し…あんな修羅場で言うことじゃなかっただろ…?」ボソッ
カムイ「すいませんでした…」
カムイ(そういや昨日の謝ってませんでしたね)
ベルカ(さっきの忍者…あの人に似てた…?まさか…そんなわけない…)
70: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/19(火) 20:53:32.18 ID:B+fJPIAXO
第2章「魔剣ガングレリ(の爆発)」終わり
次回からベルカと二人旅です
次回からベルカと二人旅です
72: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/20(水) 21:21:44.43 ID:mWIjNVHaO
3日後
病室
ガロン「ということで…ゴホッゴホッカムイ、お前には無限渓谷の偵察…ゲーッホゲッホゲッホ!に行ってもらうことにする…」
エリーゼ「お父様…だいじょうぶ?」
ガロン「わしゃもう長くない…どうか、死ぬ前にお前の初陣が見たいんだ…なに、無人の基地を見てくるだけの簡単な任務…行ってくれるな…カムイ?」
カムイ「ええ…もちろんです。無限渓谷の偵察、行ってまいります、父上」
ガロン「行ってこい…期待しとるぞ…我が娘よ…」ガクッ
レオン「ち、父上!」
マクベス「ダメですまた昏睡です!早く出てってください!」
ガロン「子供らは出て行ったか、マクベス」
マクベス「ええ、全快おめでとうございます、ガロン様」
ガロン「ガンズに命じろ…隙を見てカムイを殺せ、とな。あいつは中々勘が鋭い…いや、もしかすると、もう気づいておるのかもしれんな…」
マクベス「承知しました。しっかり、伝えておきます…」
ガロン「抜かりなく、な。ふははははははっ!くははははははは!」
ガチャ バタン
マクベス「ふう。全く困ったものです」
マクベス(どれだけ変わってしまわれたとしても…私にはただ…ついていくしかないのですね、ガロン様…)
病室
ガロン「ということで…ゴホッゴホッカムイ、お前には無限渓谷の偵察…ゲーッホゲッホゲッホ!に行ってもらうことにする…」
エリーゼ「お父様…だいじょうぶ?」
ガロン「わしゃもう長くない…どうか、死ぬ前にお前の初陣が見たいんだ…なに、無人の基地を見てくるだけの簡単な任務…行ってくれるな…カムイ?」
カムイ「ええ…もちろんです。無限渓谷の偵察、行ってまいります、父上」
ガロン「行ってこい…期待しとるぞ…我が娘よ…」ガクッ
レオン「ち、父上!」
マクベス「ダメですまた昏睡です!早く出てってください!」
ガロン「子供らは出て行ったか、マクベス」
マクベス「ええ、全快おめでとうございます、ガロン様」
ガロン「ガンズに命じろ…隙を見てカムイを殺せ、とな。あいつは中々勘が鋭い…いや、もしかすると、もう気づいておるのかもしれんな…」
マクベス「承知しました。しっかり、伝えておきます…」
ガロン「抜かりなく、な。ふははははははっ!くははははははは!」
ガチャ バタン
マクベス「ふう。全く困ったものです」
マクベス(どれだけ変わってしまわれたとしても…私にはただ…ついていくしかないのですね、ガロン様…)
73: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/20(水) 21:23:06.09 ID:mWIjNVHaO
荷造りを理由に北の城塞に寄ることにしたカムイとカミラとあとベルカ。レオンとエリーゼは王都に留まり、ガロンの様子を見守る。
城塞の医務室
カムイ「マークス兄様、ただいま帰りました。どうですか?調子は」
マークス「ああ、かなり良くなった…心配をかけてすまないな」
カムイ「いえいえ、元はと言えば私のした事ですから…」
カムイ「…じゃあ、フェリシアさん達にも挨拶してきますね」ガチャ バタン
マークス「行ったか…」
マークス「ふっ。さて、続きに取り掛かるとするか…」カタカタ
使用人室
フローラ「ふう、忙しい忙しい」ガチャ
ジョーカー「…お茶入ってるぞ」コポコポ
フローラ「…頂くわ」
フローラ(くっ…おいしい…)ズズズズ
誤解の方は解けたらしい。
フローラ「…ところで」
ジョーカー「何だ」
フローラ「この前、あなたと廊下でデス鬼ごっこしてた時、私がフェリシアに激突する直前にあなた何か言いかけてなかった?」
ジョーカー「…ああ、あの事か…」ニヤッ
フローラ「何よ、教えなさいよ」
ジョーカー「…『これでもお前を…』」
フローラ「お前を、何よ」
ジョーカー「…もう交代の時間だ。じゃあな」ガチャ バーン
フローラ「え、ええっ?…何よ…」
フローラ「全く…」ズズズズ
フローラ(悔しいけどおいしい…)
フローラ(そろそろ私も行かなきゃ…)
カムイ「フェリシアさーん?あれ、誰もいませんね…あとでまた来ましょう」
城塞の医務室
カムイ「マークス兄様、ただいま帰りました。どうですか?調子は」
マークス「ああ、かなり良くなった…心配をかけてすまないな」
カムイ「いえいえ、元はと言えば私のした事ですから…」
カムイ「…じゃあ、フェリシアさん達にも挨拶してきますね」ガチャ バタン
マークス「行ったか…」
マークス「ふっ。さて、続きに取り掛かるとするか…」カタカタ
使用人室
フローラ「ふう、忙しい忙しい」ガチャ
ジョーカー「…お茶入ってるぞ」コポコポ
フローラ「…頂くわ」
フローラ(くっ…おいしい…)ズズズズ
誤解の方は解けたらしい。
フローラ「…ところで」
ジョーカー「何だ」
フローラ「この前、あなたと廊下でデス鬼ごっこしてた時、私がフェリシアに激突する直前にあなた何か言いかけてなかった?」
ジョーカー「…ああ、あの事か…」ニヤッ
フローラ「何よ、教えなさいよ」
ジョーカー「…『これでもお前を…』」
フローラ「お前を、何よ」
ジョーカー「…もう交代の時間だ。じゃあな」ガチャ バーン
フローラ「え、ええっ?…何よ…」
フローラ「全く…」ズズズズ
フローラ(悔しいけどおいしい…)
フローラ(そろそろ私も行かなきゃ…)
カムイ「フェリシアさーん?あれ、誰もいませんね…あとでまた来ましょう」
74: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/20(水) 21:24:44.75 ID:mWIjNVHaO
夕方
リリスの小屋
カムイ「リリスさーん?」
カムイ「また誰もいませんね…む、電話が鳴っています」
カムイ「もしもし」
リリス『もしもしカムイ姉様?今すぐそこの水晶玉で星界に来てください』
カムイ「え?」
リリス『話はそこでします。早くして下さい』ガチャ ツーッツーッ
カムイ「随分とせっかちな…これですね…えいっ」
星界
カムイ(マイキャッスル…久し振りに来ました)
だが、そこはかつて仲間と(顔面で)触れ合ってきたマイキャッスルとは似ても似つかない場所に変わり果てていた。所狭しと機械の類が置いてあり、さながら巨大な研究室のようである。
作業着姿のリリスがいた。
リリス「カムイ姉様、お久しぶりです。先ほどは失礼致しました」
カムイ「いいえ、及びません…しかし、この有様は何ですか?」
リリス「この前カムイ姉様の話を聞いてから、疑問に思った事が多々あったのです。まず、カムイ姉様のお話の中の時間と、ここ、私たちの住んでいる時間の間には、多くの相違点があります」
カムイ「ええ、小さなところではそれは薄々感じていました…テレビや電話なんかは未来にはありませんでしたから」
リリス「それだけでなく、この二つの時間の間には決定的な違いがあるのです。姉様は、『夜刀神』や『ジークフリート』、『雷神刀』などの『神器』について話してくれましたね…」
カムイ「ええ。……っ!まさか!」
リリス「ええ…それらの『神器』は、この世界には存在しません」
リリスの小屋
カムイ「リリスさーん?」
カムイ「また誰もいませんね…む、電話が鳴っています」
カムイ「もしもし」
リリス『もしもしカムイ姉様?今すぐそこの水晶玉で星界に来てください』
カムイ「え?」
リリス『話はそこでします。早くして下さい』ガチャ ツーッツーッ
カムイ「随分とせっかちな…これですね…えいっ」
星界
カムイ(マイキャッスル…久し振りに来ました)
だが、そこはかつて仲間と(顔面で)触れ合ってきたマイキャッスルとは似ても似つかない場所に変わり果てていた。所狭しと機械の類が置いてあり、さながら巨大な研究室のようである。
作業着姿のリリスがいた。
リリス「カムイ姉様、お久しぶりです。先ほどは失礼致しました」
カムイ「いいえ、及びません…しかし、この有様は何ですか?」
リリス「この前カムイ姉様の話を聞いてから、疑問に思った事が多々あったのです。まず、カムイ姉様のお話の中の時間と、ここ、私たちの住んでいる時間の間には、多くの相違点があります」
カムイ「ええ、小さなところではそれは薄々感じていました…テレビや電話なんかは未来にはありませんでしたから」
リリス「それだけでなく、この二つの時間の間には決定的な違いがあるのです。姉様は、『夜刀神』や『ジークフリート』、『雷神刀』などの『神器』について話してくれましたね…」
カムイ「ええ。……っ!まさか!」
リリス「ええ…それらの『神器』は、この世界には存在しません」
75: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/20(水) 21:29:07.43 ID:mWIjNVHaO
カムイ「そんな…という事は…」
リリス「まず、はっきりするのが『姉様が元いた世界』と『今いる世界』は全くの別物だという事です」
リリス「ところでこの機械を見てください…どう思いますか?私の研究の最高傑作といってもいいでしょう」
カムイ「…この機械で何ができるんですか?」
リリス「同じ時間軸上のパラレルワールドに転移する事ができます。いははや、開発には苦労したんですよ。膨大な資産や時間を費やしました…」
カムイ「そ、そんな…あ、ありがとうございます!」
リリス「いいんですよ。このマシンは私の夢でもあったんですから。子供の時から科学に一生を捧げるのが夢でした…これも『あちら』の世界との違いですね。あっちの世界の私にそんな願望はありませんでしたから」
リリス「このマシンであちこちのパラレルワールドを調査した結果、この2つの世界の相違の原因が分かったのです」
リリス「それは強引なタイムトラベルに起因して起こった時空連続体の部分的な破壊…お分かりですか?」
カムイ「いや全く分かりません」
リリス「まず、はっきりするのが『姉様が元いた世界』と『今いる世界』は全くの別物だという事です」
リリス「ところでこの機械を見てください…どう思いますか?私の研究の最高傑作といってもいいでしょう」
カムイ「…この機械で何ができるんですか?」
リリス「同じ時間軸上のパラレルワールドに転移する事ができます。いははや、開発には苦労したんですよ。膨大な資産や時間を費やしました…」
カムイ「そ、そんな…あ、ありがとうございます!」
リリス「いいんですよ。このマシンは私の夢でもあったんですから。子供の時から科学に一生を捧げるのが夢でした…これも『あちら』の世界との違いですね。あっちの世界の私にそんな願望はありませんでしたから」
リリス「このマシンであちこちのパラレルワールドを調査した結果、この2つの世界の相違の原因が分かったのです」
リリス「それは強引なタイムトラベルに起因して起こった時空連続体の部分的な破壊…お分かりですか?」
カムイ「いや全く分かりません」
76: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/20(水) 21:29:46.76 ID:mWIjNVHaO
リリス「…図を描きますね」
ーーーーーーーーーーーーーーーー A
Ⅰ
ーーーーーーーーー B
リリス「まずカムイ姉様がいらしたのが『A』世界だとします。姉様はこの時間軸のある地点で強引なタイムトラベルを試みました。不完全な状態のタイムマシンを使った事が、それに当たります」
リリス「そのタイムマシンが不完全であったために『A』世界を保ったまま姉様をタイムスリップさせる事が出来ず、結果時空連続体を破壊し、『本来あるはずのもの』がなくて『本来ないはずのもの』がある世界『B』を生み、そこに姉様を転移させてしまったのです。つまりそれが『ここ』」
リリス「分かりましたか?」
カムイ「少しは」
リリス「つまり、ここは本来の歴史から外れた奇妙な世界…『if』、もしもの世界です」
カムイ「なるほど」
リリス「…(本当にわかってるんでしょうか)『A』と『B』の世界の差分を冊子にまとめておきました。どうやら様々な異界の影響を引き寄せてしまったようで、相当人物設定や時代背景などが歪になっています。カムイ姉様のスポーン地点から離れるほどその歪さは増すようですね。この前作った計画書も役に立つかどうか…」
カムイ「練直しが必要そうですね…私が王都で戦った相手も『A』世界とは違う人でしたもの」
リリス「ところで…『アクア』という人物をご存知ですか?」
カムイ「そんな人……………?あ……!」
カムイ「思い出しました!何でこんな大事な事を忘れていたんでしょう?自分の命を懸けてまで頑張ってくださったのに…」
リリス「恐らく、『名前を言ってはいけないあの国』の呪いで忘れていたんでしょうね。でも、その呪いはあくまで『A』世界限定のものだった…だから簡単に思い出せたんです」
リリス「ちなみに、アクアさんも姉様と一緒にこっちに来てらっしゃったようですよ?着いた瞬間にちゃんと生身の体に戻ったみたいですし」
カムイ「…では、白夜王国に向い、アクアさんに会う事が当面の目標になりましたね」
リリス「そうなりますね…では、計画を練り直しましょう!」
ーーーーーーーーーーーーーーーー A
Ⅰ
ーーーーーーーーー B
リリス「まずカムイ姉様がいらしたのが『A』世界だとします。姉様はこの時間軸のある地点で強引なタイムトラベルを試みました。不完全な状態のタイムマシンを使った事が、それに当たります」
リリス「そのタイムマシンが不完全であったために『A』世界を保ったまま姉様をタイムスリップさせる事が出来ず、結果時空連続体を破壊し、『本来あるはずのもの』がなくて『本来ないはずのもの』がある世界『B』を生み、そこに姉様を転移させてしまったのです。つまりそれが『ここ』」
リリス「分かりましたか?」
カムイ「少しは」
リリス「つまり、ここは本来の歴史から外れた奇妙な世界…『if』、もしもの世界です」
カムイ「なるほど」
リリス「…(本当にわかってるんでしょうか)『A』と『B』の世界の差分を冊子にまとめておきました。どうやら様々な異界の影響を引き寄せてしまったようで、相当人物設定や時代背景などが歪になっています。カムイ姉様のスポーン地点から離れるほどその歪さは増すようですね。この前作った計画書も役に立つかどうか…」
カムイ「練直しが必要そうですね…私が王都で戦った相手も『A』世界とは違う人でしたもの」
リリス「ところで…『アクア』という人物をご存知ですか?」
カムイ「そんな人……………?あ……!」
カムイ「思い出しました!何でこんな大事な事を忘れていたんでしょう?自分の命を懸けてまで頑張ってくださったのに…」
リリス「恐らく、『名前を言ってはいけないあの国』の呪いで忘れていたんでしょうね。でも、その呪いはあくまで『A』世界限定のものだった…だから簡単に思い出せたんです」
リリス「ちなみに、アクアさんも姉様と一緒にこっちに来てらっしゃったようですよ?着いた瞬間にちゃんと生身の体に戻ったみたいですし」
カムイ「…では、白夜王国に向い、アクアさんに会う事が当面の目標になりましたね」
リリス「そうなりますね…では、計画を練り直しましょう!」
77: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/20(水) 21:32:38.72 ID:mWIjNVHaO
翌日、早々朝
城塞の正門
カミラ「じゃあ、お気をつけなさいね、二人とも。本当はお姉ちゃんが変わってあげたいぐらいなんだけど…」
カムイ「大丈夫ですよ、心配いりません。留守の間、マークス兄さんをお願いします」
ベルカ「…」
カミラ「ところで、本当にガンズはおいていくの?」
カムイ「ええ、何されるかわかったもんじゃありませんから…(分かってますけど)このまま城塞で寝過ごしてもらいます」
カミラ「わかった…気をつけてね。着替えは持った?歯ブラシは?」
カムイ「旅行じゃないんだから…大丈夫ですよ、行ってきます」スタスタ
ベルカ「…」スタスタ
カミラ「あ、ベルカ、ちょっと待ちなさい」
ベルカ「?」
カミラ「これを持って行きなさい…きっと役に立つはずよ」
ベルカ「これは…≫78…!」
城塞の正門
カミラ「じゃあ、お気をつけなさいね、二人とも。本当はお姉ちゃんが変わってあげたいぐらいなんだけど…」
カムイ「大丈夫ですよ、心配いりません。留守の間、マークス兄さんをお願いします」
ベルカ「…」
カミラ「ところで、本当にガンズはおいていくの?」
カムイ「ええ、何されるかわかったもんじゃありませんから…(分かってますけど)このまま城塞で寝過ごしてもらいます」
カミラ「わかった…気をつけてね。着替えは持った?歯ブラシは?」
カムイ「旅行じゃないんだから…大丈夫ですよ、行ってきます」スタスタ
ベルカ「…」スタスタ
カミラ「あ、ベルカ、ちょっと待ちなさい」
ベルカ「?」
カミラ「これを持って行きなさい…きっと役に立つはずよ」
ベルカ「これは…≫78…!」
79: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/20(水) 23:16:19.84 ID:nv7OqXD8O
ベルカ「ありがとう」スタスタ
カミラ「気をつけるのよ~」
カムイ「なんだったんですか?さっきの」
ベルカ「…逆金棒。何でも炎の部族長の娘が持ってた物らしい…」
カムイ(…!って事はリンカさん…)
また、死なせてしまったのだ。間接的にしろ、かつての仲間を。
ベルカ「…」
カムイ(リンカさん…あなたの死、決して無駄にはしません…!)
カムイ「…」スタスタ
ベルカ「…」スタスタ
カムイ「…」スタスタ
ベルカ「…」スタスタ
これが3時間ほど続いた。書く方としてもとても楽である。目立つのでドラゴンははるか上空を旋回させている。ちなみにギュンターはガロンを下ろすときに腰をやって入院中である。
夕方
ベルカ「…」スタスタ
カムイ「…そろそろ野宿にしましょうか」
ベルカ「…ええ」
カムイは手近な木の枝の下に火を焚き付け、簡易テントを張る。ベルカは水を汲みに行く。
やがて日は暮れ、二人の少女の顔を映し出すものはパチパチと爆ぜる焚き火だけになった。
カムイ(晩ごはんはパンと干し肉です…ファンタジーのお約束ですね。味は悪くないです)
カムイ「…ベルカさん、何食べてるんですか?」
ベルカ「…カロリーメイト(チョコ味)」モグモグ
カムイ(いきなりお約束ぶち壊しに来やがったよこの人)
カムイ「そんなんばっかりじゃあ体に毒ですよ。せっかくだから何か作って差し上げます」ゴソゴソ
ベルカ「…いい」
カムイ「まあそう言わずに」
カミラ「気をつけるのよ~」
カムイ「なんだったんですか?さっきの」
ベルカ「…逆金棒。何でも炎の部族長の娘が持ってた物らしい…」
カムイ(…!って事はリンカさん…)
また、死なせてしまったのだ。間接的にしろ、かつての仲間を。
ベルカ「…」
カムイ(リンカさん…あなたの死、決して無駄にはしません…!)
カムイ「…」スタスタ
ベルカ「…」スタスタ
カムイ「…」スタスタ
ベルカ「…」スタスタ
これが3時間ほど続いた。書く方としてもとても楽である。目立つのでドラゴンははるか上空を旋回させている。ちなみにギュンターはガロンを下ろすときに腰をやって入院中である。
夕方
ベルカ「…」スタスタ
カムイ「…そろそろ野宿にしましょうか」
ベルカ「…ええ」
カムイは手近な木の枝の下に火を焚き付け、簡易テントを張る。ベルカは水を汲みに行く。
やがて日は暮れ、二人の少女の顔を映し出すものはパチパチと爆ぜる焚き火だけになった。
カムイ(晩ごはんはパンと干し肉です…ファンタジーのお約束ですね。味は悪くないです)
カムイ「…ベルカさん、何食べてるんですか?」
ベルカ「…カロリーメイト(チョコ味)」モグモグ
カムイ(いきなりお約束ぶち壊しに来やがったよこの人)
カムイ「そんなんばっかりじゃあ体に毒ですよ。せっかくだから何か作って差し上げます」ゴソゴソ
ベルカ「…いい」
カムイ「まあそう言わずに」
80: ほしのゆめ 2016/07/20(水) 23:17:16.79 ID:nv7OqXD8O
そのころの白夜王国、とある宿で
カゲロウ「……!ああん…あぁっ……ううっ……!」
サイゾウ「………」
カゲロウ「………」
カゲロウ「………」
カゲロウ「……またダメだったのか?」
サイゾウ「……すまん」
カゲロウ「……謝る事じゃ、ない」
カゲロウ「……だが、暗夜から帰ってきてから、何だかお前は変わってしまったようだ…」
サイゾウ「…(あんなの食らったらそりゃ駄目にもなるわ…)」
カゲロウ「…(まさか…任務で一緒だったセツナとかいう女と…)」
サイゾウ「…すまんな(駄目になっちまって)」
カゲロウ「…いや…仕方のない事だ…(あんな美女と日夜、生死を共にしていたんだ…何かあってもおかしくはない)」
サイゾウ「いや、これは俺の責任だ…(俺の驕りがこんな結果を生み出したんだからな)」
カゲロウ「いや、私が悪い(私に魅力がないのが悪いのだろう…)」
サイゾウ「いや、俺が悪い(セツナの実力を見誤って一緒に連れて行った俺の判断ミスだった)」
カゲロウ「うんにゃ、私が悪い!(立ち絵が斜めなだけであの子結構あるし…)」
サイゾウ「俺だって言っているだろう!」
カゲロウ「だから私だと言っているだろう!」
サイゾウ「もういい!お前のような奴はうんざりだ!もう別れる!」スルスル
カゲロウ「は!私だってお前のような堅物をとはもう御免だ!」スルスル
サイゾウ「じゃあな!」ガチャン!
カゲロウ「ああ!」バァン
カゲロウ(何であんな事を言ってしまったんだ…?)
サイゾウ(明日謝るか…?いや、もう遅いか…)
カゲロウ「……!ああん…あぁっ……ううっ……!」
サイゾウ「………」
カゲロウ「………」
カゲロウ「………」
カゲロウ「……またダメだったのか?」
サイゾウ「……すまん」
カゲロウ「……謝る事じゃ、ない」
カゲロウ「……だが、暗夜から帰ってきてから、何だかお前は変わってしまったようだ…」
サイゾウ「…(あんなの食らったらそりゃ駄目にもなるわ…)」
カゲロウ「…(まさか…任務で一緒だったセツナとかいう女と…)」
サイゾウ「…すまんな(駄目になっちまって)」
カゲロウ「…いや…仕方のない事だ…(あんな美女と日夜、生死を共にしていたんだ…何かあってもおかしくはない)」
サイゾウ「いや、これは俺の責任だ…(俺の驕りがこんな結果を生み出したんだからな)」
カゲロウ「いや、私が悪い(私に魅力がないのが悪いのだろう…)」
サイゾウ「いや、俺が悪い(セツナの実力を見誤って一緒に連れて行った俺の判断ミスだった)」
カゲロウ「うんにゃ、私が悪い!(立ち絵が斜めなだけであの子結構あるし…)」
サイゾウ「俺だって言っているだろう!」
カゲロウ「だから私だと言っているだろう!」
サイゾウ「もういい!お前のような奴はうんざりだ!もう別れる!」スルスル
カゲロウ「は!私だってお前のような堅物をとはもう御免だ!」スルスル
サイゾウ「じゃあな!」ガチャン!
カゲロウ「ああ!」バァン
カゲロウ(何であんな事を言ってしまったんだ…?)
サイゾウ(明日謝るか…?いや、もう遅いか…)
81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/20(水) 23:19:35.73 ID:nv7OqXD8O
暗夜の田舎道
簡単なきのこスープ
1、キノコをオリーブ油で簡単に炒める
2、水で煮る
3、すりおろしたジャガイモと牛乳を入れる
4、コンソメスープを加えて完成!
グツグツ
カムイ「完成です!ジャガイモも牛乳も無かったのでコンソメしか入ってませんが」
カムイ「きのこはそこに生えてたのを取ってきました。多分舞茸だとおもいます」
カムイ「どうぞ!」
ベルカ「いただきます…」
カムイ「私も食べますよっ」
ベルカ「…まあまあね。素材の味が自然と生きてる。素材しか入ってないから当たり前だけど」
ベルカ「でもこの味は…舞茸じゃ…ない?」
カムイ「え゛」
ベルカ「長く自炊してたからわかるわ…このきのこ≫82するやつよ」
簡単なきのこスープ
1、キノコをオリーブ油で簡単に炒める
2、水で煮る
3、すりおろしたジャガイモと牛乳を入れる
4、コンソメスープを加えて完成!
グツグツ
カムイ「完成です!ジャガイモも牛乳も無かったのでコンソメしか入ってませんが」
カムイ「きのこはそこに生えてたのを取ってきました。多分舞茸だとおもいます」
カムイ「どうぞ!」
ベルカ「いただきます…」
カムイ「私も食べますよっ」
ベルカ「…まあまあね。素材の味が自然と生きてる。素材しか入ってないから当たり前だけど」
ベルカ「でもこの味は…舞茸じゃ…ない?」
カムイ「え゛」
ベルカ「長く自炊してたからわかるわ…このきのこ≫82するやつよ」
85: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/21(木) 22:28:58.45 ID:3fygvOawO
カムイ「そんな…zzz…」
ベルカ(まずい…!こんなところで無防備に眠り込むわけには…くっ…眠い…何かなかったかしら…)
ベルカ(確かレッドブルがバッグに…)ゴソゴソ
ガボガボガボ
ベルカ「…ふう」
「軍の中で一番、毒物が効かない」は伊達ではないのだ。常人なら一瞬で気を失う量を摂取しても、しばらくは動ける。
カムイ「zzz…」スヤァ…
ベルカ(仕方ないわね…テントに運びましょう。よいしょっ)
ドサッ
ベルカ(いい寝顔ね…)
ベルカ(どうやったらこんなに大きくなるの…?)ツンツン
カムイ「………さん…」
ベルカ「?」
カムイ「……×××さん…行かないでください…」
カムイ「…あなたまで失ったら…私は………」
ベルカ(寝ぼけてるのね…でも×××って誰かしら…?……!)
突然、カムイが手を伸ばし、ベルカを抱きすくめる。咄嗟のことで反応できず、そのまま後ろに手を回されてしまう。
ベルカ(…動けない!なんて力…?まるで万力で固定されてるみたいに…てか顔近い)
カムイ「もう離しません…絶対に…!」ギュッ
ベルカ(これが、不思議な魅力なの…?何だかポカポカする…)
ベルカ(いやいやまずいまずい、何か言った方がいいのかしら…?)
カムイ「大好きですよ…×××さん…んっ」
ベルカ「!」
ベルカ「………!…………ぶはあっ」
ベルカ(舌使いがうまい…とか考えてる場合じゃないのに…!あれっ)
どうやら再び深い眠りに入ったようで、そのまま腕から抜け出すことができた。
ベルカ(…思い人、か)
ベルカ(見張りしなくちゃ…)
ベルカ(まずい…!こんなところで無防備に眠り込むわけには…くっ…眠い…何かなかったかしら…)
ベルカ(確かレッドブルがバッグに…)ゴソゴソ
ガボガボガボ
ベルカ「…ふう」
「軍の中で一番、毒物が効かない」は伊達ではないのだ。常人なら一瞬で気を失う量を摂取しても、しばらくは動ける。
カムイ「zzz…」スヤァ…
ベルカ(仕方ないわね…テントに運びましょう。よいしょっ)
ドサッ
ベルカ(いい寝顔ね…)
ベルカ(どうやったらこんなに大きくなるの…?)ツンツン
カムイ「………さん…」
ベルカ「?」
カムイ「……×××さん…行かないでください…」
カムイ「…あなたまで失ったら…私は………」
ベルカ(寝ぼけてるのね…でも×××って誰かしら…?……!)
突然、カムイが手を伸ばし、ベルカを抱きすくめる。咄嗟のことで反応できず、そのまま後ろに手を回されてしまう。
ベルカ(…動けない!なんて力…?まるで万力で固定されてるみたいに…てか顔近い)
カムイ「もう離しません…絶対に…!」ギュッ
ベルカ(これが、不思議な魅力なの…?何だかポカポカする…)
ベルカ(いやいやまずいまずい、何か言った方がいいのかしら…?)
カムイ「大好きですよ…×××さん…んっ」
ベルカ「!」
ベルカ「………!…………ぶはあっ」
ベルカ(舌使いがうまい…とか考えてる場合じゃないのに…!あれっ)
どうやら再び深い眠りに入ったようで、そのまま腕から抜け出すことができた。
ベルカ(…思い人、か)
ベルカ(見張りしなくちゃ…)
86: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/21(木) 22:30:20.73 ID:3fygvOawO
まだ午前3時
ベルカ「…」
午前5時
ベルカ(溜まってた土曜プレミアム見よう…)
午前7時
タブレット『I'll be back!』ダダンダンダダン!
ベルカ(なんでかしら…目から水が…?)
午前8時
カムイ「ふあぁ~、おはようございます、ベルカさん。迷惑をかけてすいませんでした…」
ベルカ「問題ないわ」
カムイ「でも、完徹だったんでしょう…?」
ベルカ「これぐらい平気よ。それより、ガンズに追いつかれると困るんじゃないかしら」
カムイ「…!そうでした。急いで支度しましょう!」
ベルカ(あの事は覚えてないみたいね…よかった)
昼前
無限渓谷入り口
昼前だというのに、ここは夜中のように暗い。別に白夜側は夜でも明るいとかはない。
カムイ(結局リリスさんからもらった冊子読むのを忘れてました…早く読まねば)
カムイ「おや、何を見ているんですか?」
ベルカ「暗視スコープ…」
カムイ(この設定万能ですね)
ベルカ「敵影が7つ…8つ…もっといそうね。無人のはずなのに…どうする?」
カムイ「ここまで来て引き返すなんてあり得ません…強行突破しましょう」
ベルカ「本気なの…?分かった。何か作戦はあるんでしょうね」
カムイ「ええ。まずは……!しまった!ガンズさんが来ます!」
ベルカ「何てこと…どうする?」
カムイ「作戦を台無しにさせるわけにはいきません。取り敢えず話を合わせてください」
ベルカ「…」
午前5時
ベルカ(溜まってた土曜プレミアム見よう…)
午前7時
タブレット『I'll be back!』ダダンダンダダン!
ベルカ(なんでかしら…目から水が…?)
午前8時
カムイ「ふあぁ~、おはようございます、ベルカさん。迷惑をかけてすいませんでした…」
ベルカ「問題ないわ」
カムイ「でも、完徹だったんでしょう…?」
ベルカ「これぐらい平気よ。それより、ガンズに追いつかれると困るんじゃないかしら」
カムイ「…!そうでした。急いで支度しましょう!」
ベルカ(あの事は覚えてないみたいね…よかった)
昼前
無限渓谷入り口
昼前だというのに、ここは夜中のように暗い。別に白夜側は夜でも明るいとかはない。
カムイ(結局リリスさんからもらった冊子読むのを忘れてました…早く読まねば)
カムイ「おや、何を見ているんですか?」
ベルカ「暗視スコープ…」
カムイ(この設定万能ですね)
ベルカ「敵影が7つ…8つ…もっといそうね。無人のはずなのに…どうする?」
カムイ「ここまで来て引き返すなんてあり得ません…強行突破しましょう」
ベルカ「本気なの…?分かった。何か作戦はあるんでしょうね」
カムイ「ええ。まずは……!しまった!ガンズさんが来ます!」
ベルカ「何てこと…どうする?」
カムイ「作戦を台無しにさせるわけにはいきません。取り敢えず話を合わせてください」
87: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/21(木) 23:45:35.11 ID:3fygvOawO
ドドドドドド
ガンズ「待てえええええ!この野郎があああああああっ!」
白夜兵「な、何だあれは?筋肉がこっちに走ってくる…?」
カムイ「気付かれた…ガンズさーん!私はこっちですよー!」タタタタ
ベルカ(おもむろに崖っぷちに立って…何する気?)
ガンズ「死ね死ね死ねぇっ!」ブオン
カムイ「おおっと、いきなり切りつけるなんてヤバンですね~」ヒョイ
ガンズ「何だとこの野郎…死ねぇっ!」ブオン
カムイ「頭に血が上りすぎて本編の方のステータスになってます…まあ雑魚ですが」ヒョイ
カムイ「どうですか?下級職相手に良いようにあしらわれる気分は?えいっ!」ウワテナゲー
ガンズ「うわあああああああぁぁぁぁぁ…」
カムイ「一件落着…と」パンパン
ベルカ「完全に見つかったけどね」
カムイ(さて…そろそろ行きますか)
カムイ「やいやい!白夜のつわものども!」
白夜兵「!」
カムイ「遠からんものは音にも聞け!近からんものは目にも見よ!我こそは、暗夜王国第二王女カムイにあるぞ!」
カムイ(あー恥ずかしい。リリスさん、もっと良い名乗り方無かったんですかね…?)
ザワザワ
カムイ「さあ、かかってくるが良い!」
カムイ(これだけ騒いでから行けばリョウマ兄さん辺りがすっ飛んで…おや?あそこにいるのは≫88さんと≫89さんじゃありませんか!)
ガンズ「待てえええええ!この野郎があああああああっ!」
白夜兵「な、何だあれは?筋肉がこっちに走ってくる…?」
カムイ「気付かれた…ガンズさーん!私はこっちですよー!」タタタタ
ベルカ(おもむろに崖っぷちに立って…何する気?)
ガンズ「死ね死ね死ねぇっ!」ブオン
カムイ「おおっと、いきなり切りつけるなんてヤバンですね~」ヒョイ
ガンズ「何だとこの野郎…死ねぇっ!」ブオン
カムイ「頭に血が上りすぎて本編の方のステータスになってます…まあ雑魚ですが」ヒョイ
カムイ「どうですか?下級職相手に良いようにあしらわれる気分は?えいっ!」ウワテナゲー
ガンズ「うわあああああああぁぁぁぁぁ…」
カムイ「一件落着…と」パンパン
ベルカ「完全に見つかったけどね」
カムイ(さて…そろそろ行きますか)
カムイ「やいやい!白夜のつわものども!」
白夜兵「!」
カムイ「遠からんものは音にも聞け!近からんものは目にも見よ!我こそは、暗夜王国第二王女カムイにあるぞ!」
カムイ(あー恥ずかしい。リリスさん、もっと良い名乗り方無かったんですかね…?)
ザワザワ
カムイ「さあ、かかってくるが良い!」
カムイ(これだけ騒いでから行けばリョウマ兄さん辺りがすっ飛んで…おや?あそこにいるのは≫88さんと≫89さんじゃありませんか!)
91: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/22(金) 22:29:15.22 ID:L5ao09xAO
カムイ(どうも様子がおかしいですね…ちょっとあの冊子を見てみましょうか)
ピラッ
・白夜王国現王女 ミコト
2連続正解ルートからの…
油断させといて…ばかめ!しね!
でもせっかくだから私は青の扉を選びます!
カムイ(………?)
ピラッ
・白夜王国第二王女 ヒノカ
Danger!Danger!
第一級危険人物!見つけたら直ちに逃げろ!
豹変!野獣と化した実姉(嘘)!
この人は異界の影響を最も強く受けており、その精神はカムイさm
ヒノカ「見つけたあああっ!!!カムイィィィィ!!!!」ジンライナギナター
カムイ(こりゃ油断しましたね)
ビリビリビリ
カムイ「はひぃ…」ドサッ
後で聞いたことだが、ヒノカは聖天馬level20(破天奇傾者守備封じ速さ封じ天駆ける)まで頑張ってきたらしい。フルカンとはいえ下級職のカムイに太刀打ちできるはずも無かった。
ミコト「あなたはどうしますか…?ベルカさん?」
ベルカ「どうして私の名前を…?……!」
いつの間にか後ろに回り込まれた彼女には、ただ頭の上に「!」マークを浮かべてバンザイ直立することしかできなかった。
ベルカ「…わかった。武器を捨てて投降する」
カランカランカラン
ミコト「聞き分けの良い子は嫌いじゃないですよ…ちょっとごめんなさいね…」
ベルカ(クロロホルム…!ううん…)フニャア
ミコト「では、運びますよ。みなさん手伝ってください」
ピラッ
・白夜王国現王女 ミコト
2連続正解ルートからの…
油断させといて…ばかめ!しね!
でもせっかくだから私は青の扉を選びます!
カムイ(………?)
ピラッ
・白夜王国第二王女 ヒノカ
Danger!Danger!
第一級危険人物!見つけたら直ちに逃げろ!
豹変!野獣と化した実姉(嘘)!
この人は異界の影響を最も強く受けており、その精神はカムイさm
ヒノカ「見つけたあああっ!!!カムイィィィィ!!!!」ジンライナギナター
カムイ(こりゃ油断しましたね)
ビリビリビリ
カムイ「はひぃ…」ドサッ
後で聞いたことだが、ヒノカは聖天馬level20(破天奇傾者守備封じ速さ封じ天駆ける)まで頑張ってきたらしい。フルカンとはいえ下級職のカムイに太刀打ちできるはずも無かった。
ミコト「あなたはどうしますか…?ベルカさん?」
ベルカ「どうして私の名前を…?……!」
いつの間にか後ろに回り込まれた彼女には、ただ頭の上に「!」マークを浮かべてバンザイ直立することしかできなかった。
ベルカ「…わかった。武器を捨てて投降する」
カランカランカラン
ミコト「聞き分けの良い子は嫌いじゃないですよ…ちょっとごめんなさいね…」
ベルカ(クロロホルム…!ううん…)フニャア
ミコト「では、運びますよ。みなさん手伝ってください」
92: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/22(金) 22:29:56.17 ID:L5ao09xAO
その頃モズメの村では
モズメ「いただきまーす」
モズメ母「頂きます」
モズメ「お母ちゃん、お父ちゃん今日も帰って来おへんの?」
モズメ母「そうやね…まあしょうがないやない、お父ちゃんが冬の間出稼ぎに行ってるおかげで、あたいらは何とか暮らしていけるんやから」
モズメ「分かった。あたいも明日から…民芸品ゆうもん作ってみようかなあ」
モズメ母「そうやね。ありがとな、モズメ」ウリウリ
ガラガラガラ
モズ「おーう、今帰ったぞーう!」
モズメ「あ、お父ちゃん!おけーり!」
モズメ母「ど、どうしたんや?あんた無限渓谷のお勤めは?」
モズ「ああ、それなんやが…何でも王族の偉いさんが直々に警備なさるんゆうてな…」
モズ「今日付けでお払い箱や…いうてもいい働き口紹介してもろたし、手当も十二分に貰うたし…どうゆうことやろな~」
?マアエエワ、キョウハフンパツスルデ!
ヤッターカアチャンフトッパラ!
のちにその村は幾度もノスフェラトウの襲撃をはね退け、シモヘイヘ張りの優秀な狙撃兵を輩出する伝説の秘境と化したという。
だがそれは別の話。また別の時にでも話すとしよう。
モズメ「いただきまーす」
モズメ母「頂きます」
モズメ「お母ちゃん、お父ちゃん今日も帰って来おへんの?」
モズメ母「そうやね…まあしょうがないやない、お父ちゃんが冬の間出稼ぎに行ってるおかげで、あたいらは何とか暮らしていけるんやから」
モズメ「分かった。あたいも明日から…民芸品ゆうもん作ってみようかなあ」
モズメ母「そうやね。ありがとな、モズメ」ウリウリ
ガラガラガラ
モズ「おーう、今帰ったぞーう!」
モズメ「あ、お父ちゃん!おけーり!」
モズメ母「ど、どうしたんや?あんた無限渓谷のお勤めは?」
モズ「ああ、それなんやが…何でも王族の偉いさんが直々に警備なさるんゆうてな…」
モズ「今日付けでお払い箱や…いうてもいい働き口紹介してもろたし、手当も十二分に貰うたし…どうゆうことやろな~」
?マアエエワ、キョウハフンパツスルデ!
ヤッターカアチャンフトッパラ!
のちにその村は幾度もノスフェラトウの襲撃をはね退け、シモヘイヘ張りの優秀な狙撃兵を輩出する伝説の秘境と化したという。
だがそれは別の話。また別の時にでも話すとしよう。
93: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/22(金) 22:48:38.22 ID:L5ao09xAO
第3章 「旅立ちの時」終わり
個人的にはジブリの方が好きかな
個人的にはジブリの方が好きかな
94: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/22(金) 23:29:56.97 ID:L5ao09xAO
白夜王国シラサギ城
カムイの部屋
カムイ(これは…知らない天井…?いや私は知ってることになってるんでしたっけ…?アレ?)
ベルカ「食べといたほうがいいわ。多分1時間もすれば奴が来るから」つ生姜焼き定食
カムイ「絶対病人に食べさせるやつじゃないですよねこれ。トマトサラダとか無かったんですか?」
ベルカ「私が食べた」
カムイ「キャラ変わってないですか?」
カムイ「ていうかヒノカさんに会いたくない…何されるかわかったもんじゃありません」
ベルカ「それじゃあ」ドサ
カムイ「逃げないでください。なにか落としましたよ…何でダンボール箱?」
ベルカ「…///」ガラガラ ピシャッ
カムイ「逃げた…ヒノカさんにナニかされただけで多分世界が崩壊して別の板に収束する…何とか自衛しないと…おやこれは〉〉95?使えそうですね」
カムイの部屋
カムイ(これは…知らない天井…?いや私は知ってることになってるんでしたっけ…?アレ?)
ベルカ「食べといたほうがいいわ。多分1時間もすれば奴が来るから」つ生姜焼き定食
カムイ「絶対病人に食べさせるやつじゃないですよねこれ。トマトサラダとか無かったんですか?」
ベルカ「私が食べた」
カムイ「キャラ変わってないですか?」
カムイ「ていうかヒノカさんに会いたくない…何されるかわかったもんじゃありません」
ベルカ「それじゃあ」ドサ
カムイ「逃げないでください。なにか落としましたよ…何でダンボール箱?」
ベルカ「…///」ガラガラ ピシャッ
カムイ「逃げた…ヒノカさんにナニかされただけで多分世界が崩壊して別の板に収束する…何とか自衛しないと…おやこれは〉〉95?使えそうですね」
96: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/23(土) 19:24:37.71 ID:zxsXfljGO
カムイ「かかし…?」
ピラッ
使ってください
ミコト
カムイ「何に使えと?」
カムイ(とりあえず寝巻きを着替え…うわっ、首筋にキスマーク付いてますね…絶対見つかるわけにはいきません)
カムイ「逃げても追いつかれ、後ろからアレされるだけ…下手に逃げるより、ここで仕留めるのが得策ですね」
カムイ「工作は得意ですよ…作ってワクワク~はいできました」
30分後
ヒノカ「私のカムイ~~!帰ってきたぞおおお???!可愛がってあげる!今すぐにィィィィ???」ドドドドドド
ガララ
カムイ(来るの早すぎやしませんかね)
ヒノカ「いない…のか?」ゴソゴソ
ヒノカ「カムイー、どこ行ったんだ~?」
カムイ(ガタガタガタガタガタガタ)
ヒノカ「うむ…?このカカシは…?……!そうか…ふふっ、かわいいやつだ」
カムイ(!)
ヒノカ「ばれてるぞ~!それ!…?おや…?」
ヒノカ「てっきりカムイが化けてると思ったんだが…うん?なんだこのAmazonのダンボール箱は。3つあるが…」
これこそがカムイの罠だったのである。ダンボール箱三つのうち二つにキノコで作った催眠スプレーの、簡単な噴射装置が仕込んであり、開けた瞬間に噴射&失神する。そしてカムイは残り一つに隠れているのだ。
カムイ(確率は3分の2…多分なんとかなります。たぶん)
ヒノカ「…………これだ!」ヒョイッ
カムイ「え」
ヒノカ「この私がかわいい妹の入っている箱を間違えるわけが無いだろう?」ニヤア
カムイ「い、いやあああああっ!!は、離してくださあああい!」
ヒノカ「助けを呼んでもここに人はいない…!楽しもうじゃないか!カムイ!」
カムイ「\(^o^)/」セカイオワタ
ピラッ
使ってください
ミコト
カムイ「何に使えと?」
カムイ(とりあえず寝巻きを着替え…うわっ、首筋にキスマーク付いてますね…絶対見つかるわけにはいきません)
カムイ「逃げても追いつかれ、後ろからアレされるだけ…下手に逃げるより、ここで仕留めるのが得策ですね」
カムイ「工作は得意ですよ…作ってワクワク~はいできました」
30分後
ヒノカ「私のカムイ~~!帰ってきたぞおおお???!可愛がってあげる!今すぐにィィィィ???」ドドドドドド
ガララ
カムイ(来るの早すぎやしませんかね)
ヒノカ「いない…のか?」ゴソゴソ
ヒノカ「カムイー、どこ行ったんだ~?」
カムイ(ガタガタガタガタガタガタ)
ヒノカ「うむ…?このカカシは…?……!そうか…ふふっ、かわいいやつだ」
カムイ(!)
ヒノカ「ばれてるぞ~!それ!…?おや…?」
ヒノカ「てっきりカムイが化けてると思ったんだが…うん?なんだこのAmazonのダンボール箱は。3つあるが…」
これこそがカムイの罠だったのである。ダンボール箱三つのうち二つにキノコで作った催眠スプレーの、簡単な噴射装置が仕込んであり、開けた瞬間に噴射&失神する。そしてカムイは残り一つに隠れているのだ。
カムイ(確率は3分の2…多分なんとかなります。たぶん)
ヒノカ「…………これだ!」ヒョイッ
カムイ「え」
ヒノカ「この私がかわいい妹の入っている箱を間違えるわけが無いだろう?」ニヤア
カムイ「い、いやあああああっ!!は、離してくださあああい!」
ヒノカ「助けを呼んでもここに人はいない…!楽しもうじゃないか!カムイ!」
カムイ「\(^o^)/」セカイオワタ
97: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/23(土) 19:26:29.12 ID:zxsXfljGO
…嬉しかったのかもしれない。たとえ変わり果ててしまっていたとしても、彼女は「ヒノカ」なのだ。死んだはずの肉親に会えるのは、とてもとてもしあわせなことだ。部屋からすぐに逃げなかったのは、実はそれが理由だったからなのかもしれない。アクアと一緒に透魔王国にでも逃げてしまえば、さしものヒノカも追ってこないだろうし。
5分経過
???「侵食率400パーセント突破…このままじゃ元の板に戻れなくなる…」
???「ヒノカ様…ごめんね」プスッ
ヒノカ「ハハッカムイ!口では嫌そうなことを言っておきながらからd…ふにゃあ…?zzz…」
セツナ「カムイ様…また会いましたね」
セツナ「ほら、体拭いて。服着てください」
カムイ「ハア、ハア…あ、ありがとうございます」
セツナ「ヒノカ様も普段はああじゃ無いんですが…本当にごめんなさい」
カムイ「いいえ、セツナさんの謝ることじゃないですよ…」フキフキ
カムイ「ヒノカさんをお願いします。ちょっと行くところがあるので」
98: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/23(土) 19:28:58.16 ID:zxsXfljGO
お城の近くのあの泉
誰もいない。早く来すぎたようである。なぜか泉のほとりにjoysoundが置いてあるのはご愛嬌。
カムイ(まだアクアさん来てないですか…どうしましょう)
カムイ(なんでこんなところにjoysoundが?)
10分後
カムイ「?き~みの、と~なりでずっと~かわらずまも~るだろお~」
87.9点
カムイ(まあまあですね)
アクア「…マイクをかしなさい」
カムイ「アクアさん?!いつからここに」
アクア「しっ」
アクア「?せんぼんざ~くら~よるにまぎれ~」
アクア「♪きみのこ~えも~きこえないよ」
アクア「?ここはう~たげ~はがねのおり」
93.4点
カムイ「…!」ギリッ
カムイ「…マイクをかしてください」プルプル
アクア「無駄よ」ニヤ
誰もいない。早く来すぎたようである。なぜか泉のほとりにjoysoundが置いてあるのはご愛嬌。
カムイ(まだアクアさん来てないですか…どうしましょう)
カムイ(なんでこんなところにjoysoundが?)
10分後
カムイ「?き~みの、と~なりでずっと~かわらずまも~るだろお~」
87.9点
カムイ(まあまあですね)
アクア「…マイクをかしなさい」
カムイ「アクアさん?!いつからここに」
アクア「しっ」
アクア「?せんぼんざ~くら~よるにまぎれ~」
アクア「♪きみのこ~えも~きこえないよ」
アクア「?ここはう~たげ~はがねのおり」
93.4点
カムイ「…!」ギリッ
カムイ「…マイクをかしてください」プルプル
アクア「無駄よ」ニヤ
99: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/23(土) 19:29:49.01 ID:zxsXfljGO
カムイ「?ギンギラギンにさりげなく~さりげなく~ひかる」
96.7点
アクア「なんですって…!」
アクア「?し~んじたも~のは、つごう~のいいもうそうをくりか~えしうつしだす」
98.3点
アクア「本職に勝てると思った?」
カムイ「諦めません…!」
カムイ「?きえないかな~しみも、よろ~こびも、あ~なたといれ~ば」
99.4点
アクア「…クソっ!」バキッ
カムイ(素手で松の木を…へし折った!?」
カムイ「ヒロインがクソなんて言うもんじゃありませんよ、ふふっ」
アクア「見てなさい…」
アクア「…」
アクア「ユーラリユールレリー…」ズンドコズンドコ
カムイ(ず、ずるい…!)
アクア(悔しかったらあなたも歌唱パート持ちなさい)
カムイ(でもアクアさん…自分の命を削ってまで…なぜそこまでして…?)
100.0点
カムイ「逃げたり…っ!しません…!」
カムイ「お~お~いだいなは~るとまん~」
アクア(バカね…この曲は一見簡単そうに思えるけど意外と緩急がきつくて難しい…この勝負…もらったわ!)
カムイ(ふふ…リリスさんとのカラオケの特訓…アクアさんは知りませんよね)
100.0点
アクア「ぐはあっ…!次は…私の番よ…!」フラフラ
カムイ「望むところですっ!」
カムイ「はあ…はあ…」
アクア「ゼイ…ゼイ…」
勝負がつくことはなかった。過負荷によりマシンを破壊した彼女らは、今度は素手で殴り合った。それでも、決着が付くことは無かった。壮絶な死闘の後に、二人の少女は夕日をバックにして固い握手を交わし、再戦を誓う。ともに不敵な笑みを浮かべながら…
カムイ「アクアさん…」
アクア「なに?」
カムイ「大事なことを忘れている気が…」
アクア「気のせいよ。帰りましょう」
96.7点
アクア「なんですって…!」
アクア「?し~んじたも~のは、つごう~のいいもうそうをくりか~えしうつしだす」
98.3点
アクア「本職に勝てると思った?」
カムイ「諦めません…!」
カムイ「?きえないかな~しみも、よろ~こびも、あ~なたといれ~ば」
99.4点
アクア「…クソっ!」バキッ
カムイ(素手で松の木を…へし折った!?」
カムイ「ヒロインがクソなんて言うもんじゃありませんよ、ふふっ」
アクア「見てなさい…」
アクア「…」
アクア「ユーラリユールレリー…」ズンドコズンドコ
カムイ(ず、ずるい…!)
アクア(悔しかったらあなたも歌唱パート持ちなさい)
カムイ(でもアクアさん…自分の命を削ってまで…なぜそこまでして…?)
100.0点
カムイ「逃げたり…っ!しません…!」
カムイ「お~お~いだいなは~るとまん~」
アクア(バカね…この曲は一見簡単そうに思えるけど意外と緩急がきつくて難しい…この勝負…もらったわ!)
カムイ(ふふ…リリスさんとのカラオケの特訓…アクアさんは知りませんよね)
100.0点
アクア「ぐはあっ…!次は…私の番よ…!」フラフラ
カムイ「望むところですっ!」
カムイ「はあ…はあ…」
アクア「ゼイ…ゼイ…」
勝負がつくことはなかった。過負荷によりマシンを破壊した彼女らは、今度は素手で殴り合った。それでも、決着が付くことは無かった。壮絶な死闘の後に、二人の少女は夕日をバックにして固い握手を交わし、再戦を誓う。ともに不敵な笑みを浮かべながら…
カムイ「アクアさん…」
アクア「なに?」
カムイ「大事なことを忘れている気が…」
アクア「気のせいよ。帰りましょう」
100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/23(土) 19:31:40.51 ID:zxsXfljGO
夜7時ぐらい
シラサギ城 王の間
カムイ「お母様。ただいま帰りました」
ミコト「心配したのですよ?カムイ…こんなに傷だらけ泥だらけになって…ふふっ」
ミコト「まるで、昔に戻ったみたいですね…さあ、お風呂に入ってみんなとゆっくりしてらっしゃい」
カムイ「分かりました。…お母様…」
ミコト「何ですか?」
カムイ「今度こそ…今度こそ、必ず…守ってみせます。絶対に」
ミコト「あらあら、頼もしいことですね。ふふふ…ほら、サクラが呼んでますよ、早く行ってあげなさい」
カムイ「はい」タタタタ
ミコト(ふふ…こうしてカムイを迎えに行けたのも、あのマクベスとかいう人が幻影魔法でそのことを知らせてくれたおかげ。どこの誰かは存じませんが、感謝しています…)
クラーケンシュタイン城のどっか
マクベス(カムイ様…お元気で…私のできることはこれぐらいです。どうか、あなたはご自分の道を…切り開いてください)
ガロン「おいマクベス、ちょっと来い」
マクベス「はい!ただ今!」
シラサギ城 女湯
カムイ「今は〉〉101さんたちが入ってらっしゃる頃ですね…行ってみますか」
ところでポイポンで安価を綺麗に出す方法はありませんか
シラサギ城 王の間
カムイ「お母様。ただいま帰りました」
ミコト「心配したのですよ?カムイ…こんなに傷だらけ泥だらけになって…ふふっ」
ミコト「まるで、昔に戻ったみたいですね…さあ、お風呂に入ってみんなとゆっくりしてらっしゃい」
カムイ「分かりました。…お母様…」
ミコト「何ですか?」
カムイ「今度こそ…今度こそ、必ず…守ってみせます。絶対に」
ミコト「あらあら、頼もしいことですね。ふふふ…ほら、サクラが呼んでますよ、早く行ってあげなさい」
カムイ「はい」タタタタ
ミコト(ふふ…こうしてカムイを迎えに行けたのも、あのマクベスとかいう人が幻影魔法でそのことを知らせてくれたおかげ。どこの誰かは存じませんが、感謝しています…)
クラーケンシュタイン城のどっか
マクベス(カムイ様…お元気で…私のできることはこれぐらいです。どうか、あなたはご自分の道を…切り開いてください)
ガロン「おいマクベス、ちょっと来い」
マクベス「はい!ただ今!」
シラサギ城 女湯
カムイ「今は〉〉101さんたちが入ってらっしゃる頃ですね…行ってみますか」
ところでポイポンで安価を綺麗に出す方法はありませんか
104: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/24(日) 15:56:08.45 ID:hb8mKG2uO
カッポーン…
カムイ「あ、こんばんは。えーと…カゲロウさん」
カゲロウ「こんばんは」
カッポーン…
カムイ(この重い雰囲気、凄く居心地が悪い…サクラさんとカザハナさんはまだ来ないし…)
カムイ(皆さん元気にしてますかね、特にマークス兄さん…元気になったかな。カミラ姉さんも寂しがってないでしょうか)
カミラ『胸は糖分で育つ』
カムイ「…」チラ
カゲロウ「…」バイーン
カゲロウ「…どうかなすったか?」
カムイ「いえ…カゲロウさんは、甘いモノ好きですか?」
カゲロウ「好きだ。よく分かったな…何故聞いた?」
カムイ「え…えーと、この辺においしいお菓子屋さんないかなーって思いまして。私も目がないんで」
カゲロウ「ふむ…確かこの辺は…ああ、城下町の三丁目の角の『面白い恋人』とかいう店がオススメだ。あそこのチョコレートはなかなか良くてな…」
カッポーン…
カムイ「あ、こんばんは。えーと…カゲロウさん」
カゲロウ「こんばんは」
カッポーン…
カムイ(この重い雰囲気、凄く居心地が悪い…サクラさんとカザハナさんはまだ来ないし…)
カムイ(皆さん元気にしてますかね、特にマークス兄さん…元気になったかな。カミラ姉さんも寂しがってないでしょうか)
カミラ『胸は糖分で育つ』
カムイ「…」チラ
カゲロウ「…」バイーン
カゲロウ「…どうかなすったか?」
カムイ「いえ…カゲロウさんは、甘いモノ好きですか?」
カゲロウ「好きだ。よく分かったな…何故聞いた?」
カムイ「え…えーと、この辺においしいお菓子屋さんないかなーって思いまして。私も目がないんで」
カゲロウ「ふむ…確かこの辺は…ああ、城下町の三丁目の角の『面白い恋人』とかいう店がオススメだ。あそこのチョコレートはなかなか良くてな…」
カッポーン…
105: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/24(日) 15:56:43.79 ID:hb8mKG2uO
カゲロウ「それでな、その時のあいつの顔ったらありゃしないんだ。一度カムイ様に見せて差し上げたいほどに、な。ハハッ」
カムイ「ふふっ、カゲロウさんは面白いですね。その方は今どんな?」
カゲロウ「ああ…死んだ。三年前の暮れに」
カムイ「…すいません、そんなこと聞いちゃって」
カゲロウ「いやいいんだ…こちらこそすまんな…」
カゲロウ「…」
カゲロウ「カムイ様…つかぬ事を聞くが、どこかに思い人か誰かを残して来たのではないか…?」
カムイ「…ええ。いましたけど死にました。何年前のことかは…覚えていませんが」
カゲロウ「…すまんな」
カムイ「いえいえ、いいんですよ…これでおあいこです」
カムイ(本当は死んでるどころかこの世界では生まれてもいないんですけどね)
カムイ「サイゾウさんとの仲は、上手くいっていますか?」
カゲロウ「…何故そのことを?まあいい…この前別れたばかりだ。何でも私に隠れてセツナとかいう女に手を出していたらしい。けったいな奴だ」
カムイ「え゛?そ、そうなんですか?直接本人の口から?」
カゲロウ「ああ…それとなく匂わせていた。言葉には出していなかったが、あれはそういう意味だ」
カムイ(サイゾウさんはそんな人じゃなかったと思いますけどね…これも異界の影響でしょうか?)
カゲロウ「長話をしていたら茹だってしまった…失礼する」
カッポーン…
カムイ「ふふっ、カゲロウさんは面白いですね。その方は今どんな?」
カゲロウ「ああ…死んだ。三年前の暮れに」
カムイ「…すいません、そんなこと聞いちゃって」
カゲロウ「いやいいんだ…こちらこそすまんな…」
カゲロウ「…」
カゲロウ「カムイ様…つかぬ事を聞くが、どこかに思い人か誰かを残して来たのではないか…?」
カムイ「…ええ。いましたけど死にました。何年前のことかは…覚えていませんが」
カゲロウ「…すまんな」
カムイ「いえいえ、いいんですよ…これでおあいこです」
カムイ(本当は死んでるどころかこの世界では生まれてもいないんですけどね)
カムイ「サイゾウさんとの仲は、上手くいっていますか?」
カゲロウ「…何故そのことを?まあいい…この前別れたばかりだ。何でも私に隠れてセツナとかいう女に手を出していたらしい。けったいな奴だ」
カムイ「え゛?そ、そうなんですか?直接本人の口から?」
カゲロウ「ああ…それとなく匂わせていた。言葉には出していなかったが、あれはそういう意味だ」
カムイ(サイゾウさんはそんな人じゃなかったと思いますけどね…これも異界の影響でしょうか?)
カゲロウ「長話をしていたら茹だってしまった…失礼する」
カッポーン…
106: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/24(日) 15:57:24.91 ID:hb8mKG2uO
サクラ「カムイ姉様!遅くなりました!」
カザハナ「もうサクラ様!亀クエぐらい明日でよかったじゃない、ってげっ、カムイ!」
カムイ(デジャーヴ)
サクラ「すいません、呼びつけておきながらお待たせしてしまって…」
カムイ「いえ全然…でも亀クエって何です?」
サクラ「ゲリラみたいなものです」
カムイ「…?また今度ゆっくりお願いします…」
カッポーン…
カムイ「…」チラ
サクラ「…」フツー
カザハナ「…」コブリ
カザハナ「…何よ、ジロジロ見ちゃって」
カムイ「い、いえ、別に…」
カザハナ「もう上がるわね」ザパー
カムイ「えっ早くないですか」
カザハナ「長風呂、あんまり好きじゃないのよね」ゴシゴシゴシ
カザハナ「そうそうサクラ様、ポケモンGOやってるの?」グワシグワシグワシ
サクラ「ええ、今はカビゴンの厳選をしているところです」
カザハナ「相変わらずね…じゃあ」ガラガラ ピシャ
カッポーン…
サクラ「ところでお姉さまは、スマホ持ってるんですか?」
カムイ「一応持ってますよ」
カムイ(リリスさんが緊急連絡用に一個くれたんです)
サクラ「そうですか…」ニヤッ
カムイ(あれ?気のせいでしょうか。サクラさんの笑顔がシャーロッテさんのそれになってます)
カザハナ「もうサクラ様!亀クエぐらい明日でよかったじゃない、ってげっ、カムイ!」
カムイ(デジャーヴ)
サクラ「すいません、呼びつけておきながらお待たせしてしまって…」
カムイ「いえ全然…でも亀クエって何です?」
サクラ「ゲリラみたいなものです」
カムイ「…?また今度ゆっくりお願いします…」
カッポーン…
カムイ「…」チラ
サクラ「…」フツー
カザハナ「…」コブリ
カザハナ「…何よ、ジロジロ見ちゃって」
カムイ「い、いえ、別に…」
カザハナ「もう上がるわね」ザパー
カムイ「えっ早くないですか」
カザハナ「長風呂、あんまり好きじゃないのよね」ゴシゴシゴシ
カザハナ「そうそうサクラ様、ポケモンGOやってるの?」グワシグワシグワシ
サクラ「ええ、今はカビゴンの厳選をしているところです」
カザハナ「相変わらずね…じゃあ」ガラガラ ピシャ
カッポーン…
サクラ「ところでお姉さまは、スマホ持ってるんですか?」
カムイ「一応持ってますよ」
カムイ(リリスさんが緊急連絡用に一個くれたんです)
サクラ「そうですか…」ニヤッ
カムイ(あれ?気のせいでしょうか。サクラさんの笑顔がシャーロッテさんのそれになってます)
107: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/24(日) 15:58:48.00 ID:hb8mKG2uO
サクラの部屋
デーンデンデンデンデーンデンデデーン スーパーレアー!
カムイ「十連でカーリー・ゴッスト・カムイ…もうこれでいいでしょう。面倒くさい」
サクラ「よくないです!続行ですよ!」
カザハナ「…サクラ様、いい加減やめといたほうがいいと思うよ、リセマラ」
サクラ「まだまだ…ルシガブ揃うまで許しません!」
カザハナ「…ご飯食べてくるね。じゃあまた」
カムイ「わ、私も…」
サクラ「仕方ありませんね…もう一回したら行きましょう」
カムイ「もう嫌です…」
食堂
ワイワイ ガヤガヤ
カムイ(ふうむ…各部隊ごとにまとまって食べてますね。>>108さんの所で食べますか)
デーンデンデンデンデーンデンデデーン スーパーレアー!
カムイ「十連でカーリー・ゴッスト・カムイ…もうこれでいいでしょう。面倒くさい」
サクラ「よくないです!続行ですよ!」
カザハナ「…サクラ様、いい加減やめといたほうがいいと思うよ、リセマラ」
サクラ「まだまだ…ルシガブ揃うまで許しません!」
カザハナ「…ご飯食べてくるね。じゃあまた」
カムイ「わ、私も…」
サクラ「仕方ありませんね…もう一回したら行きましょう」
カムイ「もう嫌です…」
食堂
ワイワイ ガヤガヤ
カムイ(ふうむ…各部隊ごとにまとまって食べてますね。>>108さんの所で食べますか)
109: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/25(月) 21:18:45.19 ID:oIKfv60UO
リョウマ「…」ピコピコピコ
カゲロウ「…」バチバチバチ
サイゾウ「…」バチバチバチ
カムイ「…」モソモソモソ
ベルカ「…」ムシャムシャムシャ
沈黙の食卓。
荒地より悪い竹槍よりも悪い居心地の悪さ。凄まじいマイナスの地形効果である。(回避-40Hp-30守備-10)
別れたばかりのカップルが無言で互いの脛を蹴り合う中、黙々と飯を食いながら白猫をすることで食卓という名の修羅場からの逃避を図るダメ主君。やはりというか雷神刀がなければただのエビである。
カムイ(さっき玉座の間で簡単な挨拶をしたとはいえ、兄さんだんまりってどうなってるんですか…積もる話もあるでしょ?ないんですか?ねえ)
カムイ(だいたいベルカさんとサイゾウさんってこの前殺陣を繰り広げたばっかりですよね?何で一言も触れないんですか?猛者のやり取りに言葉は不要なんですか?なんか言いなさいよ、ねえすごい居心地悪いでしょほら)
ゴッ、ゴッという脛を蹴る音のみがしばし響く。初めに口を開いたのは意外にもベルカだった。
ベルカ「ねえ…あなたも白猫やってるの?」
リョウマ「うむ。お主もか?」
ベルカ「ええ…同僚に勧められて」
~マルチプレイ中~
リョウマ「ほう…上手いな」
ベルカ「…ありがとう」
カムイ(何でちょっといい雰囲気になってんの?バカなの?その人敵の大将なんだよ?ちょっとは警戒しなさいよふたりとも。この調子ならほっといても戦争起こんないんじゃねこれ)
カムイのフラストレーションは口調が悪化するほど募っていた。あのバカ兄貴、今度から心の中でエビって呼んでやろうか。いやミシェイルの方がいいかな。大半のステ期待値カザハナ以下だもんなとか考えるカムイであった。
カムイ「おばちゃんお代わり!」イライライラ
おばちゃん「はいよ!」ドン
カムイ「…」モグモグモグ
ヒノカ(凄まじい殺意の波動的なものを感じる…今は近づかない方がいいかな…)
110: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/25(月) 21:22:29.39 ID:oIKfv60UO
カムイが無心に米を噛んでいる間に赤ロン毛バカエビ兄貴とカゲロウは帰り、ベルカとサイゾウが話に花を咲かせていた。どうやらさっきは目で会話していたらしい。
カムイ「はあー、疲れました…オバちゃん焼酎ある?」
オバちゃん「はいよ」ドン
サイゾウとベルカの話をぼうっと聞きながら、焼酎を舐めるように飲む。 ペロ。どうやら2人も酒が入っているようで、いつもより饒舌だ。
サイゾウ「…ところでそのバンダナは何だ?四六時中付けているようだが」
ベルカ「これは…思い出、みたいなものね…師匠に貰ったもの。持っているだけで何故かポケットからカロリーメイトが無限に出てくるの。ほらね。一つどう?」
サイゾウ「もらおう…しかし…」モソモソ
サイゾウ「似ている。俺の先代が付けていたものと酷似している。もっとも、何年も前に見たきりだがな」
ベルカ「ふうん…じゃあその先代が師匠にあげたのかしらね」
サイゾウ「いや、確か最期の任務の時もつけてたぞ」
ベルカ「…」
サイゾウ「…」
ベルカ「ユニクロで売ってるのかしらね、無限バンダナ」
サイゾウ「んな訳ないだろう」
ベルカ「しまむらなら分からないわよ」
サイゾウ「もっとあり得ん」
サイゾウ「だが…その師匠の話を、もっとしてくれるか」
ベルカ「…」
ベルカ「…私は孤児だった。ストリート・チルドレンだった私を拾って育ててくれたのが、師匠だった…」
サイゾウ「ちょっと待てそれ相当長いやつじゃないのか」
ベルカ「2時ぐらいには終わる」
今は夜の8時である。
サイゾウ「長い。ジブリ長編映画並みに長い」
ベルカ「序破急全部合わせたよりは全然短い。続けるわよ」
サイゾウ「…話を振ったのは俺だったな。幸い明日は非番だ。最後まで聞こう」
明日から「暗殺者ベルカのすごく長い話」スタート
とりあえず1人目の標的を募集しときます。FEifキャラ以外で頼んます。
>>111
カムイ「はあー、疲れました…オバちゃん焼酎ある?」
オバちゃん「はいよ」ドン
サイゾウとベルカの話をぼうっと聞きながら、焼酎を舐めるように飲む。 ペロ。どうやら2人も酒が入っているようで、いつもより饒舌だ。
サイゾウ「…ところでそのバンダナは何だ?四六時中付けているようだが」
ベルカ「これは…思い出、みたいなものね…師匠に貰ったもの。持っているだけで何故かポケットからカロリーメイトが無限に出てくるの。ほらね。一つどう?」
サイゾウ「もらおう…しかし…」モソモソ
サイゾウ「似ている。俺の先代が付けていたものと酷似している。もっとも、何年も前に見たきりだがな」
ベルカ「ふうん…じゃあその先代が師匠にあげたのかしらね」
サイゾウ「いや、確か最期の任務の時もつけてたぞ」
ベルカ「…」
サイゾウ「…」
ベルカ「ユニクロで売ってるのかしらね、無限バンダナ」
サイゾウ「んな訳ないだろう」
ベルカ「しまむらなら分からないわよ」
サイゾウ「もっとあり得ん」
サイゾウ「だが…その師匠の話を、もっとしてくれるか」
ベルカ「…」
ベルカ「…私は孤児だった。ストリート・チルドレンだった私を拾って育ててくれたのが、師匠だった…」
サイゾウ「ちょっと待てそれ相当長いやつじゃないのか」
ベルカ「2時ぐらいには終わる」
今は夜の8時である。
サイゾウ「長い。ジブリ長編映画並みに長い」
ベルカ「序破急全部合わせたよりは全然短い。続けるわよ」
サイゾウ「…話を振ったのは俺だったな。幸い明日は非番だ。最後まで聞こう」
明日から「暗殺者ベルカのすごく長い話」スタート
とりあえず1人目の標的を募集しときます。FEifキャラ以外で頼んます。
>>111
114: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/26(火) 19:27:02.84 ID:lW3ycpOiO
♯0 名前
カビくさい空気。夜明けの来ない空。騒々しい人々のこえ。
私の記憶は、その直前から途切れている。
私は死ぬ事を予期していた。
私には名前がなかった。
でも名前がない子どもが死ぬことなんて、この町では朝起きてパンを食べることよりも陳腐だった。ありふれていた。
名もない裏路地の奥に、名のない私は倒れる。このまま野犬のお昼になるのも悪くない。
つまらない人生だったな。子供心にそう思った。
師匠「…坊主。おい坊主」
師匠「…まったく…」ヨイショ
師匠「ほれ、食べな。ひでえ顔してる」
「…どうして助けたの?」
師匠「なんでかねえ…強いて言えば…まあいい。ほれ、もたもたしてるとスープが冷める」
「…」ムシャムシャ
師匠(いい食べっぷりだ)
「ごちそうさま。じゃ」ガチャ
師匠「じゃじゃねえよ。まあ待て。泊まっていきな」
「…」
師匠「どうせ帰る所もないんだろう。泊まってけ。金は取らんよ」
「…ありがとう」
師匠「お前、名前は何だ?」
「…ない」
師匠「…ナイちゃんか…斬新な名前だな。流行ってんのか?」
「…」
師匠「冗談だ。早速だがいい事を教えてやろう。『人間は名前の上に成り立ってる』。含蓄があるだろ?俺の言葉」
「…」
師匠「わかんねえよ、な。まあいい。そんなお前に名前をやろう。サービスだ。何がいいかな…」
「いらない」
師匠「まあそう言うなって…げろしゃぶ…フーミン…バルログ…はじめちゃん…ヴェローナ…ルカリオ…うーむ…」
「やめて」
師匠「いいから。…千…メラゾーマ…ベルカ…ベルカ…いいなベルカ。これにするか」
こうして私は名前をもらった。なまえのない子どもは「ベルカ」になった。とりあえず「げろしゃぶ」じゃなくて本当に良かったと思った。
カビくさい空気。夜明けの来ない空。騒々しい人々のこえ。
私の記憶は、その直前から途切れている。
私は死ぬ事を予期していた。
私には名前がなかった。
でも名前がない子どもが死ぬことなんて、この町では朝起きてパンを食べることよりも陳腐だった。ありふれていた。
名もない裏路地の奥に、名のない私は倒れる。このまま野犬のお昼になるのも悪くない。
つまらない人生だったな。子供心にそう思った。
師匠「…坊主。おい坊主」
師匠「…まったく…」ヨイショ
師匠「ほれ、食べな。ひでえ顔してる」
「…どうして助けたの?」
師匠「なんでかねえ…強いて言えば…まあいい。ほれ、もたもたしてるとスープが冷める」
「…」ムシャムシャ
師匠(いい食べっぷりだ)
「ごちそうさま。じゃ」ガチャ
師匠「じゃじゃねえよ。まあ待て。泊まっていきな」
「…」
師匠「どうせ帰る所もないんだろう。泊まってけ。金は取らんよ」
「…ありがとう」
師匠「お前、名前は何だ?」
「…ない」
師匠「…ナイちゃんか…斬新な名前だな。流行ってんのか?」
「…」
師匠「冗談だ。早速だがいい事を教えてやろう。『人間は名前の上に成り立ってる』。含蓄があるだろ?俺の言葉」
「…」
師匠「わかんねえよ、な。まあいい。そんなお前に名前をやろう。サービスだ。何がいいかな…」
「いらない」
師匠「まあそう言うなって…げろしゃぶ…フーミン…バルログ…はじめちゃん…ヴェローナ…ルカリオ…うーむ…」
「やめて」
師匠「いいから。…千…メラゾーマ…ベルカ…ベルカ…いいなベルカ。これにするか」
こうして私は名前をもらった。なまえのない子どもは「ベルカ」になった。とりあえず「げろしゃぶ」じゃなくて本当に良かったと思った。
115: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/26(火) 19:29:24.27 ID:lW3ycpOiO
♯1 師匠
彼の家に住みはじめてから半年が経った。私は彼のかわりに家事をする。初めは教えてもらいながらだったが、すぐにコツは掴めた。
「…あなたは何の仕事をしているの」ゴシゴシ
師匠「…いつか分かる」
コンコン
桜井「すいません。私、株式会社SORAの桜井と申します」
師匠「早速仕事がやってきた。ベルカ、コーヒーを淹れろ」
他の家事は何とかこなせたが、なぜかこれだけは何度やっても慣れなかった。インスタントコーヒーにお湯を注ぐだけなのに。
師匠「…」ズズ
少し味見をすると、師匠はいつも通り自分のグラスにだけ砂糖をしこたまぶち込んで、客の相手を始めた。
桜井「…ええ、そうです。あなたにはこの…おや。その子は?」
ベルカ「…」
師匠「ああ、隠し子です。ハハッ」ズズズズ
桜井「ははっ、面白い冗談だ。…でございますね、この件ばかりは外部の手をかりねばならんのですよ…」
その後さして長くもないやり取りが続き、客は師匠に封筒を渡して帰った。他の客と同じようにコーヒーには口をつけなかった。
師匠「じゃあ、ちょっと行ってくる。留守番頼んだぞ」
ベルカ「…」
師匠「明日には帰るから、昼メシ用意しとけ。棚の食材は好きに調理していい」
ベルカ「…」
師匠「じゃあな」ガチャ バタン
彼の家は地下街のはずれにあった。まわりのと何ら変わらない小さな家だったし、内装にも変わったところはなかった。
116: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/26(火) 19:30:21.39 ID:lW3ycpOiO
3日後の夕方
師匠「帰ったぞ。お、いい匂いだ」ガチャ バタム
「…」
師匠「おかえりはどうした。おかえりは。ほれお土産」ウリウリ
師匠(出迎えてくれる人間がいるってのは…いいもんだな)
「…」ガサゴソ
「…これ何?」
師匠「リフレクターだ。何でも飛び道具を跳ね返せるんだと。ご飯は何だ?腹ペコでな」
「…クリームシチュー」
師匠「ほー、凄いじゃねえか。どおれ…」ズズズ ブフォォ
「…」
師匠「ゲホッゲホッ…味見してるの?いつも」
「…」ズズズ
「…普通だと思う」
師匠「いやおかしい。絶対辛い。ちょっとお隣さんにも食わせてくる」
チョットアジミシテクレマセンカ?
イイデスヨ ブフォオ
師匠「何でだろうな…俺が教えるといつもこうなる…俺のは甘すぎるぐらいなのに…まあいい」
「…ごめん」
師匠「いや。いいんだ。牛乳を足せば食える。昔の人が言った。『料理とはすなわち人生である』」
「…どういう意味?」
師匠「何事も勉強だってことだ。ほれ、さっさと食って銭湯行こうや」
「…うん」
後は2人とも口をきかず、黙々とシチューを口に運んだ。彼は食べ終わった後もしばらくは飴を舐めていた。よほど辛かったらしい。牛乳で5倍ほどに薄めて出したのだが。
これが私の新しい日常になった。家事をして、コーヒーを出し、留守番をして、ご飯を作って帰りを待つ。
テーブルの上には、師匠が持ってきた新聞が一部乗っていた。私は字が読めなかったから内容は分からなかったが、後で聞いたところによると、一面はこんな記事だったらしい。
『スマブラ労働組合副会長、フォックス・マクラウド氏、死体で発見される。彼の死によって、組合と任天堂本社との間の賃上げ交渉は白紙となる見込みである』
師匠「帰ったぞ。お、いい匂いだ」ガチャ バタム
「…」
師匠「おかえりはどうした。おかえりは。ほれお土産」ウリウリ
師匠(出迎えてくれる人間がいるってのは…いいもんだな)
「…」ガサゴソ
「…これ何?」
師匠「リフレクターだ。何でも飛び道具を跳ね返せるんだと。ご飯は何だ?腹ペコでな」
「…クリームシチュー」
師匠「ほー、凄いじゃねえか。どおれ…」ズズズ ブフォォ
「…」
師匠「ゲホッゲホッ…味見してるの?いつも」
「…」ズズズ
「…普通だと思う」
師匠「いやおかしい。絶対辛い。ちょっとお隣さんにも食わせてくる」
チョットアジミシテクレマセンカ?
イイデスヨ ブフォオ
師匠「何でだろうな…俺が教えるといつもこうなる…俺のは甘すぎるぐらいなのに…まあいい」
「…ごめん」
師匠「いや。いいんだ。牛乳を足せば食える。昔の人が言った。『料理とはすなわち人生である』」
「…どういう意味?」
師匠「何事も勉強だってことだ。ほれ、さっさと食って銭湯行こうや」
「…うん」
後は2人とも口をきかず、黙々とシチューを口に運んだ。彼は食べ終わった後もしばらくは飴を舐めていた。よほど辛かったらしい。牛乳で5倍ほどに薄めて出したのだが。
これが私の新しい日常になった。家事をして、コーヒーを出し、留守番をして、ご飯を作って帰りを待つ。
テーブルの上には、師匠が持ってきた新聞が一部乗っていた。私は字が読めなかったから内容は分からなかったが、後で聞いたところによると、一面はこんな記事だったらしい。
『スマブラ労働組合副会長、フォックス・マクラウド氏、死体で発見される。彼の死によって、組合と任天堂本社との間の賃上げ交渉は白紙となる見込みである』
117: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/26(火) 19:31:47.12 ID:lW3ycpOiO
次のターゲットの方お願いしまーす
>>118
>>118
118: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/27(水) 02:27:46.67 ID:/sN+ovC5o
ツバキ
121: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/27(水) 21:16:22.72 ID:jxKugAxDO
どうやら話がひと段落ついたようなので、周りを見渡すカムイ。怒りにもひと段落ついた。タクミ隊は帰ったようで、サクラ隊とヒノカ隊だけ残っている。しかし、何だか違和感が…
カザハナ「な、何ですって~!もう一度行ってみなさいよ、ほら!」
ツクヨミ「私は本当の事を言ったまでではないか!胸ぐらを掴むんじゃない!苦しいから!」
サクラ「あわわわ…ふ、ふたりとも、けんかはやめて下さ~い!」
カムイ「サクラさん…ツバキさんは?何でツクヨミさんがここにいるんですか?」
サクラ「家臣だからですけど…?ツバキさんってどなたですか?」
カムイ「い、いえ、忘れてください。ほら、物が飛んできて危ないですよ」
カザハナ「ふん!それ!そりゃあ!」
ツクヨミ「やめろ!皿を投げるな!痛いから!」ガシャンパリーン
これはサクヨミだかカザヨミだかの異界の影響に違いないとか思うカムイだった。
カムイ(だとしても、ツバキさんは…?)
ヒノカ(思案に耽るカムイもかわいい?)ポロポロ
アサマ「ヒノカ様、そこ口じゃないです。目です」
ヒノカ「え?痛ででででで!早く言えアサマ!」
アサマ「見てて面白かったですよ。では私たちは食べたので帰ります」
セツナ「見張らなくていいの…?」
アサマ「近くに人もいるし大丈夫ですよ。では失礼」
ヒノカ「…」ジー
カムイ(すごいこっち見てる…まあいいや。話の続きを聞きましょう)
カザハナ「な、何ですって~!もう一度行ってみなさいよ、ほら!」
ツクヨミ「私は本当の事を言ったまでではないか!胸ぐらを掴むんじゃない!苦しいから!」
サクラ「あわわわ…ふ、ふたりとも、けんかはやめて下さ~い!」
カムイ「サクラさん…ツバキさんは?何でツクヨミさんがここにいるんですか?」
サクラ「家臣だからですけど…?ツバキさんってどなたですか?」
カムイ「い、いえ、忘れてください。ほら、物が飛んできて危ないですよ」
カザハナ「ふん!それ!そりゃあ!」
ツクヨミ「やめろ!皿を投げるな!痛いから!」ガシャンパリーン
これはサクヨミだかカザヨミだかの異界の影響に違いないとか思うカムイだった。
カムイ(だとしても、ツバキさんは…?)
ヒノカ(思案に耽るカムイもかわいい?)ポロポロ
アサマ「ヒノカ様、そこ口じゃないです。目です」
ヒノカ「え?痛ででででで!早く言えアサマ!」
アサマ「見てて面白かったですよ。では私たちは食べたので帰ります」
セツナ「見張らなくていいの…?」
アサマ「近くに人もいるし大丈夫ですよ。では失礼」
ヒノカ「…」ジー
カムイ(すごいこっち見てる…まあいいや。話の続きを聞きましょう)
122: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/27(水) 21:17:34.34 ID:jxKugAxDO
♯2 門出
それからの数年間、私は師匠に様々な訓練をさせた。瞬発力を高める訓練。持久力を高める訓練。集中力を高める訓練。それと読み書き。あと暗器の使い方も。
「…何でこんなことを教えるの?」
何度聞いても答えは同じだった。
「…今に分かる」ズズズ
いつもコーヒーを飲んでいたのである。私がまともなコーヒーを淹れても、砂糖は五杯ずつ入れていた。どうやら甘いものが好きらしかった。
そして、私の体つきがほんのり女らしくなった頃。料理の腕も上がり、辛味を自由に抑えられるようになった頃。
バタン←客が帰った音
師匠「さて、おれはいつものように仕事に行くが…来るか?」
「行く」
師匠「即答かよ…」
「家事をやらせるために瞬発力を鍛えさせたわけじゃないでしょ」
師匠「ほ、勘がいいな。じゃあ行くか。荷物を詰めな。着替えは2日分あればいい」
やっと師匠の仕事について知ることができる。少し嬉しかった。
それからの数年間、私は師匠に様々な訓練をさせた。瞬発力を高める訓練。持久力を高める訓練。集中力を高める訓練。それと読み書き。あと暗器の使い方も。
「…何でこんなことを教えるの?」
何度聞いても答えは同じだった。
「…今に分かる」ズズズ
いつもコーヒーを飲んでいたのである。私がまともなコーヒーを淹れても、砂糖は五杯ずつ入れていた。どうやら甘いものが好きらしかった。
そして、私の体つきがほんのり女らしくなった頃。料理の腕も上がり、辛味を自由に抑えられるようになった頃。
バタン←客が帰った音
師匠「さて、おれはいつものように仕事に行くが…来るか?」
「行く」
師匠「即答かよ…」
「家事をやらせるために瞬発力を鍛えさせたわけじゃないでしょ」
師匠「ほ、勘がいいな。じゃあ行くか。荷物を詰めな。着替えは2日分あればいい」
やっと師匠の仕事について知ることができる。少し嬉しかった。
123: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/27(水) 21:18:50.06 ID:jxKugAxDO
道具屋
主人「いらっしゃ~い?師匠さん、今日は何買いにきたのお?傷薬?速さの薬?それとも…わたs」
師匠「終いまで言うな、バカ。偽造ビザだ。子供1人分よこしな。あと俺の分の更新も」
主人「おー、怖いわね~え、もしかしてそこの嬢ちゃんの分?」
主人「…ふーん、あんたも弟子なんて取るようになったんだね。人も変わるもんだ」
「?」
師匠「いいからほれ」
主人「まいどあり~?」
バタン
「何であの人、男なのに女の格好してたの?」
師匠「世の中にはな…知るべきことと知るべきじゃないことがあるんだ。これは後者」
いずれ、時が来たら分かるのだそうだ。世の中には不思議がいっぱいある。
師匠「じゃあ今度こそ出発だ。相当歩くから覚悟しとけ」
初めて生まれ育った町を離れ、遠いところに行く。
師匠「ワクワクするか?」
「…少し」
師匠「『人はワクワクのために生きてるんだ』ってな。異界の英雄の言葉だそうだ」
後は特に語るべきこともなく、白夜領に入った。野宿の時にスープは2倍に薄めて飲んでいた。彼は辛いものが嫌いらしい、とやっと気づいた。
主人「いらっしゃ~い?師匠さん、今日は何買いにきたのお?傷薬?速さの薬?それとも…わたs」
師匠「終いまで言うな、バカ。偽造ビザだ。子供1人分よこしな。あと俺の分の更新も」
主人「おー、怖いわね~え、もしかしてそこの嬢ちゃんの分?」
主人「…ふーん、あんたも弟子なんて取るようになったんだね。人も変わるもんだ」
「?」
師匠「いいからほれ」
主人「まいどあり~?」
バタン
「何であの人、男なのに女の格好してたの?」
師匠「世の中にはな…知るべきことと知るべきじゃないことがあるんだ。これは後者」
いずれ、時が来たら分かるのだそうだ。世の中には不思議がいっぱいある。
師匠「じゃあ今度こそ出発だ。相当歩くから覚悟しとけ」
初めて生まれ育った町を離れ、遠いところに行く。
師匠「ワクワクするか?」
「…少し」
師匠「『人はワクワクのために生きてるんだ』ってな。異界の英雄の言葉だそうだ」
後は特に語るべきこともなく、白夜領に入った。野宿の時にスープは2倍に薄めて飲んでいた。彼は辛いものが嫌いらしい、とやっと気づいた。
124: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/27(水) 21:19:59.31 ID:jxKugAxDO
♯3 光
隣の国のことは噂で少し知っていたけど、もちろん見るのは初めてだった。写真で見るよりもずっと、ずっと良かった。
明るい空。賑やかな人々の声。澄み渡った空気。何もかもが、あの街とは違った。
旅館
オボロ(13)「いらっしゃいませ~」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
カムイ「ちょっと待ってください」
ベルカ「…何よ」
カムイ「あの人の家、呉服屋さんじゃなかったでしたっけ?」
ベルカ「旅館の一人娘だった。間違いなく」
カムイ「…邪魔してすいませんでした」
ベルカ「続けるわよ」
カムイ(嫌な予感がする…)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オボロ「ご予約は?」
師匠「してない。2人部屋一つ。飯はいらない」
オボロ「まいど♪では、宿場台帳にご記入をお願いしまーす」
師匠「…これでいいか?」ドサッ
オボロ「…!…へっへっへ、お客様も悪にこざいますね~」ボソボソ
オボロ「お客様2名入りまーす!」
師匠「人間ってのはみんな同じようなもんさ。住んでるところが違っても、『本質』みたいなものは変わらん」
師匠「上っ面はともかく、やってることはだいたい同じだ。分かるか?ん?」
「…誰の言葉?」
師匠「これは一般論さ」
師匠「あの街もあれでいいもんだよ…いつか分かる時が来る。ほれ、ご飯食べ行くぞ」
「…」
隣の国のことは噂で少し知っていたけど、もちろん見るのは初めてだった。写真で見るよりもずっと、ずっと良かった。
明るい空。賑やかな人々の声。澄み渡った空気。何もかもが、あの街とは違った。
旅館
オボロ(13)「いらっしゃいませ~」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
カムイ「ちょっと待ってください」
ベルカ「…何よ」
カムイ「あの人の家、呉服屋さんじゃなかったでしたっけ?」
ベルカ「旅館の一人娘だった。間違いなく」
カムイ「…邪魔してすいませんでした」
ベルカ「続けるわよ」
カムイ(嫌な予感がする…)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オボロ「ご予約は?」
師匠「してない。2人部屋一つ。飯はいらない」
オボロ「まいど♪では、宿場台帳にご記入をお願いしまーす」
師匠「…これでいいか?」ドサッ
オボロ「…!…へっへっへ、お客様も悪にこざいますね~」ボソボソ
オボロ「お客様2名入りまーす!」
師匠「人間ってのはみんな同じようなもんさ。住んでるところが違っても、『本質』みたいなものは変わらん」
師匠「上っ面はともかく、やってることはだいたい同じだ。分かるか?ん?」
「…誰の言葉?」
師匠「これは一般論さ」
師匠「あの街もあれでいいもんだよ…いつか分かる時が来る。ほれ、ご飯食べ行くぞ」
「…」
125: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/27(水) 21:20:55.29 ID:jxKugAxDO
表の通り
ワイワイ ガヤガヤ
屋台の店主「らっしゃい」
師匠「おでん2人前」
店主「あいよ」
店主「…久しぶりじゃねえか。元気してたか?」
師匠「生憎くたばってはいねえな」
店主「そりゃ残念なこったな、ハッ」
店主「ほれ、本日のおすすめ」ドン ドン
師匠「いただきまーす」
「…いただきます」
とりあえずおいしかったことだけは覚えている。
店主「かわいい嬢ちゃんだ。ほれ煮卵」コロン
「…ありがと」
店主「ハハッ」
師匠「ほい、おあいそだ。じゃあな」チャリン
店主「100ゴールド足りんぞ」
師匠「って金取るんかーい!…ったく…ほい」チャリン
店主「ハハッ、まいど!」
ワイワイ ガヤガヤ
屋台の店主「らっしゃい」
師匠「おでん2人前」
店主「あいよ」
店主「…久しぶりじゃねえか。元気してたか?」
師匠「生憎くたばってはいねえな」
店主「そりゃ残念なこったな、ハッ」
店主「ほれ、本日のおすすめ」ドン ドン
師匠「いただきまーす」
「…いただきます」
とりあえずおいしかったことだけは覚えている。
店主「かわいい嬢ちゃんだ。ほれ煮卵」コロン
「…ありがと」
店主「ハハッ」
師匠「ほい、おあいそだ。じゃあな」チャリン
店主「100ゴールド足りんぞ」
師匠「って金取るんかーい!…ったく…ほい」チャリン
店主「ハハッ、まいど!」
126: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/27(水) 21:21:48.95 ID:jxKugAxDO
後は宿に戻って寝る時まで話をしなかった。布団に入り、明かりを消す。
師匠「…ベルカ」
「…」
師匠「寝たか」
「…起きてる」
師匠「…そうか」
「…」
師匠「…」
「…」
師匠「…人を…殺したことはあるか?」
「…ある」
師匠「…」
「…パンが欲しかったから」
師匠「…」
「…」
師匠「…」
「…何か言わないの?『人はパンのみに生きるにあらず』とか」
師匠「…」
「…」
師匠「…そういう仕事ってのも、あるんだ…興味ないか?」
「…ある」
師匠「…それでこそ教えてきた甲斐があるってもんさ…もう寝な。明日は早い」
「…おやすみ」
師匠「おやすみ」
「…布団に入っていい?」
師匠「…zzz」
大きい背中だった。
師匠「…ベルカ」
「…」
師匠「寝たか」
「…起きてる」
師匠「…そうか」
「…」
師匠「…」
「…」
師匠「…人を…殺したことはあるか?」
「…ある」
師匠「…」
「…パンが欲しかったから」
師匠「…」
「…」
師匠「…」
「…何か言わないの?『人はパンのみに生きるにあらず』とか」
師匠「…」
「…」
師匠「…そういう仕事ってのも、あるんだ…興味ないか?」
「…ある」
師匠「…それでこそ教えてきた甲斐があるってもんさ…もう寝な。明日は早い」
「…おやすみ」
師匠「おやすみ」
「…布団に入っていい?」
師匠「…zzz」
大きい背中だった。
127: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/27(水) 21:23:07.47 ID:jxKugAxDO
♯4 仕事
早朝
さっさと宿を引き払って街道に出る。店も空いていないので朝はおにぎりだけだ。具は梅だった。人気のない街はずれまで歩いたところで、説明を受ける。
師匠「お前も想像がついてるだろうが…俺の仕事は人を消すことだ。で、今回のターゲットが今日、荷馬車でここを通ってあっちに行く。それを止めるのが俺たちの仕事だ」
「…」
師匠「何でも、かなりヤバイものを密輸してるんだと。なんだろな。とにかく荷物ごと消してくれとの依頼だ」
「…」
師匠「商人とその奥さんだけのはずだから、俺だけでも仕留められる…はずなんだが、万が一用心棒でも雇われていると困る。そんで、お前を連れてきたってわけ」
「…」
師匠「訓練させたとはいえ流石に素人のお前をプロの用心棒とやらせる訳にはいかん。俺が食い止めている間に2人をやれ。分かったか?」
「…」
師匠「いきなり実戦投入ってのもアレなんだがまあ頑張れ。用心棒がついてなければお前はただ見てるだけでいいからな」
「…了解」
師匠「気に入ったか?その言い回し」
「…うん」
師匠「そうか。じゃあ作戦の詳細は待ちながら話す」
早朝
さっさと宿を引き払って街道に出る。店も空いていないので朝はおにぎりだけだ。具は梅だった。人気のない街はずれまで歩いたところで、説明を受ける。
師匠「お前も想像がついてるだろうが…俺の仕事は人を消すことだ。で、今回のターゲットが今日、荷馬車でここを通ってあっちに行く。それを止めるのが俺たちの仕事だ」
「…」
師匠「何でも、かなりヤバイものを密輸してるんだと。なんだろな。とにかく荷物ごと消してくれとの依頼だ」
「…」
師匠「商人とその奥さんだけのはずだから、俺だけでも仕留められる…はずなんだが、万が一用心棒でも雇われていると困る。そんで、お前を連れてきたってわけ」
「…」
師匠「訓練させたとはいえ流石に素人のお前をプロの用心棒とやらせる訳にはいかん。俺が食い止めている間に2人をやれ。分かったか?」
「…」
師匠「いきなり実戦投入ってのもアレなんだがまあ頑張れ。用心棒がついてなければお前はただ見てるだけでいいからな」
「…了解」
師匠「気に入ったか?その言い回し」
「…うん」
師匠「そうか。じゃあ作戦の詳細は待ちながら話す」
128: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/27(水) 21:24:12.65 ID:jxKugAxDO
夜
ガラガラガラ
師匠「来た…予定通り自然な風を装って近づくぞ」
師匠「すいませーん」
「…」
師匠「ちょっといいですか?」
商人「何だこんな所で…無視していくぞ」
奥さん「そんな、かわいそうよ。ほら、小さい子供まで連れてるじゃない」
商人「…分かったよ。どうされまし…!ぬわーーーーーっ!」ドサッ
奥さん「…そんな!あなたーっ!うっ…」バタッ
師匠「…よし。警護がいなくてよかった。じゃあ死体を処分するから、一応馬車の中を見てくれ。誰かいたらその場で消せ」
「わかった」タタタ
師匠(確かこの夫婦、子供がいたよな…まあいいか。子供一人ぐらいあいつでも何とかなるだろ)
ツバキ(なんてことだ…父上も母上も、一瞬でやられてしまった…かくなる上は…どうしようか)
ツバキ(む…大人の方は…遺体を担いで行ってしまった…か?子供の方がこっちに来る…倒して、そのまま隙をついて逃げるか…?それしかないか…)
ツバキ(武器は…護身用の警棒だけか。無いよりはマシかな?使い方も完璧にマスターしたしね)
ツバキ(足音が近づいてきた…来るぞ…!)
ガラガラガラ
師匠「来た…予定通り自然な風を装って近づくぞ」
師匠「すいませーん」
「…」
師匠「ちょっといいですか?」
商人「何だこんな所で…無視していくぞ」
奥さん「そんな、かわいそうよ。ほら、小さい子供まで連れてるじゃない」
商人「…分かったよ。どうされまし…!ぬわーーーーーっ!」ドサッ
奥さん「…そんな!あなたーっ!うっ…」バタッ
師匠「…よし。警護がいなくてよかった。じゃあ死体を処分するから、一応馬車の中を見てくれ。誰かいたらその場で消せ」
「わかった」タタタ
師匠(確かこの夫婦、子供がいたよな…まあいいか。子供一人ぐらいあいつでも何とかなるだろ)
ツバキ(なんてことだ…父上も母上も、一瞬でやられてしまった…かくなる上は…どうしようか)
ツバキ(む…大人の方は…遺体を担いで行ってしまった…か?子供の方がこっちに来る…倒して、そのまま隙をついて逃げるか…?それしかないか…)
ツバキ(武器は…護身用の警棒だけか。無いよりはマシかな?使い方も完璧にマスターしたしね)
ツバキ(足音が近づいてきた…来るぞ…!)
129: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/27(水) 21:25:43.98 ID:jxKugAxDO
(荷台には…)ツカツカ
ツバキ「今だ…ふんっ!」ドスッ
「ぐっ…!」
荷台に足をかけた途端、腹部に衝撃が来る。鳩尾をまともに突かれた衝撃でナイフを取り落とし、そのままうずくまってしまう。
ツバキ「女の子か…悪いけど、死んでもらうよ」
「…!」
落としたナイフが拾われて、振り上げられるのを肌で感じる。
すんでのところで後ろに飛び下がり、かわす。が、荷台から転げ落ちてしまった。
ツバキ(避けられたか…でも動きが鈍い。次は無いはず…)
ツバキ「せいっ!」
ナイフがベルカの心臓をめがけてまっすぐに投げられる。が、次の瞬間、驚くべきことにナイフは投げた本人…つまり、ツバキの胸に深々とに突き刺さっていたのだ。
ツバキ「そんな…ゲホッ…なぜ…」
膝から崩れ落ちる。この出血ではそう長くは持たないだろう。
「リフレクター…『飛び道具を跳ね返す』…」
ツバキ「そりゃずるいや…ふふっ、僕の…負けだ…完璧に…」
「…」
ツバキ「今だ…ふんっ!」ドスッ
「ぐっ…!」
荷台に足をかけた途端、腹部に衝撃が来る。鳩尾をまともに突かれた衝撃でナイフを取り落とし、そのままうずくまってしまう。
ツバキ「女の子か…悪いけど、死んでもらうよ」
「…!」
落としたナイフが拾われて、振り上げられるのを肌で感じる。
すんでのところで後ろに飛び下がり、かわす。が、荷台から転げ落ちてしまった。
ツバキ(避けられたか…でも動きが鈍い。次は無いはず…)
ツバキ「せいっ!」
ナイフがベルカの心臓をめがけてまっすぐに投げられる。が、次の瞬間、驚くべきことにナイフは投げた本人…つまり、ツバキの胸に深々とに突き刺さっていたのだ。
ツバキ「そんな…ゲホッ…なぜ…」
膝から崩れ落ちる。この出血ではそう長くは持たないだろう。
「リフレクター…『飛び道具を跳ね返す』…」
ツバキ「そりゃずるいや…ふふっ、僕の…負けだ…完璧に…」
「…」
130: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/27(水) 21:26:36.24 ID:jxKugAxDO
師匠「…誰かいたんだな」
「ええ…私が殺した」
師匠「そうか。何を使った?暗器か?」
「これ」つリフレクター
師匠「…そうか。ふん…今ので電池切れだな。まあいい。初仕事、成功だ」
積荷を焼却処分して、暗夜の地下街に帰る。外から街を見たとき、少しだけ…「懐かしく思った」。不思議なものだ。この街に、少しも愛着など感じていなかったはずなのに。
師匠「どうした。お前がそんな顔するの、初めて見たぞ」
「…別に」
131: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/27(水) 21:27:28.53 ID:jxKugAxDO
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
カムイ(ツバキさああああああん!)
カムイ(そんな…間接的にでも私のせいで仲間が…)
カムイ「~!」ゴキュゴキュゴキュ
カムイ「ぶはあぁっ…おじちゃんもう一杯…」ドンッ!
おじちゃん「大丈夫かい嬢ちゃんそんなに飲んで?!」
カムイ「呑まなきゃ…やってられませんよこんなの…!」
カムイ(ツバキさああああああん!)
カムイ(そんな…間接的にでも私のせいで仲間が…)
カムイ「~!」ゴキュゴキュゴキュ
カムイ「ぶはあぁっ…おじちゃんもう一杯…」ドンッ!
おじちゃん「大丈夫かい嬢ちゃんそんなに飲んで?!」
カムイ「呑まなきゃ…やってられませんよこんなの…!」
132: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/27(水) 21:39:29.06 ID:jxKugAxDO
アクア「ここで『カムイの泥酔ゲーム』スタートよ。ルールは簡単」
①ifキャラが指定されるとカムイの泥酔ゲージが1たまる
②それ以外のキャラが指定されるとゲージが1下がる
③これまでにセリフを発しているifキャラは指定不可
④ゲージが0になればアクアが乱入、本編がと同時進行となる
タクミ「で、泥酔ゲージが満タンになるとどうなるんだい…?」
アクア「ヒノカがカムイをテイク☆アウトするだけよ。運が悪ければ世界は破滅…破壊された世界はR板に収束し、絶望的に運が悪ければあなたは暗夜の第一王女と結ばれてあんなことやこんなことをしなければならなくなる…」
タクミ「え゛」
アクア「でも楽しそうよ、この世界のあなた」つiPhone
~閲覧中~
タクミ「う、うわあ…」
アクア「祈りなさい…vipperの良心に…」
アクア「ちなみにさっきがぶ飲みしてたからゲージ2からスタートね。満タンは5よ」
現在の泥酔ゲージ 2
タクミ(頼むぞみんな…!)
①ifキャラが指定されるとカムイの泥酔ゲージが1たまる
②それ以外のキャラが指定されるとゲージが1下がる
③これまでにセリフを発しているifキャラは指定不可
④ゲージが0になればアクアが乱入、本編がと同時進行となる
タクミ「で、泥酔ゲージが満タンになるとどうなるんだい…?」
アクア「ヒノカがカムイをテイク☆アウトするだけよ。運が悪ければ世界は破滅…破壊された世界はR板に収束し、絶望的に運が悪ければあなたは暗夜の第一王女と結ばれてあんなことやこんなことをしなければならなくなる…」
タクミ「え゛」
アクア「でも楽しそうよ、この世界のあなた」つiPhone
~閲覧中~
タクミ「う、うわあ…」
アクア「祈りなさい…vipperの良心に…」
アクア「ちなみにさっきがぶ飲みしてたからゲージ2からスタートね。満タンは5よ」
現在の泥酔ゲージ 2
タクミ(頼むぞみんな…!)
137: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/29(金) 20:38:29.03 ID:piNi2JeWO
♯5 門出
師匠「お前には、俺の知っているすべてを教えた…もう教える事は何も無い」
丸2年かけて、暗殺術やサバイバル術に始まり、格闘術や異界の武器の使い方、忍術の類まで、実践を踏まえつつありとあらゆることを教わった。
「…出て行く」
師匠「そうか…お前がいなくなると寂しいな。またデパ地下の惣菜生活が始まるのか」
「…これ、簡単な料理の作り方。まとめといた」ピラ
師匠「ふん。ありがたく頂戴しよう」
師匠「裏タウンページの「暗殺屋」欄にお前の名前と広告を出しといた。あとは待つだけでいい」
「…ありがとう」
師匠「なあに、広告料は後で請求するさ」
「…行ってきます」
師匠「達者でな」
師匠(『幼少時の過度な精神的外傷は人格の形成に悪影響を及ぼす可能性があります』…ってな)
師匠(俺はお前に、『人並みの心』ってやつも教えたかった…)
師匠(まあそれを身に付けるのも奴の修行のうちなの、か…?)
師匠「…西友行ってくるか」
師匠「お前には、俺の知っているすべてを教えた…もう教える事は何も無い」
丸2年かけて、暗殺術やサバイバル術に始まり、格闘術や異界の武器の使い方、忍術の類まで、実践を踏まえつつありとあらゆることを教わった。
「…出て行く」
師匠「そうか…お前がいなくなると寂しいな。またデパ地下の惣菜生活が始まるのか」
「…これ、簡単な料理の作り方。まとめといた」ピラ
師匠「ふん。ありがたく頂戴しよう」
師匠「裏タウンページの「暗殺屋」欄にお前の名前と広告を出しといた。あとは待つだけでいい」
「…ありがとう」
師匠「なあに、広告料は後で請求するさ」
「…行ってきます」
師匠「達者でな」
師匠(『幼少時の過度な精神的外傷は人格の形成に悪影響を及ぼす可能性があります』…ってな)
師匠(俺はお前に、『人並みの心』ってやつも教えたかった…)
師匠(まあそれを身に付けるのも奴の修行のうちなの、か…?)
師匠「…西友行ってくるか」
138: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/29(金) 20:39:12.75 ID:piNi2JeWO
事務所を構えて3日後
まあ電話があるだけだが。
依頼が来るまでは絶望的に暇である。仕方がないので1Q84を読みながらただ待ち続ける。
ポンポンポンポロロンロンロン カチャ
「もしもし」
「…了解」ガチャ
竜の門
観光客で賑わっている。以上。
「テリウス行き大人一枚」
アンナ「2万ゴールドになります♪」
>>1ゴールド=1円
「はい」ジャラジャラ
アンナ「ご利用ありがとうございます。7番線になります。よい旅を♪」
まあ電話があるだけだが。
依頼が来るまでは絶望的に暇である。仕方がないので1Q84を読みながらただ待ち続ける。
ポンポンポンポロロンロンロン カチャ
「もしもし」
「…了解」ガチャ
竜の門
観光客で賑わっている。以上。
「テリウス行き大人一枚」
アンナ「2万ゴールドになります♪」
>>1ゴールド=1円
「はい」ジャラジャラ
アンナ「ご利用ありがとうございます。7番線になります。よい旅を♪」
139: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/29(金) 20:40:07.55 ID:piNi2JeWO
カタンカタン カタンカタン
(独り立ちしての初仕事が異界、とはね。少し緊張する…)
ダラハウ「ちょっと隣失礼するわよ~」
「!」
ダラハウ「緊張しなくてもいいのよ~子供には変なことしないから~」
「…」
ダラハウ「あなた、どこからきたの~?もちろん答えなくてもいいけど」
「…そういうのは普通、まず自分から明かすものよ」
ダラハウ「ふふ、面白い嬢ちゃんね~教えたげる。ダラハウはFFからきたのよ~」
「…何それ」
ダラハウ「だから言わなかったのよ~で、あなたの番よ」
「…私は暗yアンナ「車内販売でございまーす♪コーヒーはいかがですかー?」
ダラハウ「アイスとコーヒー2つづつお願い~」
アンナ「ありがとうございます♪」チャリン
「…」イラッ
ダラハウ「は~いあなたのぶん」コトン
「?」
ダラハウ「子供には優しいのよ~?」
「いらない」
ダラハウ「いいから食べる!ここのアイスは絶品なんだから~それに子供はアイスが好きって相場が決まってんの」
「それでもいやって言ったら?」
ダラハウ「別に~?ダラハウ人の仕事なんて興味無いしぃ~?暗殺なんて別に~?」
「…!何でわかったの…?」
ダラハウ「においよ、におい。見りゃわかるの。長く生きてると」
140: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/29(金) 20:47:17.12 ID:piNi2JeWO
ダラハウ「で、アイスよ~アイス」
ダラハウ「ここのアイスは絶品なんだけど、いかんせん硬くってすぐには食べられないのね~スプーンの方が折れちゃうのね~」
ダラハウ「でも、ここに少しコーヒーを垂らしてあげるとあら不思議、いい感じに溶けるのね~当たり前か。しかも、コーヒーとアイスがいい感じにマッチしてすごくおいしいのね~」
ダラハウ「新幹線でも売ってるから、良かったらお盆の帰省の時に試してみるのね~」
「どこ見ていってるのよ」
ダラハウ「いいからさっさと試すのね~コーヒー冷めるのね~」
(おいしい…)
ダラハウ「ここのアイスは絶品なんだけど、いかんせん硬くってすぐには食べられないのね~スプーンの方が折れちゃうのね~」
ダラハウ「でも、ここに少しコーヒーを垂らしてあげるとあら不思議、いい感じに溶けるのね~当たり前か。しかも、コーヒーとアイスがいい感じにマッチしてすごくおいしいのね~」
ダラハウ「新幹線でも売ってるから、良かったらお盆の帰省の時に試してみるのね~」
「どこ見ていってるのよ」
ダラハウ「いいからさっさと試すのね~コーヒー冷めるのね~」
(おいしい…)
141: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/29(金) 20:52:59.33 ID:piNi2JeWO
車掌『間も無く~ガリア王国~ガリア王国~お乗り換えの方は、〇〇〇の××…』
ベルカ「じゃあね。これあげる。コーヒーのお礼」
ダラハウ「あら、お料理のレシピなのね~ありがと~お仕事頑張るのね~」
ベルカ「…本気で言ってるの…?人を殺しに行くのに?」
ダラハウ「ダラハウも戦うのが仕事なのね~それにダラハウ子供の味方なのね~」
ベルカ「そう…ありがと」
ダラハウ「諦めない限り、成功は必ずやって来るのね~ばいばいなのね~」
ベルカ「じゃあね。これあげる。コーヒーのお礼」
ダラハウ「あら、お料理のレシピなのね~ありがと~お仕事頑張るのね~」
ベルカ「…本気で言ってるの…?人を殺しに行くのに?」
ダラハウ「ダラハウも戦うのが仕事なのね~それにダラハウ子供の味方なのね~」
ベルカ「そう…ありがと」
ダラハウ「諦めない限り、成功は必ずやって来るのね~ばいばいなのね~」
142: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/29(金) 20:53:49.32 ID:piNi2JeWO
ガリア王国、あの砦の近く
(結局着くのに夜になってしまった…約束の時間まであまり無い…ん?)
砦の外に出て辺りを見回す赤鎧の妙齢の女性が一人。
ティアマト「…遅いわね…」
「…」
ティアマト「…!いつの間に…」
「…要件は?」
ティアマト「とりあえず中に入って話さない?」
「ここで構わない。あまり時間も無いはず」
ティアマト「…依頼は…漆黒の騎士の殺害。ただしグレイルとアイクにはに気づかれずに」
「了解。前金で50万ゴールド」
ティアマト「はい」
「…」ジャラ
ティアマト「じゃあお願いします。絶対ですよ」
「失敗は、しない…」スッ
ティアマト「消えた…」
ティアマト(本当はこんなことしたく無いけど…そうでもしないと…あなたは…!)
(結局着くのに夜になってしまった…約束の時間まであまり無い…ん?)
砦の外に出て辺りを見回す赤鎧の妙齢の女性が一人。
ティアマト「…遅いわね…」
「…」
ティアマト「…!いつの間に…」
「…要件は?」
ティアマト「とりあえず中に入って話さない?」
「ここで構わない。あまり時間も無いはず」
ティアマト「…依頼は…漆黒の騎士の殺害。ただしグレイルとアイクにはに気づかれずに」
「了解。前金で50万ゴールド」
ティアマト「はい」
「…」ジャラ
ティアマト「じゃあお願いします。絶対ですよ」
「失敗は、しない…」スッ
ティアマト「消えた…」
ティアマト(本当はこんなことしたく無いけど…そうでもしないと…あなたは…!)
143: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/29(金) 20:54:42.96 ID:piNi2JeWO
おいでよしっこくの森
(これが森の名前…?)
看板に書いてあるのだから仕方が無い。
しっこく「誰だお前は…?」
「…!」
しっこく「…ふん。私を殺しに来たのだろう?」
「…そうよ」
しっこく「…無駄足だったな。小娘よ。死ぬのはお前だ。身の程をわきまえよ…ふん!」ブオンッ!
「…!」サッ
エタルドの剣先からビイムがほとばしり、さっきまでベルカが居た地点の地面を深くえぐる。
(すごい威力ね…一撃でも食らえば即死…おまけに技も速さも相当高い…当然防御面も鉄壁ときている強敵…まともに戦えば勝ち目は薄い…)
しっこく「ふん!せい!」ブオンッ!ブオンッ!
「…」スタッ!スタッ!
(弱点は…無さそうね…一応針手裏剣を使ってみる…?)チャキ
「それっ!」
No Damage!
しっこく「ふん…効かぬわ。食らえ!」
(まずい…食らう!)
???「何をやっとるんだ!」
いきなりの登場に驚き、手元が狂うしっこく。その隙に回避し、あとずさるベルカ。
しっこく「グレイルですか…待っていましたよ」
「…」
グレイル「誰だお前は…?」
(見つかった…!任務は失敗…このまま逃走する…?)
その時、脳裏に蘇るダラハウの言葉!
(これが森の名前…?)
看板に書いてあるのだから仕方が無い。
しっこく「誰だお前は…?」
「…!」
しっこく「…ふん。私を殺しに来たのだろう?」
「…そうよ」
しっこく「…無駄足だったな。小娘よ。死ぬのはお前だ。身の程をわきまえよ…ふん!」ブオンッ!
「…!」サッ
エタルドの剣先からビイムがほとばしり、さっきまでベルカが居た地点の地面を深くえぐる。
(すごい威力ね…一撃でも食らえば即死…おまけに技も速さも相当高い…当然防御面も鉄壁ときている強敵…まともに戦えば勝ち目は薄い…)
しっこく「ふん!せい!」ブオンッ!ブオンッ!
「…」スタッ!スタッ!
(弱点は…無さそうね…一応針手裏剣を使ってみる…?)チャキ
「それっ!」
No Damage!
しっこく「ふん…効かぬわ。食らえ!」
(まずい…食らう!)
???「何をやっとるんだ!」
いきなりの登場に驚き、手元が狂うしっこく。その隙に回避し、あとずさるベルカ。
しっこく「グレイルですか…待っていましたよ」
「…」
グレイル「誰だお前は…?」
(見つかった…!任務は失敗…このまま逃走する…?)
その時、脳裏に蘇るダラハウの言葉!
144: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/29(金) 20:55:41.96 ID:piNi2JeWO
諦めない限り、成功は必ずやって来るのね~
145: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/29(金) 20:57:00.53 ID:piNi2JeWO
「…」ニッ
グレイル「誰だと聞いている!」
「…殺し屋よ」
グレイル「そんなこったろうと思った。誰の差し金だ?」
「…ティアマト」
グレイル「そんなこったろうと思った。ふん…あの女がな…」
「…援護する」
グレイル「いや、これは俺の戦いだ。俺が一人で決着を付ける…と言いたいところだが…」
グレイル「やっぱり援護してくれ。あいつのためだと思ってな」
「…指示を」
グレイル「…俺が奴の攻撃を受け止めるから、その隙に攻撃しろ。後は臨機応変に。絶対に死ぬな!以上!」
「了解」
146: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/29(金) 20:57:50.76 ID:piNi2JeWO
しっこく「話は終わりですか?…行きますよ。せいっ!」ブンッ!
しっこくがグレイルに直接斬りかかる!
グレイル「ふんががが…!」ギリギリギリ!
が、斧で受け止められ、まともに隙を晒してしまうしっこく。
「もらった…食らえ!」グオンッ!
しっこく「…!ぐわあっ…」ドジャーッ!
全盛期のベーブ・ルースの如き豪快なフルスイングで振り抜かれたハンマーはしっこくの鳩尾をしっかりとミートし、そのまま吹き飛ばす。
「…すくみ不利とはいえ最高威力の特攻武器を貰って、無事なはずが無い…」
しかし、みんなも知っての通り、しっこくは土ボコリの中からむくりと起き上がった。ダメージは無い。
「そんな…なぜ…」
グレイル「『女神の加護』だな。あの鎧は、同じく加護を受けた武器しか受け付けん…」
しっこく「そうです。そして加護を受けた武器はこの世に二つだけ。このエタルドと…このラグネルだけです」
しっこく「本当はラグネルをお貸しする予定でしたが…二人相手だとどうも分が悪い。止めときますよ」
しっこくがグレイルに直接斬りかかる!
グレイル「ふんががが…!」ギリギリギリ!
が、斧で受け止められ、まともに隙を晒してしまうしっこく。
「もらった…食らえ!」グオンッ!
しっこく「…!ぐわあっ…」ドジャーッ!
全盛期のベーブ・ルースの如き豪快なフルスイングで振り抜かれたハンマーはしっこくの鳩尾をしっかりとミートし、そのまま吹き飛ばす。
「…すくみ不利とはいえ最高威力の特攻武器を貰って、無事なはずが無い…」
しかし、みんなも知っての通り、しっこくは土ボコリの中からむくりと起き上がった。ダメージは無い。
「そんな…なぜ…」
グレイル「『女神の加護』だな。あの鎧は、同じく加護を受けた武器しか受け付けん…」
しっこく「そうです。そして加護を受けた武器はこの世に二つだけ。このエタルドと…このラグネルだけです」
しっこく「本当はラグネルをお貸しする予定でしたが…二人相手だとどうも分が悪い。止めときますよ」
147: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/29(金) 20:58:56.23 ID:piNi2JeWO
グレイル「御託はもういい。行くぞ!」
(速い…!)
グレイル「はああっ!」ドドドドッ
しっこく「…」ガギンッ!
ウルヴァンを力任せに叩きつけるグレイル。が、その一撃も軽く盾でいなされてしまう。
しっこく「無駄だと言ったはずです」バッ
グレイル「無駄なもんかい…馬鹿め…」
しっこく「…?ら、ラグネルが…ない!?」
「…スリは得意でね」つラグネル
しっこく「ふん…で、どうする。切り掛かってくるか?ラグネルの重量は20ある…小柄なお前には扱えまいて」
「…こうするのよ」ポイッ
唐突にラグネルを地面に投げ捨てる。
グレイル「な、何をするだー!?」
しっこく「馬鹿め…気でも触れたか…?」
(速い…!)
グレイル「はああっ!」ドドドドッ
しっこく「…」ガギンッ!
ウルヴァンを力任せに叩きつけるグレイル。が、その一撃も軽く盾でいなされてしまう。
しっこく「無駄だと言ったはずです」バッ
グレイル「無駄なもんかい…馬鹿め…」
しっこく「…?ら、ラグネルが…ない!?」
「…スリは得意でね」つラグネル
しっこく「ふん…で、どうする。切り掛かってくるか?ラグネルの重量は20ある…小柄なお前には扱えまいて」
「…こうするのよ」ポイッ
唐突にラグネルを地面に投げ捨てる。
グレイル「な、何をするだー!?」
しっこく「馬鹿め…気でも触れたか…?」
148: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/29(金) 20:59:56.02 ID:piNi2JeWO
身を屈め、ラグネルを拾い上げようとするしっこく。だが、結果的にそれが命取りとなったのだ。
ダダダダダッ
「…せあっ!」ドスッ!
しっこくの背中に飛び乗り、装甲と装甲の隙間に思い切り暗器を突っ込んだのである。
しっこく「…ぐ…なぜだ…なぜ私が…」ドサッ
「いくら加護が付いていると言っても、鎧のないところまで守れはしない。そこを突いた…」
しっこく「…ふん…頭のいい奴だ…この剣を持って行け…俺からのはなむけだ……」
▼神剣エタルドを 手に入れた!
グレイル「…何が…お前を変えちまったんだろうな…ゼルギウス…」
しっこく「…分かりませんね……私は…ゼルギウスじゃ…ない……ただの………しっこく……」
ダダダダダッ
「…せあっ!」ドスッ!
しっこくの背中に飛び乗り、装甲と装甲の隙間に思い切り暗器を突っ込んだのである。
しっこく「…ぐ…なぜだ…なぜ私が…」ドサッ
「いくら加護が付いていると言っても、鎧のないところまで守れはしない。そこを突いた…」
しっこく「…ふん…頭のいい奴だ…この剣を持って行け…俺からのはなむけだ……」
▼神剣エタルドを 手に入れた!
グレイル「…何が…お前を変えちまったんだろうな…ゼルギウス…」
しっこく「…分かりませんね……私は…ゼルギウスじゃ…ない……ただの………しっこく……」
149: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/29(金) 21:00:48.72 ID:piNi2JeWO
グレイル「見ろ。夜明けだ」
「…」
グレイル「こいつがどんな奴だったかって?いい奴だったよ。ただ、いい奴すぎたんだ……きっと、な」
「…ティアマトによろしく言っといて。じゃ」スタスタ
グレイル「待て」グイッ
グレイル「朝飯食って行きな。あと違約金も貰ってねえぞ。ハハッ」
「…案外きっちりしてるのね」
グレイル「こっちも商売やってるんでね。うちの朝はいつもベーコンエッグだ。うまいぞ!」
ティアマト「もう行ってしまうのね」
「…これ、違約金50万ゴールド。グレイルに知られてしまったから」
ティアマト「いいのよ。結果良ければ全て良し、ってね!」
「…じゃあ交通費だけ貰ってく」
ティアマト「…分かったわ。じゃあね。食べ物には気をつけなさい」
「さようなら…ベーコンエッグありがと」スタスタ
「…」
グレイル「こいつがどんな奴だったかって?いい奴だったよ。ただ、いい奴すぎたんだ……きっと、な」
「…ティアマトによろしく言っといて。じゃ」スタスタ
グレイル「待て」グイッ
グレイル「朝飯食って行きな。あと違約金も貰ってねえぞ。ハハッ」
「…案外きっちりしてるのね」
グレイル「こっちも商売やってるんでね。うちの朝はいつもベーコンエッグだ。うまいぞ!」
ティアマト「もう行ってしまうのね」
「…これ、違約金50万ゴールド。グレイルに知られてしまったから」
ティアマト「いいのよ。結果良ければ全て良し、ってね!」
「…じゃあ交通費だけ貰ってく」
ティアマト「…分かったわ。じゃあね。食べ物には気をつけなさい」
「さようなら…ベーコンエッグありがと」スタスタ
151: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/30(土) 12:21:59.83 ID:f0Wur8jdO
ベルカ「こうしてティアマトは幸せな結婚を果たし、しっこくという目玉を失った蒼炎の売り上げはガタ落ちしたのでした。おしまい」
サイゾウ「…もはや師匠関係ないな」
カムイ「ちょっと面白いからいいです。続けてください」
おばちゃん「もう食堂閉めるよ~」
カムイ「仕方ありませんね…場所を移しましょう」
城下のおでん屋
店主「…注文は?」
サイゾウ「厚揚げ」
ベルカ「煮卵」
カムイ「焼酎」
店主「銘柄は」
カムイ「くろきりしま」
ヒノカ「餅巾着」
アクア「トマト」
タクミ「大根」
カムイ「…」
カムイ「…なんか多いような」
アクア「気のせいよ」
サイゾウ「…もはや師匠関係ないな」
カムイ「ちょっと面白いからいいです。続けてください」
おばちゃん「もう食堂閉めるよ~」
カムイ「仕方ありませんね…場所を移しましょう」
城下のおでん屋
店主「…注文は?」
サイゾウ「厚揚げ」
ベルカ「煮卵」
カムイ「焼酎」
店主「銘柄は」
カムイ「くろきりしま」
ヒノカ「餅巾着」
アクア「トマト」
タクミ「大根」
カムイ「…」
カムイ「…なんか多いような」
アクア「気のせいよ」
152: ◆r9UtvwUCQI 2016/07/30(土) 12:22:45.31 ID:f0Wur8jdO
タクミ「それよりあのさ、安価つかないんだけど」
アクア「え?」
タクミ「半日待ったのに安価つかないんだけど」
アクア「1が下手糞な文章書くからかしらね」
タクミ「別に何でもいいけど…どうすんの?話進まないじゃないか」
アクア「じゃあ本編を進めるとして…私がカムイに話しかけるバージョンとヒノカがカムイに話しかけるバージョン、どっちがいい?」
タクミ「後者だと取り返しがつかなくなるだろ!暗夜に婿入りなんて真っ平だ!他の選択肢はないのか?」
アクア「ない」
タクミ「…『運命を変える!』」
アクア「無理ね」
タクミ「…ベルカ、何か喋ってくれ。僕のためだと思って」
ベルカ「…」
埒があかないので選択肢にして再安価します。もう心折れそうだZE!
①カミユ
②ダール
③ウルスラ
④その他
⑤綾波
↓1
アクア「え?」
タクミ「半日待ったのに安価つかないんだけど」
アクア「1が下手糞な文章書くからかしらね」
タクミ「別に何でもいいけど…どうすんの?話進まないじゃないか」
アクア「じゃあ本編を進めるとして…私がカムイに話しかけるバージョンとヒノカがカムイに話しかけるバージョン、どっちがいい?」
タクミ「後者だと取り返しがつかなくなるだろ!暗夜に婿入りなんて真っ平だ!他の選択肢はないのか?」
アクア「ない」
タクミ「…『運命を変える!』」
アクア「無理ね」
タクミ「…ベルカ、何か喋ってくれ。僕のためだと思って」
ベルカ「…」
埒があかないので選択肢にして再安価します。もう心折れそうだZE!
①カミユ
②ダール
③ウルスラ
④その他
⑤綾波
↓1
153: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/30(土) 21:46:41.26 ID:6CQMOowEo
1
154: ◆r9UtvwUCQI 2016/08/01(月) 00:01:20.17 ID:64hsV9YvO
♯6 童帝
ビラク「ベルカ…殺し屋ベルカだな」
「…」
ビラク「随分と若いんだな…初めまして。よろしく頼む」スッ
「…利き手で握手はしない。それに、暗殺に年齢は関係ない」
ビラク「おっと、済まないな…」スッ
「…依頼は?」ギュッ
ビラク「…カミユという男を知っているか?」
「…いいえ」
ビラク「…彼はグルニアの騎士だった。武勇においては、大陸でも1、2を争うほどの…いや、大陸一の実力を持っていた。一騎打ちで彼に敵うものはいなかった。例え相手が人間でなかろうとね」
ビラク「しかし、彼は負けた。指揮官としての彼はさほど有能ではなかったんだ。マルス率いるアリティア軍に武器を壊され…エストに散々(経験値を)搾り取られて殺された」
ビラク「しかし、それはあくまで作られた歴史。表向きの歴史だ」
ビラク「アリティア軍に敗北した後も、ニーナ姫の必死の看病のおかげで彼は一命を取り留めたんだ。姫は大喜びしていたよ…しかし、よほど強い精神的ショックを受けていたのか、彼は記憶を失っていた」
ビラク「ある日、彼はニーナの見ていないうちに病室から逃げ出した。のたれ死んだとも、他の大陸に渡ったとも言われていたが…最近消息が分かったんだ」
「…なぜあなたがそんな事を知っているの?」
ビラク「俺はこう見えてハーディン様の古くからの部下でね…いろいろな情報が流れてくるんだ。それで、あなたにして欲しいのがこの男の暗殺だ」
「…なぜ?」
ビラク「ハーディン様は、ニーナ姫のことで酷く悩んでおられる。カミユを今度こそ地上から抹殺し、ニーナ姫をハーディン様に振り向かせなければならないんだ」
「…」
ビラク「確かに、俺はハーディン様を愛している。でもそれとこれとは話が別だ。俺は男である前にハーディン様の部下だ。騎士だ。ハーディン様の幸せを第一に考えなければならない」
ビラク「薄給の俺がコツコツ貯めた200万ゴールドだ。これで足りるか?」
「…問題ない。やってみよう」ガチャ バタン
ビラク「ハーディン様…」
ビラク「ベルカ…殺し屋ベルカだな」
「…」
ビラク「随分と若いんだな…初めまして。よろしく頼む」スッ
「…利き手で握手はしない。それに、暗殺に年齢は関係ない」
ビラク「おっと、済まないな…」スッ
「…依頼は?」ギュッ
ビラク「…カミユという男を知っているか?」
「…いいえ」
ビラク「…彼はグルニアの騎士だった。武勇においては、大陸でも1、2を争うほどの…いや、大陸一の実力を持っていた。一騎打ちで彼に敵うものはいなかった。例え相手が人間でなかろうとね」
ビラク「しかし、彼は負けた。指揮官としての彼はさほど有能ではなかったんだ。マルス率いるアリティア軍に武器を壊され…エストに散々(経験値を)搾り取られて殺された」
ビラク「しかし、それはあくまで作られた歴史。表向きの歴史だ」
ビラク「アリティア軍に敗北した後も、ニーナ姫の必死の看病のおかげで彼は一命を取り留めたんだ。姫は大喜びしていたよ…しかし、よほど強い精神的ショックを受けていたのか、彼は記憶を失っていた」
ビラク「ある日、彼はニーナの見ていないうちに病室から逃げ出した。のたれ死んだとも、他の大陸に渡ったとも言われていたが…最近消息が分かったんだ」
「…なぜあなたがそんな事を知っているの?」
ビラク「俺はこう見えてハーディン様の古くからの部下でね…いろいろな情報が流れてくるんだ。それで、あなたにして欲しいのがこの男の暗殺だ」
「…なぜ?」
ビラク「ハーディン様は、ニーナ姫のことで酷く悩んでおられる。カミユを今度こそ地上から抹殺し、ニーナ姫をハーディン様に振り向かせなければならないんだ」
「…」
ビラク「確かに、俺はハーディン様を愛している。でもそれとこれとは話が別だ。俺は男である前にハーディン様の部下だ。騎士だ。ハーディン様の幸せを第一に考えなければならない」
ビラク「薄給の俺がコツコツ貯めた200万ゴールドだ。これで足りるか?」
「…問題ない。やってみよう」ガチャ バタン
ビラク「ハーディン様…」
155: ◆r9UtvwUCQI 2016/08/01(月) 00:01:59.01 ID:64hsV9YvO
グルニアのとある海岸にあるとある海の家の外のベンチの右から3番目
カア… カア… ザザーン…
カミユ「…」
「…こんにちは」
カミユ「…私に何の用だ?」
「別に…ご一緒していい?」
カミユ「…構わん」
カア… カア… ザザーン…
カミユ「…こうして海を見ていると…いろんな事を忘れられるな」
「…忘れたいことって何?」
カミユ「ふふ…女の事だな…」
カミユ「昔の女のところに帰ってきたが…こうして毎日海を見ている。何でだろうな」
「…自分の気持ちに嘘をつくのは良くない。好きでもない女のところに行く必要なんてない。海の向こうの女の子は…きっと、あなたの帰りを待ってる」
カミユ「…そう思うか…?」
「…女心なんてそんなもんよ。待つときはとことん待つ…」
カミユ「……帰るか」
「…そうね」
カア… カア… ザザーン…
カア… カア… ザザーン…
カミユ「…」
「…こんにちは」
カミユ「…私に何の用だ?」
「別に…ご一緒していい?」
カミユ「…構わん」
カア… カア… ザザーン…
カミユ「…こうして海を見ていると…いろんな事を忘れられるな」
「…忘れたいことって何?」
カミユ「ふふ…女の事だな…」
カミユ「昔の女のところに帰ってきたが…こうして毎日海を見ている。何でだろうな」
「…自分の気持ちに嘘をつくのは良くない。好きでもない女のところに行く必要なんてない。海の向こうの女の子は…きっと、あなたの帰りを待ってる」
カミユ「…そう思うか…?」
「…女心なんてそんなもんよ。待つときはとことん待つ…」
カミユ「……帰るか」
「…そうね」
カア… カア… ザザーン…
156: ◆r9UtvwUCQI 2016/08/01(月) 00:02:38.80 ID:64hsV9YvO
ビラク「…そうか。分かった。では俺はどうすればいいと思う?」
「…自分で考えなさい。でも…」
「『未来は僕らの手の中』。夢は、実行すればきっと実現する」
ビラク「そうか。ありがとう。そうだよな…」
「…暗殺はしなかったからお金は返すわ…かわりにアドバイス料として100万ゴールド貰ってくけど」
ビラク「好きにしな。俺は指輪を買ってくるから忙しいんだ。じゃあな」
「…頑張ってね。多少応援してる」スタスタスタ
「…自分で考えなさい。でも…」
「『未来は僕らの手の中』。夢は、実行すればきっと実現する」
ビラク「そうか。ありがとう。そうだよな…」
「…暗殺はしなかったからお金は返すわ…かわりにアドバイス料として100万ゴールド貰ってくけど」
ビラク「好きにしな。俺は指輪を買ってくるから忙しいんだ。じゃあな」
「…頑張ってね。多少応援してる」スタスタスタ
157: ◆r9UtvwUCQI 2016/08/01(月) 00:03:19.91 ID:64hsV9YvO
ベルカ「こうしてカミユはジークとして残りの人生を向こうの大陸で送り、ハーディンとビラクは幸せな人生を送りましたとさ。おしまい」
サイゾウ「…感無量だな」
カムイ「短い話でした」
サイゾウ「…感無量だな」
カムイ「短い話でした」
158: ◆r9UtvwUCQI 2016/08/01(月) 00:05:03.19 ID:64hsV9YvO
次の話
①ウルスラ
②ダール
③本編
④綾波
↓1
①ウルスラ
②ダール
③本編
④綾波
↓1
159: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/01(月) 01:21:04.72 ID:3nDu0UeDo
3
162: ◆r9UtvwUCQI 2016/08/02(火) 11:34:44.39 ID:3c2GrVvFO
アクア「残念…①なら世界が終わってたのに…」
タクミ「いやウルスラさん何するんだよ」
アクア「はい」つiPhone
~閲覧中~
タクミ「うへえ…本編で『お優しいソーニャ様』なんて一言言ったばっかりに…」
アクア「間違いなくベルカが捕まって 辱 教とかされた体験談とかになる…」
タクミ「やめてくれよ…てか姉さんさっきから静かになったけどどうしたんだろう?諦めたかな」
アクア「ああ、カムイをクンカクンカしすぎて酸欠で伸びてるのよ」
タクミ「…」
タクミ「いやウルスラさん何するんだよ」
アクア「はい」つiPhone
~閲覧中~
タクミ「うへえ…本編で『お優しいソーニャ様』なんて一言言ったばっかりに…」
アクア「間違いなくベルカが捕まって 辱 教とかされた体験談とかになる…」
タクミ「やめてくれよ…てか姉さんさっきから静かになったけどどうしたんだろう?諦めたかな」
アクア「ああ、カムイをクンカクンカしすぎて酸欠で伸びてるのよ」
タクミ「…」
163: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 11:35:18.96 ID:3c2GrVvFO
」
サイゾウ「どんどん話が本筋から逸れてる気がするんだが?」
ベルカ「そうね。あと20人ぐらいで師匠が出てくるから」
サイゾウ「すでに70人は殺してるよな?」
ベルカ「これでもかいつまんで話してるんだけど」
サイゾウ「…続けてくれ」
ベルカ「…いつものように電話のベルが鳴って、私は家を出た…」
カムイ「うーい、おじちゃんもう一杯…」
店主「もういい加減にしときなよ姉ちゃん…さっきから人間の飲める量じゃない量飲んでるよ…?」
カムイ「…今日は死ぬまで飲むのよ…うえっ…ぐずっ…」
店主「泣くなって…」
カムイ「アクアさん…ところで何でユーレイじゃなくなってるんですか?」
アクア「今更すぎるわ。教えるけどね。あのね、あの時瀕死のあなたの肩に触ってたらね、そのままいっしょに飛んできたの。こっちに。気づいたら日課の腹筋してたの。たしかあの時もやってた腹筋を」
カムイ「そんなことしてるからアクアニキとか言われるんですよ…?」
アクア「歌うのにも腹筋は使うのよ?」
サイゾウ「どんどん話が本筋から逸れてる気がするんだが?」
ベルカ「そうね。あと20人ぐらいで師匠が出てくるから」
サイゾウ「すでに70人は殺してるよな?」
ベルカ「これでもかいつまんで話してるんだけど」
サイゾウ「…続けてくれ」
ベルカ「…いつものように電話のベルが鳴って、私は家を出た…」
カムイ「うーい、おじちゃんもう一杯…」
店主「もういい加減にしときなよ姉ちゃん…さっきから人間の飲める量じゃない量飲んでるよ…?」
カムイ「…今日は死ぬまで飲むのよ…うえっ…ぐずっ…」
店主「泣くなって…」
カムイ「アクアさん…ところで何でユーレイじゃなくなってるんですか?」
アクア「今更すぎるわ。教えるけどね。あのね、あの時瀕死のあなたの肩に触ってたらね、そのままいっしょに飛んできたの。こっちに。気づいたら日課の腹筋してたの。たしかあの時もやってた腹筋を」
カムイ「そんなことしてるからアクアニキとか言われるんですよ…?」
アクア「歌うのにも腹筋は使うのよ?」
164: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 11:35:51.80 ID:3c2GrVvFO
そのころのサクラの部屋
カザハナ「はあ…はあ…もう…やめなよサクラ…明日早いんだよ…?」
サクラ「うふふ…今楽しまなくていつ楽しむんですか…?人生は短いんですよ…?」
カザハナ「こんな時だけ…ほら…もうやめよう…?ツクヨミが起きちゃう…」
サクラ「じゃあ一緒にすればいいじゃないですか…3人ならもっと楽しめるかもしれませんよ…?あと一回…一回だけでいいですから…」
ツクヨミ(…?何をやってるんだ…?気になって眠れん…そういえばこの前もこんな事があったが…)
カザハナ「いやよお…もう…昔っから…そんなに ってるならひとりですればいいじゃない!」
サクラ「そんなこと言って、カザハナさんだってじゃぶじゃぶで処理に困ってるんじゃないんですか…?」
ツクヨミ(何の話をしとるんだ…?二人して同じ布団に入って…)
カザハナ「むう…痛いとこつくのね…いいじゃない。明日早起きして処理するもん」
サクラ「うふっ、私はもう一回ひとりでしてから休みます…お休みなさい」
ツクヨミ(朝から何するというんだ…?ま、まさか…!?いやいや、そんな訳無かろう…)
ツクヨミ(いくら二人が昔からの幼馴染だからって、いくらさっきから2人の息が荒いからって、いくら…いくら…)
ツクヨミ(…フロリダだかブロリーナだかの例もあるし…)
ツクヨミ(…)
ツクヨミ(クソッ…眠れん…)
カザハナ「はあ…はあ…もう…やめなよサクラ…明日早いんだよ…?」
サクラ「うふふ…今楽しまなくていつ楽しむんですか…?人生は短いんですよ…?」
カザハナ「こんな時だけ…ほら…もうやめよう…?ツクヨミが起きちゃう…」
サクラ「じゃあ一緒にすればいいじゃないですか…3人ならもっと楽しめるかもしれませんよ…?あと一回…一回だけでいいですから…」
ツクヨミ(…?何をやってるんだ…?気になって眠れん…そういえばこの前もこんな事があったが…)
カザハナ「いやよお…もう…昔っから…そんなに ってるならひとりですればいいじゃない!」
サクラ「そんなこと言って、カザハナさんだってじゃぶじゃぶで処理に困ってるんじゃないんですか…?」
ツクヨミ(何の話をしとるんだ…?二人して同じ布団に入って…)
カザハナ「むう…痛いとこつくのね…いいじゃない。明日早起きして処理するもん」
サクラ「うふっ、私はもう一回ひとりでしてから休みます…お休みなさい」
ツクヨミ(朝から何するというんだ…?ま、まさか…!?いやいや、そんな訳無かろう…)
ツクヨミ(いくら二人が昔からの幼馴染だからって、いくらさっきから2人の息が荒いからって、いくら…いくら…)
ツクヨミ(…フロリダだかブロリーナだかの例もあるし…)
ツクヨミ(…)
ツクヨミ(クソッ…眠れん…)
165: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 11:36:19.07 ID:3c2GrVvFO
おでん屋
アクア「…」ペラッ ペラッ
カムイ「…どうですか?」
アクア「うん、いいと思う。続きは自室で読むから、じゃあね。そうだタクミ」
タクミ「何だい」
アクア「ちょっと来てもらえる?」
アクア「…」ペラッ ペラッ
カムイ「…どうですか?」
アクア「うん、いいと思う。続きは自室で読むから、じゃあね。そうだタクミ」
タクミ「何だい」
アクア「ちょっと来てもらえる?」
166: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 11:37:26.97 ID:3c2GrVvFO
アクア「月が綺麗ね…」
タクミ「…」
アクア「『天の原 振り放みれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも』…見る場所が違っても、いつも月は同じように見えるのね」
タクミ「…何を企んでるんだ?」
アクア「別に…あら、首に何か付いてるわよ」
タクミ「…!やめ…ぐっ」ドスッ
アクア「ごめんなさいね…ちょっと眠ってて」
オボロ「…あなた…何やってるの…?」ギロ
ヒナタ「なかなか部屋に戻ってこないと思ったら…タクミ様を返してもらう!」
アクア「あら…油断したわね…仕方ない…」
ユーラリユールレリー…
オボロ「む…力が抜ける…」
ヒナタ「何じゃこりゃ…zzz」
アクア「大丈夫よ、傷つけはしないから…」
タクミ「…」
アクア「『天の原 振り放みれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも』…見る場所が違っても、いつも月は同じように見えるのね」
タクミ「…何を企んでるんだ?」
アクア「別に…あら、首に何か付いてるわよ」
タクミ「…!やめ…ぐっ」ドスッ
アクア「ごめんなさいね…ちょっと眠ってて」
オボロ「…あなた…何やってるの…?」ギロ
ヒナタ「なかなか部屋に戻ってこないと思ったら…タクミ様を返してもらう!」
アクア「あら…油断したわね…仕方ない…」
ユーラリユールレリー…
オボロ「む…力が抜ける…」
ヒナタ「何じゃこりゃ…zzz」
アクア「大丈夫よ、傷つけはしないから…」
167: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 11:44:44.42 ID:3c2GrVvFO
」
カムイ「…zzz」
店主「…はー、やっと眠ったか。あんだけ飲みゃな」
ヒノカ「…おぶって帰る。ごちそうさま」チャリン
店主「まいどありー」
ヒノカ「起きてるか…カムイ?」
カムイ「zzz…」
ヒノカ「寝てるか…月が綺麗だぞ。綺麗な緑色の月だ」
カムイ「…?」
ヒノカ「あの時も…こんな月が出てたな…」
カムイ「みどり…?」
ヒノカ「ああ、緑だ」
カムイ「…いいめじるしですね…zzz…」
ヒノカ「?…ふう…重くなったもんだな、カムイ」
カムイ「…zzz」
店主「…はー、やっと眠ったか。あんだけ飲みゃな」
ヒノカ「…おぶって帰る。ごちそうさま」チャリン
店主「まいどありー」
ヒノカ「起きてるか…カムイ?」
カムイ「zzz…」
ヒノカ「寝てるか…月が綺麗だぞ。綺麗な緑色の月だ」
カムイ「…?」
ヒノカ「あの時も…こんな月が出てたな…」
カムイ「みどり…?」
ヒノカ「ああ、緑だ」
カムイ「…いいめじるしですね…zzz…」
ヒノカ「?…ふう…重くなったもんだな、カムイ」
168: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 11:45:14.17 ID:3c2GrVvFO
カムイの部屋
ドサ
カムイ「すう…すう…」
ヒノカ「…」
ヒノカ「はあ…」
ヒノカ(何故だろうか…?不思議と雑念が消えていくようだ…)
カムイ「……シグレ…さん……行か…ないで…あなたまで…失ったら……私は…」
ヒノカ「…ふむ」
ヒノカ「…大丈夫です。俺はどこにも行きませんよ」(裏声)
カムイ「…ほんとに…?」
ヒノカ「ええ、決して」(裏声)
カムイ「…抱きしめて…くれますか…?」
ヒノカ「もちろんだ」ギュッ
カムイ「zzz…」
ヒノカ「じゃあな。おやすみ、カムイ」パタン
ヒノカ「ん、どうしたアクア。そんな変な顔して」
アクア「別に…」
ヒノカ「そうか。おやすみ」
アクア(なぜ…?念には念を入れて、殺人的な量の 薬をAmazonのあの噴霧器で部屋中に満たしておいたのに…)
パカ
『ウコンの力』
アクア(何で瓶がすり替わってるのよ…またあいつが邪魔を…くっ…)
ヒノカはウコンの匂いで鎮静化するやばい体質であった。
ドサ
カムイ「すう…すう…」
ヒノカ「…」
ヒノカ「はあ…」
ヒノカ(何故だろうか…?不思議と雑念が消えていくようだ…)
カムイ「……シグレ…さん……行か…ないで…あなたまで…失ったら……私は…」
ヒノカ「…ふむ」
ヒノカ「…大丈夫です。俺はどこにも行きませんよ」(裏声)
カムイ「…ほんとに…?」
ヒノカ「ええ、決して」(裏声)
カムイ「…抱きしめて…くれますか…?」
ヒノカ「もちろんだ」ギュッ
カムイ「zzz…」
ヒノカ「じゃあな。おやすみ、カムイ」パタン
ヒノカ「ん、どうしたアクア。そんな変な顔して」
アクア「別に…」
ヒノカ「そうか。おやすみ」
アクア(なぜ…?念には念を入れて、殺人的な量の 薬をAmazonのあの噴霧器で部屋中に満たしておいたのに…)
パカ
『ウコンの力』
アクア(何で瓶がすり替わってるのよ…またあいつが邪魔を…くっ…)
ヒノカはウコンの匂いで鎮静化するやばい体質であった。
169: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:17:18.11 ID:KInEUiuiO
おでん屋
ベルカ「これが私の234番目の任務だった。ニノのことを、私は絶対に忘れないと思う」
ベルカ「ピアスの穴は塞いだし、刺青は焼いて消したけど、脳ミソに刻みつけられたものは並大抵なことでは消えなかった」
ベルカ「帰ってきて3日ぐらいで気づいた。自分が女の子にしか興味が持てなくなっていることを」
サイゾウ「…それはそれは」
ベルカ「この事は上司にも、もちろん同僚にも言ってない。恋人はいるけど…」
サイゾウ「もういい。それ以上言うな。何でそんなこと俺に言ったんだ?」
ベルカ「…理由は2つある。一つ目はあなたが不能だから」
サイゾウ「何で知ってるんだ」
ベルカ「あの時ぐしゃりという音が2回聞こえたから」
サイゾウ「」
ベルカ「二つ目は…今から話す。これは、私の235番目の仕事だった…」
ベルカ「これが私の234番目の任務だった。ニノのことを、私は絶対に忘れないと思う」
ベルカ「ピアスの穴は塞いだし、刺青は焼いて消したけど、脳ミソに刻みつけられたものは並大抵なことでは消えなかった」
ベルカ「帰ってきて3日ぐらいで気づいた。自分が女の子にしか興味が持てなくなっていることを」
サイゾウ「…それはそれは」
ベルカ「この事は上司にも、もちろん同僚にも言ってない。恋人はいるけど…」
サイゾウ「もういい。それ以上言うな。何でそんなこと俺に言ったんだ?」
ベルカ「…理由は2つある。一つ目はあなたが不能だから」
サイゾウ「何で知ってるんだ」
ベルカ「あの時ぐしゃりという音が2回聞こえたから」
サイゾウ「」
ベルカ「二つ目は…今から話す。これは、私の235番目の仕事だった…」
170: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:17:52.41 ID:KInEUiuiO
♯7 離別
フウマ王国
コタロウ「…ということだ。頼めるな?」
「…仕事の選り好みはしない…前金で3000万ゴールド」
コタロウ「ほれ」
「…やってみる」シュパッ
コタロウ「消えた…ふっ…ふふふ…!今度こそ…今度こそ…お前は死ぬのだ…!」
コタロウ「それも…かつての教え子の手にかかってだ…!さぞ嬉しかろう…フフフ…ははははは…ハーッハッハッハッ!」
フウマ王国
コタロウ「…ということだ。頼めるな?」
「…仕事の選り好みはしない…前金で3000万ゴールド」
コタロウ「ほれ」
「…やってみる」シュパッ
コタロウ「消えた…ふっ…ふふふ…!今度こそ…今度こそ…お前は死ぬのだ…!」
コタロウ「それも…かつての教え子の手にかかってだ…!さぞ嬉しかろう…フフフ…ははははは…ハーッハッハッハッ!」
171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:18:18.68 ID:KInEUiuiO
地下街
「ただいま…」ガチャ
師匠「おかえり。早かったな」ズズズ
久しぶりに会った彼は、またコーヒーを飲んでいた。あの甘い甘いやつだ。
「…」
師匠「何しに来た?」
「…あなたを…殺しに来た」
師匠「…だろうな。わざわざパエリヤを作りに来てくれた訳でもあるまい」
「…たくさんの人を、殺した」
「…いろんな人を殺した。強い人もいたし、弱い人もいた。騎士もいたし、盗賊だっていた。相手が女も、子供でさえも依頼なら迷わず殺した…」
師匠「…ならばこんな老ぼれに躊躇することもなかろ」
「…いろんな人と出会った…優しい人もいた。意地悪な人もいた。ある人はご飯を作ってくれたし、ある人は私をxxxしようとした。でも…」
「私は殺した。私は依頼なら誰であっても殺した。きっとそれは、相手が世界の王であっても、地獄の鬼であっても変わらないと思う」
師匠「…なかなか詩的な表現だ」
「でも…私は機械じゃない」
「…私は、あなたを殺せない」
「ただいま…」ガチャ
師匠「おかえり。早かったな」ズズズ
久しぶりに会った彼は、またコーヒーを飲んでいた。あの甘い甘いやつだ。
「…」
師匠「何しに来た?」
「…あなたを…殺しに来た」
師匠「…だろうな。わざわざパエリヤを作りに来てくれた訳でもあるまい」
「…たくさんの人を、殺した」
「…いろんな人を殺した。強い人もいたし、弱い人もいた。騎士もいたし、盗賊だっていた。相手が女も、子供でさえも依頼なら迷わず殺した…」
師匠「…ならばこんな老ぼれに躊躇することもなかろ」
「…いろんな人と出会った…優しい人もいた。意地悪な人もいた。ある人はご飯を作ってくれたし、ある人は私をxxxしようとした。でも…」
「私は殺した。私は依頼なら誰であっても殺した。きっとそれは、相手が世界の王であっても、地獄の鬼であっても変わらないと思う」
師匠「…なかなか詩的な表現だ」
「でも…私は機械じゃない」
「…私は、あなたを殺せない」
172: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:18:50.97 ID:KInEUiuiO
カチャカチャ
師匠「いつぶりだろうな。こんな風に2人で食事するのは」
「…あのレシピ、ちゃんと役に立った?」
師匠「ああ。そうめんなら茹でられるようになったぞ」
「…ふふっ」ゴソゴソ
師匠「…なんだ?それは」
「…これは、ある黒騎士が持っていた魔剣」
「これは、ある盗賊が持っていたサンダーソード。彼の放つ言葉のひとつひとつが伝説となった」
「これはある女が持っていた雷の魔道書。1人の女を心から慕っていた…愚かな人だった」
「これは…ある少女が持っていた装身具。頭に付けるらしい。彼女もまた、哀しい操り人形だった…」
「色んな経験をした。まだ沢山ある」
「でも私は、あなたの話が聞きたい。あなたは私の全てを知っていた。でも私はあなたの名前すら知らない」
師匠「…俺の、過去か?」
「そう」
師匠「ハハッ…俺は、お前の思っているような人間じゃないぞ?」
「構わない。聞かせて」
師匠「後悔しないか?」
「しない」
師匠「分かった。…教えよう…」
師匠「いつぶりだろうな。こんな風に2人で食事するのは」
「…あのレシピ、ちゃんと役に立った?」
師匠「ああ。そうめんなら茹でられるようになったぞ」
「…ふふっ」ゴソゴソ
師匠「…なんだ?それは」
「…これは、ある黒騎士が持っていた魔剣」
「これは、ある盗賊が持っていたサンダーソード。彼の放つ言葉のひとつひとつが伝説となった」
「これはある女が持っていた雷の魔道書。1人の女を心から慕っていた…愚かな人だった」
「これは…ある少女が持っていた装身具。頭に付けるらしい。彼女もまた、哀しい操り人形だった…」
「色んな経験をした。まだ沢山ある」
「でも私は、あなたの話が聞きたい。あなたは私の全てを知っていた。でも私はあなたの名前すら知らない」
師匠「…俺の、過去か?」
「そう」
師匠「ハハッ…俺は、お前の思っているような人間じゃないぞ?」
「構わない。聞かせて」
師匠「後悔しないか?」
「しない」
師匠「分かった。…教えよう…」
173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:19:21.00 ID:KInEUiuiO
師匠「…俺は…空っぽだ」
師匠「…俺はあの時、国を捨てた。家族を捨てた。自分の名前すら捨てた…逃げたんだ」
師匠「逃げて逃げて逃げて逃げまくった。いろんな国に行った。色んな世界に行った。色んな人とも会った」
師匠「でも…逃げきれなかった」
師匠「俺は…自分から逃げてた…弱い…何も守ることのできない…自分から、な」
師匠「で、逃げることも出来なくなった俺は仕方なくこの世界に帰ってきた。怖くて怖くて仕方がなかった」
師匠「また、俺のせいで人が死ぬのは真っ平だったし…何より怖かったんだ。自分が死ぬのが」
師匠「そこで出会ったのが、お前だ。初めて街で見かけた時、何か…グッとくるものがあったんだな…そうだ。息子に似てた」
師匠「そして、名前を付けた…なまえのない奴が名前を…な」
「『人間は、名前の上に成り立ってる』…あなたが最初に言った言葉」
師匠「そうだ。俺は空っぽさ」
「…あげる。私が名前を付けてあげる」
師匠「いやいや、その必要はない。なぜって?俺はな…」
師匠「やめたんだ。逃げるの」
師匠「一回しか言わないからよ~く聞いとけよ…」
師匠「……かつて、俺は白夜王国に仕える忍者だった」
師匠「俺には2人の息子がいた。兄には俺の名を…弟にはスズカゼと名付けた」
師匠「…俺の名前は……名前はな!」
174: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:19:48.22 ID:KInEUiuiO
パリンッ ドスッ
師匠「ぐっ…」ブッ
「…!敵…10以上いる…」
師匠「…どうやら…お前の雇い主は…お前を信用して…なかったらしいな…ゲホッ…」
「…喋っちゃダメ…あなたを担いで逃げる…」
師匠「無理だ…敵はプロ…勝ち目はない」
師匠「だが…お前だけなら何とか…なるかもしれん…」
「…ダメよ」
師匠「じゃあな」
「ダメ…」
師匠「そうそう、これを貸してやる。絶対返せよ」
「…絶対返す。だから…」
師匠「また会おう」バッ
175: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:20:20.20 ID:KInEUiuiO
師匠「やいやい、フウマ王国の犬ども!手柄を立てたいやつは誰だ?かかってくるがいい!俺は逃げも隠れもするけどね!ふははははっ!」シュタタタ
フウマ兵達「いたぞ…!あそこだ!クソッ、あの怪我でなぜ動ける?」
追いかけたかった。走り出したかった。なのに、動かなかった。足が動かなかった。
私はまた、ひとりになった。
フウマ兵達「いたぞ…!あそこだ!クソッ、あの怪我でなぜ動ける?」
追いかけたかった。走り出したかった。なのに、動かなかった。足が動かなかった。
私はまた、ひとりになった。
176: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:20:59.40 ID:KInEUiuiO
♯8 最期
「…ギルティ」
コタロウ「」ドサッ
「仇は討った…なのに…どうして…」
胸が痛い。ズキズキする。頭も痛い。
これは、どんな気持ち?思い出せない。
「…ギルティ」
コタロウ「」ドサッ
「仇は討った…なのに…どうして…」
胸が痛い。ズキズキする。頭も痛い。
これは、どんな気持ち?思い出せない。
177: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:21:37.04 ID:KInEUiuiO
ジリリリリリン ジリリリリリン
「…もしもし」
「了解」
????「お礼は幾らでも積むわ。あの子を殺して頂戴。どう?」
「…了解。前金で5000万ゴールド」
????「はい」
「時間がかかる…しばし待て」
????「分かったわ…でもあなた大丈夫?目に生気がないわよ…?」
「…」ガチャ バタン
178: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:22:17.42 ID:KInEUiuiO
(今回のターゲットは王族。失敗は万が一にでも許されない。いつも以上に綿密な計画を練る)
(まずはターゲットの行動パターンを完全に把握する)
北の城塞 カミラの部屋
カミラ「あなたが私の新しいメイドさんかしら?よろしくね」ニコ
「よろしくお願いします」
カミラ「あなた…」ツカツカ
(!)
カミラ「随分ひどい顔してるじゃない…大丈夫?」
「ええ、健康体です」
カミラ「辛かったら言いなさい…うふふっ」ムニ
「…」
カミラ「前の召使いが急に里帰りしちゃってね、困ったのよ?」ギュッ
「…どうして抱きしめるんですか?」
カミラ「ああ、私の悪い癖ね。(胸の)かわいそうな子を見ると、つい抱きしめたくなっちゃう…」ギュウウウウ
「…」
カミラ「さあ、もうお風呂の時間ね。一緒に来て頂戴な」
前の召使いが帰ってくることは決してない。今頃三途の川の向こう側で両親と再会しているところだろうから。
179: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:22:44.63 ID:KInEUiuiO
お風呂
カムイと違ってこういう所にはきっちりしており、お風呂は専用。
カミラ「はあー…いいお湯ね~…」
ザパーン…
「私も一緒に入るんですか?」
カミラ「当たり前じゃない?もっとあなたと仲良くしたいの」
「…」ヌギヌギ
ザパーン…
カミラ「あら、メイドにしてはいい体してるわね。筋肉質で…よく締まってる」
「…」
カミラ「ちょっと触っていいかしら…?」
「!」
カミラ「ほーら…緊張しないで…?ふんふん…あらあら…逃げちゃダメよ…?あら…気絶しちゃった…ちょっと撫でただけなのに…」
「」ボコボコボコ
「申し訳ございません。介抱までして頂いて」
カミラ「いいのよ。それに、こういう時は『ありがとう』よ?」
「…ありがとうございます」
カミラ「ふふ、それでいいの。さあ、ご飯食べに行きましょう」
カムイと違ってこういう所にはきっちりしており、お風呂は専用。
カミラ「はあー…いいお湯ね~…」
ザパーン…
「私も一緒に入るんですか?」
カミラ「当たり前じゃない?もっとあなたと仲良くしたいの」
「…」ヌギヌギ
ザパーン…
カミラ「あら、メイドにしてはいい体してるわね。筋肉質で…よく締まってる」
「…」
カミラ「ちょっと触っていいかしら…?」
「!」
カミラ「ほーら…緊張しないで…?ふんふん…あらあら…逃げちゃダメよ…?あら…気絶しちゃった…ちょっと撫でただけなのに…」
「」ボコボコボコ
「申し訳ございません。介抱までして頂いて」
カミラ「いいのよ。それに、こういう時は『ありがとう』よ?」
「…ありがとうございます」
カミラ「ふふ、それでいいの。さあ、ご飯食べに行きましょう」
180: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:23:37.08 ID:KInEUiuiO
食堂
カミラ「あなた、どこの生まれなの?」
「城下の商人の生まれで…」
カミラ「ふうん…大きな声じゃ言えないけど私、よくお忍びで城下に遊びに行ってるの…今度遊びに行ってみていいかしら?」モグモグ
「ええ。構いません」モグモグ
(いざとなったら何か理由を付けて断ればいい。それより…どうしてこのご飯、味がしないの…?ゴムでも噛んでるみたい)
「先に戻ってベッドメイクをしておきます」
カミラ「分かったわ。あら、マークス兄様じゃない」
マークス「おや、どうしたカミラ?」
バタン
(気のせいじゃ…ない。あの人の近くにいると…近くにいると…?分からない…どんな気持ち…?呼吸が増える…心拍数が上がる…)
(ベッドを整えなきゃ…)
カミラ「あなた、どこの生まれなの?」
「城下の商人の生まれで…」
カミラ「ふうん…大きな声じゃ言えないけど私、よくお忍びで城下に遊びに行ってるの…今度遊びに行ってみていいかしら?」モグモグ
「ええ。構いません」モグモグ
(いざとなったら何か理由を付けて断ればいい。それより…どうしてこのご飯、味がしないの…?ゴムでも噛んでるみたい)
「先に戻ってベッドメイクをしておきます」
カミラ「分かったわ。あら、マークス兄様じゃない」
マークス「おや、どうしたカミラ?」
バタン
(気のせいじゃ…ない。あの人の近くにいると…近くにいると…?分からない…どんな気持ち…?呼吸が増える…心拍数が上がる…)
(ベッドを整えなきゃ…)
181: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:24:13.12 ID:KInEUiuiO
カミラ「どう?できてるかしら?」
「はい」
カミラ「ふふふ…よろしい。ちょっと本を読むから、紅茶を入れてもらえる?」
「…はい」コポコポコポ
カミラ「濃~いのを入れてね?」
「…はい」
カミラ「ふふふ…手際がいいのね」
「…恐縮です」
「…できました」
カミラ「ありがとう。砂糖をちょうだいな」
彼女は砂糖を五杯入れた。大さじにたっぷり五杯。
182: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:24:59.73 ID:KInEUiuiO
『甘くないとな、飲めねえんだよ。甘くない紅茶なんて紅茶じゃない。ピクルスのないハンバーガーみたいなもんだ』
『ピクルス程度の違い…?』
『こういうのは細部が大事なんだ。細かいところの積み上げが自分を作る。わかるか?』
『…うん』
『ほれ、砂糖だ。俺と同じ五杯』
ズズズ
『甘すぎる…!』
183: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:25:33.69 ID:KInEUiuiO
カミラ「…」ズズズ
「…」
カミラ「…どうしたの…?」
「…帰れない…」
カミラ「?」
「…あなたを殺さなきゃ…でも…」
「…帰りたくない…これは…何の気持ち…?」
カミラ「…帰らなくてもいい。ここをあなたの家にすればいい」
カミラ「悲しいのなら…泣きなさい。私の胸の中で。思いっきり泣きなさい」ギュッ
私は泣いた。生まれて初めて。恥も外聞もなく泣いた。身体中の水分が出尽くしたと思うまで泣いた。
私を捨てた家族のために泣いた。私が殺した人達のために泣いた。そして、師匠のために泣いた。
「私は…一生…あなたに仕える…いいでですか…?」
カミラ「もちろんよ…私の大切な…ベルカ…」
「…」
カミラ「…どうしたの…?」
「…帰れない…」
カミラ「?」
「…あなたを殺さなきゃ…でも…」
「…帰りたくない…これは…何の気持ち…?」
カミラ「…帰らなくてもいい。ここをあなたの家にすればいい」
カミラ「悲しいのなら…泣きなさい。私の胸の中で。思いっきり泣きなさい」ギュッ
私は泣いた。生まれて初めて。恥も外聞もなく泣いた。身体中の水分が出尽くしたと思うまで泣いた。
私を捨てた家族のために泣いた。私が殺した人達のために泣いた。そして、師匠のために泣いた。
「私は…一生…あなたに仕える…いいでですか…?」
カミラ「もちろんよ…私の大切な…ベルカ…」
184: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:26:13.58 ID:KInEUiuiO
エピローグ
それから私は、いろいろなものを得て、いろいろなものを失った。
いろいろな人とも会った。殺し屋としてでなく、一人の人間として。支援力も0から30まで上がった。でも、代わりに私の体は急速に力を失っていった。人を殺すのを止めたからかもしれない。
ルーナ「ほらベルカ!金曜ロードショーの時間よ!早く来る!」
たくさん仲間も出来た。愉快な同僚もできた。やたらうるさいのには閉口だけど。
「分かったわ…今日は何?」
ルーナ「確か新劇場版の急よ!早くそのカロリーメイト食べなさい!ったくもう…私も手伝う!モグモグモグ…ゴクン…べ、別に…」
「『あんたのためじゃないんだからね!』でしょ?悪いわね。ダイエット中じゃなかった?」
ルーナ「そ、そうよ!さっさと行くためなんだから!早く!こっち!ポップコーン持って!」
「…はいはい」
カミラ「ふう~面白かったわ。ね、ベルカ」
「…髪を内巻きにするのを止めて」
カミラ「いいじゃない…ふふふ…そうだルーナ、ドイツ語に興味はない?」
ルーナ「ないですよ!あんたバカァ?…うっ!」
「…プッ」
ルーナ「わ、笑ったわね~!待ちなさい!この無表情女!」
「私は捕まらない…さっさと逃げるもの。じゃあね」タタタタ
ルーナ「待ちなさいよ~!もう!」
カミラ「ふふふ…仲が良くて何よりだにゃん♪」
ルーナ「ミサトさんの方がまだマシだと思いますよ?」
もう、ひとりじゃない。見てる?師匠…
終劇
それから私は、いろいろなものを得て、いろいろなものを失った。
いろいろな人とも会った。殺し屋としてでなく、一人の人間として。支援力も0から30まで上がった。でも、代わりに私の体は急速に力を失っていった。人を殺すのを止めたからかもしれない。
ルーナ「ほらベルカ!金曜ロードショーの時間よ!早く来る!」
たくさん仲間も出来た。愉快な同僚もできた。やたらうるさいのには閉口だけど。
「分かったわ…今日は何?」
ルーナ「確か新劇場版の急よ!早くそのカロリーメイト食べなさい!ったくもう…私も手伝う!モグモグモグ…ゴクン…べ、別に…」
「『あんたのためじゃないんだからね!』でしょ?悪いわね。ダイエット中じゃなかった?」
ルーナ「そ、そうよ!さっさと行くためなんだから!早く!こっち!ポップコーン持って!」
「…はいはい」
カミラ「ふう~面白かったわ。ね、ベルカ」
「…髪を内巻きにするのを止めて」
カミラ「いいじゃない…ふふふ…そうだルーナ、ドイツ語に興味はない?」
ルーナ「ないですよ!あんたバカァ?…うっ!」
「…プッ」
ルーナ「わ、笑ったわね~!待ちなさい!この無表情女!」
「私は捕まらない…さっさと逃げるもの。じゃあね」タタタタ
ルーナ「待ちなさいよ~!もう!」
カミラ「ふふふ…仲が良くて何よりだにゃん♪」
ルーナ「ミサトさんの方がまだマシだと思いますよ?」
もう、ひとりじゃない。見てる?師匠…
終劇
185: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:26:58.40 ID:KInEUiuiO
サイゾウ「何で初めて会った時に言わなかったんだ?こんな重要なこと」
ベルカ「面白いかなって」
サイゾウ「あのな、おそらく…9割9分9厘お前の師匠とやらは死んだはずの俺の親父だ」
サイゾウ「うちの家系は味覚がかなり変わっててな、甘味が嫌いな形質と好きな形質が交互に現れる」
ベルカ「ハゲフサの法則みたいね」
サイゾウ「次に、スズカゼは俺の弟だ。そんなに多い名前じゃない」
ベルカ「でも、死んだんでしょう?」
サイゾウ「死んだはずなんだが…昔から死んだふりと甘味が大好きな親父だった。ことに死んだふりに関しては超一流だった。昔から何度騙されたことやら…なんせ死んだふりをしながら寝るんだからな」
サイゾウ「最後に、風魔の奴らが狙ってたってのが理由だ。一度殺し損ねた相手を殺しに来た…とても自然だ」
サイゾウ「まあ、今となっては真実は闇の中…だが」
ベルカ「面白いかなって」
サイゾウ「あのな、おそらく…9割9分9厘お前の師匠とやらは死んだはずの俺の親父だ」
サイゾウ「うちの家系は味覚がかなり変わっててな、甘味が嫌いな形質と好きな形質が交互に現れる」
ベルカ「ハゲフサの法則みたいね」
サイゾウ「次に、スズカゼは俺の弟だ。そんなに多い名前じゃない」
ベルカ「でも、死んだんでしょう?」
サイゾウ「死んだはずなんだが…昔から死んだふりと甘味が大好きな親父だった。ことに死んだふりに関しては超一流だった。昔から何度騙されたことやら…なんせ死んだふりをしながら寝るんだからな」
サイゾウ「最後に、風魔の奴らが狙ってたってのが理由だ。一度殺し損ねた相手を殺しに来た…とても自然だ」
サイゾウ「まあ、今となっては真実は闇の中…だが」
186: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:27:27.72 ID:KInEUiuiO
忍者「あち~、よっこらしょ」
店主「おう、久しぶりじゃねえか。元気してたか?」
忍者「生憎元気でな、ピンピンしてら」
店主「はんっ、そら残念なこったね」
忍者「『本日のおすすめ』3つ」
店主「おうよ!」
ベルカ「…あなた、どっかで見たことがある…?」
サイゾウ「……何で生きてるんだ?」
師匠「何のことかな~」
店主「ほいできた。おすすめ3つ」
師匠「ベルカ、ほら返せ。約束のバンダナ」
ベルカ「…」ゴッ
師匠「あたっ…何すんだ!」
ベルカ「…他に言うことはないの?」
師匠「…ただいま」
ベルカ「おかえり、師匠」ギュッ
師匠「ハハっ、大きくなったな…こっちは大きくなってないg」
ベルカ「…」ギチギチギチ
師匠「あだだだだだ!痛い!痛いから!」
サイゾウ「…父上は変わりませんね」
師匠「…ふん…簡単に変わるもんじゃねえよ。人ってのはな」
「ベルカの凄く長くて重い話」おしまい
店主「おう、久しぶりじゃねえか。元気してたか?」
忍者「生憎元気でな、ピンピンしてら」
店主「はんっ、そら残念なこったね」
忍者「『本日のおすすめ』3つ」
店主「おうよ!」
ベルカ「…あなた、どっかで見たことがある…?」
サイゾウ「……何で生きてるんだ?」
師匠「何のことかな~」
店主「ほいできた。おすすめ3つ」
師匠「ベルカ、ほら返せ。約束のバンダナ」
ベルカ「…」ゴッ
師匠「あたっ…何すんだ!」
ベルカ「…他に言うことはないの?」
師匠「…ただいま」
ベルカ「おかえり、師匠」ギュッ
師匠「ハハっ、大きくなったな…こっちは大きくなってないg」
ベルカ「…」ギチギチギチ
師匠「あだだだだだ!痛い!痛いから!」
サイゾウ「…父上は変わりませんね」
師匠「…ふん…簡単に変わるもんじゃねえよ。人ってのはな」
「ベルカの凄く長くて重い話」おしまい
187: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/02(火) 18:31:10.20 ID:KInEUiuiO
カップリングが色々とおかしいね。いつの間にか脳みそソレイユになってるね。でも、悪くないと思う。
毒食わば皿までという言葉がありまして。ベルカの馴れ初めでも書こうかなと。
暗夜女子から一人。カミラとルーナ以外
↓1
毒食わば皿までという言葉がありまして。ベルカの馴れ初めでも書こうかなと。
暗夜女子から一人。カミラとルーナ以外
↓1
188: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/03(水) 01:33:37.21 ID:v3QzkOyTo
エリーゼ
192: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/03(水) 12:49:57.44 ID:5uMWAjC9O
家臣になってからから1ヶ月後
クラーケンシュタイン城の裏口
ザー…
ガチャ
「…ただいま」
カミラ「あら、おかえりなさい。雨降ってたでしょう?お風呂はいってきたら?」
「そうする」
カミラ「また前の事務所に行ってきたの?」
「…依頼が来てたから。専用の道具がいるの」
カミラ「大変ね…これでも随分減らしたんでしょう?」
「…週一ぐらいには。前は一日一殺がノルマだったけど」
カミラ「…」
「シャワー浴びてくる…」
ザー…
『お花は要りませんかー?そこのお姉さん!安くしとくよ~!』
『…一本お願い』
『まいどあり~!』
ピチョン…ピチョン…
なぜ買ってしまったのだろう?欲しくもない花を。
「…」
クラーケンシュタイン城の裏口
ザー…
ガチャ
「…ただいま」
カミラ「あら、おかえりなさい。雨降ってたでしょう?お風呂はいってきたら?」
「そうする」
カミラ「また前の事務所に行ってきたの?」
「…依頼が来てたから。専用の道具がいるの」
カミラ「大変ね…これでも随分減らしたんでしょう?」
「…週一ぐらいには。前は一日一殺がノルマだったけど」
カミラ「…」
「シャワー浴びてくる…」
ザー…
『お花は要りませんかー?そこのお姉さん!安くしとくよ~!』
『…一本お願い』
『まいどあり~!』
ピチョン…ピチョン…
なぜ買ってしまったのだろう?欲しくもない花を。
「…」
193: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/03(水) 12:50:38.61 ID:5uMWAjC9O
次の日
花売り「あら、お客さんまた来てくれたの?嬉しい!」
(また来てしまった…昨日買ったばっかりなのに…)
「一本ちょうだい」
花売り「まいどあり~!」
花売り「あれ…お客さん!お花忘れてる!お花!」
「…あ、ごめんなさい」
花売り「ねえ…あなたどこかで会わなかった?」
「…覚えてないけど」
花売り「うっそ~絶対にあったもん!」
男「おい嬢ちゃん、お花おくれ」
花売り「はいは~い!ただいま!えーっと、明日また来てもらえる?朝早くならゆっくり話せると思う」
「…分かった。じゃあまた明日」
あの花売りのことを考えると体が熱くなる。胸がズキズキする。でも、何だかあの時とは違う感じで…
花売り「あら、お客さんまた来てくれたの?嬉しい!」
(また来てしまった…昨日買ったばっかりなのに…)
「一本ちょうだい」
花売り「まいどあり~!」
花売り「あれ…お客さん!お花忘れてる!お花!」
「…あ、ごめんなさい」
花売り「ねえ…あなたどこかで会わなかった?」
「…覚えてないけど」
花売り「うっそ~絶対にあったもん!」
男「おい嬢ちゃん、お花おくれ」
花売り「はいは~い!ただいま!えーっと、明日また来てもらえる?朝早くならゆっくり話せると思う」
「…分かった。じゃあまた明日」
あの花売りのことを考えると体が熱くなる。胸がズキズキする。でも、何だかあの時とは違う感じで…
194: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/03(水) 12:51:12.23 ID:5uMWAjC9O
カミラ「どうしたの?いつになくぼーっとしちゃって」
「…!べ、別に…」
カミラ「ふふ、珍しいこともあるものね~。当ててあげる…」
「…やめて」
カミラ「ふむ…分かった。恋…かしら?」
「…」
カミラ「図星ね。相手まではわからないけど…どう、私に相談しない?」
自分の 癖の事は言っていない。言えるか。
「…いい」ガタッ
カミラ「ふーん、そうなの…無理にとは言わないけど…」
ガチャ バタン
195: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/03(水) 12:51:52.90 ID:5uMWAjC9O
(やっぱり相談しよう…)
(む、あっちから来るのは…)
ラズワルド「ふー、おいしかったなー。やっぱりこっちのご飯はおいしい…」
ピエリ「北の城塞でフェリシアのご飯ばっか食べてたから当たり前なの!」
ラズワルド「うん。あれ何の罰ゲーム…おや、ベルカじゃない。お茶でも一つどぉゲフッオ!」
「…」
ピエリ「出会い頭にサイコクラッシャーかけるひと、初めて見たのよ?」
「…別に昇竜拳でもよかったけど」
ピエリ「いいから運ぶのよ!気絶してるの…」
196: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/03(水) 12:52:25.14 ID:5uMWAjC9O
ラズ公の部屋
ピエリ「…1はラズワルドに恨みでもあるの?表記がおかしいの…」
「…字数の都合よ」ポイ
ピエリ「気絶してる人投げたの…血も涙もないの…」
「…お茶でも飲む?」
ピエリ「いただくの!」
(勝手に使うわよ。ごめんなさいね)
(お茶菓子は…カロリーメイトしかない)
「はい出来た」
ピエリ「ありがとなの!ピエリもよくお茶飲むのよ?」
「そう。今度淹れてもらおうかしら」
ピエリ「で、何を話に来たの?」
「…別に」
ピエリ「見りゃわかるの!ベルカ、何か困ってるの?」
「…少しだけ」
ピエリ「なるほどなの。難しい話なの…」
(さすがに相手が女の子とは言えないわね)
ピエリ「うーん…むー…ピエリが思うに、こっちから仕掛けていくしかないとおもうの」
ピエリ「待ってても獲物は逃げてくだけなのよ?」
「そう…ありがとう」
ピエリ「こっちこそ、カロリーメイトありがとなの!」
ガチャ バタン
(あと一人ぐらい相談してみよう…)
↓1
ピエリ「…1はラズワルドに恨みでもあるの?表記がおかしいの…」
「…字数の都合よ」ポイ
ピエリ「気絶してる人投げたの…血も涙もないの…」
「…お茶でも飲む?」
ピエリ「いただくの!」
(勝手に使うわよ。ごめんなさいね)
(お茶菓子は…カロリーメイトしかない)
「はい出来た」
ピエリ「ありがとなの!ピエリもよくお茶飲むのよ?」
「そう。今度淹れてもらおうかしら」
ピエリ「で、何を話に来たの?」
「…別に」
ピエリ「見りゃわかるの!ベルカ、何か困ってるの?」
「…少しだけ」
ピエリ「なるほどなの。難しい話なの…」
(さすがに相手が女の子とは言えないわね)
ピエリ「うーん…むー…ピエリが思うに、こっちから仕掛けていくしかないとおもうの」
ピエリ「待ってても獲物は逃げてくだけなのよ?」
「そう…ありがとう」
ピエリ「こっちこそ、カロリーメイトありがとなの!」
ガチャ バタン
(あと一人ぐらい相談してみよう…)
↓1
197: ◆r9UtvwUCQI 2016/08/04(木) 00:06:38.31 ID:FunTS524O
(よく考えたら私、ホ に恋愛指南してたじゃない。最近忘れっぽくなった…?)
鈍ってたのは私の頭でした。申し訳ない。
(大体ね、あんたが変な気起こして烈火引っ張り出してくるのが悪い)
申し訳ございませんでした。
(しかも何でよりによって夜明け前の攻防で詰んでるのよ)
たしかに。
(そりゃね、索敵マップは難しい。マキシマムマクシムが突っ込んでくるのも酷い)
ぱしかに。
(それでもセイン辺りがハルベルト叩き込めば一発で落ちるでしょ?)
パスカル。
(ウルスラの位置だって乾き茶見りゃわかるでしょ?)
パステル。
(そもそも何で私が同性愛に目覚めなきゃならないの?)
パタリロ。
(安価だからって何でもいいわけじゃないでしょ?しかも指定されなかったやつだし)
パンタロン。
(そこは大人しくニノかジャファルにしときゃいいのに何でわざわざウルスラなの?バカなの?)
パラサイト。
(あー!さっきから何なのパタリロって!当てこすりのつもり?!)
いいからさっさと相談を持ちかけなさい。口調も戻して。ルーナみたいになってるから。
(くそっ…分かった…)
そう。それでいい。あとね、また安価が埋まんない。
(え…またなの?)
だからマクベスにする。
(…わけがわからない)
マクベスに相談しなさい。ほら、歩いてたらマクベスの部屋前に来たよ。
(…また悪ふざけを…)
鈍ってたのは私の頭でした。申し訳ない。
(大体ね、あんたが変な気起こして烈火引っ張り出してくるのが悪い)
申し訳ございませんでした。
(しかも何でよりによって夜明け前の攻防で詰んでるのよ)
たしかに。
(そりゃね、索敵マップは難しい。マキシマムマクシムが突っ込んでくるのも酷い)
ぱしかに。
(それでもセイン辺りがハルベルト叩き込めば一発で落ちるでしょ?)
パスカル。
(ウルスラの位置だって乾き茶見りゃわかるでしょ?)
パステル。
(そもそも何で私が同性愛に目覚めなきゃならないの?)
パタリロ。
(安価だからって何でもいいわけじゃないでしょ?しかも指定されなかったやつだし)
パンタロン。
(そこは大人しくニノかジャファルにしときゃいいのに何でわざわざウルスラなの?バカなの?)
パラサイト。
(あー!さっきから何なのパタリロって!当てこすりのつもり?!)
いいからさっさと相談を持ちかけなさい。口調も戻して。ルーナみたいになってるから。
(くそっ…分かった…)
そう。それでいい。あとね、また安価が埋まんない。
(え…またなの?)
だからマクベスにする。
(…わけがわからない)
マクベスに相談しなさい。ほら、歩いてたらマクベスの部屋前に来たよ。
(…また悪ふざけを…)
198: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/04(木) 00:07:56.29 ID:FunTS524O
マクベスの書斎
コンコン
マクベス「どうぞ」
ガチャ
「…こんにちは」
マクベス「こんにちは。ベルカさん…でしたか?何の用です?」
「恋愛相談」
マクベス「いや訳がわからん」
マクベス「そういう事ですか…ふん…私はこう思いますね」
マクベス「『手段を選んだら負け』。あなたの得意とするところと同じですよ。何としてでもその人の心をスナイプしたいんでしょう?」
マクベス「そんなあなたにはい救心♪」
??超強力な 薬を手に入れた!
「いらない」
マクベス「まあそう言わずに」
「…一応もらっとく。でも…こんな事で手に入れるものって…意味があるの…?」
マクベス「それはあなたが決める事です。まあ持っておきなさいって。きっと役に立ちますよ」
「役に立つシチュエーションが1通りしか見えないんだけど」
マクベス「まあアレです。何事も実行あるのみ」
「…むしろそのひと言だけでよかった」
ガチャ バタン
コンコン
マクベス「どうぞ」
ガチャ
「…こんにちは」
マクベス「こんにちは。ベルカさん…でしたか?何の用です?」
「恋愛相談」
マクベス「いや訳がわからん」
マクベス「そういう事ですか…ふん…私はこう思いますね」
マクベス「『手段を選んだら負け』。あなたの得意とするところと同じですよ。何としてでもその人の心をスナイプしたいんでしょう?」
マクベス「そんなあなたにはい救心♪」
??超強力な 薬を手に入れた!
「いらない」
マクベス「まあそう言わずに」
「…一応もらっとく。でも…こんな事で手に入れるものって…意味があるの…?」
マクベス「それはあなたが決める事です。まあ持っておきなさいって。きっと役に立ちますよ」
「役に立つシチュエーションが1通りしか見えないんだけど」
マクベス「まあアレです。何事も実行あるのみ」
「…むしろそのひと言だけでよかった」
ガチャ バタン
199: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/04(木) 00:09:14.84 ID:FunTS524O
その夜
明日、あの子に何て声をかけようか。何か物でも持って行った方がいいのだろうか。どんな服を着t
エリーゼ「ただいま~」
「!?」
エリーゼ「あれ、どうしたの…?あ、地下街のお姉ちゃん」
頭が真っ白になる。何を言えばいいのかわからない。今日もきれいねとか言えばいいのか?え、えーと
カミラ「おかえり、エリーゼ。この子は私の新しい家臣。ベルカよ」
エリーゼ「へー、よろしく!ベルカ!」
「よ、よろしく…」
エリーゼ「ご飯食べいこ!」
「う、うん…」
カミラ「…ふふっ」
明日、あの子に何て声をかけようか。何か物でも持って行った方がいいのだろうか。どんな服を着t
エリーゼ「ただいま~」
「!?」
エリーゼ「あれ、どうしたの…?あ、地下街のお姉ちゃん」
頭が真っ白になる。何を言えばいいのかわからない。今日もきれいねとか言えばいいのか?え、えーと
カミラ「おかえり、エリーゼ。この子は私の新しい家臣。ベルカよ」
エリーゼ「へー、よろしく!ベルカ!」
「よ、よろしく…」
エリーゼ「ご飯食べいこ!」
「う、うん…」
カミラ「…ふふっ」
200: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/04(木) 00:09:55.30 ID:FunTS524O
エリーゼ「それでね、今日はね、…」
近くにいるだけで卒倒しそうだ…むしろ卒倒していないのがおかしいぐらいだ。
エリーゼ「でも、多分お城のどこかですれ違いでもしたから、会った気がしたんだよね」
「そうね…」
エリーゼ「どうしたの、見とれちゃって…エビフライ欲しいの?」
「う、うん…」
エリーゼ「じゃああげる!はい、あーん」
「…!」
バターン!
「」
エリーゼ「だ、だいじょうぶ?……大変、呼吸してない!?」
意識はあった。エビフライが思いっきり喉に詰まっているだけで。
近くにいるだけで卒倒しそうだ…むしろ卒倒していないのがおかしいぐらいだ。
エリーゼ「でも、多分お城のどこかですれ違いでもしたから、会った気がしたんだよね」
「そうね…」
エリーゼ「どうしたの、見とれちゃって…エビフライ欲しいの?」
「う、うん…」
エリーゼ「じゃああげる!はい、あーん」
「…!」
バターン!
「」
エリーゼ「だ、だいじょうぶ?……大変、呼吸してない!?」
意識はあった。エビフライが思いっきり喉に詰まっているだけで。
201: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/04(木) 00:10:33.88 ID:FunTS524O
エリーゼ「杖も無いし…えっと、しんぱいそせいほうは…この前習ったよね…」
今行うべきはハイムリッヒ法であるが、幸か不幸かそれを伝えるすべはなかった。
エリーゼ「きどうをかくほして…1分間に30回のペースできょうこつあっぱく…」
ズンズンズンズン
健康な人にはくれぐれもかけないようにしましょう。物凄く苦しい上に下手すれば肋骨が折れて内臓に刺さります。
エリーゼ「…ふう…でもって人工呼吸…」
ムチュー
「ぶはあっ!」ゲホッゲホッ
エリーゼ「あ、元気になったね。よかったぁ…」
エリーゼ「もう…心配したんだから…ぐずっ…」
「…泣かないで」
エリーゼ「うん…」
「…お顔、拭いてあげる」
エリーゼ「ありがと…うえっ…」ゴシゴシ
(かわいい…)ポー
タッタッタッ
ハロルド「AED持って来ましたよ!すぐに使いましょう!」
「大丈夫。もう元気になった…」
ハロルド「ほう、そりゃよかった。じゃあこれは元に戻しておき ビリビリビリ
ハ、ハロルドダイジョウブ!?
ブスブスブス
タイヘン!AEDモッテキテ!
AEDソレヨエリーゼサマ
今行うべきはハイムリッヒ法であるが、幸か不幸かそれを伝えるすべはなかった。
エリーゼ「きどうをかくほして…1分間に30回のペースできょうこつあっぱく…」
ズンズンズンズン
健康な人にはくれぐれもかけないようにしましょう。物凄く苦しい上に下手すれば肋骨が折れて内臓に刺さります。
エリーゼ「…ふう…でもって人工呼吸…」
ムチュー
「ぶはあっ!」ゲホッゲホッ
エリーゼ「あ、元気になったね。よかったぁ…」
エリーゼ「もう…心配したんだから…ぐずっ…」
「…泣かないで」
エリーゼ「うん…」
「…お顔、拭いてあげる」
エリーゼ「ありがと…うえっ…」ゴシゴシ
(かわいい…)ポー
タッタッタッ
ハロルド「AED持って来ましたよ!すぐに使いましょう!」
「大丈夫。もう元気になった…」
ハロルド「ほう、そりゃよかった。じゃあこれは元に戻しておき ビリビリビリ
ハ、ハロルドダイジョウブ!?
ブスブスブス
タイヘン!AEDモッテキテ!
AEDソレヨエリーゼサマ
202: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/04(木) 00:11:26.04 ID:FunTS524O
ベルカ×エリーゼの百合とかどの層に受けるんでしょうかねぇ…それはそうとベルエリってキャンディの名前みたい。
ここからは本編と交互に進めたいと思います。
ここからは本編と交互に進めたいと思います。
203: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/04(木) 00:12:55.29 ID:FunTS524O
ここで、物語は3日ほど前に戻る。
カムイがヒノカの迅雷の薙刀で気絶して長いこと寝込んでいた頃。
クラーケンシュタイン城
マークス「父上、只今戻りました。怪我の具合はいかがでございますか」
ガロン「うむ。問題は無い。お前も大怪我を負っていたというが…」
マークス「大事ありません」
ガロン「そうか。まあゆっくりと休め。カムイのことも心配は無い」
マークス「ああ、この手紙ですね。一匹で帰ってきたドラゴンに付いていた…」
ガロン「そうだ。人質という形だが、向こうで息災にやっとるらしい。今度迎えに行ってやらんとなあ…」
マークス「…失礼します」
ガロン「うむ」
204: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/04(木) 00:14:44.00 ID:FunTS524O
エリーゼ「でね、リリスの提案で、お父様のお食事をみんなの交代で作って差し上げることにしたの。毎日同じ献立じゃかわいそうでしょ?」
マークス「ほう…いい考えだ。で、最初は誰が当番だ?」
エリーゼ「>>205よ」
王族と、ベルカを除いた家臣から一人。
マークス「ほう…いい考えだ。で、最初は誰が当番だ?」
エリーゼ「>>205よ」
王族と、ベルカを除いた家臣から一人。
205: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/04(木) 00:19:49.66 ID:cY20SCqZ0
ルーナ
206: ◆r9UtvwUCQI 2016/08/04(木) 07:01:10.04 ID:6jALASB8O
ルーナ「という事で、今日は私がガロン様のお食事を担当させていただきます」
ガロン「そうか。よきにはからえ」
ルーナ「どうぞご期待下さい!」
ルーナ「さあ、腕により掛けて頑張っちゃうわよ~!」
リリス「頑張ってください。少し手伝います」
ルーナ「ところであんた、北の城塞勤めじゃなかったの?」
リリス「いろいろあって転勤になりました」
少し前、星界にて
テロリスト達「あそこだ!捕まえろ!」
リリス「しまった…プルトニウムを騙し取ったのがばれましたか…ここが分かるとは、ずいぶん頭が回るんですね」
テロリスト「ははーん、馬鹿め。もう囲まれとるぞ」
リリス「くっ…まっ・・待って下さい
お願い・・許してください・・・
わしは ガロン王の言うとおりに
してきただけなのです…
私も イヤだったのですが
しかたなかったのです
で・・・ですから
たっ・・助けてください・・・・
何でも言うことをききます
ほら・・・このとおり・・・」
テロリストA「ほーん、面白い事言う姉ちゃんだな。じゃあ早速しゃぶってもらおうか」ボロン
リリス「はい…」
リリス(と・・・ ゆだんさせといて・・
ばかめ・・・ 死ね!!!)
テロリスト「ぎゃああああ!早速食い千切られたああああ!」
リリス「セキュリティシステム起動!マクラディア!敵を駆逐せよ!」
セキュリティサービス「了解」ギュオーン
マクラディア「了解」ギュオーン
リリス(とは言っても長くは持たない…あの装置だけ持って逃げましょう)
お外
リリス(よし、後は水晶を叩き割って…)
ガシャーン!
ギュンター「何をしとる!小屋が燃えとるじゃないか!」
リリス「げっ…す、すいません」
ギュンター「最近のお前のやり方は目に余る!賃貸の小屋を研究と称して流用したり、馬に次元転移装置を付けたり、はたまた時速140キロで走る馬を開発しようとしたり…」
ギュンター「もういい!くびだ!今日を持って馬舎係を解任し、明日から王城勤めのメイドをやってもらう!」
リリス(という事で、あの改造シューターを残して私の研究は消し炭と化したのでした。めでたくないめでたくない)
リリス(まあ人に言えた話じゃないですけどね)
ガロン「そうか。よきにはからえ」
ルーナ「どうぞご期待下さい!」
ルーナ「さあ、腕により掛けて頑張っちゃうわよ~!」
リリス「頑張ってください。少し手伝います」
ルーナ「ところであんた、北の城塞勤めじゃなかったの?」
リリス「いろいろあって転勤になりました」
少し前、星界にて
テロリスト達「あそこだ!捕まえろ!」
リリス「しまった…プルトニウムを騙し取ったのがばれましたか…ここが分かるとは、ずいぶん頭が回るんですね」
テロリスト「ははーん、馬鹿め。もう囲まれとるぞ」
リリス「くっ…まっ・・待って下さい
お願い・・許してください・・・
わしは ガロン王の言うとおりに
してきただけなのです…
私も イヤだったのですが
しかたなかったのです
で・・・ですから
たっ・・助けてください・・・・
何でも言うことをききます
ほら・・・このとおり・・・」
テロリストA「ほーん、面白い事言う姉ちゃんだな。じゃあ早速しゃぶってもらおうか」ボロン
リリス「はい…」
リリス(と・・・ ゆだんさせといて・・
ばかめ・・・ 死ね!!!)
テロリスト「ぎゃああああ!早速食い千切られたああああ!」
リリス「セキュリティシステム起動!マクラディア!敵を駆逐せよ!」
セキュリティサービス「了解」ギュオーン
マクラディア「了解」ギュオーン
リリス(とは言っても長くは持たない…あの装置だけ持って逃げましょう)
お外
リリス(よし、後は水晶を叩き割って…)
ガシャーン!
ギュンター「何をしとる!小屋が燃えとるじゃないか!」
リリス「げっ…す、すいません」
ギュンター「最近のお前のやり方は目に余る!賃貸の小屋を研究と称して流用したり、馬に次元転移装置を付けたり、はたまた時速140キロで走る馬を開発しようとしたり…」
ギュンター「もういい!くびだ!今日を持って馬舎係を解任し、明日から王城勤めのメイドをやってもらう!」
リリス(という事で、あの改造シューターを残して私の研究は消し炭と化したのでした。めでたくないめでたくない)
リリス(まあ人に言えた話じゃないですけどね)
207: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/04(木) 07:01:56.03 ID:6jALASB8O
ルーナ「ほら、ぼさっとしてないで手伝いなさい。下準備終わったわよ」
スパゲティ(1.6mm)・・・・・160g
なす・・・・・1本
ズッキーニ・・・・・1/2本
パプリカ(赤)・・・・・1/2個
玉ねぎ・・・・・1/2個
アスパラガス・・・・・4本
オリーブオイル・・・・・大3
にんにく・・・・・1片
トマト水煮(カット)・・・・・400g
トマトペースト・・・・・大2
バジル・・・・・適量
赤ワイン・・・・・大2
バター・・・・・10g
コンソメ顆粒・・・・・小1
塩・こしょう・・・・・各少々
パルミジャーノチーズ(すりおろし)・・・・・適量
ルーナ(今日のZIPでやってた奴だから失敗はない)
ルーナ「まずはスパゲティを塩茹でします。この時に鍋にオリーブオイルを入れると味が引き立つんですって」
ルーナ「次に上四つの食材をいい感じにカット。刻んだニンニクと一緒にオリーブで炒めます」
ルーナ「後は適当に残りを煮て塩胡椒オリーブオイルで味を整えます。でもってパスタに混ぜれば完成!」
リリス「お疲れ様です」
ルーナ「じゃ、麺が伸びないうちに持ってくわよ!」
ガロン「ほう…何だこれは?」
ルーナ「夏野菜のトマトパスタです。では失礼」
ガロン「ふむ…いただこう」バタン
ハイドラ『お、うまそうではないか』
ガロン「変な時に出てくるんじゃない」モシャモシャ
ガロン「これは…うまいな。丁寧に煮込んであるおかげで野菜の旨味がいい感じに凝縮されとる」
ハイドラ『それでいてバジルの爽やかさが全体を引き立てる…さすがMocos Kitchen』
ガロン「こんなに食欲が湧いたのも久しぶりだ…全て平らげてしまったぞ」
ハイドラ『いくら食ってももはや意味はないがな』
ガロン「それを言うな」
スパゲティ(1.6mm)・・・・・160g
なす・・・・・1本
ズッキーニ・・・・・1/2本
パプリカ(赤)・・・・・1/2個
玉ねぎ・・・・・1/2個
アスパラガス・・・・・4本
オリーブオイル・・・・・大3
にんにく・・・・・1片
トマト水煮(カット)・・・・・400g
トマトペースト・・・・・大2
バジル・・・・・適量
赤ワイン・・・・・大2
バター・・・・・10g
コンソメ顆粒・・・・・小1
塩・こしょう・・・・・各少々
パルミジャーノチーズ(すりおろし)・・・・・適量
ルーナ(今日のZIPでやってた奴だから失敗はない)
ルーナ「まずはスパゲティを塩茹でします。この時に鍋にオリーブオイルを入れると味が引き立つんですって」
ルーナ「次に上四つの食材をいい感じにカット。刻んだニンニクと一緒にオリーブで炒めます」
ルーナ「後は適当に残りを煮て塩胡椒オリーブオイルで味を整えます。でもってパスタに混ぜれば完成!」
リリス「お疲れ様です」
ルーナ「じゃ、麺が伸びないうちに持ってくわよ!」
ガロン「ほう…何だこれは?」
ルーナ「夏野菜のトマトパスタです。では失礼」
ガロン「ふむ…いただこう」バタン
ハイドラ『お、うまそうではないか』
ガロン「変な時に出てくるんじゃない」モシャモシャ
ガロン「これは…うまいな。丁寧に煮込んであるおかげで野菜の旨味がいい感じに凝縮されとる」
ハイドラ『それでいてバジルの爽やかさが全体を引き立てる…さすがMocos Kitchen』
ガロン「こんなに食欲が湧いたのも久しぶりだ…全て平らげてしまったぞ」
ハイドラ『いくら食ってももはや意味はないがな』
ガロン「それを言うな」
208: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/04(木) 07:03:39.52 ID:6jALASB8O
その3
夜
「じゃあお休みなさい」
エリーゼ「おやすみ。またあしたね!」
「…」バタン
自室
ルーナとの相部屋である。ちなみにゼロとオデンもルームシェア。ラズとハロルドもそう
。ピエリとエルフィも。
「…」ゴロゴロ
眠れない。
「…」ゴロゴロ
眠れない。体が酷く熱い。顔も真っ赤になっているはずだ。
「…」ゴロゴロ
眠れない。だめだ。下腹部が特に疼く。
「…」ゴロゴロ
これも「あの任務」で背負わされた呪いである。一度 情してしまうともう止めようがなくなるのだ。
「…」ゴロゴロ
このままでは気が狂う。落ち着ける方法はいくつかあるが…
「…」ピタ
なぜか自分でしても満足は得られないのだ。必ず他人を媒介しなければならない。
①無理矢理寝てしまう
②娼館に行く
③その辺の飲み屋で誰か引っ掛ける
④隣で寝てるルーナでアレする
↓1
夜
「じゃあお休みなさい」
エリーゼ「おやすみ。またあしたね!」
「…」バタン
自室
ルーナとの相部屋である。ちなみにゼロとオデンもルームシェア。ラズとハロルドもそう
。ピエリとエルフィも。
「…」ゴロゴロ
眠れない。
「…」ゴロゴロ
眠れない。体が酷く熱い。顔も真っ赤になっているはずだ。
「…」ゴロゴロ
眠れない。だめだ。下腹部が特に疼く。
「…」ゴロゴロ
これも「あの任務」で背負わされた呪いである。一度 情してしまうともう止めようがなくなるのだ。
「…」ゴロゴロ
このままでは気が狂う。落ち着ける方法はいくつかあるが…
「…」ピタ
なぜか自分でしても満足は得られないのだ。必ず他人を媒介しなければならない。
①無理矢理寝てしまう
②娼館に行く
③その辺の飲み屋で誰か引っ掛ける
④隣で寝てるルーナでアレする
↓1
209: ◆r9UtvwUCQI 2016/08/05(金) 08:40:24.72 ID:1EuWg6puO
まったく…4ね。もう書いちゃったよ。いっくら人気が無くったって完走はしますよ。ええ。
210: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:41:42.30 ID:1EuWg6puO
もう限界だ。このままでは本当に気が狂ってしまう。
「 欲を持て余す」という表現はもはや当てはまらないだろう。まるで 欲そのものが意思を持っていて、自分という器を持て余し、内側から焼き尽くそうとしているかのようだ。
普段は、この「衝動」が起こるとすぐに「それなりの処置」を取って収めていたが、王城兵になってからは忙しさから、その対応が後手後手になっていた。あの子のことを考えたことも原因の一つになっているかもしれない。
全く汚らわしい、我慢ならないものだ。なんせ、今も隣に寝ている同僚に発 している自分がいるのだから。
こんな時のために、事後に記憶を消す方法は熟知している。皮肉なことに、「あいつ」から身をもって教わった方法だ。その方法とは…
記憶がぶっ飛ぶまで せること。
211: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:42:23.58 ID:1EuWg6puO
ルーナ「すう…すう…」
この方法を使うと、相手の脳みそにかなりの負担がかかる。一種の精神攻撃をしているようなものなのだから当たり前だが…
(はあ…)
自分に食い尽くされ、汚し尽くされた女が、目の前で眠っている。記憶を失って、ぐっすり眠っている。上手くいけばーーーー今まで上手くいかなかったことはなかったーーー今夜の事は何も覚えていないだろう。朝になれば起きてきて、よく眠れなかったとかぼやくはずだ。
少しでも眠ろう。もうすぐ夜が明ける頃だ。
だがこんな夜は悪夢ばかり見ると相場が決まっている。今夜もまたそうだった。
212: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:43:07.79 ID:1EuWg6puO
夢の中
罪悪感が心をさいなむ。何であんな事をしてしまったんだろう?本当に愛しているのは彼女だけのはずなのに。
今エリーゼのとこに行ったら、おまえさん確実にりんごになってたよ
…うるさい。あんたの助けなんかいらない。私はエリーゼ様が好き。それで十分よ。私は自分の力で、エリーゼ様をものにしてみせる。
へぇ…本当に好きなのかい?あの子のこと
もちろん。絶対に手に入れてみせる。こんなにもやる気に満ち溢れているのは…生まれて初めて。
邪魔するっていったら?
…あなたが私の物語を終わらせる前に、かたを付ければいいだけ。何の問題もない。
いい心がけだ
…もう起きる。
そうか 幸運を祈ってる
二度と会いたくない。
213: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:43:51.16 ID:1EuWg6puO
変な夢を見た。変な人と話すだけの、変な夢。それでも何だか気持ちが落ち着いた気がする。二度と見たくないけど。
昨夜のことは…忘れよう。
『人間ってのはな、都合よくできてるんだ。都合の悪いことは片っ端から忘れちまう』
『…そんなんでいいの?』
『へっ…だから生きてけんの』
朝からこんなことを思い出すなんて、疲れているのだろう。さっさと顔を洗おう。歯を磨こう。ご飯も食べよう。思えば昨夜はエビフライの尻尾しか食べていない。
「エリーゼ様…」
つい数時間前に別の女と不純に交わっていたというのに、無意識にこんなことを呟いている自分。大嫌いだ。
でも構わない。どんな犠牲を払ったとしても、たとえ我が身を滅ぼすことになろうとも、私はエリーゼ様と結ばれなければならない。
214: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:44:19.89 ID:1EuWg6puO
ではなぜ…こんなにも頭が痛いの?
215: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:45:03.76 ID:1EuWg6puO
ルーナ「う…あん…ベルカ様ぁ…」
(まずい…上手く消えてなかった…?)
ルーナ「…あら、おはよう。どうしたの?朝からそんな顔しちゃって」
「…別に」
ルーナ「じゃあ早くカミラ様起こしに行きましょ。顔洗うからちょっと待ってなさい」
「…」
もし覚えていたならどうしようかと思った。その場で消していたかもしれない。それでもって、みんなには「彼女は来た時と同じように風のように去ってしまった」とか言って。
又はカミラ様のところにご報告に行ったかもしれない。私たち、今度結婚するんですよ、って。
あほらしい。
216: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:45:45.69 ID:1EuWg6puO
エリーゼ「おはよう!ベルカ!調子はどう?」
「ええ、元気よ。おかげさま」
寝不足だが元気である。おそらく彼女に会ったならば、末期癌で死の床に臥せっていたとしても元気になるに違いない。
エリーゼ「よかった。一緒に食べよ!」
「…ええ」
王城の朝もケロッグで始まる。コーンフレークとは偉大な発明である。
217: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:47:06.07 ID:1EuWg6puO
「…」サクサクサク
エルフィ「…」サクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサク
「…」ジロ
エルフィ「…」ギラ
218: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:48:10.78 ID:1EuWg6puO
「…」サクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクサクサクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクサク
219: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:48:39.90 ID:1EuWg6puO
エルフィ「…」サクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクサクサクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクサクサクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクサクサクサクサ
220: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:50:26.38 ID:1EuWg6puO
サクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクサクサクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクエリーゼ「ちょ、ちょっと二人とも!何やってるの!」ササクサクサクサクササクサクサクサクサクサクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサ
221: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:50:55.31 ID:1EuWg6puO
サクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクサクサクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサカミラ「あ~こりゃスイッチ入っちゃったわね2人とも」クサクサクササクサクサクサクサクサクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサクサクサクササクサク
222: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:51:28.84 ID:1EuWg6puO
おばちゃん「もうケロッグないよ!やめなさい!」
「…はーい」
エルフィ「…分かった」
「…はーい」
エルフィ「…分かった」
223: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:52:10.65 ID:1EuWg6puO
「…」タッタッタッタッ
ルーナ「…何であんたと一緒に走んなきゃなんないわけ?」タッタッタッ
「…決まりだから?」タッタッタッタッ
ルーナ「ふーん、そう。何で顔赤くなってんの?」タッタッタッタッ
「…別に」タッタッタッタッ
ルーナ「あっ、エルフィ!」タッタッタッタッ
「…だから?」タッタッタッタッ
ルーナ「べつにぃ?あっカミラ様だ!」タッタッタッタッ
「…そうね」タッタッタッタッ
ルーナ「反応なし…と。あ、エリ…」タッタ
224: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:52:56.22 ID:1EuWg6puO
「どこ!?どこにいるの!?」ガシッ
ルーナ「ぐ、ぐるじい…おろして…」
「いいから…教えなさい…ぶち殺すわよ…!」ギリギリギリ
ゼロ「おいおいどーしたんだい二人とも?昼間っからお熱いねえ…大丈夫か?」
ルーナ「た…たすけなさい…」
ゼロ「ほれ止めろって…今にもこいつイっちまいそうじゃねえか」
「…」ドサッ
ルーナ「げほっ…どうしたのよあんた…いきなり人を釣り上げて」
「…エリーゼ様がどうしたの」
ルーナ「そんなこと言ってない。襟が立ったまんまだって言おうとしたのよ」
「…ごめんなさい」
ルーナ「いいのよ…大丈夫?あんたがこんなに取り乱すなんて、熱でもあるんじゃないの?」
「…気にしないで。喉は大丈夫?」
ルーナ「まだクラクラする…」
「無意識に頸動脈を締めてた。ごめんなさい…」
ルーナ「いいの。頸動脈の一つや二つ。それより早く走り込みしましょ」
「…うん」
(…一瞬だけれど、本気で…殺そうとした…どうして…仲間なのに)
225: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:53:23.47 ID:1EuWg6puO
この時の私には知る由もなかったことだが、昨夜の いはルーナの深層心理に深刻な影響を与えていた。精神の奥深くに差し込まれた「毒針」は徐々に徐々にと彼女の精神全体を蝕んでいくのである。 ハーッレルヤ♪ ハーッレルヤ♪
226: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:54:12.76 ID:1EuWg6puO
ルーナ「何だか背中に悪寒が…何よこれ…」ブルッ
リリス「ガロン様、喜んでらしましたよ。よかったですね」
ルーナ「あったりまえじゃない!私が作ったのよ?美味しくないわけないんだから!」
リリス「元気でなによりですね」
リリス(本当に元気でなによりですよ…あの世界ではあなた、捕獲さえされずに殺されてしまったんですから…)
リリス「ガロン様、喜んでらしましたよ。よかったですね」
ルーナ「あったりまえじゃない!私が作ったのよ?美味しくないわけないんだから!」
リリス「元気でなによりですね」
リリス(本当に元気でなによりですよ…あの世界ではあなた、捕獲さえされずに殺されてしまったんですから…)
227: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/05(金) 08:54:49.19 ID:1EuWg6puO
ガレージ
誰も使っていないので勝手に借りている。
リリス(まあよかったとしましょう。この装置だけでも持ってこれましたし)
ガシャ プシュー
リリス(あれ…?何で黒煙なんてあげてるんでしょうか…?しまった…逃げる時に弾を食らいましたか…)
ガシャガシャ カチャカチャ
リリス(だめだこりゃ…心臓部に相当ダメージがはいってます…努力してはみるけど…直らないでしょうね…もうスペアの部品もないし…)
バリッ ビリビリッ ビリッ
ボガーン! ブスブスブス
リリス「げほっげほっ…ったくもう!」
リリス(もう一回作り直すしかないですね…)
明日のごはん係 ↓1
誰も使っていないので勝手に借りている。
リリス(まあよかったとしましょう。この装置だけでも持ってこれましたし)
ガシャ プシュー
リリス(あれ…?何で黒煙なんてあげてるんでしょうか…?しまった…逃げる時に弾を食らいましたか…)
ガシャガシャ カチャカチャ
リリス(だめだこりゃ…心臓部に相当ダメージがはいってます…努力してはみるけど…直らないでしょうね…もうスペアの部品もないし…)
バリッ ビリビリッ ビリッ
ボガーン! ブスブスブス
リリス「げほっげほっ…ったくもう!」
リリス(もう一回作り直すしかないですね…)
明日のごはん係 ↓1
228: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/06(土) 09:22:11.79 ID:Yx9G1qnw0
いつの間に進んでいる…見られなくてごめんなさい。
安価はピエリ
安価はピエリ
230: ◆r9UtvwUCQI 2016/08/07(日) 21:14:53.28 ID:IDl/oJ1fO
ピエリ「ご、ごめんなさいガロン様…遅れちゃったの…晩ごはんはカレーなの…自信作なの…ピエリスペシャルよ?」
ガロン「2、3分ぐらい構わんわい。お前の料理は大層美味とマークスから聞いとる。が…何で車椅子に乗って全身包帯まみれなのだ?」
ピエリ「おかし作りに失敗したの…ごめんなさいなの…」
ガロン「…そうか。退がれ」
ピエリ「はいなの…」バタン
ハイドラ『臭うな…』
ガロン「ああ、いい匂いだ。お前が嗅覚と味覚を復旧させてくれたお陰だな。礼を言おう」
ハイドラ『そういう意味ではない。さっきのピエリとかいう女…』
ガロン「うるさいわい。先ずはカレーを食う。食ってから探しに行っても遅くはなかろう」
ハイドラ『…』
ガロン「飯を食うときはな、誰にも邪魔されず、何というか…救われてなきゃならんのだ。飯も食わず、夢も見ないお前には分からんかも知れんが」
ガロン「つまり…一人で…静かで…豊かで…特にお前みたいなのには決して」
ハイドラ『わかった。分かったから。俺が悪かったからさっさと飯を食ってしまえ。早く探しに行かなければならん』
ガロン「2、3分ぐらい構わんわい。お前の料理は大層美味とマークスから聞いとる。が…何で車椅子に乗って全身包帯まみれなのだ?」
ピエリ「おかし作りに失敗したの…ごめんなさいなの…」
ガロン「…そうか。退がれ」
ピエリ「はいなの…」バタン
ハイドラ『臭うな…』
ガロン「ああ、いい匂いだ。お前が嗅覚と味覚を復旧させてくれたお陰だな。礼を言おう」
ハイドラ『そういう意味ではない。さっきのピエリとかいう女…』
ガロン「うるさいわい。先ずはカレーを食う。食ってから探しに行っても遅くはなかろう」
ハイドラ『…』
ガロン「飯を食うときはな、誰にも邪魔されず、何というか…救われてなきゃならんのだ。飯も食わず、夢も見ないお前には分からんかも知れんが」
ガロン「つまり…一人で…静かで…豊かで…特にお前みたいなのには決して」
ハイドラ『わかった。分かったから。俺が悪かったからさっさと飯を食ってしまえ。早く探しに行かなければならん』
231: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:15:41.17 ID:IDl/oJ1fO
その12時間ほど前
冷房はおろか窓すらないガレージで一人、汗だくになりながらマシン(の残骸)と格闘するリリス。辺りには中世風の馬小屋におよそ似つかわしくない電子部品が転がっている。
リリス(このマシンがないとどうしようもないのに…やっぱり部品がいくつか足りないですね…)
リリス(どれもこの世界は発明されていないモノばかり…代用を利かせれば何とかなる…?)
リリス(量子加速器…電子変圧コンバーター…電磁サブリミナルビーコン…材料を拾ってくれば何とか…?)
リリス(行きますか!拾いに!)
232: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:16:40.55 ID:IDl/oJ1fO
カミラの部屋
カミラ「何?急に」
リリス「溶岩をバケツに二十杯ください」
カミラ「…」
リリス「水はバケツに一杯でいいです」
カミラ「…どうせ黒曜石でしょ?」
リリス「…!なぜ分かったんですか?」
カミラ「昨日、オーディンが同じことを言っていたのよ。でもね、火を付けただけじゃ開かないのよ?」
リリス「分かってます。この世界では特別な術式を組まないと発生しない…ですよね?」
カミラ「そう。そして彼はいつも通り失敗した。黒曜石の枠は鉄のツルハシで取り除かせたわ」
リリス「…何時間かかりましたか?」
カミラ「朝見たらまだ頑張ってたわよ」
リリス「…その枠借りますね」
カミラ「勝手にしなさい」
彼女は少し疲れているようだった。ベルカがいないからだろうか?それとも…
カミラ「何?急に」
リリス「溶岩をバケツに二十杯ください」
カミラ「…」
リリス「水はバケツに一杯でいいです」
カミラ「…どうせ黒曜石でしょ?」
リリス「…!なぜ分かったんですか?」
カミラ「昨日、オーディンが同じことを言っていたのよ。でもね、火を付けただけじゃ開かないのよ?」
リリス「分かってます。この世界では特別な術式を組まないと発生しない…ですよね?」
カミラ「そう。そして彼はいつも通り失敗した。黒曜石の枠は鉄のツルハシで取り除かせたわ」
リリス「…何時間かかりましたか?」
カミラ「朝見たらまだ頑張ってたわよ」
リリス「…その枠借りますね」
カミラ「勝手にしなさい」
彼女は少し疲れているようだった。ベルカがいないからだろうか?それとも…
233: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:17:32.12 ID:IDl/oJ1fO
屋上
ガガガガガガガッガガッガガガッガガガ
リリス「お疲れ様です。調子はいかがですか?はい差し入れ」つポカリ
オーディン「ぜー、ぜー、これ…本当に壊れんのか?」ゴキュゴキュ
リリス「鉄じゃ絶対に無理ですよ」
オーディン「…マジかよ…ん?あんた…」
オーディン「あーっ!お前、あの時の!」
リリス「な、何のことでしょーかねー。私はご覧の通りただの配管工でして…マンマミーヤ」
オーディン「何のことでしょーかじゃないだろう!何でお前がここにいるんだ?また殺しに来たとか?」
リリス「バレましたか…まあ見りゃわかりますよね」
オーディン「当たり前だ!あのとき嗅いだ機械油と生魚の混ざったような匂い…あんなの漂わせながら歩いてる女なんてお前しかいねえよ!」
リリス「え、そんな匂いしますか私?」
オーディン「するよ!ちゃんと体洗ってんのか?」
リリス「ひ、酷いです…あんまりです…仮にも年頃の女の子にそんなこと言うなんて…これでもあの時より大分マシになったのに…」
オーディン「ありゃ、泣かしちゃった…す、すまん…何ていうか、そんなつもりじゃ無かったんだが」
リリス「グズ…ひどい…」
オーディン「ごめん…」
リリス「…ホントに悪いと思ってますか?」
オーディン「(やな予感しかしねえ)思ってる思ってる」
リリス「そうですか。じゃあちょっと買い物行ってきて貰えますか?」
オーディン「どうしてこうなったし」
リリス「その間、お風呂はいってきますから」
オーディン「そうした方がいい」
カミラ「あ~すごい臭いだった…あの子、最近お風呂入って無さそうだったわね…でも普通2、3日じゃああはならないわよ…体質かしら?」
ガガガガガガガッガガッガガガッガガガ
リリス「お疲れ様です。調子はいかがですか?はい差し入れ」つポカリ
オーディン「ぜー、ぜー、これ…本当に壊れんのか?」ゴキュゴキュ
リリス「鉄じゃ絶対に無理ですよ」
オーディン「…マジかよ…ん?あんた…」
オーディン「あーっ!お前、あの時の!」
リリス「な、何のことでしょーかねー。私はご覧の通りただの配管工でして…マンマミーヤ」
オーディン「何のことでしょーかじゃないだろう!何でお前がここにいるんだ?また殺しに来たとか?」
リリス「バレましたか…まあ見りゃわかりますよね」
オーディン「当たり前だ!あのとき嗅いだ機械油と生魚の混ざったような匂い…あんなの漂わせながら歩いてる女なんてお前しかいねえよ!」
リリス「え、そんな匂いしますか私?」
オーディン「するよ!ちゃんと体洗ってんのか?」
リリス「ひ、酷いです…あんまりです…仮にも年頃の女の子にそんなこと言うなんて…これでもあの時より大分マシになったのに…」
オーディン「ありゃ、泣かしちゃった…す、すまん…何ていうか、そんなつもりじゃ無かったんだが」
リリス「グズ…ひどい…」
オーディン「ごめん…」
リリス「…ホントに悪いと思ってますか?」
オーディン「(やな予感しかしねえ)思ってる思ってる」
リリス「そうですか。じゃあちょっと買い物行ってきて貰えますか?」
オーディン「どうしてこうなったし」
リリス「その間、お風呂はいってきますから」
オーディン「そうした方がいい」
カミラ「あ~すごい臭いだった…あの子、最近お風呂入って無さそうだったわね…でも普通2、3日じゃああはならないわよ…体質かしら?」
234: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:18:55.39 ID:IDl/oJ1fO
ミーンミンミーン…
オーディン「結局押されて買い物に来てしまった…」
オーディン「あちぃ~」
オーディン(にしても何であいつがここに…敵意は無さそうだが…)
以下回想
ハイドラ(人)「何ということだ…あの狂った竜が子を…って臭っ!なんじゃこりゃあ!」
セレナ「げほっげほっ…こんなの…こんなのってないわよ…こんなアホな死に方あるもんですか…」
ウード「何という…瘴気…!圧倒的瘴気…!」
アズール「うひゃあ…これじゃ近づけないね…目が痛い…」ボロボロ
リリス「え、そんなに臭いますか?」クンクン
ハイドラ「あいつらには嗅覚がないからな…ゴホッゴホッ、気づかないのも…無理はない」
セレナ「何か…方法はないの…?あいつに近付く方法は…」
ハイドラ「…ない。生身では危険だ…」
オーディン「結局押されて買い物に来てしまった…」
オーディン「あちぃ~」
オーディン(にしても何であいつがここに…敵意は無さそうだが…)
以下回想
ハイドラ(人)「何ということだ…あの狂った竜が子を…って臭っ!なんじゃこりゃあ!」
セレナ「げほっげほっ…こんなの…こんなのってないわよ…こんなアホな死に方あるもんですか…」
ウード「何という…瘴気…!圧倒的瘴気…!」
アズール「うひゃあ…これじゃ近づけないね…目が痛い…」ボロボロ
リリス「え、そんなに臭いますか?」クンクン
ハイドラ「あいつらには嗅覚がないからな…ゴホッゴホッ、気づかないのも…無理はない」
セレナ「何か…方法はないの…?あいつに近付く方法は…」
ハイドラ「…ない。生身では危険だ…」
235: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:19:41.36 ID:IDl/oJ1fO
リリス「酷い言いようですね…傷つきましたよ。深く、ふかあく…まあいいです。あなた達はここで死ぬんですから」
リリス「私の芸術を喰らいなさい…加粒子砲セット…量子加速器起動…目標をセンターに入れて…方位775…」
ハイドラ「いかん!」
リリス「発射!」バシュウウウン!
ハイドラ「A.T.フィールド!」ガキンッ!
リリス「ちっ…弾かれましたか…でも次はありませんよ…?リロード!」ガシャンッ
ハイドラ「まずいな…次は流石に耐えきれんぞ…ん?どうしたウード。トランペットに憧れる少年みたいに目をキラキラさせて」
ウード「今…何したんだ?」
ハイドラ「A.T.フィールドだが…?」
ウード「めちゃくちゃカッコよかったじゃねえか!俺にも教えてくれよ!」
ハイドラ「今はそんな場合じゃ…いや、もうこれに賭けるしかない…それっ!フィールド投げ!」ポイッ
リリス「クソッ…加粒子砲が…予備を出さないと…」
ハイドラ「お前達を信じる。絶対に悪用するなよ?ほら、始祖竜の血だ。飲め。飲まねば話は始まらん」ザクッ ブシャアアア
アズール「切り過ぎでしょうが!大丈夫ですか!?」
ハイドラ「飲め…飲まなければ帰れ…」ブシャアアア
236: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:20:15.69 ID:IDl/oJ1fO
セレナ「手首から直接…分かったわよ…さっきの無しには勝ち目無さそうだし…」ゴク
ウード「何味だった?コーラ?」
アズール「んな訳…」
ルーナ「ブドウ味だった」
アズール「…んなアホな…」ゴク
ルーナ「あれ?名前変わってる?」
ウード「…」ゴクゴクゴク
ラズワルド「本当だ、ブドウだ。名前も変わってるし」
ウード「…」ゴクゴク
ルーナ「いつまで飲んでんのよバカ!ハイドラさん貧血になってるじゃない!」バキッ
オーディン「痛えな…喉乾いてたんだよ…ん…?何だか体が軽い…」
ラズワルド「水ぐらい飲んでから来ればいいのに…おや…力が…溢れる!」
ルーナ「A.T.フィールド!うわっ、本当に出た…これなら勝てる…の?」
リリス「ふん…付け焼き刃のフィールドで敵うわけがないでしょう…食らえ!」バシュウウウン!
ルーナ「せええい!」ガギィン!
リリス「きゃっ、跳ね返すなんて…やっぱりダメなんでしょうか…私の発明じゃ…」
リリス「いくら優れた発明をしても…父上は認めてくれない…この前なんか孫の手で恒星間ロケットを作ったのに…見向きもしてくれなかった」
リリス「『今は孫の手が使いたかったのだ』とか言って…」
ハイドラ「この状況で敵にぐちぐち言ってるのもどうかとは思うが?」
リリス「…出てきなさい、イスラフェル!ガキエル!サキエル!この者達を滅するのです!」
※全て等身大
イスラフェル「…」
サキエル「…」
ガキエル「…」ピチピチ
??ガキエルは はねる を使った!
??しかし意味がない!
ラズワルド「…人選をミスったね」
リリス「う、うるさい!まだ2体もいるんです!」
ウード「何味だった?コーラ?」
アズール「んな訳…」
ルーナ「ブドウ味だった」
アズール「…んなアホな…」ゴク
ルーナ「あれ?名前変わってる?」
ウード「…」ゴクゴクゴク
ラズワルド「本当だ、ブドウだ。名前も変わってるし」
ウード「…」ゴクゴク
ルーナ「いつまで飲んでんのよバカ!ハイドラさん貧血になってるじゃない!」バキッ
オーディン「痛えな…喉乾いてたんだよ…ん…?何だか体が軽い…」
ラズワルド「水ぐらい飲んでから来ればいいのに…おや…力が…溢れる!」
ルーナ「A.T.フィールド!うわっ、本当に出た…これなら勝てる…の?」
リリス「ふん…付け焼き刃のフィールドで敵うわけがないでしょう…食らえ!」バシュウウウン!
ルーナ「せええい!」ガギィン!
リリス「きゃっ、跳ね返すなんて…やっぱりダメなんでしょうか…私の発明じゃ…」
リリス「いくら優れた発明をしても…父上は認めてくれない…この前なんか孫の手で恒星間ロケットを作ったのに…見向きもしてくれなかった」
リリス「『今は孫の手が使いたかったのだ』とか言って…」
ハイドラ「この状況で敵にぐちぐち言ってるのもどうかとは思うが?」
リリス「…出てきなさい、イスラフェル!ガキエル!サキエル!この者達を滅するのです!」
※全て等身大
イスラフェル「…」
サキエル「…」
ガキエル「…」ピチピチ
??ガキエルは はねる を使った!
??しかし意味がない!
ラズワルド「…人選をミスったね」
リリス「う、うるさい!まだ2体もいるんです!」
237: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:21:12.32 ID:IDl/oJ1fO
オーディン「ふー、何とか片付いたな」
ルーナ「実質甲乙合わせて三体だったじゃない…」
リリス「意外としぶといですね…最後の手段です。ゼルエル!ラミエル!シャムシエル!アルミサエル!ラファエル!ダブリス!」
アオーン ファーw
ハイドラ「まずい…今度こそまずい…流石に全員相手するのは無理だな…よし、お前達を地上に送る。まずは暗夜王城に行ってくれ。身元不明でも、あの国なら家臣として採用してくれるはずだ」
オーディン「随分とルーズなんだな…」
ハイドラ「じゃあ送るぞ…カムイを…娘を頼んだ…あ、そうそう言い忘れてたがルーナ…」
ルーナ「?」
ハイドラ「お前さんとことん女運無いぞ…気を付けろ…それっ!」
ホワワワワン
オーディン(で、気づいたら白夜平原に倒れてたんだよな。国境越えが面倒くさかった…座標設定ぐらいちゃんとしてくれよな…)
オーディン(にしても何であいつがここに…?)
屋上
オーディン「ふっ…買ってきたぞ。じゃあここにいる理由を教えてもらおうか」
リリス「…あなた達が向こうに飛んでから…」
リリス「という事です」
オーディン「あそ」
リリス「信じたんですか?」
オーディン「まあな…嘘ついてる人間とついてない人間の違いぐらい分からあ…風呂入ったか?ファブリーズやるよ。ほれ」
リリス「…」
オーディン「じゃあな。ちょっと寝てくるよ…」
リリス「…徹夜だったんでしょう?」
オーディン「んだ。ゲートならやるよ。片付けといてくれ。おやすみ」
リリス「おやすみなさい…」
リリス(いい人ですね…ちゃんと買ってきてくれましたし…)ガサ
238: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:21:51.99 ID:IDl/oJ1fO
ニュクス「…どうしたの、お姉ちゃん」
リリス「とぼけても無駄です」
ニュクス「何のことかわからないなー」
リリス「ネザーゲートを開く術式を教えてください」
ニュクス「知恵袋で聞けks」
リリス「あっさり本性を現しましたね」
ニュクス「…本当に開くつもりかしら?」
リリス「勿論です。ちゃんと豚除けの柵も買ってきました」
ニュクス「よろしい。じゃあ、呪文を唱えるから下がってなさい…」
ニュクス「我は禁忌を犯せしもの…扉を開くもの…我が命を糧とし、遥か彼方の異世界へ続く扉を開きたまえ…究竟次第即身成仏…まがことつみけがれ…以下省略…」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
リリス「わっ、開きましたね」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ニュクス「よかった…もう…思い残す事は…ない…」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
リリス「え…?本当に命で開いたんですか…?」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ニュクス「もちろん…ちなみに以下省略までがちゃんとした呪文よ…」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
リリス「そんな…」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ニュクス「私は死ぬ…およそ80年後に、家族に看取られながらベッドの上で幸せな最期を迎える…禁忌を犯したものにはふさわしい…死に方ね…ふっ…」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
リリス「一般論ではそれが理想的な死に方ですよ」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ニュクス「てか煩いわねこれ。久しぶりに使ったけどやっぱり煩い。ちゃんとディスペンサー持ってきた?」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
リリス「もちろんです。…でもつけ直せるんですか?」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ニュクス「一回これで開いてしまえば着火でも開くようになるの。たるいから回路組んでくれる?」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
リリス「ええ、よろこんで」
239: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:22:29.22 ID:IDl/oJ1fO
リリス「黒曜石持ってるなら、先にくれればよかったじゃないですか」
ニュクス「こういうのは自分の足を動かすのが大事なのよ。万が一ゲートが破壊されたらそれで直しなさい。それよりそんな装備で大丈夫?」
リリス「問題ありません」
ニュクス「問題しかないじゃない…鉄の剣ぐらい持ちなさいよ」
リリス「ちょっとネザー水晶取ってくるだけですから。いざとなればスタコラ逃げますよ」
ニュクス「防具も無しに…」
リリス「いいんです。体が重くなるだけですから」
ニュクス「…行ってらっしゃい」カチャ
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
リリス(ここがネザー…あれ…?)
リリス「力が…みなぎっていきます…す、すごい…あそこにいた時よりも…ずっと…!」
リリス(まあ好都合ですね…ネザー水晶だけなんて、大嘘だったんですから)
リリス(まずはソウルサンド…次にネザーガイコツ・スカル…そして…)
リリス(あれさえ組み込めれば…)
ニュクス「それにしても…私を騙そうだなんて、100年早いわよ?ふふっ…まあせいぜい頑張ることね」テトテト
リリス「採ってきましたよ!」
ニュクス「早っ!」
240: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:23:14.21 ID:IDl/oJ1fO
リリス「次に奴の召喚方法を…教えてください」
ニュクス「…今度こそ、死ぬかもしれないのよ?さっきのインチキ法術の比じゃない」
リリス「分かっています。奴は本物の魔王…かつて、世界をたった七日間で滅ぼしたと言われている…」
ニュクス「奴は全ての生きとし生けるものの、その「死」をもって自らの「生」とする…」
「「正に、『死』そのもの」」
リリス「構いません。召喚後、即丸石製造機にかけて圧殺しますから」
ニュクス「ちょっとは敬意とかいうものを払いなさい」
リリス「じゃあ丸石製造機を作りますから、ちょっと待っててください」
リリス「…できました。皆さんを呼んできますね。召喚をお願いします」
ニュクス「全く…ほいほいほい…と。後は呪文をかけるだけね」
リリス「さあさ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。面白いものが見られますよ~!」
ザワザワ
ザワザワ
ルーナ「ちょっとよく見えない…ラズワルド、おんぶ」
ラズワルド「勘弁してくれよ…君最近またおもk」
ラズワルド「ぎゃあああ!痛い!痛いから!痛いからパイルドライバーは止めて!」
ザワザワ
ザワザワ
ニュクス「…今度こそ、死ぬかもしれないのよ?さっきのインチキ法術の比じゃない」
リリス「分かっています。奴は本物の魔王…かつて、世界をたった七日間で滅ぼしたと言われている…」
ニュクス「奴は全ての生きとし生けるものの、その「死」をもって自らの「生」とする…」
「「正に、『死』そのもの」」
リリス「構いません。召喚後、即丸石製造機にかけて圧殺しますから」
ニュクス「ちょっとは敬意とかいうものを払いなさい」
リリス「じゃあ丸石製造機を作りますから、ちょっと待っててください」
リリス「…できました。皆さんを呼んできますね。召喚をお願いします」
ニュクス「全く…ほいほいほい…と。後は呪文をかけるだけね」
リリス「さあさ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。面白いものが見られますよ~!」
ザワザワ
ザワザワ
ルーナ「ちょっとよく見えない…ラズワルド、おんぶ」
ラズワルド「勘弁してくれよ…君最近またおもk」
ラズワルド「ぎゃあああ!痛い!痛いから!痛いからパイルドライバーは止めて!」
ザワザワ
ザワザワ
241: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:24:02.28 ID:IDl/oJ1fO
リリス「ではニュクスさん、呪文をお願いします!」
ニュクス「…ブンブンハローユーチューブ…」
マークス「…呪文って、今のがか?」
カミラ「あら、なんかブルブル震えだしたわよ」
レオン「なんか浮いてるけど…」
エリーゼ「え…だいじょうぶなの…?」
ドガアアアアン!
リリス「」
ニュクス「さ、…逃げようかしら…」テトテト
リリス「そ、装置を吹っ飛ばされました…ニコ動では上手くいってたのに…」
マークス「前のバージョンだったのではないか?」
???「愚かな人間共めが…また我を目覚めさせたか…ならば知るが良い…本物の恐怖と絶望というものを…その身をもってだ!」
242: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:24:37.65 ID:IDl/oJ1fO
マークス「ウィザー…だな。実物は初めて見るが…」
エリーゼ「え、知ってるの?」
マークス「3年もしていれば嫌でも組み立てることになる。今は丸石製造機の歯車になってもらっている」
カミラ「…政務は?」
マークス「そんなもの二の次だ」
レオン(…いつかクーデターでも起こそうか)
ピエリ「無駄話しないの!何か飛んでくるのよ!きゃあっ!」ゴスッ
マークス「いかん、全員撤退!作戦を練るぞ!」
ウィザー「逃がさん…ぐっ…!何をする!」
リリス「邪魔はさせません…私が体勢を立て直す時間を作ります…」
ウィザー「ふん…透魔竜と星竜の半純血ごときが…何分持つかな…?」
リリス「あなたを倒し…運命を変えてみせます。ウィザー、覚悟!私の超火力を喰らいなさい!」
ドガシャアアン!
243: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:25:15.00 ID:IDl/oJ1fO
マークス「奴の攻撃は大体二つ。そのうち注意すべきなのがネザー・スカルの投擲だ。食らうと爆発ダメージと毒ダメージで体力をごっそり持って行かれる」
マークス「よって全員に牛乳を配布する。食らったら飲んで回復しながら戦うように」
マークス「そして、奴の最も苦手とするのがこれ…」カラン
エリーゼ「…ライブ?回復魔法なのに?」
マークス「そうだ。奴らは黒魔法で回復し、白魔法でダメージを負う変 だ。リブローは簡易メティオと化し、リカバーはスターライトの代わりになる。きずぐすりも有効だ。たくさん持っていって、隙を見て投げつけると良いだろう。」
マークス「槍使いは全員「聖なる槍」を持っていくように。矢と魔法は効きにくいからレオン隊は後方支援に集中しろ」
マークス「以上の理由から耐久戦は非常に不利だ。全員で同時に仕掛け、一気に叩き潰す」
マークス「屋上にウィザーなんぞ召喚したことがばれたら間違いなく全員打ち首獄門だ。王城兵を呼ぶことはせず、私たちだけで応戦する」
レオン「何でWikiも見ないでそんなにスラスラ出てくるんだい兄さん?」
ラズワルド「会議の時に机の下で暗夜竜できるかなしたり、1分の1スケール北の城塞作ったりしてるからです…」
レオン「…」ブチイッ
ゼロ「行きますよ、レオン様…」ズルズル
レオン「ダメだ!僕はあいつを殴らなきゃならないんだあああ!」ズルズル
ゼロ「全く…オーディンもいないし…そもそも後方支援ってナニすりゃいいんだか…」ズルズル
マークス「全員戦闘準備!行くぞ!」
244: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:25:59.38 ID:IDl/oJ1fO
ウィザー「どうした…あれだけ大口を叩いておきながら…もう終わりか…?うん?」
リリス「変身さえできれば…負けないのに…」
ウィザー「ひみつ道具だけで敵うと思ったか…愚か者め。死ね!」ポイッ
リリス「もう…結局私も死ぬんですか…こんなとこで…」
リリス「先立つ私を許してください…カムイ姉様…」
???「させないよ!はあっ!」キィンッ!
ラズワルド「ひゃ~、間一髪だったね。大丈夫…って君かァ…」
リリス「そんなに驚かないんですね」
ラズワルド「かわいい女の子に、悪い子はいないからね」
リリス「…あなたもバカですね」
ラズワルド「いいから下がっていて。あとは僕たちで何とかするから」
リリス「…」タタタ
マークス「計画通り部隊を3つに分け、敵が倒れるまで繰り返し波状攻撃を仕掛ける。行くぞ!マークス隊、突撃!」
ウィザー「無駄な事を…」
245: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:27:00.63 ID:IDl/oJ1fO
短編
休憩の時間
午後は鍛錬もなく、もしあればの話だが、主君の命令を聞くだけでいい。
カミラ「買い物行ってきなさい。仲良くね」
命令は大抵これである。
地下街
ルーナ「さ、買って買って買いまくるわよ~!」
「…」
ルーナ「あ、このお皿かわいい!ちょっとこっち来なさいよ!」
「…」
ルーナ「ふう、いっぱい買っちゃった…荷物もって。ほら」
「…」
ルーナ「…何よ。いつも以上に黙りこくっちゃってさ」
「…」
ルーナ「そうそう、この辺にあんたの家あるんでしょ?連れてってもらえる?」
「…すごく散らかってるけど」
ルーナ「いいの。ちょっと休みたいだけだから」
休憩の時間
午後は鍛錬もなく、もしあればの話だが、主君の命令を聞くだけでいい。
カミラ「買い物行ってきなさい。仲良くね」
命令は大抵これである。
地下街
ルーナ「さ、買って買って買いまくるわよ~!」
「…」
ルーナ「あ、このお皿かわいい!ちょっとこっち来なさいよ!」
「…」
ルーナ「ふう、いっぱい買っちゃった…荷物もって。ほら」
「…」
ルーナ「…何よ。いつも以上に黙りこくっちゃってさ」
「…」
ルーナ「そうそう、この辺にあんたの家あるんでしょ?連れてってもらえる?」
「…すごく散らかってるけど」
ルーナ「いいの。ちょっと休みたいだけだから」
246: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:27:39.11 ID:IDl/oJ1fO
「…」コポコポ
ルーナ「いいお部屋ね。こじんまりしてて…普通に片付いてるじゃない」
「…」カチャカチャ
ルーナ「あら、これは何?」
「…危ないからやめて」
ルーナ「はーい…これは?」
「魔石…魔王が封印されてる」
ルーナ「…あんたも冗談とか言うのね」
(冗談じゃないんだけど…)
「…紅茶。できた」
ルーナ「あら、いい香りね。ミルクもらうわよ」
「…砂糖はいいの?」
ルーナ「いらない」
ルーナ「…おいしいわね。こんなの久しぶり…あんたが入れられるなんて驚きだけど」
「…結構頑張ったわ」
ルーナ「ふふっ、えらいえらーい」ヨシヨシ
247: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:28:26.41 ID:IDl/oJ1fO
『…はっ……ふうっ…よくできたじゃない…偉いわ…ご褒美をあげる…』
『ありがとうございます…ウルスラ様…ひゃうっ!…」
『ふふっ…どうかしら…?私の為に働いてくれる気に…なった?』
『それは…』
(気を抜くと思い出してしまう…)ズズッ
ルーナ「…」ボリボリ
「…そろそろ行く」
ルーナ「ちょっ、待ちなさいよ!まだ食べてるのに…」ボリボリ
「…」ポリポリ
ルーナ「おいしいでしょ?このクッキー、私のお気に入りなの。本当は独り占めするつもりだったんだけど…何であげちゃったんだろ」
「…もう行く。鍵閉めるから出て」
ルーナ「ま、いいか」
「ちょっと寄るところがあるから、先に戻っといてもらえる?」
ルーナ「あ、そ。じゃあね」
ガチャン
248: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:29:07.81 ID:IDl/oJ1fO
でも、あたしの不思議な足は王城ではなくベルカの向かった先に歩き出した。いつになく注意散漫に歩いていたから、尾行するのは簡単だったけど。
尾行…?
(何で私ったら尾行なんかしてるんだろ)
ベルカ「…」スタスタスタ
(歩くの速いわね…はぐれそう…あら?あそこにおわすはエリーゼ様)
ベルカ「…こんばんは、エリーゼ様」
エリーゼ「あ、また来てくれたんだ!ありがとう!」
ベルカ「うん…一本もらえる?」
エリーゼ「はいはい、まいどあり!これで売り切れちゃった…いっしょに帰る?」
ベルカ「…!いいの?」
エリーゼ「もっちろん!いろいろお話したいし!」
ベルカ「…ありがとう。片付け手伝うわ」
エリーゼ「お礼なんて言わなくていいのに。うふふっ」
ベルカ「…」ニコッ
(何よ…すごい嬉しそうじゃない…満面の笑みなんて浮かべちゃって…馬鹿馬鹿しい…かーえろっ…)
249: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:29:44.76 ID:IDl/oJ1fO
何よ。私といる時にはそんな顔する気配すらないのに。
帰ってから問い詰めてやんなくちゃ。
だけど…
何で歯なんか噛み締めてるんだろう。
何で手を痛いほど握りしめているんだろう。
何でこんなにも動悸が激しくなっているんだろう。
胸に渦巻くこの感情は何?
悲しみ?悲哀?怒り?それとも…
走って王城まで帰った。幸いなことにお皿はベルカの家に置いてきていた。
250: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:30:42.84 ID:IDl/oJ1fO
ベルカ「…ただいま」
「お帰んなさーい。お風呂先に入ったわよ」
ベルカ「…分かった」
「…」
ベルカ「…どうしたの。そんな顔して」
「…あんたには関係ない」
ベルカ「…お風呂入ってくる」
とにかく分からないことが多すぎる。彼女の考えていることも、エリーゼ様が考えていることも、そもそも自分が何の気持ちを抱いているのかすら分からない。
いろいろ考える必要が、ありそうだった。
本当は…考える必要なんてない。…認めたくないだけ。全部分かってる…分かってるのに…
251: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:31:47.67 ID:IDl/oJ1fO
本編
レオン「…みんな生きてる?点呼とるよ…」
レオン「マークス兄さん」
マークス「」
レオン「ピエリ」
ピエリ「」
レオン「ラズワルド」
ラズワルド「」
レオン「カミラ姉さん」
カミラ「」
レオン「ルーナ」
ルーナ「」
レオン「エリーゼ」
エリーゼ「…なに?」
レオン「ハロルド」
ハロルド「」
レオン「エルフィ」
エルフィ「」
レオン「…みんな生きてる?点呼とるよ…」
レオン「マークス兄さん」
マークス「」
レオン「ピエリ」
ピエリ「」
レオン「ラズワルド」
ラズワルド「」
レオン「カミラ姉さん」
カミラ「」
レオン「ルーナ」
ルーナ「」
レオン「エリーゼ」
エリーゼ「…なに?」
レオン「ハロルド」
ハロルド「」
レオン「エルフィ」
エルフィ「」
252: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:32:26.39 ID:IDl/oJ1fO
レオン「立ってるのが…エリーゼだけ…か」
エリーゼ「…エルフィが…庇ってくれたの…」
レオン「…まだ息はあるみたいだが…」
ゼロ「…レオン様」
レオン「…まずいね。非常にまずい。サボってジャンプ買いに行ってたらこれだもん」
レオン「…ゼロ、杖使えるっけ?」
ゼロ「無理ですね。レオン様は?」
レオン「無理だよ」
ゼロ「…俺が時間を稼ぎます。レオン様とエリーゼ様は瀕死のお味方を…」
レオン「…」
レオン「いや、まだ勝ち目はある。ちょっと耳貸せ」ゴニョゴニョ
ゼロ「本気ですか…分かりました」
エリーゼ「…分かった。がんばる」
ウィザー「ふん…おや、新手か。少しは私を愉しませてくれよ?行くぞ…!」
253: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:33:01.69 ID:IDl/oJ1fO
ウィザー「ふんっ!はあっ!畜生めが、ちょこまかと動きおって…」
ゼロ「ほれ、後ろからだ」ピュッピュッ
ウィザー「はっ、矢は効かんと言ったはずだが?」
ゼロ「どうかね…もういっちょう」ピュッピュッ
ウィザー「ぐ…」プスプスッ
ゼロ「『聖なる弓』だ。少しは感じただろ?ん?」
ウィザー「ふん…蚊に刺された程度は…だな」
ゼロ「…そりゃ残念だね」
ゼロ「…でも動きが鈍ってるぜ」
ウィザー「何のこれしき…お前らがどこにいようとガイコツを当てることはできる…」
254: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:33:42.57 ID:IDl/oJ1fO
レオン「今だ!呪文は…『む、傷を負ったか』。龍脈、起動!」
プワァン! グオォン ドジャーッ! キラキラキラ…
ウィザー「これは…ぐ、ぐあああああっ!」
レオン「50パーセント回復床…お前にとっては、2ターンでHPを全て持っていくデストラップだけどね」
ウィザー「直ぐにどけば良いこと…もう怒ったぞ…貴様ら3人ぐらい簡単に…」
ゼロ「させねえよ。エリーゼ様、ちょっと失礼…よいしょ。ほら、この太くて硬くて立派なやつお願いします」
エリーゼ「…フリーズね…ううっ…いたい…フリーズ!」
ゼロ「もう休んで大丈夫ですよ…」
エリーゼ「…ありがと」ステン
ウィザー「ぐおおおおおお…私は…また負けるのか…?なぜ負けるのだ…どうして…」
レオン「…さあね。お前の慢心…じゃないのか?」ズシャ
レオン「ふう。マークス兄さんが国中の訓練場という訓練場にカムイ姉さん専用の回復床を仕掛けてくれたお陰だ…今だけは感謝しよう」
ゼロ「やっぱりバカ兄貴ですね…じゃあみんなを運びましょう…ん?」
レオン「どうした?」
ゼロ「今こいつなんか光って…」
レオン「んな訳ないだろうが。見せてみろ…あれ、光ってる…」
レオン「しまった!伏せろ!」
ドゴオオオン!
255: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 21:35:04.32 ID:IDl/oJ1fO
王の間
マクベス(やっと…やっと今日で35連勤から解放される…!負の連鎖準1級試験の実技対策で合宿してたメイド達が帰ってくる…やっと殺人当直から解放されるんだ…!万歳!メイド万歳!)フラフラ
マクベス「メイドばんざああああい!」
ガロン「どうしたお前…過労で狂ったか?さっさと帰って寝ろ」
マクベス「はっ、喜んで!」
ドゴオオ
マクベス「うっ…なんか屋上から変な音がしましたねぇ…幻聴だといいんですけど…行ってみましょうか…」
カンカンカンカンカン
ガチャ
気のせいではなかった。
その時、はっきりとマクベスにはかちゃりという音が聞こえた。
追加でビフレスト20連勤が課せられた音が、した。
256: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 23:49:09.86 ID:IDl/oJ1fO
医務室
リリス「…」
マークス「…」
ピエリ「…」
ラズワルド「…」
カミラ「…」
ルーナ「…」
レオン「…」
ゼロ「…」
エリーゼ「…」
エルフィ「…」
ハロルド「…」
マクベス「全員…蘇生完了しました…」バタッ
先生「…そうですか。あなたも入院しますか?」
マクベス「ぜひ…」
257: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 23:49:53.24 ID:IDl/oJ1fO
ピエリ「…あのー」
先生「何ですか」
ピエリ「ピエリお料理番だから、台所に行かなきゃならないの…連れてってなの…」
先生「…一応絶対安静ですが…まあいっか。じゃあ車椅子に乗せますね」
ピエリ「ありがとなの…」
先生「何ですか」
ピエリ「ピエリお料理番だから、台所に行かなきゃならないの…連れてってなの…」
先生「…一応絶対安静ですが…まあいっか。じゃあ車椅子に乗せますね」
ピエリ「ありがとなの…」
258: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/07(日) 23:51:43.21 ID:IDl/oJ1fO
マークス「…なんで退院して3日で再入院せねばならんのだ…」
リリス「沸き潰ししながらこぼす事じゃないでしょうに」
ラズワルド「全くもう…」
ルーナ「あ、あんたこの前の…何でラズワルドは普通に話してんのよ!」
ラズワルド「ああ、敵意はないそうだよ」
ルーナ「…じゃあいいか」
レオン「よく知らないけどその対応は間違っていると思います」
エリーゼ「エルフィ…大丈夫?私をガイコツからかばったりして…」
エルフィ「全然大丈夫ですよ。これぐらいへいちゃらです。それよりハロルド…あなたの方が心配なんだけど」
ハロルド「私には何の問題もないぞ?うん」
エルフィ「…あなた、走ってったらいきなり派手にずっこけて壁に頭をぶつけてたじゃない」
エリーゼ「その時たまたまポッケに入ってた骨粉が城壁のツタにかかって、爆発的に成長したそれが、レオン兄ちゃんたちの来る時までウィザーの動きを止めてくれたんだけど…覚えてない?」
ハロルド「ハッハッハッ、そんな事があったとは知りもしませんでしたよ。なんせ気絶していましたからね」
リリス「沸き潰ししながらこぼす事じゃないでしょうに」
ラズワルド「全くもう…」
ルーナ「あ、あんたこの前の…何でラズワルドは普通に話してんのよ!」
ラズワルド「ああ、敵意はないそうだよ」
ルーナ「…じゃあいいか」
レオン「よく知らないけどその対応は間違っていると思います」
エリーゼ「エルフィ…大丈夫?私をガイコツからかばったりして…」
エルフィ「全然大丈夫ですよ。これぐらいへいちゃらです。それよりハロルド…あなたの方が心配なんだけど」
ハロルド「私には何の問題もないぞ?うん」
エルフィ「…あなた、走ってったらいきなり派手にずっこけて壁に頭をぶつけてたじゃない」
エリーゼ「その時たまたまポッケに入ってた骨粉が城壁のツタにかかって、爆発的に成長したそれが、レオン兄ちゃんたちの来る時までウィザーの動きを止めてくれたんだけど…覚えてない?」
ハロルド「ハッハッハッ、そんな事があったとは知りもしませんでしたよ。なんせ気絶していましたからね」
259: ◆r9UtvwUCQI 2016/08/09(火) 00:13:59.61 ID:QudbBmEtO
その頃白夜のカムイの部屋
カムイ「…zzz」
サクラ「…」ソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワ
ヒノカ「…どうした?」
サクラ「別に?何でもないです…」ソワソワ
ヒノカ「…いやソワソワし過ぎ」
サクラ「そうですかね?」ソワソワソワ
ヒノカ「そうだ。どうしたんだ?」
サクラ「何でもないです…」ソワソワソワソワ
ヒノカ「言え」
サクラ「…ポータルが盗られまして」ソワ
ヒノカ「…」
サクラ「でも今は姉様から離れる訳には…」ソワソワ
ヒノカ「…行って来い。見ているぐらい一人でも十分だ」
サクラ「…!ありがとうございます、姉様!じゃあ行ってきます!」
サクラ「ほら!行きますよカザハナさん!」グイッ
カザハナ「何で私までええぇぇぇ!」
ドドドドドドドドドドドドドド
カムイ「…zzz」
ヒノカ「ふふふふ…邪魔者はいなくなったぞ…今こs」
ベルカ「…」ハガイジメ
ヒノカ「何をする!折角いいとこだったというのに…」
ベルカ「…カムイ様(とその貞操)の護衛が私の役目だから」
ヒノカ「くっ…牢屋からどうやって出てきた!」
ベルカ「それは企業秘密だから言えないけど…あなた…いい体してるわね…」
ヒノカ「…」ゾワッ
ベルカ「…可愛がってあげ」
ヒノカ「い、いかん、ノスフェラトウ討伐の仕事があったんだった…」ダダダダダッ
ベルカ「逃げられた…魅力的だったけど…」
カムイ「…zzz」
カムイ「…zzz」
サクラ「…」ソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワ
ヒノカ「…どうした?」
サクラ「別に?何でもないです…」ソワソワ
ヒノカ「…いやソワソワし過ぎ」
サクラ「そうですかね?」ソワソワソワ
ヒノカ「そうだ。どうしたんだ?」
サクラ「何でもないです…」ソワソワソワソワ
ヒノカ「言え」
サクラ「…ポータルが盗られまして」ソワ
ヒノカ「…」
サクラ「でも今は姉様から離れる訳には…」ソワソワ
ヒノカ「…行って来い。見ているぐらい一人でも十分だ」
サクラ「…!ありがとうございます、姉様!じゃあ行ってきます!」
サクラ「ほら!行きますよカザハナさん!」グイッ
カザハナ「何で私までええぇぇぇ!」
ドドドドドドドドドドドドドド
カムイ「…zzz」
ヒノカ「ふふふふ…邪魔者はいなくなったぞ…今こs」
ベルカ「…」ハガイジメ
ヒノカ「何をする!折角いいとこだったというのに…」
ベルカ「…カムイ様(とその貞操)の護衛が私の役目だから」
ヒノカ「くっ…牢屋からどうやって出てきた!」
ベルカ「それは企業秘密だから言えないけど…あなた…いい体してるわね…」
ヒノカ「…」ゾワッ
ベルカ「…可愛がってあげ」
ヒノカ「い、いかん、ノスフェラトウ討伐の仕事があったんだった…」ダダダダダッ
ベルカ「逃げられた…魅力的だったけど…」
カムイ「…zzz」
260: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/09(火) 00:14:46.70 ID:QudbBmEtO
泉のほとり
サクラ「はあ…はあ…ここですね…」
カザハナ「そうね」
ツクヨミ「なぜ私まで…」
サクラ「人数だけ有利になりますからね。いや~、このポータルは作戦場非常に重要な拠点でございまして…」
カザハナ「…この黒い枠が?」
サクラ「そうです。誰がなんの為に建てたのかは分かりませんけど」
オロチ「おや、サクラ様ではございませぬか」
ツクヨミ「む、オロチ。どうしたのだ?」
オロチ「この辺では貴重な調合材料が取れるのでな…」カチャ
ウオンウオンウオンウオンウオンウオン
カザハナ「うわっ、枠にモヤがかかって…って何よこれ?」
ツクヨミ「ほう…異世界に通じる扉か。噂には聞いていたが…」
オロチ「もっと接続を安定させたら上に伝えるつもりだったんじゃが…見られてしまったものは仕方がないのう」
サクラ「ポータルになってる時点でお察しですよ」
オロチ「ということで…手伝ってくれんか?わらわだけでは採取が難しい材料があっての」
サクラ「…忙しいので後にしてもらえますか?」
オロチ「…最近モンストに飽きてしもうてのう…そろそろ引退するからサブ垢にしtサクラ「今すぐやりましょう」
261: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/09(火) 00:15:24.92 ID:QudbBmEtO
ネザー
ツクヨミ「あ、暑い…体が溶けそうだ…」
カザハナ「どうなってるのよここ…あちこちからマグマなんか噴き出してるし…」
ガスト「」ギャースギャース
サクラ「剣で火球を跳ね返すんだそうです!頑張って!」
ガスト「」ポイッ
カザハナ「あちちち!そんなの上手くいくわけないじゃない!」
サクラ「あちゃー…春祭!」ホワワン
ツクヨミ「ここは私が…せいやっ!」クルクルクル
ガスト「」ギャアアアス
サクラ「ふう、殺りましたね…ガストの涙…あと10個手に入れたら帰っていいそうです」
オロチ「ファイトじゃぞ~!」
カザハナ「え~…もう帰りたい…」
サクラ「経験値オーブあげますから、ちょっと我慢して下さい」
テーテテレテテー!
カザハナ は レベルが 上がった!
ピンピンピンピンピンピンピンピンピン!
カザハナ「うわっ、なんか移動力まで上がった気がするけど?」
サクラ「また来ましたよ!お願いします!」
カザハナ「ばっちこーい!」
262: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/09(火) 00:15:57.65 ID:QudbBmEtO
カザンギハナ「相当集まったわね…」ムキムキ
ツクヨミ「名前変わってるぞ。2文字余計なのが入ってるぞ」
サクラオウ「たぶん気のせいですよ」ムキムキ
オロチ「なぜ戦っていないサクラ様までムキムキになっとるのじゃ?」
サクラ「杖経験値はレベル差で増減しますからね」
オロチ「…まあいいわい。お陰で採取も捗ったしの。ほれ、約束のGoogleアカウント」
サクラ「やった…!これでもう野良マルチに行かなくて済みます!」
カザハナ「凄い力…今すぐ誰かに試したい!…そうだ、そこの豚さん!私と勝負なさい!」
ゾンビピッグマンA「ブ、ブヒィ…」
カザハナ「問答無用!ええええい!」ズバッ
マンA「ブヒィィィ…」ガクッ
マンB「ブヒィ!ブヒブヒ!(許さない…仲間を傷つけた…あんたたちは…)
マンC「ブヒブヒ!ブヒ!(俺たちが…絶対に…)
マンD~Z「「「「ブヒ!(討つ!」」」」
サクラ「あれ…まずくないですか、この雰囲気」
ツクヨミ「いかん、囲まれるぞ!逃げろ!」
263: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/09(火) 00:17:34.22 ID:QudbBmEtO
サクラ「いや~、一時はどうなるかと思いましたが、何とか逃げ切れましたね」
カザハナ「はぐれちゃったけどね…どうしようか…あ、ゲートだ」
サクラ「二人とも先に帰ってるかもしれません…ちょっと確認します」
???
カザハナ「なんか暗いねここ…違うところ来ちゃったんじゃない?戻ろうよ」
サクラ「そうですね…あ、カイリュー!ちょっと待っててください!…」ダッ
カザハナ「あちゃー、待ってよサクラー!ていうかどこかなここ…」カチャ
見間違いかGoogle先生の冗談でなければ、そこは間違いなく暗夜の王都であった。そして残念なことにカザハナは眼病を患っておらず、Google先生は滅多に冗談を言わないのだ。
カザハナ「」
カザハナ「…違うゲートに入っちゃったみたいね」
264: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/09(火) 00:18:09.40 ID:QudbBmEtO
カムイ「…zzz」
ベルカ「…何かしら、この冊子」
ペラッ ペララッ
・白夜王国第2王女の家臣 カザハナ
何の因果かレオンと縁があるようだ。混ぜるな危険。もう一度書く。混ぜるな危険。大体サクラのせい。フォレオに清流だの流星だのが付くが、肝心の魔力はお察しとなる。
・白夜王国第2王女の家臣 ツクヨミ
前王スメラギと一緒にサクラがが風の谷に視察に行った際、一緒にマリオカートをしたのをきっかけにで家臣にされた。サクラのゲーム廃人ぶりに心を痛めている。
・白夜王国第2王女 サクラ
カムイを失った悲しみを全てゲームキューブにぶつけ、今に至る。ゲー廃人に片足突っ込んでいる。あっちの呪いは全てヒノカが食らってくれたので、そっちの方はいたって健全。
ベルカ「…」
ペララッ
・暗夜王国第1王女の家臣 ベルカ
特に
ベルカ「…下らない」ポイッ
265: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:28:11.22 ID:Hn2p4lmq0
短編の方
談話室
「はあ…」
何だかイライラする。自分が自分じゃないみたいな…
違う。「自分が自分のものじゃないみたい」だ。
オーディン「ん、どうしたセr…じゃないルーナ。珍しくしょんぼりしちまって」
「うっさいわねえ…私にだってそんな時ぐらいあるわよ。そう言うあんただって、何か最近元気ないじゃない」
オーディン「それなんだがな…口調がそれっぽくならないんだ…」
「それっぽく、って『俺は漆黒(笑)のオーディン…』とかのこと?」
オーディン「(笑)は余計だ…そうだ、そうなんだよ。どうやらこっちとあっちでは言葉が違うみたいでね…」
「普通に会話できてるじゃない」
オーディン「ハイドラさんがその辺は都合よく変えてくれたらしいんだけど、どうも微妙な言い回しまではうまく行かなかったらしいんだわ」
オーディン「向こうにあってこっちに無い表現とかがそれでね。それが無いとこう…上手い言い回しにならない。今はこっちの言葉を必死で学んでるとこなんだよ…はあ…」
「へえ、お疲れ様。あんたにも悩みなんてあるのね~、下らないけど」
オーディン「んなことはどうでもいい。で、お前はどうなんだ?ばかに元気がないじゃないか?最近おかしいぞ」
談話室
「はあ…」
何だかイライラする。自分が自分じゃないみたいな…
違う。「自分が自分のものじゃないみたい」だ。
オーディン「ん、どうしたセr…じゃないルーナ。珍しくしょんぼりしちまって」
「うっさいわねえ…私にだってそんな時ぐらいあるわよ。そう言うあんただって、何か最近元気ないじゃない」
オーディン「それなんだがな…口調がそれっぽくならないんだ…」
「それっぽく、って『俺は漆黒(笑)のオーディン…』とかのこと?」
オーディン「(笑)は余計だ…そうだ、そうなんだよ。どうやらこっちとあっちでは言葉が違うみたいでね…」
「普通に会話できてるじゃない」
オーディン「ハイドラさんがその辺は都合よく変えてくれたらしいんだけど、どうも微妙な言い回しまではうまく行かなかったらしいんだわ」
オーディン「向こうにあってこっちに無い表現とかがそれでね。それが無いとこう…上手い言い回しにならない。今はこっちの言葉を必死で学んでるとこなんだよ…はあ…」
「へえ、お疲れ様。あんたにも悩みなんてあるのね~、下らないけど」
オーディン「んなことはどうでもいい。で、お前はどうなんだ?ばかに元気がないじゃないか?最近おかしいぞ」
266: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:28:47.46 ID:Hn2p4lmq0
「え…どういうこと?」
オーディン「昔はすぐに突っかかってきたようなことも簡単に流しちまうし、何か目つきがデレデレしてるし、挙句に言動もおかしい」
「…えー…本当に…?」
オーディン「ほら、そういうとこだ。こっちに来る前のお前なら『何よそれ!私がデレデレした目つきなんてするわけないじゃない!バッカじゃないの!?』とか何とか言っただろうよ」
「嘘…」
オーディン「はあ…まあ慣れない生活だし、過渡期の混乱とかならいいんだが…大丈夫か?いや本当に」
「うるさいわね…」
オーディン「そうそう、そんな感じだ」
「…」
オーディン「だが…何かおかしいんだよな…決定的に…オーラとかかな?精神性のものか…ちょっと調べてみるか?」
「…じゃあお願いしていい?」
オーディン「うむ。儀式に準備が必要だから、3日後ぐらいにまた連絡する」
オーディン(絶対おかしいよな…何が『じゃあお願いしていい?』だよ。そんな素直なやつじゃ無かったよな…絶対…)
267: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:29:34.07 ID:Hn2p4lmq0
「はあ…」
いつからだろう。こんな、ため息ばかりつくようになったのは…どんどん自分がヘンになっていく気がする。
ゴソ
何かが尻に当たる。
『恋愛必勝法』
(何でこんなの持ち歩いてんだろ…ああ、母さんの形見だったっけ)
とんでもない形見もあったものだ。暇つぶしにペラペラとめくってみる。
とにかくものすごい量のしおりや付箋が挟まっており、かなり使い込まれていたことが分かる本だ。
まあ役に立ったことはただの一度も無かったらしいけど。
ペラ
(ふうん…年下…年上…身分の差…年収の差…遠距離…)
(母さんもバカね…こんな本が夢を叶えてくれるわけないって、分かっていたはずなのに…)
ふと、ある章が目に止まる。そこだけ一本の付箋はおろか折り目も付いておらず、新品同様だ。
『同性愛』
(何目に止まってんのよ私。バカじゃないの?)
ペララッ ペラ ペラ
だが徐々にページを繰る早さが遅くなる。
ペラ ペラ
ペラ
(付箋が必要ね…部屋に取りに行かなきゃ…って何を読みふけってるのよ私は!)
そう思いつつも『王族と既成事実を作ろう』に挟まっていたしおりを抜き、『友情が愛情に変わったとき』のページに挟んでしまうのであった。
268: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:30:27.68 ID:Hn2p4lmq0
数日後の朝
「…」
ルーナ「…どうしたの」
「…起き上がれない」
ルーナ「どーれ…」コツン
ルーナ「うわっ、すごい熱出てるじゃない!今日は休みね…ゆっくりしなさい」
「…分かった」
ルーナ「ポカリ持ってきたげる」
「…ありがと」
先生「…あー…インフルだねこりゃ。…ゴホッゴホッ」
カミラ「先生もかかってるんじゃないですか?」
先生「私が休んだら誰が侍医をやるんだね…ゴホッゴホッ」
カミラ「今や城の人間の半分がダウンしてる状態だものね。いいから寝てなさい。どうせこれじゃ仕事もないんだから、元気な人が看病するわよ」
先生「じゃあお言葉に甘えて…ゴホッゴホッ残りは頼みましたよ…」
昔から風邪ひとつ引かなかったのは自慢だったのだが…昨日遅くまで起きていたのが悪かったかのもしれない。
269: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:31:18.91 ID:Hn2p4lmq0
カミラ「はあ…マークス隊は全滅、レオン隊は立ってるのがゼロだけ、エリーゼ隊もエルフィが寝込んでる、か」
ルーナ「おまけにメイド達も半分以上立ち上がれないと来たわね…こりゃ酷いわ」
カミラ「私達も危ないわね。ルーナもマスクしときなさい」
ルーナ「予防にマスクって効果ないらしいですよ。とっくに感染はしてるでしょうから」
カミラ「いいのよ。保湿の役割もあるんだから。はいこれ」
ルーナ「分かりましたぁ…どうベルカ?欲しいものとかある?」
「…今のところはない」
ルーナ「あそ」
こんなに苦しいものだとは思わなかった。手足が自由に動かないし、頭も激しく痛む。もし敵が来た時にこの状態だと、非常にまずいだろうということは分かる。
ルーナ「…」ペララッ
「…何、その本」
ルーナ「…べつに」ペララッ
270: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:32:10.57 ID:Hn2p4lmq0
本編
階段
よく考えたら脱水症状で死にそうなんだった。まずは水を飲まねば。
テクテク
カザハナ(だ、誰か来る…)
リリス「…」ツカツカ
カザハナ(ここは素知らぬ顔をして…)
リリス「…」ツカツカ
カザハナ「…」テクテク
カザハナ(ふう…やり過ごせた…かな?)
リリス「…あのー」
カザハナ「!」
リリス「…この辺に何か落ちてませんでしたか?キラキラ光る星みたいなのが」
カザハナ「い、いえ、何も見てないわよ~」
リリス「…そうですか」
カザハナ「…ちょっと急いでるから」
リリス「…?その服…もしかしてあなた」
カザハナ「ちょっと眠ってなさい!」ゴン
リリス「」
カザハナ「ふう…ごめんね…確かにこの服は目立つわね。早く代わりを探さないと」
階段
よく考えたら脱水症状で死にそうなんだった。まずは水を飲まねば。
テクテク
カザハナ(だ、誰か来る…)
リリス「…」ツカツカ
カザハナ(ここは素知らぬ顔をして…)
リリス「…」ツカツカ
カザハナ「…」テクテク
カザハナ(ふう…やり過ごせた…かな?)
リリス「…あのー」
カザハナ「!」
リリス「…この辺に何か落ちてませんでしたか?キラキラ光る星みたいなのが」
カザハナ「い、いえ、何も見てないわよ~」
リリス「…そうですか」
カザハナ「…ちょっと急いでるから」
リリス「…?その服…もしかしてあなた」
カザハナ「ちょっと眠ってなさい!」ゴン
リリス「」
カザハナ「ふう…ごめんね…確かにこの服は目立つわね。早く代わりを探さないと」
271: ◆r9UtvwUCQI 2016/08/11(木) 17:33:16.20 ID:Hn2p4lmq0
コテつけ忘れてた
台所
ゴキュゴキュゴキュッ
カザハナ「ぶはあっ、何とか生きてる…」
カザハナ(運良く誰とも会わずに来れた…何か着れるものは…)
カザハナ(椅子にかかってたメイド服…4の5のいってはいらんないわね…仕方ない)
リョウリナンテムリジャナイデスカ
ヤッテミナクチャワカンナイノ!
カザハナ(誰か来る…!刀だけでも何とか隠さないと…)
ガチャ
ピエリ「あら、誰かいるの。メイドさんなの?」
先生「…?メイドは全員研修でいないはずだが…?」
カザハナ「え、えっと…」
カザハナ(ま、まずい…何て言おうか…)
ピエリ「ああ、確か昨日新人さんが来てたの!あなただったのね?」
カザハナ「は、はい。そんな感じです」
ピエリ「えへへ、よろしくなの!」
カザハナ「よろしくお願いします!」
先生「ピエリ君、やっぱり君…一人で料理は無理じゃないか?両足の腱が切れてるし利き手は折れてるし腹に穴空いてたし…常人なら痛みで起き上がれん怪我のはずだが」
ピエリ「え?全然痛くないの。それにお料理ぐらい左手でもできるのよ?」
先生「…分かった。じゃあ君、手伝ってやりたまえ。生憎私は料理がからっきしだからね」
カザハナ「分かりました」
カザハナ(面倒な事になったわね…刀は隠しちゃったから峰打ちも出来ないし…)
カザハナ(さっさとサクラ探さなきゃいけないのに~!どこ行っちゃったのよ!サクラ!)
台所
ゴキュゴキュゴキュッ
カザハナ「ぶはあっ、何とか生きてる…」
カザハナ(運良く誰とも会わずに来れた…何か着れるものは…)
カザハナ(椅子にかかってたメイド服…4の5のいってはいらんないわね…仕方ない)
リョウリナンテムリジャナイデスカ
ヤッテミナクチャワカンナイノ!
カザハナ(誰か来る…!刀だけでも何とか隠さないと…)
ガチャ
ピエリ「あら、誰かいるの。メイドさんなの?」
先生「…?メイドは全員研修でいないはずだが…?」
カザハナ「え、えっと…」
カザハナ(ま、まずい…何て言おうか…)
ピエリ「ああ、確か昨日新人さんが来てたの!あなただったのね?」
カザハナ「は、はい。そんな感じです」
ピエリ「えへへ、よろしくなの!」
カザハナ「よろしくお願いします!」
先生「ピエリ君、やっぱり君…一人で料理は無理じゃないか?両足の腱が切れてるし利き手は折れてるし腹に穴空いてたし…常人なら痛みで起き上がれん怪我のはずだが」
ピエリ「え?全然痛くないの。それにお料理ぐらい左手でもできるのよ?」
先生「…分かった。じゃあ君、手伝ってやりたまえ。生憎私は料理がからっきしだからね」
カザハナ「分かりました」
カザハナ(面倒な事になったわね…刀は隠しちゃったから峰打ちも出来ないし…)
カザハナ(さっさとサクラ探さなきゃいけないのに~!どこ行っちゃったのよ!サクラ!)
272: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:33:47.46 ID:Hn2p4lmq0
ピエリ「今日はカレーなの。ピエリスペシャルよ?」
カザハナ「材料は…鶏肉とヨーグルト、トマトにニンニクにショウガ、玉ねぎとあとは適当に」
ピエリ「まず鶏肉をヨーグルトに漬け込むの。5時間ぐらいだけど、今回は事前に漬けといたのを使うの。ちょっと冷蔵庫から出してなの」
カザハナ「はいはい。次は?」
ピエリ「次に唐辛子を23本炒めるの。そこにニンニクと生姜と刻んだ玉ねぎを入れるの。刻むのはあなたがやるのよ?」
カザハナ「はいはーい」トトトトントントン
ジャーッ
ピエリ「香りが立ってきたらカレー粉とトマトを入れて少し煮るの。次に鶏肉をヨーグルトごと入れるの」
カザハナ「えっ、そうなの?」
ピエリ「いつもこうしてるから問題ないの!もう怒ったの!えいっするわよ!えいっ!」
カザハナ「きゃあっ!危ないじゃない!」
ピエリ「えいなのえいなのえいなのおっ!」
ピエリ「うっ…痛いの…」
先生「あちゃー…今ので傷が開いたみたいだね…悪いけど残りよろしく」
カザハナ「え、ええええっ!?嘘でしょ!?」
カラカラカラ バタン
273: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:34:28.98 ID:Hn2p4lmq0
カザハナ「何だったのよさっきの…まあいいや、今の内に逃げましょ。刀刀~っと。さっさとサクラ探さなくちゃ~」
ガチャ
リリス「うう、頭痛いです…氷のう下さい…」
カザハナ(げええええっ!)
リリス「あら、どうかしましt」ゴン
カザハナ「もう縛っておこう…」
カザハナ「ふう…縛って隠したし、あとは逃げるだけ…」
ピエリ「ただいまなの…」
カザハナ(何でこんな早く帰ってくるのよ~!)
ピエリ「やっぱり心配だったから無理を押して戻ってきたの…すっごくお腹が痛いの…」
カザハナ「あわわ…大丈夫ですか?」
ピエリ「いいからカレーなの…ああ、良く煮えてるの…」
カザハナ(さすがにこの人殴ったら死んじゃうわよね…できないわ…)
ピエリ「最後に隠し味のソース入れて、完成なの…きっとあなたも気にいるの…あと唐辛子を取り出すの…」
カザハナ「唐辛子…これね。やった!これで完成ですね!」
ピエリ「じゃあ持ってくから、一杯注いでなの…」
カザハナ「はいはーい」
カザハナ(やった!これでやっと探しに行ける!誰だか知らないけど、このカレーさえ持っていけば…!)
274: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:42:14.60 ID:Hn2p4lmq0
ガロン「遅かったな。だが何故包帯まみれなんだ?」
カザハナ(ってガロン王かよぉぉぉ!)
ピエリ「ごめんなさいなの…」
ガロン「何、数分ぐらい構わんわい。それよりお前の料理は美味いとマークスから常々聞いておる。さっさと寄越すんだ」
カザハナ「こ、こちらでございます…」プルプル
ガロン「…ふん、これが…二人とも下がって良いぞ」
ガロン「…そこのメイド」
カザハナ「…!な、何ですか…?」
ガロン「ギュンターから電話で話は聞いとる。明日から工兵として精進するがいい」
カザハナ「はっ…失礼します」
ガロン「…その白夜風の敬礼、流行っておるのか?」
カザハナ(しまったああああっ!)
カザハナ「え、えっと…個人的なブームなんです…ハイ」
ガロン「そうか。下がれ」
カザハナ(危ない危ない…)
ピエリ「いやー、喜んでるみたいで何よりなの!あれ?あのメイドさんどこ行っちゃったの…?」
275: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:42:51.85 ID:Hn2p4lmq0
医務室前
カザハナ「すっかり遅くなっちゃった…さっさと連れ戻さないと大変な事に~!」
ワイワイ ガヤガヤ
カザハナ(サクラの声…ここかしら)
ガチャ
マークス「くそっ、やりおったな!食らえ!ふん!」エアー! エアー!
カミラ「甘いわね…そいやっ!」ヌウンッ!
ハロルド「そこだ!そうれっ!」ファフコンキッ
マクベス「はあっ…負けてしまいました…」ヤラレチャッタ
エリーゼ「はいマクベスこうたーい」
マクベス「はいどうぞ」
エルフィ「…」ウオオッ
ルーナ「は、ハンマーなんて危ないじゃないのよ!びっくりした~」ウンメイヲカエマス!
ゼロ「ふっ…」ヤヒー! ヤッヒー!
サクラ「そんな大技ばかり…当たりませんよ!それ!」ピピッ ガガッ ピッピッ
カザハナ「…」ブチィ
サクラ「あ、カザハナさん。スマブラやりませんか?たのしいですよ?」
カザハナ「…帰るわよ」
サクラ「そんなに怖い顔しなくても…」
カザハナ「い い か ら!」
276: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:43:26.67 ID:Hn2p4lmq0
カザハナ(見なさいよ!第二王子凄い顔でこっち睨んでるじゃない!向こうも顔知らない訳ないんだからばれて捕まるのも時間の問題でしょうが!)ヒソヒソ
サクラ(またまた~、ゲーム好きな人に悪い人はいませんって~)ヒソヒソ
カザハナ(いいから逃げる!手え握るよ!)ヒソヒソ
バビューン!
マークス「おや、行ってしまった…勝ち逃げとはマナーがなっとらんな」
レオン「兄さん、さっきの人多分…」
マークス「ははっ、こんなところに敵国の王女なんぞいる訳がないだろう。頭にトマトでも自生してるんじゃないか?ん?」
レオン「だけど…!」
マークス「やかましい!ゲーム好きな人間に悪人はおらんのだ!趣味に敵も味方もない!文句があるなら言ってみろ!」
レオン「…」
マークス「…弟よ、世界にはまだまだお前の知らないことがたくさんあるんだ…これもその中の一つ」
レオン「……いつか必ず僕がこの国を取ってみせる。あんたにやる訳にはいかない」
マークス「好きにしろ。俺の夢は有野課長に取って代わることだ…」
エリーゼ「レオンにいちゃんもやる?」
レオン「…じゃあちょっとだけ」
レオン(こんなんで兄さんの国民支持率結構いいんだもんな…何でだよ…くそっ…)
277: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:44:21.22 ID:Hn2p4lmq0
泉
ツクヨミ「大丈夫か…あの二人…」
オロチ「大丈夫じゃろ。あの世紀末覇王二人が豚どもに遅れをとるとは思えん」
ツクヨミ「とは言ってもな…」
カザハナ「ただいまー!」
サクラ「ただいま帰りました!」
ツクヨミ「…」
カザハナ「へっへ~、心配した?」
ツクヨミ「いや…全く」
オロチ「ふっふっふ、泣いて寂しがっておったくせにのう…」
ツクヨミ「な、何をいうかー!」
サクラ「そうだったんですか?」
ツクヨミ「違う!こら!逃げるなオロチ!」
ハッハッマダアオイノウ
マテコノヤロ-!
カザハナ「よかったよかった。じゃあ帰ろう、サクラ!…?どうしたの、考え込んじゃって」
サクラ「私は…」
カザハナ「?」
サクラ「いえ、何でもありません。帰りましょう」
カザハナ「ふふっ、変なの!」
サクラ(国境がゲーマーの間を隔てない世界…そんな世界が来ると…いいですね。マークスさん…)
ツクヨミ「大丈夫か…あの二人…」
オロチ「大丈夫じゃろ。あの世紀末覇王二人が豚どもに遅れをとるとは思えん」
ツクヨミ「とは言ってもな…」
カザハナ「ただいまー!」
サクラ「ただいま帰りました!」
ツクヨミ「…」
カザハナ「へっへ~、心配した?」
ツクヨミ「いや…全く」
オロチ「ふっふっふ、泣いて寂しがっておったくせにのう…」
ツクヨミ「な、何をいうかー!」
サクラ「そうだったんですか?」
ツクヨミ「違う!こら!逃げるなオロチ!」
ハッハッマダアオイノウ
マテコノヤロ-!
カザハナ「よかったよかった。じゃあ帰ろう、サクラ!…?どうしたの、考え込んじゃって」
サクラ「私は…」
カザハナ「?」
サクラ「いえ、何でもありません。帰りましょう」
カザハナ「ふふっ、変なの!」
サクラ(国境がゲーマーの間を隔てない世界…そんな世界が来ると…いいですね。マークスさん…)
278: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:44:51.83 ID:Hn2p4lmq0
ガロン「ふん…今日はカレーか…こういうのでいいんだよ、こういうので」
ハイドラ『うまいな。ヨーグルトが鶏肉によく浸みておる…柔らかいからお前のような老いぼれでも楽に食べられるという思いやり…流石だ』
ガロン「わしの歯はそこまで弱っとらんわい…だが美味いな…ご馳走様」
ハイドラ『じゃあ探しに行くぞ』
ガロン「マークス!これは一体どういうことだ!」
エリーゼ「あ、お父様!一緒にやる?」
ガロン「ほう…私をスマブラに誘うか…我が娘よ…後悔するがいい!」ガノンドロッフ!
エリーゼ「あれ…シークで負けちゃった…」
ガロン「ふん。思い知ったか」
カミラ「次は私よ…かかってきなさい!」
リウー!
ガロン「馬鹿め…返り討ちにしてくれるわ!」
ハイドラ『おい!問い詰めるんじゃ無かったのか!?』
ガロン「…」ア゛ッ!ア゛ッ!
ハイドラ『親馬鹿が…いや、この前の爆発で呆けたか…?役に立たん…』
ハイドラ『うまいな。ヨーグルトが鶏肉によく浸みておる…柔らかいからお前のような老いぼれでも楽に食べられるという思いやり…流石だ』
ガロン「わしの歯はそこまで弱っとらんわい…だが美味いな…ご馳走様」
ハイドラ『じゃあ探しに行くぞ』
ガロン「マークス!これは一体どういうことだ!」
エリーゼ「あ、お父様!一緒にやる?」
ガロン「ほう…私をスマブラに誘うか…我が娘よ…後悔するがいい!」ガノンドロッフ!
エリーゼ「あれ…シークで負けちゃった…」
ガロン「ふん。思い知ったか」
カミラ「次は私よ…かかってきなさい!」
リウー!
ガロン「馬鹿め…返り討ちにしてくれるわ!」
ハイドラ『おい!問い詰めるんじゃ無かったのか!?』
ガロン「…」ア゛ッ!ア゛ッ!
ハイドラ『親馬鹿が…いや、この前の爆発で呆けたか…?役に立たん…』
279: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:45:52.20 ID:Hn2p4lmq0
台所のロッカーの中
リリス(出られません…)
リリス(結局この中で一夜を明かしてしまいました。さっさと出てネザースターを回収しないと…)
リリス(ご丁寧に猿ぐつわまでかまされてるから大声も出せないし…)
リリス(あの侍さん…今度会ったらビンタしてあげましょうか)
リリス(いや、デコピンの方がいいかな…)
ガチャ
フェリシア「あれ、どうしたんですか?こんなところで縛られちゃって」
リリス(助けてくださーい!)
フェリシア「大変大変、今解きますね~」
リリス(出られません…)
リリス(結局この中で一夜を明かしてしまいました。さっさと出てネザースターを回収しないと…)
リリス(ご丁寧に猿ぐつわまでかまされてるから大声も出せないし…)
リリス(あの侍さん…今度会ったらビンタしてあげましょうか)
リリス(いや、デコピンの方がいいかな…)
ガチャ
フェリシア「あれ、どうしたんですか?こんなところで縛られちゃって」
リリス(助けてくださーい!)
フェリシア「大変大変、今解きますね~」
280: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:46:26.27 ID:Hn2p4lmq0
フェリシア「何で縛られてたんですか?」
リリス「ちょっといろいろありまして…フェリシアさんこそ何でこっちにいるんですか?北の城塞勤めじゃ無かったんですか?」
フェリシア「それがまた盛大にドジっちゃいまして…ギュンターさんからこっちに行けって言われたんです。メイド辞めて工作兵やれって」
リリス「そうですか…今度は何やらかしたんですか?」
フェリシア「お料理してたらお台所が爆発しちゃったんです…そうそう、リリスさんの部屋にあった機材ですけど、下の馬車に全部積んであります。もらっといてください」
リリス「え…ということは…」
フェリシア「ええ、新しく獣舎係の人が来たんですよ」
リリス「あちゃあ…まあいいや…まだ使えるのがあればいいんですけど…」
フェリシア「何のことですか?そうだ、下で珍しい石を拾ったんです。物知りなリリスさんなら何か分かるかもしれないって思ったんですけど…どうですか?」つネザースター
リリス「どれどれ…って…これネザースターじゃないですか!爆発で下に落ちちゃったんですね~貰っていいですか?」
フェリシア「構いませんよ。じゃあちょっと皆さんに挨拶してきますね~」
バタン
リリス「さあ、さっさと作業に戻らないと…」
何だかフェリシアとキャラ被ってる気がするリリスであった。
リリス「ちょっといろいろありまして…フェリシアさんこそ何でこっちにいるんですか?北の城塞勤めじゃ無かったんですか?」
フェリシア「それがまた盛大にドジっちゃいまして…ギュンターさんからこっちに行けって言われたんです。メイド辞めて工作兵やれって」
リリス「そうですか…今度は何やらかしたんですか?」
フェリシア「お料理してたらお台所が爆発しちゃったんです…そうそう、リリスさんの部屋にあった機材ですけど、下の馬車に全部積んであります。もらっといてください」
リリス「え…ということは…」
フェリシア「ええ、新しく獣舎係の人が来たんですよ」
リリス「あちゃあ…まあいいや…まだ使えるのがあればいいんですけど…」
フェリシア「何のことですか?そうだ、下で珍しい石を拾ったんです。物知りなリリスさんなら何か分かるかもしれないって思ったんですけど…どうですか?」つネザースター
リリス「どれどれ…って…これネザースターじゃないですか!爆発で下に落ちちゃったんですね~貰っていいですか?」
フェリシア「構いませんよ。じゃあちょっと皆さんに挨拶してきますね~」
バタン
リリス「さあ、さっさと作業に戻らないと…」
何だかフェリシアとキャラ被ってる気がするリリスであった。
281: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:46:57.75 ID:Hn2p4lmq0
夜
カムイ達がおでん屋で談笑している頃
フェリシア「ええ~!私がお料理番ですかぁ!?」
リリス「作れそうな人があなたしかいないんです。皆さん昨日のスマブラ大会の後のリアル大乱闘で怪我が悪化しまして…」
リリス「おまけに研修が長引いて、使用人も帰ってこない有様…」
フェリシア「で、でも私が作ったら…」
リリス「『殺人』じゃないのが出るまで頑張ればいいんですよ!私も手伝いますから、一緒に頑張りましょう!」
フェリシア「そんなにおっしゃるなら…わかりました…頑張ります…」
282: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:47:41.96 ID:Hn2p4lmq0
フェリシア「出来ました!どうでしょうか!?」
リリス「…殺人ドリアですか…」
フェリシア「今度こそどうでしょう!?」
リリス「…最低のクリームシチュー…」
フェリシア「今度のは自信作ですよ!」
リリス「炭化した寿司…」
フェリシア「…どうでしょう?」
リリス「お、おええええ!」
フェリシア「だ、大丈夫ですか!?リリスさん!リリスさーん!」
フェリシア「うわー…もう食材がほとんど残ってません…」
リリス「xxxx You...ぶち殺すぞゴミめが…」
フェリシア「そんなに怒らなくても…」
リリス「誰が試食したと思ってるんですか…たまには自分で食ってください…」
フェリシア「十分おいしいじゃないですか。ほら」パク
リリス「…味覚までポンコツだったとは…もういいです…私がします…」
フェリシア「ま、待ってください!今度は一種類で作りますから!今度こそ失敗しようがありませんから!」
リリス「本当でしょうね…」
283: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:48:21.84 ID:Hn2p4lmq0
フェリシア「出来ました!」
リリス「刺身ですか…手、大丈夫ですか?」
フェリシア「5回ぐらい切っちゃいましたけど大丈夫です!」
リリス「イカが赤くなってるじゃないですか…これ白身魚ですよ…」パク
リリス「うっ…生臭っ…」
フェリシア「…ダメですか…?」
リリス「こんなもの持って行ったら村ごと焼かれますよ…」
フェリシア「…」ショボーン
フェリシア「…」コト
リリス「おにぎりですか…形は結構いいですね…具は何ですか?」
フェリシア「ロシアンルーレット…」
リリス「え?」
フェリシア「おかかと梅です…」
リリス「…」パク
リリス「…うん、これなら大丈夫ですね。持ってっといてください」
フェリシア「…」ブツブツ
リリス「なんか言いました?」
フェリシア「…何でもないです…」ガチャ バタン
リリス「…フェリシアさん、さっき別世界のオボロさんみたいな顔と声になってましたけど…どうしたんでしょうか…」
リリス「ま、いいか…でもなんか忘れてるような気がするんですよね~」
284: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 17:49:07.74 ID:Hn2p4lmq0
ターメリックが充満したカムイの部屋
ヒノカ「む?何だこれは…」ペララ
・氷の部族長の娘 フェリシア
氷の部族と言ってもあの銀の斧持って氷竜と一緒に特攻してくる奴らとは無関係である。今回はオボロがオボロオボロしてないのでオボロのオボロ分がこっちに回ってきている。つまり怒らせると静かにぶち切れるので注意。
ヒノカ「何のことだ…?」
ヒノカ「まあいいや、おやすみカムイ」パタン
アクア「…」
ヒノカ「?どうしたアクア、そんな顔して。おやすみ」
アクア「チッ…しくじった…もう時間が無いのに…仕方ないか…」
アクア「かくなる上は私が…本当はこんな事、したく無いけど…」
ガシッ
アクア「!」
アクア「あら、もう催眠がとけたのね。予想より6時間も早かったわ」
タクミ「…何を…やってる…くっ…」
アクア「立っているので精一杯じゃない…無理しないで…眠りなさい、もう一度」ガッ
タクミ「…」
アクア「記憶を消し直さないと。…今日はもう無理ね…時間がないってのに…」
288: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:24:37.06 ID:41FTfD0QO
朝
カムイ「ふぁあ~、よくねむr」ズキ
カムイ「いたたたた」ズキズキ
カムイ(昨日飲みすぎましたね…)
289: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:25:10.43 ID:41FTfD0QO
洗面所
カムイ「おはようございまーす」
カムイ(皆さん早起きですね~朝からすごく混み合ってます)
アクア「おはようカムイ…よく眠れた?」
カムイ「ええ。まだ頭ガンガンしますけど…あれ、今日は寝癖付いてないんですね?」
アクア「えっと…そうね、部屋で直してきたから」
アクア(まあ歌っていたら枕に頭をつける前に夜が明けたからなんだけど)
カムイ「…今日はあの日です。勿論覚えていらっしゃいますよね?」
アクア「当たり前よ。きょうだい全員でミコトと城下の視察に行く日…つまり…」
カムイ「…今日食い止めることができなければ、私がここに来た意味がありません。今度こそ絶対に失敗はできません」
アクア「…でも、もうガングレリはないんでしょう?」
カムイ「奴らはきっと別の手を使ってきます。用心に越したことはありませんよ」
アクア「そう…私も協力する」
カムイ「ところで…私とスズカゼさんとリンカさんでノスフェラトウの一団と戦う場面ってありましたよね?あれはどうなったんでしょうか」
アクア「とっくにヒノカが一人で制圧したわ」
カムイ「…そうですか。よかったです」
第4章 白夜の同胞(とベルカ) おわり
290: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:25:51.26 ID:41FTfD0QO
カムイ「おはようございます、母様。お加減はどうですか?」
ミコト「ええ、悪くありませんよ。どうですか、カムイ?こっちの生活には慣れましたか?」
カムイ「ええ、とても」
ミコト「ふふ、そうですか。どうやら聞くだけ野暮だったようですね。まるで…昔からここで生活していたみたい…」
カムイ「…」
ミコト「いけない、変なことを言ってしまいましたね…」
カムイ「い、いえ…昔から馴れなれしいってよく言われます。多分そのせいですよ、多分」
ミコト「優しいですね、カムイは…ありがとう。今日は民の皆に、あなたが帰ってきたことを報告する日です。私とリョウマは後で行きますから、先にヒノカたちとその辺で遊んできなさい」
カムイ「分かりました!行きましょう、皆さん!あれ、タクミさんは?」
アクア「まだ部屋で寝てるわ」
カムイ「そうですか…」
カムイ(昨日おでん屋からアクアさんに連れ出されてそれっきり…疲れてるんでしょうかね)
カムイ「ヒノカさんは?」
アクア「…早朝のマラソンに行ったわ。日課なんですって」
カムイ「そうですか、残念です。あれ、という事は…」
サクラ「…」ニコッ
カムイ「…スマホは置いていきましょうね」
サクラ「はい…」ショボーン
291: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:26:18.90 ID:41FTfD0QO
リョウマ「しかし妙だ…あのタクミが朝礼に遅刻とは…」
ミコト「たまにはそんなこともありますって♪それより何着て行きましょうか♪」ウキウキ
リョウマ「母上、浮き足立ち過ぎです…いったい今年で何歳になったと思ってるんですか?少しは自かkごふっ」
ミコト「…透魔王の名の下に…滅びよ…」
リョウマ「」
ギャアアアアアアッ!
サクラ「仕方ない…ポケストのかわりにお菓子屋さんでも周りましょう、お姉さま」
カムイ「そうですね。楽しみです」
カムイ(元よりそのつもりでしたけどね)
サクラ「ほら、見えてきましたよ!」
292: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:27:06.12 ID:41FTfD0QO
カザハナ「二人とも仲良しそうね。よかった」
ツクヨミ「カザハナよ…」
カザハナ「何よ」
ツクヨミ「えっと…昨日の夜、何しておったのだ?」
カザハナ「別に。あんたには関係ないでしょ」
ツクヨミ「そうか…?」
カザハナ「当たり前じゃない。私とサクラ様の問題だもん」
ツクヨミ「問題って…何のだ?」
カザハナ「…べつに」
ツクヨミ「…夜は早く寝ろよ」
カザハナ「そういう意味よ」
ツクヨミ「そのままの意味だ」
カザハナ「ふーん。見てたの?」
ツクヨミ「…いや。声だけ聞こえた」
カザハナ「あそ」
ツクヨミ「やっぱりな…ああいうところでああいう事はするべきじゃないと思うぞ、うん」
カザハナ「私だって分かってるけど…昔からしてる事だし…」
ツクヨミ「昔からとは…具体的に」
カザハナ「あんまり普通じゃないとは思うけど…3年ぐらい前からずっとかな」
ツクヨミ「さ、三年前からだと!?」
カザハナ「なによ。そんなに珍しい?」
ツクヨミ「……世間では幼馴染同士でそんな事をするのか?私は世事に疎くてな…」
カザハナ「うーん、してる人もいるんじゃないかなー。今度聞いてみれば?」
ツクヨミ「聞けるわけないだろうが…そんな事…というか世間ではこれが普通なのか?」
カザハナ「たまに友達ともやるときはあるよ。この前はオボロとしたな~、あの人すんごく上手くて」
ツクヨミ「えええええっ?!」
カザハナ「何よ…そんなに驚いちゃって。あんたもする?」
ツクヨミ「え、遠慮しとこう…」
ツクヨミ(まさかそんなただれたネットワークができていたとはな…世間は広いぞ、フウガ殿…)
カザハナ(…もう最近ぱずどらも飽きてきたんだよね…やめたらサクラ怒るかな…)
293: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:27:53.37 ID:41FTfD0QO
アクア「そろそろ時間だけど、広場に行かなくていいの?」
カザハナ「ああ、それは問題ないです。このまま一通り遊んでから帰ってこいって、カムイ様が」
アクア「…カムイが…まあいいか…今のカムイなら小太刀スメラギぐらい瞬殺できるだろうし…」ブツブツ
サクラ「何をブツブツ言ってるんですか?お姉さま」
アクア「別に…」
アクア(多分カムイの暴走も無いし…それより運命の分岐点までもう時間がない…急いで片付けないと…)
広場
ザワザワ
ザワザワ
カムイ(敵は…今のところ見当たりませんが…油断はできませんね。一応帯刀は禁じられてますし)
カムイ(…まあいざとなれば竜石を使いましょう。アクアさんにもう一芝居打ってもらって…ん?)
ペカーッ
294: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:28:19.34 ID:41FTfD0QO
カムイ(おや、群衆の中に一際目立つ光が…いやいやスメラギさんは禿げて無かったし…まさか…)
ミコト「何だか騒がしいですね。どうしたんでしょうか?」
カムイ「…!危ない、伏せてください!!」
ミコト「えっ?」
ガンズ「ふはははははははっ、氏ね氏ね氏ねえ!」バシュバシュバシュッ!
カムイ(何てことでしょう、まさかガンズさんがかわりに来るなんて…!しかもガングレリのスペアまで持ってきてるじゃないですか!)
ガンズ「おっと、カムイ様。久しぶりですねぇ。調子はどうですかい!?それっ!」バシュッ!
カムイ「お母様、危ない!」バッ
ゴロゴロゴロッ!
ミコト「うっ…何とか避けましたね」
ガンズ「次はねえぜ…?親子共々…死んじまいなあ!!…ありゃっ」ガチャッ
カムイ「弾切れですか?」
ガンズ「ふん…こんなもん、すぐ込められる。さ、どっちが先がいい。希望を聞いてやろうじゃねえか。ま、いずれにしろ死んでもたう事に変わりはないがな」
カムイ(助けは来ない。自分で追い払ってしまった…おまけに竜石もさっきので落としてしまったし…まずいですね。非常にまずい)
カムイ「お母様、走れますか?」
ミコト「いいえ…さっきので足を挫いてしまいました。だから、あなただけでも…」
カムイ「そんな事言わないでください。そんな事したら…私が来た意味が…無くなるじゃないですか!!」
ガンズ「お話は終わりか?長えから続きはごゆっくり…天国かどっかでするといい。死ねぇっ!」バシュンッ!
カムイ「じゃあ、後はおねがいします…」バッ
ミコト「止めなさい、カムイ!!!」
ドスッ!
295: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:32:08.87 ID:41FTfD0QO
その少し前
サクラ「いやー、いいお天気ですね~。今頃、カムイ姉様は何をしてるんでしょうか…」
アクア「…サクラ」
サクラ「何ですか?アクアお姉さま」
アクア「あなたが欲しいって言っていた『マリオ64』が手に入ったわよ」
サクラ「ええっ、本当ですか!?ありがとうございます!」
アクア「はいこれ。確かゲームキューブはタクミの部屋にあったわね」
ドドドドドドドドドドドド
アクア(これで邪魔者は消えた…あの子何気に勘がいいから)
アクア「私もちょっと失礼するわよ」
カザハナ「あっ、はーい。分かりました」
296: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:32:35.78 ID:41FTfD0QO
ツクヨミ(うーむ…もう誰も信用できんぞ…)
カザハナ「どうしたのよ、そんなにむつかしい顔しちゃって」
ツクヨミ「常識というものは、或る日突然いとも簡単に覆るものなのだな…」
カザハナ「また変なこと言ってら…そろそろおまんじゅう買って帰ろうよ。久しぶりにぷらぷらしたら疲れてきちゃったし」
ツクヨミ「私は食わんぞ」
カザハナ「いいから」
ツクヨミ「ではお団子がいい」
カザハナ「珍しいわね」
ツクヨミ「たまにはな」
黒アクア「いらっしゃいませー!お団子はいかがですかー?あ、そこのお兄さん達!」
ツクヨミ「え、お兄さん?」デレ
カザハナ(こいつちょろい)
297: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:33:10.84 ID:41FTfD0QO
黒アクア「そうそうそこのお兄さん。おまんじゅう一ついかが?今なら二つ買うと二つサービス!」
カザハナ「じゃあ2っつお願い!」
黒アクア「はいまいどありー。こちらおまんじゅうふたっつと…」
つおしぼりとおまんじゅう
黒アクア「どうぞ♪」
黒アクア(このおしぼりには超高濃度のアレがたっぷり染み込ませてあるわ…拭いた手でおまんじゅうを食べるだけでその効果をてきめんに発揮するぐらいに…ね)
黒アクア(私の調査によればカザハナはこういった暗示の類に凄くかかりやすい。その後ダミープラグに切り替わった彼女がツクヨミをアレすれば計画は成功…その場で運命は分岐する…!)
カザハナ「おっ、いっただっきまーす」ヒョイ
カザハナ「ん~っ、おいしい!」
ツクヨミ「カザハナ、行儀悪いぞ。ちゃんと手を拭け。それから食べろ」フキフキ
黒アクア「…」ワナワナワナワナ
298: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:33:50.26 ID:41FTfD0QO
ツクヨミ「どうした?熱でもあるのか?まんじゅうもらうぞ」
黒アクア「!」ポロッ
黒アクア「いけない、落としちゃったわ。あなたにはこっちの串団子をあげる」
ツクヨミ「おお、気がきくな。ありがとう」
カザハナ「ほら、もう行くよ。ごちそうさまでしたー!」
黒アクア(また失敗した…くうっ…そろそろ着替えてカムイのところに行かないと)
アクア?『ざまあ無いわね…』
黒アクア「!」
アクア『私があなたの中にいる限り、絶対にそんな事させない。分かってるでしょう?』
黒アクア(さっさと出て行けばいいものを…死に損ないめ…)
アクア『ふふっ、私が消えたらあなたも存在できなくなるのに…生意気ね』
黒アクア(黙りなさい。いつか絶対切り離してやる…)
アクア『出来るもんならやってみなさい…時間はないわよ…?…あら、もう眠く…zzz』
黒アクア「…」
黒アクア(すでに手は打ってあるわ…今度こそセイコウさせる…どんな手段を使ってでも必ず…成し遂げないと…)
黒アクア(でも何だか胸騒ぎがする…カムイに何かあったのかしら?一応行ってみないと)
299: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:35:27.79 ID:41FTfD0QO
その頃のヒノカ
ヒノカの部屋
ヒノカ「ふう、いいランニングだった…冷えたお茶は…」ガチャ
※冷蔵庫は備え付け
ヒノカ「ないな…切らしてたか」ゴソゴソ
ベルカ「はい」
ヒノカ「ん、悪いな」ゴクゴク
ヒノカ「ってうわああああああ!!!」
ベルカ「何、xxx魔でも見るような目で」
ヒノカ「な、何しにここに来た…」ガタガタ
ベルカ「別に。カムイ様の天敵は今の所あなただけだから。あなたを見張ることがカムイ様の安全に直結する」
ヒノカ「へんなことしないよ、な…?」ガタガタ
ベルカ「…必要がなければ」
ヒノカ「そ、そうか…まあ座れ」ホッ
ヒノカ(くそっ…こいつさえいなければ…大体何で母上はこんな従者まで連れてきたんだ?無限渓谷にほっぽり出しておけばよかったのに…)
ベルカ「随分殺風景な部屋ね」
ヒノカ「う、うむ。朝鍛錬昼鍛錬夜も鍛錬で、ここにはほぼ寝に来るだけだからな。お前はどうなんだ?」
ベルカ「…同僚のガラクタにテリトリーを侵食されてる」
ヒノカ「そうか。相部屋は大変なのだな…だがこんなことを話しに来たわけではなかろうよ」
ベルカ「…なぜ、あなたはここまでカムイ様にこだわるの?」
300: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:35:57.09 ID:41FTfD0QO
ヒノカ「お前に言う義理はない」
ベルカ「…」ギロ
ヒノカ「ヒイッ…言うよ、言うからそんな目で見るな…ゴホン、あれはカムイが暗夜に連れ去られた日のことだった…」
ヒノカ「そして私は、槍を回して飛ぶことが出来るようになったんだ。一応天馬の訓練もやったがな」
ベルカ「…ふざけてるの?」
ヒノカ「大真面目だ。やって見せようか?」
外
ヒノカ「では、危ないから下がっていてくれ」
ヒノカ「そうだ。もっとだ」
ヒノカ「よし…それでいい…今だ!」ダッ
ヒノカ「待ってろカムイィィィィ!今行くぞおおお!!!」ダダダダダッ
ベルカ「捕まえた」
ヒノカ「くっ、早いっ…離せっ!!むごっ…」
ベルカ「ダメ。あなたは徹底的に 教するしかないみたいだから」ズルズル
301: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:37:02.17 ID:41FTfD0QO
再びヒノカの部屋
ベルカ「ここなら誰も来ない…ゆっくり楽しめる…」
ヒノカ「~!!」ジタバタ
ベルカ「うるさい…痛い目にあいたいの?」
ヒノカ「…」
ベルカ「悪いようにはしないから…ほら、力、抜きなさい」
ヒノカ「~!!!」ジタバタ
ベルカ「しょうがないわね…」ゴソゴソ
ヒノカ(…ビニール袋と輪ゴム?一体何を…)
ベルカ「罰よ。あなたが悪いんだから」
ヒノカ(ま、まさか)
ベルカ「海の底に…いってらっしゃい」パチン
ヒノカ(ビニールが顔に…息が…でき…な………)
『ははっ、カムイ、こっちだ!』
『あはははっ、待ってくださいよーう!』
『姉さん…何ですか?こんな所に呼び出して…』
『カムイ…私は…お前の事が…』
『姉さんたち!ご飯ですよ!』
『あら残念。続きは後でいいですか?』
『あ、待って…』
『…』
『ヒノカ、大変です!カムイが!』
『何ですか?母上』
『カムイが暗夜に誘拐されて…あなたの父上が…スメラギが…』
『そんな…馬鹿な…嘘だ…』
ヒノカ「ぶはあっ!」
ベルカ「どうだった?海の底は」
302: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:40:52.98 ID:41FTfD0QO
ヒノカ「はあっ…はあっ…」
ベルカ「…」
ヒノカ「はあっ…あまり…愉快なものじゃなかったな…」
ベルカ「次はもっと長く行ってもらう。長く、ふかあく、帰ってこられないかもしれないぐらい」
ヒノカ「やめろ…頼むから…」
ベルカ「別に、洗脳が 的なものである必要はない。今の拷問を続けても…人の精神は簡単に崩壊し、何でも言うことを聞くようになる」
ヒノカ「そんな…やめろ…」
ベルカ「悪いわね。カミラ様の命令は絶対だから。カムイ様につく悪い虫を、潰せって」
ベルカ「軽口を叩けるようならまだまだ。もう一回行ってもらう」パチン
303: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:41:26.04 ID:41FTfD0QO
『サクラ…そんなに泣くんじゃない。身体にもドクだ』
『でもっ…ひぐっ…ヒノカ姉様だって…』
『…うるさい…私だって辛いんだ…』
『ん?しばらく見ないと思ったら…』
『…』ピコピコ
『大概にしろよ。たまには外に出るんだ』
『…』ブンッ ! ビュンッ!
『この槍で…私は…』
『今度こそカムイを…守ってみせる…!』
『…?どうした、そんな思いつめた顔をして』
『…ヒノカ、悪いわね…』
『ハハッ、何だいアク…ア…』ドサッ
『ユーラリルールレリー…あなたも、本当はこれを望んでいたんじゃなくて?せいぜい楽しむことね…』
『やめろ…私の中に…入るなっ…!!』
ヒノカ「ゲホッゲホッ…ゼイ…ゼイ…」
ベルカ「どう?言うことを聞く気になった?」
ヒノカ「いいや…」
ベルカ「そう。効果が薄いなら…やっぱり洗脳 辱に切り替えようかしら」
ヒノカ「待ってくれ、思い出したんだ…」
304: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 18:42:24.29 ID:41FTfD0QO
ヒノカ「もう、カムイに手を出すことはしない。約束する」
ベルカ「…本当に?嘘はついていない?」グイッ
ヒノカ「…もちろんだ」
ベルカ「…じゃあもういい。あなたの目は嘘を付いてるようには見えない。何を思い出したのか知らないけど、幸運だったわね」
ヒノカ「分かってくれたか。では早くこの縄を…」
ベルカ「それは出来ない。悪いけど」
ヒノカ「なぜだ?」
ベルカ「拷問されてる時のあなたのカオ…すごく煽情的だった…ゾクゾクする」
ヒノカ「え」
ベルカ「冗談よ。ほら」バラッ
ヒノカ「そ、そうか…半分本気に見えたが…」
ベルカ「もし、誰かに言ったり、約束を破ったりしたら…」
ヒノカ「言わないさ。それより何だか外が騒がしい。一緒に来てくれるか?」
ベルカ「…」タタタッ
ヒノカ「気の早いやつ…いい家臣かどうかは分からんが、行動力があるのは確かだな」
セツナ「じーっ…」
ヒノカ「セツナ…天井裏から見ていたなら、助けてくれても良かったじゃないか」
セツナ「楽しそうだったから…」
ヒノカ「楽しくなかった!どう見ても拷問されてただろうが!!」
セツナ「今度やってみたい…」
ヒノカ「今やってやろうか!?え!?
…というかどうして今日に限って罠にかかってないんだ?」
セツナ「ヒノカ様が野獣化したから。冴えてる方のセツナが出てきたんです…」
ヒノカ「…?」
セツナ「カムイ様が危ない。早く行きましょう…」タタタッ
ヒノカ「う、うむ」タタタッ
ヒノカ(アクア…何が目的なんだ?)
305: ◆r9UtvwUCQI 2016/08/27(土) 21:39:28.98 ID:VMtrJwPCO
脇道の方
『ということで、リスクを恐れずに積極的にアタックしてみるのが得策である』
「…」
どの方面でも突撃戦法しかとらないのは国風か何かなのかもしれない。
『まあ今まで本書で述べたのは主に方針や概念などの大まかなものであり、直接恋愛に役立つものではなかった。そこで、気になる詳細なテクニック等は…』
(…等は…?)ドキドキ
『2巻に続く!』
『ということで、リスクを恐れずに積極的にアタックしてみるのが得策である』
「…」
どの方面でも突撃戦法しかとらないのは国風か何かなのかもしれない。
『まあ今まで本書で述べたのは主に方針や概念などの大まかなものであり、直接恋愛に役立つものではなかった。そこで、気になる詳細なテクニック等は…』
(…等は…?)ドキドキ
『2巻に続く!』
306: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 21:40:02.88 ID:VMtrJwPCO
ベルカ「あの本はあなたにとって大事なものだったはず。普通は大事な本を窓から投げ捨てたりはしない」
「いいのよ、もう読んだから」
ベルカ「そういう問題でもない」
「人にはね、本を4階の窓から投げ捨てたくなる時ってのがたまに来るのよ」
ベルカ「…それは故郷の風習か何か?」
「個人的なものよ。それより外に行ってくるから、欲しいものとかある?買ってきたげるけど」
ベルカ「アイス」
「あんたが甘いモノ欲しがるなんて、めずらしいわね」
ベルカ「食欲が無い時に熱量を効果的に採るにはこれが一番いい」
「ふーん、行ってきまーす。ちゃんと寝てなさいよ」ガチャ バタン
307: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/27(土) 21:40:32.86 ID:VMtrJwPCO
中庭に落ちていた本を拾い上げ、近くに気絶して倒れていたハロルドに一瞥をくれてからその場を離れる。今日は晴れだから風邪をひく心配も無さそうだし。
近くの本屋に向かう。1巻は途中でひっちゃぶってくずかごに捨てる。
本屋
(純文学…雑誌…魔道書…攻略本…おっ)
なぜか攻略本のコーナーに平積みになっている『恋愛必勝法part2』を発見する。ついでに3~5もカゴに入れた。
シャーロッテ「らっしゃーい」
シャーロッテ「あ、ルーナじゃん。元気してた?」
「元気よ。てか何であんたがこんな所にいんのよ。どっかの地方に左遷されたんじゃなかったっけ」
シャーロッテ「白夜の方でもインフル大流行しててね、仕事が無いんだわ。だって来る敵いないんだもん。で、休暇取って帰省ついでにアルバイトしてる訳」ボリボリ
シャーロッテ「あと左遷のことは言うな!結構気にしてんだから」フッ
「昔は天下のマークス隊だったのにね~、今じゃ辺境の警備隊…何やらかしたんだっけ?」
シャーロッテ「殴るぞ」
次回 【FEif】カムイ「強くてニューゲーム、ですか…」 後編
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